JP2021001568A

JP2021001568A - チェーンカバー

Info

Publication number: JP2021001568A
Application number: JP2019115366A
Authority: JP
Inventors: 健介土井; Kensuke Doi; 洋志堀内; Hiroshi Horiuchi; 豪人森下; Takehito Morishita
Original assignee: Toyota Boshoku Corp
Current assignee: Toyota Boshoku Corp
Priority date: 2019-06-21
Filing date: 2019-06-21
Publication date: 2021-01-07
Anticipated expiration: 2039-06-21
Also published as: CN112112742B; US11242820B2; JP7287139B2; EP3757360A1; US20200400095A1; CN112112742A; EP3757360B1

Abstract

【課題】寸法精度が必要な部分に必要な寸法精度を付与することができるチェーンカバーを提供する。【解決手段】チェーンカバー１１は、内燃機関１２のクランクシャフト１３の回転をカムシャフト１４に伝達するタイミングチェーン１５を覆うとともに、クランクシャフト１３が挿入されるクランク側開口部１７とクランク側開口部１７を構成する部分とは異なる部分である一般部２３とを備えている。そして、クランク側開口部１７を構成する部分の材料と一般部２３を構成する材料とは、互いに異なっている。【選択図】図１

Description

本発明は、内燃機関のクランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するタイミングチェーンを覆うチェーンカバーに関する。

従来、この種のチェーンカバーとして、例えば特許文献１に示すものが知られている。こうしたチェーンカバーは、通常、全体が一種類の材料によって構成されている。

特開２０１９−４４６０８号公報

ところで、上述のようなチェーンカバーは、全体が一種類の材料によって構成されているため、部分的に高い寸法精度を必要とする場合、その部分の寸法精度が不足してしまうという問題がある。

本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされた。その目的は、寸法精度が必要な部分に必要な寸法精度を付与することができるチェーンカバーを提供することにある。

以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するチェーンカバーは、内燃機関のクランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するタイミングチェーンを覆うとともに、前記クランクシャフトが挿入されるクランク側開口部と前記クランク側開口部を構成する部分とは異なる部分である一般部とを備えたチェーンカバーであって、前記クランク側開口部を構成する部分の材料と前記一般部を構成する材料とは、互いに異なることを特徴とするチェーンカバー。

通常、チェーンカバーにおいては、クランク側開口部を構成する部分に対しては高い寸法精度が要求されるが、一般部を構成する部分に対してはそれほど高い寸法精度が要求されない。この点、この構成によれば、クランク側開口部を構成する部分の材料と一般部を構成する材料とが異なるため、クランク側開口部を構成する部分にだけ寸法精度の高い材料を用いることができる。したがって、チェーンカバーに対して寸法精度が必要な部分に必要な寸法精度を付与することができる。

一実施形態のチェーンカバーの正面模式図。

以下、チェーンカバーの一実施形態を図面に従って説明する。
図１に示すように、チェーンカバー１１は、上下方向に延びる矩形板状をなしており、内燃機関１２のクランクシャフト１３の回転を一対のカムシャフト１４に伝達するタイミングチェーン１５を覆うように、内燃機関１２に取り付けられている。チェーンカバー１１には、一対のカムシャフト１４がそれぞれ挿入される一対の円形のカム側開口部１６とクランクシャフト１３が挿入される一つの円形のクランク側開口部１７とが貫通するように形成されている。

一対のカム側開口部１６は、チェーンカバー１１の上端部に、チェーンカバー１１の長手方向Ｘとなる上下方向と直交する短手方向Ｙに距離を置くように配置されている。この場合、一対のカム側開口部１６は、短手方向Ｙにおいてチェーンカバー１１の中央部を挟んで対向するように配置されている。クランク側開口部１７は、チェーンカバー１１の下端部における短手方向Ｙの中央部に配置されている。

チェーンカバー１１の一対のカム側開口部１６にそれぞれ挿通された一対のカムシャフト１４の先端部には、一対のカムタイミング制御部１８が一対のカム側開口部１６を外側から塞ぐようにそれぞれ設けられている。カムタイミング制御部１８は、カムシャフト１４に設けられたカム（図示略）のクランクシャフト１３の回転に対する相対的な回転角度を制御するものである。

