JP2021024972A - 樹脂廃材成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、無機物質粉末が高充填された熱可塑性樹脂を含む廃材を用いた、外観に優れる成形体の製造方法を提供することである。【解決手段】本発明は、樹脂廃材に、ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンを、前記樹脂廃材に対して0.004質量%以上0.200質量%以下添加する添加工程を含み、前記樹脂廃材は、熱可塑性樹脂と無機物質粉末とを50:50〜10:90の質量比で含む、樹脂廃材成形体の製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂廃材成形体の製造方法に関する。
近年、環境問題等を踏まえ、資源の再生利用に関する関心が高まっている。この様な資源としては樹脂廃材等が挙げられる。
しかし、樹脂廃材の再生においては、溶融成形時の熱履歴や機械的な負荷により、得られる成形品の機械的強度が低くなる等の問題がある。例えば、特許文献1には、スチレン系熱可塑性エラストマーを1重量部に対して平均粒子径0.1〜0.5μmの炭酸カルシウム微粉末を2〜3重量部混合してなる改質剤を樹脂廃材に対して用い、機械的強度が優れた成形品を該樹脂廃材によって成形することが提案されている。
また、環境問題等の観点から、無機物質粉末を熱可塑性樹脂中に高充填してなる無機物質粉末配合熱可塑性樹脂組成物も提唱され、実用化されている(例えば、特許文献2等参照)。無機物質粉末として、特に、炭酸カルシウムは、自然界に豊富に存在する資源であり、環境保護といった観点からの要望に好ましく応えることができるものである。そして、この様な無機物質粉末配合熱可塑性樹脂組成物についても、上記した様な資源の再生利用は検討すべき課題である。
特開2007−291213号公報 特開2013−010931号公報
しかし、無機物質粉末(炭酸カルシウム等)が高充填された熱可塑性樹脂を含む廃材においては、溶融特性のばらつきが生じやすく、安定した成形加工が困難であった。特に、従来の再生方法では改質剤を比較的多く用いるため、成形品の表面が荒れやすく、外観に優れる成形品を得ることが困難だった。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、無機物質粉末が高充填された熱可塑性樹脂を含む廃材を用いた、外観に優れる成形体の製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンを改質剤として少量用いることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下を提供する。
(1) 樹脂廃材に、ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンを、前記樹脂廃材に対して0.004質量%以上0.200質量%以下添加する添加工程を含み、
前記樹脂廃材は、熱可塑性樹脂と無機物質粉末とを50:50〜10:90の質量比で含む、
樹脂廃材成形体の製造方法。
(2) 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂を含む、(1)に記載の製造方法。
(3) 前記熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン系樹脂を含む、(1)又は(2)に記載の製造方法。
(4) 前記無機物質粉末が、炭酸カルシウムを含む、(1)から(3)の何れかに記載の製造方法。
(5) 前記添加工程における前記ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンの添加量が、前記樹脂廃材に対して0.012質量%以上0.080質量%以下である、(1)から(4)の何れかに記載の製造方法。
(6) 前記ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンが、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンである、(1)から(5)の何れかに記載の製造方法。
(7) 前記炭酸カルシウムの空気透過法による平均粒子径が、0.5μm以上13.5μm以下である、(4)に記載の製造方法。
(8) 前記添加工程後、二軸混練押出機で混練する混練工程を含む、(1)から(7)の何れかに記載の製造方法。
本発明によれば、無機物質粉末が高充填された熱可塑性樹脂を含む廃材を用いた、外観に優れる成形体の製造方法が提供される。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれに特に限定されない。
<本発明の製造方法>
本発明の樹脂廃材成形体の製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)は、樹脂廃材に、ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンを、該樹脂廃材に対して0.004質量%以上0.200質量%以下添加する添加工程を含む。該樹脂廃材は、熱可塑性樹脂と無機物質粉末とを50:50〜10:90の質量比で含む。
樹脂廃材の再生においては、溶融成形時の熱履歴や機械的な負荷により、得られる成形品の機械的強度が低くなる等の問題がある。この様な問題を解決するため、各種改質剤の使用が知られている。また、この様な改質剤は、比較的多量(例えば、樹脂廃材に対して1質量%以上)で使用しなければ機能しない傾向にある。しかし、この様な量で改質剤を使用すると、得られる成形品の表面が荒れやすくなり、コストも上がってしまうという問題がある。かかる問題は、無機物質粉末が高充填された熱可塑性樹脂を含む廃材において特に顕著であった。
