JP2020535655A - 有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物、これより製造された正孔注入層材料および正孔注入層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物、これより製造された正孔注入層材料および正孔注入層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物、これより製造された正孔注入層材料および前記正孔注入層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。具体的には、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物を用いて製造された正孔注入層材料を採用した有機エレクトロルミネッセンス素子は、著しく向上した効率を実現することができ、高い酸度による素子の寿命の急激な短縮の問題を効果的に抑制することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物、これより製造された正孔注入層材料および正孔注入層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子とは、蛍光性または燐光性の有機化合物薄膜(以下、有機膜とする)に電流を流すと、電子と正孔が結合して光が発生する現象を用いた能動発光型表示素子を意味する。かかる有機エレクトロルミネッセンス素子は、低電圧駆動が可能であり、電力消費が比較的少なく、高色純度を完璧に実現できることから、次世代の表示素子として注目されている。
一般的な有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板の上部に正極が形成されており、正極の上部に、正孔伝達層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および負極などが順に形成されている構造を有する。前記正孔伝達層、正孔輸送層、発光層および電子輸送層などは、有機化合物または有無機混合化合物からなる有機膜である。
上述のような構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動原理は、以下のとおりである。前記正極と負極との間に電圧を印加すると、正極から注入された正孔は、正孔輸送層を経由して発光層に移動する。一方、電子は、負極から電子輸送層を経由して発光層に注入され、発光層の領域でキャリアが再結合し、励起子(exiton)を生成する。この励起子が放射性崩壊(radiative decay)して、物質のバンドギャップ(band gap)に相当する波長の光が放出されるものである。
かかる有機エレクトロルミネッセンス素子が、前記のような駆動原理で向上した効率を実現するためには、有機膜を形成する材料である正孔伝達層材料、正孔輸送層材料、発光層材料および電子輸送層材料などが安定し、且つ電荷均衡(charge balance)が効率的な材料によって裏付けられることが先行されなければならない。しかし、依然として、安定し、且つ電荷均衡が効率的な有機エレクトロルミネッセンス素子用の有機膜を形成する材料の開発が十分に行われていない状態である。
したがって、次世代の表示素子として注目されている有機エレクトロルミネッセンス素子において、優れた発光特性および寿命特性などを満たす新たな材料の開発が求められ続けている。
本発明の目的は、向上した発光特性および寿命特性を実現するための有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物、これより製造された正孔注入層材料および正孔注入層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することにある。
前記目的を達成するために、酸性基を含む伝導性高分子複合体と、下記化学式1の化合物とを含む有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物が提供される。
〔化学式1〕
[前記化学式1中、
は、C‐C30シクロアルキル、C‐C30ヘテロシクロアルキル、C‐C30アリールまたはC‐C30ヘテロアリールであり、
は、ラクタム基または縮合されたラクタム基であり、
前記Rのシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールと前記Rのラクタム基または縮合されたラクタム基は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、カルボン酸塩、C‐C30アルキル、C‐C30アルコキシ、C‐C30アルケニル、C‐C30アルキニル、C‐C30アリールおよびC‐C30ヘテロアリールなどから選択される一つ以上の置換体でさらに置換されてもよく、
前記Rのヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールと、前記Rのラクタム基または縮合されたラクタム基は、それぞれ独立して、B、N、O、S、Se、‐P(=O)‐、‐C(=O)‐、SiおよびPなどから選択される一つ以上を含む。]
前記化学式1の化合物は、前記Rが、C‐C30シクロアルキルまたはC‐C30アリールであり、前記Rが、脂環族環と縮合されたラクタム基であってもよい。
前記化学式1の化合物は、前記Rが、C‐C30シクロアルキルまたはC‐C30アリールであり、前記Rが、下記化学式2で表されるものであってもよい。
〔化学式2〕
[前記化学式2中、
11は、C‐CアルキルまたはC‐Cアルケニルであり、
12およびR13のうち一つは、水素、C‐Cアルキル、C‐CアルコキシまたはC‐Cチオキシであり、残りの一つは、前記R11と連結されて脂環族環を形成してもよく、
前記R11のアルキルまたはアルケニルと前記R12およびR13のうち一つが前記R11と連結されて形成される脂環族環は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、カルボン酸塩、C‐Cアルキル、C‐Cアルコキシ、C‐Cアルケニル、C‐Cアルキニル、C‐C12アリールおよびC‐C12ヘテロアリールから選択される一つ以上の置換体でさらに置換されてもよく、前記脂環族環内の‐CH‐は、OおよびSなどから選択されるヘテロ原子で置換されてもよい。]
前記化合物は、具体的には、下記化学式3の化合物および化学式4の化合物から選択される少なくとも一つであってもよい。
〔化学式3〕
〔化学式4〕
[前記化学式3および4中、
は、C‐C12シクロアルキルまたはC‐C12アリールであり、
21〜R24は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、カルボン酸塩およびC‐Cアルキルから選択され、
前記Rのシクロアルキルまたはアリールは、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシルおよびC‐Cアルキルなどから選択される一つ以上の置換体でさらに置換されてもよい。]
前記化合物は、より具体的には、アンピシリン、アモキシリン、セファレキシン、セフラジンおよびセファクロルなどから選択される一つまたは二つ以上であってもよい。
前記酸性基を含む伝導性高分子複合体は、ポリチオフェン系重合体および芳香族スルホネート系重合体の混合物であってもよい。
前記酸性基を含む伝導性高分子複合体は、ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)とポリ(スチレンスルホネート)の混合物であってもよい。
