JP2021013979A - カッター装置及び印刷装置 - Google Patents

Abstract

【課題】媒体に含まれる粘着剤が丸刃に付着して堆積することによる媒体の切断不良を抑制する。【解決手段】媒体の搬送部と、回転しながら媒体の搬送方向Ａと交差する幅方向Ｂに移動可能な丸刃１０２と、幅方向Ｂに沿って設けられる固定刃１０１と、搬送部の駆動と丸刃１０２の幅方向Ｂへの移動とを制御する制御部と、を備え、制御部は、丸刃１０２を幅方向Ｂのうちの第１方向Ｂ１に移動させることで媒体を切断した場合に、媒体を搬送方向Ａに移動させることなく丸刃１０２を回転させつつ第１方向Ｂ１とは反対方向である第２方向Ｂ２に移動させるカッター装置。【選択図】図４

Description

本発明は、カッター装置及び印刷装置に関する。

従来から、固定刃と丸刃で媒体を挟み、固定刃に対して丸刃を移動させることで媒体を切断するカッター装置が使用されている。このようなカッター装置では、粘着剤を有する媒体を切断する場合があり、粘着剤が丸刃に付着して堆積する場合がある。そこで、例えば、特許文献１には、固定刃と丸刃で媒体を挟み、固定刃に対して丸刃を移動させることで媒体を切断する粘着剤付きシート材切断装置であって、丸刃への粘着剤の堆積を抑制するために丸刃に孔が形成されたシート材切断装置が開示されている。

特開２００６−３０５６６２号公報

しかしながら、特許文献１に記載されるシート材切断装置のように丸刃に孔を形成することは、丸刃の耐久性の低下が生じ、また、製造コストが上昇し、採用できない場合がある。また、丸刃に形成する孔の形状や大きさなどにもよるが、特許文献１に記載されるシート材切断装置では、丸刃への粘着剤の堆積を抑制する効果は不十分である。

上記課題を解決するための本発明のカッター装置は、媒体の搬送部と、回転しながら前記媒体の搬送方向と交差する幅方向に移動可能な丸刃と、前記幅方向に沿って設けられる固定刃と、前記搬送部の駆動と前記丸刃の前記幅方向への移動とを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記丸刃を前記幅方向のうちの第１方向に移動させることで前記媒体を切断した場合に、前記媒体を前記搬送方向に移動させることなく前記丸刃を回転させつつ前記第１方向とは反対方向である第２方向に移動させることを特徴とする。

本発明の一実施例に係る印刷装置の概略側面断面図。 本発明の一実施例に係る印刷装置の電気的構成を表すブロック図。 本発明の一実施例に係る印刷装置のカッターユニットの概略側面断面図。 本発明の一実施例に係る印刷装置のカッターユニットの概略斜視図。 本発明の一実施例に係る印刷装置のカッターユニットの丸刃キャリッジの概略斜視図。 図５とは異なる方向から見た本発明の一実施例に係る印刷装置のカッターユニットの丸刃キャリッジの概略斜視図。 本発明の一実施例に係る印刷装置の駆動を説明するための概略斜視図であって、媒体を切断する直前の状態を表している。 本発明の一実施例に係る印刷装置の駆動を説明するための概略斜視図であって、媒体を切断した直後の状態を表している。 本発明の一実施例に係る印刷装置の駆動を説明するための概略斜視図であって、丸刃についた粘着剤を媒体に付着させた状態を表している。 図９の丸刃近傍の領域Ｘの拡大図。

最初に、本発明について概略的に説明する。
上記課題を解決するための本発明の第１の態様のカッター装置は、媒体の搬送部と、回転しながら前記媒体の搬送方向と交差する幅方向に移動可能な丸刃と、前記幅方向に沿って設けられる固定刃と、前記搬送部の駆動と前記丸刃の前記幅方向への移動とを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記丸刃を前記幅方向のうちの第１方向に移動させることで前記媒体を切断した場合に、前記媒体を前記搬送方向に移動させることなく前記丸刃を回転させつつ前記第１方向とは反対方向である第２方向に移動させることを特徴とする。

本態様によれば、回転しながら幅方向に移動可能な丸刃を備え、丸刃を第１方向に移動させることで媒体を切断した場合に、媒体を搬送方向に移動させることなく丸刃を回転させつつ第２方向に移動させる。すなわち、媒体を切断した後に丸刃を回転させつつ幅方向に移動させることで、丸刃に付着した粘着物を媒体の切断面に再付着させることができる。したがって、媒体に含まれる粘着剤が丸刃に付着して堆積することによる媒体の切断不良を抑制することができる。

