以下に、本願発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とは、容器の容器本体の開口面を上にして水平面上に載置した際に、鉛直方向における上方に向かう方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向かう方向のことであり、「横」とは水平方向に向かう方向のことであり、「縦」とは、水平面において「横」に対して直角の方向のことである。
まず、図1及び図2には、本願発明の容器500の蓋体100を示す。なお、図1(a)は蓋体100の平面図、図1(b)は蓋体100の側面図、図2(a)は図1(a)のA−A端面図、図2(b)は図2(a)において点線で囲んだ部分の拡大端面図である。
図1及び図2に示すように、蓋体100は下方に開口した浅皿型で、平面視略円形形状をしており、平坦な天板110と、当該天板110の縁部111から下方へ向けて連続する側壁120と、当該側壁120の下端に設けられた内嵌合部130とを備える。天板110の縁部111には、天板110から上方に突出する突部112が形成されており、この突部112の内側に後述する容器本体の底壁が配置できるようになっている。そのため、容器500を段積みした場合は、上に段積みされた容器500の容器本体の底壁が、下段の容器500の蓋体100の突部112に囲まれるので、上段の容器500がズレて落ちることがなく、安定して段積みすることが出来る。そして、側壁120及び内嵌合部130は、蓋体100の周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。
また、図2(b)に示すように、内嵌合部130の下部側と上部側のそれぞれには、縦断面が円弧状の下部円弧部140と縦断面が円弧状の上部円弧部150が設けられている。下部円弧部140の下端141には、当該下端141から横方向へ延出する平坦部131が設けられており、この平坦部131は側壁120の下端121と連続している。また、上部円弧部150の上端152にも、上端152から横方向へ延出する平坦部132が設けられている。なお、縦断面とは、図2に示すように、蓋体100の開口面に対して直角に交わる平面により内嵌合部130を切断した際に現れる断面のことである。また、内嵌合部130は、平坦部131及び平坦部132の両方を備えているが、これに限定されず、平坦部131又は平坦部132の一方のみを備えてもよい。
また、図2(b)に示すように、上部円弧部150は半径R1で中心角θ1の円弧形状をしており、同様に、下部円弧部140は半径R2で中心角θ2の円弧形状をしている。そして、上部円弧部150は下部円弧部140よりも大きな弧を描くように形成されており、上部円弧部150の長さL1は、下部円弧部140の長さL2よりも長くなっている。
さらに、上部円弧部150の中心角θ1は、90度より大きくなっている(つまり、90°<θ1)。このように、上部円弧部150の中心角θ1を90度より大きくすることで、後述する容器側嵌合部との嵌合がより強固になるのである。一方、下部円弧部140の中心角θ2は、90度以下となっている(つまり、θ2≦90°)。このように、下部円弧部140の中心角θ2を90度以下とすることで、蓋体100をシート成形する際に、いわゆるアンダーカット部分が少なくなることから、蓋体100が型枠から外れやすくなるのである。
また、下部円弧部140と上部円弧部150は、中間部133によって上下に離間した状態で連結されている。具体的には、下部円弧部140の上端142は中間部133に連続しており、上部円弧部150の下端151は中間部133に連続しているので、下部円弧部140と上部円弧部150は、中間部133を介して、上下に離間した状態となっている。このように、下部円弧部140と上部円弧部150とが直接連続しておらず、中間部133を介して互いに離間していることで、内嵌合部130のシール性をより確実に保つことができる。例えば、蓋体100の縁部に外力がかかると、縁部側に位置する上部円弧部150は変形する可能性があるが、下部円弧部140は、中間部133によって上部円弧部150から離間しているので、変形し難いのである。そのため、蓋体100の縁部に不用意に外力がかかっても、内嵌合部130全体としてはシール性が確保されているのである。
さらに、下部円弧部140と上部円弧部150の間には、下部円弧部140と上部円弧部150の円弧表面から内側に括れた様にして凹部134が設けられている。そのため、後述するように、内嵌合部130が、後述する容器側嵌合部と密着する面積が増え、シール性がより高くなるのである。なお、下部円弧部140と上部円弧部150の間には凹部134が設けられているが、これに限定されず、接触面積が増えるように凸部を設けてよい。
なお、上部円弧部150の長さL1を下部円弧部140の長さL2よりも長くしているが、これに限定されず、上部円弧部150の長さL1と下部円弧部140の長さL2を同じ長さとしてもよく、又、上部円弧部150の長さL1を下部円弧部140の長さL2よりも短くしてもよい。ただ、上部円弧部150の長さL1を下部円弧部140の長さL2よりも長くすることで、蓋体100の縁部に外力がかかっても、縁部側に位置する上部円弧部150は、全長が長い分、容器本体側にしっかりと嵌合し続けることができるので、蓋体100が不用意に外れることを効果的に防止することが出来るのである。なお、図1及び図2に示す蓋体100では、内嵌合部130が下部円弧部140及び上部円弧部150を備える構成であるが、これに限定されず、蓋体100の内嵌合部130が容器本体400の下段の容器側嵌合部に内嵌合できるのであれば、逆テーパ状の内嵌合部を備える構成などその他の構成を採用してもよい。
次に、図3に本願発明の容器500の中皿200を示す。なお、図3(a)は中皿200の平面図、図3(b)は中皿200の側面図、図3(c)はB−B端面図である。
図3に示すように、中皿200は上方に開口した浅皿型で、平面視略円形形状をしており、平坦な底壁210と、当該底壁210の縁部から上方へ立ち上がるように連続する側壁220と、食材等を個別に収容するための仕切壁221が設けられている。さらに、側壁220の外側には、当該側壁220の上端から下方へ延出するスカート部230が設けられ、当該スカート部230の下端から略水平方向へ延びるフランジ部240が設けられている。そして、側壁220、スカート部230及びフランジ部240は中皿200の周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。
