JP2504512Y2 - ガイドレ―ル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は収納ケース内に設置さ
れ、回路基板を所定位置に案内し保持するガイドレール
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のガイドレールとして、プ
リント基板を案内する長手の基板案内部材と、収納ケー
スに固定して上記基板案内部材を所定位置に保持する固
定部材とからなる構成がある。基板案内部材と固定部材
とは共に導電性を有する金属製品である。基板案内部材
は、プリント基板を案内すると共にプリント基板の導電
パターンとの導通を図る案内片を備える。固定部材は基
板案内部材を保持するため長手方向に設けた枠を備え
る。この固定部材の枠に基板案内部材をその一端から挿
入しスライドさせて、枠内に長手の基板案内部材をセッ
トする。基板案内部材をセットした固定部材は収納ケー
スにねじ止め等により固定する。このようにして収納ケ
ースに固定したガイドレールの基板案内部材にプリント
基板を差し込み、プリント基板を収納ケースの所定位置
にセットする。この状態では、プリント基板の導電パタ
ーンは基板案内部材の案内片に接触しており、基板案内
部材と固定部材とが共に導電性を有することから、プリ
ント基板の導電パターンが収納ケースの導電性部位に導
通する。したがって、例えばプリント基板のアースパタ
ーンをガイドレールを介して収納ケースの導電性部位に
導通させ、プリント基板の電源ラインにのるノイズの低
減を図るといったことができる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のガイドレールは以下のように機能上の問題がある。
まず、プリント基板に固定した部品の足がガイドレール
に接触しガイドレールと導通してしまうおそれがある。
また、基板案内部材を固定部材にスライドさせたり、固
定部材を収納ケースに固定する工程で作業者の手が各部
材に触れやすく部材の腐食をまねく。さらに、収納ケー
スにガイドレールを止めるねじが運搬時の振動などによ
り緩むと、ガイドレールと収納ケースとが不導通になる
ことがあり、導通の安定性に欠けるという問題がある。

【０００４】本考案は上記課題を解決し、この種のガイ
ドレールの導通の安定性等の機能向上を図ることを目的
とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案のガイドレール
は、導電性の部位を有する収納ケース内に設置され、該
収納ケース内に搬入される回路基板を所定位置に案内し
保持するガイドレールであって、上記回路基板を案内す
るための回路基板通路，及び上記収納ケースへの固定の
ための固定部が形成された絶縁性材料からなる固定部材
と、該固定部材に収納され、上記回路基板通路に沿って
両側に配置される一対の立設片及び該一対の立設片を連
結する連結部により断面コの字状に形成された導電性材
料からなる基板案内部材と、からなり、上記基板案内部
材を構成する上記立設片は、上記回路基板通路側に向け
て突設された湾曲形状の案内片を備えると共に、上記連
結部は、上記立設片とは反対側に向けて突設された湾曲
形状の押圧片を備え、更に、上記固定部材は、上記基板
案内部材を収納するための収納部を備え、上記収納ケー
スとの接触面側に、該収納部に収納される上記基板案内
部材を挿入するための挿入口が形成されると共に、上記
回路基板通路側に、上記基板案内部材が必要以上に挿入
されることを禁止して、上記収納部に収容された上記基
板案内部材の押圧片の先端部を上記接触面から突出させ
るストッパが形成されていることを特徴とする。

【０００６】

【作用】本考案のガイドレールにおいては、導電性材料
からなる基板案内部材を、絶縁性材料からなる固定部材
に形成された挿入口から収納部に挿入し、ストッパによ
りそれ以上の挿入が禁止される位置に収納すると、基板
案内部材の一対の立設片が固定部材により形成された回
路基板通路に沿って両側に配置されると共に、押圧片の
先端部が固定部材の挿入口が設けられた接触面から突出
した状態に保持される。そして、このように基板案内部
材と固定部材とが一体化されたガイドレールを、固定部
材の接触面が収納ケースに当接するように固定すると、
押圧片が収納部側にたわみ、そのたわみにより生じる付
勢力で収納ケースの導電性部位を押圧する。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の実施例を説明する。図１に示
すように、ガイドレール１は導電性の収納ケースＣ内に
対向して設置されており、収納ケースＣ内に搬入される
回路基板Ｂを所定位置に案内し保持する。

【０００８】このガイドレール１の構造を透視した斜視
図を図２に示す。また、図３にはガイドレールの平面
図、図４には底面図、図５には側面断面図を示す。各図
に示すように、ガイドレール１は基板案内部材３と、固
定部材５とからなる。