本発明の第２の態様のカッター装置は、前記第１の態様において、前記幅方向に沿って設けられるラックと、前記ラックに係合するピニオンと前記ピニオンの回転を前記丸刃に伝達する歯車とを有するとともに前記丸刃を保持するキャリッジと、を備え、前記丸刃は、前記キャリッジの前記幅方向の移動に伴い回転するよう構成されていることを特徴とする。

本態様によれば、幅方向に沿って設けられるラックと、ラックに係合するピニオンとピニオンの回転を丸刃に伝達する歯車とを有するとともに丸刃を保持するキャリッジと、により、丸刃を回転する構成を簡単に形成できる。

本発明の第３の態様のカッター装置は、前記第１または第２の態様において、前記丸刃を前記第１方向に移動させることで前記媒体を切断する際の前記丸刃の回転方向は、前記第１方向であることを特徴とする。

媒体の切断時、丸刃を移動させることで媒体が丸刃によって丸刃の移動方向に押され、所定の位置からずれる場合がある。しかしながら、本態様によれば、丸刃を回転させ、丸刃の回転方向に媒体に力がかかるので、媒体が所定の位置からずれることを抑制できる。

本発明の第４の態様のカッター装置は、前記第３の態様において、前記丸刃を前記第１方向に移動させることで前記媒体を切断する際の前記丸刃の回転速度は、前記丸刃を前記第１方向に移動させる速度よりも速い速度となるように構成されていることを特徴とする。

本態様によれば、丸刃の回転速度は、丸刃の移動に伴って媒体が丸刃の移動方向に押される速度よりも速い速度で丸刃に向かって媒体が引き込まれる回転速度となるように構成されているので、媒体が所定の位置からずれることを効果的に抑制できる。

本発明の第５の態様のカッター装置は、前記第３または第４の態様において、前記丸刃を前記第１方向に移動させることで前記媒体を切断し、前記媒体を前記搬送方向に移動させることなく前記丸刃を回転させつつ前記第２方向に移動させる場合の前記丸刃の回転方向は、前記媒体の切断時とは反対方向であることを特徴とする。

本態様によれば、丸刃から媒体に粘着剤を再付着させる際、丸刃の切断時とは反対方向に丸刃を回転させる。このような構成とすることで、効果的に丸刃から媒体に粘着剤を再付着させることができる。

本発明の第６の態様のカッター装置は、前記第１から第５のいずれか１つの態様において、前記丸刃は、粘着剤の付着を抑制する塗装が表面に施されていることを特徴とする。

本態様によれば、丸刃は粘着剤の付着を抑制する塗装が表面に施されているので、丸刃への粘着剤の付着を抑制することができ、媒体の切断不良を効果的に抑制することができる。

本発明の第７の態様のカッター装置は、前記第１から第５のいずれか１つの態様において、前記丸刃は、粘着剤の付着を抑制する加工が表面に施されていることを特徴とする。

本態様によれば、丸刃は粘着剤の付着を抑制する加工が表面に施されているので、丸刃への粘着剤の付着を抑制することができ、媒体の切断不良を効果的に抑制することができる。

本発明の第８の態様の印刷装置は、媒体の搬送部と、前記媒体に印刷する印刷部と、回転しながら前記媒体の搬送方向と交差する幅方向に移動可能な丸刃と、前記幅方向に沿って設けられる固定刃と、前記搬送部及び前記印刷部の駆動と前記丸刃の前記幅方向への移動とを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記丸刃を前記幅方向のうちの第１方向に移動させることで前記印刷部により印刷がなされた前記媒体を切断した場合に、前記媒体を前記搬送方向に移動させることなく前記丸刃を回転させつつ前記第１方向とは反対方向である第２方向に移動させることを特徴とする。

本態様によれば、回転しながら幅方向に移動可能な丸刃を備え、丸刃を第１方向に移動させることで媒体を切断した場合に、媒体を搬送方向に移動させることなく丸刃を回転させつつ第２方向に移動させる。すなわち、媒体を切断した後に丸刃を回転させつつ幅方向に移動させることで、丸刃に付着した粘着物を媒体の切断面に再付着させることができる。したがって、媒体に含まれる粘着剤が丸刃に付着して堆積することによる媒体の切断不良を抑制しつつ印刷することができる。

