JP2022181742A - 鋼管継手構造および継手部材 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、鋼管同士を連結するための鋼管継手構造およびこれに使用する継手部材に関する。
鋼管杭、鋼管矢板の施工や、鉄骨構造の構造物の施工などでは、鋼管同士を軸方向に連結する場合がある。鋼管同士の接合では、鋼管の端面同士を突き合せた状態で、溶接するのが一般的である。しかしながら、現地での溶接作業には、作業環境の確保、品質検査等により手間と時間がかかる。また、品質を確保するためには、熟練した技術が必要となる。
一方、特許文献1には、端面同士が突き合わされた一対の鋼管の外面と内面に跨って板材を添設し、両板材および鋼管を貫通させた高力ボルトを締結することにより、鋼管同士を連結する継手構造が開示されている。
特許文献1の継手構造では、両鋼管に対してボルトを利用して板材を固定するため、多数のボルトを締結する作業に手間がかかる。また、鋼管の内部への板材の添接時やボルト締結時に鋼管の内側に腕を通すための開口を鋼管に設けておく必要があるため、鋼管の強度低下が懸念される。さらに、鋼管には、ボルトを挿通するための貫通孔を形成するが、施工誤差等により生じるズレを吸収できるように、ボルトの軸径に対して大きな内径の貫通孔を形成するのが一般的である。一方、複数の鋼管を継ぎ足して所定の長さの構造物を形成する場合には、蓄積されたズレが大きくなることが懸念される。
本発明は、鋼管に開口を形成することなく、簡易かつ高品質に施工することができる鋼管継手構造およびこれに使用する鋼管継手構造および継手部材を提案することを課題とする。
このような課題を解決する本発明の鋼管継手構造は、一方の鋼管の端部に固定された第一枠の端面と、他方の鋼管の端部に固定された第二枠の端面とを突き合せた状態で、連結プレートを介して前記第一枠および前記第二枠を連結したものである。前記連結プレートは、一端部が第一枠に固定されていて、他端部が前記前記第二枠の内面に添接されており、前記第二枠に形成された貫通孔を貫通したボルトを前記連結プレートに螺着することにより、前記連結プレートを前記第二枠に固定する。
また、本発明の継手部材は、端面同士を突き合せた状態で連結される一対の枠体(第一枠および第二枠)と、一方の前記枠体(第一枠)に一端部が固定されているとともに、他方の前記枠体(第二枠)の内面に他端部が添接される複数の連結プレートと、他方の前記枠体を貫通して前記連結プレートに螺合されるボルトとを備えている。
かかる鋼管継手構造および継手部材によれば、ボルトの連結プレートに螺着するため、鋼管に開口を形成する必要がない。また、鋼管にボルト用の貫通孔を形成する必要がなく、鋼管に断面欠損が生じない。そのため、鋼管の強度が低下することもない。また、連結プレートは、予め第一枠に固定されているため、ボルトは、連結プレートと第二枠との接合のみに使用するため、現地で作業の手間を低減することができる。第一枠、第二枠および連結プレートは、工場などにおいて形成されたものを鋼管に固定するため、所望の品質が確保されている。
ボルトを螺着する前記連結プレートには、前記第二枠の貫通孔の位置に対応して雌ネジ加工が施されたボルト孔が形成されていてもよいし、前記第二枠の貫通孔の位置に対応して第二貫通孔が形成されているとともに前記第二貫通孔と連通するナットが固定されていてもよい。
前記第二枠に、支圧プレートを溶接して一体化しておくことで、前記第二枠の貫通孔の厚さを割り増しすることができ、ボルトの孔支圧力を大きくすることができる。この支圧プレートの前記枠体側の面は、前記枠体の内面形状に応じた曲面であり、前記支圧プレートの前記枠体と反対側の面は平面であるのが望ましい。こうすることで、支圧プレートを介してボルトの締結力を枠体に面で伝達することができ、より安定性が向上する。
前記枠体の他の枠体と反対側の端部に溶接開先用の加工を施すのが望ましい。
前記ボルトは、頭部と、軸部とを備えており、前記軸部は、前記頭部側に設けられた基部と、外面にネジが形成された前記基部よりも細い外径の雄ネジ部と、前記基部と前記雄ネジ部との間に形成されて前記雄ネジ部に近付くにしたがって縮径する傾斜面を有するテーパー部とを備えているのが望ましい。
