JP2020535954A - 部分的に埋め込まれた触媒ナノ粒子を有する強化された触媒材料 - Google Patents

部分的に埋め込まれた触媒ナノ粒子を有する強化された触媒材料 Download PDF

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Abstract

本出願の態様は、複数の機能的および/または触媒種を特徴とできる強化された触媒材料、およびそれらの形成方法を提供する。材料としては支持マトリックス内に部分的に埋め込まれた触媒ナノ粒子(NP)を挙げることができる。材料の処理、例えば、熱、光学、マイクロ波、プラズマ、および/または化学処理によって、NP−マトリックス、NP−細孔、およびマトリックス−細孔界面において機能的に、例えば、触媒のまたは共触媒の、関連する化学的および構造的/形態学的種または特徴の形成に至ることができる。処理された材料は、強化された特性、例えば、より優れた機械的安定性を特徴とする。【選択図】図35

Description

関連出願への相互参照
本願は2017年9月29日に出願した、「部分的に埋め込まれた触媒ナノ粒子を有する強化された触媒材料」という表題の米国特許仮出願第62/566,285号の優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
著作権通知
この特許開示は著作権保護の対象となる材料を含み得る。著作権所有者は米国特許商標庁の特許ファイルまたは、記録に見られるように、特許文書または、特許開示のいずれかによるファクシミリ再生に異議を持たないが、それ以外は、あらゆる著作権の権利を留保する。
参照による組み込み
本明細書中に引用されるすべての特許出願、および刊行物は、本明細書中に記載される本発明の日付における、当業者に公知の技術水準をさらに十分に記載するために、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる。
発明の分野
本出願は強化された機能特性および/または耐久性を有する微細構造材料に関する。より具体的には、本出願はエネルギーを生成するための持続可能な方法、汚染を処理すること、未加工の微細化学物質を生成すること等の用途において有用であり得る、改善された性能特性を有する新規な触媒材料に関する。
多くの様々な用途でマトリックスと細孔のネットワークとの間のバリアに触媒材料として機能性材料の使用を取り入れている。一般的にこの機能性材料は関心のある材料(例えば、反応物質、被検分質等)に接触して活性になる必要がある。
概要
本明細書には開示されるのは反応性および耐久性が強化された多孔質触媒材料、およびこれらの多孔質触媒材料を製造する方法である。多孔質触媒材料はマトリックスと細孔またはチャネルのネットワークとの界面に配置されたナノ粒子または他の機能性材料を有することができる。多孔質触媒材料およびその製造方法のさらなる特徴および機能性もまた本明細書中に開示される。
ある実施形態によれば、触媒材料および触媒材料の製造方法が記載されている。触媒材料は相互接続されたチャネルのネットワークを規定する相互接続されたマトリックス材料と、近位部分と遠位部分とを有する複数の触媒ナノ粒子とを含む。ある実施形態では、前記ナノ粒子は、前記ナノ粒子の前記近位部分が前記マトリックス材料中に埋め込まれ、前記ナノ粒子の前記遠位部分が前記相互接続されたチャネルに露出されるように、前記マトリックス材料中に部分的に埋め込まれている。
ある実施形態によれば、前記ナノ粒子の前記近位部分の少なくとも一部が前記マトリックス材料に物理的に結合している。
ある実施形態によれば、前記近位部分の少なくとも一部は前記遠位部分より粗い。
ある実施形態によれば、前記近位部分の少なくとも一部が前記マトリックス材料に前記マトリックス材料と前記触媒ナノ粒子との界面において化学的に結合している。
ある実施形態によれば、近位部分の少なくとも一部は界面において酸化物、混合酸化物、オキソメタレート、アルミン酸塩、混合アルミン酸塩、ケイ酸塩、混合ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、チタン酸塩、混合チタン酸塩、スズ酸塩、混合スズ酸塩、硫錫鉱、混合硫錫鉱、セリア酸化物、混合セリア酸化物、バナジア酸化物、混合バナジア酸化物、酸化ホウ素、ジルコニア酸化物、混合ジルコニア酸化物、ハフニア酸化物、混合ハフニア酸化物、イットリア酸化物、混合イットリア酸化物、ニオビア酸化物、混合ニオビア酸化物、酸化鉄、混合酸化鉄、酸化スズ、混合酸化スズ、酸化コバルト、混合酸化コバルト、酸化インジウム、混合酸化インジウム、酸化スカンジウム、混合酸化スカンジウム、希土類酸化物、酸化ウラン、酸化トリウム、1つまたは複数の第I、II、III、IV、VI族からの元素の混合酸化物、ヘテロポリ酸、ゼオライト、カーバイド、金属合金、金属間化合物、有機金属化合物、配位化合物、有機化合物、合成または天然ポリマー、無機化合物、またはそれらの組み合わせの形成を介して、共有相互作用、イオン結合により化学的に結合している。ある実施形態では、前記化合物は、前記相互接続されたマトリックス材料と前記触媒ナノ粒子との間の前記近位部分付近の、前記相互接続されたマトリックス材料および前記触媒ナノ粒子の少なくとも1つの局所的な酸化または還元の1つを含む。
ある実施形態によれば、前記支持体への化学結合が未修飾の触媒ナノ粒子とは異なる触媒種を生成する。
ある実施形態によれば、前記遠位部分が前記相互接続されたチャネルと前記触媒ナノ粒子との前記界面において化学的に修飾されている。
ある実施形態によれば、前記遠位部分は、物理的に修飾されて粗面化された遠位部分または、ファセット化された遠位部分を生成する。
ある実施形態によれば、前記マトリックス材料、前記触媒ナノ粒子および前記相互接続されたチャネル間の前記界面における前記触媒ナノ粒子の円周は化学的に修飾されている。
ある実施形態によれば、前記マトリックス材料と前記相互接続されたチャネルとの前記界面が化学的に修飾されている。ある実施形態では、前記マトリックス材料と前記相互接続されたチャネルとの前記界面における前記化学的修飾が、前記マトリックス材料の表面上に堆積している界面材料を含む。ある実施形態では、前記界面材料が触媒材料である。ある実施形態では、前記マトリックス材料と前記相互接続されたチャネルとの前記界面における前記化学的修飾が、集合およびマトリックス浸透前の前記テンプレート材料の表面に堆積している界面材料を含む。ある実施形態では、前記界面材料が、1つまたは複数のフィルム、1つまたは複数のアイランド、または、複数の粒子として堆積している。ある実施形態では、前記界面材料がさらに前記触媒ナノ粒子と前記相互接続されたチャネルの界面に堆積している。
ある実施形態によれば、前記近位部分および前記遠位部分が異なる化学組成を有する。
ある実施形態によれば、前記近位部分および前記遠位部分が異なる結晶化度、結晶構造、または異なる密度の少なくとも1つを有する。
ある実施形態によれば、前記触媒ナノ粒子の前記近位部分および前記触媒ナノ粒子との界面における前記マトリックス材料の一部が反対に帯電した種を含む。
ある実施形態によれば、前記触媒ナノ粒子が金属を含む。
ある実施形態によれば、前記触媒ナノ粒子は、2種以上の金属を含む。ある実施形態では、前記ナノ粒子が二元金属または多金属である。ある実施形態では、前記2種以上の金属のナノ粒子が、第1金属の少なくともいくつかのナノ粒子と、第2金属の少なくともいくつかのナノ粒子を含む。ある実施形態では、前記近位部分が前記2種以上の金属の第1原子分布または化学組成を含み、前記遠位部分が前記2種以上の金属の第2原子分布または化学組成を含み、前記第1原子分布または化学組成は、前記第2原子分布または化学組成とは異なる。ある実施形態では、前記近位部分の1つが前記遠位部分に対して部分的に酸化される、または前記遠位部分が前記近位部分に対して部分的に酸化される。ある実施形態では、前記遠位部分がさらに前記NPsのバルクとは異なる金属または金属合金の外皮またはシェルを含む。
ある実施形態よれば、前記マトリックス材料がさらに前記相互接続されたチャネルのネットワークよりも小さいチャネルの第2ネットワークを含む。
ある実施形態よれば、前記マトリックス材料が化学的に強化されている。
ある実施形態によれば、前記マトリックス材料が粗面化されている。
ある実施形態によれば、前記マトリックス材料がさらに前記マトリックス材料の表面に官能基を含む。ある実施形態では前記官能基が前記マトリックス材料の表面エネルギーを変化させるか、または標的部分を誘引する認識ユニットとして作用する。
ある実施形態によれば、前記マトリックス材料はさらにイオン交換プロセスからのイオンを含む。
ある実施形態によれば、前記マトリックス材料がさらにレドックスプロセス由来の変化した酸化状態を含む。
ある実施形態によれば、前記マトリックス材料がさらに前記マトリックス材料の表面に濡れ性勾配を含む。
ある実施形態によれば、前記近位部分は第1形態を含み、前記遠位部分は第2形態を含み、前記第2形態は、前記第1形態とはファセット数が異なる。ある実施形態では、前記第2形態は、前記第1形態よりもファセット数が多い。
ある実施形態によれば、前記相互接続されたマトリックス材料としては、シリカ、アルミナ、チタニア、セリア、酸化ホウ素、ジルコニア、ハフニア、イットリア、バナジア、ニオビア、酸化タンタル、酸化鉄、酸化コバルト、酸化スズ、酸化インジウム、酸化スカンジウム、希土類酸化物、酸化ウラン、酸化トリウム、1種または複数種のI、II、III、IV、V、VI族からの元素の混合酸化物、1種または複数種のI、II、III、IV、V、VI族からの元素の酸化物の混合物、アルミン酸塩、混合アルミン酸塩、ケイ酸塩、混合ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、チタン酸塩、混合チタン酸塩、スズ酸塩、混合スズ酸塩、黄錫鉱、混合黄錫鉱、オキソメタレート、ヘテロポリ酸、ゼオライト、合成または天然ポリマー、金属、合金およびそれらの混合物およびそれらの組合せが挙げられる。
ある実施形態によれば、前記触媒ナノ粒子としては、金属、金属酸化物、混合金属酸化物、金属硫化物、金属プニクチド、二金属塩、金属錯塩、有機酸の金属塩、無機酸の金属塩、錯酸の金属塩、塩基、酸、金属合金、多金属種、金属間化合物、有機金属化合物、配位化合物、金属化合物、金属間化合物、有機金属化合物、配位化合物、1種または複数種の白金族金属、1種または複数種の白金族金属酸化物、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、銀、金、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム、酸化オスミウム、酸化イリジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化金、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、希土類金属酸化物、単結晶多形における前記の任意の種、前記チャネルに対して特定の結晶面を提示する前記の任意の種、およびそれらの組合せが挙げられる。
ある実施形態によれば、前記触媒材料が触媒する化学反応のライトオフ温度は、同じ組成の従来の触媒材料によって触媒される同じ反応のライトオフ温度よりも少なくとも3〜5°低い。
ある実施形態によれば、前記触媒ナノ粒子は6ヶ月間に亘って150℃の温度に曝された時前記マトリックス材料中で機械的に安定である。
ある実施形態によれば、前記ナノ粒子は150℃の反応条件に曝された時それらの元のサイズの1〜10%、500℃に曝された時それらの元のサイズの1〜20%、800℃の反応条件に曝された時それらの元のサイズの1〜40%を超えて成長しない。
ある実施形態によれば、前記触媒材料は、従来の触媒材料と比較して少ない量の触媒NPの量を含み、同じ条件下で従来の触媒材料の触媒活性と少なくとも同等の触媒活性を示す。
ある実施形態によれば、前記触媒材料は塗料として使用される。
ある実施形態によれば、前記触媒材料は、装置の表面の少なくとも一部に使用される。ある実施形態では、前記装置は室内空気加熱器、空調ユニット、通気口、HVACダクト、ファン、ヘアドライヤ、空気清浄機、加湿器、除湿器、室内電気固定具、室内照明器具、壁、天井および家具のうちの1つである。
ある実施形態によれば、触媒材料を製造する方法が記載されている。ある実施形態では、前記方法はテンプレート成分の表面に複数の触媒ナノ粒子を付着させて、NPで装飾されたテンプレート成分、近位部分および遠位部分を有する複数の触媒ナノ粒子を得るステップを含む。ある実施形態では、前記方法は、前記相互接続されたテンプレート成分の間隙空間を満たす充填材料を用いて、前記修飾テンプレート成分を前記相互接続されたテンプレート成分の前記間隙空間に配置するステップを含む。ある実施形態では、前記方法は、前記充填材料が相互接続されたチャネルのネットワークを規定する相互接続されたマトリックス材料を形成するように、前記テンプレート成分を少なくとも部分的に除去するステップを含む。ある実施形態では、前記触媒ナノ粒子は、前記触媒ナノ粒子の前記近位部分が前記マトリックス材料中に埋め込まれ、前記触媒ナノ粒子の前記遠位部分が前記相互接続されたチャネルに露出されるように、前記マトリックス材料中に部分的に埋め込まれる。
ある実施形態によれば、前記方法は、前記テンプレート成分を少なくとも部分的に除去するステップを含み、さらに前記テンプレート材料、前記触媒ナノ粒子、および相互接続されたテンプレート成分を、選択的溶解、エッチングおよび昇華のうちの1つによって、アニールまたはか焼条件の1つで処理するステップを含む。
ある実施形態によれば、前記マトリックス材料と前記触媒ナノ粒子との前記界面近くの前記マトリックス材料および前記触媒ナノ粒子の少なくとも一方を局所的に酸化するステップを含む。
ある実施形態によれば、前記マトリックス材料と前記触媒ナノ粒子との界面近くの前記マトリックス材料および前記触媒ナノ粒子の少なくとも一方を局所的に還元するステップを含む。
ある実施形態によれば、前記マトリックス材料がさらにその表面上に第2材料を含む。
ある実施形態によれば、前記第2材料が前記触媒ナノ粒子の材料とは異なる触媒材料である。
ある実施形態によれば、前記相互接続されたチャネルの表面が前記テンプレート成分の堆積物または、前記テンプレート成分の部分的な除去から形成された残留物の堆積物のうちの少なくとも1つを含む。
ある実施形態によれば、前記テンプレート成分または前記残留物の前記堆積物が非連続的、連続的、または、単離されたナノ粒子の形態のうちの1つである。
ある実施形態によれば、前記相互接続されたチャネルと前記触媒ナノ粒子との前記界面が前記テンプレート成分の堆積物または前記テンプレート成分の部分的な除去から形成された残留物の堆積物を含む。
ある実施形態によれば、前記堆積物または前記残留物が触媒材料である。
ある実施形態によれば、前記堆積物または前記残留物が前記テンプレート材料の不完全燃焼または化学的除去によって形成される。
ある実施形態によれば、前記堆積物が活性炭、重縮合した炭素リッチな種、金属または、金属酸化物のうちの1つである。
ある実施形態によれば、前記テンプレート材料が複合テンプレート材料である。
ある実施形態によれば、前記堆積物が非触媒種である。
ある実施形態によれば、前記方法は、前記マトリックス材料および前記触媒ナノ粒子を熱処理に付して、前記触媒ナノ粒子を修飾するステップを含む。ある実施形態では、前記修飾された触媒ナノ粒子の前記近位部分は、第1化学組成を有し、前記遠位部分は、第2化学組成を有する。ある実施形態では、前記第1化学組成は、前記第2化学組成とは異なる。ある実施形態では、前記第1部分および前記第2部分は、異なる結晶化度または密度を有する。
ある実施形態によれば、前記ナノ粒子が単一金属でできている材料を含む。
ある実施形態によれば、前記触媒ナノ粒子が2種以上の金属を含む多金属ナノ粒子である。ある実施形態では、前記方法は前記マトリックス材料および前記多金属ナノ粒子を加熱して前記多金属ナノ粒子を修飾するステップを含み、前記近位部分は、2種以上の金属の第1原子分布を含み、前記遠位部分は、前記2種以上の金属の第2原子分布を含み、前記第1原子分布は、前記第2原子分布とは異なる。ある実施形態では、前記遠位部分が前記近位部分に対して部分的に酸化されているか、前記近位部分が前記遠位部分に対して部分的に酸化されている。
ある実施形態によれば、前記遠位部分が外皮を含む。ある実施形態では、前記方法は、溶液、エッチングからの堆積、および塩に曝露することによるドーピングのうちの1つよって前記外皮を形成するステップを含む。ある実施形態では、前記方法は還元または酸化条件によって前記外皮を形成するステップを含む。ある実施形態では、前記方法は前記触媒材料を金属外皮成長の前駆体を含む溶液に曝露することによって外皮を形成するステップ、および前記触媒ナノ粒子の前記遠位部分に前記金属外皮を選択的に成長させるステップを含む。ある実施形態では、前記近位部分および前記遠位部分が異なる化学組成を有する。
ある実施形態によれば、前記方法は、前記マトリックス材料および前記触媒ナノ粒子をか焼に付して、前記触媒ナノ粒子を修飾するステップを含む。ある実施形態では、前記近位部分は金属イオンを含み、前記遠位部分は前記金属イオンの酸化物を含む。
ある実施形態によれば、前記方法は、前記マトリックス材料、前記触媒ナノ粒子、および相互接続されたテンプレート成分を熱処理またはエッチング条件に付して、前記触媒ナノ粒子を修飾するステップを含む。ある実施形態では、前記近位部分は第1形態を含み、前記遠位部分は第2形態を含み、前記第2形態は、前記第1形態よりも大きい粗面度を有する。
ある実施形態によれば、前記方法は、前記マトリックス材料、前記触媒ナノ粒子、および相互接続されたテンプレート成分を熱処理またはエッチング条件に付して、前記触媒ナノ粒子を修飾するステップを含む。ある実施形態では、前記近位部分は第1形態を含み、前記遠位部分は第2形態を含み、前記第2形態は、前記第1形態よりも大きい粗度を有する。
ある実施形態によれば、前記方法は、前記マトリックス材料、前記触媒ナノ粒子、および相互接続されたテンプレート成分を熱処理またはエッチング条件に付して、前記触媒ナノ粒子を修飾するステップを含む。ある実施形態では、前記近位部分は第1結晶化度を含み、前記遠位部分は第2結晶化度を含み、前記第2結晶化度は、前記第1結晶化度とは異なる。
ある実施形態によれば、前記方法は、前記マトリックス材料、前記触媒ナノ粒子、および相互接続されたテンプレート構成要素を熱処理に付して、前記触媒ナノ粒子と前記マトリックス材料との前記界面における前記マトリックス材料の一部の結晶化度を変化させるステップを含む。ある実施形態では、前記マトリックス材料は、第1結晶化度を有し、前記触媒ナノ粒子と前記マトリックス材料との前記界面における前記マトリックス材料の前記一部は、第2結晶化度を有し、前記第2結晶化度は、前記第1結晶化度とは異なる。
ある実施形態によれば、前記方法は、前記触媒ナノ粒子の前記マトリックス材料、および相互接続されたテンプレート成分を熱処理に付して、前記触媒ナノ粒子と前記マトリックス材料との前記界面における前記マトリックス材料の結晶構造を変化させるステップを含む。ある実施形態では、前記マトリックス材料のネットワークは、第1結晶構造を有し、前記触媒ナノ粒子と前記マトリックス材料との前記界面における前記マトリックス材料の前記一部は第2結晶構造を有し、前記第2結晶構造は前記第1結晶構造とは異なる。
ある実施形態によれば、前記触媒ナノ粒子のネットワーク、前記マトリックス材料、および相互接続されたテンプレート成分を熱処理に付して、前記触媒ナノ粒子と前記マトリックス材料との前記界面における前記マトリックス材料の一部の粗度を変化させるステップを含む。ある実施形態では、前記マトリックス材料のネットワークは、第1粗度を有し、前記触媒ナノ粒子とマトリックス材料との前記界面における前記マトリックス材料の前記一部は、第2粗度を有し、前記第2粗度は、前記第1粗度とは異なる。
ある実施形態によれば、前記マトリックス材料は、第1の相を有し、前記触媒ナノ粒子と前記マトリックス材料との前記界面における前記マトリックス材料の一部は、第2の相を有し、前記第2の相は、前記第1の相とは異なる。ある実施形態では、前記第1の相または前記第2の相の一方は、アモルファス、結晶質、または準結晶質のうちの1つである。
ある実施形態によれば、前記方法は、前記修飾されたテンプレート材料を配置する前に、前記修飾されたテンプレート材料の外側を材料でコーティングするステップを含む。ある実施形態では、前記材料が触媒材料である。
ある実施形態によれば、前記方法は、埋め込まれたナノ粒子を修飾するステップを含む。ある実施形態では、前記埋め込まれた触媒ナノ粒子を修飾するステップは、前記触媒ナノ粒子の前記遠位部分の表面にシェルを成長させるかまたは堆積させるステップを含む。ある実施形態では、前記埋め込まれた触媒ナノ粒子を修飾するステップは、ガルバニック置換を含む。ある実施形態では、前記埋め込まれた触媒ナノ粒子を修飾するステップは、前記触媒ナノ粒子を加熱することによって相変態を生じさせるステップを含む。
ある実施形態によれば、前記方法は、前記テンプレート材料を除去した後に前記マトリックス材料を修飾するステップを含む。ある実施形態では、前記マトリックス材料を修飾するステップが、前記マトリックス材料を加熱して前記マトリックス材料の相転移または前記マトリックス材料の表面の粗面化の1つを生じさせるステップを含む。ある実施形態では、前記マトリックス材料を修飾するステップが、前記マトリックス材料を選択的にエッチングして、チャネルの第2ネットワークを生成するステップを含む。ある実施形態では、前記マトリックス材料を修飾するステップが、前記マトリックス材料を化学的に変換して前記マトリックス材料の形状を維持するステップを含む。ある実施形態では、前記マトリックス材料を修飾するステップが、前記マトリックス材料の表面への官能基の堆積を含み、ある実施形態では、前記官能基が前記マトリックス材料の表面エネルギーを変化させるまたは標的部分を誘引する認識ユニットとして作用する。ある実施形態では、前記マトリックス材料を修飾するステップがさらに前記マトリックス材料を化学的に変換するステップを含む。ある実施形態では、化学的に変換するステップが前記マトリックス材料をイオン交換するステップを含む。ある実施形態では、化学的に変換するステップが前記マトリックス材料に対してレドックスプロセスを行うステップを含む。ある実施形態では、前記マトリックス材料を修飾するステップがさらに前記マトリックス材料の表面に濡れ性勾配を形成するステップを含む。
ある実施形態によれば、前記触媒ナノ粒子は、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、コバルト、鉄、ニッケル、オスミウム、イリジウム、レニウム、銅、クロム、およびそれらの組合せから選択されるうちの1つである。
ある実施形態によれば、前記触媒ナノ粒子は、金属、金属合金、半導体、金属酸化物、混合金属酸化物、金属硫化物およびそれらの組合せから選択されるうちの1つである。
ある実施形態によれば、前記触媒ナノ粒子の前記2種以上の金属は、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、コバルト、鉄、ニッケル、オスミウム、イリジウム、レニウム、銅およびクロムから選択される。
ある実施形態によれば、前記マトリックス材料は、シリカ、チタニア、無機ゾル−ゲル誘導酸化物、ポリマーおよびそれらの組合せのうちの1つから選択される。
ある実施形態によれば、前記テンプレート成分は、ポリマー、ランダムコポリマー、バイオポリマー、有機金属化合物、超分子ポリマー、およびそれらの組合せのうちの1つから選択される。
ある実施形態によれば、前記触媒材料は、触媒塗料として使用される。ある実施形態では、前記触媒塗料は、装置の表面に使用される。ある実施形態では、前記装置は、室内空気加熱器、空調ユニット、通気口、HVACダクト、ファン、ヘアドライヤ、空気清浄機、加湿器、除湿器、室内電気固定具、室内照明器具、壁、天井および家具のうちの1つである。
ある実施形態によれば、前記触媒材料を製造する方法が本明細書中に記載されている。ある実施形態では、前記方法は、金属イオン、金属イオンおよびマトリックス前駆体に対する親和性を有する配位子を有するテンプレート材料を提供するステップを含む。ある実施形態では、前記方法は、前記金属イオンが前記テンプレート材料に複数の触媒ナノ粒子を形成するように前記テンプレート材料、金属イオンおよびマトリックス前駆体を混合するステップを含み、複数の触媒ナノ粒子は、近位部分および遠位部分を有する。ある実施形態では、前記方法は、前記マトリックス前駆体が相互接続されたテンプレート成分の間隙空間を満たすように、前記テンプレート材料を前記相互接続されたテンプレート成分内に配置するステップ含む。ある実施形態では、前記方法は、前記充填材料が相互接続されたチャネルのネットワークを規定する相互接続されたマトリックス材料を形成するように、前記テンプレート成分を少なくとも部分的に除去するステップを含む。ある実施形態では、前記触媒ナノ粒子は、前記触媒ナノ粒子の近位部分が前記マトリックス材料中に埋め込まれ、前記触媒ナノ粒子の前記遠位部分が前記相互接続されたチャネルに露出されるように、前記マトリックス材料中に部分的に埋め込まれる。ある実施形態によれば、前記金属イオンは、Ca、Mg、Ni、Cu、Fe、またはこれらの組合せのうちの1つである。ある実施形態によれば、前記配位子は、ポリエチレングリコール(PEG)または、ポリビニルピロリドン(PVP)のうちの1つである。
ある実施形態によれば、触媒材料を製造する方法が記載されている。ある実施形態では前記方法は、ナノ粒子前駆体を中に有するテンプレート成分を提供するステップを含む。ある実施形態では、前記方法は、前記マトリックス前駆体が相互接続されたテンプレート成分の間隙空間を満たすように、前記テンプレート成分を前記相互接続されたテンプレート成分内に配置するステップを含む。ある実施形態では、前記方法は、前記相互接続されたテンプレート成分の間隙空間を満たす充填材料で相互接続されたテンプレート成分中に前記テンプレート成分を配置するステップを含む。ある実施形態では、前記方法は、近位部分および遠位部分を有する複数の触媒ナノ粒子が形成されるように相互接続されたチャネルのネットワークを規定する相互接続されたマトリックス材料を充填材料が形成するように、少なくとも部分的にテンプレート成分を除去するステップを含む。ある実施形態では、前記触媒ナノ粒子は、前記触媒ナノ粒子の前記近位部分が前記マトリックス材料中に埋め込まれ、前記触媒ナノ粒子の前記遠位部分が前記相互接続されたチャネルに露出されるように、前記マトリックス材料中に部分的に埋め込まれている。
ある実施形態によれば、階層的に多孔質の材料を調製する方法が記載されている。ある実施形態では、前記方法は、第1平均細孔サイズの第1多孔度を有する多孔質巨視的モノリシック基材を提供するステップを含む。ある実施形態では、前記方法は、前記モノリシック基材の前記細孔にテンプレート犠牲材料とマトリックス前駆体材料とを含む共集合体混合物を適用するステップを含む。ある実施形態では、前記方法は、前記テンプレート犠牲材料を除去して前記多孔質モノリシック基材内にテンプレート化多孔質コーティング(TPC)を形成するステップであって、前記TPCは、第2平均細孔サイズの第2多孔度を有し、前記第2平均細孔サイズは、前記第1平均細孔サイズよりも小さいステップを含む。
ある実施形態では、前記多孔質モノリシック基材は、セラミック、コージライト、ムライト、ゼオライト、天然または合成粘土のうちの1つである。
ある実施形態によれば、前記多孔質モノリシック基材は、導電性材料を含む。
ある実施形態によれば、前記多孔質モノリシック基材は、金属、金族合金、ステンレス鋼、フェライト鋼、オーステナイト鋼、銅、ニッケル、真ちゅう、金、銀、チタン、タングステン、アルミニウム、パラジウム、白金、黒鉛、導電性炭素材料、導電性無機材料、導電性有機材料、またはそれらの組合せである。
ある実施形態によれば、ある実施形態の触媒材料を有するモノリシック多孔質基材が本明細書中で開示される。ある実施形態では、請求項110のモノリシック多孔質基材が触媒コンバータで使用される。ある実施形態では、前記モノリシック多孔質基材は、燃料電池で使用される。ある実施形態では、前記モノリシック多孔質基材は電解槽で使用される。
本発明の上記および他の目的および利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を検討すると明らかになるであろう。同様の参照文字は全体を通して同様の部分を指し、図1A〜Bは、ある実施形態によるナノ粒子の概略図である。
