JP2021008576A - 難燃性樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

難燃性樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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圭二 関根
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裕彦 安井
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裕彦 安井
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旭 塚▲崎▼
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泰幸 渡部
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【課題】ハロゲンフリーで環境に優しく、機械的強度及び耐熱性に優れたポリオレフィン系の難燃性樹脂組成物、及び成形体を提供する。【解決手段】本発明の難燃性樹脂組成物は、(a1)ポリオレフィン樹脂98〜40質量%、(a2)リグノフェノール2〜60質量%からなる(A)熱可塑性樹脂組成物100質量部に対し、(B)樹脂改質剤を0.5〜20質量部、(C)リン系難燃剤を1〜40質量部含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性、機械的物性に優れたハロゲンフリーのポリオレフィン系の難燃性樹脂組成物及び成形体に関する。
ポリオレフィンは、熱可塑性樹脂の中で最も汎用性が高く、自動車部材、家電、電子部品、スポーツ用品、建材等様々な分野で使用されている。ポリオレフィンに難燃性を付与するためには、臭素や塩素を含むハロゲン系難燃剤を使用することが一般的である。一方、環境への影響を考慮してハロゲン系難燃剤を使用しない場合は、例えば、リン酸エステルや金属水和物等の難燃剤を多量に添加して使用しているが、機械的性質が損なわれてしまうという課題があった。更に、ポリオレフィン系樹脂と、ポリヒドロキシアルカノエートと、リグノフェノールとを併用する樹脂組成物が提案されているが(例えば、特許文献1参照)、ポリオレフィンとリグノフェノールは相溶性が悪く機械的物性を低下させる欠点があった。
特開2016−186025号公報
本発明は、ハロゲンフリーで環境に優しく、機械的強度及び耐熱性に優れたポリオレフィン系の難燃性樹脂組成物、及び成形体を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討した結果、ポリオレフィン系樹脂とリグノフェノールからなる熱可塑性樹脂に樹脂改質剤とリン系難燃剤を配合することにより、高い機械的強度及び耐熱性を維持しながら難燃性に優れるハロゲンフリーのポリオレフィン系難燃性樹脂組成物及びその成形体を発明した。
すなわち本発明は、(a1)ポリオレフィン樹脂98〜40質量部、(a2)リグノフェノール2〜60質量%からなる(A)熱可塑性樹脂組成物100質量部に対し、(B)樹脂改質剤を0.5〜20質量部、(C)リン系難燃剤を1〜40質量部含むことを特徴とする難燃性樹脂組成物及びその成形体に関する。さらに、(C)リン系難燃剤はリン酸塩であることが好ましく、(B)樹脂改質剤はポリオレフィン及び親水性の官能基の2つのセグメントで構成されることがより好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物、及び成形体は、ハロゲンフリーで環境に優しく、機械的強度及び耐熱性に優れるという効果を奏する。
本発明の難燃性樹脂組成物は、(a1)ポリオレフィン樹脂98〜40質量%、(a2)リグノフェノール2〜60質量%からなる(A)熱可塑性樹脂組成物100質量部に対し、(B)樹脂改質剤を0.5〜20質量部、(C)リン系難燃剤を1〜40質量部含むことを特徴とする。
本発明の(a1)ポリオレフィン樹脂としては、例えば、エチレンの単独重合体、プロピレンの単独重合体、ブテンの単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体等が挙げられる。
本発明の(a1)ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレンが好ましい。
本発明の(a2)リグノフェノールは、特に限定されるものではなく公知の方法で製造することができる。例えば、植物資源である木材資源に酸とフェノール誘導体を添加し、木材資源中のセルロース、ヘミセルロースを加水分解させ、また、木材資源中のリグニンをフェノール誘導体により安定化してリグノフェノールを製造する。木材資源に酸とフェノール誘導体を添加する方法としては、木材資源にフェノール誘導体を添加して含浸させた後、酸を添加し、系の粘度が低下したら、後述する疎水性の溶剤を添加し、さらに撹拌を行う方法が挙げられる。このようにすることで、セルロース及びヘミセルロース由来の糖成分と酸からなる層と、リグノフェノール、フェノール誘導体及び疎水性の溶剤からなる層に分離することが可能となる。
本発明において使用する木材資源は、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンなどから構成されるものであり、例えば、木粉、木質チップなどを挙げることができる。また、使用する木材としては、針葉樹、広葉樹など任意の種類のものを使用することができる。
木材資源に添加する酸としては、無機酸、有機酸のいずれも用いることが可能である。酸は、セルロース及びヘミセルロースを加水分解するための触媒としてだけでなく、木材資源を構成するセルロース、ヘミセルロース及びリグニンの結合を解く役割も果たす。無機酸としては、硫酸、リン酸、塩酸などのいずれかを使用することができる。酸の濃度は、60〜90質量%が望ましい。酸の濃度が60質量%より低いと、セルロースとリグニンの解緩反応が進行せず、酸の濃度が90質量%より高いとリグニン及び添加剤であるフェノール誘導体のベンゼン骨格がスルホン化されやすくなり、不具合が生じる傾向にある。酸の中では、濃度が60質量%以上90質量%以下の硫酸が好ましい。有機酸としては、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ギ酸などを使用することができる。
木材資源に添加する酸の添加量としては、木材資源100質量部に対して、好ましくは200〜3000質量部、より好ましくは1000〜2000質量部である。酸の添加量が少ないと、木材原料は膨潤するだけで液状にならず、撹拌が困難になり、新しいタイプの押出混練機が必要となる。また、酸の添加量が多すぎると、酸の回収系への負担が増え、経済性が損なわれる。
リグニンを構成するフェニルプロパン単位のα炭素は化学的に不安定であるが、フェノール誘導体を添加することで、成形体などの種々の用途に活用できるリグノフェノールを得ることができる。ここで、リグノフェノールとは、下記一般式(1)で表す構造単位を含む重合体をいう。
Figure 2021008576
一般式(1)中、Rは、メトキシ基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコシキ基、または炭素数6〜8のアリール基であり、Rは水酸基である。mは0〜4の整数、nは0〜4の整数、pは1〜4の整数であり、n+p≦5である。
リグノフェノールは、リグニン中のp−クマリルアルコール、シナピルアルコール、コニフェリルアルコール等のフェニルプロパン単位のα炭素にフェノール誘導体が結合したジフェニルプロパン単位を含む重合体である。例えば、リグニンを構成するフェニルプロパン単位の一種である一般式(2)で表されるコニフェリルアルコールを、フェノール誘導体であるp−クレゾールでマスキングをした場合、一般式(3)で表されるリグノフェノール単量体が形成される。p−クマリルアルコール、シナピルアルコール等についても、同様にフェノール誘導体が結合して、α炭素が安定化したリグノフェノール単量体が得られる。
Figure 2021008576
Figure 2021008576
フェノール誘導体としては、1価のフェノール誘導体、2価のフェノール誘導体または3価のフェノール誘導体などが挙げられる。1価のフェノール誘導体としては、フェノール、ナフトール、アントロール、アントロキオールなどが挙げられる。これらの1価のフェノール誘導体は、さらに1以上の置換基を有していてもよい。2価のフェノール誘導体としては、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンなどが挙げられる。これらの2価のフェノール誘導体はさらに1以上の置換基を有していてもよい。3価のフェノール誘導体としては、ピロガロールなどが挙げられる。ピロガロールはさらに1以上の置換基を有していてもよい。これらの1価から3価のフェノール誘導体が有する置換基の種類は特に限定されず、任意の置換基を有していてもよい。電子吸引性の基(ハロゲン原子など)以外の基であり、例えば、低級アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基など)、低級アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基など)、アリール基(フェニル基など)などが挙げられる。また、リグニンを構成するフェニルプロパン単位のα炭素との反応性の点から、フェノール誘導体上のフェノール性水酸基の2つあるオルト位のうちの少なくとも片方は無置換であることが好ましい。
フェノール誘導体の好ましい例としては、p−クレゾール、2,6−キシレノール、2,4−キシレノール、2−メトキシフェノール(Guaiacol)、2,6−ジメトキシフェノール、カテコール、レゾルシノール、ホモカテコール、ピロガロール及びフロログルシノールなどが挙げられ、中でもp−クレゾールが好ましい。フェノール誘導体の添加量としては、木材資源100質量部に対して、好ましくは200〜3000質量部、より好ましくは500〜2000質量部である。フェノール誘導体は、リグニンのα−炭素をマスキングするのに必要な化学量論的な量以上を添加しなければならず、また相分離に必要な抽出剤としての量も加味して添加しなければならない。
