JP2021006645A - ワックス含有ウレタン系複合粒子 - Google Patents
ワックス含有ウレタン系複合粒子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021006645A JP2021006645A JP2020169005A JP2020169005A JP2021006645A JP 2021006645 A JP2021006645 A JP 2021006645A JP 2020169005 A JP2020169005 A JP 2020169005A JP 2020169005 A JP2020169005 A JP 2020169005A JP 2021006645 A JP2021006645 A JP 2021006645A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wax
- component
- polyol
- containing urethane
- based composite
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
Abstract
Description
特許文献1に記載のフィルムは、多糖フィルムに、天然ワックスの混合物を塗工した複合フィルムであり、良好な耐透湿性や温水溶解性を有する。また、特許文献2に記載のワックス分散液は、均一な積層塗布が可能である特徴を有する。
また、いずれの場合も、得られる塗膜は、室温で固形のワックスそのものに近いため、室温では硬く柔軟性に欠け、適用できる用途、基材が限られてしまう。
[1](A)ポリウレタンによって、(B)ワックスを主体とする目的成分を複合化した粒子であって、上記(A)成分と(B)成分の組成比率(重量比)が(A)/(B)=95/5〜20/80であることを特徴とするワックス含有ウレタン系複合粒子。
[2]上記(B)成分の60重量%以上が上記ワックスであることを特徴とする[1]に記載のワックス含有ウレタン系複合粒子。
[4]上記ワックスがカルナバロウ及び/又はキャンデリラロウであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載のワックス含有ウレタン系複合粒子。
[5]上記(A)成分を構成するポリオールが、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールである[1]〜[4]のいずれか1項に記載のワックス含有ウレタン系複合粒子。
[7]水100重量部あたりのワックスの含有割合が、2.5〜60重量部である[6]に記載の複合分散液。
[8]化粧料、接着剤、塗料、コーティング剤、又はシーリング剤として用いられる上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のワックス含有ウレタン系複合粒子。
[9]化粧料、接着剤、塗料、コーティング剤、又はシーリング剤として用いられる上記[6]又は[7]に記載の複合分散液。
この発明にかかるワックス含有ウレタン系複合粒子は、ポリウレタン(以下、「(A)成分」と称する。)と、ワックスを主体とする目的成分(以下、「(B)成分」と称する。)とを複合化させた粒子である。
上記(A)成分を構成するポリウレタンは、ポリイソシアネートとポリオールとの重縮合体である。上記ポリイソシアネートとしては、各種の脂肪族、脂環式、芳香族等の有機系のポリイソシアネート化合物等の多価イソシアネート化合物を用いることができる。このポリイソシアネート化合物の具体例としては、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート等を挙げることができる。
上記(B)成分であるワックスを主体とする目的成分は、この発明によって目的の効果を付与する成分をいい、ワックス、防虫剤、抗菌防カビ剤、芳香剤等があげられる。
この発明にかかるワックス含有ウレタン系複合粒子は、(B)成分の存在下、ポリオールとポリイソシアネートとをウレタン化反応させることにより、ウレタンプレポリマーを製造し、次いで、後述する水性媒体を加えることにより鎖延長反応を行い、ポリウレタンを製造することができる。
具体的には、上記多価アルコールとしては、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
上記ポリオール類としては低分子ジオールが脱水縮合した構造を持つ、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等が挙げられ、その繰り返し単位数としては、常温での取扱い性等の点から、2〜20程度が好ましく用いられる。
また、一分子中に2以上のアミノ基を有するポリアミンとしては、ポリエチレンイミンが例示でき、例えばエポミンSP−003、同SP−006(商品名、いずれも日本触媒(株)製)等が挙げられる。
さらに、上記した鎖延長剤以外に、水、ヒドラジン等も鎖延長剤として用いることができる。
この発明にかかるワックス含有ウレタン系複合粒子には、必要に応じて、不飽和単量体を重合して得られる重合体を含んでもよい。
この不飽和単量体は、不飽和基を有する単量体であり、不飽和基を1つ有する単官能性不飽和単量体や不飽和基を2つ以上有する多官能性不飽和単量体等が挙げられる。
この単官能性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル系単量体、ハロゲン化ビニル系化合物、芳香族ビニル化合物等があげられる。なお、この明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル又はメタクリル」を意味する。
ブトキシエチル等があげられる。
なお、上記のビニル基を有する単量体は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
間程度とすることが好ましい。
ョンとなっており、そのまま、又は必要に応じて、水をさらに加えて、エマルジョンとして使用することができる。さらに、得られたエマルジョンから上記ワックス含有ウレタン系複合粒子を分取し、別の水に分散させて、エマルジョンとしてもよい。
[貯蔵安定性]
