JP5881849B2 - 電子機器および電磁ノイズ対策方法 - Google Patents
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Description
バックボードは、プリント基板を接続する複数のコネクタを備え、各コネクタのコネクタピンを経由して各プリント基板の回路パターン(電源、信号およびグラウンドなど)と電気的に接続される。
シグナルグラウンドを有する複数の回路基板と、
前記複数の回路基板それぞれのシグナルグラウンドと導通する導通板と、
前記複数の回路基板と前記導通板とを収容すると共に、フレームグラウンドとして機能するフレーム面を有する基板収容フレームと、
前記基板収容フレームの前記フレーム面と前記導通板との間に設けられる誘電体とを備える。
プリント基板の信号GND(SG:シグナルグラウンド)に発生する電磁ノイズを外部へ逃がすと共に、外部で発生する電磁ノイズに対するプリント基板の耐量を高める形態について説明する。
実施の形態1における電子機器100について、図1に基づいて説明する。
カードバスケット110は金属板から成り、または、金属面を有し、収容される複数のプリント基板130を保護する保護ケースとして機能する他、接地されるフレームGND(FG:フレームグラウンド)として機能する。
バックボード120は、並行に並べて配置された複数のコネクタ121を備える。
複数のプリント基板130は、各コネクタ121に一枚ずつ嵌め込んで接続されることにより、並行に並べて配置される。
プリント基板130は、電子回路の基準電位を定める信号GND131を有する。
信号GND131は、回路パターンのうち電子回路の基準電位を定める部分である。
また、信号GND131には、金属バー140を接続するためのねじ穴が設けられている。
金属バー140は、複数のプリント基板130それぞれの信号GND131と接続するための複数の接続部141を備える。また、各接続部141はねじ142を入れるねじ穴を有する。
金属バー140は、各接続部141が各プリント基板130の信号GND131にねじ止めされることによって、複数のプリント基板130に固定されると共に、各プリント基板130の信号GND131と導通する。
但し、金属バー140に複数の切り込みを設け、各切り込みにプリント基板130を嵌め込むことによって、金属バー140と複数のプリント基板130とを接続しても構わない。また、その他の方法で金属バー140と複数のプリント基板130とを接続しても構わない。
誘電体150は、金属バー140とカードバスケット110(の金属製の底面)と共に、特定の周波数特性を有するコンデンサを構成する。
ノイズ対策コンデンサ159は、電子機器100を構成する際の妨げにならなければ、プリント基板130の信号GND131の位置に応じてカードバスケット110の底面側以外の部分(例えば、カードバスケット110の金属製の天面側)に設けても構わない。
図2の(a)は実施の形態1における電子機器100の電磁ノイズ139の流れを示し、図2の(b)は従来における電子機器109の電磁ノイズ139の流れを示している。
一方、コンデンサ(ノイズ対策コンデンサ159を含む)は、低周波の交流電流が流れにくく、高周波の交流電流が流れやすい、という周波数特性を有する。
そのため、ノイズ対策コンデンサ159は、プリント基板130の信号GND131に発生する高周波(例えば、30MHz以上)の電磁ノイズをカードバスケット110の外部へ流すことができる(図2の(a)参照)。
この場合、ノイズ対策コンデンサ159は、外部で発生する低周波の電磁ノイズ(低周波ノイズまたは外来ノイズともいう)を遮断し、この電磁ノイズがプリント基板130の電子回路へ流れないようにすることができる。
外部で高周波の電磁ノイズが発生し、この電磁ノイズが外部からカードバスケット110へ流れた場合、この電磁ノイズはノイズ対策コンデンサ159を介してプリント基板130の電子回路へ混入する可能性がある。しかし、ノイズ対策コンデンサ159は高周波の電磁ノイズを外部へ逃がすため、外部から混入した高周波の電磁ノイズはプリント基板130の電子回路に滞留しない。
また、ノイズ対策コンデンサ159の容量は、金属バー140とカードバスケット110との間隔(つまり、誘電体150の厚さ)、または誘電体150の材質などを変えることによって、調整することもできる。
ノイズ対策コンデンサ159の周波数特性は、例えば、ノイズ対策コンデンサ159の容量を変えることによって調整することができる。
つまり、このノイズ対策コンデンサ159は、電磁ノイズ(交流電流)の周波数が低ければインピーダンスが大きく、電磁ノイズの周波数が高くなるに従ってインピーダンスが低下する。但し、電磁ノイズの周波数が約1000Hzを超えると、ノイズ対策コンデンサ159のインピーダンスは電磁ノイズの周波数が高くなるに従って高くなる。
このような周波数特性を有するノイズ対策コンデンサ159は、周波数が高い特定の周波数帯(例えば、30MHzから1000Hz程度)の電磁ノイズを逃がしやすく、低周波(例えば、10MHz以下)の電磁ノイズを遮断しやすい。
複数のプリント基板130は並行に並べてカードバスケット110内に実装され、各プリント基板130の信号GND131は金属バー140を介して導通される。
金属バー140とカードバスケット110との間には誘電体150が挟みこまれ、金属バー140と誘電体150とカードバスケット110とがノイズ対策コンデンサ159を構成する。
ノイズ対策コンデンサ159は、各プリント基板130の信号GND131に発生する高周波の電磁ノイズおよび外部から混入する高周波の電磁ノイズをカードバスケット110からアースへ逃がし、外部で発生する低周波の電磁ノイズを遮断する。
これにより、プリント基板130の電子回路内の電磁ノイズが低減されると共に外来ノイズに対するプリント基板130の耐量が向上し、プリント基板130の電子回路が安定して動作しやすくなる。
