JP2021035148A - インバータ回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 両側スイッチング動作と片側スイッチング動作を実行することが可能とするとともに、モータの脈動を抑制する。【解決手段】 インバータ回路であって、高電位配線と、低電位配線と、第1出力配線、第2出力配線、及び、第3出力配線を備える出力配線と、第1スイッチング回路と、第2スイッチング回路と、第3スイッチング回路を備えている。前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路が共に交互スイッチング動作を実行する状態と、前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路が共に両側スイッチング動作を実行する状態とが、前記第1出力配線、前記第2出力配線、及び、前記第3出力配線に流れる各電流に基づいて切り換え可能とされている。【選択図】図1

Description

本明細書に開示の技術は、インバータ回路に関する。
特許文献1には、3つのスイッチング回路を備えるインバータ回路が開示されている。各スイッチング回路は、第1リアクトルと第2リアクトルを有している。第1リアクトルと第2リアクトルを介してモータに電流が供給される。各スイッチング回路は、スイッチング損失を低減する交互スイッチング動作(第1動作)と、定常損失を低減する両側スイッチング動作(第2動作)を行うことができる。各スイッチング回路は、対応する出力配線に流れる電流が小さいときは交互スイッチング動作を実行し、対応する出力配線に流れる電流が大きいときは両側スイッチング動作を実行する。
特開2019−057992号公報
特許文献1に開示のインバータ回路では、3つのスイッチング回路のうち、一部が交互スイッチング動作を行い、残りの一部が両側スイッチング動作を行う場合がある。この場合に、モータに供給される電流の振幅に相毎(三相交流電流の相毎)に差が生じ、モータが脈動する等の問題が生じる。このように相毎に電流の振幅に差が生じることについて、以下に詳細に説明する。
図24に示すように、インバータ回路は、高電位配線520、低電位配線522、3つのスイッチング回路501〜503、及び、3つの出力配線511〜513を有している。出力配線511〜513は、モータ524に接続されている。スイッチング回路501は、高電位配線520、低電位配線522、及び、出力配線511に接続されている。スイッチング回路501が内部のスイッチング素子を動作させることで、出力配線511に流れる電流I511が変化する。スイッチング回路502は、高電位配線520、低電位配線522、及び、出力配線512に接続されている。スイッチング回路502が内部のスイッチング素子を動作させることで、出力配線512に流れる電流I512が変化する。スイッチング回路503は、高電位配線520、低電位配線522、及び、出力配線513に接続されている。スイッチング回路503が内部のスイッチング素子を動作させることで、出力配線513に流れる電流I513が変化する。
スイッチング回路501は、第1下側スイッチング素子541、第2下側スイッチング素子542、第1上側スイッチング素子551、第2上側スイッチング素子552、第1下側ダイオード561、第2下側ダイオード562、第1上側ダイオード571、第2上側ダイオード572、第1リアクトル581、及び、第2リアクトル582を有している。第1上側スイッチング素子551と第1下側スイッチング素子541は、高電位配線520と低電位配線522の間に直列に接続されている。第2上側スイッチング素子552と第2下側スイッチング素子542は、高電位配線520と低電位配線522の間に直列に接続されている。ダイオード561、562、571、572は、対応するスイッチング素子に対して逆並列に接続されている。第1リアクトル581は、コイルにより構成されている。第1リアクトル581の一端は、第1上側スイッチング素子551と第1下側スイッチング素子541の中点に接続されている。第1リアクトル581の他端は、モータ524に接続されている。第2リアクトル582は、コイルにより構成されている。第2リアクトル582の一端は、第2上側スイッチング素子552と第2下側スイッチング素子542の中点に接続されている。第2リアクトル582の他端は、モータ524に接続されている。スイッチング回路501は、出力配線511に流れる電流I511を制御する。スイッチング回路502、503も、スイッチング回路501と略同じ構造を有している。
図25は、電流I511〜I513の変化を示している。図25に示すように、電流I511〜I513は、互いに120°位相がずれた交流電流である。電流I511〜I513によって、三相交流電流が構成されている。三相交流電流がモータ524に供給されることで、モータ524が駆動する。
上述したように、特許文献1のインバータ回路の各スイッチング回路は、対応する出力配線の電流(すなわち、電流I511〜I513)に応じて、交互スイッチング動作と両側スイッチング動作を実行する。図25の閾値I500は、交互スイッチング動作と両側スイッチング動作を切り換える閾値を示している。各スイッチング回路501〜503は、対応する電流I511〜I513の絶対値が閾値I500よりも小さい場合に交互スイッチング動作を実行し、対応する電流I511〜I513の絶対値が閾値I500よりも大きい場合に両側スイッチング動作を実行する。このように、スイッチング回路501〜503のそれぞれが、対応する出力配線の電流に応じて個別に交互スイッチング動作と両側スイッチング動作を行うので、交互スイッチング動作と両側スイッチング動作が混在して実行されることになる。例えば、図25の期間T500では、電流I511の絶対値が閾値I500よりも大きく、電流I512の絶対値が閾値I500よりも小さく、電流I513の絶対値が閾値500よりも大きい。このため、期間T500では、スイッチング回路502が交互スイッチング動作を実行する一方で、スイッチング回路501、503が両側スイッチング動作を実行する。このように、特許文献1のインバータ回路では、異なるスイッチング回路で交互スイッチング動作と両側スイッチング動作が同時に実行される場合がある。
図26は、図25の期間T500におけるスイッチング回路501の動作状態を示している。期間T500では、スイッチング回路501は両側スイッチング動作を実行しており、電流I511はマイナスである(すなわち、電流I511がモータ524からスイッチング回路501へ向かって流れている。)。電流I511がマイナスの場合の両側スイッチング動作では、図26に示すように、下側スイッチング素子541、542が同時にオンオフする。下側スイッチング素子541、542が共にオンしている場合には、図26の矢印600に示すように電流I511が下側スイッチング素子541、542を介して低電位配線522へ流れる。下側スイッチング素子541、542が共にオフしている場合には、図26の矢印602に示すように電流I511が上側ダイオード571、572を介して高電位配線520へ流れる。この動作状態では、図27に示すように、下側スイッチング素子541、542がオンする期間に、出力配線511の電位V511が低電位となる。
図28は、図25の期間T500におけるスイッチング回路502の動作状態を示している。期間T500では、スイッチング回路502は交互スイッチング動作を実行しており、電流I512はマイナスである(すなわち、電流I512がモータ524からスイッチング回路502へ向かって流れている。)。電流I512がマイナスの場合の交互スイッチング動作では、図28に示すように、第1下側スイッチング素子541と第2下側スイッチング素子542が交互にオンする。第1下側スイッチング素子541がオンしている場合には、図28の矢印610に示すように、電流I512が第1下側スイッチング素子541を介して低電位配線522へ流れる。その後、第1下側スイッチング素子541がオフすると、矢印612に示すように、電流I512が第1上側ダイオード571を介して高電位配線520へ流れる。その後、第2下側スイッチング素子542がオンすると、矢印614に示すように、電流I512が第2下側ダイオード562を介して低電位配線522へ流れる。その後、第2下側ダイオード562がオフすると、矢印616に示すように、電流I512が第2上側ダイオード572を介して高電位配線520へ流れる。この動作状態では、図27に示すように、第1下側スイッチング素子541がオンする期間に、出力配線512の電位V512が低電位となる。但し、この場合、第1下側スイッチング素子541がオンするタイミングt541から微小時間Δt500だけ遅れて出力配線512の電位V512が低下する。その理由は、以下のとおりである。第1下側スイッチング素子541がオンする場合には、電流経路が、図28の矢印616に示す経路から矢印610に示す経路に切り換わる。この場合、第1リアクトル581で電流が急増するとともに第2リアクトル582で電流が急減するので、リアクトル581、582の誘導起電力の影響によって、電流経路の変化に時間がかかる。このため、出力配線512の電位が低下するまでに時間がかかる。その結果、図27に示すように、第1下側スイッチング素子541がオンするタイミングt541から微小時間Δt500だけ遅れて出力配線512の電位V512が低下する。