得られた分散液を室温で1か月間保管した後、外観を目視判定した。
○:異物・凝集・沈降等無し。
×:異物・凝集・沈降いずれかの現象を確認した。
得られた分散液を23℃/50%RH環境下にて乾燥させ、連続的な皮膜を形成するかを目視にて確認した。
○:柔軟な皮膜が得られた。
×:割れやすく連続的な皮膜が得られなかった。
××:室温では造膜せず、融点以上の加熱が必要であった。
(1)皮膜の作成
得られた分散液を0.1mmアプリケーターにてPETフィルム(25μm厚,コロナ処理面)へ塗工する。そして、基材のPETフィルムごと塗工膜を半分に折り、外観を目視にて観察した。
◎:割れ・剥がれ等が無い。
○:ほぼ割れ・剥がれ等が無い。
△:一部白化したような微細な割れが確認されるが大きなものは無い。
×:割れ・剥がれが顕著に表れた。
[ポリオール成分]
・PPG2000…三洋化成工業(株)製:ポリプロピレングリコール、数平均分子量:2000
・PPG1000…三洋化成工業(株)製:ポリプロピレングリコール、数平均分子量:1000
・N4073…東ソー(株)製:ポリエステルポリオール、数平均分子量:2000
・DMPA…パーストープ社製:ジメチロールプロパン酸
・IPDI…(株)テグサジャパン製:イソホロンジイソシアネート、商品名:ベスタナートIPDI
・MMA…三菱レイヨン(株)製:メタクリル酸メチル
・BA…三菱化学(株)製:アクリル酸ブチル
・ジブチルチンジラウレート…和光純薬工業(株)製:試薬
[重合安定剤]
・ハイドロキノン…和光純薬工業(株)製:試薬、以下、「HQ」と称する。
・ミツロウ…日本精蝋(株)製、動物性ワックス、引火点:258℃、融点:60〜67℃
・キャンデリラロウ…ミツバ貿易(株)製、植物性ワックス、引火点:266℃、融点:66〜80℃
・マイクロクリスタリンワックスディスパージョン…サンノプコ(株)製:ノプコ1245−M−SN、固形分46重量%水性分散液(融点(ワックス):77℃)
・トリエチアルミン…ダイセル化学工業(株)製
・トリエタノールアミン…ダウケミカル日本(株)製
・KOH…和光純薬工業(株)製
温度計、撹拌装置及び還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、表1に示すポリオール成分、ワックスを加えた。そして、内温50℃とし、表1に示すポリイソシアネート成分、及びジブチルチンジラウレート0.02重量部を加えた。次に、内温を90℃に加温し、この温度で5時間反応させて、(B)成分を含有するウレタンプレポリマーを得た。
次いで、そして、この溶液に表1に示す水(蒸留水)を50℃で15分間かけて滴下し、ウレタンの鎖延長反応を行うと共に水分散を行い、ポリウレタンとワックスとを有する、乳白色透明性の分散液を得た。
得られた分散液を用いて、上記の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1の4つ口フラスコに、さらに表1に示す不飽和単量体と初期反応制御のための重量禁止剤とを加えたこと以外は、実施例1と同様にして、分散液(ポリウレタン分散液)を得た。
得られたポリウレタン分散液を50℃に保温し、この温度で、7重量%t−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液4.6重量部と、1重量%アスコルビン酸水溶液16.6重量部からなるレドックス開始剤を添加して、ラジカル重合性単量体の重合を開始した。発熱終了後、さらに80℃に昇温して2時間保持することによって、ポリウレタンと不飽和重合体とワックスとを含む水分散液を得た。また、得られた水分散液の平均粒子径は700nmであった。得られた分散液を用いて、上記の評価を行った。その結果を表1に示す。
表1に示すキャンデリラロウ、又はマイクロクリスタリンワックスディスパージョン単独で用いて上記の評価を行った。その結果を表1に示す。
Claims (2)
- ワックスを主体とする目的成分の存在下、ポリオールとポリイソシアネートとをウレタン化反応させることによりウレタンプレポリマーを製造し、次いで、水性媒体を加えることにより鎖延長反応を行い、ポリウレタンを製造することを特徴とする、ワックス−ポリウレタン複合粒子の製造方法。
- 上記ポリオールが、エーテル基を有するポリアルキレングリコール由来の構成単位を主成分とするポリオールである請求項1に記載のワックス−ポリウレタン複合粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020169005A JP7132994B2 (ja) | 2020-10-06 | 2020-10-06 | ワックス含有ウレタン系複合粒子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020169005A JP7132994B2 (ja) | 2020-10-06 | 2020-10-06 | ワックス含有ウレタン系複合粒子 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016049563A Division JP2017165806A (ja) | 2016-03-14 | 2016-03-14 | ワックス含有ウレタン系複合粒子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021006645A true JP2021006645A (ja) | 2021-01-21 |
JP7132994B2 JP7132994B2 (ja) | 2022-09-07 |
Family
ID=74165512
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020169005A Active JP7132994B2 (ja) | 2020-10-06 | 2020-10-06 | ワックス含有ウレタン系複合粒子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7132994B2 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5538531A (en) * | 1991-06-24 | 1996-07-23 | Hudson; Alice P. | Controlled release fertilizers and methods of production |
