JP2021011920A - 部材間の接合構造および接合方法 - Google Patents

部材間の接合構造および接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スライドロック施工による省力化を実現し、かつ安全に施工でき、部材どうしの締結後は、必要に応じてボルトの増し締め、あるいは解体のための取り外しも可能な接合構造および接合方法を提供する。【解決手段】互いに接合される一方の接合部材1aの接合面にあらかじめボルト3、勾配座金4、ばね座金8、およびナット6を装着しておく。他方の接合部材1bの接合面には勾配座金4と逆向きの勾配を有する受け金具5を装着しておく。ナット6は、所定の首下長さになるように位置合わせをしておく。接合面のガイド溝9、10にボルト3の軸部3bを挿入し、受け金具5と勾配座金4が嵌合するまで接合面をスライドさせることで、勾配部が当接した状態で接合が完了する。接合面にはばね座金8の反力分の軸力が導入される。必要に応じてナット6を回転し、所定の締付力を導入する。【選択図】図4

Description

本発明は、ボルト接合を使用する部材間の接合構造および接合方法に関するものであり、例えば、構造部材どうしを接合する場合、あるいは鉄骨柱の溶接継手のエレクションピースの連結や鋼管の無溶接継手、さらにはトンネル覆工用セグメントの継手等、適用分野は特に限定されず、スライドロック施工による省力化を実現し、かつ安全に施工ができるようにしたものである。
部材間の接合方法として、ボルト・ナットによる締結方法が多用されている。この構造は、ボルトの軸部に溝加工された雄ねじ部に、ナットの雌ねじ部を回転嵌合させることにより、ボルトの頭部の下端からナットの端までの部材間を座金を介して締め付けることでボルトの軸部に引張り軸力を発生させ、部材どうしを接合させるものである。
図1は従来のボルト・ナットによる一般的な締結方法を示したもので、図1に示されるように接合される部材51a、51bの接合面には、あらかじめ接合面に対して直角に、ボルトの軸部53bより大きめのボルト孔52a、52bが設けられており(図1(a)参照)、これらのボルト孔52a、52bどうしを合わせるための位置決めを行う。
次に、位置決めされたボルト孔52a、52bに、ボルト53の軸部53bを貫通させ(図1(b)参照)、座金54、55およびナット56を装着後、ナット56の緩みが止まるまでナット56を回転し締め付ける(図1(c)参照)。
しかしながら、ナット56を回転するまでのこれら一連の組み立て作業は、接合面のボルト本数が増えると、その本数分、繰り返すことになり、現場での作業が大幅に増えることになる。また、安全性の観点から見れば、ボルト・ナット類の数だけこれらの落下の危険性が高まっていると言える。
このような問題を解決するボルト・ナットを用いない部材間の接合構造として、例えば特許文献1には、互いに接合しようとする一方の部材の継手面に形成された嵌合溝を有するメス継手と、他方の部材の継手面から突出し、メス継手の嵌合溝の溝方向に沿って嵌合されるT型のオス継手とからなる部材間継手装置が開示されている。
この部材間継手装置のオス継手にはメス継手の嵌合溝への嵌合により継手面どうしを引き寄せる方向の勾配を有する勾配部が形成されており、メス継手にはオス継手の勾配部に対応する勾配を有しオス継手の勾配部と当接する勾配受け部材が嵌合溝に沿って摺動可能に設けられており、クサビ方式の継手装置を構成している。また、勾配受け部材は所定以上の力を受けることで固定機能を失う仮留め部材によって嵌合溝内の所定位置に仮固定されている。
特開2002−357095号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるようなクサビ方式の継手装置の場合、ボルト・ナット方式のように、後から取り外したり、締め直しを行うといったことができないという欠点がある。
本発明は、上述した従来のボルト・ナット接合やクサビ方式の接合構造における課題に鑑みてなされたものであり、部材締結に必要なボルト類をあらかじめ接合部材に取り付けておくことで部品の落下の危険性をなくし、接合部材のどちらか一方の接合面を他方の接合面に仮当てし、一方向にスライド挿入することで、部材どうしの接合面の位置合わせおよびボルトの予備締め、あるいは本締めまでの締結作業を終えることを可能としたものである。
