JP2021024982A - 油中水型エマルションインク - Google Patents

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Abstract

【課題】貯蔵安定性に優れ、普通紙に印刷した際に、印字濃度が高く、印刷後の変形が少ない印刷物を得ることができる油中水型エマルションインク、及び該油中水型エマルションインクの製造方法を提供する。【解決手段】油相中に水相を有する油中水型エマルションインクであって、該水相が、酸基を有するポリマー(a)で分散されてなる顔料を含有し、該油相が、非水溶性有機溶剤及び乳化剤を含有し、該ポリマー(a)の酸価が120mgKOH/g以上であり、該ポリマー(a)の酸基の少なくとも一部が中和されてなり、該油中水型エマルションインク中の水の含有量が5〜40質量%である、油中水型エマルションインク、及び該油中水型エマルションインクの製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、油中水型エマルションインク、及び該油中水型エマルションインクの製造方法に関する。
インクジェット記録方式は、微細なノズルからインク液滴を直接吐出し、印刷媒体に付着させて、文字や画像が記録された印刷物を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易でかつ安価であり、被印刷物に非接触という利点があるため、一般消費者向けの民生用印刷に留まらず、近年は、商業印刷や産業印刷分野に応用され始めている。
従来、インクジェット記録用インクとしては、着色剤として顔料や染料を用いた水系インクが用いられてきた。しかしながら、水系インクを用いて普通紙に印刷する場合には、普通紙の吸水性が高いため印字濃度は高くなる反面、水系インクに含まれる水による普通紙繊維の膨張により印刷物にカールが発生して変形するという問題がある。
また、商業印刷や産業印刷分野では高速印刷が求められており、この高速印刷に対応すべく、ラインヘッド型インクジェット記録方式を採用した印刷機が開発され、油性顔料インクが用いられている。油性顔料インクを用いて普通紙に印刷する場合には、印刷物の変形は低減できるが、印刷物の内部までインクが浸透し、印刷物の印字濃度が低くなるという問題がある。
そこで、油中水型(W/O)型エマルションインクを用いる検討がされている。
例えば、特許文献1には、普通紙への記録に対して十分な画像の光学濃度等を得ることができ、高濃度のW/O型インクジェット用エマルションインクの提供を目的として、55質量%以上90質量%以下の油相と、45質量%以下10質量%以上の水相とを含み、該水相中に水、水系溶剤、着色剤及び樹脂を含有するインクジェット用W/O型エマルションインクが開示されている。
特許文献2には、普通紙に記録した場合において、十分な画像の光学濃度を得ることができ、用紙変形を低減できるインクジェット用エマルジョンインクの提供を目的として、油相及び水相からなる油中水滴型エマルジョンインクであって、該水相は、水及び着色剤を含有し、該着色剤がポリマーを含む変性顔料であるインクジェット用エマルジョンインクが開示されている。
特開2013−194111号公報 特開2015−189859号公報
油中水型エマルションインクは、連続相を油相とし、該油相に水相が乳化されてなる。水相中に着色剤として顔料が含まれる場合、油相と水相とが分離し易くなるため、貯蔵安定性の向上も求められる。しかしながら、特許文献1及び2の技術では、エマルションインクを高温下で長期間保存した際の貯蔵安定性が十分でない。
また、特許文献1及び2の技術では、印刷物の印字濃度が十分でなく、印刷物の変形を十分に低減することができない。
本発明は、貯蔵安定性に優れ、普通紙に印刷した際に、印字濃度が高く、印刷後の変形が少ない印刷物を得ることができる油中水型エマルションインク、及び該油中水型エマルションインクの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、水と着色剤を含む水相、及び非水溶性有機溶剤を含む油相を有する油中水型エマルションインクであって、着色剤が顔料と酸基を有するポリマー分散剤とで構成され、該ポリマー分散剤の酸価を120mgKOH/g以上とし、該ポリマー分散剤の酸基の少なくとも一部が中和されてなるものとし、さらに該エマルションインク中の水の含有量を所定の範囲とすることにより、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、次の[1]及び[2]を提供する。
[1]油相中に水相を有する油中水型エマルションインクであって、
該水相が、酸基を有するポリマー(a)で分散されてなる顔料を含有し、
該油相が、非水溶性有機溶剤及び乳化剤を含有し、
該ポリマー(a)の酸価が120mgKOH/g以上であり、該ポリマー(a)の酸基の少なくとも一部が中和されてなり、
該油中水型エマルションインク中の水の含有量が5質量%以上40質量%以下である、油中水型エマルションインク。
[2]顔料をポリマー(a)で水系媒体に分散させた水系顔料分散体を油相中に乳化する工程を含む、前記[1]に記載の油中水型エマルションインクの製造方法。
本発明は、貯蔵安定性に優れ、普通紙に印刷した際に、印字濃度が高く、印刷後の変形が少ない印刷物を得ることができる油中水型エマルションインク、及び該油中水型エマルションインクの製造方法を提供することができる。
[油中水型エマルションインク]
本発明の油中水型エマルションインク(以下、「エマルションインク」ともいう)は、油相中に水相を有する油中水型エマルションインクであって、該水相が、酸基を有するポリマー(a)(以下、「ポリマー(a)」ともいう)で分散されてなる顔料を含有し、該油相が、非水溶性有機溶剤及び乳化剤を含有し、該ポリマー(a)の酸価が120mgKOH/g以上であり、該ポリマー(a)の酸基の少なくとも一部が中和されてなり、該油中水型エマルションインク中の水の含有量が5質量%以上40質量%以下である。
本発明の油中水型エマルションインクは、貯蔵安定性に優れ、普通紙に印刷した際に、印字濃度を向上させ、印刷物の変形を低減することができる。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
本発明において顔料は、分散相である水相中で、酸基を有するポリマー(a)で分散されてなる。該ポリマー(a)の酸価が120mgKOH/g以上であり、該ポリマー(a)の酸基の少なくとも一部が中和されてなることにより、静電反発力の作用により水相中の顔料が安定化される。そして、分散相液滴粒子間の顔料粒子の相互作用が抑制され、分散相液滴粒子の合一が抑制されることにより、エマルションインクの系全体が安定化し、その結果、油中水型エマルションインクを高温下で長期間保存した際の貯蔵安定性が向上すると考えられる。
また、本発明においては、エマルションインク中の水の含有量が5質量%以上40質量%以下であるため、高い印字濃度と、印刷物の変形を低減することができると考えられる。
<水相>
水相は、酸基を有するポリマー(a)で分散されてなる顔料を含有する。
〔顔料〕
本発明に用いられる顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよく、レーキ顔料、蛍光顔料を用いることもできる。また、必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
無機顔料の具体例としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄、ベンガラ、酸化クロム等の金属酸化物、真珠光沢顔料等が挙げられる。特にブラックインクにおいては、カーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックの種類には特に制限はなく、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
カーボンブラックのDBP吸油量は、水相中での顔料の分散安定性を向上させ、貯蔵安定性及び印字濃度を向上させる観点から、好ましくは20mL/100g以上200mL/100g以下である。
ここで、DBP吸油量とは、DBP法により測定された吸油量をいい、具体的には、ASTM D2414−65Tに基づいた値である。
有機顔料の具体例としては、アゾレーキ顔料、不溶性モノアゾ顔料、不溶性ジスアゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料類;フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンツイミダゾロン顔料、スレン顔料等の多環式顔料類等が挙げられる。
色相は特に限定されず、イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、レッド、オレンジ、グリーン等の有彩色顔料をいずれも用いることができる。
