JP2021004914A - 定着装置と画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】微小なスリップの増加を検知して、回転異常となる大きなスリップが発生する前に駆動停止を可能とする定着装置を提供する。【解決手段】加熱手段と、該加熱手段を用いて加熱され回転する定着部材と、該定着部材に圧接して定着ニップ部を形成する加圧回転体と、前記加熱手段による発熱領域の範囲に配設された温度検知手段とを備える定着装置であり、前記温度検知手段により検出された値が予め設定した規定値を超える所定時間当たりの回数が、予め設定した規定回数を超えることをもって回転異常と判断する。【選択図】図5

Description

本発明は、定着装置と画像形成装置に関するものである。
電磁誘導加熱方式の定着装置では、定着部材を加熱する電磁誘導発熱性部材の発熱箇所と異なる位置に温度検知手段を配置して、この温度検知手段により検出される値や投入電力の積算値により定着部材の回転異常を検知する技術が公知である。
例えば特許文献1には、定着部材の変形や破れの原因となる定着部材の挙動変化要因を検知することが可能な定着装置や画像形成装置を提供する目的で、電磁誘導発熱性部材の発熱箇所よりも下流側に温度センサを配置し、この温度センサの検知結果により回転異常であるスリップを検知する技術が開示されている。
定着部材である薄肉定着ベルトの回転が正常であれば、連続印字中に記録材が定着ニップ部に突入すると、定着ニップ部の温度は一時的に低下し、その後一定に推移する。特許文献1に示された従来技術のように、温度センサを加熱領域以外である加熱領域下流側に配置された場合、定着ベルトは加熱され、移動し、記録材へ熱供給した後、その温度が検出されるサイクルが繰り返され、図14のn枚目印刷、n+1枚目印刷のように、印刷中の温度センサによる温度検知は安定する。ところが、定着ベルトが加圧ローラと等速で回転せずスリップすると定着ニップでの放熱(記録材への熱供給)が増え、結果として温度センサの位置では検知される温度が下がる(n+2枚目印刷)。このように検知温度情報が設置値よりも低い結果になると、定着装置に投入される電力は、図15のn枚目印刷、n+1枚目印刷のように一定とならず、n+2枚目印刷のように、大きくなる。
発熱箇所と異なる位置に温度検知手段を配置する構成では、発熱箇所と異なった位置で温度低下を検出するので、最も温度が上がって安全性担保のために知りたい情報である発熱領域/加熱領域の実際の温度を直接的に知り得ず、安全性の担保は投入電力積算値と併用(スリップ時は電力積算値が高くなる)する必要があり、検知が遅れ、しかも検知精度も悪く、高温状態により部品破損が発生し得る。
本発明の課題は、微小なスリップの増加を検知して、回転異常となる大きなスリップが発生する前に駆動停止を可能とする定着装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る定着装置は、加熱手段と、該加熱手段を用いて加熱され回転する定着部材と、該定着部材に圧接して定着ニップ部を形成する加圧回転体と、前記加熱手段による発熱領域の範囲に配設された温度検知手段とを備え、前記温度検知手段により検出された値が予め設定した規定値を超える所定時間当たりの回数が、予め設定した規定回数を超えることをもって回転異常と判断する。
本発明によれば、微小なスリップの増加を検知して、回転異常となる大きなスリップが発生する前に定着装置の駆動停止を可能とすることができる。
本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。 本発明の実施の一形態に係る定着装置の要部断面の概略図である。 微小スリップを温度センサの出力として示すグラフである。 経時的なトルク上昇、温度上昇変位量、温度上昇発生率を示すグラフと、これに対応する時間経過に伴う微小スリップ(温度センサの出力)の増加を示すグラフである。 所定時間当たりの微小スリップを検知し、回転異常の発生を回避するための動作フローを示すフローチャートである。 図5のスリップ検出フローと併用可能なスリップ検出フローを示すフローチャートである。 所定通紙枚数当たりの微小スリップを検知し、回転異常の発生を回避するための動作フローを示すフローチャートである。 