チェーンカバー１１における一対のカム側開口部１６を構成する部分を含む上部領域１９は、第１合成樹脂材料によって構成されている。すなわち、一対のカム側開口部１６を構成する部分の材料は、第１合成樹脂材料である。チェーンカバー１１における上部領域１９以外の領域である中央部から下部にかけて領域は、中下部領域２０とされている。

チェーンカバー１１における中下部領域２０は、クランク側開口部１７を構成する部分である円環状のクランク側開口部形成部２１と、クランク側開口部形成部２１とは異なる部分である一般部２３とを備えている。すなわち、中下部領域２０は、クランク側開口部１７を形作る部分であるクランク側開口部形成部２１と、クランク側開口部形成部２１以外の部分である一般部２３とを備えている。

一般部２３は第２合成樹脂材料によって構成され、クランク側開口部形成部２１は金属材料によって構成されている。したがって、クランク側開口部１７を構成する部分であるクランク側開口部形成部２１を構成する材料は、一般部２３を構成する材料と互いに異なっている。本実施形態において、クランク側開口部形成部２１を構成する材料には、アルミニウムが用いられている。また、一対のカム側開口部１６を構成する部分の材料は、一般部２３を構成する材料と互いに異なっている。

カム側開口部１６を構成する部分の材料である第１合成樹脂材料は、一般部２３を構成する材料である第２合成樹脂材料よりも、線膨張係数が小さく且つ吸水性が低い。本実施形態において、第１合成樹脂材料にはポリフェニレンサルファイド（ＰＰＳ）が用いられ、第２合成樹脂材料にはポリアミド（ＰＡ）を主成分とした合成樹脂材料が用いられている。

チェーンカバー１１には、チェーンカバー１１を内燃機関１２にボルト（図示略）によって固定するための固定部の一例としての固定孔２２が複数形成されている。固定孔２２は、チェーンカバー１１における短手方向Ｙの両端部やクランク側開口部１７の周囲に多く配置されている。この場合、チェーンカバー１１におけるカム側開口部１６を構成する材料部分、すなわちチェーンカバー１１における上部領域１９には、固定孔２２が一対のカム側開口部１６を短手方向Ｙに挟むように複数設けられている。

次に、チェーンカバー１１の作用について説明する。
チェーンカバー１１の中下部領域２０のクランク側開口部１７にクランクシャフト１３が挿通されるため、クランク側開口部１７を構成する部分の寸法精度は高いほど好ましい。この点、本実施形態では、クランク側開口部１７を構成する部分が金属製のクランク側開口部形成部２１によって構成されているため、クランクシャフト１３がクランク側開口部形成部２１内に挿通される。

この場合、クランク側開口部形成部２１は、金属製であるため、第２合成樹脂材料に比べて線膨張係数が格段に小さいので、温度変化による内径寸法の変化量が第２合成樹脂材料に比べて格段に小さい。このため、一般部２３を構成する第２合成樹脂材料が吸水や温度変化によって一般部２３の寸法が多少変化してクランク側開口部形成部２１の位置が多少ずれたとしてもクランク側開口部形成部２１のクランクシャフト１３に対する接触が効果的に抑制される。

また、チェーンカバー１１の一対のカム側開口部１６にそれぞれ挿通された一対のカムシャフト１４の先端部には、一対のカムタイミング制御部１８が一対のカム側開口部１６を外側から塞ぐようにそれぞれ設けられている。このため、一対のカムタイミング制御部１８の制御精度を維持するべくチェーンカバー１１における一対のカム側開口部１６を構成する部分の位置保持性は高いほど好ましい。

この点、本実施形態では、一対のカム側開口部１６を構成する部分を含む上部領域１９が一般部２３を構成する第２合成樹脂材料よりも線膨張係数が小さく且つ吸水性が低い第１合成樹脂材料によって構成されている。このため、上部領域１９を構成する第１合成樹脂材料は、周囲の水分の存在や温度変化による影響を受け難いので、寸法変化量が一般部２３を構成する第２合成樹脂材料よりも小さい。

加えて、上部領域１９には、ボルト（図示略）によって内燃機関１２に固定するための固定孔２２が一対のカム側開口部１６を短手方向Ｙに挟むように複数設けられている。すなわち、第１合成樹脂材料によって構成された上部領域１９が内燃機関１２に直接固定されている。したがって、上部領域１９における一対のカム側開口部１６を構成する部分の位置保持性が高められる。すなわち、一対のカムタイミング制御部１８の位置保持性が高められる。

このように、チェーンカバー１１では、一般部２３を構成する材料が、一対のカム側開口部１６を構成する部分を含む上部領域１９を構成する材料及びクランク側開口部形成部２１を構成する材料と、それぞれ異なっている。すなわち、上部領域１９を構成する材料及びクランク側開口部形成部２１を構成する材料は、一般部２３を構成する材料よりも寸法精度が高い。したがって、チェーンカバー１１における寸法精度が必要な部分である上部領域１９及びクランク側開口部形成部２１に対して必要な寸法精度を付与することができる。なお、チェーンカバー１１における一般部２３を構成する部分は、それほど高い寸法精度が要求されないため、第２合成樹脂材料で構成しても必要な寸法精度が確保される。

以上詳述した実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
（１）チェーンカバー１１において、クランク側開口部１７を構成する部分であるクランク側開口部形成部２１を構成する材料と一般部２３を構成する材料とは互いに異なっている。通常、チェーンカバー１１においては、クランク側開口部１７を構成する部分に対しては高い寸法精度が要求されるが、一般部２３を構成する部分に対してはそれほど高い寸法精度が要求されない。この点、この構成によれば、クランク側開口部形成部２１を構成する材料と一般部２３を構成する材料とが異なるため、クランク側開口部１７を構成する部分であるクランク側開口部形成部２１にだけ寸法精度の高い材料を用いることができる。したがって、チェーンカバー１１に対して寸法精度が必要な部分に必要な寸法精度を付与することができる。

（２）チェーンカバー１１は、カムシャフト１４が挿入される一対のカム側開口部１６を備え、一対のカム側開口部１６を構成する部分の材料と一般部２３を構成する材料とが互いに異なっている。通常、チェーンカバー１１においては、一対のカム側開口部１６を構成する部分に対しては高い寸法精度が要求されるが、一般部２３を構成する部分に対してはそれほど高い寸法精度が要求されない。この点、この構成によれば、一対のカム側開口部１６を構成する部分の材料と一般部２３を構成する材料とが異なるため、一対のカム側開口部１６を構成する部分にだけ寸法精度の高い材料を用いることができる。したがって、チェーンカバー１１に対して寸法精度が必要な部分に必要な寸法精度を付与することができる。

（３）チェーンカバー１１において、一対のカム側開口部１６を構成する部分の材料は、一般部２３を構成する材料よりも線膨張係数が小さい。この構成によれば、一対のカム側開口部１６を構成する部分の寸法変化量が一般部２３を構成する部分の寸法変化量よりも小さくなる。このため、一対のカム側開口部１６を構成する部分の位置保持性を、一般部２３を構成する部分の位置保持性よりも高くすることができる。

（４）チェーンカバー１１において、一対のカム側開口部１６を構成する部分の材料は、一般部２３を構成する材料よりも吸水性が小さい。この構成によれば、一対のカム側開口部１６を構成する部分の寸法変化量が一般部２３を構成する部分の寸法変化量よりも小さくなる。このため、一対のカム側開口部１６を構成する部分の位置保持性を、一般部２３を構成する部分の位置保持性よりも高くすることができる。

（５）チェーンカバー１１において、クランク側開口部１７を構成する部分の材料、一般部２３を構成する材料、及び一対のカム側開口部１６を構成する部分の材料のうち、一般部２３を構成する材料及び一対のカム側開口部１６を構成する部分の材料は、合成樹脂材料である。この構成によれば、一般部２３を構成する材料及び一対のカム側開口部１６を構成する部分の材料のうちいずれか一方を金属材料によって構成する場合に比べてチェーンカバー１１を軽量化できる。

