JP2019166650A - 印刷装置 - Google Patents

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將洋 川尻
Masahiro Kawajiri
將洋 川尻
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Abstract

【課題】用紙の搬送負荷の増加によって、用紙が正常に搬送されなくなる不具合を抑制すること。【解決手段】複数の幅の用紙3を搬送方向Aに搬送する搬送部24と、搬送部24に用紙3を送り出すロール紙装着部21と、用紙3に印字をする印刷部25と、搬送部24と、ロール紙装着部21との間に存在し、用紙3に張力を付与する移動部材23と、を有し、用紙3の幅方向をY方向とした場合、移動部材23のY方向の長さは、複数の幅のうち最も広い幅以下であることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、印刷装置に関する。
従来、ロール体から巻き解かれ張力が付与される用紙に印刷する印刷装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の印刷装置は、ロール体から用紙を繰り出す用紙供給機構と、付勢部材と、搬送方向と交差する方向において用紙に接触し回動可能な移動部材と、用紙を一定速度で搬送する搬送機構と、一定速度で搬送される用紙に印刷する印刷ヘッドとを備えている。
搬送機構は、紙押さえ部と搬送ベルトとで用紙を挟んだ状態で用紙に搬送力を付与し、用紙を搬送方向に搬送する。付勢部材は、搬送方向と交差する方向において用紙の全域に接触する移動部材を介して、用紙を押圧し、用紙に張力を付与する。移動部材は、重力方向に対して傾斜し、移動部材の自重によっても用紙が押圧され、用紙に張力が付与される。
特開2015−218032号公報
搬送方向と交差する方向において、移動部材が用紙よりも大きくなりすぎると、移動部材の自重(質量)の影響が強くなりすぎ、移動部材の自重(質量)によって、用紙を搬送方向に搬送する場合の負荷が増加し、用紙が正常に搬送されなくなるおそれがあった。
本願の印刷装置は、複数の幅の用紙を搬送方向に搬送する搬送部と、前記搬送部に用紙を送り出す送り出し部と、前記用紙に印字をする印刷部と、前記搬送部と、前記送り出し部との間に存在し、前記用紙に張力を付与する移動部材と、を有し、前記用紙の幅方向を第1方向とした場合、前記移動部材の前記第1方向の長さは、前記複数の幅のうち最も広い幅以下であることを特徴とする。
本願の印刷装置では、前記用紙が、前記搬送方向に沿った第1端と、前記第1端に対向し前記搬送方向に沿った第2端と、前記第1端及び前記第2端から等距離にある第1中心とを有し、前記移動部材が、前記第1端側に配置され前記搬送方向に沿った第3端と、前記第2端側に配置され前記搬送方向に沿った第4端と、前記第3端及び前記第4端から等距離にある第2中心とを有するとした場合、前記移動部材は、平面視で前記第2中心が前記第1中心に重なるように配置されることが好ましい。
本願の印刷装置では、前記用紙が、前記搬送方向に沿った第1端と、前記第1端に対向し前記搬送方向に沿った第2端と、前記第1端及び前記第2端から等距離にある第1中心とを有するとした場合、前記第1中心に対して前記第1端側において前記移動部材が前記用紙に接触する面積と、前記第1中心に対して前記第2端側において前記移動部材が前記用紙に接触する面積とは、同等であることが好ましい。
本願の印刷装置では、前記用紙の搬送方向を規制するガイド部材を、さらに有し、前記移動部材は、前記ガイド部材に連動して前記第1方向に移動可能であることが好ましい。
本願の印刷装置では、前記移動部材の移動を制御し、複数のプーリーを有する移動部材制御プーリー群と、前記ガイド部材の移動を制御し、複数のプーリーを有するガイド部材制御プーリー群と、前記移動部材制御プーリー群の前記複数のプーリーのうち一のプーリーと、前記ガイド部材制御プーリー群の複数のプーリーのうち二のプーリーと、に架け渡された連動ベルトと、をさらに有し、前記一のプーリーの円周の長さと、前記二のプーリーの円周の長さとの比は、2:1であることが好ましい。
実施形態1に係る印刷装置の外観を示す斜視図。 実施形態1に係る印刷装置の内部の状態を示す斜視図。 実施形態1に係る印刷装置の内部構造が模式的に示された概略断面図。 印刷動作が実施される場合の移動部材の状態を示した模式図。 移動部材に作用する力の状態を示す模式図。 ガイドユニットの状態を示す斜視図。 実施形態1における移動部材の配置状態を示す概略平面図。 比較例における移動部材の配置状態を示す概略平面図。 実施形態2に係る印刷装置が備える位置調整機構の状態を示す模式図。 図9のB−B線で切った概略断面。 実施形態3に係る印刷装置が備える位置調整機構の状態を示す模式図。 本実施形態に係る印刷装置が備える位置調整機構の概略断面図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の各図においては、各層や各部位を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部位の縮尺を実際とは異ならせしめてある。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る印刷装置の外観を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る印刷装置の内部の状態を示す斜視図である。図3は、本実施形態に係る印刷装置の内部構造が模式的に示された概略断面図である。
なお、図2は、図1に示す印刷装置10から外装カバー17が取り外された場合の斜視図である。図3では、説明に必要な構成要素が模式的に図示され、説明に不要な構成要素の図示が省略されている。
最初に、図1〜図3を参照し、本実施形態に係る印刷装置10の概要を説明する。
「印刷装置の概要」
本実施形態の印刷装置10は、パソコン、携帯端末などの情報処理装置から送信された印刷データに基づいて、ロール紙である用紙3に、インクジェット方式で画像や文字を印刷(印字)する。
図1に示すように、印刷装置10は、略直方体形状の装置ケース11を有している。
以降の説明では、装置ケース11の長手方向をX方向とし、装置ケース11の短手方向をY方向とし、装置ケース11の高さ方向をZ方向とする。さらに、方向を示す矢印の先端側を(+)方向とし、方向を示す矢印の基端側を(−)方向とする。
