JP2021027193A - 窒化物半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

窒化物半導体発光素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発光効率を向上させることができる窒化物半導体発光素子の製造方法を提供する。【解決手段】基板上に、n型のAlGaNにより形成されるn型クラッド層を第1の成長温度で成長させる工程と、1.0℃/秒以上の降温速度で降温を行うことにより成長温度を第2の成長温度まで下げる降温工程と、前記n型クラッド層上に、AlGaNにより形成される活性層を前記第2の成長温度で成長させる工程と、を含む、窒化物半導体発光素子の製造方法。【選択図】図3

Description

本発明は、窒化物半導体発光素子の製造方法に関する。
近年、紫外光を出力する発光ダイオードやレーザダイオード等の窒化物半導体発光素子が実用化されており、発光出力を向上させた窒化物半導体発光素子の開発が進められている(特許文献1参照)。
特許文献1に開示された窒化物半導体発光素子の製造方法においては、先ず、n型半導体層上に原料を供給して第1の成長温度でn側低温障壁層を成長させ、次に、原料を供給したまま第1の成長温度より高温の第2の成長温度に昇温してn側低温障壁層上に高温障壁層を成長させている。また、当該窒化物半導体発光素子の製造方法においては、高温障壁層の成長後、原料の供給を停止して当該第2の成長温度より低温の第3の成長温度に降温し、原料供給の停止を継続したまま、少なくともn側低温障壁層の成長に要する時間の0.3倍以上の時間で当該第3の成長温度に基板を保持した後に、原料の供給を再開して高温障壁層上にp側低温障壁層の成長を続けている。さらに、当該窒化物半導体発光素子の製造方法においては、p側低温障壁層の上に井戸層を成長させることにより発光層を積層させる工程を含む、半導体発光素子の製造方法が開示されている。
特許第5998953号公報
しかしながら、特許文献1に記載の半導体発光素子の製造方法のように、発光層の成長の工程において成長温度や時間を細かく制御するような対策を施した場合であっても、所定の電流を供給しても十分な発光強度を有する半導体発光素子が得られない場合がある。
そこで、本発明は、発光効率を向上させることができる窒化物半導体発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、基板上に、n型のAlGaNにより形成されるn型クラッド層を第1の成長温度で成長させる工程と、1.0℃/秒以上の降温速度で降温を行うことにより成長温度を第2の成長温度まで下げる降温工程と、前記n型クラッド層上に、AlGaNにより形成される活性層を前記第2の成長温度で成長させる工程と、を含む、窒化物半導体発光素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、発光効率を向上させることができる窒化物半導体発光素子の製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る窒化物半導体発光素子の製造方法で製造される窒化物半導体発光素子の構成の一例を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る窒化物半導体発光素子の製造方法で用いられるサセプタ及び基板ヒーターの構成の一例を模式的に示す端面図である。 成長温度の制御の一例を示す図であり、(a)は、基板ヒーターの出力の一例を示す図、(b)は、キャリアガスの流量の一例を示す図、(c)は、成長温度のプロファイルの一例を示す図である。 降温速度と発光出力との関係を示す図である。 温度差と発光出力との関係を示す図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
(窒化物半導体発光素子の構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る窒化物半導体発光素子の製造方法で製造される窒化物半導体発光素子の構成の一例を概略的に示す断面図である。なお、図1における各構成要素の寸法比は、必ずしも実際の窒化物半導体発光素子の寸法比と一致するものではない。この窒化物半導体発光素子1(以下、単に「発光素子1」ともいう)には、例えば、レーザダイオードや発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)が含まれる。以下では、発光素子1として、中心波長が250nm〜360nmの紫外光を発する発光ダイオード(LED)を例に挙げて説明する。
