JP2000244168A - 高周波機器のシールド構造 - Google Patents

高周波機器のシールド構造

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JP2000244168A
JP2000244168A JP11044163A JP4416399A JP2000244168A JP 2000244168 A JP2000244168 A JP 2000244168A JP 11044163 A JP11044163 A JP 11044163A JP 4416399 A JP4416399 A JP 4416399A JP 2000244168 A JP2000244168 A JP 2000244168A
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frequency
case
chassis
shield
case cover
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Masato Chino
真人 千野
Kazuhiro Saotome
和広 五月女
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Hochiki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周波数変換器等に使用される高周波発振源か
ら漏洩する高周波成分を簡易な構成により抑制し、信号
品質の向上を図ることができる高周波機器のシールド構
造を提供する。 【解決手段】 高周波発振源2を収納するシールドケー
ス3と、シールドケース3を搭載し、シールドケース3
の下面側において電気的に接続されたシャーシ5と、シ
ールドケース3の上面3a側に対向してシャーシ5に着
脱可能に設けられ、内面側に非導電性の塗装を介して金
属シート6が貼り付けられたケースカバー7と、シール
ドケース3の上面3a側から突出し、金属シート6に電
気的に接触するバネ部材4と、を有し、高周波発振源2
から漏洩する高周波成分を、シールドケース上面3a側
からバネ部材4及び金属シート6を介してケースカバー
7へ高周波的に伝搬して接地電位に放出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波機器のシー
ルド構造に関し、特に、通信衛星から送信される放送信
号等の高周波信号を所望の中間周波数に変換処理する高
周波機器に適用して良好なシールド構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、放送技術の進展に伴い、放送衛星
(Broadcasting Satellite:BS)や通信衛星(Commun
ication Satellite:CS)を利用した番組放送の配信
サービスの普及が著しい。特に、CSデジタル放送は、
通信衛星の12GHz帯の信号を使い、水平、垂直両偏
波により1衛星当り約100チャンネルのテレビ放送と
ラジオ放送を実現している。このような通信衛星を利用
した放送技術により、今後、放送データサービスに通信
機能を付加して、双方向のコミュニケーションを実現す
るインタラクティブTVや、衛星インターネット、デー
タ伝送等の多彩なマルチメディアサービスが予定されて
いる。
【0003】このような放送環境の変化に伴って、ビル
やマンション等の共同住宅において、FM、VHF、U
HF等の既存の地上波放送や放送衛星による番組放送に
加え、CSデジタル放送も受信可能なシステムの実現が
希求されている。ここで、通信衛星から送信される放送
信号を弁別して得られる水平偏波信号及び垂直偏波信号
は、略同一の周波数帯域を使って多チャンネル送信を行
っているため、1本の伝送ケーブルによっては両偏波信
号を同時に伝送することができない。そこで、1本の伝
送ケーブルによって効率よく両偏波を伝送するために、
CSブロックコンバータ(周波数変換器)を使用して、
それぞれ別の帯域に置き換えて、周波数帯域が重ならな
いようにする必要がある。
【0004】CSブロックコンバータは、複数の放送チ
ャンネルをひとまとめにしたブロック単位で、周波数帯
域を水平偏波信号及び垂直偏波信号毎に、互いに周波数
帯域が重なり合わないように変換するとともに、既存の
他の放送信号の周波数帯域にも重ならないようにして、
1本の伝送ケーブルで同時に伝送できるようにするもの
である。
【0005】以下に、CSブロックコンバータを適用し
た共同受信システムの概略構成と、CSブロックコンバ
ータの基本構成について、図面を参照して簡単に説明す
る。図7に示すように、共同受信システムは、大別して
CSアンテナ22、BSアンテナ24、CSブロックコ
ンバータ10とを有し、CSアンテナ22により受信さ
れた通信衛星CSからの放送信号21は、水平偏波信号
及び垂直偏波信号に弁別され、1GHz帯の高周波信号
に変換されてCSブロックコンバータ10に入力され
る。一方、BSアンテナ24により受信された放送衛星
BSからの放送信号23は、混合器25によりFM、V
HF、UHF等の既存の地上波放送信号、又は、ケーブ
ルテレビ(Cable Television:CATV)等の放送信号
と合成されてCSブロックコンバータ10に入力され
る。そして、CSブロックコンバータ10により周波数
変換された水平偏波信号及び垂直偏波信号は、地上波放
送信号やBS放送信号等と合成されて、1本の同軸ケー
ブル26に同時に送出され、各住戸に設置されたテレビ
ジョン等の受信端末に供給される。
【0006】CSブロックコンバータ10の基本構成
は、図8に示すように、入力信号Sinの周波数faを所
定の出力周波数(fa+fb、fa−fb)に変換する
周波数変換器により構成され、局部発振周波数fbを発
生する局部発振器12と、局部発振周波数fbと入力信