なお、Y方向は、「用紙の幅方向」及び「第1方向」の一例である。
また、X方向及びY方向は水平面に沿って配置され、Z方向は重力方向と反対方向である。
装置ケース11の正面には、ディスプレイや操作ボタン等が配置された表示・操作パネル12が設けられている。さらに、装置ケース11の正面には、引き出し式のインクカートリッジ交換口13が表示・操作パネル12の下方に設けられ、用紙排出口14が表示・操作パネル12の右側に設けられている。用紙排出口14から、印刷部25(図3参照)で印刷(印字)された用紙3(図3参照)が排出される。
装置ケース11の側面には、廃インクタンク交換口15と、ロール紙供給口16とが設けられている。
装置ケース11は、装置ケース11の上面の略中央に設けられたヒンジ18を中心にして回動可能な外装カバー17を有している。
図2に示すように、ロール紙供給口16の内部には、「送り出し部」の一例であるロール紙装着部21が設けられている。
ユーザーは、用紙3がロール状に巻かれたロール体Rを、ロール紙供給口16からロール紙装着部21に装着する。印刷装置10は、ユーザーが幅の異なるロール体Rをロール紙装着部21に装着することによって、複数の幅の用紙3に印刷することができる。
用紙3としては、特に限定されるものではないが、ロール紙、ファンフォールド紙などの長尺材を好適に用いることができる。用紙3の材質は、特に限定されるものではなく、紙系、フィルム系などを使用できる。
用紙3の幅、すなわち、用紙3のY方向の長さは、概略25.4mm(1インチ)〜概略203.2mm(8インチ)である。印刷装置10が印刷する用紙3のY方向の長さの最小値は概略1インチであり、印刷装置10が印刷する用紙3のY方向の長さの最大値は概略8インチである。
図3に示すように、印刷装置10の内部には、ロール紙装着部21と、移動部材23と、ガイドユニット22と、搬送部24及び印刷部25と、切断部26とが用紙3の搬送方向Aに沿って順に配置されている。
用紙3は、ロール紙装着部21に装着されたロール体Rから送り出され、移動部材23と、ガイドユニット22と、搬送部24及び印刷部25と、切断部26とを経由し、用紙排出口14から排出される。
ロール紙装着部21は、図示しないロール体回転部により正逆回転する。ロール体回転部は、モーターやギア列などで構成されている。ロール体回転部がロール紙装着部21を正回転駆動することで、用紙3は、ロール体Rから巻き解かれて搬送部24に送り出される。また、ロール体回転部がロール紙装着部21を逆回転駆動することで、用紙3は、ロール体Rに巻き戻される。
印刷部25は、複数の印刷ヘッド81(本実施形態では4つ)と、印刷ヘッド81をY方向に移動させる走査部(図示省略)とを備え、用紙3に印刷(印字)する。印刷ヘッド81は、走査部によってY方向に往復移動する。
印刷ヘッド81は、圧力発生室(図示省略)と圧電素子(図示省略)とノズル(図示省略)を有する。圧電素子は、撓み振動モードの圧電アクチュエーター、または縦振動モードの圧電アクチュエーターである。圧電素子が圧力発生室の一部を形成する振動板を振動させ、圧力発生室に圧力変動を生じさせ、この圧力変動を利用することで、ノズルから用紙3に対してインクが吐出される。
搬送部24は、送り部43と、送り部43の駆動源である送りモーター44と、送りモーター44の動力を送り部43に伝達する動力伝達部45とを備え、用紙3を搬送方向Aに搬送する。
動力伝達部45は、例えばギア列などから構成される。
送り部43は、駆動ローラー49と、従動ローラー51と、駆動ローラー49と従動ローラー51とに掛け渡された搬送ベルト52と、従動ローラー51の前方近傍において、搬送ベルト52を挟んで上下に設けられた紙押え部53及び支持ローラー55と、を備えている。駆動ローラー49の一方の軸端には、上述した動力伝達部45の出力端が連結されている。
送り部43では、送りモーター44の動力が動力伝達部45を介して駆動ローラー49に入力することで、駆動ローラー49及び従動ローラー51が、反時計回りに回転し、搬送ベルト52が反時計回りに走行する。これにより、支持ローラー55と搬送ベルト52の間に挟持された用紙3が搬送方向Aに搬送される。
さらに、送り部43では、送りモーター44の動力が動力伝達部45を介して駆動ローラー49に入力することで、駆動ローラー49及び従動ローラー51が、時計回りに回転し、搬送ベルト52が時計回りに走行する。これにより、支持ローラー55と搬送ベルト52の間に挟持された用紙3が搬送方向Aと逆方向に搬送される。
このように、搬送部24は、用紙3を搬送方向Aに搬送し、用紙3を用紙排出口14に送り出すことができる。
さらに、搬送部24は、用紙3を搬送方向Aと逆方向に搬送することができる。用紙3が搬送部24によって搬送方向Aと逆方向に搬送される場合、用紙3はロール体Rに巻き取られる。例えば、搬送部24が用紙3を搬送方向Aと逆方向に搬送することによって、印刷終了時に切断部26によって切断された用紙3の先端を、印刷部25に対して搬送方向Aの上流側の位置まで引き戻すことができる。
印刷装置10では、印刷ヘッド81が用紙3にインクを吐出しながらY方向に移動する主走査と、搬送部24が用紙3を搬送方向Aに搬送する副走査とを交互に繰り返すことによって、用紙3に画像や文字を印刷する。すなわち、印刷装置10は、主走査及び副走査という印刷動作を実施することによって、用紙3に画像や文字を印刷する。
移動部材23は、ロール紙装着部21とガイドユニット22との間に配置され、用紙3に接触し、用紙3に張力を付与する。移動部材23は、搬送方向Aに延在する長尺の部材であり、D形状の断面を有し、用紙3に接触し、用紙3を支持する。
移動部材23は、印刷装置10の本体部(図示省略)に取付けられたローラー軸29に回動可能に取り付けられている。ローラー軸29は、移動部材23に挿通され、移動部材23を回動することに加えて、移動部材23をY方向に移動可能とする。
移動部材23のY方向の長さは、概略30mmである。
移動部材23のY方向の長さは、印刷装置10が印刷する用紙3のY方向の長さの最小値(概略1インチ)よりも長く、印刷装置10が印刷する用紙3のY方向の長さの最大値(概略8インチ)よりも短くなっている。すなわち、本実施形態は、移動部材23のY方向の長さは、用紙3の複数の幅のうち最も広い幅以下である構成を有する。
