JP2021032884A - 自動巻き携帯時計 - Google Patents

Abstract

【課題】自動巻き携帯時計を提供すること。【解決手段】本発明は、枢動的に振動する錘（２）を含む自動巻き機械式時計ムーブメント（１０）に関し、回転錘は、回転錘上に取り付けられて錘によって枢動的に駆動される装飾円板（１）を備える。好ましい実施形態によれば、円板（１）は、錘（２）の回転シャフト（１４）に設けられたホール（１５）内に挿入されるステム（１３）を含む支持体（１１）に固定される。ステムおよびホールは、支持体（１１）および円板（１）がシャフト（１４）によって枢動的に駆動されるように、互いに対応する非円形断面円筒状部分（１３ａ、１５ａ）を含む。円板は、複雑な技術的手段を必要とすることなしに、ムーブメントの表面全体をカバーする装飾を形成する。好ましい実施形態によれば、円板（１）は、時計ムーブメント（１０）が携帯時計ケース（１８）から取り外されているときに前記円板が前記錘から取り外され得るように、前記錘（２）に対する軸方向運動を自由に行うことができる。【選択図】図１

Description

本発明は、自動巻き時計ムーブメント、および、そのようなムーブメントを備える腕時計などの時計に関する。

自動巻き機械式携帯時計は、よく知られている。そのような携帯時計のムーブメントは、回転錘（ｏｓｃｉｌｌａｔｉｎｇ ｗｅｉｇｈｔ）を含み、この回転錘は、携帯時計の着用中に香箱のばねを巻くために、携帯時計の香箱に接続された巻上げ歯車列を駆動する。回転錘は、着用者の動きが錘の角振動をもたらすように、枢動可能に取り付けられる。巻上げ歯車列は、一般に、錘の回転方向に関わらず錘の運動がばねを巻上げることができる単一方向の回転に変換されることを確実にする、反転システムを備える。

慣例的に、前述のタイプの携帯時計は、ムーブメントの後に通常配置される回転錘を見ることを可能にする、透明な裏蓋を備える。例えば文献ＣＨ−Ａ−７０７９９９およびＥＰ−Ａ−２７３７３７２によって示されるように装飾を備えた回転錘が開発されてきたのは、この理由による。前述の装飾は、作製するのがかなり複雑かつ高額である。それらは、ムーブメントの一部分のみをカバーすることも多い。一般に、装飾は、錘自体から分離することができないかまたは容易には分離できず、そのため、このことは、多様な装飾が求められた場合に作製をあまり融通の利かないものにする。

ＣＨ−Ａ−７０７９９９ ＥＰ−Ａ−２７３７３７２

本発明の目的は、先の段落で説明された欠点を被ることなく、装飾を備えた回転錘を含む自動巻き携帯時計を作製することである。

この目的は、添付の特許請求の範囲に記載の時計ムーブメントおよび時計によって達成される。

この目的のために、本発明は、自動巻き機械式時計ムーブメントであって、時計ムーブメントの一部分に回転可能に取り付けられた回転錘を含み、回転錘上に装飾円板が取り付けられ、前述の装飾円板が、前述の回転錘によって回転的に駆動されることを特徴とする、自動巻き機械式時計ムーブメントに関する。

好ましい実施形態によれば、円板は、錘の回転シャフトに設けられた穴内に挿入されるステムを含む支持体に固定される。ステムおよび穴は、それぞれ、支持体および円板がシャフトによって枢動的に駆動されるように、互いに対応する非円形断面部分を含む。

円板は、複雑な技術的手段を必要とすることなしに、ムーブメントの表面全体をカバーする装飾を形成する。したがって、３６０°にわたって回転錘をカバーする装飾円板は、透明な裏板を含むケースの裏側から携帯時計の着用者によって見られ得る、可動アニメーションを作り出す。

好ましい実施形態によれば、円板は、特に時計ムーブメントが携帯時計ケースの外側にあるときに円板が錘から容易に取り外され得るように、錘に対する軸方向運動に従って自由に動くことができる。

そのような構成は、要求に応じて装飾円板を容易に変更することを可能にするだけでなく、衝撃が起きた際に回転錘に過度に負担をかけるのを回避することを可能にする。さらに、円板およびその支持体を回転錘のシャフトから容易に取り外すことの原理は、ムーブメントへの、特にケーシング・フランジおよびねじでのアクセス可能性を支援する。

本発明の他の特徴および利点は、限定的ではない例として添付の図面を参照しながら提示される以下の好ましい実施形態に関する説明において、明らかになるであろう。

本発明の１つの実施形態による時計ムーブメントの３Ｄ図である。 本発明の１つの実施形態による装飾円板の支持体の図である。 本発明の１つの実施形態による回転錘のシャフトの図である。 本発明の１つの実施形態による、装飾円板およびその支持体、ならびに回転錘の組立体の断面図である。 本発明の１つの実施形態による、携帯時計ケースの裏板に対する装飾円板の位置を示す図である。