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー、C.I.ピグメント・レッド、C.I.ピグメント・オレンジ、C.I.ピグメント・バイオレット、C.I.ピグメント・ブルー、及びC.I.ピグメント・グリーンから選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられる。
体質顔料としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
前記顔料は1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
〔酸基を有するポリマー(a)〕
本発明に用いられるポリマー(a)は、酸基を有し、少なくとも顔料分散能を有するものであれば特に制限はない。
ポリマー(a)の酸基としては、カルボキシ基(−COOM)、スルホン酸基(−SO3M)、リン酸基(−OPO32)等の解離して水素イオンが放出されることにより酸性を呈する基、又はそれらの解離したイオン形(−COO-、−SO3 -、−OPO3 2-、−OPO3 -M)等が挙げられる。上記化学式中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す。これらの中でも、水相中での顔料の分散安定性を向上させ、貯蔵安定性及び印字濃度を向上させる観点から、カルボキシ基(−COOM)が好ましい。
ポリマー(a)の酸価は、水相中での顔料の分散安定性を向上させ、貯蔵安定性及び印字濃度を向上させる観点、及び印刷物の変形を低減させる観点から、120mgKOH/g以上であり、好ましくは140mgKOH/g以上、より好ましくは160mgKOH/g以上、更に好ましくは180mgKOH/g以上、より更に好ましくは200mgKOH/g以上、より更に好ましくは220mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは320mgKOH/g以下、より好ましくは300mgKOH/g以下、更に好ましくは280mgKOH/g以下である。酸価が前記の範囲であれば、酸基及びその中和された酸基の量は十分であり、顔料の分散安定性が確保される。またポリマー(a)と水との親和性と、ポリマー(a)と顔料との相互作用とのバランスの点からも好ましい。
ポリマー(a)の酸価は、実施例に記載の方法により測定することができる。また、構成するモノマーの質量比から算出することができる。
ポリマー(a)の酸基の少なくとも一部は、水相中での顔料の分散安定性を向上させ、貯蔵安定性及び印字濃度を向上させる観点、及び印刷物の変形を低減させる観点から、中和されてなる。
中和は、pHが7以上11以下になるように中和することが好ましい。
ポリマー(a)の中和に用いる中和剤としては、アルカリ金属水酸化物、アンモニア等が挙げられる。中でも、水相中での顔料の分散安定性を向上させ、貯蔵安定性及び印字濃度を向上させる観点、及び印刷物の変形を低減させる観点から、好ましくはアルカリ金属水酸化物であり、より好ましくは水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選ばれる1種以上である。
中和度は、前記と同様の観点から、好ましくは20モル%以上、より好ましくは30モル%以上、更に好ましくは35モル%以上であり、そして、好ましくは80モル%以下、より好ましくは70モル%以下、更に好ましくは60モル%以下である。
ここで中和度(モル%)は、具体的には、次式によって求めることができる。
中和度(モル%)=〔{中和剤の添加質量(g)/中和剤の当量}/[{ポリマー(a)の酸価(mgKOH/g)×ポリマー(a)の質量(g)}/(56×1,000)]〕×100
ポリマー(a)としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂等が挙げられる。中でも、好ましくはビニル系樹脂であり、より好ましくはカルボキシ基含有モノマー由来の構成単位と疎水性モノマー由来の構成単位とを含むビニル系樹脂である。該ビニル系樹脂は、更にマクロモノマー及びノニオン性モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマー由来の構成単位を含有してもよい。
(カルボキシ基含有モノマー)
カルボキシ基含有モノマーは、水相中での顔料の分散安定性を向上させ、貯蔵安定性及び印字濃度を向上させる観点、及び印刷物の変形を低減させる観点から、前記ビニル系樹脂のモノマー成分として用いられることが好ましい。
カルボキシ基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられるが、好ましくは(メタ)アクリル酸であり、より好ましくはアクリル酸である。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種を意味する。
カルボキシ基含有モノマーは、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
(疎水性モノマー)
疎水性モノマーは、ポリマーの顔料への吸着性を向上させ、水相中での顔料の分散安定性を向上させ、貯蔵安定性及び印字濃度を向上させる観点、及び印刷物の変形を低減させる観点から、前記ビニル系樹脂のモノマー成分として用いられることが好ましい。
本明細書において「疎水性」とは、モノマーを25℃のイオン交換水100gへ飽和するまで溶解させたときに、その溶解量が10g未満であることをいう。疎水性モノマーの前記溶解量は、ポリマーの顔料への吸着性の観点から、好ましくは5g以下、より好ましくは1g以下である。
疎水性モノマーは、好ましくは芳香族基含有モノマー及び脂肪族アルコール由来の炭化水素基を有する(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種である。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」とはアクリレート及びメタクリレートから選ばれる少なくとも1種である。
疎水性モノマーは、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
芳香族基含有モノマーは、好ましくは、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数6以上22以下の芳香族基を有するビニルモノマーであり、より好ましくはスチレン系モノマー及び芳香族基含有(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種である。芳香族基含有モノマーの分子量は、500未満が好ましい。
スチレン系モノマーは、好ましくは、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、及びジビニルベンゼンから選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはスチレン及びα−メチルスチレンから選ばれる少なくとも1種である。
芳香族基含有(メタ)アクリレートは、好ましくはフェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはベンジル(メタ)アクリレートである。
脂肪族アルコール由来の炭化水素基を有する(メタ)アクリレートは、好ましくは炭素数1以上22以下の脂肪族アルコール由来の炭化水素基を有するものである。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレート;イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソドデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(マクロモノマー)
マクロモノマーは、片末端に重合性官能基を有する数平均分子量500以上100,000以下の化合物であり、水相中での顔料の分散安定性を向上させる観点から、前記ビニル系樹脂のモノマー成分として用いることができる。片末端に存在する重合性官能基としては、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましく、メタクリロイルオキシ基がより好ましい。
マクロモノマーの数平均分子量は1,000以上10,000以下が好ましい。なお、数平均分子量は、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミンを含有するクロロホルムを用いたゲル浸透クロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
マクロモノマーとしては、水相中での顔料の分散安定性の観点から、芳香族基含有モノマー系マクロモノマー及びシリコーン系マクロモノマーが好ましく、芳香族基含有モノマー系マクロモノマーがより好ましい。