前記組成物のpHは、9.0以下であってもよい。
前記組成物のpHは、2.0〜8.5であってもよい。
前記組成物は、前記ポリ(スチレンスルホネート)のスルホン酸イオン1モルを基準として、前記化学式1の化合物内の第一級アミン基を10モル以下で含んでもよい。
前記目的を達成するために、酸性基を含む伝導性高分子複合体および前記化学式1の化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物を用いて製造された正孔注入層材料が提供される。
前記目的を達成するために、前記正孔注入層材料を含む有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
前記有機エレクトロルミネッセンス素子は、正極、前記正孔注入層材料を含む正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および負極などを含む。
前記目的を達成するために、前記有機エレクトロルミネッセンス素子は、表示素子;ディスプレイ素子;もしくは、単色または白色の照明用素子;などであってもよい。
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物を正孔注入層に使用する場合、発光層の領域でキャリアが再結合する時に、固有の界面双極子(Interfacial dipole)の形成によるバンドギャップ整列、向上した正孔と電子の密度均衡およびJ/H‐凝集による励起子を形成、抗生剤の固有の「β‐ラクタム」構造の分子間結合誘導および整列された電気双極子誘導、強い発色団相互作用(chromophores interaction)などによる励起子の形成によって、驚くほど向上した有機エレクトロルミネッセンス素子の効率を実現することができる。
また、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物を正孔注入層に使用する場合、低い仕事関数の実現が可能である。
また、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物は、水に分散し、目的による効率の実現のために酸度が調節され、高い酸度による素子寿命の急激な短縮の問題を効果的に抑制することができる。
したがって、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物を用いて製造された正孔注入層材料を採用することで、発光特性(効率)および寿命特性が同時に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の断面構造を示す図である。 本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の性能、すなわち、駆動電圧(Von)に対する発光量/電流密度注入を確認したデータである。 本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の性能、すなわち、最大電流効率(CEmax)を確認したデータである。 本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の性能、すなわち、最大外部量子効率(QEmax)を確認したデータである。 本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の性能、すなわち、最大電力効率(PEmax)を確認したデータである。
以下、本発明をより具体的に説明する。このときに使用される技術用語および科学用語において他の定義がない限り、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が通常理解している意味を有しており、下記の説明において本発明の要旨を不明瞭にし得る公知の機能および構成に関する説明は省略する。
本明細書における「アルキル」、「アルコキシ」、「チオキシ」という用語の他にアルキルを含む置換体は、直鎖または分岐鎖状の炭化水素から誘導された官能基を意味する。また、本発明によるアルキルおよびアルキルを含む置換体は、炭素数1〜7の単鎖のものが優先され、好ましくは、メチル、エチル、プロピルおよびブチルなどから選択されてもよいが、これに限定されるものではない。また、前記アルコキシは、*‐O‐アルキルを意味し、チオキシは、*‐S‐アルキルを意味する。
また、本明細書における「アルケニル」という用語は、二重結合を一つ以上含む直鎖または分岐鎖状の炭化水素から誘導された有機ラジカルを意味し、「アルキニル」は、三重結合を一つ以上含む直鎖または分岐鎖状の炭化水素から誘導された有機ラジカルを意味する。
また、本明細書における「カルボキシル」という用語は、*‐COOHを意味する。また、本明細書における「カルボン酸塩」という用語は、*‐COOMを意味し、前記Mは、アルカリ金属(Na、Kなど)であってもよい。
また、本明細書における「シクロアルキル」という用語は、3〜9個の炭素原子の完全に飽和または部分的に不飽和された炭化水素環から誘導された有機ラジカルを意味し、「ヘテロシクロアルキル」は、B、N、O、S、Se、‐P(=O)‐、‐C(=O)‐、SiおよびPなどから選択される一つ以上を含む3〜9個の環原子を含む単環式または多環式非芳香族環から誘導された有機ラジカルを意味する。
また、本明細書における「アリール」という用語は、一つの水素除去によって芳香族炭化水素環から誘導された有機ラジカルを意味し、各環に適切には4〜7個、好ましくは5または6個の環原子を含む単環または縮合環系を含み、多数個のアリールが単結合で連結されている形態をも含む。一例として、フェニル、ナフチル、ビフェニル、テルフェニル、アントリル、インデニル、フルオレニル、フェナントリル、トリフェニレニル、ピレニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニル、フルオランテニルなどを含むが、これに限定されるものではない。
また、本明細書における「ヘテロアリール」という用語は、一つの水素除去によって芳香族環から誘導された有機ラジカルを意味し、B、N、O、S、Se、‐P(=O)‐、‐C(=O)‐、SiおよびPなどから選択される一つ以上を含む3〜9個の環原子を含む単環式または多環式の芳香族環から誘導された有機ラジカルであってもよく、各環に、適切には3〜7個、好ましくは5または6個の環原子を含む単環または縮合環系を含み、多数個のヘテロアリールが単結合で連結されている形態をも含む。一例として、フリル、チオフェニル、ピロリル、ピラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニルなどの単環式の芳香族環;およびベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノリジニル、キノキサリニル、カルバゾリル、フェナントリジニル、ベンゾジオキソリルなどの多環式の芳香族環;などを含むが、これに限定されるものではない。
また、本明細書における「ハロゲン」という用語は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)またはヨウ素(I)原子を意味する。
また、本明細書における「ラクタム基」という用語は、環内に‐CONH‐の原子団を含むヘテロシクロアルキルを意味し、前記ラクタム基は、N‐置換ラクタム基も含む。
また、本明細書における「縮合されたラクタム基」という用語は、前記ラクタム基の環が芳香族環または脂環族環と縮合された環系を形成したものを意味し、前記脂環族環は、完全に飽和または部分的に不飽和された環から誘導された有機ラジカルの場合も含む。