以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
最初に、本発明の一実施例に係る印刷装置１の概要について図１を参照して説明する。ここで、本実施例の印刷装置１は、カッターユニット１００を備えており、カッター装置と表現することも可能である。

本実施例の印刷装置１は、シールやラベル紙など粘着剤を含有する媒体Ｍ（図６〜図１０参照）に画像を印刷することが可能な印刷装置であり、外部装置であるコンピューター（ＰＣ４２：図２参照）と通信可能に接続されている。なお、本実施例の印刷装置１は、ロール状に巻かれた媒体Ｍに印刷することが可能な構成であるが、カット紙など単票状の媒体Ｍに印刷することが可能な構成としてもよい。

図１で表されるように、本実施例の印刷装置１は、媒体Ｍを搬送する搬送部としてのローラー対２を備えており、プラテン３上を搬送方向Ａに沿って媒体Ｍを搬送可能な構成となっている。本実施例の搬送部は、媒体Ｍを対向する２つのローラーで挟んで搬送するローラー対であるが、搬送部の構成はローラー対に限定されない。

また、プラテン３と対向する位置には、搬送方向Ａに沿って搬送される媒体Ｍにインクを吐出するヘッド４を備えている。別の表現をすると、ヘッド４は、媒体Ｍに画像を形成可能な印刷部である。本実施例のヘッド４は、搬送方向Ａと交差する幅方向Ｂに往復移動しつつ媒体Ｍに対してインクを吐出可能な構成となっている。すなわち、本実施例の印刷装置１は、ローラー対２により所定の搬送量で媒体Ｍを搬送方向Ａに搬送させることと、媒体Ｍを停止した状態でヘッド４を幅方向Ｂに移動させながらインクを吐出させることと、を繰り返すことで、媒体Ｍに所望の画像を形成可能である。

なお、本実施例の印刷装置１は、媒体Ｍの所定量の搬送とヘッド４の往復移動とを交互に繰り返して印刷を行う所謂シリアルプリンターであるが、媒体Ｍの幅方向Ｂに沿ってライン状にノズルが形成されたラインヘッドを使用して、連続的に媒体Ｍを搬送しながら連続的に印刷を行う所謂ラインプリンターであってもよい。さらには、インクを吐出して印刷する所謂インクジェット方式の印刷部とは異なる構成の印刷部を備える印刷装置であってもよい。

搬送方向Ａにおけるヘッド４の下流側には、カッターユニット１００が設けられている。カッターユニット１００についての詳細は後述するが、カッターユニット１００は、幅方向Ｂに沿って延設される固定刃１０１と、固定刃１０１と接触しつつ固定刃１０１に沿って移動可能な丸刃１０２を有する丸刃キャリッジ１０３を備えている。本実施例の印刷装置１は、カッターユニット１００により、所望の位置で媒体Ｍを幅方向Ｂに沿って切断可能な構成となっている。

次に、図２を用いて本実施例の印刷装置１における電気的な構成について説明する。

制御部３０には、印刷装置１の全体の制御を司るＣＰＵ３１が設けられている。ＣＰＵ３１は、システムバス３２を介して、ＣＰＵ３１が実行する各種制御プログラム等を格納したＲＯＭやデータを一時的に格納可能なＲＡＭ及びＥＥＰＲＯＭなどを有する記憶部３３に接続されている。

また、ＣＰＵ３１は、システムバス３２を介して、ヘッド４を駆動してインクを吐出させるためのヘッド駆動部３４と接続されている。

また、ＣＰＵ３１は、システムバス３２を介して、繰り出しモーター３６、ヘッド移動モーター３７、搬送モーター３８及び丸刃キャリッジモーター３９と接続される、モーター駆動部３５と接続されている。ここで、繰り出しモーター３６は、ロール状に巻かれた媒体Ｍのセット部の回転機構であり、該ロール状に巻かれた媒体Ｍをローラー対２まで繰り出すために該セット部を駆動するモーターである。また、ヘッド移動モーター３７は、ヘッド４を幅方向Ｂに往復移動させるためのモーターである。また、搬送モーター３８は、ローラー対２を回転させるためのモーターである。そして、丸刃キャリッジモーター３９は、丸刃キャリッジ１０３を幅方向Ｂに沿って移動させるためのモーターである。

