〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。本実施形態では、制御装置を備えた通信機器として、電話機を用いている。図1は、実施形態1に係る電話機100の要部構成の一例を示すブロック図である。図2は、図1に示す電話機100の外観の一例を示す図である。
(電話機100の概要)
図2に示すように、本実施形態に係る電話機100は、受話子機110、操作部3、音声出力部4、点灯部5および表示部6を備えている。
受話子機110は、ユーザが音声を電話機100に入力したり、電話機100が出力する音声を聴取したりするものである。すなわち、受話子機110は、電話機100(親機)の受話器としての機能を備えた子機である。受話器としての機能および子機としての機能を実現するために、受話子機110は、レシーバ、マイク、操作部、表示部(いずれも不図示)などを備えている。受話子機110は、電話機100(親機)と無線通信することにより、親機が受信した音声信号を取得し、例えばレシーバから音声を出力する。
なお、電話機100は、受話子機110に代えて、子機としての機能を備えない受話器を備えていてもよい。該受話器は、電話機100と有線で接続されることにより、レシーバから音声を出力してもよい。また、電話機100は、受話子機110の他の子機を有していてもよい。該子機は、例えば電話機100とは別の場所に設置され、電話機100と無線通信することにより、着信音を出力したり、親機が受信した音声信号を取得し、レシーバから音声を出力したりする。
操作部3は、ユーザの入力操作を受け付ける。操作部3は、一例として、ハードウェアキーで構成される。操作部3は、例えば、テンキー、シャープキー、アスタリスクキーなどの各種キーと、電話機100が有する機能(換言すれば、電話機100が実行する処理)が対応付けられているボタンを含む。ボタンの一例として、図2に示すボタン301がある。ボタン301をユーザが押下した場合に、電話機100が実行する機能については後述する。
音声出力部4は、種々の音声を出力する。音声出力部4は一例として、スピーカとして実現される。音声出力部4は、例えば、着信したことをユーザに報知する着信音や、ユーザに対する案内の音声などを出力する。また、音声出力部4は、例えば、通話相手の発話した音声、すなわち、通話相手の電話機から電話回線網200(電話回線)を介して電話機100へ送信された音声信号に基づく音声を出力する。
点灯部5は、所定の色で点灯したり点滅したりすることにより、ユーザに電話機100が実行している処理を認識させる。一例として、点灯部5が所定の色およびパターンで点滅することにより、ユーザに着信を認識させてもよい。点灯部5は、例えばLED(light-emitting diode)で実現されてもよい。
表示部6は、各種情報を表示する。表示部6は、一例として、着信時に相手の電話番号を表示する。また、表示部6は、一例として、電話機100がその時点で実行できる処理と、該処理を実行するための操作などの案内を表示する。表示部6は、例えばLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)や、有機EL(electroluminescence)ディスプレイなどで実現されてもよい。
詳細については後述するが、電話機100は、迷惑電話への対策のための機能(以下、「迷惑電話対策機能」と記載する)を有する。具体的には、電話機100は、迷惑電話の可能性がある着信の場合、ユーザへ該着信を報知する前に、発信元の電話機に対して会話を録音する旨の録音通知メッセージを送信する。さらに、電話機100は、この送信の後、着信に対する応答として、発信元の電話機に対して、名乗ることを要求する旨の要求メッセージを送信する。さらに、電話機100は、要求メッセージを音声出力部4から出力させる。これにより、電話をかけてきた相手に対し名乗ることを要求していることをユーザに認知させることが可能となる。また、要求メッセージを流したのち、相手の話す音声を音声出力部4から出力させる状態にする。これにより、要求に対する応答として音声(名乗り)受信した場合、該音声(名乗り)が音声出力部4から出力される。
なお、「迷惑電話」とは、例えば、振り込め詐欺などの各種詐欺を目的とした電話、いたずら電話、商品購入などの勧誘を目的とした電話などを含むが、この例に限定されるものではない。
(子機120の概要)
本実施形態に係る電話機100は、親子電話機の親機であり、図2に示すように、親子電話機は電話機100と子機120とからなる。
子機120は、電話機100と無線通信することにより、電話機100が受信した音声信号を取得し、レシーバから音声を出力する。また、子機120は、ユーザが発話した音声をマイクにより取得し、電話機100および電話回線網200を介して、該音声の音声信号を相手の電話機へ送信する。
子機120は、操作部123、点灯部125、表示部126およびを備えている。操作部123は、一例として、ハードウェアキーで構成される。操作部3は、例えば、テンキー、シャープキー、アスタリスクキーなどの各種キーと、親子電話機が有する機能(換言すれば、親子電話機が実行する処理)が対応付けられているボタンを含む。ボタンの一例として、図2に示すボタン231がある。ボタン231をユーザが押下した場合、一例として、電話機100のボタン301が押下された場合と同じ機能が実行されてもよい。
点灯部125は、所定の色で点灯したり点滅したりすることにより、ユーザに親子電話機が実行している処理を認識させる。一例として、点灯部125が所定の色およびパターンで点滅することにより、ユーザに着信を認識させてもよい。点灯部125は、例えばLED(light-emitting diode)で実現されてもよい。
表示部126は、各種情報を表示する。表示部126は、一例として、着信時に相手の電話番号を表示する。また、表示部126は、一例として、親子電話機がその時点で実行できる処理と、該処理を実行するための操作などの案内を表示する。表示部126は、例えばLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)や、有機EL(electroluminescence)ディスプレイなどで実現されてもよい。
なお、図示していないが、子機120は、種々の音声を出力する音声出力部を備えている。該音声出力部は一例として、スピーカとして実現される。該音声出力部は、例えば、着信したことをユーザに報知する着信音や、ユーザに対する案内の音声などを出力する。また、該音声出力部は、例えば、通話相手の発話した音声、すなわち、通話相手の電話機から電話回線網200を介して電話機100へ送信された音声信号に基づく音声を出力する。
また、図示していないが、子機120は、電話機100との無線通信を行う親機通信部を備えている。該親機通信部と電話機100との無線通信方式は特に限定されない。該通親機信部は、電話機100から他の電話機の使用者の発話音声などの音声信号を受信する。子機120は、該音声信号を音声出力部またはレシーバから出力させる。該親機通信部は、通話開始後のユーザの発話音声の音声信号を電話機100へ送信する。電話機100は、該音声信号を他の電話機へ送信する。以上により、子機120を用いた他の電話機の使用者との通話が実現される。
なお、子機120が親機通信部により受信する情報は、音声信号に限定されない。詳細については後述するが、子機120は、電話機100が有している種々の音声データを受信し、該音声データに基づく音声を音声出力部から出力させる。
(電話機100の要部構成)
図1に示すように、電話機100は、制御装置1、通信部2、操作部3、音声出力部4を備えている。なお、上述した点灯部5および表示部6は、本実施形態(実施形態1)で説明する発明の一態様との関連性が低いため、記載を省略している。また、操作部3および音声出力部4の詳細な説明は既に記載しているため、該説明は繰り返さない。
