JP5147501B2 - 車載電子装置 - Google Patents

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この発明は、車載電子装置内の電子基板に実装された電子部品に対し、静電気やノイズが影響して電子部品が誤動作や破損することを防止する車載電子装置に関する。
車載電子装置では、熱放散の必要性、コスト上の理由、デザイン上の理由などから、そのシャーシを金属と樹脂を組み合わせて形成したり、車両の樹脂部分等に固定したりする場合がある。また、電子基板は、高密度実装やスペースの問題から、フィルタなどの静電気対策部品を実装することが困難である場合がある。静電気の放電は、数MHz〜数GHzまで広範囲の周波数帯に分布し、高電圧かつ立上りの早いインパルス放電である。静電気は、主に機器を操作する人間に帯電し、機器に触れようとした時に放電する。その放電条件は、周囲の条件によって様々であるが、例えば、放電時の電位は、数kVから数10kVに及ぶ。電子基板に実装する電子部品は、このような静電気やノイズに対して誤動作を起こしたり、本来の機能を失ったりなどの不都合を生じる。このような背景より、国際規格IEC61000−4−2では静電気を発生させる装置である静電ガンによる試験を規定している。静電ガンからシャーシの金属部分に静電気を印加して、電子装置が誤動作しないことを確認しなければならない。これらの静電気による誤動作に対して、従来の車載用コントロールユニットのEMI(Electro−Magnetic Interference)用接地構造においては、外部からのノイズ対策のため、外周部にコ字状の第1のグラウンドパターンと、このパターンにEMIコンデンサを介して接続される第2のグラウンドパターンを設けている。第2のグラウンドパターンには、CPUのグラウンドライン(接地線)と小電力用グラウンドラインが接続し、第1のグラウンドパターンには、大電力用グラウンドラインをEMI用コンデンサを介して接続している(例えば特許文献1参照)。
特開平9−312488号公報(第3〜4頁、第2図)
従来の車載用コントロールユニットのEMI用接地構造においては、外周部にコ字状の第1のグラウンドパターンを配置しているが、このグラウンドパターンは、外周部の一辺が開放されているため、CPUはこの開放部からのノイズの影響を受けやすいという問題があった。また、その対策として、周辺パターンを環状にしてLSI等を取り囲む場合は、この環状パターンの周長が静電気に含まれる周波数の波長と一致するとループアンテナとして動作し、ループ内部にあるグラウンドパターンなどに多大な磁界を照射する。これによるグラウンドパターンへの誘起電圧の発生や、LSI等への磁界の直射のため、誤動作や破損の発生といった問題点があった。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、LSI等が静電気やノイズによって誤動作や破損する事を防ぐ車載電子装置を得ることを目的とする。
この発明に係る車載電子装置は、金属製のベース部材と、これを覆うカバー部材と、ベース部材とカバー部材との間にある電子基板と、電子基板の端子に接続された接続ピンを有するコネクタハウジングと、このコネクタハウジング内の或る接続ピンに接続され外部接地配線によって車体の導電部に接地される電子基板内の接地端子と、電子基板上に実装され電子装置の制御を行うLSIと、電子基板に設けられたグラウンドパターンと、電子基板の外周部に配置された保護パターンとを備える。グラウンドパターンはLSIの接地線と接地端子とを接続しており、保護パターンは、このグラウンドパターンを取り囲み、ベース部材とグラウンドパターン又は接地端子とに接続され、LSIに対向する部分に切断部を設けるものである。そして、前記保護パターンの切断部の幅は、前記保護パターンの外周部から前記LSIが実装されている前記グラウンドパターンまでの距離の2倍以内としている。又は、前記保護パターンは、前記ベース部材と高誘電体を介して接続されている。又は、前記電子基板上には、前記グラウンドパターンから独立したパターンを更に設け、該パターンは、前記ベース部材と高誘電体を介して接続されると共に、前記グラウンドパターン又は接地端子と接続されている。
この発明に係る車載電子装置は、保護パターンのLSIに対向する部分に切断部を設けるので、保護パターンがループアンテナとして作動せず、また、静電気やノイズは保護パターンへ伝導しやすくなるため、LSIの誤動作や破損を防ぐ事が可能となる。
実施の形態1.
