JP2021031594A - 活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物および剥離型粘着シート - Google Patents

活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物および剥離型粘着シート Download PDF

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Abstract

【課題】活性エネルギー線照射前の粘着力が良好であり、活性エネルギー線照射後の剥離性に優れた粘着剤を得ることができる活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物を提供する。【解決手段】アクリル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)、架橋剤(C)および光重合性開始剤(D)を含有し、上記アクリル系樹脂(A)が、オキシアルキレン構造含有モノマー(a1)を含み、更に水酸基含有モノマー(a2)およびカルボキシ基含有モノマー(a3)の少なくとも一方を含む共重合成分(a)が共重合されたアクリル系樹脂であり、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の(メタ)アクリロイル基濃度が0.5mmol/g以上であり、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有量が、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して10〜200重量部である活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物とする。【選択図】なし

Description

本発明は、半導体ウエハ、プリント基板、ガラス加工品、金属板、プラスチック板等の被加工部材を加工する際の一時的な表面保護用の剥離型粘着シートの粘着剤層に使用される活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物および剥離型粘着シートに関するものである。
従来、半導体ウエハを用いた集積回路の作製や穴開け等の加工工程においては、被加工部材の汚れや損傷を防ぐことを目的として一時的に上記被加工部材の表面を保護するための粘着シートが用いられている。そして、近年では加工技術の微細化や被加工部材の薄膜化等の理由で被加工部材に対して適度な粘着力が求められる一方、表面保護の役目を終えた後には表面保護用の粘着シートを剥離する必要があり、剥離する際には軽い力で糊残りなく剥離できることが求められている。また、近年では半導体ウエハに限らず様々な部材の加工時にも表面保護用の粘着シートが利用されている。
一時表面保護用の粘着フィルムまたはシートとして、例えば、特許文献1には、基材面上に粘着剤と3000〜10000の重量平均分子量を有するウレタンアクリレート系オリゴマーである放射線重合性化合物からなる粘着剤層を塗布してなる粘着シートが開示されている。上記粘着シートは剥離する際に紫外線を照射することにより被着体との粘着力が急激に低下するということが記載されている。
また、特許文献2では、重量平均分子量が20万以上でガラス転移温度が−60〜−30℃であるアクリル系粘着剤と、分子中にアクリロイル基を3個以上有する水酸基含有アクリル系化合物とジイソシアネート化合物との反応物であるウレタンアクリレート系化合物、とを使用することで再剥離時に粘着剤の残存が少ない再剥離型粘着剤が開示されている。
さらに、特許文献3および4においても、活性エネルギー線照射により剥離することを目的とする粘着シートが開示されている。
特開昭62−153376号公報 特開平11−293201号公報 特開2012−039053号公報 特開平11−335655号公報
しかしながら、上記特許文献1の開示技術では、活性エネルギー線照射前の粘着力が良好である旨の記述があるものの、近年の加工技術の微細化に伴い、従来よりも活性エネルギー線照射前の粘着力は高く、かつ活性エネルギー線照射前の粘着力は低いことが求められ、特許文献1の開示技術では、充分満足のいく粘着力を得ることは難しいと考えられる。
上記特許文献2の開示技術では、剥離時の糊残りを改善している旨の記述があるが、近年の加工技術の微細化に伴い、活性エネルギー線照射後の剥離性が充分でないとことが懸念され、更なる改良が求められる。
さらに、上記特許文献3の開示技術では、半導体チップのピックアップ性の改善が記載されているが、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物のアクリロイル基濃度が低いために、紫外線照射後の粘着力の低下は不充分である。また、特許文献4の開示技術では、被着体に残存した粘着剤の水洗浄性の改善が記載されているが、これは、そもそも照射後の剥離性が不充分なため、被着体に粘着剤が残存するものであり、照射後の剥離性の点で改良が求められる。
そこで、本発明ではこのような背景下において、活性エネルギー線照射前の粘着力が良好であり、かつ、活性エネルギー線照射後の剥離性(微粘着性、耐汚染性)に優れた粘着剤を得ることができる活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者は、かかる事情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、アクリル系樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、架橋剤および光重合性開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物において、オキシアルキレン構造を含有するアクリル系樹脂を用い、また、(メタ)アクリロイル基濃度が高めのウレタン(メタ)アクリレート系化合物を用い、かかるアクリル系樹脂とウレタン(メタ)アクリレート系化合物が特定の割合で含有させることにより、活性エネルギー線照射前の粘着力が良好で、かつ、活性エネルギー線照射後においては、粘着力が低下し、非常に優れた剥離性を有することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、アクリル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)、架橋剤(C)および光重合性開始剤(D)を含有する活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物であって、
上記アクリル系樹脂(A)が、オキシアルキレン構造含有モノマー(a1)を含み、更に水酸基含有モノマー(a2)およびカルボキシ基含有モノマー(a3)の少なくとも一方を含む共重合成分(a)が共重合されたアクリル系樹脂であり、
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の(メタ)アクリロイル基濃度が0.5mmol/g以上であり、
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有量が、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して10〜200重量部である
ことを特徴とする活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物を第1の要旨とする。
また、本発明は、上記第1の要旨の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物が架橋された粘着剤層を有する剥離型粘着シートを第2の要旨とする。
本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物は、アクリル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)、架橋剤(C)および光重合性開始剤(D)を含有する活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物であって、上記アクリル系樹脂(A)が、オキシアルキレン構造含有モノマー(a1)を含み、更に水酸基含有モノマー(a2)およびカルボキシ基含有モノマー(a3)の少なくとも一方を含む共重合成分(a)が共重合されたアクリル系樹脂であり、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の(メタ)アクリロイル基濃度が0.5mmol/g以上であり、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有量が、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して10〜200重量部である。そのため、この活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物を剥離型粘着シートの粘着剤層として用いた場合は、活性エネルギー線照射前の粘着力が良好であり、かつ、活性エネルギー線照射後の剥離性(微粘着性、耐汚染性)に非常に優れたものとすることができる。
以下、本発明を実施するための形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明において、「(メタ)アクリル」とはアクリルあるいはメタクリルを、「(メタ)アクリロイル」とはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