制御装置1は、電話機100の各部を統括して制御する。通信部2は、電話回線網200を介して外部装置と通信する。外部装置は、例えば他の電話機であるが、この例に限定されない。また、図示していないが、電話機100は、子機120との無線通信を行う子機通信部を備えている。
制御装置1は、制御部10および記憶部11を含む。制御部10は、制御装置1を統括的に制御し、制御装置1による電話機100の制御を実現する。記憶部11は、制御装置1が使用するプログラムおよびデータを永続的に保持するハードウェアであり、ストレージと表現することもできる。記憶部11は、例えば、ROM(Read-Only Memory)、ハードディスク装置、フラッシュメモリ、その他の不揮発性記憶装置として実現される。
記憶部11は、図1に示すように、少なくともお断りリスト111、電話帳112、出力音声データ113および通話音声データ114を記憶している。
お断りリスト111は、電話機100のユーザが通話したくない相手のリストである。お断りリスト111は、一例として、電話番号を格納するデータベースとして実現される。つまり、お断りリスト111に格納されている電話番号は、ユーザが通話したくない相手の電話番号である。制御装置1は、操作部3に対するユーザの操作に基づき、電話番号をお断りリスト111に格納する。
電話帳112は、電話番号と該電話番号の電話機の使用者を示す情報とを対応付けたリストである。電話帳112は、一例として、電話番号と、上記使用者の名称を示す文字列とを対応付けて格納するデータベースとして実現される。制御装置1は、操作部3に対するユーザの操作に基づき、電話番号と上記文字列とを対応づけて電話帳112に格納する。電話帳112は、換言すれば、ユーザが通話を許可した相手の電話番号を格納するデータベースである。すなわち、電話帳112に格納された電話番号の相手との通話は、迷惑電話となる可能性が低い。
出力音声データ113は、音声出力部4または電話回線網200(電話回線)を介して電話をかけてきた相手の電話機から出力させる音声の音声データである。出力音声データ113の具体例については後述する。通話音声データ114は、ユーザと通話相手との通話の音声データである。
なお、記憶部11は、メモリカードのように着脱可能な記憶装置として実現されてもよい。また、制御装置1に内蔵されたストレージの代わりに、外部の記憶装置に保存されているプログラムおよびデータを使用する構成が使用されてもよい。
続いて、制御部10について説明する。図示してはいないが、制御装置1は、一例として、制御部10を実現するためのハードウェア構成として、さらに、プロセッサおよびメモリを備えている。プロセッサは、制御装置1に与えられる信号に基づいて、あるいは、予め定められた条件が成立したことに基づいて、メモリまたは記憶部11に格納されているプログラムに含まれる一連の命令を実行する。プロセッサは、一例として、CPU(Central Processing Unit)として実現される。あるいは、プロセッサは、GPU(Graphics Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)その他のデバイスとして実現されてもよい。メモリは、プログラムおよびデータを一時的に保存する。プログラムは、例えば、記憶部11からロードされる。データは、制御装置1に入力されたデータと、プロセッサによって生成されたデータとを含む。メモリは、一例として、RAM(Random Access Memory)その他の揮発性メモリとして実現される。
一例として、プロセッサは、記憶部11にアクセスし、記憶部11に格納されているプログラムをメモリにロードし、当該プログラムに含まれる一連の命令を実行する。これにより、制御部10に含まれている各部が構成される。
制御部10は、通信制御部101、迷惑電話判定部102、迷惑電話対応部103、出力制御部104および録音部105を含む。
通信制御部101は、電話機100と外部装置(例えば、他の電話機)との通信を制御する。例えば、通信制御部101は、通信部2を介して、他の電話機の使用者が電話機100に対して電話をかけたことを示す呼出信号、該他の電話機の電話番号、通話開始後の相手の発話音声の音声信号等を受信する。通信制御部101は、該音声信号を出力制御部104へ出力する。また、通信制御部101は、通信部2を制御して、出力音声データ113に基づく音声信号、通話開始後のユーザの発話音声の音声信号などを他の電話機へ送信させる。
また、通信制御部101は、電話番号を受信すると、お断りリスト111を参照し、該電話番号がお断りリスト111に格納されているか否かを判定する。格納されている場合、通信制御部101は、着信音を鳴らすことなく、他の電話機からの信号を遮断する。これにより、該他の電話機からの着信がユーザに通知されることなく、電話が切られることとなる。結果として、ユーザが電話に出たくない相手からの着信に気付くことなく、該相手にユーザとの通話を諦めさせることができる。通信制御部101は、他の電話機からの信号を遮断する前に、所定の音声データに基づく音声信号を他の電話機へ送信してもよい。該音声信号に基づき他の電話機から出力される音声は、例えば、ユーザにつなぐことができない旨を通知する内容の音声である。
通信制御部101は、受信した電話番号がお断りリスト111に格納されていない場合、該電話番号を迷惑電話判定部102へ出力する。また、通信制御部101は、電話番号を受信しなかった場合、その旨を迷惑電話判定部102へ通知する。なお、電話番号を受信しなかった場合とは、例えば、他の電話機の使用者が電話番号非通知の設定を行った上で発信した場合、他の電話機が電話番号通知サービスに加入していない場合などであるが、この例に限定されない。
また、通信制御部101は、ユーザの操作部3に対する操作の入力に基づき、他の電話機からの信号を遮断してもよい。例えば、通話中に上記操作が入力された場合、通信制御部101は、通話を終了させてもよい。該操作は例えば、ボタン301(図2参照)を押下する操作であってもよい。通信制御部101は、該操作により信号が遮断された場合、相手の電話番号をお断りリスト111に格納してもよい。
また、通信制御部101は、通話の録音が許可されている場合、受信した相手の発話音声の音声信号に基づく音声データを録音部105へ出力する。
また、通信制御部101は、ユーザが子機120を用いて通話を行う場合、子機通信部を介して、ユーザの発話音声の音声信号を受信し、該音声信号を、通信部2を制御して他の電話機へ送信させる。また、通信制御部101は、ユーザが子機120を用いて通話を行う場合、受信した相手の発話音声の音声信号などを、子機通信部を制御して子機120へ送信させる。
迷惑電話判定部102は、迷惑電話の可能性がある相手からの着信であるか否かを判定する。具体的には、迷惑電話判定部102は、通信制御部101から電話番号を取得すると、電話帳112を参照し、該電話番号が電話帳112に格納されているか否かを判定する。
格納されていると判定した場合、迷惑電話判定部102は、その旨を通信制御部101へ通知する。通信制御部101は、該通知を受けると、呼出信号を出力制御部104へ出力する。これにより、着信音が鳴る。
格納されていないと判定した場合、迷惑電話判定部102は、その旨を迷惑電話対応部103へ通知する。また、迷惑電話判定部102は、電話番号を受信しなかった旨を通信制御部101から通知された場合、その旨を迷惑電話対応部103へ通知する。
以上のように、迷惑電話判定部102は、一例として、電話帳112に格納されていない電話番号の相手からの着信や、電話番号を受信しない着信を、迷惑電話の可能性がある着信と判定する。
