JP2021030557A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、油や有機物が付着した金属面であっても高い接着性を発揮できるよう改質が可能な樹脂層と、基材とを有する積層体を提供するものである。また、金属面の改質が可能なプライマー組成物を提供するものである。【解決手段】 特定の構造を有するグリシジルエーテル基およびまたは2−メチルグリシジルエーテル基を少なくとも1つ以上有することを特徴とする化合物Aを含有する樹脂層Aと、基材からなる積層体を提供することで、前記課題を解決する。また、 特定の構造を有するグリシジルエーテル基およびまたは2−メチルグリシジルエーテル基を少なくとも1つ以上有することを特徴とする化合物Aを含有するプライマー組成物を提供することで、前記課題を解決する。【選択図】 なし

Description

本発明は、グリシジルエーテル基およびまたは2−メチルグリシジルエーテル基を少なくとも1つ以上有する特定構造の化合物Aを有する樹脂層と、基材とからなる積層体に関する。
CO削減・燃費向上などから自動車・飛行機の軽量化は益々進み、これに伴いスポット溶接数の低減や樹脂と金属の併用などによる軽量化が進められ、これらに用いられる構造材料用接着剤の高性能化が強く求められている。
また、半導体封止材料や多層プリント基板用絶縁層などに用いられる先端電子材料においても、その極薄型化の影響から、構造接合や溶接から接着剤の使用が求められている。
その中でも、特に金属材料の接着は、熱膨張差の大きいことから、膨張と収縮に伴う界面応力により、剥離やゆがみが生じやすいという課題があった。特に金属とプラスチックのように、熱膨張係数の異なる材料を接着させるには、強い接着性が求められている。
しかし、構造材料用接着剤において、金属が基材の場合には金属と接着剤との密着性の低さや熱膨張係数の差から剥離しやすいという課題があった。そこで、接着剤の密着性を向上させるために、例えば特許文献1においては、アミノ基を有するシランカップリング剤をプライマーとして用いる事例のように、金属用のプライマーを用いることが開示されている。
一方、金属用のプライマーを用いた場合であっても、金属自体が保護膜で覆われていたり汚れがあったりした場合には、十分な接着性を発揮できない場合があった。
特開2018−39211
本発明の課題は、油や有機物が付着した金属面であっても高い接着性を発揮できるよう改質が可能な樹脂層と、基材とを有する積層体を提供するものである。また、金属面の改質が可能なプライマー組成物を提供するものである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の構造を有するグリシジルエーテル基およびまたは2−メチルグリシジルエーテル基を少なくとも1つ以上有することを特徴とする一般式(1)、(2)、(3)のいずれかの構造式で表される化合物Aを含有する樹脂層Aと、基材からなる積層体を提供することで、前記課題を解決可能であることを見出した。
・・・(1)
・・・(2)
・・・(3)
(式(1)〜(3)中、nは1または2の整数であって、mは0〜3の整数であって、
Rはそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、ベンジル基、アセチル基、カルボキシル基、炭素数1〜20のエステルから選ばれる基であって、
Xはそれぞれ独立して下記式(4−1)〜式(4−5)で表される構造である

・・・(4−1)

・・・(4−2)

・・・(4−3)

・・・(4−4)

・・・(4−5)
(式中、pは1〜10の整数であって、Yはそれぞれ独立して酸素原子、炭素数1〜10のアルキル基、水酸基を有する炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる連結基である
(但し、繰り返し単位中に存在する各繰り返し単位はそれぞれ同一であっても異なっていても構わない)。
また、式中、Zはそれぞれ独立して下記式(5−1)〜式(5−3)で表される構造である。)。)

・・・(5−1)

・・・(5−2)

・・・(5−3)
また、本発明は前記化合物Aを含有するプライマー組成物を提供することで、前記課題を解決する。
本発明の積層体は、基材の熱膨張差に耐えうる高い接着性を提供可能な積層体である。また、本発明のプライマー組成物は、特に金属向け接着剤の改質剤、下塗り剤として接着性を改良することが可能である。
<化合物A>
本発明の化合物Aは、グリシジルエーテル基およびまたは2−メチルグリシジルエーテル基を少なくとも1つ以上有することを特徴とする、以下式(1)、(2)、(3)のいずれかで表されるエポキシ化合物である。
・・・(1)
・・・(2)
・・・(3)
(式(1)〜(3)中、nは1または2の整数であって、mは0〜3の整数であって、
Rはそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、ベンジル基、アセチル基、カルボキシル基、炭素数1〜20のエステルから選ばれる基であって、
Xはそれぞれ独立して下記式(4−1)〜式(4−5)で表される構造である

