JP2021004400A - 片状黒鉛鋳鉄材およびその切削加工方法、ならびに片状黒鉛鋳鉄部材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
Al:0.005質量%〜0.015質量%、
Ca:0.0005質量%〜0.02質量%、および
Ti:0.005質量%〜0.025質量%を含む片状黒鉛鋳鉄材である。
C :2.5質量%〜3.5質量%、
Si:1.5質量%〜2.5質量%、
Mn:0.5質量%〜1.0質量%、
P :0質量%超、0.1質量%以下、および
S :0質量%超、0.1質量%以下を含み、
残部が鉄および不可避不純物である態様1に記載の片状黒鉛鋳鉄材である。
切削工具として、超硬質工具材料P種を材料として用いた超硬質工具、チタンを含む硬質皮膜の被覆された超硬質被覆工具、またはサーメット工具を使用し、
前記切削工具と前記片状黒鉛鋳鉄材の相対速度が400m/min以上の条件で、
フライス加工またはエンドミル加工を行う片状黒鉛鋳鉄材の切削加工方法である。
態様1〜3のいずれかに記載の片状黒鉛鋳鉄材を用い、
切削工具として、超硬質工具材料P種を材料として用いた超硬質工具、チタンを含む硬質皮膜の被覆された超硬質被覆工具、またはサーメット工具を使用し、
前記切削工具と前記片状黒鉛鋳鉄材の相対速度が400m/min以上の条件で、
フライス加工またはエンドミル加工を行う切削工程を含む片状黒鉛鋳鉄部材の製造方法である。
まず本発明者らは、Al量が種々の片状黒鉛鋳鉄材を用い、切削工具と片状黒鉛鋳鉄材の相対速度が400m/min、800m/min、1200m/minのそれぞれの条件で、切削長5mの切削加工試験(その他の切削加工試験の条件は、後記する実施例に記載の条件と同じ)を行い、切削加工後の工具の逃げ面摩耗量を測定した。その結果を図1A〜図1Cに示す。
Caは、アルミナ等の硬質介在物を軟質化して工具摩耗を抑制する作用を発揮する。またCaは、MnSを球状化する作用によって、圧延直角方向の靭性向上に寄与する。
本発明者らは、Tiについても、上記AlやCaの場合と同様に、Ti量が工具の逃げ面摩耗量に及ぼす影響について検討した。詳細には、Ti量が種々の片状黒鉛鋳鉄材を用い、切削工具と片状黒鉛鋳鉄材の相対速度が400m/min、800m/min、1200m/minのそれぞれで、切削長5mの切削加工試験(その他の切削加工試験の条件は、後記する実施例に記載の条件と同じ)を行い、切削加工後の工具の逃げ面摩耗量を測定した。その結果を図3A〜図3Cに示す。図3A〜図3Cから、切削速度が400m/min、800m/minの場合は、Ti量の増加と逃げ面摩耗量の関係について相関がややみられたのに対し、切削速度が1200m/minの場合には、Ti量と逃げ面摩耗量の関係に十分な相関がみられ、Ti量の増加に伴って逃げ面摩耗量が増加することがわかった。これは、Ti量が増大すると、硬質の炭化物が生成して被削性が低下するためと考えられる。よって本発明では、Ti量を0.025質量%以下、好ましくは0.022質量%以下、より好ましくは0.020質量%以下、更に好ましくは0.015質量%以下、より更に好ましくは0.010質量%以下とする。なお、結晶粒の異常成長を抑制する効果を発揮させる観点から、Ti量は0.005質量%以上とする。
C:2.5質量%〜3.5質量%、
Si:1.5質量%〜2.5質量%、
Mn:0.5質量%〜1.0質量%、
P:0質量%超、0.1質量%以下、および
S:0質量%超、0.1質量%以下を含み、残部が鉄および不可避不純物とすることができる。前記成分組成のうち、Si量は2.1質量%以下であることがより好ましい。
(1)1500kgのFC250(ねずみ鋳鉄)の溶湯に、Alを1.6kg加えた。