さらに、ＣＰＵ３１は、システムバス３２を介して、ユーザーによるデータの入力などユーザーからの指示などを受け付けることが可能な操作パネル４１や、画像データ等のデータ及び信号の送受信を行うためのＰＣ４２などと、入出力部４０を介して接続されている。

制御部３０は、このような構成となっていることで、ロール状に巻かれた媒体Ｍのセット部、ローラー対２、ヘッド４及び丸刃キャリッジ１０３などの本実施例の印刷装置１における各々の構成部材全体について、制御を行うことが可能となっている。

次に、本実施例の印刷装置１の要部であるカッターユニット１００の詳細な構成について図３から図６を用いて説明する。

図３及び図４で表されるように、カッターユニット１００は、幅方向Ｂに延設されるフレーム１０４を有し、フレーム１０４には固定刃１０１の取り付け部１０５が設けられている。固定刃１０１は、取り付け部１０５に対してねじ１０６により固定されている。

また、図４で表されるように、フレーム１０４には、２つのプーリー１０７が設けられ、２つのプーリー１０７には丸刃キャリッジ１０３が取り付けられた無端ベルト１０８が架けられている。プーリー１０７は丸刃キャリッジモーター３９の駆動により回転し、プーリー１０７が回転することに伴って、無端ベルト１０８に取り付けられた丸刃キャリッジ１０３は幅方向Ｂに沿って移動する。すなわち、丸刃キャリッジ１０３の移動方向は、幅方向Ｂに対応する。

また、図３及び図４で表されるように、フレーム１０４には、丸刃キャリッジ１０３の幅方向Ｂに沿う移動をガイドするガイド部を兼ねるラック１０９が設けられている。一方、図３、図５及び図６で表されるように、丸刃キャリッジ１０３には、該ラック１０９と係合するピニオン１１０が設けられている。そして、図３及び図６で表されるように、丸刃キャリッジ１０３にはピニオン１１０と係合する歯車１１１が設けられており、歯車１１１は丸刃１０２と回転軸１１２を共通にして該丸刃１０２に固定されている。カッターユニット１００は、このような構成となっていることで、丸刃キャリッジ１０３を幅方向Ｂに沿って移動させることに伴って丸刃１０２が自動的に回転する構成となっている。

次に、カッターユニット１００の駆動に関連する本実施例の印刷装置１の駆動について図７から図１０を用いて説明する。具体的には、以下に説明する印刷装置１の駆動は、ローラー対２及びカッターユニット１００を制御部３０の制御により駆動し、媒体Ｍに含まれる粘着剤が丸刃１０２に付着して堆積するということを抑制するための駆動である。なお、粘着剤が丸刃１０２に付着して堆積する弊害としては、粘着剤が丸刃１０２に付着することにより単純に切断能力が低下することのほか、堆積物がピニオン１１０や歯車１１１に至り丸刃１０２の回転や幅方向Ｂへの移動が阻害されることや、堆積物が固定刃１０１に堆積して固定刃１０１と丸刃１０２との対向位置において固定刃１０１と丸刃１０２との間隔が広がり切断能力が低下することなども含まれる。

図７は、媒体Ｍがカッターユニット１００による切断位置に搬送された状態であって、媒体Ｍを切断する直前の状態を表している。図７では、丸刃キャリッジ１０３は、ホームポジションに位置しており、媒体Ｍを切断する際、幅方向Ｂのうちの第１方向Ｂ１に移動する。なお、丸刃キャリッジ１０３が第１方向Ｂ１に移動する際の丸刃１０２の回転方向は、回転方向Ｒ１である。

図８は、図７の状態から丸刃キャリッジ１０３が第１方向Ｂ１に移動し、媒体Ｍを切断した直後の状態を表している。図８では、丸刃キャリッジ１０３は、幅方向Ｂにおいてホームポジションとは反対側に位置しており、この状態の後、第１方向Ｂ１とは反対方向である第２方向Ｂ２に移動してホームポジションに戻る。なお、丸刃キャリッジ１０３が第２方向Ｂ２に移動する際の丸刃１０２の回転方向は、回転方向Ｒ１とは反対方向の回転方向Ｒ２である。