・・・(4−1)

・・・(4−2)

・・・(4−3)

・・・(4−4)

・・・(4−5)
(式中、pは1〜10の整数であって、Yはそれぞれ独立して酸素原子、炭素数1〜10のアルキル基、水酸基を有する炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる連結基である
(但し、繰り返し単位中に存在する各繰り返し単位はそれぞれ同一であっても異なっていても構わない)。
また、式中、Zはそれぞれ独立して下記式(5−1)〜式(5−3)で表される構造である。)。)

・・・(5−1)

・・・(5−2)

・・・(5−3)
本発明の化合物Aは、芳香環の隣り合った炭素に水酸基を有するいわゆるカテコール構造を有する。カテコール構造は金属との親和性が高いため、化合物Aは金属面に強く密着する。
また、置換基Xはグリシジルエーテル基およびまたは2−メチルグリシジルエーテル基といったエポキシ基を有することから、有機化合物との親和性が高く、樹脂組成物との密着性が高い。特に、エポキシ基との反応性を有する接着剤の場合、本発明の化合物Aと反応することで強固な接着性を発揮することができる。
本発明の化合物Aは、式(1)で表されるベンゼン型化合物と、式(2)および(3)で表されるナフタレン型化合物とあるが、好ましくは式(1)で表されるベンゼン型化合物である。ベンゼン型化合物であると化合物の貯蔵安定性に優れる。
本発明の化合物Aにおいて、nは1または2の整数である。好ましくはn=1の場合である。n=1であると、基材の単位面積当たりに存在する分子の密度が高くなる。
本発明における化合物Aにおいて、Xはエポキシ基を有する基である。具体的な構造としては、それぞれ独立して前記式(4−1)〜式(4−5)で表される構造である。
中でも好ましくは、式(4-1)、(4-2)、(4-3)、(4-4)の直鎖タイプの基である。直鎖タイプであると、化合物Aを含む樹脂層中において、エポキシ末端の自由度が高まるため、その後に塗工される接着剤層との化学反応が起こりやすいからである。
Xにおいて、さらに好ましくは式(4-1)の芳香環に直結したエーテルタイプである。芳香環に直結したエーテルタイプであると、エポキシ基の活性が高まり、接着剤層とより強力に接合する。
X中、Yはそれぞれ独立して酸素原子、炭素数1〜10のアルキル基、水酸基を有する炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる連結基である。好ましくはアルキル基または水酸基を有するアルキル基であり、さらに好ましくはアルキル基であり、特に好ましくは炭素数1~3のアルキル基である。
本発明の化合物Aについて、具体例としては以下の構造が挙げられる。
中でも好ましくは以下の構造である。