また、図3に示すように、中皿200は、中皿200の外縁から内側へ窪んだ凹部250が設けられている。この凹部250は、後述する中蓋の持ち手が配置できる大きさになっている。また、底壁210上の仕切壁221で仕切られた空間には、薬味や野菜等の食品を収容することができ、収容された食品がずれないように、底壁210上には細かい凹凸状の滑り止め211が形成されている。
次に、図4及び図5には、本願発明の容器500の中蓋300を示す。なお、図4(a)は中蓋300の平面図、図4(b)は中蓋300の側面図、図5(a)は図4(a)のC−C端面図、図5(b)は図5(a)において、右側の点線で囲んだ部分の拡大端面図、図5(c)は図5(a)において、左側の一点鎖線で囲んだ部分の拡大端面図である。
図4及び図5に示すように、中蓋300は上方に開口した浅皿型で、平面視略円形形状をしており、平坦な底壁310と、当該底壁310から上方へ向けて突出する持ち手320と、底壁310の外縁312に設けられた内嵌合部330とを備える。底壁310には麺類等を収容するため、底壁310の中央側は凹部315となっている。そして、内嵌合部330は、中蓋300の周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。また、底壁310の外縁312には、外側へ突出した回り止め314が設けられている。
また、中蓋300の中心Oには、底壁310を貫通する貫通孔311が形成されている。後述するように、中蓋300は、容器本体の下段側にスープ等の液体を充填して被蓋するため、貫通孔311は空気を逃すために利用される。また、持ち手320は、側面視略三角錐形状をしており、人の指で摘まみやすいように、持ち手320は薄肉状となっている。さらに、持ち手320の内面321及び外面322は湾曲面となっており、指先で摘まみやすくなっている。また、持ち手320は、中蓋300の中心Oから中蓋300の外縁312側にずれた位置に配置されている。そして、持ち手320の内側には、直線状に延出するヒンジ(屈曲部)313が設けられている。このヒンジ313は、底壁310に直線状に設けられた溝によって構成されており、持ち手320を持ち上げることで、持ち手320周辺の底壁310を、ヒンジ313を起点にして上方へ曲げることができる。なお、ヒンジ313は、直線状の溝の形態であるが、これに限定されず、持ち手320周辺の底壁310を、ヒンジ313を起点にして上方へ曲げることができるのであれば、その他の形態でもよい。
また、中蓋300の内嵌合部330は、蓋体100の内嵌合部130の構成と基本的に同じであり、内嵌合部330の下部側と上部側のそれぞれには、縦断面が円弧状の下部円弧部340と縦断面が円弧状の上部円弧部350が設けられている。下部円弧部340の下端341には、当該下端341から横方向へ延出する平坦部331が設けられており、この平坦部331は底壁310と連続している。また、上部円弧部350の上端352にも、上端352から横方向へ延出する平坦部332が設けられている。なお、縦断面とは、図5に示すように、底壁310に対して直角に交わる平面により内嵌合部330を切断した際に現れる断面のことである。また、内嵌合部330は、平坦部331及び平坦部332の両方を備えているが、これに限定されず、平坦部331又は平坦部332の一方のみを備えてもよい。
また、図5に示すように、上部円弧部350は半径R3で中心角θ3の円弧形状をしており、同様に、下部円弧部340は半径R4で中心角θ4の円弧形状をしている。そして、上部円弧部350は下部円弧部340よりも大きな弧を描くように形成されており、上部円弧部350の長さL3は、下部円弧部340の長さL4よりも長くなっている。
さらに、上部円弧部350の中心角θ3は、90度より大きくなっている(つまり、90°<θ3)。このように、上部円弧部350の中心角θ3を90度より大きくすることで、後述する容器側嵌合部との嵌合がより強固になるのである。一方、下部円弧部340の中心角θ4は、90度以下となっている(つまり、θ4≦90°)。下部円弧部340の中心角θ4を90度以下とすることで、中蓋300をシート成形する際に、いわゆるアンダーカット部分が少なくなることから、中蓋300が型枠から外れやすくなるのである。
また、下部円弧部340と上部円弧部350は、中間部333によって上下に離間した状態で連結されている。具体的には、下部円弧部340の上端342は中間部333に連続しており、上部円弧部350の下端351は中間部333に連続しているので、下部円弧部340と上部円弧部350は、中間部333を介して、上下に離間した状態となっている。このように、下部円弧部340と上部円弧部350とが直接連続しておらず、中間部333を介して互いに離間していることで、内嵌合部330のシール性をより確実に保つことができる。例えば、中蓋300の外縁312に外力がかかると、外縁側に位置する上部円弧部350は変形する可能性があるが、下部円弧部340は、中間部333によって上部円弧部350から離間しているので、変形し難いのである。そのため、中蓋300の外縁に不用意に外力がかかっても、内嵌合部330全体としてはシール性が確保されているのである。
さらに、下部円弧部340と上部円弧部350の間には、下部円弧部340と上部円弧部350の円弧表面から内側に括れた様にして凹部334が設けられている。そのため、後述するように、内嵌合部330が、後述する容器側嵌合部と密着する面積が増え、シール性がより高くなるのである。なお、下部円弧部340と上部円弧部350の間には凹部334が設けられているが、これに限定されず、接触面積が増えるように凸部を設けてよい。
なお、上部円弧部350の長さL3を下部円弧部340の長さL4よりも長くしているが、これに限定されず、上部円弧部350の長さL3と下部円弧部340の長さL4を同じ長さとしてもよく、又、上部円弧部350の長さL3を下部円弧部340の長さL4よりも短くしてもよい。
また、内嵌合部330は中蓋300の外縁312の全周に設けられているが、中蓋300の持ち手320の外側に位置する内嵌合部330の嵌合強度は、持ち手320の外側と反対側に位置する内嵌合部330’の嵌合強度よりも弱く構成されている。なお、内嵌合部330’は、持ち手320側に位置する内嵌合部330と基本的に同じ構成なので、内嵌合部330’の各構成要素は、内嵌合部330の各構成要素の符号に「’」を追加して表し、当該同じ構成については詳細な説明を省略している。