移動部材23のX(+)方向側には、付勢部材231が設けられている。付勢部材231は、例えばスプリング型の押しバネである。移動部材23には、付勢部材231によって用紙3を押圧する力が付与される。付勢部材231は、スプリング型の押しバネに限定されず、ローラー軸29を回動中心として、移動部材23に対して搬送方向Aと逆方向の力を付勢できる弾性部材であればよい。例えば付勢部材231はねじりコイルバネであってもよく、例えば弾性ゴムであってもよい。
移動部材23は、移動部材23の自重によっても用紙3を押圧する配置となっている。具体的には、付勢部材231が存在しなくても、移動部材23は、移動部材23の自重によって、ローラー軸29を回動中心として搬送方向Aと逆方向に回動するように構成されている。
このため、付勢部材231による付勢力と、移動部材23の自重との両方によって、移動部材23が用紙3を押圧する構成となっている。
図4は、印刷動作が実施される場合の移動部材の状態を示した模式図である。図5は、移動部材に作用する力の状態を示す模式図である。
図4において、実線の矢印で示される符号F1は用紙3から移動部材23に作用する力であり、破線の矢印で示される符号F2は移動部材23の自重によって生じるモーメントである。
図5において、符号P1は移動部材23の回動中心(ローラー軸29の中心)であり、符号P2は移動部材23の重心であり、移動部材23の回動中心P1と移動部材23の重心P2とを結ぶ線分が線分P1P2である。さらに、線分P1P2とXY平面(水平面)とがなす角度がθであり、以降、移動部材の傾斜角θと称す。さらに、図中に破線の矢印で示される符号FAは、移動部材23の自重(質量)によって重心P2に作用する力である。
次に、図4及び図5を参照し、印刷動作(主走査、副走査)が実施される場合に移動部材23に作用する力の状態について説明する。
印刷動作における副走査では、搬送部24が用紙3を搬送方向Aに搬送する動作と、ロール紙装着部21が用紙3を搬送方向Aに送り出す動作との両方が実施される。
図4に示すように、搬送部24が用紙3を搬送方向Aに搬送する動作が実施されると、搬送方向Aの力F1が、搬送部24から用紙3に作用し、さらに用紙3を介して移動部材23に作用する。力F1は、用紙3の搬送を推進する力である。
印刷装置10では、搬送部24が用紙3を搬送方向Aに搬送する速度の方が、ロール紙装着部21が用紙3を搬送方向Aに送り出す速度よりも早い設定となっているので、副走査が実施されると、移動部材23は図中に実線の矢印で示される方向D1に移動する。
そして、副走査が終了すると、移動部材23は位置23Aに配置される。
印刷動作における主走査では、搬送部24が用紙3を搬送方向Aに搬送する動作が停止した状態で、インクを吐出しながら印刷ヘッド81がY方向に移動する動作が実施される。主走査が実施される間も、ロール紙装着部21が用紙3を搬送方向Aに送り出す動作が実施されるので、移動部材23は図中に実線の矢印で示される方向D2に移動する。
そして、主走査が終了すると、移動部材23は位置23Cに配置される。
このように、副走査が終了すると移動部材23が位置23Aに位置し、主走査が終了すると移動部材23が位置23Cに位置し、印刷動作(主走査、副走査)が実施される場合、移動部材23は、位置23Aと位置23Cとの間を移動する。
このため、位置23Cにおいて、移動部材23の移動方向が方向D2から方向D1に切り替わり、位置23Aにおいて、移動部材23の移動方向が方向D1から方向D2に切り替わる。
副走査において搬送部24から用紙3に作用する力F1は、搬送部24と用紙3との接触面積、すなわち用紙3のY方向の長さに比例する。力F1は、用紙3のY方向の長さが長くなると強くなり、用紙3のY方向の長さが短くなると弱くなるので、用紙3のY方向の長さが最小値(概略1インチ)である場合に最も弱くなり、印刷装置10が印刷する用紙3のY方向の長さが最大値(概略8インチ)である場合に最も強くなる。
図5に示すように、移動部材23の重心P2には、移動部材23の自重(質量)に起因する力FAが作用する。力FAは、線分P1P2に対して垂直方向に作用する分力FBと、線分P1P2に沿って作用する分力FCとに分解することができる。
分力FBは、以下に示す式(1)で表すことができる。
FB=FA×cosθ…(1)
式(1)に示すように、分力FBは、移動部材23の傾斜角θが大きくなると強くなり、移動部材23の傾斜角θが小さくなると弱くなる。さらに、分力FBは、位置23Cにおいて最も強くなる。
移動部材23はP1を支点として回動するので、移動部材23を方向D2(搬送方向Aと逆方向)に回転させようとするモーメントF2(図4参照)が、移動部材23に作用する。モーメントF2は、以下に示す式(2)で表される。
F2=(線分P1P2の長さ)×分力FB…(2)
式(2)に示すように、モーメントF2は、分力FBに比例し、位置23Cにおいて最も強くなる。
モーメントF2は、用紙3の搬送を阻害する力になり、力F1に抗する力になる。
位置23Cにおいて、移動部材23の移動方向が方向D2から方向D1に切り替わるので、移動部材23の移動方向を切り替える力が必要になる。移動部材23の移動方向を切り替える力は、用紙3の搬送を阻害する力になり、力F1に抗する力になる。さらに、移動部材23の移動方向を切り替える力は、移動部材23の質量に比例し、移動部材23の質量が大きくなると強くなり、移動部材23の質量が小さくなると弱くなる。
また、位置23Aにおいても、位置23Cと同様に、移動部材23の移動方向を切り替える力が必要になる。位置23C及び位置23A以外の位置では、移動部材23の移動方向が変化しないので、移動部材23の移動方向を切り替える力は、位置23C及び位置23Aに対して一時的に作用する。
位置23Cにおいて必要になる移動部材23の移動方向を切り替える力は、用紙3の搬送を阻害する力になる。さらに、モーメントF2は位置23Cにおいて最も強くなるので、モーメントF2、及び移動部材23の移動方向を切り替える力に起因する用紙3の搬送を阻害する力は、位置23Cにおいて最も強くなる。
このため、位置23Cにおいて、用紙3の搬送が最も阻害されやすくなる。
上述したように、用紙3の搬送を推進する力F1は、用紙3のY方向の長さに比例し、用紙3のY方向の長さが短くなると弱くなるので、例えば、用紙3のY方向の長さが短くなり、移動部材23のY方向の長さが長くなり、移動部材23の質量が増加すると、用紙3の搬送を推進する力F1が弱くなり、用紙3の搬送を阻害する力が強くなる。