図1に示されるように、本実施の形態で製造される発光素子1は、透明基板11と、透明基板11上に形成された窒化物半導体層12と、電極13と、を有している。以下、それぞれの詳細を説明する。
(1)透明基板11
透明基板11は、発光素子1が発する深紫外光に対して透光性を有する基板であり、例えば、サファイア(Al)により形成されたサファイア基板である。なお、透明基板11は、窒化アルミニウム(AlN)により形成されたAlN単結晶基板でもよい。また、この場合、バッファ層121は、必ずしも設けなくてもよい。透明基板11は、基板の一例である。
(2)窒化物半導体層12
窒化物半導体層12を構成する半導体には、例えば、AlGaIn1−r−sN(0≦r≦1、0≦s≦1、0≦r+s≦1)にて表される2元系、3元系若しくは4元系のIII族窒化物半導体を用いることができる。また、これらのIII族元素の一部は、ホウ素(B)、タリウム(Tl)等で置き換えても良く、また、Nの一部をリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、又はビスマス(Bi)等で置き換えても良い。
窒化物半導体層12は、透明基板11側から順次、AlNからなるバッファ層121、n型のAlGaNにより形成されたn型クラッド層122、AlGaNにより形成された障壁層123a及び井戸層123bを含む活性層123、p型のAlGaNやAlNにより形成された電子ブロック層124、p型のAlGaNにより形成されたp型クラッド層125、p型のGaNにより形成されたコンタクト層126を順次形成して構成されている。以下、各構成要素について説明する。
n型クラッド層122は、n型のAlGaNにより形成された層であり、例えば、n型の不純物としてシリコン(Si)がドープされたAlGaN層である。なお、n型の不純物としては、ゲルマニウム(Ge)、セレン(Se)、又はテルル(Te)等を用いてもよい。
活性層123は、障壁層123aと井戸層123bとを交互に積層した量子井戸構造を有している。障壁層123a及び井戸層123bの数は、単数でもよく、複数でもよい。活性層123は、例えば、中心波長360nm以下の紫外光を出力するためにバンドギャップが3.4eV以上となるように構成されている。
電子ブロック層124は、AlNにより形成された層(以下、「第1の電子ブロック層」ともいう。)、p型のAlGaNにより形成された層(以下、「第2の電子ブロック層」ともいう。)と、を含んで構成されている。なお、電子ブロック層124は、必ずしもp型の半導体層に限られず、アンドープの半導体層でもよい。
p型クラッド層125は、p型のAlGaNにより形成される層であり、例えば、p型の不純物としてマグネシウム(Mg)がドープされたAlGaN層である。なお、p型の不純物としては、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、又は炭素(C)等を用いてもよい。
コンタクト層126は、例えば、Mg等の不純物が高濃度にドープされたp型のGaN層である。なお、コンタクト層126は、p型のAlGaNにより形成された層でもよい。この場合、コンタクト層126を形成するp型のAlGaNのAl組成比は、例えば、10%以下としてよい。
(3)電極13
電極13は、n型クラッド層122上に形成されたカソード側電極部(「n電極」ともいう。)131と、コンタクト層126上に形成されたアノード側電極部(「p電極」ともいう。)132と、を有している。
n電極131は、n型クラッド層122の一部の領域上に形成されている。n電極131は、例えば、n型クラッド層122の上に順にチタン(Ti)/アルミニウム(Al)/Ti/金(Au)が順に積層された多層膜で形成される。
p電極132は、コンタクト層126の上に形成されている。p電極132は、例えば、コンタクト層126の上に順に積層されるニッケル(Ni)/金(Au)の多層膜で形成される。
(発光素子1の製造方法)
