JP2021002574A - 構造体、光デバイス、光デバイスの製造方法、および構造体の製造方法 - Google Patents

構造体、光デバイス、光デバイスの製造方法、および構造体の製造方法 Download PDF

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充 船戸
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養一 川上
祥伸 松田
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祥伸 松田
行常 住田
Yukitsune Sumida
行常 住田
裕輝 後藤
Hiroki Goto
裕輝 後藤
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Abstract

【課題】半極性面上に量子井戸構造が形成された新たな構造体を提供する。【解決手段】構造体10は、基板100、および多層構造200を備える。基板100は、{11−23}面、または{11−23}面からのオフ角が10°以内である面を第1主面101とするIII族窒化物半導体の基板である。多層構造200は、基板100の、第1主面101上または第2主面102上に積層された、III族窒化物半導体からなる多層構造200である。ここで、第2主面102は、基板100の第1主面101とは反対側の主面である。また、多層構造200はInGaN層224およびGaN層222の交互積層構造からなる量子井戸構造220を含む。そして、量子井戸構造220におけるInGaN層224の厚さは3nm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は構造体、光デバイス、光デバイスの製造方法、および構造体の製造方法に関する。
III族窒化物半導体について、量子井戸構造を有する光デバイスの開発が進められている。特に、半極性面上にデバイスを形成することにより、内部電界の低減が期待される。
特許文献1には、窒化ガリウム系半導体領域の、半極性面である主面上に、量子井戸構造を設けることが記載されている。ここで、井戸層の厚さを4nm以上とすることが記載されている。
特許文献2には、窒化物半導体の半極性面である(20−2−1)面上に形成された量子井戸構造において、井戸層に波打ち部分を設けることが記載されている。また、このような井戸層により、偏光したルミネッセンスを放射し得ることが記載されている。
特許文献3には、主面が{11−22}面であるu−GaN層の上に、多重量子井戸層等を積層することが記載されている。
特許文献4には、主面を有する基板上に、窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることが記載されている。ここで、基板として、主面の法線が、窒化物半導体の[11−22]軸から+c軸方向に、5度以上17度以下の範囲の角度で傾斜している窒化物半導体基板が挙げられている。
特開2012−109624号公報 特開2013−258275号公報 国際公開第2013/128894号 特開2016−12717号公報
しかし、半極性面である{11−23}面上に量子井戸構造を形成するのは困難であり、そのような従来技術も存在しなかった。特許文献1から4のいずれにも、半極性面である{11−23}面上に良質な量子井戸構造を形成可能な方法は具体的に記載されていなかった。
本発明は、半極性面上に量子井戸構造が形成された新たな構造体を提供する。
本発明によれば、
{11−23}面、または{11−23}面からのオフ角が10°以内である面を第1主面とするIII族窒化物半導体の基板と、
前記基板の、前記第1主面上または、前記第1主面とは反対側の第2主面上に積層された、III族窒化物半導体からなる多層構造とを備え、
前記多層構造はInGaN層およびGaN層の交互積層構造からなる量子井戸構造を含み、
前記量子井戸構造における前記InGaN層の厚さは3nm以下である構造体が提供される。
本発明によれば、
上記の構造体と、
前記多層構造に電気的に接続された第1の電極および第2の電極を備える光デバイスが提供される。
本発明によれば、
上記の構造体に、前記多層構造に電気的に接続された第1の電極および第2の電極を形成する光デバイスの製造方法が提供される。
本発明によれば、
{11−23}面、または{11−23}面からのオフ角が10°以内である面を第1主面とするIII族窒化物半導体の基板の、前記第1主面上または、前記第1主面とは反対側の第2主面上に、III族窒化物半導体を成長させて多層構造を形成する形成工程を含み、
前記多層構造はInGaN層およびGaN層の交互積層構造からなる量子井戸構造を含み、
前記量子井戸構造における前記InGaN層の厚さは3nm以下である構造体の製造方法が提供される。
本発明によれば、半極性面上に量子井戸構造が形成された新たな構造体を提供できる。
