JP2021011004A - ステップドリル用位置決め治具及びこれを備えた穿孔工具 - Google Patents

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國雄 安心院
常嘉 安心院
Tsuneyoshi Ajimi
常嘉 安心院
鎌中 祥行
Yoshiyuki Kamanaka
祥行 鎌中
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Abstract

【課題】被加工物に対するステップドリルの切込み方向の位置決めを容易に行うことを可能にする位置決め治具PTを提供する。【解決手段】位置決め治具PTは、複数の筒状部材40A,40B,40C,40Dと、これらを支持する支持部30と、を備える。複数の筒状部材40A〜40Dは、複数の使用態様を有し、当該複数の使用態様は、一つの筒状部材が使用されて単独位置決め部材を構成する単独使用態様と、2以上の筒状部材が使用されて複合位置決め部材を構成する複合使用態様と、を含む。それぞれの使用態様において位置決め部材の前端部が被加工物に当接することにより、ステップドリル10の段部のうち当該使用態様に対応する対応段部よりも先端側の部分が前記被加工物を穿孔することが許容される一方、対応段部が被加工物に到達することが阻止される。【選択図】図1

Description

本発明は、ステップドリルの位置決めを行うための治具に関する。
従来、電動工具により回転駆動されて壁等の被加工物に穿孔を行うためのドリルビットとして、ステップドリルが知られている。当該ステップドリルは、特許文献1に示されるように、シャンクとこれにつながるドリル本体とを有し、当該ドリル本体はそれぞれが刃先を構成する複数の段を有する。当該複数の段のそれぞれは、互いに異なる径を有し、前記ステップドリルの先端から後端に向かうに従って前記複数の段の径が次第に大きくなるように当該複数の段が配列されている。換言すれば、当該ステップドリルは、その先端から後端に向かうに従って当該ステップドリルの外径が不連続的に増加する形状を有し、当該外径が不連続的に増加する部分が前記段を構成している。
このステップドリルによれば、前記被加工物に対する当該ステップドリルの切込み深さを調整することにより、前記複数の段のそれぞれの径に対応する複数種の加工径の中から選ばれる所望の加工径をもつ孔を前記加工物に穿つことができる。例えば、それぞれが第1の加工径D1,第2の加工径D2及び第3の加工径D3(D1<D2<D3)に対応する段部、第2段部及び第3段部の3つの段を備えたステップドリルを前記第2段部が前記被加工物を穿孔しかつ前記第3の段部が前記被加工物には到達しない深さまで(換言すれば、前記第2の段部と第3の段部との間に前記被加工物が位置するような深さまで)前記ステップドリルを当該被加工物に対して切込み方向(軸方向に沿う方向)に押し込むことにより、前記第2の加工径D2をもつ孔を前記被加工物に穿つことができる。
特開2007−203396号公報
前記ステップドリルでは、その切込み深さを手動で調整することが難しいという課題がある。例えば、前記第1〜第3段部を有するステップドリルによって被加工物を切り込む際、前記第2段部に対応する第2の加工径D2をもつ孔を穿ちたい場合でも、作業者が誤って当該ステップドリルを押し込み過ぎることにより、前記加工径D2よりも大きな第3の加工径D3をもつ孔を前記第3段部によって前記被加工物にあけてしまうおそれがある。
本発明は、前記の事情に鑑み、被加工物に対するステップドリルの切込み方向の位置決めを容易に行うことを可能にする位置決め治具及びこれを備えた穿孔工具を提供することを目的とする。
提供されるのは、先端から後端に向かって外径が不連続的に増加する部位である複数の段部を有して当該複数の段部のそれぞれが刃先を構成するドリル部を含むステップドリルであって回転駆動されながら被加工物に対して前記ドリル部の中心軸の方向であるドリル軸方向と平行な切込み方向に押し込まれることにより前記複数の段部のそれぞれが当該段部の外径に対応した径をもつ孔を前記被加工物に穿つように構成されたステップドリルを用いて前記被加工物を穿孔する際に当該ステップドリルを前記切込み方向について位置決めするための位置決め治具であって、それぞれが前記ステップドリルの中心軸に沿って延びる姿勢で当該ステップドリルの周囲を覆う筒状をなす複数の筒状部材と、前記ステップドリルを含むドリルユニットのうち前記ドリル部よりも後ろ側に位置する被装着部に装着された状態で前記複数の筒状部材の少なくとも一部を支持することにより当該少なくとも一部の筒状部材を前記ステップドリルの周囲を覆う姿勢に保つ支持部と、を備える。前記複数の筒状部材は、複数の使用態様を有し、当該複数の使用態様は、前記複数の筒状部材の中から選ばれる一つの筒状部材がそのまま単独位置決め部材として前記支持部に連結されて使用される単独使用態様と、前記複数の筒状部材の中から選ばれる2以上の筒状部材同士が軸方向に互いに連結されて複合位置決め部材を構成した状態で前記支持部に連結されて使用される複合使用態様と、を含み、前記複数の使用態様にそれぞれ対応する前記単独位置決め部材及び前記複合位置決め部材のそれぞれは前記支持部と反対の側で前記被加工物に対して当接することが可能な前端部を有し、当該前端部が前記被加工物に当接することにより前記複数の段部のうち当該使用態様に対応する対応段部よりも先端側の部分が前記被加工物を穿孔するのを許容しながら当該対応段部が前記被加工物に到達するのを阻止し、前記複数の使用態様にそれぞれ対応する前記対応段部が互いに異なるように前記複数の筒状部材が互いに異なる軸方向寸法を有し、かつ、前記複数の筒状部材のうちの少なくとも一部の筒状部材が前記複数の使用態様の中から選ばれる2以上の使用態様に兼用されて当該複数の使用態様の総数が前記複数の筒状部材の総数よりも多くなるように、前記軸方向寸法のそれぞれが設定されている。