以上に説明したように、両側スイッチング動作では、下側スイッチング素子541、542がオンするタイミングと略同時に出力配線の電位が低下するのに対し、交互スイッチング動作では、第1下側スイッチング素子541がオンするタイミングから遅れて出力配線の電位が低下する。このため、両側スイッチング動作を行っているスイッチング回路の出力配線と、交互スイッチング動作を行っているスイッチング回路の出力配線の間で、電位の変化タイミングにずれが生じる。このように、両側スイッチング動作と片側スイッチング動作が混在して実行されると、各出力配線の電位の変化タイミングにずれが生じる。その結果、図29に示すように、電流I511〜513の振幅が不安定となり、モータ524が脈動するという問題が生じる。
本明細書では、両側スイッチング動作と片側スイッチング動作を実行することが可能であるとともに、モータの脈動を抑制することが可能なインバータ回路を提案する。
本明細書が開示する第1のインバータ回路は、高電位配線と、低電位配線と、第1〜第3出力配線を備える出力配線と、第1スイッチング回路と、第2スイッチング回路と、第3スイッチング回路、を備えている。前記第1出力配線、前記第2出力配線、及び、前記第3出力配線がモータに接続される。前記第1スイッチング回路が、前記高電位配線と前記低電位配線と前記第1出力配線に接続されている。前記第2スイッチング回路が、前記高電位配線と前記低電位配線と前記第2出力配線に接続されている。前記第3スイッチング回路が、前記高電位配線と前記低電位配線と前記第3出力配線に接続されている。前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路のそれぞれが、エミッタが前記低電位配線に接続されている第1下側スイッチング素子と、エミッタが前記第1下側スイッチング素子のコレクタに接続されているとともにコレクタが前記高電位配線に接続されている第1上側スイッチング素子と、エミッタが前記低電位配線に接続されている第2下側スイッチング素子と、エミッタが前記第2下側スイッチング素子のコレクタに接続されているとともにコレクタが前記高電位配線に接続されている第2上側スイッチング素子と、アノードが前記第1下側スイッチング素子の前記エミッタに接続されているとともにカソードが前記第1下側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第1下側ダイオードと、アノードが前記第1上側スイッチング素子の前記エミッタに接続されているとともにカソードが前記第1上側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第1上側ダイオードと、アノードが前記第2下側スイッチング素子の前記エミッタに接続されているとともにカソードが前記第2下側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第2下側ダイオードと、アノードが前記第2上側スイッチング素子の前記エミッタに接続されているとともにカソードが前記第2上側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第2上側ダイオードと、一端が対応する前記出力配線に接続されているとともに他端が前記第1下側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第1リアクトルと、一端が対応する前記出力配線に接続されているとともに他端が前記第2下側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第2リアクトル、を備えている。前記インバータ回路が、第1オン期間と第1オフ期間と第2オン期間と第2オフ期間がこの順序で繰り返されるように制御される。前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路が共に交互スイッチング動作を実行する状態と、前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路が共に両側スイッチング動作を実行する状態とが、前記第1出力配線、前記第2出力配線、及び、前記第3出力配線に流れる各電流に基づいて切り換え可能とされている。前記交互スイッチング動作では、前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路は、前記第1オン期間において第1オン状態となり、前記第1オフ期間においてオフ状態となり、前記第2オン期間において第2オン状態となり、前記第2オフ期間において前記オフ状態となる。前記両側スイッチング動作では、前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路は、前記第1オン期間において第3オン状態となり、前記第1オフ期間において前記オフ状態となり、前記第2オン期間において第3オン状態となり、前記第2オフ期間において前記オフ状態となる。前記第1オン状態が、前記第1下側スイッチング素子がオンしているとともに前記第2下側スイッチング素子がオフしている状態である。前記オフ状態が、前記第1下側スイッチング素子と前記第2下側スイッチング素子がオフしている状態である。前記第2オン状態が、前記第2下側スイッチング素子がオンしているとともに前記第1下側スイッチング素子がオフしている状態である。前記第3オン状態が、前記第1下側スイッチング素子と前記第2下側スイッチング素子がオンしている状態である。
なお、本明細書において、スイッチング素子には、バイポーラ型(例えば、IGBT(insulated gate bipolar transistor))とユニポーラ型(例えば、FET(field effect transistor))が含まれる。ユニポーラ型では、コレクタがドレインと呼ばれる場合があり、エミッタがソースと呼ばれる場合がある。
このインバータ回路では、第1〜第3スイッチング回路が共に交互スイッチング動作を実行する状態と、第1〜第3スイッチング回路が共に両側スイッチング動作を実行する状態とが、第1〜第3出力配線に流れる各電流に基づいて切り換え可能とされている。この構成によれば、交互スイッチング動作と両側スイッチング動作が混在して実行されることがないので、モータの脈動を抑制することができる。
本明細書が開示する第2のインバータ回路は、高電位配線と、低電位配線と、第1出力配線、第2出力配線、及び、第3出力配線を備える出力配線と、第1スイッチング回路と、第2スイッチング回路と、第3スイッチング回路、を備えている。前記第1出力配線、前記第2出力配線、及び、前記第3出力配線がモータに接続される。前記第1スイッチング回路が、前記高電位配線と前記低電位配線と前記第1出力配線に接続されている。前記第2スイッチング回路が、前記高電位配線と前記低電位配線と前記第2出力配線に接続されている。前記第3スイッチング回路が、前記高電位配線と前記低電位配線と前記第3出力配線に接続されている。前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路のそれぞれが、エミッタが前記低電位配線に接続されている第1下側スイッチング素子と、エミッタが前記第1下側スイッチング素子のコレクタに接続されているとともにコレクタが前記高電位配線に接続されている第1上側スイッチング素子と、エミッタが前記低電位配線に接続されている第2下側スイッチング素子と、エミッタが前記第2下側スイッチング素子のコレクタに接続されているとともにコレクタが前記高電位配線に接続されている第2上側スイッチング素子と、アノードが前記第1下側スイッチング素子の前記エミッタに接続されているとともにカソードが前記第1下側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第1下側ダイオードと、アノードが前記第1上側スイッチング素子の前記エミッタに接続されているとともにカソードが前記第1上側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第1上側ダイオードと、アノードが前記第2下側スイッチング素子の前記エミッタに接続されているとともにカソードが前記第2下側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第2下側ダイオードと、アノードが前記第2上側スイッチング素子の前記エミッタに接続されているとともにカソードが前記第2上側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第2上側ダイオードと、一端が対応する前記出力配線に接続されているとともに他端が前記第1下側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第1リアクトルと、一端が対応する前記出力配線に接続されているとともに他端が前記第2下側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第2リアクトル、を備えている。