JP2020534506A - 卵巣癌バイオマーカーおよびその使用 - Google Patents

卵巣癌バイオマーカーおよびその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2020534506A
JP2020534506A JP2019518073A JP2019518073A JP2020534506A JP 2020534506 A JP2020534506 A JP 2020534506A JP 2019518073 A JP2019518073 A JP 2019518073A JP 2019518073 A JP2019518073 A JP 2019518073A JP 2020534506 A JP2020534506 A JP 2020534506A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ovarian cancer
cleaved
polypeptide
sample
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019518073A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020534506A5 (ja
JP7023942B2 (ja
Inventor
宝玲 童
宝玲 童
有光 蔡
有光 蔡
仁達 沈
仁達 沈
松男 周
松男 周
静香 簡
静香 簡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oncolock Co Ltd
Original Assignee
Oncolock Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oncolock Co Ltd filed Critical Oncolock Co Ltd
Publication of JP2020534506A publication Critical patent/JP2020534506A/ja
Publication of JP2020534506A5 publication Critical patent/JP2020534506A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7023942B2 publication Critical patent/JP7023942B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/574Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
    • G01N33/57407Specifically defined cancers
    • G01N33/57449Specifically defined cancers of ovaries
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2333/00Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
    • G01N2333/435Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from animals; from humans
    • G01N2333/46Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from animals; from humans from vertebrates
    • G01N2333/47Assays involving proteins of known structure or function as defined in the subgroups
    • G01N2333/4701Details
    • G01N2333/4716Complement proteins, e.g. anaphylatoxin, C3a, C5a
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/52Predicting or monitoring the response to treatment, e.g. for selection of therapy based on assay results in personalised medicine; Prognosis