また、アクリル系樹脂とは、少なくとも1種の(メタ)アクリレート系モノマーを含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
なお、本発明において、「シート」とは、特に「フィルム」、「テープ」と区別するものではなく、これらも含めた意味として記載するものである。
本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物は、通常、金属板、プラスチック板、半導体ウエハ等の被加工部材と貼り合せた後に剥離することを前提とする、剥離型粘着シートの粘着剤層に用いられる。上記剥離型粘着シートは、活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物を基材シート上に塗工して、粘着剤層が形成されてなるものであり、被加工部材と貼り合せた後、活性エネルギー線を照射することにより粘着剤層が硬化して粘着力が低下し、容易に被加工部材から剥離することができるものである。
以下、本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物が含有する、アクリル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)、架橋剤(C)および光重合性開始剤(D)について説明する。
[アクリル系樹脂(A)]
本発明で用いるアクリル系樹脂(A)は、オキシアルキレン構造含有モノマー(a1)を含み、更に水酸基含有モノマー(a2)およびカルボキシ基含有モノマー(a3)の少なくとも一方を含む共重合体成分(a)を共重合して得られるアクリル系樹脂である。
上記オキシアルキレン構造含有モノマー(a1)は、オキシアルキレン構造含有(メタ)アクリレート系モノマーであることが好ましい。また、上記オキシアルキレン構造含有(メタ)アクリレート系モノマーは、下記一般式(1)で表されるものである。
Figure 2021031594
(式中、Xは炭素数1〜10、好ましくは1〜3のアルキレン基、Yは水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基、R1は水素原子またはメチル基、nは1以上の整数である。)
上記一般式(1)で表されるオキシアルキレン構造含有(メタ)アクリレート系モノマーの具体例としては、例えば、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−モノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の脂肪族オキシアルキレン鎖含有(メタ)アクリレートや、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート等の芳香族オキシアルキレン鎖含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも活性エネルギー線照射後の剥離性の点で脂肪族オキシアルキレン鎖含有(メタ)アクリレートが好ましく、特には脂肪族オキシエチレン鎖含有(メタ)アクリレートが好ましく、殊には2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレートが好ましい。
上記アクリル系樹脂(A)の共重合成分(a)における、オキシアルキレン構造含有モノマー(a1)の含有割合は、10〜99重量%であることが好ましく、より好ましくは30〜97重量%、特に好ましくは55〜95重量%である。かかる含有量が少なすぎると、活性エネルギー線照射前の粘着力が高くなりすぎる傾向があり、多すぎると活性エネルギー線照射前の粘着力が低くなりすぎる傾向がある。
上記水酸基含有モノマー(a2)は、水酸基含有(メタ)アクリレート系モノマーであることが好ましく、具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性モノマー、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン変性モノマー、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸等の1級水酸基含有モノマー;2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の2級水酸基含有モノマー;2,2−ジメチル2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の3級水酸基含有モノマー等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記水酸基含有モノマーのなかでも、後述の架橋剤(C)との反応性に優れ、活性エネルギー線照射前の粘着力に優れる点で、1級水酸基含有モノマーが好ましく、より好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、特に好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
また、上記カルボキシ基含有モノマー(a3)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イタコン酸、アクリルアミドN−グリコール酸、ケイ皮酸等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、後述の架橋剤(C)との反応性に優れ、活性エネルギー線照射前の粘着力に優れる点で、(メタ)アクリル酸が好ましい。
上記アクリル系樹脂(A)の共重合成分(a)における、水酸基含有モノマー(a2)およびカルボキシ基含有モノマー(a3)の少なくとも一方の含有割合は、0.1〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは3〜10重量%である。かかる含有量が少なすぎると、活性エネルギー線照射前の粘着力が低くなりすぎる傾向があり、多すぎると活性エネルギー線照射前の粘着力が高くなりすぎる傾向がある。
また、上記アクリル系樹脂(A)の共重合成分(a)における、水酸基含有モノマー(a2)の含有割合は、通常50重量%以下であり、好ましくは30重量%以下であり、特に好ましくは1〜10重量%である。かかる含有量が多すぎると塗工性が低下する傾向がある。なお、かかる含有量が少なすぎると、活性エネルギー線照射前の粘着力が低くなりすぎる傾向がある。
さらに、上記アクリル系樹脂(A)の共重合成分(a)における、カルボキシ基含有モノマー(a3)の含有割合は、通常40重量%以下であり、好ましくは20重量%以下であり、特に好ましくは1〜10重量%である。かかる含有量が多すぎると塗工性が低下する傾向がある。なお、かかる含有量が少なすぎると、活性エネルギー線照射前の粘着力が低くなりすぎる傾向がある。
本発明においては、活性エネルギー線照射前の粘着力の点から、アクリル系樹脂(A)の共重合成分(a)として、水酸基含有モノマー(a2)とカルボキシ基含有モノマー(a3)とを併用することが好ましい。
上記水酸基含有モノマー(a2)とカルボキシ基含有モノマー(a3)とを併用する場合の重量比率(水酸基含有モノマー(a2)/カルボキシ基含有モノマー(a3))は、通常1/99〜99/1、好ましくは50/50〜99/1、特に好ましくは80/20〜99/1である。水酸基含有モノマー(a2)の比率が多すぎると、活性エネルギー線照射前の粘着力が低下する傾向があり、カルボキシ基含有モノマー(a3)の比率が多すぎると、活性エネルギー線照射後の粘着力が高くなる傾向がある。
上記アクリル系樹脂(A)の共重合成分(a)には、上記のモノマー以外に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a4)を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の共重合性モノマー(a5)を含んでいてもよい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a4)としては、アルキル基の炭素数が、通常1〜20、好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜8、殊に好ましくは4〜8のものが挙げられる。炭素数が大きすぎると、剥離性が低下する傾向にあり、被加工部材を汚染しやすくなる傾向がある。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a4)は、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチルアクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等の脂肪族の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環族の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a4)のなかでも、共重合性、粘着特性、取り扱いやすさおよび原料入手しやすさの点で、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
