JP4110725B2 - 電子装置のアース取り出し構造 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント板に電子回路素子を実装し、プリント板の収納ケースを非導電性のモールド成型品として各種電気機器の保護や制御を行うための電子装置に係り、特にプリント板の対ノイズ用パターン電極からのアース取り出し構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種の電子装置としては、例えば、ディジタル回路素子をプリント板に実装し、電力機器の短絡検出等により電源遮断信号（トリップ信号）を発生して機器を保護する単体保護リレーがある。また、他の電子装置には、洗濯機などの家電製品に設けられるマイクロコンピュータ搭載の電子装置があるし、旋盤工場などの各種機械類の単体コントローラなどがある。
【０００３】
このような電子装置のアース取り出し構造として、電子回路素子を実装したプリント板の収納ケースを金属製の筺体とする場合は、図２の（ａ）に示すように、ケースに導電性があるため、プリント板１の接地用パターン部分を筺体２に固定することで、筺体を通してアースを取り出すことができる。
【０００４】
しかし、モールド成形品の筺体の場合は、導電性がないため、図２の（ｂ）に示すように、プリント板１に直接に取り付けてある回路接続用の端子台３にアース線を接続して接地を得ている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
モールド成形品の筺体を採用した電子装置では、プリント板の端子台をアース取り出しの端子として利用するため、ＩＣ等の電子回路部品を実装するためのパターンの面積がアース取り出しのために縮小されたり、プリント板そのものの面積を大きくすることがある。
【０００６】
また、端子台の一部の端子がアース端子として利用されるため、電子回路からの取り出し端子数が制約されることがある。
【０００７】
また、端子台からのアース取り出し配線は、アース用の配線と回路の信号配線が近接して、電子回路の信号線にノイズが誘導されてリレー等の誤動作の原因となることがある。
【０００８】
本発明の目的は、プリント板の筺体をモールド成型品とし、そのアース取り出し構造を採用するのに、上記の各問題点をすべて解決した電子装置を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するため、筺体のプリント板固定用部位に導電性部材で構成したインサートナットを埋設し、このインサートナットを介してプリント板の接地用パターン部分とアース線との接続を得るようにしたもので、以下の構成を特徴とする。
【００１０】
プリント板に電子回路素子を実装し、プリント板の収納ケースを非導電性のモールド成型品とした電子装置のアース取り出し構造であって、
両端をネジ加工した導電性部材で構成され、前記筺体のプリント板固定用部位に埋設されたインサートナットを有し、
前記インサートナットは、一端は前記プリント板のノイズ対策用アース取り出しパターン部分にネジ止めで固定し、他端はプリント板の接地用パターン部分を接地するためのアース線をネジ止めした構造を特徴とする。
【００１１】
【発明の実施の形態】
図１は、本発明の実施形態を示すアース取り出し構造の側断面図である。筺体２は、従来と同様に、モールド成型品で構成されるが、プリント板固定用部位（図示ではステム）に、両端をネジ加工した導電性部材で構成したインサートナット４を埋設可能にする。
【００１２】
インサートナット４は、筺体２に埋め込まれた状態で、その一端にはプリント板１のノイズ対策用アース取り出しパターン部分にネジ止めで固定され、他端にはアース線５がネジ止めされる。
【００１３】
このような構造によれば、筺体２がモールド成型品で導電性がなくとも、プリント板１を固定用部位のインサートナット４の一端にネジ止めすることで、インサートナット４の他端からアース線５で接地を得ることができる。
【００１４】
そして、プリント板の端子台をアース取り出しの端子として利用することを必要とせず、プリント板にはＩＣ等の電子回路部品を実装するためのパターンの面積がアース取り出しのために縮小されることはなくなるし、プリント板そのものの面積を大きくすることも不要となる。さらに、端子台の一部の端子がアース端子として利用されることがなく、電子回路からの取り出し端子数が制約されることもない。
【００１５】
また、端子台からの取り出し配線は、アース用の配線を不要にし、電子回路の信号配線にアース線からのノイズが誘導されるのを防止できる。
【００１６】
なお、本実施形態における構造での組み立て作業としては、筺体にプリント板を固定するという通常の作業と同じであり、作業工数が増すことはない。
【００１７】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、筺体のプリント板固定用部位に導電性部材で構成したインサートナットを埋設し、このインサートナットを介してプリント板の接地用パターン部分とアース線との接続を得るようにしたため、以下の効果がある。