図5(b)に示すように、持ち手320側に位置する内嵌合部330では、上部円弧部350の中心角はθ3となっており、図5(c)に示すように、持ち手320の反対側に位置する内嵌合部330’では、上部円弧部350’の中心角はθ3’となっている。そして、持ち手320側に位置する内嵌合部330の上部円弧部350の中心角θ3は、持ち手320の反対側に位置する内嵌合部330’の上部円弧部350’の中心角θ3’よりも僅かに小さくなっている。そのため、中蓋300の内嵌合部330が、後述する容器本体の容器側嵌合部に内嵌合した際に、中心角θ3が小さい上部円弧部350は、反対側の上部円弧部350’に比べて、容器側嵌合部に浅く嵌合することになる。したがって、中蓋300の持ち手320の外側に位置する内嵌合部330の嵌合強度は、持ち手320の外側と反対側に位置する内嵌合部330’の嵌合強度よりも弱くなるのである。
なお、図5に示す中蓋300では、持ち手320側に位置する内嵌合部330の上部円弧部350の中心角θ3を、反対側に位置する内嵌合部330’の上部円弧部350’の中心角θ3’よりも小さくして、持ち手320側に位置する内嵌合部330の上部円弧部350のアンダーカット量を、反対側に位置する内嵌合部330’の上部円弧部350’のアンダーカット量よりも小さくしているが、これに限定されず、中蓋300の持ち手320の外側に位置する内嵌合部330の嵌合強度を、持ち手320の外側と反対側に位置する内嵌合部330’の嵌合強度よりも弱く構成できるのであれば、例えば、持ち手320側に位置する上部円弧部350の形状を変更して、当該上部円弧部350と容器側嵌合部との嵌合面積を、持ち手320の反対側に位置する上部円弧部350’と容器側嵌合部との嵌合面積よりも小さくするなど、適宜任意の構成を採用することが出来る。
なお、図4及び図5に示す中蓋300では、内嵌合部330が下部円弧部340及び上部円弧部350を備える構成であるが、これに限定されず、中蓋300の内嵌合部330が容器本体400の下段の容器側嵌合部に内嵌合できるのであれば、逆テーパ状の内嵌合部を備える構成などその他の構成を採用してもよい。
次に、図6及び図7には、本願発明の容器500の容器本体400を示す。なお、図6(a)は容器本体400の平面図、図6(b)は容器本体400の側面図、図7(a)は図6(a)のD−D端面図、図7(b)は図7(a)において点線で囲んだ部分の拡大端面図である。
図6及び図7に示すように、容器本体400は、上方に開口した深皿型で、平面視略円形形状をしており、平坦な底壁410と、当該底壁410の縁部411から上方へ立ち上がるように連続する側壁420と、当該側壁420の下段側の内側に設けられた容器側嵌合部430と、側壁420の上段側の内側に設けられた容器側嵌合部460とを備える。容器本体400の下段側には、底壁410と側壁420とで囲まれた収容部403が形成されており、液体等の食品を収容できるようになっている。そして、側壁420、下段側の容器側嵌合部430、及び上端側の容器側嵌合部460は、容器本体400の周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。また、容器本体400の外縁401には、外側へ突出する摘まみ部402が設けられている。
また、容器本体400の下段側の容器側嵌合部430には、中蓋300が内嵌合できるようになっており、容器側嵌合部430の形状と中蓋300の内嵌合部330の形状は一致している。具体的には、容器側嵌合部430の下部側と上部側のそれぞれには、縦断面が円弧状の下部円弧部440と縦断面が円弧状の上部円弧部450が設けられている。そして、下部円弧部440は、中蓋300の内嵌合部330の下部円弧部340と密着できるように、下部円弧部340と同じ形状をしている。また、上部円弧部450は、中蓋300の内嵌合部330の上部円弧部350と密着して嵌合できるように、上部円弧部350と同じ形状をしている。また、下部円弧部440と上部円弧部450とを上下に連結している中間部433も、内嵌合部330の中間部333と密着できるように、中間部333と同じ形状をしている。このように、容器本体400の下段側の容器側嵌合部430は、中蓋300の内嵌合部330に密着して嵌合できるように構成されている。なお、容器側嵌合部430の形状と中蓋300の内嵌合部330の形状が一致するとは、互いに隙間無く完全に密着するように両形状が一致する場合に限定されず、中蓋300の内嵌合部330が容器本体400の容器側嵌合部430に内嵌合した際に液漏れが防止できるように密閉できる範囲であれば、容器側嵌合部430の形状と中蓋300の内嵌合部330の形状が僅かに異なっている場合も含むのである。
また、下部円弧部440の下端441には、当該下端441から横方向へ延出する平坦部431が設けられており、この平坦部431は下段側の側壁420と連続している。一方、上部円弧部450の上端452にも、上端452から横方向へ延出する平坦部432が設けられており、この平坦部432は上段側の側壁420と連続している。そして、容器側嵌合部430の平坦部431は、中蓋300の内嵌合部330の平坦部331に密着できるように構成されており、容器側嵌合部430の平坦部432も、中蓋300の内嵌合部330の平坦部332に密着できるように構成されている。
また、容器本体400の上段側の容器側嵌合部460には、蓋体100が内嵌合できるようになっており、容器側嵌合部460の形状と蓋体100の内嵌合部130の形状は一致している。具体的には、容器側嵌合部460の下部側と上部側のそれぞれには、縦断面が円弧状の下部円弧部470と縦断面が円弧状の上部円弧部480が設けられている。そして、下部円弧部470は、蓋体100の内嵌合部130の下部円弧部140と密着できるように、下部円弧部140と同じ形状をしている。また、上部円弧部480は、蓋体100の内嵌合部130の上部円弧部150と密着して嵌合できるように、上部円弧部150と同じ形状をしている。また、下部円弧部470と上部円弧部480とを上下に連結している中間部463も、内嵌合部130の中間部133と密着できるように、中間部133と同じ形状をしている。このように、容器本体400の上段側の容器側嵌合部460は、蓋体100の内嵌合部130に密着して嵌合できるように構成されている。なお、容器側嵌合部460の形状と蓋体100の内嵌合部130の形状が一致するとは、互いに隙間無く完全に密着するように両形状が一致する場合に限定されず、蓋体100の内嵌合部130が容器本体400の容器側嵌合部460に内嵌合した際に液漏れが防止できるように密閉できる範囲であれば、容器側嵌合部460の形状と蓋体100の内嵌合部130の形状が僅かに異なっている場合も含むのである。
また、下部円弧部470の下端471には、当該下端471から横方向へ延出する平坦部461が設けられており、この平坦部461は上段側の側壁420と連続している。一方、上部円弧部480の上端482にも、上端482から横方向へ延出する平坦部462が設けられている。そして、容器側嵌合部460の平坦部461は、蓋体100の内嵌合部130の平坦部131に密着できるように構成されており、容器側嵌合部460の平坦部462も、蓋体100の内嵌合部130の平坦部132に密着できるように構成されている。