図９は、図８の状態から丸刃キャリッジ１０３が第２方向Ｂ２に移動し、丸刃キャリッジ１０３がホームポジションに戻った状態を表している。なお、図９の状態は、丸刃１０２についた粘着剤を媒体Ｍに付着させた状態に対応する。具体的には、図８の状態から丸刃キャリッジ１０３を第２方向Ｂ２に移動させる際、媒体Ｍの位置を保った状態とする。丸刃１０２は回転しながら第２方向Ｂ２に移動するが、この際、丸刃１０２は媒体Ｍの切断面に接触した状態で移動する。すなわち、丸刃１０２は回転することで丸刃１０２に付着した粘着剤を媒体Ｍの切断面に擦りつけて再付着させながら第２方向Ｂ２に移動する。

図１０は、図８の状態から図９の状態へ移行しつつある状態における、図９の丸刃１０２の近傍の領域Ｘの拡大図であるが、図１０における領域Ｙで表されるように、丸刃１０２が回転して媒体Ｍの切断面に擦りつけられることで、媒体Ｍが図中の下側から上側に持ち上げられている。すなわち、丸刃１０２に付着した粘着剤は、媒体Ｍの切断面において下側から上側に向けて擦り付けられて付着する。丸刃１０２は回転しながら媒体Ｍの切断面に接触するので、丸刃１０２の一部分のみではなく全体が媒体Ｍの切断面に擦り付けられ、丸刃１０２に付着した粘着剤を丸刃１０２の全体において媒体Ｍに再付着させることができる。

ここで、一旦まとめると、本実施例の印刷装置１は、媒体Ｍの搬送部であるローラー対２と、媒体Ｍに印刷する印刷部であるヘッド４と、回転しながら幅方向Ｂに移動可能な丸刃１０２と、幅方向Ｂに沿って設けられる固定刃１０１と、ローラー対２及びヘッド４の駆動と丸刃１０２の幅方向Ｂへの移動とを制御する制御部３０と、を備えている。そして、制御部３０は、丸刃１０２を第１方向Ｂ１に移動させることでヘッド４により印刷がなされた媒体Ｍを切断した場合に、媒体Ｍを搬送方向Ａに移動させることなく丸刃１０２を回転させつつ第２方向Ｂ２に移動させることができる。

すなわち、本実施例の印刷装置１は、回転しながら幅方向Ｂに移動可能な丸刃１０２を備え、丸刃１０２を第１方向Ｂ１に移動させることで媒体Ｍを切断した場合に、媒体Ｍを搬送方向Ａに移動させることなく丸刃１０２を回転させつつ第２方向Ｂ２に移動させることができる。このような構成であるため、本実施例の印刷装置１は、媒体Ｍを切断した後に丸刃１０２を回転させつつ幅方向Ｂに移動させることで、丸刃１０２に付着した粘着物を媒体Ｍの切断面に再付着させることができる。したがって、本実施例の印刷装置１は、媒体Ｍに含まれる粘着剤が丸刃１０２に付着して堆積することによる媒体Ｍの切断不良を抑制しつつ印刷することができる。

上記について、カッター装置の観点からまとめると、本実施例のカッター装置は、媒体Ｍの搬送部であるローラー対２と、回転しながら幅方向Ｂに移動可能な丸刃１０２と、幅方向Ｂに沿って設けられる固定刃１０１と、ローラー対２の駆動と丸刃１０２の幅方向Ｂへの移動とを制御する制御部３０と、を備え、制御部３０は、丸刃１０２を第１方向Ｂ１に移動させることで媒体Ｍを切断した場合に、媒体Ｍを搬送方向Ａに移動させることなく丸刃１０２を回転させつつ第２方向Ｂ２に移動させる。このため、本実施例のカッター装置は、媒体Ｍを切断した後に丸刃１０２を回転させつつ幅方向Ｂに移動させることで、丸刃１０２に付着した粘着物を媒体Ｍの切断面に再付着させることができ、媒体Ｍに含まれる粘着剤が丸刃１０２に付着して堆積することによる媒体Ｍの切断不良を抑制することができる。

ここで、「制御部３０は、…丸刃１０２を回転させつつ…第２方向Ｂ２に移動させる」とは、本実施例のように丸刃自体が幅方向Ｂに移動することに伴って自動的に回転する構成において、制御部３０が丸刃１０２の幅方向Ｂへの移動のみを制御することで、丸刃１０２を第２方向Ｂ２に移動させる際に該丸刃１０２を自動的に回転させることに限定されない。例えば、制御部３０の制御により丸刃１０２を回転させつつ幅方向Ｂに移動させることと丸刃１０２を回転させることなく幅方向Ｂに移動させることとの両方が可能な構成において、制御部３０の制御により丸刃１０２を第２方向Ｂ２に移動させる際に該丸刃１０２を回転させる制御を行うようにしてもよい。