（６）チェーンカバー１１において、一対のカム側開口部１６を構成する材料部分には、内燃機関１２にボルト（図示略）で固定するための固定孔２２が一対のカム側開口部１６を短手方向Ｙで挟むように複数設けられている。この構成によれば、一対のカム側開口部１６を構成する材料部分を複数の固定孔２２において内燃機関１２にボルト（図示略）で直接固定することができるので、一対のカム側開口部１６を構成する部分の位置保持性を向上できる。

（変更例）
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。

・チェーンカバー１１において、一対のカム側開口部１６を構成する材料部分には、必ずしも固定孔２２が一対のカム側開口部１６を短手方向Ｙで挟むように複数設けられている必要はない。

・チェーンカバー１１において、固定孔２２の数や位置は適宜変更してもよい。
・チェーンカバー１１において、一対のカム側開口部１６を構成する部分の材料は、必ずしも一般部２３を構成する材料よりも吸水性を小さくする必要はない。

・チェーンカバー１１において、一対のカム側開口部１６を構成する部分の材料は、必ずしも一般部２３を構成する材料よりも線膨張係数を小さくする必要はない。
・チェーンカバー１１において、一対のカム側開口部１６を構成する部分の材料及び一般部２３を構成する材料のうち少なくとも一方を金属材料に変更してもよい。

・チェーンカバー１１において、クランク側開口部１７を構成する部分の材料は、合成樹脂材料に変更してもよい。
・チェーンカバー１１において、一対のカム側開口部１６のうち少なくとも一方を省略してもよい。

・チェーンカバー１１において、一対のカム側開口部１６を構成する部分の材料と一般部２３を構成する材料とは、同じ材料であってもよい。
・チェーンカバー１１において、第１合成樹脂材料として、ポリフェニレンサルファイド（ＰＰＳ）の代わりに、液晶ポリマー（ＬＣＰ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、ポリエチレンナフタレート（ＰＥＮ）、ポリアミド６Ｔ（ＰＡ６Ｔ）、ポリアミド９Ｔ（ＰＡ９Ｔ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、ポリアセタール（ＰＯＭ）などを用いてもよい。

・チェーンカバー１１は、形状を適宜変更してもよい。
・チェーンカバー１１において、一対のカム側開口部１６の径及びクランク側開口部１７の径は、適宜変更してもよい。

１１…チェーンカバー、１２…内燃機関、１３…クランクシャフト、１４…カムシャフト、１５…タイミングチェーン、１６…カム側開口部、１７…クランク側開口部、２２…固定部の一例としての固定孔、２３…一般部。

Claims

内燃機関のクランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するタイミングチェーンを覆うとともに、前記クランクシャフトが挿入されるクランク側開口部と前記クランク側開口部を構成する部分とは異なる部分である一般部とを備えたチェーンカバーであって、
前記クランク側開口部を構成する部分の材料と前記一般部を構成する材料とは、互いに異なることを特徴とするチェーンカバー。
前記カムシャフトが挿入されるカム側開口部を備え、
前記カム側開口部を構成する部分の材料と前記一般部を構成する材料とは、互いに異なることを特徴とする請求項１に記載のチェーンカバー。
前記カム側開口部を構成する部分の材料は、前記一般部を構成する材料よりも線膨張係数が小さいことを特徴とする請求項２に記載のチェーンカバー。
前記カム側開口部を構成する部分の材料は、前記一般部を構成する材料よりも吸水性が小さいことを特徴とする請求項２または請求項３に記載のチェーンカバー。
前記クランク側開口部を構成する部分の材料、前記一般部を構成する材料、及び前記カム側開口部を構成する部分の材料のうち少なくとも一つは、合成樹脂材料であることを特徴とする請求項２〜請求項４のうちいずれか一項に記載のチェーンカバー。
前記カム側開口部を構成する材料部分には、前記内燃機関に固定するための固定部が前記カム側開口部を挟むように複数設けられていることを特徴とする請求項２〜請求項５のうちいずれか一項に記載のチェーンカバー。