また、図6(a)に示すように、下段の容器側嵌合部430と上段の容器側嵌合部460の間の側壁420の一部には、側壁420を切り欠いたように外側へ凹んだ収納部421が設けられている。この収納部421は、容器側嵌合部430の平坦部432と連続しており、容器側嵌合部430に内嵌合した中蓋300の回り止め314を収容することが出来る。
なお、本実施形態に係る蓋体100、中皿200、中蓋300、及び容器本体400は、厚さが約0.1mmから1.0mm程度のシート状の素材を用いて、シート成形(例えば、真空成形、圧空成形、熱盤成形)されたものであり、例えば、蓋体100、中皿200、容器本体400の素材としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、A−PET、ポリ乳酸や、これらを二軸延伸させたものを、中蓋300の素材としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、A−PET、ポリ乳酸や、これらを発泡させたものや、タルクを混ぜたものを用いることができる。また、蓋体100、中皿200、中蓋300、及び容器本体400は、平面視略円形であるが、この他にも平面視多角形など、適宜形状を変更することできる。
では次に、図8及び図9を参照して、本願発明の容器500への食品の収容方法について説明する。なお、図8は、本願発明の容器500を分解して示した側面図、図9(a)は容器本体400に中蓋300を内嵌合させた状態の平面図、図9(b)は容器本体400に中蓋300を内嵌合させた状態で、中蓋300の上から中皿200を被せた状態の平面図である。
ここで、例えば、容器500に冷やし麺等の食材を収容する場合は、図8に示すように、まず容器本体400の下段側の収容部403内に、冷やし麺のスープ等の液体を充填して収容する。液体は、容器本体400の容器側嵌合部430を超えないように、ある程度余裕を持たせて、容器側嵌合部430の下方まで収容されている。その状態で、収容部403を密閉するために、収容部403の上方から中蓋300を容器側嵌合部430に内嵌合させる。図9(a)に示すように、中蓋300を容器本体400に内嵌合させる際は、中蓋300の回り止め314が容器本体400の収納部421に収納されるように、中蓋300の位置を調節しておく。回り止め314が収納部421に収納されることで、中蓋300が容器本体400内で回転しないように回り止めの効果を得ることが出来る。
次に、中蓋300の底壁310上に冷やし麺の麺等の食材を載せて収容する。そして、中蓋300を覆うように中皿200を被せる。具体的には、図9(b)に示すように、中皿200のフランジ部240を容器本体400の上段の平坦部461上に載置し、中皿200を容器本体400内に配置する。また、中蓋300の持ち手320の先端が、中皿200の凹部250から突出するように、中皿200の位置を調節しておく。持ち手320が凹部250から突出することで、中皿200が容器本体400内で回転しないように回り止めの効果を得ることが出来る。さらに、持ち手320の先端が凹部250から突出することで、中蓋300上に収容された麺等の食品が、持ち手320の先端側に触れることがない。そのため、持ち手320の先端側に食品等が付着しないので、持ち手320を摘まむユーザに不快な思いをさせることもなく、衛生的である。
次に、中皿200の仕切壁221で仕切られた底壁210上に、冷やし麺の薬味等の食材を載せて収容する。そして、中皿200を覆うように、蓋体100を容器本体400の容器側嵌合部460に内嵌合させて密閉する。冷やし麺の各食材が個別に収容されて密閉された容器500は、店頭等に陳列されて販売されている。
では、容器500が密閉された状態について、図10を参照して説明する。なお、図10は、容器500を密閉した状態の縦端面図である。この図10の容器500の縦端面図は、図2(a)に示す蓋体100と、図3(c)に示す中皿200と、図5(a)に示す中蓋300と、図7(a)に示す容器本体400とを重ねた状態で、容器500の両端を拡大して示した端面図となっている。
図10に示すように、中蓋300の内嵌合部330と容器本体400の容器側嵌合部430の形状は互いに一致しており、互いに隙間無く密着して嵌合している。特に、内嵌合部330の上部円弧部350が容器側嵌合部430の上部円弧部450と密着し、内嵌合部330の下部円弧部340が容器側嵌合部430の下部円弧部440と密着していることから、内嵌合部330と容器側嵌合部430との嵌合箇所には、円弧状の密着箇所が二重に形成されている。さらに、下部円弧部340及び上部円弧部350は円弧状なので、密着面積をより大きくすることが出来る。また、下部円弧部340及び上部円弧部350は円弧状なので、外力が加わっても嵌合箇所はズレにくく、互いに密着した状態を維持し易い。そのため、内嵌合部330と容器側嵌合部430との嵌合箇所はシール性が高く、液漏れを効果的に防止することが出来る。
ここで、収容部403に液体を収容した状態で中蓋300を内嵌合させて密閉した容器本体400を用いて、液漏れを効果的に防止できるか検証を行った。なお、中蓋300による液漏れ効果を検証するために、中皿200及び蓋体100は取り外した状態の容器本体400を利用している。具体的には、液体が収容された容器本体400を約45度傾け、液体が内嵌合部330と容器側嵌合部430の嵌合箇所に浸かるようにした。その状態を、30分、1時間、2時間、及び3時間の間維持したが、いずれの時間も液漏れは無く、高い密閉性を長時間維持できることを確認できた。一方、従来の特許文献1の容器でも同じ検証を行った。具体的には、容器本体の下段側に液体を収容した状態で、容器本体の第二逆テーパ嵌合部に、中蓋の逆テーパ嵌合部を内嵌合させた容器本体を約45度傾け、液体が嵌合箇所に浸かるようにした。その状態を、30分、1時間、2時間、及び3時間の間維持したが、1時間経過後に液漏れが生じ、本願発明と比較して密閉性が低い結果となった。従来の特許文献1の容器では、逆テーパ嵌合部が傾斜面であるから、嵌合箇所が傾斜面に沿って上下に僅かにずれ易くなっているため、中蓋にかかる液体の重みより、嵌合箇所が傾斜面に沿って上下に僅かにずれ、液漏れが生じたと考えられる。