次に、発光素子1の製造方法について説明する。本発明の実施の形態に係る窒化物半導体発光素子の製造方法(以下、「本製造方法」ともいう。)は、主として、以下の工程を含む。
(1)透明基板11上に窒化物半導体層12を成長させる工程、
(2)エッチングを施す工程、
(3)電極を形成する工程、及び
(4)チップに切断する工程。
以下、具体的に説明する。
(1)透明基板11上に窒化物半導体層12を成長させる工程
この工程では、有機金属化学気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)、分子線エピタキシ法(Molecular Beam Epitaxy:MBE)、ハライド気相エピタキシ法(Hydride Vapor Phase Epitaxy:HVPE)等の周知のエピタキシャル成長法を用いて、透明基板11上に窒化物半導体層12を成長させる。
具体的には、本工程は、主として、以下の4つの工程をさらに含む。
(a)透明基板11上にバッファ層121を高温成長させる工程、
(b)バッファ層121上にn型クラッド層122を高温成長させる工程、
(c)予め定められた時間(以下、「インターバル」ともいう。)で降温を行い、成長温度を目標とする温度まで下げる工程(以下、「降温工程」ともいう。)、及び
(d)障壁層123a及び井戸層123bを交互に形成した活性層123、電子ブロック層124、p型クラッド層125、及びコンタクト層126を順に積層して、所定の直径(例えば、50mm程度)を有する円板状の窒化物半導体積層体(「ウエハ」又は「ウェハ」ともいう)を形成する工程。
上述した(b)、(c)及び(d)の工程に係る高温成長のうち主な成長温度の一例を以下の表1にまとめる。
Figure 2021027193
ここで、上記の(c)の工程について、降温工程は、例えば、基板を加熱する熱源の出力を制御する方法(具体的には、熱源の出力を一定以下に下げる方法)によって行ってもよく、あるいは、キャリアガス(例えば、窒素(N)ガス)の流量を制御する方法(具体的には、キャリアガスの流量を一定以上とする方法)によって行ってもよく、両者を並行して行ってもよい。
図2は、本製造方法で用いられるサセプタ及び基板ヒーターの構成の一例を模式的に示す端面図である。図2に示すように、本製造方法では、トレイ(以下、「サセプタ」ともいう。)2と、サセプタ2の下側に配置された基板ヒーター3と、を備えた構成が用いられる。サセプタ2は、保持部材の一例である。基板ヒーター3は、熱源の一例である。
サセプタ2は、略円板状の形状を有し、中心軸20を回転軸として回転するように構成されている。また、サセプタ2には、透明基板11を保持する、複数の基板保持部21が形成されている。図示はしないが、基板保持部21は、平面視において略円形状に形成されている。また、複数の基板保持部21は、中心軸20の周りに対称に配置されている。複数の基板保持部21は、サセプタ2の径方向(図2の左右方向)において複数の列に亘って設けられてもよい。
基板ヒーター3は、サセプタ2の底面側から透明基板11及び形成された窒化物半導体層12(以下、「中間体」ともいう。)を加熱する。本実施の形態では、基板ヒーター3は、サセプタ2の中心軸20付近(以下、「内側」又は「インナー」ともいう。)及びサセプタ2の縁側付近(以下、「外側」又は「アウター」ともいう。)の2か所に設けられている。以下、内側に設けられた基板ヒーター3と外側に設けられた基板ヒーター3とを区別して特定する必要がある場合は、それぞれ「インナーヒーター3A」、及び「アウターヒーター3B」ともいう。なお、本実施の形態においては、インナーヒーター3Aとアウターヒーター3Bとは、その形状が互いに異なっている。
(2)エッチングを施す工程
次に、コンタクト層126の上にマスクを形成し、活性層123、電子ブロック層124、p型クラッド層125及びコンタクト層126においてマスクが形成されていないぞれぞれの露出領域を除去する。活性層123、電子ブロック層124、p型クラッド層125及びコンタクト層126の除去は、例えば、プラズマエッチングにより行うことができる。
(3)電極を形成する工程、及び(4)チップに切断する工程