第1の実施形態に係る構造体の構造を例示する図である。 量子井戸構造として多重量子井戸構造を有する構造体を例示する図である。 第2の実施形態に係る構造体の構成を例示する図である。 第2の実施形態に係る光デバイスの構成を例示する図である。 実施例1に係る構造体の構成を示す図である。 実施例1に係る形成工程での表面温度を示す図である。 実施例1の構造体に対しフォトルミネッセンス測定を行った結果を示す図である。 実施例2の構造体に対しフォトルミネッセンス測定を行った結果を示す図である。 実施例3に係る構造体の構成を示す図である。 実施例3に係る形成工程での表面温度を示す図である。 実施例3の構造体1に対しフォトルミネッセンス測定を行った結果を示す図である。 実施例3の構造体2に対しフォトルミネッセンス測定を行った結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る構造体10の構造を例示する図である。本実施形態に係る構造体10は、基板100、および多層構造200を備える。基板100は、{11−23}面、または{11−23}面からのオフ角が10°以内である面を第1主面101とするIII族窒化物半導体の基板である。多層構造200は、基板100の、第1主面101上または第2主面102上に積層された、III族窒化物半導体からなる構造である。ここで、第2主面102は、基板100の第1主面101とは反対側の主面である。また、多層構造200はInGaN層224およびGaN層222の交互積層構造からなる量子井戸構造220を含む。そして、量子井戸構造220におけるInGaN層224の厚さは3nm以下である。以下に詳しく説明する。
III族窒化物半導体結晶の極性面であるc面上にデバイス(例:光デバイス、電子デバイス等)を形成した場合、内部電界に起因して内部量子効率が低下する。特に極性面上の量子井戸構造では、長波長化のためにIn組成を大きくするにつれ、内部電界が増大する。そこで、いわゆる半極性面(極性面及び無極性面と異なる面)上にデバイスを形成する試みがなされている。半極性面上にデバイスを形成すれば、c面上にデバイスを形成する場合よりも、内部電界を大幅に低減でき、内部量子効率を上げることができると考えられる。
半極性面の中でも、{11−23}面については、近年、良質な基板が安定して製造可能となっている。したがって、実用化に向け、{11−23}面上へのデバイス形成の方法を確立することの意義は大きい。
緑色は、レーザー等の光デバイスで特に発振が難しい波長帯として挙げられる。III窒化物半導体の量子井戸構造では、InGaN層のIn組成を増やすことにより、発光波長を緑色等に長波長化することができる。ただし、{11−23}面上の場合、極性面上の場合よりも、高いIn組成が求められる。一方、In組成を増やすとInGaNの結晶の格子定数が大きくなりGaN層との不整合が大きくなる、その結果、格子緩和や格子破綻等により結晶構造が非常に壊れやすいものとなる。
ここで、InGaN層の膜厚に着目すると、均一な膜を形成するためにはある程度の厚さが必要である。一方、膜厚が厚くなりすぎると、格子破綻を生じる。なお、量子井戸の数が増えれば、さらに良好な結晶構造を得ることが難しくなる。したがって、{11−23}面上に長波長で発光可能な量子井戸構造を形成するためにはIn組成と膜厚を高度に制御する必要がある。
本実施形態に係る構造体10では、InGaN層224の厚さを3nm以下とすることにより、高品質な量子井戸構造220が実現されている。また、InGaN層224の厚さを3nm以下とすることにより、InGaN層224のIn組成を高めることができ、長波長での発光が可能となっている。さらに、薄いInGaN層224ではInの組成揺らぎが小さくなり、同じ準位間で遷移を生じさせることができると考えられる。そのため、たとえば構造体10を用いてレーザーを作製する場合、レーザー発振をさせやすくなるとも推測される。
InGaN層224の厚さを3nm以下とできれば多層構造200の形成条件は特に限定されないが、たとえば、後述するような第1条件から第3条件を満たすことにより、高品質で薄いInGaN層224を含む構造体10を形成することが可能である。
構造体10の構造について以下に詳しく説明する。基板100としてはたとえばGaN基板が挙げられる。基板100は自立基板である。基板100の厚さは特に限定されないが、ハンドリングのしやすさの観点から、100μm以上であることが好ましい。また、構造体10の小型化の観点から、基板100の厚さは1.5mm以下であることが好ましい。基板100は、アンドープの基板であっても良いし、n型またはp型の半導体基板であっても良い。
基板100は、ある程度高い結晶性を有することが好ましい。具体的には、基板100の第1主面101および第2主面102のうち、多層構造200を形成する側の面に対して測定したX線ロッキングカーブ(XRC)の(112)のωの半値幅が以下のm軸入射測定において500arcsec.以下であることが好ましく、200arcsec.以下であることがより好ましい。また、基板100の第1主面101および第2主面102のうち、多層構造200を形成する側の面に対して測定したX線ロッキングカーブ(XRC)の(112)のωの半値幅が以下のc投影軸入射測定において500arcsec.以下であることが好ましく、200arcsec.以下であることがより好ましい。なお、m軸入射測定およびc投影軸入射測定における半値幅はそれぞれたとえば30arcsec.以上であってもよい。