号Sinの周波数faとを混合して所定の出力周波数(f
a+fb、fa−fb)を有する出力信号Soutに変換
する混合器11とを有している。そして、入力信号の周
波数を高周波側にシフトするものをアップコンバータ、
また、低周波側にシフトするものをダウンコンバータと
いう。
【0007】このようなCSブロックコンバータ10の
周波数変換処理は、具体的には、図9に示すように、C
S放送信号における受信時の周波数帯域が1293〜1
533MHzの垂直偏波信号CS(V)と、周波数帯域
が1308〜1548MHzの水平偏波信号CS(H)
とを1本の同軸ケーブルで伝送可能なように、分波する
とともに、BSの周波数帯域(1035〜1335MH
z)と重なっている周波数帯域を回避するように変換処
理が行われる。
【0008】具体的には、垂直偏波信号CS(V)は9
2MHz、水平偏波信号CS(H)は347MHzだけ
高周波側にそれぞれシフトした形で置き換え、垂直偏波
信号CS(V)は1385〜1625MHz、水平偏波
信号CS(H)は1655〜1895MHzの出力周波
数に変換する処理が行われる。ここで、上述したような
高周波信号(1GHz帯)の周波数変換処理において
は、一般に、信号処理を回路的に容易にするために、入
力信号の周波数を一旦数百MHz程度の周波数帯域に変
換した後、再度、高周波信号に変換する処理が行われて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したCSブロック
コンバータに限らず、高周波信号を処理する高周波機器
において、周波数変換等の局部発振器(高周波発振源)
を利用する場合、局部発振周波数と周波数変換された出
力周波数とが近似すると、図10に示すように、局部発
振器から漏洩する(漏れ出る)高周波成分、すなわち、
局部発振周波数fbが出力信号Soutの周波数帯域(図
中、CS(H))に混入したり、異常発振を生じて、信
号品質の劣化、動作不良等を生じるという問題を有して
いる。
【0010】このような高周波成分の漏洩の問題を解決
する手段として、図11に示すようなシールド構造が知
られている。図11(a)、(b)に示すシールド構造
は、基板1上に形成された高周波発振源となる局部発振
器2aを導電性のシールドケース(金属隔壁)3により
覆うようにして隔離し、基板1を下面の支持部材を介し
て接地電位に接続することにより、局部発振器2aから
漏洩する高周波成分を接地電位に放出して、出力信号に
局部発振周波数が混入しないように構成されている。な
お、このような高周波成分(局部発振周波数)の漏洩を
抑制するシールド構造については、特開平10−150
324号公報、特開平10−209669号公報等にも
記載されている。
【0011】(第1の問題点)しかしながら、上述した
シールド構造においては、図11(b)に示すように、
シールドケース3から漏洩する高周波成分Efの影響を
完全に防止することができず、高周波成分の出力信号へ
の混入を十分に抑制することができないという問題を有
している。このような問題を解決するために、シールド
ケース上面側とケースカバーとを導電性部材により接続
し、シールドケース上方から漏洩する高周波成分Ef
を、シールドケース→導電性部材→ケースカバー→シャ
ーシ(ケース本体)を介して接地電位に電気的(物理
的)に接続するシールド構造等も知られているが、構造
が複雑になるうえ、接地電位までの回り込みの距離が長
いため、接地電位の変動が生じて高周波成分の影響を十
分に除去することができなかった。
【0012】また、一般に、機器のケースカバー等は、
素材となる金属面の露出を避け、また、美観を保つ等の
目的で非導電性の塗料により表面側に塗装が施されてい
るが、塗装工程の削減等により内面側のマスキング処理
を省略することが多々あり、外面側の塗料が内面側にも
飛散、付着する。したがって、上記接地電位までの電気
的な接続経路を確保するために塗装を剥離する工程等が
新たに必要になるという問題を有している。
【0013】(第2の問題点)また、上述したようなシ
ールドケース上面3aからケースカバー7を介してシャ
ーシ5に至る回り込みの経路においては、伝搬距離の長
さばかりでなく、経路を構成する各部材相互の接続(接
触)状態が不十分であり、高周波成分Efの影響を完全
に防止することができないという問題も有している。す
なわち、従来のケースカバー7とシャーシ5の接続状態
は、図11(a)に示すように、数本のビス等の係止部
品による取り付け部を介して接続を行う点接触であっ
て、ケースカバー7とシャーシ5が領域で接触する面接
触ではなかったため、回り込み経路の電気的な接続状態
が十分に確保されておらず、漏洩する高周波成分を完全
に接地電位に放出することができるシールド構造を有し
ていなかった。そのため、高周波機器への入力信号が出
力端子以外の箇所から漏洩したり、あるいは、高周波機
器の外部からノイズ成分が内部の処理回路に混入する等
の問題を有していた。
【0014】(第3の問題点)さらに、一般に高周波機
器の処理回路に適用される接地構造は、図11(b)に
示すように、回路基板上に形成された接地パターン(ア
ースパターンともいう)に対して、基板1端部の支持部
材を介してのみ、基板1とシャーシ5とを電気的に接続
し、処理回路から漏洩する信号成分を接地電位に放出
し、あるいは、信号処理に必要な接地電位を供給する構
成を有している。そのため、基板1の端部と内部では、
接地電位に微妙なバラツキが生じて一定とはならず、高
周波機器を構成する各種処理回路の動作特性が劣化する
という問題を有していた。
【0015】そこで、本発明は、上述した各問題を個別
に、又は、同時に解決することを目的とし、周波数変換
器等の高周波信号を信号処理する高周波機器において、
漏洩する高周波成分を簡易な構成により確実に接地電位
に放出し、かつ、各種処理回路に均一な接地電位を供給
して、信号品質の向上を図ることができる高周波機器の