次に、n型クラッド層122の露出面上にn電極131を形成し、マスクを除去したコンタクト層126上にp電極132を形成する。n電極131及びp電極132は、例えば、電子ビーム蒸着法やスパッタリング法などの周知の方法により形成することができる。このウエハを所定の寸法に切り分けることにより、図1に示す発光素子1が形成される。
(実施例)
次に、本発明の実施の形態に係る窒化物半導体発光素子の製造方法の実施例について具体的に説明する。図3は、成長温度の制御の一例を示す図であり、(a)は、基板ヒーターの出力の一例を示す図、(b)は、キャリアガスの流量の一例を示す図、(c)は、成長温度のプロファイルの一例を示す図である。
なお、図3の各図は、インターバルの付近を拡大して示したものである。また、図3の各図の横軸の時間は、図3(a)、図3(b)及び図3(c)の間で共通しているものとする。横軸の起点(時間=0)は、説明の便宜上設定したものであり、特定の現象(例えば、n型クラッド層122の成長の開始等)を示しているものではない。また、図3の3つ図に跨って引いた2本の縦線は、成長温度を切り替える時間を示すものであり、具体的には、左縦線(約1分)は、n型クラッド層122の成長が終わった時間を示し、右縦線(約0.5)は、活性層123の成長が開始する時間を示している。また、左縦線及び右縦線間の距離は、インターバルの長さを示している。
降温工程は、基板ヒーター3の出力の制御、及びキャリアガスとしての窒素ガスの流量の制御をともに用いることによって行う。まず、基板ヒーター3の出力の制御について、図3(a)を参照して説明する。ここで、基板ヒーター3の出力値は、n型クラッド層122の成長時の出力を1として規格化した任意単位で示している。
インナーヒーター3Aについて、図3(a)の細実線に示すように、n型クラッド層122の成長が終わった時間(左縦線参照)に、基板ヒーター3の出力値を約半分(例えば、0.53±0.03)まで下げる。次に、一定の時間(30±3秒、左縦線及び右縦線間の距離)をかけて、基板ヒーター3の出力を連続的に上昇させて、活性層123の成長の際のインナーヒーター3Aの出力値まで上げる。
なお、活性層123の成長の際のインナーヒーター3Aの出力値は、約0.94±0.02程度とした。活性層123の成長温度は、n型クラッド層122の成長温度よりも僅かに小さいためである。また、一定の時間内(すなわち、インターバル中)のインナーヒーター3Aの出力の上昇率は、(1.4±0.1)×10−2/秒である。
アウターヒーター3Bについても概ねインナーヒーター3Aと同様の傾向となるように制御する。具体的には、図3(a)の太実線に示すように、n型クラッド層122の成長が終わった時間(左縦線参照)に、基板ヒーター3の出力値を例えば、0.72±0.02程度まで下げる。次に、一定の時間(30±3秒、左縦線及び右縦線間の距離)をかけて、基板ヒーター3の出力を連続的に上昇させて、活性層123の成長の際のインナーヒーター3Aの出力値(約0.94±0.01)まで上げる。また、インターバル中のアウターヒーター3Bの出力の上昇率は、(7.3±0.7)×10−3/秒である。
なお、本実施の形態において、インナーヒーター3Aとアウターヒーター3Bとの制御が若干異なる理由としては、インナーヒーター3Aとアウターヒーター3Bとの形状が互いに異なるためであり、各ヒーターの狙い温度に対する設定値が異なっているためである。
次に、窒素ガスの流量の制御について、図3(b)を参照して説明する。ここで、窒素ガスの流量は、インターバル中に実現された最大値を1として規格化した任意単位で示している。図3(b)に示すように、n型クラッド層122の成長の間、窒素ガスの流量を、略一定の値(例えば、0.67±0.03の範囲)に制御する。
n型クラッド層122の成長が終わった後(左縦線参照)、窒素ガスの流量を上昇させる。窒素ガスの流量がピーク値(すなわち、1.0)に達した後、窒素ガスの流量を下降させて、活性層123の成長の際の窒素ガスの流量まで下げる。活性層123の成長の際の窒素ガスの流量は、0.50±0.05とした。