X線ロッキングカーブ測定について以下に説明する。III族窒化物半導体は単位格子の空間群がP63mcであることから、消滅則により、{11−23}面からのX線回折を得ることができない。そこで、たとえば{11−23}面に比較的近い面である{11−22}面に関するロッキングカーブ測定を行う。
特に、III族窒化物半導体の半極性面は、主面に対しm軸方向とc投影軸(c軸を主面に投影した投影軸)方向に結晶性の異方性が生じることが多い。そこで、たとえばこれらの2軸方向にX線ロッキングカーブの測定を行う。具体的には、XRC(112)ω半値幅の評価は、X線を測定対象の主面に対しm軸に平行に入射させ、X線の入射方向とその主面のなす角度を走査するm軸入射測定と、X線を測定対象の主面のc投影軸に平行に入射させ、X線の入射方向とその主面のなす角度を走査するc投影軸入射測定の2通りの測定を行う。そうすることで、各方向の結晶性を評価できる。
多層構造200は基板100の第1主面101上に形成されても良いし、第2主面102上に形成されても良い。第1主面101はたとえば{11−23}面、または{11−23}面からのオフ角が10°以内である面である。この場合、第2主面102は{−1−12−3}面、または{−1−12−3}面からのオフ角が10°以内である面である。構造体10において多層構造200は、基板100の第1主面101または第2主面102に接している。多層構造200には互いに積層された複数の層が含まれる。
{11−23}面からのオフ角は、たとえば{11−22}面に対するロッキングカーブ測定の結果から算出することができる。具体的には、測定対象の主面における{11−23}面からのm軸方向およびc投影軸方向のオフ角を算出するため、上記したX線ロッキングカーブの測定のm軸入射測定とc投影軸入射測定のそれぞれについて基板100をその主面の面内方向に180°回転させた測定を実施する。これらの測定の結果から得られるm軸方向およびc投影軸方向のオフ角に基づいて、最終的なオフ角、すなわち{11−23}面と測定対象の主面とのなす角が算出できる。
また、基板100の第1主面101および第2主面102のうち、多層構造200を形成する側の面の暗点密度は1×10cm−2以下であることが好ましく、3×10cm−2以下であることがより好ましい。なお、暗点密度はたとえば1×10cm−2以上であってもよい。暗点密度はカソードルミネッセンス(CL)測定により導出できる。
基板100の第1主面101および第2主面102のうち、多層構造200を形成する側の面の曲率半径の大きさは、m軸方向において0.5m以上であることが好ましく、2m以上であることがより好ましい。また、基板100の第1主面101および第2主面102のうち、多層構造200を形成する側の面の曲率半径の大きさは、c投影軸方向において0.5m以上であることが好ましく、2m以上であることがより好ましい。なお、多層構造200を形成する側の面の曲率半径の大きさは、m軸方向およびc投影軸方向のそれぞれにおいてたとえば100m以下であってもよい。各方向の曲率半径はたとえば、上記したX線ロッキングカーブ測定の結果から算出することができる。
多層構造200には量子井戸構造220が含まれる。量子井戸構造220は単一量子井戸構造であってもよいし、多重量子井戸構造であっても良い。量子井戸構造220と基板100との間には、他の層が存在してもよいし、存在しなくてもよい。
図1は量子井戸構造220として単一量子井戸構造を有する構造体10を例示する図である。図2は、量子井戸構造220として多重量子井戸構造を有する構造体10を例示する図である。上記した通り、量子井戸構造220はInGaN層224およびGaN層222を含む。量子井戸構造220では、InGaN層224がGaN層222に挟まれており、InGaN層224は井戸層として機能し、InGaN層224は障壁層として機能する。InGaN層224とGaN層222との界面は平坦であることが好ましく、InGaN層224とGaN層222との界面にはInGaN層224の膜厚より大きな高さの凹凸は生じていないことが好ましい。量子井戸構造220が多重量子井戸構造である場合、量子井戸構造220に含まれるInGaN層224の数はたとえば2以上5以下であることが好ましい。
InGaN層224の厚さは3nm以下であれば特に限定されないが、3nm未満であることが好ましく、2.5nm以下であることがより好ましい。また、より均一な膜を得るために、InGaN層224の厚さは1.5nm以上であることが好ましい。
InGaN層224の組成はInGa(1−x)Nで表される。ここで、たとえば0.1≦x≦0.75が成り立つことが好ましい。ただし、緑色波長領域で高効率の発光を可能とするためには、0.28≦x≦0.5が成り立つことがより好ましく、0.3≦x≦0.4が成り立つことがさらに好ましい。
GaN層222の厚さは特に限定されないが、たとえば10nm以上100nm以下である。量子井戸構造220が多重量子井戸構造である場合、特に2つのInGaN層224の間に位置するGaN層222の厚さは10nm以上50nm以下であることが好ましい。なお、量子井戸構造220において複数のGaN層222の厚さは互いに同じであっても良いし、同じでなくても良い。また、GaN層222には、Siがドープされてしても良い。GaN層222にSiがドープされる場合、GaN層222におけるSiの濃度は、5×1017cm−3以上1×1019cm−3以下であることが好ましい。