前記ボルトを使用すれば、貫通孔とネジ孔との間に位置(中心軸)のズレがあっても、テーパー部が貫通孔又はネジ孔の縁に当接することによって生じる横力によって、剪断変形部が剪断変形しながらボルトが孔に挿入される。そのため、貫通孔とボルトとのクリアランス(余裕度、公差)を小さくできるので、部材同士の間にズレが生じ難い。
本発明の鋼管継手構造および継手部材によれば、鋼管に開口を形成することなく、簡易かつ高品質に鋼管同士を連結することが可能となる。
<第一実施形態>
第一実施形態では、鋼管同士を連結する鋼管継手構造1について説明する。図1に示すように、本実施形態の鋼管継手構造1は、上下に配設された同じ外径寸法の円形断面の鋼管(第一鋼管2および第二鋼管3)同士を継手部材4により一体に接合するものである。図2(a)に示すように、継手部材4は、一対の枠体(第一枠5および第二枠6)と、連結プレート7と、ボルト8とを備えている。
第一実施形態では、鋼管同士を連結する鋼管継手構造1について説明する。図1に示すように、本実施形態の鋼管継手構造1は、上下に配設された同じ外径寸法の円形断面の鋼管(第一鋼管2および第二鋼管3)同士を継手部材4により一体に接合するものである。図2(a)に示すように、継手部材4は、一対の枠体(第一枠5および第二枠6)と、連結プレート7と、ボルト8とを備えている。
一方の枠体である第一枠5は、第一鋼管2の端部に固定されている。第一枠5は、断面円形の鋼管により構成されている。本実施形態の第一枠5は、第一鋼管2と同等の内径で、同等以上の肉厚を有している。また、第一枠5の内面には、図2(b)および図3に示すように、複数の連結プレート7の一端部が、周方向に間隔をあけて固定されている。
図2(a)に示すように、第一枠5の第一鋼管2側の端部が、外径が第一鋼管2側に行くにしたがって縮径している溶接開先用の加工が施されており、第一枠5の端部を第一鋼管2の端部に突き合せた状態で、第一枠5と第一鋼管2との間に溝が形成される。第一枠5を第一鋼管2に溶接する際には、この溝を溶接開先として利用する。なお、必要に応じて裏当金51を第一枠5または第一鋼管2に取り付けて溶接するとよい。
他方の枠体である第二枠6は、第二鋼管3の端部に固定されている。第二枠6は、断面円形の鋼管により構成されている。本実施形態の第二枠6は、第二鋼管3と同等の内径で、同等以上の肉厚を有している。すなわち、第二枠6は、第一枠5と同じ断面形状の鋼管からなる。
第二枠6の第二鋼管3側の端部の外径が、第二鋼管3側に行くにしたがって縮径しており、第二枠6の端部を第二鋼管3の端部に突き合せた状態で、第二枠6と第二鋼管3との間に溝が形成される。第二枠6を第二鋼管3に溶接する際には、この溝を溶接用の開先として利用する。なお、必要に応じて裏当金61を第二枠6または第二鋼管3に取り付けて溶接するとよい。
第一枠5と第二枠6(一対の枠体)は、互いの端面同士を突き合せた状態で連結プレート7を介して連結される。第一枠5と第二枠6の端面同士を突き合せると、第二枠6の内面に複数の連結プレート7の他端部が添接される。図2(a)および図3に示すように第二枠6には、連結プレート7の位置に対応して、複数の貫通孔62が形成されている。本実施形態では、各連結プレート7に対応して、上下2段の貫通孔62,62が形成されている。貫通孔62は、ボルト8を挿通可能な内径を有している。また、第二枠6の外面には、図2(a)に示すように、貫通孔62の周囲に凹部(ザグリ)63が形成されている。本実施形態の凹部63は、ボルト8の頭部81よりも大きな径の平面視(正面視)円形である。凹部63の底面は、ボルト8の頭部81下面(軸部82側の面)が面接触するように、平らである。
図2(b)に示すように、本実施形態の連結プレート7には、第二枠6の貫通孔62の位置に対応してボルト孔71が形成されている。ボルト孔71の内面には、ボルト8を螺合するための雌ネジ加工が施されている。図2(a)に示すように、第二枠6に形成された貫通孔62を貫通したボルト8を連結プレート7のボルト孔71に螺着することにより、連結プレート7と第二枠6とが固定される。
図4に示すように、ボルト8は、頭部81と、軸部82とを備えている。