また、部材の締結後は、必要に応じてボルトの増し締め、あるいは解体のための取り外しも可能とし、ボルト組み立ての急速施工に対応できる接合方法を提供することを目的としている。
本発明は、互いに接合される一方の部材のボルト孔に対してボルトが装着され、前記ボルトのボルト頭部と前記ボルト孔との間に互いに接合される他方の部材の接合部を嵌合させた部材間の接合構造であって、前記ボルト頭部の裏面側には所定の勾配を持たせた第1の勾配付きの部材が前記ボルトの軸部を貫通させた状態で取り付けられており、前記他方の部材の接合部には前記第1の勾配付きの部材と逆向きの勾配を持たせた第2の勾配付きの部材が取り付けられており、前記他方の部材の接合部および前記第2の勾配付きの部材には、前記ボルトの軸部を側方から受入れ可能なガイド溝が形成されており、前記第1の勾配付きの部材と前記第2の勾配付きの部材の勾配面どうしを当接させた状態で部材どうしが前記ボルトを介して接合されていることを特徴とするものである。
すなわち、ボルトを用いた接合構造において、本発明では接合部材の一方を一方向にスライド挿入するのみでボルトによる組み立てが終えられるように、一方の部材にはボルトと第1の勾配付きの部材が挿入方向にその勾配部が向くように取り付けられており、他方の部材にはボルトの軸部が通るガイド溝と、第1の勾配付きの部材と逆向きの勾配を持つ第2の勾配付きの部材の勾配部がスライド挿入によって当接されるようにあらかじめ位置決めされて取り付けられる。
さらに、スライド挿入時にボルトに軸力を導入したい場合は、それに相当する反力が得られるように、圧縮弾性部材をあらかじめ締め付け長さに組み込み、別途、ボルト軸に装着しておけば良い。この際、弾性部材の種類は問わないが、ばね座金(スプリングワッシャー)あるいは皿ばねなどを使用すればより均等に軸力が導入される。
これに加えて、本締めとしての軸力導入を行いたい場合は、従来どおりにナットを増し締めすれば部材間に軸力を導入できるが、前述した特許文献1記載の発明における仮留め部材のように、第2の勾配付きの部材の設置位置を調整して、事前に仮留め部材としてのビスなどで固定することで、導入軸力の管理を行うこともできる。
その他、片側施工等、施工上に制約がある場合は、適用条件に応じて増し締めがし易い様にボルトは寸切りボルトとし両端をナット構造にしておくことで、対処できる場合がある。
ところで、ボルトを互いに接合される一方の部材のボルト孔へあらかじめ装着しておく構造としては、ボルトの軸部の雄ねじに螺合したナットで接合する場合(この場合、ボルト孔の内径はボルトの軸部外径より大きい)のほか、ボルト孔に雌ねじを形成しておき、雌ねじにボルトの軸部の雄ねじを螺合して接合することが考えられる。
前者の場合は、互いに接合される部材どうしがスライド嵌合により接合されるまでは、ボルトの軸部が固定されずに、ボルト孔の軸方向に動ける状態であるのに対し、後者の場合は部材どうしの嵌合前に、ボルトの位置が動かない状態となる。ただし、部材どうしの嵌合による接合の後でも、ボルトの回転により増し締めが可能であり、またボルトを緩めることにより取り外すこともできる。
また、上述した圧縮弾性部材は、ナットを用いる場合は、ボルトがあらかじめ装着される部材の裏面側とナットの間に介在させることができ、またボルト頭部の裏面と第1の勾配付きの部材との間に介在させてもよい。
第1の勾配付きの部材としては、例えば片面に勾配を持たせた座金としての勾配座金などを用いることができる。
本発明の部材間の接合方法は、上述した部材間の接合構造の施工手順に相当するものであり、互いに接合される一方の部材のボルト孔にあらかじめボルトを装着しておき、前記ボルトの頭部と前記ボルト孔との間に、互いに接合される他方の部材の接合部を側方から嵌合させて、部材どうしを前記ボルトを介して接合する部材間の接合方法であって、前記ボルトの頭部の裏面側に所定の勾配を持たせた第1の勾配付きの部材を前記ボルトの軸部を貫通させて取り付けておき、前記他方の部材の接合部に前記第1の勾配付きの部材と逆向きの勾配を持たせた第2の勾配付きの部材を取り付けた状態で、前記他方の部材の接合部および前記第2の勾配付きの部材に形成されているガイド溝に前記ボルトの軸部を側方から嵌入させながら、前記他方の部材の接合部を側方から嵌合させて、前記第1の勾配付きの部材と前記第2の勾配付きの部材の勾配面どうしを当接させ、前記部材間に前記ボルトの締付け力を導入することを特徴とする。
