JP2021135354A - レンズユニットおよびカメラモジュール - Google Patents

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JP2021135354A JP2020030343A JP2020030343A JP2021135354A JP 2021135354 A JP2021135354 A JP 2021135354A JP 2020030343 A JP2020030343 A JP 2020030343A JP 2020030343 A JP2020030343 A JP 2020030343A JP 2021135354 A JP2021135354 A JP 2021135354A
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Abstract

【課題】最も物体側に位置されるレンズとこれに隣接するレンズとの間のレンズ間空間内を接着媒体により気密に保持できるとともに、接着媒体の透湿度に依らすレンズ間空間内への水蒸気の侵入を抑制できるレンズユニットおよびカメラモジュールを提供する。【解決手段】本発明のレンズユニット11において、第1および第2のレンズ13,14は、光軸方向で互いに対向してレンズ13,14の径方向に延びる円環状の対向面13a,14aを有する。対向面13a,14a同士は接着媒体40により接着される。接着媒体40の透湿度がM(g/m2・24hr)、接着媒体40の径方向寸法である接着幅がW(mm)、接着媒体40の光軸方向寸法である厚さがT(μm)、(0.0016×M−0.004)×T=A(mm)であるとき、接着幅WはA以上に設定される。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に搭載される車載カメラを構成し得るレンズユニットおよびカメラモジュールに関する。
従来から、自動車に車載カメラを搭載し、駐車をサポートしたり、画像認識により衝突防止を図ったりすることが行なわれており、さらにそれを自動運転に応用する試みもなされている。また、このような車載カメラ等のカメラモジュールは、一般に、複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、このレンズ群を収容保持する鏡筒(バレル)と、レンズ群の少なくとも一個所のレンズ間に配置される絞り部材とを有するレンズユニットを備える(例えば、特許文献1参照)。
また、特に車載カメラ用のレンズユニットでは、少なくとも一部が車外に設置される場合、防水および防塵のため、図4に示されるように、鏡筒102の内側収容空間S内にレンズ群Lが組み込まれて収容保持された状態で、レンズ群Lの最も物体側に位置される第1のレンズ100と鏡筒102との間にOリング104が介挿され、鏡筒102の内側のレンズ群L内に水や塵埃が侵入しないようにしている。この場合、例えば、第1のレンズ100の外周側面100aに、該レンズ100の像側部分で径が小さくなった段差状の縮径部100bが設けられ、この縮径部100bにOリング104が装着されて、第1のレンズ100の外周側面100aと鏡筒102の内周面102aとの間でOリング104が径方向で圧縮されることにより、鏡筒102の物体側端部が封止された状態となっている。
さらに、鏡筒102は、その内側収容空間S内にレンズ群Lが組み込まれて収容保持された状態で、その物体側の端部(図4において上端部)のカシメ部123が径方向内側にカシメられることにより、第1のレンズ100をこのカシメ部123で鏡筒102の物体側端部に固定する。
特開2013−231993号公報
ところで、前述したようにOリング104によって防水対策を行なっても、湿気(水蒸気)は様々な経路を通じてレンズユニット内に侵入し得る。そのため、外気温とレンズユニット内の温度との間の差が大きくなると、レンズユニット内の水蒸気が凝縮してレンズ表面に結露が生じる。特に、外部との温度差の影響が最も大きい第1のレンズ100とこれに隣接する第2のレンズ101との間のレンズ間空間S1内で、とりわけ第1のレンズ100の裏面100cに結露が生じ易い。
外気温とレンズユニット内の温度との間の差が大きくなる要因としては、外気が冷たい冬期にレンズユニット内の温度が上昇すること、例えばレンズユニットを通じて集光される光を受光して電気信号に変換するための常時通電されたイメージセンサ(撮像素子)から伝わる熱によりレンズユニット内の温度が上昇すること、あるいは、前記イメージセンサや周囲環境(例えば車両のエンジン)からの熱によりレンズユニット内の温度が高い状態で第1のレンズ100の表面100dが外気や雨等に晒されたりするなどして第1のレンズ100が冷却されることなどが挙げられる。
