JP2021006418A - レールガイド装置、及びサンルーフ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レールガイド装置のガイドレールに沿って移動する摺動部材や、サンルーフ装置における可動パネルのがたつきを抑える。【解決手段】レールガイド装置30は、ガイドレール13に沿って移動自在な駆動シュー21及びスライドチェック41と、同ガイドレール13に固定されたガイドブロック60と、を備える。ガイドブロック60には、同スライドチェック41の後方に突出した支持軸45に回動可能に軸支された回転チェック48の係合突部が係入し、その状態からのスライドチェック41の前方への移動に応じて回転チェック48を回動させる係合溝が設けられている。ガイドブロック60及びスライドチェック41には、スライドチェック41が最前方に移動した際に互いに当接して、スライドチェック41からの車両の前方に向かう押圧をガイドブロック60に伝達可能な当接面がそれぞれ形成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、レールガイド装置、及び同レールガイド装置を備えるサンルーフ装置に関する。
従来、車両用のサンルーフ装置として、特許文献1、2に記載の装置が知られている。これら従来のサンルーフ装置では、開口の両側縁部にそれぞれ設けられたレールガイド装置を介して可動パネルがルーフに組み付けられている。レールガイド装置には、ガイドレールに沿って移動自在なスライドチェックと、モータなどの電気的駆動源によりガイドレールに沿って移動する駆動シューと、を備えている。また、同レールガイド装置には、駆動シューの車両の最前方への移動に応じて同駆動シューとスライドチェックとが連結した状態とその連結を解除した状態とを切り替える係脱切替機構を備えている。
可動パネルの全閉状態では、係脱切替機構による駆動シューとスライドチェックとの連結が解除された状態となっている。可動パネルは、この状態からの車両の前方への駆動シューの移動に応じて全閉状態からチルトアップ状態に移行する。そして、駆動シューが最前方へ移動して係脱切替機構により駆動シューとスライドチェックとが連結した後に、駆動シューを車両の後方に移動することで、チルトアップ状態を保ったまま可動パネルを車両の後方にスライド動作させている。
特開2013−184648号公報 特開2016−322981号公報
上記従来のサンルーフ装置では、全閉状態やチルトアップ状態に保持中の可動パネルに加わった車両の前後方向の荷重を、スライドチェックを介して支えている。このときのスライドチェックは、駆動シューとの連結が解除された状態にあるため、上記荷重をスライドチェック単独では支えきれない場合がある。そのため、全閉状態やチルトアップ状態に保持中の可動パネルに車両の前後方向のがたつきが生じたり、そのがたつきによる異音が発生したり、する虞がある。
なお、上記従来のサンルーフ装置が採用するものと同様のレールガイド装置を、サンルーフ装置以外の装置における直動案内機構として採用することが考えられる。そうした場合にも同様に、がたつきの発生が問題となる可能性がある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その解決しようとする課題は、レールガイド装置のガイドレールに沿って移動する摺動部材や、サンルーフ装置における可動パネルのがたつきを抑えることにある。
上記課題を解決するレールガイド装置は、ガイドレールと、前記ガイドレールに沿って移動自在な第1摺動部材と、前記ガイドレールに沿って移動自在な第2摺動部材と、前記ガイドレールに固定されたガイドブロックと、前記第2摺動部材から前記ガイドレールの延伸方向に突出した支持軸と、前記第1摺動部材と前記第2摺動部材とを係合する第1回
動位置と同係合を解除する第2回動位置との間を回動可能に前記支持軸に軸支された回転チェックと、前記回転チェックに形成された係合突部と、前記ガイドレールに沿った前記第2摺動部材の移動方向のうちの一方を第1移動方向としたとき、前記ガイドブロックに設けられた溝であって、前記係合突部が前記第1回動位置に位置した状態で前記第2摺動部材が前記ガイドレールにおける既定の位置に位置したときに前記係合突部が係入し、前記第2摺動部材が前記既定の位置から前記第1移動方向に移動した際に同回転チェックを前記第2回動位置へと回動させる係合溝と、を備えるとともに、前記ガイドブロック及び前記第2摺動部材には、前記回転チェックが前記係合溝により前記第2回動位置に回動される位置に同第2摺動部材が位置したときに互いに当接して、前記第2摺動部材からの前記第1移動方向への押圧を前記ガイドブロックに伝達可能な当接面がそれぞれ形成されており、かつ前記係合溝の前記第1移動方向の終端面から前記ガイドブロックに形成された前記当接面までの距離は、前記第2摺動部材に形成された前記当接面から前記回転チェックまでの距離よりも大きくされている。
上記のように構成されたレールガイド装置では、ガイドレールに沿って移動自在に設けられた摺動部材として、第1摺動部材及び第2摺動部材の2つの部材を備えている。また、第1摺動部材及び第2摺動部材は、第2摺動部材からガイドレールの延伸方向に突出した支持軸に回動可能に軸支された回転チェックが第1回動位置から第2回動位置へと回動することで係合された状態となり、その状態から回転チェックが第2回動位置から第1回動位置への回動することで係合が解除された状態となる。さらに、ガイドレールに固定されたガイドブロックには、回転チェックが第2回動位置に位置した状態で第2摺動部材がガイドレールにおける既定の位置に位置するときに回転チェックに形成された係合突部が係入し、その既定の位置からの第1移動方向への第2摺動部材に応じて回転チェックを第2回動位置から第1回動位置へと回動させる係合溝が設けられている。こうしたレールガイド装置では、回転チェックにより係合された状態の第1摺動部材及び第2摺動部材を、第1移動方向することで、それらの係合が解除される。以下では、係合溝により回転チェックが第2回動位置から第1回動位置に回動された状態となるときのガイドレールにおける第2摺動部材の位置を、係合解除位置と記載する。
上記レールガイド装置におけるガイドブロック及び第2摺動部材には、第2摺動部材が係合解除位置に位置したときに互いに当接して、第2摺動部材からの第1移動方向への押圧をガイドブロックに伝達可能な当接面がそれぞれ形成されている。また、係合溝の第1移動方向の終端面からガイドブロックに形成された当接面までの距離は、第2摺動部材に形成された当接面から係合突部までの距離よりも大きくされている。そのため、第2摺動部材が係合解除位置に位置するときには、ガイドブロック及び第2摺動部材にそれぞれ形成された当接面が互いに当接する一方で、回転チェックの係合突部は係合溝の終端面から離間した状態となる。
ここで、上記両当接面が設けられていない場合を考える。このときの第1移動方向への第2摺動部材の移動は、回転チェックの係合突部と係合溝の終端面との当接により規制される。この状態で第1移動方向に向かう荷重を第2摺動部材に加えると、係合突部と終端面との当接面間に押圧がかかり、その反力で回転チェックが第1移動方向と逆方向に押圧される。一方、回転チェックの円滑な回動を許容するため、支持軸への回転チェックの組み付け強度は余り高くすることができないため、ある程度よりも大きい押圧が回転チェックに加わると、支持軸上で回転チェックががたついてしまい、その結果、第2摺動部材もがたつくことになる。
これに対して、上記レールガイド装置では、第1移動方向に向かう荷重が第2摺動部材に加わった際に押圧を受ける部位が、第2摺動部材そのものに設けられている。そのため、ガイドブロック及び第2摺動部材のそれぞれに上記当接面が設けられていない場合に比
べて、係合解除位置に位置するときの第2摺動部材のがたつきが抑えられる。
なお、上記レールガイド装置において、前記係合溝により前記回転チェックが前記第2回動位置に回動される位置に前記第2摺動部材が位置した状態で前記第1摺動部材と前記第2摺動部材とが係合した状態とその係合が解除された状態とを切り替える係脱切替機構を備えるようにするとよい。こうした場合、係脱切替機構による連結に応じて、第1摺動部材及び第2摺動部材が一体となってガイドレールに沿って移動するようになる。また、係脱切替機構による連結が解除される際には、回転チェックによる第1摺動部材及び第2摺動部材の係合も解除されている。よって、連結の解除後は、第2摺動部材から分離して第1摺動部材だけを移動可能となる。
上記課題を解決するサンルーフ装置は、請求項1又は請求項2に記載のレールガイド装置と、車両のルーフに形成された開口を開閉する可動パネルと、前記第1摺動部材を前記ガイドレールに沿って移動する電気的駆動源と、を備えるとともに、前記可動パネルが前記開口を塞ぐ全閉状態にあり、かつ前記回転チェックが前記係合溝により前記第2回動位置に回動される位置に前記第2摺動部材が位置した状態から前記第1摺動部材を前記第1移動方向に移動することで、前記可動パネルを全閉状態からチルトアップ状態に移行させる。
上記のように構成されたサンルーフ装置では、可動パネルが全閉状態やチルトアップ状態にあるときなどに、第1方向に向かう荷重が可動パネルに加わった際に、ガイドブロック及び第2摺動部材のそれぞれに形成された当接面でその荷重を受ける。よって、全閉状態やチルトアップ状態にあるときの可動パネルのがたつきが抑えられる。
本発明によれば、レールガイド装置における摺動部材のがたつきやサンルーフ装置における可動パネルのがたつきを抑制できる。
