JP2021028662A - レンズユニットおよびカメラモジュール - Google Patents

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章 稲葉
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孝行 杉目
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雄輔 馬場
浩之 平間
Hiroyuki Hirama
浩之 平間
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Abstract

【課題】最も物体側に位置されるレンズとこれに隣接するレンズとの間のレンズ間空間内への水蒸気の侵入を抑制してレンズ表面結露を防止できるレンズユニットおよびカメラモジュールを提供する。【解決手段】本発明のレンズユニット11は、複数のレンズ13−17が光軸Oに沿って並べられて成るレンズ群Lと、レンズ群Lを収容保持するための内側収容空間Sを有する筒状の鏡筒12とを有する。レンズ群Lは、最も物体側に位置される第1のレンズ13と、この第1のレンズ13とその像側で隣接する第2のレンズ14とを有し、光軸O方向で互いに対向する第1のレンズ13および第2のレンズ14の対向面13a,14a同士は、第1のレンズ13と第2のレンズ14との間のレンズ間空間S1内が外部に対して密閉されるように互いに接着される。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に搭載される車載カメラを構成し得るレンズユニットおよびカメラモジュールに関する。
従来から、自動車に車載カメラを搭載し、駐車をサポートしたり、画像認識により衝突防止を図ったりすることが行なわれており、さらにそれを自動運転に応用する試みもなされている。また、このような車載カメラ等のカメラモジュールは、一般に、複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、このレンズ群を収容保持する鏡筒(バレル)と、レンズ群の少なくとも一個所のレンズ間に配置される絞り部材とを有するレンズユニットを備える(例えば、特許文献1参照)。
また、特に車載カメラ用のレンズユニットでは、少なくとも一部が車外に設置される場合、防水および防塵のため、図16に示されるように、鏡筒102の内側収容空間S内にレンズ群Lが組み込まれて収容保持された状態で、レンズ群Lの最も物体側に位置される第1のレンズ100と鏡筒102との間にOリング104が介挿され、鏡筒102の内側のレンズ群L内に水や塵埃が侵入しないようにしている。この場合、例えば、第1のレンズ100の外周側面100aに、該レンズ100の像側部分で径が小さくなった段差状の縮径部100bが設けられ、この縮径部100bにOリング104が装着されて、第1のレンズ100の外周側面100aと鏡筒102の内周面102aとの間でOリング104が径方向で圧縮されることにより、鏡筒102の物体側端部が封止された状態となっている。
さらに、鏡筒102は、その内側収容空間S内にレンズ群Lが組み込まれて収容保持された状態で、その物体側の端部(図16において上端部)のカシメ部123が径方向内側にカシメられることにより、第1のレンズ100をこのカシメ部123で鏡筒102の物体側端部に固定する。
特開2013−231993号公報
ところで、前述したようにOリング104によって防水対策を行なっても、湿気(水蒸気)は様々な経路を通じてレンズユニット内に侵入し得る。そのため、外気温とレンズユニット内の温度との間の差が大きくなると、レンズユニット内の水蒸気が凝縮してレンズ表面に結露が生じる。特に、外部との温度差の影響が最も大きい第1のレンズ100とこれに隣接する第2のレンズ101との間のレンズ間空間S1内で、とりわけ第1のレンズ100の裏面100cに結露が生じ易い。
外気温とレンズユニット内の温度との間の差が大きくなる要因としては、外気が冷たい冬期にレンズユニット内の温度が上昇すること、例えばレンズユニットを通じて集光される光を受光して電気信号に変換するための常時通電されたイメージセンサ(撮像素子)から伝わる熱によりレンズユニット内の温度が上昇すること、あるいは、前記イメージセンサや周囲環境(例えば車両のエンジン)からの熱によりレンズユニット内の温度が高い状態で第1のレンズ100の表面100dが雨に晒されたり路面上の水溜りの水しぶきを受けるなどして第1のレンズ100が冷却されることなどが挙げられる。
また、レンズユニット内への水蒸気の侵入を許容する経路としては、例えば、鏡筒102のカシメ部123と第1のレンズ100との間の隙間からOリング104の周囲の一部並びに第1のレンズ100と鏡筒102および/または第2のレンズ101との間の隙間を通じてレンズ間空間S1等へと至る経路、あるいは、鏡筒102やレンズを形成する透湿性の樹脂などを挙げることができる。