木材資源に酸とフェノール誘導体を添加することで、主に酸とセルロース及びヘミセルロース由来の糖液とから構成される水層と、リグノフェノールとフェノール誘導体とから構成される油層に分離させる。より短時間で二層に分離させるために疎水性の溶剤をさらに添加することが好ましい。分離された油層は、濾過機にて固液分離され、固体のリグノフェノールと、液体のp−クレゾールと疎水性溶剤に分離される。固液分離はフィルタープレス等を用いて行うことができ、リグノフェノールはケーク状で得られる。得られたリグノフェノールは、乾燥機にて乾燥される。
本発明で使用するリグノフェノールの重量平均分子量は、特に限定されないが、300〜8000であることが好ましく、500〜6000であることがより好ましく、1800〜4000であることがさらに好ましい。リグノフェノールの重量平均分子量が8000を超えると、リグノフェノールのアルカリ性水溶液に対する溶解性が低下する傾向にある。また、リグノフェノールの重量平均分子量が300未満であると、得られる難燃性樹脂組成物の機械的強度が低下する傾向にある。リグノフェノールの分子量がこの範囲であることで、難燃性樹脂組成物の機械的強度及び耐熱性を維持しながら難燃性を向上することができる。なお、本発明における重量平均分子量は、測定装置(東ソー(株)製、HLC−8220GPC)を使用し、リグノフェノールをテトラヒドロフランに溶解させ、濾過し、その濾液をGPCで測定した。
本発明の熱可塑性樹脂組成物中に含まれるリグノフェノールは、2〜60質量%である。2質量%未満であれば、難燃性樹脂組成物の難燃性及び耐熱性が不十分である。また、60質量%を超えると難燃性樹脂組成物の成形加工性が悪くなる。
リグノフェノールの好ましい添加量は5〜30質量%である。
本発明の(B)樹脂改質剤は、ポリオレフィン系の主鎖と親水性の官能基を含む側鎖の2つのセグメントで構成される。主鎖を構成するセグメントとしては例えば、ポリプロピレンやポリエチレンを挙げることができる。側鎖に含まれる親水性の官能基としては、例えば、フェノールやアルコール等の水酸基、無水マレイン酸、カルボン酸、ジカルボン酸、スルホン酸、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸、アクリル酸グリシジル、アクリル酸、オキサゾリン、N−フェニルマレイミド、ケトン、アミド、エステル、エーテル、ニトリル等が挙げられる。側鎖には上記に挙げた親水性の官能基の他にメタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル等を含むものでも構わない。側鎖に含まれる親水性の官能基としては無水マレイン酸やメタクリル酸グリシジルが好ましい。
本発明の(B)樹脂改質剤は、ポリオレフィン樹脂とリグノフェノールの相溶性や分散性を高める目的で、また、ガラス繊維等の無機物を用いる場合はこれとポリオレフィンの親和性や分散性を高める目的に使用される。(B)樹脂改質剤は、熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して0.5〜20質量部添加される。(B)樹脂改質剤の添加量が0.5質量部未満の場合、および20質量部を超えて添加される場合のいずれにおいても、難燃性樹脂組成物の機械的物性が悪くなる。
本発明の(C)リン系難燃剤としては、特に限定されるものではなく公知の技術を用いることができる。例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ホスホン酸エステル、等のリン酸エステル、ホスホン酸アルミニウム、ホスホン酸カルシウム、ホスホン酸亜鉛等の金属ホスホン酸塩、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、メラミンポリ(リン酸アルミニウム)、メラミンポリ(リン酸亜鉛)等のリン酸塩、赤リン等が挙げられ、単独でまたは2種類以上を併用することができる。また、リン系難燃剤を含むものであれば、発泡膨脹型(イントメッセント)難燃剤も使用することができる。
本発明の(C)リン系難燃剤の添加量は、熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して1〜40質量部である。(C)リン系難燃剤の添加量が1質量部未満では、難燃性が低く、40質量部を超えると難燃性樹脂組成物の機械的物性が悪くなる。より好ましい添加量は5〜30質量部である。
本発明の難燃性樹脂組成物には、(C)リン系難燃剤以外の難燃剤を併用することができる。(C)リン系難燃剤以外の難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等の水和金属化合物、ホウ酸亜鉛、ホウ酸等のホウ素化合物、窒化チタン、窒化ホウ素、窒化マグネシウム、ヒンダードアミン化合物、メラミン、メラミン樹脂等のメラミン誘導体、メラミンシアヌレート等のメラミン塩の様な窒素系難燃剤等を用いることができる。
