JP2021026203A - 光走査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光走査装置において、傾斜した貫通孔を形成することなく、十分な光量でミラー部の回動角等を検出する。【解決手段】光走査装置10aは、光偏向器12、制御装置13a及び光検出部14aを備える。光偏向器12は、レーザ光源11からの入射光Laを反射するミラー部31を備える。貫通孔46は、ミラー部31の厚み方向に貫通する。入射光Laは、貫通孔46の反射面部57で反射する反射通過光Lcと、貫通孔46を直進して通過する直進通過光Ldとに分かれる。光検出部14aは、反射通過光Lcの光路上でかつ直進通過光Ldの光路から外れた位置に配設される。【選択図】図1

Description

本発明は、光偏向器を備える光走査装置に関する。
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の光偏向器を用いて、走査光を生成する光走査装置が知られている。該光走査装置は、ミラー部を所定の回転軸の回りに往復回動させ、光源からの入射光をミラー部の反射面部で反射させて、走査光を生成する。
このような光走査装置では、例えば、回転軸の回りのミラー部の回動範囲が定格を確保していることを確認したり、走査光の出射方向を検出したりするために、回動角を検出する回動角検出部が必要になる。
特許文献1の光走査装置では光偏向器のミラー部を厚み方向に貫通する貫通孔を直進して通過して来た入射光の光量を、ミラー部の背面側に配設したPDで検出している。そして、PDが検出した光量に基づいて回転軸の回りのミラー部の回動角が検出される。
特開2003−5124号公報
ミラー部の貫通孔を直進して通過する入射光の光量は、ミラー部の表面に対する入射光の入射角が0°になるときに最大となり、該入射角が増大するほど、低下する。一般的な光走査装置では、回転軸の回りのミラー部の回動角が回動範囲の一端又は他端にあるとき、該入射角が最大になる。
したがって、特許文献1の光走査装置では、回転軸の回りのミラー部の回動角が、定格回動範囲の一端又は他端にあるときに、回動角検出部が検出する光量が、最小(0を含む)となってしまい、検出精度が低下する。
なお、ミラー部に形成する貫通孔を、ミラー部の厚み方向に平行ではなく、傾斜させる構成が考えられる。しかしながら、厚み方向に傾斜する貫通孔をミラー部に形成することは、MEMSの光偏向器の製造コストを増大させる。
本発明の目的は、傾斜した貫通孔を形成することなく、十分な光量でミラー部の回動角等を検出できるようにした光走査装置を提供することである。
本発明の光走査装置は、
表面が光源からの入射光を反射する反射面部であり、前記表面に対して垂直に貫通する貫通孔が設けられ、所定の回転軸の回りに往復回動するミラー部を有する光偏向器と、
前記ミラー部の所定の回動角範囲内では、前記入射光のうち前記貫通孔を直進して通過する直進通過光の光路外となり、前記入射光のうち前記貫通孔の内壁面で反射されて通過する反射通過光の光路内となる受光領域を有し、前記ミラー部の背面側に配設されて、前記反射通過光を受光する光検出部と、
前記光検出部の出力に基づいて前記ミラー部の回動角又は回動角範囲を検出する回動検出部と、
を備える。
本発明によれば、貫通孔の通過光は、貫通孔の内壁面で反射してから通過する反射通過光と、残りの直進通過光とに分けられる。通過反射光は、所定の回転軸の回りのミラー部の回動に伴い、一定の方向に十分な光量で走査する。したがって、光検出部により反射通過光を検出することにより、ミラー部の厚み方向に傾斜する貫通孔を形成することなく、十分な光量でミラー部の回動角等(回動角又は回動角範囲)を検出することができる。
好ましくは、前記貫通孔の内壁面において前記反射通過光が反射する反射面部は、前記回転軸に対して平行な平面として形成されている。
この構成によれば、貫通孔の内壁面における通過光の反射面部は、回転軸に対して平行な平面として形成される。この結果、反射面部から出射する反射通過光は、径方向に広がることなく、径方向に十分に絞られたまま光検出部に到達する。これにより、回動角等の検出精度を高めることができる。
好ましくは、前記貫通孔の前記内壁面において前記反射通過光が反射する反射面部は、金属面として形成されている。
この構成によれば、貫通孔における反射通過光の反射面部は、金属面として形成される。これにより、反射率が高まるとともに、反射通過光(例:レーザ光)に因るミラー部における発熱量を抑制することができる。
好ましくは、前記貫通孔の前記反射面部の延長面が形成された隆起部が、前記ミラー部の背面側に形成されている。
この構成によれば、光検出部に向かう光は、貫通孔内の反射面部で反射する通過反射光と、残部反射光のうち隆起部の延長面で反射する光とを合わせた光となる。これにより、光検出部により検出される反射光の光量を増大させて、回動角等の検出精度を高めることができる。
好ましくは、
前記ミラー部は、前記所定の回転軸である第1回転軸と、前記所定の回転軸とは別の回転軸であって前記ミラー部の中心において前記第1回転軸と直交する第2回転軸との回りに往復回動し、
前記貫通孔は、前記第2回転軸上に形成されている。
この構成によれば、貫通孔は、ミラー部において第2回転軸上に形成される。この結果、貫通孔に入射する入射光の光量は、第2回転軸の回りのミラー部の往復回動中の変動が抑制される。これにより、回動角等の検出精度を高めることができる。
好ましくは、前記ミラー部は、前記第1回転軸及び前記第2回転軸の回りをそれぞれ共振及び非共振で往復回動する。
この構成によれば、ミラー部の共振軸の回りの往復回動の回動角等を、反射通過光を用いて高精度で検出することができる。
好ましくは、