基板100とInGaN層224との間にはホモエピタキシャルGaN層が含まれることが好ましい。そうすることで、良質な量子井戸構造220を形成できる。ホモエピタキシャルGaN層は、障壁層であるGaN層222を兼ねても良い。ホモエピタキシャルGaN層の膜厚は10nm以上10000nm以下であることが好ましい。
多層構造200における量子井戸構造220の有無はたとえば透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)を用いる方法またはX線回折測定を行う方法により確認できる。これらの方法のうち少なくとも一方で量子井戸構造220の存在が確認できれば、多層構造200に量子井戸構造220が含まれると判断できる。具体的には、TEMを用いる方法では、InGaN層およびGaN層の各膜厚を確認する。X線回折測定を行う方法では、GaN層からの主回折、InGaN層からの主回折、およびそのフリンジ(周期的な振動)を確認する。
本実施形態に係る構造体10においては、たとえば、構造体10の、励起波長を325nmとしたフォトルミネッセンススペクトルが、ピーク波長を500nm以上560nm以下とする第1のピークを有するようにすることができる。このような構造体10によれば、緑色発光のデバイスを実現することができる。なおここで、第1のピークが、300nm以上700nm以下の波長範囲における最大ピークであることが好ましい。また、第1のピークの半値幅をたとえば100nm以下とすることができ、さらには60nm以下とすることができる。
第1のピークのピーク強度は、励起波長を325nmとした構造体10のフォトルミネッセンススペクトルに現れる第2のピークのピーク強度の1倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることがより好ましい。ここで、第2のピークは350nm以上400nm以下の波長範囲において最大のピーク強度を有するピークである。第2のピークはたとえばGaNの発光ピークである。すなわち構造体10は、このような強度の第1のピークを有する程度に、充分な構造精度の量子井戸構造220を含むことが好ましい。
なお、構造体10のフォトルミネッセンススペクトルのピーク波長は、InGaN層224のIn組成等を調整することにより設定することができる。構造体10の発光色は緑色に限らず、赤色、青色等であってもよい。
また、構造体10はデバイスであっても良い。構造体10は電極をさらに備えても良い。
本実施形態に係る構造体10は、形成工程を含む製造方法により、製造可能である。形成工程では、基板100の第1主面101上または第2主面102上に、III族窒化物半導体を成長させて多層構造200を形成する。基板100は、{11−23}面、または{11−23}面からのオフ角が10°以内である面を第1主面101とするIII族窒化物半導体の基板である。また、第2主面102は、基板100の第1主面101とは反対側の主面である。多層構造200はInGaN層224およびGaN層222の交互積層構造からなる量子井戸構造220を含む。そして、量子井戸構造220におけるInGaN層224の厚さは3nm以下である。
多層構造200の形成は、たとえばMOCVD法を用いて行える。また、多層構造200の形成に用いるV族原料ガスはたとえばNHガスであり、III族原料ガスは有機金属ガスである。有機金属ガスとしてたとえばトリメチルGa(TMGa)、トリエチルGa(TEGa)、トリメチルIn(TMIn)、トリメチルAl(TMAl)、トリエチルAl(TEAl)が挙げられる。V族原料ガスおよびIII族原料ガスは互いに反応する反応性ガスである。また、形成工程ではMOCVD装置の成長室にキャリアガスをさらに供給しても良い。キャリアガスはたとえば水素(H)ガスおよび窒素(N)ガスであり、原料ガスとは反応しない。III族原料ガスとしてTMGaガスを用いる場合、供給するTMGaガスの温度は−5℃以上25℃以下であることが好ましく、0℃以上20℃以下であることがより好ましい。また、III族原料ガスとしてTMInガスを用いる場合、供給するTMInガスの温度は25℃以上55℃以下であることが好ましく、30℃以上50℃以下であることがより好ましい。ただし、各ガスの温度は、MOCVD装置の構成や、多層構造200の作製に必要な蒸気圧等に応じて適宜設定することができる。供給する各ガスは、たとえば恒温槽を用いて所望の温度にすることができる。
MOCVD装置の成長室に基板100を配置し、Gaを含むIII族原料ガスとV族原料ガスとを供給することにより、GaN層222等、GaNからなる層を成長させることができる。また、Gaを含むIII族原料ガス、Inを含むIII族原料ガス、およびV族原料ガスを供給することにより、InGaN層224等、InGaNからなる層を成長させることができる。
形成工程では、表面温度、成長圧力、および各ガスの供給量を制御することができる。ここで、表面温度とは、その上に結晶成長させようとする表面の温度であり、すなわち原料ガスが供給される面の温度である。表面温度は、基板100の主面の温度および基板100上に積層された結晶表面の温度のうちのいずれかでありうる。表面温度はたとえばパイロメータを用いて測定できる。なお、結晶成長中の表面温度を特に成長温度とも呼ぶ。