迷惑電話対応部103は、迷惑電話の可能性があると判定された着信に対して対応する。換言すれば、迷惑電話対応部103は、該着信が迷惑電話であった場合に、ユーザに被害が発生する前に電話が切られるようにするための各種処理を行う。迷惑電話対応部103は、録音通知部31(録音通知送信部)、呼出部32および名前要求部33(要求送信部)を含む。
録音通知部31は、迷惑電話の可能性がある着信の場合、ユーザへ該着信を報知する前(着信音を鳴らす前)に、発信元の電話機に対して会話を録音する旨のメッセージを送信する。具体的には、録音通知部31は、迷惑電話対応部103からの通知を受けると、ユーザとの会話を録音する旨の音声データである警告メッセージ(録音通知メッセージ)を記憶部11から読み出し、通信制御部101へ出力する。該警告メッセージは、出力音声データ113の1つである。通信制御部101は、該警告メッセージに基づく音声信号を、相手の電話機へ送信する。これにより、相手の電話機の音声出力部(例えば、受話器のレシーバ)から、ユーザとの会話を録音する旨の音声が出力される。なお、録音通知部31による警告メッセージの送信は、ユーザに着信を報知する前(着信音を鳴らす前)に行われる。
呼出部32は、録音通知部31による通知が終了した後に、ユーザへ着信を報知する着信音を音声出力部4から出力させる。具体的には、呼出部32は、通信制御部101から、警告メッセージの音声信号の送信が終了した旨を通知されると、着信音の音声データを記憶部11から読み出し、出力制御部104へ出力する。これにより、出力制御部104が、着信音を音声出力部4から出力させる。なお、着信音の音声データは出力音声データ113の1つである。
また、呼出部32は、通信制御部101から、警告メッセージの音声信号の送信が終了した旨を通知されると、相手にユーザを呼び出していることを認識させるための呼出音の音声データを記憶部11から読み出し、通信制御部101へ出力する。通信制御部101は、該音声データに基づく音声信号を、相手の電話機へ送信する。これにより、相手の電話機の音声出力部から、呼出音が出力される。
また、呼出部32は、着信音の音声出力部4からの出力回数をカウントする。そして、出力回数が所定回数に到達したとき、出力制御部104および通信制御部101に指示し、着信音および呼出音の出力を終了させる。なお、着信音および呼出音の出力を終了させる条件は、この例に限定されない。例えば、呼出部32は、着信音の音声出力部4からの出力が開始されてからの経過時間を計測する。そして、経過時間が所定時間に到達したとき、出力制御部104および通信制御部101に指示し、着信音および呼出音の出力を終了させてもよい。このように、着信音および呼出音の出力の終了は、通話が開始される前に、音声出力部4からの着信音の出力に関する所定の条件が成立したときに実行される。
名前要求部33は、着信音の出力が終了したとき、相手の電話機に対して、名乗ることを要求する旨の要求メッセージを送信する。具体的には、名前要求部33は、着信音および呼出音の出力が終了したとき、電話をかけてきた相手に名乗るよう要求する内容の音声データである名前要求メッセージ(要求メッセージ)を記憶部11から読み出し、通信制御部101および出力制御部104へ出力する。該名前要求メッセージは、出力音声データ113の1つである。通信制御部101は、該名前要求メッセージに基づく音声信号を、相手の電話機へ送信する。これにより、相手の電話機の音声出力部から、名乗るよう要求する内容の音声が出力される。また、出力制御部104は、該名前要求メッセージに基づく音声を音声出力部4から出力させる。
より具体的には、通信制御部101は、名前要求部33から出力された名前要求メッセージを取得すると、ユーザが受話子機110を電話機100から上げた(オフフック)ときと同じ状態を疑似的に確立し、相手が発話した音声(発話音声)の音声信号を受信可能な状態となる。つまり、通信制御部101は、名前要求メッセージに基づく音声信号を送信するとともに、相手が発話した音声(発話音声)の音声信号を受信可能な状態となる。なお、名前要求メッセージは音声出力部4からも出力される。
通信制御部101は、名前要求メッセージに対する応答として受信した、発話音声の音声信号を出力制御部104へ出力する。該音声信号は、例えば、相手が自分の名前を名乗る発話の音声信号である。
出力制御部104は、音声データや音声信号に基づく音声を音声出力部4に出力させる。出力制御部104は、通信制御部101から取得した発話音声の音声信号に基づく音声を、音声出力部4から出力する。これにより、ユーザは、受話子機110を上げることなく、換言すれば、自身が着信に対し応答することなく、相手の発話音声を聞くことができる。
また、出力制御部104は、迷惑電話対応部103から取得した着信音および名前要求メッセージの音声データを子機120から出力させてもよい。この場合、出力制御部104は、これら音声データを通信制御部101へ出力する。通信制御部101は、子機通信部を制御してこれら音声データを子機120へ送信させる。
録音部105は、通信制御部101から取得した発話音声の音声信号を用いて、該発話音声を録音する。また、録音部105は、ユーザが受話子機110を上げて相手との通話を開始した場合、マイクを介して入力されたユーザの発話音声も録音する。録音部105は、例えば、迷惑電話判定部102から、録音を許可する旨の通知を受けている場合のみ、録音を行なってもよい。迷惑電話判定部102は、例えば、迷惑電話の可能性がある着信と判定した場合に、録音部105へ上記通知を行う。
(迷惑電話対応処理の流れ)
図3は、制御装置1の制御部10が実行する、迷惑電話対応処理の流れの一例を示すフローチャートである。
通信制御部101は、着信を検知し、呼出信号を受信する(ステップS1、以下、「ステップ」の記載を省略)。ここで、呼出信号とともに受信した相手の電話番号は、お断りリスト111に登録されていないものとする。通信制御部101は、受信した電話番号を迷惑電話判定部102へ出力する。
迷惑電話判定部102は、取得した電話番号が、電話帳112に登録されている、すなわち電話帳112に格納されている電話番号であるか否かを判定する(S2)。格納されている電話番号であると判定した場合(S2でYES)、迷惑電話判定部102はその旨を通信制御部101へ通知する。通信制御部101は、該通知を受けると、呼出信号を出力制御部104へ出力する。出力制御部104は、該呼出信号に基づく着信音を音声出力部4から出力させる(S11)。一例として、通信制御部101は、1秒間のオン、2秒間のオフの呼出信号を出力制御部104に出力する。出力制御部104は、このオンオフに従うベル音を、着信音として音声出力部4から出力させる。例えば、「呼出信号がオンのときにベル音が鳴り、オフの時に鳴らない」というパターンの着信音を音声出力部4から出力させる。
なお、この場合、相手の電話機にて出力される呼出音の音声信号は、電話回線網200の交換機から送信される。
そして、ユーザがオフフック、すなわち受話子機110を上げると、相手の電話機に対して音声信号を送信できる状態となり、その後、通話が開始される(S12)。
一方、迷惑電話判定部102が、取得した電話番号が電話帳112に格納されている電話番号でないと判定した場合(S2でNO)、迷惑電話判定部102は、その旨を迷惑電話対応部103へ通知する。
迷惑電話対応部103の録音通知部31は、迷惑電話判定部102からの通知を受けると、上述した警告メッセージを記憶部11から読み出す。そして、録音通知部31は、該警告メッセージを通信制御部101へ出力することにより、該警告メッセージの音声信号を相手の電話機へ出力させる(S3、録音通知送信ステップ)。
図4は、相手の電話機からの音声出力の一例を示す図である。S3の処理が実行されることにより、図4に示すように、相手の電話機300(以下、「電話機300」と記載)から、警告メッセージに基づく音声、すなわち、会話を録音する旨を警告する音声が出力される。なお、図4では、電話機300がスマートフォンである例を示しているが、電話機300はスマートフォンに限定されない。