回転異常と判断され、アラート表示されても、定着装置の交換が行われない場合であって少ない通紙枚数のうちに再び予備的な回転異常が認識された際に、故障回避動作を促すための動作フローを示すフローチャートである。 予備的な回転異常と判断された後に、次に予備的な回転異常と判断されるまでの通紙枚数を記録し、記録された値が連続的に規定値以下となったことをもって、故障回避動作を促す動作フローを示すフローチャートである。 回転異常と判断された後、次回回転異常と判定されるまでの通紙枚数を規定回数分記録し、記録された値の平均値が規定値以下となったことをもって、故障回避動作を促す動作フローを示すフローチャートである。 回転異常と判断された後、次回回転異常と判定されるまでの通紙枚数を規定回数分記録し、記録された値の中間値が規定値以下となったことをもって、故障回避動作を促す動作フローを示すフローチャートである。 回転異常と判断された後、次回回転異常と判定されるまでの駆動時間を規定回数分記録し、記録された値の平均値が規定値以下となったことをもって、故障回避動作を促す動作フローを示すフローチャートである。 図12の動作フローに関して、通紙枚数が予め決められた規定値を超えてから故障回避に関する監視や動作を開始する動作フローを示すフローチャートである。 連続印字する場合の温度センサの検知温度推移を示すグラフである。 連続印字する場合の定着装置に対する投入電力推移を示すグラフである。
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。ここに示した画像形成装置1は、カラーレーザープリンタであり、そのプリンタ本体の中央には、4つの作像部4Y、4M、4C、4Kが設けられている。各作像部4Y、4M、4C、4Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の異なる色の現像剤を収容している以外は同じ構成となっている。
具体的には、各作像部4Y、4M、4C、4Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体5と、感光体5の表面を帯電させる帯電装置6と、感光体5の表面にトナーを供給する現像装置7と、感光体5の表面をクリーニングするクリーニング装置8等を備える。なお、図1では、ブラックの作像部4Kが備える感光体5、帯電装置6、現像装置7、クリーニング装置8のみに符号を付し、その他の作像部4Y、4M、4Cにおいては符号を省略している。
作像部4Y、4M、4C、4Kの下方には、感光体5の表面を露光する露光装置9が配設されている。露光装置9は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体5の表面へレーザー光を照射するようになっている。
作像部4Y、4M、4C、4Kの上方には、転写装置3が配設されている。転写装置3は、中間転写ベルト30と、4つの一次転写ローラ31と、二次転写ローラ36とを備える。更に、転写装置3は二次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33、テンションローラ34、及びベルトクリーニング装置35を備えている。ここでは、二次転写バックアップローラ32が回転駆動することによって、中間転写ベルト30は図の矢印で示す方向に周回走行(回転)するようになっている。
4つの一次転写ローラ31は、それぞれ、各感光体5との間で中間転写ベルト30を挟み込んで一次転写ニップを形成している。また、各一次転写ローラ31には、プリンタ本体の電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が各一次転写ローラ31に印加されるようになっている。二次転写ローラ36は、二次転写バックアップローラ32との間で中間転写ベルト30を挟み込んで二次転写ニップを形成している。また、一次転写ローラ31と同様に、二次転写ローラ36にもプリンタ本体の電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ36に印加されるようになっている。