前記光検出部は、前記反射通過光を受光する受光面を有し、該受光面上の受光位置に係る電気信号を出力し、
前記回動検出部は、前記電気信号に基づいて前記所定の回転軸の回りの前記ミラー部の回動角を検出する。
この構成によれば、光検出部の受光面における反射通過光の受光位置を検出して、所定の回転軸の回りのミラー部の回動角を検出することができる。
好ましくは、前記光検出部は、PSDである。
この構成によれば、受光面における反射通過光の受光位置を、PSDにより検出することができる。
好ましくは、
前記所定の回転軸の回りの前記ミラー部の回動角範囲の中心を中心回動角とし、
前記光検出部の前記受光面は、前記ミラー部が前記中心回動角にあるときの前記反射通過光の受光位置を境に、前記反射通過光の走査方向の一側の第1面部分と他側の第2面部分とを有し、
前記光検出部は、前記第1面部分を受光面とする第1PDと、前記第2面部分を受光面とする第2PDとを有し、
前記光検出部の出力は、前記第1PDの出力と前記第2PDの出力とを含む。
この構成によれば、受光面における反射通過光の受光位置を、PSDに比して十分に安価なPDからの出力により検出することができる。
好ましくは、
前記所定の回転軸の回りの前記ミラー部の回動角範囲の中心を中心回動角とし、
前記光検出部は、
前記反射通過光の走査方向に延在する受光面を有するPDと、
前記PDの前記受光面を被覆し、前記ミラー部が前記中心回動角にあるときの走査方向位置に対して一側及び他側に透過孔がそれぞれ形成された遮光板と、
を有する。
この構成によれば、反射通過光の走査位置が遮光板の透過孔に一致したときのみ、反射通過光は、遮光板の透過孔を通過して、PDの受光面に到達する。また、遮光板の透過孔の位置は、所定の回転軸の回りのミラー部の所定の回動角に対応する。これにより、PDの出力に基づいてミラー部の所定の回動角を検出することができる。
好ましくは、前記遮光板における前記透過孔の位置は、前記ミラー部が、前記所定の回転軸の回りの前記ミラー部の定格回動範囲の両端の回動角にあるときの前記反射通過光の走査方向位置に設定されている。
この構成によれば、ミラー部が定格回動範囲の両端の回動角まで回動しているか否かを支障なく検出することができる。
好ましくは、
前記ミラー部の前記所定の回動角範囲の全体にわたり、前記入射光の入射方向が前記表面に対して垂直にならないように、該入射方向が設定されている。
この構成によれば、貫通孔に進入する入射光の全量が直進通過光になってしまう事態が回避される。これにより、回転軸の回りのミラー部の回動角の検出精度を高めることができる。
光走査装置の構成図である。 ミラー部が中立位置にあるとき、光検出部及びミラー部をミラー部の表面側(Z軸方向+側)から見た図である。 ミラー部が中立位置にあるとき、光検出部及びミラー部を上側(Y軸方向+側)から見た図である。 光走査装置における各光の光路と光スポットとの関係の模式図である。 PSDの受光面に生成する光スポットの寸法についての説明図である。 ミラー部が回転軸Ayの回りに往復回動したときのミラー部の回動位置と光スポットSpの位置との対応関係を示す図である。 ミラー部の回動角αyとPSDの受光面における光度分布の重心位置との関係をシミュレーションで調べた図である。 ミラー部の回動角βy及びPSDの受光量Qの時間の変化を示すグラフである。 光偏向器の内側圧電アクチュエータの駆動電圧のうちの変化電圧分の変動幅と回転軸Ayの回りのミラー部の回動角範囲Wyとの関係を示すグラフである。 図9の変動幅とPSDの2つの出力電圧の差分の変動幅との関係を示す図である。 光走査装置の電源投入開始ごとに実施するミラー部の回動角範囲のキャリブレーションのフローチャートである。 第2実施形態の光走査装置の全体の構成図である。 第2実施形態において光走査装置をZ軸の+側から見た図である。 第2実施形態において光走査装置における各光の光路と光スポットSpとの関係の模式図である。 第2実施形態において回転軸Ayの回りのミラー部の回動角βyが0[°]にあるときの反射通過光等の光路及び光度分布Sdを示す図である。 第2実施形態において回転軸Ayの回りのミラー部の回動角βyが−5[°]にあるときの反射通過光等の光路及び光度分布を示す図である。 第2実施形態において回転軸Ayの回りのミラー部の回動角βyが+5[°]にあるときの反射通過光Lc等の光路及び光度分布を示す図である。 第2実施形態において回動角αyと出力電圧比との関係をシミュレーションで調べた図である。 第3実施形態の光走査装置の全体の構成図である。 第3実施形態においてミラー部が中立位置にあるとき、光検出部及びミラー部をY軸方向+側から見た図である。 第3実施形態において光走査装置における各光の光路と光スポットとの関係の模式図である。 第3実施形態においてミラー部の回動角αyとPDの出力との関係をシミュレーションで調べた図である。 第3実施形態において光走査装置の電源投入開始ごとに実施するミラー部の回動角範囲のキャリブレーションのフローチャートである。 反射面部の実質的な面積増大を図る主要部の構成図である。
以下に、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。以下の説明において、実質的に同一又は等価な要素及び部分については、共通の参照符号を使用している。また、同一の構成を有する対又は群の要素については、数字が同一で、添字のアルファベットのみが異なる参照符号を使用している。さらに、添字のアルファベットのみが異なる参照符号を総称するときは、添え字のアルファベットを省略した参照符号を使用する。
(第1実施形態)
図1は、光走査装置10aの構成図である。光走査装置10aは、レーザ光源11、光偏向器12、制御装置13及び光検出部14を備える。