いずれにしても、このような経路を通じて水蒸気がレンズユニット内に侵入し、前述したような要因により外気とレンズユニット内との間で温度差が生じると、レンズ間空間S1内で、とりわけ第1のレンズ100の裏面100cに結露が起こり、撮像画像がぼやけて、所望の解像度が得られなくなる(視認性が悪化する)。したがって、レンズユニットの気密性を更に一層確保して、レンズ間空間S1内への水蒸気の侵入を抑制することが求められる。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、最も物体側に位置されるレンズとこれに隣接するレンズとの間のレンズ間空間内への水蒸気の侵入を抑制してレンズ表面結露を防止できるレンズユニットおよびカメラモジュールを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、該レンズ群を収容保持するための内側収容空間を有する筒状の鏡筒とを有するレンズユニットにおいて、
前記レンズ群は、最も物体側に位置される第1のレンズと、この第1のレンズとその像側で隣接する第2のレンズとを有し、光軸方向で互いに対向する前記第1のレンズおよび前記第2のレンズの対向面同士は、前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間のレンズ間空間内が外部に対して密閉されるように互いに接着されることを特徴とする。
本発明においては、レンズユニット内への水蒸気の侵入を許容する経路となり得る第1のレンズおよび第2のレンズの対向面間が、第1のレンズと第2のレンズとの間のレンズ間空間内が外部に対して密閉されるように互いに接着されるため、高湿環境下であっても、最も結露が生じ易いレンズ間空間内への水蒸気の侵入を、ひいては更に像側へのレンズユニット内への水蒸気の侵入も抑えて(気密性を向上させて)、レンズ間空間内の水蒸気量を低下させ、レンズ表面結露、とりわけ、第1のレンズの像側の表面(裏面)に結露が生じることを抑制できる。すなわち、このようなレンズ同士の接着形態によれば、信頼性の高い密閉状態をレンズ間空間で確保できる。
特に、光軸方向で互いに対向する第1のレンズおよび第2のレンズの対向面同士の接着が接着媒体を用いて行なわれる場合、そのような接着媒体は、本発明において、レンズ同士の線膨張係数差に伴う温度変化時のレンズの膨張収縮量の違いに起因するレンズ同士の径方向の相対変位に追従できる「径方向追従性」(温度変化に伴うレンズの膨張(収縮)後にレンズ接着界面に加わる径方向の応力に十分に耐え得る柔軟性)、および/または、高温環境下におけるレンズ間空間の内圧上昇に伴うレンズ同士の光軸方向での離間に起因してレンズ間の接着界面が剥離しないようにする良好な「密着性」(レンズの対向面に対する接着媒体の密着性)、あるいは、光軸方向でのレンズ間の離間変位に追従できる「光軸方向追従性」を有する必要がある。
なお、接着媒体としては、例えば、アクリル系、エポキシ系の接着剤、粘着性を有する(例えばゲル状の)弾性材料などを挙げることができ、また、このような接着媒体は、レンズの有効径の外側(光線が通らない光学面外部位)に設けられる。また、上記構成では、第1のレンズと鏡筒との間をシールするシール部材が設けられることが好ましい。そのようなシール部材は、レンズユニット内への水蒸気の侵入を許容する経路中でシール性能(防水性能)を確保し、第1および第2のレンズ同士の間のレンズ間空間の密閉状態の形成に寄与し得る。また、上記構成において、鏡筒は、径方向内側にカシメられることにより内側収容空間内に組み込まれるレンズ群の第1のレンズを光軸方向で固定するためのカシメ部を有することが好ましい。そのようなカシメ部は、第1のレンズを第2のレンズに対して押し付ける光軸方向の力を生起するため、第1および第2のレンズ同士の接着界面の密着性、特に前述した接着媒体に求められる密着性に寄与し得る。なお、カシメに限らず、別部材である固定キャップを使用し、固定キャップをねじ込むことでレンズを固定する構造としてもよい。キャップを使用する場合には、レンズに光軸方向の圧縮荷重が生じるようにキャップねじ込み荷重を高くすることが望ましく、これにより、前記レンズ同士の接着界面の密着性を向上させることができる。
また、前述した接着媒体に求められる「径方向追従性」は、接着媒体の硬度をショア硬度でA10〜A100(ショアA硬度10〜100)の範囲内またはショア硬度でD10〜D90(ショアD硬度10〜90)の範囲内に設定することによって実現できる。更には、A30〜A95またはD10〜D60の範囲内にすることが望ましい。また、このような「径方向追従性」は、接着媒体の硬度をこのような値の範囲内に設定することに加えまたは代え、接着媒体の厚さを所定以上に確保することによっても実現し得る。接着媒体の厚さを所定以上に確保する(接着媒体の径方向に沿う動き代を確保する)ための手段としては、例えば、接着媒体中にフィラーを含ませ、これらのフィラーの最大長さを5〜500μmに設定することが挙げられる。接着媒体中におけるフィラーの配向にもよるが、フィラーが接着媒体中で光軸方向側に向けて延在していれば、その延在するフィラーの長さによって接着媒体の厚み(光軸方向の寸法)が規定され得る。
また、接着媒体の厚さを所定以上に確保するための他の手段としては、互いに対向する第1のレンズおよび第2のレンズの2つの対向面の少なくとも一方の一部に突起(凸部)を5〜500μmの高さで設けることが挙げられる。このような突起は、第1および第2のレンズの対向面同士の間に、接着媒体が充填されるための充填領域を画定し、その高さによって接着媒体の厚み(光軸方向の寸法)を構造的に規定し且つ調整し得る。また、接着媒体の厚みを構造的に所定以上に確保できる他の手段としては、第1および第2のレンズの対向面同士の間にシートを5〜500μmの厚さで配置することが挙げられる。このようなシートは、第1および第2のレンズの対向面同士の間に、接着媒体が充填されるための充填領域を画定し、その厚さによって接着媒体の厚みを構造的に規定し且つ調整し得る。また、このようなシートの配置は、接着媒体厚さの確保のためにレンズに突起等を加工して設ける必要性を排除できるため、レンズの成形を容易にする。