プリンタ本体の上部には、ボトル収容部2が設けられており、ボトル収容部2には補給用のトナーを収容した4つのトナーボトル2Y、2M、2C、2Kが着脱可能に装着されている。各トナーボトル2Y、2M、2C、2Kと各現像装置7との間には、周知のように補給路が設けられ、この補給路を介して各トナーボトル2Y、2M、2C、2Kから各現像装置7へトナーが補給されるようになっている。
一方、プリンタ本体の下部には、記録材としての用紙Pを収容した給紙トレイ10や、給紙トレイ10から用紙Pを搬出する給紙ローラ11等が設けられている。
プリンタ本体内には、用紙Pを給紙トレイ10から二次転写ニップを通過させて装置外へ排出するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向上流側には、二次転写ニップへ用紙Pを搬送する搬送手段としての一対のレジストローラ12が配設されている。
また、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向下流側には、用紙Pに転写された未定着画像を定着するための定着装置20が配設されている。更に、定着装置20よりも搬送路Rの用紙搬送方向下流側には、用紙を装置外へ排出するための一対の排紙ローラ13が設けられている。また、プリンタ本体の上面部には、装置外に排出された用紙をストックするための排紙トレイ14が設けられている。
以上のようなプリンタの基本的動作は、用紙上にフルカラー画像を形成する場合についても、4つの作像部4Y、4M、4C、4Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの作像部を使用して、2色又は3色の画像を形成したりする場合についても周知であり、説明簡略化のため、これらの動作については説明を割愛する。
次に、図2に基づいて、定着装置20について説明する。この定着装置20は、加圧ローラにより駆動される電磁誘導加熱方式の定着装置であり、薄肉でフィルム状の定着ベルト21(定着部材)、被加熱部材である略円筒状の金属製ガイド部材22、剛性の補強部材23、加圧ローラ24(加圧回転体)等で構成される。
定着ベルト21は、内周面側から、基材層、弾性層、離型層が順次積層されて、その全体の厚さが1mm以下に設定されている。基材層は、層厚が30〜50μmであって、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。弾性層は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム等のゴム材料で形成されている。離型層は、層厚が10〜50μmであって、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等の材料で形成されている。また、定着ベルト21の直径は15〜120mmになるように設定されている。
電磁誘導発熱性部材である金属製ガイド部材22の、図の右内側には、電磁誘導式の加熱手段を構成する磁性コア25a、25b、25c、励磁コイル26が配設保持されていて、この誘導加熱手段によってガイド部材22が加熱される。磁性コア25は、フェライト等の強磁性体であり、励磁コイル26は、細線を束ねたリッツ線を幅方向(図の紙面垂直方向)に延設したものである。ガイド部材22に対して円筒状の定着ベルト21がルーズに外嵌されている。
加圧ローラ24は、芯金24aと、芯金周りに同心でローラ状に成形被覆させた耐熱性弾性材層24bとで構成され、芯金24aの両端部が定着装置の筐体側板に回転自由に支承されている。定着ベルト21を外嵌させたガイド部材22は加圧ローラ24の上側に配置され、ガイド部材22内に挿通されガイド部材の内底面平面部に当接配設された補強部材23からの押し下げ力を受けることで、ガイド部材22の下面と加圧ローラ24の上面とが定着ベルト21を挟んで圧接して所定幅の定着ニップ部Nが形成されている。
ガイド部材22は、定着ニップ部Nへの加圧、磁場発生手段としての励磁コイル26と磁性コア25の支持、定着ベルト21の支持、該定着ベルト21の回転時の搬送安定性を図る役目を果たしており、このガイド部材22は磁束の通過を妨げない絶縁性の部材で構成され、高い荷重に耐えられる材料、例えば鉄、ステンレス、アルミニウム等が用いられる。なお本例では、ガイド部材22が電磁誘導発熱性部材であり、電磁誘導式加熱手段によってまずガイド部材22が発熱し、発熱したガイド部材22によって定着ベルト21が加熱される構成、即ち、定着ベルト21が誘導式加熱手段によって間接的に加熱される構成である。しかしながら、特開2001−102163号公報に開示された構成のように、定着ベルト21が電磁誘導発熱性の層を有し、誘導式加熱手段によって直接的に加熱される構成であってもよい。
磁性コア25及び励磁コイル26と補強部材23の間には、絶縁部材27が配置されている。また、定着ニップ部Nに対応するガイド部材22の下面には、その長手方向に沿って良熱伝導部材28が配設されているが、磁場発生手段である励磁コイル26や磁性コア25から発生する磁場の影響を受けないように、該磁場の外に配設されている。良熱伝導部材28は定着ニップ部Nの長手方向の温度分布を均一にする効果があり、例えば、小サイズ紙を通紙した場合、定着ベルト21での非通紙部の熱量が良熱伝導部材28へ伝熱し、良熱伝導部材28における長手方向の熱伝導によって非通紙部の熱量が小サイズ紙通紙部へ伝熱される。これにより、小サイズ紙通紙時の消費電力を低減させる効果も得られる。
加圧ローラ24は駆動手段Mにより図の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ24の回転駆動により、定着ニップ部Nにおいて加圧ローラ24と定着ベルト21の外面との摩擦力で定着ベルト21に回転力が作用し、定着ベルト21は定着ニップ部Nにおいてガイド部材22に密着して摺動しながら図の時計方向に加圧ローラ24の周速度にほぼ対応した周速度をもってガイド部材22に連れ回りする。この際、定着ニップ部Nにおける良熱伝導部材28と定着ベルト21の相互摺動摩擦力を低減させるために定着ニップ部Nの良熱伝導部材28と定着ベルト21の間に耐熱性グリス等の潤滑剤を介在させるか、良熱伝導部材28の下面を潤滑部材で被覆させてもよい。
誘導加熱手段による発熱領域の範囲であるガイド部材22の外面に配設された温度検知手段29で検知される結果に基づき励磁コイル26に対する電流供給が制御されて、定着ニップ部Nにおいて所定温度に維持されるように定着ベルト21が温度調整される。温度検知手段29は定着ベルト21の温度を検知するサーミスタ等の温度センサである。定着ベルト21の内面がこの温度検知手段29に摺擦回転することで、その温度が検出される。
なお、定着ベルト21の加熱領域(ガイド部材22の発熱領域に対応する)の対向位置に、暴走時の励磁コイル26への給電を遮断するため温度検知素子であるサーモスイッチ40が定着ベルト21と非接触で配設されている。
以上のように構成された定着装置20は、次のように動作する。
加圧ローラ24が回転駆動され定着ベルト21が連れ回りされると、定着ベルト21は誘導加熱手段との対向位置で加熱される。詳しくは、励磁コイル26に高周波の交番電流を流すことで、ガイド部材22の周囲に磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成され、ガイド部材22表面に渦電流が生じて、ガイド部材22自体の電気抵抗によってジュール熱が発生する。このジュール熱によって、ガイド部材22が電磁誘導加熱されて、加熱されたガイド部材22によって定着ベルト21が加熱され、所定の温度に調整される。一方、給紙トレイ10から搬出された用紙Pが、定着ニップ部Nの定着ベルト21と加圧ローラ24との間に画像面を上向き、即ち、定着ベルト面に対向して導入され、定着ニップ部Nにおいて画像面が定着ベルト21の外面に密着して定着ベルト21と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。
ここで、定着ベルト21がスリップする現象は、経時的に徐々に微小なもの(微小スリップ)として発生するものであり、ガイド部材22/定着ベルト21において急激に温度が上昇するほどの大きなスリップ(回転異常)が突然発生するものではない。そして、微小なスリップは、温度検知手段の出力として現れるが、それは短時間、数十〜数百ミリ秒程度と短く、なおかつ通常状態との温度出力差分も小さい(図3)。
しかしながら、微小スリップ自体も、通紙枚数や使用時間に応じて発生する頻度は徐々に高くなるものである(図4)。そこで、このような微小スリップによって生じる温度の上振れを検出し、急激な温度上昇となる異常な状態にスリップがつながる前に、この温度の上振れの発生頻度から、大きなスリップの発生を予測し、ユーザーに通知することで重大な異常(安全性に関わる異常、故障により生じるダウンタイム)の防止を行う。