仮想スクリーン15は、光走査装置10aの構成要素には含まれない。仮想スクリーン15は、光走査装置10aからの走査光Lsの走査状態を説明するために、仮想的に配置したものである。光走査装置10aの実際の適用では、仮想スクリーン15は、壁、スクリーン又は走行路等に置き換えられる。なお、光走査装置10aは、画像生成装置や、自動車のADB(Adaptive Driving Beam)等に適用される。
光偏向器12は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)としてSOI(Silicon on Insulator)から製造される。光偏向器12は、主要要素としてミラー部31、トーションバー32a,32b、内側圧電アクチュエータ33a,33b、可動枠部34、外側圧電アクチュエータ35a,35b、及び固定枠部36を備えている。
光偏向器12の構成の説明の便宜のために、三軸直交座標系を定義する。X軸及びY軸は、固定枠部36の長辺及び短辺に平行になっている。Z軸は、光偏向器12の厚みの方向に平行になっている。
Oは、ミラー部31の中心である。中心Oは、光偏向器12の中心でもある。レーザ光源11からのレーザ光等の入射光Laは、横断面の光度分布のピーク点(光度分布の重心位置ともいう。)が、中心Oになるように、ミラー部31に入射する。
回転軸Ax及び回転軸Ayは、ミラー部31の2つの回転軸としてミラー部31の中心Oで直交する。ミラー部31の表面は、入射光Laの反射面部になっている。走査光Lbは、入射光Laがミラー部31の表面で反射した光である。
ここで、ミラー部31の中立位置を定義する。中立位置とは、ミラー部31が回転可能になっている回転軸の回りの回動角範囲の中心の回動位置になっているときのミラー部31の回動角をいうものとする。光偏向器12のミラー部31は、回転軸Ax及び回転軸Ayの2軸の回りに回動可能になっている。したがって、ミラー部31の中立位置には、回転軸Axの回りの中立位置と、回転軸Ayの回りの中立位置とが定義される。
回転軸Axの回りの中立位置を「中立位置x」と呼び、回転軸Ayの回りの中立位置を「中立位置y」と呼ぶことにする。また、ミラー部31が中立位置xでかつ中立位置yである中立位置を「中立位置xy」で表す。中立位置xyは、ミラー部31が光検出部14の真正面を向いたときのミラー部31の回動位置に相当する。
トーションバー32a,32bは、Y軸方向にミラー部31の両側から回転軸Ayに沿って伸び出ている。
内側圧電アクチュエータ33a,33bは、X軸方向にミラー部31の両側に配置され、Y軸方向の各端においてトーションバー32a,32bの中間部に結合する。内側圧電アクチュエータ33a,33bは、Y軸方向の両端部において相互に結合し、全体で環状形状となり、ミラー部31を包囲する。
可動枠部34は、内側圧電アクチュエータ33a,33bを包囲する。各トーションバー32は、ミラー部31とは反対側の端において可動枠部34の内周に結合している。各内側圧電アクチュエータ33は、半環形状の外周縁部の中間点において、可動枠部34の内周に結合している。内側圧電アクチュエータ33と可動枠部34との結合部は、中心Oを通り、かつX軸に平行な直線上に位置する。
外側圧電アクチュエータ35a,35bは、X軸方向にミラー部31の両側に配置されている。各外側圧電アクチュエータ35は、両端部において可動枠部34の外周と固定枠部36の内周とに結合している。各外側圧電アクチュエータ35は、ミアンダパターンで結合した複数のカンチレバー41を有している。
内側圧電アクチュエータ33及び外側圧電アクチュエータ35は、不図示の駆動装置からそれぞれ駆動電圧Vdi,Vdoの供給を受ける。内側圧電アクチュエータ33は、トーションバー32と可動枠部34との間に介在し、トーションバー32を回転軸Ayの回りに共振周波数でねじり振動させる。これにより、ミラー部31は、回転軸Ayの周りに共振周波数Fyで往復回動する。
各外側圧電アクチュエータ35が有する複数のカンチレバー41について、固定枠部36側から可動枠部34側に順番に、1番、2番、・・・と番号を付けたと仮定する。この場合、奇数番のカンチレバー41と偶数番のカンチレバー41とは、ピークツーピーク(電圧変動幅)が同一で、位相が反対の駆動電圧Vdoを制御装置13から受ける。
この結果、奇数番のカンチレバー41と偶数番のカンチレバー41とは、逆位相で湾曲するので、外側圧電アクチュエータ35の全体による回転軸Axの回りの可動枠部34の回動角範囲を増大することができる。ミラー部31は、回転軸Axの回りに非共振周波Fxの非共振で往復回動する。非共振周波Fx<共振周波数Fyである。
ここで、回動角αx,αyを定義する。回動角αxは、回転軸Axの回りのミラー部31の回動角である。回動角αyは、回転軸Ayの回りのミラー部31の回動角である。回動角αyは、光偏向器12の正面視で、ミラー部31がX軸方向の−側に大きく回動するときほど、増大する値として定義される(図7の横軸参照)。
回動角αyは、別に、回転軸Ayの回りのミラー部31の回動角として回動角βyを定義する(図8の縦軸参照)。回動角βyは、ミラー部31が中立位置yにあるとき、0[°]で定義される。
この例では、回動角βy=0[°]であるとき、回動角αy=22.5[°]として定義される。したがって、βy=αy−22.5の関係がある。
制御装置13は、PSD制御回路19、ミラー制御用IC20及び制御用データメモリ21を備えている。光検出部14は、光偏向器12の裏面側に配置される。
光走査装置10aでは、光検出部14は、PSD28から構成される。PSD28の詳細は、図2で述べる。
