ピッキング設備の実施形態について、図面を参照して説明する。
ピッキング設備1は、オーダーで指定された種類及び数量の物品Wが支持された出荷用支持体50を、出荷するための設備である。ピッキング設備1(具体的には、後述するピッキング箇所P)では、オーダーで指定された種類及び数量の物品Wが出荷用支持体50に支持された状態となるように、オーダーで指定された種類の物品Wを支持している取出元支持体40から出荷用支持体50へ物品Wを移動させるピッキング作業が行われる。なお、オーダーで指定される数量は、種類毎の物品Wの数量である。出荷用支持体50に割り当てられるオーダーは、例えば、当該出荷用支持体50の出荷先からの注文に基づき、後述する制御装置3又は他の装置(管理装置等)によって生成される。生成されたオーダーは、出荷用支持体50(当該オーダーが割り当てられる出荷用支持体50)に関連付けられた状態で、制御装置3によって管理される。図2に示す例では、ピッキング作業は作業者2により行われるが、ピッキング作業はロボット等により行われてもよい。ピッキング設備1は、例えば、製造業者等から納入された複数種類の物品Wを、異なる複数の出荷先毎に必要な種類及び数量だけ取り揃えて出荷する在庫型物流センターに用いられる。
図1に示すように、ピッキング設備1は、ピッキング箇所Pを経由する第1経路80に沿って取出元支持体40(図3参照)を搬送する第1搬送装置10と、ピッキング箇所Pを経由する第2経路90に沿って出荷用支持体50(図2、図3参照)を搬送する第2搬送装置20と、を備えている。ここで、ピッキング箇所P(ピッキングステーション)は、ピッキング作業が行われる箇所である。第1搬送装置10や第2搬送装置20は、例えば、ベルトコンベヤやローラコンベヤ等のコンベヤを用いて構成される。図1に示す例では、ピッキング設備1には、複数のピッキング箇所Pが設けられている。複数のピッキング箇所Pは、後述する第2水平方向H2に並べて配置されている。ピッキング箇所Pのそれぞれに対応して第1経路80及び第2経路90が形成される。第1経路80及び第2経路90のそれぞれは、ピッキング箇所P毎に少なくとも一部が異なる経路となる。図1では、1つのピッキング箇所Pを経由する第1経路80を代表的に示すと共に、別の1つのピッキング箇所Pを経由する第2経路90を代表的に示している。
図1に示すように、ピッキング設備1には、取出元支持体40を保管する自動倉庫4(取出元支持体40を保管する保管部の一例)が設けられている。自動倉庫4は、複数の取出元支持体40を保管する。自動倉庫4は、制御装置3(図6参照)の制御を受けて、出庫対象の取出元支持体40を自動で出庫し、入庫対象の取出元支持体40を自動で入庫する。図示は省略するが、自動倉庫4は、取出元支持体40を保管する複数段の保管棚と、制御装置3の制御を受けて取出元支持体40を搬送する搬送装置と、出庫部と、入庫部と、を備えている。出庫対象の取出元支持体40が搬送装置によって保管棚から出庫部に搬送されることで、当該取出元支持体40が自動倉庫4から出庫される。また、入庫対象の取出元支持体40が搬送装置によって入庫部から保管棚に搬送されることで、当該取出元支持体40が自動倉庫4に入庫される。搬送装置は、例えば、保管棚の各段に対応して設けられて取出元支持体40を水平方向に搬送する搬送台車と、取出元支持体40を上下方向Vに搬送するリフタと、を備える。これに限らず、搬送装置を、スタッカークレーン等とすることもできる。
取出元支持体40は、物品W(図3参照)を支持した状態で(基本的に、複数の物品Wを支持した状態で)、自動倉庫4に保管される。ピッキング設備1では複数種類の物品Wが取り扱われ、取出元支持体40のそれぞれには、ピッキング設備1で取り扱われる複数種類の物品Wのうちの、一部の種類(1種類又は複数種類)の物品Wが支持される。本実施形態では、1つの取出元支持体40には、同じ種類の物品Wが支持される。すなわち、複数の取出元支持体40には、種類別に物品Wが支持され、1つの取出元支持体40には、1種類の物品Wが支持される。本実施形態では、取出元支持体40及び出荷用支持体50は、上面が開口する箱状に形成されている。取出元支持体40や出荷用支持体50として、例えば、段ボール箱やコンテナ等を用いることができる。
図6に示すように、ピッキング設備1は、第1搬送装置10及び第2搬送装置20の作動を制御する制御装置3を備えている。後述するように、第1搬送装置10は、第1搬入装置11、第1搬出装置12、及び第3搬送装置13を備えており、制御装置3は、これらの装置の作動を制御する。また、第2搬送装置20は、第2搬入装置21(上流側搬入装置21a及び下流側搬入装置21b)、第2搬出装置22(上流側搬出装置22a及び下流側搬出装置22b)、第4搬送装置23、及び中継搬送装置24を備えており、制御装置3は、これらの装置の作動を制御する。
制御装置3は、更に、自動倉庫4の作動を制御する。制御装置3は、自動倉庫4に保管されている取出元支持体40のそれぞれについて、取出元支持体40の保管位置の情報と、当該取出元支持体40に支持されている物品Wの種類の情報(例えば、商品コード等)とを関連付けたデータを作成して管理する。
制御装置3は、CPU等の演算処理装置を備えると共にメモリ等の周辺回路を備え、これらのハードウェアと、演算処理装置等のハードウェア上で実行されるプログラムとの協働により、制御装置3の各機能が実現される。制御装置3は、1つのハードウェアではなく、互いに通信可能な複数のハードウェア(複数の分離したハードウェア)の集合によって構成されてもよい。また、制御装置3は、本明細書で説明する各機能のうちの少なくとも後述する対象搬送制御及び保管部搬送制御を実行する機能を有していればよく、それ以外の機能は制御装置3とは別の制御装置(例えば、制御装置3の上位の制御装置(管理装置等)や、当該上位の制御装置から指令を受ける他の制御装置)が有する構成としてもよい。
第1搬送装置10は、自動倉庫4から出庫された取出元支持体40をピッキング箇所Pに搬送する。取出元支持体40は、複数のピッキング箇所Pのうちの、当該取出元支持体40を用いたピッキング作業が行われるピッキング箇所Pに搬送される。また、第1搬送装置10は、ピッキング作業が終了した取出元支持体40を自動倉庫4に搬送する。自動倉庫4に搬送された取出元支持体40は、自動倉庫4に入庫される。このように、第1搬送装置10は、取出元支持体40を自動倉庫4からピッキング箇所Pに搬送すると共に、取出元支持体40をピッキング箇所Pから自動倉庫4に搬送する。よって、第1経路80は、自動倉庫4の出庫部が始点となり、自動倉庫4の入庫部が終点となるように形成される。ピッキング作業によって全ての物品Wが取り出された取出元支持体40(すなわち、空になった取出元支持体40)は、自動倉庫4とは別の箇所(空になった取出元支持体40を集める箇所等)に搬送される構成としてもよい。
図1に示すように、第1経路80には、取出元支持体40をピッキング箇所Pへ向かう方向に搬送する第1往路81と、取出元支持体40をピッキング箇所Pから離れる方向に搬送する第1復路82とが含まれている。第1往路81は、ピッキング箇所Pが終点となるように形成され、第1復路82は、ピッキング箇所Pが始点となるように形成される。本実施形態では、第1往路81と第1復路82とは平面視(上下方向Vに沿う方向視)で重複するように形成されるが、理解を容易にするために、図1では、第1往路81と第1復路82とが重ならないように第1経路80を示している。本実施形態では、第1往路81が「往路」に相当し、第1復路82が「復路」に相当する。