再び図3を参照し、迷惑電話対応処理の流れの説明に戻る。迷惑電話対応部103の呼出部32は、警告メッセージの出力の終了を待機している(S4)。具体的には、呼出部32は、警告メッセージの音声信号の、電話機300への送信終了を待機している。通信制御部101から、警告メッセージの音声信号の送信終了を通知された場合(S4でYES)、呼出部32は、着信音の音声データを記憶部11から読み出し、出力制御部104へ出力することにより、着信音を音声出力部4から出力させる(S5)。具体的には、着信音の音声データは、ユーザに着信を報知するベル音と、迷惑電話への注意を促す注意喚起メッセージとから構成されている。一例として、着信音の音声データは、ベル音の後に注意喚起メッセージが出力されるようになっている。ここで、ベル音は、例えば、S11にて出力される着信音と同じであってもよい。ただし、該ベル音は、呼出信号に対応したベル音ではない。換言すれば、該ベル音は疑似的なベル音である。
図5は、電話機100からの音声出力の一例を示す図である。S5の処理が実行されることにより、まず、ベル音が音声出力部4から出力される。その後、図5に示すように、注意喚起メッセージが音声出力部4から出力される。
なお、呼出部32は、警告メッセージの音声信号の送信終了を通知された場合、呼出音の音声データを記憶部11から読み出し、通信制御部101へ出力することにより、該呼出音の音声信号を相手の電話機へ出力させる。呼出音は一例として、着信音のベル音と同じベル音であってもよい。
再び図3を参照し、迷惑電話対応処理の流れの説明に戻る。呼出部32は、着信音の出力回数をカウントする(S6)。着信音を所定回数出力した場合(S6でYES)、呼出部32は、着信音および呼出音の出力を終了させる。例えば、上記所定回数が1回より多い場合、出力制御部104および通信制御部101は、それぞれ、着信音および呼出音を繰り返し出力させ、出力を終了させる。
迷惑電話対応部103の名前要求部33は、着信音および呼出音の出力が終了すると、上述した名前要求メッセージを記憶部11から読み出し、通信制御部101へ出力することにより、該名前要求メッセージの音声信号を相手の電話機へ出力させる。また、名前要求部33は、読み出した名前要求メッセージを出力制御部104へ出力することにより、該名前要求メッセージの音声を音声出力部4から出力させる(S7、要求送信ステップ)。
図6は、電話機100および電話機300からの音声出力の一例を示す図である。S7の処理が実行されることにより、図6に示すように、電話機100および電話機300から名前要求メッセージに基づく音声が出力される。名前要求メッセージに基づく音声は、図6に示すように、迷惑電話対策のために名乗るよう要求する内容であることが望ましい。換言すれば、名前要求メッセージに基づく音声は、迷惑電話対策であることを明示する内容であることが望ましい。これにより、電話機300の使用者に、迷惑電話への対応を実行していることを認識させることができる。
再び図3を参照し、迷惑電話対応処理の流れの説明に戻る。S7の処理とともに、通信制御部101は、相手の発話音声の音声信号を受信可能な状態となる。通信制御部101は、該発話音声の音声信号を受信し、出力制御部104へ出力する。出力制御部104は、相手の発話音声を音声出力部4から出力させる(S8、出力制御ステップ)。これにより、ユーザは、相手の発話音声、例えば名前を名乗る発話音声を聞き、電話に出るか否かを判断することができる。なお、ユーザは、電話に出ないと判断した場合に、お断り操作を入力することができる。該お断り操作は、例えば、上述したボタン301を押下する操作である。
通信制御部101は、お断り操作の入力を待機している(S9)。お断り操作が入力された場合(S9でYES)、通信制御部101は、通話を切断(電話機300からの信号を遮断)する。そして、通信制御部101は、相手の電話番号をお断りリスト111へ登録(格納)する(S10)。以上で、迷惑電話対応処理は終了する。
なお、お断り操作が入力されなかった場合(S9でNO)、ユーザがオフフック、すなわち受話子機110を上げると、相手の電話機に対して音声信号を送信できる状態となり、その後、通話が開始される(S12)。
また、お断り操作が入力されなかった場合(S9でNO)において、所定時間オンフックが維持された場合(オフフックされなかった場合)通話を切断するようにしてもよい。
図7は、子機120からの音声出力の一例を示す図である。図3のS5において、出力制御部104は、取得した着信音の音声データを通信制御部101へ出力する。通信制御部101は、該音声データを、子機通信部を制御して子機120へ送信する。これにより、電話機100の音声出力部4と子機120の音声出力部とは、着信音を出力する。なお、子機120の着信音の出力終了については、子機120が着信音をカウントし、所定回数に到達したときに出力終了としてもよいし、電話機100からの終了指示に基づき出力終了としてもよい。
図3のS7において、出力制御部104は、取得した名前要求メッセージを通信制御部101へ出力する。通信制御部101は、該メッセージを、子機通信部を制御して子機120へ送信する。これにより、電話機100の音声出力部4と子機120の音声出力部とは、同時に名前要求メッセージの音声を出力する。
また、S8において、通信制御部101は、該発話音声の音声信号を受信し、子機通信部を介して該音声信号を子機120へ送信する。これにより、子機120は、相手の発話音声を音声出力部から出力させる。よって、ユーザは、相手の発話音声、例えば名前を名乗る発話音声を聞き、電話に出るか否かの判断を、子機120の近くでも行うことができる。電話機100の近くにいる場合と同様に、ユーザは、電話に出ないと判断した場合に、お断り操作を入力することができる。該お断り操作は、例えば、上述したボタン231を押下する操作である。
(効果)
以上のとおり、電話機100の制御装置1は、迷惑電話の可能性がある着信の場合、ユーザへ該着信を報知する前に、発信元の電話機300に対して会話を録音する旨の警告メッセージを送信する録音通知部31を備える。また、制御装置1は、警告メッセージの送信の後、着信に対する応答として、電話機300に対して、名乗ることを要求する旨の名前要求メッセージを送信する名前要求部33を備える。また、制御装置1は、名前要求メッセージおよび発信元の音声を音声出力部4から出力させる出力制御部104を備える。
上記の構成によれば、ユーザへ着信を報知する前(着信音を鳴らす前)に、会話を録音する旨の警告メッセージを電話機300へ送信するので、ユーザが着信に気付かないうちに、迷惑電話をかけてきた相手に電話を切らせることができる。これにより、一部の迷惑電話の着信に対しては、ユーザが着信に気付かないうちに対応することができる。結果として、迷惑電話がかかってくることに対してユーザが感じる煩わしさを軽減することができる。また、上記の構成によれば、さらに、着信に対する応答として名乗ることを要求する名前要求メッセージを電話機300へ送信するので、警告メッセージに基づく音声で相手が電話を切らなかったとしても、この名前要求メッセージに基づく音声によって電話を切らせることができる。よって、迷惑電話をかけてきた相手が自発的に電話を切る可能性を向上させる。さらに、名前要求メッセージおよび発信元の音声(例えば、要求に対する応答としての相手の音声)は、電話機100の音声出力部4から出力されるので、ユーザは、受話子機110を上げること(オフフックすること)なく相手の発話を聞くことができる。つまり、ユーザは、相手の発話を聞いたうえで、電話に出るか否かを判断することができる。結果として、上記の要求で相手が電話を切らなかった場合でも、ユーザが迷惑電話に出てしまう可能性を低減させることができる。
出力制御部104は、さらに、上記録音通知部31が警告メッセージを送信するときは、音声出力部4から音声を出力させず、かつ、名前要求部33が名前要求メッセージを送信するときは、名前要求メッセージに対応する音声を音声出力部4から出力させる。
これにより、警告メッセージの送信をユーザが認識することはないので、一部の迷惑電話の着信に対しては、ユーザが着信に気付かないうちに対応することができる。一方、名前要求メッセージの送信についてはユーザに認識させることができるので、ユーザに、相手の発話を聞く準備、すなわち、相手の名前により電話に出るか否かを判断する準備をさせることができる。
また、ユーザは、相手に対し名乗ることを要求していることを認識できるので、応答前に気持ちを落ち着けることができる。
出力制御部104は、名前要求メッセージおよび上記発信元の音声を、電話機100の音声出力部および子機120の音声出力部の各々から出力させる。すなわち制御装置1は、ユーザからの操作を受けることなく、子機120からも名前要求メッセージおよび発信元の音声(例えば、要求に対する応答としての相手の音声)を出力させることができる。ユーザは、電話機100より子機120に近い位置にいる場合、子機120に近づき、名前要求メッセージおよび発信元の音声を聞くことができる。
また、出力制御部104は、録音通知部31による警告メッセージの送信が終了したとき、ユーザへ着信を報知するための着信音を音声出力部4から出力させる。また、出力制御部104は、着信音の出力回数が所定回数に到達したとき、着信音の出力を終了させる。名前要求部33は、着信音の出力が終了したとき、電話機300に対して名前要求メッセージを送信する。
上記の構成によれば、所定回数の着信音の後に、相手に対し名乗ることを要求するので、電話機100の近くに移動する時間をユーザに与えることができる。よって、ユーザは、電話機100から離れた位置にいたとしても、相手が名乗る音声が出力される前に、電話機100の近くに移動することができる。
なお、出力制御部104は、着信音の音声出力部4からの出力が開始されてからの経過時間が所定時間に到達したとき、電話機300に対して名前要求メッセージを送信してもよい。この構成でも同様の効果を奏する。
また、上記の構成によれば、(1)警告メッセージの送信、(2)着信音の出力、(3)名前要求メッセージの送信、の順に処理が実行される。つまり、迷惑電話をかけてきた相手に電話を切らせる2つの処理の一方である警告メッセージの送信は、着信音の出力前に行われる一方、該2つの処理の他方である名前要求メッセージの送信は、着信音の出力後に行われる。名前要求メッセージの送信は、上述したとおり、ユーザが名前を聞いて電話に出るか否かを判断する必要があるため、着信音の出力後に行うことが望ましい。一方、警告メッセージの送信は、ユーザが認識する必要が無いため、着信音の出力後に行う必要はなく、上述したユーザの煩わしさの低減のために、着信音の出力前に行うことが望ましい。このように、2つの処理を適切なタイミングで行うことにより、ユーザの迷惑電話への対応を最低限としつつ、より多くの迷惑電話を自発的に切らせることができる。
また、上記着信音は、迷惑電話に関する注意喚起を表す音声を含む。これにより、ユーザは、迷惑電話である可能性を考慮したうえで、相手の発話音声を聞くことができる。
また、上記着信音、すなわち、迷惑電話の可能性がある着信時の着信音は、電話回線を介して入力された呼出信号と異なる、所定の音声データに基づく着信音である。
迷惑電話の可能性がある着信に対しては、呼出信号の受信後に上記通知を行うため、呼出信号に基づく着信音を出力することができない。これに対して、呼出信号に基づかない所定の音声データに基づく着信音を出力することにより、迷惑電話への対応をしつつ、ユーザに着信を報知するという処理を実現することができる。
また、名前要求メッセージは、会話を録音する旨を含まない。これにより、名前要求メッセージに基づく音声の出力にかかる時間を短くすることができるので、相手の待ち時間を短くすることができる。結果として、迷惑電話でないが、電話帳112に登録されていない相手からの着信の場合に、該相手が、ユーザが電話に出る前に電話を切ってしまうという状況の発生頻度を少なくすることができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
本実施形態では、電話機100Aについて説明する。電話機100Aは、迷惑電話の可能性がある相手からの着信の場合、点灯部5を第1色で点滅させる。第1色は例えば赤色であるが、この例に限定されない。また、電話機100Aは、迷惑電話の可能性が低い相手からの着信の場合、点灯部5を第1色と異なる第2色で点滅させる。第2色は例えば緑色であるが、この例に限定されない。
(電話機100Aの要部構成)
図8は、実施形態2に係る電話機100Aの要部構成の一例を示すブロック図である。電話機100Aが、実施形態1にて説明した電話機100と異なる点は、制御装置1に代えて制御装置1Aを備えている点である。
制御装置1Aは、電話機100Aの各部を統括して制御する。制御装置1Aが、制御装置1と異なる点は、制御部10に代えて制御部10Aを備えている点である。
制御部10Aは、制御装置1Aを統括的に制御し、制御装置1Aによる電話機100Aの制御を実現する。制御部10Aが、制御部10と異なる点は、迷惑電話判定部102に代えて迷惑電話判定部102Aを含む点、および、点灯制御部106を新たに含む点である。
迷惑電話判定部102Aは、迷惑電話判定部102の機能に加え、取得した電話番号が電話帳112に格納されているか否かの判定結果を、点灯制御部106へ出力する。
点灯制御部106は、点灯部5を制御する。点灯制御部106は、取得した判定結果が、電話番号が電話帳112に格納されていることを示している場合、着信音の出力時に、点灯部5を緑色で点滅させる。一方、点灯制御部106は、取得した判定結果が、電話番号が電話帳112に格納されていないことを示している場合、着信音の出力時に、点灯部5を赤色で点滅させる。なお、点灯制御部106が点灯部5を点滅させるトリガは、例えば、出力制御部104からの指示であればよい。具体的には、本実施形態に係る出力制御部104は、音声出力部4から呼出音を出力させるとき、点灯部5を点滅させるよう点灯制御部106に指示する。点灯制御部106は、該指示に従い、点灯部5を赤色又は緑色で点滅させる。
点灯部5の点滅の終了は、例えば、着信音の出力の終了と同時であってもよい。すなわち、点灯制御部106は、点灯部5を緑色で点滅させている場合、ユーザが受話子機110をオフフックとしたタイミングで、点灯部5の点滅を終了させてもよい。また、点灯制御部106は、点灯部5を赤色で点滅させている場合、着信音の出力が所定回数に到達したタイミングで、点灯部5の点滅を終了させてもよい。点灯制御部106は、一例として、出力制御部104から着信音の出力の終了通知を取得することにより、これらのタイミングで点灯部5の点滅を終了させる。
(迷惑電話対応処理の流れ)
図9は、制御装置1Aの制御部10Aが実行する、迷惑電話対応処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図3と同じ処理を実行するステップについては、図3と同じステップ番号を付している。また該ステップについては、ここでは説明を繰り返さない。
迷惑電話判定部102Aは、取得した電話番号が、電話帳112に登録されている、すなわち電話帳112に格納されている電話番号であるか否かの判定結果を点灯制御部106へ出力する。
該判定結果が、格納されていない電話番号であることを示している場合、点灯部5は、出力制御部104からの指示をトリガとして、点灯部を赤色で点滅させる(S21)。
一方、該判定結果が、電話帳112に格納されている電話番号であることを示している場合、点灯部5は、出力制御部104からの指示をトリガとして、点灯部を緑色で点滅させる(S22)。
(効果)
以上によれば、迷惑電話の可能性がある相手からの着信である場合と、該可能性が低い相手からの着信である場合とで、点灯部5の点滅色を異ならせる。これにより、ユーザは、着信における迷惑電話の可能性について、聴覚的な判断に加え、視覚的な判断をも行うことができる。
〔実施形態3〕
本発明のさらなる別の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
本実施形態では、電話機100Bについて説明する。電話機100Bは、留守番電話機能(留守番電話録音機能)を備えている。ここで、留守番電話機能とは、着信に対し自動的に応答して相手に対して電話機100Bのユーザが不在である旨、あるいは、通話できる状態でない旨の通知を行うと共に、相手の発話の音声を録音する機能である。電話機100Bは、迷惑電話の可能性がある着信であり、かつ、留守番電話機能が無効である場合のみ、迷惑電話への対策として相手に名乗ることを要求する。つまり、電話機100Bは、迷惑電話の可能性がある相手からの着信であっても、留守番電話機能が有効である場合には、この要求を行わない。
(電話機100Bの要部構成)
図10は、実施形態3に係る電話機100Bの要部構成の一例を示すブロック図である。電話機100Bが、実施形態1にて説明した電話機100と異なる点は、制御装置1に代えて制御装置1Bを備えている点である。
制御装置1Bは、電話機100Bの各部を統括して制御する。制御装置1Bが、制御装置1と異なる点は、制御部10および記憶部11に代えて、制御部10Bおよび記憶部11Bを備えている点である。
制御部10Bは、制御装置1Bを統括的に制御し、制御装置1Bによる電話機100Bの制御を実現する。記憶部11Bは、制御装置1Bが使用するプログラムおよびデータを永続的に保持するハードウェアである。
制御部10Bが、制御部10と異なる点は、迷惑電話対応部103に代えて迷惑電話対応部103Bを含む点、および、留守番電話実行部107を新たに含む点である。記憶部11Bが、記憶部11と異なる点は、留守番電話音声データ115を新たに記憶している点である。
留守番電話実行部107は上述した留守番電話機能を実行する。留守番電話実行部107は、操作部3が受け付けたユーザの操作に基づき、留守番電話機能の有効と無効とを切り替える。該操作は、例えば、電話機100Bに設けられた、留守番電話機能の有効と無効とを切り替えるためのボタン(不図示)を押下する操作である。
留守番電話実行部107は、留守番電話機能が有効である場合、着信をトリガとして留守番電話機能を実行する。具体的には、留守番電話実行部107は、留守番電話音声データ115を読み出し、留守番電話音声データ115に基づく音声を音声出力部4に出力させる。留守番電話音声データ115は、電話機100Bのユーザが不在である旨を相手に通知する内容の音声データである。留守番電話音声データ115は、相手に発話を促す内容を含んでいてもよい。
また、留守番電話実行部107は、留守番電話機能として、録音部105に、相手の発話音声の録音を指示する。録音部105は、該指示に基づき、通信制御部101から取得した発話音声の音声信号を用いて、該発話音声を録音する。これにより、留守番電話機能における、相手の発話音声を録音が実現される。
また、留守番電話実行部107は、留守番電話機能の有効と無効とが切り換えられる度に、留守番電話機能が有効であるか否かを示す留守番電話機能設定情報を迷惑電話対応部103Bへ出力する。
迷惑電話対応部103Bは、迷惑電話の可能性があると判定された着信に対して対応する。迷惑電話対応部103Bが、迷惑電話対応部103と異なる点は、留守番電話機能設定情報が、留守番電話機能が無効であることを示している場合に、名前要求部33が名前要求メッセージを通信制御部101および出力制御部104へ出力する点である。一方、留守番電話機能が有効であることを示している場合、名前要求部33は、名前要求メッセージを通信制御部101および出力制御部104へ出力しない。すなわち、名前要求部33は、留守番電話機能が無効である場合に、相手に対して名前を要求する一方、留守番電話機能が有効である場合にはこの要求を行わない。
(迷惑電話対応処理の流れ)
図11は、制御装置1Bの制御部10Bが実行する、迷惑電話対応処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図3と同じ処理を実行するステップについては、図3と同じステップ番号を付している。また該ステップについては、ここでは説明を繰り返さない。
S5において、呼出部32が、着信音の音声データを記憶部11から読み出し、出力制御部104へ出力することにより、着信音を音声出力部4から出力させた後、呼出部32は、留守番電話機能設定情報に基づき、留守番電話機能が有効であるか否かを判定する(S31)。留守番電話機能が無効である場合(S31でNO)、迷惑電話対応処理はS6へ進む。すなわち、呼出部32は、着信音の出力回数をカウントする。着信音を所定回数出力した場合(S6でYES)、S7において、名前要求部33は、上述した名前要求メッセージを記憶部11から読み出し、通信制御部101へ出力することにより、該名前要求メッセージの音声信号を相手の電話機へ出力させる。また、名前要求部33は、読み出した名前要求メッセージを出力制御部104へ出力することにより、該名前要求メッセージの音声を音声出力部4から出力させる。
なお、本実施形態でも、着信音および名前要求メッセージの音声データの子機120への送信、および、子機120からのこれら音声データの音声の出力は行われるが、ここでは繰り返し説明しない。
一方、留守番電話機能が有効である場合(S31でYES)、呼出部32はS6の処理を実行しない。これにより、名前要求部33はS7の処理を実行しない。なお、S31でYESの場合、留守番電話実行部107が、留守番電話処理、すなわち、留守番電話機能を実行する(S32)。そして、迷惑電話対応処理は終了する。
なお、呼出部32がS6の処理を実行した後、留守番電話実行部107が、S32の処理を実行してもよい。または、呼出部32がS5の処理に代えてベル音のみを出力し、該ベル音が所定回数以上となった場合、あるいは、該ベル音の出力開始から所定時間経過した場合、留守番電話実行部107が、S32の処理を実行してもよい。また、呼出部32は、S5の処理を実行する前にS31の処理を実行してもよい。
また、S11ののち、呼出信号が所定回数以上となった場合、あるいは、所定時間経過した場合、留守番電話実行部107が留守番電話機能を実行してもよい。
(効果)
以上によれば、留守番電話機能が有効である場合、すなわち、ユーザが不在である可能性が高い場合、あるいは、通話できる状態でない可能性が高い場合には、注意喚起メッセージおよび名前要求メッセージの出力は行われない。結果として、聞かせるべき対象(ユーザ)が不在であるにもかかわらず、注意喚起メッセージや相手が名前を名乗る音声が電話機100Bから出力されるという状況が発生しないようにすることができる。
なお、留守番電話実行部107は、留守番電話機能として、着信音および呼出音を所定回数出力させた後に、相手に対し、ユーザが不在である旨の通知を行なってもよい。
〔実施形態4〕
本発明のさらなる別の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
本実施形態では、電話機100Cについて説明する。電話機100Cが出力する名前要求メッセージは状況に応じて変わる。
(電話機100Cの要部構成)
図12は、実施形態4に係る電話機100Cの要部構成の一例を示すブロック図である。電話機100Cが、実施形態1にて説明した電話機100と異なる点は、制御装置1に代えて制御装置1Cを備えている点である。