PSD制御回路19は、光検出部14の作動に必要な電圧を供給し、光検出部14から出力電圧を受ける。ミラー制御用IC20は、制御用ソフトウェア24を実装する。ミラー制御用IC20は、制御用データメモリ21のデータ及びPSD制御回路19からの入力に基づいて制御用ソフトウェア24のプログラムを実行する。該プログラムの実行によりレーザ光源11の光度及び光偏向器12のミラー部31の回動角αx,αyが制御される。
レーザ光源11は、入射光Laを可動枠部34の中心Oに向けて出射する。入射光Laは、可動枠部34において反射し、可動枠部34の回動角αx,αyに応じた方向に走査光Lbとなって出射する。走査光Lbは、仮想スクリーン15の上を縦(垂直方向)及び横(水平方向)に走査し、走査光Lbの走査跡が仮想スクリーン15上で映像や配光パターン像になる。
図2及び図3は、ミラー部31が中立位置にあるとき、光検出部14a及びミラー部31をそれぞれミラー部31の表面側(Z軸方向+側)及び上側(Y軸方向+側)から見た図である。
ミラー部31は、表面が、入射光Laの反射面部45になっている。貫通孔46は、ミラー部31の厚み方向(Z軸方向)に平行にミラー部31を貫通している。この例では、貫通孔46は、正方形の横断面で形成され、貫通孔46の内壁面55(図5)の各側面は、回転軸Ax又はAyに平行な平面になっている。
光検出部14は、ミラー部31の裏面側に配設されている。光検出部14は、例えばPSD(Position Sencitive Detctor)28から成り、光走査装置10の光検出部を構成する。PSD28は、具体的には、PINフォトダイオードの表面のP層を抵抗層として使用し、該抵抗層の長さ方向の両端電圧から該表面における光スポットの位置を検出する構造になっている。
光検出部14は、ミラー部31側に受光面49を有する。受光面49は、正方形であり、各辺は、それぞれX軸及びY軸に平行に揃えられている。貫通孔46は、ミラー部31において、中心Oを通りかつX軸に平行な直線上に位置する。
図2において、中心Odは、PSD28の受光面49の中心である。図3において、平面Coは、中心Oを通りかつY軸に平行な直線である。平面Chは、貫通孔46の中心を通りかつY軸に平行な直線である。平面Caは、中心Od(図2)を通りかつY軸に平行な直線である。
図2及び図3において、Da1〜Da7の定義は、次のとおりである。
Da1:ミラー部31の直径
Da2:貫通孔46のY軸方向の長さ
Da3:貫通孔46のX軸方向の長さ
Da4:平面Co−平面Ca間の距離
Da5:平面Co−平面Ch間の距離
Da6:ミラー部31の厚み
Da7:ミラー部31の裏面と受光面49との間のZ軸方向の距離
Da1〜Da7及び回動角αyの値を例示すると、次のとおりである。
Da1=2.0mmφ
Da2,Da3=50μm
Da4=1.175mm
Da5=1.0mm
Da6=50μm
Da7=1.2mm
図4は、光走査装置10aにおける各光の光路と光スポットSpとの関係の模式図である。入射光Laのうち、大部分は、反射面部45で反射して、走査光Lbとなる。
入射光Laのうちの一部が貫通孔46内に進入する。貫通孔46内に進入した入射光Laは、貫通孔46の内壁面55で反射してから、ミラー部31の裏面側に出射する反射通過光Lcと、内壁面55で反射することなく、直進のまま貫通孔46を通過する直進通過光Ldとに分かれる。
PSD28は、回転軸Ayの回りのミラー部31の所定の回動角範囲では、直進通過光Ldの光路外でかつ反射通過光Lc光路内に配置されている。なお、この例では、所定の回動角範囲とは、(22.5−5)[°]≦αy≦(22.5+5)[°]である。
図5は、PSD28の受光面49に生成する光スポットSpの寸法についての説明図である。ミラー部31は、図5の位置では、中立位置xyにある。図5では、貫通孔46の構成が詳細に示されている。貫通孔46は、ミラー部31の表面及び裏面にそれぞれ表面側開口53及び裏面側開口54において開口しているとともに、内壁面55を有している。
内壁面55は、正方形の横断面である。内壁面55の4つの側面のうち、最も回転軸Ay寄りになっている側面は、反射面部57を形成する。反射面部57は、回転軸Ayに対して平行な平面として形成されている。内壁面55は、金属面となっている。すなわち、ミラー部31は、MEMSにおいてSOIのSi層からなるが、内壁面55は、全面にわたり金属層で被覆されている。
したがって、当然に反射面部57も金属面となっている。反射面部57が金属面となっていることにより、入射光Laの反射率が高まり、反射通過光Lcの光度を高めることができる。また、ミラー部31のSi層の発熱を抑制することができる。
図5では、図3に対して符号が追加されている。追加された各符号の定義は、次のとおりである。
Ci:反射面部57を含む平面
Cr:光スポットSpの周縁上で回転軸Ayに最も近い位置(図5では、光スポットSpの右端)を通り受光面49に対して垂直な平面
Cl:光スポットSpの周縁上で回転軸Ayに最も遠い位置(図5では、光スポットSpの左端)を通り受光面49に対して垂直な平面
θ:ミラー部31の反射面部45に対する入射光Laの傾斜角
θ’:平面Ciに対する入射光Laの傾斜角
Dr:平面Ci−平面Cr間の距離
Dl:平面Ci−平面Cl間の距離
なお、θ+θ’=90[°]であり、θは、回動角αyに応じて変化する。また、図5のDa3,Da6は、図3で定義したとおりである。さらに、θ’=βyである。
式(1):tanθ’ ≦ Da3/Da6
式(2):Dl=(L+Da6)sinθ’
式(3):Dr=L・sinθ’
ただし、L=Da7である。式(1)〜(3)において、Da3=Da6=0.050mmとすると、式(1)より、tanθ’=1となる。θ’≦45[°]を満たすように、ミラー部31の回動角αyが、22.5[°]を中心(ミラー部31が真正面を向いたときの回動角αy)に±5[°]の範囲で変動する状態を想定する。