図4は、放送または通信で利用されている周波数範囲を示すグラフである。
国際規格CIRPR publ.11(放射電磁界)は、電子機器の動作中に電子機器から空中を伝播してテレビまたは通信機器などに影響を与える電磁波(例えば、図4に示す周波数帯の電磁波)の強度を規制するための規格である。この電磁波の強度は妨害波電界強度とも呼ばれる。
国際規格IEC 61000−4−2(静電気イミュニティ)は、人体に帯電した静電気が放電するときに発生する電圧に対する電子機器の耐量についての規格である。
実施の形態1の効果を高める形態について説明する。
以下、実施の形態1と異なる事項について主に説明する。説明を省略する事項については実施の形態1と同様である。
実施の形態2における電子機器100について、図5に基づいて説明する。
つまり、電子機器100は、金属バー140と誘電体150とカードバスケット110(の金属面)とで構成するノイズ対策コンデンサ159を複数有する。言い換えると、電子機器100は、並列に接続した複数のノイズ対策コンデンサ159を有する。
また、複数のノイズ対策コンデンサ159を設けることにより、複数のノイズ対策コンデンサ159の全体の容量を大きくすることが容易になる。このため、複数のノイズ対策コンデンサ159の全体で、所望の周波数特性を有するノイズ対策用のコンデンサを構成することが容易になる。
信号GND131と金属バー140とを簡単な工作で導通させる形態について説明する。
以下、実施の形態1と異なる事項について主に説明する。説明を省略する事項については実施の形態1と同様である。
実施の形態3における電子機器100について、図6に基づいて説明する。
但し、バネ金属132はJ字形以外の形状(例えば、U字形、L字形)であってもよいし、板ばね以外のばね(例えば、コイルばね)であってもよい。
所望の周波数特性を有するノイズ対策用のコンデンサを構成することを容易にする形態について説明する。
以下、実施の形態1と異なる事項について主に説明する。説明を省略する事項については実施の形態1と同様である。
実施の形態4における電子機器100について、図7に基づいて説明する。
つまり、補助コンデンサ134の一方の電極部は一方の信号GND131aに接続し、補助コンデンサ134の他方の電極部は他方の信号GND131bに接続する。したがって、補助コンデンサ134とノイズ対策コンデンサ159とは直列に接続する。
例えば、補助コンデンサ134は、チップ形のコンデンサである。但し、補助コンデンサ134は、チップ形以外のコンデンサ(例えば、リード形のコンデンサ)であっても構わない。
つまり、ノイズ対策コンデンサ159および補助コンデンサ134は、特定の周波数特性を有する一つのノイズ対策用のコンデンサを構成する。
このため、所望の周波数特性を得るために必要な容量を有するノイズ対策コンデンサ159を構成することが困難な場合がある。
言い換えると、ノイズ対策コンデンサ159と補助コンデンサ134とを組み合わせることによって、所望の周波数特性を有するノイズ対策用のコンデンサを構成することができる。
これにより、特定の周波数帯の電磁ノイズだけを通過させることができる。
プリント基板130間の電磁干渉を抑止する形態について説明する。
以下、実施の形態1と異なる事項について主に説明する。説明を省略する事項については実施の形態1と同様である。
図8に示すようにプリント基板130aとプリント基板130dとを電磁干渉抑止距離Lだけ離して配置することにより、プリント基板130aとプリント基板130dとの間で発生する電磁干渉を抑止することができる。
電磁干渉抑止距離Lは、隣り合うプリント基板130a・dの電磁干渉を抑止するために予め決められた設計値である。
Claims (5)
- シグナルグラウンドを有する複数の回路基板と、
前記複数の回路基板それぞれのシグナルグラウンドと導通する導通板と、
前記複数の回路基板と前記導通板とを収容すると共に、フレームグラウンドとして機能するフレーム面を有する基板収容フレームと、
前記基板収容フレームの前記フレーム面と前記導通板との間に設けられる誘電体とを備え、
前記回路基板は、前記シグナルグラウンドとして第一のシグナルグラウンドを有し、さらに、第二のシグナルグラウンドと、前記第一のシグナルグラウンドと前記第二のシグナルグラウンドとに跨って接続されるコンデンサ部品とを有する
ことを特徴とする電子機器。 - 前記導通板と前記誘電体と前記フレーム面とが特定の周波数特性を有するコンデンサを構成し、前記コンデンサが前記複数の回路基板それぞれのシグナルグラウンドに発生する電磁ノイズを前記基板収容フレームの外部へ逃がすと共に、前記コンデンサが前記基板収容フレームの外部で発生する外来ノイズであって前記電磁ノイズより周波数が低い外来ノイズを遮断することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
- 前記複数の回路基板それぞれのシグナルグラウンドと前記導通板とを導通させる複数の金属ばねを備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子機器。
- 前記複数の回路基板は、電磁干渉を抑止するために予め定められた電磁干渉抑止距離以上離して配置されることを特徴とする請求項1から請求項3いずれかに記載の電子機器。
- 複数の回路基板それぞれに、第一のシグナルグラウンドと、第二のシグナルグラウンドと、前記第一のシグナルグラウンドと前記第二のシグナルグラウンドとに跨って接続されるコンデンサ部品とを設けて、
前記複数の回路基板それぞれの前記第一のシグナルグラウンドに導通板を接続し、
フレームグラウンドとして機能するフレーム面を有する基板収容フレームに、前記複数の回路基板と前記導通板とを収容し、
前記フレーム面と前記導通板との間に誘電体を設ける
ことを特徴とする電磁ノイズ対策方法。
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