アクリル系樹脂(A)の共重合成分(a)における、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a4)の含有量は、通常50重量%以下であり、好ましくは35重量%以下である。かかる含有量が多すぎると、活性エネルギー線照射前の粘着力が高くなりすぎる傾向がある。
上記その他の共重合性モノマー(a5)としては、例えば、
2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテート等のアセトアセチル基含有モノマー;
(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アリルグリシジル等のグリシジル基含有モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステルモノマー;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香環を含有するモノマー;
ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート等のビフェニルオキシ構造含有(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;
エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、(メタ)アクリルアミドN−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系モノマー;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルキルビニルエーテル、ビニルトルエン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、アリルアルコール、アクリルクロライド、メチルビニルケトン、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン等が挙げられる。これらのその他の共重合性モノマー(a5)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
アクリル系樹脂(A)の共重合成分(a)における上記その他の共重合性モノマー(a5)の含有量としては、通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。その他の共重合性モノマー(a5)が多すぎると粘着特性が低下しやすくなる傾向がある。
本発明で用いるアクリル系樹脂(A)は、オキシアルキレン構造含有モノマー(a1)、水酸基含有モノマー(a2)およびカルボキシ基含有モノマー(a3)の少なくとも一方、好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a4)、必要に応じてその他の共重合性モノマー(a5)を含む共重合成分(a)を共重合することにより得ることができる。
ただし、上記アクリル系樹脂(A)は、アクリル系樹脂の重合時の安定性の点から側鎖にラジカル重合性基を含有しないものとなるよう各モノマーを選択することが好ましい。
上記アクリル系樹脂(A)を得るための重合法としては通常、溶液ラジカル重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等の従来公知の方法により適宜行うことができる。なかでも溶液ラジカル重合が、任意のモノマー組成で安全かつ安定的に、アクリル系樹脂(A)を製造できるため好ましい。
上記溶液ラジカル重合は、例えば、有機溶剤中に、オキシアルキレン構造含有モノマー(a1)、水酸基含有モノマー(a2)およびカルボキシ基含有モノマー(a3)の少なくとも一方、好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a4)、必要に応じてその他の共重合性モノマー(a5)等の共重合成分(a)および重合開始剤を混合あるいは滴下し、還流状態あるいは50〜98℃の状態で、1〜20時間程度重合すればよい。
上記重合反応に用いられる有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤等が具体例として挙げられる。
このようにして、本発明で用いるアクリル系樹脂(A)を得ることができる。
上記アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、活性エネルギー線照射後の粘着力をより低下させる点から比較的低めの温度、好ましくは−30℃以下であることが好ましく、より好ましくは−65〜−30℃、さらに好ましくは−50〜−35℃である。ガラス転移温度が高すぎると活性エネルギー線照射後の粘着力が充分に低下しない傾向があり、低すぎると被加工部材への汚染性が高くなる傾向がある。
なお、上記ガラス転移温度(Tg)は、アクリル系樹脂(A)を構成するそれぞれのモノマーをホモポリマーとした際のガラス転移温度および重量分率を、下記のFoxの式に当てはめて算出した値である。
ここで、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーをホモポリマーとした際のガラス転移温度は、通常、示差走査熱量計(DSC)により測定されるものであり、JIS K 7121−1987や、JIS K 6240に準拠した方法で測定することができる。
Figure 2021031594
上記アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、通常1万〜250万、好ましくは10万〜200万、特に好ましくは15万〜150万、殊に好ましくは20万〜100万である。重量平均分子量が小さすぎると、被加工部材に対する耐汚染性が低くなる傾向があり、大きすぎると塗工性が低下しやすくなる傾向があり、またコストの面で不利となる傾向がある。
さらに、アクリル系樹脂(A)の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、20以下であることが好ましく、特には10以下が好ましく、さらには7以下が好ましく、殊には5以下が好ましい。かかる分散度が高すぎると被加工部材への汚染性が増大する傾向がある。なお、分散度の下限は、製造の限界の点から、通常1.1である。
上記の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフ(日本Waters社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100〜2×107、理論段数:10000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)を3本直列にして用いることにより測定されるものであり、数平均分子量も同様の方法によって得られる。
[ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)]
本発明で用いるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)は、カルバメート基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)は、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)と多価イソシアネート系化合物(b2)との反応物であるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)であってもよいし、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)、多価イソシアネート系化合物(b2)およびポリオール系化合物(b3)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B2)であってもよい。なかでも、本発明においては、活性エネルギー線照射後の剥離性の点で、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)が、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)と多価イソシアネート系化合物(b2)との反応物〔ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)〕であることが好ましい。
なお、本発明においてウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)としては、水酸基を1個有するものが好ましく、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、脂肪酸変性−グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を1個含有する水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物;
グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイル−オキシプロピルメタクリレート等のエチレン性不飽和基を2個含有する水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を3個以上含有する水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物等が挙げられる。