前記インバータ回路が、第1オン期間と第1オフ期間と第2オン期間と第2オフ期間がこの順序で繰り返されるように制御される。前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路のそれぞれが、対応する前記出力配線に流れる電流が基準値より小さい場合には交互スイッチング動作を実行し、対応する前記出力配線に流れる電流が前記基準値より大きい場合には両側スイッチング動作を実行する。前記交互スイッチング動作を実行している交互スイッチング回路は、前記第1オン期間において第1オン状態となり、前記第2オフ期間においてオフ状態となり、前記第2オン期間において第2オン状態となり、前記第2オフ期間において前記オフ状態となる。前記両側スイッチング動作を実行している両側スイッチング回路は、前記第1オン期間において第3オン状態となり、前記第2オフ期間において前記オフ状態となり、前記第2オン期間において第3オン状態となり、前記第2オフ期間において前記オフ状態となる。前記第1オン状態が、前記第1下側スイッチング素子がオンしているとともに前記第2下側スイッチング素子がオフしている状態である。前記オフ状態が、前記第1下側スイッチング素子と前記第2下側スイッチング素子がオフしている状態である。前記第2オン状態が、前記第2下側スイッチング素子がオンしているとともに前記第1下側スイッチング素子がオフしている状態である。前記第3オン状態が、前記第1下側スイッチング素子と前記第2下側スイッチング素子がオンしている状態である。前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路の中に前記交互スイッチング回路と前記両側スイッチング回路が混在している動作状態であって、前記第2オフ期間から前記第1オン期間に切り換わるときに、前記交互スイッチング回路の前記オフ状態から前記第1オン状態への切り換えが、前記両側スイッチング回路の前記オフ状態から前記第3オン状態への切り換えよりも基準時間だけ先に行われる。前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路の中に前記交互スイッチング回路と前記両側スイッチング回路が混在している動作状態であって、前記第1オフ期間から前記第2オン期間に切り換わるときに、前記交互スイッチング回路の前記オフ状態から前記第2オン状態への切り換えが、前記両側スイッチング回路の前記オフ状態から前記第3オン状態への切り換えよりも前記基準時間だけ先に行われる。
このインバータ回路では、各スイッチング回路が対応する出力配線に流れる電流に応じて交互スイッチング動作と両側スイッチング動作を行う。このため、交互スイッチング動作と両側スイッチング動作が混在して実行される。しかしながら、交互スイッチング回路のオフ状態から第1オン状態への切り換えが、両側スイッチング回路のオフ状態から第3オン状態への切り換えよりも基準時間だけ先に行われる。このため、図27の時間Δt500で例示したような出力配線の電位の変化タイミングのずれが抑制される。このため、交互スイッチング回路と両側スイッチング回路の間で、出力配線の電位の変化タイミングのずれが生じることが抑制される。このため、モータの脈動を抑制することができる。
インバータ回路の回路図。 逆方向時の両側スイッチング動作を示すグラフ。 逆方向時の両側スイッチング動作の電流経路を示す回路図。 順方向時の両側スイッチング動作を示すグラフ。 順方向時の両側スイッチング動作の電流経路を示す回路図。 逆方向時の交互スイッチング動作を示すグラフ。 逆方向時の交互スイッチング動作の電流経路を示す回路図。 順方向時の交互スイッチング動作を示すグラフ。 順方向時の交互スイッチング動作の電流経路を示す回路図。 三相交流電流を示すグラフ。 三相交流電流を示すグラフ。 実施例2のインバータ回路において、逆方向時の両側スイッチング動作と逆方向時の交互スイッチング動作のスイッチングタイミングを示すグラフ。 実施例2のインバータ回路において、順方向時の両側スイッチング動作と順方向時の交互スイッチング動作のスイッチングタイミングを示すグラフ。 逆方向時の両側スイッチング動作において時間差Δtaを示すグラフ。 逆方向時の交互スイッチング動作において時間差Δtbを示すグラフ。 順方向時の両側スイッチング動作において時間差Δtaを示すグラフ。 順方向時の交互スイッチング動作において時間差Δtbを示すグラフ。 変形例のリアクトルを示す図。 変形例のリアクトルを示す図。 逆方向時の両側スイッチング動作において時間差Δtaを示すグラフ。 逆方向時の交互スイッチング動作において時間差Δtbを示すグラフ。 順方向時の両側スイッチング動作において時間差Δtaを示すグラフ。 順方向時の交互スイッチング動作において時間差Δtbを示すグラフ。 インバータ回路の回路図。 三相交流電流を示すグラフ。 両側スイッチング動作の電流経路を示す回路図。 出力配線の電位の変化タイミングのずれを示すグラフ。 交互スイッチング動作の電流経路を示す回路図。 三相交流電流を示すグラフ。
(インバータ回路の構成)
図1は、実施例1のインバータ回路10を示している。インバータ回路10は、モータ24に三相交流電流を供給する。インバータ回路10は、高電位配線20、低電位配線22、第1出力配線11、第2出力配線12、第3出力配線13、第1スイッチング回路31、第2スイッチング回路32、及び、第3スイッチング回路33を備えている。低電位配線22と高電位配線20の間には、図示しない直流電源によって直流電圧が印加されている。第1スイッチング回路31は、高電位配線20と低電位配線22の間に接続されている。第1出力配線11は、第1スイッチング回路31とモータ24の間を接続している。第2スイッチング回路32は、高電位配線20と低電位配線22の間に接続されている。第2出力配線12は、第2スイッチング回路32とモータ24の間を接続している。第3スイッチング回路33は、高電位配線20と低電位配線22の間に接続されている。第3出力配線13は、第3スイッチング回路33とモータ24の間を接続している。各スイッチング回路31〜33の動作によって、三相交流電流が出力配線11〜13を介してモータ24に供給される。また、図示していないが、インバータ回路10は、出力配線11〜13に流れる電流I11〜13を検出する電流センサを備えている。
第1スイッチング回路31は、第1下側スイッチング素子41、第2下側スイッチング素子42、第1上側スイッチング素子51、及び、第2上側スイッチング素子52を有している。スイッチング素子41、42、51、52は、nチャネル型のスイッチング素子である。図1では、スイッチング素子41、42、51、52としてIGBTが示されているが、これらはFETであってもよい。第1下側スイッチング素子41のエミッタは、低電位配線22に接続されている。第1上側スイッチング素子51のエミッタは、第1下側スイッチング素子41のコレクタに接続されている。第1上側スイッチング素子51のコレクタは、高電位配線20に接続されている。第2下側スイッチング素子42のエミッタは、低電位配線22に接続されている。第2上側スイッチング素子52のエミッタは、第2下側スイッチング素子42のコレクタに接続されている。第2上側スイッチング素子52のコレクタは、高電位配線20に接続されている。図示していないが、各スイッチング素子41、42、51、52のゲートには、ゲート電位制御回路が接続されている。ゲート電位制御回路によって、各スイッチング素子41、42、51、52が制御される。
第1スイッチング回路31は、さらに、第1下側ダイオード61、第2下側ダイオード62、第1上側ダイオード71、第2上側ダイオード72、第1リアクトル81、及び、第2リアクトル82を有している。第1下側ダイオード61のアノードは、第1下側スイッチング素子41のエミッタに接続されている。第1下側ダイオード61のカソードは、第1下側スイッチング素子41のコレクタに接続されている。第2下側ダイオード62のアノードは、第2下側スイッチング素子42のエミッタに接続されている。第2下側ダイオード62のカソードは、第2下側スイッチング素子42のコレクタに接続されている。第1上側ダイオード71のアノードは、第1上側スイッチング素子51のエミッタに接続されている。第1上側ダイオード71のカソードは、第1上側スイッチング素子51のコレクタに接続されている。第2上側ダイオード72のアノードは、第2上側スイッチング素子52のエミッタに接続されている。第2上側ダイオード72のカソードは、第2上側スイッチング素子52のコレクタに接続されている。第1リアクトル81の一端は、第1下側スイッチング素子41のコレクタ、及び、第1上側スイッチング素子51のエミッタに接続されている。第1リアクトル81の他端は、第1出力配線11に接続されている。第2リアクトル82の一端は、第2下側スイッチング素子42のコレクタ、及び、第2上側スイッチング素子52のエミッタに接続されている。第2リアクトル82の他端は、第1出力配線11に接続されている。