【００１８】
（１）プリント板にはＩＣ等の電子回路部品を実装するためのパターンの面積がアース取り出しのために縮小されることはない。
【００１９】
（２）プリント板そのものの面積を大きくすることがない。
【００２０】
（３）電子回路からの取り出し端子数が制約されることもない。
【００２１】
（４）電子回路の信号配線にアース線からのノイズが誘導されるのを防止できる。
【００２２】
（５）組み立て作業としては、筺体にプリント板を固定するという通常の作業と同じであり、作業工数が増すことはない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態を示すアース取り出し構造。
【図２】従来のアース取り出し構造。
【符号の説明】
１…プリント板
２…筺体
３…端子台
４…インサートナット
５…アース線
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント板に電子回路素子を実装し、プリント板の収納ケースを非導電性のモールド成型品として各種電気機器の保護や制御を行うための電子装置に係り、特にプリント板の対ノイズ用パターン電極からのアース取り出し構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種の電子装置としては、例えば、ディジタル回路素子をプリント板に実装し、電力機器の短絡検出等により電源遮断信号（トリップ信号）を発生して機器を保護する単体保護リレーがある。また、他の電子装置には、洗濯機などの家電製品に設けられるマイクロコンピュータ搭載の電子装置があるし、旋盤工場などの各種機械類の単体コントローラなどがある。
【０００３】
このような電子装置のアース取り出し構造として、電子回路素子を実装したプリント板の収納ケースを金属製の筺体とする場合は、図２の（ａ）に示すように、ケースに導電性があるため、プリント板１の接地用パターン部分を筺体２に固定することで、筺体を通してアースを取り出すことができる。
【０００４】
しかし、モールド成形品の筺体の場合は、導電性がないため、図２の（ｂ）に示すように、プリント板１に直接に取り付けてある回路接続用の端子台３にアース線を接続して接地を得ている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
モールド成形品の筺体を採用した電子装置では、プリント板の端子台をアース取り出しの端子として利用するため、ＩＣ等の電子回路部品を実装するためのパターンの面積がアース取り出しのために縮小されたり、プリント板そのものの面積を大きくすることがある。
【０００６】
また、端子台の一部の端子がアース端子として利用されるため、電子回路からの取り出し端子数が制約されることがある。
【０００７】
また、端子台からのアース取り出し配線は、アース用の配線と回路の信号配線が近接して、電子回路の信号線にノイズが誘導されてリレー等の誤動作の原因となることがある。
【０００８】
本発明の目的は、プリント板の筺体をモールド成型品とし、そのアース取り出し構造を採用するのに、上記の各問題点をすべて解決した電子装置を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するため、筺体のプリント板固定用部位に導電性部材で構成したインサートナットを埋設し、このインサートナットを介してプリント板の接地用パターン部分とアース線との接続を得るようにしたもので、以下の構成を特徴とする。
【００１０】
プリント板に電子回路素子を実装し、プリント板の収納ケースを非導電性のモールド成型品とした電子装置のアース取り出し構造であって、
両端をネジ加工した導電性部材で構成され、前記筺体のプリント板固定用部位に埋設されたインサートナットを有し、
前記インサートナットは、一端は前記プリント板のノイズ対策用アース取り出しパターン部分にネジ止めで固定し、他端はプリント板の接地用パターン部分を接地するためのアース線をネジ止めした構造を特徴とする。
【００１１】
【発明の実施の形態】
図１は、本発明の実施形態を示すアース取り出し構造の側断面図である。筺体２は、従来と同様に、モールド成型品で構成されるが、プリント板固定用部位（図示ではステム）に、両端をネジ加工した導電性部材で構成したインサートナット４を埋設可能にする。
【００１２】
インサートナット４は、筺体２に埋め込まれた状態で、その一端にはプリント板１のノイズ対策用アース取り出しパターン部分にネジ止めで固定され、他端にはアース線５がネジ止めされる。
【００１３】
このような構造によれば、筺体２がモールド成型品で導電性がなくとも、プリント板１を固定用部位のインサートナット４の一端にネジ止めすることで、インサートナット４の他端からアース線５で接地を得ることができる。
【００１４】