なお、温度検知手段の検知履歴を乱す原因、特に温度落ち込みに関しては、スリップ以外にも、画像パターン、電源電圧変化、用紙厚、用紙温度、ベルト周長や熱源加熱周期と用紙突入タイミングの関係等、様々な要因がある。そのため、従来技術のように、発熱箇所と異なる位置に配置された温度検出手段によって検出する値だけでは、スリップとしての特定は困難である。そのために併用される投入電力の積算値に関しても、温度検知手段で測定した値をフィードバックして電力出力を上げることによるタイムラグと、発熱箇所と異なる位置に温度検出手段を配置する構成により生じるタイムラグとがあり、実際にスリップを検出できるのはスリップが発生し始めてから或る程度時間がたってからのこととなり、既に正常な画像出力が得られない異常動作しか検出できない。
温度検知手段の温度出力に影響を与える様々な因子のうち、スリップ以外の要因は通紙枚数や使用時間に応じて変化することはなく、微小スリップのみ、通紙枚数や使用時間に応じて摺動部の摩擦力上昇によるトルク上昇に伴って、発生頻度及び変位量が増すものである。本実施の形態に係る定着装置では、加熱領域に温度検知手段を配置し、加熱領域の温度を直接検知するので、スリップによってガイド部材22/定着ベルト21が異常な高温状態になる前に動作を停止させることができ、部材の破損を防止できる。
次に、回転異常としての大きなスリップが起こる前に微小スリップの増加を検知するための動作フローについて、図5に基づき、説明する。定着装置20が回転動作中に温度センサ(温度検知手段29)の出力を監視する(S1)。センサの読み値が閾値a(予め設定した規定値)を超えたら(S2)、検出回数カウンタの数値を1アップする(S3)。N秒間、カウンタ値を蓄積し(S4)、N秒間後にカウンタ値が閾値bを超えたかどうかを確認し(S5/所定時間当たりの規定値越え回数)、閾値b(予め設定した規定回数)を超えたら、回転異常(予備的な回転異常)と判断してアラートを表示し(S6)、ユーザーへスリップ検出を伝え、交換を促す。しかる後に、検出回数カウンタをリセットし(S7)、通紙動作も終了する(S8)。なお、S5において、温度センサの閾値超え回数が所定時間(N秒)の間に規定回数(閾値b)を超えない場合には、温度センサの出力に影響を与えた主たる要因が微小スリップ以外にあるものと推測し、アラート表示せず、検出回数カウンタをリセットする。
また、図5のスリップ検出フローと併用可能なスリップ検出フローを図6に示し、説明する。定着装置20が回転動作中に温度センサ(温度検知手段29)の出力を一定間隔で監視し、記録する(S11)。前回値と今回値の差が閾値aを超えたら(S12)、即ち、検出される所定時間当たりの昇温速度が予め設定した規定値を超えたら、通紙動作を終了して(S13)、アラートを表示し(S14)、ユーザーへスリップ検出を伝え、交換を促す。
次に、所定時間(N秒)の間に温度センサの閾値超え回数が規定回数を超えるか否か、言い換えれば、所定時間当たりの閾値超え回数を問題にする図5に係る動作フローに代えて、予め設定した通紙枚数当たりの温度センサの閾値超え回数が規定回数を超えるか否かにより、微小スリップの増加を検知する動作フローを図7に基づき説明する。
定着装置20が回転動作中に温度センサ(温度検知手段29)の出力を監視する(S21)。センサの読み値が閾値aを超えたら(S22)、検出回数カウンタの数値を1アップする(S23)。N枚通紙するまでカウンタ値を蓄積し(S24)、N枚通紙後にカウンタ値が閾値bを超えたかどうかを確認し(S25)、閾値bを超えたら回転異常(予備的な回転異常)と判断してアラートを表示し(S26)、ユーザーへスリップ検出を伝え、交換を促す。しかる後に、検出回数カウンタをリセットし(S27)、通紙動作も終了する(S28)。なお、S25において、温度センサの閾値超え回数が所定枚数(N枚)の間に規定回数(閾値b)を超えない場合には、温度センサの出力に影響を与えた主たる要因が微小スリップ以外にあるものと推測し、アラート表示せず、検出回数カウンタをリセットする。