第2スイッチング回路32と第3スイッチング回路33は、接続される出力配線が第1スイッチング回路31とは異なる点を除いて、第1スイッチング回路31と同じ構成を備えている。
以下に、スイッチング回路31〜33の動作について説明する。なお、スイッチング回路31〜33内における電流経路は、出力配線に順方向(スイッチング回路からモータ24に向かう向き)に電流が流れる場合と逆方向(モータ24からスイッチング回路に向かう向き)に電流が流れる場合で異なるので、順方向時と逆方向時のそれぞれについてスイッチング回路31〜33の動作を説明する。また、スイッチング回路31〜33は、両側スイッチング動作と交互スイッチング動作を実行する。したがって、以下では、両側スイッチング動作と交互スイッチング動作のそれぞれについて説明する。また、スイッチング回路31〜33の動作は略等しいので、以下では、第1スイッチング回路31の動作について説明する。
(逆方向時の両側スイッチング動作)
図2は、逆方向時の両側スイッチング動作における下側スイッチング素子41、42の動作状態と電位V11の変化を示している。また、図3は、逆方向時の両側スイッチング動作における第1スイッチング回路31内の電流経路を示している。図2に示すように、スイッチング回路は、4つの期間T1〜T4が繰り返すように制御される。逆方向時の両側スイッチング動作では、第1スイッチング回路31は、以下のように各スイッチング素子を制御する。まず、期間T1で下側スイッチング素子41、42をオン状態とする。次に、期間T2で下側スイッチング素子41、42をオフ状態とする。次に、期間T3で下側スイッチング素子41、42をオン状態とする。次に、期間T4で下側スイッチング素子41、42をオフ状態とする。なお、逆方向時の両側スイッチング動作では、上側スイッチング素子51、52は、高電位配線20と低電位配線22の間が短絡しなければ、どのように制御されてもよい。例えば、上側スイッチング素子51、52を常時オフにしておいてもよい。
逆方向時の両側スイッチング動作では、図3(a)に示すように、期間T1において、第1出力配線11から下側スイッチング素子41、42を介して低電位配線22へ電流I11が流れる。この状態では、電流I11が逆方向に流れ、電流I11の絶対値は増加する。また、この状態では、第1出力配線11が低電位配線22に接続されるので、図2に示すように第1出力配線11の電位V11は低い。その後、期間T2において下側スイッチング素子41、42がオフすると、電流I11が流れている方向にモータ24とリアクトル81、82の誘導起電力が働く。このとき、モータ24の誘導起電力によって、第1出力配線11の電位V11が上昇する。このため、図2に示すように、期間T2では電位V11が高い。期間T2では、誘導起電力が働くことで、図3(b)に示すように、上側ダイオード71、72がオンし、第1出力配線11から上側ダイオード71、72を介して高電位配線20へ電流I11が流れる。期間T2では、モータ24の誘導起電力の低下に伴って、電流I11の絶対値が減少する。期間T3では、期間T1と同様に電流I11が流れる。期間T4では、期間T2と同様に電流I11が流れる。このように、逆方向時の両側スイッチング動作では、期間T1、T3において電流I11の絶対値が増加し、期間T2、T4及において電流I11の絶対値が減少する。このように、下側スイッチング素子41、42がオン−オフすることで、電流I11の大きさが制御される。
逆方向時の両側スイッチング動作では、期間T2から期間T3に移るとき、及び、期間T4から期間T1に移るときに、第1出力配線11の電位V11が低下する。このとき、下側スイッチング素子41、42がオンするのと略同時に、電位V11が低下する。その理由は、下側スイッチング素子41、42がオンするとき(期間T2から期間T3に移るとき、及び、期間T4から期間T1に移るとき)に、リアクトル81、82に流れる電流の大きさがほとんど変化せず、リアクトル81、82で高い誘導起電力が生じないためである。
(順方向時の両側スイッチング動作)
図4は、順方向時の両側スイッチング動作における上側スイッチング素子51、52の動作状態と電位V11の変化を示している。また、図5は、順方向時の両側スイッチング動作における第1スイッチング回路31内の電流経路を示している。図4に示すように、順方向時の両側スイッチング動作では、第1スイッチング回路31は、以下のように各スイッチング素子を制御する。まず、期間T1で上側スイッチング素子51、52をオン状態とする。次に、期間T2で上側スイッチング素子51、52をオフ状態とする。次に、期間T3で上側スイッチング素子51、52をオン状態とする。次に、期間T4で上側スイッチング素子51、52をオフ状態とする。なお、順方向時の両側スイッチング動作では、下側スイッチング素子41、42は、高電位配線20と低電位配線22の間が短絡しなければ、どのように制御されてもよい。例えば、下側スイッチング素子41、42を常時オフにしておいてもよい。
順方向時の両側スイッチング動作では、図5(a)に示すように、期間T1において、高電位配線20から上側スイッチング素子51、52を介して第1出力配線11へ電流I11が流れる。この状態では、電流I11が順方向に流れ、電流I11の絶対値は増加する。また、この状態では、第1出力配線11が高電位配線20に接続されるので、図4に示すように第1出力配線11の電位V11は高い。その後、期間T2において上側スイッチング素子51、52がオフすると、電流I11が流れている方向にモータ24とリアクトル81、82の誘導起電力が働く。このとき、モータ24の誘導起電力によって、第1出力配線11の電位V11が低下する。このため、図4に示すように、期間T2では電位V11が低い。期間T2では、誘導起電力が働くことで、図5(b)に示すように、下側ダイオード61、62がオンし、低電位配線22から下側ダイオード61、62を介して第1出力配線11へ電流I11が流れる。期間T2では、モータ24の誘導起電力の低下に伴って、電流I11の絶対値が減少する。期間T3では、期間T1と同様に電流I11が流れる。期間T4では、期間T2と同様に電流I11が流れる。このように、順方向時の両側スイッチング動作では、期間T1、T3において電流I11の絶対値が増加し、期間T2、T4において電流I11の絶対値が減少する。このように上側スイッチング素子51、52がオン−オフすることで、電流I11の大きさが制御される。
順方向時の両側スイッチング動作では、期間T2から期間T3に移るとき、及び、期間T4から期間T1に移るときに、第1出力配線11の電位V11が上昇する。このとき、上側スイッチング素子51、52がオンするのと略同時に、電位V11が上昇する。その理由は、上側スイッチング素子51、52がオンするとき(期間T2から期間T3に移るとき、及び、期間T4から期間T1に移るとき)に、リアクトル81、82に流れる電流の大きさがほとんど変化せず、リアクトル81、82で高い誘導起電力が生じないためである。
上述した逆方向時及び順方向時の両側スイッチング動作では、電流が2つのスイッチング素子に分岐して流れるので、各スイッチング素子の内部での電流密度が低くなる。したがって、両側スイッチング動作では、定常損失が抑制される。
(逆方向時の交互スイッチング動作)
図6は、逆方向時の交互スイッチング動作における下側スイッチング素子41、42の動作状態と電位V11の変化を示している。また、図7は、逆方向時の交互スイッチング動作における第1スイッチング回路31内の電流経路を示している。図6に示すように、スイッチング回路は、4つの期間T1〜T4が繰り返すように制御される。逆方向時の交互スイッチング動作では、第1スイッチング回路31は、以下のように各スイッチング素子を制御する。まず、期間T1で第1下側スイッチング素子41をオン状態とするとともに第2下側スイッチング素子42をオフ状態とする。次に、期間T2で下側スイッチング素子41、42をオフ状態とする。次に、期間T3で第2下側スイッチング素子42をオン状態とするとともに第1下側スイッチング素子41をオフ状態とする。次に、期間T4で下側スイッチング素子41、42をオフ状態とする。なお、逆方向時の交互スイッチング動作では、上側スイッチング素子51、52は、高電位配線20と低電位配線22の間が短絡しなければ、どのように制御されてもよい。例えば、上側スイッチング素子51、52を常時オフにしておいてもよい。