本実施形態では、第1経路80には、第1往路81と第1復路82とをピッキング箇所P以外の箇所で接続する経路は含まれていない。よって、ピッキング箇所Pから搬出された取出元支持体40(すなわち、第1復路82上の取出元支持体40)は、ピッキング箇所P(搬出元のピッキング箇所P)に再度搬入されることなく第1経路80の終点まで搬送される。すなわち、ピッキング箇所Pから搬出された取出元支持体40を同じピッキング箇所Pに再度搬入する場合には、当該取出元支持体40は、再度自動倉庫4からピッキング箇所Pに搬送される。本実施形態では、ピッキング箇所Pから搬出された取出元支持体40は、搬出元のピッキング箇所Pに再度搬入されず、且つ、他のいずれのピッキング箇所Pにも搬入されずに、第1経路80の終点まで搬送される。
図3に示すように、第1搬送装置10は、ピッキング箇所Pに取出元支持体40を搬入する第1搬入装置11と、ピッキング箇所Pから取出元支持体40を搬出する第1搬出装置12と、を備えている。図3に示す例では、第1搬入装置11及び第1搬出装置12として、ローラコンベヤが用いられている。第1搬入装置11は、第1往路81に沿って取出元支持体40を搬送し、第1搬出装置12は、第1復路82に沿って取出元支持体40を搬送する。第1搬入装置11は、取出元支持体40を一方向(ピッキング箇所Pへ向かう方向)に搬送し、第1搬出装置12は、取出元支持体40を一方向(ピッキング箇所Pから離れる方向)に搬送する。すなわち、第1往路81は、取出元支持体40を一方向(ピッキング箇所Pへ向かう方向)に搬送する経路であり、第1復路82は、取出元支持体40を一方向(ピッキング箇所Pから離れる方向)に搬送する経路である。第1搬送装置10が、自動倉庫4から出庫された取出元支持体40の搬送順序を変更するための並べ替え装置を、ピッキング箇所Pよりも上流側に備える構成とすることもできる。この場合、自動倉庫4からの取出元支持体40の出庫順序にかかわらず、指定された順序で取出元支持体40をピッキング箇所Pに搬入することが可能となる。
図3に示すように、本実施形態では、第1搬送装置10は、ピッキング箇所Pに第3搬送装置13を備えている。第3搬送装置13は、第1搬入装置11におけるピッキング箇所P側の端部から第1搬出装置12におけるピッキング箇所P側の端部に、取出元支持体40を搬送する。取出元支持体40に対するピッキング作業は、取出元支持体40が第3搬送装置13に支持されている状態で行われる。
図3に示す例では、第1搬入装置11及び第1搬出装置12は、水平面に沿う第1水平方向H1に沿って延びるように配置されている。ここで、水平面に沿う方向であって第1水平方向H1に直交する方向を、第2水平方向H2とする。第1搬入装置11と第1搬出装置12とは、平面視で重複するように配置されており、ここでは、第1搬出装置12が第1搬入装置11に対して上側に配置されている。第3搬送装置13は、回転式の搬送装置であり、第2水平方向H2に沿う方向視で円弧状に形成される円弧状経路に沿って、取出元支持体40を搬送する。この円弧状経路は、第1搬入装置11におけるピッキング箇所P側の端部と第1搬出装置12におけるピッキング箇所P側の端部とを接続するように形成されており、この円弧状経路の途中位置が、ピッキング箇所Pとされている。この円弧状経路は、第1往路81と第1復路82とをピッキング箇所Pにおいて接続している。
第2経路90は、出荷用支持体50を供給する支持体供給装置(図示せず)が始点となり、出荷用支持体50の出荷作業が行われる出荷場(図示せず)が終点となるように形成される。支持体供給装置は、物品Wが支持されていない出荷用支持体50(すなわち、空の出荷用支持体50)を供給する。図1に示すように、第2経路90には、出荷用支持体50をピッキング箇所Pへ向かう方向に搬送する第2往路91と、出荷用支持体50をピッキング箇所Pから離れる方向に搬送する第2復路92とが含まれている。第2往路91は、ピッキング箇所Pが終点となるように形成され、第2復路92は、ピッキング箇所Pが始点となるように形成される。本実施形態では、第2往路91と第2復路92とは平面視で重複するように形成されるが、理解を容易にするために、図1では、第2往路91と第2復路92とが重ならないように第2経路90を示している。
図2及び図3に示すように、第2搬送装置20は、ピッキング箇所Pに出荷用支持体50を搬入する第2搬入装置21と、ピッキング箇所Pから出荷用支持体50を搬出する第2搬出装置22と、を備えている。図2及び図3に示す例では、第2搬入装置21及び第2搬出装置22として、ローラコンベヤが用いられている。第2搬入装置21は、第2往路91に沿って出荷用支持体50を搬送し、第2搬出装置22は、第2復路92に沿って出荷用支持体50を搬送する。第2搬入装置21は、出荷用支持体50を一方向(ピッキング箇所Pへ向かう方向)に搬送し、第2搬出装置22は、出荷用支持体50を一方向(ピッキング箇所Pから離れる方向)に搬送する。すなわち、第2往路91は、出荷用支持体50を一方向(ピッキング箇所Pへ向かう方向)に搬送する経路であり、第2復路92は、出荷用支持体50を一方向(ピッキング箇所Pから離れる方向)に搬送する経路である。本実施形態では、第2搬入装置21が「搬入装置」に相当し、第2搬出装置22が「搬出装置」に相当する。
図3に示すように、本実施形態では、第2搬送装置20は、ピッキング箇所Pに第4搬送装置23を備えている。第4搬送装置23は、第2搬入装置21におけるピッキング箇所P側の端部から第2搬出装置22におけるピッキング箇所P側の端部に、出荷用支持体50を搬送する。出荷用支持体50に対するピッキング作業は、出荷用支持体50が第4搬送装置23に支持されている状態で行われる。
図3に示す例では、第2搬入装置21及び第2搬出装置22は、第1水平方向H1に沿って延びるように配置されている。第2搬入装置21と第2搬出装置22とは、平面視で重複するように配置されており、ここでは、第2搬出装置22が第2搬入装置21に対して上側に配置されている。また、第2搬入装置21及び第2搬出装置22は、第1搬入装置11及び第1搬出装置12に対して、第2水平方向H2に並べて(ここでは、第2水平方向H2に隣接して)配置されている。第4搬送装置23は、回転式の搬送装置であり、第2水平方向H2に沿う方向視で円弧状に形成される円弧状経路に沿って、出荷用支持体50を搬送する。この円弧状経路は、第2搬入装置21におけるピッキング箇所P側の端部と第2搬出装置22におけるピッキング箇所P側の端部とを接続するように形成されており、この円弧状経路の途中位置が、ピッキング箇所Pとされている。この円弧状経路は、第2往路91と第2復路92とをピッキング箇所Pにおいて接続している。