このため、用紙3のY方向の長さと比べて、移動部材23のY方向の長さが長くなりすぎ、移動部材23の質量が増加しすぎると、用紙3の搬送を推進する力F1に対して、用紙3の搬送を阻害する力が相対的に強くなりすぎ、印刷動作の副走査において、用紙3が正常に搬送されないという不具合が生じるおそれがある。特に、位置23Cにおいて用紙3の搬送を阻害する力が最も強くなるので、位置23Cにおいて、例えば用紙3の搬送速度が一時的に遅くなるなどの不具合が生じやすくなる。
仮に、印刷動作の副走査において、用紙3が正常に搬送されないという不具合が生じると、用紙3に形成される画像にバンディングが生じ、用紙3に形成される画像の品位が低下する。
このように、複数の幅の用紙3に印刷する印刷装置10では、用紙3のY方向の長さに対して、移動部材23のY方向の長さが長くなりすぎると、印刷動作における副走査において用紙3が正常に搬送されず、用紙3に形成される画像の品位が低下するおそれがあった。例えば、移動部材23のY方向の長さを用紙3のY方向の長さで除した比が、概略3〜5以上である場合に、用紙3のY方向の長さに対して、移動部材23のY方向の長さが長くなりすぎることに起因する不具合が生じやすい。
本実施形態は、移動部材23のY方向の長さは、用紙3の複数の幅のうち最も広い幅以下である構成を有している。具体的には、用紙3のY方向の長さは1〜8インチであり、移動部材23のY方向の長さは30mmであり、移動部材23のY方向の長さを用紙3のY方向の長さで除した比が0.15〜1.2と小さくなっている。この場合、用紙3の搬送を推進する力F1に対して、用紙3の搬送を阻害する力が相対的に強くなりにくくなり、用紙3のY方向の長さに対して、移動部材23のY方向の長さが長くなりすぎることに起因する不具合が生じにくい。
以上述べたように、本実施形態に係る印刷装置10では、移動部材23のY方向の長さは、複数の用紙3の幅(1インチ〜8インチ)のうち、最も広い用紙3の幅(8インチ)以下に設定されているので、用紙3のY方向の長さに対して、移動部材23のY方向の長さが長くなりすぎることに起因する不具合が生じにくい。従って、印刷装置10では、印刷動作の副走査において用紙3が正常に搬送されず、用紙3に形成される画像の品位が低下するという不具合が抑制され、安定して高品位の画像を形成することができる。
なお、移動部材23のY方向の長さが、用紙3の複数の幅のうち最も狭い幅以下である構成であっても、移動部材23のY方向の長さが、用紙3の複数の幅のうち最も広い幅以下である構成と同様の効果が得られ、印刷動作の副走査において用紙3が正常に搬送されないという不具合を抑制することができる。
図6はガイドユニットの状態を示す斜視図である。
次に、図6を参照し、ガイドユニット22について説明する。
図6に示すように、ガイドユニット22は、支持プレート30と、支持プレート30のY(+)方向側の端部に固定された固定部31と、支持プレート30のY(−)方向側の端部に位置する可動ガイド36と、ガイド軸33とを備えている。ガイド軸33は、可動ガイド36に挿通され、可動ガイド36をY方向に移動可能とする。
なお、可動ガイド36は、「ガイド部材」の一例である。
支持プレート30は、移動部材23から搬送方向Aに搬送される用紙3を支持する。
固定部31は、支持プレート30のY(+)方向側の端部に固定された固定ガイド34と、固定ガイド34に設けられ、用紙3のY(+)方向側の端部を押圧する固定側押えレバー35と、を備えている。
固定ガイド34及び可動ガイド36は、用紙3の搬送を案内する。すなわち、固定ガイド34及び可動ガイド36によって、用紙3は、安定して支持プレート30の上を搬送方向Aに搬送される。
固定側押えレバー35は、用紙3の送りを許容しつつ、用紙3の左側辺部を上方から押圧する。固定側押えレバー35は、用紙3を押圧する位置と、用紙3から離間した位置との間で、回転可能に構成されている。
固定ガイド34は、用紙3の第1端E1(図7参照)に接触し、用紙3の位置を決定する。
可動ガイド36は、ガイド軸33に対してY方向にスライド可能に設けられている。用紙3のY方向の長さが異なる場合、可動ガイド36が用紙3の第2端E2(図7参照)に接触するように、可動ガイド36の位置を調整する。さらに、可動ガイド36は、用紙3のY(−)方向側の端部を押圧する可動側押えレバー37と、可動ガイド36をガイド軸33に対してロック・アンロックするためのロック解除レバー38と、を備えている。
用紙3は、可動側押えレバー37及び固定側押えレバー35により、両端部が押圧されながら、支持プレート30の上面を送られる。このため、用紙3が支持プレート30の上面から浮き上がりにくくなり、用紙3のジャミングや印刷位置ズレなどが生じにくくなる。
可動側押えレバー37は、固定側押えレバー35と同様に、用紙3の送りを許容しつつ、用紙3の右側辺部を、上方から押圧する。可動側押えレバー37は、用紙3を押圧する位置と、用紙3から離間した位置との間で、回転可能に構成されている。
ユーザーが、ロール紙装着部21に装着されたロール体Rを、幅の異なる他のロール体Rに切り替える場合、ユーザーは、ロック解除レバー38を前方に回転し、可動ガイド36をガイド軸33に対してアンロック状態とした後、可動ガイド36をY方向に移動させ、可動ガイド36のY方向の位置を調整する。
さらに、ユーザーは、ロール紙装着部21に装着されたロール体Rを、幅の異なる他のロール体Rに切り替える場合、移動部材23をY方向に移動させ、移動部材23の位置を調整する。
図7は、図2に示す移動部材をZ方向側から見た図であり、本実施形態における移動部材の配置状態を示す概略平面図である。図8は、図7に対応する図であり、比較例における移動部材の配置状態を示す概略平面図である。
図7及び図8では、ガイドユニット22と移動部材23とローラー軸29とが図示され、他の構成要素の図示が省略されている。また、本実施形態と比較例とは、移動部材23の配置位置だけが異なり、他の条件は同じである。
次に、図7及び図8を参照し、好ましい移動部材23の配置状態を説明する。
図7及び図8に示すように、移動部材23とガイドユニット22とが搬送方向Aに沿って順に配置され、ガイドユニット22の固定ガイド34及び可動ガイド36によって、用紙3が搬送される方向が制御され、用紙3は搬送方向Aに適正に搬送される。
用紙3は、搬送方向Aに沿った第1端E1と、第1端E1に対向し搬送方向Aに沿った第2端E2と、第1端E1及び第2端E2から等距離にある第1中心C1とを有する。第1端E1はY(+)方向側に配置され、第2端E2はY(−)方向側に配置され、第1中心C1は第1端E1と第2端E2との間に配置される。