=H or CH
=H, C〜C
=CH
=C〜C12
特に好ましくは以下の構造である。
=H or CH
=H, C〜C
さらに好ましくは以下の構造である。
=H or CH
=H
本発明の化合物Aは、公知慣用の方法で合成すればよい。例えば、以下のような方法で合成することができる。
ベンゼンまたはナフタレン上に隣接した2つの水酸基を含む合計3つの水酸基を持つ化合物を、酸性触媒存在下、アセタールで隣接する2つの水酸基を保護する。その後、残った水酸基をエピクロルヒドリンでエポキシ化した後に、酸性触媒下でアセタールを脱保護することで得られる。
<プライマー組成物>
本発明の化合物Aを含む組成物は、プライマー組成物、特に金属用のプライマー組成物として好適に用いることが可能である。
本発明のプライマー組成物は、金属との親和性の高いカテコール構造と、樹脂との親和性が高いエポキシ基を有する部分が存在することから、カップリング剤のような働きが期待できる。本発明のプライマー組成物は、金属表面、特に保護油や汚れといった有機物が付着した状態の金属であっても表面の改質を行えることから、金属修飾剤や下塗り剤、接着剤の前処理剤として使用することができる。
プライマー組成物としては、化合物Aに加えて溶剤を含有することが好ましい。溶剤としては特に限定はなく、水や親水性溶剤、あるいは有機溶剤を用いることができる。これらの溶剤は、化合物Aを溶解あるいは分散させることができればよい。
例えば化合物Aが低分子あるいは水酸基価が高い場合、親水性が高い溶剤が好ましく、水やアルコール、ケトン、エーテルといった水系溶剤を用いることができる。
また、化合物Aの分子量が大きい場合やアルキル部分が多い場合には、有機溶剤を用いることができる。
例えば親水性溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、カルビトール、セロソルブ、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、等のケトン類、テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル類が挙げられる。
有機溶媒としては、ジオキソラン等の環状エーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族類等が挙げられる。
プライマー組成物において、化合物A濃度は特に限定はないが、0.01〜5質量%程度であると、基材表面において化合物Aが配向しやくすくなるので好ましい。理論上、化合物Aの単分子膜が形成されると、界面修飾が最も効率よく行えると思われるからである。
さらに好ましくは0.1〜3質量%の場合である。
<積層体>
本発明の積層体は、化合物Aを含有する樹脂層Aと、基材とを有する積層体である。
本発明の化合物は、金属表面の接着性を改良するものである。積層体としては、
1)金属基材に対し樹脂層Aを形成したもの
2)樹脂基材に対し樹脂層Aを形成したもの
3)金属と樹脂の複合基材に対し樹脂層Aを形成したもの
が想定される。
1)の場合、樹脂層中の化合物Aにおけるカテコール構造が金属との界面に接触する。この時、樹脂層の反対面にX構造が配向する。このような積層体が形成されると、金属基材とそのほかの第2基材とを接着性を改良することができる。
具体的には、樹脂層に接着剤組成物を塗布して接着剤層を形成させたうえで、第2基材を貼り付けする。このとき、第2基材はプラスチックでもよいし、その他の材料でもよいし、本発明の樹脂層を形成させた金属基材であってもよい。
また、本発明の樹脂層を形成させた金属基材に対し、第2樹脂層を形成してもよい。この時、第2樹脂層は接着力を有していなくてもよいが、エポキシ基との反応性を有するような樹脂であると樹脂層との結合が形成されるため好ましい。第2樹脂層は、成形体を形成してもよいし、コーティング層や印刷層のようなものであってもよい。
2)の場合、樹脂層中の化合物AにおけるX構造が樹脂基材との界面に接触する。この時、樹脂層の反対面にカテコール構造が配向する。このような積層体が形成されると、樹脂基材に対し、金属層を強力に接着させることができる。
金属層としては、板状や薄膜状あるいは配線やネジのような構造体といった金属の成形体であってもよいし、CVD・PVD・スパッタといった蒸着等によって金属層が形成されるものであってもよい。
3)の場合、樹脂層A中において、基材材料に応じて化合物Aが配向することから、1回の塗工で金属と樹脂の複合基材の表面修飾を行うことが可能である。特に先端電子材料分野のように、微細部品が組み合わさった基材を積層する場合におけるプライマー組成物として好適に使用可能である。
特に好ましくは、基材と、樹脂層Aと、接着剤層とをこの順に積層した積層体であり、基材と、樹脂層Aと、接着剤層と、第二基材とをこの順に積層した積層体である。基材が金属の時に特に好ましい。この時、樹脂層Aに含有される本発明の化合物Aが、金属基材と接着剤層とそれぞれ反応することで、基材と第二基材とをより強力に接着することができる。
接着剤層としては、公知慣用の接着剤を用いればよく、化合物Aの有するエポキシ基と反応する樹脂であると、接着力がより向上するため好ましい。好ましい樹脂としては、エポキシ基、アミノ基、フェノール性水酸基、酸無水物基を有する樹脂であり、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミン化合物、酸無水物が挙げられ、特に好ましくはポリアミン化合物またはエポキシ樹脂である。
その他、公知慣用の硬化剤や硬化促進剤等を使用することも可能である。
金属基材あるいは金属層としては、金属であれば特に限定は無いが、金属およびまたは金属酸化物が挙げられ、例えばアルミ、アルミ合金、銅、銅合金、鉄、冷間圧延鋼板、ハイテン、42アロイ、ニッケル、コバルト、クロム、ステンレス、アルミメッキ鋼板、チタン、チタン合金、マグネシウム合金やそれらの酸化物等を例示することができる。