図1から図4は、この発明を実施するための実施の形態1における車載電子装置の構造を示す図である。図1は上面図、図2は図1のA方向からみたコネクタハウジング端面図、図3は図2のB−B線による断面図、図4は電子基板の断面図である。
図1に示すように、例えば樹脂成型品であるカバー部材1は、一対のコネクタハウジング2と共に一体成形されていて、ねじ穴3を有する埋金が4隅に設けられている。また、図2に示すように、一対のコネクタハウジング2の内部には、多数の接続ピン4の一端が圧入され、接続ピン4の他端は後述の電子基板5にハンダ付けされている。なお、多数の接続ピン4は仕切り壁6によって適宜分割されている。また、固定ねじ7はベース部材8の背面から挿入されて、図1で示したカバー部材1のねじ穴3に螺入して、ベース部材8とカバー部材1を一体化し、ベース部材8とカバー部材1の輪郭外周部において後述の電子基板5を挟持するようになっている。13はベース部材8に設けられ、車載電子装置を車体に取付ける取付け足である。
図3は、図2のB−B線による断面図である。この図において、電子基板5の輪郭外周部には、レジスト膜をもつ銅箔パターンである保護パターン表面9aが設けられている。また、電子基板5の内装面にはグラウンドパターン10が設けられている。コネクタハウジング2内に一端が圧入保持されている多数の接続ピン4の他端は、電子基板5の端面位置に設けられた多数の端子に半田づけされている。図5は、電子基板の表面の平面図である。この図において、端子11は接続メッキ穴によって電子基板の表面と裏面がつながっている。端子11の中の一つである接地端子12はグラウンドパターン10と接続されている。外部接続コネクタ2aは多数の外部配線を結束したワイヤハーネス14の一端に設けられ、この外部接続コネクタ2aがコネクタハウジング2に挿入されることによって、図示しない配線側の接続ピンが電子基板5側の接続ピン4と接触接続されるようになっている。なお、図5に示すように接地端子12に接続される外部接地配線15は、至近位置の車体の導電部16に接続されアースが取られていると共に、車載バッテリ17にも接続されている。
図4は電子基板5の断面図である。この図において、電子基板5は2枚の基材を接合した多層基板の例であって、電子基板表面5aにはLSIなどの電子部品が実装されている。保護パターン表面9aは基板表面の輪郭外周部に設けられた銅箔パターン、保護パターン中面9bは基板中間面の輪郭外周部に設けられた銅箔パターン、保護パターン裏面9cは電子基板裏面5cの輪郭外周部に設けられた銅箔パターン、となっており、各保護パターン9a、9b、9cは接続メッキ穴19によって相互に接続されている。グラウンドパターン10は一対の基材の中間(中面)に設けられた幅広の面状パターンである。電源パターン20は基板表面または基板裏面の各部に設けられた幅広の線状パターンであり、例えばDC5V、DC1.5V、DC12V等の異なる電圧毎に異なるパターンが用いられている。信号線パターン21は基板表面または基板裏面の各部に設けられた線状パターンである。
図5は電子基板5の表面の平面図であるが、グラウンドパターン10は中面を透視した図となっている。この図において、表面に実装されたキャパシタ22の一端は、表面にある保護パターン表面9aに接続されており、他端は、接続メッキ穴を経由して中面にある線状パターン23に接続されている。この線状パターン23は、グラウンドパターン10と接地端子12へ連通している。
図6、7は電子基板5の表面から裏面を透視した平面図であるが、グラウンドパターン10は中面を透視した図となっている。図6に示すように、保護パターン裏面9cの4隅の固定ねじ7近傍では、レジスト膜の一部をはがして金属製の凸部24の導体を設けており、固定ねじ7でベース部材8とカバー部材1を接続した時に、前述の保護パターン9cの金属製の凸部24が確実に電気的にベース部材8に接続されるようになっている。特に、コネクタハウジング2側の2点の金属製の凸部24は、保護パターン9、グラウンドパターン10、接地端子12の3者のインピーダンスを最も小さくできるという効果がある。