シールド構造を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の高周波機
器のシールド構造は、高周波発振源を収納するシールド
ケースと、該シールドケースを搭載し、該シールドケー
スの下面側において電気的に接続されたシャーシと、前
記シールドケースの上面側に対向して前記シャーシに着
脱可能に設けられたケースカバーと、を備え、前記ケー
スカバーは、前記シールドケースの上面側と高周波的に
接続されることを特徴とする。請求項2記載の高周波機
器のシールド構造は、請求項1記載の高周波機器のシー
ルド構造において、前記ケースカバーは、前記シールド
ケースの上面側が対向する一面側に、絶縁性の被膜を介
して導電性薄膜が形成され、前記シールドケースは、前
記シールドケースの上面側から突出して設けられた導電
性部材を介して前記導電性薄膜に接触することにより、
前記ケースカバーと高周波的に接続されることを特徴と
する。
【0017】請求項3記載の高周波機器のシールド構造
は、請求項2記載の高周波機器のシールド構造におい
て、前記導電性部材は、弾性を有して構成され、前記シ
ャーシに前記ケースカバーを取り付け固定することによ
り、前記導電性部材と前記導電性薄膜が所定の押圧力で
接触することを特徴とする。請求項4記載の高周波機器
のシールド構造は、請求項2又は3のいずれかに記載の
高周波機器のシールド構造において、前記導電性部材
は、前記シールドケース内に収納された前記高周波発振
源の上方に突出して設けられていることを特徴とする。
【0018】請求項5記載の高周波機器のシールド構造
は、高周波信号を信号処理する回路装置を搭載したシャ
ーシと、前記シャーシに着脱可能に設けられたケースカ
バーと、を備え、前記ケースカバーは、前記シャーシと
高周波的に接続されることを特徴とする。請求項6記載
の高周波機器のシールド構造は、請求項5記載の高周波
機器のシールド構造において、前記ケースカバーは、前
記シャーシへの取り付け面側の、少なくとも前記シャー
シに密着する領域に、絶縁性の被膜を介して導電性薄膜
が形成され、該導電性薄膜を介して、前記シャーシと高
周波的に接続されることを特徴とする。請求項7記載の
高周波機器のシールド構造は、請求項5又は6のいずれ
かに記載の高周波機器のシールド構造において、前記請
求項1乃至4のいずれかに記載の構成を有していること
を特徴とする。
【0019】請求項8記載の高周波機器のシールド構造
は、高周波信号を信号処理する回路装置が形成された回
路基板と、前記回路基板を搭載したシャーシと、前記回
路基板の上面側に対向して前記シャーシに着脱可能に設
けられたケースカバーと、を備え、前記ケースカバー
は、前記回路基板の上面側と高周波的に接続されること
を特徴とする。請求項9記載の高周波機器のシールド構
造は、請求項8記載の高周波機器のシールド構造におい
て、前記ケースカバーは、前記回路基板の上面側が対向
する一面側に、絶縁性の被膜を介して導電性薄膜が形成
され、前記回路基板は、前記回路基板の上面側から突出
して設けられた導電性部材を介して前記導電性薄膜に接
触することにより、前記ケースカバーと高周波的に接続
されることを特徴とする。
【0020】請求項10記載の高周波機器のシールド構
造は、請求項9記載の高周波機器のシールド構造におい
て、前記導電性部材は、弾性を有して構成され、前記シ
ャーシに前記ケースカバーを取り付け固定することによ
り、前記導電性部材と前記導電性薄膜が所定の押圧力で
接触することを特徴とする。請求項11記載の高周波機
器のシールド構造は、請求項9又は10のいずれかに記
載の高周波機器のシールド構造において、前記導電性部
材は、前記回路基板の上面側に形成された接地パターン
上に突出して設けられていることを特徴とする。請求項
12記載の高周波機器のシールド構造は、請求項8乃至
11のいずれかに記載の高周波機器のシールド構造にお
いて、前記請求項1乃至7記載のいずれかの構成を有し
ていることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る高周波機器の
シールド構造について、実施の形態を示して具体的に説
明する。 (第1の実施形態)図1は、第1の実施形態に係る高周
波機器のシールド構造を示す概略図である。図1に示す
ように、高周波機器のシールド構造は、基板1上に形成
された高周波発振源2と、高周波発振源2が収納された
シールドケース3と、シールドケース上面3aに突出し
て設けられたバネ部材(導電性部材)4と、シールドケ
ース3が形成された基板1を搭載するシャーシ5と、シ
ールドケース3の上方に着脱可能に設けられ、かつ、内
面側(シールドケース3側)に金属シート(導電性薄
膜)6が貼り付けられたケースカバー7と、を有して構
成されている。
【0022】以下に、各構成について具体的に説明す
る。高周波発振源2は、従来技術において示したよう
に、たとえばCSブロックコンバータのアップコンバー
タやダウンコンバータに適用される局部発振器であっ
て、特に、出力信号の周波数と近似する局部発振周波数
を有しているものとする。シールドケース3は、上記高
周波発振源2を含む高周波信号の処理回路をシールド隔
壁により区画するとともに、さらにシールドケース3内
部を処理回路ごと、あるいは、処理回路を構成する部品
ごとに、図示を省略したシールド側壁により区画した構
成を有している。また、シールドケース3は、基板1上
に設けられた接地パターンや接地端子を介して接地電位
(0V)に接続されている。
【0023】バネ部材4は、シールドケース3の上面3
a側から略V字状に弾性を有する導電性部材により形成
され、後述するケースカバー7の取り付けにより、ケー
スカバー7の内面側に所定の押圧力で接触するように構
成されている。なお、バネ部材の形状や材質について
は、加工性や金属シートとの接触性が良好なものを適宜
採用することが好ましく、たとえば銀青銅等の薄板を加