また、本明細書における「化学式1の化合物」という用語は、その異性体またはその許容可能な塩を含むものであってもよい。この際、前記許容可能な塩は、通常的または医学的に使用可能であり、化合物の好ましい活性を有する本発明の一様態による塩を意味する。一例として、ナトリウム塩またはカリウム塩などのアルカリ金属塩が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明者らは、有機エレクトロルミネッセンス素子の高効率化の実現において、発光層の領域でキャリアが再結合する時に、正孔と電子の密度が均衡を成すことに着目し、これを解決するための方法を研究した。結果、正孔注入層の主材料である酸性基を含む伝導性高分子複合体に、第一級アミンと第二級アミンを同時に含むβ‐ラクタム系化合物を投入することで、驚くほど向上した効率を実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物は、固有の界面双極子の形成によるバンドギャップ整列、向上した正孔と電子の密度均衡およびJ/H‐凝集による励起子の形成を同時になすことができる。さらに、「β‐ラクタム」構造の分子間結合誘導性質は、整列された電気双極子を誘導する。このように整列された電気双極子は、J‐凝集エネルギー状態、H‐凝集エネルギー状態を形成し、有機エレクトロルミネッセンス素子の効率の向上に非常に重要な役割を果たす。したがって、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物を用いて製造された材料を正孔注入層材料として採用する場合、最大35.0%の外部量子効率QE(quantum efficiency)、最大120.0cd/Aの電流効率CE(Current efficiency)、最大68.0lm/Wの電力効率PE(Power efficiency)を実現する有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。
したがって、本明細書では、有機エレクトロルミネッセンス素子の高効率化を実現するための新たな正孔注入層用の組成物およびこれを用いて製造された正孔注入層材料を提供することで、これらの応用を確張しようとする。
上述の効果を実現するために、本発明は、酸性基を含む伝導性高分子複合体と、下記化学式1の化合物とを含む有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物を提供する。
〔化学式1〕
[前記化学式1中、
は、C‐C30シクロアルキル、C‐C30ヘテロシクロアルキル、C‐C30アリールまたはC‐C30ヘテロアリールであり、
は、ラクタム基または縮合されたラクタム基であり、
前記Rのシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールと前記Rのラクタム基または縮合されたラクタム基は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、カルボン酸塩、C‐C30アルキル、C‐C30アルコキシ、C‐C30アルケニル、C‐C30アルキニル、C‐C30アリールおよびC‐C30ヘテロアリールなどから選択される一つ以上の置換体でさらに置換されてもよく、
前記Rのヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールと、前記Rのラクタム基または縮合されたラクタム基は、それぞれ独立して、B、N、O、S、Se、‐P(=O)‐、‐C(=O)‐、SiおよびPなどから選択される一つ以上を含む。]
本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物を用いて製造された正孔注入層材料は、フェルミ準位整列(Fermi level alignment)を引き起こすことで、電子との強い引力を誘発するとともに弱い正孔注入を誘発する。すなわち、本発明による正孔注入層材料は、上述の特性により正孔注入を効果的に抑制し、再結合効率を著しく向上させることで、有機エレクトロルミネッセンス素子の効率を著しく高めることができる。
本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物において、前記化学式1の化合物は、前記RがC‐C30シクロアルキルまたはC‐C30アリールであり、前記Rが脂環族環と縮合されたラクタム基であってもよい。
一例として、前記Rの脂環族環と縮合されたラクタム基は、環内に‐CONH‐の原子団を含むC‐Cヘテロシクロアルキル環にC‐C20アルキレンまたはC‐C20アルケニレンで縮合された環系を形成したものであってもよい。この際、前記アルキレンまたはアルケニレンの‐CH‐のうち一つは、‐O‐または‐S‐などのヘテロ原子で置換されてもよい。
一例として、前記Rの脂環族環と縮合されたラクタム基は、飽和または部分的に不飽和された環であってもよい。
本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物において、前記化学式1の化合物は、前記RがC‐C30シクロアルキルまたはC‐C30アリールであり、前記Rが下記化学式2で表されるものであってもよい。
〔化学式2〕
[前記化学式2中、
11は、C‐CアルキルまたはC‐Cアルケニルであり、
12およびR13のうち一つは、水素、C‐Cアルキル、C‐CアルコキシまたはC‐Cチオキシであり、残りの一つは、前記R11と連結されて脂環族環を形成してもよく、
前記R11のアルキルまたはアルケニルと前記R12およびR13のうち一つが前記R11と連結されて形成される脂環族環は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、カルボン酸塩、C‐Cアルキル、C‐Cアルコキシ、C‐Cアルケニル、C‐Cアルキニル、C‐C12アリールおよびC‐C12ヘテロアリールから選択される一つ以上の置換体でさらに置換されてもよく、前記脂環族環内の‐CH‐は、OおよびSなどから選択されるヘテロ原子で置換されてもよい。]
一例として、前記化学式1の化合物は、前記Rが置換または非置換のC‐C12シクロアルキルまたは置換または非置換のC‐C12アリールであり、前記Rが前記化学式2で表されるものであってもよい。
一例として、前記化学式1の化合物は、前記Rが、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニルおよびシクロオクタジエニルなどのシクロアルキル;およびフェニル、ナフチルおよびビフェニルなどのアリール;から選択され、前記Rのシクロアルキルまたはアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシルおよびC‐Cアルキルなどから選択される一つ以上の置換体でさらに置換されてもよく、前記Rが前記化学式2で表されるものであってもよい。
本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物において、前記化学式1の化合物は、具体的には、下記化学式3の化合物および化学式4の化合物から選択される少なくとも一つであってもよい。
〔化学式3〕
〔化学式4〕
[前記化学式3および4中、
は、C‐C12シクロアルキルまたはC‐C12アリールであり、
21〜R24は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、カルボン酸塩およびC‐Cアルキルから選択され、
前記Rのシクロアルキルまたはアリールは、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシルおよびC‐Cアルキルなどから選択される一つ以上の置換体でさらに置換されてもよい。]
一例として、前記化学式3または化学式4の化合物において、前記Rが、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニルおよびシクロオクタジエニルなどのシクロアルキル;およびフェニル、ナフチルおよびビフェニルなどのアリール;から選択され、前記Rのシクロアルキルまたはアリールは、ヒドロキシおよびカルボキシルなどから選択される一つ以上の置換体でさらに置換されてもよく、前記R21〜R24は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、カルボン酸塩(*‐COOM、前記Mは、水素またはK、Naなどのアルカリ金属など)およびメチル、エチルなどのアルキルから選択されるものであってもよい。
本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物において、前記化学式1の化合物は、より具体的には、下記の構造から選択されるものであってもよい。
アンピシリン アモキシリン
セファレキシン セフラジン
セファクロル
また、本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物において、前記化学式1の化合物は、目的に応じて、適切な濃度に希釈されて使用され得る。
一例として、前記化学式1の化合物は、前記化学式1の化合物0.01〜0.5重量%および残量の水であってもよい。
一例として、前記化学式1の化合物は、前記化学式1の化合物1.0〜10.0重量%および残量の水であってもよい。
本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物において、前記酸性基を含む伝導性高分子複合体は、スルホン酸アニオン(*‐SO‐)などを含んでもよい。
本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物において、前記酸性基を含む伝導性高分子複合体は、ポリチオフェン系重合体および芳香族スルホネート系重合体の混合物であってもよい。
具体的には、前記酸性基を含む伝導性高分子複合体は、ポリ(スチレンスルホネート)を含んでもよく、より具体的には、ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)とポリ(スチレンスルホネート)の混合物(PEDOT:PSS)であってもよい。
一例として、ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)とポリ(スチレンスルホネート)の混合物(PEDOT:PSS)は、伝導性高分子であるポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)にアクセプタとしてポリ(スチレンスルホネート)がドープされた構造を有してもよい。
一例として、ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)とポリ(スチレンスルホネート)の混合物(PEDOT:PSS)は、イオン複合体として水分散された形態で存在することができる。この際、水分散された形態のPEDOT:PSSは、固形分の濃度が1.3〜1.7重量%(残量の水)であってもよく、スルホン酸アニオンによってpHが約1〜2未満で酸性を示すことができる。
本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物は、水分散された形態のPEDOT:PSSに、前記化学式1の化合物を投入することで、J/H‐凝集による励起子の形成を効果的に誘導し、著しく向上した効率を実現することができる。
具体的には、本発明は、正孔注入層の主材料であるポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)とポリ(スチレンスルホネート)の混合物(PEDOT:PSS)に、第一級アミンと第二級アミンを同時に含む化合物を投入することで、驚くほど向上した効率を実現する。本発明は、その効果において、第一級アミンを含む化合物、第二級アミンを含む化合物またはこれらの混合物を使用した効果に比して著しい効果を示すことを見出した点に注目した。
また、本発明は、上述の構造的特徴を満たす化合物として、アンピシリン、アモキシリン、セファレキシン、セフラジンおよびセファクロルなどから選択される一つ以上の抗生剤を導入することで、驚くほど向上した有機エレクトロルミネッセンス素子の効率を実現できることを確認することで、上述の抗生剤の新たな用途を示唆する。
本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物は、前記ポリ(スチレンスルホネート)のスルホン酸イオン1モルを基準として、前記化学式1の化合物内の第一級アミン基を10モル以下で含んでもよい。具体的には、前記化学式1の化合物内の第一級アミン基は、0.1〜8モル、より具体的には0.5〜6モルで含んでもよい。
本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物は、組成物の総体積を基準として、前記化学式1の化合物を0.1〜80体積%で含むことができる。具体的には、前記組成物は、前記化学式1の化合物を2〜75体積%で含むことができ、より具体的には15〜40体積%で含むことができ、さらに具体的には25〜40体積%で含むことができる。この際、前記組成物の残量は、水分散された形態のPEDOT:PSSであり、固形分の濃度が1.3〜1.7重量%であってもよい。
一例として、水分散された形態のPEDOT:PSS(CLEVIOS P VP AL 4083、ヘレウス社製、pH1.48)25mlとアンピシリン(Ampicillin、Amp)0.5mlを使用する場合、第一級アミン基の総量は1.24vgであってもよい(2vol%Amp‐PEDOT:PSS、pH2.10)。この際、前記アンピシリン(Ampicillin、Amp)は、5重量%(残量の水)であってもよい。以下の一例も同一であり得る。
一例として、水分散された形態のPEDOT:PSS(CLEVIOS P VP AL 4083、ヘレウス社製、pH1.48)5mlとアンピシリン0.5mlを使用する場合、第一級アミン基の総量は1.24vgであってもよい(10vol%Amp‐PEDOT:PSS、pH2.80)。
一例として、水分散された形態のPEDOT:PSS(CLEVIOS P VP AL 4083、ヘレウス社製、pH1.48)2.5mlとアンピシリン0.5mlを使用する場合、第一級アミン基の総量は1.24vgであってもよい(15vol%Amp‐PEDOT:PSS、pH3.20)。
一例として、水分散された形態のPEDOT:PSS(CLEVIOS P VP AL 4083、ヘレウス社製、pH1.48)3mlとアンピシリン1mlを使用する場合、第一級アミン基の総量は2.48vgであってもよい(25vol%Amp‐PEDOT:PSS、pH4.48)。
一例として、水分散された形態のPEDOT:PSS(CLEVIOS P VP AL 4083、ヘレウス社製、pH1.48)3mlとアンピシリン2mlを使用する場合、第一級アミン基の総量は4.95vgであってもよい(40vol%Amp‐PEDOT:PSS、pH7.36)。