図2に示すように、第4搬送装置23は、出荷用支持体50を支持する支持体23aと、第2水平方向H2に沿う回転軸周りに回転可能な支持回転体23bと、を備えている。支持回転体23bの位相(回転位置)は、制御装置3によって制御される。支持体23aは、上記回転軸から径方向に離れた位置において支持回転体23bに支持されている。よって、支持回転体23bの回転に伴う支持体23aの移動経路は、第2水平方向H2に沿う方向視で円形となる。そして、この円形の移動経路の中に、第2搬入装置21から出荷用支持体50を受けるための受取位置と、ピッキング箇所Pにおいて出荷用支持体50を支持するための支持位置と、第2搬出装置22に出荷用支持体50を渡すための渡し位置とが設定されている。なお、支持体23aは、自転可能に支持回転体23bに支持されていると共に、姿勢維持機構によって、支持回転体23bの位相によらず、出荷用支持体50に支持された物品Wが落下しない姿勢に維持されるように構成されている。
第4搬送装置23は、受取位置において第2搬入装置21から出荷用支持体50を受けた支持体23aを、支持回転体23bを回転させることで支持位置を経由して渡し位置まで移動させることで、出荷用支持体50を、第2搬入装置21から第2搬出装置22に搬送する。なお、支持位置まで移動された支持体23aは、当該支持体23aに支持された出荷用支持体50に対するピッキング作業が終了するまでの間、支持位置に維持され、当該出荷用支持体50に対するピッキング作業が終了すると、渡し位置まで搬送される。
図2に示す例では、第4搬送装置23は、3つの支持体23aを備えており、これら3つの支持体23aは、周方向に等間隔(すなわち、120度の間隔)で配置されている。そして、上述した3つの位置(受取位置、支持位置、及び渡し位置)も、周方向に等間隔で配置されている。よって、3つの支持体23aが受取位置、支持位置、及び渡し位置に分かれて配置されている状態から支持回転体23bを120度回転させることで、受取位置に位置する支持体23aを支持位置に移動させ、支持位置に位置する支持体23aを渡し位置に移動させ、渡し位置に位置する支持体23aを受取位置に移動させることが可能となっている。
第3搬送装置13は、第4搬送装置23と同様に構成されている。すなわち、第3搬送装置13は、支持体23aに対応する支持体と、支持回転体23bに対応する支持回転体と、を備えており、出荷用支持体50が取出元支持体40に置き換わり、第2搬入装置21が第1搬入装置11に置き換わり、第2搬出装置22が第1搬出装置12に置き換わる点を除いて、第4搬送装置23と同様に構成されている。
図3に示すように、第3搬送装置13と第4搬送装置23とは、第2水平方向H2に並べて配置されており、これらの第3搬送装置13及び第4搬送装置23は、共通のケース6内に収容されている。ケース6には開口部7が形成されており、作業者2は、この開口部7を介して、ピッキング箇所Pに位置する取出元支持体40及び出荷用支持体50にアクセス可能となっている。作業者2は、モニタ5に表示される指示に従って、指示された個数の物品Wを取出元支持体40から出荷用支持体50へ移動させる。
図2に示すように、第2経路90には、N個(Nは2以上の自然数)の出荷用支持体50に繰り返しピッキング箇所Pを経由させるためのバッファ経路93が含まれている。バッファ経路93は、同時期にピッキング箇所Pを繰り返し経由させることが可能な出荷用支持体50の最大数が、N個以上(例えばN個)となるように形成される。そのため、N個の出荷用支持体50に繰り返しピッキング箇所Pを経由させるためのバッファ経路93を用いることで、N個の出荷用支持体50に繰り返しピッキング箇所Pを経由させることができると共に、N個以外の個数(例えば、N個未満の個数)の出荷用支持体50に繰り返しピッキング箇所Pを経由させることもできる。
出荷用支持体50が出荷される特定の出荷先の数を、特定出荷先数として、“N”の値は、例えば、特定出荷先数に基づく値(例えば、特定出荷先数と同じ値)とすることができる。例えば、同じ種類の物品Wを共通に取り扱う店舗の数(例えば、チェーン店を構成する店舗の数)を、特定出荷先数とすることができる。
図2に示すように、バッファ経路93は、第2往路91と第2復路92とをピッキング箇所P以外の箇所で接続している。バッファ経路93は、第2復路92から分岐部94において分岐し、且つ、合流部95において第2往路91に合流するように形成される。そのため、バッファ経路93を利用することで、ピッキング箇所Pから搬出された出荷用支持体50を、第2経路90の終点まで搬送することなく、ピッキング箇所P(搬出元のピッキング箇所P)に再度搬入することができ、これにより、同じ出荷用支持体50に同じピッキング箇所Pを繰り返し経由させることが可能となっている。
図2に示すように、ピッキング設備1は、出荷用支持体50を一時的に保管する保管部31を備えている。ピッキング設備1は、複数の保管部31を備えている。そして、図2に概念的に示すように、バッファ経路93は、複数の保管部31を経由する経路を含んでいる。複数の保管部31は、合わせてN個の出荷用支持体50を保管可能に構成される。図2に示す例では、ピッキング設備1は、5個の出荷用支持体50を保管可能な保管部31を、4つ備えている。そのため、図2に示す例では、“N”は20である。そして、これら4つの保管部31を経由する経路がバッファ経路93に含まれている。なお、保管部31における出荷用支持体50のそれぞれの保管位置は、制御装置3によって管理される。
第2搬送装置20は、第2搬入装置21及び第2搬出装置22のそれぞれと複数の保管部31のそれぞれとの間で出荷用支持体50を搬送する中継搬送装置24を備えている。第2搬出装置22によってピッキング箇所Pから搬出された出荷用支持体50を保管部31に保管する場合には、中継搬送装置24は、当該出荷用支持体50を第2搬出装置22(ここでは、後述する上流側搬出装置22a)から保管部31に搬送する。また、保管部31に保管されている出荷用支持体50をピッキング箇所Pに搬入する場合には、中継搬送装置24は、当該出荷用支持体50を保管部31から第2搬入装置21(ここでは、後述する下流側搬入装置21b)に搬送する。なお、保管部31に保管されている出荷用支持体50を出荷場に搬送することもでき、この場合、中継搬送装置24は、当該出荷用支持体50を保管部31から第2搬出装置22(ここでは、後述する下流側搬出装置22b)に搬送する。また、支持体供給装置から供給された空の出荷用支持体50を保管部31に保管することもでき、この場合、中継搬送装置24は、当該出荷用支持体50を第2搬入装置21(ここでは、上流側搬入装置21a)から保管部31に搬送する。
図2に示すように、本実施形態では、複数の保管部31は、上下方向Vの複数の位置に分かれて配置されている。図2に示す例では、保管部31が配置される高さ(上下方向Vの位置)として、高い側から順に、第1高さ、第2高さ、及び第3高さの3つの高さが設定され、1つの保管部31が第1高さに配置され、2つの保管部31が第2高さに配置され、1つの保管部31が第3高さに配置されている。このように、ピッキング設備1は、保管部31が上下方向Vに複数段形成されてN個の出荷用支持体50を一時的に保管する保管装置30を備えている。そして、中継搬送装置24は、第2搬入装置21及び第2搬出装置22のそれぞれと複数段の保管部31のそれぞれとの間で出荷用支持体50を搬送するように構成されており、バッファ経路93は、複数段の保管部31及び中継搬送装置24により形成される経路を含んでいる。