これらの水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)は単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)は、なかでも、反応性および汎用性に優れる点で、エチレン性不飽和基を3個以上含有する水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)が好ましく、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが特に好ましく、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが殊に好ましい。
上記多価イソシアネート系化合物(b2)としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族系多価イソシアネート;
ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート;
水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環族系多価イソシアネート;
あるいはこれら多価イソシアネートのイソシアヌレート体または多量体化合物、アロファネート型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート、水分散型ポリイソシアネート(例えば、日本ポリウレタン工業社製の「アクアネート100」、「アクアネート110」、「アクアネート200」、「アクアネート210」等)等が挙げられる。
これらのなかでも、反応性および汎用性に優れる点で、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環族系ジイソシアネートが好ましく、特に好ましくはイソホロンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートであり、さらに好ましくは、イソホロンジイソシアネートである。
上記ポリオール系化合物(b3)としては、水酸基を2個以上含有する化合物であればよく、例えば、脂肪族系ポリオール、脂環族系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、ポリイソプレン系ポリオール、(メタ)アクリル系ポリオール、ポリシロキサン系ポリオール等が挙げられる。これらは1種または2種以上を併用して用いることができる。
上記脂肪族系ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−テトラメチレンジオール、1,3−テトラメチレンジオール、2−メチル−1,3−トリメチレンジオール、1,5−ペンタメチレンジオール、1,6−ヘキサメチレンジオール、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオール、ペンタエリスリトールジアクリレート、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の2個の水酸基を含有する脂肪族系アルコール類、キシリトールやソルビトール等の糖アルコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の3個以上の水酸基を含有する脂肪族系アルコール類等が挙げられる。
上記脂環族系ポリオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキシルジメタノール等のシクロヘキサンジオール類、水添ビスフェノールA等の水添ビスフェノール類、トリシクロデカンジメタノール等が挙げられる。
上記ポリエーテル系ポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリペンタメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等のポリアルキレングリコールや、これらポリアルキレングリコールのランダムあるいはブロック共重合体等が挙げられる。
上記ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物;環状エステル(ラクトン)の開環重合物;多価アルコール、多価カルボン酸および環状エステルの3種類の成分による反応物等が挙げられる。
上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−テトラメチレンジオール、1,3−テトラメチレンジオール、2−メチル−1,3−トリメチレンジオール、1,5−ペンタメチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレンジオール、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、シクロヘキサンジオール類(1,4−シクロヘキサンジオール等)、ビスフェノール類(ビスフェノールA等)、糖アルコール類(キシリトールやソルビトール等)等が挙げられる。
上記多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;
テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
上記環状エステルとしては、例えば、プロピオラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
上記ポリカーボネート系ポリオールとしては、例えば、多価アルコールとホスゲンとの反応物;環状炭酸エステル(アルキレンカーボネート等)の開環重合物等が挙げられる。
上記多価アルコールとしては、前記ポリエステル系ポリオールの説明中で例示の多価アルコール等が挙げられ、上記アルキレンカーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、ヘキサメチレンカーボネート等が挙げられる。
なお、ポリカーボネート系ポリオールは、分子内にカーボネート結合を有し、末端がヒドロキシル基である化合物であればよく、カーボネート結合とともにエステル結合を有していてもよい。
上記ポリオレフィン系ポリオールとしては、飽和炭化水素骨格としてエチレン、プロピレン、ブテン等のホモポリマーまたはコポリマーを有し、その分子末端に水酸基を有するものが挙げられる。
上記ポリブタジエン系ポリオールとしては、炭化水素骨格としてブタジエンの共重合体を有し、その分子末端に水酸基を有するものが挙げられる。
ポリブタジエン系ポリオールは、その構造中に含まれるエチレン性不飽和基の全部または一部が水素化された水添化ポリブタジエンポリオールであってもよい。
上記ポリイソプレン系ポリオールとしては、炭化水素骨格としてイソプレンの共重合体を有し、その分子末端に水酸基を有するものが挙げられる。
ポリイソプレン系ポリオールは、その構造中に含まれるエチレン性不飽和基の全部または一部が水素化された水添化ポリイソプレンポリオールであってもよい。
上記(メタ)アクリル系ポリオールとしては、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体の分子内にヒドロキシル基を少なくとも2つ有しているものが挙げられ、かかる(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
上記ポリシロキサン系ポリオールとしては、例えば、ジメチルポリシロキサンポリオールやメチルフェニルポリシロキサンポリオール等が挙げられる。
これらのなかでも、コストの点では、脂肪族ポリオール、脂環族ポリオールが好ましく用いられ、汎用性の点ではポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオールが好ましく用いられる。
上記ポリオール系化合物(b3)の重量平均分子量としては、60〜3000が好ましく、特に好ましくは100〜1000、さらに好ましくは150〜800である。ポリオール系化合物(b3)の重量平均分子量が大きすぎると、得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)とアクリル系樹脂(A)とが均一に混じりにくくなり被加工部材への糊残りが生じやすくなる傾向がある。また、ポリオール系化合物(b3)の重量平均分子量が小さすぎると、活性エネルギー線照射後に粘着剤層にクラックが発生しやすくなる傾向がある。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)は、以上のような成分を、公知の反応手段により反応させることで製造することができる。
通常、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)を得る場合には上記水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)と多価イソシアネート系化合物(b2)とを、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B2)を得る場合にはさらにポリオール系化合物(b3)を、反応器に一括または別々に仕込み公知の反応手段によりウレタン化反応させて製造することができる。また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B2)を製造する場合には、ポリオール系化合物(b3)と多価イソシアネート系化合物(b2)とを予め反応させて得られる反応生成物に、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)を反応させる方法が、ウレタン化反応の安定性や副生成物の低減等の点で有用である。