芳香族基含有モノマー系マクロモノマーを構成する芳香族基含有モノマーとしては、前述の疎水性モノマーで記載した芳香族基含有モノマーが挙げられ、スチレン及びベンジル(メタ)アクリレートが好ましく、スチレンがより好ましい。
マクロモノマーは、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
商業的に入手しうるスチレン系マクロモノマーの具体例としては、AS−6(S)、AN−6(S)、HS−6(S)(東亞合成株式会社の商品名)等が挙げられる。
シリコーン系マクロモノマーとしては、片末端に重合性官能基を有するオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
(ノニオン性モノマー)
ノニオン性モノマーは、水相中での顔料の分散安定性の観点から、前記ビニル系樹脂のモノマー成分として用いることができる。
ノニオン性モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリプロピレングリコール(n=2〜30、nはオキシプロピレン基の平均付加モル数を示す。以下のnは当該オキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜30)(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;メトキシポリエチレングリコール(n=1〜30)(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;フェノキシ(エチレングリコール・プロピレングリコール共重合)(n=1〜30、その中のエチレングリコール:n=1〜29)(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、ポリプロピレングリコール(n=2〜30)(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ(エチレングリコール/プロピレングリコール共重合)(メタ)アクリレートが好ましい。
ノニオン性モノマーは、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
商業的に入手しうるノニオン性モノマーの具体例としては、新中村化学工業株式会社のNKエステルM−20G、同40G、同90G、同230G等、日油株式会社のブレンマーPE−90、同200、同350等、PME−100、同200、同400等、PP−500、同800、同1000等、AP−150、同400、同550等、50PEP−300、50POEP−800B、43PAPE−600B等が挙げられる。
以上のとおり、本発明に係るポリマー(a)は、好ましくは、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる1種以上のカルボキシ基含有モノマー由来の構成単位と、芳香族基含有モノマー及び脂肪族アルコール由来の炭化水素基を有する(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上の疎水性モノマー由来の構成単位とを含むビニル系樹脂であり、更にマクロモノマー及びノニオン性モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマー由来の構成単位を含むビニル系樹脂であってもよい。
(ビニル系樹脂中における各モノマー由来の構成単位の含有量)
前記ビニル系樹脂中の各モノマー由来の構成単位の含有量は、水相中での顔料の分散安定性を向上させ、貯蔵安定性及び印字濃度を向上させる観点、及び印刷物の変形を低減させる観点から、次のとおりである。
前記ビニル系樹脂中のカルボキシ基含有モノマー由来の構成単位の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
前記ビニル系樹脂中の疎水性モノマー由来の構成単位の含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、そして、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。
前記ビニル系樹脂がマクロモノマー由来の構成単位を含有する場合、該ビニル系樹脂中の該マクロモノマー由来の構成単位の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
前記ビニル系樹脂がノニオン性モノマー由来の構成単位を含有する場合、該ビニル系樹脂中の該ノニオン性モノマー由来の構成単位の含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
なお、上記のビニル系樹脂中の各モノマー由来の構成単位の含有量は分析により測定することができる。また、前記ビニル系樹脂製造時における原料モノマー中の各モノマーの含有量(未中和量としての含有量)の好ましい範囲は、上記のビニル系樹脂中の各モノマー由来の構成単位の含有量の好ましい範囲と同じとみなすことができる。
前記ビニル系樹脂中のカルボキシ基含有モノマー由来の構成単位と疎水性モノマー由来の構成単位の合計含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下である。
前記ビニル系樹脂中のカルボキシ基含有モノマー由来の構成単位の含有量と疎水性モノマー由来の構成単位の含有量の質量比[カルボキシ基含有モノマー由来の構成単位の含有量/疎水性モノマー由来の構成単位の含有量]は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.15以上、更に好ましくは0.2以上であり、そして、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1以下、より更に好ましくは0.7以下、より更に好ましくは0.5以下である。
前記ビニル系樹脂は、前記原料モノマーを塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により共重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。また、重合モノマーの連鎖の様式に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト等のいずれの重合様式でもよい。
ポリマー(a)の重量平均分子量は、好ましくは2,000以上、より好ましくは5,000以上、更に好ましくは7,000以上であり、そして、好ましくは100,000以下、より好ましくは50,000以下、更に好ましくは30,000以下、より更に好ましくは20,000以下である。ポリマー(a)の重量平均分子量が前記の範囲であれば、顔料への吸着力が十分であり分散安定性を発現することができる。
なお、前記重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定される。
(架橋剤)
本発明においてポリマー(a)は、水相中での顔料の分散安定性を向上させ、貯蔵安定性及び印字濃度を向上させる観点、及び印刷物の変形を低減させる観点から、架橋剤で架橋されてなることが好ましい。これにより、ポリマー(a)が顔料表面に強固に吸着又は固定化され、水相中での顔料の凝集が抑制され、顔料の分散安定性を向上し、更にポリマーの膨潤も抑制されるため、貯蔵安定性が向上すると考えられる。
架橋剤は、ポリマー(a)の酸基とを反応させる観点から、該架橋剤の水溶率(質量比)は、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは35%以下である。ここで、水溶率%(質量比)とは、室温25℃にて水90質量部に架橋剤10質量部を溶解したときの溶解率(%)をいう。
前記架橋剤は多官能化合物であり、該多官能化合物の架橋性官能基が、ポリマー(a)の酸基と反応して共有結合を形成できるものが好ましい。該共有結合は、好ましくは、エステル結合、チオエステル結合、アミド結合、アミノ結合、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合及びスルホニル結合から選ばれる1種以上であり、より好ましくはエステル結合、チオエステル結合及びアミド結合から選ばれる1種以上である。多官能化合物の架橋性官能基は、上記した共有結合を形成できるものであれば特に限定されない。
架橋性官能基は、好ましくはエポキシ基、イソシアネート基、アジリジノ基、アミノ基及びオキサゾリン基から選ばれる1種以上であり、より好ましくはエポキシ基である。なお、エポキシ基の概念にはグリシジル基を含む。