軸部82は、頭部81側に設けられた基部83と、外面にネジが形成された基部83よりも細い外径の雄ネジ部84と、雄ネジ部84と頭部81との間に形成された剪断変形部85と、基部83と剪断変形部85との間に形成されたテーパー部86とを備えている。剪断変形部85は、雄ネジ部84の谷径よりも小さい外径を有している。テーパー部86は、剪断変形部85に近付くにしたがって縮径する傾斜面を有している。本実施形態では、基部83の長さが、第二枠6の厚さから凹部63の深さを差し引いた値(貫通孔62の長さ)と同等である。また、ボルト孔71の第二枠6側の端部に、テーパー部86の係合するテーパーを設けて置く。なお、基部83の長さにテーパー部86の長さを加えた値が貫通孔62の長さと同等としてもよい。この場合には、ボルト孔71のテーパーは省略する。
軸部82は、頭部81側に設けられた基部83と、外面にネジが形成された基部83よりも細い外径の雄ネジ部84と、雄ネジ部84と頭部81との間に形成された剪断変形部85と、基部83と剪断変形部85との間に形成されたテーパー部86とを備えている。剪断変形部85は、雄ネジ部84の谷径よりも小さい外径を有している。テーパー部86は、剪断変形部85に近付くにしたがって縮径する傾斜面を有している。本実施形態では、基部83の長さが、第二枠6の厚さから凹部63の深さを差し引いた値(貫通孔62の長さ)と同等である。また、ボルト孔71の第二枠6側の端部に、テーパー部86の係合するテーパーを設けて置く。なお、基部83の長さにテーパー部86の長さを加えた値が貫通孔62の長さと同等としてもよい。この場合には、ボルト孔71のテーパーは省略する。
ボルト8は、図2(a)および図3に示すように、貫通孔62を貫通して雄ネジ部84をボルト孔に螺合することで、第二枠6と連結プレート7とを連結する。こうすることで、第一枠5と第二枠6とが連結され、その結果、第一鋼管2と第二鋼管3とが継手部材4を介して連結される。ボルト8の頭部81と凹部63との間には、緩み止めとしてバネ座金を介設する。
第一枠5および第二枠6は、現場搬入前の第一鋼管2または第二鋼管3に予め固定しておく。本実施形態では、第一鋼管2および第二鋼管3の製造工場において、第一枠5および第二枠6をそれぞれ第一鋼管2および第二鋼管3に固定(溶接)する。
まず、第二枠6にボルト8を介して連結プレート7を仮止めする。
次に、第一枠5の端面と第二枠6の端面とを突き合せる。このとき、連結プレート7の一端部を、第一枠5の内空に挿入し、第一枠5の内面に添接させる。
第一枠5の端面と第二枠6の端面とを突き合せたら、連結プレート7の一端部を第一枠5の内面に溶接する。このとき、第二枠6の貫通孔62と連結プレート7(ボルト孔71)の配置についてマークをつけておく。
次に、第一枠5の端面と第二枠6の端面とを突き合せる。このとき、連結プレート7の一端部を、第一枠5の内空に挿入し、第一枠5の内面に添接させる。
第一枠5の端面と第二枠6の端面とを突き合せたら、連結プレート7の一端部を第一枠5の内面に溶接する。このとき、第二枠6の貫通孔62と連結プレート7(ボルト孔71)の配置についてマークをつけておく。
所定の数の連結プレート7を第一枠5に固定したら、ボルト8を取り外して、第一枠5と第二枠6を分離する。
第一鋼管2および第二鋼管3の製造工場において、連結プレート7が固定された第一枠5を第一鋼管2に固定(溶接)するとともに、第二枠6を第二鋼管3に固定(溶接)する。3本以上の鋼管を連結する場合には、上端および下端に配設される鋼管以外の鋼管の一端に第一枠5を固定し他端に第二枠6を固定する。
第一鋼管2および第二鋼管3の製造工場において、連結プレート7が固定された第一枠5を第一鋼管2に固定(溶接)するとともに、第二枠6を第二鋼管3に固定(溶接)する。3本以上の鋼管を連結する場合には、上端および下端に配設される鋼管以外の鋼管の一端に第一枠5を固定し他端に第二枠6を固定する。
第一枠5および第二枠6を固定したら、鋼管(第一鋼管2、第二鋼管3)を現場に搬入する。
現場では、貫通孔62と連結プレート7のマークを合わせて、第一鋼管2と第二鋼管3を上下に配設して、第一枠5と第二枠6とをボルト8により連結し、第一鋼管2と第二鋼管3とを連結する。
現場では、貫通孔62と連結プレート7のマークを合わせて、第一鋼管2と第二鋼管3を上下に配設して、第一枠5と第二枠6とをボルト8により連結し、第一鋼管2と第二鋼管3とを連結する。
本実施形態の鋼管継手構造1および継手部材4によれば、第一鋼管2および第二鋼管3にボルト用の貫通孔を形成する必要がなく、第一鋼管2および第二鋼管3に断面欠損が生じない。そのため、鋼管の強度が低下することもない。また、ボルト接合時に鋼管の内空側に腕を差し込む必要がなく鋼管に開口を形成する必要がない。
また、連結プレート7は、予め第一枠5に固定されているため、ボルト締めは連結プレート7と第二枠6との接合のみに行えばよい。そのため、現地での作業の手間を低減できるとともに、工期短縮化を図ることができる。
第一枠5および第二枠6は、工場などにおいて第一鋼管2または第二鋼管3に固定するため、所望の品質が確保されている。すなわち、固定時の歪みの発生や誤差が生じることを抑制し、高品質に固定できる。その結果、現場において、第一枠5と第二枠6とを連結する際の貫通孔62とボルト孔71の位置のずれが生じ難く、現場作業を効率的に実施できる。また、鋼管に対して継手部材4を高品質に取り付けられるため、ボルト8と貫通孔62またはボルト孔71とのクリアランスが小さい場合であっても、現場での施工を可能としている。
各枠体(第一枠5および第二枠6)の他の枠体と反対側の端部に、溶接開先用の加工(テーパー加工)が施されているため、溶接開先を利用して溶接することで、枠体を鋼管に一体に固定できる。
ボルト8がテーパー部86を備えているため、貫通孔62とボルト孔71との間に位置(中心軸)のズレがあっても、テーパー部86が貫通孔62又はボルト孔71の縁に当接して摺動することによって、ズレを修正できる。
また、ボルト8は、剪断変形部85を有しているため、テーパー部86が貫通孔62又はボルト孔71の縁に当接することによって生じる横力によって、剪断変形部85が剪断変形しながらボルト8が挿入される。すなわち、ボルト8は、貫通孔62とボルト孔71との間に位置(中心軸)のズレがあっても、第二枠6と連結プレート7との螺着を可能としている。また、貫通孔62とボルト8とのクリアランス(余裕度、公差)が小さい場合であっても、ボルト8を挿通できるため、継手部材4の製造段階において、貫通孔62とボルト8とのクリアランスを小さくできるので、部材同士の間にズレが生じ難い。
<第二実施形態>
第二実施形態では、第一実施形態と同様に、鋼管同士を連結する鋼管継手構造1について説明する。図5に示すように、本実施形態の鋼管継手構造1は、上下に配設された同じ外径寸法の円形断面の鋼管(第一鋼管2および第二鋼管3)同士を継手部材4により一体に接合するものである。図6(a)に示すように、継手部材4は、一対の枠体(第一枠5および第二枠6)と、連結プレート7と、ボルト8とを備えている。
第二実施形態では、第一実施形態と同様に、鋼管同士を連結する鋼管継手構造1について説明する。図5に示すように、本実施形態の鋼管継手構造1は、上下に配設された同じ外径寸法の円形断面の鋼管(第一鋼管2および第二鋼管3)同士を継手部材4により一体に接合するものである。図6(a)に示すように、継手部材4は、一対の枠体(第一枠5および第二枠6)と、連結プレート7と、ボルト8とを備えている。
一方の枠体である第一枠5は、第一鋼管2の端部に固定されている。第一枠5は、断面円形の鋼管により構成されている。本実施形態の第一枠5は、第一鋼管2と同等の外径で同等以上の肉厚を有している。また、第一枠5の内面には、図6(b)および図7(a)に示すように、複数の連結プレート7の一端部が、周方向に間隔をあけて固定されている。
第一枠5は、第一鋼管2と端面同士を突き合せた状態で溶接することで、第一鋼管2に固定されている。本実施形態では、第一枠5の第一鋼管2側の端部が、第一鋼管2側に行くにしたがって外径が縮径しており、第一枠5の端部を第一鋼管2の端部に突き合せた状態で、第一枠5と第一鋼管2との間に溝が形成される。第一枠5を第一鋼管2に溶接する際には、この溝を溶接用の開先として利用する。
他方の枠体である第二枠6は、第二鋼管3の端部に固定されている。第二枠6は、断面円形の鋼管により構成されている。本実施形態の第二枠6は、第二鋼管3と同等の外径で同等以上の肉厚を有している。すなわち、第二枠6は、第一枠5と同じ断面形状の鋼管からなる。
第二枠6は、第二鋼管3と端面同士を突き合せた状態で溶接することで、第二鋼管3に固定されている。本実施形態では、第二枠6の第二鋼管3側の端部の外径が、第二鋼管3側に行くにしたがって縮径している溶接開先用の加工が施されており、第二枠6の端部を第二鋼管3の端部に突き合せた状態で、第二枠6と第二鋼管3との間に溝が形成される。第二枠6を第二鋼管3に溶接する際には、この溝を溶接開先として利用する。
図6(a)に示すように、第一枠5と第二枠6(一対の枠体)は、互いの端面同士を突き合せた状態で連結プレート7を介して連結される。第一枠5と第二枠6の端面同士を突き合せると、第二枠6の内面に複数の連結プレート7の他端部が添接される。図6(a)および図7(b)に示すように、第二枠6には、連結プレート7の位置に対応して、複数の貫通孔62が形成されている。本実施形態では、各連結プレート7に対応して、上下2段の貫通孔62,62が形成されている。貫通孔62は、ボルト8を挿通可能な内径を有している。また、第二枠6の外面には、貫通孔62の周囲に凹部(ザグリ)が形成されている。凹部は、ボルト8の頭部81よりも大きな径の平面視(正面視)円形である。また、凹部の底面は、ボルト8の頭部81下面(軸部82側の面)が面接触するように、平らである。
本実施形態では、図6(a)に示すように、第二枠6に支圧プレートを溶接して一体化しておく。これにより凹部(ザグリ)により孔断面の厚さが薄くなる分を補強する。なお、支圧プレート9の外面(第二枠6側の面)は第二枠6の内面と同等の曲面であり、支圧プレート9の内面(連結プレート7側の面)は連結プレート7の板面に応じて平面である。すなわち、支圧プレート9は、第二枠6の内面と連結プレート7の外面に密着する。
図6(a)に示すように、本実施形態の連結プレート7には、第二枠6の貫通孔62の位置に対応して第二貫通孔72が形成されている。また、連結プレート7の内面(第二枠6と反対側の面)には、ボルト8を螺合するためのナット73が、第二貫通孔72と連通するように固定されている。第二枠6に形成された貫通孔62を貫通したボルト8をナット73に螺着することにより、連結プレート7と第二枠6とが固定される。
図8に示すように、ボルト8は、頭部81と、軸部82とを備えている。
軸部82は、頭部81側に設けられた基部83と、外面にネジが形成された基部83よりも細い外径の雄ネジ部84と、雄ネジ部84と頭部81との間に形成されたテーパー部86とを備えている。テーパー部86は、剪断変形部85に近付くにしたがって縮径する傾斜面を有している。本実施形態では、基部83の基端(頭部81と軸部82との境界)からテーパー部86の先端(テーパー部86と雄ネジ部84との境界)までの長さが、第二枠6、支圧プレート9および連結プレート7の厚さを合計した値と同等である。
軸部82は、頭部81側に設けられた基部83と、外面にネジが形成された基部83よりも細い外径の雄ネジ部84と、雄ネジ部84と頭部81との間に形成されたテーパー部86とを備えている。テーパー部86は、剪断変形部85に近付くにしたがって縮径する傾斜面を有している。本実施形態では、基部83の基端(頭部81と軸部82との境界)からテーパー部86の先端(テーパー部86と雄ネジ部84との境界)までの長さが、第二枠6、支圧プレート9および連結プレート7の厚さを合計した値と同等である。
ボルト8は、図6(a)および図7(b)に示すように、貫通孔62を貫通して雄ネジ部84をナット73に螺合することで、第二枠6と連結プレート7とを連結する。こうすることで、第一枠5と第二枠6とが連結され、その結果、第一鋼管2と第二鋼管3とが継手部材4を介して連結される。ボルト8の頭部81と凹部との間には、緩み止めとしてバネ座金を介設する。
本実施形態の鋼管継手構造1および継手部材4によれば、径が比較的小さい鋼管同士を接合する場合であっても、第一実施形態の鋼管継手構造1および継手部材4と同様の作用効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、円形断面の鋼管同士を連結する場合について説明したが、鋼管の断面形状は限定されるものではなく、例えば、角鋼管であってもよい。
また、連結プレート7の数および連結プレート7同士の間隔は、適宜決定すればよい。
連結プレート7は、第一枠5や第二枠6の形状に応じて曲面を有していてもよい。
また、第二枠6の貫通孔62の数および配置は、適宜決定すればよい。
例えば、前記実施形態では、円形断面の鋼管同士を連結する場合について説明したが、鋼管の断面形状は限定されるものではなく、例えば、角鋼管であってもよい。
また、連結プレート7の数および連結プレート7同士の間隔は、適宜決定すればよい。
連結プレート7は、第一枠5や第二枠6の形状に応じて曲面を有していてもよい。
また、第二枠6の貫通孔62の数および配置は、適宜決定すればよい。
1 鋼管継手構造
2 第一鋼管
3 第二鋼管
4 継手部材
5 第一枠(枠体)
51 裏当金
6 第二枠(枠体)
61 裏当金
62 貫通孔
63 凹部
7 連結プレート
71 ボルト孔
8 ボルト
81 頭部
82 軸部
83 基部
84 雄ネジ部
85 剪断変形部
86 テーパー部
9 支圧プレート
2 第一鋼管
3 第二鋼管
4 継手部材
5 第一枠(枠体)
51 裏当金
6 第二枠(枠体)
61 裏当金
62 貫通孔
63 凹部
7 連結プレート
71 ボルト孔
8 ボルト
81 頭部
82 軸部
83 基部
84 雄ネジ部
85 剪断変形部
86 テーパー部
9 支圧プレート
Claims (11)
- 一方の鋼管の端部に固定された第一枠の端面と、他方の鋼管の端部に固定された第二枠の端面とを突き合せた状態で、連結プレートを介して前記第一枠および前記第二枠が連結された鋼管継手構造であって、
前記連結プレートは、一端部が第一枠に固定されていて、他端部が前記第二枠の内面に添接されており、
前記第二枠に形成された貫通孔を貫通したボルトを前記連結プレートに螺着することにより、前記連結プレートが前記第二枠に固定されていることを特徴とする、鋼管継手構造。 - 前記連結プレートには、前記第二枠の貫通孔の位置に対応してボルト孔が形成されており、
前記ボルト孔の内面には、雌ネジ加工が施されていることを特徴とする、請求項1に記載の鋼管継手構造。 - 前記連結プレートには、前記第二枠の貫通孔の位置に対応して第二貫通孔が形成されているとともに、前記第二貫通孔と連通するナットが固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の鋼管継手構造。
- 前記第二枠に、支圧プレートが溶接されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の鋼管継手構造。
- 前記ボルトは、頭部と、軸部とを備えており、
前記軸部は、前記頭部側に設けられた基部と、
外面にネジが形成された前記基部よりも細い外径の雄ネジ部と、
前記基部と前記雄ネジ部との間に形成されて前記雄ネジ部に近付くにしたがって縮径する傾斜面を有するテーパー部と、を備えていることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の鋼管継手構造。 - 端面同士を突き合せた状態で連結される一対の枠体と、
一方の前記枠体に一端部が固定されているとともに、他方の前記枠体の内面に他端部が添接される複数の連結プレートと、
他方の前記枠体を貫通して前記連結プレートに螺合されるボルトと、を備えていることを特徴とする、継手部材。 - 前記連結プレートに、前記ボルトが螺合されるボルト孔が形成されていることを特徴とする、請求項6に記載の継手部材。
- 前記連結プレートに、前記ボルトが挿通される貫通孔が形成されているとともに、前記貫通孔と連通するナットが前記連結プレートの内面に固定されていることを特徴とする、請求項6に記載の継手部材。
- 前記枠体の他の枠体と反対側の端部に溶接開先用の加工が施されていることを特徴とする、請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の継手部材。
- 他方の前記枠体に溶接した支圧プレートをさらに備えており、
前記支圧プレートの前記枠体側の面は、前記枠体の内面形状に応じた曲面であり、
前記支圧プレートの前記枠体と反対側の面は、平面であることを特徴とする、請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の継手部材。 - 前記ボルトは、頭部と、軸部とを備えており、
前記軸部は、前記頭部側に設けられた基部と、
外面にネジが形成された前記基部よりも細い外径の雄ネジ部と、
前記基部と前記雄ネジ部との間に形成されて前記雄ネジ部に近付くにしたがって縮径する傾斜面を有するテーパー部と、を備えていることを特徴とする、請求項6乃至請求項10のいずれか1項に記載の継手部材。
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