移動部材23は、第1端E1側に配置され搬送方向Aに沿った第3端E3と、第2端E2側に配置され搬送方向Aに沿った第4端E4と、第3端E3及び第4端E4から等距離にある第2中心C2とを有する。第3端E3はY(+)方向側に配置され、第4端E4はY(−)方向側に配置され、第2中心C2は第3端E3と第4端E4との間に配置される。
図7に示すように、本実施形態における移動部材23は、第1中心C1に対して第1端E1側において用紙3に接触する部位23Uと、第1中心C1に対して第2端E2側において用紙3に接触する部位23Dとを有する。
なお、図7において、移動部材23の部位23Dに網掛けが施されている。同様に、図8においても、移動部材23の部位23Dに網掛けが施されている。
本実施形態における移動部材23は、Z方向側から見た場合、第2中心C2が用紙3の第1中心C1に重なるように配置されている。換言すれば、本実施形態における移動部材23は、平面視で第2中心C2が第1中心C1に重なるように配置されている。
平面視で第2中心C2が第1中心C1に重なる場合、移動部材23の部位23Uが用紙3に接触する面積と、移動部材23の部位23Dが用紙3に接触する面積とは同等になる。すなわち、第1中心C1に対して第1端E1側において移動部材23が用紙3に接触する面積(部位23Uが用紙3に接触する面積)と、第1中心C1に対して第2端E2側において移動部材23が用紙3に接触する面積(部位23Dが用紙3に接触する面積)とは同等である。
図8に示すように、比較例における移動部材23は、用紙3の第1中心C1に対して、第1端E1側に偏って配置され、平面視で第2中心C2が第1中心C1に重ならない。この場合、移動部材23の部位23Uが用紙3に接触する面積は、移動部材23の部位23Dが用紙3に接触する面積よりも広くなる。
移動部材23の部位23U,23Dは、用紙3に接触し、用紙3の搬送を阻害する摩擦力を用紙3に付与する。部位23Uの用紙3に接触する面積が、部位23Dの用紙3に接触する面積よりも広い場合、用紙3の搬送を阻害する力は、部位23U側で強くなり、部位23D側で弱くなる。このため、用紙3は、部位23D側で搬送されやすくなり、部位23U側で搬送されにくくなる。すると、用紙3は、搬送方向Aに沿って搬送されず、部位23D側に斜行して搬送されるようになる。
このように、平面視で第2中心C2が第1中心C1に重ならず、部位23Uが用紙3に接触する面積と、移動部材23の部位23Dが用紙3に接触する面積とが同等でない場合、用紙3の斜行という不具合が生じる。
本実施形態における移動部材23は、平面視で第2中心C2が第1中心C1に重なるように配置され、移動部材23の部位23Uが用紙3に接触する面積と、移動部材23の部位23Dが用紙3に接触する面積とは同等であるので、用紙3の搬送を阻害する力は、部位23U側と部位23D側とで同等になる。よって、用紙3は、搬送方向Aに沿って搬送され、用紙3の斜行が生じにくい。
従って、平面視で第2中心C2が第1中心C1に重なるように、移動部材23が配置されることが好ましい。さらに、部位23Uが用紙3に接触する面積と、部位23Dが用紙3に接触する面積とが同等となるように、移動部材23が配置されることが好ましい。
本実施形態では、ロール紙装着部21に装着されたロール体Rを、幅の異なる他のロール体Rに切り替える場合、最初に、ユーザーは、用紙3の第1端E1が固定ガイド34に接触する様に調整した後、可動ガイド36が用紙3の第2端E2に接触する様に、可動ガイド36の位置を調整する。次に、ユーザーは、平面視で第2中心C2が第1中心C1に重なるように、移動部材23の位置を調整する。
かかる調整によって、搬送部24が用紙3を搬送する場合、用紙3の斜行を抑制することができる。
(実施形態2)
図9は、図7に対応する図であり、実施形態2に係る印刷装置が備える位置調整機構の状態を示す模式図である。図10は、図9のB−B線で切った概略断面図である。
実施形態1では、ユーザーが移動部材23の位置を調整していた。本実施形態では、位置調整機構90が移動部材23の位置を調整する。この点が、本実施形態と実施形態1との主な相違点であり、他の構成は本実施形態と実施形態1とで同じである。
以下、図9及び図10を参照し、本実施形態に係る印刷装置の概要を、実施形態1との相違点を中心に説明する。また、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
図9及び図10に示すように、本実施形態に係る印刷装置が備える位置調整機構90は、第1プーリー群91と、第2プーリー群92と、プーリー93と、プーリー94と、連動ベルト63と、環状ベルト64と、環状ベルト65とを有する。
第1プーリー群91は、「ガイド部材制御プーリー群」の一例であり、複数のプーリー56,57を有する。プーリー57とプーリー56とはZ方向に沿って順に配置され、プーリー56はZ(+)方向側に配置され、プーリー57はZ(−)方向側に配置されている。プーリー56の直径は、プーリー57の直径よりも短い。
なお、プーリー56は、「ガイド部材制御プーリー群の複数のプーリーのうち二のプーリー」の一例である。
第2プーリー群92は、「移動部材制御プーリー群」の一例であり、複数のプーリー60,61を有する。プーリー61とプーリー60とはZ方向に沿って順に配置され、プーリー60はZ(+)方向側に配置され、プーリー61はZ(−)方向側に配置されている。プーリー60の直径と、プーリー61の直径とは同じである。さらに、第1プーリー群91のプーリー57の直径と、第2プーリー群92のプーリー60,61の直径とは同じである。
なお、プーリー60は、「移動部材制御プーリー群の複数のプーリーのうち一のプーリー」の一例である。
連動ベルト63は、第1プーリー群91のプーリー56と第2プーリー群92のプーリー60とに架け渡され、プーリー56とプーリー60との間で交差している。環状ベルト64は、第1プーリー群91のプーリー57とプーリー93とに架け渡され、プーリー57とプーリー93との間で交差していない。環状ベルト65は、第2プーリー群92のプーリー61とプーリー94とに架け渡され、プーリー61とプーリー94との間で交差していない。
プーリー56と連動ベルト63とプーリー60とは、環状ベルト64が架け渡されたプーリー57の回転を、環状ベルト65が架け渡されたプーリー61に伝える役割を有する。
例えば、環状ベルト64が架け渡されたプーリー57が時計回りに回転すると、プーリー56と連動ベルト63とプーリー60とによって、環状ベルト65が架け渡されたプーリー61は反時計回りに回転する。
例えば、環状ベルト64が架け渡されたプーリー57が反時計回りに回転すると、プーリー56と連動ベルト63とプーリー60とによって、環状ベルト65が架け渡されたプーリー61は時計回りに回転する。
このように、環状ベルト64の回転は、第1プーリー群91(プーリー56,57)と連動ベルト63と第2プーリー群92(プーリー60,61)とによって、環状ベルト65に伝えられ、環状ベルト65は、環状ベルト64と逆方向に回転(走行)する。
プーリー57の直径とプーリー60の直径とは、同じに設定されている。
さらに、プーリー60の直径は、プーリー56の直径の2倍に設定されている。すなわち、第2プーリー群92の連動ベルト63が架け渡されたプーリー60の円周の長さと、第1プーリー群91の連動ベルト63が架け渡されたプーリー56の円周の長さとの比は、2:1に設定されている。すると、プーリー60が1回転すると、プーリー56が2回転するようになる。
プーリー56とプーリー57とは連結され、プーリー60とプーリー61とは連結されているので、環状ベルト65が架け渡されたプーリー61が1回転すると、環状ベルト64が架け渡されたプーリー57が2回転するようになる。さらに、プーリー57の直径とプーリー61の直径とは同じであり、環状ベルト64,65の走行距離(移動距離)はプーリー57,61の直径(円周の長さ)及び回転数(回転角)に比例するので、環状ベルト65の走行距離は、環状ベルト64の走行距離(移動距離)の半分になる。
移動部材23は、連結部材28を介して環状ベルト65に取付けられている。可動ガイド36は、連結部材54を介して環状ベルト64に取付けられている。
例えば、可動ガイド36がY(+)方向に移動し、環状ベルト64が時計回りに回転すると、環状ベルト65は反時計回りに回転し、移動部材23もY(+)方向に移動する。この場合、移動部材23の移動距離は、可動ガイド36の移動距離の半分になる。
例えば、可動ガイド36がY(−)方向に移動し、環状ベルト64が反時計回りに回転すると、環状ベルト65は時計回りに回転し、移動部材23もY(−)方向に移動する。この場合、移動部材23の移動距離は、可動ガイド36の移動距離の半分になる。
すなわち、移動部材23は、可動ガイド36に連動して同じ方向(Y(+)方向、またはY(−)方向)に移動可能である。
このように、位置調整機構90は、移動部材23を、可動ガイド36に連動して同じ方向に移動させることに加えて、移動部材23の移動距離が可動ガイド36の移動距離の半分になるように、移動部材23の移動距離を調整する。よって、ユーザーが可動ガイド36の位置を調整すると、位置調整機構90は、移動部材23の移動距離が可動ガイド36の移動距離の半分になるように、移動部材23の位置を自動的に調整する。
用紙3の第1中心C1は、用紙3の第1端E1及び用紙3の第2端E2から等距離にあるので、用紙3の第1端E1のY方向の位置をY1とし、用紙3の第2端E2のY方向の位置をY2とした場合、用紙3の第1中心C1のY方向の位置Y3は、下記に示す式(3)で表される。
Y3=(Y1+Y2)/2…(3)
式(3)より、第2端E2のY方向の位置の変化量がΔY2である場合、第1中心C1のY方向の位置の変化量はΔY2/2になる。すなわち、用紙3の第1中心C1のY方向の位置の変化量は、用紙3の第2端E2のY方向の変化量の半分になる。
本実施形態に係る印刷装置では、固定ガイド34が用紙3の第1端E1に接触し、可動ガイド36が用紙3の第2端E2に接触する様に、用紙3がセットされている。さらに、用紙3の第1端E1のY方向の位置は、固定ガイド34によって決定され、固定されている。このため、幅の異なるロール体R(用紙3)に交換されると、用紙3の第2端E2の位置、及び用紙3の第1中心C1の位置が変化するので、幅の異なるロール体R(用紙3)に交換されると、可動ガイド36の位置及び移動部材23の位置の調整が必要になる。
本実施形態では、幅の異なるロール体Rに交換されると、ユーザーは、可動ガイド36が用紙3の第2端E2に接触するように、可動ガイド36のY方向の位置を調整する。すると、位置調整機構90は、移動部材23のY方向の位置を自動的に調整する。
本実施形態に係る印刷装置では、製造工場において、平面視で移動部材23の第2中心C2が用紙3の第1中心C1に重なるように調整されている。すなわち、平面視で移動部材23の第2中心C2が用紙3の第1中心C1に重なるように調整された状態で、印刷装置が出荷される。
例えば、2インチの幅の用紙3に対して、固定ガイド34が用紙3の第1端E1に接触し、可動ガイド36が用紙3の第2端E2に接触し、平面視で移動部材23の第2中心C2が用紙3の第1中心C1に重なるよう、固定ガイド34と可動ガイド36と移動部材23との位置(Y方向の位置)が調整された状態で、印刷装置が出荷されるものとする。
かかる印刷装置を使用して、6インチの幅の用紙3に印刷する場合、6インチの幅の用紙3を印刷するために、可動ガイド36の位置及び移動部材23の位置の調整が必要になる。
図9に示す状態において、6インチの幅の用紙3は、2インチの幅の用紙3と比べて、第2端E2がY(−)方向に4インチ移動し、第1中心C1がY(−)方向に2インチ移動する。
このため、ユーザーは、6インチの幅の用紙3を印刷するために、可動ガイド36が用紙3の第2端E2に接触する様に、可動ガイド36のY方向位置をY(−)方向に4インチ移動させる。
位置調整機構90は、移動部材23の移動距離が可動ガイド36の移動距離の半分になるように、移動部材23の位置を自動的に調整するので、移動部材23のY方向の位置がY(−)方向に2インチ移動する。従って、平面視で、移動部材23の第2中心C2が、用紙3の第1中心C1に重なる状態に自動的に調整される。
このように、製品出荷時に、印刷装置が平面視で移動部材23の第2中心C2が用紙3の第1中心C1に重なるように調整されていると、幅の異なる用紙3に印刷を行う場合、ユーザーが可動ガイド36の位置を調整すると、位置調整機構90は、平面視で移動部材23の第2中心C2が用紙3の第1中心C1に重なるように、自動的に移動部材23の位置を調整する。
ユーザーが移動部材23の位置を調整する場合、ユーザーは、目視で用紙3の第1中心C1の位置を把握し(推定し)、平面視で移動部材23の第2中心C2が用紙3の第1中心C1に重なるように、移動部材23の位置を調整することになる。ところが、目視で用紙3の第1中心C1の位置を適正に把握することが難しいので、移動部材23の位置を適正に調整することが難しくなる。仮に、移動部材23の位置が適正に調整されないと、印刷動作において用紙3が正常に搬送されず、用紙3に形成される画像の品位が低下するという不具合が生じやすくなる。
本実施形態では、幅の異なる用紙3に変更される場合、ユーザーは、可動ガイド36の位置を調整するだけでよく、移動部材23の位置を調整する必要がない。ユーザーは、目視で用紙3の第2端E2の位置を適正に把握できるので、可動ガイド36の位置を適正に調整することができる。さらに、可動ガイド36の位置が適正に調整されると、位置調整機構90が移動部材23の位置を適正に調整するので、可動ガイド36及び移動部材23の位置を適正に調整することができる。
従って、本実施形態に係る印刷装置では、平面視で移動部材23の第2中心C2が用紙3の第1中心C1に重なるように、移動部材23の位置が確実に調整されるので、印刷動作において用紙3が正常に搬送されず、用紙3に形成される画像の品位が低下するという不具合が抑制され、安定して高品位の画像を形成することができる。
(実施形態3)
図11は、図9に対応する図であり、実施形態3に係る印刷装置が備える位置調整機構の状態を示す模式図である。図12は、図10に対応する図であり、本実施形態に係る印刷装置が備える位置調整機構の概略断面図である。
本実施形態と実施形態2とでは、環状ベルト64が架け渡されたプーリー57の回転を、環状ベルト65が架け渡されたプーリー61に伝える構成要素が異なる。他の構成は、本実施形態と実施形態2とで同じである。
以下、図11及び図12を参照し、本実施形態に係る印刷装置の概要を、実施形態2との相違点を中心に説明する。また、実施形態2と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
図11及び図12に示すように、本実施形態に係る印刷装置が備える位置調整機構90Aでは、実施形態2のプーリー56が歯車66に置き換えられ、実施形態2のプーリー60が歯車69に置き換えられ、実施形態2の連動ベルト63が歯車67,68に置き換えられている。その結果、環状ベルト64が架け渡されたプーリー57の回転は、歯車66と歯車67と歯車68と歯車69とを介して、環状ベルト65が架け渡されたプーリー61に伝えられる。
例えば、環状ベルト64が架け渡されたプーリー57が時計回りに回転すると、歯車66と歯車67と歯車68と歯車69とによって、環状ベルト65が架け渡されたプーリー61は反時計回りに回転する。
例えば、環状ベルト64が架け渡されたプーリー57が反時計回りに回転すると、歯車66と歯車67と歯車68と歯車69とによって、環状ベルト65が架け渡されたプーリー61は時計回りに回転する。
このように、環状ベルト64の回転は、プーリー57と歯車66と歯車67と歯車68と歯車69とプーリー61とによって、環状ベルト65に伝えられ、環状ベルト65は、環状ベルト64と逆方向に回転(走行)する。
さらに、歯車69の歯数と歯車66の歯数との比率は、2:1に設定されている。
歯車69の歯数と歯車66の歯数との比率が2:1である場合、歯車66が2回転する場合に歯車69が1回転するようになる。歯車66とプーリー57とは連結され、歯車69とプーリー61とは連結されているので、環状ベルト64が架け渡されたプーリー57が2回転すると、環状ベルト65が架け渡されたプーリー61が1回転するようになる。
その結果、本実施形態に係る印刷装置が備える位置調整機構90Aでは、実施形態2に係る印刷装置が備える位置調整機構90と同様に、環状ベルト65の走行距離(移動距離)は、環状ベルト64の走行距離の半分になる。
従って、本実施形態に係る印刷装置が備える位置調整機構90Aは、実施形態2に係る印刷装置が備える位置調整機構90と同等の効果を得ることができる。すなわち、ユーザーが可動ガイド36の位置を調整すると、位置調整機構90Aは、平面視で移動部材23の第2中心C2が用紙3の第1中心C1に重なるように、自動的に移動部材23の位置を調整する。
なお、歯車67,68を省略し、歯車66と歯車69とを直接連結してもよい。さらに、歯車66と歯車69との間に配置される歯車の数は、偶数であればよく、例えば二つであってもよく、例えば四つであってもよい。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)
上述した実施形態では、印刷装置が、幅の異なる用紙3(複数の幅の用紙3)に印刷する構成を有していた。
印刷装置が、一つの幅の用紙に印刷する構成であってもよい。印刷装置が一つの幅の用紙に印刷する場合、移動部材23の幅を用紙の幅以下に設定すると、用紙3のY方向の長さと比べて、移動部材23のY方向の長さが長くなりすぎることに起因する不具合(印刷動作の副走査における搬送不具合)を確実に抑制することができる。
(変形例2)
上述した実施形態では、ユーザーが手動で可動ガイド36の位置を調整した。例えば、駆動機構を設け、自動で可動ガイド36の位置を調整する構成であってもよい。
駆動機構を設け、自動で可動ガイド36の位置を調整すると、位置調整機構90,90Aは、可動ガイド36の位置に連動して移動部材23の位置を自動的に調整するので、可動ガイド36の位置及び移動部材23の位置の両方を自動で調整できるようになる。
以下に、上述した実施形態から導き出される内容を記載する。
本願の印刷装置は、複数の幅の用紙を搬送方向に搬送する搬送部と、前記搬送部に用紙を送り出す送り出し部と、前記用紙に印字をする印刷部と、前記搬送部と、前記送り出し部との間に存在し、前記用紙に張力を付与する移動部材と、を有し、前記用紙の幅方向を第1方向とした場合、前記移動部材の前記第1方向の長さは、前記複数の幅のうち最も広い幅以下であることを特徴とする。
移動部材の第1方向の長さ(幅)を、用紙の複数の幅のうち、用紙の最も広い幅以下に設定すると、移動部材が用紙よりも大きくなりすぎ、移動部材の自重(質量)の影響が強くなりすぎ、移動部材の自重(質量)によって、用紙を搬送方向に搬送する負荷(搬送負荷)が増加し、用紙が正常に搬送されなくなるという不具合が生じにくくなる。
本願の印刷装置では、前記用紙が、前記搬送方向に沿った第1端と、前記第1端に対向し前記搬送方向に沿った第2端と、前記第1端及び前記第2端から等距離にある第1中心とを有し、前記移動部材が、前記第1端側に配置され前記搬送方向に沿った第3端と、前記第2端側に配置され前記搬送方向に沿った第4端と、前記第3端及び前記第4端から等距離にある第2中心とを有するとした場合、前記移動部材は、平面視で前記第2中心が前記第1中心に重なるように配置されることが好ましい。