以上のような微小スリップの増加を検知する動作では、アラート表示しても、直ちに回転異常としての大きなスリップが起こるわけではない。そのため、アラートが表示されていても、ユーザーは画像品質が明らかに劣化しない限り定着装置の交換を行わない事態も想定される。そこで、回転異常と判断され、アラート表示されても、定着装置の交換が行われない場合であって少ない通紙枚数のうちに再び予備的な回転異常が認識された際には、定着装置の交換を促すアラート表示を強調して、故障回避動作を促すのが好ましい。アラート表示の強調には例えばアラート表示の点滅やアラート表示の色の変更等が考えられる。その場合の動作フローを図8に基づき説明する。
定着装置20が回転動作中に温度センサ(温度検知手段29)の出力を監視する(S31)。センサの読み値が閾値aを超えたら(S32)、検出回数カウンタの数値を1アップする(S33)。N枚通紙するまでカウンタ値を蓄積し(S34)、N枚通紙後にカウンタ値が閾値bを超えたかどうかを確認し(S35)、閾値bを超えた場合、前回の回転異常(予備的な回転異常)判断からの通紙枚数が予め設定した閾値cより小さいか否かを確認し(S36)、閾値cより小さければアラート表示(強調したアラート表示)をして(S37)、検出回数カウンタをリセットする(S38)。
図8に係る動作フローと別の動作フローを図9に基づき説明する。これは、予備的な回転異常と判断された後に、次に予備的な回転異常と判断されるまでの通紙枚数を更に記録し、記録された値が連続的に規定値を下回ったことをもって、故障回避動作を促すものである。
定着装置20が回転動作中に温度センサ(温度検知手段29)の出力を監視する(S41)。センサの読み値が閾値aを超えたら(S42)、検出回数カウンタの数値を1アップする(S43)。N枚通紙するまでカウンタ値を蓄積し(S44)、N枚通紙後にカウンタ値が閾値bを超えたかどうかを確認し(S45)、閾値bを超えた場合、前回の回転異常(予備的な回転異常)判断からの通紙枚数が予め設定した閾値cより小さいか否かを確認し(S46)、閾値cより小さいと判定されれば判定カウンタの数値を1アップする(S47)。そして判定回数カウンタが2となった場合(S48/連続的に閾値cを下回る)には、アラート表示(強調したアラート表示)をして(S49)、検出回数カウンタをリセットする。
故障回避動作を促す別の態様を図10〜図12に基づき説明する。一つ目の態様は、回転異常と判断された後、次回回転異常と判定されるまでの通紙枚数を規定回数分記録し、記録された値の平均値が規定値を下回ったことをもって、故障回避動作を促すものである。定着装置20が回転動作中に温度センサ(温度検知手段29)の出力を監視する(S51)。センサの読み値が閾値aを超えたら(S52)、トータル通紙カウンタの数値を記録する(S53)。そして前回の記録から記録間隔枚数Aを算出し(S54)、センサの読み値が閾値aを超えた回数が規定回数以上となったら(S55)、通紙動作を終了する(S56)。算出された枚数Aを規定回数分記録し、その平均値が閾値bを下回った場合(S57)、アラート表示(強調したアラート表示)をする(S58)。
二つ目の態様は、回転異常と判断された後、次回回転異常と判定されるまでの通紙枚数を規定回数分記録し、記録された値の中間値が規定値を下回ったことをもって、故障回避動作を促すものである(図11)。定着装置20が回転動作中に温度センサ(温度検知手段29)の出力を監視する(S61)。センサの読み値が閾値aを超えたら(S62)、トータル通紙カウンタの数値を記録する(S63)。そして前回の記録から記録間隔枚数Aを算出し(S64)、センサの読み値が閾値aを超えた回数が規定回数以上となったら(S65)、通紙動作を終了する(S66)。算出された枚数Aを規定回数分記録し、その中間値が閾値bを下回った場合(S67)、アラート表示(強調したアラート表示)をする(S68)。
更に別の態様は、回転異常と判断された後、次回回転異常と判定されるまでの駆動時間を規定回数分記録し、記録された値の平均値が規定値を下回ったことをもって、故障回避動作を促すものを図12に示す。定着装置20が回転動作中に温度センサ(温度検知手段29)の出力を監視する(S71)。センサの読み値が閾値aを超えたら(S72)、駆動時間カウンタの数値を記録する(S73)。そして前回の記録から記録間隔駆動時間Aを算出し(S74)、センサの読み値が閾値aを超えた回数が規定回数以上となったら(S75)、通紙動作を終了する(S76)。算出された駆動時間Aを規定回数分記録し、その平均値が閾値bを下回った場合(S77)、アラート表示(強調したアラート表示)をする(S78)。