制御装置1Cは、電話機100Cの各部を統括して制御する。制御装置1Cが、制御装置1と異なる点は、制御部10および記憶部11に代えて、制御部10Cおよび記憶部11Cを備えている点である。
制御部10Cは、制御装置1Cを統括的に制御し、制御装置1Cによる電話機100Cの制御を実現する。記憶部11Cは、制御装置1Cが使用するプログラムおよびデータを永続的に保持するハードウェアである。
制御部10Cが、制御部10と異なる点は、迷惑電話対応部103に代えて迷惑電話対応部103Cを含む点である。記憶部11Cが、記憶部11と異なる点は、出力音声データ113Cに代えて、出力音声データ113を記憶している点、および、着信履歴116を新たに記憶している点である。着信履歴116は、過去の着信における電話番号と、着信の日時とを少なくとも対応付けた情報を格納するデータベースである。
出力音声データ113Cは、一例として、音声出力部4または電話をかけてきた相手の電話機から出力させる音声の音声データそのものと、該音声データを生成するためのデータとを含む。出力音声データ113Cと、出力音声データ113とは、名前要求メッセージが異なる。
図13は、実施形態4に係る名前要求メッセージの一例を示す図である。実施形態1で説明した名前要求メッセージは、「ただいま、迷惑電話対策モードになっています。おそれいりますが、あなたのお名前をおっしゃってください。」との音声(図6参照)を出力するための音声データであった。これに対して、実施形態4に係る名前要求メッセージは、「ただいま迷惑電話対策モードになっています。(追加部分)あなたのお名前をおっしゃってください。」との音声を出力するための音声データである。すなわち、実施形態4に係る名前要求メッセージは、「(追加部分)」の音声が確定していない未完成の音声データである。
図14は、出力音声データ113Cに含まれるデータベース311および312の一具体例を示す図である。データベース311および312は、追加部分候補データを格納するデータベースである。追加部分候補データとは、上記「(追加部分)」への追加により、名前要求メッセージを完成させるためのデータである。データベース311および312において、追加部分候補データは、条件と対応付けて格納されている。すなわち、追加部分候補データは、対応付けられた条件が成立した場合に、上記「(追加部分)」に追加され得る。
データベース311は、相手の電話番号および着信履歴116に関する各種条件と、追加部分候補データとを対応付けて格納するデータベースである。「かかってきたことのない電話番号ですので、」との追加部分候補データは、「着信履歴に無い電話番号」との条件と対応付けられている。すなわち、着信履歴116に無い電話番号からの着信の場合、「かかってきたことのない電話番号ですので、」との追加部分候補データが上記「(追加部分)」に追加され得る。該追加部分候補データが上記「(追加部分)」に追加された場合、名前要求メッセージは、「ただいま迷惑電話対策モードになっています。かかってきたことのない電話番号ですので、あなたのお名前をおっしゃってください。」となる。
また、「電話番号が通知されていませんので、」との追加部分候補データは、「非通知/NDなし」との条件と対応付けられている。すなわち、電話番号が通知されない着信の場合、「電話番号が通知されていませんので、」との追加部分候補データが上記「(追加部分)」に追加され得る。
また、「フリーダイヤルですので、」との追加部分候補データは、「フリーダイヤル」との条件と対応付けられている。すなわち、フリーダイヤルの着信の場合、「フリーやダイヤルですので、」との追加部分候補データが上記「(追加部分)」に追加され得る。
データベース311は、着信の日時に関する各種条件と、追加部分候補データとを対応付けて格納するデータベースである。「迷惑電話が多い時間帯ですので、」との追加部分候補データは、「平日(10〜14時)」との条件と対応付けられている。すなわち、着信が月曜日から金曜日までの10時から14時の間である場合、「迷惑電話が多い時間帯ですので、」との追加部分候補データが上記「(追加部分)」に追加され得る。
また、「年金を狙った詐欺が発生していますので、」との追加部分候補データは、「偶数月の15日」との条件と対応付けられている。すなわち、2、4、6、8、10、12月の15日の着信の場合、「年金を狙った詐欺が発生していますので、」との追加部分候補データが上記「(追加部分)」に追加され得る。
また、「ボーナスを狙った詐欺が発生していますので、」との追加部分候補データは、「7月、1月」との条件と対応付けられている。すなわち、1月または7月の着信の場合、「ボーナスを狙った詐欺が発生していますので、」との追加部分候補データが上記「(追加部分)」に追加され得る。その他の追加部分候補データも同様に、「条件」のカラムに格納された条件が成立した場合に、上記「(追加部分)」に追加され得る。
迷惑電話対応部103Cは、迷惑電話の可能性があると判定された着信に対して対応する。迷惑電話対応部103Cが、迷惑電話対応部103と異なる点は、名前要求部33が、出力音声データ113Cのデータベース311またはデータベース312から少なくとも1つの追加部分候補データを読み出し、上記「(追加部分)」に追加する点である。これにより、名前要求部33は、名前要求メッセージを完成させる。
名前要求部33は、着信履歴116、相手の電話番号、着信履歴116および現在の日時に基づいてデータベース311およびデータベース312を参照し、条件が成立している追加部分候補データを特定する。該追加部分候補データが1つの場合、名前要求部33は、その追加部分候補データを上記「(追加部分)」に追加して名前要求メッセージを完成させる。
条件が成立している追加部分候補データが複数ある場合、名前要求部33は、いずれかの追加部分候補データを上記「(追加部分)」に追加して名前要求メッセージを完成させる。このとき、名前要求部33は、複数の追加部分候補データからランダムに1つの追加部分候補データを選択してもよいし、最も優先度が高い追加部分候補データを選択してもよい。該優先度は、例えば、追加部分候補データ毎に設定されていてもよいし、データベース311とデータベース312のうち、一方が他方に対し優先されるデータベースであってもよい。
名前要求部33は、完成させた名前要求メッセージを、通信制御部101および出力制御部104へ出力する。
なお、相手の電話機に対しては、「ただいま迷惑電話対策モードになっています。あなたのお名前をおっしゃってください。」との音声の音声信号を送信し、音声出力部4からは、「ただいま迷惑電話対策モードになっています。(追加部分)あなたのお名前をおっしゃってください。」との音声を出力するようにしてもよい。「(追加部分)」には、追加部分候補データの少なくとも1つが追加される。
(効果)
以上のように、名前要求部33は、電話機300の電話番号、着信履歴116および着信の日時の少なくとも一方に応じて予め設定された態様の名前要求メッセージを送信する。これにより、名前要求メッセージのバリエーションが豊富となるとともに、状況に応じた適切な内容で相手に名前を要求することができる。また、相手の電話番号や着信の日時に応じた名前要求メッセージとなるので、相手の属性に合致した内容で名前を要求することができる。例えば、相手が年金を狙った詐欺を行なおうとしているときに、年金を狙った詐欺に注意している旨の名前要求メッセージを相手の電話機から出力することができる。これにより、相手を動揺させ、自発的に電話を切らせることができる。
なお、ユーザが条件と追加部分候補データとを電話機100Cに入力し、データベース311または312に格納することができてもよい。また、ユーザは、操作部3への操作により、追加部分候補データの少なくとも一部を無効にすることが可能であってもよい。この場合、無効となった追加部分候補データは、条件が成立したとしても上記「(追加部分)」に追加されない。これにより、ユーザは、自身にそぐわない追加部分候補データを上記「(追加部分)」の候補から除外することができる。例えば、年金をもらう年齢ではないユーザは、年金を狙った詐欺に注意している旨の追加部分候補データを無効にすればよい。