更に、図10に示すように、蓋体100の内嵌合部130と容器本体400の容器側嵌合部460の形状は互いに一致しており、互いに隙間無く密着して嵌合している。特に、内嵌合部130の上部円弧部150が容器側嵌合部460の上部円弧部480と密着し、内嵌合部130の下部円弧部140が容器側嵌合部460の下部円弧部470と密着していることから、内嵌合部130と容器側嵌合部460との嵌合箇所には、円弧状の密着箇所が二重に形成されている。さらに、下部円弧部140及び上部円弧部150は円弧状なので、密着面積をより大きくすることが出来る。また、下部円弧部140及び上部円弧部150は円弧状なので、外力が加わっても嵌合箇所はズレにくく、互いに密着した状態を維持し易い。そのため、内嵌合部130と容器側嵌合部460との嵌合箇所はシール性が高く、液漏れを効果的に防止することが出来る。
ここで、収容部403に液体を収容した状態で蓋体100を内嵌合させて密閉した容器本体400を用いて、液漏れを効果的に防止できるか検証を行った。なお、蓋体100による液漏れ効果を検証するために、中皿200及び中蓋300は取り外した状態の容器本体400を利用している。具体的には、液体が収容された容器本体400を約45度傾け、液体が内嵌合部130と容器側嵌合部460の嵌合箇所に浸かるようにした。その状態を、30分、1時間、2時間、及び3時間の間維持したが、いずれの時間も液漏れは無く、高い密閉性を長時間維持できることを確認できた。一方、従来の特許文献1の容器でも同じ検証を行った。具体的には、容器本体の下段側に液体を収容した状態で、容器本体の第一逆テーパ嵌合部に、蓋体の逆テーパ嵌合部を内嵌合させた容器本体を約45度傾け、液体が嵌合箇所に浸かるようにした。その状態を、30分、1時間、2時間、及び3時間の間維持したが、1時間経過後に液漏れが生じ、本願発明と比較して密閉性が低い結果となった。従来の特許文献1の容器では、逆テーパ嵌合部が傾斜面であるから、嵌合箇所が傾斜面に沿って上下に僅かにずれ易くなっているため、中蓋にかかる液体の重みより、嵌合箇所が傾斜面に沿って上下に僅かにずれ、液漏れが生じたと考えられる。
なお、図10に示す容器500では、蓋体100の内嵌合部130と中蓋300の内嵌合部330の両方が、上部円弧部と下部円弧部を備えているが、これに限定されず、蓋体100の内嵌合部130又は中蓋300の内嵌合部330の一方が、上部円弧部と下部円弧部を備えてもよい。そして、蓋体100の内嵌合部130又は中蓋300の内嵌合部330の一方が、上部円弧部と下部円弧部を備えていれば、上述したように、容器本体400は、シール性が高く、液漏れを効果的に防止することが出来る。
このように、本願発明の容器500において、蓋体100の内嵌合部130が、縦断面が円弧状の上部円弧部150と下部円弧部140とを備え、蓋体100の内嵌合部130と、当該内嵌合部130に対応する容器側嵌合部460の形状は互いに一致している場合、内嵌合部130と容器側嵌合部460との嵌合箇所は、互いに密着してシール性が高く、液漏れを効果的に防止することが出来る。特に、下部円弧部140及び上部円弧部150は円弧状なので、密着面積をより大きくすることができ、さらに、下部円弧部140及び上部円弧部150は円弧状なので外力が加わっても嵌合箇所はズレにくいため、互いに密着した状態を維持し易くシール性が高いのである。また、蓋体100を容器本体400に嵌合させる際に、蓋体100を下方へ強く押して嵌め合わせても、上部円弧部150及び下部円弧部140は円弧状をしているため、嵌合箇所はズレにくく、蓋体100が下方へ沈み込むことが無いのである。
また同様に、本願発明の容器500において、中蓋300の内嵌合部330が、縦断面が円弧状の上部円弧部350と下部円弧部340とを備え、中蓋300の内嵌合部330と、当該内嵌合部330に対応する容器側嵌合部430の形状は互いに一致している場合、内嵌合部330と容器側嵌合部430との嵌合箇所は、互いに密着してシール性が高く、液漏れを効果的に防止することが出来る。特に、下部円弧部340及び上部円弧部350は円弧状なので、密着面積をより大きくすることができ、さらに、下部円弧部340及び上部円弧部350は円弧状なので外力が加わっても嵌合箇所はズレにくいため、互いに密着した状態を維持し易くシール性が高いのである。
また、本願発明の容器500によれば、図10に示すように、容器本体400の上段の容器側嵌合部460と下段の容器側嵌合部430は互いに上下に離間しており、容器側嵌合部460に内嵌合した蓋体100と容器側嵌合部430に内嵌合した中蓋300も互いに上下に離間している。そのため、蓋体100を容器本体400に嵌合させる際に、蓋体100を下方へ押して嵌め合わせても、蓋体100の内嵌合部130やその他の部分が、中蓋300の内嵌合部330や容器側嵌合部430に触れることを防止することができ、中蓋300と容器側嵌合部430との嵌合状態に影響を及ぼすことは無い。つまり、中蓋300の嵌合状態を確実に維持できるため、シール性が高く、液漏れを効果的に防止することが出来るのである。同様に、蓋体100を容器本体400から外す際でも、蓋体100の内嵌合部130やその他の部分が、中蓋300の内嵌合部330や容器側嵌合部430に触れることを防止できるため、中蓋300の嵌合状態を確実に維持でき、液漏れを効果的に防止することが出来るのである。
また、本願発明の容器500によれば、図2に示すように、蓋体100の内嵌合部130が、上部円弧部150の上端152に連続する平坦部132、又は、下部円弧部140の下端141に連続する平坦部131を備えており、さらに、図7に示すように、内嵌合部130に対応する容器側嵌合部460にも、平坦部131と形状が一致する平坦部461、又は、平坦部132と形状が一致する平坦部462が設けられている。そのため、平坦部同士が密着することで、蓋体100の内嵌合部130と容器側嵌合部460との密着面積をより大きくすることができる。さらに、平坦部同士が当接するため、外力が加わっても蓋体100の内嵌合部130と容器側嵌合部460との嵌合箇所はズレにくい。したがって、内嵌合部130と容器側嵌合部460との嵌合箇所はシール性が高く、液漏れを効果的に防止することが出来る。
また、本願発明の容器500によれば、図5に示すように、中蓋300の内嵌合部330が、上部円弧部350の上端352に連続する平坦部332、又は、下部円弧部340の下端341に連続する平坦部331を備えており、さらに、図7に示すように、内嵌合部330に対応する容器側嵌合部430にも、平坦部331と形状が一致する平坦部431、又は、平坦部332と形状が一致する平坦部432が設けられている。そのため、平坦部同士が密着することで、中蓋300の内嵌合部330と容器側嵌合部430との密着面積をより大きくすることができる。さらに、平坦部同士が当接するため、外力が加わっても中蓋300の内嵌合部330と容器側嵌合部430との嵌合箇所はズレにくい。したがって、内嵌合部330と容器側嵌合部430との嵌合箇所はシール性が高く、液漏れを効果的に防止することが出来る。