エポキシ基を有する多官能化合物、すなわち多官能エポキシ化合物としては、架橋効率の観点から、好ましくは分子中にエポキシ基を2以上有する化合物、より好ましくはグリシジルエーテル基を2以上有する化合物、更に好ましくは炭素数3以上8以下の炭化水素基を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル化合物である。
架橋剤の分子量は、反応容易性、水相中での顔料の分散安定性を向上させ、貯蔵安定性及び印字濃度を向上させる観点、及び印刷物の変形を低減させる観点から、好ましくは120以上、より好ましくは150以上、更に好ましくは200以上であり、そして、好ましくは2,000以下、より好ましくは1,500以下、更に好ましくは1,000以下である。
架橋剤が多官能エポキシ化合物である場合、該架橋剤のエポキシ当量は、好ましくは90以上、より好ましくは100以上、更に好ましくは110以上であり、そして、好ましくは300以下、より好ましくは200以下、更に好ましくは150以下である。
架橋剤が多官能エポキシ化合物である場合、該架橋剤のエポキシ基の数は、効率よく架橋反応させて、水相中での顔料の分散安定性を向上させ、貯蔵安定性及び印字濃度を向上させる観点、及び印刷物の変形を低減させる観点から、1分子あたり2以上であり、そして、1分子あたり好ましくは6以下、市場入手性の観点から、より好ましくは4以下、更に好ましくは3以下である。
架橋剤の具体例としては、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル及びペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルから選ばれる1種以上であり、より好ましくはトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルである。
架橋度は、水相中での顔料の分散安定性を向上させ、貯蔵安定性及び印字濃度を向上させる観点、及び印刷物の変形を低減させる観点から、好ましくは10モル%以上、より好ましくは30モル%以上であり、そして、好ましくは80モル%以下、より好ましくは70モル%以下、更に好ましくは60モル%以下、より更に好ましくは50モル%以下である。
架橋度は、ポリマー(a)の酸基の当量と架橋剤の架橋性官能基の当量とから計算される架橋度であり、「架橋剤の架橋性官能基のモル当量数/ポリマー(a)が有する酸基のモル当量数」で表される。
本発明のエマルションインクの水相中における、ポリマー(a)の存在形態としては、顔料に吸着している状態、顔料を含有している状態(顔料を内包(カプセル化)している粒子形態、顔料を均一に分散した粒子形態を含む)、及び顔料を吸着していない形態がある。顔料の分散安定性の観点から、本発明においては顔料をポリマー(a)が含有する粒子(以下、「顔料含有ポリマー粒子」ともいう)の形態が好ましく、顔料を内包している粒子の形態がより好ましい。
〔界面活性剤〕
本発明のエマルションインクにおいては、水相中に界面活性剤を含有させることが好ましい。界面活性剤は、水相中での顔料の分散安定性を向上させ、水相と油相の界面のエネルギーを低下させ、微細で安定な分散相の形成に寄与し、さらに貯蔵安定性及び印字濃度を向上させると考えられる。
該界面活性剤は、好ましくは非イオン性界面活性剤であり、より好ましくはアセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤から選ばれる1種以上であり、更に好ましくはアセチレングリコール系界面活性剤及びポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤から選ばれる1種であり、より更に好ましくはアセチレングリコール系界面活性剤である。
非イオン性界面活性剤のHLB(親水親油バランス)値は、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは10以上、より更に好ましくは12以上であり、そして
、好ましくは20以下、より好ましくは18以下である。
ここで、HLB値は、界面活性剤の水及び油への親和性を示す値であり、グリフィン法により次式から求めることができる。なお、次式において「界面活性剤中に含まれる親水基」としては、例えば、水酸基及びエチレンオキシ基が挙げられる。
HLB=20×[(界面活性剤中に含まれる親水基の式量の総和)/(界面活性剤の分子量)]
アセチレングリコール系界面活性剤は、好ましくは2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキシド(以下、「EO」ともいう)付加物、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオールのEO付加物、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオールのEO付加物、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールのEO付加物、及び3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールのEO付加物から選ばれる1種以上であり、より好ましくは2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのEO付加物、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオールのEO付加物、及び2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオールのEO付加物から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのEO付加物である。
アセチレングリコール系界面活性剤として用いられる前記EO付加物のEO平均付加モル数が、好ましくは5以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは7以上、より更に好ましくは8以上であり、そして、好ましくは40以下、より好ましくは36以下、更に好ましくは32以下であるものが好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、エボニックインダストリーズ社製のサーフィノール465(2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのEO平均10モル付加物、HLB:13)、同485(2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのEO平均30モル付加物、HLB:17)、川研ファインケミカル株式会社製のアセチレノールE81(2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのEO平均8.1モル付加物、HLB:13.0)、同E100(2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのEO平均10モル付加物、HLB:13.9)、同E200(2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのEO平均20モル付加物、HLB:16.4)等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、シリコーンオイルの側鎖及び/又は末端の炭化水素基を、ポリエーテル基で置換された構造を有するものが好ましい。該ポリエーテル基としては、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、エチレンオキシ基(EO)とプロピレンオキシ基(トリメチレンオキシ基又はプロパン−1,2−ジイルオキシ基;PO)がブロック状又はランダムに付加したポリアルキレンオキシ基が好適であり、シリコーン主鎖にポリエーテル基がグラフトした化合物、シリコーンとポリエーテル基がブロック状に結合した化合物等を用いることができる。
ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤の市販品としては、信越化学工業株式会社製のKF−353、KF−355A、KF−642等;日信化学工業株式会社製のシルフェイスSAG005等;株式会社NUC製のFZ−2191等;ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−348等が挙げられる。
〔水溶性有機溶剤〕
本発明のエマルションインクの水相は、水相中での顔料の分散安定性を向上させ、貯蔵安定性及び印字濃度を向上させる観点、及び印刷物の変形を低減させる観点から、さらに水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。
水溶性有機溶剤は、有機溶剤を25℃の水100mLに溶解させたときに、その溶解量が10mL以上である有機溶剤をいう。