サンルーフ装置及びレールガイド装置の一実施形態が設置された車両のルーフの斜視図。 同実施形態のサンルーフ装置の平面図。 (a)は図6の3A−3A線に沿った断面図であり、(b)は同図の3B−3B線に沿った断面図である。 ガイドブロック及びその周辺の側面図。 同実施形態のレールガイド装置の分解斜視図。 (a)は可動パネルが全閉状態にあるときの駆動シュー及びその周辺の側面図であり、(b)は可動パネルが第2チルトアップ状態にあるときの駆動シュー及びその周辺の側面図である。 同実施形態のレールガイド装置の車両前側の部分の平面図。 同実施形態のレールガイド装置に設けられたスライドチェックの側面図。 図7の9−9線に沿った断面図。
以下、図1〜図9を参照してレールガイド装置及びサンルーフ装置の一実施形態について説明する。なお、以下では、車両の前後方向を「前後方向」といい、車両の高さ方向上方及び下方をそれぞれ「上方」及び「下方」という。また、車室内方に向かう車両の幅方向内側を「車内側」といい、車室外方に向かう車両の幅方向外側を「車外側」という。
図1に示すように、自動車などの車両のルーフ10には、略四角形の開口10aが形成
されるとともに、サンルーフ装置11が搭載されている。サンルーフ装置11は、前後方向に移動して開口10aを開閉する略四角形の可動パネル12を備えている。可動パネル12は、例えばガラス板により構成されている。
可動パネル12は、その前側部位を支点に後側部位が上昇するチルトアップ動作、及び前後方向へのスライド動作が可能な状態で取り付けられている。本実施形態のサンルーフ装置11では、可動パネル12による開口10aの開閉動作において、可動パネル12がチルトアップ状態のままスライド動作する、いわゆるアウタースライディング式が採用されている。
図2に示すように、開口10aの車両の幅方向両縁部には、一対のガイドレール13が配設されている。各ガイドレール13は、例えばアルミニウム合金の押出材からなり、長手方向に一定の断面を有して前後方向に延在する。そして、各ガイドレール13にはそれぞれ、機能部品20が前後方向に移動可能に案内及び支持されている。両機能部品20には、それらの間に橋渡しされる状態で可動パネル12が連係及び支持されている。両機能部品20は、ガイドレール13に沿っての前後方向の移動に応じて可動パネル12をチルトアップ動作又はスライド動作させる。
また、ガイドレール13の前端同士は、車両の幅方向に延在するフロントハウジング14を介して連結されている。フロントハウジング14の長手方向中間部には、例えば出力ギアを有するモータなどの電気的駆動源15が設置されている。電気的駆動源15は、例えば樹脂材からなる帯状の一対の駆動ベルト16の各々を介して各機能部品20に連結されており、両機能部品20を同時に前後方向に移動させる。ガイドレール13及び機能部品20は、本実施形態のレールガイド装置30を構成する。
図3(a)、(b)に示すように、各ガイドレール13には、上方に開口する断面略C字状の第1レール部13aが形成されるとともに、該第1レール部13aの車外側に隣接して第2レール部13bが形成されている。なお、この第2レール部13bは、第1レール部13aの側壁との協働で断面略L字状を呈しており、該側壁に形成された開口において第1レール部13aに通じている。また、各ガイドレール13には、第1レール部13aの車外側部の上方にフランジ17が形成されている。
図4に示すように、フランジ17における車両の前方寄りの所定位置には、略四角形の切り欠き17aが形成されている。そして、ガイドレール13には、第1レール部13aの車外側に載置されるとともに、切り欠き17aにおいてフランジ17に嵌着された状態でガイドブロック60が固定されている。このガイドブロック60には、フランジ17の上方から下方に通じる係合溝60aが形成されている。すなわち、係合溝60aは、車両の後方に向かうに従い下方に向かうように傾斜しており、その下端でフランジ17の下方に通じている。なお、ガイドブロック60における係合溝60aが形成された位置よりも前方の部分には、車内側に突出す凸部61が設けられている。凸部61の車両後方は、ガイドレール13の延伸方向に対して垂直な面となっている。以下、こうした凸部61の車両後方の面を当接面61aと記載する。
図5に示すように、ガイドレール13の第1レール部13aには、例えば金属板及び樹脂を一体化させた第1摺動部材としての駆動シュー21が前後方向に移動可能に装着されている。すなわち、この駆動シュー21は、その前後方向の略全長に亘って縦壁部22を立設するとともに、該縦壁部22の下端部からその前後方向の略全長に亘って車外側に略一定距離だけ突壁部23を隆起する。
また、駆動シュー21は、突壁部23から突出して第2レール部13b内に進入する複