本実施形態では、中継搬送装置24は、出荷用支持体50を上下方向Vに搬送するリフタである。中継搬送装置24は、出荷用支持体50を支持する昇降体24aと、昇降体24aを案内するマスト24bと、を備えている。昇降体24aが、マスト24bに案内されて上下方向Vに移動することで、昇降体24aに支持された出荷用支持体50が上下方向Vに搬送される。そして、昇降体24aが移載対象箇所に対応する高さに位置する状態で、昇降体24aと移載対象箇所との間で出荷用支持体50が移載される。移載対象箇所には、第2搬入装置21(ここでは、後述する上流側搬入装置21a及び下流側搬入装置21b)、第2搬出装置22(ここでは、後述する上流側搬出装置22a及び下流側搬出装置22b)、及び複数の保管部31が含まれる。昇降体24aには、移載対象箇所に対して出荷用支持体50を移載するための移載装置(例えば、ベルトコンベヤやローラコンベヤ等のコンベヤ)が設けられている。
本実施形態では、保管部31は、複数の出荷用支持体50(ここでは、5つの出荷用支持体50)を第1水平方向H1に一列に並べて保管するように構成されている。そして、中継搬送装置24は、保管部31に対して第1水平方向H1の一方側から出荷用支持体50を移載するように構成されている。よって、出荷用支持体50は、先入れ後出し方式で保管部31に保管される。なお、図2に示す例では、保管部31は、出荷用支持体50を第1水平方向H1の両側に移動させるためのコンベヤ(本例ではローラコンベヤ)を備えている。保管部31は、中継搬送装置24から移載された出荷用支持体50を、当該コンベヤによって中継搬送装置24から離れる側に移動させることで、複数の出荷用支持体50(ここでは、5つの出荷用支持体50)を中継搬送装置24から受け入れる。なお、中継搬送装置24から離れる側に移動された出荷用支持体50は、当該出荷用支持体50を中継搬送装置24に移載する場合には、保管部31が備えるコンベヤによって、中継搬送装置24に向かう側に移動される。保管部31が備えるコンベヤの作動は、制御装置3によって制御される。
図2に示す例では、第2搬入装置21は、中継搬送装置24の配設箇所において分断され、第2搬出装置22は、中継搬送装置24の配設箇所において分断されている。具体的には、第2搬入装置21は、中継搬送装置24に対して上流側(ピッキング箇所Pから離れる側)に配置される上流側搬入装置21aと、中継搬送装置24に対して下流側(ピッキング箇所Pに向かう側)に配置される下流側搬入装置21bと、を備えている。また、第2搬出装置22は、中継搬送装置24に対して上流側(ピッキング箇所Pに向かう側)に配置される上流側搬出装置22aと、中継搬送装置24に対して下流側(ピッキング箇所Pから離れる側)に配置される下流側搬出装置22bと、を備えている。そして、上流側搬入装置21aと下流側搬入装置21bとの間での出荷用支持体50の搬送は中継搬送装置24を介して行われ、上流側搬出装置22aと下流側搬出装置22bとの間での出荷用支持体50の搬送は中継搬送装置24を介して行われる。
本実施形態では、保管装置30が備える複数の保管部31は、第2搬送装置20に対して上側に、平面視で第2搬送装置20と重複するように配置されている。具体的には、中継搬送装置24に対してピッキング箇所P側に配置される保管部31(ここでは、1つの保管部31)は、下流側搬入装置21b及び上流側搬出装置22aに対して上側に、平面視で下流側搬入装置21b及び上流側搬出装置22aと重複するように配置されている。また、中継搬送装置24に対してピッキング箇所P側とは反対側に配置される保管部31(ここでは、3つの保管部31)は、上流側搬入装置21a及び下流側搬出装置22bに対して上側に、平面視で上流側搬入装置21a及び下流側搬出装置22bと重複するように配置されている。また、中継搬送装置24に対して第1水平方向H1の同じ側に配置される複数の保管部31(ここでは、中継搬送装置24に対してピッキング箇所P側とは反対側に配置される3つの保管部31)は、平面視で互いに重複するように配置されている。
中継搬送装置24は、保管部31からの出荷用支持体50の取り出しを、複数の保管部31に対して互いに独立に行うことが可能に構成されている。これにより、図2に概念的に示すように、保管部31と同数(ここでは、4つ)に分岐するバッファ経路93を形成することでき、これにより、保管装置30に保管されている複数の出荷用支持体50のうちの一部の出荷用支持体50のみを、ピッキング箇所Pに搬送するために保管装置30から取り出すことが容易となっている。具体的には、後述するアソートモードにおいて取出元支持体40がピッキング箇所Pに搬入される度に分配処理を行う場合に、保管装置30に保管されている複数の出荷用支持体50のうちの各分配処理でピッキング作業の対象となる出荷用支持体50のみをピッキング箇所Pを経由するように搬送することが容易となっている。
このピッキング設備1では、第2経路90に含まれるバッファ経路93を利用することで、1つの出荷用支持体50に割り当てられたオーダーの中に複数種類の物品Wが含まれている場合に、オーダーピックモードだけでなくアソートモードによっても、オーダーで指定された種類及び数量の物品Wが出荷用支持体50に支持された状態となるようにピッキング作業を行うことが可能となっている。そして、出荷用支持体50の出荷先が店舗である場合には、出荷用支持体50の出荷先が個人である場合に比べて、互いに異なる出荷用支持体50に割り当てられる複数のオーダーの中に、同じ種類の物品Wが含まれやすく、このような場合にアソートモードによってピッキング作業を行うことで、同じ取出元支持体40が自動倉庫4とピッキング箇所Pとの間で搬送される頻度を少なく抑えて、ピッキング設備1全体の処理効率の向上を図ることができる。
ここで、オーダーピックモードは、出荷用支持体50がピッキング箇所Pにある状態で、複数の取出元支持体40に順次ピッキング箇所Pを経由させ、取出元支持体40がピッキング箇所Pに搬入される度にピッキング作業を行うことで、オーダーで指定された種類及び数量の物品Wを当該出荷用支持体50に支持させるモードである。オーダーで指定された種類及び数量の物品Wが全て支持された状態になった出荷用支持体50は、第2搬出装置22によって出荷場に搬送される。
また、取出元支持体40がピッキング箇所Pにある状態で、複数の出荷用支持体50に順次ピッキング箇所Pを経由させ、出荷用支持体50がピッキング箇所Pに搬入される度に、当該ピッキング箇所Pにある取出元支持体40からのピッキング作業を行う処理を分配処理として、アソートモードは、複数の取出元支持体40に順次ピッキング箇所Pを経由させ、取出元支持体40がピッキング箇所Pに搬入される度に分配処理を行うことで、複数の出荷用支持体50のそれぞれに、オーダーで指定された種類及び数量の物品Wを支持させるモードである。オーダーで指定された種類及び数量の物品Wが全て支持された状態になった出荷用支持体50は、第2搬出装置22によって出荷場に搬送される。
