図1に示す本開示の一実施形態によるモビリティサービスシステムは、決済管理センタ、運行管理センタCNT、多数のサービス車両SVを含んでいる。モビリティサービスシステムは、多数のサービス車両SVの走行を運行管理センタCNTにおいて管理し、サービス車両SVによるユーザUへの移動空間の提供を可能にする。モビリティサービスシステムは、モビリティサービスの提供の対価を、決算管理システムによって徴収する。決算管理センタ、運行管理センタCNT及び各サービス車両SVは、それぞれネットワークNWに接続されており、相互に通信可能である。
運行管理センタCNTには、図1及び図2に示す運行マネージャ110が設置されている。運行マネージャ110は、サービス車両SVのユーザUへの配車を管理する。運行マネージャ110は、配車管理のために、個々のサービス車両SVの運行計画を策定する。運行マネージャ110は、サービス車両SVのユーザUへの配車指示として、策定した運行計画を、ネットワークNWを通じて、各サービス車両SVに送信する。
運行マネージャ110は、少なくとも一台のサーバ装置110aを主体とした演算システムである。サーバ装置110aは、処理部111、RAM112、記憶部113、入出力インターフェース114、及びこれらを接続するバス等を備え、運行マネージャ110として動作する。処理部111は、RAM112と結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部111は、RAM112へのアクセスにより、配車管理等に関連する種々の処理を実行する。記憶部113は、不揮発性の記憶媒体を含む構成である。記憶部113には、処理部111によって実行される種々のプログラム(配車管理プログラム等)が格納されている。
運行マネージャ110は、記憶部113に記憶された配車管理プログラムを処理部111によって実行することで、本開示の配車管理方法を実現させる複数の機能部を備える。具体的に、運行マネージャ110には、配車管理プログラムに基づき、ユーザ情報取得部121、配信情報取得部122、ステーション情報取得部123、計画提供承認部124、及び運行シミュレーション部140等の機能部が構築される。
ユーザ情報取得部121は、ネットワークNW及び基地局BSを通じて、ユーザ情報を取得する。ユーザ情報は、モビリティサービスの利用を希望するユーザUにより、ユーザ端末UTに入力された情報である。ユーザ情報には、ユーザUを識別するID情報、ユーザUの乗車場所、降車場所、及び乗車予定時刻(乗車予定時間帯)等が少なくとも含まれている。ユーザUは、例えばスマートフォン、タブレット端末、及びパーソナルコンピュータ等を、ユーザ端末UTとして、ユーザ情報の入力に使用できる。
尚、ユーザUは、特定の場所及び時刻に、ヒトではなく集配物Pを運ぶ目的で、サービス車両SVを利用できる。またユーザ情報には、乗車予定時刻に替えて、又は乗車予定時刻と共に降車希望時刻(降車希望時間帯)が含まれていてもよい。さらに、一人のユーザUにより、複数人分の搭乗予約が実施されてもよい。この場合、ユーザ情報には、サービス車両SVに搭乗する搭乗者の人数を示す情報がさらに含まれる。
配信情報取得部122は、ネットワークNWを通じて、将来情報及び電力情報を取得する。将来情報及び電力情報は、ネットワークNWに接続されたクラウドサーバ190によって収集され、クラウドサーバ190によって配信される。将来情報は、近い将来(半日後から明日程度先)のサービス車両SVの需要予測に用いられる情報である。将来情報には、天気及び気温等の気象予報情報及びヒトが集まるイベント等の近隣での開催予定情報が含まれている。電力情報は、電力に関連する情報であって、特に後述する充電ステーションCSへの供給電力に関連する情報である。具体的に、電力情報は、送電網に電力を供給する発電所の電力使用率、太陽光発電システムによる発電量、及び住宅、オフィスビル、商業ビル及び工場等での電力負荷等についての予測情報及び現在情報を含んでいる。
ステーション情報取得部123は、ネットワークNWを通じて、ステーション情報を取得する。ステーション情報は、特定の地域に設置された充電ステーションCSに関連する情報である。ステーション情報には、充電ステーションCSの設置場所、使用予定の無い空き時間、充電に伴う電力料金の単価(以下、「電力単価」)、及び充電器の仕様等の情報が含まれている。充電器の仕様情報には、急速充電可能か否か、対応する充電の規格、及び急速充電の最大出力(kW)等の情報が含まれている。ステーション情報は、各充電ステーションCSの各ステーションECU180により、ステーション情報取得部123に提供される。
充電ステーションCSは、サービス車両SVに搭載された走行用のメインバッテリ22を充電するインフラ施設である。充電ステーションCSは、モビリティサービスの提供対象となる地域において、広範囲に点在するように分散設置されている。充電ステーションCSは、例えばショッピングモール、コンビニエンスストア及び公共施設等の各駐車場に設置されている。充電ステーションCSは、電力網を通じて発電所から供給される供給電力、又は太陽光発電システム等から供給される供給電力を用いて、メインバッテリ22を充電する。
ここで、特定地域に設置された多数の充電ステーションCSは、ステーションマネージャによって管理されていてもよい。ステーションマネージャは、ネットワークNWを通じて、ステーションECU180と通信可能であり、各充電ステーションCSについてのステーション情報を把握している。ステーションマネージャが存在している場合、ステーション情報取得部123は、多数の充電ステーションCSのステーション情報を、ステーションマネージャから取得できる。
計画提供承認部124は、ネットワークNW及び基地局BS等を通じて、各サービス車両SVと情報をやり取りする。計画提供承認部124は、現在位置、ユーザU又は集配物Pを移送中か否か、及びバッテリ残量等を示す車両ステータス情報を、各サービス車両SVから取得する。計画提供承認部124は、運行シミュレーション部140にて生成される運行計画を、個々のサービス車両SVに提供する。
加えて計画提供承認部124は、サービス車両SVにて修正運行計画(後述する)が生成された場合、この修正運行計画を取得する。サービス車両SVに搭載されたエネルギマネージャ100は、後述するように、運行マネージャ110より提供される運行計画を基準運行計画とし、当該基準運行計画を修正してなる修正運行計画を生成可能である。計画提供承認部124は、エネルギマネージャ100によって提案された修正運行計画を取得した場合、当該修正運行計画を承認するか否かの判断結果を、提案元であるサービス車両SVに通知する。
運行シミュレーション部140は、各サービス車両SVの運行計画を生成する。加えて運行シミュレーション部140は、各サービス車両SVから送信される修正運行計画について、承認するか否かを判断する。運行シミュレーション部140は、運行計画の生成及び修正運行計画の承認可否の判定のために、全サービス車両SVにつての配車スケジュール及び充電スケジュールを組み立てる。
運行シミュレーション部140は、各スケジュールの策定のため、地図情報データベース131、過去情報データベース132、及び運行計画データベース133に蓄積された情報を参照可能である。各データベース131〜133は、それぞれ記憶部113に確保された記憶領域である。地図情報データベース131は、サービス車両SVの走行ルートの設定に用いられる多数の地図情報を記憶している。過去情報データベース132は、サービス車両SVの需要予測に用いられる過去情報が記憶されている。過去情報は、過去の出来事と、そのときの需要傾向との相関を記録した情報である。運行計画データベース133は、各サービス車両SVに配信された運行計画を記憶している。
運行シミュレーション部140は、配車スケジュール及び充電スケジュールの策定に関連するサブ機能部として、ランニングコスト推定部141、ライフサイクルコスト推定部142、計画生成部143、及び最適解算出部144を有している。
ランニングコスト推定部(以下、「RC推定部」)141は、ユーザUへのサービス提供に応じて発生するランニングコストを算定する。ランニングコストは、メインバッテリ22への充電に伴う電力単価と、各サービス車両SVにて消費されるエネルギ量(以下、「消費電力量」,単位は「Wh」又は「kWh」)の積となる。RC推定部141は、電力情報及びステーション情報を参照し、電力単価を設定する。電力単価が例えばダイナミックプライシングによって決定される場合、RC推定部141は、電力の需要予測に基づき、電力単価を設定する。さらにRC推定部141は、計画生成部143にてシミュレートされる運行計画(運行計画案)に基づき、サービス提供に応じて生じるエネルギ消費としての消費電力量を推定する。RC推定部141は、推定した消費電力量に、設定した電力単価を乗算することにより、サービス提供に伴うランニングコストを算出する。
ライフサイクルコスト推定部(以下、「LCC推定部」)142は、ユーザUへのサービス提供に伴って発生するライフサイクルコストを算定する。ライフサイクルコストは、実質的に、サービス車両SVに搭載されたメインバッテリ22のコストである。メインバッテリ22は、SOH(States Of Health)が所定の閾値(以下、「交換判定値」)を下回った場合に、交換される。SOHは、初期状態の満充電容量(単位は、「Wh」又は「kWh」)に対する劣化状態での満充電容量の割合である。LCC推定部142は、メインバッテリ22の交換に必要な所定費用と、交換判定値とから、SOHについての単位減少量あたりのコスト(以下、「単位劣化コスト」)を設定する。
LCC推定部142は、運行計画案に基づく走行及び充電により、サービス車両SVのメインバッテリ22に生じる性能劣化の度合い、即ち、SOHの減少量を推定する。記憶部13には、メインバッテリ22について、どのような使用条件で、どのような充放電を行うと、どの程度SOHの劣化するのかを示す相関情報が、関数又はテーブル等の形式で予め記憶されている。LCC推定部142は、相関情報を参照し、運行計画案に基づく使用によるSOHの減少量を算出する。LCC推定部142は、推定したSOHの減少量に、単位劣化コストを乗算することで、サービス提供に伴うライフサイクルコストを算定する。
計画生成部143は、スケジュール策定処理(図3参照)の実施により、複数のサービス車両SVの運用内容を規定する配車スケジュール及び充電スケジュールを組み立てる。計画生成部143は、ユーザ情報、車両ステータス情報、ステーション情報、電力情報等に基づき、これらの情報を考慮して、サービス車両SVを電欠させずに、ユーザUの所望する移動サービスが完遂されるように、各スケジュールを策定する。
配車スケジュールは、どのサービス車両SVを、どのようなタイミングで、どの乗車位置及び降車位置等に、どのような走行ルート及び走行速度で向かわせるかを規定した内容である。計画生成部143は、配車スケジュールの生成にあたり、地図情報データベース131に格納された地図情報を参照し、各サービス車両SVの走行ルートを設定する。配車スケジュールには、特定の駐車場PSにサービス車両SVを駐車させて、サービス提供を待機させる待機スケジュールも含まれている。
充電スケジュールは、どのサービス車両SVを、どのタイミングで、どの充電ステーションCSを使用して、どの程度まで充電させるかを規定した内容である。具体的に、計画生成部143は、充電スケジュールの生成にあたり、ステーション情報の示す空き情報を考慮して、サービス車両SVを向かわせる充電ステーションCSを決定する。加えて計画生成部143は、充電ステーションCSにて普通充電及び急速充電のいずれを実施するか、並びに充電目標とするメインバッテリ22のSOC(States Of Charge)等をさらに決定する。
ここで、計画生成部143は、上述の如く、ユーザ端末UTを通じて受け付けた利用予約の完遂を最優先に、配車スケジュール及び充電スケジュールを策定する。そうしたうえで、計画生成部143は、サービス提供による売上の最大化と、サービス提供に伴う経費の最小化とを両立させて、モビリティサービスを提供する事業者の利益を最大化させるような配車スケジュール及び充電スケジュールを探索する。
計画生成部143は、売上の最大化を目的とし、機会損失の低減を図るため、ユーザ情報、将来情報及び過去情報等を用いて、サービス車両SVの需要予測を、推定によって取得する。計画生成部143は、推定した需要予測を考慮し、予測されるサービス車両SVの需要に最大限対応できるように、充電スケジュールを生成する。
一例として、気温上昇や降雨等の気象予報情報又は近隣でのイベント開催予定情報等が将来情報としてある場合、サービス車両SVの需要増加が見込まれる。この場合、計画生成部143は、各サービス車両SVのメインバッテリ22を、通常よりも満充電に近い状態にする充電スケジュールを生成する。加えて計画生成部143は、急速充電が可能な充電ステーションCSの優先利用により、非稼動時間(充電時間)を短縮し、稼動時間を最長化する充電スケジュールを生成する。
また別の一例として、過去情報には、平日、休日、及び時間帯等の時間情報、並びに天気及び気温等の気象条件等に関連付けて、これまでの需要傾向が記憶されている。計画生成部143は、過去情報を参照し、今後の時間情報及び気象予報情報から、サービス車両SVの需要を予測する。計画生成部143は、需要予測に基づき、需要の発生タイミングで、運行可能なサービス車両SVが十分に確保されるように、各サービス車両SVのメインバッテリ22の充電状態を調整する。
計画生成部143は、経費の最小化を目的とし、サービス提供に応じて発生するランニングコストと、サービス提供に伴うサービス車両SVのライフサイクルコストとを考慮し、配車スケジュール及び充電スケジュールを生成する。計画生成部143は、RC推定部141にて算定されるランニングコストと、LCC推定部142にて算定されるライフサイクルコストとが、総合的に最も抑制されるように、コストを共通の指標として、各スケジュールを調整する。計画生成部143は、複数のサービス車両SVに発生するランニングコスト及びライフサイクルコストの和がトータルで少なくなるように、配車スケジュール及び充電スケジュールを探索する。
具体的に、計画生成部143は、複数のサービス車両SVに発生するランニングコスト(エネルギコスト)の総和が少なくなるように、配車スケジュール及び充電スケジュールを組み立てる。例えば計画生成部143は、電力情報に基づき、電力需要がピークとなるような夏季の日中の充電を避け、電力単価が安くなる深夜等の時間帯に、メインバッテリ22を充電する充電スケジュールを生成する。
計画生成部143は、各サービス車両SVの走行ルートについて、全体として短く、低速で走行可能であり、且つ、登坂区間を避けるように、配車スケジュールを策定する。さらに計画生成部143は、サービス車両SVが充電ステーションCSの近傍に位置するタイミングで、充電を行うような配車スケジュール及び充電スケジュールを組み立てる。
計画生成部143は、メインバッテリ22の性能劣化を許容するか否かを、ライフサイクルコスト及びライフサイクルコストのコストベースの比較に基づき、判断する。ここで、メインバッテリ22の性能劣化は、高温で充放電するとき、及び満充電の状態で長時間放置するときに、進行し易くなる。故に、計画生成部143は、性能劣化の進行を抑えて、ライフサイクルコストを低減させるため、発熱状態での充電を避ける、満充電まで充電することを避ける等の劣化低減対策を組み込んだ充電スケジュールを生成する。加えて計画生成部143は、日陰となる充電ステーションCSを優先的に使用する、急速充電を避けて普通充電を行う、及び出発時刻に合わせて充電を完了させる等の劣化低減対策を、充電スケジュールに組み込むことができる。さらに計画生成部143は、走行負荷の低い状態で走行可能なルートを選択する、充電開始の直前に高負荷での走行を避ける等の劣化低減対策を、配車スケジュールに組み込むことができる。
計画生成部143は、サービス車両SV全体での配車スケジュール及び充電スケジュールを成立させたうえで、これらのスケジュールに基づき、個々のサービス車両SVについての運行計画を生成する。計画生成部143は、生成した各運行計画を、計画提供承認部124を通じて、対応する個々のサービス車両SVに提供する。加えて計画生成部143は、各サービス車両SVに提供した運行計画を、各サービス車両SVを識別するID情報と紐付けた状態で、運行計画データベース133に記憶する。
計画生成部143は、修正運行計画に基づくサービス車両SVの運行を承認するか否か判定する。計画生成部143は、計画提供承認部124にて修正運行計画が取得された場合、運行計画データベース133に記憶された当初の基準運行計画を、修正運行計画と比較する。計画生成部143は、基準運行計画から修正運行計画への変更により、全体の配車スケジュール及び充電スケジュールの修正の要否を判定する。計画生成部143は、全体のスケジュールの修正が実質的に生じない場合、換言すれば、他車両の運行計画に大きな変更がない場合に、基準運行計画から修正運行計画への変更を承認する。この場合、計画生成部143は、修正運行計画を承認する旨の通知を、計画提供承認部124を通じて、提案元のサービス車両SVに送信する。
以上の計画生成部143にて実施されるスケジュール策定処理(図3参照)詳細を、さらに説明する。スケジュール策定処理は、モビリティサービスの提供期間にて、計画生成部143により繰り返し実施される。
S11では、各サービス車両SVの車両ステータス情報の取得により、各サービス車両SVにて利用可能な電気エネルギ量(以下、「エネルギ利用可能量W1」)を把握し、S12に進む。
S12では、今後の需要予測W2を生成し、S13に進む。S12では、ユーザ情報、過去情報及び将来情報等を用いて、サービス車両SVの利用に関する需要予測を行う。加えてS12では、電力情報に基づき、電力消費に関する需要予測をさらに行う。これらの需要予測W2のうちで、サービス車両SVの需要予測は、サービス車両SVにて消費されるエネルギ、換言すれば、サービス車両SVから出ていく分のエネルギに関連する推定情報となる。一方、電力の需要予測は、サービス車両SVに供給されるエネルギ、換言すれば、サービス車両SVに入ってくる分のエネルギに関連する推定情報となる。
S13では、S11にて把握したエネルギ利用可能量W1と、S12にて生成した需要予測W2とに基づき、例えば日、時、瞬間等、特定の時間毎について、エネルギ消費及び性能劣化のマトリクスを作成し、S14に進む。S13では、各サービス車両SVでのエネルギ利用可能量W1と、サービス車両SVの需要予測とに基づき、各サービス車両SVに供給すべき供給エネルギ量が、特定の時間毎に把握される。この供給エネルギ量に、電力の需要予測を反映した電力単価を乗算することにより、ランニングコストが推定される。加えて、特定の時間毎の供給エネルギ量に基づき、メインバッテリ22の性能劣化に関連するライフサイクルコストが推定される。
S14では、モビリティサービスの事業者及びユーザUのそれぞれのニーズ毎の要望と、ステーション情報とを用いて、配車スケジュール及び充電スケジュールを策定する。具体的に、S14では、事業者及びユーザUの各ニーズに基づき、エネルギ消費及び性能劣化について、どちらをどの程度優先するのかを設定する。そして、エネルギ消費及び性能劣化の優先度合いと、ステーション情報と、上述のマトリクス化されたコスト関連の情報とに基づき、ランニングコスト及びライフサイクルコストをバランスさせた各スケジュールを生成する。
一例として、計画生成部143は、優先度合い、ステーション情報、及びマトリクスに基づくコスト関連の情報をそれぞれパラメータ化し、予め規定された関数に適用する。計画生成部143は、こうした関数の値が最小となるような配車スケジュール及び充電スケジュール、換言すれば、事業者及びユーザUのニーズを満たすような各スケジュールを、採用対象とする。
S15では、S14にて生成した各スケジュールに基づき、個々のサービス車両SVについての運行計画を生成し、S16に進む。S16では、S15にて生成した運行計画を各サービス車両SVに送信し、一連のスケジュール策定処理を一旦終了する。
最適解算出部144は、最適解算出処理(図4参照)により、モビリティサービスの事業の提供者(事業者)が現在よりも効率的に利益を上げることが可能な、充電ステーションCS及びサービス車両SVについての最適解を算出する。この最適解は、エネルギ消費及び性能劣化について、現在よりも最適化された値である。ここでの最適化は、ランニングコスト及びライフサイクルコストの最小化と実質的に同義である。尚、ライフサイクルコストには、サービス車両SV及び充電ステーションCSの投資コストが含まれている。
最適解算出部144は、配車スケジュール及び充電スケジュールの生成に使用した各種の蓄積情報を、最適解の算出に用いるため、参照する(図4 S31参照)。蓄積情報は、具体的には、エネルギ消費に基づくランニングコスト、メインバッテリ22の性能劣化に基づくライフサイクルコスト、及び需要予測等である。最適解算出部144は、参照した蓄積情報を使用して、特定の地域にて、電力の需要予測を考慮しつつ、ユーザUの需要を満たすことが可能な運行状態をシミュレーションによって特定する(図4 S32参照)。
最適解算出部144は、シミュレーション結果に基づき、サービス車両SVについての最適解を算出する(図4 S33参照)。具体的に、最適解算出部144は、特定の地域にて運用するサービス車両SVの運用台数及び車両仕様等について、望ましい値を算出する。この車両仕様は、例えば搭乗人数及びメインバッテリ22の容量等である。
加えて最適解算出部144は、シミュレーション結果に基づき、充電ステーションCSについての最適解を算出する(図4 S34参照)。具体的に、最適解算出部144は、充電ステーションCSの設置数、設置場所、及び急速充電機能の有無等の充電器仕様について、現状を改善可能な最適解を算出する。
次に、上述の運行マネージャ110によって走行を管理されるサービス車両SVの詳細を、図5及び図6に基づき説明する。
多数のサービス車両SVの少なくとも一部は、走行用のメインバッテリ22を搭載し、メインバッテリ22の電力で走行するBEV(Battery Electric Vehicle)である。サービス車両SVは、運転者による運転操作がない状態で自律走行可能な自動運転車である。サービス車両SVは、モビリティサービスに用いられる専用車両であり、事業者によって運用されるフリート車両であってよい。尚、以下の説明では、特定の運行マネージャ110の管理下にある多数のサービス車両SVのうちの一台(自車両)を、便宜的に車両Asとする。そして、車両Asを除く他のサービス車両SVを、他車両Axとする。
車両Asには、自律走行を可能にするための構成として、外界センサ91、ロケータ92、DCM93、及びADコンピュータ90が搭載されている。加えて車両Asには、充電システム60、複数の消費ドメインDEc、給電ドメインDEs、及びエネルギマネージャ100が搭載されている。
外界センサ91は、歩行者及び他の車両等の移動物体、並びに路上の縁石、道路標識、道路標示、及び区画線等の静止物体を検出する。車両Asには、例えばカメラユニット、ライダ、ミリ波レーダ、及びソナー等が外界センサ91として搭載されている。
ロケータ92は、衛星測位システムの複数の測位衛星から、測位信号を受信可能なアンテナを有している。ロケータ92は、受信した測位信号に基づき、車両Asの位置を計測する。
DCM(Data Communication Module)93は、車両Asに搭載される通信モジュールである。DCM93は、LTE(Long Term Evolution)及び5G等の通信規格に沿った無線通信により、車両Asの周囲の基地局BS(図1参照)との間で電波を送受信する。DCM93の搭載により、車両Asは、ネットワークNWに接続可能なコネクテッドカーとなる。
AD(Automated Driving)コンピュータ90は、運行マネージャ110と連携し、運行計画に基づく車両Asの自律走行を実現する。ADコンピュータ90は、処理部、RAM、記憶部、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等を備えた車載コンピュータである。ADコンピュータ90は、運行マネージャ110によって送信された運行計画を、DCM93を通じて取得する。ADコンピュータ90は、外界センサ91より取得する物体情報、及びロケータ92より取得する位置情報等に基づき、車両Asの周囲の走行環境を認識し、車両Asを運行計画に従って走行させるための予定走行経路を生成する。ADコンピュータ90は、予定走行経路に基づく走行を実現させる駆動、制動及び操舵の各制御量を演算し、各制御量を指示する制御コマンドを生成する。ADコンピュータ90は、生成した制御コマンドを、運動マネージャ30(後述する)へ向けて逐次出力する。
消費ドメインDEcは、メインバッテリ22等の電力の使用により、種々の車両機能を実現する車載機器群である。本実施形態では、少なくとも一つのドメインマネージャを含み、当該ドメインマネージャによって電力の消費を管理されるひと纏まりの車載機器群が、一つの消費ドメインDEcとされる。複数の消費ドメインDEcには、走行制御ドメインDDc、空調制御ドメイン、ユーザエクスペリエンス(以下、「UX」)ドメインが含まれている。
走行制御ドメインDDcは、車両Asの走行を制御する消費ドメインDEcである。走行制御ドメインDDcには、モータジェネレータ31、インバータ32、ステア制御システム33、ブレーキ制御システム34、及び運動マネージャ30が含まれている。
モータジェネレータ31は、車両Asを走行させるための駆動力を発生させる駆動源である。インバータ32は、モータジェネレータ31による力行及び回生を制御する。インバータ32は、モータジェネレータ31による力行時において、メインバッテリ22より供給される直流電力を三相交流電力に変換し、モータジェネレータ31に供給する。インバータ32は、交流電力の周波数、電流、及び電圧を調節可能であり、モータジェネレータ31の発生駆動力を制御する。一方、モータジェネレータ31による回生時において、インバータ32は、交流電力を直流電力に変換し、メインバッテリ22に供給する。ステア制御システム33は、車両Asの操舵を制御する。ブレーキ制御システム34は、車両Asに生じさせる制動力を制御する。
運動マネージャ30はADコンピュータ90と電気的に接続された車載コンピュータである。運動マネージャ30は、駆動、制動及び操舵等の各制御量を示した制御コマンドを、ADコンピュータ90より取得する。運動マネージャ30は、制御コマンドに基づき、インバータ32、ステア制御システム33、ブレーキ制御システム34を統合的に制御し、予定走行経路をトレースするように車両Asを自律走行させる。
以上の運動マネージャ30は、走行制御ドメインDDcのドメインマネージャとして機能し、モータジェネレータ31、インバータ32、ステア制御システム33及びブレーキ制御システム34のそれぞれによる電力の消費を総合的に管理する。運動マネージャ30は、走行制御ドメインDDcについて、瞬間的な電力の使用上限と、特定期間での電力量の消費上限とを、エネルギマネージャ100から取得する。運動マネージャ30は、使用上限及び消費上限を超えないように、制御対象の各構成にて使用される電力及び電力量を制御する。
空調制御ドメインは、車両Asの居室空間の空気調和と、メインバッテリ22の温度調整とを実施する消費ドメインDEcである。空調制御ドメインには、HVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning)41、温調システム42、及び熱マネージャ40が含まれている。尚、HVAC41は、一台の車両Asに対して、複数設置されていてもよい。
HVAC41は、メインバッテリ22からの供給電力を利用して、居室空間の暖房、冷房及び換気等を行う電動式の空調装置である。HVAC41は、冷凍サイクル装置、送風ファン、ヒータ及びエアミックスダンパ等を備えている。HVAC41は、冷凍サイクル装置のコンプレッサ、ヒータ及びエアミックスダンパ等を制御し、車両外部の空気又は居室空間内の空気を昇温してなる暖気、或いは冷却してなる冷気を生成する。HVAC41は、送風ファンの作動により、生成した暖気又は冷気を、空調風として、居室空間に供給する。
温調システム42は、メインバッテリ22、モータジェネレータ31及びインバータ32等の冷却又は昇温を行うシステムである。温調システム42は、冷却回路、電動ポンプ及び液温センサを備えている。冷却回路は、メインバッテリ22、モータジェネレータ31及びインバータ32等の電動走行系の各構成を巡るように設置された配管を主体として構成される。電動ポンプは、冷却回路の配管内に充填されたクーラントを循環させる。液温センサは、クーラントの温度を計測する。温調システム42は、HVAC41によって昇温又は冷却させたクーラントの循環により、高圧回路を含む電動走行系の温度を所定の温度範囲内に維持させる。
熱マネージャ40は、HVAC41及び温調システム42の作動を制御する車載コンピュータである。熱マネージャ40は、居室空間の空調設定温度と、居室空間に設置された温度センサの計測温度とを比較し、HVAC41の空調作動を制御する。熱マネージャ40は、液温センサによる計測結果を参照し、HVAC41及び温調システム42の温調作動を制御する。
以上の熱マネージャ40は、熱ドメインのドメインマネージャとして機能し、HVAC41及び温調システム42のそれぞれによる電力の消費を総合的に管理する。熱マネージャ40は、熱ドメインについて、瞬間的な電力の使用上限と、特定期間での電力量の消費上限とを、エネルギマネージャ100から取得する。熱マネージャ40は、使用上限及び消費上限を超えないように、HVAC41及び温調システム42にて使用される電力及び電力量を制御する。
ユーザエクスペリエンス(以下、「UX」)ドメインは、ユーザUの搭乗する車室内を快適な状態に保つことにより、モビリティサービスを使用するユーザUの満足度を向上させる消費ドメインDEcである。UXドメインは、主にHMI(Human Machine Interface)システムに関連した車載機器群を主体としている。UXドメインには、キャビン操作システム51、コネクトシステム52、及びUXマネージャ50が含まれている。
キャビン操作システム51は、タッチパネル、プッシュボタン及びダイヤル等の操作部を有し、車室内のユーザUによる操作部への操作を受け付ける入力インターフェースである。キャビン操作システム51には、例えば空調の設定を変更するユーザ操作、及びコネクトシステム52によって提示される情報を切り替えるユーザ操作等が入力される。
コネクトシステム52は、ディスプレイパネルを有し、車室内のユーザUに情報を提供する出力インターフェースである。コネクトシステム52は、DCM93を通じて、ネットワークNWからニュース情報、天気情報、交通情報、及び映像コンテンツ等を取得する。コネクトシステム52は、取得情報をディスプレイパネルに表示することにより、プッシュ型の情報提示を行う。
UXマネージャ50は、処理部、RAM、記憶部、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等を備えた車載コンピュータである。UXマネージャ50は、UXドメインのドメインマネージャとして機能し、キャビン操作システム51及びキャビン操作システム51のそれぞれによる電力の消費を総合的に管理する。UXマネージャ50は、UXドメインについて、瞬間的な電力の使用上限と、特定期間での電力量の消費上限とを、エネルギマネージャ100から取得する。UXマネージャ50は、各使用上限を超えないように、キャビン操作システム51及びコネクトシステム52にて使用される電力及び電力量を制御する。
給電ドメインDEsは、消費ドメインDEcへの電力供給を可能にするための車載機器群である。給電ドメインDEsは、消費ドメインDEcと同様に、少なくとも一つのドメインマネージャを含んでいる。車両Asの給電ドメインDEsは、充電回路21、メインバッテリ22、サブバッテリ23、及びバッテリマネージャ20を備えている。
充電回路21は、バッテリマネージャ20との協働により、各消費ドメインDEc及び各バッテリ22,23間での電力の流れを統合的に制御するジャンクションボックスとして機能する。充電回路21は、メインバッテリ22及びサブバッテリ23からの電力供給と、メインバッテリ22及びサブバッテリ23への充電とを実施する。
メインバッテリ22は、電力を充放電可能な二次電池である。メインバッテリ22は、多数の電池セルを含む組電池を備えている。電池セルは、例えばニッケル水素電池、リチウムイオン電池、及び全固体電池等のいずれかである。メインバッテリ22に蓄えられた電力は、主に車両Asの走行、居室空間の空調、及び電動走行系の温調等に用いられる。
サブバッテリ23は、メインバッテリ22と同様に、電力を充放電可能な二次電池である。サブバッテリ23は、例えば鉛蓄電池である。サブバッテリ23のバッテリ容量は、メインバッテリ22のバッテリ容量よりも少ない。サブバッテリ23に蓄えられた電力は、主に車両Asの補機類、具体的には、DCM93、キャビン操作システム51及びコネクトシステム52等によって使用される。
バッテリマネージャ20は、給電ドメインDEsのドメインマネージャとして機能する車載コンピュータである。バッテリマネージャ20は、充電回路21から各消費ドメインDEcに供給される電力を管理する。バッテリマネージャ20は、メインバッテリ22及びサブバッテリ23についての残量情報を、エネルギマネージャ100に通知する。尚、バッテリドメインでは、例えばバッテリマネージャ20等での電力の消費が発生する。故に、バッテリドメインは、消費ドメインDEcに含まれていてもよい。
充電システム60は、給電ドメインDEsに電力を供給し、メインバッテリ22の充電を可能にする。充電システム60には、充電ステーションCS(図1参照)にて、外部の充電器が電気的に接続される。充電システム60は、充電ケーブルを通じて供給される充電用の電力を、充電回路21に出力する。普通充電を行う場合、充電システム60は、普通充電用の充電器から供給される交流電力を直流電力に変換し、充電回路21に供給する。一方、急速充電を行う場合、充電システム60は、急速充電用の充電器から供給される直流電力を、充電回路21に出力する。充電システム60は、急速充電用の充電器と通信する機能を有しており、充電器の制御回路と連携して、充電回路21に供給する電圧を制御する。
尚、充電システム60は、レンジエクステンダーとしての内燃機関と、発電用のモータジェネレータとを備えていてもよい。こうした充電システム60は、例えば車両Asの走行中等、充電器と接続されていない状態においても、メインバッテリ22の残量減少に応じて、充電回路21に充電用の電力を供給できる。
エネルギマネージャ100は、各消費ドメインDEcによる電力の使用を統合的に管理する。エネルギマネージャ100は、処理部11、RAM12、記憶部13、入出力インターフェース14、及びこれらを接続するバス等を備えたコンピュータによって実現されている。処理部11は、RAM12と結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部11は、RAM12へのアクセスにより、後述する各機能部の機能を実現させる種々の処理を実行する。記憶部13は、不揮発性の記憶媒体を含む構成である。記憶部13には、処理部11によって実行される種々のプログラム(エネルギマネージメントプログラム等)が格納されている。
エネルギマネージャ100は、記憶部13に記憶されたプログラムを処理部11によって実行することにより、本開示のエネルギマネージメント方法を実現させる複数の機能部を備える。具体的に、エネルギマネージャ100は、計画取得提案部71、余力情報取得部72、マネージメント実行部73、及び調停シミュレーション部74等の機能部を備える。
計画取得提案部71は、運行マネージャ110より送信される運行計画を取得する。運行計画では、目的地、経由地、及び各地点への到着時間等が指定されている。計画取得提案部71は、取得した運行計画を調停シミュレーション部74に通知する。
加えて計画取得提案部71は、調停シミュレーション部74にて、修正運行計画が生成された場合、当初の運行計画(上述の「基準運行計画」)から修正運行計画への変更を、運行マネージャ110に提案する。修正運行計画は、運行マネージャ110より取得した基準運行計画に対して、エネルギ消費及び性能劣化の少なくとも一方を抑制できると推定される運行計画である。但し、基準運行計画から修正運行計画への変更を行うと、車両AsのユーザU(図1参照)にデメリットを生じさせる場合がある。この場合、計画取得提案部71は、ユーザUのデメリットを、トレードオフ条件として調停シミュレーション部74よりさらに取得し、修正運行計画と共に、運行マネージャ110へ向けて送信する。トレードオフ条件は、例えば目的地又は経由地に到着する時刻が基準運行計画よりも所定時間遅れる、目的地及び経由地を巡る順序が基準運行計画に対して入れ替わる、混雑し易いルートを通過する等である。
計画取得提案部71は、修正運行計画及びトレードオフ条件を運行マネージャ110に提案した場合、運行マネージャ110による修正運行計画の承認の可否を、さらに取得する。計画取得提案部71は、修正運行計画についての承認の可否結果を、調停シミュレーション部74に通知する。
余力情報取得部72は、給電ドメインDEsのバッテリマネージャ20に余力情報の提供を要求する。余力情報取得部72は、バッテリマネージャ20より、給電ドメインDEsについての余力情報を取得する。余力情報取得部72は、電力エネルギについてのストック及びフローの各上限値を、余力情報として取得する。
具体的に、余力情報取得部72は、給電ドメインDEsの各バッテリ22,23によって供給可能な残りの電力量を示す値(以下、「残量電力値」)を取得する。残量電力値は、上述のエネルギ利用可能量W1(図3 S11参照)に相当し、例えば「kWh」の単位を示す数値により、バッテリマネージャ20から余力情報取得部72に通知される。加えて余力情報取得部72は、給電ドメインDEsが各消費ドメインDEcに出力可能な最大出力を示す値、(以下、「最大出力値」)を取得する。最大出力値は、例えば「kW」の単位を示す数値によって、バッテリマネージャ20から余力情報取得部72に通知される。
マネージメント実行部73は、調停シミュレーション部74にて設定された上限値を、各消費ドメインDEcのドメインマネージャに通知する。上限値には、運行計画に基づく走行を通じて消費する電力量の上限値(以下、「消費上限値」)と、運行中に使用する電力の上限値(以下、「使用上限値」)とが含まれている。マネージメント実行部73は、各消費ドメインDEcについての消費上限値及び使用上限値を、各ドメインマネージャに通知し、これらの上限値を厳守させる。
マネージメント実行部73は、一旦通知した消費上限値及び使用上限値を修正する要求、即ち、消費上限値又は使用上限値を上げる要求(以下、「再調停要求」)を、各消費ドメインDEcから取得する。マネージメント実行部73は、要求元となる消費ドメインDEcにて、必要としている電力量及び電力の少なくとも一方の値を、再調停要求に付随する要求情報として、ドメインマネージャから取得する。要求情報として取得される電力量の値は、各ドメインマネージャに通知される消費上限値、及び余力情報取得部72に取得される残量電力値と実質的に同一の単位(例えば「kWh」)で生成された数値情報である。同様に、要求情報として取得される電力の値は、各ドメインマネージャに通知される使用上限値、及び余力情報取得部72に取得される最大出力値と実質的に同一の単位(例えば「kW」)で生成された数値情報となる。複数のドメインマネージャによって出力される各要求情報において、電力量の値及び電力の値は、互いに実質的に同一の単位で生成されている。マネージメント実行部73は、上限緩和の再調停要求を取得する場合、上限緩和が必要となった理由を、ドメインマネージャからさらに取得する。
調停シミュレーション部74は、複数の消費ドメインDEcそれぞれによる電力消費を、運行計画及び余力情報に基づき調停する。調停シミュレーション部74は、運行計画に基づく走行で各消費ドメインDEcの消費する電力量の総和が、上述の残量電力値を超えないように、各消費ドメインDEcの消費上限値を個別に設定し、各消費ドメインDEcによる電力の消費を制限する。加えて調停シミュレーション部74は、各消費ドメインDEcにて使用される電力の総和が最大出力値を超えないように、各消費ドメインDEcの使用上限値を個別に設定し、各消費ドメインDEcによる電力の消費を制限する。
調停シミュレーション部74は、基準運行計画に基づく走行によって各消費ドメインDEcが消費する基準総電力量を算出する。加えて調停シミュレーション部74は、基準運行計画に基づく走行によってメインバッテリ22に引き起こされる性能劣化の程度(以下、「基準性能劣化」)を算出する。調停シミュレーション部74は、各消費ドメインDEcにて消費される総電力量が基準総電力量よりも少なくなるか、又はメインバッテリ22に生じる性能劣化が基準性能劣化よりも低減できると推定される修正運行計画の生成を試みる。調停シミュレーション部74は、修正運行計画が作成できた場合、基準運行計画から修正運行計画への変更に伴い悪化するトレードオフ条件をさらに生成する。調停シミュレーション部74は、修正運行計画にトレードオフ条件を関連付けて、基準運行計画の提供元である運行マネージャ110に通知する。
調停シミュレーション部74は、マネージメント実行部73にて取得される消費ドメインDEcからの再調停要求に基づき、各消費ドメインDEcに対し設定した消費上限値及び使用上限値を調整する再調停シミュレーションを実施する。調停シミュレーション部74は、マネージメント実行部73にて取得される要求理由の内容に応じて、再調停の実施の要否を判定する。調停シミュレーション部74は、要求理由の重要度及び緊急度と、メインバッテリ22の余力情報とに基づき、上限を調整するか否かを決定する。
一例として、走行制御ドメインDDcは、車両Asに緊急回避行動を実施させる場合に、再調停要求としての緊急時要求を出力する。緊急時要求には、使用上限値の一時的な撤廃を求める要求情報が関連付けられている。調停シミュレーション部74は、緊急時要求がマネージメント実行部73によって取得されると、緊急回避行動のための運動マネージャ30の制御が供給電力の制限によって妨げられないように、走行制御ドメインDDcの使用上限値を最大まで引き上げる。以上により、複数の消費ドメインDEcのうちで走行制御ドメインDDcへの給電が優先され、運動マネージャ30は、緊急回避行動を確実に遂行可能となる。この場合、走行制御ドメインDDcを除く他の消費ドメインDEcの使用上限値は、通常よりも引き下げられる。
次に、エネルギマネージャ100にて実施される上限設定処理の詳細を、図7に基づき、図5及び図6を参照しつつ、さらに説明する。図7に示す上限設定処理は、新規の運行計画が車両As側で受信された場合に開始される。
上限設定処理のS101では、運行マネージャ110によって送信された最新の運行計画を取得し、S102に進む。S102では、最新の余力情報をバッテリマネージャ20から取得し、S103に進む。S103では、S101にて取得した運行計画と、S102にて取得した余力情報とを用いて、調停シミュレーションを実施し、S104に進む。
S104では、S103での調停シミュレーションにて、エネルギ消費及び性能劣化の少なくとも一方について、S101にて取得した運行計画よりも抑制可能な修正運行計画が生成されたか否かを判定する。S104にて、修正運行計画の生成がないと判定した場合、S108に進む。この場合、車両Asの運行は、運行マネージャ110より通知された運行計画に基づいて実施される。一方、S104にて、修正運行計画の生成があると判定した場合、S105に進む。
S105では、S103にて生成された修正運行計画及びそのトレードオフ条件を、運行マネージャ110に提案し、S106に進む。S106では、S105にて提案した修正運行計画が運行マネージャ110にて承認されたか否かを判定する。一例として、修正運行計画の送信後、所定時間以内に、運行計画の変更を承認する通知を受信した場合、S106では、修正運行計画が承認されたと判定し、S107に進む。S107では、基準運行計画から修正運行計画へと運行計画を差し替えて、S108に進む。
一方、運行計画の変更を否認する通知を受信した場合、又は認否の通知が所定時間以内に受信されなかった場合、S106では、修正運行計画が承認されなかったと判定し、S108に進む。
S108では、基準運行計画及び修正運行計画のうちで、採用対象とされた運行計画に基づき、各消費ドメインDEcについての消費上限値及び使用上限値を設定する。そして、対応するドメインマネージャに各上限値を通知し、一連の上限設定処理を終了する。
次に、各ドメインマネージャ及びエネルギマネージャ100の連携により実施される上限調停処理の詳細を、図8及び図9に基づき、図5及び図6を参照しつつ、さらに説明する。図8及び図9に示す各上限調停処理は、運行計画に基づく車両運行が実施される期間中、各マネージャにて繰り返し開始される。
図8に示す上限調停処理は、各ドメインマネージャによって実施される。この上限調停処理のS121では、各消費ドメインDEcに関連する入力情報を参照し、S122に進む。入力情報は、消費ドメインDEc毎に異なっている。一例として、走行制御ドメインDDcでは、ADコンピュータ90にて生成される制御コマンドが入力情報となる。走行制御ドメインDDcの入力情報には、緊急回避行動の作動指令も含まれている。さらに、空調制御ドメインでは、居室空間の空調の設定温度等を変更する操作指令が入力情報となる。
S122では、S121の入力情報に応答する制御が、エネルギマネージャ100によって設定された現在の消費上限値及び使用上限値を超えない範囲で実行可能か否かを判定する。S122にて、各上限内で対応可能であると判定した場合、今回の上限調停処理を終了する。この場合、消費ドメインDEcでは、現在の上限の範囲内で、入力情報に対応する制御が実行される。
一方、S122にて、消費上限値及び使用上限値の少なくとも一方を超える可能性があると判定した場合、S123に進む。S123では、制御に必要な電力量又は電力を要求する要求情報と、上限緩和を要求する要求理由とを生成し、S124に進む。一例として、緊急回避行動の作動指令を受けた運動マネージャ30は、使用上限値を超える可能性があると判定する。この場合、運動マネージャ30は、使用上限値を最大限引き上げるように、要求情報を生成する。
S124では、S123にて生成した要求情報及び要求理由を含む再調停要求を、エネルギマネージャ100に送信し、S125に進む。S125では、S124にて送信した再調停要求がエネルギマネージャ100にて承認されたか否かを判定する。一例として、再調停要求の送信後、所定時間以内に、上限緩和を承認する通知を取得した場合、S125では、再調停要求が承認されたと判定し、S126に進む。S126では、エネルギマネージャ100にて承認された内容で、消費上限値及び使用上限値の少なくとも一方を緩和し、今回の上限調停処理を終了する。この場合、消費ドメインDEcでは、緩和された上限の範囲内で、入力情報に対応する制御が実行される。
一方、上限緩和を否認する通知を受信した場合、又は認否の通知が所定時間以内に受信されなかった場合、S125では、再調停要求が承認されなかったと判定し、今回の上限調停処理を終了する。この場合、消費ドメインDEcでは、制限された上限の範囲内で、入力情報に対応する制御が実行される。この場合、走行能力及び空調能力等の不足が生じ得る。
図9に示す上限調停処理は、エネルギマネージャ100によって実施される。この上限調停処理のS141では、最新の余力情報をバッテリマネージャ20から取得し、S142に進む。S142では、ドメインマネージャから送信される再調停要求(図8 S124参照)を取得し、要求情報の示す上限値及び要求理由を把握して、S143に進む。尚、ドメインマネージャからの要求情報の送信がない場合、今回の上限調停処理は終了される。
S143では、S142にて取得した要求情報及び要求理由を参照し、消費上限値及び使用上限値の少なくとも一方について、再調停を実施するか否かを判定する。一例として、緊急回避等の緊急性の高い要求理由が通知されている場合、S143では、再調停が必要と判定する。また別の一例として、余力情報の示す余力が要求された上限に対し十分に余裕がある場合、S143は、再調停を実施(許容)すると判定する。S143にて、再調停を実施すると判定した場合、S144に進む。
S144では、要求理由に基づき、電力供給の優先度を調整したうえで、再調停のシミュレーションを実行し、S145に進む。S145では、S144のシミュレーション結果に基づき、再調停結果に基づき消費上限値及び使用上限値の少なくとも一方を設定する。そして、再調停要求を承認する通知として新たな上限値を要求元のドメインマネージャに送信し、今回の上限調停処理を終了する。
一方、S143にて、再調停を実施しないと判定した場合、S146に進む。S146では、再調停要求を否認する旨の通知を要求元のドメインマネージャに送信し、今回の上限調停処理を終了する。
<効果のまとめ>
ここまで説明した本実施形態では、運行計画に基づき、複数の消費ドメインDEcに許容される電力消費が調停される。故に、余力情報の示す給電ドメインDEsの余力は、これからの車両Asの走行行動を見越して、各消費ドメインDEcに割り振られ得る。その結果、運行情報に基づいて走行する車両Asにおいて、給電ドメインDEsの電力を有効に使用することが可能になる。
加えて本実施形態では、基準運行計画に基づく走行によって各消費ドメインDEcにて消費される基準総電力量が算出されたうえで、基準総電力量よりも消費される総電力量を低減できる修正運行計画が生成される。
また本実施形態では、基準運行計画に基づく走行によってメインバッテリ22に生じる性能劣化が推定されたうえで、メインバッテリ22の性能劣化を低減できる修正運行計画が生成される。そして、修正運行計画は、基準運行計画の提供元である運行マネージャ110に提案される。
これらの修正運行計画は、基準運行計画の提供元である運行マネージャ110に提案される。以上のように、エネルギマネージャ100と運行マネージャ110との間で、運行計画についての調停が実施されれば、車両Asは、エネルギ消費及び性能劣化をより低減できる運行計画を採用できる。
さらに本実施形態では、当初運行計画から修正運行計画への変更に伴い悪化するトレードオフ条件が纏められる。そして、トレードオフ条件は、修正運行計画に関連付けて、運行マネージャ110に通知される。以上のように、トレードオフ条件が通知されれば、運行マネージャ110は、管理下にある多数の車両Asの運行状況を総合的に考慮したうえで、トレードオフ条件が許容できる内容か否かを迅速に判断できる。したがって、運行計画を調停する処理が実施されても、サービス車両SVの運行は、円滑に実施される。
加えて本実施形態では、給電ドメインDEsが供給可能な電力量を示す残量電力値が、余力情報に含まれている。そして、運行計画に基づく走行により各消費ドメインDEcにて消費される電力量の総和が残量電力値を超えないように、各消費ドメインDEcでの電力消費が制限される。以上によれば、運行計画の示す目的地までの走行を完遂できずに、車両Asが電欠となる事態は、高い確実性をもって回避可能となる。
また本実施形態では、給電ドメインDEsから各消費ドメインDEcに出力可能な最大出力値が、余力情報に含まれている。そして、各消費ドメインDEcにて使用される電力の総和が最大出力値を超えないように、各消費ドメインDEcによる電力の使用が制限される。以上によれば、充電回路21の出力不足によってドライバビリティの悪化が引き起こされる事態は、回避可能となる。加えて、高負荷での使用に起因して、メインバッテリ22の性能劣化が急速に進行する事態も、回避可能となる。
さらに本実施形態の各ドメインマネージャは、エネルギマネージャ100によって割り当てられた消費上限値又は使用上限値の緩和を、エネルギマネージャ100に対して要求できる。そして、エネルギマネージャ100は、消費ドメインDEcから取得した要求に基づき、各消費ドメインDEcに対し設定した上限を調整する。以上によれば、エネルギマネージャ100と各ドメインマネージャとの調停が継続的に実施される。故に、エネルギマネージャ100は、走行中の状況変化に対応して、融通の効いた電力量及び電力の再配分を行うことができる。
加えて本実施形態では、各消費ドメインDEcは、消費電力の上限緩和が必要となった要求理由を、エネルギマネージャ100に対し通知する。そして、エネルギマネージャ100は、消費ドメインDEcから取得した要求理由の内容に応じて、消費電力の上限の調整を行うか否かを決定する。こうした上限調停処理によれば、エネルギマネージャ100は、緊急性又は重要性の低いエネルギ消費を抑制しつつ、ユーザUに有益となるようなエネルギ消費を各消費ドメインDEcに実施させることができる。
また本実施形態の走行制御ドメインDDcは、車両Asに緊急回避行動を実施させる場合において、緊急時要求をエネルギマネージャ100に出力する。エネルギマネージャ100は、緊急時要求の取得により、走行制御ドメインDDcへの給電を、他の消費ドメインDEcに対して優先させる。こうした緊急時の上限調停処理によれば、走行制御ドメインDDcは、給電ドメインDEsより供給される電力を使用して、最善の緊急回避行動を実施できる。
さらに本実施形態では、要求情報における各上限値は、余力情報に数値情報として含まれる各上限値と実質的に同一の単位となるように生成されている。以上のように、要求側の情報と、供給側の情報とが、例えば「kWh」又は「kW」等の特定の単位に統一された値であれば、取得情報を処理する演算負荷が軽減される。その結果、エネルギマネージャ100は、上限の再調停を高速に処理可能となる。
加えて本実施形態では、複数のドメインマネージャから出力される各要求情報においても、緩和後の上限を示す数値情報は、実質的に同一の単位となるように、互いに揃えられている。故に、エネルギマネージャ100は、複数のドメインマネージャから再調停要求があった場合でも、上限の再調停を高速に処理可能となる。
尚、上記実施形態では、車載コンピュータ100aが「コンピュータ」に相当し、車載コンピュータ100a又はエネルギマネージャ100が「エネルギマネージメント装置」に相当する。また、処理部11が「プロセッサ」に相当し、計画取得提案部71が「運行計画取得部」に相当し、調停シミュレーション部74が「電力調停部」に相当し、運行マネージャ110が「(運行計画の)提供元」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態のエネルギマネージャ100は、サービス車両SVの車載コンピュータ100aによって実現されていた。しかし、エネルギマネージャ100の機能は、エッジ側の車載コンピュータ100aだけでなく、ネットワークNW側又はクラウド側に設けられたコンピュータによって実現されてもよい。
例えば上記実施形態の変形例1では、エネルギマネージャ100の機能は、車載コンピュータ100a及びサーバ装置110aに分散実装されている。こうした変形例1では、車載コンピュータ100a及びサーバ装置110aが「コンピュータ」及び「エネルギマネージメント装置」に相当し、これらの各処理部11,111が「プロセッサ」に相当する。また上記実施形態の変形例2では、エネルギマネージャ100の機能は、サーバ装置110aによって実現されている。以上のような変形例2では、サーバ装置110aが「コンピュータ」及び「エネルギマネージメント装置」に相当し、処理部111が「プロセッサ」に相当する。
上記実施形態の変形例3では、エネルギマネージャ100及び運行マネージャ110の間における調停処理が実施されない。故に、エネルギマネージャ100からは、修正運行計画の提案機能が省略されている。また上記実施形態の変形例4のエネルギマネージャ100は、修正運行計画の提案機能を備える一方で、トレードオフ条件を通知する機能を備えない。
上記実施形態の変形例5では、エネルギマネージャ100及び各ドメインマネージャの間において、電力の使用上限及び電力量の消費上限のうちの一方のみが調停される。故に、エネルギマネージャ100は、残量電力値及び最大出力値のうちで、調停対象に対応する一方のみを、余力情報として、バッテリマネージャ20から取得する。
上記実施形態では、エネルギマネージャ100及び各ドメインマネージャの間にてやり取りされる情報において、電力及び電力量の各単位は、揃えられていた。しかし、変形例6では、電力及び電力量の各単位は、それぞれ互いに異なっていてもよい。
サービス車両SVは、ユーザUを搭乗させる居室空間を備えない貨物専用車両であってもよい。また、サービス車両SVは、居室空間とは別に、集配物P等のみを収容する貨物空間を備える車両であってもよい。さらに、サービス車両SVは、自動運転車でなくてもよく、特定条件下において、運行管理センタCToに駐在するオペレータによって遠隔操作される半自動運転車であってよい。加えてサービス車両SVは、上述のようなフリート車両ではなく、運行マネージャ110に登録された個人所有のPOV(Personally owned Vehicle)であってもよい。こうしたサービス車両SVでは、運行マネージャ110によって送信される運行計画に基づき、ドライバが車両を走行させる。
サービス車両SVのサイズ及び乗車定員等の車両仕様は、適宜変更されてよい。また、異なる仕様のサービス車両SVが、一つの運行マネージャ110によって運用されてよい。さらに、サービス車両SVは、メインバッテリ22の容量や乗車定員を増やすため、例えば八輪車及び六輪車等の大型車両であってよい。
上記実施形態にて、車載コンピュータ100a又はサーバ装置110a等によって提供されていた各機能は、ソフトウェア及びそれを実行するハードウェア、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの複合的な組合せによっても提供可能である。さらに、こうした機能がハードウェアとしての電子回路によって提供される場合、各機能は、多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によっても提供可能である。
上記実施形態の各処理部11,111は、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等の演算コアを少なくとも一つ含む構成であってよい。さらに、処理部11,111は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)及び他の専用機能を備えたIPコア等をさらに含む構成であってよい。
上記実施形態の各記憶部13,113として採用され、本開示の充電マネージメント方法を実現させるプログラムを記憶する記憶媒体の形態は、適宜変更されてよい。例えば記憶媒体は、回路基板上に設けられた構成に限定されず、メモリカード等の形態で提供され、スロット部に挿入されて、コンピュータのバスに電気的に接続される構成であってよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータへのプログラムのコピー基となる光学ディスク及びのハードディスクドライブ等であってもよい。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。