なお、製造上の都合で、固定ねじ7近傍で保護パターン裏面9cに金属製の凸部24を設けられない場合には、図7に示すように保護パターン裏面9cの形状を一部変更して金属製の凸部24を設けてもよい。なお、金属製の凸部24は、半田づけなどで金属を追加する方法で形成しても良いし、あらかじめ保護パターン裏面9cを加工することにより凸部を設ける形にしても良い。
このように構成された車載電子装置において、図3と図5〜7に示すように、電子基板5表面に実装されているLSI18に対向する保護パターン9a、9b、9cにパターンの切断部25を設ける。LSI18は、通常、実装上の都合からコネクタハウジング2から最も離れた位置に実装されている。静電気の放電は、数MHz〜数GHzまでの広範囲な周波数帯を含んだインパルス放電である。保護パターン9の一部が切断されないと、保護パターンの周長が静電気に含まれる周波数の一部の波長と一致した場合共振現象が発生して、保護パターン9の内部にあるLSI18、グラウンドパターン10、電源パターン20、信号線パターン21に対して静電気の放電による大きな磁界で誘起電圧が発生する。これらの誘起電圧がLSI18の入出力、またはLSI18に直接影響し、LSI18の閾値を超えると誤動作や破損が発生する。しかし、切断部25を設けるとこれらを抑えることができる。この静電気やノイズは、車載電子装置が車体の樹脂部分に固定されている時は直接車体にアースされずに、ベース部材8→金属製の凸部24→保護パターン裏面9c→接続メッキ穴19→保護パターン表面9a→キャパシタ22(表面)→接続メッキ穴→線状パターン23(中面)→グラウンドパターン10→接地端子12→接続ピン→外部接地配線15→車体の導電部16、という経路でアースされる。
次に、この切断部25の切断幅Wについて検討する。図8は、車載電子機器に対し、静電気を発生させる静電ガン26を用いて静電気を印加する際の模式図である。車載電子装置が車体の樹脂部分に固定されている時、車載電子装置に印加された静電気は、車載電子装置内の電子基板5と外部接地配線15を通って車体にアースされる。図9は、静電ガン26からの静電気の経路と、保護パターン9の切断部25の幅を検討した図である。通常、静電ガン26と保護パターン9はある程度離れているが、ここでは、電子基板5の直近に配置し、最も厳しい状態での電子基板への印加を想定している。この図において、切断部25の中心線から保護パターン9までの距離をd、保護パターン9の切断部25の幅をW(=2d)、保護パターン9の外周部からグラウンドパターン10までの距離をd、静電ガン26から保護パターン9までの経路をL1(dに依存)、静電ガン26からグラウンドパターン10までの経路をL2(dに依存)とすると、d<d(W<2d)の場合、静電気やノイズはインピーダンスが低いL1経路で保護パターン9へ伝搬し、LSI18への影響を抑える事ができる。d=d(W=2d)の場合はインピーダンスは同じになるが、保護パターン9とグラウンドパターン10との距離dによる絶縁体ギャップがあるため、保護パターンの方(L1)により多くの静電気やノイズが伝搬する。すなわち、最も厳しい状態を想定すると、保護パターン9の切断部25の幅Wは、保護パターン9の外周部からLSI18が実装されているグラウンドパターン10までの距離の2倍以内(W≦2d)であればLSI18への影響を抑える事ができる。
保護パターン9とグラウンドパターン10との距離dが短い場合は、静電気やノイズは容量結合によってグラウンドパターン10に誘起されて伝搬していく。図10は、LSI近傍の保護パターンに切断部を設ける際の説明図である。この図に示すように、グラウンドパターン10はLSI18の実装面を広く覆っているため、切断部25の幅WよりもLSI18の幅が小さい場合、保護パターン9からLSI近傍のグラウンドパターン10aへの容量C1と、保護パターン9から保護パターン9の近傍にありLSIから離れたグラウンドパターン10bへの容量C2とを比較すると、C1はC2に対して斜めになるため相対的距離が増加し、C1の容量はC2の容量よりも低くなる。つまり、保護パターンから容量結合でグラウンドパターンに伝搬されてしまう静電気やノイズは、LSI近傍の保護パターン9に切断部25を入れることによりLSI近傍を通りにくくなり、その結果、LSI18への影響を抑えることができる。