逆方向時の交互スイッチング動作では、図7(a)に示すように、期間T1において、第1出力配線11から第1下側スイッチング素子41を介して低電位配線22へ向かう経路106で電流I11が流れる。この状態では、電流I11が逆方向に流れ、電流I11の絶対値は増加する。また、この状態では、第1出力配線11が低電位配線22に接続されるので、図6に示すように第1出力配線11の電位V11は低い。その後、期間T2において第1下側スイッチング素子41がオフすると、電流I11が流れている方向にモータ24と第1リアクトル81の誘導起電力が働く。このとき、モータ24の誘導起電力によって、第1出力配線11の電位V11が上昇する。このため、図6に示すように、期間T2では電位V11が高い。期間T2では、誘導起電力が働くことで、図7(b)に示すように、第1上側ダイオード71がオンし、第1出力配線11から第1上側ダイオード71を介して高電位配線20へ向かう経路100で電流I11が流れる。期間T2では、モータ24の誘導起電力の低下に伴って、電流I11の絶対値が減少する。その後、期間T3において第2下側スイッチング素子42がオンすると、図7(c)に示すように、第1出力配線11から第2下側スイッチング素子42を介して低電位配線22へ向かう経路102で電流が流れ始める。それと同時に、第1出力配線11から第1上側ダイオード71を介して高電位配線20へ向かう経路100で流れる電流が減少する。第2下側スイッチング素子42がオンした後に、経路100の電流はゼロまで減少し、経路102の電流は所定値(期間T2における経路100の電流と略同じ値)まで増加する。このような経路100、102の電流の変化は、第2下側スイッチング素子42がオンした後一定の時間内に生じる。このように電流の変化に時間を要するのは、リアクトル81、82に流れる電流が大きく変化するためである。経路102の電流が安定した段階で、第1出力配線11の電位V11が低下する。このため、図6に示すように、第2下側スイッチング素子42がオンしたタイミングt42から微小時間Δtが経過した後に、電位V11が低下する。その後、期間T4において第2下側スイッチング素子42がオフすると、電流が流れている方向にモータ24と第2リアクトル82の誘導起電力が働く。このとき、モータ24の誘導起電力によって、第1出力配線11の電位V11が上昇する。このため、図6に示すように、期間T4では電位V11が高い。期間T4では、誘導起電力が働くことで、図7(d)に示すように、第2上側ダイオード72がオンし、第1出力配線11から第2上側ダイオード72を介して高電位配線20へ向かう経路104で電流I11が流れる。期間T4では、モータ24の誘導起電力の低下に伴って、電流I11の絶対値が減少する。その後、期間T1において第1下側スイッチング素子41がオンすると、第1出力配線11から第1下側スイッチング素子41を介して低電位配線22へ向かう経路106で電流が流れ始める。それと同時に、第1出力配線11から第2上側ダイオード72を介して高電位配線20へ向かう経路104で流れる電流が減少する。第1下側スイッチング素子41がオンした後に、経路104の電流はゼロまで減少し、経路106の電流は所定値(期間T4における経路104の電流と略同じ値)まで増加する。このような経路104、106の電流の変化は、第1下側スイッチング素子41がオンした後一定の時間内に生じる。このように電流の変化に時間を要するのは、リアクトル81、82に流れる電流が大きく変化するためである。経路106の電流が安定した段階で、第1出力配線11の電位V11が低下する。このため、図6に示すように、第1下側スイッチング素子41がオンしたタイミングt41から微小時間Δtが経過した後に、電位V11が低下する。このように、逆方向時の交互スイッチング動作では、期間T1、T3において電流I11が増加し、期間T2、T4において電流I11が減少する。このように第1スイッチング回路31が動作することで、電流I11の大きさが制御される。
(順方向時の交互スイッチング動作)
図8は、順方向時の交互スイッチング動作における上側スイッチング素子51、52の動作状態と電位V11の変化を示している。また、図9は、順方向時の交互スイッチング動作における第1スイッチング回路31内の電流経路を示している。図8に示すように、スイッチング回路は、4つの期間T1〜T4が繰り返すように制御される。順方向時の交互スイッチング動作では、第1スイッチング回路31は、以下のように各スイッチング素子を制御する。まず、期間T1で第1上側スイッチング素子51をオン状態とするとともに第2上側スイッチング素子52をオフ状態とする。次に、期間T2で上側スイッチング素子51、52をオフ状態とする。次に、期間T3で第2上側スイッチング素子52をオン状態とするとともに第1上側スイッチング素子51をオフ状態とする。次に、期間T4で上側スイッチング素子51、52をオフ状態とする。なお、順方向時の交互スイッチング動作では、下側スイッチング素子41、42は、高電位配線20と低電位配線22の間が短絡しなければ、どのように制御されてもよい。例えば、下側スイッチング素子41、42を常時オフにしておいてもよい。
順方向時の交互スイッチング動作では、図9(a)に示すように、期間T1において、高電位配線20から第1上側スイッチング素子51を介して第1出力配線11へ向かう経路116で電流I11が流れる。この状態では、電流I11が順方向に流れ、電流I11の絶対値は増加する。また、この状態では、第1出力配線11が高電位配線20に接続されるので、図8に示すように第1出力配線11の電位V11は高い。その後、期間T2において第1上側スイッチング素子51がオフすると、電流I11が流れている方向にモータ24と第1リアクトル81の誘導起電力が働く。このとき、モータ24の誘導起電力によって、第1出力配線11の電位V11が低下する。このため、図8に示すように、期間T2では電位V11が高い。期間T2では、誘導起電力が働くことで、図9(b)に示すように、第1下側ダイオード61がオンし、低電位配線22から第1下側ダイオード61を介して第1出力配線11へ向かう経路110で電流I11が流れる。その後、期間T3において第2上側スイッチング素子52がオンすると、図9(c)に示すように、高電位配線20から第2上側スイッチング素子52を介して第1出力配線11へ向かう経路112で電流が流れ始める。それと同時に、低電位配線22から第1下側ダイオード61を介して第1出力配線11へ向かう経路110で流れる電流が減少する。第2上側スイッチング素子52がオンした後に、経路110の電流はゼロまで減少し、経路112の電流は所定値(期間T2における経路110の電流と略同じ値)まで増加する。このような経路110、112の電流の変化は、第2上側スイッチング素子52がオンした後一定の時間内に生じる。このように電流の変化に時間を要するのは、リアクトル81、82に流れる電流が大きく変化するためである。経路112の電流が安定した段階で、第1出力配線11の電位V11が上昇する。このため、図8に示すように、第2上側スイッチング素子52がオンしたタイミングt52から微小時間Δtが経過した後に、電位V11が上昇する。その後、期間T4において第2上側スイッチング素子52がオフすると、電流が流れている方向にモータ24と第2リアクトル82の誘導起電力が働く。このとき、モータ24の誘導起電力によって、第1出力配線11の電位V11が低下する。このため、図8に示すように、期間T4では電位V11が低い。期間T4では、誘導起電力が働くことで、図9(d)に示すように、第2下側ダイオード62がオンし、低電位配線22から第2下側ダイオード62を介して第1出力配線11へ向かう経路114で電流I11が流れる。期間T4では、モータ24の誘導起電力の低下に伴って、電流I11の絶対値が減少する。その後、期間T1において第1上側スイッチング素子51がオンすると、高電位配線20から第1上側スイッチング素子51を介して第1出力配線11へ向かう経路116で電流が流れ始める。それと同時に、低電位配線22から第2下側ダイオード62を介して第1出力配線11へ向かう経路114で流れる電流が減少する。第1上側スイッチング素子51がオンした後に、経路114の電流はゼロまで減少し、経路116の電流は所定値(期間T4における経路114の電流と略同じ値)まで増加する。このような経路114、116の電流の変化は、第1上側スイッチング素子51がオンした後一定の時間内に生じる。このように電流の変化に時間を要するのは、リアクトル81、82に流れる電流が大きく変化するためである。経路116の電流が安定した段階で、第1出力配線11の電位V11が上昇する。このため、図8に示すように、第1上側スイッチング素子51がオンしたタイミングt51から微小時間Δtが経過した後に、電位V11が上昇する。このように、順方向時の交互スイッチング動作では、期間T1、T3において電流I11が増加し、期間T2、T4において電流I11が減少する。このように第1スイッチング回路31が動作することで、電流I11の大きさが制御される。
スイッチング回路31〜33の間で、両側スイッチング動作と交互スイッチング動作が同時に行われると、出力配線11〜13の電位の変化タイミングにずれが生じる。
例えば、第1スイッチング回路31で図2に示す逆方向時の両側スイッチング動作が行われ、これに同期して第2スイッチング回路32で図6に示す逆方向時の交互スイッチング動作が行われる場合を考える。この場合、両側スイッチング動作を行う第1スイッチング回路31では、期間T1の開始タイミングと略同時に第1出力配線11の電位V11が低下する。他方、交互スイッチング動作を行う第2スイッチング回路32では、期間T1の開始タイミングから微小時間Δtだけ遅れたタイミングで第2出力配線12の電位V12が低下する。このため、電位V11と電位V12の低下タイミングに差が生じる。同様にして、期間T3の開始時にも、電位V11と電位V12の低下タイミングに差が生じる。