上記水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)と多価イソシアネート系化合物(b2)との反応においては、反応を促進する目的で反応触媒を用いることが好ましく、かかる反応触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、トリメチル錫ヒドロキシド、テトラ−n−ブチル錫等の有機金属化合物、オクテン酸亜鉛、オクテン酸錫、オクチル酸錫、ナフテン酸コバルト、塩化第1錫、塩化第2錫等の金属塩、トリエチルアミン、ベンジルジエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N−エチルモルホリン等のアミン系触媒、硝酸ビスマス、臭化ビスマス、ヨウ化ビスマス、硫化ビスマス等の他、ジブチルビスマスジラウレート、ジオクチルビスマスジラウレート等の有機ビスマス化合物や、2−エチルヘキサン酸ビスマス塩、ナフテン酸ビスマス塩、イソデカン酸ビスマス塩、ネオデカン酸ビスマス塩、ラウリル酸ビスマス塩、マレイン酸ビスマス塩、ステアリン酸ビスマス塩、オレイン酸ビスマス塩、リノール酸ビスマス塩、酢酸ビスマス塩、ビスマスリビスネオデカノエート、ジサリチル酸ビスマス塩、ジ没食子酸ビスマス塩等の有機酸ビスマス塩等のビスマス系触媒、無機ジルコニウム、有機ジルコニウム、ジルコニウム単体等のジルコニウム系触媒、2−エチルヘキサン酸亜鉛/ジルコニウムテトラアセチルアセトナート等の2種類以上の触媒を併用したものが挙げられ、なかでも、有機ビスマス化合物が好ましく、2−エチルヘキサン酸ビスマス塩が特に好ましい。なお、これらの触媒は1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
上記ウレタン化反応においては、イソシアネート基に対して反応する官能基を有しない有機溶剤、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族類等の有機溶剤を用いることができる。
また、上記ウレタン化反応の反応温度は、通常30〜90℃、好ましくは40〜80℃であり、反応時間は、通常2〜10時間、好ましくは3〜8時間である。
上記のウレタン化反応は、反応系の残存イソシアネート基含有率が0.5重量%以下になる時点で反応を終了させることにより、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)が得られる。
このようにして得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の(メタ)アクリロイル基濃度は、0.5mmol/g以上である。好ましくは1〜20mmol/gであり、より好ましくは2〜10mmol/gであり、特に好ましくは3〜8mmol/gである。ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の(メタ)アクリロイル基濃度を上記の範囲とすることで、活性エネルギー線照射後の剥離性に優れたものとすることができる。
また、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)は、活性エネルギー線照射後の剥離性の点から、エチレン性不飽和基を6個以上有することが好ましく、より好ましくは6〜18個、特に好ましくは8〜15個である。
かかるエチレン性不飽和基数が多すぎると活性エネルギー線照射後の架橋密度が大きくなりすぎて、粘着剤層にクラックが発生しやすくなり、少なすぎると充分な架橋密度が得られないため、活性エネルギー線照射後に剥離しにくくなる傾向がある。
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の重量平均分子量は、通常500〜10000、好ましくは750〜5000、より好ましくは1000〜4000である。かかる重量平均分子量が大きすぎるとウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の粘度が高くなり、アクリル系樹脂(A)との相溶性が低下し、被加工部材への糊残りが生じやすくなる傾向がある。重量平均分子量が小さすぎると粘着シートからウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)がブリードして糊残りが生じやすくなる傾向がある。
なお、上記の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフ(Waters社製、「ACQUITY APCシステム」)に、カラム:ACQUITY APC XT 450×1本、ACQUITY APC XT 200×1本、ACQUITY APC XT 45×2本を4本直列にして用いることにより測定される。
本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の60℃における粘度は、500〜100000mPa・sであることが好ましく、特に好ましくは1000〜50000mPa・sである。かかる粘度が上記範囲外では、塗工性が低下する傾向がある。なお、粘度はE型粘度計により測定することができる。
本発明においてウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して10〜200重量部である。好ましくは15〜100重量部、特に好ましくは20〜80重量部である。ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有量が少なすぎると活性エネルギー線照射後の剥離性が低下しやすくなる傾向があり、多すぎると活性エネルギー線照射後に粘着剤層にクラックが発生しやすくなる傾向がある。
[架橋剤(C)]
本発明に用いる架橋剤(C)としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、アミン系架橋剤等が挙げられる。これらのなかでも、剥離型粘着シートの基材シートとの接着性を向上させる点やアクリル系樹脂(A)との反応性の点から、イソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。
また、これらの架橋剤(C)は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、およびこれらのポリイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、これらポリイソシアネート化合物のビュレット体やイソシアヌレート体等が挙げられる。
これらのなかでも薬剤耐性や官能基との反応性の点でヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体、2,4−トリレンジイソシアネートおよび2,6−トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、テトラメチルキシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体が好ましい。
上記エポキシ系架橋剤としては、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、1,3'−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキ
サン、N,N,N',N'−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン等が挙げられる。
上記アジリジン系架橋剤としては、例えば、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N'−ジフェニルメタン−4,4'−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N'−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。
上記オキサゾリン系架橋剤としては、例えば、2,2'−ビス(2−オキサゾリン)、
1,2−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)エタン、1,4−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ブタン、1,8−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ブタン、1,4−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)シクロヘキサン、1,2−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン等の脂肪族あるいは芳香族を含むビスオキサゾリン化合物、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等の付加重合性オキサゾリンの1種または2種以上の重合物等が挙げられる。
上記メラミン系架橋剤としては、例えば、へキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサプトキシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン、ヘキサヘキシルオキシメチルメラミン、メラミン樹脂等が挙げられる。