また、図10に示すように、本願発明の容器500では、蓋体100を容器本体400に内嵌合させて密封しているが、これに限定されず、蓋体100の代わりに、容器本体400の上段の容器側嵌合部460の一部に合成樹脂製のフィルムをヒートシールすることで、容器500を密封してもよい。フィルムをヒートシールすることで、簡単に密閉性を向上させることができる。なお、フィルムは、容器側嵌合部460の一部であれば、容器側嵌合部460の平坦部462や、上部円弧部480の上端482付近等の任意の場所に、ヒートシール(熱溶着)することが出来る。
さらに、図10に示すように、本願発明の容器500では、中蓋300を容器本体400に内嵌合させているが、これに限定されず、中蓋300の代わりに、容器本体400の下段の容器側嵌合部430の一部に合成樹脂製のフィルムをヒートシールしてもよい。フィルムをヒートシールすることで、簡単に密閉性を向上させることができる。なお、フィルムは、容器側嵌合部430の一部であれば、容器側嵌合部430の平坦部432や、上部円弧部450の上端452付近等の任意の場所に、ヒートシール(熱溶着)することが出来る。
また、図10に示すように、本願発明の蓋体100の内嵌合部130は、容器500の内部空間に近い方へ下部円弧部140を備えている。そして、下部円弧部140の長さL2(図2参照)は、上部円弧部150の長さL1よりも短いため、下部円弧部140は上部円弧部150よりも剛性が高く、変形し難い。このように、剛性が高く変形し難い下部円弧部140が、容器500の内部空間に近い方へ配置されているため、仮に、容器500の内部空間から外部へ液体等が漏れ出しそうになっても、下部円弧部140が容器側嵌合部460に強く密着しているので、液漏れを効果的に防止できるのである。また、容器500を電子レンジによって加熱した際に、容器500の内部空間から水蒸気が発生しても、剛性が高く変形し難い下部円弧部140が容器側嵌合部460に強く嵌合しているので、蓋体100が水蒸気によって勢いよく外れることは無いのである。
また、図10に示すように、本願発明の中蓋300の内嵌合部330は、容器本体400の収容部403に近い方へ下部円弧部340を備えている。そして、下部円弧部340の長さL4(図5参照)は、上部円弧部350の長さL3よりも短いため、下部円弧部340は上部円弧部350よりも剛性が高く、変形し難い。このように、剛性が高く変形し難い下部円弧部340が、容器本体400の収容部403に近い方へ配置されているため、仮に、容器500の内部空間から外部へ液体等が漏れ出しそうになっても、下部円弧部340が容器側嵌合部430に強く密着しているので、液漏れを効果的に防止できるのである。また、容器500を電子レンジによって加熱した際に、容器本体400の収容部403から水蒸気が発生しても、剛性が高く変形し難い下部円弧部340が容器側嵌合部430に強く嵌合しているので、中蓋300が水蒸気によって勢いよく外れることは無いのである。
では次に、本願発明の容器500の中蓋300の取り外し方について、図11を参照して説明する。なお、この図11は、蓋体100及び中皿200を取り外した容器500から、中蓋300を取り外す状態を示したもので、図11(a)は、当該状態の平面図、(b)は当該状態のE−E端面図である。また、この図11では、例えば、冷やし麺等の食材が収容された容器500の購入者が、冷やし麺を食する場合を想定しており、購入者は、まず、容器500から蓋体100を取り外し、冷やし麺の薬味等の食材を載せて収容している中皿200を容器500から一旦取り出している。
次に、図11に示すように、購入者は、手の指F1(例えば、親指)と指F2(例えば、人差し指)で持ち手320の内面321と外面322をそれぞれ摘まみ、上方へ引き上げる。すると、ヒンジ313を起点にして、持ち手320周辺の底壁310は上方へ湾曲させる。そして、持ち手320側の内嵌合部330と容器本体400の容器側嵌合部430の嵌合が外される。引き続き、購入者が持ち手320を上方へ引き上げると、持ち手320の反対側の内嵌合部330’と容器側嵌合部430との嵌合も次第に外れてゆき、中蓋300を完全に取り外すことが出来る。そして、購入者は、中蓋300を容器本体400の収容部403に向けて傾けて、中蓋300の底壁310上に収容されている麺等(不図示である)を収容部403内のスープ(不図示である)に投入する。さらに、一旦取り外した中皿200に収容されている薬味等の食材を、収容部403内の麺とスープの上に載せれば、冷やし麺を食する準備が完了する。そして、購入者は、容器本体400を食器代わりにして冷やし麺を直接食することが出来る。
このように、本願発明の容器500によれば、中蓋300の持ち手320が底壁310から上方に向けて突出しているので、人が持ち手320を指で摘まんで引き上げやすく、中蓋300を容器本体400から容易に取り外すことができる。特に、持ち手320が底壁310から突出していることで、持ち手320を摘まみ上げた際の力が底壁310へ直接伝達され、更に、底壁310から底壁310の外縁に設けられた内嵌合部330へと効果的に伝達される。そのため、内嵌合部330と容器側嵌合部430との嵌合を効率的に外すことができ、その結果、中蓋300を容器側嵌合部430から容易に取り外すことが出来る。
また、本願発明の容器500によれば、中蓋300の持ち手320が、中蓋300の中心Oから外縁312側にずれた位置に設けられ、持ち手320の外側に位置する内嵌合部330の嵌合強度が、持ち手320の外側と反対側に位置する内嵌合部330’の嵌合強度よりも弱く構成されている。そのため、人が持ち手320を指で摘まんで引き上げる際に、持ち手320側の内嵌合部330と容器側嵌合部430との嵌合が外れやすく、中蓋300の取り外しが容易となる。
また、本願発明の容器500によれば、中蓋300の持ち手320の内側には、ヒンジ313が設けられているので、人が持ち手320を指で摘まんで引き上げる際に、持ち手320周辺の底壁310を、ヒンジ313を起点にして上方へ曲げることで、持ち手320側の内嵌合部330と容器側嵌合部430の嵌合が外れやすく、中蓋300の取り外しが容易となる。
また、中蓋300の持ち手320の内側にヒンジ313を設けることで、中蓋300を取り外す際に、ヒンジ313を起点にして、持ち手320側の内嵌合部330が最初に外れる。つまり、持ち手320側の内嵌合部330が先に外れるので、中蓋300の外縁312全周にわたる嵌合が一度に外れることはないのである。例えば、中蓋300の外縁312全周にわたる嵌合が一度に外れると、中蓋300が勢いよく上方へ跳ね上がり、中蓋300に収容された麺類等の食材が容器本体400からこぼれたりする可能性がある。そこで、本願発明の容器500では、中蓋300にヒンジ313を設けた事で、持ち手320側の内嵌合部330から段階的に外すことができるため、中蓋300が勢いよく上方へ跳ね上がることを防止出来るのである。
