JP2005119684A - 食品包装用容器の中蓋構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 中蓋に載った具材を主食に混ぜ合わせる際、熱による作業性の悪化をなくし、また衛生面にも優れた、使い捨ての食品包装用容器の中蓋構造を提供すること。
【解決手段】 容器本体2の内部を上下に区切るために使用される中蓋3の外縁の対向位置に、持ち手5を突設して、かつ持ち手5は、包装用容器1の開封前の状態において、外蓋4の内部に収容できるよう弾性的に変形可能である構造にした上で、中蓋3の底部7は、対向位置にある持ち手5を結ぶ仮想線6周辺が最も低い位置になるよう傾斜面8を形成すると、中蓋3を摘んで持ち上げる際、熱による作業性の悪化がなく、また指と具材11が接触せず衛生面にも優れる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コンビニエンスストアなどで販売されている、パスタなどの調理済みの食品を収容するために使用される、使い捨ての食品包装用容器の中蓋構造に関する。
コンビニエンスストアは、近年も新たな出店が続いており、複数の会社間で激しい売り上げ競争が繰り広げられ、各社は売り上げに貢献できる新商品の開発に力を注いでいる。なかでも購入後に調理が不要で、電子レンジで加熱をするなど、わずかの手間だけで直ちに食することのできる弁当類は人気が高く、様々な新商品が次々に登場している。
このような商品開発の結果、牛丼などの丼物やパスタやカレーといったメニューも一般的になっている。しかしこれらは、麺や炊飯といった主食とソースなどの具材を、製造段階から接触させた場合、主食が水分を吸収していき、食感が大きく変化して味覚が悪化する問題がある。そこで主食と具材を食する直前まで分離できるよう、容器内部を区切るための中蓋を備えた包装用容器も一部で使用されている。
使い捨ての食品包装用容器(弁当箱)は、基本的に食品を収容するための容器本体と、容器本体を上から覆うための外蓋から構成され、また用途によっては前記の中蓋も使用される。この中蓋は衛生上の問題から容器本体と外蓋とで形成される空間に収容する必要があり、形状には各種の制約がある。また中蓋は食する直前に取り外して、ここに載せられている具材を下の主食に混ぜ合わせる必要があり、図5のように高さ5mm程度の突起部を、対向位置に二カ所設置した形状が普及しており、この突起部を指で摘んで中蓋を持ち上げる。
しかし図5に示す形状では、中蓋に載せられた具材と突起部との距離が十分に確保できないため、食する直前に電子レンジで加熱をした場合、具材の熱が突起部に伝わり、中蓋を取り外す際の作業性が悪く、また具材が不意に指に接触する恐れがあり衛生面での問題もある。しかも具材には、卵丼やミートソースなど流動性が高いものもあり、取り扱いを慎重にしないと周辺に具材を散乱させる恐れもある。
本発明はこうした実状を基に開発されたもので、具材を主食に混ぜ合わせる際、熱による影響がなく、また衛生面にも優れた、使い捨ての食品包装用容器の中蓋構造の提供を目的としている。
前記の課題を解決する請求項1記載の発明は、容器本体の内部を上下に区切るために使用される中蓋の外縁の対向位置に、持ち手を突設し、かつ該持ち手は、包装用容器の開封前の状態において、外蓋の内部に収容できるよう弾性的に変形可能であることを特徴とした、使い捨ての食品包装用容器の中蓋構造であり、中蓋の取り扱いが従来に比べて大きく改善される。
パスタや丼物など、主食と具材を分離して一つの容器に収容する場合、容器本体の内部を上下に区切るため中蓋が使用されるが、この中蓋は平面から見ると容器本体とほぼ同一の形状であり、容器本体の上縁部に載せられる構造である。また外蓋は、中蓋が載せられた容器本体全体を上から覆うように取り付けられ、さらに密閉性を確保するためラップで包装される。