本実施例では、インターバル中の窒素ガスの流量を、(0.083±0.01)分の間、すなわち(5.0±0.5)秒の間に略一定の上昇率で上昇させる。次に、(0.42±0.01)分の間、すなわち(25±0.5)秒の間に略一定の下降率で下降させる。本実施例におけるインターバル中の窒素ガスの流量の上昇率は、(6.6±0.7)×10−2/秒であり、下降率は、(2.0±0.2)×10−2/秒である。このように、流量を一端増加させた後に、所定流量まで減少させる理由は、キャリアガスの温度が後述する成長温度よりも低く、より多くのキャリアガスを流すことにより、当該キャリアガスによってサセプタ2における熱がより多く奪われ、急速な温度低下を可能にするためである。そして、キャリアガスの流量を再度上昇させることにより、所定の温度まで正確に温度を低下させることが可能になる。
なお、活性層123の成長が開始された後は、窒素ガスの流量を、n型クラッド層122の成長の際の窒素ガスの流量よりも小さい一定の値(例えば、0.50±0.05の範囲)に制御する。
次に、図3(a)に示す基板ヒーター3の出力の制御及び図3(b)に示す窒素ガスの流量の制御により実現される成長温度の変化(以下、「プロファイル」ともいう。)について、図3(c)を参照して説明する。図3(c)に示すように、n型クラッド層122の成長の間、成長温度は、1102−1109℃の範囲に保たれている。次に、n型クラッド層122の成長が終了した後、30±3秒間(横軸約1分から0.5分の間)のインターバル中に、活性層123の成長温度まで急速に降温する。なお、活性層123の成長温度は、約1070℃とした。n型クラッド層122の成長温度は、第1の成長温度の一例である。活性層123の成長温度は、第2の成長温度の一例である。なお、成長温度は、例えば、サセプタ2の輻射熱を、インナー側及びアウター側に設置した計測器で測定した温度とした。
具体的には、内側の測定点(サセプタ2の中心軸20付近に設けた測定点)では、成長温度は、30±3秒間のインターバル中に約1103℃から約1070℃までの約33℃降下した。また、外側の測定点(サセプタ2の縁部付近に設けた測定点)では、成長温度は、30±3秒間のインターバル中に約1108℃から約1070℃までの約38℃降下した。降温工程中の降温速度は、略一定であり、それぞれ約1.1℃/秒、約1.3℃/秒であった。
(発光出力)
次に、上記の実施例に係る窒化物半導体発光素子の製造方法により製造された発光素子1の発光出力を測定した結果について説明する。発光出力は、種々の公知の方法で測定することが可能であるが、本実施例では、一例として、1枚のウエハの中心部と縁部とにそれぞれIn(インジウム)電極を付着し、この電極に所定の電流を流してウエハの中心部を発光させ、所定の位置に設置した光検出器(不図示)によりこの発光を測定する方法を用いた。なお、測定時に流した電流の大きさは、20mAとした。以下、2つの実験結果についてそれぞれ説明する。
(1)第1の実験とその結果
第1の実験では、n型クラッド層122の成長の終了から活性層123の成長の開始まで間(すなわち、インターバル中)に実行する降温工程における降温速度と発光出力との関係を調べた。なお、インターバルの長さは、降温時間と略等しい。インターバル中、降温工程の実行を継続するためである。図4は、降温速度と発光出力との関係を示す図である。図4の横軸は、降温速度(℃/秒)を示し、縦軸は、発光出力(任意単位)を示す。
ここで、降温速度(℃/秒)は、温度差を降温時間(秒)で除した値とした。また、温度差は、n型クラッド層122の成長温度と、活性層123の成長温度の差とした。n型クラッド層122及び活性層123の成長温度としては、それぞれ、外側の測定点の温度及び内側の測定点の温度を測定し、これらの平均値を用いた。
図4に示すように、発光出力は、降温速度が0以上1.0℃/秒以内の範囲で上昇し、降温速度が約1.0℃/秒を超えると飽和する。したがって、各素子における発光出力のばらつきを低減させるために、降温速度は、好ましくは、1.0℃/秒以上である。
なお、降温速度が約1.0℃/秒を超えると、発光出力にバラツキが生じている。この理由については、以下の第2の実験の結果を用いて説明する。
(2)第2の実験とその結果
第2の実験では、n型クラッド層122の成長温度及び活性層123の成長温度の差(以下、「温度差」ともいう。)と発光出力との関係を調べた。この第2の実験では、上述した本製造方法によって作製したサンプルのうち、降温速度を1.3±0.3℃/秒以上として作製したサンプルの発光出力を測定した。図5は、温度差と発光出力との関係を示す図である。なお、温度差℃は、n型クラッド層122の成長温度としての、n型クラッド層122の成長時の外側の温度及び内側の温度の平均値と、活性層123の成長温度としての、活性層123の成長時の外側の温度及び内側の温度の平均値との差とした。