θ’=17.5[°](=22.5−5)のとき、Dr=0.394mm、Dl=0.378mmとなる。θ’=22.5[°]のとき、Dr=0.518mm、Dl=0.497mmとなる。θ’=27.5[°](=22.5+5)のとき、Dr=0.651mm、Dl=0.625mmとなる。
光スポットSpは、回転軸Ayの回りのミラー部31の回動角αyに応じて受光面49上をX軸方向に走査する。しかしながら、光スポットSpは、回動角αyの変化する回動角範囲において、所望の寸法が確保される。このことは、所定の回動角範囲において受光面49上には十分な光量の光スポットSpが生成されることを意味する。
図6は、ミラー部31が回転軸Ayの回りに往復回動したときのミラー部31の回動位置と光スポットSpの位置との対応関係を示している。回動位置Pc,Pr,Pl共に、ミラー部31は中立位置xにある。回動位置Pcは、さらに、ミラー部31の中立位置yでもある。回動位置Prは、正面視におけるミラー部31の右端がZ軸方向に最も+側に来たときに対応する。回動位置Plは、正面視におけるミラー部31の左端がZ軸方向に最も+側に来たときに対応する。
回動位置Pr,Pc,Plの回動角αyは、それぞれ17.5[°](=22.5−5)、22.5[°]、27.5[°](=22.5+5)である。
図3で示した寸法で、ミラー部31を回動位置Pr−回動位置Pl間で回転軸Ayの回りに往復回動させると、回動位置Plの光スポットSpの中心と回動位置Prの光スポットSpの中心との間の距離は、約0.25mmとなる。一方、回動位置Pl,Po,Prにおける光スポットのSpの径のうち、最大径は、回動位置Plの径の0.026mmとなり、最小径は、回動位置Prの0.016mmとなる。
以上から、光スポットSpの径の変化は、光スポットSpの変位に対して十分に小さい。これにより、PSD28の受光面49における光スポットSpの受光量を十分に確保しつつ、光スポットSpの受光位置からミラー部31の回動角αyを検出することができる。
図7は、ミラー部31の回動角αyとPSD28の受光面49における光度分布Sd(図16参照)の重心位置との関係をシミュレーションで調べた図である。
入射光Laが内壁面55で反射することにより生成される反射通過光Lcは、散乱が大きく、実際には、光度分布Sdの強度となる。図7のシミュレーションでは、光スポットSpの中心は、光度分布Sdのσ=0.15で、散乱割合が1である強度分布の重心として計算したものになっている。
図8は、ミラー部31の回動角βy(=αy−22.5)及びPSD28の受光量Qの時間(1周期T)の変化を示すグラフである。横軸の数値は、時間の経過を示す単なる目盛りであり、単位は秒とは異なる。次の図9で説明するように、ミラー部31の駆動電圧Vdiは、正弦波成分を有し、該正弦波成分の変化電圧分をVisで表すことにする。回動角βyの波形は、変化電圧分Visに同期した波形となる。
図9は、光偏向器12の内側圧電アクチュエータ33の駆動電圧Vdiのうちの変化電圧分Visの変動幅Viwと回転軸Ayの回りのミラー部31の回動角範囲Wy(αyの変動幅)との関係を示すグラフである。図9から回動角範囲Wy≧10[°]を確保するためには、Viw≧8.2[V]にする必要がある。
図10は、図9の変動幅ViwとPSD28の2つの出力電圧の差分の変動幅Vpwとの関係を示している。PSD28は、2つの出力電圧をPSD制御回路19に出力し、制御用ソフトウェア24は、両出力電圧の差分又は比率からPSD28の40における光スポットSpの位置、すなわち光スポットSpの走査方向の光スポットSpの位置を検出する。したがって、図10における縦軸の変動幅Vpwは、ミラー部31のαyの回動角範囲Wyと等価である。
図10から、変動幅Viw=8.2[V]であるとき、変動幅Vpw=2.8[V]であることが分かる。換言すると、PSD28の変動幅Vpw≧2.8[V]が得られれば、回動角範囲Wy≧10[°]が確保されたことになる。
図11は、光走査装置10aの電源投入開始ごとに実施するミラー部31の回動角範囲Wyのキャリブレーションのフローチャートである。光走査装置10の光偏向器12の圧電素子は、使用が長くなるに連れて劣化するので、同一の駆動電圧値に対しする変形量は、徐々に減少する。これに対し、この光走査装置10aでは、光検出部14は、ミラー部31の回動角範囲Wyを10[°]以上保証しなければならない。
図11のキャリブレーションは、光偏向器12の内側圧電アクチュエータ33の圧電素子の劣化に応じて、内側圧電アクチュエータ33の駆動電圧Vdiを増大させ、これにより、光走査装置10aの使用中、ミラー部31のαyの回動角範囲Wyを10[°]以上に維持するものである。なお、回転軸Ay,Axの回りのミラー部31の往復回動は、それぞれ共振及び非共振となっている。したがって、「共振正弦波電圧」及び「非共振正弦波電圧」とは、それぞれ駆動電圧Vdiの変化電圧分Vis及び駆動電圧Vdoの変化電圧分Vosを意味する。
共振正弦波電圧は、図8のミラー部31の回動角βyの変化特性(図8の実線)に対応する。回動角βyでは、縦軸の単位が[°]になっているのに対し、共振正弦波電圧を図8に表すと、縦軸の単位が[V]に代わるだけである。
STEP101において、制御装置13aは、光源(レーザ光源11)を点灯する。
STEP102において、制御装置13aは、共振正弦波電圧の変動幅(Viw)を所定量Δ、増大する。STEP102〜STEP104は、ループになっている。したがって、1回目のSTEP102の実行において、設定後の共振正弦波電圧は、制御装置13aが制御用データメモリ21から読み込んだ初期値とされる。
