JP2021009964A - 電子制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】静電気の放電対策を向上できるようにした電子制御装置を提供すること。【解決手段】電子制御装置1は、導電性樹脂の領域11を有する筐体10と、筐体内に設けられ、電子部品19を搭載する電子回路基板13と、導電性樹脂の領域に対向して電子回路基板に立設された導体部21であって、電子回路基板のグランド配線18に接続された導体部と、を備え、筐体からの静電気を導体部を介してグランド配線へ流すことができるようにした。【選択図】図1
Description
本発明は、電子制御装置に関する。
例えば、車両を制御するECU(Electronic Control Unit)のような電子制御装置では、軽量化と低コスト化を目的として樹脂材料が用いられることがある。樹脂材料を筐体に用いる場合、静電気対策(ESD:Electro-Static Discharge)を実施する必要がある。
特許文献1には、絶縁性の筐体で構成された電子制御装置において、外部に放電部材を付けることにより帯電を防ぐ技術が開示されている。
特許文献2には、電子装置の開口部または筐体からの静電気に対して、アースピンを設けることにより静電気放電による影響を防止する構造が示されている。
特許文献1では、筐体の周りを放電用の部材で覆う必要があり、さらに放電用の部材を近くのアース部材へ接続する必要がある。しかし、例えばパワートレイン系の車載電子制御装置の場合や、電子制御装置の設置環境等によっては、本文献でも想定されているように、筐体の近傍で筐体の外部にあるアース部材へ接続するのが難しいことがある。
特許文献2では、筐体の材料について言及はないが、外装筐体の開口部に近い場所等にアースピンを立てる技術を開示しているが、静電気の放電対策としては改善の余地がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、その目的は、静電気の放電対策を向上できるようにした電子制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するべく、本発明に従う電子制御装置は、導電性樹脂の領域を有する筐体と、筐体内に設けられ、電子部品を搭載する電子回路基板と、導電性樹脂の領域に対向して電子回路基板に立設された導体部であって、電子回路基板のグランド配線に接続された導体部と、を備え、筐体からの静電気を導体部を介してグランド配線へ流すことができるようにした。
本発明によれば、導電性樹脂の領域を有する筐体からの静電気を電子回路基板のグランド配線に流すことができ、信頼性を向上させることができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態に係る電子制御装置1は、電子回路基板13とこれを防護する筐体10とを備え、筐体材料として導電性のある樹脂を使用する。さらに、電子制御装置1には、導電性樹脂からなるベース11に対向するようにして、グランド配線18に接続された針状または棒状の少なくとも一つの導体部21が電子回路基板13から突出して配置されている。その導体部21により、導電性樹脂からなるベース11からの静電気をグランドへ誘導する。これにより、電子制御装置1は、電子部品19または基板13への静電気放電による損傷とノイズによる悪影響とを抑制する。
ここで、筐体10のベース11に使用される導電性樹脂は、熱伝導性の高い導電性カーボン等の素材を含む樹脂材料である。導電性樹脂の導電性は、例えば、カーボン等の素材の混合率、分散の程度等で変化しうる。したがって、導電性樹脂の導電性は、金属等の導体の導電性と通常の樹脂またはセラミックス等の絶縁体の導電性との間で変化する。ベース11を金属から形成できるならば、ベース11に電子回路基板13を取り付けるネジを介して、ベース11の静電気をグランドへ逃がすことができる。しかし、ベース11の導電性は、導体と絶縁体の間で変化するため、導電性を有するとはいっても常に静電気をグランドへ逃がすことができるわけではない。ベース11にたまった静電気の一部は、行き場を失って電子回路基板13へ放電される可能性がある。そこで、本実施形態に係る電子制御装置1では、電子回路基板13から突出させた導体部21により、ベース11からの静電気を受けてグランドへ流すようにしている。以下、車載の電子制御装置(ECU)に適用する場合を例に挙げて、本実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、ECUに限らず、例えば、ドローンなどの移動体、ロボット、工作機械、建設機械等で使用される電子制御装置にも適用可能である。