また、上述した例では、名前要求部33は、複数の追加部分候補データからいずれか1つを選択することにより、名前要求メッセージを完成させていたが、複数の追加部分候補を上記「(追加部分)」に追加してもよい。また、出力音声データ113Cは、未完成の名前要求メッセージ、並びに、データベース311および312に代えて、完成された名前要求メッセージの各々と条件とを対応付けたデータベースを含んでいてもよい。すなわち、名前要求部33は、少なくとも一部が異なる複数の名前要求メッセージから、条件が成立している名前要求メッセージを読み出し、通信制御部101および出力制御部104へ出力する構成であってもよい。
〔変形例〕
上述した例では、制御装置1、1A〜1Cは、名前要求メッセージを相手の電話機300と、音声出力部4とから出力させていた。これに対し、制御装置1、1A〜1Cは、名前要求メッセージを相手の電話機300において出力させているタイミングで、名前要求メッセージと異なる内容の音声を音声出力部4から出力させてもよい。該音声は、例えば、「ただいま、相手に対して名乗るよう要求しています」との音声であってもよい。
制御装置1、1A〜1Cは、迷惑電話の可能性がある相手からの着信の場合、着信音を音声出力部4から出力させず、警告メッセージの出力の終了後、すぐに名前要求メッセージの出力を行なってもよい。
制御装置1、1A〜1Cは、注意喚起メッセージおよび名前要求メッセージを音声出力部4から出力させる構成に代えて、あるいは加えて、これらメッセージに対応するテキストや画像を表示部6に表示させてもよい。この表示は、例えば、対応するメッセージの音声出力と略同一のタイミングで実行されてもよい。
子機120は、着信音および名前要求メッセージの音声データを記憶していてもよい。この場合、制御装置1は、着信音および名前要求メッセージの音声データに代えて、これら音声データの音声の出力指示を子機120へ送信する。つまり、出力制御部104は、子機120から名前要求メッセージを出力させるための情報を子機120に送信する。該情報の一例が、名前要求メッセージそのもの、または、名前要求メッセージの出力指示である。
上述した例では、制御装置1、1A〜1Cは、それぞれ、通信機器としての電話機100、100A〜100Cに内蔵されていた。これに対し、制御装置1、1A〜1Cは、それぞれ、電話機100、100A〜100Cとは別の通信機器であってもよい。一例として、制御装置1、1A〜1Cは、電話機とモジュラージャックとの間に設置される通信機器であってもよい。具体的には、モジュラージャックと該通信機器とを通信用のコードでつなぎ、さらに、該通信機器と電話機とを該コードでつなぐことにより、該通信機器は、電話回線網200と電話機と通信可能に接続される。なお、この例において、該通信機器は、制御部10、10A〜10Cの各部のうち、少なくとも迷惑電話対応部103を含むものであればよい。
上述した例では、通信機器である電話機100、100A〜100Cはいわゆる固定電話であったが、スマートフォンなどの携帯電話においても本発明は適用可能である。一例として、携帯電話が制御装置1、1A〜1Cを備えていてもよい。また、別の例として、制御装置1、1A〜1Cは、携帯電話機と無線通信可能な、携帯電話とは別体の装置であってもよい。後者の例の場合、該装置は、制御部10、10A〜10Cの各部のうち、少なくとも迷惑電話対応部103を含むものであればよい。
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御装置1、1A〜1Cの制御ブロック(特に制御部10、10A〜10C)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、制御装置1、1A〜1Cは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る制御装置(制御装置1、1A〜1C)は、迷惑電話の可能性がある着信の場合、ユーザへ該着信を報知する前に、発信元の電話機に対して会話を録音する旨の録音通知メッセージを送信する録音通知送信部(録音通知部31)と、上記送信の後、上記着信に対する応答として、上記電話機に対して、名乗ることを要求する旨の要求メッセージを送信する要求送信部(名前要求部33)と、上記要求メッセージおよび発信元の音声を、上記ユーザの通信機器の音声出力部(音声出力部4)から出力させる出力制御部(出力制御部104)と、を備える。
本発明の態様2に係る制御装置は、上記態様1において、上記出力制御部は、さらに、上記録音通知送信部が上記録音通知メッセージを送信するときは、上記音声出力部から音声を出力させず、かつ、上記要求送信部が上記要求メッセージを送信するときは、上記要求メッセージに対応する音声を上記音声出力部から出力させてもよい。
本発明の態様3に係る制御装置は、上記態様1または2において、上記通信機器は、親機と、上記親機と無線通信可能な1以上の子機とを含む電話機であり、上記出力制御部は、上記要求メッセージおよび上記発信元の音声を、上記親機の音声出力部および上記子機の音声出力部の各々から出力させてもよい。
本発明の態様4に係る制御装置は、上記態様1から3のいずれかにおいて、上記出力制御部は、上記録音通知送信部による上記送信が終了した後に、上記ユーザへ上記着信を報知するための着信音を上記音声出力部から出力させ、通話が開始される前に上記着信音の出力に関する所定の条件が成立したとき、上記着信音の出力を終了させ、上記要求送信部は、上記着信音の出力が終了したとき、上記発信元の電話機に対して上記要求メッセージを送信してもよい。
本発明の態様5に係る制御装置は、上記態様4において、上記着信音は、迷惑電話に関する注意喚起を表す音声を含んでもよい。
本発明の態様6に係る制御装置は、上記態様4または5において、電話回線(電話回線網200)を介して入力された呼出信号と異なる、所定の音声データに基づく着信音であってもよい。
本発明の態様7に係る制御装置は、上記態様1から6のいずれかにおいて、上記要求メッセージは、会話を録音する旨を含まないものであってもよい。
本発明の態様8に係る制御装置は、上記態様1から7のいずれかにおいて、上記要求送信部は、上記ユーザの電話機が有する留守番電話録音機能が無効である場合にのみ上記要求を行ってもよい。
本発明の態様9に係る制御装置は、上記態様1から8のいずれかにおいて、上記要求送信部は、発信元の電話機の電話番号、着信履歴、および上記着信の日時の少なくとも一方に応じて予め設定された態様の上記要求メッセージを送信してもよい。
本発明の態様10に係る制御装置の制御方法は、迷惑電話の可能性がある着信の場合、ユーザへ該着信を報知する前に、発信元の電話機に対して会話を録音する旨の録音通知メッセージを送信する録音通知送信ステップ(ステップS3)と、上記送信の後、上記着信に対する応答として、上記電話機に対して、名乗ることを要求する旨の要求メッセージを送信する要求送信ステップ(ステップS7)と、上記要求メッセージおよび発信元の音声を、上記ユーザの通信機器の音声出力部から出力させる出力制御ステップ(ステップS8)と、を含む。
本発明の各態様に係る制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記制御装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記制御装置をコンピュータにて実現させる制御装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。