【０００９】基板案内部材３は導電性の金属材料からな
り、表面に案内片７を有し、裏面に押圧片９を有する。
案内片７はプリント基板Ｂを案内しかつプリント基板Ｂ
のアースパターンを押圧するものである。裏面の押圧片
９は収納ケースＣの導電性部位を押圧するものである。
図６に基板案内部材３の平面図、図７に底面図、図８に
側面図を示す。

【００１０】各図に示すように、基板案内部材３の表面
の両脇に案内片７の対向する対が複数立設されている。
案内片７は基板案内部材３の長手方向の中心に向かって
接近する湾曲形状を有する。図９の拡大図、および図１
１の正面図に示すように、対向する案内片７の先端には
微小の隙間をあけて対面する突起７ａが形成されてい
る。案内片７の両脇の立設片１１には係止口１３が形成
されている。

【００１１】基板案内部材３の裏面の押圧片９は、裏面
より離間する湾曲形状を有し、先端に突起９ａが形成さ
れている。押圧片９が形成された基板案内部材３の両脇
には補強のため板材の折曲部１５が形成されている。次
に、固定部材５を説明する。図１２に固定部材５の平面
図、図１３に底面図、図１４に側面図、図１５に側面断
面図、図１６および図１７に縦断面図を示す。

【００１２】固定部材５は絶縁性の樹脂材料からなる。
固定部材５の裏面側には上記基板案内部材３が押し込ま
れる挿入口１７を有する収納部１９が構成されている。
収納部１９の側面には、基板案内部材３の係止口１３に
係合する突起２１が形成されている（図１５，１６，１
７参照）。この突起２１は、基板案内部材３の挿入を妨
げないように、挿入口１７側が傾斜面になっている。

【００１３】固定部材５の表側には収納部１９に収納さ
れる基板案内部材３のそれ以上の押し込みを禁止するス
トッパ２３が形成されている。このストッパ２３は両側
に形成され、表面側にて基板案内部材３の案内片７を露
出する回路基板の通路２５を構成する。

【００１４】さらに、固定部材５の両端部には収納ケー
スへの固定部２７を備える。各固定部２７には収納ケー
スＣに固定する固定具を挿入する挿入孔２９あるいは挿
入孔３１が形成されている。一方の挿入孔３１は位置決
めのため長孔として形成されている。

【００１５】上記構成を備えるガイドレール１は以下の
ように作用する。絶縁性部材である固定部材５の裏面の
挿入口１７から導電性である基板案内部材３を挿入しそ
の収納部１９に収納する。基板案内部材３は固定部材５
の表側のストッパ２３に当接する位置まで押し込まれ
る。押し込まれた時点で基板案内部材３の両脇の係止口
１３に固定部材５の収納部１９の両壁の突起２１が係合
し、基板案内部材３の脱落が阻止される。この状態では
基板案内部材３の押圧片９が挿入口１７より突出してい
る（図５参照）。

【００１６】次に、基板案内部材３を収納した固定部材
５の固定部２７を収納ケースＣに固定する。以上の作業
は絶縁性の固定部材５を持ってなされるから基板案内部
材３に手が触れにくく、したがって腐食を招きにくい。
固定すると、固定部材５の裏面の挿入口１７から突出す
る基板案内部材３の押圧片９は収納部１９側にたわみ、
そのたわみにより生ずる付勢力で収納ケースＣの導電性
部位を押圧する。しかも、押圧片９の突起９ａの点接触
のため接触圧が高い。したがって、固定部材５を収納ケ
ースＣに固定しただけで、収納ケースＣの導電性部位と
基板案内部材３とを導通させることができ、しかも押圧
状態で接触するため導通状態を極めて安定したものとす
ることができる。この結果、例えばプリント基板Ｂのア
ースパターンをガイドレール１を介して収納ケースＳの
導電性部位に導通させれば、プリント基板の電源ライン
にのるノイズの低減効果が安定して得られる。また、固
定部材５を収納ケースＣに固定してしまうと、基板案内
部材３を挿入した挿入口１７が、収納ケースＣにより塞
がれてしまうため、外部からどのような力が加えられて
も、基板案内部材３が固定部材５から脱落することがな
く、信頼性を向上させることができる。

【００１７】さらに、プリント基板Ｂに固定した部品の
足が固定部材５に接触したとしても固定部材５は絶縁性
であるから、電気回路がショートするおそれがない。以
上説明したガイドレール１は、導電性の基板案内部材３
と、絶縁性の固定部材５とにより、腐食を招きにくく、
プリント基板Ｂの回路パターンと収納ケースとの導通が
安定し、さらに、電気回路のショートのおそれがないと
いう優れた効果を奏する。

