JP2021032696A - 鋳造材の疲労試験方法 - Google Patents

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【課題】鋳造材の耐疲労強度(剪断強度)を簡単かつ低コストで迅速に予測することができる方法を提供する。【解決手段】所望の圧延条件における鋳鉄材の剪断疲労強度を予測する方法は、(1)圧延ロール外層材と同じ組成を有する鋳造された素材から少なくとも2つの試験片を作製し、(2)前記試験片に対してその軸心方向に圧縮応力をかけた状態で、圧延でかかるより大きな複数レベルの軸心回りの剪断応力を繰り返し付与して、前記試験片の表面に剪断き裂を発生及び進展させることにより破断までの捩り回数を測定し、(3)破断までの捩り回数の測定値を剪断応力振幅−捩り回数の両対数グラフにプロットすることにより剪断応力振幅−捩り回数の直線を求め、(4)前記直線を圧延で要求される破断までの捩り回数まで外挿することにより、破断までの所望の捩り回数における剪断応力振幅を求め、それを前記鋳鉄材の剪断疲労強度とすることからなる。【選択図】図2

Description

本発明は、鋳造材の疲労強度特性、特に耐摩耗性に優れた外層と靭性に優れた内層とを溶着一体化した複合構造のロールの外層の疲労強度特性を短時間かつ低コストで試験する方法に関する。
例えば熱間圧延に用いられるロールは圧延による熱的負荷及び機械的負荷等に耐える必要があるため、耐摩耗性に優れた外層と靭性に優れた内層とを溶着一体化した複合構造のロール(単に「複合ロール」と呼ぶこともある。)が用いられている。この複合ロールには遠心鋳造製法による遠心鋳造複合ロールや連続鋳掛肉盛り製法による連続鋳掛肉盛りロールなどがある。しかし、圧延による熱的及び機械的負荷によっては外層表面に熱き裂等の損傷が発生するため、一定期間使用した後に複合ロールを圧延機から取り外し、損傷を研削除去(改削)する。改削により複合ロールの胴径は初径から圧延に使用可能な最小径(廃却径)まで徐々に小さくなる。
熱間圧延機の特に後段スタンドには、従来から高合金グレン鋳鉄外層と強靭性に優れた鋳鉄の内層とを冶金的に一体化した遠心鋳造複合ロールが使用されている。高合金グレン鋳鉄外層は黒鉛、炭化物及び基地組織からなり、特に耐焼付き性に優れているため、絞り事故に遭遇した際も、き裂の発生・進展が極めて少ない、つまり耐事故性に優れるという特徴がある。とりわけ後段スタンドでは、薄い鋼板が折り重なって圧延されることよる絞り事故が発生することが多いため、耐事故性の良好な高合金グレン鋳鉄を外層とする複合ロールが多く用いられている。このような複合ロールの外層に用いる高合金グレン鋳鉄は一般に、質量基準でC:2.8〜3.6%、Si:0.6〜2.2%、Mn:0.2〜1.2%、Cr:1.2〜2.0%、Mo:0.2〜0.8%、Ni:3.0〜4.8%、V:0〜3.0%、及びNb:0〜1.2%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有する。
また近年熱間圧延鋼板の板厚精度向上や表面品質向上の要求が高まっており、高い耐摩耗性を有する圧延用ロールが求められ、薄鋼板を製造する熱間仕上圧延機の前段ではハイスからなる外層を有する複合ロールが使用されるようになった。外層用ハイスは一般に、質量基準でC:1.0〜3.5%、Si:0.2〜2.5%、Mn:0.2〜1.2%、Cr:0.8〜8.0%、Mo:1.5〜8.0%、V:2.0〜8.0%、W:0〜8.0%、Ni:0〜5.1%、Nb:0〜3.0%、N:0〜0.15%、及びB:0〜0.12%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有する。
複合ロールの外層用のハイスは硬質炭化物を含有し、またグレン鋳鉄は硬質炭化物の他に黒鉛を含有するので、圧延疲労により炭化物及び黒鉛を起点としてき裂が発生し、進展することがある。また、後段スタンドでは鋼板が折れ重なってロール間に噛みこむいわゆる絞り事故が発生しやすく、この事故で発生したき裂はその後剪断疲労で進展する。進展したき裂が外層内で大きくなると、スポーリングを引き起こす。スポーリングはロール寿命に致命的であるので、スポーリングが起こりにくい(その原因となるき裂が発生・進展しにくい)外層材を設計することが望まれる。また、き裂が発生・進展しにくいロールの使用条件を求めることも望まれる。
そのためには、複合ロールの外層に発生するき裂の挙動を正確に予測する必要がある。複合ロールの外層に発生するき裂には、引張りによるき裂(モードI)、及び剪断によるき裂(モードII及びIII)がある。従来、鋳造材の疲労強さは引張・圧縮方向の評価(モードI)は可能であったが、剪断疲労(モードII及びIII)に関しては評価方法が確立されておらず、引張・圧縮疲労での評価を流用していた。複合ロールの破壊に関する有効な疲労強度予測や評価方法がなく、剪断疲労破壊を合理的に防止する手段はこれまでなかった。
特許第5334056号(特許文献1)は、静的圧縮荷重を負荷した試験片に繰り返し捻り荷重を負荷して剪断疲労き裂の進展状況を観察し、且つ材料の疲労強度特性を試験する疲労試験機を開示している。この疲労試験機は、試験片を一定姿勢に保持する少なくとも二つの保持手段と、前記試験片にその軸心方向の圧縮荷重を負荷する圧縮手段と、前記圧縮手段で圧縮荷重が負荷された状態で前記試験片に軸心回りの捻り荷重を繰り返し負荷する捻り手段とを具備し、前記保持手段、前記圧縮手段及び前記捻り手段は前記試験片の軸心と同軸上に配置されている。試験片の両端部を固定台に固定した後、試験片の軸心が水平状態となるように調整する。次いで、試験片に軸心方向の圧縮荷重を負荷した状態で、捻り手段の正転・逆転を交互に繰り返し、軸心を中心として所定の角度の範囲内で前記試験片に捻り荷重を負荷し、剪断疲労き裂の進展状況を観察する。
しかしながら、特許文献1には剪断疲労き裂の発生と進展抵抗に着目した耐疲労強度特性を定量評価するにあたっての具体的なデータ取得の方法が記載されていない。また、遠心鋳造製などの複合ロールは一般に大型であり、その外層の剪断耐疲労強度を測定するための試験片を作製するのには多大なコストと時間がかかる。そこで、複合ロール用の外層材と同じ組成を有する試験片を別途作製し、複合ロールとしたときの外層内の剪断疲労き裂の発生と進展抵抗に着目した耐疲労強度特性に関するデータが取得できれば、複合ロールに好適な外層材の組成を素早く設定することができるので望ましい。
特許第5334056号公報
従って本発明の目的は、鋳造材の耐疲労強度(剪断疲労強度)を簡単かつ低コストで迅速に予測することができる方法を提供することである。
本発明者は、圧延ロール外層材と同じ組成を有する鋳造された素材から試験片を機械加工で作製し、試験片に付与する一定振幅の繰り返し剪断応力(剪断応力振幅)と試験片が疲労により破断するまでの捩り回数との関係を調べた結果、剪断応力振幅と破断までの捩り回数とが両対数グラフ上で直線的な関係になることを発見し、本発明に想到した。
すなわち、所望の圧延条件における鋳鉄材の剪断疲労強度を予測する本発明の方法は、(1) 圧延ロール外層材と同じ組成を有する鋳造された素材から少なくとも2つの試験片を作製し、(2) 前記試験片に対してその軸心方向に圧縮応力をかけた状態で、圧延でかかるより大きな複数レベルの軸心回りの剪断応力を繰り返し付与して、前記試験片の表面に剪断き裂を発生及び進展させることにより破断までの捩り回数を測定し、(3) 破断までの捩り回数の測定値を剪断応力振幅−捩り回数の両対数グラフにプロットすることにより剪断応力振幅−捩り回数の直線を求め、(4) 前記直線を圧延で要求される破断までの捩り回数まで外挿することにより、破断までの所望の捩り回数における剪断応力振幅を求め、それを前記鋳鉄材の剪断疲労強度とすることを特徴とする。
前記破断までの捩り回数として、剪断応力を付与した前記試験片の捩り角が所定の値に達するまでの捩り回数を使用するのが好ましい。
前記鋳鉄材として、炭化物を含有するハイス又は炭化物及び黒鉛を含有するグレン鋳鉄が好ましい。
前記圧延ロールの外層はハイス又はグレン鋳鉄からなるのが好ましい。
本発明の方法では、(1) 圧延でかかる剪断応力より大きな剪断応力下で破断までの捩り回数を測定することにより、実用圧延条件下での鋳鉄材試験片の耐疲労性を短時間で予測することができるだけでなく、(2) 同じ組成を有する鋳鉄材の試験片に対して剪断試験をするので、鋳造した圧延ロールの外層から切り取った試験片に対する試験に対して、コスト及び時間を著しく低減することができる。
本発明の方法を行うのに好適な試験片の一例を示す側面図である。 実施例1及び2の剪断応力振幅−捩り回数の直線を示すグラフである。 破断までの捩り回数とそのときの剪断応力振幅のデータから、実際の圧延条件での剪断疲労強度を正確に予測する方法を示すグラフである。
本発明の実施形態を以下詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変更をしても良い。
[1] 圧延ロール外層材
本発明の剪断疲労強度予測方法を行うのが好ましい圧延ロール外層材は、複合ロールの外層に用いる鋳鉄材である。鋳鉄材としては、炭化物を含有するハイス又は炭化物及び黒鉛を含有するグレン鋳鉄が好ましい。
(A) ハイス
圧延ロール外層材に好適なハイスの組成は一般に、質量基準でC:1.0〜3.5%、Si:0.2〜2.5%、Mn:0.2〜1.2%、Cr:0.8〜8.0%、Mo:1.5〜8.0%、V:2.0〜8.0%、W:0〜8.0%、Ni:0〜5.1%、Nb:0〜3.0%、N:0〜0.15%、及びB:0〜0.12%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる。上記組成のハイスの組織は、面積率で5〜25%の炭化物を含有する。
(B) グレン鋳鉄
圧延ロール外層材に好適なグレン鋳鉄の組成は一般に、質量基準でC:2.8〜3.6%、Si:0.6〜2.2%、Mn:0.2〜1.2%、Cr:1.2〜2.0%、Mo:0.2〜0.8%、Ni:3.0〜4.8%、V:0〜3.0%、Nb:0〜1.2%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる。上記組成のグレン鋳鉄の組織は、面積率で20〜45%の炭化物及び0.8〜6.0%の黒鉛を含有する。
[2] 試験片
圧延ロール外層材と同じ組成を有する鋳造された素材から試験片を機械加工で作製する。軸心回りの剪断応力(捩り応力)を付与するのに適する形状であれば、試験片の形状は特に限定されないが、例えば図1に示す形状及びサイズが好ましい。
[3] 各剪断応力における破断までの捩り回数の測定
圧延ロール外層材に用いる鋳鉄材では、同一組成の複数の試験片に軸心方向に同じ圧縮応力をかけた状態で、異なる複数レベルの剪断応力を繰り返し付与して破断までの捩り回数の測定し、各剪断応力振幅における破断までの捩り回数の測定値を両対数グラフ上にプロットすると、剪断応力振幅−破断までの捩り回数の関係が直線状になることが分った。この発見に基づき、剪断応力振幅−捩り回数の直線(SN直線)を圧延で要求される破断までの捩り回数まで外挿すれば、破断までの所望の捩り回数における剪断応力振幅を少ない試験片でかつ短時間で求めることができることが分った。
破断までの捩り回数として、試験片の捩り角が所定の角度(例えば1°)に達したときの捩り回数を用いるのが好ましい。試験片の捩り角が大きな角度(例えば1°)に達すると、き裂は急速に進展し、すぐに破断が起こる。そのため、剪断応力振幅−捩り回数の両対数グラフ上では、試験片の捩り角が所定の角度(例えば1°)に達したときの捩り回数と、実際に破断が起こるときの捩り回数とは実質的に同じと見做して良い。
剪断応力振幅−捩り回数のSN直線を作成するために、破断までの捩り回数とそのときの剪断応力のデータは少なくとも2つとる必要があるが、SN直線を正確に求めるために、破断までの捩り回数とそのときの剪断応力のデータを3つとし、両対数グラフ上で最小二乗法を用いてSN直線を作成するのが好ましい。
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
2%C-0.3%Si-0.5%Mn-5%Cr-5%Mo-5%V-5%Wの組成を有するハイスを小型高周波誘導炉で溶解し、底面に冷し金を設け、側面を保温スリーブとした鋳型に注湯して、インゴット(重量:約8 kg)を鋳造した。インゴットに焼入れ及び焼き戻しを行い、64 HRCの硬さに調整した。そのインゴットから図1に示す複数の試験片を切り出し、直径7.5 mmの円柱部(試験部)を研磨して加工応力を除去した。各試験片に予めき裂を付けることなく、平滑面のままであった。
各試験片を捩り試験装置(MTS Model 809A/T Test System)にセットし、試験片の軸心方向に1000 MPaの圧縮応力を付与した状態で、下記表1に示す剪断応力(捩り周波数:20 Hz、応力比R:−1)を付与し、捩り角が1°に達するまでの捩り回数をカウントした。実際の圧延で要求される回数を考慮して、最大捩り回数を107とした。捩り角が1°に達したときの捩り回数Nを破断までの捩り回数とした。
Figure 2021032696
表1の結果を図2の剪断応力振幅S−捩り回数Nの両対数グラフにプロットした。図2のSN線図から明らかなように、捩り回数Nが約3×106以下(剪断応力振幅Sが約600 MPa以上)の領域では、剪断応力振幅Sと破断までの捩り回数Nとは良好な直線的な関係にあった。
実際の圧延で要求される圧延ロールの耐久性(破断までの捩り回数Nに相当する)は3×106程度までであるが、それより高い剪断応力振幅領域では剪断応力振幅S−捩り回数Nの直線性が良好であるので、その高剪断応力振幅領域で少なくとも2つのデータを取れば、正確なSN直線を得ることができ、そのSN直線を実際の圧延条件側に外挿すれば、実際の圧延条件での剪断疲労強度(破断までの捩り回数における剪断応力振幅に相当する)の全領域をカバーする剪断疲労強度特性を正確に予測できる。例えば図3に示すように、捩り回数Nが106より少ない(剪断応力振幅Sが約630 MPaより大きい)領域で、剪断応力振幅S及び破断までの捩り回数Nの3つのデータ(例えば、剪断応力振幅Sが900 MPa、800 MPa及び700 MPaの点)11,12,13を取り、点11,12,13で得られる直線L1を高捩り回数側(実際の圧延条件側)に外挿する。例えば、破断までの捩り回数Nを3×106とすると、外挿した直線L1からN=3×106になるときの剪断応力(点14)を求める。このように3点のデータから直線L1を求めると、直線L1の正確性を確実に担保すことができる。
この例では3点のデータにより直線L1を求めたが、勿論2点のデータで求めても良い。2点のデータ(例えばS=900 MPa及び700 MPa)から取得した直線L1を外挿する方法によれば、延べ試験時間は、周波数が20 Hzの試験機を用いた場合は5.4時間程度で、さらに高速な50 Hzの試験機では2.1時間程度と非常に短くなる。
実施例2
実施例1と同じ方法で、3.4%C-1.3%Si-0.8%Mn-1.5%Cr-4.2%Ni-0.4%Mo-1.5%V- 0.8%Nbの組成を有するグレン鋳鉄の複数の試験片(図1に示す)を作製した。各試験片に対して、実施例1と同じ方法で異なる剪断応力振幅Sにおける破断までの捩り回数Nをカウントした。結果を表2及び図2に示す。
Figure 2021032696
実施例1と同様に、捩り回数Nが約3×106以下(剪断応力Sが約360 MPa以上)の領域では、剪断応力Sと破断までの捩り回数Nとは良好な直線的な関係にあった。
熱間圧延機の後段スタンドに使用されるグレン鋳鉄ロールでは、実際の圧延で要求される圧延ロールの剪断疲労強度は、熱間圧延機の前段スタンドに使用されるハイスロールのものより低い。そのため、例えば図3に示すように、捩り回数Nが106より少ない(剪断応力Sが約400 MPaより大きい)領域で、剪断応力振幅S及び破断までの捩り回数Nの少なくとも2つのデータ(例えば、剪断応力Sが540 MPa及び480 MPaの点)21,22を取れば、両対数グラフ上で剪断応力振幅S−捩り回数Nの直線L2を得ることができ、その直線L2を高捩り回数側(実際の圧延条件側)に外挿する。例えば、破断までの捩り回数Nを3×106とすると、外挿した直線L2からN=3×106になるときの剪断応力(点23)を求める。このようにして、実際の圧延条件での剪断疲労強度(破断までの捩り回数における剪断応力に相当する)の全領域をカバーする剪断疲労強度特性を正確に予測できる。2つのデータ(例えばS=540 MPa及び480 MPa)から得られた直線L2を外挿する方法によれば、延べ試験時間は、周波数が20 Hzの試験機を用いた場合は5時間程度で、さらに高速な50 Hzの試験機では2時間程度と非常に短くなる。

Claims (4)

  1. 所望の圧延条件における鋳鉄材の剪断疲労強度を予測する方法であって、(1) 圧延ロール外層材と同じ組成を有する鋳造された素材から少なくとも2つの試験片を作製し、(2) 前記試験片に対してその軸心方向に圧縮応力をかけた状態で、圧延でかかるより大きな複数レベルの軸心回りの剪断応力を繰り返し付与して、前記試験片の表面に剪断き裂を発生及び進展させることにより破断までの捩り回数を測定し、(3) 破断までの捩り回数の測定値を剪断応力振幅−捩り回数の両対数グラフにプロットすることにより剪断応力振幅−捩り回数の直線を求め、(4) 前記直線を圧延で要求される破断までの捩り回数まで外挿することにより、破断までの所望の捩り回数における剪断応力振幅を求め、それを前記鋳鉄材の剪断疲労強度とすることを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の鋳鉄材の剪断疲労強度を予測する方法において、前記破断までの捩り回数として、剪断応力を付与した前記試験片の捩り角が所定の値に達するまでの捩り回数を使用することを特徴とする方法。
  3. 請求項1又は2に記載の鋳鉄材の剪断疲労強度を予測する方法において、前記鋳鉄材が炭化物を含有するハイス又は炭化物及び黒鉛を含有するグレン鋳鉄であることを特徴とする方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の鋳鉄材の剪断疲労強度を予測する方法において、前記圧延ロールの外層がハイス又はグレン鋳鉄からなることを特徴とする方法。
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