そして、プリント板の端子台をアース取り出しの端子として利用することを必要とせず、プリント板にはＩＣ等の電子回路部品を実装するためのパターンの面積がアース取り出しのために縮小されることはなくなるし、プリント板そのものの面積を大きくすることも不要となる。さらに、端子台の一部の端子がアース端子として利用されることがなく、電子回路からの取り出し端子数が制約されることもない。
【００１５】
また、端子台からの取り出し配線は、アース用の配線を不要にし、電子回路の信号配線にアース線からのノイズが誘導されるのを防止できる。
【００１６】
なお、本実施形態における構造での組み立て作業としては、筺体にプリント板を固定するという通常の作業と同じであり、作業工数が増すことはない。
【００１７】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、筺体のプリント板固定用部位に導電性部材で構成したインサートナットを埋設し、このインサートナットを介してプリント板の接地用パターン部分とアース線との接続を得るようにしたため、以下の効果がある。
【００１８】
（１）プリント板にはＩＣ等の電子回路部品を実装するためのパターンの面積がアース取り出しのために縮小されることはない。
【００１９】
（２）プリント板そのものの面積を大きくすることがない。
【００２０】
（３）電子回路からの取り出し端子数が制約されることもない。
【００２１】
（４）電子回路の信号配線にアース線からのノイズが誘導されるのを防止できる。
【００２２】
（５）組み立て作業としては、筺体にプリント板を固定するという通常の作業と同じであり、作業工数が増すことはない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態を示すアース取り出し構造。
【図２】従来のアース取り出し構造。
【符号の説明】
１…プリント板
２…筺体
３…端子台
４…インサートナット
５…アース線
Claims (1)
- プリント板に電子回路素子を実装し、プリント板の収納ケースを非導電性のモールド成型品とした電子装置のアース取り出し構造であって、
両端をネジ加工した導電性部材で構成され、前記筺体のプリント板固定用部位に埋設されたインサートナットを有し、
前記インサートナットは、一端は前記プリント板のノイズ対策用アース引き出しパターン部分にネジ止めで固定し、他端はプリント板の接地用パターン部分を接地するためのアース線をネジ止めした構造を特徴とする電子装置のアース取り出し構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000269740A JP4110725B2 (ja) | 2000-09-06 | 2000-09-06 | 電子装置のアース取り出し構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000269740A JP4110725B2 (ja) | 2000-09-06 | 2000-09-06 | 電子装置のアース取り出し構造 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002084079A JP2002084079A (ja) | 2002-03-22 |
| JP4110725B2 true JP4110725B2 (ja) | 2008-07-02 |
Family
ID=18756291
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000269740A Expired - Fee Related JP4110725B2 (ja) | 2000-09-06 | 2000-09-06 | 電子装置のアース取り出し構造 |
Country Status (1)
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| JP (1) | JP4110725B2 (ja) |
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| DE102008038589B4 (de) | 2008-08-21 | 2023-11-16 | Lenze Swiss Ag | Steckerbuchsenanordnung |
| JP5646266B2 (ja) * | 2010-09-29 | 2014-12-24 | 三洋電機株式会社 | プロジェクタ |
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2000
- 2000-09-06 JP JP2000269740A patent/JP4110725B2/ja not_active Expired - Fee Related
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