工したものを適用することができる。また、バネ部材4
の設置位置については、特に限定するものではないが、
高周波発振源2が収納されている区画の上方に設けるこ
とが好ましい。ケースカバー7は、アルミニウム等の導
電性素材により構成され、後述するシャーシ5にビス8
等の係止部品により着脱可能に取り付けられる。また、
ケースカバー7は、素材となる金属面の露出を避け、美
観を保つために、非導電性の塗料により塗装が施されて
いるが、シャーシ5との接続部分ではビス8の締め付け
等により塗装が剥離して、電気的に接続された状態にあ
る。
【0024】金属シート6は、ケースカバー7の取り付
けにより、上述したバネ部材4が接触するように、ケー
スカバー7の内面側にシール剤等により密着固定され
る。ここで、ケースカバー7は、非導電性の塗料により
外面側が塗装されるが、塗装工程の削減やコストの低減
等のために内面側のマスキング処理が省略されて塗装処
理されるため、内面側にも塗料が飛散して付着し、金属
シート6とケースカバー7との電気的な接続が阻害され
た状態にある。なお、金属シート6の材質については、
形状の加工性やケースカバー7への密着性、バネ部材4
との接触性が良好なものが好ましく、たとえば銅箔等を
適用することができる。また、金属シート6の形成領域
については、少なくとも、バネ部材4が接触する領域を
含むものである必要があるが、シールドケース3の上面
3a領域に対向して同程度の領域に形成されるものであ
ることが好ましい。シャーシ5は、高周波機器を構成す
る回路部品を収納するケース本体であって、アルミダイ
キャスト等の導電性素材により構成され、シールドケー
ス3が形成された基板1、及び、取り付けられたケース
カバー7に接地電位を供給する。
【0025】このような構成を有するシールド構造にお
ける作用について、図面を参照して説明する。図2は、
本実施形態に係るシールド構造の作用を示す断面図であ
る。図2(a)に示すように、ケースカバー7をシャー
シ5にビス等により取り付け固定することにより、導電
性のケースカバー7と導電性のシャーシ5とは取り付け
箇所を介して電気的に接続し、シャーシ5に接続された
接地電位がケースカバー7にも供給される。
【0026】一方、ケースカバー7をシャーシ5に取り
付けることにより、シールドケース3の上面3aから突
出して形成されたバネ部材4が、ケースカバー7の内面
側に貼り付けられた金属シート6に所定の押圧力(弾性
力)で密着し、電気的に十分な接触が実現される。ここ
で、ケースカバー7の内面側に貼り付けられた金属シー
ト6と、ケースカバー7の導電性の素材とは、非導電性
の塗料(絶縁性の被膜)の付着により物理的に非接触の
状態にあるため、図2(b)に示すように、金属シート
6とケースカバー7を電極とし、塗料の付着層7aを誘
電体とするコンデンサCが形成される。したがって、金
属シート6とケースカバー7は、電気的(物理的に)に
接触していないが、コンデンサCを伝搬線路と仮定する
と、高周波信号に対して電気的に連続的な特性を示し、
高周波的に接触した状態となる。
【0027】そのため、シールドケース3内に収納され
た高周波発振源2から漏洩する高周波成分は、基板1に
伝達するものについては、シャーシ5を介して接地電位
に放出される。一方、シールドケース3の上方から漏洩
するものについては、シールドケース3の上面3aに設
けられたバネ部材4を介してコンデンサCの一方の電極
となる金属シート6に伝達される。このとき、コンデン
サCの他方の電極となるケースカバー7は、シャーシ5
を介して接地電位に接続されているため、シールドケー
ス3の上面3aからコンデンサCを介して接地電位に接
続される伝搬線路が形成され、シールドケース3上方か
ら漏洩する高周波成分Efが高周波的に接地される。
【0028】したがって、本実施形態に係る高周波機器
のシールド構造を、たとえば、1GHz帯の高周波信号
を使用するCS放送やCATV放送における信号処理回
路(ブロックコンバータ等)に適用することにより、漏
洩した局部発振周波数の出力周波数への混入を抑制する
ことができ、上述した第1の問題点を解決して、信号品
質の劣化や異常発振の発生を防止することができる。な
お、本実施形態においては、CSブロックコンバータ等
の周波数変換器を隔離するシールドケースに適用した例
を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
要するに、高周波発振源を有し、かつ、高周波発振源か
ら漏洩する高周波成分が出力周波数や発振動作に影響を
及ぼすような高周波機器であれば、良好に適用すること
ができる。
【0029】(第2の実施形態)次に、本発明に係る高
周波機器のシールド構造の第2の実施形態について、図
面を参照して説明する。図3は、第2の実施形態に係る
高周波機器のシールド構造を示す概略図である。ここ
で、上述した実施形態と同等の構成については、同一の
符号を付してその説明を簡略化する。本実施形態は、高
周波機器を構成するケースカバーとシャーシ間を金属シ
ートを介して高周波的に接続したことを特徴としてい
る。
【0030】具体的には、図3(a)に示すように、高
周波機器のシールド構造は、信号処理回路(回路装置:
図示を省略)が形成された基板(回路基板)1と、基板
1を搭載するシャーシ5と、基板1の上面側に着脱可能
に設けられ、かつ、内面側(基板1側)に金属シート
(導電性薄膜)6が貼り付けられたケースカバー7と、
を有して構成されている。信号処理回路が形成された基
板1は、端部の支持部材によりシャーシ5に取り付け固
定され、信号処理回路から漏洩する信号成分を基板1上
に形成された接地パターン及び上記支持部材を介して接
地電位に放出する構成を有している。ここで、基板1上
に形成される信号処理回路は、従来技術において示した
ように、たとえばCSブロックコンバータ等の高周波信
号を信号処理する、いわゆる高周波回路である。
【0031】ケースカバー7は、上述した実施形態と同