図1Aはある実施形態による、その設計特徴を特徴とした触媒材料の例を示す概略図である。 図1Bはある実施形態による、強化された触媒の実質的に改善された機械的、熱的および化学的安定性につながる強力な粒子付着をもたらす、マトリックス材料に部分的に埋め込まれたナノ粒子(NP)の例を示す略図である。 図2はある実施形態による錯体触媒材料を製造する方法の例を示す概略図である。図Aは、ある実施形態による、同じタイプの複数の部分的に埋め込まれた触媒NPを特徴とするテンプレート手法を使用して錯体触媒材料を製造する方法の例を示す概略図である。図Bは、ある実施形態による、異なるタイプの複数の部分的に埋め込まれた触媒NPを特徴とするテンプレート手法を使用して錯体触媒材料を製造する方法の例を示す概略図である。 図3はある実施形態による、近位界面における、すなわち、NPとマトリックス材料との間の処理により誘導された変化の例を示す概略図であり、触媒構造の熱的および機械的堅牢性を強化する。図Aは、ある実施形態による、処理により誘導されたNPとマトリックス材料との間の化学結合の形成、その結果として近位界面における新しい化合物の形成を示す概略図である。図Bは、ある実施形態による、処理により誘導された近位界面における結晶化度、多形、ドメインサイズを含むマトリックス材料の相変化を示す概略図である。図Cは、ある実施形態による、処理により誘導された近位界面における触媒的に関連するイオン種の形成を示す概略図である。図Dは、ある実施形態による、処理により誘導された近位界面の粗面化を示す概略図である。 図4はある実施形態による、処理により誘導された遠位界面における、すなわち、NPとチャネルの相互接続されたネットワークとの間の変化の例を示す概略図である。図Aは、ある実施形態による、処理により誘導された遠位表面の粗面化を示す概略図である。図Bは、ある実施形態による、処理により誘導された遠位表面のファセッティングを示す概略図である。図Cは、ある実施形態による、処理により誘導されたNP内の多孔性の生成を示す概略図である。 図5はある実施形態による、処理により誘導されたNP内容物の再配置および/または再分布の例を示す概略図であり、これはその触媒活性を変化させる。図Aはある実施形態による、処理により誘導されたNP内容物の原子再分布を示す概略図である。図Bはある実施形態による、処理により誘導された遠位表面の再構成、例えばシェルまたはクラストの形成を示す概略図である。図Cはある実施形態によるNPを伴う原子再配列の例を示す概略図である。 図6Aはある実施形態による、処理により誘導されたマトリックス−チャネルおよびNP−チャネル(遠位)界面におけるさらなる触媒的に関連する種の堆積の例を示す概略図である。 図6Bはある実施形態による、処理により誘導されたマトリックス−チャネルおよびNP−マトリックス(近位)界面におけるさらなる触媒的に関連する種の堆積の例を示す概略図である。 ある実施形態に従って、マトリックス−チャネル界面に機能性NPが部分的に埋め込まれていない(図A、上の列)および機能性NPが含まれている(図B、下の列)強化触媒材料を製造する例示的なテンプレート手法の概略図および代表的な画像である。 ある実施形態による、マトリックス内部の埋め込みの様々な深さを有するNPを示す概略図および代表的な透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。 ある実施形態による、マトリックス−チャネル界面に異なる機能性NPが配置された触媒材料を製造するための例示的なテンプレート手法の概略図および代表的な画像である。図Aはある実施形態による、マトリックス−チャネル界面に異なる機能性NPが配置された多孔質材料を製造するための一般化されたテンプレート手法の概略図である。図Bは、この手法の2つの例の概略図であり、NPが装飾されたコロイド粒子がテンプレート材料として使用された2組の図を示しており、各セットは、得られた複数のタイプの細孔を有する触媒材料の概略図、代表的な走査型電子顕微鏡(SEM)画像、走査型透過電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法(STEM−EDS)の元素組成マッピングのズームインを含む。例えば、ある実施形態に従って、異なる細孔内の異なる機能性NP(左)またはマトリックス−細孔界面の各細孔に位置する複数のタイプのNP(右)を含む。 図10は、従来の手法(上の列)によって事前に形成されたシリカ多孔質構造(いわゆる逆オパール−IO−構造)で成長したAuNPと、図2に提示されたテンプレート手法を使用してシリカIOに組み込まれたAuNP(下の列)の熱安定性の概略図と絵による比較であり、典型的な手法ではNPが顕著に凝集および成長し、ある実施形態に従って本明細書に開示される実施形態の触媒材料では粒子サイズの変化がないことを示す。 図11はある実施形態による、準備されたNP(図A〜C)および多孔質構造に組み込まれ、遠位部分(図D〜F)で形状変化(例えば、ファセッティング)を受けた同じNPの自立のTEM画像を示す。 図12は、ある実施形態による、高温での反応物の連続流下でのイソプロパノールの二酸化炭素への変換における図7(図B、下の行)に描写されるコロイドテンプレート手法を使用して調製された1%Pd/SiO触媒の長期安定性を示すグラフである。結果を生成するための実験は、450℃で毎分50mLの流量のヘリウム中イソプロパノール3mol%と酸素22mol%の反応条件下で行われた。 図13はコロイドテンプレート化されたSiO−AgAuを使用した、メタノールからギ酸メチル(MF、四角)および二酸化炭素(CO、円)への定常状態変換の長期安定性およびギ酸メチル(三角形)への選択性を示すグラフである。結果を生成するための実験は、150℃で毎分50mLの流量のヘリウム中メタノール6mol%酸素20mol%の反応条件下で行われた。 図14は市販の1w%Pt/Al触媒と、ある実施形態に従って調製した同じ装填量のNP−1w%Ptを使用した強化触媒とを用いた、メタノールのCOへの完全燃焼を比較したグラフであり、反応温度が約55℃低下している。結果を生成するための実験は、毎分50mLの流量のヘリウム中メタノール7.5mol%と酸素22mol%の反応条件下で行われた。 図15は市販の1w%Pd/Al触媒と、ある実施形態に従って調製した同じ装填量のNP−1w%Pdを使用した強化触媒とを用いた、メタノールのCOへの完全燃焼を比較したグラフであり、反応温度が約90℃低下している。結果を生成するための実験は、毎分50mLの流量のヘリウム中メタノール7.5mol%と酸素22mol%の反応条件下で行われた。 図16は市販の1w%Pt/Al触媒と、ある実施形態に従って調製した同じ装填量のNP−1w%Pdを使用した強化触媒とを用いた、メタノールのCOへの完全燃焼を比較したグラフであり、反応温度が約55℃低下している。結果を生成するための実験は、毎分50mLの流量のヘリウム中メタノール7.5mol%と酸素22mol%の反応条件下で行われた。 図17は市販の1w%Pt/Al触媒と、ある実施形態に従って調製したPtの量を低減した強化触媒−0.5%Pt/Alとを用いた、メタノールのCOへの完全燃焼を比較したグラフであり、NP装填量が半分であっても約50℃の反応温度の低下を示している。結果を生成するための実験は、毎分50mLの流量のヘリウム中メタノール7.5mol%と酸素22mol%の反応条件下で行われた。 図18は市販の1w%Pt/Al触媒と、ある実施形態に従って調製したPtの量を低減した強化触媒−0.05%Pt/Alとを用いた、メタノールのCOへの完全燃焼を比較したグラフであり、NP装填量を95%低減して約25℃の反応温度の低下を示している。結果を生成するための実験は、毎分50mLの流量のヘリウム中メタノール7.5mol%と酸素22mol%の反応条件下で行われた。 図19は市販の1w%Pd/Al触媒と、ある実施形態に従って調製したPtの量を低減した強化触媒−0.1%Pd/Alとを用いた、メタノールのCOへの完全燃焼を比較したグラフであり、NP装填量を90%低減して約60℃の反応温度の低下を示している。結果を生成するための実験は、毎分50mLの流量のヘリウム中メタノール7.5mol%と酸素22mol%の反応条件下で行われた。 図20は市販の1w%Pt/Al触媒と、ある実施形態に従って調製したPtの量を低減した強化触媒−0.1%Pt/Alとを用いた、トルエンのCOへの完全燃焼を比較したグラフであり、NP装填量を90%低減して約30℃の反応温度の低下を示している。結果を生成するための実験は、毎分50mLの流量のヘリウム中トルエン0.35mol%と酸素22mol%の反応条件下で行われた。 図21はある実施形態に従って、テンプレート化されたコロイドが熱処理(図D)対化学的溶解(図E)によって除去される時の、コロイドテンプレート化された多孔質シリカの触媒性能を二元金属AuAgナノ粒子と比較する概略図およびグラフである。図Aは、ある実施形態に従って、メタノールのギ酸メチル(MF、四角)および二酸化炭素(CO、円)への変換と、熱除去されたテンプレートコロイドを使用したギ酸メチル(ひし形)の選択性を示している。図Bは、ある実施形態に従って、テンプレートコロイドの化学的溶解を使用して調製されたサンプルに相当する。図Cは、ある実施形態に従って、テンプレートコロイドの化学的溶解とそれに続く材料の熱処理を使用して調製されたサンプルに相当する。図A〜Cに示されている結果を生成するための実験は、423Kで毎分50mLの流量のヘリウム中メタノール6mol%と酸素22mol%の反応条件下で行われた。すべてのサンプルには10w%の金属NPが含まれている。 図22はある実施形態に従って調製された二元金属AuPdナノ粒子で装飾された多孔質シリカを含む触媒を使用した、メタノールからギ酸メチルへの変換を比較するグラフである。黒四角はテンプレートコロイドの存在下での熱処理を使用して調製されたサンプルに相当し(図21の図D)、白四角はテンプレートコロイドの化学的溶解とそれに続く触媒材料の熱処理を使用して調製されたサンプルに相当する。結果を生成するための実験は、150℃で毎分50mLの流量のヘリウム中6mol%のメタノールと22mol%の酸素の反応条件下で行われた。 図23はある実施形態による、触媒材料および結果の概略図および図解である。図Aは、マトリックスに完全に埋め込まれ、触媒反応に利用できない大きなNP群をもたらす共集合手法を使用する触媒材料の形成を示す概略図である。図Bは、図Aに示した実施形態を使用して調製された二元金属AuAgナノ粒子を有する多孔質シリカを含む触媒を使用した、ギ酸メチル(MF、交差四角)および二酸化炭素(CO2、交差円)へのメタノールの変換とギ酸メチル(交差ひし形)の選択性を示している。結果を生成するための実験は、150℃で毎分50mLの流量のヘリウム中メタノール6mol%と酸素22mol%の反応条件下で行われた。 ある実施形態による、触媒材料および結果の概略図、画像、およびグラフである。図AはNPが均一に分布されておらず、ある実施形態に従って材料が触媒活性を低下させている非テンプレート化手法を使用した触媒材料の形成を示す概略図、画像、およびグラフである。図Bは、ある実施形態による、図2に示されるテンプレート手法を使用する触媒材料の形成を示す概略図、画像、およびグラフであり、NPが均一に分布しており、材料は図Aに示される結果と比較して大幅に強化された触媒活性を示す。 図25は、ある実施形態に従って図2に示されているテンプレート手法によって作成された触媒材料の異なる後修飾オプションを示す様々な例示的な概略図および対応する実験データの組み合わせを示す。 図26はある実施形態による、異なる巨視的フォーマットでの触媒材料の概略図および対応するSEMを示す。 図27はある実施形態による、テンプレートとして異なるタイプの装飾コロイドを用いた相互接続された多孔質触媒微細構造のSEM、TEMおよび元素組成マッピング画像ならびに概略図である。 図28はある実施形態による、イオンとテンプレートコロイドのキャッピング配位子とのin−situ会合による遷移金属塩の組み込み、およびそれらの集合体の概略図、画像、およびグラフィックによる結果である。 図29はある実施形態による、例えば、テンプレートコロイドを装飾するNPのサイズを変えることによって達成された、制御された細孔分布の無秩序の概略図および対応するSEMおよびFFT分析である。 図30はある実施形態による、集合体混合物中のポリエチレングリコール(PEG)でキャッピングされたテンプレートコロイドおよび異なる濃度のCo(NOを用いた、イオンによって誘導されたシリカIOにおける制御された無秩序の概略図および対応するSEMおよびFFT分析である。 図31はある実施形態による、図2に示されるテンプレート手法を使用して異なる金属酸化物(MOx)から薄膜およびフォトニックボール(PB)フォーマットで調製された材料を絵で表した例である。 図32はある実施形態による、ハイブリッドシリカ−チタニア逆オパールのSEM、STEMおよび顕微鏡写真画像である。 図33はある実施形態による、異なる金属酸化物で形成された触媒材料のSEM画像、EDSスキャン、および概略図である。 図34はある実施形態による、チタニアから調製され、白金NPで装飾されたコロイドによってテンプレート化された光触媒PBの模式図(A)、メチレンブルーの分解の表面積標準加速度定数のグラフ(B)、およびSEM画像(広視野−C、高倍率−D)である。図Dの差し込み図は、ある実施形態に従ってチタニア壁に部分的に埋め込まれたPtNPを示すTEM画像である。 図35はある実施形態による、例示的な自由度を組み込んだ触媒システム設計3500の概略図である。 図36はある実施形態による、設計に触媒活性コーティングを組み込むことによって室内空気浄化に使用できる強制空気循環および/または発熱素子を備えた装置のタイプの例示的で非限定的なリストの概略描写である。 図37はある実施形態に従って作成され、HVACシステムで利用される触媒塗料の空気浄化作用の概略図(上)およびそのような触媒塗料を塗布できるHVACシステムの表面の非限定的な例(下)である。 図38の図A〜Cは、ある実施形態による、触媒多孔質テンプレート材料での既存の多孔質巨視的基材のコーティングを介して得られる階層的多孔質材料の一連の概略図である。 図39は巨視的に多孔質の基材(例えば、コージライト、ポリウレタンまたは他の高分子発泡体、炭素系多孔質基材、および金属基材)へのコーティングの形態である実施形態に記載される触媒多孔質材料の適用を介して階層的多孔質触媒材料を製造する方法の略図である。 図40はある実施形態による、本明細書に記載の触媒多孔質テンプレート材料でのコージライト基材のコーティングによって得られた例示的な触媒階層多孔質材料の画像である。図Aは、ある実施形態によるコージライトの巨視的サンプルであり、図Bは、ある実施形態によるPt/SiO、Pd/SiO、およびPt/Alのコーティングを含むサンプルの一連のSEM画像である。 図41はある実施形態による、本明細書に記載の触媒多孔質テンプレート材料でのポリウレタン基材のコーティングによって得られた例示的な触媒階層多孔質材料を示す画像である。図Aは、ある実施形態による、Au/SiOでコーティングされたポリウレタンフォームの巨視的なサンプルであり、図Bは、同じサンプルの一連のSEM画像である。 図42はある実施形態による、本明細書で説明される触媒多孔質テンプレート材料での導電性基材のコーティングによって得られた例示的な触媒多孔質材料を示す画像である。例としては、金属(FeCrAl)基材上のコーティング、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材上にコーティングされたインジウムスズ酸化物、およびカーボン紙が挙げられる。 図43はある実施形態による、コージライト基材上にコーティングされた本明細書に開示されるPt/Al触媒材料を用いて得られた、メタノールおよびイソプロパノールのCOおよび水への完全酸化の実験結果の例である。 図44はある実施形態による、コージライト基材上にコーティングされた本明細書に開示されるPt/Al触媒材料を用いて得られた、メタノールおよびイソプロパノールのCOおよび水への完全酸化の実験結果の例である。 図45はある実施形態による、コージライト基材上にコーティングされた本明細書に開示されるPt/Al触媒材料を用いて得られた、メタノールおよびイソプロパノールのCOおよび水への完全酸化の実験結果の例である。
高度に進んだ触媒系の設計は例えば、エネルギーを発生する、汚染を処理する、および農業、建設、医薬、化学および製薬産業および輸送を含む広範囲の分野用の未加工および微細化学製品を生産するための持続的な方法を開発するために重要である。例えば、触媒は、ガソリン、ジェットおよびディーゼル燃料、灯油、メタン、再生可能な(例えば、バイオマス)および再生不可能な供給源(天然ガス、石炭およびオイルシェール)からの燃料などの合成燃料(シン燃料)の製造において使用される。触媒プロセスの例には石炭および天然ガス液化、水素化、脱水素化、シンガス合成、フィッシャートロプシュプロセス、メタノール合成、アンモニア合成、二酸化硫黄酸化、アンモニア酸化、テレフタル酸の合成、および油抽出プロセス(例えば、水素化熱分解およびフラッキング)が挙げられる。触媒は触媒部分酸化、水蒸気修飾、再生可能な燃料の修飾、電解プロセス、および光電気化学的な水の分解などの方法を使用する水素の合成における重要な要素である。触媒は流体接触分解、水素化分解、水素化処理、アルキル化、異性化および触媒修飾のようなプロセスにおいて、ポリマー合成、精製およびリサイクル産業で広く使用されている。触媒はエネルギー変換(燃料電池)、グリーンプロセス(化学物質、織物および皮革、パルプおよび紙、ならびに食品加工)および空気および水質汚濁改善用途(例えば、発電プラントおよび自動車からの排出物の処理)において使用される。ある実施形態では本明細書中に開示された触媒材料はこれらの用途のいずれかにおいて使用できる。
このような様々な用途および設定のための触媒反応の最適化は依然として最も困難な現代技術および科学的目標の1つのままである。これは関係する様々な触媒および担持材料、それらの可変性能、入手可能性、寿命、コスト寄与、リサイクル性、および、廃棄処理コストなどの多くの理由のためである。典型的な触媒技術は多くの欠点を有する。例えば、それらは高い作動温度(典型的には100〜800℃)と組み合わさって、例えば、白金族金属、いわゆる白金族金属(PGMS)(Pd、Rh、Ir、RuおよびOs)のような高価な触媒の比較的高装填を必要とすることが多い。これら触媒の選択性効率、安定性および寿命は、最適ではなく、改良されることが望ましい。多くの触媒技術は供給原料制限、エネルギーコストおよび環境問題が現在の条件と異なっていた時点で開発された。
多孔質構造体への金属ナノ粒子(NPS)の組み込むことで、光学、センシング、および触媒特性などのある一定の所望の特性を導入することができる。触媒固定化のための方法としては、予備形成されたナノ粒子の付着、基材上への金属前駆体の堆積、その後のNPの形成を導く還元ステップ、および触媒性NPおよびその支持マトリックスのワンポット同時合成が挙げられる。しかしながら1つのパラメータを制御することは、他のパラメータに対する制御を犠牲にすることになることが多い。以下で検討するように、例えば、金属NPsの吸着または堆積により使用される予備アセンブリされた多孔質基材に触媒粒子を注入することできわめて利用しやすい触媒部位を生じるが、NPは、緩く結合しており、特に高温触媒反応において多くの場合不安定で、それらの焼結および融合を引き起こす。他の方法では、金属が相互接続された構造体の空気/固体界面にのみまたは主に存在する多孔質基材を生じる。
以下の利点を提供することができる触媒は、ある実施形態において開示される:
1.より高い選択性およびより高い収率によって製造業者が廃棄物およびエネルギー消費を低減することを可能にし、供給原料コストを最小化するか、または、新しい供給原料との置き換えを容易にする。
2.より明確な構造/機能の関係は触媒性能測定基準をより良く予測し制御し、新しい製品およびプロセスの市場までの時間を短縮することを可能にする。
3.汚染および汚染低減コストを最小限に抑える。
4.分離回収およびリサイクルの改善。
5.高価な触媒、例えば白金族金属、の装填を低減するまたはより豊富な元素で置き換える。
6.反応条件下での長期安定性の改善。
7.より低い温度および圧力で作動する能力はエネルギー節約につながる。
8.触媒毒性を制御し、結果として触媒を失活させる能力。
9.一般的に触媒の失活および寿命の低下につながる触媒粒子の焼結および凝集を最小限にする。
ある実施形態では、効率、選択性、動作温度、粒子不活性化、熱的および機械的安定性、触媒充填量の改善を検討する。さらにある実施形態では、活性部位は、熱または光の物質移行、反応カップリング、伝導または、散逸を制御するように設計されたマルチスケール多機能材料下部構造に組み込むことができ、とりわけ反応条件下で長期安定性を提供する。さらに工業的にうまく利用するために、ある実施形態では、触媒材料は、例えば、基材上に担持されるかまたは媒体中に分散されているかにかかわらず、経済的な材料使用およびより大きなシステムへの組み込みを容易にするフォーマットで、測定可能な方法によって作製することができる。ゼオライト、炭素系システム、および金属有機骨格などのある種の多孔質構造は、大きな反応表面積を提供し、設計された物質移行を可能にするが、多くの他の因子は、合成的に制御することが困難である。本分野を根本的に前進させるために本明細書で開示されるのは、バルクマトリックス上の1つまたは複数のタイプの活性部位の分布、細孔/チャネルの形状、それらのサイズ、配置および接続性、ならびにシステムの機械的および光学的特性など、多数の材料特徴の役割を調整するための総合的な合成戦略である。
ある実施形態では、触媒構造を形成するために使用される異なる手法としては、触媒担体を活性触媒前駆体(例えば、スラリーとして)と直接組み合わせること、または、触媒を予備形成された担体構造中に注入することを挙げることができる。本開示はメソスケールエンティティに局所的に配置できるナノスケールの活性部位を提供し、そしてマトリックス内のメソスケール粒子の自己組織化によって、触媒部位の正確に構造化されたネットワークを含む多様な巨視的階層構造の形成をさらに媒介できる。
ある実施形態では、例えば、ポリマーコロイドおよび/または繊維(例えば、約10nm〜100ミクロンの範囲内の寸法を有する)などの表面に触媒が付着したメソスケールテンプレート材料を、金属酸化物マトリックス前駆体と共集合し、テンプレート犠牲材料を除去すると正確に配置された触媒を有するチャネルまたは、細孔の高度に相互接続されたネットワークが得られる。用語「チャネルの相互接続されたネットワーク」「相互接続された多孔質ネットワーク」および「細孔の相互接続されたネットワーク」は、この説明において交換可能に使用され、反応物の導管として3次元的に接続された空間を意味する。加えて本明細書で説明するように、用語「細孔」および「チャネル」は交換可能に使用され(例えば、「細孔」の使用は「チャネル」の使用のことも指す)、そして細孔はまた具体的には逆オパール構造を指す。いくつかの実施形態では、この戦略によって反応性成分、マトリックスおよびテンプレート特性の独立仕様を可能になり、触媒材料の物理的、化学的、および構造上の特性(例えば、組成、表面積、多孔度、相互接続性、およびねじれ)を、分子からナノメートルおよびマイクロメートルスケールまで、および最終的には巨視的(例えば、10ミクロン以上)の複数の長さスケールで半独立的に設計することができる。これらのパラメータおよび得られる触媒構造の例示的な機能的利点のそれぞれの寄与は本明細書中のある実施形態において記載される。
ある実施形態では3次元多孔質構造は、様々な構造、例えば、逆オパール、ジャイロイド、ダブルジャイロイド、リノカーンログ構造、スポンジ構造、繊維の集合体から得られる構造、不規則な任意物体、これらの組合せなどを有し得る。ある実施形態では、3次元多孔質構造は、高度に秩序化され、部分的に無秩序化され得る。ある実施形態では、3次元多孔質構造は、高度に秩序化されかつ部分的に無秩序化された逆オパール構造を有する。ある実施形態では、3次元多孔質構造は、高度に秩序化されかつ部分的に無秩序化されたジャイロイド構造を有する。ある実施形態では、3次元多孔質構造は、高度に秩序化されかつ部分的に無秩序化された二重ジャイロイド構造を有する。ある実施形態では3次元多孔質構造体は、高度に秩序化されかつ部分的に無秩序化された、リンカーン・ログ構造を有する。
この原理から、ある実施形態では、本明細書に開示されるのは、例えば、図35に示すように、使用される多数の自由度を有する、階層的な有機−無機触媒構造のための汎用的な合成フレームワークである。図35に示すように、ある実施形態では、構造および組成の自由度は、高度な触媒を設計するための開示された方法論によって提供される。ある実施形態では、システムは、所望の機能構造を作り出すために、分子スケール(表面修飾およびマトリックス組成)からナノスケール(触媒ナノ粒子およびマトリックスドーパントの組成、サイズおよび配置)、マイクロスケール(細孔サイズ、形状および接続性)およびマクロスケール(全体的な形状および巨視的パターン)まで細かく調整される。例えば、本明細書に開示されるは、所望の機能的構造を達成するための、マトリックス組成、マトリックスドーパント、細孔サイズ、細孔形状、細孔接続性、細孔配置、細孔秩序、細孔表面修飾、ナノ粒子サイズ、ナノ粒子組成、ナノ粒子充填、およびナノ粒子配置をなどの1つまたは複数の自由度を選択するための触媒系設計3500である。
本明細書で開示されているように、セクションIは、ある実施形態による触媒ナノ粒子とマトリックスとの間、触媒ナノ粒子とチャネルまたは細孔のネットワークとの間、およびマトリックスとチャネルまたは細孔のネットワークの界面の特性を記載する。セクションIIはある実施形態による界面の形態および化学を制御する例示的な方法を記載する。セクションIIIはある実施形態による、触媒材料の例示的な適用を記載する。セクションIVはある実施形態で使用することができる様々な材料を記載する。ある実施形態では、各セクションの開示は、他のセクションが開示する教示と組み合わせて、組み合わせまたは追加の機能性を有する追加の多孔質触媒構造体を生成することができる。非限定的な例により、セクションIVの材料を用いてセクションI〜IIIに開示される実施形態を作製することができ、または、セクションIIおよびIIIの方法および概念を用いてセクションIの実施形態を作製することができる。
I.強化された触媒材料の設計上の特徴
種々の実施形態では、以下に開示される特徴は、単独で、または、本明細書中に開示される他の特徴を有する組み合わせで含まれ得る。
ある実施形態では、本明細書に開示され、図1Aに概略的に示されるのは、マトリックス材料102とチャネル103の相互接続されたネットワークとの界面に触媒ナノ粒子(NPS)が戦略的に配置された、強化された触媒構造100の設計のための汎用的な合成フレームワークである。いくつかの実施形態ではNPは、マトリックス材料に、または、マトリックス材料内に、部分的に埋め込まれた、定着した、染み込んだ、または彫り込まれたとして記載される。本出願の目的のためにこれらの用語は、互換的に使用されることを意味し、それらの意図された意味を定量化測定基準と共に以下に記載する。本発明のある実施形態で明らかにされるように、触媒性NPのこのような部分的な埋め込みは、例えば、(i)凝集および焼結に対する並外れた機械的安定性、触媒の活性および寿命の向上、(ii)特に高温反応条件下での例外的な熱安定性を提供し、かつ(iii)ある実施形態では、それらのマトリックスとの化学的性質の調節による触媒性能の強化、および追加の共触媒種の形成とも関連する。
マトリックス材料にまたはマトリックス材料内に、部分的に埋め込まれた、定着した、染み込んだ、または彫り込まれた粒子は、マトリックスの隣接する表面に関して、NP104の近位部と呼ばれるそのある部分がマトリックス材料102によって包まれて、NPとマトリックスとの間に近位界面106を形成し、一方NP105の遠位部と呼ばれる残りの部分は、マトリックスによって包まれず、チャネル103に露出され、NPとチャネルとの間に遠位界面108を形成するような方法で存在する。2つの界面は交差しいくつかの実施形態では「円周」、「赤道」、「外周」、「三相接触線」、「ナノ粒子円周のマトリックス−チャネル界面」と呼ばれるNP−マトリックス材料−チャネル間の三元界面107を形成する。「部分的に埋め込まれた」という用語はナノ粒子の近位または埋め込まれた部分104の深さとナノ粒子105の遠位または露出された部分の深さとの間にある一定の有限比が存在することを意味することを意図する。これらの注釈は図1Bを参照することによって説明され、この図は異なる形状のナノ粒子100の実施形態の数個のあり得る例示的な配置を示している(図1Bの触媒材料100は、例えば、図Bのナノ粒子は図1Aの未標識の触媒材料100と同様の構造を有し、例えば、図1Bのナノ粒子は、対応する近位部分104、遠位部分105、近位界面106、円周107、および遠位界面108を有する)。ある実施形態では、埋め込まれた粒子の近位界面は、NP−マトリックス付着が連続的、コンフォーマル、または非連続的であり、まばらに存在して、滑らかで、湾曲し、ファセット状、粗面の、またはでこぼこであり得る。円周、赤道、外周、ナノ粒子円周における三相接触線マトリックス−チャネル界面という用語は、例えば、球形、楕円体、細長い、棒状、ファセット状、多面体、任意に湾曲した形状、でこぼこ状、ギザギザの輪郭を有するもの、上記の間にあるあるもの、およびこれらのいずれかの組み合わせを含むNPのあり得る形状のいずれか1つに適用可能であることを意図するものであり、球状ナノ粒子だけではない。
本出願の目的のために、マトリックス材料中へのNPのこうした部分的埋め込み、定着、または彫り込みの絶対深さは、図1Bの実施形態に示すように、ナノ粒子円周におけるマトリックス−チャネル界面のレベルとナノ粒子の近位部分の最深点に対応するレベルとの間の距離によって特徴付けられる。さらに埋め込みの程度はP:D比と呼ばれる、図1B(近位界面120の最深点および円周121の平面で描かれている)にPとして示されるナノ粒子の近位部分の深さと、図1B(遠位界面の最も遠い点122および円周の平面によって描かれる)にDとして示されるナノ粒子の遠位部分の高さとの比によって規定される。P:D比は広範囲に変化することができ、ある実施形態では、本明細書中に記載される強化された触媒活性をもたらすマトリックスへのナノ粒子の有意な付着を達成するために、触媒材料の1原子層以上がマトリックス材料中に埋め込まれている。ある実施形態のP:D比を以下に説明する。
ある実施形態では、P:D比の下限は触媒ナノ粒子に典型的なサイズ範囲を網羅する1nm〜20nmの直径を有する球状金ナノ粒子に推定される。金の1原子層以上(144pmのAu原子の金属半径に基づいて、約0.288nm)がマトリックス材料中に埋め込まれるべきであるという上記の仮定の下で、直径d=1nm〜d=20nmの球形金ナノ粒子について計算されたP:D比の下限は約29%〜約1.4%である。
ある実施形態では、P:D比の下限は、触媒ナノ粒子について典型的なサイズ範囲を網羅する1nm〜20nmの辺を有する立方体形状の金ナノ粒子についても推定される。上記の仮定では金の1原子層以上(144pmのAu原子の金属半に基づいて約0.288nm)以上がマトリックス中に埋め込まれるべきであるという上記仮定の下で、d=1nm〜d=20nmの辺を有し、これらの面に平行に埋め込まれた立方体金ナノ粒子について計算されたP:D比の下限は、同じ値すなわち約29%〜約1.4%という結果になる。
ある実施形態では、P:D比の下限は、触媒ナノ粒子について典型的なサイズ範囲を網羅するマトリックス界面に対して垂直に配向し、かつ触媒ナノロッドに典型的なサイズ範囲を網羅する10nm長さ、20nm長さおよび50nm長さを有するロッド状金ナノ粒子についても推定される。金の1原子層(144pmのAu原子の金属半径に基づいて約0.288nm)以上がマトリックス中に埋め込まれるべきであるという上記仮定の下で、これらの棒状金ナノ粒子について計算されたP:D比の下限は、約2.9%および約1.4%、および約0.6%という結果になる。
当業者にとって、同様の計算および推定をNPの異なる物質、ナノ粒子の異なる形状、マトリックス中に埋め込まれたナノ粒子の円周の平面に対するそれらの異なる配向、ならびにそれらの近位および遠位部分の体積の比について行うことができることは明らかなはずである。ある実施形態では、完全に粒子が包み込まれるのを回避し、本発明に記載の多孔質ネットワークに露出される触媒NPを有する強化触媒を形成するために、触媒活性材料の少なくとも1原子層は、チャネルに露出されるべきであるので、上記の下限推定に使用される方法は、より高い埋め込み限界に等しく当てはまる。
本明細書に記載される有益な結果を達成するために、ある実施形態において、触媒NPの近位部分は、0.5%〜99.5%の間で変化することができ、触媒NPの露出した遠位部分は、99.5%〜0.5%の間で変化することができる。より具体的には、ある実施形態では、P:D比としては、本明細書で定義されるように、0.5:99.5;1:99;2:98;3:97;4:96;5:95;6:94;7:93;8:92;9:91;10:90;20:80;30:70;40:60;50:50;60:40;70:30;80:20;90:10;91:9;92:2;93:7;94:6;95:5;96:4;97:3;98:2;99:1;および99.5:0.5が挙げられる。
ある実施形態では、同じ触媒材料中の異なるNPについてのP:D比は、様々なP:Dカテゴリーにかなりの数のNP、特に高い埋め込み比を有するものが存在して(図8に示すように)高い機械的および熱的安定性を確保するように変化し得る。例えば、図8は、マトリックス材料803内に埋め込まれ、チャネル801に露出されたナノ粒子802を示す。ナノ粒子は円周820、近位界面805、および遠位界面806を有する。触媒材料はまたマトリックス/チャネル界面804を有する。ある実施形態では、ナノ粒子は、様々な度合いで埋め込まれている。ある実施形態では、露出される触媒材料の量を最大にするために、かなりの割合のナノ粒子(例えば、50%を超える)がほんのわずかだけ埋め込まれて(即ち、低いP:D比を有する)のが望ましい。この実施形態ではナノ粒子は、マトリックス材料中に埋め込まれているとは見なされない。ナノ粒子の例を図8のAおよびDに示す。ある実施形態では、触媒材料の機械的および熱的安定性を最大にするために、かなりの割合のナノ粒子(例えば、ある実施形態によれば、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%を超える)を有意に埋め込むこと(即ち、高いP:D比を有すること)が望ましい。ナノ粒子の例を図8のCおよびE〜Fに示す。ある実施形態では、触媒作用の高い機械的熱安定性および高い露出度の触媒材料の両方を達成するために、実質的に等しい近位および遠位部分を有する(即ち、約1のP:D比を有する)ナノ粒子を有意な割合(例えば、50%を超える)で有することが望ましい。ナノ粒子の例を図8のBに示す。本明細書に開示されるシステムおよび方法は例えば、例えば、単に軽く表面に接触しているだけでなく、マトリックス材料中に埋め込まれた有意な量のナノ粒子を生成可能であることが見出された。
ある実施形態では、触媒ナノ粒子は、金属、遷移金属、主族金属、金属酸化物、混合金属酸化物、主系列と遷移系列の両方からの第I、第II、第III、第IV、第V、第VI、第VII、第VIII族、または別の命名法の第1〜16族からの任意の1つまたは複数の金属、主系列と遷移系列の両方からの第I、第II、第III、第IV、第V、第VI、第VII、第VIII族、または別の命名法の第1〜16族からの任意の1つまたは複数の金属酸化物、オキソメタレート、金属硫化物、金属プニクチド、金属炭化物、二金属塩、金属錯体塩、有機酸の金属塩、無機酸の金属塩、錯酸の金属塩、塩基、酸、金属合金、多金属種、金属間化合物、非化学量論的相、有機金属化合物、配位化合物、1つまたは複数の白金族金属、1つまたは複数の白金族金属酸化物、炭素、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、銀、金、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム、酸化オスミウム、酸化イリジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化金、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウム、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、希土類金属酸化物、単結晶多形またはいくつかの多形の前記の任意の種、特定の結晶面を前記チャネルに提示する前記の任意の種、非結晶形態の前記の任意の種、およびそれらの組み合わせを含む。
ある実施形態では、機能性および/または触媒種を有する複数種の触媒ナノ粒子を特徴とする錯体触媒材料、およびその形成方法が記載される。材料には3次元多孔質構造の支持マトリックス内に部分的に埋め込まれた触媒ナノ粒子(NPS)を含む。ある実施形態では、NPは相互接続されたテンプレート成分の相互接続されたネットワークの助けを借りて組み込まれる。NPは複合前駆体を処理するプロセスにおいて独特の非対称条件を受ける。ある実施形態では、この非常に特異的な局所的化学環境が与えられて、処理(例えば、酸素、他のガス等下で、熱、光学、マイクロ波、プラズマおよび化学)を行うと、NP−マトリックス、NP−細孔およびマトリックス細孔−界面における機能的(例えば、触媒または、共触媒)に関連する化学および構造的/形態学的種または特徴の形成をもたらすことができる。未処理材料と比較して、処理されたまたは最終材料は強化された特性を特徴とする。
ある実施形態では最終触媒材料は、以下の1つまたは複数に特徴付けられる:
−支持マトリックス内にNPを部分的に埋め込むことから生じる強い粒子の固着に起因する機械的および熱的安定性および粒子の凝集および拡散からの保護が増大する。
−さらなる機械的および熱的強化および粒子凝集および拡散からの保護は、処理によるナノ粒子とマトリックスとの近位界面における化学結合(例えば、金属酸化物、金属ケイ酸塩、合金など)の形成に起因して生じる。
−主にNP−マトリックス界面における触媒的に関連するイオン種(すなわちイオンおよびラジカル、例えば、Ag(II)、Au(III)、Pd(II、IV)、Pt(II、IV)の形成。
−(例えば、有機金属NPs、有機金属または、酸化物相を含む)相互接続されたテンプレート成分の不完全な除去または化学転換に起因する、マトリックス−細孔界面における、触媒(または、共触媒)活性種(例えば、炭素または、多環式/重縮合した炭素リッチな種)の処理により誘導された堆積。
−複合テンプレート材料の燃焼に起因する主にナノ粒子−細孔界面における触媒(または、共触媒)活性種(例えば、金属酸化物、金属または、金属酸化物ナノ粒子)の処理により誘導された堆積。
−処理により誘導された主に界面での特定の種の存在および/またはそのような転換を促進する温度勾配から生じる(例えば、多金属NPの場合に異なる金属原子の不均一な分布を得るための)NP内容物の再分布。
−例えば異なる界面における特異的および非対称的化学条件、熱的勾配等に起因する、担持されたNPsの形状の処理により誘導された修飾(例えば、ファセットの形成、粗面化、および伸長)。
−主に近位NP−マトリックス界面およびマトリックス−テンプレート成分界面におけるマトリックス材料内での異なる触媒的に関連する相変化の形成。
−NPs自身の多孔性の出現または変化。
−および近位、遠位およびマトリックス−チャネル界面で生じる他の化学的構造的および機械的変換。
触媒材料の固着、化学的および機械的結合および触媒材料中の変化および追加の触媒種の出現によって、触媒性能の前例のない改良をもたらし、それには以下の1つまたは複数挙げられるが、これらに限定されない。より具体的な特徴を以下に説明する。
いくつかの実施形態では、最終材料は、例えば、図1に示すように、支持マトリックス内にNPが部分的に埋め込まれているため、機械的および熱的安定性が向上することを特徴とする。いくつかの実施形態では最終材料は、図10に示す実施例に示すように、基材(例えば、マトリックス材料)への増加した接着性を特徴するので、早期触媒失活または、活性低下を引き起こすであろう移動、凝集および焼結に対する安定性を特徴とする。特に図10は、ある実施形態に従って、予め形成されたきれいなIO(1001〜1006)中で成長した金ナノ粒子と、ナノ粒子修飾したテンプレート手法(1007〜1012)を使用してシリカIO中に組み込まれたものとの熱安定性の比較を描写している。1001は熱処理前の表面上に成長させた金ナノ粒子を有するシリカIOのSEM画像を概略図1002と共に示す。1003は図1001で示すIOの断片のTEM像を示す。その段階での粒径は9±3nmである。1004は600℃の熱処理後の1001で示すIOのSEM画像を概略図1005と共に示す。この段階での平均粒径は熱処理後のIO断片のTEM像1006に示すように、28±9nm(>200%増加)である。触媒粒子のサイズが大きくなるとその活性が著しく低下するので、得られる(従来の)触媒は、粒子が熱処理時に拡散し、成長するにつれて、連続的に減少した活性を示す。逆にある実施形態によれば、1007はある実施形態によって、金ナノ粒子(5±1nm)で修飾されたポリスチレンコロイドから成るNP装飾された粒子のTEM像を、概略図1008と共に示す。1009はある実施形態に従って1007に示すコロイドを用いて作成されたIOのSEM画像を、概略図1010と共に示す。1011は、1009で示すIOのTEM像を示し、600℃((6±1、約20%の増加)でのか焼後の金ナノ粒子直径のわずかな変化を概略図1012と共に示す。増殖がないことは触媒の熱安定性およびその長期機能が高度に強化された熱安定性をもたらすであろう。このような結果を例えば、図12〜13で明らかにする。
組み込まれたナノ粒子の熱安定性は触媒装置(例えば、触媒コンバータ、修飾装置、または、燃料電池)の運転条件および使用可能な寿命の限界に影響を及ぼすので、実際的な重要性が高い。本明細書に記載の触媒は高温での拡散および焼結からのNPの顕著な安定化をもたらす系の非限定的な例である。異なる反応条件および異なる触媒について安定化効果は、異なる大きさを有することができる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子成長は、従来の系と比較して1〜2%、2〜5%、5〜10%、10〜20%、20〜40%、および40%を超える増加を構成でき、一方、同じ条件では、対応する従来の触媒のナノ粒子のサイズの増加は、5〜10%、10〜20%、20〜30%、40〜60%、60〜80%、80〜100%、および100%を超える量に相当する。
いくつかの実施形態では最終材料は、例えば、図3に概略的に示すようにナノ粒子とマトリックスとの間の処理により誘導された化学結合の形成に起因するさらなる機械的補強または強化によって特徴付けられる。非限定的な例として、種々のマトリックス材料中に埋め込まれた金属触媒ナノ粒子については、本明細書中で記載される熱処理によって、金属酸化物、金属ケイ酸塩、金属アルミン酸塩を形成することができ、またはより一般的には、ナノ粒子の近位部分がマトリックスとの界面で、共有相互作用、イオン結合、酸化物、混合酸化物、オキソメタレート、アルミン酸塩、混合アルミン酸塩、ケイ酸塩、混合ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、チタン酸塩、混合チタン酸塩、スズ酸塩、混合スズ酸塩、硫錫石、混合硫錫石、希土類酸化物、希土類の混合酸化物、炭化物、金属合金、金属間化合物、有機金属化合物、配位化合物、有機化合物、無機化合物、またはそれらの組合せの形成を通じて化学的に結合している。
いくつかの実施形態では、最終材料は、主にナノ粒子−マトリックスおよびナノ粒子−細孔界面で中性または、イオン性のいずれかである触媒的に関連する種の形成によって特徴付けられる(例えば、図3〜6を参照されたい)。非限定的な例として、様々なマトリックス材料中に埋め込まれた金属触媒ナノ粒子については、本明細書中に記載される処理により誘導された変化は、例えば、Ag(II)、Au(III)、Pd(II、IV)、Pt(II、IV)、Rh(I、II、III)、Ru(II、III)のようなイオンおよびラジカルの形成をもたらし得、これらはそれぞれ触媒NPの性能にさらに強化された触媒の利点をもたらすことができる。
いくつかの実施形態では、最終材料は、図6および図2Bに概略的に示すように、相互接続されたテンプレート成分の不完全な除去または、化学的転換から生じる処理により誘導された触媒(または、共触媒)活性種の堆積によって特徴付けられ、それは主にマトリックス−細孔界面に堆積される。非限定的な例として有機犠牲テンプレートの不完全な熱的除去は、ナノ粒子の触媒活性に寄与する炭素または多環式/重縮合した炭素リッチな種の堆積をもたらす。同様に有機金属種を含有する、または金属もしくは金属酸化物相を含浸させた複合テンプレート材料の化学的除去の熱は、マトリックス−細孔界面上の金属または、金属酸化物ナノ粒子、あるいは薄膜の堆積をもたらす。
いくつかの実施形態では、最終材料は、マトリックスおよびテンプレート側の化学的環境の差が、熱処理または化学的処理の際に、組成物中の化学的勾配を生じ、活性種が遠位界面に引き付けられながら、遠位界面および近位界面における異なる種の蓄積および/またはそのような転換を促進する温度勾配をもたらすような、埋め込まれたナノ粒子の環境の異方性によるナノ粒子の含有物または、組成の再分布によって特徴付けられる。非限定的な例として図5の図AおよびCは二元金属または、多金属ナノ粒子の場合の、ナノ粒子内の異なる金属原子の処理により誘導された不均一な分布を示す。
いくつかの実施形態では、最終材料は、図4の図Cに概略的に示すように、ナノ粒子内の多孔性、亀裂、または、チャネルによって特徴付けられる。このような多孔性は、有効なナノ粒子サイズの局所的な減少に起因して触媒活性の強化につながる。触媒ナノ粒子のこのような多孔性の生成または変化のもう1つの結果は反応物質への近位ナノ粒子−マトリックス材料界面の近接容易性であり、従ってさらに出現した触媒活性である。
いくつかの実施形態では、最終材料は、触媒材料の形成中にNPの遠位および近位界面が受ける特定の非対称化学条件、温度勾配等に起因する、担持されたNPの形状(例えば、ファセットの形成、粗面化、および伸長;例示的なシステムが図4に示される)の処理により誘導された変化によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態では、最終材料は、遠位(ナノ粒子−細孔)界面における処理により誘導された外皮またはシェルの形成によって特徴付けられる(図5の図B)。ある実施形態では、このシェルは、残りのNP組成とは異なる1種類の金属から成る。ある実施形態では、このシェルは、残りのNP組成物とは異なる混合シェル(例えば、金属合金)を形成する異なる種類の金属から成る。ある実施形態では、この外皮またはシェルは、(例えば、焼結または材料の蒸発に対する)改良された機械的安定性、(例えば、被毒に対する)化学的安定性、触媒活性および選択性を提供する。
いくつかの実施形態では,最終材料は、近位(NP−マトリックス)界面におけるマトリックス材料内の異なる触媒に関連する相変化の形成によって特徴付けられる(例えば、図3、図ABを参照。)
例えば、図9に示すように、ある実施形態では、異なるナノ粒子を使用して種々の触媒機能性を提供することができる。例えば、図9、図Aは、装飾が施されたテンプレート材料903を作成するために、(図中の異なるパターニングに示すように)異なる種類の触媒NP902でテンプレート材料901を装飾する908プロセスを示す。装飾が施されたテンプレート材料903は自己集合し、マトリックス前駆体904と共に組み込まれ、相互接続された支持マトリックス材料905、触媒NP902がマトリックス材料905に埋め込まれた触媒902を形成する。後形成処理909を行って相互接続されたテンプレート成分906を除去し、支持マトリックス905と、除去された相互接続されたテンプレート材料906から取り残されたチャネル907の相互接続されたネットワークとの界面において支持マトリックス905に埋め込まれた触媒ナノ粒子902を生じる。図BはNP装飾されたコロイド粒子をテンプレート材料として用いたこの手法の2つの具体例を示す。ある実施形態によれば、911は概略図910で表すように、シリカマトリックス材料に埋め込まれた金および白金NPを示す代表的な走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。AuおよびPtNPはマトリックス材料全体にわたって均一に分散し、走査透過電子顕微鏡エネルギー分散型X線分光法(STEM−EDS)元素組成マッピングである912に示すように、同一の細孔/マトリックス界面に含まれる。すなわち複数種のナノ粒子が局在領域内に含まれる。ある実施形態によれば、914は913で概略的に示すように、別個のテンプレート材料に装飾されたAuおよびPtNPを示す代表的な走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。AuおよびPtNPは別個のテンプレート材料に含まれるので、それらは異なる細孔に組み込まれ、STEM−EDS画像915に示すように異なる領域に局在化される。このことは、様々な金属によって触媒されるカップリングおよびコンパートメント化反応に特に関連する。例えば、IOは、図9A〜Bに示すように、異なる細孔内の異なる金属NPまたは単一の細孔内の複数種の金属NPを用いて生成可能である。NPで装飾されたテンプレート粒子および最終的には、その表面に2種類以上のNPを有するIO(図9B、910〜912)によって、単一の孔内で複数の反応を順番に行うことが可能になる。これらの構成は異なる触媒を予め設計された濃度および互いの距離でマトリックス内に分布させることができるので、多段階反応を行うのに特に適している。ある実施形態では、一種類の単一金属から成るNPでそれぞれコーティングされたNP装飾テンプレート粒子群の混合物を使用するある実施形態では、各細孔がそれぞれ1方または他方の種類のNPを含むIOを生成し、隣接する細孔において異なる化学プロセスを同時に実施することが可能になる(図9B、913〜915)。ある実施形態では、細孔および細孔間の開口部の形状は高度に規則的であり、この系における反応種の拡散特性は予測でき、反応順序の設計に用いることができる。
いくつかの実施形態では、処理によってマトリックス、金属組成、巨視的パターン、および反応性並びに流体特性における勾配が変更された多孔質構造を提供する。
II.方法
図2の図Aはある実施形態に従った、2つの相互接続された構造(「支持マトリックス205」および「相互接続されたテンプレート成分203」と名付けられた)間の界面に主に位置する複数の触媒ナノ粒子(触媒NPと名付けられた)202を特徴とする錯体触媒材料の形成方法の概略図を示す。ある実施形態によれば例えば、形成プロセス209によって、相互接続されたテンプレート成分203を除去して相互接続された多孔質ネットワーク207を形成することができる。このプロセスは上述した図9に関して説明したものと同様であり、ある実施形態では、1種または複数種のナノ粒子を含む。図2の図Bは触媒材料を生成する別の実施形態を示し、図2の図Aと同様のプロセスである。ケースBにおいて前駆体211〜将来の触媒ナノ粒子202は、テンプレート材料210内に埋め込まれるか、または、テンプレート材料210の一部であり、本発明は、処理の際に分解して、触媒NP202を形成する。テンプレート材料210は自己集合性であり、マトリックス前駆体204が組み込まれ、ナノ粒子211の前駆体を有する相互接続されたテンプレート成分212がその中に配置された支持マトリックス205を生成する。後形成処理209の間、支持マトリックス202内に部分的に埋め込まれた触媒ナノ粒子202を残して、相互接続されたテンプレート成分212は除去される。
図3の図AおよびDに示すように、ある実施形態によれば、図1Aに示すテンプレート化された多孔質構造を処理して修飾NP−マトリックス界面304として示されるように、触媒ナノ粒子303と「支持マトリックス」301との間の近位界面領域で、または、近位界面領域付近において所望の修飾を提供できる。例えば、ある実施形態によれば、処理により誘導されたNPとマトリックス304との間の化学結合形成により、触媒NPの熱的および機械的堅牢性を強化することができる。いくつかの実施形態では、化学結合は触媒ナノ粒子303と「支持マトリックス」301との間で形成することができる。ある実施形態では、処理によって、近位界面の粗面化と、NPとマトリックス308との間の接触面積の対応する増加とをもたらすことができる。いくつかの実施形態では、ゾル−ゲルマトリックス中のヒドロキシル基の濃度が高いと、触媒NP(例えば、304)を有する多数の金属酸化物(M−O)結合の形成を促進することができる。例えば、二酸化ケイ素マトリックス中のAgNPはか焼時酸化を受け得、Si−O−Ag結合を形成することができる。接触面積および化学結合(共有結合および/またはイオン特性)の形成の結果として、様々な不活性化メカニズム(分解、NPの焼結、および毒性など)に対して(熱的、機械的、および化学的に)高度に安定であり、NPが反応物質に対して非常に接近しやすい状態のシステムを得ることができる。
いくつかの実施形態では、NPとマトリックスとの間の化学結合は共有結合性である。いくつかの実施形態では、NPとマトリックスとの間の化学結合はイオン性である。
図3の図Cはある実施形態による、処理により誘導された電荷(例えば、イオン性)種305および触媒NP303とマトリックス301との間に引力電荷相互作用を有する触媒303の形成を示す。触媒NP303内の酸化および還元種の生成に対する(サブ)ナノスケールにおける局所制御は犠牲材料(このようなテンプレート成分、例えば、203)の除去の物理的(温度およびその上昇)または化学的(燃焼雰囲気、溶解媒体)条件を変化させることにより実施することができる。いくつかの実施形態では、NPがいる固有の非対称「サンドイッチ」環境(すなわち、NPが支持マトリックス301とテンプレート成分、例えばテンプレート成分203との間に「挟まれて」いる)に起因して、異なる荷電種を所定のNP303(または、106との近位界面に近いマトリックス内)上に形成することができる。例えば、触媒NP303が金属で形成されている場合、錯体または、混合酸化物もしくは塩(例えば、ケイ酸塩、チタン酸塩、アルミン酸塩)の形成に起因する金属の局所的酸化により、カチオンを主にマトリックス−NP界面で生成することができ、還元(有機犠牲)種が主にNP−テンプレート成分界面で存在するため、還元金属状態の保持は、主としてNP−細孔界面で維持することができる。荷電種の生成から生じる引力クーロン相互作用の提供に加えて、特定のイオンは、共触媒機能を提供するという利点を有することができる。金属酸化物マトリックス材料中に定着した金属金NPsで触媒を行う非限定的な例として、熱処理およびマトリックスとの化学的相互作用によって金属AuNPによって触媒されるほとんどの化学反応において活性であることが知られているイオン性金種の生成と共にAu3+オキソメタレートを生成することができ、従ってシステムの全体的な触媒活性を改善する。
図6の図Aはある実施形態による、主にマトリックス−細孔および/または、遠位−NP細孔界面における、触媒的に関連する種604および605の堆積を示す。いくつかの実施形態では、堆積は、相互接続されたテンプレート成分(このようなテンプレート成分203)の不完全な燃焼によって生じ得、主にマトリックス−細孔および/またはNP−細孔界面において触媒的に関連する種605の形成につながる。例えば、相互接続されたテンプレート成分(例えば、テンプレート成分203)は部分的にまたは完全に有機ポリマー、生体材料、および無機化合物(例えば、金属および金属酸化物または、ナノ粒子)のような材料で作製することができる。1つの例示的な例として、炭素は、触媒作用または、共触媒作用を実施するために、マトリックス−細孔および/または、NP−細孔界面に堆積することができる。いくつかの実施形態では、堆積物によって連続した層または個別の島を形成することができる。いくつかの実施形態では、(共)触媒活性に加えて、堆積によって、マトリックス601のおよび/またはNP603の表面エネルギーを変化させることができる(例えば、炭素の堆積は表面を疎水性にする)。いくつかの実施形態では、テンプレート構成要素から生じる原子は、マトリックス601および/または、NP603内で拡散し、置換型欠陥を形成することができるので、追加の(共)触媒中心を生成する。ある実施形態では、触媒的に関連する種605は、マトリックス601と相互接続された多孔質ネットワーク602との界面のみをコーティングすることができる。ある実施形態では、触媒的に関連する種605は、細孔602とNPとの界面のみをコーティングすることができる。同様に両方のコーティングモードの組合せは、同じ触媒材料中で行うことができ、結果として触媒活性が修飾されるおよび/または強化される。
ある実施形態では、ナノ粒子を施した犠牲テンプレート材料(例えば、203)は、集合およびマトリックス浸透(例えば、204)が起こる前に、さらに第2材料でコーティングを受けてもよい。このような追加のコーティングの結果として(図6Bに示すように)遠位界面を変化しないままにしてNP−マトリックスチャネル界面および近位NP−マトリックス界面を覆う連続的または非連続的層の形成をもたらす。非限定的な例としてNPで装飾されたテンプレート材料は、チタニアでコーティングされ、次いで、集合し、ゾル−ゲルマトリックス前駆体を浸透させ、シリカマトリックスを形成することができる。このような場合、反応物質はこの二触媒系を利用して触媒NPおよびチタニアに曝露されるが、触媒的に不活性なシリカによって、高価ではなく、作成が容易なバルク基材の利点を提供する。
図5はある実施形態による、NP内容物の触媒活性を変化させるNP内容物503の処理により誘導された再分布を示す。いくつかの実施形態ではNPの異なる側と適合した材料は、その内容物の再分布を誘導することができる。例えば、二または多金属粒子は、均質原子混合(例えば、合金形成)および/または、特定の種類の金属をNPの表面に優先的に再配置するなど、異なる再構成プロセスを受け得る。原子再分布の例を図5の図Cに示している。混合または、相分離の程度は周囲環境、すなわちマトリックス501および/または、相互接続されたテンプレート成分の化学ポテンシャルに依存し得る。さらに部分的化学変化はNPの二または多金属成分の一つまたは複数の成分に影響を及ぼすことができ、例えば、遠位NP−細孔界面における1種または複数種の金属酸化物でできた「外皮」の形成につながる。いくつかの実施形態ではNPの組成の変化が起こり得る。例えば、二元金属AuAgNPでは、Ag原子は、NPの表面に拡散し、Au内に原子的に分布することができる。この挙動は触媒選択的酸化反応における金の活性を劇的に増加させる。
図4および図11はある実施形態による、概略的および実験に基づいて認められた処理によるNP401の形状および/または形態の変化を示す。いくつかの実施形態では、非対称化学環境は、図4の図Aに示すように、例えば、表面を粗面化すること404によって使用されるNP401の表面形態の変化を発成させることができる。例えば、吸着質により誘導された表面再構成(ここで、吸着質種は、処理プロセス中にテンプレート成分から生じ得る)は、NP401およびマトリックス402の格子間の界面歪みと組み合わさって、粗面404(図4の図A)および(図4のBに示すように)新たなファセット405の出現として表面トポグラフィーのこのような変化につながる粒子内物質移動を引き起こし得る。このような遷移の例を図11に示す。非対称化学環境の効果は図11の図D、EおよびFで明確に見ることができ、NPは図A,B、およびCにそれぞれ示す合成されたナノ粒子と比較して、近位界面では球形のままであり、遠位界面では明確に規定されたファセット化を発生させる。ある実施形態では、ファセット化によって、触媒性能を向上させる触媒的により活性な端部を作成する。
図3Aおよび3Bはある実施形態による、処理により誘導されたマトリックス材料301の変化を示す。いくつかの実施形態ではNP303は、支持マトリックス301において相変化を誘導することができる。例えば、NP303は、マトリックス307の結晶化の変化を引き起こすことができ、または、近位界面306における他の相転移を引き起こすことができる。
従って本開示は、主に支持マトリックスと相互接続された多孔質ネットワークとの界面において処理により誘導された機能的(例えば、触媒的または、共触媒性)に関連する化学的および構造的/形態学的種の形成またはNP−マトリックス、NP−細孔、およびマトリックス−細孔界面における特徴から生じる、強化された特性を有する部分的に埋め込まれたNPを含む錯体触媒材料のための実施形態を提供する。本開示は前記錯体触媒材料を形成する方法も提供する。こうした方法によって(処理前の)触媒材料の集合プロセスの要件を、処理された触媒材料の最終組成物および形状特徴から分離することが可能になる。
ある実施形態では少なくとも部分的に上述したように、強化された触媒特性は、NPがマトリックスとテンプレートとの間に挟まれている3つの界面のユニークな配置から生じる。得られる多孔質触媒材料は多数の有利な特性および触媒性能を特徴とする。強化された触媒特性の非限定的な例としては以下の1つまたはそれらの組み合わせが挙げられる。
1.安定性 NPのマトリックスへの部分的な埋め込みによって、焼結に対する機械的安定性および化学的安定性が向上する。この安定化により図8、10、12、13の実例に示すように、触媒の寿命の向上、長期運転時における安定した活性および選択性につながる。
2.反応条件下での熱安定性 高温での触媒の拡散および失活は本明細書中に開示される触媒設計によって克服される深刻な問題である。例えば、1%Pd/SiOを用いた450℃でのイソプロピルアルコールからCOへの安定な変換を示す図12を参照されたい。
3.PGMの効率的な使用 マトリックス/細孔界面におけるNPの制御された/事前に設計された/合理的配置によって図7、図9B、図10、24B、27に示す例示的な系で明示されるように、NPの均一な分布と接近容易性を有する材料が得られる。このことによって、より高価な貴金属の利用を費用効率の高い触媒へと最適化するであろう。NPの均一な分布は均一な熱分布および結果として生じる均一な触媒性能に対する非常に重要なファクタであり、達成するのは困難である。図17、18、19、20に示す例示的な系は本発明者らの手法によって、妥協することなく、ある実施形態ではさらに性能を改善するPGMsの量が低減した触媒の形成につながることを明らかにしている。
4.改善された反応物および生成物の拡散 本発明の方法はある実施形態において示され、図29、30に明らかにするように、細孔形状、サイズ、形状、相互接続性および配置が制御された多孔質材料を生成する。ある実施形態では、これらのパラメータに関する制御は、触媒および光触媒系における反応物、熱およびフォトニック特性の質量拡散に影響を及ぼすので、触媒性能にとって非常に重要である。例えば、十分に相互接続された細孔のネットワークを有するコロイドテンプレート化された多孔質シリカに担持された二元金属AuAgNPは、適用された反応条件下でのギ酸メチルへのメタノールの選択的酸化における物質移行制限がないことを実証した。このサンプルの触媒性能を図13に示す。ある実施形態では、多孔質材料を合理的に設計することで(例えば、触媒のモデリングおよび合理的設計)、拡散のための高度に規則的な経路を備えた明確に規定された多孔質ネットワークの作成、またはねじれが増加して触媒材料内の反応物の滞留時間がより長くなることにつながる。さらにある実施形態では、細孔配置/構造は触媒特異的な機械的特性を与える。例えば、ランダムに分布した細孔を有する材料は、格子面が容易に開裂するのを助ける脆性結晶構造と比較して、より大きな機械的安定性を有することができる。
5.より低いライトオフ温度 ある実施形態では、上述した複数の触媒種を有する錯体触媒材料の形成によって、触媒活性を増加させて、より低いライトオフ温度をもたらすことができる。図14〜20はこうした前例のない反応温度の低下の非限定的な例を示し、本明細書に開示される触媒を用いて達成される触媒性能を対応する市販の触媒の性能と比較している。
6.触媒活性の増加 強化された触媒特性はNPがマトリックスとテンプレートの間に挟まれている3つの界面のユニークな配置から生じる。図21〜24に示す例示的なシステムに実証するように、マトリックスとテンプレート材料との間に配置されたNPを用いて調製され、次いで犠牲基材の熱的除去を受ける触媒のみが、高い選択性および活性の両方を示す。
7.多機能触媒 ある実施形態では、NP配置の制御と組み合わせたテンプレート手法によって、多孔質構造内の様々なNP構成および配置の組合せが可能になり、このことは特に異なる金属によって触媒されるカップリングおよびコンパートメント化反応に関連する(図9および27)。ある実施形態では、図9および27に例示するように、合理的な触媒設計によって異なるNPを異なる区画に配置することが可能にする、またはすべての区画に異なるNPを配置することが可能になる。
ある実施形態では、上述の利益は、様々な特徴を組み合わせることによって達成することができる。非限定的な例によって、多機能触媒は安定性を高めるためのまたは細孔形状およびチャネルのネットワークのねじれを制御するための手法と組み合わせることができる。
図12はある実施形態による、高温(450℃)での反応物の連続フロー下でのイソプロパノールから二酸化炭素への変換における1%Pd/SiO触媒の長期安定性を示す。触媒活性は従来の固定床反応器を用いて測定された。サンプルを石英反応管に装填し毎分25mLのヘリウム流下150℃で30分間加熱することにより前処理し、水および空気を除去し、次いで約30℃まで冷却した。ヘリウム中酸素22mоl%およびイソプロピルアルコール3mоl%の毎分50mLの流れで反応器温度を毎分10℃の割合で450℃まで上昇させ、次いで450℃で120時間保持し、イソプロピルアルコールからCOへの変換がGC−MSで検出された。この安定な触媒性能と一致して触媒作用後のSEM、TEMおよびSEMによって検出された形態学的な(例えば、NPのサイズおよび分布)または組成に関する変化はなかった。
図13はコロイドテンプレート化されたSiO−AgAuを使用した、メタノールのギ酸メチル(MF、四角)および二酸化炭素(CO、円)への定常状態変換率の長期安定性およびをギ酸メチルに対する選択性(三角形)を示す。サンプルは半年間試験され、その性能の劣化を示さなかった。触媒活性は従来の固定床反応器を用いて測定された。サンプルを石英反応管に装填し毎分25mLのヘリウム流下150℃で30分間加熱することにより前処理し、水および空気を除去し、次いで約30℃まで冷却した。ヘリウム中酸素22mоl%およびイソプロピルアルコール6mоl%の毎分50mLの流れで、反応器温度を毎分10℃の割合で150℃まで上昇させ、次いで反応が定常状態変換に到達するまで150℃で保持した。触媒サンプルは反応条件を少なくとも24時間維持した。長期安定性は、6か月間に亘って繰り返し測定することでその活性を評価することにより実証された。時折反応装置からサンプルを取り外し周囲条件に曝し、反応装置への再導入後、反応条件下で同じ選択性および活性が回復した。イソプロピルアルコールからCOへの変換はGC−MSを用いて検出した。この安定な触媒性能と一致して触媒作用後のSEM、TEMおよびSEM、より検出された形態学的な(例えば、NPのサイズおよび分布)または、組成に関する変化はなかった。
触媒反応のライトオフ温度の低下は対応するエネルギー節約をもたらす。本明細書に記載の触媒はライトオフ温度の有意な低下をもたらすシステムの非限定的な例である。異なる化学反応および異なる触媒に関して、こうした低下は、異なる大きさを有し得る。本明細書に開示される強化された触媒材料についてのライトオフ温度の低下は、ある実施形態によれば、1〜2℃、2〜5℃、5〜10℃、10〜20℃、20〜40℃、40℃〜60℃、80〜100℃、および100℃を上回る温度に達することができる。非限定的な例として本明細書に開示される触媒材料は、その性能を例示的な図14〜20に示すが、本発明は、酸化反応のライトオフ温度の低下を実証するものであり、特に触媒コンバータ、空気清浄機および触媒塗料で使用される放出制御および空気浄化において重要である。ある実施形態において達成されたライトオフ温度の非限定的な低下によって空気浄化装置をより低い温度で、室温まで下げて作動させることが可能になる。
図14はメタノールのCOへの完全な燃焼を市販のPt/Al触媒と、ある実施形態に従って調製した同じ白金NP装填量−1%Ptで強化された触媒とを用いて比較するものであり、約55℃の反応温度の低下を示している。触媒活性は従来の固定床反応器を用いて測定された。サンプルを石英反応管に装填し毎分25mLのヘリウム流下150℃で30分間加熱することにより前処理し、水および空気を除去し、次いで約25℃まで冷却した。ヘリウム中酸素22mоl%およびイソプロピルアルコール7.5mоl%の毎分50mLの流れで、反応器温度を毎分10℃の割合で450℃まで上昇させた。10℃上昇する毎に反応条件を1時間一定に保持し、触媒を安定した変換に到達させた。温度の関数としてのメタノールからCOへの変換はGC−MSによって検出された。この安定な触媒性能と一致して、触媒作用後にSEM、TEMおよびSEMによって検出された形態学的な(例えば、NPのサイズおよび分布)または組成に関する変化はなかった。ライトオフ温度の低下即ち、変換率が急激に上昇する温度は相当なものであり、この方法によって通常予想されるよりもはるかに低い温度で、メタノールから二酸化炭素への完全な変換が達成されることをはっきり示しており、室温での操作が可能になる。このような性能によって低温空気浄化、および実質的により高い温度で匹敵する活性に到達する市販の触媒では不可能な放出制御におけるありとあらゆる適用可能範囲を広げる。このような用途の非限定的な説明を第III節および図36、37に提示する。
図15はメタノールのCOへの完全燃焼を市販のPt/Al触媒と、ある実施形態に従って調製した同じNP装填量−1%Ptで強化された触媒とを用いて比較するものであり、約90℃の反応温度の低下および室温で反応を行う能力を示している。触媒活性は従来の固定床反応器を用いて測定された。サンプルを石英反応管に装填し毎分25mLのヘリウム流下150℃で30分間加熱することにより前処理し、水および空気を除去し、次いで約25℃まで冷却した。ヘリウム中酸素22mоl%およびイソプロピルアルコール7.5mоl%の毎分50mLの流れで、反応器温度を毎分10℃の割合で150℃まで上昇させた。10℃上昇する毎に反応条件を1時間一定に保持し、触媒を安定した変換に到達させた。温度の関数としてのメタノールからCOへの変換はGC−MSで検出された。この安定な触媒性能と一致して、触媒作用後にSEM、TEMおよびICP−MSによって検出された。形態学的な(例えば、NPのサイズおよび分布)または組成に関する変化はなかった。以下のとおり図14と図15とを比較すると、図15における1w%Pd/Al触媒について明らかにされたライトオフ温度の低下は、1W%Pt/Alについて示したものよりもさらに大きく、いくつかの実施形態に従って調製されたPd/Al触媒を利用することによって達成可能なライトオフ温度の絶対値は、室温に近づいている。これは本明細書に開示された実施形態のいくつかに従って触媒を調整した場合の触媒性能の漸増ではなく質的な改善を明確に実証している。
図16はメタノールのCOへの完全燃焼を市販のPt/Al触媒と、ある実施形態に従って調製した同じNP装填量−1%Ptで強化された触媒とを用いて比較するものであり、約55℃の反応温度の低下を示している。触媒活性は従来の固定床反応器を用いて測定された。サンプルを石英反応管に装填し毎分25mLのヘリウム流下150℃で30分間加熱することにより前処理し、水および空気を除去し、次いで約25℃まで冷却した。ヘリウム中酸素22mоl%および7.5mоl%のイソプロピルアルコールの毎分50mLの流れで、反応器温度を毎分10℃の割合で150℃まで上昇させた。10℃上昇する毎に反応条件を1時間一定に保持し、触媒を安定した変換に到達させた。温度の関数としてのメタノールからCOへの変換はGC−MSで検出された。この安定な触媒性能と一致して、触媒作用後にSEM、TEMおよびICP−MSによって検出された。形態学的な(例えば、NPのサイズおよび分布)または組成に関する変化はなかった。この実施例および上記の実施例で実証される改善された触媒性能は本明細書中に提示される実施形態において開示される触媒材料調製方法論の高いモジュール性をさらに実証し、本発明は、有意な自由度を提供し、そして従来の触媒と比較して向上した触媒性能を達成することができる。
触媒の貴金属充填量の減らすことは実質的なコスト節約につながる。さらに貴金属は、限定された資源であり、本発明は、高いコストだけでなく、入手可能性も真剣に考慮するものである。本明細書に記載される触媒は有意に低減された貴金属充填量におけるより低いライトオフ温度を含む同等またはより良好な性能を提供するシステムの非限定的な例である。本明細書に開示される強化された触媒材料の貴金属充填量の減少はある実施形態によれば、1〜2%、2〜5%、5〜10%、10〜20%、20〜40%、40〜60%、60〜80%、80〜90%、90〜99%、99〜99.9%に達することができる。非限定的な例として本明細書に開示される触媒材料は、その性能を例示的な図17〜20に示すが、本発明は、同じマトリックス材料および同じ貴金属を含む従来の市販の触媒と比較して、酸化反応における触媒装填を最大95%まで低減することを実証している。
図17はメタノールのCOへの完全燃焼を市販の1w%Pt/Al触媒と、ある実施形態に従って調製したPtの量を低減して強化された触媒−0.5%Pt/Alとを用いて比較するものであり、NP装填量が半分であっても約50℃の反応温度の低下を示している。触媒活性は従来の固定床反応器を用いて測定された。サンプルを石英反応管に装填し毎分25mLのヘリウム流下150℃で30分間加熱することにより前処理し、水および空気を除去し、次いで約25℃まで冷却した。ヘリウム中酸素22mоl%およびイソプロピルアルコール7.5mоl%の毎分50mLの流れで、反応器温度を毎分10℃の割合で150℃まで上昇させた。10℃上昇する毎に反応条件を1時間一定に保持し、触媒を安定した変換に到達させた。温度の関数としてのメタノールからCOへの変換はGC−MSで検出された。この安定な触媒性能と一致して、触媒作用後にSEM、TEMおよびICP−MSによって検出された形態学的な(例えば、NPのサイズおよび分布)または組成に関する変化はなかった。
図18はメタノールのCOへの完全な燃焼を市販の1w%Pt/Al触媒と、ある実施形態に従って調製したPtの量を低減して強化された触媒−0.05%Pt/Alとを用いて比較するものであり、NP装填量を95%低減して約25℃の反応温度の低下を示している。触媒活性は従来の固定床反応器を用いて測定された。サンプルを石英反応管に装填し毎分25mLのヘリウム流下150℃で30分間加熱することにより前処理し、水および空気を除去し、次いで約25℃まで冷却した。ヘリウム中酸素22mоl%およびイソプロピルアルコール7.5mоl%の毎分50mLの流れで、反応器温度を毎分10℃の割合で150℃まで上昇させた。10℃上昇する毎に反応条件を1時間一定に保持し、触媒を安定した変換に到達させた。温度の関数としてのメタノールからCOへの変換はGC−MSで検出された。この安定な触媒性能と一致して、触媒作用後にSEM、TEMおよびICP−MSによって検出された形態学的な(例えば、NPのサイズおよび分布)または組成に関する変化はなかった。
図19はメタノールのCOへの完全な燃焼を市販の1w%Pd/Al触媒と、ある実施形態に従って調製したPdの量を低減して強化された触媒−0.1%Ptd/Alとを用いて比較するものであり、NP装填量を90%低減して約60℃の反応温度の低下を示している。触媒活性は従来の固定床反応器を用いて測定された。サンプルを石英反応管に装填し毎分25mLのヘリウム流下150℃で30分間加熱することにより前処理し、水および空気を除去し、次いで約25℃まで冷却した。ヘリウム中酸素22mоl%およびイソプロピルアルコール7.5mоl%の毎分50mLの流れで、反応器温度を毎分10℃の割合で150℃まで上昇させた。10℃上昇する毎に反応条件を1時間一定に保持し、触媒を安定した変換に到達させた。温度の関数としてのメタノールからCOへの変換はGC−MSで検出された。この安定な触媒性能と一致して、触媒作用後にSEM、TEMおよびICP−MSによって検出された形態学的な(例えば、NPのサイズおよび分布)または組成に関する変化はなかった。
図20はトルエンのCOへの完全な燃焼を市販の1w%Pt/Al触媒と、ある実施形態に従って調製したPtの量を低減した強化された触媒Pt−0.1%Pt/Alとを用いて比較するものであり、NP装填量を90%低減して約40℃の反応温度の低下を示している。触媒活性は従来の固定床反応器を用いて測定された。サンプルを石英反応管に装填し毎分25mLのヘリウム流下150℃で30分間加熱することにより前処理し、水および空気を除去し、次いで約25℃まで冷却した。ヘリウム中酸素22mоl%およびトルエン0.35mоl%の毎分50mLの流れで、反応器温度を毎分10℃の割合で150℃まで上昇させ、10℃上昇する毎に反応条件を1時間一定に保持し、触媒を安定した変換に到達させた。温度の関数としてのメタノールからCOへの変換はGC−MSで検出された。この安定な触媒性能と一致して、触媒作用後にSEM、TEMおよびICP−MSによって検出された形態学的な(例えば、NPのサイズおよび分布)または組成に関する変化はなかった。
図21はテンプレート化されたコロイドが熱処理対溶解(図D対図E)によって除去された時の、コロイドテンプレート手法によって調製されたシリカ担持二元金属AuAgNPから成る3つの例示的な触媒の触媒活性を比較したものである。図21の図Aは熱的除去されたテンプレートコロイドを使用し、メタノールのギ酸メチル(MF、四角)および二酸化炭素(CO、円)への変換およびギ酸メチル(ひし形)の選択性を示す(図D、2101〜2102)。図21の図Bはテンプレートコロイドの化学的溶解を用いて調製されたサンプルに相当する(図D、2101〜2103)。図21の図Cはテンプレートコロイドの化学的溶解を用いて調製され、その後、材料の熱処理が行われたサンプルに相当する(図D、2101〜2103b〜2104)。テンプレートコロイドを熱的除去することによって調製された触媒はギ酸メチルへの変換効率(約32%)が高く、選択性が高い(図21のA)。対照的にテンプレートコロイドの溶解によって調製された両方の触媒は、図21の図B(2103に対応する)および図21の図C(2104に対応する)に示すように、メタノールのMFへの変換効率の低下を示す。選択的メタノール酸化に対する改良された触媒活性のさらなる例を図22に示す。テンプレートコロイド(2201)を熱的除去することにより調製されたAuPd−シリカ触媒はコロイドの溶解、次いで熱処理(2202)を経て調製された同じ触媒よりもギ酸メチル形成(約21%)に対して高い活性を示す。図21〜22に記載されたサンプルは全て同じ実験条件下で測定され、同じ量のNP(約5w%)を含有していた。触媒活性は従来の固定床反応器を用いて測定された。サンプルを石英反応管に装填し毎分25mLのヘリウム流下150℃で30分間加熱することにより前処理し、水および空気を除去し、次いで約30℃まで冷却した。反応器温度をヘリウム中酸素22mоl%およびメタノール6mоl%の毎分50mLの流れで毎分10℃の割合で150℃まで上昇させ、次いで反応が定常状態変換に到達するまで150℃で保持した。触媒サンプルを少なくとも24時間反応条件で保持した。これらの結果は、ある実施形態に従って、熱前処理前にテンプレート材料とマトリックス前駆体との間にNPが挟まれている場合の触媒活性の増強を実証する。
図23の図Aは(前駆体2303から形成された)マトリックス中に完全に埋め込まれた大きなNPs2310群を生じ、テンプレート材料2301が除去された後(例えば、熱的除去2320によって2304〜2305に示すように)触媒反応に利用できない、共集合2310手法を使用する触媒材料の形成を示す概略図である。図23の図Bは図23の図Aに示す方法を用いて調製された二元金属AuAgナノ粒子を有する多孔質シリカを含む触媒を使用するメタノールのギ酸メチル(MF、×印を付けた四角)および二酸化炭素(CO、×印を付けた円)への変換、並びにギ酸メチル(×印を付けたひし形)の選択性を示す。サンプルは同じ実験条件下で測定され、図21〜22に記載のとおり同じ量のNP(約5w%)を含有していた。触媒活性は従来の固定床反応器を用いて測定された。サンプルを石英反応管に装填し毎分25mlのヘリウム流量下150℃で30分間加熱することにより前処理し、水および空気を除去し、次いで約30℃まで冷却した。反応器温度をヘリウム中酸素22mоl%およびメタノール6mоl%の毎分50mLの流れで毎分10℃の割合で150℃まで上昇させ、次いで反応が定常状態変換に到達するまで150℃で保持した。触媒サンプルを少なくとも24時間反応条件で保持した。マトリックス全体に亘るNPのランダム分布および、近接容易性の欠如は、MF形成に対する触媒の選択性を著しく減少させた。
図24の図AはテンプレートコロイドなしにNP2401がマトリックス前駆体2402に結合する、非テンプレート手法を使用する触媒材料の形成を示す概略図および画像である。次いで材料2403が熱処理され、2404を生じる(2405に撮像されている)。NPs2401はマトリックス前駆体2402に結合された後に均一に分布せず、得られる材料は、ある実施形態によれば(メタノールのギ酸メチルへの変換のグラフ2406に示すように)触媒活性が低減する。図24の図Bは図2に示すテンプレート手法を使用して触媒材料の形成を示す概略図であり、ある実施形態によれば、NPは均一に分布し図24の図Aに示す結果と比較して、材料は(グラフ2411に示すように)触媒活性が著しく増強されていることを示す。変換効率は図24の図B(約5%変換対約32%)のテンプレート化されたサンプルと比較し、著しく低下する。サンプル2404および2409は(図21〜23に記載したように)同じ実験条件下で測定され同量のNP(約5w%)を含有していた。触媒活性は従来の固定床反応器を用いて測定された。サンプルを石英反応管に装填し、毎分25mLヘリウム流量下150℃で30分間加熱することにより前処理し、水および空気を除去し、次いで約30℃まで冷却した。反応器温度をヘリウム中酸素22mоl%およびメタノール6mоl%の毎分50mLの流れで、毎分10℃の割合で150℃まで上昇させ、次いで反応が定常状態変換に到達するまで150℃で保持した。触媒サンプルは少なくとも24時間反応条件で保たれた。図24の図Aに描写した方法では、NP配置の制御を可能にせず、NPサイズの分布が広くそれらの近接容易性が低下した材料を生成する。TEM画像2405から分かるように、NPは、そのサイズにおいて大きなバラつきを示しそのマトリックスの内部にランダムに配置されている。対照的にテンプレート手法を介して組み込まれたNPは(図24のB)は、そのサイズが非常に均一でおよびマトリックス全体に亘って均一な分布を示す(TEM画像2410)。
本方法は機械的補強または強化または強化、NP−マトリックスおよびNP−細孔界面における触媒関連イオン種の形成、マトリックス細孔界面における触媒(または、共触媒)活性種の堆積、NP内容物の再分布、担持されたNPsの形状の変化、および/またはNP−マトリックス界面およびマトリックス−テンプレート成分界面におけるマトリックス材料中の異なる触媒的に関連する相変化の形成を特徴とする強化された錯体触媒材料の実施形態をさらに提供する。
III.機能性材料を有する多孔質構造体の製造方法
触媒作用は材料研究の洗練された領域であり、ある実施形態では、様々な長さおよび時間スケールで起こる材料および現象を包含する。ある実施形態では、多数の構造および組成の特徴を独立して(または、準独立に)最適化することによる錯体触媒系のための普遍的な枠組み開発は、例えば、地球規模エネルギーおよび環境課題などに広く適用できる触媒につながり得る。この目的を達成するために、ある実施形態では、触媒ナノ粒子を表面に担持する犠牲テンプレート成分をマトリックス前駆体と共に自己集合させ、同時に得られる多孔質ネットワークを構造化し、触媒粒子の位置を微調整し、そして触媒部位およびその近傍の化学特性に影響を与えることができる反応物を後続の修飾工程を通して導入するモジュール式プラットフォームを開示する。この戦略によっては材料構成要素およびそれらの組織化の組合せによる変化が可能になり、例えば、ナノスケールからマクロスケールスケールに使用される材料の機能特性を最適化するための非常に多くの自由度を提供する。ある実施形態では、本明細書に開示されるプラットフォームは広範囲の触媒および光触媒反応、ならびに工業環境および他の実生活環境への組み込みについて、効率的かつ頑丈なシステムの系統的な研究および設計を可能にする。
ある実施形態では、3次元多孔質構造は、相互接続されたテンプレート成分を除去して、大きい表面積を有する相互接続された細孔のネットワークを提供することで合成できる。このような構造はある実施形態では、工業用触媒、接触変換、発光制御、光触媒、センシング、分離および精製、保護コーティング(特定の、しばしば予め設計された熱的、および/または機械的、および/または、化学的特性を有する)、ならびに化学的、光学的、電気的、磁気的および他の入力/出力の組み合わせを組み合わせた多機能システムの作成のような用途において使用することができる。
以下のIII.1〜III.6節で検討するのは図35に描写される触媒系の設計3500を達成するための様々な技術の例示的な実施形態である。ある実施形態では、以下に開示される実施形態および技術を組み合わせて、触媒系の設計3500を作成することができる。
1.多孔質構造の共集合
図7に概略的に描写するように、本明細書に記載される図2に示す一般化された方法の1つの具体的な明示であり、テンプレート材料は、球形のポリマーコロイド粒子である。この直径20nm〜数ミクロンのテンプレートコロイド粒子が蒸発誘導自己集合(EISA)により、バックグラウンドマトリックスのゾル−ゲルまたはナノ粒子前駆体と共に自己集合するコロイド共集合プロセスを記載する。EISAの間溶媒(一般的には水)の蒸発は、粒子を空気−水界面へと駆動する対流力をもたらす。例えば、図7のAに描写するように、共集合702の場合、ステップ701でコロイド721を提供し、マトリックス前駆体722と混合した後、コロイドが基材に向かって引っ張られ、共集合702中に毛管力および空乏力によって互いに引き寄せられるにつれて、コロイドは、その間隙内で(703に見られるように)バックグラウンドマトリックスの形成をテンプレート化することができる。ある実施形態では同時に、組立体混合物中のマトリックス前駆体は、応力に対応するアモルファス粘弾性媒体として作用することができ、亀裂を防止するので、長距離(ミリメートル)欠陥のないコロイド格子を得ることができる。例えば、か焼または、溶解に使用されるテンプレートコロイドが除去され、高度に相互連接続された多孔質ネットワーク、いわゆる逆オパール(IO)構造が残る(704〜705)。
図7の図Bはある実施形態による、マトリックス材料の壁の内側に触媒NP723が部分的に埋め込まれた多孔質構造体を生成するためのテンプレート手法の概略および代表的な画像、例えば、マトリックスとチャネル(または細孔)との界面に主に配置される機能性ナノ粒子(NPs)を表す。上部の列Aは純粋なコロイドの集合体を表し下部の列Bは、例えば、NPまたは、イオンに使用される予備組立ステップ708において触媒粒子723で装飾されたテンプレートコロイド721の組立体を表す。701は集合前のコロイド721を示す。703および710は集合複合オパール構造を示す。704および711は例えば、か焼または、溶解によるコロイド721の除去から生じる細孔のIO構造を示す。705および712は細孔221がシリカをマトリックス材料725として用いてこのように製造されたIO、および金NPsが主にシリカマトリックス材料との細孔界面に組み込まれた例示的なIOの実施形態のSEMを描写している。
本明細書に記載されるように、共集合に関与している力は、細孔サイズおよび接続性を制御するため、および触媒を広範囲のマトリックス構造および組成物に組み込むために、(例えば、図7の図Bに描写するように)特に触媒がコロイドと会合しコロイドによって導入される場合に、非常に汎用性の高いシステムを作り出すことができる。どちらの場合も(例えば、図7の図701で描写されるように)むき出しのコロイド721および、いくつかの実施形態で機能性粒子709と予め会合するコロイドは、テンプレートコロイド701の寸法によって決定され、一方、細孔の形状は、テンプレートの除去条件によって制御可能である。いくつかの実施形態では温度を変化させることで、加熱の際のマトリックス材料の軟化に起因して細孔の部分的な崩壊を引き起こすことにより、細孔サイズおよび形状を調節することができる。いくつかの実施形態では、細孔接続性および短距離および長距離秩序は、集合種および反応条件の選択によって規定することができ、細孔開口部のサイズは、エッチング、熱処理または、原子層堆積(ALD)などの後修飾法を通してさらに最適化することができる。いくつかの実施形態では、触媒の局在化と共にこれらのパラメータを調整することは、物質移行、光子、熱的および機械的制御に重要であり、また、例えば、二酸化炭素の電気触媒的還元、ならびに構造化チタニアを有する光触媒プロセスにおいて使用されるサイズ排除を通して生成物選択性をシフトするために使用することもできる。
コロイドテンプレート化された多孔質構造体の巨視的な形状は図26に示すように、共集合反応を異なる幾何形状に制限することにより、ある実施形態で設計することができる例えば、高品質基材結合IO薄膜、分散性の構造的に色のついた設計された形状(SHARDS)および分散性フォトニックボール(PBs)は平らなまたはテンプレート化された基材上でまたは液滴内部でそれぞれEISAを行うことにより調製することができる。例えば、図26は、ある実施形態による、異なる巨視的フォーマットにおけるIOの形成を描写している。図Aはある実施形態による平滑な基材/平坦な表面上のフィルム(例えば、フィルム2610)を示し、図Bは、例えば、ある実施形態による、パターン化された犠牲テンプレートを用いて得られる分散性IO立方体(例えば、フォトニックブリック2620)を示し、図Cは、例えば、液滴閉じ込め共集合によって生成される分散性IOミクロスフィア(例えば、フォトニックボール2630、PBs)を示す。各図は概略的に示され(図A〜Cの左上部分)、代表的な光学(図A〜Cの右上部分)およびSEM(図A〜Cの底部)画像を含む。例えば、シリカ前駆体との共集合など、共集合体混合物の内部に基材を垂直に吊るすことにより、フィルム2610を形成することができる。高品質IOPBs2630は例えば、2つの入口チャネルから成るマイクロ流体装置を使用するマイクロ流体乳化プロセスによって調製することができ、2つの入り口チャネルは上述のとおり界面活性剤を含有する連続フルオロカーボン油相中のポリスチレンコロイドおよび金属酸化物前駆体の水性分散液を乳化するために、交差して交差結合を形成する。本発明は、蒸発中の液滴の収縮によって球状のコロイド集合体を生成することができる。
2.触媒部位の制御された局在化
触媒固定化のための戦略は予め形成されたNPの付着、基材上への金属前駆体の堆積、続いて、NPの形成をもたらす還元ステップ、および触媒性NPおよびその支持マトリックスの1ポット同時合成を含む。1つのパラメータを制御することはしばしば、他のパラメータに対する制御を犠牲にする可能性がある。触媒粒子を例えば、金属NPsの吸着または、堆積によって使用される予め組み立てられた多孔質基材に注入することで、大変接近容易な触媒部位を生みだすことができる;しかしながら、NPは緩く結合し、不安定になり得、特に高温触媒反応において、その焼結および融合を引き起こす。こうした方法はまたNP表面のブロッキングまたは不動態化をもたらし得る複雑な合成手順にも悩まされ得る。双方の厄介な問題は時間と共に触媒活性の低下につながり得る。
NPおよび基材前駆体の混合物からのテンプレートを含まない触媒の合成に基づくある実施形態の別の手法によって安定に埋め込まれた金属NPを生成することができる。しかしながらこの方法を用いると、細孔サイズおよび結合性の不十分な制御、並びにNPの大部分を構成するバックグラウンドマトリックス中およびバックグラウンドマトリックス内で完全にカプセル化された、従って反応物質に到達しにくいNPのランダム分布に起因して、大部分のNPsが触媒プロセスに関与することから除外される。これらの方法から生じるNPの分布およびサイズの不均一性はある実施形態では、触媒中のホットスポットの出現につながり得、温度および濃度プロファイルの制御について妥協することがあり、このことで反応効率および選択性並びにシステムの安定性を低下させることがある。
本明細書中の例示的な実施形態に記載された動的共集合法は犠牲コロイドを用いて触媒および細孔の両方の集合体を仲介することにより、これらの問題の多くを克服し、ナノ粒子の位置、組成、区画化および全体的な構造に対する高い制御をもたらす。
2.1.NP装飾コロイド
本明細書の実施形態に開示されるように、NP装飾テンプレート材料、例えば、ナノ粒子が表面に結合しメソスケールコロイドは、図27に描写するように、1種または複数種の触媒NPsを合成し、組み込む複数の階層的自由度を導入する。テンプレート材料が球状コロイド粒子である場合に得られるNP装飾材料はしばしば、「ラズベリー」粒子と呼ばれる。用語「ラズベリー粒子」および「NP装飾粒子」は全体を通して交換可能に用いられ、NP装飾コロイドの特定の場合を表すことを意味する。本明細書で開示されるのは種々の形態および調整された物理的および化学的特性を有する複合コロイドの設計および製造である。加えてこれらのコロイドは、ある実施形態によれば、分散液中の無機ナノ粒子の安定化のための有効な経路を提供することができる。NP装飾テンプレート材料は刺激応答性材料およびアクチュエータ、センサおよびSERS基材、疎水性および親水性コーティング、触媒作用、生化学および光学共鳴および磁気共鳴のナノエンジニアリングなどの広範囲の用途に適している。触媒的に活性な多孔質機能性構造体を製造するためのナノ複合テンプレート種としてのNP装飾テンプレート材料の利用はほとんど実現されていない。
ある実施形態では、NP装飾コロイドを用いてIOを形成することは、NP組成、配置、および装填に対する独立した制御を提供する。共集合(図7の予備集合ステップ)の前にNPは、所望の細孔サイズを達成するように調整された直径を有するコロイドと安定的に会合する。この方法は例えば、モノ金属および多金属組成物などのNPの広い選択肢に適用可能であり、これらは均質または分離された(例えば、コア−シェル)構造を有することができる。NP装飾されたテンプレート粒子(または、そのような粒子の浸透集合体)をマトリックス前駆体と共集合させることでNPを主にコロイドとマトリックスとの界面に配置する。ひとたびコロイドを除去すると、NPは、細孔の壁に部分的に埋め込まれて現れ、ほとんどが細孔内部で露出されたままその熱的および機械的安定性を最適化し、触媒作用に対するそれらの利用可能性を最大にする。例えば、図27は、Au、Ag、PdおよびPt、並びに二元金属粒子を用いたこの方法の結果を描写している。SEM画像はさらにIO内部細孔表面に沿った金属NPの非常に均一な分布を示し、この方法は温度および化学濃度の均一な分布によって可能になる一貫した触媒性能を提供することができる。
図27は異なるタイプのNP装飾テンプレート粒子を使用する相互接続された多孔質微細構造の形成を示す。図Aはそれぞれ(画像に示す)単一タイプのNPでキャップされたテンプレート粒子を示す。所望であれば多様な種類のコロイドを様々に組み合わせて用いて異なる細孔に露出された異なるタイプのNPを組み込んだIOを生成することができる。すなわち図Aは、AuNPが形成されたNP装飾テンプレートコロイド粒子と、PtNPが形成されたNP装飾テンプレートコロイド粒子とを使用して、いくらかの細孔がAuNPを組み込んでおり、他の細孔がPtNPを組み込んでいるIOを形成することを示す。図Bは同じコロイドに付着した異なるタイプのNP(例えば、AuおよびPd)が各細孔内に複数種のNPを含有するIOを生成することを描写している。図Cは同じまたは異なるコロイドに付着した多金属粒子(例えば、AgAuNP)が、多金属触媒部位を組み込んだIOを生成することを示す。図A〜Cにおいて、左側の画像の始めの2つの列2701および2702は、IOシステムを組み立てるために使用された金属NPで装飾された例示的なポリスチレンコロイドのTEM画像2701および走査透過電子顕微鏡(STEM)元素組成マッピング2702を含む。対応するNPキャップされたコロイド2710は画像列2702および2703の間に概略的に示され、右側の3つの列2703〜2705が続き、(左から右へ)SEM画像および概略図(差し込み図)2703、2704、および得られるシステム2705のSTEM−EDX元素マッピング画像を含む。
NPsを主にマトリックス−細孔界面に配置することに加えて、例示的な実施形態では、NP修飾テンプレート手法は、多孔質構造内の様々なNP構成および組み合わせを可能にする利点を有し、このことは種々の金属により触媒されるカップリングおよび区画化反応に特に関連する。例えば、図27に示すように、異なる細孔に異なる金属NPまたは単一の細孔内に多金属NPsを有するIOsを生成することができる。ある実施形態では、それぞれ1種類の単金属NPでコーティングされNP修飾テンプレートコロイド粒子群の混合物を用いることで、個々の細孔がそれぞれ1種または、他種のNPを含有するIOが生じ(図27の図A)、隣接する細孔において同時に異なる化学プロセスを実施することが可能になる。他の実施形態では、NP修飾されたテンプレートコロイド粒子、および最終的には、その表面に複数種類のNPを担持するIOの細孔(図27の図B)によって単一の孔内で複数の反応を順に行うことが可能になる。これらの構成は例えば、異なる触媒を予め設計された濃度および互いの距離でマトリックス内に分布させることができるので、多段階反応によく適している。細孔およびその間の開口部の幾何学的形状は非常に規則的であるので、この系における反応性種の拡散特性を予測し、反応順序を設計するのに用いることができる。ある実施形態では、テンプレート材料は強化された機能性を提供するために、例えば1つの種類のNPの0.01〜99.99%、別の種類のNPの0.01〜99.99%および他の種類のNPの0.01〜99.99%ですべてのNPの合計が100%である、異なる種類の触媒ナノ粒子の1つまたは複数の比率を備えることができる。非限定的な例としてテンプレート材料の第1の組は25%Auナノ粒子および75%Ptナノ粒子で装飾することができ、第2のテンプレート材料は、75%Au粒子および25%Ptナノ粒子で装飾することができる。
同じまたは異なる細孔の表面に露出されたAuおよびPdNPを有するIO(例えば、図27の図AおよびBのSEM画像を参照)に加えて、二元金属NPを含む(AgAu、図27のCを参照)もまた、ある実施形態において開示されている。多金属触媒は異なる金属成分間の相乗的関係に起因して、それらの成分と比較して、著しく増強された触媒特性を特徴とすることができる。本明細書中に記載されるように、ある実施形態では、多金属触媒材料への取り組みによって、異なるNPで装飾されたテンプレートコロイドのライブラリーの合成および、そしてそれらを、要求に応じて用いて目的の触媒適用に特異的なIOを形成することが可能になる。NP装飾されたテンプレートコロイド法は、特にすべての関与する種および粒子間の相互作用の慎重な考慮を必要とする複数の成分(例えば、露出されたコロイドおよびNPをマトリックス前駆体と混合すること)の共沈を含む方法と比較して、制御されたIO合成プロセスを設計する複雑さを低減することができる。
NPで装飾されたテンプレートコロイド粒子を使用して、例えばAgAuNPで装飾されたシリカIO骨格を作成し、モデル反応としてメタノールからギ酸メチルへの酸化カップリングを行うことにより、多金属粒子を組み込むための、本明細書中で記載するモジュール手法の効率を高めることができる。ある実施形態では、構造体は、構造体全体にわたる主に細孔界面に沿った、AgAuNPの一様な分布を示した(図4の図C)。NPの主にマトリックス−細孔界面への装填は犠牲コロイドの表面の密度によって決定することができ、触媒活性に直接関係する。いくつかの実施形態では、この系の反応性および選択性は、非支持ナノ多孔質AgAu触媒、すなわち選択性が高く、例えば、アルコールをカップリングしてエステルを形成する堅牢な自立構造体の反応性および選択性に匹敵するが、本明細書の実施形態で説明される場合ははるかに低い貴金属使用量である。ある実施形態では、アルミナシリカ構造は、適用反応条件下での物質移行制限がないだけでなく、高い変換効率、選択性、および長期安定性を示した。
ある実施形態のNP修飾テンプレートコロイド法の別の例示的な利益は得られるIO系が熱処理に対して著しく安定であることであり、その熱的安定性によって一般的に他の系で起こる反応条件下でのNP拡散および凝集の共通の問題を解決する場合、それは工業環境において重要である。この安定性は例えば、NP装飾された粒子テンプレーティングを用いて形成されたAuNPを含有するシリカIOに関して、600℃での熱処理の前後のNPを、小さな(2nm)AuNPを予め形成したIOの表面に堆積させ、その後成長させるより従来の方法(図10)によって組み込まれたNPと比較することによって示される。AuNPsが堆積によって導入されたシリカIO系はNPの固定が不十分になり得、高温で細孔の表面を移動し、他の粒子と融合する傾向がある。図示の例ではNPの移動度は、約9〜28nm(200%以上の増加、図10の図1001〜1006を示す)までの熱処理後のサイズの変化をもたらす。対照的にある実施形態によってAuNPがNP装飾テンプレーティングにより組み込まれたシリカIOは、シリカマトリック中へのNPの部分的埋め込みにより600℃でのか焼前および後で同じNPサイズ(約6nm)および形態を保持している(図10の、図1007〜1011)。
例えば、図10は、予め形成された純粋なIO(1001〜1006)中に成長したAuNPの熱安定性と、NP装飾テンプレート手法(1007〜1012)を使用してシリカIO中に組み込まれたものとの比較を示す。1001はAuNPが表面に成長した熱処理前のシリカIOのSEM画像を、模式図1002と共に示す。1003は図1001に示すIOの断片のTEM画像を示す。その段階での粒径は9±3nmである。1004は600℃での熱処理後の1001に示したIOのSEM画像を、概略図1005と共に示す。この段階での平均粒子サイズは熱処理後のIO断片の1006のTEM画像に示すように、28±9nm(>200%増加)である。触媒粒子のサイズが大きくなるとその活性が著しく低下するので、得られる(従来の)触媒は粒子が熱処理時に拡散し成長するので連続的に減少した活性を示すであろう。逆にある実施形態によれば、1008は、AuNPs(5±1nm)で修飾されたポリスチレンコロイドから成るある実施形態によるNP装飾粒子のTEM画像を、概略図1009と共に示す。1010はある実施形態による1008に示すコロイドを用いて製造されたIOのSEM画像を、概略図1010と共に示す。1012は1009で示すIOのTEM画像を示し600℃((6±1、約20%の増加)でのか焼後のAuNPの直径のほんのわずかな変化を示す。NP成長が存在しないことで触媒の熱安定性およびその長期機能が非常に向上する。
2.2 プロトラズベリー粒子
ある実施形態では、触媒分布を制御するための自由度、ならびにシステムの機能性は、例えば、図28に概略的に示すように使用される集合体混合物にイオン種を組み込むことによってさらに拡張される。ある実施形態では、NP装飾粒子を形成するためのコロイドに付着した予備合成された金属NPに対する代替として、イオン種は、そのまま適切に官能化されたコロイドの表面に会合し、その上に堆積することができる。例示としてガラス中の強烈な青色着色添加剤であり、合成燃料を製造するためのフィッシャートロプシュ触媒であるコバルトを使用することができる。ゾル-ゲル法を用いて調製されたシリカ担持コバルト触媒およびコバルトおよび他の金属酸化物触媒の表面積を増加させる方法が本明細書中に開示される。Coを越えてCa、Mg、Ni、CuおよびFeの塩などの他の塩を有する類似の系の形成もまた、ある実施形態に従って用いることができる。プロトラズベリー粒子のin−situ形成はある実施形態では、予め形成されたNP装飾粒子の集合体と比較して、より少ない合成工程で済むことができ実際には非常に有益な結果である。しかしながら集合体混合物中のイオンまたは他の表面修飾剤の存在は、ある実施形態において、自己組織化のプロセスを複雑にすることがあり、制御されない沈殿をもたらすことがある。さらにある実施形態では、後修飾の手順の間に、荷電種および金属イオンの存在が、その近傍、すなわち触媒NPおよび担持金属酸化物中の界面の化学的性質に大きく影響を及ぼすことがあり、その結果、触媒特性が変化することになる。
金属カチオンとコロイドのキャッピング配位子間の親和性を変化させることで、ある実施形態では、IO構造内の触媒種の分布を調整する方法を提供することができる(例えば、図28の図A参照)。高親和性はその場でラズベリー様コロイドの形成をもたらすことができ、これを「プロトラズベリー」粒子と呼ぶことができる。ある実施形態では、プロトラズベリー形成の時間スケールは、一般にコロイドおよびマトリックス集合体よりもはるかに短いので、イオン種は予め合成されたNP装飾粒子と同様にコロイド表面へ向かい特異的に蓄積し、後に主にか焼後の細孔界面に蓄積する。ある実施形態ではイオンおよび配位子間の低親和性は、界面およびバルクの両方において、マトリックス全体に均一に分散されたイオンを生じさせることができる。この均質な分布は例えば、塩がマトリックス内に埋め込まれた化学的に単離されたドーパントとして付加的な、共触媒作用または、非触媒作用をもたらす場合に使用され、有用となり得る。例えば、光触媒反応において、このようなドーパントは、光吸収および光誘起エネルギーまたは電子移動を補助することができるまたは光吸収および光誘起エネルギーまたは電子移動に最重要なものであり得る、もしくはそれらは追加フォトニック効果のためにバックグラウンドマトリックスの屈折率を高めることができる。いくつかの実施形態ではプロトラズベリーは、ドーパントが、細孔内を流れる反応物質への近接容易性に起因して触媒に活発に参加する場合、および光生成電子/正孔対の電荷再結合の確率を最小にするために短い経路距離が必要である場合に好適である。いくつかの実施形態ではマトリックス内のイオン分布を特定する能力によって所与の種の触媒効果およびフォトニック効果を体系的に調整することができる。
図28はテンプレートコロイドのキャッピング配位子とイオンをin-situで会合させることにより、遷移金属塩のIOsへの組み込み、およびその集合体を概略的に描写している。図(A)はある実施形態による、プロトラズベリーテンプレーティングを用いたIO構造体の形成、および最終イオン分布に対するイオン/配位子親和性の影響を示す概略図である。金属イオン2820と配位することができる配位子2803を有するテンプレートコロイド2810はイオン2807に露出され、錯体形成およびプロトラズベリーテンプレート粒子2830の形成をもたらす。それらの金属酸化物前駆体2805との共集合2840はか焼時に2860、逆構造2870に変換される。図Cは図(B)と同じサンプルのSTEM元素マッピングを描写しており、ある実施形態による、シリカマトリックス内のイオンの均一な分布を示している。図(D)はある実施形態による、共集合体混合物中異なる装填量のHClで合成された、得られたIOのX線光電子分光法(XPS)を示す。
ある実施形態では、イオン種のコロイドとの会合は、特定のまたは、静電気的相互作用を通して達成することができる。合成されたままのポリエチレングリコール(PEG)または、ポリビニルピロリドン(PVP)官能化コロイドは両方とも立体的に安定化しており、ゼータ電位(−40±10mv)で測定した場合、場合によってはカルボキシレート−または、スルホネート−キャップされたコロイドのものに匹敵することがわかる。実質的な表面電荷を有する立体反発のため、これらのコロイドは、表面電荷が実質的に遮蔽されるかまたは、中和されるミリモルレベルを超えるイオン濃度においてさえも、安定なままである。対照的にスルホネート配位子または、カルボキシレート配位子を有する純粋に静電的に安定化したコロイドは、より低いイオン濃度であっても不安定になり、凝集および沈殿物の制御されない形成をもたらす。図28の図B〜Cに示すように、PEG−およびPVP−キャップコロイドを用いることで、ある実施形態によれば、シリカマトリックス中のCoの均一な分布を特徴とする高品質IOを形成することが可能になる。さらに図28の図Bおよび図Cから分かるように、コロイド表面上のコバルトイオンとPEGなどの配位子との会合によってゾル−ゲルプロセスの動力学が局所的に促進され、テンプレートコロイドの周囲に、中空球体の稠密アレイの出現につながるコバルト含有シリカシェルが形成される。原則としてこのような剛性中空球体のアレイは、分離された球状のコンパートメントを有し、このことが触媒性能を阻害するであろう。しかしながら本明細書中の例示的な実施形態に開示されるように、か焼工程の条件および速度が個々の球体の軟化および融合、ならびにそれらの間の開口部形成を促進することができ、シリカゾルゲルマトリックスの流動性に起因して、その完全凝縮の前に相互接続された多孔質ネットワークをもたらす。ある実施形態では、異なる組成の触媒(金属NPおよび金属酸化物マトリックス)であると、熱処理シーケンスに関して特定の事項を考慮することになるが、これは同じ組成であるが、特定の目的のために作成された触媒についても変化し得る。一般的には熱処理シーケンスは、(特定の割合で)加熱する複数のステップと、同じ温度を維持するステップと、(同様に特定の割合で)冷却するステップと、を含むことができる。ある実施形態の融合プロセスを最適化するために、軟化した材料が冷却またはアニーリング温度に遷移する前に、軟化された材料が流動化し、再構成するのに十分な時間を考慮することが重要である。ある実施形態では、熱衝撃による欠陥を回避するために、十分に遅い加熱速度および冷却速度を有することも重要である。アニーリングという用語は材料の微細構造(例えば、結晶化度、粗さ、およびレドックス状態)を変化させるために使用される処理プロセス(例えば、加熱、乾燥、または特定のレドックス条件への曝露による)を指す。
いくつかの実施形態では、集合体混合物は、イオンサイズおよび周囲の状況がIOにおけるその最終的な分布に影響するので、特定の配位数を有するイオンを生成するように調整すべきである。Coの例では過剰のHClは、コバルトの八面体配位型ではなく、四面体配位型に有利であり得、中程度の酸性条件(例えば、0.03mHCl)は、シリカマトリックス中に黒化された酸化コバルトを含む不均一なIO膜をもたらす。高濃度のHCl(例えば、0.63M)では、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)の縮合中に四面体シリカマトリックス中への組み込みを容易にする四面体塩化コバルトの形成に起因する均一な青色コバルトシリケートマトリックスを得ることができる。いくつかの実施形態ではX線光電子分光法(XPS)表面分析(図28の図D)は、原子コバルトHCl比が1:4である時、ケイ素および酸素ピークに対するより高い結合エネルギーへのシフトを示し、コバルトおよびシリカの間の直接的な相互作用を示し、この合成におけるHClの重要性を示している。
3.NP修飾粒子およびイオン添加剤を用いた細孔接続性および無秩序の制御
ある実施形態では触媒配置を制御する他に、またはそれに加えて、コロイド共集合システムは、マトリックス構造を調整する触媒粒子の能力に起因してさらなる自由度を提供することができる。上述の各フォーマット、ラズベリー(すなわちNPで装飾されたテンプレートコロイド)はある実施形態によれば、コロイド−コロイドおよびコロイド−マトリックス相互作用を調節するメカニズムを提供することができ、自己集合プロセスおよび結果として生じるIO構造の結晶化度の微調整が可能である。集合したIOの秩序は多孔質ネットワークの組織、接続性、および、ねじれ、従って使用される触媒材料の光学的、機械的、および輸送特性を決定する。結晶格子への自己集合は力の微妙なバランスに依存するので、金属NPsおよびイオンを含むことで、コロイドの組織を破壊する可能性を有するEISAの過程に影響を及ぼし、多結晶またはアモルファス構造につながり得る。本明細書中の実施形態では多結晶またはアモルファス構造の形成を回避するまたは生成する技術が開示されている。ある実施形態ではfccは、結晶格子として使用することができる。
触媒性能という観点からIO(細孔間の周期性、分布および接続性を含む)のマイクロ構造は、触媒および光触媒系における物質移行、熱およびフォトニック特性に影響を及ぼす可能性があるので重要である。高次および無秩序は共にある実施形態によれば、異なるシナリオにおいて有益となり得る。例えば、結晶性IO集合体を生産する能力は非常に規則的な拡散の経路を有する明確に規定された多孔質ネットワークを作成するのに重要であり、このことは触媒構造の設計について定量的に特徴付けられ、モデル化できる。さらに無秩序は、例えば、低速光効果を抑制する場合に特定の有益な特性の低下につながり得るが、一方で光触媒用途の光吸収を増強することになる。一方ある実施形態では、触媒系は、触媒材料内の反応物のより長い滞留時間に関してより大きいねじれが所望される場合、または無秩序な構造における多重散乱が、弾道から拡散レジーム、さらに光の局在化へと遷移して光触媒作用を改善するために光物質相互作用を増強する光伝播をもたらす場合などに無秩序から利益を得る。
3.1.NP装飾テンプレート粒子での無秩序調整
NP装飾犠牲テンプレート材料の共集合はある実施形態によれば、制御された結晶化度を達成するためのユニークな戦略を表す。ある実施形態では単分散球状コロイド(多分散指数、PDI<5%)のEISAは、乾燥時に高度に秩序化された結晶性fccドメインを生成することができ、一方、多分散または、非球形コロイドは、様々なレベルの無秩序を構造中に導入することができる。ある実施形態では、異なるサイズのコロイドまたは、永久および犠牲コロイドを組み合わせて、オパールの結晶化度を低下させる。無秩序に対するこの方法はそれらの配置における変化に加えて、不均一性または異なるサイズの細孔をもたらすことができる。他の実施形態では、NP修飾粒子の共集合は、単に表面上のNPのサイズを変化させることにより、無秩序度を系統的に制御することができ、全てのテンプレート粒子の外形サイズは、この場合、同一であるため、結果として生じるIOは、NPの不均一な組み込み、細孔サイズの大きな分布、または相分離を被ることはない。ある実施形態では、コロイド表面上のNPは、自己集合中の静電安定化を妨げることにより、および、テンプレートコロイドの球形を制御可能に摂動することによって、秩序から系統的な偏差を導入することができる。
図29はある実施形態に従って、NP修飾テンプレートコロイド上のNPサイズを変化させることによって達成される制御された無秩序を描写する。テンプレート粒子は(図A)2nm、(図B)5mmおよび(図C)12mmの金シードで予備処理されたポリスチレンコロイドである。A〜Cの画像は左から右へ、テンプレート粒子のTEM2901および概略図2902、得られたIOのSEM2903および差し込み図中の概略バージョン、SEMへのズームイン704、およびIOから計算された半径分布関数(RDF)である。
図29に示すように2nmのNPによって修飾されたポリスチレンコロイド(図A)は、高度に秩序化されたIOをもたらすが、NPサイズが5nm(図B)および12nm((図C)は、無秩序が次第に増加しfcc格子からの偏差が生じる)。無秩序度は例えば、構造内の任意の単一粒子からの所定の距離で、微小厚さの球殻内に存在する粒子数の測定である半径分布関数(RDF)によって数値化される。完全な格子の場合RDFは、その格子間隔に対応する距離でデルタ関数として現れる。有限のサイズを有する実際のシステムではデルタ関数は、有限高さおよび幅を有するピークとなる。同様にシステムは完全な周期性から逸脱するにつれて、ピークは振幅が大きくなり、振幅が減少する。実際2nmサイズのNPシードに使用され、IOはfcc格子を有し、RDFは多くの明確なピークを示す(図A)。第1ピークは細孔の中心間間隔または、単一細孔の大きさである最短反復距離に対応する。第2ピークはfcc格子の2つの異なる大きさが非常に近い格子面対間の距離に対応するので、ダブレットとして現れる。NP装飾粒子を装飾するAuシードのサイズは5nmまで増加するので(図B)、対照と比較して約5つのピークが依然として見えるが、それらの振幅は、著しく減少し、第2のダブレットピークは、もはや解像することができない。12nmのシードについては明らかに識別可能な3つのピークのみが残る(図C)。ピークの強度が距離とともに急速に減衰するという事実は結晶配置と比較して長距離秩序の減少を示す。無秩序度を制御する利点に加えて、ある実施形態では、この手法によって生成される無秩序構造の均質性が、追加の交絡因子の非存在下で、秩序からの偏差が、触媒作用および光触媒作用の様々な態様にどのように影響するかについての定量的理解の一助となる。ある実施形態ではテンプレートコロイドのNPサイズに対する比は、得られる系における秩序度を規定する。NPのサイズがテンプレートコロイドの約0〜2%のレベルである場合(研究システムで使用されるテンプレートコロイドの典型的なサイズは200〜350nm範囲)、システムは高度の秩序を保っている(即ち、20個を上回る繰り返し単位を有する単一ドメイン)、2〜5%は中間の秩序度(即ち、最大10個の繰り返し単位の単一ドメイン)、および5%より大きいサイズを有するNPは低い秩序度(即ち、5単位以下の典型的な単一ドメイン)をもたらすであろう。
3.2 無秩序を制御するためのプロトラズベリー粒子の使用
コロイド表面上の金属NPと同様に、ある実施形態において、集合体溶液中に存在するイオンおよび界面活性剤などの他の種を用いて、自己組織化プロセスに摂動を生じさせ、無秩序を制御するための明確なまたは相補的な経路を提供することができる。セクション2.2に説明するように、集合体体溶液中にイオンを組み込むことは、ある実施形態によれば、イオン強度の変化によるコロイド懸濁液の迅速な不安定化をもたらし、一方立体安定化したコロイドを用いることで、プロトラズベリー粒子の形成が可能になり、この不安定化を回避する。集合体混合物中このようなイオンの濃度が増加すると、より高度の無秩序がもたらされ、その程度は、本明細書の実施形態に述べるように、十分に制御することができる。
図30はある実施形態による、ポリエチレングリコール(PEG)でキャップされたテンプレートコロイド3011および集合体混合物中異なる濃度のCO(NO)O3011を用いた、イオンによるシリカIOの制御された無秩序を描写している。図(A)は0mMの濃度についての結果を示し、(B)は、0.64mM(または集合体溶液中のSiO前駆体に対する10mоl%)の濃度についての結果を示し、(C)は、ある実施形態による1.28mM(または、集合体溶液中のSiO前駆体に対する20mоl%)の濃度についての結果を示す。図A〜Cのそれぞれについて、列は左から右へ集合体3001の概略図、差し込み図の概略バージョンと共に得られたIOの広視野SEM3002、SEMへのズームイン803、および広視野SEM画像から計算されたRDFおよび高速フーリエ変換(FFTS、差し込み図)である。
図30に示すように、集合体混合物中のCO(NO)O3010の濃度が、集合体溶液中のSiO前駆体に対して0mоl%から(図30の図A)10mоl%(図30の図B)、および20mоl%(図30の図C)に増加すると、3004のRDFプロットにおけるピークの強度の広がりおよび損失によって特徴づけられるように、秩序度は次第に減少する。この無秩序の増加はカチオン性クラスター上の負に帯電したシリカの成長に起因し、コロイドの多分散性の増加および配位子による安定化の減少、ならびに異なるコロイド上に露出された配位子との金属イオン錯体形成から生じる静電スクリーニングおよび場合によっては凝集事象をもたらす。この挙動はPVPおよびPVPでコーティングされたコロイドについて実証され、これらは、立体的相互作用および静電的相互作用の両方によって安定化される。対照的にカルボン酸基、スルホン酸基およびアミン基を有するキャップされたコロイドもまた、ある実施形態において、無秩序を生じさせることはできるが、無秩序度は金属イオンの装填量に依存せず、そして調整することはできない。このような非立体的に安定化したコロイドのついては、ある実施形態では金属カチオンによる静電遮蔽は、調整可能な勾配ではなく、秩序/無秩序の二分化を引き起こすことができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、モジュール方式で、構造とIOの組成との間を分離することを可能にする。ある実施形態では、イオンは最終IO内に組み込むことができ、他の実施形態では、イオンを構造化剤として単独で用いて、か焼の前に除去することができる。例えば、イソプロパノールのような極性有機溶媒は、か焼前に集合体構造からコバルト塩を溶解することができ、所望の程度の秩序を有する純粋なシリカIOをもたらす。ある実施形態では、溶解はほんの部分的であり、特定の「ドーピング」度のマトリックスをもたらす。他の実施形態では、特定のイオンを、か焼前に構造内に(除去する代わりに)堆積させることができる。これらはすべて触媒のマトリックス−細孔およびマトリックス−NP界面の化学的性質に影響を及ぼし、従ってその特性に影響を与える。
既に検討した態様に加えて、例えば、図9に示したような、NPおよびコロイドの材料、サイズおよび界面化学に対するモジュラー制御によって、構造内の触媒領域の高次区画化を生み出すことができる。特におよび例えば、コロイド間の特異的相互作用により使用される異なる会合特性を有する異なるNPで修飾された同一サイズの2つのコロイド群は、ある実施形態によれば明確な反応性を特徴とするドメインの形成をもたらすことができる。ある実施形態では、これによって、反応カップリング、物質移行、および熱輸送および放散を特定するための、さらなる階層レベルの制御を提供する。ある実施形態では、異なるサイズのコロイドおよび異なるNPを有するNP装飾粒子を選択することで、特別に設計された細孔サイズにおいて異なる反応を生じさせることができる。一例として当業者は、サイズ排除クロマトグラフィーと同様に、サイズ排除クロマトグラフィー、例えば、酸化、還元(例えば、水素添加または、水素化分解)、分解反応において、より大きいサイズおよびより小さいサイズのポリマーまたは、オリゴマー分子の混合物(天然または合成の、同じまたは類似の反応性基を含む)の中で、選択性を達成することができることを予測することができる。さらに個々の細孔および相互接続部のサイズは、反応物質が特定の化学的微環境および/または触媒中心の近傍に存在する時間間隔に影響を与える。従って、ある実施形態では、細孔サイズおよび相互接続は、所定の微小環境におけるサイズ排除/許容または、優先的滞留の手段による特定の生成物に対する選択性を向上させるために使用することができる。
4.NP装飾粒子と種々の遷移金属酸化物前駆体との共集合
上述した触媒IO構造の例ではマトリックス材料は、例えばアモルファスシリカであり、これは不活性で安定な構造骨格を提供することができる。ある実施形態では、シリカ以外の金属酸化物(MOx)、特に触媒NPおよび上述のおよび下記の他の技術と組み合わせた金属酸化物は、反応種を吸着させる、機械的および熱安定性に影響を与える、およびそれらの光学特性を調整するような機能を実行することにより、レドックス化学に直接関与する複合構造を作り出す能力を導入することができる。
4.1 遷移金属酸化物を用いたIOsの合成
ゾルゲルベースの遷移MOx前駆体を用いる高品質IOの形成は加水分解、乾燥およびか焼中の高密度化が亀裂構造を生成する可能性があるので困難となり得る。本明細書に記載される合成方法はナノ結晶質およびアモルファス相の両方を有する前駆体を使用するので、EISAの間に粘弾性力および最小体積収縮のバランスを達成する。種々の遷移金属酸化物を使用してフィルムおよびPBフォーマットの両方において高品質IO材料を集合させるために開発された方法が、本明細書中のいくつかの実施形態において記載される。ある実施形態では、このような金属酸化物の例としては、図31に示されるようなチタニア、アルミナおよびジルコニア構造体が挙げられる。巨視的に亀裂がない秩序ドメインを有するIO構造は光触媒用途、特に低速光によってもたらされる光の増強に依存するものに重要である。高品質構造はまた明確な特性を有する異なるシステム間で変数の数を最小限に抑え、体系的に比較することを可能にするので、拡散および熱放散などの触媒作用に寄与する複雑な因子の役割を解明するための優れた試験床の提供もできる。
図31は薄膜およびフォトニックボール(PB)フォーマットの異なる金属酸化物(MOx)材料でできたIOを示す。図A〜Cはチタニア(図A)、アルミナ(図B)、およびジルコニア(図C)の電子顕微鏡画像を示す。図A〜Cの最上列3110はある実施形態による大面積の亀裂のないフィルムを示す低倍率のSEM画像を示す。図A〜Cの下部の画像3120は左側の細孔構造の拡大SEMおよび右側の各ナノ結晶前駆体のTEM画像を示す。図D〜FはPBsの群(最上列3130)およびシリカ(図D)、チタニア(図E)、およびアルミナ(図F)でできたその多孔質ネットワーク(最下列3140)のSEM画像の拡大図を示す。
単一MOx組成物に加えて、ある実施形態では複数のMOx材料を同時に組み込むことによって、構造体の物理的および化学的特性をさらに調整することができる。例えば、ある実施形態では、ハイブリッドシリカ−チタニアサンプルは、コロイドにそれらを加える前に、シリカおよびチタニア前駆体を個別に予備加水分解し、共集合を行い、マトリックス前駆体ゾル−ゲル遷移およびEISAの相対的な動力学を考慮することにより、製造することができる(図32)。図32はハイブリッドシリカ−チタニア逆オパールを示す。図(A)は異なる混合物(比はチタニアのシリカ前駆体に対するモル比)のSEM画像を示し、シリカ含有量の増加は、より高い均一性(スケールバー20μm)を有するフィルムをもたらすことを示す。差し込み図は500nmのスケールバーを付きの高倍率のSEM画像を示す。図(B)はシリカ−チタニアハイブリッドIOのSTEM画像(スケールバー500nm)を示す。差し込み図はSTEM画像に示される線に沿って異なる元素(O、Ti、Si)をX線分光EDSでスキャンした像を示す。図(C)は空気中の純粋シリカ、チタニアおよびシリカ−チタニアハイブリッドのIOの色(最上列3210)を比較し、水(最下行3220)を浸透させた光学顕微鏡写真(スケールバー50μm)を示す。チタニアおよびシリカ相はエネルギー分散型X線分光(EDS)ラインスキャンおよび走査型透過電子顕微鏡(STEM)イメージング(図32の図B)により実施される組成分析に示されるように、ナノドメイン中のマトリックス全体にわたって均一に分散される。ハイブリッドバックグラウンドマトリックスを製造するための本明細書中のある実施形態の合成のための戦略の利点は、亀裂のないIOは、集合したハイブリッド材料に構造完全性を提供する少なくとも25%のシリカ前駆体を含む場合に形成されることであり、これは反応性の低いシリカ前駆体がより反応性のあるチタニア前駆体を和らげるため、チタニア単独のゾル−ゲル合成では達成できない。
ある実施形態では、種々の触媒化学反応を増強するために、マトリックス材料およびNPの異なる組合せによって、光誘起電荷分離および再結合、熱膨脹、熱伝達および機械的応答などの特性を調整することができる。例えば、シリカ−チタニアハイブリッド中の屈折率(RI)を、シリカ(RI〜1.4)の範囲からアナターゼ型(RI〜2.4)のチタニアの範囲までにわたる範囲の制御は、ある実施形態では、IO中の2つの物質の相対濃度を変化させることにより得られる(図32の図A)。RIは光触媒作用に関連するいくつかの光学特性、例えば、フォトニックバンドギャップの位置に影響を及ぼすことができ、本発明は、以下の節で簡単に説明するように、光吸収の効率に影響を及ぼすことができる。さらにある実施形態では、シリカ−チタニアハイブリッドマトリックスのRIが増加すると、液体(図32の図C)を浸透させた時に光学コントラストを保持する能力を提供することができ、ある実施形態では、溶液相光触媒にとって重要となり得る(純粋なシリカマトリックスとほとんどの液体との間の無視できるほどに小さい屈折率コントラストのために、液体媒体中では、光子特性は全く無いか非常に抑制されたものしか観察できないことに留意されたい)。例えば、図Cに示すように、TiO含有IOは、マトリックスと細孔との間の屈折率のコントラストが高いため、水を浸透させた時の色を保つが、対照的にSiOの色は水を浸透させると消える。さらにある実施形態では、均一に分散されたシリカ相をチタニアマトリックスから選択的にエッチングすることができ、その結果、残ったチタニア相中に2層多孔性が生じる。
ある実施形態では、これらの合成戦略は、単一または、ハイブリッドMOxマトリックス材料から構成されるIOsに広範囲のNPを組み合わせて組み込むことを可能にし、フィルムおよびPBフォーマットの両方において、種々の組み合わせを含む触媒構造のライブラリーを作成する。AuおよびPtNPを含むチタニアおよびアルミナフィルムの例を図33に示し、AuNPを有するチタニアPBsの例を次のセクションで説明する。
図33はある実施形態に従って、異なる金属酸化物を用いて形成されたNP修飾IOフィルムを示す。図AおよびBはAu(図A)およびPt(図B)NPsを含有するチタニアフィルムを示す。図CおよびDはAu(図C)およびPt(図D)NPsを含有するアルミナフィルムを示す。図A〜Dの各図はそれぞれ、異なるサンプルの組成を確認するための、マトリックスおよびNPの材料を示す細孔部の概略図(図A〜Dの左上隅)、フィルムのSEM(図A〜Dの右上角)、およびフィルムのEDSスキャン(図A〜Dの底部)を含む。すべての場合において、IOが成長したシリコン基材に起因して、強いシリコン信号が、EDSにおいて観察される。
4.2.フォトニックボールの形をしたNP装飾テンプレーティング−光触媒の設計のためのモジュール手法
ある実施形態では、本明細書に開示される多くの触媒材料の構造および組成の階層的自由度によって、高度に洗練された光触媒システムの合成のためのプラットフォームを作り出すことができる。マクロスケールにおいて、例えばPBの球形形状(図34の図A)は照明角度とは無関係に光応答をするように選択されるが、このことはある実施形態では粒子が浮遊し、従って溶液中で回転している場合、粒子が連続的な応答を維持するために重要である。上述したようにある実施形態では、テンプレートコロイド粒子およびか焼条件によって決定される細孔形状およびサイズは、物質移行およびフォトニック効果の両方に影響を与えるように選択される。ある実施形態では、バックグラウンドマトリックスの組成は、光活性、触媒特性、熱的および機械的特性、ならびにRIを選択し、従ってフォトニック効果の強度および波長依存性を決定することができる。実際、図34の図Bは、チタニアを用いて作られたPBsを有する実施形態が、広い範囲の細孔サイズについて標準的なナノ結晶チタニア光触媒P25よりも高い光活性を有することを示している。ある実施形態では、より高い光活性は、多重散乱および低速光効果ならびに触媒反応物相互作用時間を引き延ばす空間閉じ込めによる光吸収の効率が改善されることに起因し得る。ある実施形態では、本明細書に開示されるこれらのパラメータは、触媒活性に影響を与える種々のパラメータを選択するための基礎として役立つ。
さらにおいて、これらのパラメータは、機能性金属NPを含むカスタマイズされた光触媒IOsを使用する広範囲の光触媒反応を最適化するためのたたき台を提供する。ある実施形態では、光触媒反応において多くの利益を提供することができるので、金属NPsを光活性材料中に組み込むことが望ましい。例えば、それらを含有する動機は、例えば、光吸収を可視領域に広げることである。チタニアを含む多くのタイプのMOxは、UV領域の光のみを吸収することができる広いバンドギャップの半導体であるため、ある実施形態では、選択または回避できる。金または銀などのプラズモン金属NPは、可視光を吸収することができ、「ホット電子」を生成し、次にMOxに移動して酸化/還元反応を促進することができるので、ある実施形態では、この制限を回避するために選択することができる。この増強された光吸収は、太陽スペクトルの大部分を利用することが重要である実用的な応用のような実施形態にとって特に興味深い。金属NPのさらなる利点はそれら自体が反応性となり得ることであり、このことはある実施形態では背景マトリックスを介して生じる光触媒作用を強化することができるまたはバックグラウンドマトリックスと関連して新たな反応を生じさせることができる。さらに、プラズモン金属NPは優れた光熱変換器であり、ある実施形態では、局部加熱を必要とするプロセスに使用することができ、効果的に熱エネルギーが反応に寄与する。NP装飾テンプレート手法は、図34の図CおよびDにチタニアの場合を示すように、このような金属NPを光活性バックグラウンドマトリックスと共にIOに組み込む自然な経路を提供する。
図34は、コロイドおよびNP装飾粒子によってテンプレート化されたPBによる光触媒反応を示す。図(A)は、ある実施形態による、PBを使用する光触媒設計の一般的な原理および利点を示す概略図を示す。触媒マクロ粒子のサイズの均一性は、効率的な材料の使用、均一な物質移行、および光学特性につながる。ある実施形態では、マトリックスは、光活性であるように選択することができる。ある実施形態では、細孔サイズおよびその周期性を制御することにより、最適化された流体の流れおよび遅い光子効果などの光学特性がもたらされる。ある実施形態では、金属ナノ粒子の組成およびそれらの配置は、光触媒特性の効率に影響を与える。図(B)は、市販および合成されたチタニアナノ結晶P25およびNCsとそれぞれ比較した、異なるサイズのチタニアPBs(SEMから測定したナノメートル単位の細孔直径が、x軸上に示される)のメチレンブルー分解の実験的に測定された表面積標準化速度定数を示す。誤差は標準偏差として報告される。Y軸は、動態データから抽出された観測速度定数である。図(C)は、AuNPを組み込んだチタニアPBsのSEM像を示す。図(D)は、TEM画像の差し込み図で示されるように、細孔界面においてチタニアマトリックス中に部分的に埋め込まれた金ナノ粒子を示す、表示された領域に対するズームインSEM画像である。上述したように、部分的に定着した粒子は、構造的にも熱的にも特に安定である。
5.触媒構造の後修飾
ある実施形態において、設計されたテンプレート化された触媒構造はそれぞれ、例えば、図25に示すように、新しいマトリックスおよび金属組成ならびに反応性および流体特性における巨視的パターンおよび勾配を導入する後修飾を使用することによってさらに触媒物質の系統的ライブラリーを作成するための基礎として機能することができる。ある実施形態では、後修飾の戦略を導入すると、テンプレート化された触媒構造の最終組成および微細な幾何学的特徴から共集合プロセス(即ち、共集合プロセスで使用される成分の選択、集合した構造および組み込まれたNPの位置)の要件を切り離すことにより、製造のすべての段階での自由度を高めることができる。
図25は、テンプレート化された触媒構造についての異なる後修飾の選択肢を示す。概略および実験データを示す。図(A)は、装飾テンプレート粒子(右上)2501、およびプロトラズベリー(左下)2502テンプレーティングによって形成されたマトリックス−細孔界面を概略的に示す。2501の円2503は金属ナノ粒子であり、2505の円はイオンであり、2501および2502のそれぞれにおける陰影を付けた左上の部分(2504)はバックグラウンドマトリックスである。図Aの矢印は、触媒系に利用可能な種々の後修飾シナリオの例を示す。図(B)は、NPの溶液/気相成長およびシェルの堆積、ガルバニック置換、および熱による相変態を含むある実施形態による、NPの後修飾のオプションを示す。図(C)は図(B)(下部画像)に概略的に示すある実施形態による、900℃で熱処理した後の20mоl%コバルト−シリカIOのSEM2521と、2つのコバルト種の形成を示すXPSスペクトル2522とを含む熱により誘導された相変態の実験例を示す。差し込み図は、(FFT2524によって確認された)約0.246nmの特徴的な格子間隔を有するIOの壁に埋め込まれたCoナノ結晶のTEM2523を示す。図(D)は、ある実施形態による、パターン化された表面修飾の概略図を示す。線2525は、選択された領域における細孔表面の化学的機能化を表し、成長溶液による局在化された湿潤および浸透時のNPのパターン化された成長が可能になる。図(E)は、図(D)で概略的に示す選択的粒子成長の実験的な実証を示し、ある実施形態による、Au成長溶液の浸透時の局所的に成長したAuNPを含むパターン化されたAuNP含有シリカIOの光学画像を示す(追加で成長した粒子のある領域は、疎水性配位子で後官能化された未変化の領域と比較して暗い色で表示される)。異なる領域におけるNPサイズの差は、対応する領域を切り取ったTEM画像において見られる。図(F)は、粒子サイズの垂直勾配のSEM像を示し、徐々に小さくなるNPは、成長溶液が還元速度に対して減少するために上から下に向かって次第に小さくなる。図(G)は、熱による相転移、選択エッチング、および形状を保護する化学転換を含むマトリックスに利用可能な後修飾の概略的な描写である。図(H)は、図(G)に示した形状を保護する化学転換の実験例を示す。ある実施形態に従って、元のシリカIO(上部)およびシリカを反応的に転換させる材料のSEM(左列)画像およびTEM(右列)画像。
5.1 触媒中心の後修飾
ある実施形態では、組み込まれたNPのサイズ、形態、および組成は、後修飾の技法を使用して制御された方法で修飾できる。ある実施形態では、NPは、液相反応、ALD、またはCVDを介してさらに成長させて、コアシェルまたは均質構造を有する単金属または多金属組成のより大きな粒子を生成できる(図25の図B)。ある実施形態では、これは、NP上の金属堆積の速度が、バックグラウンドマトリックス材料上のその堆積を超えるように成長条件が選択される場合に達成される。ある実施形態によれば、NPはまた、酸化エッチングおよびガルバニック置換のような減法または材料交換技術によって修飾できる。
NP装飾コロイド上のNPのサイズは、コロイドの集合に顕著な影響を与えるように選択でき、セクション3で検討するように、最終的なIOが高度に規則的な結晶構造かランダムな細孔分布を有するかどうかを決定する。ある実施形態によれば、集合ステップ後にNPのサイズおよび組成を変更する能力により、特定の触媒および構造特性を有するNPの形成を集合ステップから切り離すことが可能になる。ある実施形態では、このことによって、例えば、小さなNPで装飾されたテンプレートコロイド粒子を使用し、続いてNPを所望のサイズに成長させることによって、制御された秩序度を達成する機会を提供できる。
プロトラズベリーの場合、組み込まれたイオン種は、それらの触媒活性、分布、結晶化度、および粒子サイズを、構造への影響から切り離すのと同様に、ある実施形態において、共集合後に調整することもできる。具体的には、いくつかの実施形態では、熱処理は、細孔表面に分布する触媒中心の相転移を引き起こすことができる。例えば、900℃でののか焼によって、図Cに示すように、シリカマトリックスの細孔表面に埋め込まれた結晶性酸化コバルトNPが形成される。ある実施形態では、イオンは、空気と接触すると、細孔界面に優先的に拡散し、そこでコバルト酸化物ナノ結晶として堆積する。得られたIO後熱処理のSEM2521を代表的なナノ結晶のTEM2523、FFT 2524、およびXPS2522と共に図Cに示す。直接観察し、FFT分析で確認した格子間隔は、Coに対応する2.5Åである。XPS表面分析は、2つの酸化状態のコバルトの存在を示しました(IIおよびIII、図C)。779および789eVのCo2pのピークは、純粋なCoの対照サンプルの測定値と一致するCo3の証拠である。782eVと798eVに対応するサテライトを伴う強いピークは、CoSiO形状の四面体Co2+の存在を裏付ける。
5.2.細孔表面の化学的後修飾
ある実施形態では、異なる化学官能基をIOの細孔表面に結合することができ、設計された表面エネルギー論または反応種の特定の結合つながり、構造全体の液体浸透および運動、または反応速度論および特異性をそれぞれ調整する(図25の図D)。ある実施形態では、IOを横切って水平に(図25の図E)およびその深さの端から端まで垂直に(図25の図F)の双方とも湿潤性および触媒活性のパターンを化学的機能化によって達成でき、制御された流体工学およびIOの規定の領域依存の触媒特性を備えたシステムの設計が可能になる。ある実施形態では、湿潤性の勾配はまた、成長溶液が多孔質ネットワークに浸透できる選択的領域を作成することにより、NPのパターン化された後修飾が可能になる。このような勾配は、平行してまたは連続して行われる複数の反応を伴う巨視的触媒システムの作成、ならびにマイクロ流体デバイスおよびラボオンチップデバイスにとって有益である。
5.3.マトリックス材料の後修飾
ある実施形態では、バックグラウンドマトリックス組成、結晶化度、粗さ、および多孔度の後修飾は、IOの機能範囲を設計するための追加の自由度を提供する(図25の図G)。ある実施形態によれば、これらの修飾は、熱処理、選択的堆積、選択的エッチング、および形状保存化学変換のような方法を使用して実現できる。例えば、チタニアIOの熱処理をある実施形態で使用して、晶子サイズ、従って表面粗さ、ならびに材料相(アモルファス、アナターゼ、またはルチルをなど)を調整できる。ある実施形態では、IOの様々なバックグラウンドマトリックス内のある成分の選択的エッチングを使用して、階層的な多孔性を有するIOの設計、不純物の除去、または上述したハイブリッドシリカ−チタニアIOまたはイオンのシリカマトリックスへの組み込みの場合のように、1つの材料を構造化剤として用い、他方が触媒的または他の実用的な重要性がある合成の複雑さを簡素化するルートを提供できる。
ある実施形態において、マトリックス修飾の別の機会は、共集合が十分に確立されている材料から、製造プロセスが(例えば、高コストのため)非現実的または(例えば、利用可能な前駆体の欠如により)わかりづらい別のものへの形状保存化学変換の使用である。ある実施形態では、レドックス反応およびイオン交換反応を使用して、ミクロンおよびサブミクロンの特徴を備えた3Dシリカ構造を、多孔質ケイ素、酸化マグネシウム(MgO)、チタニア、オキシフッ化チタン(TiOF)他多数へと変換することができる。例えば、生物学的に生成されたシリカ珪藻の被殻のTiOFレプリカは、触媒作用のある実施形態で使用できる。同様に、ある実施形態で、Siは、それ自体で、または他の材料と組み合わせて光電陰極として使用できる。これに関連して、Siの微視的な組織構造により、Si表面を光吸収の位置に近づけ、光生成電子/正孔ペアが反応表面に到達することができる前に、バルクSiにおける光生成電子/正孔ペアの再結合の一般的な問題が最小限に抑えられる。
6.巨視的な産業関連基材の修飾
多孔質材料は、幅広い科学および工学用途で使用されている。細孔サイズ、形状、相互接続性、およびその表面の化学的特性の特定の組み合わせにより、多孔質材料のユニークな特性を規定する。国際純正応用化学連合(IUPAC)の分類によると、2nm未満の細孔を有する材料は微小孔性と定義され、2〜50nmの細孔はメソ細孔性であり、また50nmより大きい細孔を有する材料はマクロ多孔質である。微小孔とメソ孔を使用して、材料内で大きな表面積を得ることができる。一方、メソ孔とマクロ孔は、ねじれを低減し、材料内または材料を通過する物質移行を容易にできる。高表面積と容易な拡散の両方を備えた多孔質材料は、様々な用途に必要である。しかしながら、その製作は依然として困難である。
サブナノメートルからミリメートルまで、複数の長さスケールの細孔を含む階層的に組織化された多孔質材料の設計と製造は、収着、分離、エネルギー変換と貯蔵、触媒作用、センシング、電子工学、建設、薬剤送達、組織工学などの幅広い分野にとっては大変興味深い。そのような材料は、例えばナノメートル、数十ナノメートル、数百ナノメートル、マイクロメートル、数十マイクロメートル、および/または数百マイクロメートルなど、広範囲の細孔サイズを含むことができる。触媒コンバータや担体、フィルター、膜、反応器、発泡体、ある種の電池、燃料電池、太陽電池などの産業的に重要な装置は、巨視的多孔質モノリシック構造(本明細書中では「モノリス」とも称される)にたいてい依存している。例えばフロースルー触媒または分離系で使用される多孔質モノリスは、充填床と比較して、背圧が低く、浸透性が高く、性能が優れている。さらに、多孔質モノリスは、機械的、化学的、熱的に高い安定性を示す。モノリスの利用は、多くの場合、その修飾を要する。
機能性材料(例えば、金属または金属酸化物ナノ粒子)の表面積を増やしたり、および/または機能性材料をマクロポーラスモノリスに組み込んだりするために、その表面をナノ構造またはマイクロ構造のコーティングで修飾することができる。こうした修飾モノリスは、粉末やペレットなどの他の多孔質形態と比較して、多くの場合より効率的でコスト効率が高い。モノリシック表面の修飾方法には、ウォッシュコート、含浸、金属酸化物ナノ粒子の堆積、およびカーボンナノファイバーの成長が挙げることができる。モノリスを修飾する方法には、次のような実質的な欠点がある。1)多孔性、均質性、秩序度などの、構造、組成、および幾何学的特徴が明確に定義された合理的に設計されたシステムを製造する能力が十分でない、および2)機能性成分、例えば金属ナノ粒子、などの組み込みに対する制御が、その配置、形状、および組成の点で十分でない。
ある実施形態において、物理的特性および反応性のモデリングおよび推定を通じて触媒担体などの複雑な多孔質機能性材料を合理的に設計する能力は、実用的な系の開発および最適化にとって非常に望ましい。その潜在的な利点にもかかわらず、その組成と多様な多孔性を同時に制御する階層構造の巨視的モノリス材料の製造は困難である。
ある実施形態では、コロイドベースの多孔質材料(CBPMs)は、その組成および多孔性(ミクロ細孔、メソ孔、およびマクロ孔を含むがこれらに限定されない)に対する制御に関して多くの利点を示す。さらに、ある実施形態では、CBPMsを作製することでゾル-ゲルプロセスまたはナノ結晶前駆体を使用したマトリックス材料(例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、それらの混合物など)の選択によって、および追加の成分(例えば、機能性ナノ粒子)の組み込みによって多孔質材料の機能特性を調整することが可能になる。
本開示のある実施形態によれば、触媒活性種および/または他の機能性成分は、独立して選択することができ、多孔質構造内に所望の量および位置で制御可能に組み込まれる。さらに、本明細書の実施形態に記載の方法を使用して得られる多孔質構造のモジュール性により、複数の種類の機能性成分を組み込むことができ、錯体触媒(または他の機能)系の合理的な設計が可能になる。
ある実施形態では、共集合手法によるCBPMフィルムの形成は一般に、サブマイクロメートルのポリマーコロイドの自己組織化によって推進され、マトリックス前駆体材料を使用してコロイド粒子間の空隙を満たし、その後の粒子の除去により、相互接続された多孔質構造が形成される。CBPMの形成は、段階的に、事前に集積したコロイドフィルムの裏込めによって、またはコロイドとマトリックス前駆体材料を単一ステップの共集合によって実行できる。CBPMは、多くの場合、平坦な基材、バルク、または粉体上に薄膜の形で製造されるが、触媒作用やろ過などの用途における実用性は限られている。さらに、プロセスが時間と費用がかかり、結果として得られる構造の機械的堅牢性は大したことがないため、産業的に適切なサイズスケールでのCBPMベースの材料の製造は、多くの場合実際的ではない。
共集合手法によるCBPMフィルムの形成方法では、主に平坦で滑らかな基材上にフィルムを製造できる。ある実施形態では、これらの方法は、幾何学的制約、コロイド分散の表面張力、毛管力、表面エネルギーの不均一性および基材の粗さなどの要因の存在により、巨視的多孔質モノリスの三次元ネットワーク内で多孔質フィルムを製造するには効率的ではない。その結果、多孔質コーティングは成長しないか、下にある多孔質基材の細孔開口を「覆う」。
ある実施形態によれば、階層的に多孔質の材料を調製する方法は、第1平均細孔径の第1多孔度を有する多孔質巨視的モノリシック基材を提供するステップを含む。NPで装飾されたテンプレート化材料のコロイド粒子およびマトリックス前駆体材料を含む共集合体混合物が、多孔質モノリシック基材の細孔に適用される。多孔質モノリシック基材内に触媒テンプレート化多孔質コーティング(CTPC)を形成するように、NP装飾テンプレート材料が除去される。CTPCは、第1平均細孔径よりも小さい第2平均細孔径の第2多孔度を有し得る。相互接続されたテンプレート成分の除去することで、相互接続された細孔のネットワークを提供する。テンプレートコロイド粒子の除去は、熱処理、溶媒溶解および/またはエッチングを介して行うことができる。
本開示の実施形態は、共集合手法を用いて多孔質モノリスを(本明細書中では「コロイド」とも称される)テンプレート犠牲材料で修飾して触媒テンプレート化多孔質コーティング(CTPCs)を形成することによって、ナノメートルからミリメートルまでの広範囲の細孔サイズを含む、モノリスとも呼ばれる巨視的な多孔質基材上に支持された巨視的な階層的多孔質ハイブリッド材料を製造することを含む。結果として得られる構造は、大きなサイズ(例えば、センチメートルスケール以上)の巨視的に多孔質の材料の利点と、CBPMにより生じる利点を組み合わせる。これらには、純粋なCBPMシステムと比較して、高表面積、相互接続された多孔性、明確な構造、制御された組成、多孔質構造内の容易な流体の流れ、ハイブリッド構造全体の機械的堅牢性が含まれる。
ある実施形態では、多孔質モノリシック基材は、コージライトなどのセラミック、および/またはムライト、ゼオライト、天然粘土、および合成粘土であってもよい。
ある実施形態では、多孔質モノリシック基材は、金属および金属合金の少なくとも1つを含み、その例としては、ステンレス鋼、フェライト鋼(例えば、鉄−クロム合金)、オーステナイト鋼(クロム−ニッケル合金)、銅、ニッケル、真鍮、金、銀、チタン、タングステン、アルミニウム、パラジウム、および白金が挙げられる。
ある実施形態では、多孔質モノリシック基材は、金属塩および金属酸化物の少なくとも1つを含み、その例としては、シリカ、アルミナ、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズ、アルミナケイ酸塩、チタン酸アルミニウム、ベリリア、貴金属酸化物、白金族金属酸化物、チタニア、ジルコニア、ハフニア、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化レニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化スカンジウム、イットリア、酸化ランタン、セリア、酸化トリウム、酸化ウラン、および希土類酸化物が挙げられる。
ある実施形態では、多孔質モノリシック基材は、サーメットなどの複合金属と金属酸化物の組み合わせを含む。
ある実施形態では、多孔質モノリシック基材は、ポリウレタンなどのポリマーを含み、および/または以下の少なくとも1つを含む。
ポリスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアクリレート、ポリアルキルアクリレート、置換ポリアルキルアクリレート、ポリスチレン、ポリ(ジビニルベンゼン)、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、その他のハロゲン化ポリマー、ヒドロゲル、オルガノゲル、キチン、キトサン、ランダムおよびブロックコポリマー、分岐、星型および樹状ポリマー、および超分子ポリマー。
ある実施形態では、多孔質モノリシック基材は以下の少なくとも1つを含む半導体を含む。炭化ケイ素、シリコン、ゲルマニウム、スズ、第III族元素でドープされたシリコン、第V族元素でドープされたシリコン、第III族元素でドープされたゲルマニウム、第V族元素でドープされたゲルマニウム、第III族元素でドープされたスズ、第V族元素でドープされたスズ、および遷移金属酸化物。
さらに他の実施形態では、多孔質モノリシック基板は導電性である
ある実施形態では、多孔質モノリシック基材は、例えば、セルロース、天然ゴム(例えば、ラテックス)、ウール、綿、絹、リネン、ヘンプ、亜麻、および羽毛繊維の少なくとも1つを含む天然材料を含む。
ある実施形態では、CTPCは以下の少なくとも1つを含む。酸化物、金属、半導体、金属硫化物、金属カルコゲナイド、金属窒化物、金属プニクチド、有機金属化合物、有機材料、天然材料、ポリマー、およびそれらの組み合わせ。
ある実施形態では、CTPCは以下の少なくとも1つを含む。シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコマ、セリア、ハフニア、バナジア、ベリリア、貴金属酸化物、白金族金属酸化物、チタニア、酸化スズ、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化クロム、酸化スカンジウム、イットリア、酸化ランタン、酸化トリウム、酸化
ウラン、および希土類酸化物。
ある実施形態では、前記方法は、CTPCの形成前に多孔質モノリシック基板を前処理するステップも含む。前処理ステップは、接着促進剤を多孔質モノリシック基材に適用するステップ、および/または多孔質モノリシック基板の表面を活性化するステップを含んでもよい。
ある実施形態では、共集合体混合物は、機能性成分をさらに含む。例えば、機能性成分は以下の少なくとも1つを含んでもよい。金属ナノ粒子、金属合金ナノ粒子、半導体ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、混合金属酸化物ナノ粒子、金属硫化物ナノ粒子、およびそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態では、機能性成分は、酵素またはタンパク質などの生物学的に誘導された材料である。
ある実施形態では、共集合体混合物はさらにナノ粒子を含み、ナノ粒子は例えば、以下の少なくとも1つを含んでもよい。金属ナノ粒子、金属合金ナノ粒子、半導体ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、混合金属酸化物ナノ粒子、金属硫化物ナノ粒子、およびそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、共集合体混合物を適用する前に、テンプレート材料を機能性ナノ粒子で装飾することによって導入される。他の実施形態では、ナノ粒子は、以下のうちの少なくとも1つの間に導入される。共集合体混合物を適用するステップ、およびその後のCTPCの修飾。
ある実施形態では、共集合体混合物は、金属塩をさらに含む。
ある実施形態では、共集合体混合物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、第(III)属金属、および遷移金属塩の少なくとも1つとの錯塩をさらに含む。
ある実施形態では、共集合体混合物は、生物学的材料をさらに含む。
ある実施形態では、マトリックス前駆体材料は、ゾル−ゲル前駆体を含む。
ある実施形態では、テンプレート材料は、ポリマーコロイド、バイオポリマーコロイド、有機金属化合物、超分子自己集合コロイド、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含むコロイド粒子である。他の実施形態では、コロイド粒子は、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、分岐ポリマー、スターポリマー、樹状ポリマー、超分子ポリマー、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。さらに他の実施形態では、コロイド粒子は、有機金属構造体、無機ポリマー、有機金属錯体、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。さらに他の実施形態では、コロイド粒子は、ポリマー繊維、バイオポリマー繊維、有機金属組成物を有する繊維、超分子自己集合繊維、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。さらに他の実施形態では、コロイド粒子は、球状粒子、細長い粒子、凹状粒子、アモルファス粒子、ファセット粒子、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。
ある実施形態では、前記方法は、CTPCを機能性成分で修飾するステップをさらに含む。
ある実施形態では、階層的多孔質材料は、センサー、光触媒反応、気相および液相汚染物質の光触媒分解、コヒーレント散乱媒体、発光体、ランダムレージング、またはスマートディスプレイや他のエレクトロクロミック材料などの他の光学的応用、化粧品の調製、医薬および食用製品の調製、薬物送達、流体デバイス、ヒト組織工学、膜、濾過、収着/脱着、触媒媒体または担体としての担体媒体、酸化、水素化、脱水素化、水和、脱水和、異性化、酸化カップリング、脱水素カップリング、ヒドロシリル化、アミノ化、ヒドロアミノ化、C−H活性化などの触媒反応、挿入反応、分解、レドックス反応、もしくは重合/脱重合、選択的触媒反応、エネルギー貯蔵、電池、または燃料電池、音響デバイス、および/またはパターン化された構造の製造との関連で有用であり得る。
ある実施形態において、階層的多孔質材料は、カスケードまたは多段階触媒反応の活性化を達成できるように、同じ構造内の複数の触媒反応に利用できる。
ある実施形態では、階層的多孔質材料は、10マイクロメートルから1センチメートルの第1多孔度を有し、厚さ全体にわたって延びる相互接続された細孔のネットワークを含む三次元マクロ多孔質基材、およびマクロポーラス基材の細孔の総合表面積の少なくとも30%に堆積された多孔質フィルムであって、50ナノメートルから500マイクロメートルの厚さおよび0.5ナノメートルから2マイクロメートルの第2多孔度を有するフィルム、を含む。マクロ多孔質基材は、コージライトなどのセラミックを含むことができる。いくつかの実施形態では、マクロ多孔質基材は、金属、金属合金、金属塩、金属酸化物、半導体、合成ポリマー、バイオポリマー、および天然材料のうちの少なくとも1つを含む。
ある実施形態では、多孔質フィルムは、酸化物、金属、半導体、金属硫化物、金属カルコゲナイド、金属窒化物、金属プニクチド、有機金属化合物、有機材料、天然材料、ポリマー、およびそれらの組み合わせのうちの1つを含む。他の実施形態では、多孔質膜は、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、ハフニア、バナジア、ベリリア、貴金属酸化物、白金族金属酸化物、チタニア、酸化スズ、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化レニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化クロム、酸化スカンジウム、イットリア、酸化ランタン、酸化トリウム、酸化ウラン、他の希土類酸化物、およびそれらの組み合わせのうちの1つを含む。
いくつかの実施形態では、階層的多孔質材料は、金属カチオン、金属塩、金属酸化物、および有機金属錯体のうちの1つを含み得る機能性成分をさらに含む。いくつかの実施形態では、機能性成分はナノ粒子である。いくつかの実施形態では、機能性成分は、酵素またはタンパク質などの生物学的に誘導された材料である。
ある実施形態では、機能性成分は、共集合体混合物を適用する前に、テンプレート材料をナノ粒子で装飾することによって導入される。他の実施形態では、機能構成要素は、以下のうちの少なくとも1つの間に導入される。共集合体混合物を適用するステップ、およびその後のCTPCの修飾。
ある実施形態では、階層的多孔質材料は触媒活性を示す。触媒活性としては、メタノールおよびアンモニアのうちの1つの形成、揮発性有機化合物および一酸化炭素のうちの少なくとも1つの酸化、窒素酸化物のレドックス反応、硫黄酸化物の酸化、微粒子、細菌、ウイルス、チリダニアレルゲン、カビ、真菌胞子などの微生物粒子の分解、およびオゾンの分解を挙げることができる。
ある実施形態では、センサーは、階層的多孔質材料を含む。階層的多孔質材料は、10マイクロメートルから1センチメートルの第1多孔度を有し、厚さ全体にわたって延びる相互接続された細孔のネットワークを含む三次元マクロ多孔質基材、および微厚孔性基材の細孔の総合表面積の少なくとも30%に堆積された多孔質フィルムであって、前記多孔質フィルムは50ナノメートルから500マイクロメートルの厚さ、および0.5ナノメートルから2マイクロメートルの第2多孔度を有するフィルム、を含むことができる。
ある実施形態では、濾過膜は、以下を含む階層的に多孔質の材料を含む。10マイクロメートルから1センチメートルの第1多孔度を有し、厚さ全体にわたって延びる相互接続された細孔のネットワークを含む三次元マクロ多孔質基材、およびマクロ多孔質基材の細孔の総合表面積の少なくとも30%に堆積された多孔質フィルムであって、前記多孔質フィルムは50ナノメートルから500マイクロメートルの厚さ、および0.5ナノメートルから2マイクロメートルの第2多孔度を有する多孔質フィルム。
6.1巨視的階層多孔質材料
本明細書に記載の方法によれば、CTPCの共集合のための混合物は以下のある実施形態に記載されるように、テンプレート材料(例えば、コロイド粒子)、マトリックス前駆体、および追加の成分を化学結合させることができる。
本明細書のある実施形態に記載される方法によれば、巨視的多孔質基材モノリスへのCTPCの適用の成功は、以下のうちの1つまたは複数によって促進できる:(1)(例えば、多孔質基材モノリスの高温、および/またはエッチャント、および/またはプラズマ)への曝露による)多孔質基材モノリスの表面活性化;(2)結合剤による表面修飾;および(3)混合物の表面張力を効果的に低下させるために、および/または特定の成分および/または堆積条件に対するその安定性を向上させるために、界面活性剤、および/または分散剤、および/または共集合体混合物と混和する液体を添加することで、均一性が向上したCTPCが得られる。
ある実施形態では、本明細書に記載の方法は、溶液中の共集合によるコーティングの形成、溶媒の蒸発、および/または基材に共集合体混合物を通すことを含む。
ある実施形態では、本明細書に記載の方法は、酸、塩基、および酸化剤(例えば、過酸化水素、オゾン、プラズマ)のようなエッチャントによる前処理を含む。
ある実施形態では、本明細書に記載の方法は、電着および/または磁気沈着によって支援された溶液中の共集合によるコーティングの形成を含む。
ある実施形態では、CTPCで修飾されている基材は、共集合体混合物に浸漬される。
ある実施形態では、共集合体混合物は、噴霧によって堆積される。
ある実施形態では、階層的多孔質構造は、テンプレート粒子を除去すると得られる。処理方法としては、か焼、溶解、エッチング、蒸発、昇華、相分離、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。
本明細書に記載の方法に従って調製された階層的多孔質材料の多孔度は、ミリメータスケールからマクロポアを介してメソポアおよび/またはマイクロポアに向かって遷移する階層的多孔度を有すると言える。いくつかのこうした実施形態では、階層的多孔質材料または構造は、第1タイプ(例えば、サイズおよび/または形状)のテンプレート材料に対応する第1多孔度を有する層または領域、および第2タイプ(例えば、サイズおよび/または形状)のテンプレート材料に対応する第2多孔度を有する層または領域を含む。ある実施形態では、第1および第2多孔度は、サイズ(例えば、細孔直径)および/または形状が異なり得る。ある実施形態では、階層的多孔質材料は、サイズおよび/または形状も第1および第2多孔度値と異なり得るさらなる多孔度値(例えば、第3多孔度、第4多孔度など)を有する1つまたは複数の層または領域もさらに含むことができる。ある実施形態では、異なる多孔度(例えば、第1多孔度、第2多孔度、第3多孔度、第4多孔度など)は階層的多孔質材料の同じ層または領域に存在し得る。ある実施形態では、階層的多孔質材料の層または領域は、階層的多孔質材料の成長方向に沿って増加する対応する多孔度を有する。ある実施形態では、階層的多孔質材料の層または領域は、階層的多孔質材料の成長方向に沿って減少する、および/または成長方向に沿った混合された多孔度を有する対応する多孔度を有する。ある実施形態では、巨視的細孔を有する基材上に堆積された階層的多孔質材料層は、同時にマクロ多孔質、メソ多孔質、およびミクロ多孔質のうちの2つ以上であり得る。
6.2 モノリス
多孔質モノリスは、巨視的な細孔(例えば、「ハニカム」構造、メッシュ、フォーム、テキスタイル、紙)を有する材料を含み、または本明細書内では定義し、コーティングが巨視的に多孔質の材料の壁の少なくとも30%をコーティングするように適用される。
ある実施形態では、モノリスは、コージライト、ムライト、ゼオライト、および天然または合成粘土などのセラミック材料から作ることができる。
ある実施形態では、モノリシック材料は、シリカ、アルミナ、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズ、アルミナケイ酸塩、チタン酸アルミニウム、ベリリア、貴金属酸化物、白金族金属酸化物、チタニア、ジルコニア、ハフニア、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化レニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化スカンジウム、イットリア、酸化ランタン、セリア、酸化トリウム、酸化ウラン、他の希土類酸化物、およびそれらの組み合わせなどの金属塩または酸化物から作ることができる。
ある実施形態では、モノリシック材料は、ステンレス鋼、フェライト鋼(例えば、鉄−クロム合金)、オーステナイト鋼(クロム−ニッケル合金)、銅、ニッケル、真鍮、金、銀、チタン、タングステン、アルミニウム、パラジウム、白金、およびそれらの組み合わせなどの1つまたは複数の金属および/または金属合金から作ることができる。
ある実施形態では、モノリシック材料は、炭化ケイ素、シリコン、ゲルマニウム、スズ、第III族または第V族元素でドープされたシリコン、第III族または第V族元素でドープされたゲルマニウム、第III族または第V族でドープされたスズ、遷移金属酸化物、およびそれらの組み合わせなどの半導体から作ることができる。
ある実施形態では、モノリシック材料は、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアクリレート、ポリ(アルキルアクリレート)、置換ポリアルキルアクリレート、ポリスチレン、ポリ(ジビニルベンゼン)、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、他のハロゲン化ポリマー、ヒドロゲル、オルガノゲル、およびそれらの組み合わせなどのポリマーから作ることができる。ランダムおよびブロックコポリマー、分枝状、星状および樹状ポリマー、ならびに超分子ポリマーなど、異なる構造の他のポリマーも利用できる。
ある実施形態では、モノリシック材料は、セルロース、天然ゴム(例えば、ラテックス)、ウール、綿、絹、リネン、ヘンプ、亜麻、および羽毛繊維などの1つまたは複数の天然材料から作ることができる。
ある実施形態では、モノリシック材料は、上記のいずれかの組み合わせから作ることができる。例えば、金属(例えば、ニッケル、モリブデン、コバルト、チタン、およびタングステン)とそれらの酸化物、ホウ化物、および炭化物との複合体であるサーメットを使用して、モノリシック材料を形成できる。
6.3 テンプレート材料
ある実施形態では、セクションIII.6で検討したコロイドは、任意の形状または形態(例えば、球状または繊維状)の分散粒子または別の物質に懸濁された大きな分子として定義され、あるいはコロイド分散体と称されることもある。本明細書で使用する場合、分散した物質または粒子は、「コロイド」または「コロイド粒子」またはNP装飾テンプレート材料と称されることもある。本明細書に記載の方法を実施する際に、多くの異なるタイプのコロイド粒子を利用できる。コロイドは、様々な材料または材料の混合物から作ることができる。ある実施形態では、犠牲テンプレート材料として機能するために、コロイド材料の少なくとも一部は、CTPCsの形成の過程で可燃性、溶解性、昇華性、または溶融性でなければならない。コロイド粒子は、マイクロポア(<2nm)、メソポア(2〜50nm)、および/またはマクロポア(>50nm)のオーダーのサイズ(粒径)を有することができる。
ある実施形態では、分散した物質または粒子は、ポリマーコロイド、バイオポリマーコロイド、有機金属化合物、超分子自己集合コロイド、またはそれらの組み合わせを含む。
ある実施形態では、材料は、ポリマー繊維、バイオポリマー繊維、有機金属組成物を有する繊維、超分子自己集合繊維、またはそれらの組み合わせを含む。
ある実施形態では、材料はポリマー性であり、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアクリレート、ポリアルキルアクリレート、置換ポリアルキルアクリレート、ポリスチレン、ポリ(ジビニルベンゼン)、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、他のハロゲン化ポリマー、ヒドロゲル、オルガノゲル、またはそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を含む。ランダムおよびブロックコポリマー、分枝状、星状および樹状ポリマー、ならびに超分子ポリマーなど、異なる構造の他のポリマーも利用できる。
ある実施形態では、材料は、タンパク質または多糖ベースの材料、絹フィブロイン、キチン、セラック、セルロース、キトサン、アルギン酸塩、ゼラチン、またはその混合物などの天然起源(バイオポリマーコロイド)である。
ある実施形態では、材料は、金属有機骨格、無機ポリマー(シリコーンなど)、有機金属錯体、またはそれらの組み合わせなどの1つまたは複数の有機金属化合物を含む。
ある実施形態では、テンプレート粒子のサイズ(例えば、直径)は、約1nm〜数十または数百ミクロンの範囲におよび得る。いくつかの例示的なサイズとしては、特定の光学特性および/または重力によって大きく影響されない改善された集合特性を提供するために、約1nm〜約1000nmが挙げられる。いくつかの例示的なサイズとしては、特定の物質移行特性、および/または濾過および/または触媒用途のための多孔性を得るために、200nm〜50000nmが挙げられる。用途に応じて、多くのタイプの犠牲粒子を利用できる。
ある実施形態では、テンプレート粒子としては、ポリマー、金属、金属酸化物、超分子凝集体、有機、無機および有機金属化合物の結晶、または塩から作られる球状、細長い、凹状、アモルファス、またはファセット粒子のコロイド分散が挙げられる。
6.4 マトリックス材料
本明細書に記載されているある実施形態では、「マトリックス前駆体材料」は本明細書に記載製造加工ステップのうちの1つまたは複数、例えば、高温か焼、(例えば、高分子発泡体の)乾燥、光誘起重合、熱重合、ラジカル重合、超分子重合、他の硬化プロセス、およびそれらの組み合わせによって「マトリックス材料」に変換できる。
ある実施形態では、マトリックス材料は、様々な材料または材料の混合物から作ることができる。マトリックス材料の選択は、その意図する用途とCTPC処理条件に適合するその前駆体の能力(例えば、他の成分との安定した混合物を形成する能力、特定の自己集合または重合動態を示す能力)、および/またはか焼または他のテンプレート除去条件に耐える)によって決めることができる。マトリックス材料は、例えば、触媒的に活性、刺激応答性、化学的に堅牢、分解可能であり得、および/または特定の熱的および機械的特性を示すことができる。
ある実施形態では、材料は、金、パラジウム、白金、銀、銅、ロジウム、ルテニウム、レニウム、チタン、オスミウム、イリジウム、鉄、コバルト、もしくはニッケル、またはそれらの組み合わせなどの1種または複数種の金属を含む。
ある実施形態では、材料は、シリコン、ゲルマニウム、スズ、第III族または第V族元素でドープされたシリコン、第III族または第V元素でドープされたゲルマニウム、第III族または第V元素でドープされたスズ、またはそれらの組み合わせなどの半導体を含む。ある実施形態では、材料は導電性材料を含む。
ある実施形態では、材料は、シリカ、アルミナ、ベリリア、貴金属酸化物、白金族金属酸化物、チタニア、酸化スズ、ジルコニア、ハフニア、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化レニウム、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化クロム、酸化スカンジウム、イットリア、酸化ランタン、セリア、酸化トリウム、酸化ウラン、他の希土類酸化物、またはそれらの組み合わせなどの1つまたは複数の酸化物を含む。
ある実施形態では、材料は、1つまたは複数の金属硫化物、金属カルコゲニド、金属窒化物、金属プニクチド、またはそれらの組み合わせを含む。
ある実施形態では、材料は、金属有機骨格、無機ポリマー(シリコーンなど)、有機金属錯体、またはそれらの組み合わせなどの1つまたは複数の有機金属化合物を含む。
ある実施形態では、マトリックスは、ポリマー、天然材料、およびその混合物などの1つまたは複数の有機材料を含むことができる。
ある実施形態では、材料はポリマー性であり、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアクリレート、ポリアルキルアクリレート、置換ポリアルキルアクリレート、ポリスチレン、ポリ(ジビニルベンゼン)、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、他のハロゲン化ポリマー、ヒドロゲル、オルガノゲル、およびそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を含む。ランダムおよびブロックコポリマー、分枝状、星状および樹状ポリマー、ならびに超分子ポリマーなど、異なる構造の他のポリマーも利用できる。
ある実施形態では、材料は天然起源であり、例えば、タンパク質または多糖ベースの材料、絹フィブロイン、キチン、シェラック、セルロース、キトサン、アルギン酸塩、ゼラチン、またはその混合物が含まれる。
ある実施形態では、マトリックス前駆体材料は、ゾルゲル前駆体、ナノ粒子前駆体、またはそれらの組み合わせの形態である。
ある実施形態では、ゾルゲルマトリックス前駆体材料は、シリカ、アルミナ、チタニア、および/またはジルコニアゾルゲルである。
ある実施形態では、ナノ粒子前駆体は、上記のマトリックス材料の単独のまたは混合物のナノ粒子を含む。
6.5 触媒用途
ある実施形態では、本明細書に記載の方法によって、酸化、水素化、脱水素化、水和、脱水和、異性化、酸化カップリング、脱水素カップリング、ヒドロシリル化、アミノ化、ヒドロアミノ化、C−H活性化、挿入反応、分解、レドックス反応、または重合/解重合
などの1つまたは複数の反応を触媒できる構造の形成を促進することができる。
本明細書に記載の方法は、特定の生成物の形成に対してまたは異なる官能基が同じ基材分子中に存在する場合に選択的触媒活性を示す構造の製造を容易にする。
ある実施形態では、本明細書に記載の方法は、メタノールおよびアンモニアの形成に対して触媒反応性を示す構造の製造を容易にする。
ある実施形態では、本明細書に記載される方法は、カスケードの活性化または多段階触媒反応が達成できるように、同じ構造内への複数の触媒機能の組み込みを容易にする。
ある実施形態では、本明細書に記載の方法は、二重結合、三重結合、および芳香族結合を含む、単一および多不飽和炭素−炭素および炭素−ヘテロ原子官能基、ならびに異なる骨格構造(線形、分岐、環状)の飽和炭化水素の化学変換を触媒する構造の製造を容易にする。
図38の図A〜Cは、ある実施形態による、階層的に多孔質の材料3800の一連の概略図である。図38の図Aに示すように。階層的多孔質材料3800は、センチメートル(cm)スケールのサイズを有し、その中に巨視的スケールの(例えば、その最小寸法、例えば直径に沿ったサブミリメートルから数ミリメートル(mm)のオーダーの)第1の複数の細孔をその中に規定するモノリスを含み得る。モノリスの壁は、第1の複数の細孔(例えば、第1の複数の細孔)と同じまたは異なる最小寸法(例えば、直径)であり得る巨視的スケールの第2の複数の細孔をその中に規定できる。(例えば第2の複数の細孔は、50nmより大きい最小寸法を有し得る)(図38の図B参照)。第2の複数の細孔の壁は、その中に規定される、第3の複数の細孔、例えば、メソ細孔(2〜50nm)および/または(2nmより小さい)マイクロ細孔を含み得る(図38の図C参照)。上述のように、階層的多孔質材料3800の多孔度は、従ってミリメートルスケールの細孔からマクロ細孔を介して、メソ細孔および/またはミクロ細孔に向かって遷移する階層的多孔性を有すると言える。
図39は、ある実施形態に従って、例えばコロイド共集合プロセスを用いた、ある実施形態に記載の触媒多孔質材料コーティング(例えば、逆オパールフィルム)の巨視的に多孔質の基材(例えば、コージライト、ポリウレタンまたは他の高分子発泡体、炭素系多孔質基材、および金属基材)へのコーティング形態での適用を介した階層的多孔質触媒材料構造を製造する方法を示す。より具体的には、図39は、いくつかの実施形態による、共集合プロセスを利用した巨視的に多孔質の基材3902を用いて階層的に多孔質の構造を製造する方法を示す。巨視的な細孔(D>1μM)を有する基材3902は、接着促進剤の塗布および/または表面活性化プロセスによって前処理される。図39には直径がD>11μMの巨視的な細孔を有することが描写されているが、基板3902の他の細孔サイズも考えられる(例えば、D>10μmなど)。次に、基材は共集合法を使用して、テンプレートおよびマトリックス前駆体材料を含むCTPC3904で修飾される(ステップi)。続いて、コロイドが除去され(ステップii)、巨視的に多孔質の基板上に(マクロ、メソ、およびミクロ細孔を有する)多孔質膜3906が形成される。ある実施形態では、マクロ多孔質膜3906は、約50nm〜2,000nmの平均細孔径を有し得、そのマトリックスは、CTPC形成プロセスが完了した後、マイクロおよびメソ細孔(サブナノメートル〜50マイクロメートル)を含むことができる。共集合プロセスでは、得られるCTPCの組成と多孔度を細かく制御できる。具体的には、様々な前駆体材料と機能性成分を使用して、生成されるマトリックスの組成を制御できる一方、様々なテンプレート成分を使用して、マクロ、メソ、ミクロスケールの最終的な多孔度を制御できる。
図40は、本明細書に記載の触媒多孔質テンプレート材料でコージライト基材をコーティングすることにより得られる例示的な触媒階層多孔質材料を示す。図Aはコージライトの巨視的なサンプルであり、図BはPt/SiO、Pd/SiO、およびPt/Alのコーティングを含むサンプルの一連のSEM画像である。図Bの上の行は広い視野を含み、下の行は高倍率のSEM画像を含んでいる。シリカマトリックスに埋め込まれた個々のPdNPは、対応するSEM画像の差し込み図に矢印で示されている。
図41は本明細書に記載のある実施形態による触媒多孔質テンプレート材料でポリウレタン基材をコーティングすることにより得られる例示的な触媒階層多孔質材料を示す。図Aは、ある実施形態による、Au/SiOで部分的にコーティングされたポリウレタンフォームの巨視的なサンプルを示す。右側のコーティングされた側は、コーティングにより明るい色としてはっきりと見える。図Bは、サンプルのコーティングされた部分の広い視野と高倍率のSEM画像であり、巨視的な細孔に触媒材料の均一なコンフォーマルコーティングを示している。
図42は本明細書に記載のある実施形態による触媒多孔質テンプレート材料で導電性基材をコーティングすることによって得られる例示的な触媒多孔質材料を示す。例として、金属(FeCrAl)基材上のコーティング、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材上にコーティングされた酸化インジウムスズ、およびカーボンペーパーが挙げられ、巨視的な細孔に触媒材料の均一なコンフォーマルコーティングを示している。
図43および44は、図39に描写する手法に従って1w%Pt/Al触媒材料で修飾したコージライト基材(長さ3インチ、直径1インチ)を用いたメタノールのCOおよび水への完全酸化の実験結果の例である。サンプルは、反応物の異なる流量:毎分50mL(図43)および毎分400mL(図44)の下で試験された。触媒活性は、従来の固定床反応器を使用して測定された。コージライトのサンプルを石英反応管に装填し毎分25mLのヘリウム流下150℃で30分間加熱することにより前処理し、水および空気を除去し、次いで約25℃まで冷却した。ヘリウム中メタノール7.5mоl%および酸素22mоl%の毎分50mLの流れ下で、反応器温度を毎分10℃の割合で150℃まで上昇させた。10℃上昇する毎に反応条件を1時間一定に保持し、触媒を安定した変換に到達させた。温度の関数としてのメタノールからCOへの変換はGC−MSで検出された。毎分50mLの低流量では、メタノールのCOへの変換は室温で発生し(図43)、毎分400mL/minのさらに高流量では、メタノールの完全燃焼は約60℃で発生する(図44)。高流量でもライトオフ温度が低いため、これらのシステムは、巨視的な基材と高流量が利用される実際の触媒用途に非常に有用である。
図45は本明細書に記載のある実施形態に従った、図39に示した手法に準じる1w%Pt/Al触媒材料で修飾したコージライト基材(長さ3インチ、直径1インチ)を用いて、イソプロピルアルコール(IPA)をCOと水に完全に酸化する実験結果の例を示している。触媒活性は、従来の固定床反応器を使用して測定された。コージライトのサンプルを石英反応管に装填し、毎分25mLのヘリウム流下150℃で30分間加熱することにより前処理し、水および空気を除去し、次いで約25℃まで冷却した。ヘリウム中IPA3mоl%および酸素22mоl%の毎分50mLの流れで、反応器温度を毎分10℃の割合で350℃まで上昇させた。10℃上昇する毎に反応条件を1時間一定に保持し、触媒を安定した変換に到達させた。IPAからCOへの完全な変換は、約180℃で発生する(図45)。
7.考察と見解
触媒作用は物理的および化学的プロセスの複雑な相互作用を伴う、まだ実際には、複数のパラメーターを同時に最適化できる触媒材料を設計することは依然として困難である。本明細書のある実施形態に記載されているように、金属含有コロイドを使用して多孔質格子を構築し、その内部で触媒を組織化することにより、強力な材料戦略を提供でき、この戦略はナノ粒子合成、メソスケール自己集合、バルク材料合成、および合成後変換における最先端技術を新しい相乗効果を生み出し、スケールの階層全体にわたって合成の自由度を開く単一プラットフォームへと統合する(図35参照)。ナノスケールの触媒粒子は、ある実施形態では、群全体でサイズが均一に制御された様々な単一金属または多金属混合もしくはコアシェル構造であり得るか、または制御された結晶化度を有する遷移金属化合物で構成され得る。マイクロスケールでは、ある実施形態によれば、犠牲コロイドは個々の細孔内の金属NPの配置を制御でき、均一な分布、細孔表面への局所化、および異なる細孔内の異なる触媒、潜在的に触媒固有の細孔サイズ、または同じ細孔内の2つ以上の触媒の制御された比率などの構成の幅広い選択肢を可能にする。ある実施形態によれば、触媒特性および他の特性を有する遷移金属ドーパントを、細孔界面に選択的に局在化させるか、または界面とバルクマトリックスとの間に制御可能に分布させることができる。
ある実施形態によると、全体的な構造スケールでは、無秩序度、接続性、細孔のサイズと形状などの格子の特徴をそれぞれ微調整でき、幅広いバルクマトリックス材料と調整された複合材料を使用して、マトリックスと触媒組成物の組み合わせライブラリを作成することができる。ある実施形態によれば、表面特性および反応性のマクロスケール勾配は、界面化学、NPサイズ、およびNP組成をパターン化することによってさらに設計することができる。最後に、ある実施形態によれば、これらの化学的および構造的選択はすべて、薄膜ならびに分散片またはフォトニックボールを含む、様々な巨視的フォーマットで使用できる。
これらの階層的特徴は、ある実施形態の所望の特性に従って、物質移行、熱および流体拡散、様々な反応物および生成物種に対する親和性、酸化還元変化を受ける能力、ならびに電子的および光子的挙動を含む、触媒材料の機能特性を特定する。例えば、ある実施形態では、この戦略によって、多段階反応の準区画化および時空間制御が可能になる。ある実施形態では、細孔内で異なる触媒を近接して配置する、または異なる細孔内に分離される能力により、寿命、拡散速度、および異なる触媒との適合性の点で、異なる中間体間の変動を考慮に入れる触媒システムを構築することができる。細孔の追加の表面修飾と埋め込まれた触媒のパターン化された修飾によって、調整された接続性と細孔とネックのサイズと共に、流体の流れをさらに導き、反応効率と選択性を最適化する構造全体の濡れ性と反応性の勾配につながり得る。
合わせてまたは別々に、準コンパートメント化および時空間制御の制御能力、複数の機能を個別におよび組み合わせて体系的に変化させる能力、および調整可能なフォトニック特性により、様々な触媒反応の設計のための強力なシステムが作成される。さらに、ある実施形態では、逆オパールは、ある実施形態では、高い空間分解能で比色センサーとして利用することができる。従って、ある実施形態では、設計された触媒材料は、異なるNP、細孔、接続性、およびマトリックス特性の関数として、空間および時間にわたって化学および熱プロファイルの展開を監視する自己報告システムとしての機能も果たすことができる。これにより、さまざまな因子を体系的に変化させ、単一のシステムで分析でき、包括的で基礎的な理解と、多様な反応のために設計されたシステムを構築するためのツールキットの両方を提供できる。
反応を最適化するだけでなく、ある実施形態では、これらの材料を差し迫ったグローバルな課題に関わる多くの実際的な問題に対処させるために、階層的自由度が同時に独自の包括的または模範的な手段のセットを提供することが重要である。先進国と発展途上国の両方で、触媒作用は増加する人口を支えること、およびエネルギー使用と大気汚染の増大する危機のほぼあらゆる側面の中心である:反応の質は、発電の効率およびフットプリント、燃料収穫および精製、鉄鋼生産、輸送および通信インフラストラクチャ、食品、衣類、医薬品の生産など、汚染物質が大気に到達する前後の分解に重要な役割を果たす。触媒作用の最適化は、米国のエネルギー消費を半分に減らすことができ、規制を満たし、公衆衛生を維持するために不可欠であるが、説得力のある研究の進歩と、広く堅固で実現可能なシステムの開発との間には溝がある。主要な障害−安定性、コスト、拡張性、および適応性−はそれぞれ本明細書の実施形態で説明する戦略が直面する複雑なマルチスケールの問題を表している。
ある実施形態によれば、構造およびマトリックス材料の機械的および熱的特性と組み合わせて、ナノ粒子の埋め込み、分布、サイズ、および組成を制御することにより、触媒材料の寿命を最大化できる。ある実施形態で検討されているように、NP装飾粒子の共集合の独特の、特に実用的な特徴は、孔壁内のNPの部分的な定着または埋め込みである。壁に固定されたNPをこうした所定位置に配置することおよびNPの均一な分布は、機械的破壊と熱的に誘導された移動および融合に対してNPを安定化させる。いくつかの実施形態では、小さなNPが反応条件下で流れによって除去されるまたは移動することがあるため、NPサイズの均一な制御は、NPがすべて十分大きな埋め込み表面積を有することを保証するために重要である。ある実施形態では、多金属組成物は、浸出、酸化、および蒸発に対してNPをさらに安定させることができる。より大きなスケールでは、ある実施形態では、共集合法は、材料を機械的応力および熱集中に対して脆弱にするクラックを防止し、ある実施形態では、制御された無秩序度を細孔格子に導入して機械的靭性を高めることができる。ある実施形態によれば、これらの設計特徴は、特定の設定および反応条件に必要な機械的または熱的特性を有するマトリックス材料または組み合わせで補足できる。
本明細書の実施形態に記載されている制御はまた、製造のコストおよび材料要件を最小化できる。NPを直接細孔壁に対するターゲットにすることおよびそれらの露出表面積を均一に最大化することで、バルクマトリックス内に埋め込むのではなく、各NPを触媒作用に利用できるため、高価で希少な貴金属の必要性を大幅に減らすことができる。さらに、共集合システムによって提供される細孔の接続性の制御は、行き止まりやねじれがNPへのアクセスをブロックするのを防ぐことができる。異なる金属を異なるNPで装飾された粒子に局在化することによって異なる金属を異なる細孔に対するターゲットにする能力は、各NPにアクセスできるだけでなく、反応シーケンスで最適に使用できるように正確に配置できるようにすることで、金属要件をさらに減らすことができる。同時に、露出表面積と細孔の接続性を最大化することで、必要なバルクマトリックス材料の量を最小限に抑えることができ、界面化学と粗さを調整することで、有効表面積と反応物への露出をさらに高めることで、これらの手法を補完できる。
ある実施形態では、細孔の湿潤性および反応性に勾配を組み込む能力は、広範囲の触媒プロセスをマイクロ流体およびラボオンチップシステムに統合する可能性を開く。この手法はまた、ある実施形態では、金属酸化物を超えてマトリックス材料に拡張できるという点で普遍的である。ある実施形態によれば、絹などの生体適合性および生分解性材料は、特定のトリガーに反応して分解する可能性がある触媒機能を実行できる埋め込み型デバイスの形成を可能にし、その一方でヒドロゲルなどの刺激応答性マトリックス材料は、特定の化学種または温度、pH、または光の変化に応答してそれらの形状または化学特性を変化させることにより、触媒システムが変化する環境または自己に適応できるようにする。
最終的に、ラズベリー共集合など、本明細書の実施形態で検討する共集合プロセスの汎用性は、非常に多様な既存のシステムへの最適化された触媒材料のカスタマイズされた統合を容易にする。材料のマルチスケール特性は、ある実施形態では、小型モデルシステムから大規模な産業用途に拡大できる単純な蒸発自己集合プロセスを通じて形成され、様々な平面または曲面またはバッチ生産で実行できる。ある実施形態では、先に述べたとおり、階層的な自由度により、現在のエネルギー、環境、および健康の課題の多くの側面に重要な反応に材料を適合させることができる:ほんのいくつかの実施形態を挙げると、CO、すす、NOx、揮発性有機化合物などの環境汚染物質の触媒および光触媒分解、未加工および精製化学製品、太陽エネルギー利用、およびエネルギー貯蔵。アルコールや一酸化炭素の酸化などの工業的に重要な化学反応である一連のモデルにおけるこれらの触媒の卓越した性能は、ここに記載された戦略が幅広いプラットフォームを提供すると信じる多くの理由を与え、ある実施形態によれば、既存のシステムへの統合だけでなく、建物、空気および水処理施設、エネルギー収穫および貯蔵システム、医療機器、繊維、および追加のもの内の機能材料に高度な触媒反応を組み込むための新しい方法と場所を想像するためのルートを開く。
上述の実施形態を含む、本明細書で検討される実施形態は、特定の用途に合わせた利点を生み出すために、単独でまたは組み合わせて実施できる。
III.典型的な用途
住宅、産業、およびオフィススペースの屋内空気浄化のニーズが高まっている。現在の方法論は、主に換気と濾過を含む。ただし、換気は建物の設計に起因するさまざまな理由で困難または不可能であることが多く、可能場合、加熱または冷却された室内空気と外気との交換によるエネルギー損失のため、エネルギー効率が低下する。濾過はまた、エネルギー支出を必要とし、それは通常、空気から粒子状物質を除去するのに効果的である。喘息や肺疾患から全身性血液、神経疾患、腫瘍疾患までの様々な健康問題の原因となる有毒な揮発性有機化合物(VOC)は、それらを清浄な空気中に存在する窒素、二酸化炭素、水蒸気などの非毒性ガスに変換する化学分解によって取り除くことができる。
本明細書の実施形態において開示されているのは、「高表面積機能材料コーティング構造」というタイトルの以前の特許出願(出願番号第14/900,567)から、多孔質の触媒活性材料が塗料としてなどを含むコーティングとして堆積される場合の、室内のエアヒーター、エアコンユニット、ファン、ヘアサロン(多くの場合、ネイルサロンとスペースを共有し、常に室内の大気中に大量のVOCが放出される)のヘアドライヤの表面、空気清浄器、加湿器または除湿器などの他の空気再循環装置、屋内の電気/照明器具の表面、さらには壁または天井または家具の表面(図36)のVOCの周囲温度またはわずかに高温での触媒分解に費やしてきた概念である。本発明の一態様は、非常に高い活性を有するように触媒活性材料を設計でき、そのような加熱が問題のデバイス、例えばACユニット、再循環エアヒーター、照明器具の暖かい表面など)に本質的に存在する場合に、室温および/または非常に穏やかな加熱下でVOCを効果的に操作および破壊できるようにすることである。重要なことは、顕著で測定可能で有益な空気浄化効果は、室温での操作からでも生じることが可能であり、主張されている触媒コーティングを、壁や天井などの他の屋内できる。ある実施形態では、非常に小さい加熱素子が空気循環装置に組み込まれ、特に、機能的触媒コーティングが配置されている場所の近位にある小さい領域を加熱する。
図37はある実施形態による、本明細書に開示される触媒材料を使用するための追加の実施形態を示す。例えば、ある実施形態では、例えばHVACシステムのダクト内で触媒材料を使用して、そこを流れる汚染された流入空気を濾過できる。ある実施形態では、触媒材料は、汚染された空気を濾過するために、例えばHVACシステムの表面に塗布される塗料の形態である。ある実施形態では、触媒塗料は、屋外から入力空気のダクトに適用して屋外の汚染物質を濾過することができる、または内部からの入力空気のダクトに適用して汚染物質を濾過することができる。ある実施形態では、塗料は、通気面、またはHVACシステムの内面に直接塗布できる。
図14〜19は、図25の図Aに記載されたプロセスに従って調製されたPt/AlおよびPd/Al触媒材料を使用したメタノールの完全燃焼の着火グラフを示す。図14と16では、市販の触媒(1w%Pt)は、測定されたライトオフ温度が90℃(白丸)であるのに対し、当社の触媒は、AlとTiOの両方の担体に対して同じNP装填量(黒四角)で室温動作を実現している。PtNPの装填量が0.5%(図17、丸)および0.05%(図18、三角)に減少しても、当社の触媒は市販の触媒よりも低い着火温度を維持する。同様の触媒活性が、Pd/Al系について、図15および19で示されるように観察される。
ある実施形態において、コーティングは、階層的多孔質のマトリックスであり、典型的には、既知の触媒活性金属(Pt、Pd、Rh、Ru、Os、Ir、Au、Ag、Cu、Co、Ni、Fe、Mo、Tiなどの卑金属(このリストは例示であり、もちろん非限定的である)および/またはそれらの化合物(モノ−、バイ−、またはマルチメタル含有混合物またはそれらの合金が部分的に埋め込まれた、適切に選択された酸化物材料(例えば、シリカ、アルミナ、他の関連酸化物)から成る。さらに、ある実施形態では、VOC分解は、コーティングの触媒活性をさらに高めることができる二酸化チタンなどの光化学的に活性な担体をコーティングに設計することによって達成できる。
さらに、当業者は、本発明の目的のために、様々な既存の触媒材料を単独で、または上記の引用文献「高表面積機能材料コーティング構造」(出願番号第14/900,567)に記載された階層的多孔質タイプの触媒材料と組み合わせて利用できることを確かに理解できる。上記の触媒材料および概念のいずれも、そのような用途のために単独でまたは組み合わせて使用できる。
ある実施形態において、そのようなコーティング/ペイントを塗布する多くの方法は、基本的な要件が、そのコーティング/ペイントはトップコートまたは層として堆積され、それを浄化される空気に直接曝すことである。ある実施形態では、機能性要素は、コーティング内に均一に分散するか、または技術、製造、および他の制約に応じて、ストライプ、他の周期的またはランダム領域などの部分またはセクションとしてのみ導入できる。さらに、構造色と触媒機能の組み合わせは、絵画作品、壁紙、ポスター、タイル、フローリングなどの装飾品や工芸品に利用して、美的および機能的な物体を作りだすことができる。
IV.例示的な材料
以下に開示されているのは、上述の実施形態のいずれかで使用できる例示的な材料である。
マトリックス
ある実施形態では、マトリックス材料は、様々な材料または材料の混合物から作ることができる。マトリックス材料の選択は、その意図する用途とテンプレート処理条件に処理条件に適合するその前駆体の能力(例えば、他の成分との安定した混合物を形成する能力、特定の自己集合または重合速度を示す能力)、および/またはか焼または他のテンプレート除去条件に耐える)によって決めることができる。マトリックス材料は、例えば、触媒的に活性、刺激応答性、化学的に堅牢、分解可能であり得、および/または特定の熱的および機械的特性を示すことができる。
マトリックス材料は、酸化物、金属、半導体、金属硫化物、金属カルコゲナイド、金属窒化物、金属プニクチド、有機金属化合物、有機材料、天然材料ポリマー、およびそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、マトリックス前駆体材料は、ゾル-ゲル前駆体を含む。いくつかの実施形態では、マトリックス材料は、ナノ粒子前駆体、例えば、金属酸化物ナノ粒子を含む前駆体材料から形成されるがこれに限定されない。
ある実施形態によれば、マトリックス材料は少なくとも1つの金属酸化物を含む。金属酸化物の例としては、シリカ、アルミナ、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズ、アルミナケイ酸塩、チタン酸アルミニウム、ベリリア、貴金属酸化物、白金族金属酸化物、チタニア、ジルコニア、ハフニア、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化レニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化スカンジウム、イットリア、酸化ランタン、セリア、酸化トリウム、酸化ウラン、および希土類酸化物が含まれるが、これらに限定されない。
さらに別の実施形態では、マトリックス材料は、炭化ケイ素、シリコン、ゲルマニウム、スズ、第III族元素でドープされたシリコン、第V族元素でドープされたシリコン、第III族元素でドープされたゲルマニウム、第V族元素でドープされたゲルマニウム、第III族元素でドープされたスズ、第V族元素でドープされたスズ、および遷移金属酸化物のうちの少なくとも1つを含む半導体を含む。
いくつかの実施形態では、マトリックス材料は、コージライトなどのセラミックであり得、および/または以下のうちの少なくとも1つを含む:ムライト、ゼオライト、天然粘土、および合成粘土。
他の実施形態では、マトリックス材料は、金属および金属合金のうちの少なくとも1つを含む。金属の例としては、金、パラジウム、白金、銀、銅、ロジウム、ルテニウム、レニウム、チタン、オスミウム、イリジウム、鉄、コバルト、もしくはニッケル、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。金属合金の例としては、ステンレス鋼、フェライト鋼(例えば、鉄−クロム合金)、オーステナイト鋼(クロム−ニッケル合金)、銅、ニッケル、真鍮、金、銀、チタン、タングステン、アルミニウム、パラジウム、白金が含まれるが、これらに限定されない。
さらに他の実施形態では、マトリックス材料は酸化剤を含む。さらに他の実施形態では、マトリックス材料は還元剤を含む。
いくつかの実施形態では、マトリックス材料は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、第(III)族金属、および遷移金属塩のうちの少なくとも1つとの錯塩をさらに含む。いくつかの実施形態では、マトリックス材料は、シリカ、チタニア、ジルコニア、セリア、バナジア、第二族元素酸化物、第三属元素酸化物、希土類酸化物、酸化鉄、混合酸化物、ナノ粒子、無機ゾルゲル誘導酸化物、アルミナ、酸化鉄、金属、ポリマー、およびそれらの組み合わせから選択される。
ある実施形態では、材料は、1つまたは複数の金属硫化物、金属カルコゲニド、金属窒化物、金属プニクチド、またはそれらの組み合わせを含む。
ある実施形態では、マトリックスは、ポリマー、天然材料、およびそれらの混合物などの1つまたは複数の有機材料を含むことができる。
ある実施形態では、材料は高分子性であり、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアクリレート、ポリアルキルアクリレート、置換ポリアルキルアクリレート、ポリスチレン、ポリ(ジビニルベンゼン)、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、他のハロゲン化ポリマー、ヒドロゲル、オルガノゲル、およびそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を含む。ランダムおよびブロックコポリマー、分枝状、星状および樹状ポリマー、ならびに超分子ポリマーなど、異なる構造の他のポリマーも利用できる。
ある実施形態では、材料は天然起源であり、例えば、タンパク質または多糖ベースの材料、絹フィブロイン、キチン、セラック、セルロース、キトサン、アルギン酸塩、ゼラチン、またはそれらの混合物が含まれる。
ある実施形態では、マトリックス前駆体材料は、ゾルゲル前駆体、ナノ粒子前駆体、またはそれらの組み合わせの形態である。
ある実施形態では、ゾルゲルマトリックス前駆体材料は、シリカ、アルミナ、チタニア、バナジア、セリア、および/またはジルコニアゾルゲルである。
ある実施形態では、ナノ粒子前駆体は、上記のマトリックス材料のナノ粒子の単一ナノ粒子またはナノ粒子の混合物を含む。
テンプレート成分
いくつかの実施形態では、テンプレート成分は、ポリマー、ランダムコポリマー、バイオポリマー、有機金属化合物、超分子ポリマー、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。
さらに別の実施形態では、テンプレート成分は、ポリウレタンなどのポリマーを含み、および/またはポリスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアクリレート、ポリアルキルアクリレート、置換ポリアルキルアクリレート、ポリスチレン、ポリ(ジビニルベンゼン)、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、その他のハロゲン化ポリマー、ヒドロゲル、オルガノゲル、キチン、キトサン、ランダムおよびブロックコポリマー、分岐、星型および樹状ポリマー、ならびに超分子ポリマーのうちの少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態では、テンプレート構成要素は、酵素またはタンパク質などの生物学的に誘導された材料である。
さらに他の実施形態では、テンプレート構成要素は、例えば、セルロース、天然ゴム(例えば、ラテックス)、ウール、綿、絹、リネン、ヘンプ、亜麻、および羽毛繊維のうちの少なくとも1つを含む天然材料を含む。
他の実施形態では、テンプレート成分は、ポリマー繊維、バイオポリマー繊維、有機金属組成物を有する繊維、超分子自己組織化繊維、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む
他の実施形態では、テンプレート成分は、有機成分と無機成分の両方を組み合わせる複合材料を含む。
本出願の文脈の中で、コロイドは、別の物質に懸濁された分散粒子または大きな分子として定義され、あるいはコロイド分散液と呼ばれることもある。本明細書で使用する場合、分散した物質または粒子は代わりに「コロイド」または「コロイド粒子」とも呼ばれる。多くの異なるタイプのコロイド粒子は、ここで説明されている方法を実行する際に利用できる。コロイドは、様々な材料または材料の混合物から作ることができる。犠牲テンプレート材料として機能するために、コロイド材料の少なくとも一部は、本明細書に開示される多孔質テンプレート材料の形成の過程で、可燃性、溶解性、昇華性、または溶融性でなければならない。コロイド粒子は、マイクロポア(<2nm)、メソポア(2〜50nm)、および/またはマクロポア(>50nm)のオーダーのサイズ(粒径)を有することができる。