数の延出片24を有する。これら延出片24は、第2レール部13bを前後方向に摺動する上述の駆動ベルト16に連結されている。駆動シュー21は、電気的駆動源15により駆動ベルト16がガイドレール13の第2レール部13bに沿って前後方向に移動させられることで、第1レール部13aに沿って前後方向に移動する。
なお、ガイドレール13におけるガイドブロック60の固定位置よりも車両の前方の部分には、第1レール部13aの車外側に載置された状態で係止部材70が固定されている。係止部材70は、駆動シュー21が車両の最前方に移動した際に同駆動シュー21の前方の端部を第1レール部13aとの間に挟み込んで係止する。
図6(a)、(b)に示すように、縦壁部22には、その車外側端面から車内側に向かって凹むガイド溝22aが前後方向に延びるように形成されている。このガイド溝22aは、基本的に後方に向かうに従い上方に向かうように傾斜している。なお、突壁部23の長手方向中間部には、その車外側端面から車内側に向かって凹む係入凹部26が形成されている。
図5に示すように、可動パネル12の下面には、その車両の幅方向各縁部において、前後方向に延在する支持ブラケット31が固着されている。この支持ブラケット31は、可動パネル12の略全長に亘って延在しており、該可動パネル12の下面に垂設される金属板からなる縦壁部32を有するとともに、該縦壁部32の主として下縁部を埋設する樹脂製の成形部33を有する。
図7に示すように、支持ブラケット31は、基本的に駆動シュー21の突壁部23の上方に配置されるように縦壁部22の車外側に並設されている。そして、支持ブラケット31の前端には、略円柱状の従動シュー34が形成されている。この従動シュー34は、駆動シュー21の車両の前方で、ガイドレール13の第1レール部13aに対し前後方向に移動可能に装着・支持されている。可動パネル12は、例えば支持ブラケット31が従動シュー34を支点に後側部位が上昇するように回動することでチルトアップ動作するとともに、従動シュー34を支点に後側部位が下降するように回動することでチルトダウン動作する。駆動シュー21及び従動シュー34は機能部品20を構成する。
図6(a)に示すように、成形部33の前端部には、車内側に突出して上述のガイド溝22aに移動自在に嵌入される略円柱状の昇降ガイドピン35が一体的に設けられている。この昇降ガイドピン35は、可動パネル12の全閉状態でガイド溝22aの下端に配置されるように設定されている。したがって、この状態で駆動シュー21が支持ブラケット31に対して車両の前方に所定距離だけ移動すると、昇降ガイドピン35がガイド溝22aを上がってその中間部に達する。このとき、支持ブラケット31が前側部位を支点に後側部位が上昇するように回動することで、可動パネル12がチルトアップ動作をする。以下、このときの可動パネル12の状態を第1チルトアップ状態と記載する。
続いて、駆動シュー21が車両の前方に更に移動すると、図6(b)に示すように、昇降ガイドピン35がガイド溝22aを更に上がってその終端に達する。このとき、支持ブラケット31が前側部位を支点に後側部位が更に上昇するように回動することで、可動パネル12が更にチルトアップ動作をする。以下、このときの可動パネル12の状態を第2チルトアップ状態と記載する。
図5に示すように、ガイドレール13の第1レール部13aには、支持ブラケット31の車外側に隣接して、例えば樹脂材からなるスライドチェック41が前後方向に移動可能に装着されている。スライドチェック41は、第1レール部13aの車外側部を摺動するシュー部42を有するとともに、車両の幅方向における支持ブラケット31及び上側フラ
ンジ13e間で上方に立設された縦壁部43を有する。スライドチェック41は、シュー部42を第1レール部13aの車外側部に摺動させることで、ガイドレール13に沿って前後方向に移動自在となっている。
図6(a)、(b)に示すように、縦壁部43の前端部には、係止ピン33bが移動自在に嵌入される長孔状の許容孔43aが形成されている。この許容孔43aは、車両の後方に向かうに従い上方に向かうように直線状に傾斜する。つまり、スライドチェック41は、許容孔43aに嵌入する係止ピン33bを介して支持ブラケット31に連結されている。スライドチェック41は、許容孔43a内で係止ピン33bを空走させることで、可動パネル12のチルトアップ動作、及びチルトダウン動作を許容する。また、スライドチェック41は、許容孔43aにて支持ブラケット31の係止ピン33bの前後方向の移動を規制する。したがって、スライドチェック41は、前後方向に移動することで、支持ブラケット31に支持される可動パネル12を一体で前後方向にスライド動作させる。
スライドチェック41には、前後方向に中心線の延びる略円柱状の支持軸45が車両の後方に向かって回動不能に突設されている。そして、支持軸45の前端部には、スライドチェック41に隣接して、略円環状の回転チェック48が軸支されている。