各々の電子部品の接地線だけを結ぶグラウンドパターンの場合は、パターンの配置にも依存するが、上述のC2に相当するLSIから離れたグラウンドパターン10bが無い場合はC1だけになりやすいので、LSI等への静電気やノイズの影響が懸念される。そのため、グラウンドパターン10は、LSI18とその他の電子部品の実装面を広く覆っているのが望ましい。
切断部25の幅WよりもLSI18の幅が広い場合は、LSI18の一部が保護パターンで覆われることになる。この場合、LSI18の保護パターン9に対向する部分では、LSI18の直下のグラウンドパターン10に静電気やノイズが伝搬することになる。しかし、LSI18の切断部25に対向する部分では、静電気やノイズは伝搬しない。これらの結果、LSI18全体としては、全部が保護パターン9と対向している時よりも静電気やノイズの伝搬量が減少することとなる。つまり、LSI18近傍に切断部25を設けることで、静電気やノイズの影響を低減する事ができる。なお、保護パターン9の静電気やノイズは、保護パターン表面9a→キャパシタ22(表面)→接続メッキ穴→線状パターン23(中面)→グラウンドパターン10→接地端子12→接続ピン→外部接地配線15→車体の導電部16、という経路でアースされる。
上記の様に、静電気やノイズの影響を下げるには、グラウンドパターン10を取り囲んで電子基板5の外周部に保護パターン9を配置し、LSI18に対向する保護パターン9に切断部25を設ければ良いが、好ましくは、グラウンドパターン10はLSI18の実装面を広く覆っているのが良く、より好ましくは、この切断部25の幅Wは、W≦2dであり、さらに好ましくは、これらに加えて切断部25の幅Wは対向するLSI18の幅よりも広い方が良い。
なお、図5に示すように、ここでは保護パターン表面9aはキャパシタ22と接続メッキ穴を介してグラウンドパターン10に接続されているが、接地端子12の位置がコネクタハウジング2の端部にある等、キャパシタ22を設置する場所が電子基板5の裏面等にある場合は、保護パターン9はキャパシタ22を介して接地端子12に接続しても良い。この場合、静電気やノイズは、保護パターン裏面9c→キャパシタ22(裏面)→接地端子12→接続ピン→外部接地配線15→車体の導電部16、という経路でアースされる。
このように構成された車載電子装置によれば、保護パターン9はLSI18に対向する部分に切断部25を有するので、保護パターン9がループアンテナとして作動せず、また、静電気やノイズは保護パターン9へ伝導しやすくなり、接地端子12から外部接地配線15を通って車体の導電部16へアースされるので、LSIの誤動作や破損を防ぐ事が可能となる。
また、切断部25の幅を保護パターン9の外周部からLSI18が実装されているグラウンドパターン10までの距離の2倍以内とすると、静電気やノイズは保護パターンへ伝導しやすくなるため、LSI18の誤動作を防ぐ事ができる。
また、保護パターン9は、ベース部材8と導体で接続されると共に、グラウンドパターン10又は接地端子12と、キャパシタ22を介して接続されると、静電気のDC成分はキャパシタ22を通過せず高周波成分が保護パターン9を通って車体にアースされるため、LSI18の誤動作を防ぐ事ができる。この時、保護パターン9と接地端子12をキャパシタ22で接続する場合は、外部接地配線15への距離が短くなるのでさらに低インピーダンスで接地することができる。
また、保護パターン9とベース部材8の接続をベース部材8とカバー部材1を固定する固定ねじ部とすると、保護パターン9とベース部材8とが確実に接続されるので、低インピーダンスで接地することができる。
実施の形態2.