また、図11(b)に示すように、中蓋300の持ち手320内部は、内面321と外面322で囲まれた空間323となっている。そのため、指で持ち手320を摘まんだ際に、持ち手320は空間323が潰れるように弾性変形する。そして、持ち手320の空間323が潰れるように弾性変形すると、持ち手320の外面322は内側に湾曲し、外面322と連続した外縁312及び内嵌合部330が内側へ僅かに撓むことになる。そのため、持ち手320側に位置する内嵌合部330は内側に僅かに撓み、容器側嵌合部430との嵌合が外れやすくことから、中蓋300の取り外しが容易となる。さらに、持ち手320は、中蓋300の外縁312に沿って長尺状に延出しているので、指で持ち手320を摘まんだ際に、持ち手320側に位置する内嵌合部330を広範囲に内側に撓ませることができるため、中蓋300の取り外しが更に容易となる。
また、持ち手320は、中蓋300の外縁312よりも内側に配置されているので、図11に示すように、持ち手320と容器本体400の側壁420との間に指F2を入れる隙間が出来ている。そのため、持ち手320を指F2で摘まみやすく、中蓋300の取り外しが容易となるのである。さらに、図11(b)に示すように、持ち手320は底壁310に向かうにつれて末広がりの形状となっている。そのため、持ち手320の上端側ほど持ち手320の幅が狭くなるので、持ち手320と容器本体400の側壁420との間の隙間が大きくなり、持ち手320を指F2で摘まみやすく、中蓋300の取り外しが更に容易となる。
次に、図12及び図13を参照して、本願発明の変形例1に係る容器500Aについて説明する。なお、図12(a)は、容器500Aの中蓋300Aの平面図、図12(b)は、中蓋300Aの側面図、図12(c)はF―F端面図、図13(a)は、容器本体400Aから中蓋300Aを取り外す状態の平面図、図13(b)はG―G端面図である。また、本変形例1に係る容器500Aは、中蓋300Aの構成が、図1から図11に示す容器500の中蓋300の構成と異なるだけで、他の構成は容器500と同一なので、同一の構成については、詳細な説明を省略する。また、図13は、容器500Aから中皿200Aと蓋体100Aを取り外した状態となっている。
図12に示すように、中蓋300Aは上方に開口した浅皿型で、平面視略円形形状をしており、平坦な底壁310Aと、当該底壁310Aから上方へ向けて突出する持ち手320Aと、底壁310Aの外縁312Aに設けられた内嵌合部330Aとを備える。底壁310Aには麺類等を収容するため、底壁310Aの中央側は凹部315Aとなっている。そして、内嵌合部330Aは、中蓋300Aの周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。また、底壁310Aの外縁312Aには、外側へ突出した回り止め314Aが設けられている。さらに、中蓋300Aの中心Oには、底壁310Aを貫通する貫通孔311Aが形成されている。
また、持ち手320Aは、シート状に薄く形成されており、外縁312Aに沿って長尺状に延出した立壁部となっている。さらに、図12(a)に示すように、立壁部となっている持ち手320Aは、外縁312Aに沿って延出しているので、平面視で外側に湾曲した円弧状をしている。また、底壁310Aには、持ち手320Aより内側に突起316Aが設けられている。底壁310A上に収容された麺類等の食材が突起316Aに接触し、持ち手320A側へ移動しないようになっている。
また、中蓋300Aの内嵌合部330Aは、図4に示す中蓋300の内嵌合部330の構成と同一であり、内嵌合部330Aの下部側と上部側のそれぞれには、縦断面が円弧状の下部円弧部340Aと縦断面が円弧状の上部円弧部350Aが設けられている。なお、縦断面とは、図12(c)に示すように、中蓋300Aの開口面に対して直角に交わる平面により内嵌合部330Aを切断した際に現れる断面のことである。
そして、図13(a)及び(b)に示すように、中蓋300Aを容器本体400Aの下段側の容器側嵌合部430Aに内嵌合させた状態では、持ち手320Aが容器本体400Aの側壁420Aから離間した状態となっており、持ち手320Aと側壁420Aとの間には、隙間XAが生じている。そして、中蓋300Aを取り外す際は、隙間XAに指F2を差し込んで、指F1と指F2とで持ち手320Aを指で摘まんで引き上げるのである。また、中蓋300Aが容器本体400A内で回転しないように、回り止め314Aが容器本体400Aの収納部421Aに収納されている。
なお、図12に示す中蓋300Aでは、持ち手320Aが外縁312Aに沿って長尺状に延出する立壁部であったが、これに限定されず、図14を参照して後述するように、持ち手320Aは短尺状の摘まみの態様でもよく、シート状であれば、任意の形状を採用することが出来る。また、図示していないが、中蓋300Aの上方に中皿200Aを配置した際には、持ち手320Aの先端が中皿200Aの凹部250Aから突出するようになっている。持ち手320Aが凹部250Aから突出することで、中皿200Aが容器本体400A内で回転しないように回り止めの効果を得ることができ、さらに、中蓋300A上に収容された麺等の食品が、持ち手320Aの先端側に触れることがないので、持ち手320Aを摘まむユーザに不快な思いをさせることもなく、衛生的である。
このように、本願発明の変形例1に係る容器500Aの中蓋300Aでは、中蓋300の外縁312A側から突出するシート状の持ち手320Aを備えているため、持ち手320Aを指で摘まんで引き上げれば、外縁312Aに設けられた内嵌合部330Aが容器側嵌合部430Aから容易に外れ、中蓋300Aを簡単に取り外すことができる。さらに、持ち手320Aはシート状なので、底壁310A上の食材の収容スペースを狭めることがなく、多くの食材を効率的に収容することが出来る。また、図13に示すように、中蓋300Aを容器本体400Aの下段側の容器側嵌合部430Aに内嵌合させた状態では、持ち手320Aが容器本体400Aの側壁420Aから離間して隙間XAが形成されているため、この隙間XAに指F2を差し込むことができ、持ち手320Aを容易に摘まみ上げることが出来る。
また、本願発明の変形例1に係る容器500Aの中蓋300Aでは、持ち手320Aが、中蓋300Aの外縁312Aに沿って長尺状に延出する立壁部となっているので、人の指で摘まむことが出来る面積が増え、持ち手320Aを更に容易に摘まみ上げることが出来る。