請求項1記載の発明は、中蓋に変形可能な持ち手を備えたことを特徴としており、この持ち手は、従来の突起部とは異なり、問題なく指で摘むことができるよう、中蓋の外縁から突出させる構造にしており、その結果具材からの熱伝達が大幅に低減する。持ち手は、中蓋外縁の対向する位置に一対を備えていれば形状等は限定されず、容器本体や外蓋に合わせて個別に決めて問題はないが、弾性的に変形可能な構造として開封前は外蓋の内部に収容させる必要がある。
本発明による中蓋を使用した包装用容器は、食品加工工場で容器本体の底部に炊飯やパスタなど色彩の乏しい主食が盛りつけられた後、容器本体の上部開口面を覆うように中蓋が取り付けられる。この際、中蓋に設置された持ち手は、斜め上方を向いており、中蓋の着脱は容易に行える。中蓋には丼物やミートソースなど食欲をそそる具材が載せられた後、外蓋で容器本体を覆い、最後にラップで包装される。なお外蓋を取り付ける際は、持ち手を容器本体の中心側に寄せて外蓋の内部に収容する必要がある。
本発明による包装用容器は、食する直前に電子レンジで加熱されてから開封される。外蓋を取り外すと、中蓋の持ち手は弾性により斜め上方に突出した状態になり、この箇所を指で摘んで中蓋を持ち上げ、主食の上に具材を載せる。
請求項2記載の発明は、中蓋の底部は、対向位置にある持ち手を結ぶ仮想線周辺が最も低い位置になるよう、傾斜面が形成されていることを特徴としており、中蓋の取り扱いが一層便利なものになる。
持ち手は前記のように、中蓋の外縁に一対が向かい合うように設置されており、中蓋を持ち上げている際、双方の持ち手を結ぶ線を軸として、ブランコのような円運動が発生して具材が散乱する恐れがある。そこで、双方の持ち手を結ぶ仮想線を想定して、この仮想線近傍に流動性のある具材が集積するよう、中蓋の底部に傾斜面を構成する。そのため中蓋の底面は、仮想線(中央部)に向かうに連れて下降する、V字状の勾配が設けられた形状になる。この対策によって、中蓋がわずかに傾斜した場合も重心が仮想線から離れないため、円運動が素早く減衰して安定性に優れている。
請求項1記載の発明のように、中蓋に変形可能な一対の持ち手を設置することで、中蓋の具材を主食に混ぜ合わせる際、具材が加熱されている場合も、この熱が持ち手に伝わる前に発散されるため、指で摘んだ場合、やけどや熱に驚くといった事態が発生せず、安全性に優れるほか、具材と指との距離も従来より増えるため、具材と指が接触する恐れがなく、衛生面でも優れている。また販売時など外蓋が取り付けられている状態では、持ち手は弾性変形をして外蓋の内部に収容されるため、密閉性も確保される。
請求項2記載の発明のように、仮想線周辺が最も低い位置になるような傾斜面を中蓋の底部に設けることで、流動性のある具材は自然に中蓋の中央部に向かうため、中蓋を持ち上げた際に傾きが生じても具材が中央部に集積するため、仮想線を中心とする円運動が早期に減衰して、周辺に具材が飛び散る危険が少ない。また店舗などで陳列されている際も、具材が必然的に中央に集まるため美観が向上する。
図1は、本発明による包装用容器1の形状例を示す斜視図である。この包装用容器1は、使い捨ての弁当箱として使用され、炊飯やパスタなどの主食10を収容するための容器本体2と、カレーやミートソースなどの具材11が載せられる中蓋3と、容器本体2および中蓋3を覆い内部を保護する外蓋4から構成される。なお容器本体2は断熱性のある発泡性の樹脂を、中蓋3は半透明の樹脂を、外蓋4は中が透けて見えるよう透明な樹脂を素材としている。
包装用容器1は平面から見て円を基調とした形状であり、また容器本体2はすり鉢状で、外蓋4はドーム状でいずれも一般的なものである。ただし容器本体2の上部外縁には、環状の段差部9が形成され、この箇所に中蓋3や外蓋4が落とし込まれて固定される「内勘合」と呼ばれる形態になっており、中の水分が外部に漏れにくい構造である。