様に、導電性素材により構成され、シャーシ5にビス8
等の係止部品により着脱可能に取り付けられる。また、
ケースカバー7は、素材となる金属面の露出を避け、美
観を保つために、非導電性の塗料により塗装が施されて
いる。金属シート6は、ケースカバー7をシャーシ5に
取り付けた状態で、シャーシ5と密着して接触するケー
スカバー7の内面側の領域に沿ってシール剤等により密
着固定される。ここで、ケースカバー7は、非導電性の
塗料により外面及び内面側が塗装処理されるため、金属
シート6とケースカバー7との電気的な接続が阻害され
た状態にある。シャーシ5は、信号処理回路が形成され
た基板1を収納する導電性のケース本体であって、接地
電位に接続されている。
【0032】このような構成を有するシールド構造にお
いて、図3(b)に示すように、ケースカバー7をシャ
ーシ5にビス等により取り付け固定することにより、ケ
ースカバー7とシャーシ5とは金属シート6を介して面
状に密着して接触する。ここで、ケースカバー7の内面
側に貼り付けられた金属シート6と、ケースカバー7の
導電性の素材とは、非導電性の塗料(絶縁性の被膜)の
付着により物理的に非接触の状態にあるため、図2
(b)に示した場合と同様に、金属シート6とケースカ
バー7を電極とし、塗料の付着層7aを誘電体とする第
1のコンデンサが形成される。一方、金属シート6と、
シャーシ5の素材とは、シャーシ5の接触面に非導電性
の塗料が付着して被膜を形成している場合には、金属シ
ート6とケースカバー7の関係と同様に、金属シート6
とシャーシ5を電極とし、塗料の付着層を誘電体とする
第2のコンデンサが形成される。
【0033】すなわち、金属シート6とケースカバー
7、及び、金属シート6とシャーシ5は、各々電気的
(物理的に)には接触していないが、第1及び第2のコ
ンデンサを伝搬線路と仮定すると、高周波信号に対して
電気的に連続的な特性を示し、ケースカバー7とシャー
シ5は高周波的に接触した状態となる。なお、シャーシ
5の接触面に塗料の被膜が形成されていない場合には、
上述した実施形態と同様に、金属シート6とケースカバ
ー7間にのみコンデンサが形成される。
【0034】そのため、基板1に形成された信号処理回
路から漏洩する高周波成分は、基板1に伝達するものに
ついては、接地パターン、支持部材及びシャーシ5を介
して接地電位に放出される。一方、基板1の上方から漏
洩するものについては、ケースカバー7、金属シート
6、シャーシ5により形成されるコンデンサを介して、
接地電位に接続される伝搬線路が形成されるため、基板
1の上方から漏洩する高周波成分Efが高周波的に接地
される。また、高周波機器の外部から侵入するノイズ成
分についても、同様の伝搬線路を介して接地電位に放出
される。
【0035】したがって、本実施形態に係る高周波機器
のシールド構造によれば、ケースカバー7とシャーシ5
の接触面積を実質的に増大することができるため、数本
のビス等の係止部品による取り付け部を介して電気的な
接続を行う従来の点接触に比較して、信号処理回路から
漏洩する高周波成分、及び、機器外部から混入するノイ
ズ成分を良好に遮断することができ、上述した第2の問
題点を解決して、シールド効果を高めることができる。
【0036】なお、本実施形態におけるシールド構造
は、高周波信号を処理する高周波機器であればどのよう
なものにも適用することができ、たとえば、上述したコ
ンバータのほか、ブースタのシールド構造として適用す
ることもできる。したがって、信号処理回路に高周波発
振源を有していない回路構成であっても、また、高周波
発振源を有しているが、シールドケースに収納されてい
ない回路構成であっても、信号処理の段階で漏洩する信
号成分、あるいは、混入するノイズ成分を良好に遮断す
ることができる。
【0037】また、金属シート6を設ける領域は、上述
したように、シャーシ5と密着して接触するケースカバ
ー7の内面側の領域に限定されるものではなく、少なく
とも上記領域を含むものであれば、任意の領域に設けて
も良い。要するに、ケースカバー7と金属シート6間、
及び、金属シート6とシャーシ5間で、各々コンデンサ
が形成され、これらのコンデンサを介してケースカバー
7、金属シート6及びシャーシ5間で高周波的な伝搬線
路が形成されるものであれば、他の構成であってもかま
わない。したがって、図4に示すように、従来、ビス等
の係止部品による点接触により電気的な接続を行ってい
た取り付け部、及び、シャーシ5と密着して接触する領
域を含む領域に金属シート6を設けることにより、シー
ルド効果を一層高めることができる。
【0038】(第3の実施形態)次に、本発明に係る高
周波機器のシールド構造の第3の実施形態について、図
面を参照して説明する。図5は、第3の実施形態に係る
高周波機器のシールド構造を示す概略図である。ここ
で、上述した実施形態と同等の構成については、同一の
符号を付してその説明を簡略化する。本実施形態は、シ
ャーシに取り付けられるケースカバーの内面側に設ける
金属シートについて、シャーシと密着して接触する領域
を含んで、ケースカバーの内面側のほぼ全域に設けたこ
とを特徴としている。
【0039】具体的には、図5(a)、(b)に示すよ
うに、金属シート6は、ケースカバー7をシャーシ5に
取り付けた状態で、シャーシ5と密着して接触するケー
スカバー7の内面側の領域に加え、シャーシ5に搭載さ
れた基板1の上面に対向する領域についても、単一の導
電性素材をシール剤等により密着固定して構成される。
ここで、ケースカバー7は、非導電性の塗料により外面
及び内面側が塗装処理されるため、金属シート6とケー
スカバー7との電気的な接続が阻害された状態にある。
【0040】このような構成によれば、金属シート6が
シャーシ5に収納される信号処理回路上方のほぼ全域に
わたって設けられ、かつ、シャーシ5と直接接触、ある
いは、コンデンサを介して高周波的に接触した伝搬線路