また、レンズユニット内への水蒸気の侵入を許容する経路としては、例えば、鏡筒102のカシメ部123と第1のレンズ100との間の隙間からOリング104の周囲の一部並びに第1のレンズ100と鏡筒102および/または第2のレンズ101との間の隙間を通じてレンズ間空間S1等へと至る経路、あるいは、鏡筒102を形成する透湿性の樹脂を介しての経路などを挙げることができる。さらに、レンズユニットの像側に配置されたイメージセンサ(撮像素子)は動作時に100度前後に上昇するが、その際イメージセンサが搭載された基板に含まれる水分が水蒸気化してレンズ間空間S1に到達する経路もある。
いずれにしても、このような経路を通じて水蒸気がレンズユニット内に侵入し、前述したような要因により外気とレンズユニット内との間で温度差が生じると、レンズ間空間S1内で、とりわけ第1のレンズ100の裏面100cに結露が起こり、撮像画像がぼやけて、所望の解像度が得られなくなる(視認性が悪化する)。したがって、レンズユニットの気密性を更に一層確保して、レンズ間空間S1内への水蒸気の侵入を抑制することが求められる。
そのため、例えば、図4に示されるように、第1のレンズ100および第2のレンズ101の円環状の対向面100e,101a同士を接着媒体140により接着してレンズ間空間S1内を気密に保持することも考えられる。しかしながら、そのような場合、使用される接着媒体140の透湿度によっては、レンズ間空間S1内への水蒸気の侵入を許容してしまう場合がある。例えば、透湿度が40g/m・24hr以上のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、または、ウレタン系樹脂の接着剤を接着媒体140として使用する場合には、その樹脂の架橋密度が低いことから、隙間が多く、水蒸気が接着媒体140を透過し易い。そのため、接着媒体140の接着幅(対向面100e,101aに沿う径方向寸法)Wが小さいと、対向面100e,101a間に侵入した水蒸気がレンズ間空間S1内へ容易に達してしまう虞がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、最も物体側に位置されるレンズとこれに隣接するレンズとの間のレンズ間空間内を接着媒体により気密に保持できるとともに、接着媒体の透湿度に依らすレンズ間空間内への水蒸気の侵入を抑制できるレンズユニットおよびカメラモジュールを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、該レンズ群を収容保持するための内側収容空間を有する筒状の鏡筒とを有するレンズユニットにおいて、
前記レンズ群は、最も物体側に位置される第1のレンズと、この第1のレンズとその像側で隣接する第2のレンズとを有し、
前記第1および第2のレンズは、光軸方向で互いに対向してレンズの径方向に延びる円環状の対向面を有し、これらの対向面同士が接着媒体により接着され、
前記接着媒体の透湿度がM(g/m・24hr)、前記接着媒体の径方向寸法である接着幅がW(mm)、前記接着媒体の光軸方向寸法である厚さがT(μm)、(0.0016×M−0.004)×T=A(mm)であるとき、接着幅WがA以上であることを特徴とする。
本発明者らは、様々な試行錯誤の結果、特に透湿度が40g/m・24hr以上の接着媒体に関し、第1および第2のレンズの対向面間に侵入しようとする水蒸気がレンズ間空間内へ達し得ない接着幅を様々な実験等により突き止め、そのような接着幅を算出する計算式を見出した。すなわち、接着媒体の透湿度がM(g/m・24hr)、接着媒体の径方向寸法である接着幅がW(mm)、接着媒体の光軸方向寸法である厚さがT(μm)、(0.0016×M−0.004)×T=A(mm)であるとき、接着幅Wが必要最低接着幅A以上であれば、第1および第2のレンズの対向面間に侵入しようとする水蒸気がレンズ間空間内へ達することを防止できることが分かった。これを裏付ける試験データが図3に示されている。