構造体10を製造する際の第1条件から第3条件について以下に説明する。形成工程において第1条件から第3条件の全てを満たすことにより、高品質で薄いInGaN層を含む構造体10を得ることができる。特に、少なくとも量子井戸構造220を形成する際に第1条件から第3条件が満たされることが好ましい。
第1条件は、形成工程が、以下に説明する成膜の中断工程または水素ガス供給工程を含むことである。
中断工程は、少なくとも一の層間において成長を中断させる工程である。具体的にはたとえば、中断工程においてIII族原料ガスおよびV族原料ガスの少なくとも一方の供給を停止することにより、結晶成長を停止させる。そして、中断工程の間、上記した表面温度を上げる、または下げるよう変化させる。なお、中断工程において、III族原料ガスおよびV族原料ガスの一方の供給は継続されていても良い。たとえば、中断工程において、III族原料ガスの供給を行わず、V族原料ガスの供給を行う。中断工程は、表面温度を変化させる際には毎回行われることが好ましい。また、中断工程は、量子井戸構造220に含まれる層の全ての層間で行われることが好ましく、多層構造200に含まれる層の全ての層間で行われることがより好ましい。
水素ガス供給工程は、層と層の境界部を形成する時に、水素を供給する工程である。水素ガス供給工程は少なくとも一の境界部の形成時に行われることが好ましい。中断工程と水素ガス供給工程とは、同時に行われる必要は無い。水素ガス供給工程では、結晶成長が継続された状態で基板100に向けてHガスを供給する。すなわち、水素ガスを供給しながら原料ガスの種類を切り替えたり、表面温度を変化させたりする。そうすることにより、水素フローによるエッチング効果が得られ、境界部の余分な原子を除去することができ、層間の急峻な界面を得ることができる。また、薄い層を均一に成長させることができる。水素ガス供給工程における水素ガスの供給量はたとえば0.5slm以上10slm以下であることが好ましい。
第2条件は、適切な温度調整を行うことである。具体的には、形成工程における成長温度は500℃以上1000℃以下であることが好ましく、700℃以上1000℃以下であることがより好ましい。特に、GaN層222の成長温度をInGaN層224の成長温度よりも高くすることが好ましい。InGaN層224の成長温度は700℃以上800℃以下であることが好ましい。成長温度をある程度低く抑えることにより、Inの取り込み効率を高めることができる。また、成長温度を低くしすぎないことにより、良好な結晶構造および界面を得られる。
第3条件は、原料ガスにおいてV/III比を適切に設定することである。V/III比は、III族原子の供給数に対するV族原子の供給数の比率を示す。なお、各供給数は、原料ガスによる供給数である。形成工程におけるV/III比は、5000以上20000以下であることが好ましい。すなわち。V族原子の供給数は、III族原子の供給数の5000倍以上20000倍以下であることが好ましい。また、形成工程において、V族原子の供給数は、III族原子の供給数の6000倍以上17000倍以下であることがより好ましい。
なお、InGaNを成長させる際の、In原子の供給数は、III族原子の供給数全体の0.4倍以上0.8倍以下であることが好ましく、0.5倍以上0.7倍以下であることがより好ましい。こうすることで、発光ピークの半値幅を抑えたり、発光強度を高めたり、全体にわたって安定に発光させたりすることができる。
なお、形成工程において、成長室の圧力は100Torr以上500Torr以下であることが好ましい。
また、構造体10の製造方法では、形成工程に先立ち基板100表面のサーマルクリーニングを行っても良い。サーマルクリーニングでは、たとえば基板100の表面温度を900℃以上1100℃以下で5分以上維持する。なお、サーマルクリーニングの時間は60分以下とすることができる。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態によれば、{11−23}面、または{11−23}面からのオフ角が10°以内である面を第1主面101とするIII族窒化物半導体の基板100の、第1主面101または第2主面102上に量子井戸構造220が形成された新たな構造体10が得られる。このような構造体10は特に光デバイスの作製に好適に用いられる。
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係る構造体10の構成を例示する図である。本実施形態に係る構造体10は、多層構造200が、量子井戸構造220に加え、ガイド層、クラッド層、電子ブロック層、およびコンタクト層の少なくともいずれかを備える点を除いて第1の実施形態に係る構造体10と同じである。
本図の例において、多層構造200は、n型クラッド層251、n−GaNガイド層233、InGaNガイド層231、量子井戸構造220、InGaNガイド層231、電子ブロック層240、p−GaNガイド層234、p型クラッド層252、およびp型コンタクト層260を基板100側からこの順に含む。また、基板100はn型GaNである。このような構造体10を用いることにより、良好なレーザー素子を作製できる。