を構成することになるため、基板1の上方から漏洩す
る、あるいは、高周波機器の外部から侵入する、より周
波数帯域の広い(高い)高周波成分を、これらの伝搬線
路を介してシャーシ5に接続された接地電位に放出する
ことができる。
【0041】したがって、本実施形態に係る高周波機器
のシールド構造によれば、ケースカバー7とシャーシ5
の接触面積を実質的に増大することができるとともに、
信号処理回路の略全域を金属シートにより覆い、隔離す
ることができるため、内部から漏洩する高周波成分、及
び、外部から混入するノイズ成分を大幅に遮断すること
ができ、上述した第2の問題点を解決して、シールド効
果を高めることができる。
【0042】(第4の実施形態)次に、本発明に係る高
周波機器のシールド構造の第4の実施形態について、図
面を参照して説明する。図6は、第4の実施形態に係る
高周波機器のシールド構造を示す概略図である。ここ
で、上述した実施形態と同等の構成については、同一の
符号を付してその説明を省略する。本実施形態は、基板
上に形成された信号処理回路に供給される接地電位の均
一化を図ったことを特徴としている。
【0043】具体的には、図6に示すように、高周波機
器のシールド構造は、信号処理回路が形成された基板1
の上面に形成された接地パターン1aから突出して設け
られたバネ部材4と、基板1を搭載するシャーシ5と、
シャーシ5に着脱可能に設けられ、かつ、内面側(基板
1側)に金属シート6が貼り付けられたケースカバー7
と、を有して構成されている。バネ部材4は、上述した
第1の実施形態と同様に、基板1に形成された接地パタ
ーン1aから略V字状に弾性を有する導電性部材により
形成され、ケースカバー7を取り付けることにより、ケ
ースカバー7の内面側に所定の押圧力で接触するように
構成されている。ケースカバー7は、非導電性の塗料に
より塗装が施され、シャーシ5との接続部分ではビス8
の締め付け等により塗装が剥離して、電気的に接続され
た状態にある。
【0044】金属シート6は、ケースカバー7の取り付
けにより、上述したバネ部材4が接触するように、ケー
スカバー7の内面側にシール剤等により密着固定され
る。ここで、金属シート6は、ケースカバー7に施され
た塗装により、ケースカバー7との電気的な接続が阻害
された状態にある。また、金属シート6の形成領域につ
いては、少なくともバネ部材4が接触する領域に設けら
れる必要があるが、信号処理回路の形成領域に対向して
同程度の領域に形成されるものであることが好ましい。
このような構成を有する高周波機器のシールド構造にお
いて、ケースカバー7をシャーシ5にビス等により取り
付け固定することにより、導電性のケースカバー7と導
電性のシャーシ5とは取り付け箇所を介して電気的に接
続し、一方、基板1の上面から突出して形成されたバネ
部材4が、ケースカバー7の内面側に貼り付けられた金
属シート6に所定の押圧力で密着し、電気的に接続した
状態となる。
【0045】ここで、金属シート6とケースカバー7と
は、非導電性の塗料の付着により物理的に非接触の状態
にあるため、図2(b)に示した場合と同様に、金属シ
ート6とケースカバー7を電極とし、塗料の付着層7a
を誘電体とするコンデンサCが形成され、金属シート6
とケースカバー7は、電気的(物理的に)に接触してい
ないが、コンデンサCを伝搬線路として、高周波信号に
対して電気的に連続的な特性を示し、高周波的に接触し
た状態となる。
【0046】そのため、基板1に形成された信号処理回
路から漏洩する高周波成分は、基板1端部の支持部材近
傍では、接地パターン、支持部材及びシャーシ5を介し
て接地電位に放出され、一方、基板1内部では、バネ部
材4を介してコンデンサCの一方の電極となる金属シー
ト6に伝達される。このとき、コンデンサCの他方の電
極となるケースカバー7は、シャーシ5を介して接地電
位に接続されているため、基板1の内部は、シャーシ
5、ケースカバー7、金属シート6及びバネ部材4を介
して接地電位に接続される伝搬線路が形成され、基板1
端部と同等の接地電位が供給される。
【0047】したがって、本実施形態に係る高周波機器
のシールド構造によれば、基板1の端部に加え、内部に
も独立して接地電位を供給することができるため、信号
処理回路に供給される接地電位のバラツキを抑制でき、
上述した第3の問題点を解決して、不要な信号成分を良
好に接地電位に放出することができるとともに、高周波
機器を構成する各種処理回路の動作特性を安定、均一化
することができる。
【0048】なお、本実施形態におけるシールド構造
は、高周波信号を処理する高周波機器であればどのよう
なものにも適用することができ、また、信号処理回路に
高周波発振源を有していない回路構成であっても良好に
適用することができる。また、上述した各実施形態は、
単独で高周波機器に適用できるほか、それぞれ任意に組
み合わせて適用することもできるため、高周波機器の高
周波成分の漏洩、及び、ノイズ成分の混入を良好に防止
しつつ、高周波機器の回路特性を安定化させることがで
きる。
【0049】ところで、上述した各実施形態において
は、ケースカバー7に形成する導電性薄膜として、金属
シート(たとえば、銅箔)6を貼り付ける場合について
説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
要するに、ケースカバー7の内面側の塗装を介してケー
スカバー7の素材とコンデンサ(容量)を形成するもの
であればよく、たとえば、金属シート6に代えて、金属
板を貼り付けるものであってもよいし、導電性の塗料を
吹き付けるものであってもよい。また、金属シート6と
バネ部材4の材質については、導電性のものであれば特
に限定されるものではないが、同じ材質を用いた方が、
金属表面の腐食を防止することができるため、より好ま
しい。
【0050】また、金属シート6の形成領域について
は、少なくとも、バネ部材4が接触し、かつ、シールド