本発明者らが鋭意検討した結果、意外にも、従来の改質剤の代わりにビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンを用いると、当該ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンの使用量が少ないにもかかわらず、無機物質粉末が高充填された熱可塑性樹脂を含む廃材の溶融特性のばらつきが生じ難く、安定した成形加工を実現出来る上、成形品の表面の荒れが抑制され、外観に優れる成形品を得ることが見出された。
本発明において「均一な溶融特性」とは、メルトマスフローレイトのばらつきが小さいことを意味する。メルトマスフローレイトは実施例に示した方法で特定される。また、本発明の製造方法において、ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンを添加された溶融樹脂廃材のメルトマスフローレイトは、添加前より大きくなる傾向にある。
本発明において「成形加工性の向上」とは、溶融樹脂廃材の加工が容易になり、得られる成形品の表面特性が良好となることを意味する。成形品の表面特性は、成形品の表面の荒れを目視観察することで特定される。
(ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン)
本発明の製造方法において、ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(以下、「本発明の改質剤」ともいう。)は、樹脂廃材の改質剤として機能し、樹脂廃材の均一な溶融特性や、成形加工性の向上に寄与する。その作用は定かではないが以下のように推察される。
すなわち、ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンの作用により、溶融樹脂において、樹脂の水素引抜反応(水素移動反応)が生じ、樹脂の構成分子が切断される。その結果、溶融樹脂のメルトマスフローレイトが大きくなり、均一な溶融特性や成形加工性の向上が実現されるものと考えられる。
本発明の改質剤の使用量は、樹脂廃材に対して0.004質量%以上0.200質量%以下である。本発明の改質剤の使用量が、樹脂廃材に対して0.004質量%以上であると、溶融特性の向上効果が十分に得られる。本発明の改質剤の使用量が、樹脂廃材に対して0.200質量%以下であると、溶融樹脂のメルトマスフローレイトを十分に高めつつ、ブリードアウトを抑制できる。
本発明の改質剤の使用量の下限は、樹脂廃材に対して、好ましくは0.012質量%以上、より好ましくは0.020質量%以上である。
本発明の改質剤の使用量の上限は、樹脂廃材に対して、好ましくは0.080質量%以下、より好ましくは0.060質量%以下である。
ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンとしては、任意の異性体を用いることができ、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンが挙げられる。本発明の効果を特に奏しやすいという観点から、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンが好ましい。
本発明の改質剤としては市販品を用いることができ、例えば、商品名「パーカドックス14−40C」(化薬アクゾ株式会社製)、商品名「トリゴノックス101−10PPC−PD」(化薬ヌーリオン株式会社製)、商品名「トリゴノックス101−20PP」(化薬ヌーリオン株式会社製)、商品名「ビスブレークC」(化薬ヌーリオン株式会社製)が挙げられる。これらは何れも1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンを含む。
(樹脂廃材)
本発明の製造方法における樹脂廃材は、熱可塑性樹脂と無機物質粉末とを50:50〜10:90の質量比で含む。本発明の製造方法における樹脂廃材は、無機物質粉末が高充填された熱可塑性樹脂に相当する。
[熱可塑性樹脂]
熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、任意の樹脂製品に含まれるものであっても良い。熱可塑性樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、以下のものが挙げられる。
ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体の金属塩(アイオノマー)、エチレン−アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、マレイン酸変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレン等の官能基含有ポリオレフィン系樹脂;
ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂;
ポリエチレンテレフタレート及びその共重合体、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル系樹脂、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸等の脂肪族ポリエステル系樹脂等の熱可塑性ポリエステル系樹脂;
芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート等のポリカーボネート樹脂;
アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン(AS)共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)共重合体等のポリスチレン系樹脂;
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリ塩化ビニル系樹脂;
ポリフェニレンスルフィド;
ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等のポリエーテル系樹脂等。
ポリオレフィン系樹脂とは、オレフィン成分単位を主成分とするポリオレフィン系樹脂であり、具体的には、上記したようにポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂、その他、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体等、さらにそれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
なお、上記「主成分とする」とは、オレフィン成分単位がポリオレフィン系樹脂中に50質量%以上含まれることを意味し、その含有量は好ましくは75質量%以上であり、より好ましくは85質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である。
ポリオレフィン系樹脂の製造方法は特に制限はなく、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系触媒、酸素、過酸化物等のラジカル開始剤等を用いる方法等のいずれによって得られたものであっても良い。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン成分単位が50質量%以上の樹脂が挙げられ、例えば、プロピレン単独重合体、又はプロピレンと共重合可能な他のα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。
プロピレンと共重合可能な他のα−オレフィンとしては、例えば、エチレンや、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン等の炭素数4〜10のα−オレフィンが例示される。
プロピレン単独重合体としては、アイソタクティック、シンジオタクティック、アタクチック、ヘミアイソタクチック及び種々の程度の立体規則性を示す直鎖又は分枝状ポリプロピレン等の何れもが包含される。
プロピレンと共重合可能な他のα−オレフィンとの共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよく、さらに二元共重合体のみならず三元共重合体であっても良い。
具体的には、例えば、エチレン−プロピレンランダム共重合体、ブテン−1−プロピレンランダム共重合体、エチレン−ブテン−1−プロピレンランダム3元共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体等が挙げられる。
プロピレンと共重合可能な他のα−オレフィンとの共重合体において、該α−オレフィンの含有量は、樹脂廃材中の樹脂全体の質量を100質量%とした場合に、好ましくは25質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下である。
ポリエチレン系樹脂としては、エチレン成分単位が50質量%以上の樹脂が挙げられ、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン1共重合体、エチレン−ブテン1共重合体、エチレン−ヘキセン1共重合体、エチレン−4メチルペンテン1共重合体、エチレン−オクテン1共重合体等が挙げられる。
なお、「高密度ポリエチレン(HDPE)」とは、0.942g/cm以上の密度を有するポリエチレンである。
「中密度ポリエチレン」とは、0.930g/cm以上0.942g/cm未満の密度を有するポリエチレンである。
「低密度ポリエチレン(LDPE)」とは、0.910g/cm以上0.930g/cm未満の密度を有するポリエチレンである。
「超低密度ポリエチレン(ULDPE)」とは、0.910g/cm未満の密度を有するポリエチレンである。
「直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)」とは、0.911g/cm以上0.940g/cm未満の密度(好ましくは0.912g/cm以上0.928g/cm未満の密度)を有するポリエチレンである。
上記の熱可塑性樹脂のうち、その成形容易性、性能面及び経済面等からポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂のうち、機械的強度と耐熱性とのバランスに特に優れることからポリプロピレン系樹脂が好ましい。
[無機物質粉末]
無機物質粉末としては、特に限定されず、通常の樹脂製品等に含まれるものであっても良い。無機物質粉末は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
無機物質粉末としては、例えば、以下のものが挙げられる。
金属(カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、鉄、亜鉛等)の炭酸塩、硫酸塩、珪酸塩、リン酸塩、又はホウ酸塩;
金属(カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、鉄、亜鉛等)の酸化物;
上記塩又は酸化物の水和物等。