水溶性有機溶剤としては、油中水型エマルションインクの水相に通常用いられ、水と単一の相を形成するものであれば特に制限はなく、炭素数1以上4以下のアルカノール、多価アルコール、多価アルコールアルキルエーテル、ケトン、環状エーテル、含窒素複素環化合物、アミド、アミン、含硫黄化合物等が挙げられる。これらの中では、多価アルコール及び多価アルコールアルキルエーテルから選ばれる1種以上が好ましい。
水溶性有機溶剤の沸点は、好ましくは60℃以上、より好ましくは90℃以上、更に好ましくは150℃以上であり、そして、好ましくは350℃以下、より好ましくは330℃以下、更に好ましくは310℃以下である。
水溶性有機溶剤は、水と単一の相を形成する限り1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
本発明において水相は、本発明の効果を阻害しない範囲で、水中油型ポリマーエマルション、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤等を含有することができる。
<油相>
本発明のエマルションインクの油相は、非水溶性有機溶剤及び乳化剤を含有する。
〔非水溶性有機溶剤〕
非水溶性有機溶剤は、有機溶剤を25℃の水100mLに溶解させたときに、その溶解量が10mL未満である有機溶剤をいう。
非水溶性有機溶剤としては、非極性有機溶剤、極性有機溶剤のいずれも用いることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、単一の連続する相を形成する限り2種以上を組み合わせて用いることもできる。
前記非極性有機溶剤としては、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系等の脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素溶剤又は芳香族炭化水素溶剤等の石油系炭化水素溶剤が挙げられる。
前記非極性有機溶剤の初留点は、好ましくは90℃以上、より好ましくは150℃以上であり、そして、好ましくは300℃以下、より好ましくは250℃以下である。
前記非極性有機溶剤の市販品としては、アイソパー(商品名)シリーズ、エクソール(商品名)シリーズ(いずれも、エクソンモービル社製);AFソルベント(商品名)シリーズ(JXTGエネルギー株式会社製)等が挙げられる。
前記極性有機溶剤としては、脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤等が挙げられる。
脂肪酸エステル系溶剤としては、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸イソブチル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル等の炭素数13以上30以下の脂肪酸エステルが挙げられる。
高級アルコール系溶剤としては、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等の炭素数12以上20以下の高級アルコールが挙げられる。
水相中に界面活性剤を含有させる場合であって、該界面活性剤としてアセチレングリコール系界面活性剤を用いる場合には、非水溶性有機溶剤は、貯蔵安定性の観点から、好ましくは脂肪酸エステル系溶剤である。
水相中に界面活性剤を含有させる場合であって、該界面活性剤としてポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いる場合には、非水溶性有機溶剤は、貯蔵安定性の観点から、好ましくは石油系炭化水素溶剤である。
〔乳化剤〕
本発明に係る乳化剤は、油相中に含まれ、水相を乳化して油中水型エマルション形成できるものであれば特に制限はないが、界面活性剤、ポリマー分散剤等の親油性の乳化剤が好ましい。
親油性の界面活性剤としては、HLB値が6以下の非イオン性界面活性剤が好ましい。該非イオン性界面活性剤としては、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート等のグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン植物油脂肪酸エステル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルアミン/脂肪酸アミド;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどが挙げられる。
親油性の界面活性剤は、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
親油性のポリマー分散剤としては、ポリエステルポリイミン、ポリエステルポリアミン、ポリアルキロールアミノアマイドとその塩、ポリエーテルポリアミン、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステルポリイミン、ポリエステルポリアミン、ポリアルキロールアミノアマイドとその塩、及びポリエーテルポリアミンから選ばれる1種以上が好ましく、ポリエステルポリイミンがより好ましい。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエステルポリイミンは、好ましくはポリエチレンイミン等のポリアルキレンイミンと、ヒドロキシステアリン酸の重合体又は環状エステルの重合体のようなカルボキシ基を有するポリエステルとを反応させることにより形成されたアミド又は塩からなり、ポリアルキレンイミン主鎖に2つ以上のポリエステル鎖が結合されている分散剤が挙げられる。
親油性のポリマー分散剤の市販品としては、例えば、日本ルーブリゾール株式会社製のソルスパース(商品名)シリーズ;Efka CHEMICALS社製のエフカ(商品名)シリーズ;楠本化成株式会社製のディスパロン(商品名)シリーズ;味の素株式会社製のアジスパー(商品名)シリーズ等が挙げられる。
本発明において油相は、水相中での顔料の分散安定性を向上させ、貯蔵安定性及び印字濃度を向上させる観点、及び印刷物の変形を低減させる観点から、顔料等の着色剤を含まないことが好ましい。
[油中水型エマルションインクの製造方法]
本発明の油中水型エマルションインクは、油相成分と水相成分とを混合し、水相を乳化させることにより製造することができる。中でも、水相中での顔料の分散安定性を向上させ、貯蔵安定性及び印字濃度を向上させる観点、及び印刷物の変形を低減させる観点から、顔料をポリマー(a)で水系媒体に分散させた水系顔料分散体(以下、「水系顔料分散体」ともいう)を油相中に乳化する工程を含む方法により得ることが好ましい。
水系顔料分散体における「水系媒体」とは、顔料を分散させる媒体中で、水が最大割合を占めている媒体を意味する。
〔水系顔料分散体の製造〕
水系顔料分散体は、下記工程1を含む方法により効率的に製造することがより好ましい。
工程1:顔料、ポリマー(a)及び水を含む顔料混合物を分散処理して、顔料をポリマー(a)で水系媒体に分散させた水系顔料分散体を得る工程
(工程1)
工程1は、具体的には、予め調製したポリマー(a)の水分散液と顔料とを混合してなる顔料混合物を分散処理する方法(1);顔料、ポリマー(a)、有機溶媒、水、及び必要に応じて中和剤、界面活性剤等を含有する顔料混合物を分散処理して分散液を得た後、該分散液から有機溶媒を除去する方法(2)等により行うことが好ましい。中でも、貯蔵安定性及び印字濃度を向上させる観点から、方法(1)が好ましい。
方法(1)の場合、工程1の前に下記工程1−1を有することが好ましい。
工程1−1:ポリマー(a)の酸基の一部を中和剤で中和して、ポリマー(a)の水分散液(以下、「ポリマー水分散液(D)」ともいう)を得る工程
工程1−1において中和に用いる好ましい中和剤及びポリマー(a)の中和度は、前記のとおりである。
中和剤は、十分かつ均一に中和を促進させる観点から、水溶液として用いることが好ましい。
工程1における分散処理は、剪断応力による本分散だけで顔料粒子を所望の粒径となるまで微粒化することもできるが、均一な水系顔料分散体を得る観点から、顔料混合物を予備分散した後、さらに本分散することが好ましい。
予備分散に用いる分散機としては、アンカー翼、ディスパー翼等の一般に用いられている混合撹拌装置を用いることができる。
本分散に用いる剪断応力を与える手段としては、例えば、ロールミル、ニーダー等の混練機、マイクロフルイダイザー等の高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ビーズミル等のメディア式分散機が挙げられる。これらの中でも、顔料を小粒径化する観点から、高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。
高圧ホモジナイザーを用いて分散処理を行う場合、処理圧力やパス回数の制御により、顔料を所望の粒径になるように制御することができ、後述する水系顔料分散体のキュムラント平均粒径も調整することができる。
処理圧力は、生産性及び経済性の観点から、好ましくは60MPa以上300MPa以下である。
パス回数は、顔料を小粒径化する観点から、好ましくは3以上、より好ましくは7以上であり、そして、顔料の分散安定性の観点から、好ましくは30以下、より好ましくは20以下である。
顔料混合物に有機溶媒が含まれている場合は、公知の方法で有機溶媒を除去することで、水系顔料分散体を得ることができる。得られた水系顔料分散体中の有機溶媒は実質的に除去されていることが好ましいが、本発明の目的を損なわない限り、残存していてもよい。残留有機溶媒の量は、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下である。
(工程2)
ポリマー(a)が架橋剤で架橋されてなる場合には、水系顔料分散体は、工程1の後にさらに下記工程2を含む方法により得ることが好ましい。
工程2:工程1で得られた水系顔料分散体に架橋剤を添加し、ポリマー(a)が架橋された水系顔料分散体を得る工程
工程2では、工程1で得られた水系顔料分散体中で顔料を分散させてなるポリマー(a)が架橋剤によって架橋されることにより、架橋剤で架橋させたポリマー(a)で顔料を水系媒体に分散させた水系顔料分散体を得ることができる。
好ましい架橋剤及び架橋度は前述のとおりである。
架橋処理の温度は、好ましくは40℃以上、より好ましは50℃以上、更に好ましくは60℃以上であり、そして、好ましくは95℃以下、より好ましくは85℃以下、更に好ましくは75℃以下である。
架橋処理の時間は、架橋反応の完結と経済性の観点から、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上、更に好ましくは3時間以上であり、そして、好ましくは12時間以下、より好ましくは10時間以下、更に好ましくは8時間以下である。
水系顔料分散体の不揮発成分濃度(固形分濃度)は、分散安定性を向上させる観点及びインクの製造を容易にする観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上であり、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは55質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。水系顔料分散体の固形分濃度は、実施例に記載の方法により測定される。
水系顔料分散体のキュムラント平均粒径は、粗大粒子を低減し、貯蔵安定性及び印字濃度を向上させる観点から、好ましくは50nm以上、より好ましくは60nm以上、更に好ましくは70nm以上であり、また、好ましくは200nm以下、より好ましくは160nm以下、更に好ましくは150nm以下である。
なお、水系顔料分散体のキュムラント平均粒径は、実施例に記載の方法により測定される。
水系顔料分散体は、好ましくは顔料含有ポリマー粒子が水を主媒体とする水系媒体中に分散しているものである。ここで、顔料含有ポリマー粒子の形態は特に制限はなく、少なくとも顔料とポリマー(a)により粒子が形成されていればよいが、前述のように、ポリマー(a)に顔料が内包された粒子形態であることが好ましい。
水系顔料分散体には、乾燥防止のために保湿剤としてグリセリンやポリエチレングリコール等を1質量%以上10質量%以下配合してもよいし、防黴剤等の添加剤を配合することもできる。
上記の添加剤はポリマー(a)で顔料を分散するときに配合してもよいし、顔料の分散後や架橋後に配合してもよい。
本発明において、エマルションインクの水相が、前述の界面活性剤、水溶性有機溶剤、又は任意成分を含む場合には、水系顔料分散体と、必要に応じて界面活性剤、水溶性有機溶剤、又は任意成分とを混合し、又は水の含有量を調整して水相成分を調製した後、該水相成分と油相成分とを混合、乳化することによりエマルションインクとすることができる。
本発明のエマルションインクは、更に必要に応じて、油中水型エマルションインクに通常用いられる保湿剤、湿潤剤、浸透剤、分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤等の各種添加剤を添加し、更にフィルター等によるろ過処理を行うことができる。
本発明のエマルションインクの各成分の含有量及びインク物性は以下のとおりである。
エマルションインク中の顔料の含有量は、印字濃度を向上させる観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、そして、溶媒揮発時のインク粘度を低くし、貯蔵安定性を向上させる観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましく7質量%以下である。
エマルションインクの水相中の顔料の含有量は、印字濃度を向上させる観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、そして、溶媒揮発時のインク粘度を低くし、貯蔵安定性を向上させる観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
エマルションインク中の顔料とポリマー(a)との合計含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上であり、そして、好ましくは18質量%以下、より好ましくは13質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
エマルションインク中のポリマー(a)の含有量に対する顔料の含有量の質量比〔顔料/ポリマー(a)〕は、水相中での顔料の分散安定性を向上させ、貯蔵安定性及び印字濃度を向上させる観点から、好ましくは10/90以上、より好ましくは30/70以上、更に好ましくは50/50以上、より更に好ましくは60/40以上であり、そして、好ましくは90/10以下、より好ましくは85/15以下、更に好ましくは80/20以下である。
エマルションインク中の水の含有量は、印字濃度を向上させる観点から、5質量%以上であり、好ましくは7質量%以上であり、そして、貯蔵安定性を向上させる観点、及び印刷物の変形を低減させる観点から、40質量%以下であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下、より更に好ましくは12質量%以下である。
エマルションインクの水相に界面活性剤を含有させる場合、エマルションインク中の該界面活性剤の含有量は、貯蔵安定性及び印字濃度を向上させる観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下である。
エマルションインク中の水溶性有機溶剤の含有量は、エマルションインクの粘度を調整する観点から、貯蔵安定性を向上させる観点、及び印刷物の変形を低減させる観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、そして、印字濃度を向上させる観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下である。
エマルションインク中の非水溶性有機溶剤の含有量は、エマルションインクの粘度を調整する観点、貯蔵安定性を向上させる観点、及び印刷物の変形を低減させる観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは40質量%以上であり、そして、印字濃度を向上させる観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下である。
エマルションインク中の油溶性の乳化剤の含有量は、貯蔵安定性を向上させる観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、そして、エマルションインクの粘度を調整する観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
(エマルションインクの粘度)
本発明のエマルションインクの25℃における粘度は、好ましくは2mPa・s以上、より好ましくは5mPa・s以上、更に好ましくは7mPa・s以上であり、そして、貯蔵安定性を向上させる観点、及び該エマルションインクをインクジェット記録用として用いる観点から、好ましくは20mPa・s以下、より好ましくは17mPa・s以下、更に好ましくは15mPa・s以下である。前記粘度は、実施例に記載の方法により測定される。
本発明のエマルションインクは、インクジェット記録用として用いることが好ましい。該エマルションインクを公知のインクジェット記録装置に装填し、印刷媒体にインク液滴として吐出させて画像等を記録することができる。
インクジェット記録装置は、サーマル式、ピエゾ式等のいずれの方式でも用いることができる。