ケース3の上面3aに対向する領域に形成することのみ
示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、た
とえば、シールドケース3の上面3aに対向する領域よ
りも広く形成することにより、コンデンサCの容量が大
きくなるため、より周波数帯域の広い(低い)漏洩成分
を接地することができる。
【0051】
【発明の効果】請求項1記載の高周波機器のシールド構
造によれば、高周波発振源を収納するシールドケースの
上面側に対向してケースカバーを取り付け、高周波発振
源から漏洩する高周波成分を、シールドケース上面側か
らケースカバーへ高周波的に伝搬して接地電位に放出す
ることにより、シールドケースの上面側とケースカバー
とを導電性部材により電気的(物理的)に接続する従来
のシールド構造に比較して、簡易な構成で高周波成分を
十分に接地することができるため、出力信号への局部発
振周波数の混入や異常発振の発生を抑制して、信号品質
の向上、誤動作の防止を図ることができる。
【0052】また、請求項2記載の高周波機器のシール
ド構造によれば、ケースカバーの内面側に絶縁性の被膜
を介して導電性薄膜を形成することによりケースカバー
及び導電性薄膜を電極とし、絶縁性の被膜を誘電体とす
るコンデンサを形成し、シールドケースの上面側から突
出して設けられた導電性部材を導電性薄膜に接触するこ
とにより、ケースカバーの塗装を剥離したり、複雑な構
成を採用することなく、簡易な構成で高周波発振源から
漏洩する高周波成分をシールドケース上面側からケース
カバーへ高周波的に伝搬して接地電位に良好に放出する
ことができるため、出力信号への局部発振周波数の混入
や異常発振の発生を十分抑制することができる。
【0053】また、請求項3記載の高周波機器のシール
ド構造によれば、導電性部材として弾性を有する素材あ
るいは構造とすることにより、シャーシにケースカバー
を取り付け固定するだけで、導電性部材とケースカバー
の内面側に形成された導電性薄膜との接触状態を確実に
することができるため、高周波発振源から漏洩する高周
波成分を良好に接地電位に放出することができる。ま
た、請求項4記載の高周波機器のシールド構造によれ
ば、導電性部材を、高周波発振源が収納されたシールド
ケースの上方に設けることにより、漏洩する高周波成分
を集中的に導電性部材に伝達し、導電性薄膜からケース
カバーへ高周波的に伝搬することができるため、出力信
号への局部発振周波数の混入や異常発振の発生を一層抑
制することができる。
【0054】そして、請求項5記載の高周波機器のシー
ルド構造によれば、高周波信号を信号処理する回路装置
に対向して取り付けられたケースカバーと、シャーシと
を高周波的に接続することにより、ビス等の係止部品に
よる従来の点接触構造に比較して、簡易な構成でケース
カバーとシャーシの接触面積を増大することができるた
め、回路装置から漏洩する信号成分、及び、外部から混
入するノイズ成分をシャーシに接続された接地電位に放
出することができ、シールド効果を高めることができ
る。また、請求項6記載の高周波機器のシールド構造に
よれば、ケースカバーは、シャーシへの取り付けに際
し、シャーシに密着する領域に、絶縁性の被膜を介して
導電性薄膜を形成することにより、ケースカバーと導電
性薄膜、及び、導電性薄膜とシャーシをそれぞれ電極と
するコンデンサが形成されるため、簡易な構成で回路装
置から漏洩する信号成分、及び、外部から混入するノイ
ズ成分をケースカバーからシャーシへ高周波的に伝搬し
て接地電位に良好に放出することができる。
【0055】また、請求項7記載の高周波機器のシール
ド構造によれば、高周波発振源を収納するシールドケー
スから漏洩する高周波成分を、シールドケース上面側か
らケースカバーへ、さらに、ケースカバーからシャーシ
へ高周波的に伝搬して接地電位に放出することにより、
シールドケースから接地電位への確実な伝搬線路を形成
することができるため、一層シールド効果を高めること
ができる。さらに、請求項8記載の高周波機器のシール
ド構造によれば、高周波信号を信号処理する回路装置が
形成された回路基板に対向してケースカバーを取り付
け、回路基板の上面側とケースカバーとを高周波的に接
続することにより、簡易な構成で回路基板の端部及び内
部に接地電位を供給することができるため、回路装置に
供給される接地電位を均一化して、動作特性を安定化す
ることができる。
【0056】また、請求項9記載の高周波機器のシール
ド構造によれば、ケースカバーの内面側に絶縁性の被膜
を介して導電性薄膜を形成することによりケースカバー
及び導電性薄膜を電極とし、絶縁性の被膜を誘電体とす
るコンデンサを形成し、回路基板の上面側から突出して
設けられた導電性部材を導電性薄膜に接触することによ
り、ケースカバーの塗装を剥離したり、複雑な構成を採
用することなく、簡易な構成で回路基板の任意の位置に
接地電位を供給することができるため、回路装置に供給
される接地電位を均一化して、動作特性を安定化するこ
とができる。また、請求項10記載の高周波機器のシー
ルド構造によれば、導電性部材として弾性を有する素材
あるいは構造とすることにより、シャーシにケースカバ
ーを取り付け固定するだけで、導電性部材とケースカバ
ーの内面側に形成された導電性薄膜との接触状態を確実
にすることができるため、回路基板の任意の位置に良好
に接地電位を供給することができる。
【0057】また、請求項11記載の高周波機器のシー
ルド構造によれば、導電性部材を、回路基板に形成され
た接地パターン上に設けることにより、ケースカバーか
ら導電性薄膜へ接地電位を高周波的に伝搬し、導電性部
材を介して接地パターンに供給することができるため、
回路基板の端部と内部における接地電位のバラツキを一
層抑制することができる。そして、請求項12記載の高
周波機器のシールド構造によれば、高周波発振源を収納
するシールドケース上面側からケースカバーへ、さら