InGaNガイド層231はInGaNからなり、量子井戸構造220は二つのInGaNガイド層231の間に位置する。また、n−GaNガイド層233はn型GaNからなり、p−GaNガイド層234はp型GaNからなる。量子井戸構造220は、n−GaNガイド層233とp−GaNガイド層234の間に位置する。さらに、InGaNガイド層231とp−GaNガイド層234との間には電子ブロック層240が位置する。電子ブロック層240はたとえばp型AlGaNからなる。
クラッド層はたとえばAlGa(1−y)Nで表される組成のAlGaNからなる。具体的にはn型クラッド層251はn型AlGaNからなり、p型クラッド層252はp型AlGaNからなる。ここで、yは0.1以上であることが好ましく、0.15以上であることがより好ましい。また、yは0.25以下であることが好ましい。量子井戸構造220は、n型クラッド層251とp型クラッド層252の間に位置する。多層構造200のうち基板100側とは反対側の端にはp型コンタクト層260が位置する。p型コンタクト層260はたとえばp型GaNからなる。
多層構造200に含まれる層のうち、n型のIII族窒化物半導体からなる層は、たとえば、成長時にn型ドーパントを含むドーピングガスをさらに供給することにより形成できる。n型ドーパントはたとえばSi、Ge、およびOからなる群から選択される一以上である。
多層構造200に含まれる層のうち、p型のIII族窒化物半導体からなる層は、たとえば、成長時にp型ドーパントを含むドーピングガスをさらに供給し、活性化処理を行うことにより形成できる。活性化処理は熱処理または電子線照射である。p型ドーパントはたとえばMg、Zn、Cd、およびBeからなる群から選択される一以上である。
多層構造200に含まれる層のうち、AlGaNからなる層は、成長時に、Gaを含むIII族原料ガス、Alを含むIII族原料ガス、およびV族原料ガスを供給することにより形成することができる。
図4は、第2の実施形態に係る光デバイス30の構成を例示する図である。光デバイス30は、構造体10、第1の電極310、および第2の電極320を備える。第1の電極310および第2の電極320は多層構造200に電気的に接続されている。本図の例において第1の電極310は基板100に接し、第2の電極320は多層構造200のうち基板100とは反対側の端の層に接している。
光デバイス30は、構造体10に、第1の電極310および第2の電極320を形成することにより製造できる。具体的には、基板100の多層構造200側とは反対側の面を必要に応じてエッチング等し、第1の電極310を成膜する。また、p型コンタクト層260の基板100側とは反対側の面に第2の電極320を成膜する。各電極はPd、Pt、Au、およびIn等の少なくともいずれかの金属で構成される。なお、各電極は複数の金属層の積層構造を有していても良い。また、構造体10を必要に応じて劈開やダイシング等することで、形状を加工しても良い。
光デバイス30はたとえばレーザーである。ここで、基板100の第1主面101は、{11−23}面、または{11−23}面からのオフ角が10°以内である面であるため、構造体10の側面の劈開面をミラーとして用い、レーザーとして良好に動作させることができる。ひいては、低コストでレーザーの製造が可能である。ミラーとして用いる劈開面としてはたとえば{10−10}面が好ましい。
本実施形態に係る構造体10および光デバイス30の構造はそれぞれ図3および図4の例に限定されない。また、光デバイス30はレーザーに限定されず、波長変換素子、発光ダイオード、またはセンサ等であっても良い。光デバイス30がレーザーや発光ダイオード等の発光デバイスである場合、光デバイス30の発光波長をたとえば500nm以上560nm以下とすることができる。すなわち、構造体10を用いて緑色発光のデバイスを作製することができる。なお、光デバイス30の発光波長は、InGaN層224のIn組成等を調整することにより設定することができる。光デバイス30の発光色は緑色に限らず、赤色、青色等であってもよい。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。くわえて、構造体10を用いて容易にデバイスを得ることができる。
以下、本実施形態を、実施例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1として、単一量子井戸構造を有する構造体を作製し、評価した。
図5は、実施例1に係る構造体の構成を示す図であり、図6は、実施例1に係る形成工程での表面温度を示す図である。また、実施例1に係る構造体の製造条件を表1に示す。
本実施例ではまず、10mm×10mmの正方形状であり、第1主面が(11−23)面であるGaN自立基板を準備し、基板の評価を行った。その後、基板を2mm×3mmの矩形の基板に分割し、多層構造の形成に用いた。
10mm×10mmの正方形状の基板に対し行った評価の結果は以下の通りである。まず、基板の厚さと第1主面におけるCL暗点密度について評価を行った。評価の結果は下記の通りであった。
厚さ:408μm
CL暗点密度:1.53×10cm−2
次いで、第1の実施形態に説明した方法で、第1主面のXRC(112)ω半値幅、{11−23}面からのオフ角、および曲率半径を評価した。
XRC(112)ω半値幅:m軸入射測定138arcsec.、c投影軸入射測定66.4arcsec.