上記アルデヒド系架橋剤としては、例えば、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、マレインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
上記アミン系架橋剤としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、トリエチルテトラアミン、イソホロンジアミン、アミノ樹脂、ポリアミド等が挙げられる。
上記架橋剤(C)の含有量は、通常、アクリル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の合計(後述するエチレン性不飽和化合物を用いる場合には、エチレン性不飽和化合物も含める)100重量部に対して、0.1〜30重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.2〜20重量部、さらに好ましくは0.3〜15重量部である。架橋剤(C)が少なすぎると、粘着剤の凝集力が低下し、糊残りの原因となる傾向があり、架橋剤(C)が多すぎると、柔軟性および粘着力が低下し、被加工部材との間に浮きが生じる傾向がある。
[光重合性開始剤(D)]
本発明で用いる光重合開始剤(D)は、光の作用によりラジカルを発生するものであればよく、例えば、
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3',4,4'−テトラ(ter
t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;
2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフォンオキサイド類;
等が挙げられる。なかでも、アセトフェノン類が好ましく、特に好ましくは1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンである。なお、これら光重合性開始剤(D)は、単独で用いるか、または2種以上を併用することができる。
また、これら光重合性開始剤(D)の助剤として、例えば、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4'−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)
、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−
ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシ
ル、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等を併用することも可能である。これらの助剤も単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
光重合性開始剤(D)の含有量は、アクリル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の合計(後述するエチレン性不飽和化合物を用いる場合には、エチレン性不飽和化合物も含める)100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.5〜15重量部、殊に好ましくは1〜10重量部である。光重合性開始剤(D)の含有量が少なすぎると活性エネルギー線照射後の剥離性が低下しやすくなる傾向があり、多すぎると活性エネルギー線照射後に被加工部材に対する汚染性が高くなる傾向がある。
[エチレン性不飽和化合物]
本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物は、活性エネルギー線照射後の剥離特性の点からエチレン性不飽和化合物を含有することも好ましい。上記エチレン性不飽和化合物は、エチレン性不飽和基を有する化合物であれば、特に限定されずに用いることができ、なかでも、アクリル系樹脂(A)との相溶性の点で(メタ)アクリレート系化合物であることが好ましい。なお、上記エチレン性不飽和化合物は、前記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)を除くものである。
上記エチレン性不飽和化合物は、活性エネルギー線照射後の剥離特性に優れる点で、エチレン性不飽和基数が、1分子当たり通常2〜10個であり、好ましくは、3〜9個、特に好ましくは4〜8個である。かかるエチレン性不飽和基数が多すぎると活性エネルギー線照射後の架橋密度が大きくなりすぎて、粘着剤層にクラックが発生しやすくなる傾向にあり、少なすぎると充分な架橋密度が得られないため、活性エネルギー線照射後に剥離しにくくなる傾向にある。
上記エチレン性不飽和化合物としては、例えば、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート等のエチレン性不飽和基を2個有する化合物;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート等のエチレン性不飽和基を3個有する化合物;
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を4個以上有する化合物;
等が挙げられる。
また、エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸のミカエル付加物あるいは2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルも併用可能であり、かかる(メタ)アクリル酸のミカエル付加物としては、(メタ)アクリル酸ダイマー、(メタ)アクリル酸トリマー、(メタ)アクリル酸テトラマー等が挙げられる。
上記2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルは、特定の置換基をもつカルボン酸であり、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル等が挙げられる。さらに、その他オリゴエステルアクリレートも挙げられる。
これらのなかでも、活性エネルギー線照射後の粘着特性に優れることから、水酸基を有さないエチレン性不飽和化合物が好ましく、より好ましくは、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートであり、特に好ましくは、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートである。上記エチレン性不飽和化合物は、単独でもしくは2種以上を併用してもよい。
また、本発明においては、エチレン性不飽和化合物から(メタ)アクリル酸を除いた化合物の骨格と、前記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の製造で用いた水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)から(メタ)アクリル酸を除いた化合物の骨格とが互いに同一であることが、相溶性および粘着特性に優れる点で好ましい。
上記エチレン性不飽和化合物の含有量は、通常、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して5〜100重量部であり、好ましくは10〜80重量部、特に好ましくは20〜60重量部である。エチレン性不飽和化合物の含有量が少なすぎると活性エネルギー線照射後に剥離しにくくなる傾向があり、多すぎると剥離後の被加工部材に対する耐汚染性が低下する傾向がある。
[その他の成分]
本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、例えば、少量の単官能モノマー、帯電防止剤、酸化防止剤、可塑剤、充填剤、顔料、希釈剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤等の添加剤をさらに含有していてもよく、これらの添加剤は1種を単独でまたは2種以上を併せて用いることができる。特に酸化防止剤は、粘着剤層の安定性を保つのに有効である。酸化防止剤を配合する場合の含有量は、特に制限はないが、好ましくは活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物に対して0.01〜5重量%である。
なお、本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物には、上記添加剤の他にも、活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物の構成成分の製造原料等に含まれる不純物等が少量含有されていてもよい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物は、活性エネルギー線照射後に被加工部材に対する耐汚染性が低くなる点から、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、クロマン系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、石油系樹脂等の粘着付与樹脂を含まないことが好ましい。