に、ケースカバーからシャーシへの確実な伝搬線路を形
成し、かつ、回路基板の任意の位置への電位供給経路を
形成することにより、シールドケースから漏洩する高周
波成分を高周波的に伝搬して接地電位に良好に放出しつ
つ、回路基板に供給される接地電位を均一化することが
できるため、高周波機器のシールド効果を一層高めるこ
とができるとともに、回路特性の安定化を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る高周波機器のシールド構
造を示す概略図である。
【図2】第1の実施形態に係るシールド構造の作用を示
す断面図である。
【図3】第2の実施形態に係る高周波機器のシールド構
造を示す概略図である。
【図4】第2の実施形態に係る高周波機器のシールド構
造の他の構成例を示す概略図である。
【図5】第3の実施形態に係る高周波機器のシールド構
造を示す概略図である。
【図6】第4の実施形態に係る高周波機器のシールド構
造を示す概略図である。
【図7】従来技術における高周波機器のシールド構造を
示す図である。
【図8】CSブロックコンバータの基本構成を示す概念
図である。
【図9】CSブロックコンバータの周波数変換処理を示
す概念図である。
【図10】局部発振器からの漏洩する高周波成分の影響
を示す図である。
【図11】従来技術における高周波機器のシールド構造
を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 1a 接地パターン 2 高周波発振源 3 シールドケース 4 バネ部材 5 シャーシ 6 金属シート 7 ケースカバー 10 CSブロックコンバータ 11 混合器 12 局部発振器

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波発振源を収納するシールドケース
    と、該シールドケースを搭載し、該シールドケースの下
    面側において電気的に接続されたシャーシと、前記シー
    ルドケースの上面側に対向して前記シャーシに着脱可能
    に設けられたケースカバーと、を備え、前記ケースカバ
    ーは、前記シールドケースの上面側と高周波的に接続さ
    れることを特徴とする高周波機器のシールド構造。
  2. 【請求項2】 前記ケースカバーは、前記シールドケー
    スの上面側が対向する一面側に、絶縁性の被膜を介して
    導電性薄膜が形成され、前記シールドケースは、前記シ
    ールドケースの上面側から突出して設けられた導電性部
    材を介して前記導電性薄膜に接触することにより、前記
    ケースカバーと高周波的に接続されることを特徴とする
    請求項1記載の高周波機器のシールド構造。
  3. 【請求項3】 前記導電性部材は、弾性を有して構成さ
    れ、前記シャーシに前記ケースカバーを取り付け固定す
    ることにより、前記導電性部材と前記導電性薄膜が所定
    の押圧力で接触することを特徴とする請求項2記載の高
    周波機器のシールド構造。
  4. 【請求項4】 前記導電性部材は、前記シールドケース
    内に収納された前記高周波発振源の上方に突出して設け
    られていることを特徴とする請求項2又は3のいずれか
    に記載の高周波機器のシールド構造。
  5. 【請求項5】 高周波信号を信号処理する回路装置を搭
    載したシャーシと、前記シャーシに着脱可能に設けられ
    たケースカバーと、を備え、前記ケースカバーは、前記
    シャーシと高周波的に接続されることを特徴とする高周
    波機器のシールド構造。
  6. 【請求項6】 前記ケースカバーは、前記シャーシへの
    取り付け面側の、少なくとも前記シャーシに密着する領
    域に、絶縁性の被膜を介して導電性薄膜が形成され、該
    導電性薄膜を介して、前記シャーシと高周波的に接続さ
    れることを特徴とする請求項5記載の高周波機器のシー
    ルド構造。
  7. 【請求項7】 前記請求項1乃至4のいずれかに記載の
    構成を有していることを特徴とする請求項5又は6のい
    ずれかに記載の高周波機器のシールド構造。
  8. 【請求項8】 高周波信号を信号処理する回路装置が形
    成された回路基板と、前記回路基板を搭載したシャーシ
    と、前記回路基板の上面側に対向して前記シャーシに着
    脱可能に設けられたケースカバーと、を備え、前記ケー
    スカバーは、前記回路基板の上面側と高周波的に接続さ
    れることを特徴とする高周波機器のシールド構造。
  9. 【請求項9】 前記ケースカバーは、前記回路基板の上
    面側が対向する一面側に、絶縁性の被膜を介して導電性
    薄膜が形成され、前記回路基板は、前記回路基板の上面
    側から突出して設けられた導電性部材を介して前記導電
    性薄膜に接触することにより、前記ケースカバーと高周
    波的に接続されることを特徴とする請求項8記載の高周
    波機器のシールド構造。
  10. 【請求項10】 前記導電性部材は、弾性を有して構成
    され、前記シャーシに前記ケースカバーを取り付け固定
    することにより、前記導電性部材と前記導電性薄膜が所
    定の押圧力で接触することを特徴とする請求項9記載の
    高周波機器のシールド構造。
  11. 【請求項11】 前記導電性部材は、前記回路基板の上
    面側に形成された接地パターン上に突出して設けられて
    いることを特徴とする請求項9又は10のいずれかに記
    載の高周波機器のシールド構造。
  12. 【請求項12】 前記請求項1乃至7記載のいずれかの
    構成を有していることを特徴とする請求項8乃至11の
    いずれかに記載の高周波機器のシールド構造。
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