ある実施形態では、材料は、ポリマー繊維、バイオポリマー繊維、有機金属組成物を有する繊維、超分子自己集合繊維、またはそれらの組み合わせを含む。
ある実施形態では、テンプレート粒子のサイズ(例えば、直径)は、約1nmから数十または数百ミクロンの範囲であり得る。いくつかの例示的なサイズとしては、重力によって大きく影響されない特定の光学特性および/または改善されたアセンブリ特性を提供するために、約1nmから約1000nmが挙げられる。いくつかの例示的なサイズとしては、特定の物質移行特性、および/または濾過および/または触媒用途のための多孔性を得るために、200nm〜50000nmが挙げられる。用途に応じて、多くのタイプの犠牲粒子を利用できる。
触媒NPsおよび他の触媒または/および共触媒成分
ある実施形態では、触媒NPは、金属NP、金属合金NP、二元金属、マルチ金属NP、半導体NP、金属酸化物NP、混合金属酸化物NP、金属硫化物NP、固溶体、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。
ある実施形態では、触媒ナノ粒子は、金属、遷移金属、主族金属、金属酸化物、混合金属酸化物、主系列と遷移系列の両方からの第I、第II、第III、第IV、第V、第VI、第VII、第VIII族、または別の命名法の第1〜16族からの任意の1つまたは複数の金属、主系列と遷移系列の両方からの第I、第II、第III、第IV、第V、第VI、第VII、第VIII族、または別の命名法の第1〜16族からの任意の1つまたは複数の金属酸化物、オキソメタレート、金属硫化物、金属プニクチド、金属炭化物、二金属塩、金属錯体塩、有機酸の金属塩、無機酸の金属塩、錯酸の金属塩、塩基、酸、金属合金、多金属種、金属間化合物、非化学量論的相、有機金属化合物、配位化合物、1つまたは複数の白金族金属、1つまたは複数の白金族金属酸化物、炭素、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、銀、金、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム、酸化オスミウム、酸化イリジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化金、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウム、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、希土類金属酸化物、単結晶多形またはいくつかの多形の前記の任意の種、特定の結晶面をチャネルに提示する前記の任意の種、非結晶形態の前記の任意の種、およびそれらの組み合わせを含む。
ある実施形態において、NPとしては、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、コバルト、鉄、ニッケル、オスミウム、イリジウム、レニウム、銅、クロム、タングステン、モリブデン、バナジウム、ニオブ、タンタル、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、二元金属、金属合金などの金属、ヘテロポリ酸およびそれらの誘導体またはそれらの組み合わせを含む、プニクチド、水酸化物、二元塩およびヘテロポリ酸などの錯塩およびそれらの誘導体またはそれらの組み合わせなどの金属化合物、シリコン、ゲルマニウムなどの半導体、純粋なまたは第III族または第V族の元素または化合物でドープされたもの、およびそれらの組み合わせ、V、シリカ、アルミナ、貴金属酸化物、白金族金属酸化物、チタニア、ジルコニア、ハフニア、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化レニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化クロム、スカンジウム、イットリウム、ランタンおよび希土類酸化物、トリウムおよびウラン酸化物などの金属酸化物、金属硫化物、またはそれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、多金属ナノ粒子は、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、コバルト、鉄、ニッケル、オスミウム、イリジウム、レニウム、銅、およびクロムから選択される2つ以上の金属を含む。
ある実施形態において、触媒的に関連する成分としては、アルカリ、アルカリ土類、およびグループ第III族金属との錯塩および/または遷移金属塩、例えば、ニッケル、銅、コバルト、マンガン、マグネシウム、クロム、鉄、白金、タングステン、亜鉛、またはその他の金属の塩が挙げられる。
ある実施形態では、マトリックス−細孔および/またはNP−細孔界面に堆積される触媒的に関連する種としては、炭素、多環式/重縮合炭素に富む種、酸性種、例えばヘテロポリ酸、固体酸または塩基性種、金属粒子、金属酸化物粒子またはそれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、マトリックス−細孔および/またはNP−細孔界面に堆積した触媒的に関連する種は、相互接続するテンプレート成分に由来する。いくつかの実施形態では、テンプレート成分は有機金属であり、マトリックス−細孔および/またはNP−細孔界面に堆積される触媒的に関連する種は、金属または金属酸化物粒子である。
ある実施形態では、テンプレート成分(すなわち、NP装飾されたテンプレート粒子またはコロイド)は、以下の形状のうちの1つまたは複数を含み得る:球形、細長い、凹形、アモルファス、ファセット、繊維状、およびフレーク形状。
ある実施形態では、本明細書に記載の方法は、複数の長さスケールで相互接続された多孔度を有する高度に多孔質の構造の形成、および触媒および共触媒成分を含むがこれらに限定されない機能性成分による細孔表面の装飾を促進する。機能性成分は、触媒、光触媒、電気触媒、フォトニック、抗菌、UV−可視吸収および/または放出、および感知特性、ならびにそれらの組み合わせを提供するように設計できる。
ある実施形態では、機能性成分は、1つまたは複数の成長プロセスを通じてさらに修飾され得る。
本明細書で提供される説明および実施形態を検討すると、当業者は、本発明の本質から逸脱することなく、本発明を実施する際に変更および同等の置換を行うことができることを理解するであろう。従って、本発明は、上記で明示的に説明された実施形態による限定を意図するものではない。

Claims (114)

  1. 相互接続されたチャネルのネットワークを規定する相互接続されたマトリックス材料、
    および
    近位部分と遠位部分とを有する複数の触媒ナノ粒子
    を含む触媒材料であって、
    前記ナノ粒子は、前記ナノ粒子の前記近位部分が前記マトリックス材料中に埋め込まれ、前記ナノ粒子の前記遠位部分が前記相互接続されたチャネルに露出されるように前記マトリックス材料中に部分的に埋め込まれている、
    触媒材料。
  2. 前記ナノ粒子の前記近位部分の少なくとも一部が前記マトリックス材料に物理的に結合している、請求項1記載の触媒材料。
  3. 前記近位部分の少なくとも一部が前記遠位部分より粗い、請求項2記載の触媒材料。
  4. 前記近位部分の少なくとも一部が、前記マトリックス材料と前記触媒ナノ粒子との間の界面で前記マトリックス材料に化学的に結合している、請求項1記載の触媒材料。
  5. 前記近位部分の少なくとも一部が、前記界面で、酸化物、混合酸化物、オキソメタレート、アルミン酸塩、混合アルミン酸塩、ケイ酸塩、混合ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、チタン酸塩、混合チタン酸塩、スズ酸塩、混合スズ酸塩、黄錫鉱、混合黄錫鉱、セリア酸化物、混合セリア酸化物、バナジア酸化物、混合バナジア酸化物、酸化ホウ素、ジルコニア酸化物、混合ジルコニア酸化物、ハフニア酸化物、混合ハフニア酸化物、イットリア酸化物、混合イットリア酸化物、ニオビア酸化物、混合ニオビア酸化物、酸化鉄、混合酸化鉄、酸化スズ、混合酸化スズ、酸化コバルト、混合酸化コバルト、酸化インジウム、混合酸化インジウム、酸化スカンジウム、混合酸化スカンジウム、希土類酸化物、酸化ウラン、酸化トリウム、1つまたは複数の第I、II、III、IV、VI族からの元素の混合酸化物、ヘテロポリ酸、ゼオライト、カーバイド、金属合金、金属間化合物、有機金属化合物、配位化合物、有機化合物、合成または天然ポリマー、無機化合物、またはそれらの組み合わせの形成を介して、共有相互作用、イオン結合により化学的に結合している、請求項4に記載の触媒材料。
  6. 前記支持体への前記化学結合が、未修飾の触媒ナノ粒子とは異なる触媒種を生成する、請求項4記載の触媒材料。
  7. 前記遠位部分が、前記相互接続されたチャネルと前記触媒ナノ粒子との間の界面で化学的に修飾されている、請求項1記載の触媒材料。
  8. 前記遠位部分が、物理的に修飾されて粗面化された遠位部分またはファセット化された遠位部分を生成する、請求項1記載の触媒材料。
  9. 前記マトリックス材料、前記触媒ナノ粒子、および前記相互接続されたチャネル間の界面で前記触媒ナノ粒子の円周が化学的に修飾されている、請求項1記載の触媒材料。
  10. 前記マトリックス材料と前記相互接続されたチャネルとの間の界面が、化学的に修飾されている、請求項1記載の触媒材料。
  11. 前記マトリックス材料と前記相互接続されたチャネルとの間の界面における前記化学的修飾が、マトリックス材料の表面に堆積している界面材料を含む、請求項10記載の触媒材料。
  12. 前記界面材料が触媒材料である、請求項11記載の触媒材料。
  13. 前記マトリックス材料と前記相互接続されたチャネルとの間の界面での前記化学的修飾が、集合およびマトリックス浸透前のテンプレート材料の表面に堆積している界面材料を含む、請求項10記載の触媒材料。
  14. 前記界面材料が触媒材料である、請求項13記載の触媒材料。
  15. 前記界面材料が、1つまたは複数のフィルム、1つまたは複数のアイランド、または複数の粒子として堆積している、請求項11〜14記載の触媒材料。
  16. 前記界面材料が、前記触媒ナノ粒子と前記相互接続されたチャネルとの間の界面でさらに堆積している、請求項11〜15記載の触媒材料。
  17. 前記化合物が、前記相互接続されたマトリックス材料、および前記マトリックス材料と前記触媒ナノ粒子の間の前記近位部分の近くの前記触媒ナノ粒子のうちの少なくとも1つの局所酸化または還元の1つを含む、請求項5記載の触媒材料。
  18. 前記近位部分および前記遠位部分が異なる化学組成を有する、請求項1記載の触媒材料。
  19. 前記近位部分および前記遠位部分が、異なる結晶化度、結晶構造、または異なる密度のうちの少なくとも1つを有する、請求項1記載の触媒材料。
  20. 前記触媒ナノ粒子の前記近位部分および前記触媒ナノ粒子を伴う界面における前記マトリックス材料の部分が、反対に帯電した種を含む、請求項1記載の触媒材料。
  21. 前記触媒ナノ粒子が金属を含む、請求項1記載の触媒材料。
  22. 前記触媒ナノ粒子が2種以上の金属を含む、請求項1記載の触媒材料。
  23. 前記ナノ粒子が二元金属または多金属である、請求項22記載の触媒材料。
  24. 2種以上の金属の前記ナノ粒子が、第1金属の少なくともいくつかのナノ粒子と、第2金属の少なくともいくつかのナノ粒子を含む、請求項22記載の触媒材料。
  25. 前記近位部分が前記2種以上の金属の第1原子分布または化学組成を含み、前記遠位部分が前記2種以上の金属の第2原子分布または化学組成を含み、該第1原子分布または化学組成は、第2原子分布または化学組成とは異なる、請求項22記載の触媒材料。
  26. 前記近位部分の1つが前記遠位部分に対して部分的に酸化されているまたは前記遠位部分が前記近位部分に対して部分的に酸化されている、請求項22記載の触媒材料。
  27. 前記遠位部分がさらに前記NPsのバルクとは異なる金属または金属合金の外皮またはシェルを含む、請求項22記載の触媒材料。
  28. 前記マトリックス材料が前記相互接続されたチャネルのネットワークよりも小さいチャネルの第2ネットワークをさらに含む、請求項1記載の触媒材料。
  29. 前記マトリックス材料が化学的に強化されている、請求項1記載の触媒材料。
  30. 前記マトリックス材料が粗面化されている、請求項1記載の触媒材料。
  31. 前記マトリックス材料がマトリックス材料の表面に官能基をさらに含む、請求項1記載の触媒材料。
  32. 前記官能基が前記マトリックス材料の表面エネルギーを変化させるかまたは標的部分を誘引する認識ユニットとして作用する、請求項31記載の触媒材料。
  33. 前記マトリックス材料がイオン交換プロセスからのイオンをさらに含む、請求項1記載の触媒材料。
  34. 前記マトリックス材料がレドックスプロセス由来の変化した酸化状態をさらに含む、請求項1記載の触媒材料。
  35. 前記マトリックス材料がマトリックス材料の表面に濡れ性勾配をさらに含む、請求項1記載の触媒材料。
  36. 前記近位部分は第1形態を含み、前記遠位部分は第2形態を含み、該第2形態は第1形態とは異なるファセット数を有する、請求項1記載の触媒材料。
  37. 前記第2形態は、前記第1形態よりも高いファセット数を有する、請求項36記載の触媒材料。
  38. 請求項1〜37に記載の触媒材料であって、前記相互接続されたマトリックス材料がシリカ、アルミナ、チタニア、セリア、酸化ホウ素、ジルコニア、ハフニア、イットリア、バナジア、ニオビア、酸化タンタル、酸化鉄、酸化コバルト、酸化スズ、酸化インジウム、酸化スカンジウム、希土類酸化物、酸化ウラン、酸化トリウム、1つまたは複数の第I、II、III、IV、V、VI族からの元素の混合酸化物、1つまたは複数の第I、II、III、IV、V、VI族からの元素の酸化物の混合物、アルミン酸塩、混合アルミン酸塩、ケイ酸塩、混合ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、チタン酸塩、混合チタン酸塩、スズ酸塩、混合スズ酸塩、黄錫鉱、混合黄錫鉱、オキソメタレート、ヘテロポリ酸、ゼオライト、合成または天然ポリマー、金属、合金およびそれらの混合物およびそれらの組合せを含む、触媒材料。
  39. 請求項1〜38に記載の触媒材料であって、前記触媒ナノ粒子が金属、金属酸化物、混合金属酸化物、金属硫化物、金属プニクチド、二金属塩、金属錯塩、有機酸の金属塩、無機酸の金属塩、錯酸の金属塩、塩基、酸、金属合金、多金属種、金属間化合物、有機金属化合物、配位化合物、1つまたは複数の白金族金属、1つまたは複数の白金族金属酸化物、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、銀、金、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム、酸化オスミウム、酸化イリジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化金、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、希土類金属酸化物、単結晶多形における前記の任意の種、前記チャネルに対して特定の結晶面を提示する前記の任意の種、およびそれらの組合せを含む、触媒材料。
  40. 前記触媒材料が触媒する化学反応のライトオフ温度が、同じ組成の従来の触媒材料によって触媒される同じ反応のライトオフ温度よりも少なくとも3〜5°低い、請求項1記載の触媒材料。
  41. 前記触媒ナノ粒子は6ヶ月間に亘って150℃の温度に曝された時前記マトリックス材料中で機械的に安定である、請求項1記載の触媒材料。
  42. 前記ナノ粒子が150℃の反応条件に曝された時それらの元のサイズの1〜10%、500℃に曝された時それらの元のサイズの1〜20%、800℃の反応条件に曝された時それらの元のサイズの1〜40%を超えて成長しない、請求項1記載の触媒材料。
  43. 従来の触媒材料と比較して少ない量の触媒NPを含み、同じ条件下で従来の触媒材料の触媒活性と少なくとも同等の触媒活性を示す、請求項1記載の触媒材料。
  44. 請求項1〜43のいずれか一項記載の触媒材料を含む塗料。
  45. 請求項1〜43のいずれか一項記載の触媒材料を装置の表面の少なくとも一部に含む装置であって、該装置が室内空気加熱器、空調ユニット、通気口、HVACダクト、ファン、ヘアドライヤ、空気清浄機、加湿器、除湿器、室内電気固定具、室内照明器具、壁、天井および家具の1つを含む、装置。
  46. 触媒材料を製造する方法であって、前記方法は
    テンプレート成分の表面に複数の触媒ナノ粒子を付着させて、NPで装飾されたテンプレート成分、近位部分および遠位部分を有する複数の触媒ナノ粒子を得るステップ、
    相互接続されたテンプレート成分の間隙空間を満たす充填材料を用いて、前記修飾されたテンプレート成分を相互接続されたテンプレート成分内に配置するステップ、
    前記充填材料が相互接続されたチャネルのネットワークを規定する相互接続されたマトリックス材料を形成するように、前記テンプレート成分を少なくとも部分的に除去するステップを含み、
    前記触媒ナノ粒子は、前記触媒ナノ粒子の前記近位部分が前記マトリックス材料中に埋め込まれ、前記触媒ナノ粒子の前記遠位部分が前記相互接続されたチャネルに露出されるように前記マトリックス材料中に部分的に埋め込まれている、方法。
  47. 前記テンプレート成分を少なくとも部分的に除去するステップは前記テンプレート材料、前記触媒ナノ粒子、および相互接続されたテンプレート成分を、選択的溶解、エッチングおよび昇華の1つによって、アニールまたはか焼条件の1つの下処理するステップをさらに含む、請求項46記載の方法。
  48. 前記マトリックス材料と前記触媒ナノ粒子との間の界面近くのマトリックス材料および触媒ナノ粒子のうちの少なくとも一方を局所的に酸化するステップをさらに含む、請求項46記載の方法。
  49. 前記マトリックス材料と前記触媒ナノ粒子との間の界面近くのマトリックス材料および触媒ナノ粒子のうちの少なくとも一方を局所的に還元するステップをさらに含む、請求項46記載の方法。
  50. 前記マトリックス材料がその表面上に第2材料をさらに含む、請求項46記載の方法。
  51. 前記第2材料が前記触媒ナノ粒子の材料とは異なる触媒材料である、請求項46記載の方法。
  52. 前記相互接続されたチャネルの表面が、前記テンプレート成分の堆積物または前記テンプレート成分の部分的な除去から形成された残留物の堆積物のうちの少なくとも1つを含む、請求項46記載の方法。
  53. 前記テンプレート成分または、前記残留物の前記堆積物は、非連続、連続、または単離されたナノ粒子の形態のうちの1つである、請求項52記載の方法。
  54. 前記相互接続されたチャネルと前記触媒ナノ粒子との間の界面は、前記テンプレート成分の堆積物または前記テンプレート成分の部分的な除去から形成された残留物の堆積物を含む、請求項46または52記載の方法。
  55. 前記堆積物または前記残留物が触媒材料である、請求項52〜54記載の方法。
  56. 前記堆積物または前記残留物が前記テンプレート材料の不完全燃焼または化学的除去によって形成される、請求項52〜55記載の方法。
  57. 前記堆積物は、活性炭、重縮合した炭素リッチな種、金属または、金属酸化物のうちの1つである請求項52〜56記載の方法。
  58. 前記テンプレート材料が複合テンプレート材料である、請求項52〜54記載の方法。
  59. 前記堆積物が非触媒種である、請求項52〜54または58記載の方法。
  60. 前記マトリックス材料および前記触媒ナノ粒子を熱処理に付して触媒ナノ粒子を修飾するステップをさらに含み、
    前記修飾された触媒ナノ粒子の前記近位部分は、第1化学組成を有し、前記遠位部分は、第2化学組成を有し、
    前記第1化学組成は、前記第2化学組成とは異なる、請求項46記載の方法。
  61. 前記第1部分および前記第2部分は、異なる結晶化度または密度を有する、請求項60記載の方法。
  62. 前記ナノ粒子は単一金属でできている材料を含む、請求項46記載の方法。
  63. 前記触媒ナノ粒子は2種以上の金属を含む多金属ナノ粒子である、請求項46記載の方法。
  64. 前記マトリックス材料および前記多金属ナノ粒子を加熱して前記多金属ナノ粒子を修飾するステップをさらに含み、
    前記近位部分は、前記2種以上の金属の第1原子分布を含み、前記遠位部分は、前記2種以上の金属の第2原子分布を含み、
    前記第1原子分布は、前記第2原子分布とは異なる、請求項63記載の方法。
  65. 前記遠位部分が前記近位部分に対して部分的に酸化されているかまたは前記近位部分が前記遠位部分に対して部分的に酸化されている、請求項64記載の方法。
  66. 前記遠位部分が外皮を含む、請求項46記載の方法。
  67. 溶液、エッチング、および塩への曝露によるドーピングの1つからの堆積によって前記外皮を形成するステップをさらに含む、請求項66記載の方法。
  68. さらに還元または酸化条件によって前記外皮を形成するステップをさらに含む、請求項67記載の方法。
  69. 前記触媒材料を金属外皮成長の前駆体を含む溶液に曝露することによって外皮を形成するステップ、および選択的に、前記触媒ナノ粒子の前記遠位部分に前記金属外皮を成長させるステップをさらに含む、請求項66記載の方法。
  70. 前記近位部分および前記遠位部分は、異なる化学組成を有する、請求項69記載の方法。
  71. 前記マトリックス材料および前記触媒ナノ粒子をか焼に付して、前記触媒ナノ粒子を修飾するステップをさらに含み、
    前記近位部分は金属イオンを含み、前記遠位部分は該金属イオンの酸化物を含む、請求項46記載の方法。
  72. 前記マトリックス材料、前記触媒ナノ粒子、および相互接続されたテンプレート成分を熱処理またはエッチング条件に付して、前記触媒ナノ粒子を修飾するステップをさらに含み、
    前記近位部分は第1形態を含み、前記遠位部分は第2形態を含み、前記第2形態は、前記第1形態よりも大きい粗度を有する、請求項46記載の方法。
  73. 前記マトリックス材料、前記触媒ナノ粒子、および相互接続されたテンプレート成分を熱処理またはエッチング条件に付して、触媒ナノ粒子を修飾するステップをさらに含み、
    前記近位部分は第1形態を含み、前記遠位部分は第2形態を含み、前記第2形態は前記第1形態よりも多いファセット数を有する、請求項46記載の方法。
  74. 前記マトリックス材料、前記触媒ナノ粒子、および相互接続されたテンプレート成分を熱処理またはエッチング条件に付して、前記触媒ナノ粒子を修飾するステップをさらに含み、
    前記近位部分は第1結晶化度を含み、前記遠位部分は第2結晶化度を含み、前記第2結晶化度は前記第1結晶化度とは異なる、請求項46記載の方法。
  75. 前記マトリックス材料、前記触媒ナノ粒子、および相互接続されたテンプレート構成要素を熱処理に付して、前記触媒ナノ粒子と前記マトリックス材料との間の界面における前記マトリックス材料の一部の結晶化度を変化させるステップをさらに含み、
    前記マトリックス材料は、第1結晶化度を有し、前記触媒ナノ粒子と前記マトリックス材料との界面における前記マトリックス材料の一部は、第2結晶化度を有し、前記第2結晶化度は前記第1結晶化度とは異なる、請求項46記載の方法。
  76. 前記触媒ナノ粒子、前記マトリックス材料、および相互接続されたテンプレート成分を熱処理に付して、前記触媒ナノ粒子と前記マトリックス材料との間の界面における前記マトリックス材料の一部の結晶構造を変化させるステップをさらに含み、
    前記マトリックス材料のネットワークは、第1結晶構造を有し、前記触媒ナノ粒子と前記マトリックス材料との間の界面における前記マトリックス材料の一部は、第2結晶構造を有し、前記第2結晶構造は、前記第1結晶構造とは異なる、請求項46記載の方法。
  77. 前記マトリックス材料のネットワーク、前記触媒ナノ粒子、および相互接続されたテンプレート成分を熱処理に付して、前記触媒ナノ粒子と前記マトリックス材料との間の界面における前記マトリックス材料の一部の粗度を変化させるステップをさらに含み、
    前記マトリックス材料のネットワークは、第1粗度を有し、前記触媒ナノ粒子と前記マトリックス材料との間の界面における前記マトリックス材料の一部は、第2粗度を有し、前記第2粗度は、前記第1粗度とは異なる、請求項46記載の方法。
  78. 前記マトリックス材料は、第1の相を有し、前記触媒ナノ粒子と前記マトリックス材料との間の界面における前記マトリックス材料の一部は、第2の相を有し、前記第2の相は、前記第1の相とは異なる、請求項46記載の方法。
  79. 前記第1の相または前記第2の相の一方は、アモルファス、結晶質、または準結晶質の1つである、請求項78記載の方法。
  80. 前記修飾されたテンプレート材料を配置する前に、修飾されたテンプレート材料の外側を材料でコーティングするステップをさらに含む、請求項46記載の方法。
  81. 前記材料が触媒材料である、請求項80記載の方法。
  82. 前記埋め込まれたナノ粒子を修飾するステップをさらに含む、請求項46記載の方法。
  83. 前記埋め込まれた触媒ナノ粒子を修飾するステップが前記触媒ナノ粒子の前記遠位部分の表面にシェルを成長させるかまたは堆積させるステップを含む、請求項82記載の方法。
  84. 前記埋め込まれた触媒ナノ粒子を修飾するステップがガルバニック置換を含む、請求項82記載の方法。
  85. 前記埋め込まれた触媒ナノ粒子を修飾するステップが触媒ナノ粒子を加熱することによって相変態を生じさせるステップを含む、請求項82記載の方法。
  86. 前記テンプレート材料を除去した後に前記マトリックス材料を修飾するステップをさらに含む、請求項46記載の方法。
  87. 前記マトリックス材料を修飾するステップがマトリックス材料を加熱してマトリックス材料の相転移またはマトリックス材料の表面の粗面化の1つを生じさせるステップを含む、請求項86記載の方法。
  88. 前記マトリックス材料を修飾するステップがマトリックス材料を選択的にエッチングしてチャネルの第2ネットワークを生成するステップを含む、請求項86記載の方法。
  89. 前記マトリックス材料を修飾するステップが前記マトリックス材料を化学的に変換してマトリックス材料の形状を維持するステップを含む、請求項86記載の方法。
  90. 前記マトリックス材料を修飾するステップがマトリックス材料の表面への官能基の堆積を含む、請求項86記載の方法。
  91. 前記官能基が前記マトリックス材料の表面エネルギーを変化させるかまたは標的部位を誘引する認識ユニットとして作用する、請求項87記載の方法。
  92. 前記マトリックス材料を修飾するステップがマトリックス材料を化学的に変換するステップをさらに含む、請求項86記載の方法。
  93. 化学的に変換するステップが前記マトリックス材料をイオン交換するステップを含む、請求項92記載の方法。
  94. 化学的に変換するステップが前記マトリックス材料に対してレドックスプロセスを行うステップを含む、請求項92記載の方法。
  95. 前記マトリックス材料を修飾するステップがマトリックス材料の表面に濡れ性勾配を形成するステップをさらに含む、請求項86記載の方法。
  96. 前記触媒ナノ粒子は、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、コバルト、鉄、ニッケル、オスミウム、イリジウム、レニウム、銅、クロム、およびそれらの組合せの1つから選択される、請求項60〜71のいずれか一項記載の方法。
  97. 前記触媒ナノ粒子は、金属、金属合金、半導体、金属酸化物、混合金属酸化物、金属硫化物およびそれらの組合せの1つから選択される、請求項46、52〜61、および72〜77のいずれか一項記載の方法。
  98. 前記触媒ナノ粒子の前記2種以上の金属は、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、コバルト、鉄、ニッケル、オスミウム、イリジウム、レニウム、銅およびクロムから選択される、請求項60記載の方法。
  99. 前記マトリックス材料は、シリカ、チタニア、無機ゾル−ゲル誘導酸化物、ポリマーおよびそれらの組合せのうちの1つから選択される、請求項46〜77のいずれか一項記載の方法。
  100. 前記テンプレート成分は、ポリマー、ランダムコポリマー、バイオポリマー、有機金属化合物、超分子ポリマー、およびそれらの組合せのうちの1つから選択される、請求項46〜77のいずれか一項記載の方法。
  101. 請求項46〜100記載の方法によって作られる前記触媒材料を含む触媒塗料。
  102. 請求項101記載の触媒塗料を装置の表面の少なくとも一部に有する装置であって、該装置は、室内空気加熱器、空調ユニット、通気口、HVACダクト、ファン、ヘアドライヤ、空気清浄機、加湿器、除湿器、室内電気固定具、室内照明器具、壁、天井および家具のうちの1つである、装置。
  103. 触媒材料を製造する方法であって、前記方法は、
    金属イオン、金属イオンおよびマトリックス前駆体に対する親和性を有する配位子を有するテンプレート材料を提供するステップ、
    前記金属イオンが前記テンプレート材料に複数の触媒ナノ粒子を形成するように前記テンプレート材料、金属イオンおよびマトリックス前駆体を混合するステップであって、複数の触媒ナノ粒子は近位部分および遠位部分を有するステップ、
    前記マトリックス前駆体が相互接続されたテンプレート成分の間隙空間を満たすように、前記テンプレート材料を相互接続されたテンプレート成分内に配置するステップ、
    前記充填材料が相互接続されたチャネルのネットワークを規定する相互接続されたマトリックス材料を形成するように、前記テンプレート成分を少なくとも部分的に除去するステップを含み、
    前記触媒ナノ粒子は、前記触媒ナノ粒子の近位部分が前記マトリックス材料中に埋め込まれ、前記触媒ナノ粒子の前記遠位部分が前記相互接続されたチャネルに露出されるように、前記マトリックス材料中に部分的に埋め込まれている、方法。
  104. 前記金属イオンは、Ca、Mg、Ni、Cu、Fe、またはそれらの組合せのうちの1つである、請求項103記載の方法。
  105. 前記配位子は、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリビニルピロリドン(PVP)の1つである、請求項103記載の方法。
  106. 触媒材料を製造する方法であって、前記方法は、
    ナノ粒子前駆体をその中に有するテンプレート成分を提供するステップ、
    前記マトリクッス前駆体が相互接続されたテンプレート成分の間隙空間を満たすように、前記テンプレート成分を前記相互接続されたテンプレート成分内に配置するステップ、
    前記相互接続されたテンプレート成分の間隙空間を満たす充填材料で相互接続されたテンプレート成分中に前記テンプレート成分を配置するステップ、
    近位部分および遠位部分を有する複数の触媒ナノ粒子が形成されるように相互接続されたチャネルのネットワークを規定する相互接続されたマトリックス材料を前記充填材料が形成するように、少なくとも部分的に前記テンプレート成分を除去するステップを含み、
    前記触媒ナノ粒子は、前記触媒ナノ粒子の前記近位部分が前記マトリックス材料中に埋め込まれ、前記触媒ナノ粒子の前記遠位部分が前記相互接続されたチャネルに露出されるように、前記マトリックス材料中に部分的に埋め込まれている、方法。
  107. 階層的に多孔質の材料を調製する方法であって、前記方法は、
    第1平均細孔サイズの第1多孔度を有する多孔質巨視的モノリシック基材を提供するステップ、
    前記モノリシック基材の前記細孔にテンプレート犠牲材料とマトリックス前駆体材料とを含む共集合混合物を適用するステップ、および
    前記テンプレート犠牲材料を除去して前記多孔質モノリシック基材内にテンプレート化多孔質コーティング(TPC)を形成するステップであって、前記TPCは、第2平均細孔サイズの第2多孔度を有し、前記第2平均細孔サイズは、前記第1平均細孔サイズよりも小さいステップを含む方法。
  108. 前記多孔質モノリシック基材は、セラミック、コージライト、ムライト、ゼオライト、天然または合成粘土のうちの1つである、請求項107記載の方法。
  109. 前記多孔質モノリシック基材は、導電性材料を含む、請求項107記載の方法。
  110. 前記多孔質モノリシック基材は、金属、金族合金、ステンレス鋼、フェライト鋼、オーステナイト鋼、銅、ニッケル、真ちゅう、金、銀、チタン、タングステン、アルミニウム、パラジウム、白金、黒鉛、導電性炭素材料、導電性無機材料、導電性有機材料、またはそれらの組合せを含む、請求項107記載の方法。
  111. その上に、配置された請求項1〜45記載の触媒材料を有するモノリシック多孔質基材。
  112. 前記モノリシック多孔質基材は触媒コンバータで使用される、請求項111記載のモノリシック多孔質基材。
  113. 前記モノリシック多孔質基材は、燃料電池で使用される、請求項111記載のモノリシック多孔質基材。
  114. 前記モノリシック多孔質基材は電解槽で使用される、請求項111記載のモノリシック多孔質基材。
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