かくして、アクリル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)、架橋剤(C)および光重合性開始剤(D)、必要に応じて、エチレン性不飽和化合物、その他の成分等の任意成分を混合することにより、本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物が得られる。
本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物は、上記架橋剤(C)により架橋され、剥離型粘着シートの粘着剤層として好適に用いられる。そして、この剥離型粘着シートは、被加工部材と貼り合せた後、活性エネルギー線照射することにより、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)〔および、エチレン性不飽和化合物を含有する場合は、エチレン性不飽和化合物〕が重合して粘着剤層が硬化し、粘着力の低下が起こることで剥離性を発揮する。この特性を利用して、各種の被加工部材を加工する際、一時的にその被加工部材の表面を保護する用途に用いられる。
以下、剥離型粘着シートについて説明する。
上記剥離型粘着シートによって保護される被加工部材としては、例えば、半導体ウエハ、プリント基板、ガラス加工品、金属板、プラスチック板等が挙げられる。
上記剥離型粘着シートは、通常、基材シート、本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物からなる粘着剤層、離型フィルムを有する。かかる剥離型粘着シートの作製方法としては、まず本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物をそのまま、または適当な有機溶剤により濃度調整し、離型フィルム上または基材シート上に直接塗工する。その後、例えば80〜105℃、0.5〜10分間加熱処理等により乾燥させ、これを基材シートまたは離型フィルムに貼付することにより剥離型粘着シートを得ることができる。また、粘着特性のバランスをとるために、乾燥後にさらにエージングを行ってもよい。
上記基材シートとしては、例えば、ポリエチレンナフタート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン等のポリフッ化エチレン樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体;三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂;ポリスチレン;ポリカーボネート;ポリアリレート;ポリイミド等からなる群から選ばれた少なくとも一つの合成樹脂からなるシート;アルミニウム、銅、鉄の金属箔、上質紙、グラシン紙等の紙、ガラス繊維、天然繊維、合成繊維等からなる織物や不織布が挙げられる。これらの基材シートは、単層体としてまたは2種以上が積層された複層体として用いることができる。これらのなかでも、軽量化等の点から、合成樹脂からなるシートが好ましい。
さらに、上記離型フィルムとしては、例えば、上記基材シートで例示した各種合成樹脂シート、紙、織物、不織布等に離型処理したものを使用することができる。
また、上記活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物の塗工方法としては、一般的な塗工方法であれば特に限定されることなく、例えば、ロールコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング、コンマコーティング、スクリーン印刷等の方法が挙げられる。
上記剥離型粘着シートにおける粘着剤層の厚みは、通常、1〜200μmであることが好ましく、さらには10〜100μmであることが好ましい。
活性エネルギー線としては、通常、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線を用いることが有利である。
上記紫外線の積算照射量は、通常50〜3000mJ/cm2、好ましくは100〜1000mJ/cm2である。また、照射時間は、光源の種類、光源と粘着剤層との距離、粘着剤層の厚み、その他の条件によっても異なるが、通常は数秒間、場合によっては1秒に満たないごく短時間でもよい。
上記剥離型粘着シートの粘着力は、基材シートの種類、被加工部材の種類等によっても異なるが、活性エネルギー線照射前の180度剥離強度は、通常0.3N/25mm以上であり、好ましくは1N/25mm以上である。
上記剥離型粘着シートは、通常、活性エネルギー照射後の剥離強度が活性エネルギー線照射前の剥離強度よりも低くなるものである。
上記剥離型粘着シートの活性エネルギー線照射後の180度剥離強度は、通常1N/25mm以下であり、好ましくは0.5N/25mm以下である。
また、剥離型粘着シートの活性エネルギー線照射後の30度剥離強度は、10N/25mm以下であり、好ましくは3N/25mm以下である。
なお、180度剥離強度と30度剥離強度とでは、一般的に、30度剥離強度のほうが大きな値となるもの(大きな力を要するもの)であり、粘着力の優劣をより有効に評価できるものである。
また、下記式により求められる活性エネルギー線照射前後の180度剥離強度の変化率(剥離強度が低下する割合)は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
粘着力の変化率(%)=〔(活性エネルギー線照射前の粘着力−活性エネルギー線照射後の粘着力)/活性エネルギー線照射前の粘着力〕×100
本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物を、粘着剤層として用いた剥離型粘着シートは、これを被加工部材と貼り合せ、被加工部材の表面を一時的に保護した後に、活性エネルギー線を照射することにより、粘着剤層が硬化して粘着力が低下するため、容易に被加工部材から剥離することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下「%」、「部」とあるのは、重量基準を意味する。
<アクリル系樹脂(A)溶液の調製>
〔アクリル系樹脂(A−1)〕
温度調節機、温度計、撹拌機、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル95部、メチルエチルケトン7.5部、重合触媒としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.025部を仕込み、撹拌しながら昇温し、内温が78℃で安定した段階で、共重合成分としてメトキシエチルアクリレート(a1)60部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(a2)0.1部、アクリル酸(a2)8部、メチルアクリレート(a3)31.9部、AIBN0.038部、酢酸エチル5.0部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下し、還流下で反応させた。次いで、反応開始から3時間後に酢酸エチル3.8部とAIBN0.038部を溶解させた液を添加し、反応開始から5時間後に酢酸エチル28.8部と2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)0.025部を溶解させた液を添加し、反応開始から7時間後に酢酸エチル17.5部を投入し反応を終了させ、アクリル系樹脂(A−1)溶液ガラス転移温度−15.3℃、樹脂分37.4%、粘度30000mPa・s(25℃)〕を得た。
〔アクリル系樹脂(A−2)〜(A−6)及び(A’−1)〕
表1に示す通りのモノマー組成において、上記アクリル系樹脂(A−1)の調製方法に準じて重合を行い、アクリル系樹脂溶液を得た。ただし、最終的な希釈濃度はアクリル系樹脂の粘度に合わせて調整した。
Figure 2021031594
下記のようにしてウレタン(メタ)アクリル系化合物(B)を調製した。
<ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の調製>
〔ウレタンアクリレート(B−1)〕
温度調節機、温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート6.6部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(水酸基価48mgKOH/g)93.4部、重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.06部、反応触媒としてビスマス系化合物である2−エチルヘキサン酸ビスマス塩(日東化成社製)0.03部を仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート(B−1)(エチレン性不飽和基10個、重量平均分子量2000、アクリロイル基濃度5.0mmol/g)混合物を得た。
〔ウレタンアクリレート(B'−1)〕
温度調節機、温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート30.05部、ポリアルキレンカーボネートジオール53.98部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15.93部、重合禁止剤として4−メトキシフェノール0.040部、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.001部を仕込み、55℃〜80℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート(B'−1)(エチレン性不飽和基2個、重量平均分子量5000、アクリロイル基濃度0.4mmol/g)混合物を得た。