一例として、水分散された形態のPEDOT:PSS(CLEVIOS P VP AL 4083、ヘレウス社製、pH1.48)1mlとアンピシリン3mlを使用する場合、第一級アミン基の総量は7.43vgであってもよい(75vol%Amp‐PEDOT:PSS、pH8.28)。
前記pHは、pHメータ(SX723、Portable pH/Conductivity Meter、Range:(pH:‐2.00〜19.99pH)、Resolution:pH:0.1/0.01/0.001pH、Accuracy:pH:±0.01、Shanghai San‐Xin Instrument、China)を用いて測定され、当業者が酸度測定の際に一般的に使用するガラス電極によるものを使用すれば制限されない。
上述の条件で前記化学式1の化合物を使用する場合、前記有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物のpHは、9.0以下である条件を満たし、安定的に本発明で目的とする効果を実現する。
具体的には、前記化学式1の化合物は、pH7.5超の条件では、ラクタム基が不安定で開環反応が行われ、かかる構造変形でJ/H‐凝集による励起子の形成を誘導し難いが、強い発色団相互作用による励起子の形成が可能で、効率上昇を期待することができる。しかし、pH9.0超の条件では、その効果を達成し難い。
本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物において、前記組成物のpHは、具体的には2.0〜8.5であってもよく、より具体的には3.0〜7.5であってもよい。
上述のpH条件を満たす有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物を用いて製造された正孔注入層材料は、向上した正孔と電子の密度均衡およびJ/H‐凝集による励起子の形成および強い発色団相互作用による励起子の形成を同時になすことができる。さらに、抗生剤の固有の「β‐ラクタム」構造の分子間結合誘導性質は、整列された電気双極子を誘導する。このように整列された双極子は、J‐、H‐凝集エネルギー状態を形成し、有機エレクトロルミネッセンス素子の効率の向上に非常に重要な役割を果たす。したがって、これを含む本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子は、従来の如何なる有機エレクトロルミネッセンス素子の効率(電流効率、外部量子効率、電力効率など)よりも著しいことが認められる。
また、上述のpH条件を満たす有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物は、より低い仕事関数を有する。これにより、正孔注入を抑制することで、電子/正孔再結合を効果的に行うことができる。
本発明は、酸性基を含む伝導性高分子複合体および前記化学式1の化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物を用いて製造された正孔注入層材料およびこれを採用した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
本発明の一実施形態による正孔注入層材料は、低い仕事関数を有し、J/H‐凝集、強い発色団相互作用による励起子の形成によって、より向上した効率を実現する。
また、本発明の一実施形態による正孔注入層材料を採用することで、高い酸度による素子寿命の急激な短縮の問題を効果的に抑制することができる。
具体的には、以下で本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンス素子について説明するが、その構造に限定されないことはいうまでもない。
本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンス素子は、正極、前記正孔注入層材料を含む正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および負極などを含む。
また、前記有機エレクトロルミネッセンス素子は、前記発光層と負極との間の電子注入層などをさらに含むことができる。
また、前記有機エレクトロルミネッセンス素子は、前記正孔輸送層と発光層との間の電子遮単層を、前記発光層と電子輸送層との間に正孔遮単層をさらに含むことができる。
また、前記有機エレクトロルミネッセンス素子は、真空蒸着方式だけでなく、ハロゲン化溶媒および非ハロゲン溶媒のような有機溶媒を用いた環境にやさしい溶液工程で蒸着され得る。
以下、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法について説明する。
ガラス(glass)またはプラスチックなどの基板にITO(indium‐tin oxide)、FTO(Fluorine doped tin oxide)、ZnO‐Ga、ZnO‐AlまたはSnO‐Sbなどの混合金属酸化物、ポリアニリン(polyaniline)、ポリチオフェン(polythiophene)などの伝導性高分子などの材料を用いて正極を形成することができ、好ましい実施形態によると、ITOである。
負極は、負電荷キャリア(negative‐charge Carrier)である電子(electron)の注入に効果的な材料として、金、アルミニウム、銅、銀、またはこれらの合金;カルシウム/アルミニウム合金、マグネシウム/銀合金、アルミニウム/リチウム合金などのように、アルミニウム、インジウム、カルシウム、バリウム、マグネシウムおよびこれらが組み合わされた合金;または場合によっては、希土類、ランタン族(lanthanide)、アクチニウム族(actinide)に属する金属;などから選択され得、好ましくは、アルミニウム、またはアルミニウム/カルシウム合金である。
正孔注入層は、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物を用いて形成される。すなわち、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物を用いて形成された正孔注入層は、低い仕事関数を有し、向上した正孔と電子の密度均衡およびJ/H‐凝集による励起子の形成、抗生剤の固有の「β‐ラクタム」構造の分子間結合誘導および整列された電気双極子誘導、強い発色団相互作用による励起子形成を同時に実現することで、驚くほど向上した効率を示す。特に、低い駆動電圧で著しく向上した効率を実現する。
また、本発明による正孔注入層を採用することで、ITOのような正極材料との界面特性を効果的に改善し、その表面が平坦でないITOの上部に塗布されてITOの表面を柔らかくする働きをすることができる。特に、本発明による正孔注入を抑制するために、正孔注入層は、正極として使用され得るITOの仕事関数水準と正孔輸送層のHOMO水準との差を適切に調節することができる。
この際、前記正孔注入層は、通常使用される材料をさらに使用することができ、一例としては、銅フタロシアニン(CuPc)、N,N´‐ジナフチル‐N,N´‐フェニル‐(1,1´‐ビフェニル)‐4,4´‐ジアミン(NPD)、4,4´,4´´‐トリス[メチルフェニル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(m‐MTDATA)、4,4´,4´´‐トリス[1‐ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(1‐TNATA)、4,4´,4´´‐トリス[2‐ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(2‐TNATA)、1,3,5‐トリス[N‐(4‐ジフェニルアミノフェニル)フェニルアミノ]ベンゼン(p‐DPA‐TDAB)などの芳香族アミン類などが挙げられるが、これに限定されない。この際、前記正孔注入層は、具体的には、10〜100nmの厚さで正極の上部にコーティングされ得る。