図3は、透湿度が異なる3種の接着媒体を接着厚さおよび接着幅を変えて高温高湿環境下に晒した際の曇りの発生状況を調べた試験結果の一例を示す。この試験では、接着媒体として、透湿度(g/m・24hr)が45であるオレフィン系の接着剤(オレフィン系樹脂(二重結合を1箇もった鎖状炭化水素)を100重量%含む接着剤)A、透湿度が50であるアクリル系の接着剤(アクリル樹脂を100重量%含む接着剤)B、および、透湿度が60であるアクリル系の接着剤(アクリル樹脂を100重量%含む接着剤)Cをそれぞれ用い、20μm、25μmおよび30μmのそれぞれの接着厚さ(接着層厚み)Tおよび1.4mm、1.7mmおよび2.1mmのそれぞれの接着幅Wに関して、接着剤A,B,Cにより対向面同士が接着された第1および第2のレンズを含むレンズユニットの高温高湿環境下での第1のレンズの裏面(レンズ間空間内に面する第1のレンズの表面)における曇りの発生の有無を調べた。また、図3には、それぞれの接着厚さTごとに各接着剤A,B,Cに関して先の算出式に基づいて計算された必要最低接着幅(必要接着幅)Aが記載されている。ここで、レンズユニットを高温高湿環境下に晒す具体的な条件として、60℃90%RHの恒温恒湿槽内に24時間にわたってレンズユニットを配置した。また、透湿度の測定法としては、カップ法(JIS Z0208、恒温恒湿状態は40℃90%RH、接着媒体の厚みは200μm)を採用した。また、曇りの発生の有無の判断は、以下の手順(a)(b)(c)(d)(e)に基づいて行なわれた。(a)60℃90%RHの恒温恒湿槽からレンズユニットを取り出す。(b)レンズユニットを常温(25℃)に15分間晒す。(c)レンズユニットを65℃の恒温槽に15分間晒す。(d)第1のレンズの表面に25℃の水を5秒間スプレーする。(e)第1のレンズの裏面(レンズ間空間内に面する第1のレンズの表面)における曇りの発生の有無を確認する(図中、〇は、曇りが発生しなかったことを示し、×は、曇りが発生したことを示す)。
これらの結果から分かるように、曇りが生じなかった接着幅Wはいずれも必要最低接着幅A以上であり、一方、曇りが発生した接着幅Wはいずれも必要最低接着幅Aを下回っており、接着幅Wが必要最低接着幅A以上であれば、第1および第2のレンズの対向面間に侵入しようとする水蒸気がレンズ間空間内へ達しないことが裏付けられた。また、これらの結果からも分かるように、接着厚さTが大きくなるほど、水蒸気が透過し易くなる(水蒸気が入り込む接着媒体の断面積が大きくなるため)ことから、必要最低接着幅Aも大きくなり、したがって、接着媒体の塗布量を減らしてコスト低減を図るためには、接着厚さを小さくすることが好ましい。なお、このような接着幅Wと必要最低接着幅Aとの間の前述した関係は、無論、水蒸気を透過し難い透湿度が40以下の接着媒体にも当てはまる。
このように、第1および第2のレンズの対向面同士を接着する接着媒体の接着幅Wが必要最低接着幅A以上であれば、第1および第2のレンズの対向面間に侵入しようとする水蒸気がレンズ間空間内へ達することを防止でき、したがって、第1のレンズと第2のレンズとの間のレンズ間空間内が外部に対して密閉され、高温高湿環境下であっても、レンズ間空間内の水蒸気量を低下させて、レンズ表面結露、とりわけ、第1のレンズの像側の表面(裏面)に結露が生じることを抑制できる。
また、本発明に係るカメラモジュールは、前記レンズユニットを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、前述のレンズユニットの作用効果をカメラモジュールで得ることができる。
本発明によれば、第1および第2のレンズの対向面同士を接着する接着媒体の接着幅Wが必要最低接着幅A以上であるため、第1のレンズと第2のレンズとの間のレンズ間空間内を接着媒体により気密に保持できるとともに、接着媒体の透湿度に依らすレンズ間空間内への水蒸気の侵入を抑制できる。
本発明の一実施の形態に係るレンズユニットの概略断面図である。 図1のレンズユニットを有するカメラモジュールの概略断面図である。 透湿度の異なる接着媒体を接着厚さおよび接着幅を変えて高温高湿環境下に晒した際の曇りの発生状況を調べた試験結果の一例を示す。 従来のレンズユニットの一例を示す概略断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
なお、以下で説明される本実施の形態のレンズユニットは、特に車載カメラ等のカメラモジュール用のものであり、例えば、自動車の外表面側に固定して設置され、配線は自動車内に引き込まれてディスプレイやその他の装置に接続される。また、図1,2,4においてレンズについてはハッチングを省略している。
図1は、本発明の一実施の形態に係るレンズユニット11を示している。図示のように、本実施の形態のレンズユニット11は、例えば樹脂製の円筒状の鏡筒(バレル)12と、鏡筒12の段付きの内側収容空間S内に配置される複数のレンズ、例えば、物体側から、第1のレンズ13、第2のレンズ14、第3のレンズ15、第4のレンズ16および第5のレンズ17から成る5つのレンズと、2つの絞り部材22a,22bとを備えている。2つの絞り部材22a,22bのうちの物体側から1番目の絞り部材22aは、第2のレンズ14と第3のレンズ15との間に配置されている。物体側から2番目の絞り部材22bは、第3のレンズ15と第4のレンズ16との間に配置されている。絞り部材22a,22bは透過光量を制限し、明るさの指標となるF値を決定する「開口絞り」またはゴーストの原因となる光線や収差の原因となる光線を遮光する「遮光絞り」である。このようなレンズユニット11を備える車載カメラは、レンズユニット11と、図示しないイメージセンサを有する基板と、当該基板を自動車等の車両に設置する図示しない設置部材とを備えるものである。