また、下記に示す各配合成分を準備した。
〔架橋剤(C)〕
・イソシアネート系架橋剤(C−1):トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(東ソー社製:コロネートL55E)
〔光重合性開始剤(D)〕
・光重合性開始剤(D−1):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IGM Resins社製:OMNIRAD184)
<実施例1〜6、比較例1〜3>
〔粘着剤組成物の調製〕
上記で用意した各成分を表2に示す通りの配合量にて配合し、希釈溶剤としてトルエンを混合して、活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物溶液(固形分20%)を得た。
〔剥離型粘着シートの作製〕
得られた活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物溶液を、基材シートとして、易接着ポリエチレンテレフタレートフイルム(膜厚38μm)(東レ社製、「T60 ルミラー」)上に、アプリケーターで塗工した後、100℃で2分間乾燥し、離型フィルム(三井化学東セロ社製、「SP−PET 38 01−BU」)に貼付し、40℃にて7日間エージングすることにより、剥離型粘着シート(粘着剤層の厚み25μm)を得た。
得られた剥離型粘着シートを用いて下記の評価を行った。
〔活性エネルギー線照射前の180度剥離強度〕
上記で得られた剥離型粘着シートから25mm×100mmの試験片を作製し、離型フィルムを剥がしたうえで、ステンレス板(SUS304BA板)に23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて重量2kgのゴムローラーを2往復させて加圧貼付し、同雰囲気下で30分間静置した後、剥離速度300mm/minで180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
〔活性エネルギー線照射後の180度剥離強度〕
上記で得られた剥離型粘着シートから25mm×100mmの試験片を作製し、離型フィルムを剥がしたうえで、ステンレス板(SUS304BA板)に23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて重量2kgのゴムローラーを2往復させて加圧貼付し、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で30分間放置した後、80Wの高圧水銀灯を1灯用いて、18cmの高さから5.1m/minのコンベア速度で紫外線照射(積算照射量180mJ/cm2)を行った。さらに23℃、相対湿度50%の雰囲気下で30分間静置した後、剥離速度300mm/minで180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
〔活性エネルギー線照射後の30度剥離強度〕
上記で得られた剥離型粘着シートから25mm×100mmの試験片を作製し、離型フィルムを剥がしたうえで、ステンレス板(SUS304BA板)に23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて重量2kgのゴムローラーを2往復させて加圧貼付し、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で30分間静置した後、80Wの高圧水銀灯を1灯用いて、18cmの高さから5.1m/minのコンベア速度で紫外線照射(積算照射量180mJ/cm2)を行った。さらに23℃、相対湿度50%の雰囲気下で30分間静置した後、剥離速度300mm/minで30度剥離強度(N/25mm)を測定し、下記の評価基準により評価を行った。
[評価基準]
〇・・・3N/25mm未満
△・・・3N/25mm以上、10N/25mm未満
×・・・10N/25mm以上
〔被着体汚染性〕
上記の方法でステンレス板(SUS304BA板)から剥離型粘着シートを剥離した後、ステンレス板(SUS304BA板)表面の糊残りを目視で確認し、下記評価基準により評価を行った。
(評価基準)
○・・・糊残りなし
×・・・糊残りあり
〔ヘイズ〕
上記で得られた剥離型粘着シートから離型フィルムを剥がしたうえで、拡散透過率および全光線透過率を、HAZE MATER NDH2000(日本電色工業社製)を用いて測定した。なお、本機はJISK7361−1に準拠している。
得られた拡散透過率と全光線透過率の値を下記式に代入して、ヘイズを算出し、下記の基準にて評価した。
ヘイズ(%)=(拡散透過率/全光線透過率)×100
実施例および比較例の評価結果を下記表2に示す。
Figure 2021031594
上記表1から、実施例においては、活性エネルギー線照射前の粘着力に優れるとともに、活性エネルギー線照射後の粘着力に優れるものであるのに対して、アクリル系樹脂(A)がオキシアルキレン構造含有モノマー(a1)を含まない比較例1では、活性エネルギー線照射後の粘着力が劣るものであった。また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有量の少ない比較例2は活性エネルギー線照射後の粘着力が劣るものであった。さらに、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)のアクリロイル基濃度の低い比較例3も活性エネルギー線照射後の粘着力が劣るものであった。
このことからも、アクリル系樹脂(A)がオキシアルキレン構造含有モノマー(a1)を含むこと、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有量が所定の範囲内であること、およびウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)のアクリロイル基濃度が所定の範囲内であることが重要であることが分かる。
本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物は、半導体ウエハ、プリント基板、ガラス加工品、金属板、プラスチック板等を加工する際の一時的な表面保護用粘着フィルムに好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. アクリル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)、架橋剤(C)および光重合性開始剤(D)を含有する活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物であって、
    上記アクリル系樹脂(A)が、オキシアルキレン構造含有モノマー(a1)を含み、更に水酸基含有モノマー(a2)およびカルボキシ基含有モノマー(a3)の少なくとも一方を含む共重合成分(a)が共重合されたアクリル系樹脂であり、
    上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の(メタ)アクリロイル基濃度が0.5mmol/g以上であり、
    上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有量が、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して10〜200重量部である
    ことを特徴とする活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物。
  2. 上記アクリル系樹脂(A)の共重合成分(a)における、オキシアルキレン構造含有モノマー(a1)の含有割合が10〜99重量%であり、水酸基含有モノマー(a2)およびカルボキシ基含有モノマー(a3)の少なくとも一方の含有割合が0.1〜50重量%であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物。
  3. 上記アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度が−30℃以下であることを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物。
  4. 上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)が、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)と多価イソシアネート系化合物(b2)との反応物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物。
  5. 上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の(メタ)アクリロイル基数が6個以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物が架橋された粘着剤層を有することを特徴とする剥離型粘着シート。
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