本発明の１つの実施形態による時計ムーブメント１０が、図１に示されている。装飾円板１は、円板の下の回転錘２を表示するために、透明に示されている。円板１に使用され得る材料は、例えば、黄銅、アルミニウム、サファイア、セラミックであり、さらには、円板の形状を維持するのに十分な剛性のある任意のプラスチック材料である。携帯時計の着用者の目に見える円板１の上面は、線画または彫刻などの絵図（図示せず）を備え得る。

図１では、歯車３およびねじ留めにより固定されたフランジ４、ならびに巻上げ機構ステム５などの、ムーブメントいくつかの構成要素も見られる。本発明は前述のタイプの特定のムーブメントに限定されないことが、はっきりと理解される。

装飾円板１は、例えば接着により、回転錘２によって回転的に駆動される支持体１１に固定される。支持体１１は、黄銅で作製され得る。図２に示されるように、支持体１１は、円形の平坦な部分１２と、原則的に前述の円形部分１２に垂直に配向された中央ステム１３と、を備える。円板１は、円形部分１２に関して同軸に、円形部分１２の上面上に、また、ステム１３の上面上に接着される。ステム１３は、角に丸みが付けられている第１の方形断面部分１３ａと、第２の円形断面円筒状部分１３ｂと、を備え、第２の円形断面円筒状部分１３ｂは、図２に示されるように支持体１１が円形部分１２を上方にして配向されたときに、第１の部分１３ａに続く。ステム１３の長手方向で見ると、部分１３ｂの円形断面は、部分１３ａの方形断面の外側輪郭の内側に完全に入って配置される。支持体１１は、そのステム１３により回転錘２のシャフト１４内に挿入され、前述のシャフト１４は、図３において断面図で示されている。

示された実施形態では、錘２は、例えばリベット締め、ねじ留め、または任意の他の適切な手段により、シャフト１４上に固定して取り付けられる。別の実施形態では、錘２は、シャフト１４と一体であり、すなわち、錘２およびシャフト１４は、単一部品を形成する。

シャフト１４は、ステム１３のそれぞれの部分に対応する２つの部分、すなわち、方形断面凹部の形状を有する部分１５ａと、それに続く円形断面円筒状部分１５ｂとを含む、中央穴１５を備える。ステム１３および穴１５の対応する部分は、図４に示されるように、互いに挿入される。

好ましい実施形態によれば、ステム１３は、穴１５にきっちりとは嵌合せずに、シャフト１４に対する軸方向運動を自由に行うことができる。本発明による時計ムーブメントが携帯時計ケースに取り付けられたときに、支持体１１の軸方向運動の自由度は、図５に示されるように、携帯時計ケース１８の透明な裏板１７によって制限される。軸方向における運動の自由度は、ムーブメントがケース１８の外側にあるときに、または、例えば裏板が取り外されているときにムーブメントがケース１８内にある一方で回転錘を支持するムーブメントの側にアクセス可能であるときに、円板１を錘２から容易に取り外すことを可能にする。

方形断面部分１３ａおよび１５ａは、回転錘２による円板１の回転駆動を実現する。部分１３ａおよび１５ａの断面の方形状の代わりに、他の断面形状が使用され得ることは、言うまでもない。円板１を回転的に駆動することを可能にする、任意の非円形の断面形状が可能である。

円形断面部分１３ｂおよび１５ｂは、必ずしも不可欠ではない。他の実施形態によれば、ステム１３およびホール１５は、全体的に、非円形断面円筒状部分を構成する。それでもなお、非円形断面部分を製造するために使用される技術が高精度を達成することを可能にしない場合、装飾円板１は、ホール１５に対して傾く恐れがあり、また、円板１の縁部は、錘２と接触し得る。これが、円形断面部分１３ｂおよび１５ｂを設けるのが有利な理由であり、円形断面部分１３ｂおよび１５ｂは、そのあまり複雑でない形状のために、より高い精度で作製され得る。このようにして、高精度で製造された円形断面部分１３ｂおよび１５ｂは、装飾円板１の周縁部が錘２と接触するのを防ぐために、軸方向における円板１の誘導を実現する。

図１および４では、支持体１１は円筒状のピン２０の形態をした中央部分を備えていることが分かり、このピン２０は、支持体１１の上面から突出し、また、装飾円板１の中央開口部内に配置されて、円板１および支持体１１の同軸性の組立を促進する。ピン２０の遠位端部は、丸みを付けられた上面を備え、また、ピン２０は、円板１の上面から突出する。したがって、図５に示されるように、携帯時計ケース１８の裏板１７と支持体１１および円板１の組立体との間の接触は、前述の丸みを付けられた表面２０に限定され、したがって、前述の組立体とケース１８の裏板１７との間の摩擦が最小限に抑えられ、それにより、回転錘によるムーブメントの巻上げ中のエネルギーの損失が減少される。