鏡筒12の内側収容空間S内に組み込まれて収容保持される複数のレンズ13,14,15,16,17は、それぞれの光軸を一致させた状態で積み重ねられて配置されており、1つの光軸Oに沿って各レンズ13,14,15,16,17が並べられた状態となって、撮像に用いられる一群のレンズ群Lを構成している。この場合、レンズ群Lを構成する最も物体側に位置される第1のレンズ13は、物体側に凸面を有するとともに像側に凹面を有する球面ガラスレンズであり、その他のレンズ14,15,16,17は樹脂レンズであるが、これに限定されない。
本実施の形態を含む本発明は、接着媒体の接着幅に特徴があり、レンズの数、レンズおよび鏡筒の素材等については用途等に応じて任意に設定できる。また、本実施の形態において、像側に位置される2つの第4および第5のレンズ16,17は貼り合わせレンズであるが、そうである必要はない。なお、これらのレンズ13,14,15,16,17の表面には、必要に応じて、反射防止膜、親水膜、撥水膜等が設けられる。
また、本実施の形態において、最も物体側に位置される第1のレンズ13と鏡筒12との間にはシール部材としてのOリング26が介挿され、鏡筒12の内側のレンズ群L内に水や塵埃が侵入しないようにしている。この場合、第1のレンズ13の外周面13dに、該レンズ13の像側部分で径が小さくなった段差状の縮径部13eが設けられ、この縮径部13eにOリング26が装着されて、第1のレンズ13の外周面13dと鏡筒12の内周面12aとの間でOリング26が径方向で圧縮されることにより、鏡筒12の物体側端部が封止された状態となっている。なお、第1のレンズ13と鏡筒12との間に介挿されるシール部材は、Oリングに限定されず、第1のレンズ13と鏡筒12との間をシールできる環状体であればどのような形態であっても構わない。
鏡筒12の内側には物体側において円筒状の内壁12bが設けられ、この内壁12bと外壁12cとの間には溝18が形成されており、溝18の中には環状体27が設けられ、この環状体27にOリング26が密接している。内壁12bと外壁12aの間に溝18を形成している理由は、溝がなく内壁12bと外壁12aとが一体化している場合には壁厚が厚くなるため、樹脂の鏡筒12を成形・冷却する際に大きくヒケが発生し寸法精度が狂うことを抑制するためである。環状体27は比較的柔らかい弾性を有する物質から構成され、例えばテフロン(登録商標)が用いられる。環状体27はOリング26を光軸方向に支持する機能を有している。環状体27は鏡筒12とは別部材になっているため、Oリング26の大きさに応じて高さの異なる環状体27に変更が可能であり、Oリング26が適切な弾性力でシールすることを担保している。
また、鏡筒12は、その内側収容空間S内にレンズ群Lが組み込まれて収容保持された状態で、その物体側の端部(図1において上端部)のカシメ部23が径方向内側に熱的にカシメられることにより、レンズ群Lの最も物体側に位置される第1のレンズ13をこのカシメ部23により鏡筒12の物体側端部に光軸方向で固定する。この場合、安定したカシメを行なえるように、カシメ部23が圧接されるガラスレンズ13の部位は平面状に斜めにカットされた平坦部13bとして形成される。
また、鏡筒12の像側の端部(図1において下端部)には、第5のレンズ17よりも径の小さい開口部を有する内側フランジ部24が設けられている。この内側フランジ部24とカシメ部23とにより、鏡筒12内にレンズ群Lを構成する複数のレンズ13,14,15,16,17と絞り部材22a,22bとが光軸方向で保持固定されている。
鏡筒12は、その内径が物体側から像面側に向かって段階的に小さくなっている。これに対応して、レンズ13,14,15,16,17は、物体側から像面側に向かうにつれて、外径が小さくなっている。基本的に、レンズ13,14,15,16,17それぞれの外径と、鏡筒12の各レンズ13,14,15,16,17が支持される部分それぞれの内径とは略等しくなっている。なお、鏡筒12の外周面には、鏡筒12を車載カメラに設置する際に用いられる外側フランジ部25が鏡筒12の外周面に鍔状に設けられている。