既述のように、回転異常と認識される定着ベルトの大きなスリップが発生する前に、微小なスリップが経時的に徐々に増加するものであるので、装置が新しいうちから故障回避に関する監視や動作を始める必要性は高くない。そこで、定着装置の走行距離カウンタの数値や記録される通紙枚数が予め決められた規定値を超えてから、故障回避に関する監視や動作を開始することが考えられる。図12の動作フローに対して説明すれば、図13のように、まず通紙枚数カウンタの値が予め決められた規定枚数を超えたか否かが確認され(S81)、しかる後に定着装置20が回転動作中に温度センサ(温度検知手段29)の出力を監視する(S82)。センサの読み値が閾値aを超えたら(S83)、駆動時間カウンタの数値を記録する(S84)。そして前回の記録から記録間隔駆動時間Aを算出し(S85)、センサの読み値が閾値aを超えた回数が規定回数以上となったら(S86)、通紙動作を終了する(S87)。算出された駆動時間Aを規定回数分記録し、その平均値が閾値bを下回った場合(S88)、アラート表示(強調したアラート表示)をする(S89)。
このような通紙枚数記録(あるいは定着装置の走行距離カウンタ)が予め決められた規定値を超える時に故障回避に関する監視や動作を開始するケースは、通紙枚数や駆動時間を規定回数分(2回以上)記録して故障回避動作を促す態様のみならず、規定回数分記録しない態様(図4〜図8)にも適用可能である。
故障回避動作を促す「強調したアラート表示」を「ユーザーへのニアエンド通知」とすることが可能である。また、「アラート表示」や「強調したアラート表示」に代えて、その段階で「マシン停止」として、故障回避を確実なものとしてもよい。
20 定着装置
21 定着ベルト(定着部材)
22 ガイド部材
24 加圧ローラ(加圧回転体)
29 温度検知手段(温度センサ)
特開2001−102163号公報

Claims (8)

  1. 加熱手段と、該加熱手段を用いて加熱され回転する定着部材と、該定着部材に圧接して定着ニップ部を形成する加圧回転体と、前記加熱手段による発熱領域の範囲に配設された温度検知手段とを備える定着装置であって、前記温度検知手段により検出された値が予め設定した規定値を超える所定時間当たりの回数が、予め設定した規定回数を超えることをもって回転異常と判断する、定着装置。
  2. 前記温度検知手段により検出される所定時間当たりの昇温速度が、予め設定した規定値を超えることでも、回転異常と判断する、請求項1に記載の定着装置。
  3. 加熱手段と、該加熱手段を用いて加熱され回転する定着部材と、該定着部材に圧接して定着ニップ部を形成する加圧回転体と、前記加熱手段による発熱領域の範囲に配設された温度検知手段とを備える定着装置であって、前記温度検知手段により検出された値が予め設定した規定値を超える所定の通紙枚数当たりの回数が、予め設定した規定回数を超えることをもって回転異常と判断する、定着装置。
  4. 回転異常と判断された後、次回回転異常と判定されるまでの通紙枚数が予め設定した値を下回ることをもって、故障回避動作を促すことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 回転異常と判断された後、次回回転異常と判定されるまでの通紙枚数を記録し、記録された値が連続的に規定値を下回ることをもって、故障回避動作を促すことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  6. 故障回避動作の促しが、ユーザーへのニアエンド通知とすることを特徴とする請求項4又は5に記載の定着装置。
  7. 回転異常の判断で、若しくは故障回避動作の促しに代えて、マシン停止とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の定着装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の定着装置を備える画像形成装置。
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