用いる印刷媒体としては、高吸水性の普通紙、低吸水性のコート紙、非吸水性の樹脂フィルムが挙げられる。コート紙としては、汎用光沢紙、多色フォームグロス紙等が挙げられる。樹脂フィルムとしては、好ましくはポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、及びポリエチレンフィルムから選ばれる少なくとも1種である。当該樹脂フィルムは、コロナ処理された基材を用いてもよい。
これらの中でも、印字濃度及び印刷物の変形の観点から、普通紙が好ましい。
以下の調製例、製造例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「質量部」及び「質量%」である。
なお、各種物性は下記方法により測定した。
(1)ポリマー(a)の重量平均分子量の測定
N,N−ジメチルホルムアミドに、リン酸及びリチウムブロマイドをそれぞれ60mmol/Lと50mmol/Lの濃度となるように溶解した液を溶離液として、ゲル浸透クロマトグラフィー法〔GPC装置(型式:HLC−8320GPC、東ソー株式会社製)、カラム(TSKgel SuperAWM−H、TSKgel SuperAW3000、TSKgel guardcolumn Super AW−H、以上、東ソー株式会社製の商品名)、流速:0.5mL/min〕により、標準物質として分子量既知の単分散ポリスチレンキット〔PStQuick B(F−550、F−80、F−10、F−1、A−1000)、PStQuick C(F−288、F−40、F−4、A−5000、A−500)、以上、東ソー株式会社製の商品名〕を用いて測定した。
測定サンプルは、ガラスバイアル中にポリマー(a)0.1gを前記溶離液10mLと混合し、25℃で10時間、マグネチックスターラーで撹拌し、シリンジフィルター(商品名:DISMIC−13HP、メンブレンフィルター材質:親水性PTFE、孔径0.2μm、アドバンテック株式会社製)で濾過したものを用いた。
(2)ポリマー(a)の酸価の測定
JIS K0070において、測定溶媒をエタノールとエーテルとの混合溶媒からエタノールとトルエンとの混合溶媒〔エタノール:トルエン=1:1(容量比)〕に変更したこと以外は、JIS K0070に従って測定した。
(3)キュムラント平均粒径の測定
レーザー粒子解析システム(型式:ELS−8000、大塚電子株式会社製)を用いてキュムラント解析を行い、キュムラント平均粒径を測定した。測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力した。測定サンプルの濃度は、5×10-3%(固形分濃度換算)で行った。
(4)固形分濃度の測定
30mLのポリプロピレン製容器(φ=40mm、高さ=30mm)にデシケーター中で恒量化した硫酸ナトリウム10.0gを量り取り、そこへサンプル約1.0gを添加して、混合させた後、正確に秤量し、105℃で2時間維持して、揮発分を除去し、更に室温(25℃)のデシケーター内で15分間放置したのちに、質量を測定した。揮発分除去後のサンプルの質量を固形分として、添加したサンプルの質量で除して固形分濃度とした。
(5)油中水型エマルションインクの粘度
E型粘度計(形式:TV−25、東機産業株式会社製、標準コーンロータ1°34’×R24使用、回転数50rpm)を用いて、25℃にて粘度を測定した。
<ポリマー(a)の調製>
調製例1
アクリル酸19.2部、スチレン70.8部、α−メチルスチレン10.0部を混合し、原料モノマーを調製した。反応容器内に、メチルエチルケトン(以下、「MEK」という)10部、2−メルカプトエタノール(重合連鎖移動剤)0.3部、及び前記原料モノマーの10%を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行った。
一方、滴下ロートに、前記原料モノマーの残り、前記重合連鎖移動剤0.27部、MEK40部及びアゾ系ラジカル重合開始剤(商品名:V−65、富士フイルム和光純薬株式会社製、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))(以下、「V−65」という)1.1部の混合液を入れ、窒素雰囲気下、反応容器内の前記原料モノマーを撹拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合液を3時間かけて滴下した。反応容器内の内容物を65℃に維持したまま滴下終了から2時間撹拌した後、前記重合開始剤0.15部をMEK2.5部に溶解した溶液を加え、更に65℃で2時間及び70℃で2時間熟成させ、カルボキシ基を有するポリマー(a1)(重量平均分子量:11,000、酸価:150mgKOH/g)の溶液を得た。
調製例2及び比較調製例1
調製例1において、表1に示すように原料モノマーの組成を変更した以外は調製例1と同様にして、カルボキシ基を有するポリマー(a2)及び(ac1)の溶液を得た。重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
調製例3
メタクリル酸37.0部、ベンジルアクリレート33.0部、スチレンマクロマー(東亞合成株式会社製、商品名:AS−6S、数平均分子量:6,000、固形分濃度50%)(以下、「スチレンマクロマー」と表記する)20.0部(固形分として20.0部)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日油株式会社製、商品名:ブレンマーPP−800、プロピレンオキシド平均付加モル数13、末端:水酸基)(以下、「PP−800」と表記する)10.0部を混合し、原料モノマーを調製した。反応容器内に、MEK10部及び2−メルカプトエタノール(重合連鎖移動剤)0.3部、前記原料モノマーの10%を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行った。
一方、滴下ロートに、前記原料モノマーの残り、前記重合連鎖移動剤0.27部、MEK40部、及びアゾ系ラジカル重合開始剤(V−65)1.1部の混合液を入れ、以降は調製例1と同様にして、カルボキシ基を有するポリマー(a3)(重量平均分子量:14,000、酸価:240mgKOH/g)の溶液を得た。
<ポリマー水分散液(D)の製造>
製造例1−1
調製例1で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー(a1)80.0部にイオン交換水316.8部、5N水酸化ナトリウム水溶液20.2部を加え、ポリマー(a1)のカルボキシ基のモル数に対する水酸化ナトリウムのモル数の割合が40モル%(中和度:40モル%)になるように中和した。その水溶液を150rpmで撹拌しながら90℃で5時間加熱することで、ポリマー水分散液(D1)(固形分濃度:20%)を得た。
製造例1−2〜1−3,比較製造例1−1
製造例1−1において、表2に示すようにポリマー(a)の種類、水酸化ナトリウム水溶液の量、又はイオン交換水の量を変更した以外は製造例1−1と同様にして、ポリマー水分散液(D2)〜(D3),(DC1)(いずれも固形分濃度:20%)を得た。
<水系顔料分散体(i)の製造>
製造例2−1
製造例1−1で得られたポリマー水分散液(D1)164.6部に、イオン交換水313.3部、ブラック顔料(カーボンブラック、商品名:MONARCH717、キャボット社製)100.0部を加え、ディスパー(淺田鉄工株式会社製、商品名:ウルトラディスパー)を用いて、20℃でディスパー翼を7,000rpmで回転させる条件で60分間撹拌した。得られた混合物をマイクロフルイダイザー(Microfluidics社製、商品名)で200MPaの圧力で10パス分散処理し、分散処理物を得た。
得られた分散処理物を5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ(テルモ株式会社製)で濾過し、粗大粒子を除去した後、イオン交換水を加え、固形分濃度が20%の水系顔料分散体(i−1)(質量比[顔料/ポリマー(a)]=76/24)を得た。
製造例2−2〜2−11,比較製造例2−1
製造例2−1において、表3及び表4に示すようにポリマー水分散液(D)、顔料の種類、又はイオン交換水の量を変更した以外は製造例2−1と同様にして、水系顔料分散体(i−2)〜(i−11)及び(i−C1)を得た。
表3及び表4の顔料は以下のとおりである。
Monarch717:ブラック顔料(カーボンブラック、商品名:MONARCH717、キャボット社製、DBP吸油量53mL/100g)
Monarch880:ブラック顔料(カーボンブラック、商品名:MONARCH880、キャボット社製、DBP吸油量105mL/100g)
Printex85:ブラック顔料(カーボンブラック、商品名:PRINTEX85、デグサ社製、DBP吸油量48mL/100g)
PY74:イエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74、商品名:FastYellow FG、山陽色素株式会社製)