次に、図14及び図15を参照して、本願発明の変形例2に係る容器500Bについて説明する。なお、図14(a)は、容器500Bの中蓋300Bの平面図、図14(b)は、中蓋300Bの側面図、図14(c)はH―H端面図、図15(a)は、容器本体400Bから中蓋300Bを取り外す状態の平面図、図15(b)はI―I端面図である。また、本変形例2に係る容器500Bは、中蓋300Bの構成が、図1から図11に示す容器500の中蓋300の構成と異なるだけで、他の構成は容器500と同一なので、同一の構成については、詳細な説明を省略する。また、図15は、容器500Bから中皿200Bと蓋体100Bを取り外した状態となっている。
図14に示すように、中蓋300Bは上方に開口した浅皿型で、平面視略円形形状をしており、平坦な底壁310Bと、当該底壁310Bの外縁312Bから外側へ突出する持ち手320Bと、外縁312Bに設けられた内嵌合部330Bとを備える。底壁310Bには麺類等を収容するため、底壁310Bの中央側は凹部315Bとなっている。そして、内嵌合部330Bは、中蓋300Bの周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。また、底壁310Bの外縁312Bには、外側へ突出した回り止め314Bが設けられている。さらに、中蓋300Bの中心Oには、底壁310Bを貫通する貫通孔311Bが形成されている。
また、持ち手320Bは、シート状に薄く形成されており、外縁312Bから外側に向けて延出している。さらに、持ち手320Bの中央には凹部327Bが設けられており、凹部327Bの底面324Bは外側へ向けて膨出している。また、持ち手320Bは可撓性を備えており、屈曲部325Bを中心に屈曲することが出来る。また、底壁310Bには、持ち手320Bより内側に突起316Bが設けられている。底壁310B上に収容された麺類等の食材が突起316Bに接触し、持ち手320B側へ移動しないようになっている。
また、中蓋300Bの内嵌合部330Bは、図4に示す中蓋300の内嵌合部330の構成と同一であり、内嵌合部330Bの下部側と上部側のそれぞれには、縦断面が円弧状の下部円弧部340Bと縦断面が円弧状の上部円弧部350Bが設けられている。なお、縦断面とは、図14(c)に示すように、中蓋300Bの開口面に対して直角に交わる平面により内嵌合部330Bを切断した際に現れる断面のことである。
そして、図15(a)及び(b)に示すように、中蓋300Bを容器本体400Bの下段側の容器側嵌合部430Bに内嵌合させた状態では、持ち手320Bの底面324Bが側壁420Bに当接して、持ち手320Bが上方へ立ち上がった状態となっている。そして、外側へ膨出している底面324Bが側壁420Bへ当接しているので、持ち手320Bの先端326Bと側壁420Bの間には隙間XBが生じている。なお、持ち手320Bは可撓性を備えているので、無理なく上方へ立ち上がるように変形することが出来る。
そして、中蓋300Bを取り外す際は、隙間XBに指F2を差し込んで、指F1と指F2とで持ち手320Bを指で摘まんで引き上げるのである。また、中蓋300Bが容器本体400B内で回転しないように、回り止め314Bが収納部421Bに収納されている。なお、図14に示す中蓋300Bでは、容器本体400Bの側壁420Bに当接できるように、持ち手320Bに凹部327Bが設けられているが、これに限定されず、持ち手320Bの一部が側壁420Bに当接して、持ち手320Bと側壁420Bとの間に隙間XBが出来るのであれば、例えば、側壁420Bへ向けて突出した突起を設けるなど、持ち手320Bの形状は任意の形状とすることが出来る。また、図示していないが、中蓋300Bを容器本体400Bの下段側の容器側嵌合部430Bに内嵌合させた状態で、中蓋300Bの上方に中皿200Bを配置した際には、持ち手320Bの先端が中皿200Bの凹部250Bから突出するようになっている。持ち手320Bが凹部250Bから突出することで、中皿200Bが容器本体400B内で回転しないように回り止めの効果を得ることができ、さらに、中蓋300B上に収容された麺等の食品が、持ち手320Bの先端側に触れることがないので、持ち手320Bを摘まむユーザに不快な思いをさせることもなく、衛生的である。
このように、本願発明の変形例2に係る容器500Bの中蓋300Bでは、中蓋300Bの外縁312B側から突出するシート状の持ち手320Bを備えているため、持ち手320Bを指で摘まんで引き上げれば、外縁312Bに設けられた内嵌合部330Bが容器側嵌合部430Bから容易に外れ、中蓋300Bを簡単に取り外すことができる。さらに、持ち手320Bはシート状なので、底壁310B上の食材の収容スペースを狭めることがなく、多くの食材を効率的に収容することが出来る。また、図15に示すように、中蓋300Bを容器本体400Bの下段側の容器側嵌合部430Bに内嵌合させた状態では、持ち手320Bが容器本体400Bの側壁420Bから離間して隙間XBを備えているため、この隙間XBに指F2を差し込むことができ、持ち手320Bを容易に摘まみ上げることが出来る。
また、本願発明の変形例2に係る容器500Bの中蓋300Bでは、持ち手320Bが可撓性を備えているため、中蓋300Bを容器本体400Bの下段側の容器側嵌合部430Bに内嵌合させた状態では、持ち手320Bの一部が側壁420Bに当接して、持ち手320Bが上方へ立ち上がった状態となっている。そして、上方から隙間XBに指F2を差し込んで、持ち手320Bを容易に摘まみ上げることが出来るのである。
特に、図14に示すように、中蓋300Bを容器本体400Bに内嵌合させていない状態では、持ち手320Bは、底壁310Bの平面と略水平になるように外側へ倒れた状態なので、中蓋300Bの高さを低くすることができ、中蓋300Bの収容スペースが嵩張ることが無いのである。そして、中蓋300Bを容器本体400Aの下段側の容器側嵌合部430Aに内嵌合させた状態では、可撓性を備えた持ち手320Bが、無理なく上方へ立ち上がるので、持ち手320Bを容易に摘まみ上げる事が出来るのである。
また、本願発明の変形例2に係る容器500Bの中蓋300Bでは、持ち手320Bが凹部327Bを備えているので、図15(b)に示すように、持ち手320Bを摘まみ上げる際に、凹部327Bの内側に指F1が入るため、持ち手320Bを摘まみ易いのである。さらに、凹部327Bの底面324Bが側壁420Bに当接し、持ち手320Bと側壁420Bの間に隙間XBができるので、隙間XBに指F2を差し込んで、持ち手320Bを容易に摘まみ上げることが出来るのである。
なお、本願発明の容器は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。