好ましくはアルミ、銅、鉄、ステンレスであり、特に好ましくはアルミ、銅、鉄である。
金属基材としては、表面の保護油や汚れ等の有機物を除去することにより、より表面修飾性が向上するが、本発明のプライマー組成物は、有機物を除去しなくとも十分な表面修飾性を有することから、産業上非常に有用である。
樹脂基材あるいは第2樹脂層としては、熱硬化性樹脂およびまたは熱可塑性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂とは、加熱または放射線や触媒などの手段によって硬化される際に実質的に不溶かつ不融性に変化し得る特性を持った樹脂である。その具体例としては、熱硬化性樹脂とは、加熱または放射線や触媒などの手段によって硬化される際に実質的に不溶かつ不融性に変化し得る特性を持った樹脂である。その具体例としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルテレフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、活性エステル樹脂、アニリン樹脂、シアネートエステル樹脂、スチレン・無水マレイン酸(SMA)樹脂、などが挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は1種または2種以上を併用して用いることができる。
熱可塑性樹脂とは、加熱により溶融成形可能な樹脂を言う。その具体例としてはポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ゴム変性ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、酢酸セルロース樹脂、アイオノマー樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリケトン樹脂、液晶ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は1種または2種以上を併用して用いることができる。
樹脂基材あるいは第2樹脂層としては、化合物Aの有するエポキシ基と反応する樹脂であると、接着力がより向上するため好ましい。好ましい樹脂としては、エポキシ基、アミノ基、フェノール性水酸基、酸無水物基を有する樹脂であり、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミン化合物、酸無水物が挙げられ、特に好ましくはポリアミン化合物またはエポキシ樹脂ある。
また、本発明樹脂基材あるいは第2樹脂層は、繊維質基質を含有してもよい。本発明の繊維質基質は、特に限定はないが、繊維強化樹脂に用いられるものが好ましく、無機繊維や有機繊維が挙げられる。
無機繊維としては、カーボン繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維等の無機繊維のほか、炭素繊維、活性炭繊維、黒鉛繊維、ガラス繊維、タングステンカーバイド繊維、シリコンカーバイド繊維(炭化ケイ素繊維)、セラミックス繊維、アルミナ繊維、天然繊維、玄武岩などの鉱物繊維、ボロン繊維、窒化ホウ素繊維、炭化ホウ素繊維、及び金属繊維等を挙げることができる。上記金属繊維としては、例えば、アルミニウム繊維、銅繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維を挙げることができる。
有機繊維としては、ポリベンザゾール、アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステル、アクリル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリアリレート等の樹脂材料からなる合成繊維や、セルロース、パルプ、綿、羊毛、絹といった天然繊維、タンパク質、ポリペプチド、アルギン酸等の再生繊維等を挙げる事ができる。
中でも、カーボン繊維とガラス繊維は、産業上利用範囲が広いため、好ましい。これらのうち、一種類のみ用いてもよく、複数種を同時に用いてもよい。
本発明の繊維質基質は、繊維の集合体であってもよく、繊維が連続していても、不連続状でもかまわず、織布状であっても、不織布状であってもかまわない。また、繊維を一方方向に整列した繊維束でもよく、繊維束を並べたシート状であってもよい。また、繊維の集合体に厚みを持たせた立体形状であってもかまわない。
基材に対し樹脂層Aを形成する方法としては特に限定はなく、公知慣用の方法で塗工すればよい。例えばスプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法等が挙げられる。
塗工後は溶剤を乾燥除去することが好ましく、加熱によって乾燥させても構わない。
<用途>
本発明の積層体は、金属の接着性、特に金属と樹脂との接着性を改良した積層体であることから、自動車や飛行機といった輸送用機器や各種装置等に利用することが可能である。また、パッケージ基板,フレキシブル基板,層間絶縁フィルム、ICチップ再配線層といった先端電子材料用途においても好適に使用可能である。
また、本発明の化合物Aを含有する組成物は、金属表面を修飾し接着性を改良することから、金属接着用のプライマー組成物として好適に利用可能である。
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「部」及び「%」は特に断わりのない限り質量基準である。
合成例1 1,2,4−トリヒドロキシベンゼンの隣接フェノール基の保護(Ph−1)
温度計、撹拌機、冷却管、ディーンスターク装置を取り付けたフラスコに1,2,4−トリヒドロキシベンゼン20g、トルエン300mL、オルソぎ酸トリエチル70g、アンバーリスト15H1gを仕込み、110℃で4時間反応させた。室温まで冷却後、アンバーリストをろ過により取り除き、トルエンをエバポレーターにて減圧留去した。得られた液体をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1)により精製し、フェノール化合物(Ph−1)を10g(収率35%)得た。