正孔輸送層は、スムーズな正孔輸送のために、発光層のHOMO水準よりも高いHOMO水準を有する材料を使用することができる。前記正孔輸送層材料の一例としては、TCTA(トリス(4‐カルバゾイル‐9‐イルフェニル)アミン)、TAPC(4,4´‐シクロヘキシリデンビス[N,N‐ビス(4‐メチルフェニル)ベンゼンアミン])、TPD(N,N´‐ビス(3‐メチルフェニル)‐N,N´‐ジフェニル‐[1,1´‐ジフェニル‐4,4´‐ジアミン)、TPB(N,N´‐ビス(1‐ナフチル)‐N,N´‐ビフェニル‐[1,1´‐ビフェニル]‐4,4´‐ジアミン)、NPB(N,N´‐ジ(ナフタレン‐1‐イル)‐N,N´‐ジフェニル‐ベンジジン)、トリフェニルアミン(TPA)、MPMP(ビス[4‐(N,N‐ジエチルアミノ)‐2‐メチルフェニル](4‐メチルフェニル)メタン)、TTB(N,N、N´,N´‐テトラキス(4‐メチルフェニル)‐(1,1´‐ビフェニル)‐4,4‐ジアミン)、ETPD(N,N´‐ビス(4‐メチルフェニル)‐N,N´‐ビス(4‐エチルフェニル)‐[1,1´‐(3、3´‐ジメチル)ビフェニル]‐4,4´‐ジアミン)などの低分子材料;ポリビニルカルバゾール、ポリアニリン、(フェニルメチル)ポリシランなどの高分子材料を使用することができるが、これに限定されない。
発光層は、赤色(R)、緑色(G)または青色(B)を発光できる材料であり、蛍光または燐光材料を含むことができる。好ましくは、緑色を発光する緑色発光層であってもよい。緑色発光層は、赤緑色(yellowish red)発光層、黄緑色(Yellowish Green)発光層、暗緑色(Dark Green)のうち一つであってもよい。前記発光層が緑色発光層の場合、発光する光の波長範囲は、490nm〜580nmの範囲であってもよい。
また、前記発光層は、ドーパント化合物とホスト化合物とを含み、上述の発光が可能な公知の材料を使用することができる。一例として、前記ドーパント化合物は、Ir、Ru、Pd、Pt、OsおよびReなどから選択される一つ以上の金属を含む金属錯体であってもよい。また、前記金属錯体を形成する配位子の一例として、2‐フェニルピリジン誘導体、7,8‐ベンゾキノリン誘導体、2‐(2‐チエニル)ピリジン誘導体、2‐(1‐ナフチル)ピリジン誘導体、2‐フェニルキノリン誘導体などが挙げられ、追加の置換体をさらに有してもよい。前記ドーパント化合物の具体的な一例としては、ビスチエニルピリジンアセチルアセトネートイリジウム(bisthienylpyridine acetylacetonate Iridium)、ビス(ベンゾチエニルピリジン)アセチルアセトネートイリジウム{bis(benzothienylpyridine)acetylacetonate Iridium}、ビス(2‐フェニルベンゾチアゾール)アセチルアセトネートイリジウム{Bis(2‐phenylbenzothiazole)acetylacetonate Iridium}、ビス(1‐フェニルイソキノリン)イリジウムアセチルアセトネート{bis(1‐phenylisoquinoline)Iridium acetylacetonate}、トリス(1‐フェニルイソキノリン)イリジウム{tris(1‐phenylisoquinoline)Iridium}、トリス(フェニルピリジン)イリジウム{tris(phenylpyridine)Iridium}、トリス(2‐ビフェニルピリジン)イリジウム{tris(2‐biphenylpyridine)Iridium}、トリス(3‐ビフェニルピリジン)イリジウム{tris(3‐biphenylpyridine)Iridium}、トリス(4‐ビフェニルピリジン)イリジウム{tris(4‐biphenylpyridine)Iridium}などを使用することができるが、これに限定されない。
前記ホスト化合物の具体的な一例としては、PAmTPI(9,9‐ジメチル‐10‐フェニル‐2‐(3‐(1,4,5‐トリフェニル‐1H‐イミダゾール‐2‐イル)フェニル)‐9、10‐ジヒドロアクリジン)、ジフェニル‐4‐トリフェニルシリルフェニルホスフィンオキシド(diphenyl‐4‐triphenylsilylphenylphosphine oxide、TSPO1)、4,4‐N,N‐ジカルバゾール‐ビフェニル(4,4‐N,N‐dicarbazole‐biphenyl、CBP)、N,N‐ジカルバゾリン‐3,5‐ベンゼン(N,N‐dicarbazoyl‐3、5‐benzene、mCP)、ポリビニルカルバゾール(poly(vinylcarbazole)、PVK)、ポリフルオレン、4,4´‐ビス[9‐(3、6ビフェニルカルバゾイル)]‐1‐1,1´‐ビフェニル4,4´‐ビス[9‐(3,6‐ビフェニルカルバゾイル)]‐1‐1,1´‐ビフェニル、9,10‐ビス[(2´,7´‐t‐ブチル)‐9´,9´´‐スピロビフルオレニル(spirobifluorenyl)アントラセン、テトラフルオレン(tetrafluorene)、pBCb2Cz(9‐(4‐(9H‐ピリド[2,3‐b]インドール‐9‐イル)フェニル)‐9H‐3,9´‐ビカルバゾール)、mCPPO1(9‐(3‐(9H‐カルバゾール‐9‐イル)フェニル)‐3‐(ジブロモフェニルホスホリル)‐9H‐カルバゾール)などを使用することができるが、これに限定されない。この際、前記発光層は、具体的には、5〜200nmの厚さでコーティングされ得る。
電子輸送層は、主に電子を引き寄せる化学成分が含まれた材料から構成されるが、このためには、高い電子移動度が求められ、スムーズな電子輸送により発光層に電子を安定的に供給する。一例としては、TSPO1(ジフェニル‐4‐トリフェニルシリルフェニルホスフィンオキシド)、TPBi(1,3,5‐トリス(N‐フェニルベンズイミダゾール‐2‐イル)ベンゼン);Alq(トリス(8‐ヒドロキシキノリナト)アルミニウム);DDPA(2,9‐ジメチル‐4,7‐ジフェニル‐1,10‐フェナントロリン);PBD(2‐(4‐ビフェニル)‐5‐(4‐tert‐ブチル)‐1,3,4‐オキサジアゾール)、TAZ(3‐(4‐ビフェニル)‐4‐フェニル‐5‐(4‐tert‐ブチル)‐1,2,4‐トリアゾール)のようなアゾール化合物;フェニルキノキサリン;TmPyPB(3,3´‐[5´‐[3‐(3‐ピリジニル)フェニル][1,1´:3´,1´´‐テルフェニル]‐3,3´´‐ジイル]ビスピリジン)などを使用することができるが、これに限定されない。この際、好ましい実施形態によると、TPBiを使用し、5〜100nmの厚さで発光層の上部にコーティングされ得る。
電子注入層は、スムーズな電子注入を誘導するためのものであり、他の電荷移動層とは異なり、LiF、BaF、CsF、Liqなどのように、アルカリ金属またはアルカルリ土類金属イオンの形態が使用されるが、これらの金属カチオンによって電子輸送層に対するドープを誘導するように構成され得る。
また、必要に応じて、前記正孔輸送層と発光層との間に電子遮単層を、前記発光層と電子輸送層との間に正孔遮単層をさらに含むことができ、公知の電子遮断物質、正孔遮断物質を使用することができる。
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子は、表示素子;ディスプレイ素子;もしくは、単色または白色の照明用素子などに使用され得る。
以下、実施例により、本発明をより具体的に説明する。