図1〜図3を用いて実施例を説明する。図1は、電子制御装置1の断面図である。図2は、ベース11を除いた状態で電子制御装置1を下側から見た斜視図である。例えば車載の電子制御装置として使用される電子制御装置1は、筐体10と、筐体10内に設けられる電子回路基板13とを備える。
筐体10は、例えば、導電性樹脂から形成されるベース11と、ベース11に取り付けられることにより収容空間を形成するカバー12とから構成されている。カバー12は、導電性を備えない通常の樹脂から形成される。ベース11とカバー12とは、溶着または接着等の手段により取り付けられる。ベース11は、「導電性樹脂からなる領域」の例である。ベース11は、カーボン等が配合された樹脂材料から形成されることにより、導電性だけでなく、高い熱伝導性も備えている。ベース11の全体にカーボンが配合されてもよいし、必要な範囲でベース11の一部にカーボンが配合されてもよい。
電子回路基板13は、その一端側にコネクタピン17により取り付けられるコネクタ16と、グランド配線18と、電子部品19(1)〜19(3)と、導体部21(1),21(2)とを備える。
導体部21(1),21(2)は、電子部品19(1)〜19(3)のうち、ベース11に対向する所定の電子部品19(1),19(2)の周囲に立設される。導体部21(1),21(2)は、所定の電子部品19(1),19(2)の四つの角に対応してそれぞれ配置される。本実施例では、所定の電子部品19(1),19(2)が平面視で矩形状に形成される場合を例に挙げて説明するが、これに限らず、所定の電子部品19(1),19(2)は平面視で、円状ないし楕円状、三角形状、5角形以上の多角形状に形成されてもよい。その場合、導体部21(1),21(2)は、所定の電子部品19(1),19(2)に静電気放電の影響が及ぶのを防止すべく、所定の電子部品19(1),19(2)の周辺に分散して配置すればよい。
そして、電子回路基板13は、筐体10のベース11に一体形成された固定用台座14(1),14(2)に対して、金属製ネジ15(1),15(2)により着脱可能に取り付けられている。
以下の説明では、参照符号にかっこ付き数字が添えられる場合、かっこ付き数字を除いて表記する場合がある。例えば、前側の固定用台座14(1)と後側の固定用台座14(2)とを区別しない場合、固定用台座14と呼ぶ。前側の金属製ネジ15(1)と後側の金属製ネジ15(2)とを区別しない場合、金属製ネジ15と呼ぶ。さらに、ベース11に対向する所定の電子部品19(1),19(2)を所定の電子部品19または電子部品19と呼ぶことがある。同様に、導体部21(1),導体部21(2)を区別しない場合、導体部21と呼ぶ。
導体部21は、電子回路基板13に形成されたスルーホールに差し込むようにして設けられている。導体部21は、はんだ等の手段でスルーホールに固定され、スルーホールを介してグランド配線(基板グランドとも呼ぶ)18と接続されている。したがって、導体部21はグランド配線18と電気的かつ機械的に接続される。グランド配線18は、コネクタピン17およびコネクタ16を介して、図外のアースへ接続される。
導体部21とベース11とは、電気的に接続される。「電気的に接続される」とは、帯電したベース11から放電される静電気が導体部21へ流れることを意味する。ベース11と導体部21とは常時電気的に接続されている必要はなく、ベース11から静電気を放電できるよう断続的に、ベース11と導体部21とが電気的に接続されてもよい。導体部21とベース11とが電気的に接続される限りにおいて、導体部21の先端は、ベース11と物理的に接触してもよいし、ベース11から離間してもよい。導電部21の先端がベース11に物理的に接触する方がより高い放電効果を得ることができる。