合成例2 保護体のエポキシ化(Ep−1)
温度計、撹拌機、冷却管、滴下ロートを取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、合成例1で得られたフェノール化合物Ph−1を10g、エピクロルヒドリン50gを仕込み溶解させた。45℃に昇温した後、49%水酸化ナトリウム水溶液0.46g添加して4時間撹拌した。その後、49%水酸化ナトリウム0.46gを追加して同条件で1時間撹拌を続け、さらに49%水酸化ナトリウム水溶液6.67gを1時間かけて滴下しながら、50℃に昇温して2時間撹拌した。得られた反応液に水、メチルイソブチルケトン各50gを入れて、分液を行い、水層が中性になるまで5回分液を繰り返した。その後、有機層中の未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留によって留去させて、エポキシ化合物Ep−1を11.1g(収率85%)得た。得られたエポキシ化合物Ep−1のエポキシ当量は242g/eqであった。
合成例3 脱保護(A−1)
温度計、撹拌機、冷却管を取り付けたフラスコに、合成例2で得られたエポキシ化合物Ep−1を11.1g、メタノール220mL、テトラヒドロフラン110mLを仕込み溶解させた。リン酸二水素ナトリウム3.3gを添加した後、60℃で11時間反応させた。室温まで冷却後、リン酸二水素ナトリウムをろ過により取り除き、メタノールとテトラヒドロフランをエバポレーターにて減圧留去させて、エポキシ基と隣接する2つのフェノール基を持つ化合物A−1を8.5g得た。化合物A−1のエポキシ当量は182g/eqであり、NMRのデータは以下の通りであった。
1H NMR(DMSO-d6)δ9.48(OH,1H),9.10(OH,1H),6.64(芳香環,1H),6.38(芳香環,1H),6.25(芳香環,1H),4.05( O−CH2−,2H),3.04(オキシラン環CH,1H), 2.49(オキシラン環CH2,2H)。
比較合成例1 1,3,5−トリヒドロキシベンゼンのアリルエーテル化
温度計、撹拌機、冷却管を取り付けたフラスコに1,3,5−トリヒドロキシベンゼン20g、アセトン100mL、炭酸カリウム21.9gを仕込んだ。次にアリルブロマイド6.4gを滴下した。滴下終了後、還流条件下で2時間反応させた。室温まで冷却後、反応生成物を濾過し、アセトンをエバポレーターにて減圧留去した。得られた液体をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製し、1,3-ベンゼンジオール−5−アリルオキシ(Ph−2)を8.4g(収率32%)得た。
比較合成例2 1,3−ベンゼンジオール−5−アリルオキシのエポキシ化
温度計、撹拌機、冷却管、滴下ロートを取り付けたフラスコに、比較合成例1で得られたジフェノール化合物Ph−2を8.4g、ジクロロメタン84mLを仕込み溶解させた。次に氷浴下で3−クロロ安息香酸17.5gを滴下し、滴下終了後、室温で24時間反応させた。反応生成物を炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで水で洗浄した後、ジクロロメタンをエバポレーターにて減圧留去した。得られた液体をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により生成し、1,3−ベンゼンジオール−5−(2−オキシラニルメトキシ)(Ep−2)を5.1g(収率55%)得た。得られたエポキシ化合物Ep−2のエポキシ当量は182g/eqであり、NMRのデータは以下の通りであった。
1H NMR(DMSO-d6)δ10.26 (OH,1H),5.98(芳香環,1H),5.95(芳香環,1H),4.05( O−CH2−,2H),3.04(オキシラン環CH,1H), 2.49(オキシラン環CH2,2H)。
実施例1 合成例3で合成した化合物A−1の1%水溶液を調整した。2枚の冷延鋼板(TP技研株式会社製「SPCC−SB」,1.0mm×25mm×100mm)を脱脂せずに室温で3分間浸積させた後に室温で1時間乾燥させ、表面修飾によって樹脂層Aを形成した冷延鋼板を得た。
また、エポキシ樹脂(エピクロン850S、DIC株式会社製)100質量部、硬化剤としてジシアンシアミドを11.2質量部、および硬化促進剤として3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素0.85質量部を,混合機(株式会社シンキー製「あわとり練太郎ARV−200」)にて均一混合して,接着剤を得た。
得られた接着剤を、表面修飾を施した2枚の冷延鋼板のうち1枚に塗布し,スペーサーとしてガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ株式会社製「J−80」)を添加し,もう1枚の冷延鋼板を貼り合わせた(接着面積:25mm×150mm)。これを170℃で1時間加熱硬化を行い,試験片を得た。その試験片を用いて引張りせん断試験を行うことで接着性を評価した。試験はJIS K 6850に従って行い,最大点応力を比較した。
比較例1 実施例1の化合物A−1の1%水溶液の代わりにγ―グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM−403)の1%水溶液を使用した以外は、実施例1と同じ方法にて引張せん断試験片を作成し、接着性を評価した。
比較例2 表面修飾を施さない冷延鋼板を使用して実施例1と同じ方法にて引張せん断試験片を作成し、接着性を評価した。
比較例3 実施例1の化合物A−1の1%水溶液の代わりにEp−3の1%水溶液を使用した以外は、実施例1と同じ方法にて引張せん断試験片を作成し、接着性を評価した。