移動部材が用紙に接触する部分で、用紙の搬送を阻害する力(摩擦力)が用紙に作用する。
平面視で移動部材の第2中心が用紙の第1中心に重なるように、移動部材と用紙とが配置されると、移動部材の第2中心に対して、移動部材の第3端側、及び移動部材の第4端側で、移動部材が用紙に接触する部分の面積を同じにすることができる。すると、移動部材の第3端側、及び移動部材の第4端側で、用紙の搬送を阻害する力(摩擦力)が同じになり、用紙を搬送方向に搬送することができる。
すなわち、用紙が搬送方向と交差する方向に搬送される斜行を抑制することができる。
本願の印刷装置では、前記用紙が、前記搬送方向に沿った第1端と、前記第1端に対向し前記搬送方向に沿った第2端と、前記第1端及び前記第2端から等距離にある第1中心とを有するとした場合、前記第1中心に対して前記第1端側において前記移動部材が前記用紙に接触する面積と、前記第1中心に対して前記第2端側において前記移動部材が前記用紙に接触する面積とは、同等であることが好ましい。
第1中心に対して第1端側において移動部材が用紙に接触する面積と、第1中心に対して第2端側において移動部材が用紙に接触する面積とを同等にすると、用紙の第1端側、及び用紙の第2端側で、用紙の搬送を阻害する力(摩擦力)が同じになり、用紙を搬送方向に搬送することができる。
本願の印刷装置では、前記用紙の搬送方向を規制するガイド部材を、さらに有し、前記移動部材は、前記ガイド部材に連動して前記第1方向に移動可能であることが好ましい。
移動部材をガイド部材に連動して第1方向に移動可能にすると、移動部材の位置とガイド部材の位置とを同時に調整できる。
本願の印刷装置では、前記移動部材の移動を制御し、複数のプーリーを有する移動部材制御プーリー群と、前記ガイド部材の移動を制御し、複数のプーリーを有するガイド部材制御プーリー群と、前記移動部材制御プーリー群の前記複数のプーリーのうち一のプーリーと、前記ガイド部材制御プーリー群の複数のプーリーのうち二のプーリーと、に架け渡された連動ベルトと、をさらに有し、前記一のプーリーの円周の長さと、前記二のプーリーの円周の長さとの比は、2:1であることが好ましい。
移動部材制御プーリー群の連動ベルトが架け渡された一のプーリーの円周の長さと、ガイド部材制御プーリー群のうち連動ベルトが架け渡された二のプーリーの円周の長さとの比を、2:1に設定すると、一のプーリーの回転角と、二のプーリーの回転角との比を、1:2に制御することができる。すると、移動部材制御プーリー群によって制御される移動部材の移動距離と、ガイド部材制御プーリー群によって制御されるガイド部材の移動距離との比を、1:2に制御することが可能になる。
3…用紙、10…印刷装置、11…装置ケース、12…表示・操作パネル、13…インクカートリッジ交換口、14…用紙排出口、15…廃インクタンク交換口、16…ロール紙供給口、17…外装カバー、18…ヒンジ、21…ロール紙装着部、22…ガイドユニット、23…移動部材、231…付勢部材、24…搬送部、25…印刷部、26…切断部、29…ローラー軸、30…支持プレート、31…固定部、33…ガイド軸、34…固定ガイド、35…固定側押えレバー、36…可動ガイド、37…可動側押えレバー、38…ロック解除レバー、43…送り部、44…送りモーター、45…動力伝達部、49…駆動ローラー、51…従動ローラー、52…搬送ベルト、53…紙押え部、54…連結部材、55…支持ローラー、56…プーリー、57…プーリー、60…プーリー、61…プーリー、63…連動ベルト、64…環状ベルト、65…環状ベルト。

Claims (5)

  1. 複数の幅の用紙を搬送方向に搬送する搬送部と、
    前記搬送部に用紙を送り出す送り出し部と、
    前記用紙に印字をする印刷部と、
    前記搬送部と、前記送り出し部との間に存在し、前記用紙に張力を付与する移動部材と、
    を有し、
    前記用紙の幅方向を第1方向とした場合、前記移動部材の前記第1方向の長さは、前記複数の幅のうち最も広い幅以下であることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記用紙が、前記搬送方向に沿った第1端と、前記第1端に対向し前記搬送方向に沿った第2端と、前記第1端及び前記第2端から等距離にある第1中心とを有し、
    前記移動部材が、前記第1端側に配置され前記搬送方向に沿った第3端と、前記第2端側に配置され前記搬送方向に沿った第4端と、前記第3端及び前記第4端から等距離にある第2中心とを有するとした場合、
    前記移動部材は、平面視で前記第2中心が前記第1中心に重なるように配置されることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記用紙が、前記搬送方向に沿った第1端と、前記第1端に対向し前記搬送方向に沿った第2端と、前記第1端及び前記第2端から等距離にある第1中心とを有するとした場合、
    前記第1中心に対して前記第1端側において前記移動部材が前記用紙に接触する面積と、前記第1中心に対して前記第2端側において前記移動部材が前記用紙に接触する面積とは、同等であることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  4. 前記用紙の搬送方向を規制するガイド部材を、さらに有し、
    前記移動部材は、前記ガイド部材に連動して前記第1方向に移動可能であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の印刷装置。
  5. 前記移動部材の移動を制御し、複数のプーリーを有する移動部材制御プーリー群と、
    前記ガイド部材の移動を制御し、複数のプーリーを有するガイド部材制御プーリー群と、
    前記移動部材制御プーリー群の前記複数のプーリーのうち一のプーリーと、前記ガイド部材制御プーリー群の複数のプーリーのうち二のプーリーと、に架け渡された連動ベルトと、
    をさらに有し、
    前記一のプーリーの円周の長さと、前記二のプーリーの円周の長さとの比は、2:1であることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
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