その前に、本明細書および請求の範囲に使用されている用語や単語は、通常的または辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自分の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念に解釈すべきである。したがって、本明細書に記載の実施例と図面に図示されている構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎないだけであって、本発明の技術的な思想をいずれも代弁するものではないため、本出願時点においてこれらは置換できる様々な均等物と変形例があることを理解すべきである。
(実施例1)
正極としては、脱イオン水、アセトンおよびイソプロパノールを使用し、超音波(40kHz)で洗浄した後、表面に存在する残留有機物を除去し、仕事関数(work function)を増加させるために、その表面に紫外線‐オゾン(UVO)処理を施したITO(Indium Tin Oxide)ガラス基板を使用した。
前記ITOガラス基板の上部に、2vol%Amp‐PEDOT:PSS(アンピシリン2vol%および残量のPEDOT:PSS;PEDOT:PSSはCLEVIOS P VP AL 4083、ヘレウス社製、pH2.10)からなる正孔注入層(40nm)を形成し、N,N‐ビス‐(1‐ナフチル)‐N,N´‐ジフェニル‐1,1´‐ビフェニル‐4,4´‐ジアミン(NPB)からなる正孔輸送層(20nm);トリス(4‐カルバゾイル‐9‐イルフェニル)アミン(TCTA)からなる正孔輸送層(10nm);ホストである4,4‐N,N‐ジカルバゾール‐ビフェニル(CBP)の蒸着速度(1.0Å/s)に対して、ドーパントであるIr(ppy)の蒸着速度を0.8Å/sに調節し、発光層(15nm);1,3,5‐トリス(N‐フェニルベンズイミダゾール‐2‐イル)ベンゼン(TPBi)からなる電子輸送層(10nm);およびLiF/Al(1nm/120nm)からなる負極を順に熱蒸着(thermal evaporation)によって積層し、図1に図示されている断面構造を有する緑色燐光有機エレクトロルミネッセンス素子を完成した。
前記緑色燐光有機エレクトロルミネッセンス素子の発光特性を評価した。発光面積は、4mmであり、駆動電圧は、直流電圧として順バイアス電圧(forward bias voltage)を使用した。
(実施例2)
前記実施例1で2vol%Amp‐PEDOT:PSS(アンピシリン2vol%および残量のPEDOT:PSS;PEDOT:PSSはCLEVIOS P VP AL 4083、ヘレウス社製)の代わりに、10vol%Amp‐PEDOT:PSS(pH2.80)を使用して、同一の断面構造を有する緑色燐光有機エレクトロルミネッセンス素子を完成し、前記実施例1の方法で発光特性を評価した。
(実施例3)
前記実施例1で2vol%Amp‐PEDOT:PSS(アンピシリン2vol%および残量のPEDOT:PSS;PEDOT:PSSはCLEVIOS P VP AL 4083、ヘレウス社製)の代わりに、15vol%Amp‐PEDOT:PSS(pH3.20)を使用して、同一の断面構造を有する緑色燐光有機エレクトロルミネッセンス素子を完成し、前記実施例1の方法で発光特性を評価した。
(実施例4)
前記実施例1で2vol%Amp‐PEDOT:PSS(アンピシリン2vol%および残量のPEDOT:PSS;PEDOT:PSSはCLEVIOS P VP AL 4083、ヘレウス社製)の代わりに、25vol%Amp‐PEDOT:PSS(pH4.48)を使用して、同一の断面構造を有する緑色燐光有機エレクトロルミネッセンス素子を完成し、前記実施例1の方法で発光特性を評価した。
結果、前記緑色燐光有機エレクトロルミネッセンス素子は、最大35.0%の外部量子効率(EQE)、最大120.0cd/Aの電流効率、最大68.0Im/W以上の電力効率を示した(下記表1および図2〜図5参照)。
(実施例5)
前記実施例1で2vol%Amp‐PEDOT:PSS(アンピシリン2vol%および残量のPEDOT:PSS;PEDOT:PSSはCLEVIOS P VP AL 4083、ヘレウス社製)の代わりに、40vol%Amp‐PEDOT:PSS(pH7.36)を使用して、同一の断面構造を有する緑色燐光有機エレクトロルミネッセンス素子を完成し、前記実施例1の方法で発光特性を評価した。
結果、前記緑色燐光有機エレクトロルミネッセンス素子は最大34.1%の外部量子効率(QE)、最大118.9cd/Aの電流効率(CE)、最大63.3Im/Wの電力効率(PE)を示した(下記表1および図2〜図5参照)。
(実施例6)
前記実施例1で2vol%Amp‐PEDOT:PSS(アンピシリン2vol%および残量のPEDOT:PSS;PEDOT:PSSはCLEVIOS P VP AL 4083、ヘレウス社製)の代わりに、75vol%Amp‐PEDOT:PSS(pH8.28)を使用して、同一の断面構造を有する緑色燐光有機エレクトロルミネッセンス素子を完成し、前記実施例1の方法で発光特性を評価した。
結果、前記緑色燐光有機エレクトロルミネッセンス素子は最大24.9%の外部量子効率、最大83.7cd/Aの電流効率、最大37.7Im/Wの電力効率を示した(下記表1および図2〜図5参照)。
(比較例1)
前記実施例1でアンピシリンを使用せず、PEDOT:PSSのみを使用し(0vol%Amp‐PEDOT:PSS、pH1.48)、実施例1と同一の断面構造を有する緑色燐光有機エレクトロルミネッセンス素子を完成し、前記実施例1の方法で発光特性を評価した。
結果、前記緑色燐光有機エレクトロルミネッセンス素子は、最大21.3%の外部量子効率、最大72.9Cd/Aの電流効率、最大37.7Im/Wの電力効率を示した(下記表1および図2〜図5参照)。
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の性能、すなわち、駆動電圧(Von)、最大外部量子効率(QE)、最大電流効率(CE)、最大電力効率(PE)および色座標(CIE)を測定し、下記表1および図2〜図5に示した。
具体的には、電圧の変化による有機エレクトロルミネッセンス素子の性能を測定した。測定は、電圧を−5Vから15Vまで所定の間隔(0.5V)で増加させながら電流‐電圧計(ケースレー社製、2400A Source Meter)および輝度計(コニカミノルタ社製、CS‐2000)を用いており、これにより測定された駆動電圧、電流密度、輝度、色座標値を用いて、外部量子効率、電流効率、電力効率を計算し、これを図2〜図5に図示し、各効率の最大値を下記表1に図示した。
前記表1に図示したように、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物を用いて製造された正孔注入層を採用した有機エレクトロルミネッセンス素子は、低い駆動電圧でも向上した効率で高い色純度の実現が可能であることを確認した。
また、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子は、比較例1に比べ、電力効率に優れ、低い駆動電圧でも高輝度の光を発光して高い色純度の実現は言うまでもなく、量子効率に著しいことを示した。これにより、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子は、消費電力を著しく減少させることができ、優れた電力効率を実現することができる。
また、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子は、正孔注入層材料の高い酸度による素子の寿命の急激な短縮の問題を効果的に抑制することができる。