また、前述した接着媒体に求められる「密着性」または「光軸方向追従性」は、第1および第2のレンズの少なくとも一方の対向面の表面粗さを二乗平均粗さRqで0.01μm〜200μmに設定することによって実現できる。これは、特に、前述した「径方向追従性」を敢えて考慮しなくて済むガラスによって第1および第2のレンズが形成される場合に有益である。ガラスの場合には、高温環境下におけるレンズ間空間の内圧上昇に伴うレンズ間の接着界面の剥離を特に懸念する必要があるからである。
また、上記構成では、レンズ対向面同士の接着が接着媒体を用いて行なわれる場合、互いに対向する第1のレンズおよび第2のレンズの2つの対向面の少なくとも一方の一部に、接着媒体を充填するための凹部が設けられることが好ましい。このような接着媒体充填用の凹部を設ければ、接着界面からの接着媒体の流出を防止できるとともに、接着界面に対する接着媒体の塗布も容易となる。
また、上記構成では、レンズ対向面同士の接着が接着媒体を用いて行なわれる場合、接着媒体の吸水率が5.0wt%(JIS K6911(煮沸1時間))以下であることが好ましい。このように接着媒体の吸水率を低く設定すれば、レンズ間空間内への水蒸気の浸入を効果的に抑えることができる。
また、上記構成では、レンズ対向面同士の接着が接着媒体を用いて行なわれる場合、接着媒体が黒色である(接着媒体の光透過率が450nm〜650nmの波長領域で20%以下である)ことが好ましい。このように接着媒体を黒色にしてその光透過率を抑えれば、遮光、ゴースト防止のための墨塗り処理を省くことも可能になる(接着媒体が墨を兼ねることができる)。しかしながら、このことは、墨と接着媒体との併用を妨げるものではない。
また、上記構成において、第1のレンズおよび第2のレンズは、その一方がガラス製であるとともに他方が樹脂製であってもよく、あるいは、第1のレンズおよび第2のレンズは、いずれも樹脂製であるとともに、互いの線膨張係数の差が40×10−6/K(m)以上(線膨張係数の異なるレンズ同士の組み合わせ)であってもよい。前述したように、レンズ対向面同士の接着が接着媒体を用いて行なわれる場合、その接着媒体は、レンズ同士の線膨張係数差に伴う温度変化時のレンズの膨張収縮量の違いに起因するレンズ同士の径方向の相対変位に追従できる「径方向追従性」を有し得るため、本発明によれば、このように線膨張係数の異なるレンズ同士の組み合わせであっても、信頼性の高い密閉状態をレンズ間空間で確保できる。
また、上記構成では、第1のレンズと第2のレンズとの間のレンズ間空間内の圧力が常温20度で大気圧以下であることが好ましい。このように、レンズ間空間内の圧力が大気圧以下であれば、高温環境下であってもレンズ間空間の内圧上昇を生起させないで済むため、内圧上昇に伴うレンズ同士の光軸方向での離間に起因してレンズ間の接着界面が剥離してしまうといった問題を解消できる。なお、レンズ間空間内の圧力が大気圧以下となるようにレンズ対向面同士を接着する手法としては、例えば、真空雰囲気下でレンズ対向面同士の接着を行なう、レンズ間空間を吸引脱気しながら接着を行なうことなどを挙げることができる。
また、本発明に係るカメラモジュールは、前記レンズユニットを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、前述のレンズユニットの作用効果をカメラモジュールで得ることができる。
本発明によれば、レンズユニット内への水蒸気の侵入を許容する経路となり得る第1のレンズおよび第2のレンズの対向面間が、第1のレンズと第2のレンズとの間のレンズ間空間内が外部に対して密閉されるように互いに接着されるため、高湿環境下であっても、最も結露が生じ易いレンズ間空間内への水蒸気の侵入を、ひいては更に像側へのレンズユニット内への水蒸気の侵入も抑えて(気密性を向上させて)、レンズ間空間内の水蒸気量を低下させ、レンズ表面結露、とりわけ、第1のレンズの像側の表面(裏面)に結露が生じることを抑制できる。
本発明の一実施の形態に係るレンズユニットの概略断面図である。 図1のレンズユニットを有するカメラモジュールの概略断面図である。 レンズ対向面同士の接着が接着媒体を用いて行なわれる第1の実施例を示す概略的な模式図である。 レンズ対向面同士の接着が接着媒体を用いて行なわれる第2の実施例を示す概略的な模式図である。 図4の第1の変形例を示す概略的な模式図である。 図4の第2の変形例を示す概略的な模式図である。 (a)〜(d)は、第2の実施の形態における突起の4つの形態例を示す線図である。 図4における突起の形成形態の第1の例を示す第2のレンズの平面図である。 図4における突起の形成形態の第2の例を示す第2のレンズの平面図である。 第2の実施の形態における突起の形成形態の他の例を示す第2のレンズの平面図である。 レンズ対向面同士の接着が接着媒体を用いて行なわれる第3の実施例を示す概略的な模式図である。 (a)〜(d)は、第3の実施の形態における凹部の4つの形態例を示す線図である。 レンズ対向面同士の接着が接着媒体を用いて行なわれる第4の実施例を示す概略的な模式図である。 図13の第1の変形例を示す概略的な模式図である。 図13の第2の変形例を示す概略的な模式図である。 従来のレンズユニットの一例を示す概略断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