図3(a)に示すように、回転チェック48は、支持軸45を中心とする所定角度位置(図示右上の角度位置)で径方向外側に突出する略鋸歯状の係合突部48aを有するとともに、支持軸45を中心とする所定角度位置で径方向外側に突出する略三角歯状の被押圧部48bを有する。また、回転チェック48には、支持軸45を中心とする所定角度位置で前後方向に連通する略L字の切り欠き48cが形成されている。可動パネル12の全閉状態等では、係合突部48aがフランジ17の上方でガイドブロック60の係合溝60aに係入するとともに、被押圧部48bが第1レール部13aの底面及び突壁部23の車外側面に当接した状態となる。したがって、可動パネル12の全閉状態では、回転チェック48は、係合突部48aがガイドブロック60の係合溝60aに係入した状態で、第1レール部13aの底面等により回動規制されている。これにより、回転チェック48の前後方向への移動が規制され、該回転チェック48と共にスライドチェック41の前後方向への移動が規制される。そして、スライドチェック41に許容孔43a等を介して連結された支持ブラケット31の前後方向への移動も規制される。このときの可動パネル12は、全閉状態からチルトアップ状態への移行のみが許容された状態となる。
また、上述のように、駆動シュー21の突壁部23には、係入凹部26が形成されている。そして、駆動シュー21の車両の前方への移動に伴い、係入凹部26が被押圧部48bに到達すると、回転チェック48は、係入凹部26内で回動が許容される。したがって、この状態で、駆動シュー21と共に回転チェック48が車両の後方に移動すると、該回転チェック48は、係合突部48aが係合溝60aに案内されることで、図3(b)への変化で示すように時計回りに回動する。そして、係合突部48aは、第1レール部13aとの間に挟まれるようにフランジ17の下方に進入する。これにより、回転チェック48の回動が規制される。同時に、被押圧部48bは、係入凹部26に係入される。
また、回転チェック48は、駆動シュー21の車両の前方への移動に伴い係入凹部26が到達すると、駆動シュー21による回動規制が解除される。この状態で、駆動シュー21と共に回転チェック48が車両の後方に移動しようとすると、該回転チェック48は、ガイドブロック60に案内されつつ回動して、該ガイドブロック60との係合を解除するとともに、ガイドレール13との係合により回動が再び規制される。これにより、回転チェック48と共にスライドチェック41の前後方向への移動規制が解除され、該スライドチェック41に許容孔43a等を介して連結された支持ブラケット31の前後方向への移動規制も解除される。なお、このとき、回転チェック48の一部は、係入凹部26の内壁
面の前後方向における移動軌跡上に配置される。
なお、図3(b)に示される状態の回転チェック48の回動位置は、第1摺動部材としての駆動シュー21と第2摺動部材としてのスライドチェック41とを係合する第1回動位置に相当する。また、図3(a)に示される状態の回転チェック48の回動位置は、駆動シュー21とスライドチェック41との係合を解除する第2回動位置に相当する。また、本実施形態では、車両の前後方向が、ガイドレール13に沿った第2摺動部材であるスライドチェック41のガイドレール13に沿った移動方向となっている。そして、車両の前方が、係合溝60aにより回転チェック48が第2回動位置から第1回動位置へと回動されるスライドチェック41の移動方向である第1移動方向となっている。
支持軸45の後端部には、例えば樹脂材からなる回転カム51が軸支されている。一方、駆動シュー21には、例えば樹脂材からなる固定カム52が回転カム51の車両の後方でこれと同軸になるように設置されている。固定カム52は、可動パネル12が少なくとも全閉状態から第1チルトアップ状態へと移行する際に相当する駆動シュー21の位置では回転カム51から離間されている。また、固定カム52は、可動パネル12が第2チルトアップ状態へと移行する際に相当する駆動シュー21の位置では回転カム51と前後方向の位置が重なっている。回転カム51及び固定カム52間の押圧作用により、回転カム51及び固定カム52の係合の解除状態と係合状態とを切り替える。そして、回転カム51及び固定カム52は、係合の解除状態となることで、駆動シュー21とスライドチェック41とを連結し、係合状態となることで同連結を解除する。すなわち、回転カム51及び固定カム52は、第1摺動部材としての駆動シュー21と第2摺動部材としてのスライドチェック41とが連結した状態と同連結が解除された状態とを切り替える係脱切替機構を構成する。
図8に示すように、上述のようにスライドチェック41からは後方に向かって突出すように支持軸45が固定されている。そして、支持軸45におけるスライドチェック41の後方端面に隣接する部分には、Eリング49により車両後方への移動が規制された状態で回転チェック48が軸支されている。また、支持軸45の前端は、同支持軸45の他の部分よりも大きい外径を有した抜け止め部45aとされている。そして、支持軸45の前端部には、抜け止め部45aの車両の前方に隣接して回転カム51が軸支されている。さらに、支持軸45における回転カム51よりも車両前方の部分には、筒状のカラー81が回動不能に取り付けられている。さらに、支持軸45におけるEリング49とカラー81との間の部分には、コイルスプリング85が圧縮された状態で介装されている。
なお、スライドチェック41には、その側面から車内側に突出す凸部41bが設けられている。この凸部41bにおける後側は、可動パネル12が全閉状態や第1チルトアップ状態にあるときに、上述したガイドブロック60の当接面61aと当接する当接面41cとなっている。
図9に示すように、スライドチェック41における当接面41cから回転チェック48までの車両前後方向の距離L1は、ガイドブロック60における当接面61aから係合溝60aの終端面60bまでの車両前後方向の距離L2よりも長くされている。
以上のように構成されたサンルーフ装置11では、例えば可動パネル12の全閉状態において、支持ブラケット31に対して駆動シュー21が車両の前方に前記所定距離だけ移動すると、係止ピン33bがスライドチェック41の許容孔43aに沿って上昇するように該許容孔43aを空走する。また、これと共に、昇降ガイドピン35がガイド溝22aを上がってその中間部に達して、可動パネル12が第1チルトアップ状態に移行する。
既述のように、可動パネル12が少なくとも全閉状態から第1チルトアップ状態へと移行する際に相当する駆動シュー21の位置では、回転カム51及び固定カム52は前後方向に離間されている。以下、このときの回転カム51及び固定カム52の状態を、係合の解除状態と記載する。したがって、可動パネル12の第1チルトアップ状態で、駆動シュー21が車両の後方に移動すると、係止ピン33bがスライドチェック41の許容孔43aに沿って下降するように該許容孔43aを空走するとともに、昇降ガイドピン35がガイド溝22aを下がってその終端に達する。これに伴い、可動パネル12が支持ブラケット31の前側部位を支点に後側部位が下降するチルトダウン動作をして全閉状態に移行する。
一方、可動パネル12の第1チルトアップ状態で、駆動シュー21が支持ブラケット31に対して車両の前方に更に移動すると、係止ピン33bがスライドチェック41の許容孔43aに沿って更に上昇するように該許容孔43aを空走するとともに、昇降ガイドピン35がガイド溝22aを上がってその終端に達する。これに伴い、可動パネル12が第2チルトアップ状態に移行する。また、駆動シュー21の車両の前方への移動に伴い、回転チェック48に係入凹部26が到達することで、回転チェック48の回動が許容される。
このとき、既述のように、係脱切替機構を構成する回転カム51及び固定カム52は、前後方向の位置が重なる。したがって、その後、駆動シュー21が固定カム52と共に車両の後方に移動すると、回転カム51及び固定カム52間の押圧作用によるそれらの係合状態への切り替わりに伴って、回転カム51と共にスライドチェック41及び回転チェック48が一体で車両の後方に移動しようとする。これに伴い、係入凹部26において回動が許容されている回転チェック48は、ガイドブロック60に案内されつつ回動して、該ガイドブロック60との係合を解除するとともに、ガイドレール13との係合により回動が再び規制される。これにより、スライドチェック41の車両の後方への移動規制が解除され、該スライドチェック41に許容孔43a等を介して連結された支持ブラケット31の車両の後方への移動規制も解除される。同時に、回転チェック48の一部は、係入凹部26内に進入して、その内壁面の前後方向における移動軌跡上に配置される。
したがって、駆動シュー21が車両の後方に移動すると、係合状態にある回転カム51及び固定カム52を介してスライドチェック41が支持ブラケット31及び回転チェック48と共に一体で車両の後方に移動する。このとき、支持ブラケット31に支持される可動パネル12は、第2チルトアップ状態のまま車両の後方に移動して、開口10aを開放する。これにより、可動パネル12は開状態となる。
可動パネル12の開状態では、回転チェック48は、前述したようにガイドレール13と係合する状態で回動規制されている。そして、回転チェック48の一部は、係入凹部26の内壁面の前後方向における移動軌跡上に配置されている。したがって、この状態で、駆動シュー21が車両の前方に移動すると、係入凹部26の内壁面が回転チェック48を押圧することで、回転チェック48がスライドチェック41及び支持ブラケット31と共に一体で車両の前方に移動する。このとき、支持ブラケット31に支持される可動パネル12は、第2チルトアップ状態のまま車両の前方に移動して、開口10aを閉鎖する。
可動パネル12の閉動作に伴い、該可動パネル12が第2チルトアップ状態に移行した当初の状態に近付くと、回転チェック48は、ガイドブロック60の係合溝60aに案内されつつ回動して、該ガイドブロック60と係合するとともに、駆動シュー21との係合により回動が再び規制される。これにより、回転チェック48の前後方向の移動がスライドチェック41及び支持ブラケット31と共に規制される。
この状態で、駆動シュー21が車両の前方に更に移動すると、スライドチェック41と共に前後方向の移動が規制された回転カム51に対し、固定カム52が車両の前方に更に移動する。したがって、その後、駆動シュー21が車両の後方に移動すると、回転カム51及び固定カム52間の押圧作用によるそれらの係合の解除状態への切り替わりに伴って、回転チェック48、スライドチェック41及び回転カム51を残置したまま、駆動シュー21が固定カム52と共に車両の後方に移動する。
このとき、係止ピン33bがスライドチェック41の許容孔43aに沿って下降するように該許容孔43aを空走するとともに、昇降ガイドピン35がガイド溝22aを下がってその終端に達する。これに伴い、可動パネル12のチルトダウン動作がなされ、さらに第1チルトアップ状態を経て全閉状態に移行する。
このように本実施形態のサンルーフ装置11では、電気的駆動源15による駆動シュー21の車両の前後方向の移動により、可動パネル12のチルトアップ動作、及び開閉動作が行われる。なお、本実施形態では、駆動シュー21が車両の前方にそれ以上移動できない位置に位置していることを、電気的駆動源15のトルクから確認し、そのときの駆動シュー21の位置を基準位置として設定する。そして、その基準位置からの車両の後方に向かっての駆動シュー21の移動量から、駆動シュー21の移動位置を求めて、可動パネル12の動作を制御している。
次に、本実施形態の作用について説明する。
上述のように本実施形態では、可動パネル12が全閉状態や第1チルトアップ状態に保持されているときには、スライドチェック41の回転チェック48は、ガイドブロック60の係合溝60aによってスライドチェック41と駆動シュー21との係合を解除する位置に回動されている。このときのスライドチェック41の車両の前方向への移動は、スライドチェック41に設けられた当接面41cとガイドブロック60に設けられた当接面61aとの当接により規制される。
こうした当接面41c、61aが設けられていない場合には、可動パネル12を全閉状態や第1チルトアップ状態に保持するときのスライドチェック41の車両前方への移動は、回転チェック48と係合溝60aの終端面60bとの当接により規制されることになる。このときの回転チェック48には、車両の後方に向う荷重が加わる。一方、上述したように支持軸45における回転チェック48の車両の後方への移動は、Eリング49により規制されている。Eリング49は、回転チェック48の円滑な回動が許容される範囲内の強度で支持軸45に組み付けられている。そのため、車両の後方に向かう、ある程度よりも大きい荷重が回転チェック48に加わると、Eリング49ではその荷重を支えきれず、スライドチェック41の車両の前方への移動を規制しきれなくなる場合がある。そして、その結果、可動パネル12に車両の前後方向のがたつきが生じたり、そのがたつきにより異音が発生したりする虞がある。
また、上述のように本実施形態では、駆動シュー21が車両の前方にそれ以上移動できなくなる位置を基準位置として、同駆動シュー21の移動位置を、ひいては可動パネル12の動作を制御している。基準位置を確認する際の電気的駆動源15のトルクは大きくなる。当接面41c、61aが設けられていない場合には、スライドチェック41に加わった車両の前方に向う荷重をEリング49で支えることになる。そのため、こうした場合には、基準位置を確認する際に、電気的駆動源15のトルクをEリング49が支えきれずにスライドチェック41の車両の前方への移動を規制しきれなくなることがある。そして、その結果、基準位置にばらつきが生じて、駆動シュー21の移動位置の制御精度が悪化する虞がある。
これに対して、本実施形態では、可動パネル12を全閉状態や第1チルトアップ状態に保持するときのスライドチェック41の車両前方への移動が、スライドチェック41に設けられた当接面41cとガイドブロック60に設けられた当接面61aとの当接により規制される。そのため、スライドチェック41の車両の前方への移動を規制可能な、同スライドチェック41に加わる車両の前方に向う荷重の上限値は、当接面41c、61aが設けられていない場合よりも大きくなる。
以上の本実施の形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)可動パネル12を全閉状態や第1チルトアップ状態に保持する際の同可動パネル12の車両の前後方向のがたつきやそのがたつきによる異音の発生が抑えられる。
(2)駆動シュー21の基準位置のばらつきが抑えられるため、同駆動シュー21の移動位置の制御精度が向上する。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施形態におけるガイド溝22aを、直線状としてもよい。
・上記実施形態では、回転チェック48と係脱切替機構とが同軸に配置されていたが、双方ともに車両前後方向に延びる軸線となる限りにおいて、これらの軸線が互いに異なっていてもよい。
・上記実施形態では、可動パネル12のチルトアップ動作が、第1チルトアップ状態と第1チルトアップ状態よりも更にチルトアップさせた第2チルトアップ状態の2段階で行われていた。これに対し、可動パネル12が全閉状態から移行する当初のチルトアップ状態の姿勢と、可動パネル12がスライド動作する際のチルトアップ状態の姿勢が一致していてもよい。また、可動パネル12を3段階以上にチルトアップさせるようにすることもできる。
・上記実施形態におけるガイドブロック60を、ガイドレール13に一体に設けるようにしてもよい。
・上記実施形態のレールガイド装置30は、サンルーフ装置以外の装置の直動案内装置として適用することもできる。
10…ルーフ、10a…開口、11…サンルーフ装置、12…可動パネル、13…ガイドレール、15…電気的駆動源、21…駆動シュー(第1摺動部材)、30…レールガイド装置、41…スライドチェック(第2摺動部材)、41c…当接面、45…支持軸、48…回転チェック、48a…係合突部、51…回転カム(係脱切替機構)、52…固定カム(係脱切替機構)、60…ガイドブロック、60a…係合溝、60b…終端面、61a…当接面。

Claims (3)

  1. ガイドレールと、
    前記ガイドレールに沿って移動自在な第1摺動部材と、
    前記ガイドレールに沿って移動自在な第2摺動部材と、
    前記ガイドレールに固定されたガイドブロックと、
    前記第2摺動部材から前記ガイドレールの延伸方向に突出した支持軸と、
    前記第1摺動部材と前記第2摺動部材とを係合する第1回動位置と同係合を解除する第2回動位置との間を回動可能に前記支持軸に軸支された回転チェックと、
    前記回転チェックに形成された係合突部と、
    前記ガイドレールに沿った前記第2摺動部材の移動方向のうちの一方を第1移動方向としたとき、前記ガイドブロックに設けられた溝であって、前記係合突部が前記第1回動位置に位置した状態で前記第2摺動部材が前記ガイドレールにおける既定の位置に位置したときに前記係合突部が係入し、前記第2摺動部材が前記既定の位置から前記第1移動方向に移動した際に同回転チェックを前記第2回動位置へと回動させる係合溝と、
    を備えるとともに、
    前記ガイドブロック及び前記第2摺動部材には、前記回転チェックが前記係合溝により前記第2回動位置に回動される位置に同第2摺動部材が位置したときに互いに当接して、前記第2摺動部材からの前記第1移動方向への押圧を前記ガイドブロックに伝達可能な当接面がそれぞれ形成されており、
    かつ前記係合溝の前記第1移動方向の終端面から前記ガイドブロックに形成された前記当接面までの距離は、前記第2摺動部材に形成された前記当接面から前記係合突部までの距離よりも大きくされている
    レールガイド装置。
  2. 前記係合溝により前記回転チェックが前記第2回動位置に回動される位置に前記第2摺動部材が位置した状態で、前記第1摺動部材と前記第2摺動部材とが連結した状態とその連結が解除された状態とを切り替える係脱切替機構を備える請求項1に記載のレールガイド装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のレールガイド装置と、
    車両のルーフに形成された開口を開閉する可動パネルと、
    前記第1摺動部材を前記ガイドレールに沿って移動する電気的駆動源と、
    を備えるとともに、
    前記可動パネルが前記開口を塞ぐ全閉状態にあり、かつ前記回転チェックが前記係合溝により前記第2回動位置に回動される位置に前記第2摺動部材が位置した状態から前記第1摺動部材を前記第1移動方向に移動することで、前記可動パネルを全閉状態からチルトアップ状態に移行させる
    サンルーフ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114145562A (zh) * 2021-12-21 2022-03-08 东莞职业技术学院 榫卯式移动升降装置

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