{11−23}面からの各軸方向のオフ角:m軸方向−0.06°、c投影軸方向0.16°({11−23}面と測定対象の主面とのなす角が10°以内であることが確認された。)
曲率半径:m軸方向−2.69m、c軸方向+8.79m
なお、曲率半径の+は測定対象の主面において凸方向に結晶軸の曲率半径を有していることを、−は凹方向に結晶軸の曲率半径を有していることを示す。
分割された基板をMOCVD装置に取り付け、表1に示す通りの条件で、単一量子井戸構造を作製した。まず、表面温度を室温(RT)から昇温し、980℃で20分間維持することで、基板表面のサーマルクリーニングを行った。サーマルクリーニング中は、NHガス、HガスおよびNガスをそれぞれ表1に示す流量で成長室に供給した。
次いで、基板の第1主面上にホモエピタキシャルGaN層(HT−GaN)、InGaN層(GaInN)、およびcap−GaN層をこの順に成長させて、実施例1の構造体を得た。各層の成長条件は、表1に示す通りである。なお、表1中、「原子数比率」は、原料ガスに含まれる、V族とIII族との原子数比(V/III比)またはInとIII族との原子数比(In/III比)を示す。「圧力」は、MOCVD装置の成長室内の圧力を示す。
表1に示すように、ホモエピタキシャルGaN層の成長と、InGaN層の成長との間には、結晶成長をさせずに表面温度を下げる中断工程を設けた。また、形成工程における成長温度を700℃以上1000℃以下の範囲で設定した。そして、供給する原料ガスのV/III比を6000以上17000以下の範囲で設定した。
図7は、実施例1の構造体に対しフォトルミネッセンス測定を行った結果を示す図である。また、本図には蛍光発光をしている状態の構造体の写真を合わせて示す。フォトルミネッセンス測定は、波長325nmのヘリウム−カドミウム(He−Cd)レーザー光を励起とし、室温で行った。本測邸に用いたレーザーはGaNのバンドギャップに対し高いエネルギーを有しているため、測定結果には、構造体に含まれる基板を含めた全ての層からの発光が含まれている。本図に示すように、本構造体のフォトルミネッセンススペクトルは、InGaN層の発光によるものと思われる、ピーク波長を520nmとする発光ピークを有していた。また、この発光ピークの半値幅は55nmであった。なお、370nmの辺りに生じているピークは、GaN層の発光である。
さらに、蛍光顕微鏡で構造体を観察したところ、全面で均一な蛍光が生じていた。また、ピットからの青色の蛍光は少なかった。
以上のように、実施例1では、単一量子井戸構造を含み、緑色発光を生じる構造体が得られた。
(実施例2)
InGaN層およびcap−GaN層の成長温度を755℃とし、In/III比を0.7とした以外は実施例1と同様にして構造体を作製した。
図8は、実施例2の構造体に対しフォトルミネッセンス測定を行った結果を示す図である。本実施例についても実施例1と同様の方法でフォトルミネッセンス測定を行った。本図に示す通り、実施例2に係る構造体のフォトルミネッセンススペクトルには、最大ピークとして、ピーク波長524nm、半値幅70nmのピークが見られた。なお、波長365nm付近に生じているピークは、GaN層の発光によるものである。以上のように、実施例2においても、単一量子井戸構造を含み、緑色発光を生じる構造体が得られた。
(実施例3)
実施例3として、多重量子井戸構造を有する構造体を作製し、評価した。
図9は、実施例3に係る構造体の構成を示す図であり、図10は、実施例3に係る形成工程での表面温度を示す図である。また、実施例3に係る構造体の製造条件を表2に示す。
本実施例では、実施例1と同じGaN自立基板を2mm×3mm程度の矩形に分割したものを基板として用いた。そして、基板の第1主面である(11−23)面上に多層構造を形成し構造体1を得た。また、基板の第2主面である(−1−12−3)面上に多層構造を形成し構造体2を得た。なお、構造体1および構造体2の多層構造は同時に成長させた。
実施例1と同様、分割された基板をMOCVD装置に取り付け、表2に示す通りの条件で、多重量子井戸構造を作製した。まず、実施例1と同様に、基板表面のサーマルクリーニングを行った。
次いで、基板の各主面上にホモエピタキシャルGaN層(HT−GaN)を形成し、さらに、バリアGaN層(barrier GaN)およびInGaN層(GaInN)を三層ずつ交互に形成した。その後、cap−GaN層を形成し、実施例3の構造体1および構造体2を得た。なお、表2中、「原子数比率」は、原料ガスに含まれる、V族とIII族との原子数比(V/III比)またはInとIII族との原子数比(In/III比)を示す。
表2に示すように、層と層の成長の間には、結晶成長をさせずに表面温度を下げるまたは上げるよう変化させる中断工程を設けた。また、形成工程における成長温度を700℃以上1000℃以下の範囲で設定した。そして、供給する原料ガスのV/III比を6000以上17000以下の範囲で設定した。
図11は、実施例3の構造体1に対しフォトルミネッセンス測定を行った結果を示す図であり、図12は、実施例3の構造体2に対しフォトルミネッセンス測定を行った結果を示す図である。また、これらの図には蛍光発光をしている状態の構造体の写真を合わせて示す。フォトルミネッセンス測定は、波長325nmのレーザー光を励起とし、室温で行った。図11に示すように、構造体1のフォトルミネッセンススペクトルは、InGaN層の発光によるものと思われる、ピーク波長を520nmとする発光ピークを有していた。また、この発光ピークの半値幅は70nmであった。図12に示すように、構造体2のフォトルミネッセンススペクトルは、InGaN層の発光によるものと思われる、ピーク波長を530nmとする発光ピークを有していた。ただし、発光ピークの強度は構造体1よりも低かった。また、この発光ピークの半値幅は90nmであった。表2の条件で作製を行った場合、発光強度および半値幅において、構造体1が構造体2よりも優れていた。