具体的には、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子は、最大35.0%の外部量子効率、最大120.0cd/Aの電流効率、最大68.0m/Wの電力効率を実現する。かかる本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の性能は、今まで報告された如何なる単一ユニット緑色燐光有機エレクトロルミネッセンス素子の性能を超えるものであり、高性能の表示素子、ディスプレイ素子、もしくは、単色または白色の照明用素子などに有用に使用され得ると期待される。
また、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子は、ランバーシアン曲線により、積分球測定により、この測定値が虚ではないことを証明した。したがって、本発明によると、現有機エレクトロルミネッセンス素子の技術分野に実質的に適用されて向上した効果の実現が期待される。
以上で説明したとおり、本発明の実施例について詳細に記述したが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、添付の請求の範囲に定義された本発明の思想および範囲から逸脱することなく、本発明を様々に変形して実施することができる。したがって、本発明の今後の実施例の変更は、本発明の技術から逸脱することができない。

Claims (14)

  1. 酸性基を含む伝導性高分子複合体と、
    下記化学式1の化合物とを含む、有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物。
    〔化学式1〕
    [前記化学式1中、
    は、C‐C30シクロアルキル、C‐C30ヘテロシクロアルキル、C‐C30アリールまたはC‐C30ヘテロアリールであり、
    は、ラクタム基または縮合されたラクタム基であり、
    前記Rのシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールと前記Rのラクタム基または縮合されたラクタム基は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、カルボン酸塩、C‐C30アルキル、C‐C30アルコキシ、C‐C30アルケニル、C‐C30アルキニル、C‐C30アリールおよびC‐C30ヘテロアリールなどから選択される一つ以上の置換体でさらに置換されてもよく、
    前記Rのヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールと、前記Rのラクタム基または縮合されたラクタム基は、それぞれ独立して、B、N、O、S、Se、‐P(=O)‐、‐C(=O)‐、SiおよびPなどから選択される一つ以上を含む。]
  2. 前記化合物の前記Rが、C‐C30シクロアルキルまたはC‐C30アリールであり、
    前記Rが、脂環族環と縮合されたラクタム基である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物。
  3. 前記化合物の前記Rが、下記化学式2で表される、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物。
    〔化学式2〕
    [前記化学式2中、
    11は、C‐CアルキルまたはC‐Cアルケニルであり、
    12およびR13のうち一つは、水素、C‐Cアルキル、C‐CアルコキシまたはC‐Cチオキシであり、残りの一つは、前記R11と連結されて脂環族環を形成してもよく、
    前記R11のアルキルまたはアルケニルと前記R12およびR13のうち一つが前記R11と連結されて形成される脂環族環は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、カルボン酸塩、C‐Cアルキル、C‐Cアルコキシ、C‐Cアルケニル、C‐Cアルキニル、C‐C12アリールおよびC‐C12ヘテロアリールから選択される一つ以上の置換体でさらに置換されてもよく、前記脂環族環内の‐CH‐は、OおよびSから選択されるヘテロ原子で置換されてもよい。]
  4. 前記化合物は、下記化学式3の化合物および化学式4の化合物から選択される少なくとも一つである、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物。
    〔化学式3〕
    〔化学式4〕
    [前記化学式3および4中、
    は、C‐C12シクロアルキルまたはC‐C12アリールであり、
    21〜R24は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、カルボン酸塩およびC‐Cアルキルから選択され、
    前記Rのシクロアルキルまたはアリールは、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシルおよびC‐Cアルキルから選択される一つ以上の置換体でさらに置換されてもよい。]
  5. 前記化合物は、アンピシリン、アモキシリン、セファレキシン、セフラジンおよびセファクロルから選択されるものである、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物。
  6. 前記酸性基を含む伝導性高分子複合体は、ポリチオフェン系重合体および芳香族スルホネート系重合体の混合物である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物。
  7. 前記酸性基を含む伝導性高分子複合体は、
    ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)とポリ(スチレンスルホネート)の混合物である、請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物。
  8. 前記組成物のpHは、9.0以下である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物。
  9. 前記組成物のpHは、2.0〜8.5である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物。
  10. 前記ポリ(スチレンスルホネート)のスルホン酸イオン1モルを基準として、
    前記化学式1の化合物内の第一級アミン基を10モル以下で含む、請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用の組成物。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物を用いて製造される、正孔注入層材料。
  12. 請求項11に記載の正孔注入層材料を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 正極と、前記正孔注入層材料を含む正孔注入層と、正孔輸送層と、発光層と、電子輸送層と、負極とを含む、請求項12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 表示素子、ディスプレイ素子、もしくは、単色または白色の照明用素子である、請求項12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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