なお、以下で説明される本実施の形態のレンズユニットは、特に車載カメラ等のカメラモジュール用のものであり、例えば、自動車の外表面側に固定して設置され、配線は自動車内に引き込まれてディスプレイやその他の装置に接続される。また、前述した図16を含む全ての図においてレンズについてはハッチングを省略している。
図1は、本発明の一実施の形態に係るレンズユニット11を示している。図示のように、本実施の形態のレンズユニット11は、例えば樹脂製の円筒状の鏡筒(バレル)12と、鏡筒12の段付きの内側収容空間S内に配置される複数のレンズ、例えば、物体側から、第1のレンズ13、第2のレンズ14、第3のレンズ15、第4のレンズ16および第5のレンズ17から成る5つのレンズと、2つの絞り部材22a,22bとを備えている。2つの絞り部材22a,22bのうちの物体側から1番目の絞り部材22aは、第2のレンズ14と第3のレンズ15との間に配置されている。物体側から2番目の絞り部材22bは、第3のレンズ15と第4のレンズ16との間に配置されている。絞り部材22a,22bは透過光量を制限し、明るさの指標となるF値を決定する「開口絞り」またはゴーストの原因となる光線や収差の原因となる光線を遮光する「遮光絞り」である。このようなレンズユニット11を備える車載カメラは、レンズユニット11と、図示しないイメージセンサを有する基板と、当該基板を自動車等の車両に設置する図示しない設置部材とを備えるものである。
鏡筒12の内側収容空間S内に組み込まれて収容保持される複数のレンズ13,14,15,16,17は、それぞれの光軸を一致させた状態で積み重ねられて配置されており、1つの光軸Oに沿って各レンズ13,14,15,16,17が並べられた状態となって、撮像に用いられる一群のレンズ群Lを構成している。この場合、レンズ群Lを構成する最も物体側に位置される第1のレンズ13は、物体側に凸面を有するとともに像側に凹面を有する球面ガラスレンズであり、その他のレンズ14,15,16,17は樹脂レンズであるが、これに限定されない(例えば、第1のレンズ13が樹脂レンズであっても構わない;第1および第2のレンズ13,14が樹脂製の場合、第1のレンズ13および第2のレンズ14は、例えば、互いの線膨張係数の差が40×10−6/K(m)以上であってもよい)。
本実施の形態を含む本発明は、第1のレンズ13および第2のレンズ14の対向面同士の間の接着によって第1のレンズ13と第2のレンズ14との間のレンズ間空間S1が密閉状態に確保される(後述する)ことを特徴としており、レンズの数、レンズおよび鏡筒の素材等については用途等に応じて任意に設定できる。また、本実施の形態において、像側に位置される2つの第4および第5のレンズ16,17は貼り合わせレンズであるが、そうである必要はない。なお、これらのレンズ13,14,15,16,17の表面には、必要に応じて、反射防止膜、親水膜、撥水膜等が設けられる。
また、本実施の形態において、最も物体側に位置される第1のレンズ13と鏡筒12との間にはシール部材としてのOリング26が介挿され、鏡筒12の内側のレンズ群L内に水や塵埃が侵入しないようにしている。この場合、第1のレンズ13の外周面13dに、該レンズ13の像側部分で径が小さくなった段差状の縮径部13eが設けられ、この縮径部13eにOリング26が装着されて、第1のレンズ13の外周面13dと鏡筒12の内周面12aとの間でOリング26が径方向で圧縮されることにより、鏡筒12の物体側端部が封止された状態となっている。なお、第1のレンズ13と鏡筒12との間に介挿されるシール部材は、Oリングに限定されず、第1のレンズ13と鏡筒12との間をシールできる環状体であればどのような形態であっても構わない。
鏡筒12の内側には物体側において円筒状の内壁12bが設けられ、この内壁12bと外壁12cとの間には溝18が形成されており、溝18の中には環状体27が設けられ、この環状体27にOリング26が密接している。内壁12bと外壁12aの間に溝18を形成している理由は、溝がなく内壁12bと外壁12aとが一体化している場合には壁厚が厚くなるため、樹脂の鏡筒12を成形・冷却する際に大きくヒケが発生し寸法精度が狂うことを抑制するためである。環状体27は比較的柔らかい弾性を有する物質から構成され、例えばテフロンが用いられる。環状体27はOリング26を光軸方向に支持する機能を有している。環状体27は鏡筒12とは別部材になっているため、Oリング26の大きさに応じて高さの異なる環状体27に変更が可能であり、Oリング26が適切な弾性力でシールすることを担保している。
また、鏡筒12は、その内側収容空間S内にレンズ群Lが組み込まれて収容保持された状態で、その物体側の端部(図1において上端部)のカシメ部23が径方向内側に熱的にカシメられることにより、レンズ群Lの最も物体側に位置される第1のレンズ13をこのカシメ部23により鏡筒12の物体側端部に光軸方向で固定する。この場合、安定したカシメを行なえるように、カシメ部23が圧接されるガラスレンズ13の部位は平面状に斜めにカットされた平坦部13bとして形成される。
また、鏡筒12の像側の端部(図1において下端部)には、第5のレンズ17よりも径の小さい開口部を有する内側フランジ部24が設けられている。この内側フランジ部24とカシメ部23とにより、鏡筒12内にレンズ群Lを構成する複数のレンズ13,14,15,16,17と絞り部材22a,22bとが光軸方向で保持固定されている。