(2)FCD用取鍋底にFe−Ca−Siを16kg設置し、その上部に、下記表1に示す成分組成(残部はFeおよび不可避不純物)のカタンコロ(可鍛コロ)1およびカタンコロ2を混ぜたものを被せて設置してから、上記(1)の溶湯500kgを投入して、各成分につき、100mm×100mm×200mmのAs Cast素材を3つ製造した。前記Fe−Ca−Siとして、粒度が直径5〜10mmのものを使用した。そして前記素材3つを、550〜580℃で5時間保持した後、ヒーターの電源を切って炉冷を行って、表2に示す成分組成の片状黒鉛鋳鉄材のサンプルを得た。なお、表2において空欄は、その元素が含まれていないことを示す。
1例として、表2のNo.6のサンプルについて、光学顕微鏡を用いて金属組織を観察した。その顕微鏡観察写真を図4に示す。
一部のサンプルについては、前記サンプル3個のうち1個を用いて、ブリネル硬さを測定した。
(ブリネル硬さ)
JIS法に基づきブリネル硬さを測定した。ブリネル硬さは、黒皮が存在したままの部分と、黒皮を除去した部分の両方について測定した。このうち、黒皮除去部の硬さを1か所または2か所測定した結果を表3に示す。なお、表3におけるNo.4の「129」は黒皮除去後の表層部の硬さであり、カッコ内の数値「138」は黒皮が存在したままでの硬さである。
上記得られた片状黒鉛鋳鉄材を用い、下記表4に示す条件でエンドミル加工を行って工具摩耗の進行状況を調査した。詳細には、切削速度が400m/min、800m/min、1200m/minのそれぞれにおいて、切削長1m、2m、3m、4m、5mでの工具の逃げ面摩耗量を、試料別に求めた。その結果として、切削速度が400m/minのときの、切削長と工具の逃げ面摩耗量の関係を試料別に表したグラフを図5に、切削速度が800m/minのときの、切削長と工具の逃げ面摩耗量の関係を、試料別に表したグラフを図6に、また、切削速度が1200m/minのときの、切削長と工具の逃げ面摩耗量の関係を、試料別に表したグラフを図7に示す。更に、上記結果から、切削速度と5m切削加工後の逃げ面摩耗量の関係を試料別に表したグラフを図8に示す。
Claims (6)
- 成分組成が、
Al:0.005質量%〜0.015質量%、
Ca:0.0005質量%〜0.02質量%、および
Ti:0.005質量%〜0.025質量%を含む片状黒鉛鋳鉄材。 - 前記成分組成が、更に、
C :2.5質量%〜3.5質量%、
Si:1.5質量%〜2.5質量%、
Mn:0.5質量%〜1.0質量%、
P :0質量%超、0.1質量%以下、および
S :0質量%超、0.1質量%以下を含み、
残部が鉄および不可避不純物である請求項1に記載の片状黒鉛鋳鉄材。 - 前記成分組成が、更に、Cu、Ni、Cr、Mo、Sn、Mg、Zn、Sb、B、PbおよびVよりなる群から選択される1種以上の元素を含む請求項2に記載の片状黒鉛鋳鉄材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の片状黒鉛鋳鉄材を用いて作製された片状黒鉛鋳鉄部材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の片状黒鉛鋳鉄材を切削加工する方法であって、
切削工具として、超硬質工具材料P種を材料として用いた超硬質工具、チタンを含む硬質皮膜の被覆された超硬質被覆工具、またはサーメット工具を使用し、
前記切削工具と前記片状黒鉛鋳鉄材の相対速度が400m/min以上の条件で、
フライス加工またはエンドミル加工を行う片状黒鉛鋳鉄材の切削加工方法。 - 請求項4の片状黒鉛鋳鉄部材の製造方法であって、
請求項1〜3のいずれかに記載の片状黒鉛鋳鉄材を用い、
切削工具として、超硬質工具材料P種を材料として用いた超硬質工具、チタンを含む硬質皮膜の被覆された超硬質被覆工具、またはサーメット工具を使用し、
前記切削工具と前記片状黒鉛鋳鉄材の相対速度が400m/min以上の条件で、
フライス加工またはエンドミル加工を行う切削工程を含む片状黒鉛鋳鉄部材の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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