さらに、蛍光顕微鏡で構造体を観察したところ、全面で均一な蛍光が生じていた。また、構造体2の方が構造体1よりも表面に観察されるピットが少なかった。
以上のように、実施例3では、多重量子井戸構造を含み、緑色発光を生じる構造体が得られた。
(比較例)
比較例では、InGaN層の成長を5nmの膜厚を想定して行った点、InGaN層およびcap−GaN層の成長温度を900℃とした点、およびInGaNの成長時のIn/III比を0.7とした点以外は実施例3と同様にして構造体を作製した。
本比較例の構造体について実施例3と同様のフォトルミネッセンス測定を行った所、緑色発光を確認できなかった。本構造体では、格子破綻が生じ、充分な量子井戸構造が形成されなかったと考えられる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
10 構造体
30 光デバイス
100 基板
101 第1主面
102 第2主面
200 多層構造
220 量子井戸構造
222 GaN層
224 InGaN層
231 InGaNガイド層
233 n−GaNガイド層
234 p−GaNガイド層
240 電子ブロック層
251 n型クラッド層
252 p型クラッド層
260 p型コンタクト層
310 第1の電極
320 第2の電極

Claims (14)

  1. {11−23}面、または{11−23}面からのオフ角が10°以内である面を第1主面とするIII族窒化物半導体の基板と、
    前記基板の、前記第1主面上または、前記第1主面とは反対側の第2主面上に積層された、III族窒化物半導体からなる多層構造とを備え、
    前記多層構造はInGaN層およびGaN層の交互積層構造からなる量子井戸構造を含み、
    前記量子井戸構造における前記InGaN層の厚さは3nm以下である構造体。
  2. 請求項1に記載の構造体において、
    前記InGaN層の組成はInGa(1−x)Nで表され、
    0.28≦x≦0.5が成り立つ構造体。
  3. 請求項1または2に記載の構造体において、
    励起波長を325nmとした当該構造体のフォトルミネッセンススペクトルは、ピーク波長を500nm以上560nm以下とする第1のピークを有する構造体。
  4. 請求項3に記載の構造体において、
    前記第1のピークの半値幅は100nm以下である構造体。
  5. 請求項3または4に記載の構造体において、
    前記第1のピークのピーク強度は、励起波長を325nmとした当該構造体のフォトルミネッセンススペクトルに現れる第2のピークのピーク強度の1倍以上であり、
    前記第2のピークは、350nm以上400nm以下の波長範囲において最大のピーク強度を有するピークである構造体。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の構造体において、
    前記多層構造はAlGa(1−y)Nで表される組成のAlGaNからなるクラッド層を含み、
    yは0.1以上である構造体。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の構造体と、
    前記多層構造に電気的に接続された第1の電極および第2の電極を備える光デバイス。
  8. 請求項7に記載の光デバイスにおいて、
    レーザーである光デバイス。
  9. 請求項1から6のいずれか一項に記載の構造体に、前記多層構造に電気的に接続された第1の電極および第2の電極を形成する光デバイスの製造方法。
  10. {11−23}面、または{11−23}面からのオフ角が10°以内である面を第1主面とするIII族窒化物半導体の基板の、前記第1主面上または、前記第1主面とは反対側の第2主面上に、III族窒化物半導体を成長させて多層構造を形成する形成工程を含み、
    前記多層構造はInGaN層およびGaN層の交互積層構造からなる量子井戸構造を含み、
    前記量子井戸構造における前記InGaN層の厚さは3nm以下である構造体の製造方法。
  11. 請求項10に記載の構造体の製造方法において、
    前記形成工程における成長温度は500℃以上1000℃以下である構造体の製造方法。
  12. 請求項10または11に記載の構造体の製造方法において、
    前記形成工程は、少なくとも一の層間において成長を中断させる工程を含む構造体の製造方法。
  13. 請求項10または11に記載の構造体の製造方法において、
    前記形成工程は、層と層の少なくとも一の境界部を形成する時に、水素を供給する工程を含む構造体の製造方法。
  14. 請求項10から13のいずれか一項に記載の構造体の製造方法において、
    前記形成工程において、原料ガスによる、V族原子の供給数は、III族原子の供給数の5000倍以上20000倍以下である構造体の製造方法。
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