無機物質粉末としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、シリカ、アルミナ、クレー、タルク、カオリン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、リン酸マグネシウム、硫酸バリウム、珪砂、カーボンブラック、ゼオライト、モリブデン、珪藻土、セリサイト、シラス、亜硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、チタン酸カリウム、ベントナイト、黒鉛等が挙げられる。
無機物質粉末は合成のものであっても天然鉱物由来のものであっても良い。
無機物質粉末の分散性や反応性を高めるために、無機物質粉末の表面を予め常法に従い、表面改質しておいても良い。表面改質法としては、プラズマ処理等の物理的な方法や、カップリング剤や界面活性剤で表面を化学的に表面処理するもの等が例示できる。カップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤やチタンカップリング剤等が挙げられる。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性及び両性の何れのものであってもよく、例えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩等が挙げられる。ただし、無機物質粉末としては、化学的処理剤を用いた無機物質粉末の表面処理を受けていないもの、少なくとも、上記した様な脂肪酸系化合物による表面処理を受けてないものを用いることが好ましい。
無機物質粉末の形状は、特に限定されず、粒子状(球形、不定形状等)、フレーク状、顆粒状、繊維状等のいずれであっても良い。無機物質粉末の平均粒子径は、好ましくは、0.1μm以上50.0μm以下が好ましく、0.5μm以上13.5μm以下がより好ましい。
本発明において、無機物質粉末の平均粒子径は、JIS M8511に準じた空気透過法による比表面積の測定結果から計算した値を意味する。測定機器としては、例えば、島津製作所社製の比表面積測定装置SS−100型を好ましく用いることができる。
無機物質粉末としては、炭酸カルシウムが好ましい。炭酸カルシウムが高充填された熱可塑性樹脂を含む廃材においては、かさ比重が大きい等の理由から溶融特性のばらつきが生じやすく、安定した成形加工が特に困難であった。したがって、樹脂廃材が炭酸カルシウムを含む場合、本発明の効果を特に奏しやすい。
炭酸カルシウムとしては、合成法により調製されたもの(いわゆる軽質炭酸カルシウム)や、石灰石等CaCOを主成分とする天然原料を機械的に粉砕分級して得られるもの(いわゆる重質炭酸カルシウム)のいずれであってもよく、これらを組み合わせたものでも良い。経済性の観点で、炭酸カルシウムとしては、重質炭酸カルシウムが好ましい。
炭酸カルシウムの平均粒子径は、好ましくは、0.5μm以上13.5μm以下が好ましく、1.0μm以上3.0μm以下がより好ましい。
[熱可塑性樹脂と無機物質粉末との比率]
熱可塑性樹脂と、無機物質粉末との配合比(質量%)は、熱可塑性樹脂:無機物質粉末=50:50〜10:90の比率であれば特に限定されない。この配合比は、40:60〜20:80の比率であることが好ましく、40:60〜25:75の比率であることがさらに好ましい。本発明によれば、このように無機物質粉末の割合が相対的に高い樹脂廃材であっても、従来の方法の様な溶融特性のばらつきが生じ難く、安定した成形加工を実現でき、成形品の表面の荒れが抑制された、外観に優れる成形品を得ることができる。
[その他の成分]
樹脂廃材には、必要に応じて、樹脂製品に配合される任意の成分が含まれていても良い。この様な成分としては、例えば、色剤、滑剤、カップリング剤、流動性改良材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、安定剤、帯電防止剤、可塑剤等やそれらの組み合わせが挙げられる。これらの成分は、樹脂製品の用途や性質等に応じて任意の量で含まれ得る。
(樹脂廃材成形体)
樹脂廃材成形体は、樹脂廃材に、ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンを、前記樹脂廃材に対して0.004質量%以上0.200質量%以下添加する添加工程を経て得られる成形品である。
樹脂廃材は、溶融や加工等を容易にするために、通常、 破砕機等でチップ状(数cm〜数mm径)等に破砕される。樹脂廃材は溶融及び混練された後、樹脂廃材成形体に成形される。
本発明の改質剤は任意のタイミングで樹脂廃材に添加でき、例えば、樹脂廃材の粉砕物に添加しても良いし、溶融状の樹脂廃材に添加しても良い。製造効率の観点から、樹脂廃材の粉砕物に添加することが好ましい。
本発明の改質剤の添加は任意の方法で行うことができる。添加された本発明の改質剤は、任意の撹拌手段(タンブラー、ミキサー等)で樹脂廃材とブレンドされる。
樹脂廃材の溶融、混練及び成形は、従来知られる任意の方法で行うことができる。例えば、樹脂廃材の溶融から成形までを連続的に行う方法であってもよく、各工程の一部又は全てを非連続的に行っても良い。例えば、押出成形機、射出成形機、プレス成形機等を用いた方法が挙げられる。これらのうち、製造効率の観点から、押出成形機が好ましい。
押出成形機としては、二軸混練押出機(同方向回転二軸混練押出機、異方向回転二軸混練押出機)、ニーダー式押出機、単軸押出機等が挙げられる。これらのうち、樹脂廃材の混練時のメルトマスフローレイトが高くなり易く、かつ、メルトマスフローレイトのばらつきが抑えられ、成形性が良好となる観点から、ニーダー式押出機、二軸混練押出機が好ましい。