図5に示すように、発光出力は、温度差が小さいほど上昇する傾向を有している。具体的には、発光出力は、温度差が0℃から一定の範囲において温度差が上がるに連れて上昇し、温度差が約35℃から40℃の間で飽和する(破線で示した近似曲線参照)。このように、発光強度が温度差に依存する傾向があるため、同一の降温速度であっても、温度差によっては発光出力がばらつくことになり、上述したように降温速度が1.0℃/秒付近で発光出力にバラツキが生じる(図4参照)。
また、温度差は、20℃以上であることが好ましい。温度差が20℃よりも小さすぎる場合、結晶成長上の問題があるためである。また、温度差は、40℃以下、好ましくは35℃以下、より好ましは30℃以下である。また、第1の実験の結果で述べたように、降温速度は、1.0℃/秒以上であることが好ましい。したがって、上記の温度差を実現するために、降温時間は、40秒以下、好ましくは35秒以下、より好ましくは30秒以下である。
(実施形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]基板上に、n型のAlGaNにより形成されるn型クラッド層(122)を第1の成長温度で成長させる工程と、1.0℃/秒以上の降温速度で降温を行うことにより成長温度を第2の成長温度まで下げる降温工程と、前記n型クラッド層(122)上に、AlGaNにより形成される活性層(123)を前記第2の成長温度で成長させる工程と、を含む、窒化物半導体発光素子(1)の製造方法。
[2]前記第1の成長温度と前記第2の成長温度との差が20℃以上40℃以下である、前記[1]に記載の窒化物半導体発光素子(1)の製造方法。
[3]前記降温工程における降温時間は、40秒以下である、前記[1]又は[2]に記載の窒化物半導体発光素子(1)の製造方法。
[4]前記降温工程は、前記基板を保持する保持部材の下部に設けられた熱源の出力を制御することにより行われる、前記[1]から[3]のいずれか1つに記載の窒化物半導体発光素子(1)の製造方法。
[5]前記降温工程は、キャリアガスの流量を制御することにより行われる、前記[1]から前記[4]のいずれか1つに記載の窒化物半導体発光素子(1)の製造方法。
1…窒化物半導体発光素子(発光素子)
11…透明基板
12…窒化物半導体層
121…バッファ層
122…n型クラッド層
123…活性層
123a…障壁層
123b…井戸層
124…電子ブロック層
125…p型クラッド層
126…コンタクト層
13…電極
131…カソード側電極(n電極)
132…アノード側電極(p電極)
2…サセプタ
20…中心軸
21…基板保持部
3…基板ヒーター
3A…インナーヒーター
3B…アウターヒーター

Claims (5)

  1. 基板上に、n型のAlGaNにより形成されるn型クラッド層を第1の成長温度で成長させる工程と、
    1.0℃/秒以上の降温速度で降温を行うことにより成長温度を第2の成長温度まで下げる降温工程と、
    前記n型クラッド層上に、AlGaNにより形成される活性層を前記第2の成長温度で成長させる工程と、
    を含む、窒化物半導体発光素子の製造方法。
  2. 前記第1の成長温度と前記第2の成長温度との差が20℃以上40℃以下である、
    請求項1に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記降温工程における降温時間は、40秒以下である、
    請求項1又は2に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  4. 前記降温工程は、前記基板を保持する保持部材の下部に設けられた熱源の出力を制御することにより行われる、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  5. 前記降温工程は、キャリアガスの流量を制御することにより行われる、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
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