ボルトのボルト孔への装着は、ボルトの軸部の雄ねじにナットを介して装着する方法や、ボルトの軸部の雄ねじをボルト孔に形成された雌ねじに螺合して装着する方法がある。
また、部材間の接合構造に関して説明したように、ばね座金あるいは皿ばねなどの弾性部材を介在させて、軸力が均等に導入されるようにするとよい。また、第1の勾配付きの部材として、片面に勾配を持たせた勾配座金などを用いることができる。
そもそも本締めの作業は、締め付けボルトの本数が複数本あるとき、最初に締付けたボルトが緩む傾向にあるため、これを防止する観点から行う作業であり、この緩み傾向がなければ予備締めは不要になると言える。
その点、本発明は、複数本のボルトがあっても、一方の接合部材を一方向にスライドするのみでロックがかかり複数本のボルトを介した接合組立てが同時に完了することから、現場作業における労務負担が大幅に減り、生産性の向上が図られる。また、自動化にも適した施工方法と言える。
従来一般的なボルト・ナットによる接合手順および構造を側面的に示したものであり、(a)は部材どうしのボルト孔の位置合わせを示す断面図、(b)はそのボルト孔にボルトのボルト軸を貫通させた状態を示す断面図、(c)はさらに座金とワッシャーを取り付け、ワッシャーを締め付けた状態を示す断面図である。 実施形態1における組み立て手順を示したものであり、(a)はあらかじめ組み立てに必要なボルト類を装着している状況を示す断面図、(b)はその挿入過程を示す断面図、(c)は組み立てが完了した状態を示す断面図である。 実施形態2における組み立て手順を示したものであり、(a)はあらかじめ組み立てに必要なボルト類を装着している状況を示す断面図、(b)はその挿入過程を示す断面図、(c)は組み立てが完了した状態を示す断面図である。 実施形態2の図3(b)に対応する挿入過程を示したものであり、(a)はボルトの軸と平行な断面図、(b)はボルトの軸と垂直な断面図である。 実施形態3における組み立て手順を示したものであり、(a)はあらかじめ組み立てに必要なボルト類を装着している状況を示す断面図、(b)はその挿入過程を示す断面図、(c)は組み立てが完了した状態を示す断面図である。 実施形態4(H形鋼の端部に取り付けられた端板どうし接合する場合の実施形態)を示したものであり、(a)はボルト等の金具類を装着する前の接合部の断面と接合面を示した図、(b)はボルト等の金具類を装着した状態の接合部の断面と接合面を示した図、(c)〜(e)は組み立て手順を示した図である。 実施形態5(H形鋼の端部に取り付けられた端板どうし接合する場合の実施形態)を示す断面図である。 実施形態6として、本発明をエレクションピースに適用する場合の概要を従来例と比較して示したもので、(a)は鋼管についての従来一般的なエレクションピースの配置例を示す断面図、(b)は本発明を適用する場合のエレクションピースの配置例を示す断面である。 (a)〜(d)は、実施形態6における組み立て手順を示すそれぞれ2方向からの断面図である。 実施形態7としての鋼管パイプの端板どうしの接合構造の原理を示した図である。 実施形態3と、実施形態8を対比して示したものであり、(a)は実施形態3におけるスライドロック後の状態を示した断面図、(b)は実施形態8としてボルト孔がタップ孔になっている場合のスライドロック後の状態を示した断面図、(c)はさらにボルトの緩み防止対策としてナットが締め付けられている場合のスライドロック後の状態を示した断面図である。
以下、本発明を添付した図面に基づいて説明する。
〔実施形態1〕
図2は、現場の省力化を目的とした本発明の一実施形態を示したものであり、互いに連結される一対の接合部材1a、1bが、第1の勾配付きの部材としての所定の勾配を持たせた勾配座金4およびこれと逆向きの勾配を持たせた第2の勾配付きの部材としての受け金具5を介して、ボルト3とナット6で締め付けられている。接合の手順は以下の通りである。
(1) ステップ1(図2(a)参照)
あらかじめ一方の接合部材1aの接合面にボルト3、勾配座金4、ナット6を、他方の接合部材1bの接合面の所定の位置に受け金具5を装着しておく。ナット6は、所定の首下長さになるまで、精度良く位置合わせをする。
(2) ステップ2(図2(b)参照)
接合面をスライドさせると受け金具5と勾配座金4が嵌合する。なお、接合面には後述する実施形態2のスリット(図4(b)のガイド溝9、10に相当するスリット)が形成されていることでスライド可能となっている。