PR122:マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド122、商品名:Chromofine Magenta6887、大日精化工業株式会社製)
PB15:3:シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、商品名:TGR、DIC株式会社製)
<架橋された水系顔料分散体の製造>
製造例3−1
製造例2−1で得られた水系顔料分散体(i−1)の100.0部(固形分濃度20%)をねじ口付きガラス瓶に取り、ポリマー(a1)が有する全カルボキシ基の38モル%が架橋されるように(架橋度38モル%)、架橋剤としてトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(商品名:デナコールEX−321、ナガセケムテックス株式会社製、エポキシ当量:139、水溶率:27%)(以下、「EX−321」と表記する)0.68部を加えて密栓し、スターラーで撹拌しながら70℃で5時間加熱した。5時間経過後、室温まで降温し、5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ(テルモ株式会社製)で濾過し、水系ブラック顔料分散体(以下、「ブラック顔料分散体」ともいう)Bk−I(質量比[顔料/架橋されたポリマー(a)]=73.5/26.5、顔料の含有量:33.6%、固形分濃度:45.7%、キュムラント平均粒径:95nm)を得た。
製造例3−2〜3−11,比較製造例3−1
製造例3−1において、水系顔料分散体(i)の種類、又は架橋剤の量を表5及び表6に示すとおり変更した以外は製造例3−1と同じ方法で、表5及び表6に示すブラック顔料分散体Bk−II〜Bk−V及びBk−CI、水系イエロー顔料分散体(以下、「イエロー顔料分散体」ともいう)Y−I〜Y−II、水系マゼンタ顔料分散体(以下、「マゼンタ顔料分散体」ともいう)M−I〜M−II、水系シアン顔料分散体(以下、「シアン顔料分散体」ともいう)C−I〜C−IIを得た。
<油中水型エマルションインクの製造>
実施例1
乳化剤としてソルスパース11200を4.0部、非水溶性有機溶剤としてミリスチン酸イソプロピル28.5部及びラウリン酸メチル45.0部を混合し、油相成分を調製した。
次に、ブラック顔料分散体Bk−Iを17.9部、界面活性剤としてサーフィノール465を2.0部、イオン交換水を0.6部、水溶性有機溶剤としてグリセリン2.0部を混合し、水相成分を調製した。
ホモジナイザ−(商品名:ウルトラタラックス(ULTLRA−TURRAX)、型式:T25 digital、シャフトジェネレーター(型式:S25N−25F)、いずれもIKAジャパン株式会社製)を用いて、前記油相成分を5,000rpmで撹拌しながら前記水相成分を滴下した。その後、12,000rpmで3分間撹拌して顔料の含有量が6.0%の油中水(W/O)型エマルションインクBk−1を得た。該エマルションインクBk−1の粘度は9.6mPa・sであった。
実施例2〜18,比較例1〜2
実施例1において、表7又は表8に示すとおり油相成分及び水相成分を構成する各成分の種類又は量を変更した以外は実施例1と同様にして、顔料の含有量が6.0%の油中水(W/O)型エマルションインクを得た。各エマルションインクの粘度を表7及び表8に示す。
なお、表7及び表8の各成分は下記の通りである。
サーフィノール465(商品名、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのEO付加物、EO平均付加モル数:10、HLB:13、日信化学工業株式会社製)
サーフィノール485(商品名、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのEO付加物、EO平均付加モル数:30、HLB:17、日信化学工業株式会社製)
シルフェイスSAG005(商品名、ポリエーテル変性シリコーン、HLB:7、日信化学工業株式会社社製)
グリセリン(化粧品用濃グリセリン、花王株式会社製)
ソルスパース11200(商品名、ポリマー分散剤、有効分50%、ルーブリゾール社製)
ソルスパース18000(商品名、ポリマー分散剤、有効分100%、ルーブリゾール社製)
ミリスチン酸イソプロピル(商品名:エキセパールIPM、花王株式会社製)
ラウリン酸メチル(商品名:エキセパールML−85、花王株式会社製)
アイソパーM(商品名、イソパラフィン系溶剤、安藤パラケミー株式会社製)
<油中水型エマルションインクの評価試験>
実施例及び比較例で得られたエマルションインクを用いて、貯蔵安定性、印刷物の変形及び印字濃度の評価を行った。結果を表7及び表8に示す。
〔貯蔵安定性の評価〕
得られたエマルションインクを100mLのスクリュ−バイアル瓶に入れて、60℃で保管し、放置後のエマルションインクの油相と水相の分離、凝集沈降物を目視で観察し、下記基準に従い評価した。
A:1週間保管後にエマルションインクの油相と水相の分離及び凝集沈降物はなかった。
B:1週間保管後にエマルションインクの油相と水相の分離又は凝集沈降物があった。
C:1日保管後にエマルションインクの油相と水相の分離又は凝集沈降物があった。
〔印刷物の変形(カール量)の評価〕
得られたエマルションインクをインクジェットプリンタ−(商品名:ビジネスプリンターPX−105、セイコーエプソン株式会社製)に充填し、室温23℃、相対湿度50%RHの環境下、普通紙(商品名:Xeroxビジネス 4200 コピー用紙、富士ゼロックス株式会社製)にベタ画像を印刷した。得られた印刷物を印刷面を上にして水平の台に配置し、同条件環境下で一日放置した。一日放置後の印刷物四隅の水平の台からの高さを測定し、その平均値をカール量として算出し、印刷物の変形の評価をした。カール量が小さいほど、印刷物の変形が小さいことを示す。
〔印字濃度の評価〕
得られたエマルションインクをインクジェットプリンタ−(ビジネスプリンターPX−105)に充填し、室温23℃、相対湿度50%RHの環境下、普通紙(Xeroxビジネス 4200 コピー用紙)にベタ画像を印刷し、得られた印刷物を同条件環境下で一日放置した。一日放置後の印刷物の印字濃度を光学濃度計(商品名:スペクトロアイ(SpectroEye)、グレタグマクベス社製)を用いて測定した。測定は印刷物の測定する場所を変更して任意の10箇所で行い、その平均値を印字濃度とした。
表7及び表8から、実施例1〜18は、比較例1及び2に比べて、水相中に含まれる顔料がポリマー(a)で分散されてなり、エマルションインク中の水の含有量が40質量%以下であるため、貯蔵安定性に優れ、印字濃度が高く、カール量が小さいことから印刷物の変形が抑制されていることが分かる。また、実施例1〜18のエマルションインクの粘度は、いずれもインクジェット記録用として適正な範囲であった。
本発明のエマルションインク及び該エマルションインクの製造方法によれば、貯蔵安定性に優れ、普通紙に印刷した際に、印字濃度が高く、印刷後の変形が少ない印刷物を得ることができる。また、本発明のエマルションインクは、インクジェット記録用として有用である。

Claims (7)

  1. 油相中に水相を有する油中水型エマルションインクであって、
    該水相が、酸基を有するポリマー(a)で分散されてなる顔料を含有し、
    該油相が、非水溶性有機溶剤及び乳化剤を含有し、
    該ポリマー(a)の酸価が120mgKOH/g以上であり、該ポリマー(a)の酸基の少なくとも一部が中和されてなり、
    該油中水型エマルションインク中の水の含有量が5質量%以上40質量%以下である、油中水型エマルションインク。
  2. ポリマー(a)が、架橋剤で架橋されてなる、請求項1に記載の油中水型エマルションインク。
  3. 架橋剤が、炭素数3以上8以下の炭化水素基を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル化合物である、請求項2に記載の油中水型エマルションインク。
  4. 水相中の顔料の含有量が、10質量%以上35質量%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の油中水型エマルションインク。
  5. ポリマー(a)の中和度が20モル%以上80モル%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の油中水型エマルションインク。
  6. インクジェット記録用である、請求項1〜5のいずれかに記載の油中水型エマルションインク。
  7. 顔料をポリマー(a)で水系媒体に分散させた水系顔料分散体を油相中に乳化する工程を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の油中水型エマルションインクの製造方法。
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