共振正弦波電圧の初期値は、光操作装置10aの製造工場の検査員が、光走査装置10aを工場から出荷する際に各光走査装置10aの光偏向器12に対してミラー部31の回動角範囲Wyが10[°]以上になる最小の変化電圧分Visの値を検査して確認した該値である。該値は、該検査員が、各光走査装置10aごとに変化電圧分Visの初期値として制御用データメモリ21に記録する。
STEP103では、制御装置13aは、駆動電圧Vdi≦定格値(共振正弦波電圧の上限値)であるか否かを判定する。そして、判定結果が肯定的であるときには、処理をSTEP104に進める。判定結果が否定的であるときには、処理をSTEP106に進める。
STEP104において、制御装置13aは、PSD28の出力電圧の変動幅(Vpw)≧閾値(図10の2.8V)であるか否かを判定する。そして、判定結果が肯定的であるときには、処理をSTEP105に進める。判定結果が否定的であるときには、処理をSTEP102に戻す。
STEP105では、制御装置13aは、光偏向器12について合格と判断する。STEP106では、制御装置13aは、光偏向器12について不合格と判断する。
STEP107では、制御装置13aは、光源(レーザ光源11)を消灯する。
(第2実施形態)
図12は、第2実施形態の光走査装置10bの全体の構成図である。光走査装置10aとの相違点のみ説明する。光走査装置10bでは、光走査装置10aの制御装置13a及び光検出部14aに代えてそれぞれ制御装置13b及び光検出部14bが装備される。制御装置13bは、制御装置13aのPSD制御回路19に代えてTIA(トランスインピーダンスアンプ)67を備える。光検出部14bの出力電圧は、TIA67を経てミラー制御用IC20に入力される。
図13は、光走査装置10bをZ軸の+側から見た図である。前述の図3の構成との相違点についてのみ説明する。
光検出部14bは、境界63を境にX軸方向−側のPD61lと+側のPD61rとに分かれる。PD61l,61rは、独立しており、受光面62l,62rに生成される光度分布Sd(図15)の受光量を個々に検出して、出力する。受光面62l,62rは、境界63によりX軸方向に分離しているものの、光スポットSp(図14)の走査方向に連続する1つの連続平面を形成する。光スポットSpは、光度分布Sdにおいて光度が所定の閾値以上の領域を光度分布Sdから抽出したものに相当する。したがって、PD61l,61rの受光量の和(PD61l,61rの出力電圧の和でもある。)は、光スポットSpの走査方向位置に関係なく、ほぼ一定値を維持する。
図13における各符号の定義は、次のとおりである。
Cb:境界63を通りかつZ軸に平行な平面
Db1:ミラー部31の直径
Db2:Y軸方向の貫通孔46の辺長
Db3:X軸方向の貫通孔46の辺長
Db4:X軸方向の中心O−平面Cb間の距離
Db5:X軸方向の中心O−平面Ch間の距離
Db6:ミラー部31の厚み
Db7:Z軸方向のミラー部31の裏面と受光面49との間の距離
Db1〜Db7及び回動角αyの値を例示すると、次のとおりである。
Db1=2.0mmφ
Db2=50μm
Db3=50μm
Db4=0.895mm
Db5=0.7mm
Db6=50μm
Db7=0.5mm
回動角αy=22.5[°]
図14は、光走査装置10bにおける各光の光路と光スポットSpとの関係の模式図である。各光の光路を示している。図4との相違点についてのみ説明する。
光スポットSpは、回転軸Ayの回りのミラー部31の往復回動に伴いX軸方向に境界63を越えてPD61lの受光面62lとPD61rの受光面62rとを行き来する。
図15−図17は、回転軸Ayの回りのミラー部31の回動角βyがそれぞれ0[°]、−5[°]、+5[°]にあるときの反射通過光Lc等の光路及び光度分布Sdを示している。光度分布Sdのうち閾値以上の光度領域が光スポットSpとなる。さらに、光度分布Sdのピークが光度分布Sdの最大光度になる。
トーションバー32の回動角βyに応じて光度分布Sdの走査方向位置が変化する。この変化は、受光面62l,62rの出力電圧vl,vrの変化となる。
この結果、光スポットSpのX軸方向の位置Pxは、次式から算出することができる。
式(4):Px=k・(vl−vr)/(vl+vr)
ただし、kは、定数。Px=0は、境界63のX軸方向の位置である。
図18は、回動角αy(=βy+22.5)と出力電圧比との関係をシミュレーションで調べたグラフである。なお、出力電圧比とは、(vl−vr)/(vl+vr)を意味する。また、光度分布Sdは、σ=0.15及び散乱割合=1としている。回動角αy(=βy+22.5)と(vl−vr)/(vl+vr)とは、一義的な関係を有していることが分かる。
(第3実施形態)
図19は、第3実施形態の光走査装置10cの全体の構成図である。光走査装置10bとの相違点のみ説明する。光走査装置10cでは、制御装置13b及び光検出部14bの代わりに制御装置13c及び光検出部14cを備えている。制御装置13cは、制御装置13bの制御用データメモリ21を省略している。
図20は、ミラー部31が中立位置にあるとき、光検出部14c及びミラー部31をY軸方向+側から見た図である。
光検出部14cは、PD70と遮光板75とを備える。PD70は、光スポットSpの走査位置の変化全体にわたる長さの受光面71を有している。図20において、平面Ccは、図13の平面Cbと同一平面である。遮光板75は、PD70の受光面71に対して平行にかつ受光面71を覆うように配設されている。遮光板75は、平面Ccに対してX軸方向に−側及び+側に透孔76l,76rを有している。この結果、受光面71は、反射通過光Lcが透孔76l,76rを通過する時に反射通過光Lcを受光する。
図20における各符号の定義は、次のとおりである。
Cl:透孔76lの中心を通り、平面Ccに平行な平面
Cr:透孔76rの中心を通り、平面Ccに平行な平面
Dc1:ミラー部31の直径