また、例えば、第1スイッチング回路31で図4に示す順方向時の両側スイッチング動作が行われ、これに同期して第2スイッチング回路32で図8に示す順方向時の交互スイッチング動作が行われる場合を考える。この場合、両側スイッチング動作を行う第1スイッチング回路31では、期間T1の開始タイミングと略同時に第1出力配線11の電位V11が上昇する。他方、交互スイッチング動作を行う第2スイッチング回路32では、期間T1の開始タイミングから微小時間Δtだけ遅れたタイミングで第2出力配線12の電位V12が上昇する。このため、電位V11と電位V12の上昇タイミングに差が生じる。同様にして、期間T3の開始時にも、電位V11と電位V12の上昇タイミングに差が生じる。
上記のように、出力配線11〜13の間で電位の変化タイミングにずれが生じると、図29のように各出力配線に流れる電流の振幅が不安定となり、モータ24が脈動する。これに対し、実施例1のインバータ回路10は、モータ24の脈動を抑制するために、以下の構成を有している。
上述したように、インバータ回路10は、出力配線11〜13の電流I11〜I13を検出する電流センサを備えている。インバータ回路10は、図10のように電流I11〜I13のいずれもが閾値Ithより小さい場合には、スイッチング回路31〜33のすべてに交互スイッチング動作を実行させる。スイッチング回路31〜33のすべてが交互スイッチング動作を実行すると、出力配線11〜13の電位の変化タイミングにほとんど差は生じない。これによって、電流I11〜I13の振幅が安定し、モータの脈動が抑制される。また、スイッチング損失が支配的となる低電流時には、交互スイッチング動作によってインバータ回路10で生じる損失を効果的に低減することができる。
また、インバータ回路10は、図11のように電流I11〜I13の少なくとも1つが閾値Itよりも大きい場合には、スイッチング回路31〜33のすべてに両側スイッチング動作を実行させる。スイッチング回路31〜33のすべてが両側スイッチング動作を実行すると、出力配線11〜13の電位の変化タイミングにほとんど差は生じない。これによって、電流I11〜I13の振幅が安定し、モータの脈動が抑制される。また、定常損失が支配的となる高電流時には、両側スイッチング動作によってインバータ回路10で生じる損失を効果的に低減することができる。
実施例2のインバータ回路も、実施例1と同様に、図1の構成を有している。実施例2のインバータ回路では、各スイッチング回路31〜33の動作方法が実施例1とは異なる。実施例2では、各スイッチング回路31〜33が、対応する出力配線11〜13の電流に応じて両側スイッチング動作と交互スイッチング動作を切り換えて実行する。すなわち、第1スイッチング回路31は第1出力配線11の電流I11が閾値Ithよりも大きいときに両側スイッチング動作を行い、電流I11が閾値Ithよりも小さいときに交互スイッチング動作を行う。第2スイッチング回路32は第2出力配線12の電流I12が閾値Ithよりも大きいときに両側スイッチング動作を行い、電流I12が閾値Ithよりも小さいときに交互スイッチング動作を行う。第3スイッチング回路33は第3出力配線13の電流I13が閾値Ithよりも大きいときに両側スイッチング動作を行い、電流I13が閾値Ithよりも小さいときに交互スイッチング動作を行う。このため、異なるスイッチング回路で、両側スイッチング動作と交互スイッチング動作が同時に行われる場合がある。しかしながら、実施例2では、以下の制御方法により、各出力配線11〜13の間の電位の変化タイミングのずれを抑制する。
図12は、第1スイッチング回路31が逆方向時の両側スイッチング動作を行い、第2スイッチング回路32が逆方向時の交互スイッチング動作を行う場合を示している。スイッチング回路31、32は、互いの期間T1〜T4を同期させて動作する。ここで、期間T1の開始時において、第2スイッチング回路32の第1下側スイッチング素子41が、第1スイッチング回路31の下側スイッチング素子41、42よりも基準時間txだけ先にオンするように、スイッチング回路31、32が制御される。これによって、期間T1の開始時に電位V12が低下するタイミングと電位V11が低下するタイミングのずれが抑制される。すなわち、図6を用いて説明したように、逆方向時の交互スイッチング動作では、第1下側スイッチング素子41がオンするタイミングから微小時間Δtだけ遅れて出力配線の電位が低下する。このため、図12のように、期間T1の開始時に、第2スイッチング回路32の第1下側スイッチング素子41を第1スイッチング回路31の下側スイッチング素子41、42よりも先にオンすることで、電位V12の低下タイミングと電位V11の低下タイミングのずれを抑制することができる。特に、基準時間txを図6に示す微小時間Δtと略同じ時間とすることで、電位V12の低下タイミングと電位V11の低下タイミングを略一致させることができる。このように、第1スイッチング回路31が逆方向時の両側スイッチング動作を行い、第2スイッチング回路32が逆方向時の交互スイッチング動作を行う場合には、電位V12が低下するタイミングと電位V11が低下するタイミングのずれが抑制される。同様にして、図12の期間T3の開始時には、第2スイッチング回路32の第2下側スイッチング素子42が、第1スイッチング回路31の下側スイッチング素子41、42よりも基準時間txだけ先にオンするように、スイッチング回路31、32が制御される。これによって、期間T3の開始時に電位V12が低下するタイミングと電位V11が低下するタイミングのずれが抑制される。
なお、第1スイッチング回路31が逆方向時の交互スイッチング動作を行い、第2スイッチング回路32が逆方向時の両側スイッチング動作を行う場合にも、交互スイッチング動作を行うスイッチング回路のスイッチング素子が、両側スイッチング動作を行うスイッチング回路のスイッチング素子よりも先にオンするように制御される。これによって、電位V12が低下するタイミングと電位V11が低下するタイミングのずれが抑制される。また、第1スイッチング回路31と第3スイッチング回路33の間、及び、第2スイッチング回路32と第3スイッチング回路33の間でも、交互スイッチング動作を行うスイッチング回路のスイッチング素子が、両側スイッチング動作を行うスイッチング回路のスイッチング素子よりも先にオンするように制御されることで、各出力配線の電位の低下タイミングのずれが抑制される。
また、図13は、第1スイッチング回路31が順方向時の両側スイッチング動作を行い、第2スイッチング回路32が順方向時の交互スイッチング動作を行う場合を示している。スイッチング回路31、32は、互いの期間T1〜T4を同期させて動作する。ここで、期間T1の開始時において、第2スイッチング回路32の第1上側スイッチング素子51が、第1スイッチング回路31の上側スイッチング素子51、52よりも基準時間txだけ先にオンするように、スイッチング回路31、32が制御される。これによって、期間T1の開始時に電位V12が上昇するタイミングと電位V11が上昇するタイミングのずれが抑制される。すなわち、図8を用いて説明したように、順方向時の交互スイッチング動作では、第1上側スイッチング素子51がオンするタイミングから微小時間Δtだけ遅れて出力配線の電位が上昇する。このため、図13のように、期間T1の開始時に、第2スイッチング回路32の第1上側スイッチング素子51を第1スイッチング回路31の上側スイッチング素子51、52よりも先にオンすることで、電位V12の上昇タイミングと電位V11の上昇タイミングのずれを抑制することができる。特に、基準時間txを図8に示す微小時間Δtと略同じ時間とすることで、電位V12の上昇タイミングと電位V11の上昇タイミングを略一致させることができる。このように、第1スイッチング回路31が順方向時の両側スイッチング動作を行い、第2スイッチング回路32が順方向時の交互スイッチング動作を行う場合には、電位V12が上昇するタイミングと電位V11が上昇するタイミングのずれが抑制される。同様にして、図13の期間T3の開始時には、第2スイッチング回路32の第2上側スイッチング素子52が、第1スイッチング回路31の上側スイッチング素子51、52よりも基準時間txだけ先にオンするように、スイッチング回路31、32が制御される。これによって、期間T3の開始時に電位V12が上昇するタイミングと電位V11が上昇するタイミングのずれが抑制される。
なお、第1スイッチング回路31が順方向時の交互スイッチング動作を行い、第2スイッチング回路32が順方向時の両側スイッチング動作を行う場合にも、交互スイッチング動作を行うスイッチング回路のスイッチング素子が、両側スイッチング動作を行うスイッチング回路のスイッチング素子よりも先にオンするように制御される。これによって、電位V12が上昇するタイミングと電位V11が上昇するタイミングのずれが抑制される。また、第1スイッチング回路31と第3スイッチング回路33の間、及び、第2スイッチング回路32と第3スイッチング回路33の間でも、交互スイッチング動作を行うスイッチング回路のスイッチング素子が、両側スイッチング動作を行うスイッチング回路のスイッチング素子よりも先にオンするように制御されることで、各出力配線の電位の上昇タイミングのずれが抑制される。