本発明の範囲は、図に示された実施形態の特徴の組合せに限定されない。円板１の軸方向運動の自由度は好ましいが、本発明は、例えばステム１３をホール１５内に閉じ込めるロッキング・システムといった適切な固定手段により円板が軸方向に維持される実施形態をもカバーする。円板の軸方向運動を可能とするまたは可能としない、円板１と回転錘２との間の接続は、支持体１１、ステム１３、およびホール１５と同等の他の技術的手段によってもたらされ得る。

１ 装飾円板
２ 回転錘
３ 歯車
４ フランジ
５ 巻上げ機構ステム
１０ 時計ムーブメント
１１ 支持体
１２ 円形部分
１３ 中央ステム
１３ａ 第１の方形断面部分、第１の非円形断面部分
１３ｂ 第２の円形断面円筒状部分
１４ シャフト
１５ 穴、ホール
１５ａ 方形断面部分、第１の非円形断面部分
１５ｂ 円形断面円筒状部分、第２の円形断面円筒状部分
１７ 裏板
１８ 携帯時計ケース
２０ ピン、丸みを付けられた表面、中央ピン

Claims (10)

1. 自動巻き機械式時計ムーブメント（１０）であって、前記時計ムーブメントの一部分に回転可能に取り付けられた回転錘（２）を含み、前記回転錘（２）上に装飾円板（１）が取り付けられ、前記装飾円板は、前記回転錘（２）によって回転的に駆動され、前記円板（１）は、前記錘から取り外され得るように、前記円板に垂直な方向において前記錘（２）に対して軸方向に自由に移動できることを特徴とする、自動巻き機械式時計ムーブメント（１０）。
2. 前記ムーブメントは、枢動するシャフト（１４）を備え、前記錘（２）は、前記シャフト（１４）に固定されるかまたは前記シャフト（１４）と一体であり、
   前記円板（１）は、前記円板が取り付けられる平坦な部分（１２）と基本的に前記平坦な部分（１２）に垂直なステム（１３）とを備える支持体（１１）に固定され、前記ステムは、少なくとも１つの非円形断面部分（１３ａ）を含み、
   前記シャフト（１４）は、中央穴（１５）を備え、前記ステムの前記部分（１３ａ）の前記非円形断面に対応する少なくとも１つの非円形断面部分（１５ａ）をさらに含み、
   前記ステムの前記非円形断面部分（１３ａ）は、前記支持体（１１）および前記円板（１）が前記シャフト（１４）により枢動的に駆動されるように、前記穴の前記対応する非円形部分（１５ａ）内に挿入される、
   請求項１に記載の時計ムーブメント。
3. 前記穴は、第２の円形断面円筒状部分（１５ｂ）が続く第１の非円形断面部分（１５ａ）を含み、前記円形断面は、前記非円形断面の内側に入れられ、
   前記ステムは、第１の非円形断面部分（１３ａ）および第２の円形断面円筒状部分（１３ｂ）を含み、前記ステムの前記部分（１３ａ、１３ｂ）は、前記穴の前記それぞれの部分（１５ａ、１５ｂ）に対応し、
   前記穴（１５）内への前記ステム（１３）の導入は、前記第１および第２のそれぞれの部分を他方の内側に挿入することによって行われる、
   請求項２に記載の時計ムーブメント。
4. 前記円形断面の寸法の精度は、前記非円形断面の寸法の精度よりも高い、請求項３に記載の時計ムーブメント。
5. 前記非円形断面は、丸みを付けられた角を含む方形断面である、請求項２〜４のいずれか一項に記載の時計ムーブメント。
6. 前記支持体（１１）は、前記装飾円板（１）の中央開口部内に挿入される中央ピン（２０）を備え、
   前記支持体（１１）の前記中央ピン（２０）は、前記装飾円板（１）の上面を越えて突出し、
   前記中央ピン（２０）の遠位端部は、丸みを付けられた表面を含む、
   請求項２〜４のいずれか一項に記載の時計ムーブメント。
7. 前記ステム（１３）は、前記装飾円板（１）および前記支持体（１１）が前記錘（２）から取り外され得るように、前記穴（１５）に対して軸方向に自由である、請求項２〜６のいずれか一項に記載の時計ムーブメント。
8. ケース（１８）、および請求項１〜７のいずれか一項に記載の時計ムーブメント（１０）を備える時計であって、前記ケースの前記裏板（１７）は、前記装飾円板（１）を表示するために透明である、時計。
9. 前記装飾円板（１）は、前記円板に垂直な方向において前記錘（２）に対して自由に移動でき、前記円板の移動は、前記ケース（１８）の前記裏板（１７）によって制限される、請求項８に記載の時計。
10. 腕時計である、請求項８または９に記載の時計。

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