この位置決め治具によれば、前記ステップドリルの被装着部に前記支持部を装着し、かつ、当該支持部に前記複数の筒状部材の中から選ばれる単独位置決め部材の後端部、または当該複数の筒状部材の中から選ばれる2以上の筒状部材により構成される複合位置決め部材の後端部、を連結して当該筒状部材の前端部が被加工物に当接するまで穿孔を行うことにより、その切込み方向について前記ステップドリルを前記被加工物に対して容易に所定の位置、つまり前記前端部が前記被加工物に当たる位置であって当該前端部と径方向に並ぶ個別対応段部よりも前側の部分の穿孔のみを許容する位置に位置決めすることができる。このことは、前記ステップドリルを用いた穿孔を容易にする。
さらに、前記位置決め治具によれば、前記複数の使用態様の総数が前記複数の筒状部材の総数よりも多くなるように前記複数の筒状部材の少なくとも一部の筒状部材が2以上の使用態様に兼用されるので、当該複数の筒状部材の個数よりも多い複数の位置で前記ステップドリルの位置決めを行うことができる。つまり、少ない個数の筒状部材でより多くの段部について位置決めを行うことが可能である。
具体的に、前記複数の筒状部材は3以上の筒状部材を含み、当該複数の筒状部材のいずれもが前記複数の使用態様の中から選ばれる2以上の使用態様に兼用されるように前記複数の筒状部材のそれぞれの前記軸方向寸法が設定されているのが、好ましい。このことは、前記複数の筒状部材の総数を抑えながら位置決め可能な段部の数をさらに増やすことを可能にする。
さらに好ましい態様として、前記複数の使用態様にそれぞれ対応する前記対応段部により、前記ステップドリルに含まれる前記複数の段部の全てが網羅されているのが、よい。これにより、当該ステップドリルのいずれの段部が選定された場合にもその段部についての位置決めを前記位置決め治具によって行うことが可能である。
前記複数の筒状部材の後端部は互いに同じ形状をもつ後側結合部を有し、前記複数の筒状部材のうち、少なくとも、前記単独使用態様で使用される筒状部材及び前記複合使用態様において最前端以外の位置で使用される筒状部材が、互いに同じ形状を有して前記後側結合部のいずれにも結合可能な前側結合部を有することが、好ましい。このことは、簡素な構造で支持部と任意の単独位置決め部材との連結、及び、複合位置決め部材を構成する2以上の筒状部材の相互の連結、の双方を行うことを可能にする。
その具体的な態様として、前記複数の筒状部材のそれぞれの前端部は前記被加工物に当接可能な平面であって前記ステップドリルの軸方向に対して直交する平面である当接面を有し、前記後側結合部は前記筒状部材の後端部において部分的に後方に突出する突出部を含み、前記前側結合部は前記突出部を受け入れる受入れ孔を含むのがよい。この態様は、前記突出部が前記前端部にある態様と異なり当該突出部が被加工物との安定した当接の邪魔にならない。換言すれば、前記平面からなる当接面と前記被加工物との面接触によってより安定した位置決めを行うことが可能である。
あるいは、別の態様として、前記後側結合部は当該後側結合部を有する前記筒状部材の後端部の内周面又は外周面に形成された後側ねじを含み、前記前側結合部は当該前側結合部の外周面又は内周面に形成されたねじであって前記後側ねじに螺合可能な前側ねじを含むものでもよい。この態様でも、特別な連結具を用いることなく筒状部材の同士の着脱可能な連結を実現することが可能である。
前記支持部は、前記被装着部から径方向外側に離間する環状をなして前記複数の使用態様のいずれにおいても前記単独位置決め部材または前記複合位置決め部材の後端部と連結可能な連結部と、当該連結部と前記被装着部との間に介在して当該被装着部に対する当該連結部の前記ステップドリルの中心軸回りの相対回転を許容する相対回転許容部と、を含むのが好ましい。当該相対回転許容部は、前記ステップドリルの回転にかかわらず前記連結部及びこれに連結される筒状部材の回転が静止することを可能にし、これにより、当該筒状部材の前端部と被加工物との回転方向の擦れを抑止することができる。
また、本発明によれば、前記ステップドリルを含むドリルユニットと、当該ドリルユニットに装着されて当該ステップドリルを前記切込み方向について位置決めするための前記構成を備えた位置決め治具と、を備えた穿孔工具が提供される。
以上のように、被加工物に対するステップドリルの切込み方向の位置決めを容易に行うことを可能にする位置決め治具及びこれを備えた穿孔工具が、提供される。
本発明の実施の形態に係る位置決め治具がステップドリルに装着された態様であって前記位置決め治具の第1の使用態様を示す断面側面図である。 図1に示される状態を前記ステップドリルの先端側から見た正面図である。 図1のIII−III線に沿った断面を示す正面図である。 (a)〜(d)は前記位置決め治具に含まれる第1筒状部材、第2筒状部材、第3筒状部材及び第4筒状部材をそれぞれ示す断面側面図である。 前記位置決め治具の第1の使用態様を拡大して示した断面側面図である。 前記位置決め治具の第2の使用態様を拡大して示した断面側面図である。 前記位置決め治具の第3の使用態様を拡大して示した断面側面図である。 前記位置決め治具の第4の使用態様を拡大して示した断面側面図である。 前記位置決め治具の第5の使用態様を拡大して示した断面側面図である。 前記位置決め治具の第6の使用態様を拡大して示した断面側面図である。 前記位置決め治具の第7の使用態様を拡大して示した断面側面図である。 前記位置決め治具の第8の使用態様を拡大して示した断面側面図である。 前記位置決め治具の第9の使用態様を拡大して示した断面側面図である。 前記位置決め治具の変形例を示す断面側面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1〜図13は、前記実施の形態に係る位置決め治具PTを示す。前記位置決め治具PTは、図1に示されるドリルユニットDUに装着されて使用される。当該ドリルユニットDU及び当該位置決め治具PTは穿孔工具を構成する。