以上のとおり、実施例2によれば、両側スイッチング動作と交互スイッチング動作が混在する場合でも、出力配線11〜13の間で電位の変動タイミングのずれが生じることを抑制することができる。したがって、電流I11〜I13の振幅が安定し、モータの脈動を抑制することができる。また、実施例2では、スイッチング回路31〜33が独立して両側スイッチング動作と交互スイッチング動作を選択するので、インバータ回路10で生じる損失をより効果的に抑制することができる。
なお、上記微小時間Δtは、以下のように測定することができる。逆方向時の微小時間Δtを測定する際には、まず、各スイッチング回路を両側スイッチング動作させて、下側スイッチング素子がオンしてから出力配線の電位が低下するまでの時間差Δtaを測定する。例えば、第1スイッチング回路31の場合、下側スイッチング素子41(または、42)がオンしてから電位V11が低下するまでの時間差Δta(図2参照)を測定する。通常は、時間差Δtaは、略ゼロ秒となる。次に、各スイッチング回路を交互スイッチング動作させて、下側スイッチング素子がオンしてから出力配線の電位が低下するまでの時間差Δtbを測定する。例えば、第1スイッチング回路31の場合、下側スイッチング素子41(または、42)がオンしてから電位V11が低下するまでの時間差Δtb(図6参照)を測定する。そして、時間差Δtaと時間差Δtbの差から、微小時間Δtを算出する(すなわち、Δt=tb−ta)。算出した微小時間Δtに合わせて上述した基準時間txを設定することで、出力配線の電位の低下タイミングのずれをほぼ無くすことができる。順方向時においても、同様にして、時間Δtを算出することができる。なお、時間Δtを測定する際には、モータのd軸に電流を流すことで、モータの回転を防止することができる。
なお、出力配線の電位を直接測定する素子を有さない場合には、各スイッチング素子のコレクタ−エミッタ間電圧や各スイッチング素子の電流を検出する信号(電流センスIGBTから得られる信号)に基づいて出力配線の電位の変化タイミングを特定することで、微小時間Δtを測定してもよい。例えば、図14、15に示すように、逆方向時には、両側スイッチング動作と片側スイッチング動作のいずれでも、上側スイッチング素子51のコレクタ−エミッタ間電圧Vce51と上側スイッチング素子52のコレクタ−エミッタ間電圧Vce52が、出力配線の電位(例えば、第1スイッチング回路31の場合は電位V11)に連動して変化する。したがって、コレクタ−エミッタ間電圧Vce51、Vve52に基づいて微小時間Δtを測定してもよい。同様に、図16、17に示すように、順方向時には、両側スイッチング動作と片側スイッチング動作のいずれでも、第1下側スイッチング素子41のコレクタ−エミッタ間電圧Vce41と第2下側スイッチング素子42のコレクタ−エミッタ間電圧Vce42が、出力配線の電位(例えば、第1スイッチング回路31の場合は電位V11)に連動して変化する。したがって、コレクタ−エミッタ間電圧Vce41、Vce42に基づいて微小時間Δtを測定してもよい。
なお、上述した実施例では、リアクトル81、82がコイルにより構成されていた。しかしながら、図18、19に示すように、リアクトル81、82が、配線83の周囲を取り囲むように配置された磁器コア120により構成されていてもよい。磁器コア120も、リアクトル81、82(すなわち、誘導性負荷)として機能することができる。また、図18のように磁器コア120にホール素子122を設けたり、図19のように磁器コア120に巻き線124を設けることで、磁器コア120内に生じる磁界を検出し、これによって、配線83に流れる電流を検出することができる。この構成によれば、リアクトル81、82を電流センサとして機能させることができる。
また、リアクトル81、82が電流センサにより構成されている場合には、リアクトル81、82で検出される電流に基づいて、上記微小時間Δtを測定することができる。例えば、図20に示すように、逆方向時に両側スイッチング動作をしている第1スイッチング回路31の第1リアクトル81に流れる電流Ir1(または第2リアクトル82に流れる電流Ir2)は、第1出力配線11の電位V11に連動して変化する。したがって、電流Ir1(または、電流Ir2)の変化タイミングに基づいて時間差Δtaを測定してもよい。また、図21に示すように、逆方向時に交互スイッチング動作をしている第1スイッチング回路31の第1リアクトル81に流れる電流Ir1(または第2リアクトル82に流れる電流Ir2)は、第1出力配線11の電位V11が低下すると同時に安定する。したがって、電流Ir1(または、電流Ir2)の安定化タイミングに基づいて時間差Δtbを測定してもよい。このように測定した時間差Δta、Δtbから、時間Δtを算出することができる。
また、例えば、図22に示すように、順方向時に両側スイッチング動作をしている第1スイッチング回路31の第1リアクトル81に流れる電流Ir1(または第2リアクトル82に流れる電流Ir2)は、第1出力配線11の電位V11に連動して変化する。したがって、電流Ir1(または、電流Ir2)の変化タイミングに基づいて時間差Δtaを測定してもよい。また、図23に示すように、順方向時に交互スイッチング動作をしている第1スイッチング回路31の第1リアクトル81に流れる電流Ir1(または第2リアクトル82に流れる電流Ir2)は、第1出力配線11の電位V11が低下すると同時に安定する。したがって、電流Ir1(または、電流Ir2)の安定化タイミングに基づいて時間差Δtbを測定してもよい。このように測定した時間差Δta、Δtbから、時間Δtを算出することができる。
このように、リアクトル81、82を電流センサとして機能させると、微小時間Δtを測定するための専用の素子や配線をインバータ回路に設置することなく、微小時間Δtを測定することが可能となる。
なお、リアクトル81、82を電流センサとする場合には、リアクトル81、82による電流の検出値から出力配線の電流を検出することが可能となる。したがって、この場合には、出力配線に電流センサを設けなくてもよい。
上述した実施例の構成要素と請求項の構成要素の関係について説明する。実施例の図7(a)の状態は、請求項の第1オン状態の一例である。実施例の図7(c)の状態は、請求項の第2オン状態の一例である。実施例の図3(a)の状態は、請求項の第3オン状態の一例である。実施例の図7(b)、図7(c)、及び、図3(b)の状態は、請求項のオフ状態の一例である。
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
10 :インバータ回路
11〜13 :出力配線
20 :高電位配線
22 :低電位配線
24 :モータ
31〜33 :スイッチング回路
41 :第1下側スイッチング素子
42 :第2下側スイッチング素子
51 :第1上側スイッチング素子
52 :第2上側スイッチング素子
61 :第1下側ダイオード
62 :第2下側ダイオード
71 :第1上側ダイオード
72 :第2上側ダイオード
81 :第1リアクトル
82 :第2リアクトル

Claims (3)

  1. インバータ回路であって、
    高電位配線と、
    低電位配線と、
    第1出力配線、第2出力配線、及び、第3出力配線を備える出力配線と、
    第1スイッチング回路と、
    第2スイッチング回路と、
    第3スイッチング回路、
    を備えており、
    前記第1出力配線、前記第2出力配線、及び、前記第3出力配線がモータに接続され、
    前記第1スイッチング回路が、前記高電位配線と前記低電位配線と前記第1出力配線に接続されており、
    前記第2スイッチング回路が、前記高電位配線と前記低電位配線と前記第2出力配線に接続されており、
    前記第3スイッチング回路が、前記高電位配線と前記低電位配線と前記第3出力配線に接続されており、
    前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路のそれぞれが、
    エミッタが前記低電位配線に接続されている第1下側スイッチング素子と、
    エミッタが前記第1下側スイッチング素子のコレクタに接続されており、コレクタが前記高電位配線に接続されている第1上側スイッチング素子と、
    エミッタが前記低電位配線に接続されている第2下側スイッチング素子と、
    エミッタが前記第2下側スイッチング素子のコレクタに接続されており、コレクタが前記高電位配線に接続されている第2上側スイッチング素子と、
    アノードが前記第1下側スイッチング素子の前記エミッタに接続されており、カソードが前記第1下側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第1下側ダイオードと、
    アノードが前記第1上側スイッチング素子の前記エミッタに接続されており、カソードが前記第1上側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第1上側ダイオードと、