本発明の積層体は、金属の接着性、特に金属と樹脂との接着性を改良した積層体であることから、自動車や飛行機といった輸送用機器や各種装置等に利用することが可能である。また、パッケージ基板,フレキシブル基板,層間絶縁フィルム、ICチップ再配線層といった先端電子材料用途においても好適に使用可能である。
また、本発明の化合物Aを含有する組成物は、金属表面を修飾し接着性を改良することから、金属接着用のプライマー組成物として好適に利用可能である。

Claims (8)

  1. グリシジルエーテル基およびまたは2−メチルグリシジルエーテル基を少なくとも1つ以上有することを特徴とする一般式(1)、(2)、(3)のいずれかの構造式で表される化合物Aを含有する樹脂層Aと、基材からなる積層体。
    ・・・(1)
    ・・・(2)
    ・・・(3)
    (式(1)〜(3)中、nは1または2の整数であって、mは0〜3の整数であって、
    Rはそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、ベンジル基、アセチル基、カルボキシル基、炭素数1〜20のエステルから選ばれる基であって、
    Xはそれぞれ独立して下記式(4−1)〜式(4−5)で表される構造である

    ・・・(4−1)

    ・・・(4−2)

    ・・・(4−3)

    ・・・(4−4)

    ・・・(4−5)
    (式中、pは1〜10の整数であって、Yはそれぞれ独立して酸素原子、炭素数1〜10のアルキル基、水酸基を有する炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる連結基である
    (但し、繰り返し単位中に存在する各繰り返し単位はそれぞれ同一であっても異なっていても構わない)。)
    (式中、Zはそれぞれ独立して下記式(5−1)〜式(5−3)で表される構造である。)

    ・・・(5−1)

    ・・・(5−2)

    ・・・(5−3)
  2. 化合物Aのnが1である、請求項1に記載の積層体。
  3. Xが(4-1)、(4-2)、(4-3)、(4-4)のうちのいずれかである、請求項1または2に記載の積層体。
  4. Xが(4-1)(4-3)のうちのいずれかである、請求項1から3のいずれかに記載の積層体。
  5. 基材と、樹脂層Aと、接着剤層とをこの順に積層されたものである、請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 基材と、樹脂層Aと、接着剤層と、第二基材とをこの順に積層されたものである、請求項5に記載の積層体。
  7. 基材が金属である、請求項1〜6に記載の積層体。
  8. 請求項1に記載の化合物Aを含有することを特徴とする、プライマー組成物。
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