JPH10109376A (ja) * | 1996-10-08 | 1998-04-28 | Kawasaki Steel Corp | 非アルカリ脱膜型潤滑樹脂処理鋼板およびその製造方法 |
JP2004143418A (ja) * | 2002-08-26 | 2004-05-20 | Sanyo Chem Ind Ltd | 樹脂粒子 |
JP2006206848A (ja) * | 2004-01-30 | 2006-08-10 | Sanyo Chem Ind Ltd | 樹脂分散体及び樹脂粒子 |
JP2011079962A (ja) * | 2009-10-07 | 2011-04-21 | Sanyo Chem Ind Ltd | 結晶性樹脂粒子 |
-
2020
- 2020-10-06 JP JP2020169005A patent/JP7132994B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5538531A (en) * | 1991-06-24 | 1996-07-23 | Hudson; Alice P. | Controlled release fertilizers and methods of production |
JPH10109376A (ja) * | 1996-10-08 | 1998-04-28 | Kawasaki Steel Corp | 非アルカリ脱膜型潤滑樹脂処理鋼板およびその製造方法 |
JP2004143418A (ja) * | 2002-08-26 | 2004-05-20 | Sanyo Chem Ind Ltd | 樹脂粒子 |
JP2006206848A (ja) * | 2004-01-30 | 2006-08-10 | Sanyo Chem Ind Ltd | 樹脂分散体及び樹脂粒子 |
JP2011079962A (ja) * | 2009-10-07 | 2011-04-21 | Sanyo Chem Ind Ltd | 結晶性樹脂粒子 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7132994B2 (ja) | 2022-09-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2837142B2 (ja) | 水性アクリル−ウレタン複合体である常温硬化性水性樹脂組成物及びこれを用いたコーティング剤又はインキ | |
CN106752600B (zh) | 水性涂料组合物和由其形成的防眩光涂层 | |
DE69031894T2 (de) | Beschichtungszusammensetzung enthaltend vernetzte kugel- förmige Teilchen | |
JPH09157342A (ja) | ポリウレタン樹脂の水系分散物、ポリウレタン樹脂グラフト重合体の水系分散物および水系塗料組成物 | |
JP4469479B2 (ja) | 水性エマルジョン系樹脂組成物 | |
JP2008266520A (ja) | 接着性樹脂水性エマルジョン | |
JP2007056120A (ja) | 樹脂組成物の水性分散体の製造方法及び樹脂組成物の水性分散体 | |
JP5926005B2 (ja) | 発泡性樹脂組成物 | |
JP5015414B2 (ja) | ポリウレタン−ビニル重合体複合樹脂水性分散液 | |
JP4004678B2 (ja) | 複合樹脂エマルジヨンの製造方法 | |
JP3891883B2 (ja) | 接着剤組成物 | |
JP4132416B2 (ja) | 複合樹脂エマルジョンの製造方法 | |
JP5085911B2 (ja) | ポリウレタン−ビニル重合体複合樹脂水性分散液 | |
JP6979584B2 (ja) | 水性リキッド印刷インキ、印刷物、及び積層体 | |
JP2021006645A (ja) | ワックス含有ウレタン系複合粒子 | |
JP4226755B2 (ja) | 複合樹脂エマルジヨンの製造方法 | |
JP5655463B2 (ja) | 水性樹脂組成物、コーティング剤、及び熱転写型インクリボン | |
JP2017165806A (ja) | ワックス含有ウレタン系複合粒子 | |
JP2017179039A (ja) | 紫外線吸収剤−ウレタン系樹脂複合分散液 | |
JPH11140149A (ja) | 重合体水性分散液の製造方法 | |
JP5173980B2 (ja) | ポリウレタン−ビニル重合体複合樹脂水性分散液 | |
JP2006104315A (ja) | 水性アクリル変性ウレタン樹脂およびその製造方法 | |
JP7458545B1 (ja) | ポリエステル基材用離型コート剤、離型シート及び積層体 | |
JP2008231188A (ja) | 一液型水性コーティング剤、その製造方法および塗装物 | |
JP2005290034A (ja) | 目的成分含有複合微粒子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201006 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211130 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20220107 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220328 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220802 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220826 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7132994 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |