JP2021004061A - チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器 - Google Patents

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淑江 勝又
Yoshie Katsumata
淑江 勝又
間世田 千鶴子
Chizuko Maseda
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Abstract

【課題】耐内容物性を有し、内容物の油分によるデラミネーションを抑制することが可能なチューブ容器およびキャップ付きチューブ容器を提供する。【解決手段】積層体シート55の対向する端部同士を重ね合わせて互いに接合した胴部チューブと、前記胴部チューブの一端に接合された頭部部材と、を備え、積層体シート55は、外側から順に、少なくとも第一シーラント層56と、基材層58と、ガスバリア層53と、油分バリア層54と、第二シーラント層59とを有し、ガスバリア層53は、金属元素または無機酸化物を含有するバリア層であり、油分バリア層54は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂からなる群から選ばれるフィルムを含むチューブ容器とする。【選択図】図1

Description

本発明は、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器に関する。
従来、チューブ容器として、ラミネートチューブ容器が知られている。このようなラミネートチューブ容器は、胴部チューブ(ラミネートチューブ)と、口部を含む頭部部材とから構成されている(例えば、特許文献1)。
また、特許文献1に示すチューブ容器においては、最内層(シーラント層)である樹脂層が、多層積層ヒートシール材層により構成されており、当該多層積層ヒートシール材層において、酸素ガス、あるいは、水蒸気等が透過することを阻止し、これらに対するバリア性を有するバリア性基材が設けられている。
特開2000−281094号公報
しかしながら、従来のチューブ容器では、内容物が芳香剤、医薬品のような場合には接着剤が医薬品の油分成分によりアタックを受け、基材層とシーラント層の接着力が経時的に低下し、著しい場合には基材層とシーラント層が剥離を生じる(以下、デラミネーションという。)という問題がある。このため、医薬品等を含有する内容物を充填した場合であっても、デラミネーションを抑制することができるチューブ容器が求められている。
本発明は、このような状況においてなされたものであり、その目的は、耐内容物性を有し、内容物の油分成分によるデラミネーションを抑制することが可能なチューブ容器およびキャップ付きチューブ容器を提供することを目的とする。
すなわち、本発明のチューブ容器は、積層体シートの対向する端部同士を重ね合わせて互いに接合した胴部チューブと、前記胴部チューブの一端に接合された頭部部材と、を備え、前記積層体シートは、外側から順に、少なくとも第一シーラント層と、基材層と、ガスバリア層と、油分バリア層と、第二シーラント層とを有し、前記ガスバリア層は、金属元素または無機酸化物を含有するバリア層であり、前記油分バリア層は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂からなる群から選ばれるフィルムを含むことを特徴とする。
また、本発明のキャップ付きチューブ容器は、上記載のチューブ容器と、前記頭部部材に取り付けられるキャップと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、耐内容物性を有し、内容物の油分成分によるデラミネーションを抑制することが可能なチューブ容器およびキャップ付きチューブ容器を提供することができる。
本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器の胴部チューブの積層体シートの層構成の一例を示す断面図である。 本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器の胴部チューブの積層体シートの層構成の他の例を示す断面図である。 本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器を示す側面図であって、キャップが閉鎖状態にあるときの図である。 本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器を示す側面図であって、キャップが解放状態にあるときの図である。 本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器を示す部分垂直断面図である。 本実施の形態によるチューブ容器の製造方法を示す概略図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図6は本発明の一実施の形態を示す図である。なお、図1乃至図6において、内容物を充填した後の底部シールがなされていない空の状態のキャップ付きチューブ容器を示している。
まず、図3之至図6により、本発明によるチューブ容器の胴部チューブの積層体シート55を使用して作成されたキャップ付きチューブ容器10Aについて述べる。
キャップ付きチューブ容器10Aは胴部チューブの積層体シート55を含む筒状胴部と、筒状胴部に対して圧縮成形により樹脂を設けることにより作製された肩部および口部とを備えている。またチューブ容器10の口部にキャップ20が装着される。
このような構成からなるキャップ付きチューブ容器10Aは、以下のような製造工程を経て得られる。
まず、図3に示すように、本発明によるチューブ容器の胴部チューブの積層体シート55を用い、その積層体シートの両端部を重ね合わせて、その重合部分の外側と内側とをヒートシールしてヒートシール部を形成して、筒状胴部を製造する。次いで、上記の筒状胴部を金型内に装着し、筒状胴部の一方の開口部に、例えば、圧縮成形法等の方法によって、肩部および口部を形成する。このようにして筒状胴部の一方の開口部に、肩部および口部が一体に成形されてチューブ容器10が作製される。そしてチューブ容器10の口部にキャップが装着される。
次に、図1および図2により本実施の形態による胴部チューブの積層体シート55の概要について説明する。図1に示すように、胴部チューブの積層体シート55は、外側から内側に向かって順に配置された、第一シーラント層56と、第一接着層57aと、基材層58と、第二接着層57bと、ガスバリア層53と、第三接着層57cと、油分バリア層54と、第四接着層57dと、第二シーラント層59とを備えている。
また、図2に示すように、胴部チューブの積層体シート55は、外側から内側に向かって順に配置された、第一シーラント層56と、第一接着層57aと、基材層58と、第二接着層57bと、ガスバリア層53と、第三接着層57cと、蒸着層60と、油分バリア層54と、第四接着層57dと、第二シーラント層59とを備えている。
なお、図1または図2に示す胴部チューブの積層体シート55において、例えば基材層58の内側に、裏面印刷によって印刷層が設けられていても良い。
なお、本明細書において、「外側」、「内側」とは胴部チューブの積層体シート55を用いてチューブ容器10を作製した場合における「外側」および「内側」を意味する。
次に、胴部チューブの積層体シート55の各層について説明する。
ガスバリア層53は、酸素ガスおよび水蒸気などの透過を抑制するための層である。また、酸素ガス、水蒸気等に対するガスバリア性だけでなく、内容物に対する保香性等を有する材料を使用することができる。
具体的には、上記のガスバリア層53としては、金属元素または無機酸化物を含有するバリア層であり、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着膜、酸化アルミニウム蒸着膜、酸化珪素蒸着膜、なる群から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。これらの中でも、アルミニウム箔が、保香性の点から好ましい。
油分バリア層54は、チューブ容器10において、内容物の油分成分が移行することにより、ガスバリア層53と第二シーラント層59とが剥離(デラミネーション)してしまうのを抑制するための層である。
油分バリア層54を構成する材料としては、例えば、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂からなる群から選ばれるフィルムを使用することができる。なお、油分バリア層54は、1層構成であっても、2層以上の多層構成であってもよく、多層構成の場合には、各層は同一の樹脂フィルムであっても、異なる樹脂フィルムであってもよい。また、各層間が接着層を介して積層されていてもよい。
油分バリア層54に含まれる樹脂フィルムには、無延伸フィルム、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムからなる群から選ばれる1種または2種以上を用いることができ、異なる延伸状態の樹脂フィルムを併用することもできる。中でも、本実施の形態において、一軸延伸フィルムまたは二軸延伸フィルムが、耐内容物性の面で優れるので好ましい。
上記の中でも、ポリエチレンテレフタレート系樹脂が、保香性、蒸着薄膜層またはガスバリア性塗布膜を形成する面、ガスバリア層との積層界面での接着強度、耐内容物性の面で好ましい。ここで、ポリエチレンテレフタレート系樹脂とは、純粋なポリエチレンテレフタレート樹脂および種々の変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を指すものである。
なお、本実施の形態において、油分バリア層54の厚みは、6μm以上25μm以下であることが好ましく、10μm以上20μm以下であることがより好ましい。
また、油分バリア層54に用いる合成樹脂製フィルムは、必要に応じて、必要な面にコロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理等の易接着処理が施される。
油分バリア層54に含まれる樹脂フィルムは、ガスバリア層53と接着する側の表面に、アンカーコート剤層を有していることが好ましい。アンカーコート剤層を有していることによって、ガスバリア層53との接着性と耐内容物性がさらに向上する。
アンカーコート剤層は、アンカーコート剤を塗布、乾燥して形成される層であり、アンカーコート剤としては、例えば、イソシアネート系アンカーコート剤、有機チタン系アンカーコート剤、ポリブタジエン系アンカーコート剤、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤等を用いることができる。
アンカーコート剤の塗布量は、乾燥後に0.05g/m2以上、0.5g/m2以下、または0.05μm以上、0.5μm以下であることが好ましい。
油分バリア層54は、さらに、蒸着層60を有することができる。蒸着層60は、アルミニウム蒸着膜、酸化アルミニウム蒸着膜、酸化珪素蒸着膜からなる群から選ばれる1種または2種以上からなる層であることが好ましい。
蒸着層60を形成する方法としては、上記のような金属または無機の酸化物を原料とし、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法クラスターイオンビーム法等の物理気相成長法(PhysicalVaporDeposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(ChemicalVaporDeposition法、CVD法)等を利用して、基材フィルムの上に蒸着層60を形成することができる。
更に、具体的に説明すると、上記のPVD法では、例えば、巻き取り式蒸着機を使用し、真空チャンバーの中で、巻き出しロールから出た樹脂フィルムを蒸着チャンバーの中に入れ、ここで、るつぼで熱せられた蒸着源を蒸発させ、更に、必要ならば、酸素吹き出し口より酸素等を噴出させながら、冷却したコーティングドラム上の樹脂フィルムの上に、マスクを介して蒸着層60を形成し、次いで蒸着層60が形成された樹脂フィルムを巻き取りロールに巻き取ることによって、本発明にかかる蒸着層60を有する樹脂フィルムを製造することができる。
一方、上記のCVD法では、蒸着チャンバー内に配置された巻き出しロールから繰り出した樹脂フィルム面に、蒸着チャンバー内の冷却、電極ドラム周面上において、蒸着原料揮発供給装置から供給される例えばモノマーガスとしての有機珪素化合物、酸素ガス、不活性ガスからなる混合ガスを導入し、プラズマによって酸化珪素の蒸着層60が形成された樹脂フィルムを製造することができる。そして、本発明においては、上記のような無機酸化物の蒸着層60を有する樹脂フィルムにおいて、チューブ容器10の内容物の油分成分、酸素ガス、あるいは、水蒸気等が透過することを阻止し、これらに対するバリア層としての機能を奏するものである。
上記において、蒸着層60の厚さは、十分なバリア性を得るためには、5〜300nmが好ましく、10〜200nmがより好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。
更に詳しくは、上記のPVD法においては、酸化アルミニウムからなる蒸着層60の厚さは、20〜100nmが好ましく、30〜50nm位がより好ましい。
また、上記のCVD法においては、酸化珪素からなる蒸着層60の厚さは、5〜50nmが好ましく、10〜30nmがより好ましい。
なお、上記において、総じて、金属酸化物、無機酸化物からなる蒸着層60の場合は、蒸着層60の厚さが200nmを超えると、蒸着層60にクラック等が入りやすくなり、そりによりバリア性が低下するという危険性があると共に、材料コストが高くなるという問題点であるので好ましくない。また、10nm未満であると、酸素バリア性を奏することが困難になることから好ましくないものである。
一実施形態において、油分バリア層54に含まれる樹脂フィルムは、蒸着層60下または上にバリアコート層を備える。これにより、チューブ容器10の内容物の油分バリア、酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。
樹脂フィルムが、蒸着膜を備える場合、該バリアコート層は、上記蒸着膜上に設けられていても、蒸着膜下に設けられていてもよい。
一実施形態において、バリアコート層は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ナイロン6、ナイロン6,6およびポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などのポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、並びに(メタ)アクリル樹脂などのバリア性樹脂を含む。これらの中でも、チューブ容器10の内容物の油分バリア、酸素バリア性および水蒸気バリア性という観点から、ポリビニルアルコールが好ましい。
また、上記蒸着膜が、無機酸化物から構成される場合、バリアコート層にポリビニルアルコールを含有させることにより、蒸着膜におけるクラックの発生を効果的に防止することができる。
バリアコート層におけるバリア性樹脂の含有量は、50質量%以上、95質量%以下であることが好ましく、75質量%以上、90質量%以下であることがより好ましい。バリアコート層におけるバリア性樹脂の含有量を50質量%以上とすることにより、油分バリア層54に含まれる樹脂フィルムの油分バリア、酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。
バリアコート層の厚さは、0.01μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.1μm、以上5μm以下であることがより好ましい。
バリアコート層の厚さを0.01μm以上とすることにより、チューブ容器の内容物の油分バリア、酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。
バリアコート層は、上記材料を水または適当な溶剤に、溶解または分散させ、塗布、乾燥することにより形成することができる。また、市販されるバリアコート剤を塗布、乾燥することによってもバリアコート層を形成することができる。
また、他の実施形態において、バリアコート層は、金属アルコキシドと水溶性高分子との混合物を、ゾルゲル法触媒、水および有機溶剤などの存在下で、ゾルゲル法によって重縮合して得られる金属アルコキシドの加水分解物または金属アルコキシドの加水分解縮合物などの樹脂組成物を少なくとも1種含むバリア性塗布膜である。
油分バリア層54に含まれる樹脂フィルムが、無機酸化物から構成される蒸着膜を備える場合、該形態のバリアコート層を、蒸着膜と隣接するように設けることにより、蒸着膜におけるクラックの発生を効果的に防止することができる。
一実施形態において、金属アルコキシドは、下記一般式で表される。
1 nM(OR2m
(ただし、式中、R1、R2は、それぞれ、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは金属原子を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価を表す。)
金属原子Mとしては、例えば、珪素、ジルコニウム、チタンおよびアルミニウムなどを使用することができる。
また、R1およびR2で表される有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基およびi−ブチル基などのアルキル基を挙げることができる。
上記一般式を満たす金属アルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン(Si(OCH34)、テトラエトキシシラン(質量%)Si(OC254)、テトラプロポキシシラン(Si(OC374)、テトラブトキシシラン(Si(OC494)などが挙げられる。
また、上記金属アルコキシドと共に、シランカップリング剤が使用されることが好ましい。
シランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができるが、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好ましい。エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランおよびβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
上記のようなシランカップリング剤は、2種以上を使用してもよく、シランカップリング剤は、上記アルコキシドの合計量100質量部に対して、1〜20質量部程度の範囲内で使用することが好ましい。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコールおよびエチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましく、内容物の油分バリア性、酸素バリア性、水蒸気バリア性、耐水性および耐候性という観点からは、これらを併用することが好ましい。
バリア性塗布膜における水溶性高分子の含有量は、金属アルコキシド100質量部に対して5質量部以上500質量部以下であることが好ましい。
バリア性塗布膜における水溶性高分子の含有量を、金属アルコキシド100質量部に対して5質量部以上とすることにより、チューブ容器10の内容物の油分バリア性、酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。また、バリア性塗布膜における水溶性高分子の含有量を、金属アルコキシド100質量部に対して500質量部以下とすることにより、バリア性塗布膜の製膜性を向上することができる。
バリア性塗布膜の厚さは、0.01μm以上100μm以下であることが好ましく、0.1μm以上50μm以下であることがより好ましい。これにより、チューブ容器10の内容物の油分バリア性、酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。
バリア性塗布膜の厚さを0.01μm以上とすることにより、チューブ容器10の内容物の油分バリア性、酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。また、無機酸化物から構成される蒸着膜と隣接するように設けた場合に、蒸着膜におけるクラックの発生を防止することができる。
バリア性塗布膜は、上記材料を含む組成物を、グラビアロールコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコード、アプリケータなどの従来公知の手段により、塗布し、その組成物をゾルゲル法により重縮合することにより形成させることができる。
ゾルゲル法触媒としては、酸またはアミン系化合物が好適である。アミン系化合物としては、水に実質的に不溶であり、且つ有機溶媒に可溶な第3級アミンが好適であり、例えば、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミンなどが挙げられる。これらの中でも、N,N−ジメチルべンジルアミンが好ましい。
ゾルゲル法触媒は、金属アルコキシド100質量部当り、0.01質量部以上、1.0質量部以下の範囲で使用することが好ましく、0.03質量部以上、0.3質量部以下の範囲で使用することがより好ましい。
ゾルゲル法触媒の使用量を金属アルコキシド100質量部当り、0.01質量部以上とすることにより、その触媒効果を向上することができる。
また、ゾルゲル法触媒の使用量を金属アルコキシド100質量部当り、1.0質量部以下とすることにより、形成されるバリア性塗布膜の厚さを均一にすることができる。
上記組成物は、さらに酸を含んでいてもよい。酸は、ゾル−ゲル法の触媒、主としてアルコキシドやシランカップリング剤などの加水分解のための触媒として用いられる。
酸としては、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに酢酸、酒石酸などの有機酸が用いられる。酸の使用量は、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.001モル以上、0.05モル以下であることが好ましい。
酸の使用量をアルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.001モル以上とすることにより、触媒効果を向上することができる。
また、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.05モル以下とすることにより、形成されるガスバリア性塗布膜の厚さを均一にすることができる。
また、上記組成物は、アルコキシドの合計モル量1モルに対して、好ましくは0.1モル以上、100モル以下、より好ましくは0.8モル以上、2モル以下の割合の水を含んでなることが好ましい。
水の含有量をアルコキシドの合計モル量1モルに対して、0.1モル以上とすることにより、本発明のチューブ容器10の内容物の油分バリア性、酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。
また、水の含有量をアルコキシドの合計モル量1モルに対して、100モル以上とすることにより、加水分解反応を速やかに行うことができる。
また、上記組成物は、有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなどを用いることができる。
以下、バリア性塗布膜の形成方法の一実施形態について以下に説明する。
まず、金属アルコキシド、水溶性高分子、ゾルゲル法触媒、水、有機溶媒および必要に応じてシランカップリング剤などを混合し、組成物を調製する。該組成物中では次第に重縮合反応が進行する。
次いで、基材上に、上記従来公知の方法により、該組成物を塗布、乾燥する。この乾燥により、アルコキシドおよび水溶性高分子(組成物が、シランカップリング剤を含む場合は、シランカップリング剤も)の重縮合反応がさらに進行し、複合ポリマーの層が形成される。
最後に、該組成物を20〜250℃、好ましくは50〜220℃の温度で、1秒〜10分間加熱することにより、ガスバリア性塗布膜を形成することができる。
バリアコート層は、その上に印刷層が形成されていてもよい。印刷層の形成方法などについては上記した通りである。
次に、第一シーラント層56は、胴部チューブの積層体シート55同士を接着させるための層である。第一シーラント層を構成する材料としては、熱によって溶融し、融着する材料であれば良い。
第一シーラント層56は、基材層58に形成する印刷層を透視可能であることが好ましい。
第一シーラント層56は、例えばポリオレフィンのフィルムを用いることができる。より具体的には、第一シーラント層としては、例えば、低密度ポリエチレンフィルム(LDPE)、中密度ポリエチレンフィルム(MDPE)、高密度ポリエチレンフィルム(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、その他の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリ酢酸ビニル系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリスチレン系樹脂フィルム、ポリアクリロニトリル、飽和ポリエステル、ポリビニルアルコール等その他の樹脂の1種ないしそれ以上からなるフィルムを使用することができる。
本実施の形態において、第一シーラント層56としては、上記の中でも、低密度ポリエチレンフィルムが扱いやすく、好ましい。
本実施の形態において、第一シーラント層56としては、例えば、上記の樹脂の1種ないし2種以上を主成分とし、これに、所望の添加剤を任意に添加して樹脂組成物を調製し、次いで、上記で調製した樹脂組成物を使用し、例えば、Tダイ法、インフレーション法、その他の成形法を用いてフィルムないしシートを成形することができる。
なお、第一シーラント層56の材料として、例えば、アンチブロッキング剤、滑剤(脂肪酸アミド等)、難燃化剤、無機ないし有機充填剤等を任意に添加したものを使用しても良い。
また、本実施の形態において、第一シーラント層56の厚みは、第二シーラント層59の厚みよりも薄い方が好ましい。第一シーラント層の厚みを厚くしすぎないことで、基材層の内側に裏面印刷によって印刷層を設けた際に、印刷層の視認性が低下するのを抑制することができる。このため、チューブ容器の筒状胴部の意匠性が低下することを抑制することができる。
なお、本実施の形態において、第一シーラント層56の厚みは、好ましくは10μm以上200μm以下であり、更に好ましくは、30μm以上180μm以下である。
基材層58は、チューブ容器10を構成する基本素材として、強度、強靭性、耐熱性を有する材料であればよい。
基材層58を構成する材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他の強靱な樹脂のフィルムないしシート、その他を使用することができる。
上記の中でも、ポリエステル系樹脂、特にポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂が印刷適性の面で好ましい。ここで、ポリエチレンテレフタレート系樹脂とは、純粋なポリエチレンテレフタレート樹脂および種々の変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を指すものである。
そして、基材層58としては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。中でも、本実施の形態において、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムが、印刷適性の面で優れるので好ましい。
なお、本実施の形態において、基材層58の厚みは、10μm以上25μm以下であることが好ましい。
また、印刷層は、チューブ容器における絵柄等を形成するための層である。
印刷層は、上述した基材層58上に、グラビア印刷のほか、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、インクジェックト印刷等の印刷方法によって形成できる。
絵柄としては、特に制限はなく、例えば、文字、図形、記号、模様等が挙げられる。
印刷層は、最外面でなく、基材層58の裏面に形成されることによって、外部からの衝撃で絵柄層の損傷を防止することができるので好ましい。
印刷層としては、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整して得たインキ組成物を使用することができる。このようなインキビヒクルとしては、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム、その他などの1種または2種以上を併用することができる。
第二シーラント層59は、胴部チューブの積層体シート55同士を接着させるための層である。第二シーラント層を構成する材料としては、例えば上述した第一シーラント層と同様の材料を用いることができる。
上記の第二シーラント層59の厚さは、通常、10μm〜300μmが好ましく、50μm〜250μmがより好ましい。
第一接着層57a、第二接着層57b、第三接着層57cおよび第四接着層57dといった接着層は、第一シーラント層56、基材層58、ガスバリア層53、油分バリア層54、第二シーラント層59などを接着するための層である。この接着層は、接着する層を構成する樹脂によって適宜選択することができる。
接着層としては、例えば、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、有機チタン系等のアンカーコーティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他のラミネート用接着剤等のアンカーコート剤、ラミネート用接着剤等を任意に使用することができる。
また、接着層としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−ビニルアルコール、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマー、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂等を好適に使用することができる。
なお、本実施の形態において、接着層の厚さは、3μm以上60μm以下であることが好ましい。
また、第一シーラント層56、基材層58、ガスバリア層53、油分バリア層54、第二シーラント層59などを積層する方法としては、例えば、ウエットラミネーション法、ドライラミネ−ション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、Tダイ共押し出し成形法、共押し出しラミネーション法、インフレーション法、その他の任意の方法で行うことができる。また、上述したラミネートを行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルムに施すことができる。
また、胴部チューブの積層体シート55には、必要に応じて油分バリア層54と第二シーラント層59の層間に、中間層が設けられていても良い。中間層は、胴部チューブの積層体シートの厚さを調整するために設けられる。中間層にはオレフィン樹脂を用いることができる。より具体的には、中間層としては、低密度ポリエチレンや、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等のポリエチレンフィルムが用いられることが好ましい。中間層の厚さは例えば50μm以上200μmであることが好ましい。
次に、チューブ容器10の頭部部材について説明する。
頭部部材40は、口部11と、口部11下方に設けられた肩部12とを有している。
このうち口部11は、キャップ20の後述する内筒部28が螺着されるねじ部14を有している。なお、口部11の形状は、従来公知の形状であっても良い。
また、肩部12は、口部11側から胴部50側に向けて徐々に径が拡大する形状を有している。この肩部12は、水平断面が円形状の形状をもっている。
また、頭部部材40は、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)等の樹脂材料から作製される。上記において、チューブ容器10の頭部部材40としては、上記のような高密度ポリエチレンの他に、更に、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体等を使用することもできる。
次に、胴部チューブ50について説明する。図3に示すチューブ容器10の胴部50は、全体として略円筒形状を有している。この胴部50は、ラミネート成形された積層体シート55(図1、図2参照)から構成されており、この積層体シート55を円筒状に丸め、対向する端部同士を重ね合わせて、例えばヒートシールにより互いに接合して得られたものである。このため、胴部50は、その長手方向に沿って積層体シート同士を互いに接合した接合部52を有している。
この胴部50の厚みは、例えば330μm以上350μm以下であることが好ましい。胴部の厚みが330μm以上であることにより、チューブ容器10の胴部において、所定の強度を保つことができる。これにより、チューブ容器10を倒立させて置いた際に、胴部の自立性および保形性を保つことができる。また、胴部の厚みが350μm以下であることにより、胴部チューブの積層体シート55の製造コストを低減することができるとともに、頭部部材を圧縮成形法で成形する際の成形性を確保することができる。
チューブ容器10の筒状胴部を製造する際のヒートシール(溶着)する方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール、火炎シール等を挙げることができる。
また、本実施の形態によるチューブ容器10の頭部部材40と、胴部チューブ50との接合は、頭部部材40を圧縮成形法で成形する際に、熱溶着により行われる。しかしながら、これに限定されることはなく、チューブ容器10の頭部部材と、筒状胴部との接合は、射出成形法により行われても良い。
次に、キャップ20について説明する。
図3之至図5に示すように、キャップ20は、ヘッド21と、ヘッド21に連結されたカバー22とを有している。ヘッド21とカバー22とは、中央にヒンジ25が設けられた一対の連結体23を介して互いに連結されている。これにより、カバー22は、ヘッド21に対して、連結体23のヒンジ25を軸として自由に回動可能であり、ヘッド21の上面を覆う蓋としての機能を果たす。なお、ヘッド21、カバー22および一対の連結体23は、射出樹脂により一体形成されている。
ヘッド21は、チューブ容器10に取り付けられる内筒部28と、内筒部の径方向外側に位置する外筒部27と、内筒部および外筒部の上方に設けられ、注出口26が形成された上板29とを有している。このうち、内筒部28は、頭部部材40の口部11に取り付けられている。これら上板29、外筒部27および内筒部28は、射出樹脂により一体形成されている。上板29は、平板状であり、平面視略円形状を有している。また、上板29の略中央部には下方に突出したインナーリング29aが設けられ、頭部部材の口部11との嵌合をより完全なものとしている。また、注出口26は、注出時の使い勝手を良くし、カバーの栓部との嵌合を容易にするために、連結体23から離れるよう偏心して設けられている。なお、注出口26は、上板の略中心部に設けられても良い。
カバー22は、平らな蓋板32と、蓋板32の周辺を取り囲むように形成された略円筒状の側壁33と、を有している。蓋板32には下方に突出したインナーリング35が設けられ、注出口26の内壁の嵌合部36との嵌合をより完全なものとしている。カバーの側壁33の端部内側で回転半径の最も大きな部分には突起37が形成されている。この突起37が、ヘッド21の上板29の上面に形成された凹陥部38に嵌合することにより、カバー22は上板29上に確実に係止される。また、蓋板32のヒンジ25を回転軸とする回転半径の最も大きな部分にカバー22を開き易くする突出片39が設けられている。
図3之至図5に示すように、カバー22の表面(閉鎖された蓋板32の表面)は平らに成形されているので、チューブ容器10に内容物を充填することにより作製された商品は、倒立性(頭部を下にした時の自立性)を有し、店頭における展示陳列時および使用場所での不使用時には、倒立させて置くことができる。さらに蓋板32の中央部を僅かに凹面化させることで、自立を安定化することもできる。また、カバー22の指先での開放操作のため、カバー22に突出片39を設け、さらにキャップの閉鎖時における突出片39の下部にあたる外筒部27の一部を、他の部分より内側に削った窪み部31を形成し、指が突出片39に掛かり易くしている。
次に、図6(a)−(b)を参照して、圧縮成形法を用いて上述したチューブ容器10を製造する方法について説明する。
図6(a)に示すように、この円筒状の積層体シート55(胴部50)をマンドレル72に挿入し、マンドレル72の一端に、頭部部材40の圧縮成形用の金型71を装着する。すなわち、予め筒状に成形された積層体シート55(胴部50)を、先端部が頭部部材40を圧縮成形するためのコアとなっているマンドレル72に差し込んだ状態で、頭部部材40を成形する金型71のキャビティ内に所定の位置まで進入させる。
続いて、金型71内に、樹脂供給装置から溶融した樹脂を供給することにより、頭部部材40を圧縮成形する。この場合、金型71内に胴部50の一端51を挿入することによって、頭部部材40が成形されると同時に、頭部部材40に胴部チューブ50が一体的に融着される。その後、金型71およびマンドレル72から一体化された頭部部材40および胴部50を取り出すことにより、チューブ容器10が得られる(図6(b)参照)。
また、キャップ付きチューブ容器10Aを製造する際には、チューブ容器10を作製することと並行して、キャップ20を準備する。この場合、例えば図示しない射出成形機を用いて、射出成形法によりキャップ20を作製する。そして、キャップ20をチューブ容器10の頭部部材40の口部に螺着させることにより、図5に示すキャップ付きチューブ容器10Aが得られる。
そして、本発明においては、上記で製造したチューブ容器10が完成される前の下端部の開口部から充填包装する内容物を充填し、次いでその開口部をヒートシールして底溶着部を形成して、チューブ包装体を製造することができる。
上記において、充填包装される内容物としては、例えば、練り歯磨き、化粧品、糊、練りがらし、練りわさび、クリーム、絵の具、軟膏、医薬品、その他等を挙げることができる。
次に、上記実施の形態における具体的実施例について説明する。
(実施例1)
まず、基材層58の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)の裏面にポリウレタン系グラビアインキによって、美麗な絵柄印刷層を形成した。
次に、前記の絵柄印刷層表面に、ロールコート法にてドライラミネーション用ポリウレタン系接着剤(主剤:ポリエステル樹脂、硬化剤:脂肪族系ポリイソシアネートの2液硬化型ウレタン接着剤)を4g/m2塗布、乾燥した後、ガスバリア層53として厚さ7μmのアルミニウム箔をドライラミネートした。
次に、アルミニウム箔の面にロールコート法にてドライラミネーション用ポリウレタン系接着剤(主剤:ポリエステル樹脂、硬化剤:脂肪族系ポリイソシアネートの2液硬化型ウレタン接着剤)を4g/m2塗布、乾燥した後、油分バリア層54として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)の外側のコロナ処理面にドライラミネートした。
他方、第二シーラント層59として、厚さ210μmの線状低密度ポリエチレンフィルム(大日本印刷株式会社製 品名SR−WN2)の一方の面に、コロナ放電処理を施してコロナ放電処理面を作成した。
次に、前記の油分バリア層54の内側のコロナ処理面に、ロールコート法にてドライラミネーション用ポリウレタン系接着剤(主剤:ポリエステル樹脂、硬化剤:脂肪族系ポリイソシアネートの2液硬化型ウレタン接着剤)を4g/m2塗布、乾燥した後、第二シーラント層59として、厚さ210μmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムのコロナ処理面側を積層して、積層フィルムを得た。
そして、上記で得られた積層フィルムの基材層58側の表面に、ドライラミネーション用ポリウレタン系接着剤を4g/m2塗布、乾燥した後、第一シーラント用に厚さ130μmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムを積層して、厚さ352μmのチューブ容器用積層体の原反を得た。層構成は以下の通りである。
(外側)第一シーラントLLDPEフィルム(130μm)/接着剤層DL接着剤/基材層二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/絵柄印刷層/接着剤層DL接着剤/ガスバリア層アルミニウム箔(5μm)/接着剤層DL接着剤/油分バリア層二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/接着剤層DL接着剤/第二シーラント層LLDPEフィルム(180μm)(内側)
上記で得られた胴部チューブの積層体シート55を用いて、マンドレルを利用して一方の側辺部と他方の側辺部とを重ね合わせて筒状に成形し、重ね合わせ部における積層体の裏面層と表面層とを熱溶着法により溶着することによって筒状成形体を得た。
引き続いて、この筒状成形体に頭部部材を圧縮成形法により一体成形することにより、本発明の実施例1に係るチューブ容器10を得た。頭部部材の材料としては、高密度ポリエチレン(HDPE)を用いた。
このようにして、チューブ容器10を作製した。
また、チューブ容器10を作製することと並行して、キャップ20を射出成形法により作製した。そして、得られたキャップ20をチューブ容器の頭部部材40の口部に螺着させることにより、キャップ付きチューブ容器10Aを作製した。
このキャップ付きチューブ容器10Aは、胴部チューブの積層体シート55の油分バリア層54をガスバリア層53の内側に設けることにより、芳香剤、医薬品等を含有する内容物を充填した場合であっても、内容物によるバリア層側の界面へのアタックが緩和されて、デラミネーションを抑制することができると共に、更に、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性、耐内容物性等に優れ、例えば、練り歯磨き、食品、化粧品、医薬品、その他等の内容物の充填包装に適し、倒立チューブ容器に適するものであった。
(実施例2)
アルミニウム箔の膜厚を変更した以外は、実施例1と同様にチューブ容器用積層体を得て、チューブ容器を作製した。なお、チューブ容器用積層体の層構成は以下の通りである。
(外側)第一シーラントLLDPEフィルム(130μm)/接着剤層DL接着剤/基材層二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/絵柄印刷層/接着剤層DL接着剤/ガスバリア層アルミニウム箔(15μm)/接着剤層DL接着剤/油分バリア層二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/接着剤層DL接着剤/第二シーラント層LLDPEフィルム(180μm)(内側)
(実施例3)
チューブ容器用積層体の油分バリア層を二軸延伸ナイロンフィルムに変更した以外は、実施例2と同様にチューブ容器用積層体を得て、チューブ容器を作製した。なお、チューブ容器用積層体の層構成は以下の通りである。
(外側)第一シーラントLLDPEフィルム(130μm)/接着剤層DL接着剤/基材層二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/絵柄印刷層/接着剤層DL接着剤/ガスバリア層アルミニウム箔(15μm)/接着剤層DL接着剤/油分バリア層二軸延伸ナイロンフィルム(25μm)/接着剤層DL接着剤/第二シーラント層LLDPEフィルム(180μm)(内側)
(実施例4)
油分バリア層54として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に蒸着層60として40nmのアルミニウムの蒸着膜を形成した以外は、実施例2と同様にチューブ容器用積層体を得て、チューブ容器を作製した。なお、チューブ容器用積層体の層構成は以下の通りである。
(外側)第一シーラントLLDPEフィルム(130μm)/接着剤層DL接着剤/基材層二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/絵柄印刷層/接着剤層DL接着剤/ガスバリア層アルミニウム箔(15μm)/接着剤層DL接着剤/アルミニウム蒸着膜40nm/油分バリア層二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/接着剤層DL接着剤/第二シーラント層LLDPEフィルム(180μm)(内側)
(比較例1)
チューブ容器用積層体の油分バリア層を設けなかった以外は、実施例2と同様にチューブ容器用積層体を得て、チューブ容器を作製した。なお、チューブ容器用積層体の層構成は以下の通りである。
(外側)第一シーラントLLDPEフィルム(130μm)/接着剤層DL接着剤/基材層二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/絵柄印刷層/接着剤層DL接着剤/ガスバリア層アルミニウム箔(15μm)/接着剤層DL接着剤/第二シーラント層LLDPEフィルム(180μm)(内側)
[ラミネート強度]
上記で得られた実施例1〜3および比較例1におけるチューブ容器用積層体に対して、15mm×100mmの短冊状に切り分けて、ガスバリア層53と油分バリア層54間、またはガスバリア層53と第二シーラント層間のラミネート強度を、引張試験機を用いて測定した。なお、剥離速度は、50mm/min、ロードセル100N、測定回数3回で行った。この結果を表1に示す。
Figure 2021004061
[耐内容物性]
上記で得られた実施例1〜3および比較例1におけるチューブ容器を用いて、内容物として、ハンドクリームを30g充填して、40℃、湿度90%RHの条件で、3か月保存した。そして、保存後のチューブ容器を解体してラミネート強度測定用の試験片を作製し、ガスバリア層53と油分バリア層54間、またはガスバリア層53とシーラント層間のラミネート強度を測定した。なお、このハンドクリームは、グリセリン、ビタミンE酢酸エステル、グリチルレチン酸、d−カンフル等の成分を含有するものである。この結果を表2に示す。
Figure 2021004061
表1、2に示されたとおり、実施例1乃至3のチューブ容器用積層体は、作製直後および耐内容物性評価保存後に良好なラミネート強度を示した。
しかしながら、油分バリア層が積層されていない比較例1は、耐内容物性評価保存後にデラミネーションを生じ、劣ったラミネート強度を示した。
[耐圧強度]
実施例1乃至3および比較例1で得られたチューブ容器の開放端部(底部)から内容物としてハンドクリームを30g充填し、底部をヒートシールにてシールした。保存前(初期)と、40℃、90%RHにて3か月保存後のチューブ容器について、耐圧試験機(城南オートマチック株式会社製、JY1507−6)を用いて、チューブ胴部に荷重600Nの荷重をかけたままで20秒間保持して、破袋の有無を確認した。なお、このハンドクリームは、グリセリン、ビタミンE酢酸エステル、グリチルレチン酸、d−カンフル等の成分を含有するものである。この結果を表3に示す。
<評価基準>
○:破袋していなかった。
×:破袋していた。
Figure 2021004061
表3に示されたとおり、実施例1乃至3および比較例1のチューブ容器は、初期、1か月後において比較例1と比較して、遜色ない耐圧強度を有するものであった。
10 チューブ容器
10A キャップ付きチューブ容器
11 口部
12 肩部
14 ねじ部
20 キャップ
21 ヘッド
22 カバー
23 連結体
25 ヒンジ
26 注出口
27 外筒部
28 内筒部
29 上板
29a インナーリング
31 窪み部
32 蓋板
33 側壁
35 インナーリング
36 嵌合部
37 突起
38 凹陥部
39 突出片
40 頭部部材
50 胴部
51 一端
52 接合部
53 ガスバリア層
54 油分バリア層
55 胴部チューブの積層体シート
56 第一シーラント層
57a 第一接着層
57b 第二接着層
57c 第三接着層
57d 第四接着層
58 基材層
59 第二シーラント層
60 蒸着層
71 金型
72 マンドレル

Claims (5)

  1. チューブ容器において、
    積層体シートの対向する端部同士を重ね合わせて互いに接合した胴部チューブと、
    前記胴部チューブの一端に接合された頭部部材と、を備え、
    前記積層体シートは、外側から順に、少なくとも第一シーラント層と、基材層と、ガスバリア層と、油分バリア層と、第二シーラント層とを有し、
    前記ガスバリア層は、金属元素または無機酸化物を含有するバリア層であり、
    前記油分バリア層は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂からなる群から選ばれるフィルムを含むことを特徴とする、チューブ容器。
  2. 前記油分バリア層は、前記ガスバリア層と前記油分バリア層との間、又は前記油分バリア層と第二シーラント層との間に設けられた蒸着層を更に有することを特徴とする請求項1に記載のチューブ容器。
  3. 前記蒸着層は、アルミニウム蒸着膜、酸化アルミニウム蒸着膜、酸化珪素蒸着膜、なる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項2に記載のチューブ容器。
  4. 前記ガスバリア層は、アルミニウム箔であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のチューブ容器。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のチューブ容器と、
    前記頭部部材に取り付けられるキャップと、を備える、キャップ付きチューブ容器。
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