樹脂廃材成形体の形状や大きさ等は、特に限定されず、樹脂廃材成形体の用途等に応じて適宜設定できる。例えば、ペレット、シート、フィルム、各種容器(食品容器等)等であっても良い。これらは、さらに各種成形方法(射出成形、真空成形、ブロー成形、カレンダー成形等)によって任意の成形体に加工できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<樹脂廃材成形体の製造>
以下の方法に基づき、樹脂廃材成形体を製造した。
(樹脂廃材の準備)
樹脂廃材として、以下の何れかの粉砕物を用いた。なお、何れの粉砕物も5〜8mm程度の径に調整した。
(樹脂廃材A)「LIMEX」(株式会社TBM製)の粉砕物:該粉砕物は熱可塑性樹脂(ポリプロピレン)と無機物質粉末(重質炭酸カルシウム)とを40:60の質量比で含む。また、該粉砕物に含まれる炭酸カルシウムの空気透過法による平均粒子径は、2.2μmである。
(樹脂廃材B)「LIMEX」(株式会社TBM製)の粉砕物:該粉砕物は熱可塑性樹脂(ポリプロピレン)と無機物質粉末(重質炭酸カルシウム)とを10:90の質量比で含む。また、該粉砕物に含まれる炭酸カルシウムの空気透過法による平均粒子径は、2.2μmである。
(樹脂廃材C)ポリプロピレンからなる樹脂廃材の粉砕物
(改質剤の準備)
改質剤として、以下の何れかを用いた。
(改質剤a)1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン:商品名「パーカドックス14−40C」、化薬アクゾ株式会社製
(改質剤b)スチレン系熱可塑性エラストマー:商品名「エラストマーAR−140」、アロン化成株式会社製
(樹脂廃材への改質剤の添加)
上記樹脂廃材に改質剤を添加し、タンブラーで60分、185℃で混練した。該工程は、本発明における添加工程及び混練工程に相当する。
改質剤は、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、又は、スチレン系熱可塑性エラストマーが、樹脂廃材に対して下記表の「改質剤の添加量」の項に示す割合となるように添加した。
(樹脂廃材の成形)
混練後、得られた組成物を同方向回転二軸混練押出機(フリージアマクロス株式会社製)のホッパーに投入し、200℃でストランド状に成形し、2mm径程度に切揃え、樹脂廃材成形体を得た。
<樹脂廃材溶融物及び樹脂廃材成形体の評価>
上記「(樹脂廃材への改質剤の添加)」の項で行った混練完了直後の樹脂廃材溶融物、及び、上記「(樹脂廃材の成形)」の項で得られた樹脂廃材成形体について以下の評価を行った。
(樹脂廃材溶融物の溶融特性)
混練完了直後の樹脂廃材溶融物のメルトマスフローレイト及びそのばらつきをISO1133:2005(JIS K 7140−1)に準拠して、温度230℃、質量2.16kgで評価した。その結果を下記表中の「溶融特性」の項に示す。「溶融特性」において「大(又は小)」とは、メルトマスフローレイトのばらつきが大きいこと(又は小さいこと)を意味する。メルトマスフローレイトのばらつきが小さいほど溶融特性が安定しており加工特性に優れることを意味する。
(樹脂廃材成形体の表面特性)
得られた樹脂廃材成形体の表面を目視観察し、表面の荒れの有無を評価した。その結果を下記表中の「表面特性」の項に示す。「表面特性」において「有(又は無)」とは、樹脂廃材成形体の表面に荒れが有ること(又は無いこと)を意味する。樹脂廃材成形体の表面に荒れが無いことは成形品の外観に優れることを意味する。
Figure 2021024972
Figure 2021024972
Figure 2021024972
上記の結果のとおり、本発明の製造方法によれば、「溶融特性」及び「表面特性」の結果の何れも良好であり、外観に優れる樹脂廃材成形体が得られることがわかる。

Claims (8)

  1. 樹脂廃材に、ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンを、前記樹脂廃材に対して0.004質量%以上0.200質量%以下添加する添加工程を含み、
    前記樹脂廃材は、熱可塑性樹脂と無機物質粉末とを50:50〜10:90の質量比で含む、
    樹脂廃材成形体の製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂を含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン系樹脂を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記無機物質粉末が、炭酸カルシウムを含む、請求項1から3の何れかに記載の製造方法。
  5. 前記添加工程における前記ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンの添加量が、前記樹脂廃材に対して0.012質量%以上0.080質量%以下である、請求項1から4の何れかに記載の製造方法。
  6. 前記ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンが、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンである、請求項1から5の何れかに記載の製造方法。
  7. 前記炭酸カルシウムの空気透過法による平均粒子径が、0.5μm以上13.5μm以下である、請求項4に記載の製造方法。
  8. 前記添加工程後、二軸混練押出機で混練する混練工程を含む、請求項1から7の何れかに記載の製造方法。
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