図2では、固定用台座14以外のベース11を省略しているが、電子回路基板13の四隅に対応する位置に固定用台座14が設けられている。そして、各固定用台座14には、電子回路基板13を介して金属製ネジ15が挿通され、螺合される。これにより、ベース11は、各固定用台座14および各金属製ネジ15を介して、電子回路基板13のグランド配線18に電気的に接続される。
固定用台座14は、ベース11の一部である。金型を用いた樹脂成形の場合、ベース11の他の部分と同時に各固定用台座14も同時に成形される。
ここで、ベース11の下面(外部に露出する面)の略中央に、図1中に示す放電部31が位置すると仮定する。帯電した物体30がベース11の略中央に近づいて静電気が溜まると仮定する。静電気の溜まった箇所を放電部31と呼ぶことにする。ベース11は導電性樹脂から形成されるため、放電部31から各固定用台座14および各金属製ネジ15を介してグランド配線18へ放電させる経路が考えられる。しかし、ベース11は金属のような完全な導体ではないため、ある程度の抵抗率を持つ。したがって、上述した経路はある程度高い抵抗値を有すると考えられる。図1では、ベース11の内部に存在する抵抗を、抵抗32(1),32(2)と表現している。
この場合、放電部31に対向する位置に所定の電子部品19が存在する場合、上述の経路はある程度高い抵抗を持っており、かつ、ベース11と電子部品19との距離は短いため、放電部31から所定の電子部品19へ放電してしまう可能性がある。特に、高さ寸法の大きい電子部品19ほど、電子部品19とベース11との距離が短くなるので、放電される可能性が高くなる。
しかし、本実施例では、所定の電子部品19の周囲に(電子部品19の四隅の外側に)複数の導体部21を設けているため、放電部31の電荷は導体部21へ誘導され、電子部品19への放電を防止できる。
本実施例では、所定の電子部品19の四隅に対応して、4つずつの導体部21を設けている。すなわち、所定の電子部品19(1)の四隅の外側には導体部21(1)が配置されており、他の所定の電子部品19(2)の四隅の外側には他の導体部21(2)が配置されている。
しかし、所定の電子部品19の四隅の外側にそれぞれ導体部21を常に配置する必要があるとは限らない。電子回路基板13の両面のうちベース11に対向する面のどこにどれだけの数の導体部21を配置するかは、例えば、電子部品19とベース11との距離、ベース11の導電率、ベース11と電子回路基板13とを金属製ネジ15で接続する箇所の配置および数などを考慮して決定することができる。実験またはシミュレーションを行うことにより、適切な位置と数とを設定すればよい。
本実施例では、高さ寸法の大きい電子部品19(2)の周囲だけでなく、高さ寸法の小さい電子部品19(1)の周囲にも導体部21(1)を設けている。これにより、高さ寸法の小さい電子部品19(1)にベース11から放電されるのを防止することができ、より一層信頼性が高まる。しかし一方、導体部21(1)を設けることにより、電子制御装置1の製造コストが増大する。
そこで、例えば、電子回路基板13の基板面積、電子部品19(2)と電子部品19(1)との距離、電子部品19(1)と固定用台座14との距離等を考慮して、導体部21(1)の数を減らしてもよい。例えば、電子部品19(1)が電子部品19(2)と比較的近い場合、電子部品19(2)を放電から保護する導体部21(2)によって、電子部品19(1)も同時に放電から保護可能である。または、電子部品19(1)と固定用台座14(1)との距離が短い場合、ベース11にたまった静電気をその固定用台座14(1)から金属製ネジ15(1)を介してグランド配線18へ逃がすことができる。このように、所定の電子部品19の全てに導体部21をそれぞれ対応させる必要はなく、一つの導体部21で複数の所定の電子部品19を放電から保護してもよいし、あるいは、ベース11からの放電の可能性が低い場合は導体部21を設けなくてもよい。コストと信頼性とのバランスを考慮して、導体部21の設置位置を決定すればよい。
図3は、本実施例と対比される比較例である。図3に示す構成は、本実施例の作用効果を説明するために用意された例であり、従来技術ではないことに留意すべきである。