制御装置3は、アソートモードにおいて、ピッキング箇所Pにある出荷用支持体50に対するピッキング作業が終了する度に、当該出荷用支持体50をピッキング箇所Pから搬出すると共に別の出荷用支持体50をピッキング箇所Pに搬入することで、複数の出荷用支持体50に順次ピッキング箇所Pを経由させる。また、制御装置3は、オーダーピックモードやアソートモードにおいて、ピッキング箇所Pにある取出元支持体40に対するピッキング作業が終了する度に、当該取出元支持体40をピッキング箇所Pから搬出すると共に別の取出元支持体40をピッキング箇所Pに搬入することで、複数の取出元支持体40に順次ピッキング箇所Pを経由させる。制御装置3は、ピッキング箇所Pにある取出元支持体40に対するピッキング作業が終了したか否かの判定や、ピッキング箇所Pにある出荷用支持体50に対するピッキング作業が終了したか否かの判定を、例えば、作業者2による操作(例えば、モニタ5の表示画面に対する操作)に基づき行う。
以下、図4に示す具体例を参照して、アソートモードについて説明する。図4において、物品(a)、物品(b)、及び物品(c)は、互いに異なる種類の物品Wであり、第1取出元支持体41は、物品(a)を支持する取出元支持体40であり、第2取出元支持体42は、物品(b)を支持する取出元支持体40であり、第3取出元支持体43は、物品(c)を支持する取出元支持体40である。そして、図4では、第1取出元支持体41、第2取出元支持体42、及び第3取出元支持体43を、記載の順にピッキング箇所Pを経由させる状況を想定しており、図4は、第2取出元支持体42がピッキング箇所Pにある状態で分配処理が行われる場面を示している。すなわち、図4に示す場面では、第1取出元支持体41がピッキング箇所Pにある状態での分配処理は終了している。
そして、図4では、第1出荷用支持体51、第2出荷用支持体52、第3出荷用支持体53、第4出荷用支持体54、及び第5出荷用支持体55の、5つの出荷用支持体50を、記載の順にピッキング箇所Pを経由させる状況を想定している。なお、これら5つの出荷用支持体50は、いずれも、物品(b)がオーダーに含まれている出荷用支持体50である。図4の上段は、第2出荷用支持体52がピッキング箇所Pにある状態で、オーダーで指定された数量の物品(b)(ここでは、1つの物品(b))を、第2取出元支持体42から第2出荷用支持体52へ移動させるピッキング作業が行われる場面を示している。また、図4の中段は、図4の上段よりも後の場面であって、第3出荷用支持体53がピッキング箇所Pにある状態で、オーダーで指定された数量の物品(b)(ここでは、1つの物品(b))を、第2取出元支持体42から第3出荷用支持体53へ移動させるピッキング作業が行われる場面を示している。また、図4の下段は、図4の中段よりも後の場面であって、第4出荷用支持体54がピッキング箇所Pにある状態で、オーダーで指定された数量の物品(b)(ここでは、2つの物品(b))を、第2取出元支持体42から第4出荷用支持体54へ移動させるピッキング作業が行われる場面を示している。
図4から明らかなように、取出元支持体40がピッキング箇所Pにある状態で、当該取出元支持体40が支持している種類の物品Wがオーダーに含まれている複数の出荷用支持体50を用いて分配処理を行うことで、ピッキング箇所Pにある取出元支持体40に支持されている物品Wを、これらの複数の出荷用支持体50に分配することができる。すなわち、複数の出荷用支持体50に順次ピッキング箇所Pを経由させ、出荷用支持体50がピッキング箇所Pに搬入される度にピッキング作業を行って、オーダー(当該出荷用支持体50に割り当てられたオーダー)で指定された数量の物品Wを出荷用支持体50へ移動させることで、ピッキング箇所Pにある取出元支持体40に支持されている物品Wを、これらの複数の出荷用支持体50に分配することができる。
そして、アソートモードでまとめてピッキング作業が行われる複数の出荷用支持体50(例えば、N個の出荷用支持体50)について、当該複数の出荷用支持体50に割り当てられた複数のオーダーに含まれる種類(物品Wの種類)の群(組み合わせ)を対象種類群として、対象種類群を構成する全ての種類に対応する複数の取出元支持体40(すなわち、それぞれが支持している物品Wの種類の群が対象種類群となる複数の取出元支持体40)に順次ピッキング箇所Pを経由させて、取出元支持体40がピッキング箇所Pに搬入される度に分配処理を行うことで、複数の出荷用支持体50のそれぞれに、オーダーで指定された種類及び数量の物品Wが全て支持された状態とすることができる。なお、対象種類群は、上記複数のオーダーのうちの少なくともいずれかのオーダーに含まれる種類の群である。複数の出荷用支持体50に分配される同じ種類の物品Wが、複数の取出元支持体40に分散して支持されている場合には、これら複数の取出元支持体40に順次ピッキング箇所Pを経由させて分配処理を行うとよい。すなわち、同じ種類の物品Wを支持する複数の取出元支持体40の群を1つの取出元支持体40とみなして、当該種類の物品Wを分配対象とする分配処理を行うとよい。
次に、図5に示す具体例を参照して、オーダーピックモードについて説明する。図5において、物品(d)、物品(e)、物品(f)、物品(g)、及び物品(h)は、互いに異なる種類の物品Wであり、第4取出元支持体44は、物品(d)を支持する取出元支持体40であり、第5取出元支持体45は、物品(e)を支持する取出元支持体40であり、第6取出元支持体46は、物品(f)を支持する取出元支持体40であり、第7取出元支持体47は、物品(g)を支持する取出元支持体40であり、第8取出元支持体48は、物品(h)を支持する取出元支持体40である。そして、図5では、第6出荷用支持体56、第7出荷用支持体57、及び第8出荷用支持体58の3つの出荷用支持体50に対して、記載の順にオーダーピックモードでのピッキング作業が行われる状況を想定しており、図5は、第7出荷用支持体57に対するオーダーピックモードでのピッキング作業が行われる場面を示している。すなわち、図5に示す場面では、第6出荷用支持体56に対するオーダーピックモードでのピッキング作業は終了しており、第6出荷用支持体56は、オーダーで指定された種類及び数量の物品Wが全て支持された状態となっている。
そして、図5では、第4取出元支持体44、第5取出元支持体45、第6取出元支持体46、第7取出元支持体47、及び第8取出元支持体48の、5つの取出元支持体40を、記載の順にピッキング箇所Pを経由させる状況を想定している。なお、これらの5つの取出元支持体40は、いずれも、オーダー(第7出荷用支持体57に割り当てられたオーダー)で指定された種類の物品Wを支持している取出元支持体40である。図5の上段は、第5取出元支持体45がピッキング箇所Pにある状態で、オーダーで指定された数量の物品(e)(ここでは、1つの物品(e))を、第5取出元支持体45から第7出荷用支持体57へ移動させるピッキング作業が行われる場面を示している。また、図5の中段は、図5の上段よりも後の場面であって、第6取出元支持体46がピッキング箇所Pにある状態で、オーダーで指定された数量の物品(f)(ここでは、1つの物品(f))を、第6取出元支持体46から第7出荷用支持体57へ移動させるピッキング作業が行われる場面を示している。また、図5の下段は、図5の中段よりも後の場面であって、第7取出元支持体47がピッキング箇所Pにある状態で、オーダーで指定された数量の物品(g)(ここでは、1つの物品(g))を、第7取出元支持体47から第7出荷用支持体57へ移動させるピッキング作業が行われる場面を示している。