また、図2は、図1のレンズユニット11を有する本実施の形態のカメラモジュール300の概略断面図である。図示のように、カメラモジュール300は、フィルタ100が装着されたレンズユニット11を含んで構成されている。
カメラモジュール300は、外装部品である上ケース(カメラケース)301と、レンズユニット11を保持するマウント(台座)302とを備えている。また、カメラモジュール300は、シール部材303および撮像素子としてのパッケージセンサ(イメージセンサ)304を備えている。
上ケース301は、レンズユニット11の物体側の端部を露出させるとともに他の部分を覆う部材である。マウント302は、上ケース301の内部に配置されており、レンズユニット11の雄ねじ11aと螺合する雌ねじ302aを有する。シール部材303は、上ケース301の内面とレンズユニット11の鏡筒12の外周面12dとの間に介挿された部材であり、上ケース301の内部の気密性を保持するための部材である。
パッケージセンサ304は、マウント302の内部に配置されており、かつ、レンズユニット11により形成される物体の像を受光する位置に配置されている。また、パッケージセンサ304は、CCDやCMOS等を備えており、レンズユニット11を通じて集光されて到達する光を電気信号に変換する。変換された電気信号は、カメラにより撮影された画像データの構成要素であるアナログデータやデジタルデータに変換される。
以上のような構成を成すレンズユニット11およびカメラモジュール300では、第1のレンズ13と第2のレンズ14との間のレンズ間空間S1内が外部に対して密閉されるように、光軸方向で互いに対向して径方向に延びる第1および第2のレンズ13,14の円環状の対向面13a,14a間に接着媒体40が塗布される。この場合、接着媒体40の透湿度がM(g/m・24hr)、接着媒体40の径方向寸法である接着幅がW(mm)、接着媒体40の光軸方向寸法である厚さがT(μm)、(0.0016×M−0.004)×T=A(mm)であるとき、接着媒体40の接着幅Wは必要最低接着幅A以上に設定されている。
使用される接着媒体40は、ここでは、透湿度Mが40以上の接着剤である。具体的には、オレフィン系の接着剤(オレフィン系樹脂(二重結合を1箇もった鎖状炭化水素)を50重量%以上含む接着剤)または透湿度Mが40以上のアクリル系の接着剤(アクリル樹脂を50重量%以上含む接着剤)などが挙げられるが、透湿度Mが40以上のウレタン系の接着剤(ウレタン樹脂を50重量%以上含む接着剤)が使用されてもよく、あるいは、透湿度が40未満の接着剤、例えばエポキシ系の接着剤(エポキシ樹脂を50重量%以上含む接着剤)が使用されてもよい。無論、接着剤以外の接着媒体、例えば、粘着性を有する(例えばゲル状の)弾性材料などが使用されてもよい。なお、このような接着媒体40は、レンズ13,14の有効径の外側(光線が通らない光学面外部位)に設けられる。
また、本実施の形態において、接着媒体40は、レンズ13,14同士の線膨張係数差に伴う温度変化時のレンズの膨張収縮量の違いに起因するレンズ13,14同士の径方向の相対変位に追従できる「径方向追従性」(温度変化に伴うレンズ13,14の膨張(収縮)後にレンズ13,14の接着界面に加わる径方向の応力に十分に耐え得る柔軟性)、および/または、高温環境下におけるレンズ間空間S1の内圧上昇に伴うレンズ13,14同士の光軸O方向での離間に起因してレンズ13,14間の接着界面が剥離しないようにする良好な「密着性」(レンズ13,14の対向面13a,14aに対する接着媒体40の密着性)、あるいは、光軸O方向でのレンズ13,14間の離間変位に追従できる「光軸方向追従性」を有することが好ましい。
接着媒体40に求められる「径方向追従性」は、接着媒体40の硬度をショア硬度でA10〜A100(ショアA硬度10〜100)の範囲内またはショア硬度でD10〜D90(ショアD硬度10〜90)の範囲内に設定することによって実現できる。特に、A30〜A95またはD10〜D80の範囲内でより好適な結果が得られる。また、このような「径方向追従性」は、接着媒体の硬度をこのような値の範囲内に設定することに加えまたは代え、接着媒体の厚さを所定以上に確保することによっても実現し得る。接着媒体40の厚さを所定以上に確保する(接着媒体40の径方向に沿う動き代を確保する)ための手段としては、例えば、接着媒体40中にフィラーを含ませ、これらのフィラーの最大長さを5〜500μmに設定することが挙げられる。接着媒体中におけるフィラーの配向にもよるが、フィラーが接着媒体40中で光軸O方向側に向けて延在していれば、その延在するフィラーの長さによって接着媒体40の厚み(光軸O方向の寸法)が規定され得る。