実施の形態1の保護パターン9は、ベース部材8と導体で接続されていたが、ここでは高誘電体を用いる方法について述べる。図11、12は、この発明を実施するための実施の形態2における電子基板の平面図である。図11は電子基板の表面の平面図であるが、グラウンドパターン10は中面を透視した図である。また、図12は電子基板の表面から裏面を透視した平面図であるが、グラウンドパターン10は中面を透視した図である。これらの図に示すように、LSI18近傍の保護パターン9に切断部25を設けている。
図12に示すように、4点の固定ねじ7近傍で保護パターン裏面9cのレジストを一部はがして、金属製の凸部24を設け、ここに高誘電体27を配置する。高誘電体材料として、例えば、比誘電率は45程度で、厚さは20〜50μmのシートが実用化されている(「キャパシタ内蔵基板用高誘電率絶縁シート」、日立化成テクニカルレポートNo.43、P.15〜18)。この材料は、絶縁破壊電圧が400Vであり、電源パターンに印加される最大電圧であるDC12V以上のため問題はない。
また、高誘電体としてシリコンゴムのような弾力性のある誘電体(比誘電率3.0〜3.5)を用いてもよい。シリコンゴムは弾力性があるため、保護パターンとベース部材を確実に接続することができる。
このとき、絶縁破壊を起こさない範囲で、できるだけ金属製の凸部24を高くして、高誘電体の厚さを薄くすると低インピーダンスにすることができ、静電気やノイズをアースする際に望ましい。また、保護パターン裏面9cに金属製の凸部24を設けることについて述べたが、ベース部材8の形状を加工し金属製の凸部を設けても良い。
このように、ベース部材8と保護パターン9を高誘電体27(キャパシタ)により、AC的に接続し、且つDC的に分離したので、実施の形態1のように保護パターン9からグラウンドパターン10又は接地端子12への接続はキャパシタを使う必要がない。そのため、図11に示すように、導体パターン28により、保護パターン表面9aと接地端子12を電気的に接続できる。このような構成のため、車載電子装置が車体の樹脂部分に固定されている時、静電気やノイズは、ベース部材8→高誘電体27→金属製の凸部24→保護パターン裏面9c→接続メッキ穴19→保護パターン表面9a→導体パターン28(表面)→接地端子12→接続ピン→外部接地配線15→車体の導電部16、という経路でアースされる。
なお、保護パターン中面9bとグラウンドパターン10の線状パターン23とを導体パターンで接続してもよい。この場合、静電気やノイズは、ベース部材8→高誘電体27→金属製の凸部24→保護パターン裏面9c→接続メッキ穴19→保護パターン中面9b→導体パターン(中面)→線状パターン23(中面)→グラウンドパターン10→接地端子12→接続ピン→外部接地配線15→車体の導電部16、という経路でアースされる。
このように構成された車載電子装置によれば、キャパシタとして機能する高誘電体27を介してベース部材8と保護パターン9とを接続したので、静電気の放電時のDC成分は高誘電体27を通過せず、高周波成分は保護パターン9を通って車体にアースされるため、LSI18の誤動作を防ぐ事ができる。
また、コネクタハウジング2近傍では、スペースの関係上キャパシタなどの部品を実装することは難しいが、高誘電体27を用いてベース部材8と保護パターン9とを接続したので、コネクタハウジング2近傍で導体を用いて保護パターン9と、グラウンドパターン10又は接地端子12とを接続できる。そのため、設計や製造の裕度が向上する。
また、導体パターン28により保護パターン9と接地端子12とを接続すると、保護パターン9に重畳した静電気を低インピーダンスで車体の導電部16に逃がすことができると共に、保護パターン9とグラウンドパターン10を直接接続しないので、LSI18の誤動作を防ぐ事ができる。
実施の形態3.