    アノードが前記第2下側スイッチング素子の前記エミッタに接続されており、カソードが前記第2下側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第2下側ダイオードと、
    アノードが前記第2上側スイッチング素子の前記エミッタに接続されており、カソードが前記第2上側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第2上側ダイオードと、
    一端が対応する前記出力配線に接続されており、他端が前記第1下側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第1リアクトルと、
    一端が対応する前記出力配線に接続されており、他端が前記第2下側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第2リアクトル、
    を備えており、
    前記インバータ回路が、第1オン期間と第1オフ期間と第2オン期間と第2オフ期間がこの順序で繰り返されるように制御され、
    前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路が共に交互スイッチング動作を実行する状態と、前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路が共に両側スイッチング動作を実行する状態とが、前記第1出力配線、前記第2出力配線、及び、前記第3出力配線に流れる各電流に基づいて切り換え可能とされており、
    前記交互スイッチング動作では、前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路は、前記第1オン期間において第1オン状態となり、前記第1オフ期間においてオフ状態となり、前記第2オン期間において第2オン状態となり、前記第2オフ期間において前記オフ状態となり、
    前記両側スイッチング動作では、前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路は、前記第1オン期間において第3オン状態となり、前記第1オフ期間において前記オフ状態となり、前記第2オン期間において第3オン状態となり、前記第2オフ期間において前記オフ状態となり、
    前記第1オン状態が、前記第1下側スイッチング素子がオンしているとともに前記第2下側スイッチング素子がオフしている状態であり、
    前記オフ状態が、前記第1下側スイッチング素子と前記第2下側スイッチング素子がオフしている状態であり、
    前記第2オン状態が、前記第2下側スイッチング素子がオンしているとともに前記第1下側スイッチング素子がオフしている状態であり、
    前記第3オン状態が、前記第1下側スイッチング素子と前記第2下側スイッチング素子がオンしている状態である、
    インバータ回路。
  2. インバータ回路であって、
    高電位配線と、
    低電位配線と、
    第1出力配線、第2出力配線、及び、第3出力配線を備える出力配線と、
    第1スイッチング回路と、
    第2スイッチング回路と、
    第3スイッチング回路、
    を備えており、
    前記第1出力配線、前記第2出力配線、及び、前記第3出力配線がモータに接続され、
    前記第1スイッチング回路が、前記高電位配線と前記低電位配線と前記第1出力配線に接続されており、
    前記第2スイッチング回路が、前記高電位配線と前記低電位配線と前記第2出力配線に接続されており、
    前記第3スイッチング回路が、前記高電位配線と前記低電位配線と前記第3出力配線に接続されており、
    前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路のそれぞれが、
    エミッタが前記低電位配線に接続されている第1下側スイッチング素子と、
    エミッタが前記第1下側スイッチング素子のコレクタに接続されており、コレクタが前記高電位配線に接続されている第1上側スイッチング素子と、
    エミッタが前記低電位配線に接続されている第2下側スイッチング素子と、
    エミッタが前記第2下側スイッチング素子のコレクタに接続されており、コレクタが前記高電位配線に接続されている第2上側スイッチング素子と、
    アノードが前記第1下側スイッチング素子の前記エミッタに接続されており、カソードが前記第1下側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第1下側ダイオードと、
    アノードが前記第1上側スイッチング素子の前記エミッタに接続されており、カソードが前記第1上側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第1上側ダイオードと、
    アノードが前記第2下側スイッチング素子の前記エミッタに接続されており、カソードが前記第2下側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第2下側ダイオードと、
    アノードが前記第2上側スイッチング素子の前記エミッタに接続されており、カソードが前記第2上側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第2上側ダイオードと、
    一端が対応する前記出力配線に接続されており、他端が前記第1下側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第1リアクトルと、
    一端が対応する前記出力配線に接続されており、他端が前記第2下側スイッチング素子の前記コレクタに接続されている第2リアクトル、
    を備えており、
    前記インバータ回路が、第1オン期間と第1オフ期間と第2オン期間と第2オフ期間がこの順序で繰り返されるように制御され、
    前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路のそれぞれが、対応する前記出力配線に流れる電流が基準値より小さい場合には交互スイッチング動作を実行し、対応する前記出力配線に流れる電流が前記基準値より大きい場合には両側スイッチング動作を実行し、
    前記交互スイッチング動作を実行している交互スイッチング回路は、前記第1オン期間において第1オン状態となり、前記第2オフ期間においてオフ状態となり、前記第2オン期間において第2オン状態となり、前記第2オフ期間において前記オフ状態となり、
    前記両側スイッチング動作を実行している両側スイッチング回路は、前記第1オン期間において第3オン状態となり、前記第2オフ期間において前記オフ状態となり、前記第2オン期間において第3オン状態となり、前記第2オフ期間において前記オフ状態となり、
    前記第1オン状態が、前記第1下側スイッチング素子がオンしているとともに前記第2下側スイッチング素子がオフしている状態であり、
    前記オフ状態が、前記第1下側スイッチング素子と前記第2下側スイッチング素子がオフしている状態であり、
    前記第2オン状態が、前記第2下側スイッチング素子がオンしているとともに前記第1下側スイッチング素子がオフしている状態であり、
    前記第3オン状態が、前記第1下側スイッチング素子と前記第2下側スイッチング素子がオンしている状態であり、
    前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路の中に前記交互スイッチング回路と前記両側スイッチング回路が混在している動作状態であって、前記第2オフ期間から前記第1オン期間に切り換わるときに、前記交互スイッチング回路の前記オフ状態から前記第1オン状態への切り換えが、前記両側スイッチング回路の前記オフ状態から前記第3オン状態への切り換えよりも基準時間だけ先に行われ、
    前記第1スイッチング回路、前記第2スイッチング回路、及び、前記第3スイッチング回路の中に前記交互スイッチング回路と前記両側スイッチング回路が混在している動作状態であって、前記第1オフ期間から前記第2オン期間に切り換わるときに、前記交互スイッチング回路の前記オフ状態から前記第2オン状態への切り換えが、前記両側スイッチング回路の前記オフ状態から前記第3オン状態への切り換えよりも前記基準時間だけ先に行われる、
    インバータ回路。
  3. 前記第1リアクトルが第1電流センサにより構成されており、
    前記第2リアクトルが第2電流センサにより構成されており、
    前記交互スイッチング回路が前記オフ状態から前記第1オン状態に切り換わってから前記交互スイッチング回路に対応する前記出力配線の電位が低下するまでの時間差を前記第1電流センサの検出値と前記第2電流センサの検出値の少なくとも一方から算出し、前記時間差に基づいて前記基準時間を設定する、
    請求項2のインバータ回路。
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