鏡筒12は、その内径が物体側から像面側に向かって段階的に小さくなっている。これに対応して、レンズ13,14,15,16,17は、物体側から像面側に向かうにつれて、外径が小さくなっている。基本的に、レンズ13,14,15,16,17それぞれの外径と、鏡筒12の各レンズ13,14,15,16,17が支持される部分それぞれの内径とは略等しくなっている。なお、鏡筒12の外周面には、鏡筒12を車載カメラに設置する際に用いられる外側フランジ部25が鏡筒12の外周面に鍔状に設けられている。
また、図2は、図1のレンズユニット11を有する本実施の形態のカメラモジュール300の概略断面図である。図示のように、カメラモジュール300は、フィルタ100が装着されたレンズユニット11を含んで構成されている。
カメラモジュール300は、外装部品である上ケース(カメラケース)301と、レンズユニット11を保持するマウント(台座)302とを備えている。また、カメラモジュール300は、シール部材303およびパッケージセンサ(撮像素子)304を備えている。
上ケース301は、レンズユニット11の物体側の端部を露出させるとともに他の部分を覆う部材である。マウント302は、上ケース301の内部に配置されており、レンズユニット11の雄ねじ11aと螺合する雌ねじ302aを有する。シール部材303は、上ケース301の内面とレンズユニット11の鏡筒12の外周面12dとの間に介挿された部材であり、上ケース301の内部の気密性を保持するための部材である。
パッケージセンサ304は、マウント302の内部に配置されており、かつ、レンズユニット11により形成される物体の像を受光する位置に配置されている。また、パッケージセンサ304は、CCDやCMOS等を備えており、レンズユニット11を通じて集光されて到達する光を電気信号に変換する。変換された電気信号は、カメラにより撮影された画像データの構成要素であるアナログデータやデジタルデータに変換される。
以上のような構成を成すレンズユニット11およびカメラモジュール300において、最も物体側に位置される第1のレンズ13およびこの第1のレンズ13とその像側で隣接する第2のレンズ14はそれぞれ、光軸方向で互いに対向する対向面13a,14aを有しており、これらの対向面13a,14a同士は、第1のレンズ13と第2のレンズ14との間のレンズ間空間S1内が外部に対して密閉されるように互いに接着されている。
特に、本実施の形態では、対向面13a,14a同士の接着が接着媒体40を用いて行なわれる(図1および図2参照)が、他の接着形態によって対向面13a,14a同士が接着されても構わない。
ここで、本実施の形態で用いられる接着媒体40としては、例えば、アクリル系、エポキシ系の接着剤、粘着性を有する(例えばゲル状の)弾性材料などを挙げることができ、また、このような接着媒体40は、レンズ13,14の有効径の外側(光線が通らない光学面外部位)に設けられる。このようにして接着媒体40を対向面13a,14a同士の間に配した状態が特に図3に模式的に若干誇張して示されている。
また、本実施の形態において、対向面13a,14a同士の接着に用いられる接着媒体40は、レンズ13,14同士の線膨張係数差に伴う温度変化時のレンズの膨張収縮量の違いに起因するレンズ13,14同士の径方向の相対変位に追従できる「径方向追従性」(温度変化に伴うレンズ13,14の膨張(収縮)後にレンズ13,14の接着界面に加わる径方向の応力に十分に耐え得る柔軟性)、および/または、高温環境下におけるレンズ間空間S1の内圧上昇に伴うレンズ13,14同士の光軸O方向での離間に起因してレンズ13,14間の接着界面が剥離しないようにする良好な「密着性」(レンズ13,14の対向面13a,14aに対する接着媒体40の密着性)、あるいは、光軸O方向でのレンズ13,14間の離間変位に追従できる「光軸方向追従性」を有している。
接着媒体40に求められる「径方向追従性」は、接着媒体40の硬度をショア硬度でA10〜A100(ショアA硬度10〜100)の範囲内またはショア硬度でD10〜D90(ショアD硬度10〜90)の範囲内に設定することによって実現できる。特に、A30〜A95またはD10〜D60の範囲内でより好適な結果が得られる。また、このような「径方向追従性」は、接着媒体の硬度をこのような値の範囲内に設定することに加えまたは代え、接着媒体の厚さを所定以上に確保することによっても実現し得る。接着媒体40の厚さを所定以上に確保する(接着媒体40の径方向に沿う動き代を確保する)ための手段としては、例えば、接着媒体40中にフィラーを含ませ、これらのフィラーの最大長さを5〜500μmに設定することが挙げられる。接着媒体中におけるフィラーの配向にもよるが、フィラーが接着媒体40中で光軸O方向側に向けて延在していれば、その延在するフィラーの長さによって接着媒体40の厚み(光軸O方向の寸法)が規定され得る。
また、接着媒体40の厚さを所定以上に確保するための他の手段としては、互いに対向する第1のレンズ13および第2のレンズ14の2つの対向面13a,14aの少なくとも一方の一部に突起(凸部)を5〜500μmの高さで設けることが挙げられる。そのような例が図4〜図6にそれぞれ示されている。