Dc3:正方形の貫通孔46の辺の長さ
Dc4:中心O−平面Cb間の距離
Dc5:中心O−平面Ch間の距離
Dc6:ミラー部31の厚み
Dc7:ミラー部31の裏面と受光面71との間の距離
Dc8:受光面71と遮光板75の裏面との間の距離
Dl:平面Ccと平面Clとの間の距離
Dr:平面Ccと平面Crとの間の距離
Dc1〜Dc10の値を例示すると、次のとおりである。
Dc1=2.0mmφ
Dc2,Dc3=50μm
Dc4=1.175mm
Dc5=0.7mm
Dc6=50μm
Dc7=1.2mm
Dc8=0.075mm
Dl=0.26mm
Dr=0.27mm
図21は、光走査装置10cにおける各光の光路と光スポットSpとの関係の模式図である。図4との相違点についてのみ説明する。光走査装置10cでは、PD70は、遮光板75の透孔76l,76rを通過した反射通過光Lcのみを受光面71に受光する。
図22は、ミラー部31の回動角αyとPD70の出力([W])との関係を示している。PD70の出力は、回動角αy=22.5±5[°]のときのみ出現し、その他の回動角αyでは、無出力となる。
図23は、光走査装置10cの電源投入開始ごとに実施するミラー部31の回動角範囲Wyのキャリブレーションのフローチャートである。図23のフローチャートにおいて、共振正弦波電圧とは、図11のフローチャートを説明したときと同一に定義される。
STEP201において、制御装置13cは、光源(レーザ光源11)を点灯する。
STEP202において、制御装置13cは、共振正弦波電圧の変動幅Viwを所定量Δ、増大する。
STEP203では、制御装置13cは、駆動電圧Vdi≦定格値であるか否かを判定する。そして、判定結果が肯定的であるときには、処理をSTEP204に進める。判定結果が否定的であるときには、処理をSTEP204に進める。
STEP204において、制御装置13cは、共振正弦波電圧が−側半部から+側半部に切り替わったか否かを判定する。共振正弦波電圧の−側半部及び+側半部は、それぞれ図8の回動角βy(実線)における<0[°]及び>0[°]の領域に対応する。
制御装置13cは、STEP204の判定が肯定的となるまで、該判定を繰り返し、肯定的となりしだい、処理をSTEP205に進める。
STEP205では、制御装置13cは、フラグをクリアする。
STEP206では、制御装置13cは、共振正弦波電圧が+側半部であるか否かを判定する。そして、判定が肯定的であれば、処理をSTEP207に進める。判定が否定的であれば、処理をSTEP211に進める。
STEP207では、制御装置13cは、PD70の出力電圧≧閾値(例:図22の0.0002[W]に対応する出力電圧)であるか否かを判定する。そして、判定結果が肯定的であるときには、処理をSTEP208に進める。判定結果が否定的であるときには、処理をSTEP206に戻す。
STEP208では、制御装置13cは、フラグをセットする。その後、制御装置13cは、処理をSTEP206に戻す。
STEP211では、制御装置13cは、フラグがセットされているか否かを判定する。そして、判定結果が肯定的であるときには、処理をSTEP212に進める。判定結果が否定的であるときには、処理をSTEP202に戻す。
STEP212では、制御装置13cは、共振正弦波電圧が−側半部であるか否かを判定する。そして、判定が肯定的であれば、処理をSTEP213に進める。判定が否定的であれば、処理をSTEP201に戻す。
STEP213では、制御装置13cは、PD70の出力電圧≧閾値(例:図22の0.0002[W]に対応する出力電圧)であるか否かを判定する。そして、判定結果が肯定的であるときには、処理をSTEP214に進める。判定結果が否定的であるときには、処理をSTEP212に戻す。
STEP214では、制御装置13cは、光偏向器12について合格と判定する。STEP220では、制御装置13cは、光偏向器12について不合格と判断する。制御装置13cは、STEP214又はSTEP220の後、処理をSTEP215に進める。
STEP215において、制御装置13cは、光源(レーザ光源11)を消灯する。
(延長反射面部)
図24は、反射面部57の実質的な面積増大を図る主要部の構成図である。図24では、該変形例を光走査装置10aのミラー部31に適用した構成が示されているが、該変形例の構成は、光検出部14b〜14dにも適用可能である。
ミラー部31は、背面側にリブ80l,80rを有する。リブ80l,80rは、ミラー部31を補強するものであり、回転軸Ayに対して対称の位置に形成されている。リブ80lの貫通孔46側の側面は、貫通孔46の反射面部57に連続する延長反射面部81になっている。
延長反射面部81は、反射面部57に連続する平面であり、これにより、反射面部57と延長反射面部81とは、1つの平面を形成し、延長反射面部81は、反射面部57の延長面反射面部となる。この結果、光検出部14aの受光面49は、反射面部57からの反射通過光Lcの他に、本来は、直進通過光Ldとなっていたにもかかわらず、延長反射面部81における反射より反射通過光Lcと平行に受光面49に向かう光を入射光として受光する。これにより、光検出部14aの出力が増大し、光スポットSpの位置の検出精度(=αyの検出精度)が向上する。
(変形例)
実施形態では、貫通孔46は、正方形の横断面になっているが、長方形の横断面にしてもよい。
実施形態では、貫通孔46は、回転軸Ax上に形成されているが、回転軸Axから回転軸Ay方向に外した位置に形成してもよい。
実施形態では、貫通孔46は、回転軸Ax上に形成されているが、回転軸Ay上の中心Oから外れた位置に形成することもできる。この場合は、反射面部57は、回転軸Axに対して平行な平面として形成される。そして、該反射面部57からの反射通過光Lcにより回転軸Axの回りのミラー部31の回動角αxを検出することができる。なお、この場合、反射通過光Lcの光路及び走査方向に応じて光検出部の位置が変更される。