(3) ステップ3(図2(c)参照)
勾配部が嵌合し、接合が完了する。
必要に応じてナット6を回転し、所定の締付力を導入する。
〔実施形態2〕
図3は、接合面に軸力を導入する場合の実施形態を示したものであり、接合の手順は以下の通りである。なお、図4は、図3(b)に対応する挿入過程を示したものであり、(a)はボルトの軸と平行な断面図、(b)はボルトの軸と垂直な断面図である。
(1) ステップ1(図3(a)参照)
あらかじめ一方の接合部材1aの接合面にボルト3、勾配座金4、ばね座金8、ナット6を、他方の接合部材1bの接合面の所定の位置に受け金具5を装着しておく。ナット6は、所定の首下長さになるまで、精度良く位置合わせをする。
(2) ステップ2(図3(b)参照)
接合面のスリット(図4(b)のガイド溝9、10)にボルト3の軸部3bを挿入し、受け金具5と勾配座金4が嵌合するまで接合面をスライドさせる。
(3) ステップ3(図3(c)参照)
勾配部が嵌合し、接合が完了する。接合面にばね座金8の反力分の軸力が導入される。
必要に応じてナット6を回転し、所定の締付力を導入する。
〔実施形態3〕
図5は、接合面に軸力を導入する場合(ボルト3の固定度を高める場合)の他の実施形態を示したものであり、接合の手順は以下の通りである。
(1) ステップ1(図5(a)参照)
あらかじめ一方の接合部材1aの接合面にボルト3、勾配座金4、ばね座金8、ナット6を、他方の接合部材1bの接合面の所定の位置に受け金具5を装着しておく。ナット6は、所定の首下長さになるまで、精度良く位置合わせをする。
(2) ステップ2(図5(b)参照)
接合面のスリットにボルト3の軸部3bを挿入し、接合面をスライドさせると受け金具5と勾配座金4が嵌合する。なお、接合面には前述の実施形態2のスリット(図4(b)のガイド溝9、10に相当するスリット)が形成されていることでスライド可能となっている。
(3) ステップ3(図5(c)参照)
勾配部が嵌合し、接合が完了する。接合面にばね座金8の反力分の軸力が導入される。
〔実施形態4〕
図6は、H形鋼の端部に取り付けられた端板11a、11bどうし接合する場合の実施形態を示したものであり、図6(a)はボルト3等の金具類を装着する前の接合部の断面と接合面を示した図、図6(b)はボルト3等の金具類を装着した状態の接合部の断面と接合面を示した図である。
図6の(a)〜(e)においては、上段がH形鋼を上から見た図、下段が側面から見た図である。接合の手順は以下の通りである。
(1) ステップ1(図6(c)参照)
あらかじめ一方の接合部材11a、11bの接合面にボルト3、勾配座金4、ばね座金8、ナット6およびボルト3と対抗する接合面の所定の位置に受け金具5を、互い違いに装着しておく。ナット6は、所定の首下長さになるまで、精度良く位置合わせをする。
(2) ステップ2(図6(d)参照)
接合面のスリットにボルト3の軸部を挿入し、接合面をスライドさせると受け金具5と勾配座金4が嵌合する。
(3) ステップ3(図6(e)参照)
勾配部が嵌合し、接合が完了する。接合面にばね座金8の反力分の軸力が導入される。
必要に応じてナット6を回転し、所定の締付力を導入する。
〔実施形態5〕
図7は、H型鋼の端部に取り付けられた端板11a、11bどうし接合する場合の他の実施形態(接合面の剛性を高める方法)を示したものである。
実施形態5では、端板11a、11bどうしの接合面から所定間隔離した位置に、H形鋼の軸方向と直角なリブ12a、12bを取り付け、このリブ12a、12bに、ボルト3、勾配座金4、受け金具5、ばね座金8、ナット6を配置したものであり、原理は前述した実勢形態2、実施形態4と同様である。
〔実施形態6〕
図8、本発明をエレクションピースに適用する場合の概要を従来例と比較して示したものである。
エレクションピースは、大型の鉄骨構造物を輸送する際、輸送物の寸法制限から分割せざるを得ない場合、適度な場所を分割して製作された分割場所周辺に部材毎に使用される。
図8(a)は、矩形断面と円形断面の鋼管21に設置された、従来一般的なエレクションピース22の配置例である。エレクションピース22は、矩形断面に8箇所、円形断面に6箇所それぞれの断面の外側に配置されている。
現場施工ではそれぞれのエレクションピース22どうしを添接板で連結するが、エレクションピース22は現場にて分割部材の接合面どうしを精度良く突き合わせ溶接で接合するための位置決めとしての重要な役割を有する他、施工時の外力および現場溶接による熱収縮に耐える必要があるため、仮ボルトとして使用するボルトについては高力ボルトとし、全数の締め付けが標準施工となっている。
その後、現場溶接が終わると不要になるため、ガス切断され撤去されるが、これら一連の作業は膨大な時間と労力を要する。
一方、図8(b)は、本発明を適用する場合のエレクションピース22の配置例を示したもので、矩形断面、円形断面共に、鋼管21の断面内にエレクションピース22が配置されている。
図9は、その実施形態と施工手順を示したものである。
図9(a)に示すように、鋼管21の上端部の内側にエレクションピース22aが溶接により取り付けられており、そのエレクションピース22aには添接板22bが通常の高力ボルト23により締め付けられている。
図9(b)は、図9(a)の鋼管21の上に接合される鋼管21が降下している状況を示している。上側の鋼管21にはエレクションピース22cが溶接により取り付けられている。
添接板22bとエレクションピース22cには、他の実施形態において説明したボルト3、勾配座金4、受け金具5、ナット6、ばね座金8が所定位置に取り付けられている。
図9(c)に示すように、接合される上側の鋼管21が降下し、スライド挿入によりボルト3等による締め付けが完了する。
図9(d)は、上下の鋼管21の突き合わせ部の溶接24が完了した状況を示している。
〔実施形態7〕
図10は、実施形態7として鋼管パイプ31の端板32a、32bどうしの接合構造の原理を示したものである。
基本的な接合構造の原理は他の実施形態と同様であるが、ボルト3の軸部が嵌入される端版32bのガイド溝をひょうたん型のガイド溝孔39とし、鋼管パイプ31を鋼管パイプ31の軸回りに回転させて接合できるようにしたものである。
〔実施形態8〕
図11は、実施形態3(図5参照)と、実施形態8を対比して示したものである。
図11(a)は、実施形態3におけるスライドロック後の状態を示した図であり、あらかじめ取り付けられたボルト3は、互いに接合される部材1a、1bにボルト3の軸径より少し大きいボルト孔2が開けられ、座金7を介してボルト軸力を伝える構造になっている。
これに対し、図11(b)は、図11(a)のボルト孔が、タップ孔2aになっており、同じスライドロックを行う構造において、部材1a、1bの締め付け長L´が、一方の接合部の板厚分薄くなることで、もう一方の接合部をスライド挿入する際に発生するボルト頭部3aの曲げ力が低減される効果が得られる。
図11(c)は、図11(b)において、あらかじめ取り付けられたボルト3の緩み防止対策として、ナット6が締め付けられている状況を示した図である。いわゆるダブルナットとしての効果を期待したもので、ナットを兼ねた継手板とナット6どうしを締め付けることにより、ボルト3の緩み防止と同時にスライドロック構造に重要な締め付け部材長L’の管理に効果的である。
本発明は、汎用性の高いボルト接合に関するものであり、その使用部への組立て時間を短縮したい場合に適用することができる。例えば、機械部品の組み立て、建設資材の組立て、構造部材どうしの接合部等へ適用が考えられる。
1a、1b…部材、2…ボルト孔、2a…タップ孔、3…ボルト、3a…頭部、3b…軸部、4…勾配座金(第1の勾配付きの部材)、5…受け金具(第2の勾配付きの部材)、6…ナット、7…座金、
8…ばね座金、9…ガイド溝(部材1bのガイド溝)、10…ガイド溝(受け金具5のガイド溝)、
11a、11b…端板、
12a、12b…リブ、
21…鋼管、22、22a、22c…エレクションピース、22b…添接板、23…高力ボルト、24…溶接、
31…鋼管パイプ、32a、32b…端板、39…ガイド溝孔、
51a、51b…部材、52a、52b…ボルト孔、53…ボルト、53a…頭部、53b…軸部、54…座金、55…座金、56…ナット
本発明は、互いに接合される一方の部材のボルト孔に対してボルトが装着されており、前記ボルトのボルト頭部と前記ボルト孔との間に互いに接合される他方の部材の接合部を嵌合させた部材間の接合構造であって、前記ボルト頭部の裏面側には所定の勾配を持たせた第1の勾配付きの部材が前記ボルトの軸部を貫通させた状態で取り付けられており、前記他方の部材の接合部には前記第1の勾配付きの部材と逆向きの勾配を持たせた第2の勾配付きの部材が取り付けられており、前記他方の部材の接合部および前記第2の勾配付きの部材には、前記ボルトの軸部を側方から受入れ可能なガイド溝が形成されており、前記第1の勾配付きの部材と前記第2の勾配付きの部材の勾配面どうしを当接させた状態で部材どうしが前記ボルトを介して接合されていることを特徴とするものである。

Claims (13)

  1. 互いに接合される一方の部材のボルト孔に対してボルトが装着され、前記ボルトのボルト頭部と前記ボルト孔との間に互いに接合される他方の部材の接合部を嵌合させた部材間の接合構造であって、前記ボルト頭部の裏面側には所定の勾配を持たせた第1の勾配付きの部材が前記ボルトの軸部を貫通させた状態で取り付けられており、前記他方の部材の接合部には前記第1の勾配付きの部材と逆向きの勾配を持たせた第2の勾配付きの部材が取り付けられており、前記他方の部材の接合部および前記第2の勾配付きの部材には、前記ボルトの軸部を側方から受入れ可能なガイド溝が形成されており、前記第1の勾配付きの部材と前記第2の勾配付きの部材の勾配面どうしを当接させた状態で部材どうしが前記ボルトを介して接合されていることを特徴とする部材間の接合構造。
  2. 請求項1記載の部材間の接合構造において、前記ボルトは、前記ボルト孔に対しボルトの軸部の雄ねじに螺合したナットで接合されていることを特徴とする部材間の接合構造。
  3. 請求項1記載の部材間の接合構造において、前記ボルトの軸部の雄ねじが前記ボルト孔に形成された雌ねじに螺合して接合されていることを特徴とする部材間の接合構造。
  4. 請求項2記載の部材間の接合構造において、前記一方の部材のボルト孔と前記ナットとの間に弾性部材を介在させてあることを特徴とする部材間の接合構造。
  5. 請求項1〜3の何れかに記載の部材間の接合構造において、前記ボルト頭部と前記第1の勾配付きの部材との間に弾性部材を介在させてあることを特徴とする部材間の接合構造。
  6. 請求項4または5記載の部材間の接合構造において、前記弾性部材はばね座金または皿ばねであることを特徴とする部材間の接合構造。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の部材間の接合構造において、前記第1の勾配付きの部材は、片面に勾配を持たせた座金としての勾配座金であることを特徴とする部材間の接合構造。
  8. 互いに接合される一方の部材のボルト孔にあらかじめボルトを装着しておき、前記ボルトのボルト頭部と前記ボルト孔との間に、互いに接合される他方の部材の接合部を側方から嵌合させて、部材どうしを前記ボルトを介して接合する部材間の接合方法であって、前記ボルト頭部の裏面側に所定の勾配を持たせた第1の勾配付きの部材を前記ボルトの軸部を貫通させて取り付けておき、前記他方の部材の接合部に前記第1の勾配付きの部材と逆向きの勾配を持たせた第2の勾配付きの部材を取り付けた状態で、前記他方の部材の接合部および前記第2の勾配付きの部材に形成されているガイド溝に前記ボルトの軸部を側方から嵌入させながら、前記他方の部材の接合部を側方から嵌合させて、前記第1の勾配付きの部材と前記第2の勾配付きの部材の勾配面どうしを当接させ、前記部材間に前記ボルトの締付け力を導入することを特徴とする部材間の接合方法。
  9. 請求項8記載の部材間の接合方法において、前記一方の部材のボルト孔に対し、前記ボルトを、該ボルトの軸部の雄ねじに螺合したナットを介して装着することを特徴とする部材間の接合方法。
  10. 請求項8記載の部材間の接合構造において、前記一方の部材のボルト孔に対し、前記ボルトを該ボルトの軸部の雄ねじを前記ボルト孔に形成された雌ねじに螺合して装着することを特徴とする部材間の接合方法。
  11. 請求項9記載の部材間の接合方法において、前記一方の部材のボルト孔と前記ナットとの間に弾性部材を介在させることを特徴とする部材間の接合方法。
  12. 請求項8〜10の何れかに記載の部材間の接合方法において、前記ボルト頭部と前記第1の勾配付きの部材との間に弾性部材を介在させることを特徴とする部材間の接合方法。
  13. 請求項8〜12の何れかに記載の部材間の接合方法において、前記第1の勾配付きの部材は、片面に勾配を持たせた座金としての勾配座金であることを特徴とする部材間の接合方法。
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