また、上記のように、本実施例の印刷装置１は、幅方向Ｂに沿って設けられるラック１０９と、ラック１０９に係合するピニオン１１０とピニオン１１０の回転を丸刃１０２に伝達する歯車１１１とを有するとともに丸刃１０２を保持する丸刃キャリッジ１０３と、を備えている。そして、丸刃１０２は、丸刃キャリッジ１０３の幅方向Ｂの移動に伴い回転するよう構成されている。本実施例の印刷装置１は、幅方向Ｂに沿って設けられるラック１０９と、ラック１０９に係合するピニオン１１０とピニオン１１０の回転を丸刃１０２に伝達する歯車１１１とを有するとともに丸刃１０２を保持する丸刃キャリッジ１０３と、により、丸刃キャリッジ１０３を幅方向Ｂに沿って移動させることに伴って自動的に丸刃１０２を回転する構成を簡単に形成している。

また、上記のように、本実施例の印刷装置１においては、丸刃キャリッジ１０３が第１方向Ｂ１に移動する際、丸刃１０２は回転方向Ｒ１に回転する（図７参照）。別の表現をすると、本実施例の印刷装置１は、丸刃１０２を第１方向Ｂ１に移動させることで媒体Ｍを切断する際の丸刃１０２の回転方向Ｒ１は、丸刃１０２の移動方向である第１方向Ｂ１と同じ方向である。すなわち、媒体Ｍを切断する際に丸刃１０２が例えば右方向に移動する場合、丸刃１０２の回転方向は右方向（時計回り）である。媒体Ｍの切断時、丸刃１０２を移動させることで媒体Ｍが丸刃１０２によって丸刃１０２の移動方向に押され、媒体Ｍが所定の位置からずれる場合がある。しかしながら、本実施例の印刷装置１は、丸刃１０２を回転方向Ｒ１に回転させ、丸刃１０２の回転方向に媒体Ｍに力がかかるので、媒体Ｍが所定の位置からずれることを抑制できる。

ここで、本実施例の印刷装置１においては、ピニオン１１０及び歯車１１１の大きさ及び歯数を調整することで、丸刃１０２を第１方向Ｂ１に移動させることで媒体Ｍを切断する際の丸刃１０２の回転速度は、丸刃１０２を第１方向に移動させる速度よりも速い速度となるように構成されている。このため、本実施例の印刷装置１は、媒体Ｍが所定の位置からずれることを効果的に抑制できる構成になっている。

また、上記のように、本実施例の印刷装置１においては、丸刃キャリッジ１０３が第２方向Ｂ２に移動する際、丸刃１０２は回転方向Ｒ２に回転する（図８参照）。別の表現をすると、本実施例の印刷装置１は、丸刃１０２を第１方向Ｂ１に移動させることで媒体Ｍを切断し、媒体Ｍを搬送方向Ａに移動させることなく丸刃１０２を回転させつつ第２方向Ｂ２に移動させる場合の丸刃１０２の回転方向Ｒ２は、媒体Ｍの切断時の丸刃１０２の回転方向Ｒ１とは反対方向である。ここで、媒体Ｍに粘着剤を再付着させる際、媒体Ｍの切断時と反対方向に丸刃１０２を回転させることで媒体Ｍに粘着剤を再付着させる効果が向上する。このように、本実施例の印刷装置１は、丸刃１０２から媒体Ｍに粘着剤を再付着させる際、丸刃１０２の切断時とは反対方向に丸刃１０２を回転させることで、効果的に丸刃１０２から媒体Ｍに粘着剤を再付着させることができる構成としている。

なお、本実施例の印刷装置１においては、丸刃１０２は、粘着剤の付着を抑制する塗装が表面に施されている。このため、本実施例の印刷装置１は、丸刃１０２への粘着剤の付着を抑制することができ、媒体Ｍの切断不良を効果的に抑制することができる構成となっている。なお、具体的には、粘着剤の付着を抑制するシボ塗装が表面に施されている。ただし、粘着剤の付着を抑制する塗装は、シボ塗装に限定されず、フッ化物の塗装などを採用してもよい。

さらに、丸刃１０２の表面に粘着剤の付着を抑制する塗装が施されている代わりに、丸刃１０２の表面に粘着剤の付着を抑制する加工が施されていてもよい。丸刃１０２の表面に粘着剤の付着を抑制する加工が施されていても、丸刃１０２への粘着剤の付着を抑制することができ、媒体Ｍの切断不良を効果的に抑制することができるためである。なお、粘着剤の付着を抑制する加工の方法の種類について特に限定はない。

なお、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることは言うまでもない。

１…印刷装置（カッター装置）、２…ローラー対（搬送部）、３…プラテン、
４…ヘッド（印刷部）、３０…制御部、３１…ＣＰＵ、３２…システムバス、
３３…記憶部、３４…ヘッド駆動部、３５…モーター駆動部、
３６…繰り出しモーター、３７…ヘッド移動モーター、３８…搬送モーター、
３９…丸刃キャリッジモーター、４０…入出力部、４１…操作パネル、４２…ＰＣ、
１００…カッターユニット、１０１…固定刃、１０２…丸刃、
１０３…丸刃キャリッジ、１０４…フレーム、１０５…取り付け部、１０６…ねじ、
１０７…プーリー、１０８…無端ベルト、１０９…ラック、１１０…ピニオン、
１１１…歯車、１１２…回転軸、Ｍ…媒体

Claims (8)

1. 媒体の搬送部と、
   回転しながら前記媒体の搬送方向と交差する幅方向に移動可能な丸刃と、
   前記幅方向に沿って設けられる固定刃と、
   前記搬送部の駆動と前記丸刃の前記幅方向への移動とを制御する制御部と、
   を備え、
   前記制御部は、前記丸刃を前記幅方向のうちの第１方向に移動させることで前記媒体を切断した場合に、前記媒体を前記搬送方向に移動させることなく前記丸刃を回転させつつ前記第１方向とは反対方向である第２方向に移動させることを特徴とするカッター装置。
2. 請求項１に記載のカッター装置において、
   前記幅方向に沿って設けられるラックと、前記ラックに係合するピニオンと前記ピニオンの回転を前記丸刃に伝達する歯車とを有するとともに前記丸刃を保持するキャリッジと、を備え、
   前記丸刃は、前記キャリッジの前記幅方向の移動に伴い回転するよう構成されていることを特徴とするカッター装置。
3. 請求項１または２に記載のカッター装置において、
   前記丸刃を前記第１方向に移動させることで前記媒体を切断する際の前記丸刃の回転方向は、前記第１方向であることを特徴とするカッター装置。
4. 請求項３に記載のカッター装置において、
   前記丸刃を前記第１方向に移動させることで前記媒体を切断する際の前記丸刃の回転速度は、前記丸刃を前記第１方向に移動させる速度よりも速い速度となるように構成されていることを特徴とするカッター装置。
5. 請求項３または４に記載のカッター装置において、
   前記丸刃を前記第１方向に移動させることで前記媒体を切断し、前記媒体を前記搬送方向に移動させることなく前記丸刃を回転させつつ前記第２方向に移動させる場合の前記丸刃の回転方向は、前記媒体の切断時とは反対方向であることを特徴とするカッター装置。
6. 請求項１から５のいずれか１項に記載のカッター装置において、
   前記丸刃は、粘着剤の付着を抑制する塗装が表面に施されていることを特徴とするカッター装置。
7. 請求項１から５のいずれか１項に記載のカッター装置において、
   前記丸刃は、粘着剤の付着を抑制する加工が表面に施されていることを特徴とするカッター装置。
8. 媒体の搬送部と、
   前記媒体に印刷する印刷部と、
   回転しながら前記媒体の搬送方向と交差する幅方向に移動可能な丸刃と、
   前記幅方向に沿って設けられる固定刃と、
   前記搬送部及び前記印刷部の駆動と前記丸刃の前記幅方向への移動とを制御する制御部と、
   を備え、
   前記制御部は、前記丸刃を前記幅方向のうちの第１方向に移動させることで前記印刷部により印刷がなされた前記媒体を切断した場合に、前記媒体を前記搬送方向に移動させることなく前記丸刃を回転させつつ前記第１方向とは反対方向である第２方向に移動させることを特徴とする印刷装置。
   

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