図4では、第2のレンズ14の対向面14aの径方向外側(最も外側)に突起43が5〜500μmの高さで設けられ、この突起43は、図8に示されるように環状(輪帯状)を成していてもよく(環状突起43A)、あるいは、図9に示されるように、周方向に沿って互いに所定の角度間隔を隔てて設けられる断面円形の複数の柱状突起43B(図では、周方向に沿って90°の角度間隔を隔てた4つの柱状突起)であっても構わない。このような突起43(43A,43B)は、第1のレンズ13の対向面13aに当接して、第1および第2のレンズ13,14の対向面13a,14a同士の間(環状突起43Aの場合には環状突起43Aよりも径方向内側(図8参照)、柱状突起43Bの場合には柱状突起43B間および柱状突起43Bよりも径方向内側(図9参照))に接着媒体40が充填されるための充填領域を画定し、その高さによって接着媒体40の厚み(光軸O方向の寸法)を構造的に規定し且つ調整し得る。なお、接着媒体40の充填に際し、図8に示される環状突起43Aでは、接着媒体40の充填流れを制御し易いとともに、対向面14aからの接着媒体40の流出も防止できる。これに対し、図9に示される柱状突起43Bでは、接着面積を広く確保できることから、接着力を高めることができる。
図5では、第2のレンズ14の対向面14aの径方向の中央付近に突起43が5〜500μmの高さで設けられる。この場合も、突起43は、図8に示されるような環状突起43Aであってもよく、あるいは、図9に示されるような複数の柱状突起43Bであっても構わない。このような突起43(43A,43B)は、第1のレンズ13の対向面13aに当接して、第1および第2のレンズ13,14の対向面13a,14a同士の間(環状突起43Aの場合には環状突起43Aの径方向内側および外側の両方、柱状突起43Bの場合には、柱状突起43B間および柱状突起43Bの径方向内側および外側の両方)に接着媒体40が充填されるための充填領域を画定し、その高さによって接着媒体40の厚み(光軸O方向の寸法)を構造的に規定し且つ調整し得る。
図6では、第2のレンズ14の対向面14aの径方向内側に(例えば、更に内側に環状領域49(レンズ有効径内の領域)を残した状態で;図4および図5では、接着媒体40が充填(塗布)されない領域として環状領域49が確保される)突起43が5〜500μmの高さで設けられる。この場合も、突起43は、図8に示されるような環状突起43Aであってもよく、あるいは、図9に示されるような複数の柱状突起43Bであっても構わない。このような突起43(43A,43B)は、第1のレンズ13の対向面13aに当接して、第1および第2のレンズ13,14の対向面13a,14a同士の間(環状突起43Aの場合には環状突起43Aの径方向外側、柱状突起43Bの場合には、柱状突起43B間および柱状突起43Bの径方向外側)に接着媒体40が充填されるための充填領域を画定し、その高さによって接着媒体40の厚み(光軸O方向の寸法)を構造的に規定し且つ調整し得る。
なお、図4〜図6において、環状突起43は1箇所にのみ設置されているが、任意に設定できる。例えば対向面14aの外側と内側の2箇所に設置してもよい。同様に、図9に示される柱状突起43Bは、4つに限られるものではなく、3つ以上設置することで、接着媒体40の厚さを確保する目的を達成できる。
なお、突起43(43A,43B)の断面形状(径方向に延びる平面で切断した断面)は、図7の(a)に示されるような正方形であってもよく(長方形等の他の矩形状であってもよい)、図7の(b)に示されるような三角形であってもよく、図7の(c)に示されるような台形であってもよく、図7の(d)に示されるような半円であってもよい。無論、これらの形状に限定されず、任意の形状を適宜選択することができる。
また、第2のレンズ14の対向面14aに設けられる突起は、図10に示されるように、径方向に沿って延びる径方向延在突起43Cであってもよい。この場合の突起43Cの断面形状も図7に示されるような断面形状を採用することが好ましい。特に、図10では、径方向延在突起43Cが放射状に設けられている(4つの径方向延在突起43Cが互いに周方向に90°の角度間隔を隔てて設けられている)。このような径方向延在突起43Cは、径方向延在突起43C同士の間に接着媒体40が充填されるための充填領域を画定し、接着面(接着層)を分断することにより、接着層の全体的な剥離を防止できる。すなわち、接着層を分断することにより、仮に一部の接着層が剥離したとしても、そのような剥離が接着面の全体にわたって広がることを抑制できる。なお、図10では径方向延在突起43Cが4つ設定されているが、これに限るものではなく、3つ以上の設定とすることにより、所望の目的を達成し得る。
なお、図4〜図10の例では、突起43(43A,43B,43C)が第2のレンズ14の対向面14aのみに設けられているが、第1のレンズ13の対向面13aに突起43(43A,43B,43C)が設けられてもよく、あるいは、第1のレンズ13および第2のレンズ14の2つの対向面13a,14aの両方に突起43(43A,43B,43C)が設けられてもよい。また、突起の代わりに、接着媒体40を充填するための凹部が互いに対向する第1のレンズ13および第2のレンズ14の2つの対向面13a,14aの少なくとも一方の一部に設けられてもよい。例えば図11では、第2のレンズ14の対向面14aの径方向の中央付近に環状の凹部47が設けられている。このような接着媒体充填用の凹部47を設ければ、接着界面からの接着媒体40の流出を防止できるとともに、接着界面に対する接着媒体40の塗布も容易となる。また、凹部47の断面形状(径方向に延びる平面で切断した断面)は、図12の(a)に示されるような長方形であってもよく、図12の(b)に示されるような三角形であってもよく、図12の(c)に示されるような台形であってもよく、図12の(d)に示されるような半円であってもよい。無論、これらの形状に限定されず、任意の形状を適宜選択することができる。なお、凹部の幅は、径方向において、レンズ当接領域の確保と接着領域の確保の両立のため、レンズ13とレンズ14の対向する領域の10〜95%、より好ましくは30〜90%であることが好ましい。