また、接着媒体40に求められる「密着性」または「光軸方向追従性」は、第1のレンズ13および第2のレンズ14の少なくとも一方の対向面13a(14a)の表面粗さを二乗平均粗さRqで0.01μm〜200μmに設定することによっても実現できる。これは、特に、前述した「径方向追従性」を敢えて考慮しなくて済むガラスによって第1および第2のレンズ13,14が形成される場合に有益である。ガラスの場合には、高温環境下におけるレンズ間空間S1の内圧上昇に伴うレンズ13,14間の接着界面の剥離を特に懸念する必要があるからである。また、本実施の形態においては、更に、接着媒体40の吸水率が5.0wt%(JIS K6911(煮沸1時間))以下であることが好ましい。このように接着媒体40の吸水率を低く設定すれば、レンズ間空間S1内への水蒸気の浸入を効果的に抑えることができる。
このように、本実施の形態では、第1および第2のレンズ13,14の対向面13a,14a同士を接着する接着媒体40の接着幅Wが必要最低接着幅A以上であるため、第1および第2のレンズ13,14の対向面13a,14a間に侵入しようとする水蒸気がレンズ間空間S1内へ達することを防止でき、したがって、第1のレンズ13と第2のレンズ14との間のレンズ間空間S1内が外部に対して密閉され、高温高湿環境下であっても、レンズ間空間S1内の水蒸気量を低下させて、レンズ表面結露、とりわけ、第1のレンズ13の像側の表面(裏面)13cに結露が生じることを抑制できる。
なお、前述した実施の形態において、レンズ、鏡筒などの形状等は、前述した実施の形態に限定されない。また、前述した実施の形態は、レンズ13の表面結露を防止する手段を開示するが、このような結露防止手段に加えて従来から行われているレンズユニット内部に吸湿部材を設置する方法などを併用することを妨げるものではない。また、前述した全ての実施の形態において、第2のレンズ14が低透湿性(例えば、厚み0.025mmにおいて30g/m・24h以下)の樹脂(例えば、COP(シクロオレフィンポリマー)などの材料またはCOPを母材とする樹脂)で構成されるのが好ましい。これにより、第1および第2のレンズ13,14間の気密性はもとより、第2のレンズ14自体の透湿によるレンズ間空間S1内への水蒸気の侵入も防止できる。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、前述した実施の形態の一部または全部を組み合わせてもよく、あるいは、前述した実施の形態のうちの1つから構成の一部が省かれてもよい。また、各実施形態において記載された技術的事項は、その効果を得るために他の実施形態に用いることができる。
11 レンズユニット
12 鏡筒
13 第1のレンズ
13a 対向面
14 第2のレンズ
14a 対向面
40 接着媒体
300 カメラモジュール
L レンズ群
O 光軸
S 内側収容空間
S1 レンズ間空間

Claims (4)

  1. 複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、該レンズ群を収容保持するための内側収容空間を有する筒状の鏡筒とを有するレンズユニットにおいて、
    前記レンズ群は、最も物体側に位置される第1のレンズと、この第1のレンズとその像側で隣接する第2のレンズとを有し、
    前記第1および第2のレンズは、光軸方向で互いに対向してレンズの径方向に延びる円環状の対向面を有し、これらの対向面同士が接着媒体により接着され、
    前記接着媒体の透湿度(カップ法(JIS Z0208、恒温恒湿状態は40℃90%RH、接着媒体の厚みは200μm)で測定)がM(g/m・24hr)、前記接着媒体の径方向寸法である接着幅がW(mm)、前記接着媒体の光軸方向寸法である厚さがT(μm)、(0.0016×M−0.004)×T=A(mm)であるとき、接着幅WがA以上であることを特徴とするレンズユニット。
  2. 前記接着媒体の透湿度Mが40以上であることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
  3. 前記接着媒体は、オレフィン系接着剤あるいはアクリル系接着剤であることを特徴とする請求項1または2に記載のレンズユニット。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のレンズユニットを備えることを特徴とするカメラモジュール。
JP2020030343A 2020-02-26 2020-02-26 レンズユニットおよびカメラモジュール Pending JP2021135354A (ja)

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