中蓋3の外縁部は、容器本体2の段差部9に支持される構造で、外側へ突出している一対の持ち手5を備えている。この持ち手5は、外縁部の素材を単に20mm程度延長しただけもので、単純な板状であり簡単に変形できる。持ち手5は、指で摘んで移動させる際の安定性を考慮して、中蓋3の中心を基準として対称に配置される。そのほか中蓋3の底部7は、平面状ではなく、図1のように双方の持ち手5を結ぶ仮想線6を想定して、この仮想線6に向けて流動性のある具材11が移動できるよう、矢印で示す下向きの傾斜面8が仮想線6を中心に対称に形成されている。
図2は図1に示す包装用容器1のA−A断面図を示し、図2(イ)は内部に主食10と具材11を収容している未開封の状態を示している。中蓋3は、容器本体1外周の段差部9に支持されており、また持ち手5は上方に突出しているが、外蓋4の内面形状に合わせて、内向きに弾性変形している。なお中蓋3の底部7には図中の矢印で示すように、外縁部から中心に向かうに連れて下降する傾斜面8が形成されている。また外蓋4も段差部9に支持され、同時に中蓋3の外縁とも接触しているため、中蓋3を拘束している。
図2(ロ)は外蓋4を取り外した状態を示し、持ち手5の拘束が解消され自然な形状に戻っている。この状態では持ち手5を確実に指で摘むことが可能で、しかも具材11から距離も十分に確保されるため、接触や熱の伝達の恐れがない。
図3は図1に示す包装用容器1のB−B断面図を示し、この図では仮想線6が紙面を貫通する方向になる。中蓋3の底部7は、外縁部から仮想線6が通過する中央部に向かうに連れて下降するV字状の傾斜面8が形成されており、ここに載った具材11は必然的に中心に集積しようとする。
図4は、容器本体2の外縁部を覆うように外蓋4を被せる「外勘合」と呼ばれる形態の包装用容器1に、本発明を適用した場合の構造を示す断面図で、構図は図2と同一である。外勘合方式は、内勘合方式より内部の水分が漏れやすいが、構造は簡素で広く使用されている。図4(イ)は開封前の状態であり、中蓋3に形成された持ち手5は、折り曲げられて外蓋4の内側に収容されている。また外蓋4を取り外した状態では、図4(ロ)のように持ち手5が、上方に突出した自然な形状になり、指で簡単に摘むことができる。
図1は、本発明による包装用容器の形状例を示す斜視図である。 図1のA−A断面図であり、(イ)は外蓋が取り付けられた状態で、(ロ)は取り外した状態である。 図1のB−B断面図であり、中蓋底部の傾斜面の構造を示している。 外蓋を外勘合により容器本体に取り付けた形態の包装用容器に、本発明を適用した場合を示す断面図であり、(イ)は外蓋が取り付けられた状態で、(ロ)は取り外した状態である。 従来から使用されている中蓋の形状例を示す斜視図である。
符号の説明
1 包装用容器
2 容器本体
3 中蓋
4 外蓋
5 持ち手
6 仮想線
7 底部(中蓋の)
8 傾斜面
9 段差部
10 主食
11 具材

Claims (2)

  1. 容器本体(2)の内部を上下に区切るために使用される中蓋(3)の外縁の対向位置に、持ち手(5)を突設し、かつ該持ち手(5)は、包装用容器(1)の開封前の状態において、外蓋(4)の内部に収容できるよう弾性的に変形可能であることを特徴とする、食品包装用容器の中蓋構造。
  2. 前記中蓋(3)の底部(7)は、対向位置にある持ち手(5)を結ぶ仮想線(6)周辺が最も低い位置になるよう、傾斜面(8)が形成されていることを特徴とする、請求項1記載の食品包装用容器の中蓋構造。
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