また、接着媒体40の厚みを構造的に所定以上に確保できる他の手段としては、第1および第2のレンズ13,14の対向面13a,14a同士の間にシートを5〜500μmの厚さで配置することが挙げられる。そのような例が図13〜図15にそれぞれ示されている。
図13では、対向面13a,14a間の径方向外側に環状のシート52が5〜500μmの厚さで配置されている。このようなシート52は、対向面13a,14a間に介挿されて、対向面13a,14a同士の間でシート52よりも径方向内側に接着媒体40が充填されるための充填領域を画定し、その厚さによって接着媒体40の厚み(光軸O方向の寸法)を構造的に規定し且つ調整し得る。また、このようなシート52の配置は、接着媒体厚さの確保のために前述したようにレンズ13,14に突起等を加工して設ける必要性を排除できるため、レンズ13,14の成形を容易にし得る。
図14では、対向面13a,14a間の径方向中央付近に環状のシート52が5〜500μmの厚さで配置されている。このようなシート52は、対向面13a,14a間に介挿されて、対向面13a,14a同士の間でシート52の径方向内側および外側の両方に接着媒体40が充填されるための充填領域を画定し、その厚さによって接着媒体40の厚み(光軸O方向の寸法)を構造的に規定し且つ調整し得る。
図15では、対向面13a,14a間の径方向内側に環状のシート52が5〜500μmの厚さで配置されている。このようなシート52は、対向面13a,14a間に介挿されて、対向面13a,14a同士の間でシート52の径方向外側に接着媒体40が充填されるための充填領域を画定し、その厚さによって接着媒体40の厚み(光軸O方向の寸法)を構造的に規定し且つ調整し得る。
なお、図13〜図15において、環状シート52は1箇所にのみ設置されているが、任意に設定できる。例えば対向面14aの外側と内側の2箇所に設置してもよい。また、環状シート52は、図10に示されるように、径方向に沿って延びる径方向のシートとしてもよい。
また、前述した接着媒体40に求められる「密着性」または「光軸方向追従性」は、第1のレンズ13および第2のレンズ14の少なくとも一方の対向面13a(14a)の表面粗さを二乗平均粗さRqで0.01μm〜200μmに設定することによって実現できる。これは、特に、前述した「径方向追従性」を敢えて考慮しなくて済むガラスによって第1および第2のレンズ13,14が形成される場合に有益である。ガラスの場合には、高温環境下におけるレンズ間空間S1の内圧上昇に伴うレンズ13,14間の接着界面の剥離を特に懸念する必要があるからである。
また、本実施の形態においては、更に、接着媒体40の吸水率が5.0wt%(JIS K6911(煮沸1時間))以下であることが好ましい。このように接着媒体40の吸水率を低く設定すれば、レンズ間空間S1内への水蒸気の浸入を効果的に抑えることができる。また、本実施の形態では、接着媒体40が黒色である(接着媒体40の光透過率が450nm〜650nmの波長領域で20%以下である)ことが好ましい。このように接着媒体40を黒色にしてその光透過率を抑えれば、遮光、ゴースト防止のための墨塗り処理を省くことも可能になる(接着媒体40が墨を兼ねることができる)。さらに、シート52も450〜650nmにおける光線透過率が20%以下、片面反射率が10%以下である素材を用いることが望ましい。これにより、迷光に起因するゴーストやフレアの発生を抑制することができる。例えば、絞り部材として使用されているような樹脂製の遮光素材や、金属薄板に黒化処理を施した遮光素材を用いることができる。また、本実施の形態では、第1のレンズ13と第2のレンズ14との間のレンズ間空間S1内の圧力が常温20度で大気圧以下であることが好ましい。このように、レンズ間空間S1内の圧力が大気圧以下であれば、高温環境下であってもレンズ間空間S1の内圧上昇を生起させないで済むため、内圧上昇に伴うレンズ13,14同士の光軸O方向での離間に起因してレンズ13,14間の接着界面が剥離してしまうといった問題を解消できる。なお、レンズ間空間S1内の圧力が大気圧以下となるようにレンズ対向面13a,14a同士を接着する手法としては、例えば、真空雰囲気下でレンズ対向面13a,14a同士の接着を行なう、レンズ間空間S1を吸引脱気しながら接着を行なうことなどを挙げることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、レンズユニット11内への水蒸気の侵入を許容する経路となり得る第1のレンズ13および第2のレンズ14の対向面13a,14a間が、第1のレンズ13と第2のレンズ14との間のレンズ間空間S1内が外部に対して密閉されるように互いに接着されるため、高湿環境下であっても、最も結露が生じ易いレンズ間空間S1内への水蒸気の侵入を、ひいては更に像側へのレンズユニット11内への水蒸気の侵入も抑えて(気密性を向上させて)、レンズ間空間S1内の水蒸気量を低下させ、レンズ表面結露、とりわけ、第1のレンズ13の像側の表面(裏面13c)に結露が生じることを抑制できる。すなわち、このようなレンズ13,14同士の接着形態によれば、信頼性の高い密閉状態をレンズ間空間S1で確保できる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、本発明において、レンズ、鏡筒などの形状、並びに、突起および凹部の形状等は、前述した実施の形態に限定されない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、前述した実施の形態の一部または全部を組み合わせてもよく、あるいは、前述した実施の形態のうちの1つから構成の一部が省かれてもよい。