図5から明らかなように、ピッキング箇所Pにある出荷用支持体50に割り当てられたオーダーに含まれる種類の群を対象種類群として、対象種類群を構成する全ての種類に対応する複数の取出元支持体40に順次ピッキング箇所Pを経由させ、取出元支持体40がピッキング箇所Pに搬入される度にピッキング作業を行って、オーダーで指定された数量の物品Wを出荷用支持体50へ移動させることで、ピッキング箇所Pにある出荷用支持体50に、オーダーで指定された種類及び数量の物品Wが全て支持された状態とすることができる。
ところで、アソートモードにおいて分配処理を行う場合に、今回の分配処理ではピッキング作業の対象とはならない出荷用支持体50を、保管部31から取り出して別の保管部31に移動させなければ、今回の分配処理でピッキング作業の対象となる出荷用支持体50を保管部31から取り出せないような状況は、処理効率の観点からできるだけ回避できることが望ましい。この点に関して、本実施形態では、アソートモードでのピッキング作業を行う場合に、制御装置3が以下に述べる保管部搬送制御を実行することで、処理効率の向上を図っている。
ここで、ピッキング箇所Pにおいて取出元支持体40に支持されている種類の物品Wを第1対象物品とし、ピッキング箇所Pに次に搬入される予定の取出元支持体40に支持されている種類の物品Wを第2対象物品とする。例えば、図4に示す状況では、物品(b)が第1対象物品であり、物品(c)が第2対象物品である。なお、上述したように、同じ種類の物品Wを支持する複数の取出元支持体40の群を1つの取出元支持体40とみなして、当該種類の物品Wを分配対象とする分配処理を行う場合がある。ピッキング箇所Pにある取出元支持体40が、このような複数の取出元支持体40の群を構成する場合には、「ピッキング箇所Pに次に搬入される予定の取出元支持体40」は、1つの取出元支持体40とみなされる複数の取出元支持体40の群の次にピッキング箇所Pに搬入される予定の取出元支持体40を意味する。
制御装置3は、第1対象物品を分配対象とする分配処理を行う場合に、第2搬送装置20を制御して、N個の出荷用支持体50のうち、第1対象物品がオーダーに含まれている出荷用支持体50に順次ピッキング箇所Pを経由させる対象搬送制御を実行する。対象搬送制御では、第1対象物品がオーダーに含まれている出荷用支持体50に順次ピッキング箇所Pを経由させ、出荷用支持体50がピッキング箇所Pに搬入される度にピッキング作業を行って、オーダー(当該出荷用支持体50に割り当てられたオーダー)で指定された数量の第1対象物品を出荷用支持体50へ移動させることで、第1対象物品をこれらの複数の出荷用支持体50に分配する。なお、ここでは、アソートモードにおいてN個の出荷用支持体50をまとめてピッキング作業を行う場合を想定している。
制御装置3は、対象搬送制御の実行後、オーダーで指定された種類及び数量の物品Wが全て支持された状態に未だなっていない出荷用支持体50を、ピッキング箇所Pから複数の保管部31の何れかに搬送する保管部搬送制御を実行する。オーダーで指定された種類及び数量の物品Wが全て支持された状態になった出荷用支持体50は、保管部31に搬送されずに、第2搬送装置20(具体的には、第2搬出装置22)によって出荷場に搬送される。なお、保管部搬送制御において、オーダーで指定された種類及び数量の物品Wが全て支持された状態になった出荷用支持体50も複数の保管部31の何れかに搬送し、アソートモードでまとめてピッキング作業が行われる複数の出荷用支持体50(ここでは、N個の出荷用支持体50)の全てが、オーダーで指定された種類及び数量の物品Wが全て支持された状態となった後、これらの複数の出荷用支持体50を第2搬送装置20(具体的には、第2搬出装置22)によって出荷場に搬送してもよい。
そして、制御装置3は、保管部搬送制御において、N個の出荷用支持体50のうち、第2対象物品がオーダーに含まれていない出荷用支持体50を、複数の保管部31のうちの一部である対象保管部32に搬送する。これにより、第2対象物品がオーダーに含まれていない出荷用支持体50(すなわち、第2対象物品の分配対象とはならない出荷用支持体50)が一部の保管部に集められた状態で、第2対象物品がオーダーに含まれている出荷用支持体50に順次ピッキング箇所を経由させる制御(すなわち、図4に示す状況では、物品(c)が第1対象物品となる対象搬送制御)を実行することができる。これにより、今回の分配処理ではピッキング作業の対象とはならない出荷用支持体50を、保管部31から取り出して別の保管部31に移動させなければ、今回の分配処理でピッキング作業の対象となる出荷用支持体50を保管部31から取り出せないような状況を回避しやすくして、処理効率の向上を図ることが可能となっている。なお、図2では、1つの保管部31が対象保管部32として用いられる状況を例示している。
第2対象物品がオーダーに含まれない出荷用支持体50の数が、その都度変化し得ることを考慮して、制御装置3が、第2対象物品がオーダーに含まれていない出荷用支持体50の数に応じて対象保管部32を決定する構成とすると好適である。例えば、対象保管部32による出荷用支持体50の保管可能数の合計が、第2対象物品がオーダーに含まれていない出荷用支持体50の数以上となり、且つ、非対象保管部(対象保管部32として用いられない保管部31)による出荷用支持体50の保管可能数が、第2対象物品がオーダーに含まれている出荷用支持体50の数以上となるように、対象保管部32として用いる保管部31の数を制御装置3が決定する構成とすることができる。なお、1つの保管部31の一部を対象保管部32として用い、当該保管部31の残りの部分を非対象保管部として用いてもよい。すなわち、1つの保管部31を、対象保管部32と非対象保管部とに分割(管理上分割)してもよい。この場合、例えば、対象保管部32に相当する部分に保管されている出荷用支持体50を取り出すことなく、非対象保管部に相当する部分に保管されている出荷用支持体50を取り出すことができるように、1つの保管部31を対象保管部32と非対象保管部とに分割すると好適である。
このように、制御装置3は、対象搬送制御と保管部搬送制御とを実行する。すなわち、ピッキング設備1において出荷用支持体50を搬送する搬送方法は、対象搬送工程と保管部搬送工程とを含む。対象搬送工程は、制御装置3が対象搬送制御を実行する工程であり、保管部搬送工程は、制御装置3が保管部搬送制御を実行する工程である。すなわち、対象搬送工程は、第2搬送装置20を制御して、N個の出荷用支持体50のうち、第1対象物品がオーダーに含まれている出荷用支持体50に順次ピッキング箇所Pを経由させる工程である。また、保管部搬送工程は、対象搬送工程の実行後、オーダーで指定された種類及び数量の物品が全て支持された状態に未だなっていない出荷用支持体50を、ピッキング箇所Pから複数の保管部31の何れかに搬送する工程である。そして、保管部搬送工程では、N個の出荷用支持体50のうち、第2対象物品がオーダーに含まれていない出荷用支持体50を、複数の保管部31のうちの一部である対象保管部32に搬送する。
複数の出荷用支持体50(例えば、N個の出荷用支持体50)に割り当てられた複数のオーダーの中に、同じ種類の物品Wが含まれる場合には、オーダーピックモードでオーダー毎(すなわち、出荷用支持体50毎)にピッキング作業を行うのではなく、アソートモードで複数のオーダーをまとめて(すなわち、複数の出荷用支持体50をまとめて)ピッキング作業を行った方が、ピッキング設備1の全体の処理効率を向上できる場合がある。例えば、複数の出荷用支持体50の出荷先が、チェーン店を構成する複数の店舗である場合には、一般に、オーダーピックモードではなくアソートモードでピッキング作業を行った方が、処理効率の向上を図りやすい。