実施形態では、ミラー部31の背面側における反射面部57の延長面としての延長反射面部81は、隆起部としてのリブ80lの平面の側面を利用して形成されている。延長反射面部81は、リブ80lの側面全体ではなく、該側面の貫通孔46側の端(リブ80lの根元端)のみに限定してもよい。
実施形態では、入射光Laは、中立位置xyのミラー部31に対して22.5[°]の方向から入射しているが、その他の角度で入射することも可能である。
10a〜10d・・・光走査装置、11・・・レーザ光源、12・・・光偏向器、13a〜13c・・・制御装置、14a〜14c・・・光検出部、28・・・PSD、31・・・ミラー部、33・・・内側圧電アクチュエータ、35・・・外側圧電アクチュエータ、45・・・反射面部、46・・・貫通孔、49,49l,49r・・・受光面、55・・・内壁面、57・・・反射面部、61l,61r,70・・・PD、62,71・・・受光面、75・・・遮光板、76・・・透孔、80・・・リブ、81・・・延長反射面部(延長面)。

Claims (12)

  1. 表面が光源からの入射光を反射する反射面部であり、前記表面に対して垂直に貫通する貫通孔が設けられ、所定の回転軸の回りに往復回動するミラー部を有する光偏向器と、
    前記ミラー部の所定の回動角範囲内では、前記入射光のうち前記貫通孔を直進して通過する直進通過光の光路外となり、前記入射光のうち前記貫通孔の内壁面で反射されて通過する反射通過光の光路内となる受光領域を有し、前記ミラー部の背面側に配設されて、前記反射通過光を受光する光検出部と、
    前記光検出部の出力に基づいて前記ミラー部の回動角又は回動角範囲を検出する回動検出部と、
    を備えることを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1に記載の光走査装置において、
    前記貫通孔の内壁面において前記反射通過光が反射する反射面部は、前記回転軸に対して平行な平面として形成されていることを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項1又は2に記載の光走査装置において、
    前記貫通孔の前記内壁面において前記反射通過光が反射する反射面部は、金属面として形成されていることを特徴とする光走査装置。
  4. 請求項2又は3に記載の光走査装置において、
    前記貫通孔の前記反射面部の延長面が形成された隆起部が、前記ミラー部の背面側に形成されていることを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記ミラー部は、前記所定の回転軸である第1回転軸と、前記所定の回転軸とは別の回転軸であって前記ミラー部の中心において前記第1回転軸と直交する第2回転軸との回りに往復回動し、
    前記貫通孔は、前記第2回転軸上に形成されていることを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項5に記載の光走査装置において、
    前記ミラー部は、前記第1回転軸及び前記第2回転軸の回りをそれぞれ共振及び非共振で往復回動することを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記光検出部は、前記反射通過光を受光する受光面を有し、該受光面上の受光位置に係る電気信号を出力し、
    前記回動検出部は、前記電気信号に基づいて前記所定の回転軸の回りの前記ミラー部の回動角を検出することを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項7に記載の光走査装置において、
    前記光検出部は、PSDであることを特徴とする光走査装置。
  9. 請求項7に記載の光走査装置において、
    前記所定の回転軸の回りの前記ミラー部の回動角範囲の中心を中心回動角とし、
    前記光検出部の前記受光面は、前記ミラー部が前記中心回動角にあるときの前記反射通過光の受光位置を境に、前記反射通過光の走査方向の一側の第1面部分と他側の第2面部分とを有し、
    前記光検出部は、前記第1面部分を受光面とする第1PDと、前記第2面部分を受光面とする第2PDとを有し、
    前記光検出部の出力は、前記第1PDの出力と前記第2PDの出力とを含むことを特徴とする光走査装置。
  10. 請求項7に記載の光走査装置において、
    前記所定の回転軸の回りの前記ミラー部の回動角範囲の中心を中心回動角とし、
    前記光検出部は、
    前記反射通過光の走査方向に延在する受光面を有するPDと、
    前記PDの前記受光面を被覆し、前記ミラー部が前記中心回動角にあるときの走査方向位置に対して一側及び他側に透過孔がそれぞれ形成された遮光板と、
    を有することを特徴とする光走査装置。
  11. 請求項10に記載の光走査装置において、
    前記遮光板における前記透過孔の位置は、前記ミラー部が、前記所定の回転軸の回りの前記ミラー部の定格回動範囲の両端の回動角にあるときの前記反射通過光の走査方向位置に設定されていることを特徴とする光走査装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記ミラー部の前記所定の回動角範囲の全体にわたり、前記入射光の入射方向が前記表面に対して垂直にならないように、該入射方向が設定されていることを特徴とする光走査装置。
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