11 レンズユニット
12 鏡筒
13 第1のレンズ
13a 対向面
14 第2のレンズ
14a 対向面
40 接着媒体
43,43A,43B,43C 突起
47 凹部
52 シート
300 カメラモジュール
L レンズ群
O 光軸
S 内側収容空間
S1 レンズ間空間

Claims (12)

  1. 複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、該レンズ群を収容保持するための内側収容空間を有する筒状の鏡筒とを有するレンズユニットにおいて、
    前記レンズ群は、最も物体側に位置される第1のレンズと、この第1のレンズとその像側で隣接する第2のレンズとを有し、光軸方向で互いに対向する前記第1のレンズおよび前記第2のレンズの対向面同士は、前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間のレンズ間空間内が外部に対して密閉されるように互いに接着されることを特徴とするレンズユニット。
  2. 前記接着が接着媒体を用いて行なわれ、前記接着媒体の硬度がショア硬度でA10〜A100の範囲内またはD10〜D90の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
  3. 前記接着が接着媒体を用いて行なわれ、前記接着媒体がその層の厚みを確保するためのフィラーを含有し、前記フィラーの最大長さが5〜500μmであることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
  4. 前記接着が接着媒体を用いて行なわれ、互いに対向する前記第1のレンズおよび前記第2のレンズの2つの前記対向面の少なくとも一方には、その一部に、前記接着媒体の層の厚みを確保するための突起が5〜500μmの高さで設けられることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
  5. 前記接着が接着媒体を用いて行なわれ、互いに対向する前記第1のレンズおよび前記第2のレンズの対向面同士の間には、前記接着媒体の層の厚みを確保するためのシートが5〜500μmの厚さで配置されることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
  6. 前記接着が接着媒体を用いて行なわれ、互いに対向する前記第1のレンズおよび前記第2のレンズの2つの前記対向面の少なくとも一方には、その一部に、前記接着媒体を充填するための凹部が設けられることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
  7. 前記第1のレンズおよび前記第2のレンズの少なくとも一方は、その前記対向面の表面粗さが二乗平均粗さRqで0.01μm〜200μmであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のレンズユニット。
  8. 前記接着が接着媒体を用いて行なわれ、前記接着媒体の吸水率が5.0wt%(JIS K6911(煮沸1時間))以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のレンズユニット。
  9. 前記接着が接着媒体を用いて行なわれ、前記接着媒体は、黒色であって、その光透過率が450nm〜650nmの波長領域で20%以下であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のレンズユニット。
  10. 前記第1のレンズおよび前記第2のレンズは、その一方がガラス製であるとともに他方が樹脂製であり、あるいは、前記第1のレンズおよび前記第2のレンズは、いずれも樹脂製であるとともに、互いの線膨張係数の差が40×10−6/K(m)以上であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のレンズユニット。
  11. 前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間のレンズ間空間内の圧力が大気圧以下であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のレンズユニット。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載のレンズユニットを備えることを特徴とするカメラモジュール。
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