一方、複数の出荷用支持体50の出荷先が、通信販売での複数の商品購入者である場合には、購入される商品(物品W)の種類は多岐にわたりやすいため、一般に、アソートモードではなくオーダーピックモードでピッキング作業を行った方が、処理効率の向上を図りやすく、また、出荷リードタイムの短縮も図りやすい。なお、複数の出荷用支持体50の出荷先が、このように通信販売での複数の商品購入者である場合であっても、特定の商品の安売り時においては当該商品を購入する者の割合が増加することで、オーダーピックモードではなくアソートモードでピッキング作業を行った方が、処理効率の向上を図ることが可能となる場合もある。
このように、アソートモードとオーダーピックモードとのいずれが処理効率の向上の観点から好ましいかは、オーダーの内容や出荷先の種別(例えば、店舗であるか個人であるか)等のその時の状況に応じて変化し得る。そのため、このピッキング設備1では、1つのピッキング箇所Pで行われるピッキング作業を、その時の状況に応じて、アソートモードでのピッキング作業とオーダーピックモードでのピッキング作業とに切り替えて設定するように構成されている。上述したように、ピッキング設備1には、複数のピッキング箇所Pが設けられており、このピッキング設備1では、ピッキング箇所Pのそれぞれで行われるピッキング作業を、その時の状況に応じて、アソートモードでのピッキング作業とオーダーピックモードでのピッキング作業とに切り替えて設定するように構成されている。
なお、1つのピッキング箇所Pで行われるピッキング作業が、アソートモードでのピッキング作業とオーダーピックモードでのピッキング作業とのいずれかにのみ設定される構成とすることもできる。また、ピッキング箇所Pで行われるピッキング作業のモードに、アソートモード及びオーダーピックモードに加えて、トータルピックモードを含め、1つのピッキング箇所Pで行われるピッキング作業を、その時の状況に応じて、アソートモードでのピッキング作業とオーダーピックモードでのピッキング作業とトータルピックモードでのピッキング作業とに切り替えて設定するように構成してもよい。なお、トータルピックモードでは、取出元支持体40からまとめて取り出された物品Wを複数の出荷用支持体50に分配する作業(仕分け作業)を、ピッキング箇所Pでのピッキング作業後に別途行うことになる。
〔その他の実施形態〕
次に、ピッキング設備のその他の実施形態について説明する。
(1)上記の実施形態では、制御装置3が、第2対象物品がオーダーに含まれていない出荷用支持体50の数に応じて対象保管部32を決定する構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、複数の保管部31のうちの一部の保管部31を、常に対象保管部32として用いる構成としてもよい。
(2)上記の実施形態では、上流側搬入装置21aと下流側搬入装置21bとが同じ高さに配置される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、上流側搬入装置21aと下流側搬入装置21bとが互いに異なる高さに配置される構成とすることもできる。また、上記の実施形態では、上流側搬出装置22aと下流側搬出装置22bとが同じ高さに配置される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、上流側搬出装置22aと下流側搬出装置22bとが互いに異なる高さに配置される構成とすることもできる。
(3)上記の実施形態では、上流側搬入装置21aが、中継搬送装置24に対してピッキング箇所P側とは反対側に配置される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、上流側搬入装置21aが、下流側搬入装置21bと同様に、中継搬送装置24に対してピッキング箇所P側に配置される構成とすることもできる。この場合、例えば、上流側搬入装置21aを、下流側搬入装置21bとは異なる高さに、平面視で下流側搬入装置21bと重複するように配置し、上流側搬入装置21aが、下流側搬入装置21bによる出荷用支持体50の搬送方向とは反対方向に出荷用支持体50を搬送する構成とすることができる。
また、上記の実施形態では、下流側搬出装置22bが、中継搬送装置24に対してピッキング箇所P側とは反対側に配置される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、下流側搬出装置22bが、上流側搬出装置22aと同様に、中継搬送装置24に対してピッキング箇所P側に配置される構成とすることもできる。この場合、例えば、下流側搬出装置22bを、上流側搬出装置22aとは異なる高さに、平面視で上流側搬出装置22aと重複するように配置し、下流側搬出装置22bが、上流側搬出装置22aによる出荷用支持体50の搬送方向とは反対方向に出荷用支持体50を搬送する構成とすることができる。
(4)上記の実施形態では、出荷用支持体50が、先入れ後出し方式で保管部31に保管される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、出荷用支持体50が先入れ先出し方式で保管部31に保管されるように保管部31及び中継搬送装置24を構成し、或いは、保管部31から任意の出荷用支持体50を取り出すことができるように保管部31及び中継搬送装置24を構成してもよい。
(5)上記の実施形態では、ピッキング設備1が、保管部31が上下方向Vに複数段形成されてN個の出荷用支持体50を一時的に保管する保管装置30を備える構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、例えば、保管装置30が備える全ての保管部31が、同じ高さにおいて水平方向に並べて配置される構成とすることもできる。
(6)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明したピッキング設備の概要について説明する。
オーダーで指定された種類及び数量の物品が支持された出荷用支持体を、出荷するためのピッキング設備であって、前記オーダーで指定された種類の物品を支持している取出元支持体から前記出荷用支持体へ物品を移動させるピッキング作業が行われる箇所を、ピッキング箇所として、前記ピッキング箇所を経由する第1経路に沿って前記取出元支持体を搬送する第1搬送装置と、前記ピッキング箇所を経由する第2経路に沿って前記出荷用支持体を搬送する第2搬送装置と、を備え、前記第1経路には、前記取出元支持体を前記ピッキング箇所へ向かう方向に搬送する往路と、前記取出元支持体を前記ピッキング箇所から離れる方向に搬送する復路とが含まれ、前記第2経路には、N個(Nは2以上の自然数)の前記出荷用支持体に繰り返し前記ピッキング箇所を経由させるためのバッファ経路が含まれている。