本発明の難燃性樹脂組成物には、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、ホウ酸亜鉛、窒化チタン、窒化ホウ素、窒化マグネシウム等の無機充填剤を使用することができる。無機充填剤の中ではガラス繊維及び酸化亜鉛が好適に用いられる。ガラス繊維は特に限定されないが、Eガラス、ECRガラス、Cガラス、Sガラスなどを使用することができ、Eガラスが好適に使用される。ガラス繊維の形状は、ロービング、チョップストランド、ミルドファイバーなどがあげられるが、機械的強度の向上の観点からロービング、ガラスチョップストランドが好適に使用される。またポリプロピレン樹脂との界面親和性を向上させるため、シランカップリング剤や水溶性樹脂などの表面処理剤により表面処理されたガラス繊維が好適に使用される。ガラス繊維の直径は3〜20μmが好ましく、7〜16μmがより好ましく、9〜13μmがさらに好ましい。ガラス繊維の添加量は、熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して1〜40質量部が好ましく、5〜40質量部がより好ましく、10〜30質量部がさらに好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物には、顔料、酸化防止剤、滑材、紫外線吸収剤等の添加剤が配合されていてもよい。
本発明の難燃性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリフェニレンサルファイド、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、テトラフルオロエチレンポリマー等の樹脂を添加することが可能である。
特にテトラフルオロエチレンポリマーは成形体が燃焼した際の滴下防止の目的で好適に使用される。
本発明の難燃性樹脂組成物は、原料となる(a1)ポリオレフィン樹脂、(a2)リグノフェノール、(B)樹脂改質剤、および(C)リン系難燃剤を、公知の溶融混練装置に供給して溶融混練することができる。使用できる溶融混練装置としては、例えば、押出機、バンバリーミキサー、インテンシブミキサー、コニーダー、ロール等を使用することができる。この中で二軸押出機が均一混合や操作性の点で好ましい。
本発明の成形体は難燃性樹脂組成物を射出成形、ブロー成形、フィルム成形、シート成形、溶融紡糸等の公知の技術で得ることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
評価方法
(1)機械特性
引張強さ、および引張弾性率については、JIS K7161に準じて測定した。
シャルピー衝撃値(Vノッチ無)については、JIS K7111に準じて測定した。
(2)難燃性
UL94の垂直燃焼試験に従い評価した。
使用した材料
(1)ポリプロピレン樹脂(J106G、(株)プライムポリマー製)
(2)リグノフェノール
杉の木粉をp−クレゾールを含むアセトン溶液に浸漬して、木粉にp−クレゾールを吸着させた後、72質量%の硫酸を添加して激しく撹拌した。撹拌後の液に、ヘキサンを加え、更に撹拌した後に水を加え放置し、上澄みである水層、および油層を除去し、残った固形物を水洗し、メタノールに溶解させた。固形分を分離した後、得られたメタノール溶液に、塩を溶かした水を加えて水晶析してリグノフェノールを析出させた。析出したリグノフェノールを分離し、重曹水を用いて洗浄・ろ過を繰り返した。固形分を水に分散させたときのpHが中性になるまで重曹水での洗浄を繰り返した後、固形分を乾燥したものを使用した。
(3)樹脂改質剤1(ユーメックス1001、三洋化成(株)製、無水マレイン酸変性ポリプロピレン)
(4)樹脂改質剤2(MG−670P、理研ビタミン(株)製、無水マレイン酸変性ポリプロピレン)
(5)ポリリン酸メラミン(ホスメル200、日産化学(株)製)
(6)トリフェニルホスフェート(TPP、大八化学工業(株)製)
(7)リン酸塩系難燃剤(アデカスタブFP−2500S、(株)アデカ製)
(8)ガラス繊維(ECS11−03−508H、巨石集団有限公司製)
下記表1に示す処方にて各材料を配合し、二軸混練押出機(東芝TEM−35)を使用して、220℃で溶融混練した後、シリンダー温度230℃、金型温度80℃で成形して、実施例1〜7および比較例1〜3の評価試料を作製した。作製した試料について、機械特性等について評価した。結果を表1に示す。なお、樹脂改質剤等の配合量は、ポリプロピレン樹脂とリグノフェノールの混合物である熱可塑性樹脂組成物100質量部に対する配合量(質量部)で示している。
Figure 2021008576

Claims (5)

  1. (a1)ポリオレフィン樹脂98〜40質量%、(a2)リグノフェノール2〜60質量%からなる(A)熱可塑性樹脂組成物100質量部に対し、
    (B)樹脂改質剤を0.5〜20質量部、
    (C)リン系難燃剤を1〜40質量部含むことを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. 前記(C)リン系難燃剤がリン酸塩を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 前記(A)熱可塑性樹脂100質量部に対し、(D)ガラス繊維を1〜40質量部含むことを特徴とする請求項1または2に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 前記(B)樹脂改質剤が、ポリオレフィン及び親水性の官能基の2つのセグメントで構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物を成形加工してなることを特徴とする成形体。
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