実施の形態1、2では、ベース部材8の静電気やノイズは保護パターン9を経由して車体にアースされていたが、ここでは、この経路と共に、静電気のアースの別経路をも有する形態について述べる。図13は、この発明を実施するための実施の形態3における電子基板の平面図である。この図は、電子基板の表面から裏面を透視した図であるが、グラウンドパターン10は中面を透視した図である。図14は、図13のC−C断面を示す。
図13に示すように、電子基板裏面5cのコネクタハウジング2近傍で、グラウンドパターン10の下方に、グラウンドパターン10から独立した銅箔の島状パターン29を設ける。島状パターン29の表面は、レジストをはがして導電面を露出させるか、または導電塗装する。図14に示すように、島状パターン29の下方のベース部材8を島状パターン29方向に突出させて、ベース部材8と島状パターン29を電気的に接続させる。このとき、電気的に接続されやすいように島状パターン29の銅箔の表面またはベース部材8に金属製の凸部24を設けることが望ましい。
次に、キャパシタ22と導体パターンを用いて、島状パターン29と接地端子12とを電気的に接続する。図13では接地端子12のみの一点で接続したが、複数の端子で接続すると、さらに効果的である。その他のベース部材8と保護パターン10の接続方法、あるいは保護パターン9とグラウンドパターン9の接続方法は実施の形態1と同様である。このような構成のため、静電気やノイズは、ベース部材8→金属製の凸部24→島状パターン29→キャパシタ22→導体パターン→接地端子12→接続ピン→外部接地配線15→車体の導電部16、という経路でアースされると共に、実施の形態1と同じく保護パターンから接地端子にもバイパスされる。
なお、上記の接続の代わりに、島状パターンは、キャパシタ22と接続メッキ穴を介して中面のグラウンドパターン10に接続されても良い。この場合、静電気やノイズは、ベース部材8→金属製の凸部24→島状パターン29→キャパシタ22→接続メッキ穴→グラウンドパターン10→接地端子12→接続ピン→外部接地配線15→車体の導電部16、という経路でアースされると共に、実施の形態1と同じく保護パターンから接地端子にもバイパスされる。
同様な方法で、実施の形態2に加え、島状パターンは、ベース部材と高誘電体で接続されると共に、グラウンドパターン又は接地端子と導体で接続されても良い。この場合、静電気やノイズは、ベース部材8→高誘電体27→金属製の凸部24→島状パターン29→接続メッキ穴→グラウンドパターン10→接地端子12→接続ピン→外部接地配線15→車体の導電部16、という経路か、ベース部材8→高誘電体27→金属製の凸部24→島状パターン29→導体パターン→接地端子12→接続ピン→外部接地配線15→車体の導電部16という経路で車体にアースされる。これらも実施の形態2と同じく静電気やノイズは、保護パターンから接地端子にもバイパスされる。
このように構成された車載電子装置は、保護パターン以外に島状パターンも設けられているので、静電気を保護パターンから接地端子にバイパスする経路と、静電気が印加されるベース部材から島状パターン経由で接地端子まで最も低インピーダンスで接続して車体にアースする2つの経路が構築されているため、静電気によるLSIへの影響を防止できる。
この発明の実施の形態1を示す車載電子装置の上面図である。 この発明の実施の形態1による、図1のA方向から見た車載電子装置のコネクタハウジング端面図である。 この発明の実施の形態1による、図2のB−B線による断面図である。 この発明の実施の形態1を示す電子基板の断面図である。 この発明の実施の形態1を示す電子基板の表面の平面図である。 この発明の実施の形態1を示す電子基板の裏面の平面図である。 この発明の実施の形態1を示す電子基板の裏面の平面図である。 この発明の実施の形態1を示す静電ガンを用いて静電気を印加する模式図である。 この発明の実施の形態1を示す保護パターンの切断部の幅の検討図である。 この発明の実施の形態1を示すLSI近傍の保護パターンに切断部を設ける際の説明図である。 この発明の実施の形態2を示す電子基板の裏面の平面図である。 この発明の実施の形態2を示す電子基板の表面の平面図である。 この発明の実施の形態2を示す電子基板の裏面の平面図である。 この発明の実施の形態2を示す図13のC−C断面による平面図である。
符号の説明
1 カバー部材
2 コネクタハウジング
2a 外部接続コネクタ
3 ねじ穴
4 接続ピン
5 電子基板
5a 電子基板表面
5c 電子基板裏面
6 仕切壁
7 固定ねじ
8 ベース部材
9 保護パターン
9a 保護パターン表面
9b 保護パターン中面
9c 保護パターン裏面
10 グラウンドパターン
10a LSI近傍のグラウンドパターン
10b LSIから離れたグラウンドパターン
11 端子
12 接地端子
13 取付け足
14 ワイヤハーネス
15 外部接地配線
16 車体の導電部
17 車載バッテリ
18 LSI
19 接続メッキ穴
20 電源パターン
21 信号線パターン
22 キャパシタ
23 線状パターン
24 金属製の凸部
25 切断部
26 静電ガン
27 高誘電体
28 導体パターン
29 島状パターン
C1 保護パターン9からLSI近傍のグラウンドパターン10aへの容量
C2 保護パターン9から保護パターン9の近傍にありLSIから離れたグラウンドパターン10bへの容量
切断部25の中心線から保護パターン9までの距離
保護パターン9とグラウンドパターン10との距離
保護パターン9の外周部からグラウンドパターン10までの距離
L1 静電ガン26から保護パターン9までの経路
L2 静電ガン26からグラウンドパターン10までの経路
W 切断部25の幅

Claims (7)

  1. 金属製のベース部材と、このベース部材を覆うカバー部材と、前記ベース部材と前記カバー部材との間にある電子基板と、この電子基板の端子に接続された接続ピンを有するコネクタハウジングと、前記コネクタハウジング内の或る接続ピンに接続され、外部接地配線によって車体の導電部に接地される前記電子基板内の接地端子と、前記電子基板上に実装され、電子装置の制御を行うLSIと、前記電子基板に設けられ、前記LSIの接地線と前記接地端子とを接続するグラウンドパターンと、前記グラウンドパターンを取り囲んで前記電子基板の外周部に配置され、前記ベース部材と前記グラウンドパターン又は前記接地端子とに接続され、前記LSIに対向する部分に切断部を設けた保護パターンとを備え、前記保護パターンの切断部の幅は、前記保護パターンの外周部から前記LSIが実装されている前記グラウンドパターンまでの距離の2倍以内としたことを特徴とする車載電子装置。
  2. 金属製のベース部材と、このベース部材を覆うカバー部材と、前記ベース部材と前記カバー部材との間にある電子基板と、この電子基板の端子に接続された接続ピンを有するコネクタハウジングと、前記コネクタハウジング内の或る接続ピンに接続され、外部接地配線によって車体の導電部に接地される前記電子基板内の接地端子と、前記電子基板上に実装され、電子装置の制御を行うLSIと、前記電子基板に設けられ、前記LSIの接地線と前記接地端子とを接続するグラウンドパターンと、前記グラウンドパターンを取り囲んで前記電子基板の外周部に配置され、前記ベース部材と前記グラウンドパターン又は前記接地端子とに接続され、前記LSIに対向する部分に切断部を設けた保護パターンとを備え、前記保護パターンは、前記ベース部材と高誘電体を介して接続されていることを特徴とする車載電子装置。
  3. 金属製のベース部材と、このベース部材を覆うカバー部材と、前記ベース部材と前記カバー部材との間にある電子基板と、この電子基板の端子に接続された接続ピンを有するコネクタハウジングと、前記コネクタハウジング内の或る接続ピンに接続され、外部接地配線によって車体の導電部に接地される前記電子基板内の接地端子と、前記電子基板上に実装され、電子装置の制御を行うLSIと、前記電子基板に設けられ、前記LSIの接地線と前記接地端子とを接続するグラウンドパターンと、前記グラウンドパターンを取り囲んで前記電子基板の外周部に配置され、前記ベース部材と前記グラウンドパターン又は前記接地端子とに接続され、前記LSIに対向する部分に切断部を設けた保護パターンとを備え、前記電子基板上には、前記グラウンドパターンから独立したパターンを更に設け、該パターンは、前記ベース部材と高誘電体を介して接続されると共に、前記グラウンドパターン又は接地端子と接続されていることを特徴とする車載電子装置。
  4. 前記保護パターンは、前記グラウンドパターン又は前記接地端子と、キャパシタを介して接続される請求項1または3に記載の車載電子装置。
  5. 前記高誘電体は、シート又はゴム状弾性体である請求項2または3に記載の車載電子装置。
  6. 前記保護パターンと前記ベース部材の接続は、前記ベース部材と前記カバー部材を固定する固定ねじ部である請求項1〜3のいずれか一項に記載の車載電子装置。
  7. 前記グラウンドパターンから独立したパターンは、前記グラウンドパターン又は前記接地端子と、キャパシタを介して接続される請求項に記載の車載電子装置。
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