比較例の電子制御装置1Pは、図1および図2で述べた本実施例の電子制御装置1に対して、導体部21を全く備えていない点で異なり、それ以外の構成は共通する。
ベース11は、上述の通り、導電性を備える高熱伝導樹脂から形成されるが、金属ほど高い導電率は備えていないため、ベース11から外周側の固定用台座14へ向かう電気的経路には、抵抗32(1),32(2)が存在すると考えられる。したがって、放電部31に外部から帯電した物体30が接触して静電気が印加された場合、抵抗32(1),32(2)の存在により、放電部31に印加された静電気を金属製ネジ15(1),15(2)を介してグランド配線18へ十分早い時間内に電荷を逃がすことができない。その結果、放電部31と所定の電子部品19(2)との間の電界強度、特に高さのある四隅の角と放電部31との間の電界強度が上がってしまう。このため、放電部31から電子部品19(2)への放電が発生する可能性がある。
もしも筐体10の全体が通常の樹脂から絶縁体として形成されている場合、放電部31から筐体内側に向かう抵抗が非常に大きいため、放電には至らない。ところが、本実施例および比較例のように、ベース11が導電性のある樹脂から形成される場合は、その抵抗が通常の樹脂よりも低いため、放電に至ってしまう可能性がある。なお、ベース11の内部の抵抗32(1),32(2)の値は、導電性を有する高熱伝導樹脂の組成による抵抗率、放電部31から金属製ネジまでの距離等に依存する。すなわち、ベース11の内部抵抗の値は、電子制御装置の大きさ、形状、構造等に依存するため、装置毎に異なった値となる。
このように構成される本実施例によれば、軽量化と耐熱性向上等のためにカーボン等の導電性材料が配合された樹脂材料からベース11を形成した場合に、ベース11に対向する所定の電子部品19に向けてベース11から放電されるのを防止することができ、信頼性を向上することができる。
図4および図5を用いて第2実施例を説明する。本実施例を含む以下の各実施例では、第1実施例との相違を中心に説明する。本実施例では、電子回路基板13の両面のうちベース11に対向する所定面に実装される電子部品19が少ないかあるいは存在しない場合でも、その所定面にベース11から放電されるのを防止する。
図4は、本実施例に係る電子制御装置1Aの断面図である。図5は、ベース11を除いた状態で示す電子制御装置1Aの斜視図である。
第1実施例では、ベース11に対向する所定面に高さのある電子部品19(2)が配置されており、特にその電子部品19(2)の四隅の角部分への電界集中によって放電が発生する可能性を防止する。
これに対し、本実施例では、電子回路基板13の所定面に電子部品19が殆ど配置されていない場合を説明する。電子回路基板13の所定面には、電子部品19(4)が設けられているが、この電子部品19(4)の高さ寸法は小さい。さらに、電子回路基板13の所定面には、金属パターン20(1),20(2)が設けられている。これら金属パターン20(1),20(2)は、電子回路基板13の所定面に露出している金属配線パターンである。以下、区別しない場合、金属パターン20と呼ぶ。
図5では、矩形状の金属パターン20を示すが、形状は問わない。円状、環状、楕円状、三角形状、5角形以上の多角形状などであってもよい。金属パターン20は、例えば、配線パターン、試験用チェックパッド、配線を接続する貫通スルーホール等の、電子回路を構成する配線の露出部分である。
金属パターン20は、電子部品19(2)のような高さは無いが、ベース11との距離が十分近い場合には、ベース11からの静電気が金属パターン20へ放電されてしまう可能性がある。もしも金属パターン20の配線先に電子部品が接続されていたならば、放電によりその電子部品に影響が生じる可能性がある。したがって、金属パターン20への放電が引き起こしかねない悪影響を抑止するために、本実施例では、電子回路基板13の所定面に複数の導体部21(3),21(4),21(5)を配置する。各導体部21(3),21(4),21(5)は、第1実施例の導体部21(1),21(2)と同様に、グランド配線18と接続されている。
導体部21の設置間隔については、第1実施例の場合と同様、電子回路基板13の所定面とベース11との距離、ベース11の導電率、ベース11と電子回路基板13とを金属製ネジ15で取り付ける固定用台座14の配置および数などにより変化する。したがって、例えば、評価や計算等により導体部の配置、設置位置、設置数を決定する。
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに、本実施例では、高さ寸法の大きい電子部品19(2)が実装されていない場合でも、複数の導体部21を所定面に設置するため、所定面に露出した金属パターン20への放電を防止することができる。これにより、金属パターン20に接続された電子部品19へ放電による影響が及ぶのを防止でき、信頼性を向上させることができる。
図6および図7を用いて第3実施例を説明する。図6は、本実施例に係る電子制御装置1Bの断面図である。第1実施例および第2実施例では、ベース11と電子回路基板13とを機械的かつ電気的に接続するために金属製ネジ15を用いた。これに対し、本実施例では、金属製ネジ15に代えて、熱カシメ15B(1),15B(2)によりベース11と電子回路基板13とを固定している。なお、本実施例では、第2実施例と同様に、電子回路基板13の所定面に、複数の導体部21(3),21(4),21(5)を配置している。
図7は、熱カシメによる固定方法を拡大して示す断面図および平面図である。図7(1)は、カシメ前の電子制御装置1Cの一部を拡大して示す。図7(2)は、カシメ後の電子制御装置1Cの一部を拡大して示す。
図7(1)に示すように、カシメ用の棒状部材15C(1)が電子回路基板13の孔部を介して固定用台座14(1)に挿入される。そして、図7(2)に示すように、カシメ用の棒状部材15C(1)の上側から熱と圧力とを加えることにより、棒状部材15C(1)の上部が押しつぶされて平坦部150Cとなる。これにより、ベース11と電子回路基板13とが固定される。
ここで、カシメ用の棒状部材15C(1)は、例えば、高熱伝導樹脂から棒状に形成される。カシメ用の棒状部材15C(1)は高熱伝導樹脂で形成されるため導電性を備えているが、図7に示す方法では、ベース11と電子回路基板13とは機械的に固定されるだけであって、電気的に接続されていない。後述する他の実施例のように、孔部に工夫を加えることにより、熱カシメによる固定方法を用いた場合でも、電子回路基板13とベース11とを機械的かつ電気的に接続可能である。
このように構成される本実施例も第1,第2実施例と同様の作用効果を奏する。さらに、本実施例では金属製ネジ15に代えて熱カシメによる固定方法を採用するため、電子制御装置1Cの製造工程を簡素化でき、製造コストを低減することができる。本実施例は、第1,第2実施例のいずれとも結合可能である。
図8を用いて第4実施例を説明する。図8は、メッキ処理された孔部にカシメ用の棒状部材15D(1)を挿通して熱カシメする様子を示した断面図および平面図である。図8(1)は、カシメ前の電子制御装置1Dの一部を拡大して示す。図8(2)は、カシメ後の電子制御装置1Dの一部を拡大して示す。
本実施例の電子制御装置1Dでは、第3実施例で述べた熱カシメによる固定方法に加えて、所定範囲をメッキ処理することにより、ベース11を電子回路基板13のグランド配線18に電気的に接続する。
メッキ処理する所定の範囲とは、例えば、電子回路基板13の孔部の上側開口部の周囲と、電子回路基板13の孔部の下側開口部の周囲と、カシメ用の棒状部材15D(1)が挿通される孔部の周面である。上述した所定の範囲をメッキ処理することにより、メッキ処理部151Dが電子回路基板13に形成される。
このように構成される本実施例によれば、カシメ用の棒状部材15D(1)の挿通される孔部の周面および上下開口部の周囲にメッキ処理部151Dを形成するため、ベース11とグランド配線18とをメッキ処理部151Dを介して電気的に接続できる。したがって、本実施例では、第3実施例で述べた工程の簡素化および製造コスト低減という効果に加えて、ベース11を基板グランドへ電気的に接続することもでき、より一層信頼性を向上することができる。本実施例は、第1,第2実施例のいずれとも結合可能である。
図9を用いて第5実施例を説明する。本実施例の電子制御装置1Eでは、導体部21Eを可撓性のある導電材料から形成している。例えば、銅合金などから導体部21Eを形成すれば、可撓性、導電性、熱伝導性を得ることができる。導体部21Eの先端とベース11との間には微少な隙間dを形成してもよい。微少な隙間dが存在する場合であっても、ベース11から導体部21Eへ放電させることができる。
このように構成される本実施例も第1,第2実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例によれば、導電部21Eを可撓性のある導電材料から形成するため、もしもベース11と導電部21Eの先端とが干渉した場合でも、導電部21Eが損傷等するのを防止することができる。したがって、組立性および信頼性を向上することができる。本実施例は、第1〜第4実施例のいずれとも結合可能である。
図10を用いて第6実施例を説明する。本実施例の電子制御装置1Fでは、導体部21Fの先端付近に可撓性を持たせている。導体部21Fは、その先端側211Fが可撓性および導電性を有する材料から形成されており、それ以外の部分は第1〜第4実施例と同様の導電材料から形成される。また、導体部21Fの先端側211Fとベース11との間には微少な隙間dが存在する。
このように構成される本実施例も第1,第2実施例と同様の作用効果を奏する。本実施例は、第1〜第4実施例のいずれとも結合可能である。
なお、以上の説明はあくまでも一例であり、発明を解釈する際、上記実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係に何ら限定も拘束もされない。
また、本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれる。さらに特許請求の範囲に記載された構成は、特許請求の範囲で明示している組合せ以外にも組み合わせることができる。
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F:電子制御装置、1P:従来技術ではない比較例としての電子制御装置、10:筐体、11:ベース、12:カバー、13:電子回路基板、14:固定用台座、15:金属製ネジ、15C,15D:カシメ用の棒状部材、16:コネクタ、17:コネクタピン、18:グランド配線、19:電子部品、20:金属パターン、21,21E,21F:導体部、30:帯電した物体、31:放電部、32:抵抗
Claims (9)
- 電子制御装置であって、
導電性樹脂からなる領域を有する筐体と、
前記筐体内に設けられ、電子部品を搭載する電子回路基板と、
前記導電性樹脂の領域に対向して前記電子回路基板に立設された導体部であって、前記電子回路基板のグランド配線に接続された導体部と、を備え、
前記筐体からの静電気を前記導体部を介して前記グランド配線へ流すことができるようにした、
電子制御装置。 - 前記筐体は、導電性樹脂から前記導電性樹脂の領域として形成されるベースと、前記ベースを覆うカバーとを備えて構成される、
請求項1に記載の電子制御装置。 - 前記導体部は、前記導電性樹脂の領域に対向して前記電子回路基板に複数配置される、請求項2に記載の電子制御装置。
- 前記導体部は、前記電子部品のうち前記導電性樹脂の領域に対向して配置される所定の電子部品の周囲に位置して前記電子回路基板に複数設けられる、
請求項3に記載の電子制御装置。 - 前記導体部は、前記所定の電子部品の四隅の外側に位置して前記電子回路基板に設けられる、
請求項4に記載の電子制御装置。 - 前記導体部は、前記電子回路基板から前記導電性樹脂の領域へ向けて突出する棒状に形成されており、前記導体部と前記導電性樹脂の領域とは電気的に接続される、
請求項5に記載の電子制御装置。 - 前記導体部と前記導電性樹脂の領域とは接触することにより電気的に接続される、
請求項6に記載の電子制御装置。 - 前記電子回路基板と前記筐体とは、導電性樹脂を用いた熱カシメにより固定される、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子制御装置。 - 前記導体部は、その先端側が前記筐体に接触した場合に変形可能である、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子制御装置。
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