【００１８】以上、本考案の実施例について詳述した
が、本考案は何等実施例に限定されるものではなく、本
考案の趣旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実
施しえることは勿論である。

【００１９】

【考案の効果】以上、詳述したように本考案のガイドレ
ールによれば、固定部材への基板案内部材の取付は、固
定部材に形成された挿入口からストッパにより位置決め
される場所まで挿入するだけでよいため、取付作業を極
めて容易に行なうことができる。また、導電性材料から
なる基板案内部材は、外部に露出する部分が殆どないよ
うに絶縁性材料からなる固定部材内部に収納され、ガイ
ドレールを収納ケースに取り付ける作業時等に、作業者
の手が触れにくいようにされているので、基板案内部材
の腐食を防止できると共に、作業者が基板案内部材の縁
や角に触れることによる怪我等の事故を防止できる。ま
た、本考案によれば、基板案内部材と固定部材とが一体
化された状態において、基板案内部材の押圧片が、固定
部材の接触面から突出するようにされているので、ガイ
ドレールを収納ケースに固定しただけで、基板案内部材
と収納ケースの導電性部位とを導通させることができ、
しかも押圧片と導電性部位とは押圧状態で接触するの
で、安定した導通を得ることができる。更に、本考案に
よれば、ガイドレールを収納ケースに一旦取り付けてし
まうと、基板案内部材を挿入した挿入口が、収納ケース
により塞がれてしまうと共に、回路基板通路側にはスト
ッパが形成されているため、外部からどのような力が加
えられても、基板案内部材が固定部材から脱落すること
がなく、信頼性を向上させることができる。このよう
に、基板案内部材の挿入口が、収納ケースとの接触面側
に形成されていることにより、基板案内部材の固定部材
からの脱落防止を、ストッパだけという極めて簡易な構
成にて実現することができる。また更に、ガイドレール
を収納ケースに取り付け、回路基板通路にプリント基板
を挿入した状態では、基板案内部材は、固定部材の外部
に露出された部分が全くなく、プリント基板上に固定さ
れた部品の足がガイドレールに接触したとしても、絶縁
性材料からなる固定部材に接触するだけなため、電気回
路がショートするおそれがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例としてのガイドレールの使用
状態を示す説明図である。

【図２】ガイドレールの構造を示す斜視図である。

【図３】ガイドレールの平面図である。

【図４】ガイドレールの底面図である。

【図５】ガイドレールの側面断面図である。

【図６】基板案内部材の平面図である。

【図７】基板案内部材の底面図である。

【図８】基板案内部材の側面図である。

【図９】基板案内部材の案内片の拡大図である。

【図１０】基板案内部材の押圧片を示す図６のＡ−Ａ線
断面図である。

【図１１】基板案内部材の正面図である。

【図１２】固定部材の平面図である。

【図１３】固定部材の底面図である。

【図１４】固定部材の側面図である。

【図１５】固定部材の側面断面図である。

【図１６】固定部材を示す図１２のＢ−Ｂ線断面図であ
る。

【図１７】固定部材を示す図１２のＣ−Ｃ線断面図であ
る。

【符号の説明】

１…ガイドレール， ３…基板案内部材，５…固
定部材， ７…案内片，９…押圧片，
１７…挿入孔，１９…収納部， ２５…
通路，２７…固定部， Ｂ…プリント基
板，Ｃ…収納ケース

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 導電性の部位を有する収納ケース内に設
   置され、該収納ケース内に搬入される回路基板を所定位
   置に案内し保持するガイドレールであって、 上記回路基板を案内するための回路基板通路，及び上記
   収納ケースへの固定のための固定部が形成された絶縁性
   材料からなる固定部材と、 該固定部材に収納され、上記回路基板通路に沿って両側
   に配置される一対の立設片及び該一対の立設片を連結す
   る連結部により断面コの字状に形成された導電性材料か
   らなる基板案内部材と、 からなり、 上記基板案内部材を構成する上記立設片は、上記回路基
   板通路側に向けて突設された湾曲形状の案内片を備える
   と共に、上記連結部は、上記立設片とは反対側に向けて
   突設された湾曲形状の押圧片を備え、 更に、上記固定部材は、上記基板案内部材を収納するた
   めの収納部を備え、上記収納ケースとの接触面側に、該
   収納部に収納される上記基板案内部材を挿入するための
   挿入口が形成されると共に、上記回路基板通路側に、上
   記基板案内部材が必要以上に挿入されることを禁止し
   て、上記収納部に収容された上記基板案内部材の押圧片
   の先端部を上記接触面から突出させるストッパが形成さ
   れていることを特徴とするガイドレール。