この実施の形態に係る前記ドリルユニットDUは、ステップドリル10と、ドリルホルダ20と、を有する。当該ドリルユニットDUは、電動工具2に装着されて図5〜図13に示される前記ステップドリル10の中心軸Xsの回りに回転駆動される。当該ステップドリル10は、このように回転駆動されながら図示されない壁等の被加工物に対して切込み方向に押付けられることにより、当該被加工物に孔を穿つ。前記切込み方向は、前記中心軸Xsの方向であるドリル軸方向と平行な方向であり、図1及び図5〜図13では左から右に向かう方向である。
前記電動工具2は、工具本体4と、回転軸6と、を有する。前記回転軸6は、前記工具本体4に対して回転可能であり、かつ、前記ドリルユニットDUを保持する。前記工具本体4はモータを内蔵し、当該モータは、前記回転軸6及びこれに保持される前記ドリルユニットDUを前記ステップドリル10の中心軸回りに回転させる。
前記ステップドリル10は、その後端側から順に並ぶシャンク部12、中間部13、及びドリル部14、を有し、全体が硬質の金属材料により一体に形成される。
前記シャンク部12及び前記中間部13は、前記ドリルホルダ20に挿入されて保持される部分であり、当該ドリルホルダ20を介して前記回転軸6に保持される部分である。前記シャンク部12は、前記ドリルホルダ20を介さずに直接前記回転軸6に保持されることも可能な形状を有する。前記中間部13は、前記シャンク部12と前記ドリル部14との間に介在して前記ドリルホルダ20に固定される部分である。図示される中間部13は前記シャンク部12よりも一回り大きい形状であって円形以外の形状である異形断面を有する。
前記ドリル部14は、前記被加工物に押付けられて当該被加工物に孔を穿つ部位であり、複数の段部を有する。当該複数の段部は、この実施の形態では、前記ドリル部14の先端側から順に並ぶ計9つの段部15b,15c,15d,15e,15f,15g,15h,15i,15jであり、前記ドリル軸方向に一定の間隔をおいて間欠的に配列されている。
前記ドリル部14は、その先端から後端に向かうに従って外径が複数の箇所で不連続的に増加する形状を有し、当該外径が不連続的に増加する当該複数の箇所にそれぞれ前記段部15b〜15jが配置されている。換言すれば、前記ドリル部14は、その先端側から順に並ぶ複数の円柱部分であって互いに異なる外径を有する複数の円柱部分14a,14b,14c,14d,14e,14f,14g,14h,14i,14jからなり、当該複数の円柱部分14a〜14jはその順に従って次第に大きくなる外径をそれぞれ有し、そのうち最先端の円柱部分14aを除く円柱部分14b〜14jの先端がそれぞれ前記段部15b〜15jを構成する。従って、当該段部15b〜15jは互いに異なる外径であってその順に次第に大きくなる外径を有する。
前記段部15b〜15jはそれぞれ前記ドリル部14の刃先を構成する。すなわち、当該段部15b〜15jのそれぞれは、前記ドリル部14が回転駆動された状態で前記被加工物に対して前記切込み方向に押付けられることにより、当該段部15b〜15jの外径に対応した加工径をもつ孔を当該被加工物にあける形状を有する。また、前記最先端の円柱部分14aの先端はドリル先端刃15aを構成し、当該円柱部分14aの外径に相当する加工径(最小加工径)の孔を前記被加工物に穿つことを可能にする。
前記ドリル部14には逃がし溝16が形成されている。当該逃がし溝16は、前記ドリル部14による穿孔の際に生ずる切り屑を後方に逃がすような螺旋状に形成されている。
前記ドリルホルダ20は、前記ステップドリル10を着脱可能に保持しながら前記電動工具2の前記回転軸6に連結されることにより、当該電動工具2により生成される回転駆動力を前記ステップドリル10に伝達してこれを高速回転させる。当該ドリルホルダ20は、前記シャンク部12を受け入れるシャンク保持部22と、前記中間部13を受け入れる中間保持部23と、ホルダシャンク部24と、を一体に有する。
前記中間保持部23の周方向の一部にはこれを径方向に貫通するねじ孔26が形成されている。当該ねじ孔26に図略の固定ねじがねじ込まれて前記中間部13の外側面に圧接することにより、当該中間部13が前記中間保持部23に固定されるとともに当該中間保持部23に対する当該中間部13の相対回転が阻止される。
前記ホルダシャンク部24は、前記シャンク保持部22の後端から前記中間保持部23と反対の側、すなわち後側であって図1では左側、に延びる。この実施の形態に係る前記ホルダシャンク部24は、前記ステップドリル10の前記シャンク部12と同一の形状を有し、前記回転軸6に保持されて回転駆動されることが可能である。
前記ドリルホルダ20は、当該ドリルホルダ20に対して複数種のステップドリルが択一的に装着されて前記回転軸6に連結されることを可能にする。しかし、当該ドリルホルダ20は本発明において必須のものではない。例えば、複数種のステップドリルのうちの任意の一つが前記電動工具2の前記回転軸6に直接連結されてもよい。換言すれば、本発明に係る位置決め治具が装着されるドリルユニットは例えば前記ステップドリル10のみで構成されたものでもよい。
前記位置決め治具PTは、前記ドリルユニットDUに装着されることにより、前記ステップドリル10を用いて前記被加工物を穿孔する際に当該被加工物に対して相対的に当該ステップドリル10を前記切込み方向について位置決めすることを可能にする。具体的に、当該位置決め治具PTは、支持部30と、複数の筒状部材と、を備える。前記複数の筒状部材は、この実施の形態では4つの筒状部材、すなわち、第1筒状部材40A、第2筒状部材40B、第3筒状部材40C及び第4筒状部材40Dを含む。当該第1〜第4筒状部材40A〜40Dのそれぞれは、この実施の形態において、いずれも中心軸をもつ円筒状をなし、互いに同じ内径及び外径を有する。
前記支持部30は、前記ドリルユニットDUのうち前記ドリル部14よりも後ろ側に位置する被装着部に装着された状態で単独位置決め部材または複合位置決め部材の後端部と連結されることにより、当該単独位置決め部材または当該複合位置決め部材が前記ステップドリル10の周囲を覆う使用姿勢で保持する。後に詳述するように、前記単独位置決め部材は、前記複数の筒状部材の中から選ばれる単一の筒状部材により構成されるものであり、前記複合位置決め部材は前記複数の筒状部材の中から選ばれる2以上の筒状部材を軸方向に相互連結することにより構成されるものである。前記使用姿勢は、この実施の形態では、当該単独位置決め部材または当該複合位置決め部材の中心軸と前記ステップドリル10の中心軸とが合致する状態で当該単独または複合位置決め部材が当該ステップドリル10を覆う姿勢である。
前記支持部30は、具体的に、連結部32と相対回転許容部34とを有する。
前記連結部32は、前記被装着部、この実施の形態では前記ドリルホルダ20の外周面であって前記中間保持部23のすぐ後ろ側の前記シャンク保持部22の外周面、から径方向外側に離間する環状をなし、前記単独位置決め部材及び前記複合位置決め部材のいずれの後端部とも連結されることが可能である。
前記相対回転許容部34は、前記連結部32と前記被装着部との間に介在して当該被装着部に対する当該連結部32の前記ステップドリルの中心軸回りの相対回転を許容する。具体的に、図1〜図3に示される相対回転許容部34は転がり軸受からなり、前記被装着部である前記シャンク保持部22の外周面に固定される内輪と、前記連結部32の内周面に固定される外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在して両者の相対回転を許容する複数の転動体と、を有する。
前記連結部32は、好ましくは、図1〜図3に示される回り止め部材50を介して前記電動工具2の本体4に連結されることが、好ましい。前記回り止め部材50は、前記電動工具2の工具本体4に対する前記連結部32の相対回転を阻止することにより、当該連結部32が前記ドリルユニットDU及び前記内輪の回転につられて回転するのを防ぐ。この実施の形態では、図3に示すように、前記回り止め部材50の前記連結部32側の端部に雄ねじ55が形成され、前記連結部32の特定部位に形成されたねじ孔35にねじ込まれている。図1では、便宜上、前記回り止め部材50が実際の位置(図2及び図3に示される位置)から90°ずれた位置に二点鎖線で示されている。
前記複数の筒状部材は、いずれも、前記単独位置決め部材及び前記複合位置決め部材の少なくとも一方を構成することが可能な筒状をなし、かつ、互いに異なる軸方向寸法を有する。具体的に、前記第1筒状部材40Aは、図4(a)に示されるような中心軸Xaをもつ円筒状の第1本体42Aを有し、当該第1本体42Aは第1の軸方向寸法Laを有する。同様に、前記第2筒状部材40Bは図4(b)に示されるような中心軸Xbをもつ円筒状の第2本体42Bを有し、当該第2本体42Bは前記第1の軸方向寸法Laよりも小さい第2の軸方向寸法Lb(<La)を有する。前記第3筒状部材40Cは図4(c)に示されるような中心軸Xcをもつ円筒状の第3本体42Cを有し、当該第3本体42Cは前記第2の軸方向寸法Lbよりも小さい第3の軸方向寸法Lc(<Lb<La)を有する。前記第4筒状部材40Dは図4(d)に示されるような中心軸Xdをもつ円筒状の第4本体42Dを有し、当該第4本体42Dは前記第3の軸方向寸法Lcよりも小さい第4の軸方向寸法Ld(<Lc<Lb<La)を有する。
前記複数の筒状部材は、いずれも、前記連結部32に着脱可能に連結される後端部と、その反対側の前端部と、を有し、当該前端部は前記連結部32と反対の側で前記被加工物に対して当接することが可能な当接面を含む。
具体的に、前記第1〜第4筒状部材40A〜40Dのそれぞれの後端部には、互いに同一の形状を有する後側結合部が与えられている。この実施の形態に係る当該後側係合部は前記第1〜第4本体42A〜42Dの後端面からそれぞれ後方に突出する一対の突出部44により構成される。当該一対の突出部44は前記第1〜第4本体42A〜42Dの周方向について互いに180°離間した位置に設けられている。一方、前記連結部32には前記一対の突出部44にそれぞれ対応する位置において一対の受入れ孔36が形成されている。当該一対の受入れ孔36は、前記突出部44のそれぞれの外径よりも僅かに小さい内径を有し、前記突出部44を受け入れる(つまり当該受入れ孔36に当該突出部44が圧入される)ことにより当該連結部32に前記第1〜第4筒状部材40A〜40Dのうちの任意の筒状部材が着脱可能に連結されることを可能にする前側結合部を構成する。この実施の形態では、前記受入れ孔36への前記突出部44の圧入を容易にするために、当該突出部44に適当な幅のスリット45が形成されている。
前記第1〜第4筒状部材40A〜40Dのうち最も長尺の第1筒状部材40A及びその次に長尺の第2筒状部材40Bの前端部は、他の筒状部材の後端部との連結が可能な前側結合部を有している。具体的に、前記第1及び第2本体42A,42Bのそれぞれの前端部(図4(a)(b)では右端部)には受入れ孔46が形成されている。当該受入れ孔46は、前記連結部32における前記受入れ孔36と同じ形状を有する、つまり同等の内径を有する、ものであり、前記第1〜第4筒状部材40A〜40Dのうちの任意の筒状部材の前記突出部44の圧入を受け入れて当該受入れ孔46が形成されている筒状部材と当該突出部44が形成されている筒状部材との軸方向の連結を可能にする。また、この実施の形態では、前記軸方向の連結の状態を安定させるため、前記第1〜第4本体42A〜42Dの後端部が他の本体の前端部と嵌合可能となる形状を有している。具体的に、前記第1〜第4本体42A〜42Dの後端面の中央に凹部42rが形成され、前端面の中央に他の本体の前記凹部42rのいずれにも嵌入可能な凸部42fが形成されている。
この実施の形態は、前記第3筒状部材40Cの先端側または前記第4筒状部材40Dの先端側に他の筒状部材が連結される使用態様を含まないので、前記第3及び第4本体42C,42Dの前端部には前記受入れ孔46が形成されていない。しかし、前記第3筒状部材40Cまたは前記第4筒状部材40Dの先端側の他の筒状部材が連結される使用態様が存在する場合(例えば第5、第6の筒状部材を含む場合)には、前記第3本体42Cまたは前記第4本体42Dの前端部にも前記受入れ孔46またはこれに代わる前側結合部が設けられればよい。
前記第1〜第4本体42A〜42Dの前端部は、それぞれ、第1前端面48A、第2前端面48B、第3前端面48C及び第4前端面48Dを有する。当該第1〜第4前端面48A〜48Dのそれぞれは、前記中心軸Xa〜Xdとそれぞれ直交する方向の平面からなる。この実施の形態における前記第1〜第4前端面48A〜48Dはいずれも前記凸部42fの端面である。
前記第1〜第4筒状部材40A〜40Dの前記第1〜第4の軸方向寸法La〜Ldは、当該第1〜第4筒状部材40A〜40Dが複数の使用態様、この実施の形態では図5〜図13にそれぞれ示されるような第1〜第9の使用態様、を有するように、設定されている。当該複数の使用態様は、前記第1〜第4筒状部材40A〜40Dの中から選ばれる一つの筒状部材がそのまま単独位置決め部材として前記連結部32に連結されて使用される単独使用態様と、前記複数の筒状部材40A〜40Dの中から選ばれる2以上の筒状部材同士が軸方向に互いに連結されて複合位置決め部材を構成した状態で前記連結部32に連結されて使用される複合使用態様と、を含む。前記複数の使用態様のそれぞれにおいて前記単独位置決め部材または前記複合位置決め部材の前端部は前記第1〜第4前端面48A〜48Dのいずれかにより構成される当接面を含み、当該当接面が前記被加工物に当接することにより前記複数の段部のうち当該使用態様に対応する対応段部よりも先端側の部分が前記被加工物を穿孔するのを許容しながら当該対応段部が前記被加工物に到達するのを阻止する。さらに、前記複数の使用態様にそれぞれ対応する前記対応段部が全て互いに異なるように、かつ、前記複数の筒状部材40A〜40Dのそれぞれが前記複数の使用態様の中から選ばれる2以上の使用態様に兼用されて当該複数の使用態様の総数(この実施の形態では9)が前記複数の筒状部材40A〜40Dの総数(この実施の形態では4)よりも多くなるように、前記軸方向寸法La〜Ldが設定されている。
前記複数の使用態様は、具体的には次の通りである。
(1)第1の使用態様(図5)
第1の使用態様は、3個の筒状部材が選ばれて用いられる複合使用態様であり、当該第1の使用態様に対応する対応段部は前記段部15bである。この第1の使用態様では、前記第1〜第4筒状部材40A〜40Dの中から前記第1,第2及び第3筒状部材40A,40B,40Cが選ばれ、その選ばれた筒状部材がその順(すなわちこの実施の形態では長尺の順)に軸方向に連結されることにより複合位置決め部材を構成する。この実施の形態では最も長尺の前記第1筒状部材40Aが前記複合位置決め部材の最後端に位置し、当該第1筒状部材40Aの突出部44が連結部32の受入れ孔36に圧入されることにより前記複合位置決め部材全体が前記連結部32に連結され、当該複合位置決め部材の最前端に位置する筒状部材の前端面である前記第3筒状部材40Cの前記第3前端面48Cが前記複合位置決め部材の当接面を構成する。このときの前記複合位置決め部材の姿勢はその中心軸(第1〜第3筒状部材40A,40B,40Cのそれぞれの中心軸Xa,Xb,Xc)が前記ステップドリル10の中心軸Xsと合致して当該ステップドリル10の周囲をその径方向外側の位置で前記複合位置決め部材が覆う姿勢であり、この姿勢は以下の第2〜第9の使用態様においても同様である。
このような姿勢で前記複合位置決め部材が前記支持部30により支持された状態で、前記ステップドリル10を含むドリルユニットDUが電動工具2により回転駆動されながら前記第3前端面48Cが前記被加工物に当接する位置まで当該被加工物に対して切込み方向に押し込まれることにより、この第1の使用態様での対応段部である段部15bよりも先端側に位置するドリル先端刃15aが前記被加工物を穿孔することは許容される一方、当該段部15bが前記被加工物に到達することが阻止される。これにより、前記被加工物には前記ドリル先端刃15aの加工径に相当する孔が穿たれ、前記段部15bに相当する孔が誤って穿たれることが防止される。
(2)第2の使用態様(図6)
この使用態様は、前記第1の使用態様における前記第3筒状部材40Cに代えて第4筒状部材40Dが選ばれた複合使用態様であり、対応段部は前記段部15cである。この第2の使用態様では、最前端に位置する前記第4筒状部材40Dの前記第4前端面48Dが前記被加工物に当接する位置まで被加工物に対してステップドリル10が切込み方向に押し込まれることにより、前記対応段部である段部15cよりも先端側に位置する段部15bが前記被加工物を穿孔することが許容される一方、前記段部15cが前記被加工物に到達することが阻止される。その結果、前記被加工物には前記段部15bの加工径に相当する孔が穿たれ、誤って前記段部15cに相当する孔が穿たれることが防止される。
(3)第3〜第5の使用態様(図7〜図9)
これらの第3〜第5使用態様は、前記第1〜第4筒状部材40A〜40Dの中から2つの筒状部材が選ばれた複合使用態様であり、当該第3〜第5の使用態様に対応する対応段部はそれぞれ前記段部15d,15e,15fである。具体的には、前記第1筒状部材40Aと、前記第2〜4の筒状部材40B〜40Dの中から選ばれる1つの筒状部材と、がその順に軸方向に相互に連結されることにより複合位置決め部材を構成する。当該第3〜第5の使用態様でも、前記複合位置決め部材の最前端に位置する筒状部材の前端面(第3の使用態様では第2前端面48B、第4の使用態様では第3前端面48C、第4の使用態様では第4前端面48D)がそれぞれ前記複合位置決め部材の当接面を構成する。この状態で前記第1及び第2の使用態様と同様に前記当接面が前記被加工物に当接する位置まで被加工物に対してステップドリル10が切込み方向に押し込まれることにより、前記対応段部(例えば第3の使用態様では前記段部15d)よりも先端側に位置する段部(例えば第3の使用態様では前記段部15c)が前記被加工物を穿孔することが許容される一方、前記対応段部が前記被加工物に到達することが阻止される。
(4)第6の使用態様(図10)
この第6の使用態様は、前記第1筒状部材40Aのみが選ばれて単独位置決め部材を構成する単独使用態様であり、当該第6の使用態様に対応する対応段部は前記段部15gである。この第6の使用態様では、前記第1筒状部材40Aの第1前端面48Aがそのまま前記単独位置決め部材の当接面を構成する。そして、前記第1〜第5の使用態様と同様に前記第1前端面48Aが前記被加工物に当接する位置まで被加工物に対してステップドリル10が切込み方向に押し込まれることにより、前記対応段部である前記段部15gよりも先端側に位置する段部15fが前記被加工物を穿孔することが許容される一方、前記段部15gが前記被加工物に到達することが阻止される。
(5)第7及び第8の使用態様(図11,図12)
これらの第7及び第8の使用態様は、2つの筒状部材が選ばれた複合使用態様であり、当該第7及び第8の使用態様に対応する対応段部はそれぞれ前記段部15h,15iである。具体的には、前記第2筒状部材40Bと、それよりも短尺の前記第3筒状部材40Cまたは第4筒状部材40Dとがその順に軸方向に相互に連結されることにより複合位置決め部材を構成する。当該第7及び第8の使用態様でも、前記複合位置決め部材の最前端に位置する筒状部材の前端面(第7の使用態様では第3前端面48C、第8の使用態様では第4前端面48D)がそれぞれ前記複合位置決め部材の当接面を構成する。この状態で前記第1〜第6の使用態様と同様に前記当接面が前記被加工物に当接する位置まで被加工物に対してステップドリル10が切込み方向に押し込まれることにより、前記対応段部(例えば第7の使用態様では前記段部15h)よりも先端側に位置する段部(例えば第7の使用態様では前記段部15g)が前記被加工物を穿孔することが許容される一方、前記対応段部が前記被加工物に到達することが阻止される。
(6)第9の使用態様(図13)
この第9の使用態様は、前記第2筒状部材40Bのみが選ばれて単独位置決め部材を構成する単独使用態様であり、当該第9の使用態様に対応する対応段部は前記段部15jである。この第9の使用態様では、前記第2筒状部材40Bの第2前端面48Bがそのまま前記単独位置決め部材の当接面を構成する。そして、前記第1〜第8の使用態様と同様に前記第2前端面48Bが前記被加工物に当接する位置まで被加工物に対してステップドリル10が切込み方向に押し込まれることにより、前記対応段部である前記段部15jよりも先端側に位置する段部15iが前記被加工物穿孔することが許容される一方、前記段部15jが前記被加工物に到達するのを阻止する。
このように、前記位置決め治具PTによれば、第1〜第4筒状部材40A〜40Dの組合せによって計9つの使用態様が実現される。そして、このような位置決め治具PTを用いることにより、例えば次の手順で、ステップドリル10による所望の加工径での穿孔を容易にかつ確実に行うことが可能である。
(1)前記ステップドリル10に含まれる前記複数の段部15b〜15jの中から所定の段部であって当該所定の段部よりも先端側の部分が所望の加工径に対応するような段部を選定する。例えば、所望の加工径が段部15bの加工径と合致する場合には、段部15cを選定する。
(2)前記第1〜第9の使用態様のうち、前記のように選定された段部と合致する対応段部をもつ使用態様を選ぶ。例えば、段部15cが選定された場合、当該段部15cが対応段部である第2の使用態様(図6)を選ぶ。
(3)その選ばれた使用態様に対応する1または複数の筒状部材を選んで単独位置決め部材または複合位置決め部材を構成する。例えば、第2の使用態様が選ばれた場合、これに対応する第1,第2及び第4筒状部材40A,40B及び40Dを選んでこれらを軸方向に連結することにより複合位置決め部材を構成する。
(4)前記単独位置決め部材または前記複合位置決め部材を支持部30の連結部32に連結した状態で前記ステップドリル10を回転させながら前記被加工物に対して前記位置決め治具PTの当接部(例えば第2の使用態様では第4前端面48D)が前記被加工物に当接する深さまで当該ステップドリルを押し込む。これにより、前記ドリル部14のうち前記対応段部(例えば第2の使用態様では段部15c)よりも先端側の部分によって前記被加工物に所望の加工径をもつ孔、具体的には前記所定の段部の加工径よりも一段小さい加工径(例えば第2の使用態様では段部15bの加工径)をもつ孔、を穿つことができるとともに、前記被加工物に前記特定の段部が誤って到達して前記所望の加工径よりも大きな径をもつ孔をあけてしまうのを確実に防ぐことができる。つまり、作業者は、前記被加工物に対する前記ステップドリル10の切込み方向の相対位置について特別な位置決め作業をすることなく、前記位置決め治具の当接部が前記被加工物に当接する位置まで単純にステップドリルを押し込むだけで、当該被加工物に所望の加工径をもつ孔を確実に穿つことができる。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されない。本発明は、例えば次のような態様を包含する。
(A)筒状部材の数について
本発明に係る複数の筒状部材の総数は4に限定されず、3以下あるいは5以上であってもよい。例えば、前記実施の形態に係る第1及び第2筒状部材40A,40Bのみを用いる形態であっても、当該筒状部材の総数を上回る3つの使用態様、すなわち、当該第1及び第2筒状部材40A,40Bをそれぞれ単独位置決め部材として用いる2つの単独使用態様と、当該第1及び第2筒状部材40A,40Bを相互に連結して複合位置決め部材として用いる複合使用態様と、を得ることが可能である。
しかし、前記複数の筒状部材は3以上の筒状部材を含み、当該複数の筒状部材のいずれもが前記複数の使用態様の中から選ばれる2以上の使用態様に兼用されるように前記複数の筒状部材のそれぞれの前記軸方向寸法が設定されているのが、好ましい。このことは、前記複数の筒状部材の総数を抑えながら位置決め可能な段部の数をさらに増やすことを可能にする。例えば、互いに軸方向寸法の異なる3つの筒状部材が組み合わせて使用される場合、最大で7つの使用態様(3つの単独使用態様と、2つの筒状部材を用いた3つの複合使用態様と、3つの筒状部材の全てを用いた1つの複合使用態様)を得ることが可能である。
(B)使用態様の総数について
本発明に係る使用態様の総数も限定されず、当該総数が筒状部材の総数よりも多くなるように少なくとも一部の筒状部材が2以上の使用態様に兼用されることにより、本発明の効果を得ることが可能である。例えば、前記実施の形態では、前記第1〜第9の使用態様にそれぞれ対応する前記対応段部により、前記ステップドリル10に含まれる前記複数の段部15b〜15jの全てが網羅されているが、本発明はこれに限られない。例えば、ステップドリルに含まれる段部の中に位置決め治具の対応段部に合致しない段部が存在していてその段部については手動で位置決めが行われる態様であってもよい。この態様でも、全ての段部について手動で位置決めを行わなければならない従来の作業に比べて作業者の負担は大幅に軽減される。
(C)筒状部材同士の連結及び支持部と筒状部材との連結について
筒状部材同士の連結及び支持部と筒状部材との連結のための具体的態様、つまり後側結合部及び前側結合部の具体的な構造、は前記受入れ孔36,46への前記突出部44の圧入に限定されない。当該連結は、着脱可能な態様であればよく、例えばボルトを用いた締結や、ロック機構を含む嵌合構造であってもよい。ただし、前記複数の筒状部材の後端部は互いに同じ形状をもつ後側結合部を有し、前記複数の筒状部材のうち、少なくとも、前記単独使用態様で使用される筒状部材及び前記複合使用態様において最前端以外の位置で使用される筒状部材が互いに同じ形状を有して前記後側結合部のいずれにも結合可能な前側結合部を有することは、簡素な構造で支持部と任意の単独位置決め部材との連結、及び、複合位置決め部材を構成する2以上の筒状部材の相互の連結、の双方を行うことを可能にする。
前記連結は、あるいは、前記後側連結部に含まれるねじであって当該後側結合部を有する筒状部材の内周面または外周面に形成された後側ねじと、前記前側連結部に含まれるねじであって当該前側結合部を有する筒状部材の外周面または内周面に形成されて前記後側ねじと螺合可能な前側ねじとの螺合によるものであってもよい。その例を図14に示す。この例は、前記実施の形態と同様に、支持部30と第1,第2,第3及び第4筒状部材40A,40B,40C,40Dとを含むが、当該第1〜第4筒状部材40A〜40Dの全てがその順に互いに軸方向に連結されることによって、ドリル先端刃15aのすぐ後ろ側の段部15bが被加工物に接触するのを阻止するように、当該第1〜第4筒状部材40A〜40Dの長さが設定されている。前記支持部30における連結部32の前端部の外周面に雄ねじ37Mが刻まれているとともに、前記第1〜第4筒状部材40A〜40Dのうち最前端の第4筒状部材40Dを除く第1〜第3筒状部材40A〜40Cの前端部の外周面にも前記雄ねじ37Mと同形状の雄ねじ(前側ねじ)47Mが刻まれている。一方、前記第1〜第4筒状部材40A〜40Dの後端部の内周面には、前記雄ねじ37M,47Mのいずれにも螺合することが可能な互いに同形状の雌ねじ(後側ねじ)47Fが刻まれている。この構造においても、前記連結部32の雄ねじ37M及びいずれかの筒状部材の雄ねじ47Mに対してこれと連結されるべき筒状部材(つまりすぐ先端側に位置する筒状部材)の雌ねじ47Fを螺合するように当該雌ねじ47Fをもつ筒状部材を相対回転させることにより、特別な連結具を用いることなく、前記連結部32への任意の筒状部材の着脱可能な連結及び互いに隣り合う筒状部材同士の着脱可能な連結を実現することができる。この効果は、前側ねじが筒状部材の前端部内周面に形成された雌ねじであって後側ねじが筒状部材の後端部外周面に形成された雄ねじであっても、同様に得られる。
また、突出部と受入れ孔との組み合わせが採用される場合に、前記実施の形態とは逆に突出部が前側結合部を構成し、受入れ孔が後側結合部を構成してもよい。ただし、この態様に比べ、前記突出部が前記実施の形態のように後側結合部を構成することは、当該突出部の存在にかかわらず単独位置決め部材または複合位置決め部材の前端部と被加工物との当接状態を安定させることを可能にする。
(D)支持部について
前記支持部の具体的な構造やドリルユニットに対する装着箇所は限定されない。例えば、前記ドリルユニットがステップドリルのみからなる場合に当該ステップドリルの外周面上に前記支持部が装着されてもよい。また、当該支持部は前記相対回転許容部を含まずに全体が一体に回転するものであってもよい。しかし、前記実施の形態に係る支持部30のように連結部と相対回転許容部とを含むものは、前記ステップドリルの回転にかかわらず前記連結部及びこれに連結される筒状部材の回転が静止することを可能にし、これにより、当該筒状部材の前端部と被加工物との回転方向の擦れを抑止することを可能にする。
PT 位置決め治具
2 電動工具
10 ステップドリル
14 ドリル部
15a ドリル先端刃
15b〜15j 段部
30 支持部
32 連結部
34 相対回転許容部
36 受入れ孔
37M 雄ねじ
40A 第1筒状部材
40B 第2筒状部材
40C 第3筒状部材
40D 第4筒状部材
44 突出部
46 受入れ孔
47M 雄ねじ(前側ねじ)
47F 雌ねじ(後側ねじ)
DU ドリルユニット
La〜Ld 軸方向寸法
PT 位置決め治具
Xs ステップドリルの中心軸

Claims (8)

  1. 先端から後端に向かって外径が不連続的に増加する部位である複数の段部を有して当該複数の段部のそれぞれが刃先を構成するドリル部を含むステップドリルであって回転駆動されながら被加工物に対して前記ドリル部の中心軸の方向であるドリル軸方向と平行な切込み方向に押し込まれることにより前記複数の段部のそれぞれが当該段部の外径に対応した径をもつ孔を前記被加工物に穿つように構成されたステップドリルを用いて前記被加工物を穿孔する際に当該ステップドリルを前記切込み方向について位置決めするための位置決め治具であって、
    それぞれが前記ステップドリルの中心軸に沿って延びる姿勢で当該ステップドリルの周囲を覆う筒状をなす複数の筒状部材と、
    前記ステップドリルを含むドリルユニットのうち前記ドリル部よりも後ろ側に位置する被装着部に装着された状態で前記複数の筒状部材の少なくとも一部を支持することにより当該少なくとも一部の筒状部材を前記ステップドリルの周囲を覆う姿勢に保つ支持部と、を備え、
    前記複数の筒状部材は、複数の使用態様を有し、当該複数の使用態様は、前記複数の筒状部材の中から選ばれる一つの筒状部材がそのまま単独位置決め部材として前記支持部に連結されて使用される単独使用態様と、前記複数の筒状部材の中から選ばれる2以上の筒状部材同士が軸方向に互いに連結されて複合位置決め部材を構成した状態で前記支持部に連結されて使用される複合使用態様と、を含み、
    前記複数の使用態様にそれぞれ対応する前記単独位置決め部材及び前記複合位置決め部材のそれぞれは前記支持部と反対の側で前記被加工物に対して当接することが可能な前端部を有し、当該前端部が前記被加工物に当接することにより前記複数の段部のうち当該使用態様に対応する対応段部よりも先端側の部分が前記被加工物を穿孔するのを許容しながら当該対応段部が前記被加工物に到達するのを阻止し、前記複数の使用態様にそれぞれ対応する前記対応段部が互いに異なるように前記複数の筒状部材が互いに異なる軸方向寸法を有し、かつ、前記複数の筒状部材のうちの少なくとも一部の筒状部材が前記複数の使用態様の中から選ばれる2以上の使用態様に兼用されて当該複数の使用態様の総数が前記複数の筒状部材の総数よりも多くなるように、前記軸方向寸法のそれぞれが設定されている、位置決め治具。
  2. 請求項1記載の位置決め治具であって、前記複数の筒状部材は3以上の筒状部材を含み、当該複数の筒状部材のいずれもが前記複数の使用態様の中から選ばれる2以上の使用態様に兼用されるように前記複数の筒状部材のそれぞれの前記軸方向寸法が設定されている、位置決め治具。
  3. 請求項2記載の位置決め治具であって、前記複数の使用態様にそれぞれ対応する前記対応段部により、前記ステップドリルに含まれる前記複数の段部の全てが網羅されている、位置決め治具。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の位置決め治具であって、前記複数の筒状部材の後端部は互いに同じ形状をもつ後側結合部を有し、前記複数の筒状部材のうち、少なくとも、前記単独使用態様で使用される筒状部材及び前記複合使用態様において最前端以外の位置で使用される筒状部材が、互いに同じ形状を有して前記後側結合部のいずれにも結合可能な前側結合部を有する、位置決め治具。
  5. 請求項4記載の位置決め治具であって、前記複数の筒状部材のそれぞれの前端部は前記被加工物に当接可能な平面であって前記ステップドリルの軸方向に対して直交する平面である当接面を有し、前記後側結合部は前記筒状部材の後端部において部分的に後方に突出する突出部を含み、前記前側結合部は前記突出部を受け入れる受入れ孔を含む、位置決め治具。
  6. 請求項4記載の位置決め治具であって、前記後側結合部は当該後側結合部を有する前記筒状部材の後端部の内周面又は外周面に形成された後側ねじを含み、前記前側結合部は当該前側結合部の外周面又は内周面に形成されたねじであって前記後側ねじに螺合可能な前側ねじを含む、位置決め治具。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の位置決め治具であって、前記支持部は、前記被装着部から径方向外側に離間する環状をなして前記複数の使用態様のいずれにおいても前記単独位置決め部材または前記複合位置決め部材の後端部と連結可能な連結部と、当該連結部と前記被装着部との間に介在して当該被装着部に対する当該連結部の前記ステップドリルの中心軸回りの相対回転を許容する相対回転許容部と、を含む、位置決め治具。
  8. 先端から後端に向かって外径が不連続的に増加する部位である複数の段部を有して当該複数の段部のそれぞれが刃先を構成するドリル部を含むステップドリルであって回転駆動されながら被加工物に対して前記ドリル部の中心軸の方向であるドリル軸方向と平行な切込み方向に押し込まれることにより前記複数の段部のそれぞれが当該段部の外径に対応した径をもつ孔を前記被加工物に穿つように構成されたステップドリルを含むドリルユニットと、
    前記ドリルユニットに装着されて前記ステップドリルを前記切込み方向について位置決めするための請求項1〜7のいずれかに記載の位置決め治具と、を備えた穿孔工具。
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