この構成によれば、第2経路に含まれるバッファ経路を利用することで、N個の出荷用支持体をピッキング箇所に繰り返し搬送することができる。そのため、1つの出荷用支持体に割り当てられたオーダーの中に複数種類の物品が含まれている場合に、オーダーピックモードだけでなくアソートモードによっても、オーダーで指定された種類及び数量の物品が出荷用支持体に支持された状態となるようにピッキング作業を行うことができる。
ここで、オーダーピックモードは、出荷用支持体がピッキング箇所にある状態で、複数の取出元支持体に順次ピッキング箇所を経由させ、取出元支持体がピッキング箇所に搬入される度にピッキング作業を行うことで、オーダーで指定された種類及び数量の物品を当該出荷用支持体に支持させるモードである。また、取出元支持体がピッキング箇所にある状態で、複数の出荷用支持体に順次ピッキング箇所を経由させ、出荷用支持体がピッキング箇所に搬入される度に、当該ピッキング箇所にある取出元支持体からのピッキング作業を行う処理を分配処理として、アソートモードは、複数の取出元支持体に順次ピッキング箇所を経由させ、取出元支持体がピッキング箇所に搬入される度に分配処理を行うことで、複数の出荷用支持体のそれぞれに、オーダーで指定された種類及び数量の物品を支持させるモードである。本構成によれば、第2経路にバッファ経路が含まれるため、このように取出元支持体がピッキング箇所に搬入される度に分配処理を行うことが可能となっている。
ピッキング箇所において取出元支持体に支持されている種類の物品がオーダーに含まれている出荷用支持体を、対象出荷用支持体として、アソートモードでは、ピッキング箇所にある取出元支持体から全ての対象出荷用支持体に物品が移動された後、当該取出元支持体がピッキング箇所から搬出される。そのため、互いに異なる出荷用支持体に割り当てられた複数のオーダーの中に、同じ種類の物品が含まれる場合には、アソートモードによってピッキング作業を行うことで、同じ取出元支持体が、取出元支持体を保管する保管部とピッキング箇所との間で搬送される頻度を少なく抑えて、ピッキング設備全体の処理効率の向上を図ることができる。なお、アソートモードでは、1つの取出元支持体から複数の出荷用支持体へのピッキング作業をまとめて行いつつ、取出元支持体から取り出した物品を複数の出荷用支持体に分配することができる。よって、取出元支持体からまとめて取り出された物品を複数の出荷用支持体に分配する作業(仕分け作業)を、ピッキング作業後に別途行う必要がなく、この点からも、ピッキング設備全体の処理効率の向上を図ることが可能となっている。
ここで、保管部が上下方向に複数段形成されてN個の前記出荷用支持体を一時的に保管する保管装置を備え、前記第2搬送装置は、前記ピッキング箇所に前記出荷用支持体を搬入する搬入装置と、前記ピッキング箇所から前記出荷用支持体を搬出する搬出装置と、前記搬入装置及び前記搬出装置のそれぞれと複数段の前記保管部のそれぞれとの間で前記出荷用支持体を搬送する中継搬送装置と、を備え、前記バッファ経路は、複数段の前記保管部及び前記中継搬送装置により形成される経路を含むと好適である。
この構成によれば、複数段の保管部を平面視(上下方向に沿う方向視)で重複するように配置することができるため、保管装置の設置面積を小さく抑えつつ、保管装置において保管可能な出荷用支持体の数を適切に確保しやすい。
また、上記の構成によれば、バッファ経路に、複数段の保管部により形成される経路が含まれるため、保管部からの出荷用支持体の取り出しを、複数段の保管部に対して互いに独立に行うことが可能なように保管装置及び中継搬送装置を構成することで、複数に分岐するバッファ経路を形成することができる。これにより、保管装置に保管されている複数の出荷用支持体のうちの一部の出荷用支持体のみを、ピッキング箇所に搬送するために保管装置から取り出すことが容易となる。よって、アソートモードにおいて取出元支持体がピッキング箇所に搬入される度に分配処理を行う場合に、保管装置に保管されている複数の出荷用支持体のうちの各分配処理でピッキング作業の対象となる出荷用支持体のみをピッキング箇所を経由するように搬送することが容易となり、ピッキング設備全体の処理効率のより一層の向上を図ることができる。
また、前記出荷用支持体を一時的に保管する複数の保管部と、前記第1搬送装置及び前記第2搬送装置の作動を制御する制御装置と、を備え、前記バッファ経路は、複数の前記保管部を経由する経路を含み、前記ピッキング箇所において前記取出元支持体に支持されている種類の物品を第1対象物品とし、前記ピッキング箇所に次に搬入される予定の前記取出元支持体に支持されている種類の物品を第2対象物品として、前記制御装置は、前記第2搬送装置を制御して、N個の前記出荷用支持体のうち、前記第1対象物品が前記オーダーに含まれている前記出荷用支持体に順次前記ピッキング箇所を経由させる対象搬送制御を実行し、前記制御装置は、前記対象搬送制御の実行後、前記オーダーで指定された種類及び数量の物品が全て支持された状態に未だなっていない前記出荷用支持体を、前記ピッキング箇所から複数の前記保管部の何れかに搬送する保管部搬送制御を実行すると共に、前記保管部搬送制御において、N個の前記出荷用支持体のうち、前記第2対象物品が前記オーダーに含まれていない前記出荷用支持体を、複数の前記保管部のうちの一部である対象保管部に搬送すると好適である。
この構成によれば、バッファ経路が、複数の保管部を経由する経路を含むため、保管部からの出荷用支持体の取り出しを、複数の保管部に対して互いに独立に行うことが可能なように当該複数の保管部及び第2搬送装置を構成することで、複数の保管部に保管されている複数の出荷用支持体のうちの一部の出荷用支持体のみを、ピッキング箇所に搬送するために保管部から取り出すことが容易となる。これにより、制御装置が対象搬送制御を実行する場合に、N個の出荷用支持体のうちの第1対象物品がオーダーに含まれている出荷用支持体のみを、ピッキング箇所を経由するように搬送することが容易となる。
そして、上記の構成では、対象搬送制御の実行後に実行される保管部搬送制御において、第2対象物品がオーダーに含まれていない出荷用支持体が、複数の保管部のうちの一部である対象保管部に搬送される。よって、第2対象物品がオーダーに含まれていない出荷用支持体(すなわち、今回は保管部からの取り出し対象とはならない出荷用支持体)が一部の保管部に集められた状態で、第2対象物品がオーダーに含まれている出荷用支持体に順次ピッキング箇所を経由させる制御を実行することができ、この結果、第2対象物品がオーダーに含まれている出荷用支持体のみを保管部から取り出してピッキング箇所を経由させることが容易となっている。従って、ピッキング設備全体の処理効率のより一層の向上を図ることができる。
上記のように、前記制御装置が、前記保管部搬送制御において、N個の前記出荷用支持体のうち、前記第2対象物品が前記オーダーに含まれていない前記出荷用支持体を、前記対象保管部に搬送する構成において、前記制御装置は、前記第2対象物品が前記オーダーに含まれていない前記出荷用支持体の数に応じて前記対象保管部を決定すると好適である。
この構成によれば、第2対象物品がオーダーに含まれない出荷用支持体の数が、その都度変化し得ることを考慮して、対象保管部による出荷用支持体の保管可能数を適切に決定することができる。
本開示に係るピッキング設備は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができればよい。