JP2021032372A - ガスケットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
基材に形成された凸部上に、スクリーン印刷によって形成するゴム状弾性体製のガスケットの製造方法において、
材料が通過する開口部における短手方向の幅が、製造後のガスケットにおける短手方向の幅よりも狭い第1スクリーン版を用いて、スクリーン印刷により第1薄膜層を形成する第1工程と、
第1薄膜層が硬化した後に、材料が通過する開口部における短手方向の幅が、製造後のガスケットにおける短手方向の幅よりも狭い第2スクリーン版を用いて、スクリーン印刷により第2薄膜層を形成する第2工程と、
を有し、
第1薄膜層の短手方向の幅の中心と、第2薄膜層の短手方向の幅の中心がずれているこ
とを特徴とする。
図1〜図6を参照して、本発明の実施例に係るガスケットの製造方法について説明する。なお、本実施例においては、燃料電池におけるセパレータにガスケットを設ける場合について説明する。
図1を参照して、本実施例に係る密封構造について説明する。図1は本発明の実施例に係る密封構造の模式的断面図であり、より具体的には、燃料電池の模式的断面図である。一般的に、燃料電池は、複数の単セルからなるセルスタックとして構成される。図1においては、単セル10の模式的断面図を示している。単セル10は、一対の基材としてのセパレータ100と、これら一対のセパレータ100の間に設けられるMEA(Membrane Electrode Assembly)とを備えている。MEAは、電解質膜
200と、電解質膜200の両面に備えられる一対のガス拡散層300とを備えている。また、セパレータ100は、金属などにより構成される板状の部材により構成される。このセパレータ100には、燃料ガスや酸化剤ガスなどが流れる流路120が形成されている。
特に、図2及び図3を参照して、ガスケット150について、より詳細に説明する。図2は本発明の実施例に係るセパレータ100に設けられたガスケット150の平面図である。なお、図2においては、セパレータ100に設けられる流路120については省略して示している。図3は本発明の実施例に係るセパレータ100に設けられたガスケット150の模式的断面図であり、図2中のAA断面図に相当する。すなわち、図3においては、セパレータ100における凸部110及びガスケット150が伸びる方向(長手方向)に対して垂直に、セパレータ100及びガスケット150を切断した断面図の一部を示している。つまり、図3中のガスケット150は、その短手方向にガスケット150が切断された断面図である。
特に、図4〜図6を参照して、本実施例に係るガスケット150の製造方法について説明する。図4及び図6は本発明の実施例に係るガスケットの製造方法に用いられるスクリーン版の平面図である。図5はスクリーン印刷方法を説明する説明図である。なお、図5中のスクリーン版500は、図4中のBB断面図に相当する。
第1工程においては、図4及び図5に示す第1スクリーン版500を用いて、スクリーン印刷がなされる。第1スクリーン版500は、マスク510と、マスク510の片面に
設けられるメッシュ状のスクリーン520とから構成される。マスク510には、ガスケット150の材料(ゴム材料)が通過する開口部511が設けられている。この開口部511における短手方向の幅T1は、製造後のガスケット150における短手方向の幅Sよりも狭く設定されている。図4中、太い点線で示す2つの矩形部のうち内側の矩形部が、製造後のガスケット150における内側の輪郭に相当し、外側の矩形部が、製造後のガスケット150における外側の輪郭に相当する。この図から分かるように、開口部511の内側は、製造後のガスケット150における内側の輪郭に一致するように設けられ、開口部511の外側は、製造後のガスケット150における短手方向の幅の中心よりも少し外側にずれた位置となるように設けられる。このように構成される第1スクリーン版500を用いて、セパレータ100の凸部110上に、スクリーン印刷により第1薄膜層151が形成される。
第2工程においては、図6に示す第2スクリーン版600を用いて、スクリーン印刷がなされる。なお、第2工程は、上述した材料151Xが硬化した後に行われる。第2スクリーン版600においても、マスク610と、マスク610の片面に設けられるメッシュ状のスクリーン620とから構成される。そして、マスク610には、ガスケット150の材料(ゴム材料)が通過する開口部611が設けられている。この開口部611における短手方向の幅T2は、製造後のガスケット150における短手方向の幅Sよりも狭く設定されている。図6中、太い点線で示す2つの矩形部のうち内側の矩形部が、製造後のガスケット150における内側の輪郭に相当し、外側の矩形部が、製造後のガスケット150における外側の輪郭に相当する。この図から分かるように、開口部611の内側は、製造後のガスケット150における短手方向の幅の中心よりも少し内側にずれた位置となるように設けられ、開口部611の外側は、製造後のガスケット150における短手方向の外側の輪郭に一致するように設けられる。
本実施例に係る製造方法によれば、第1薄膜層151と第2薄膜層152は、いずれも、材料が通過する開口部511,611における短手方向の幅T1,T2が、製造後のガスケット150における短手方向の幅Sよりも狭い第1スクリーン版500,第2スクリーン版600を用いて形成される。これにより、いずれの薄膜層においても、短手方向の
幅の中央の厚みが薄く、両端の厚みが厚くなってしまう現象の発生を抑制することができる。すなわち、背景技術の中で説明したように、粘性が高く、レベリング性が低い材料(ゴム材料)の場合には、スクリーン印刷により塗布された材料には、上記のような現象が発生し易い。しかしながら、短手方向の幅が狭いと、そのような現象の発生を抑制することができる。従って、ガスケット150の材料150Xの特性に応じて、開口部511,611における短手方向の幅T1,T2を適切に設定しておくことで、第1薄膜層151及び第2薄膜層152に、上記のような現象が発生してしまうことを抑制することができる。また、第1薄膜層151の短手方向の幅の中心と、第2薄膜層152の短手方向の幅の中心がずれるように、それぞれ形成されるため、ガスケット150の短手方向の幅を広くすることができる。
上記実施例においては、セパレータ100に形成される凸部110は、その上面が平面により構成される場合を示した。しかしながら、本発明においては、このような凸部110に限定されることはなく、異なる形状の凸部に対して形成されるガスケットについても適用可能である。例えば、図7には、本発明の変形例に係るガスケットの模式的断面図を示している。図7に示すように、セパレータ100Yに形成される凸部110Yの上面が、短手方向の幅の中央が平面で構成され、その両端側が傾斜面で構成される場合であって
も、この凸部110Yの上面に形成されるガスケット150Yに対して、本発明の製造方法を適用することができる。この場合においても、短手方向の幅が凸部110Yの短手方向の幅よりも狭い第1薄膜層151Yと、同じく短手方向の幅が凸部110Yの短手方向の幅よりも狭い第2薄膜層152Yとから構成されるガスケット150Yが製造される。
100,100Y セパレータ
110,110Y 凸部
120 流路
150,150Y ガスケット
150X、151X 材料
151,151Y 第1薄膜層
152,152Y 第2薄膜層
200 電解質膜
300 ガス拡散層
500 第1スクリーン版
510 マスク
511 開口部
520 スクリーン
550 スキージ
600 第2スクリーン版
610 マスク
611 開口部
620 スクリーン
Claims (2)
- 基材に形成された凸部上に、スクリーン印刷によって形成するゴム状弾性体製のガスケットの製造方法において、
材料が通過する開口部における短手方向の幅が、製造後のガスケットにおける短手方向の幅よりも狭い第1スクリーン版を用いて、スクリーン印刷により第1薄膜層を形成する第1工程と、
第1薄膜層が硬化した後に、材料が通過する開口部における短手方向の幅が、製造後のガスケットにおける短手方向の幅よりも狭い第2スクリーン版を用いて、スクリーン印刷により第2薄膜層を形成する第2工程と、
を有し、
第1薄膜層の短手方向の幅の中心と、第2薄膜層の短手方向の幅の中心がずれていることを特徴とするガスケットの製造方法。 - 第2工程においては、第1薄膜層の短手方向の片側の一部の表面に重ねつつ、該片側から前記凸部の表面にはみ出るように、第2薄膜層を形成することを特徴とする請求項1に記載のガスケットの製造方法。
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