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

卵巣癌を同定およびスクリーニングする、および卵巣癌処置をモニターするために使用されるバイオマーカー、方法およびテストキット

Description

本発明は、卵巣癌を同定およびスクリーニングする、および卵巣癌処置をモニターするためのバイオマーカー、方法およびアッセイキットに関する。
卵巣癌は世界中の女性の間で最も一般的な癌の一つである。先進国では有病率が高く、その発生率と死亡率は上昇し続けている。卵巣癌が早期に検出されれば、疑いなく、それは患者の生存率を治癒および改善するための最良の機会を提供することができる。超音波は疑わしい腫瘍の画像を見ることができるが、それが卵巣癌であるかどうかを区別することは不可能であり、そして感度は高くない。設備の制限により、大規模スクリーニングを促進することも困難である。CA−125(癌抗原125)およびHE4(精巣上体タンパク質4)を含む現在報告されている卵巣癌マーカーは、主に予後指標として役立ち、特に早期卵巣癌の検出のために卵巣癌スクリーニングに役立つには有効でない。
CA−125は、婦人科の分野において最も広く使用されている腫瘍マーカーである。しかし、ステージI卵巣癌を有する患者のわずか50〜60%が、異常なCA−125発現を示す。さらに、子宮頸癌および乳癌などの他の悪性腫瘍、あるいは妊娠中、子宮内膜症、骨盤内炎症性疾患などでも、CA−125のレベルは上昇している。したがって、CA−125は卵巣癌に特異的ではない。さらに、卵巣癌患者の約20%が、低いかまたは検出不可能でさえあるCA−125発現を示した(Moore RG. et al., Curr Opin. Oncol. Sep. 22 (5): 492 -7. 2010)。
HE4遺伝子は染色体20上に位置する。そのタンパク質構造は、4つのジスルフィド結合からなり、最初にオス捕食寄生者から同定された(Hellstrom I. et al., CANCER RESEARCH 63, 3695-3700, July 1, 2003)。それはまた、多くの正常組織において発現されることが見出された。例えば、HE4は気管および唾液腺において高度に発現された。HE4の機能はまだ不明であるが、近年、HE4は卵巣癌を検出するために使用されてきた。HE4は、卵巣癌の検出においてCA−125よりも偽陽性率が低いことが分かり、そして子宮内膜症と悪性卵巣腫瘍を区別することができた。CA−125発現を有さない一部の卵巣癌患者において、高いHE4レベルが検出できる(Rosen DG. et al., Gynecologic Oncology, November 2005 Volume 99, Issue 2, p255-526)。しかしながら、該研究は、明らかな病変を有し手術後に卵巣癌と診断された患者においては、血中のHE4量が有意に増加するのみであることを指摘した。したがって、HE4は、主に卵巣癌の予後指標として使用されるが、卵巣癌のスクリーニングおよび早期診断のためのマーカーとして使用するのに十分な程明らかではない。
卵巣癌は、少なくとも子宮内膜性卵巣癌、明細胞卵巣癌、漿液性卵巣癌、粘液性卵巣癌、および、卵巣癌肉腫、卵巣未熟奇形腫、卵巣粘液性および顆粒膜性腫瘍、および転移性卵巣癌(Krukenberg、卵巣Krukenberg腫瘍)などの他のタイプの卵巣癌を含む複雑な疾患である。今日までに、様々なタイプの卵巣癌の広範な検出、および早期卵巣癌の検出のための有効で利用可能なバイオマーカーはない。
したがって、一般的なスクリーニング、特に卵巣癌の早期発見に使用することができる卵巣癌のバイオマーカーを提供することに対する必要性が、依然としてある。
本発明は、卵巣癌患者において、血漿タンパク質補体成分3(C3)が活性化されてサイズが約40kDaのペプチド断片を産生し、該ペプチド断片は、様々なタイプの卵巣癌、特に早期の卵巣癌の患者の血漿において特異的に検出できるが、卵巣癌のない個体中では検出されないか、ほとんど検出されないことを予想外にも見いだした。さらに、進行した卵巣癌を有する患者において、該断片の増加量が測定できる。したがって、該切断されたC3タンパク質は、卵巣癌を診断するための、特に早期診断のための特異的分子マーカーとして使用することができ、そして、卵巣癌を有する患者における卵巣癌の進行をモニターするため、または抗卵巣癌治療の有効性を評価するためにも使用できる。
一つの局面において、本発明は、卵巣癌を検出するための方法であって、
(a)テストされるべき対象由来の生物学的試料を提供すること;
(b)該テストされるべき対象由来の生物学的試料中の切断された補体成分3(C3)ポリペプチドの量を検出して、切断されたC3ポリペプチドの検出量を得ること;
(c)該切断されたC3ポリペプチドの検出量を正常な対象由来の切断されたC3ポリペプチドの正常な量と比較して、比較結果を得ること;および
(d)該比較結果に基づいて、該テストされるべき対象が卵巣癌に罹患する可能性を判定することであって、該比較結果が、該切断されたC3ポリペプチドの正常な量よりも高い該切断されたC3ポリペプチドの検出量を示す場合、該テストされるべき対象は、卵巣癌を有するか、または卵巣癌を発症する危険性があると判定される
を含む、方法を提供する。
別の局面において、本発明は、卵巣癌患者における卵巣癌の進行をモニターするための方法であって、
(a)第1の時点で該患者由来の第1の生物学的試料を提供すること;
(b)第2の時点で該患者由来の第2の生物学的試料を提供することであって、ここで該第2の時点は該第1の時点より遅く;
(c)該第1の生物学的試料中の切断されたC3ポリペプチドの量を検出して、切断されたC3ポリペプチドの第1の検出量を得ること、および該第2の生物学的試料中の切断されたC3ポリペプチドの量を検出して、切断されたC3ポリペプチドの第2の検出量を得ること;
(d)該切断されたC3ポリペプチドの第1の検出量と該切断されたC3ポリペプチドの第2の検出量とを比較して、比較結果を得ること;および
(e)該比較結果に基づいて、該患者の卵巣癌の進行を判定することであって、該比較結果が、該切断されたC3ポリペプチドの第1の検出量よりも多い該切断されたC3ポリペプチドの第2の検出量を示す場合、それは卵巣癌の進行を示す
を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明の方法によれば、該患者は抗卵巣癌処置を受け、該第1の生物学的試料および該第2の生物学的試料は処置の前または後、もしくは処置の過程の間に得られる。
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、該患者に対する抗卵巣癌処置の有効性を評価することをさらに含み、処置後または処置の過程にわたる切断されたC3ポリペプチドの量の減少は、該治療が該患者に有効であることを示す。
いくつかの実施形態において、該切断されたC3ポリペプチドはC3アルファ(α)鎖断片2である。
いくつかの実施形態において、該切断されたC3ポリペプチドは、配列番号1のC3タンパク質の1321位から1663位に対応するアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態において、該切断されたC3ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列を有するペプチド断片である。
いくつかの実施形態において、本発明の検出工程は、質量分析法または免疫測定法により行われる。
いくつかの実施形態において、本発明の検出工程は、切断されたC3ポリペプチドに特異的に結合する抗体を用いた免疫測定法による。
いくつかの実施形態において、本発明の方法において使用される生物学的試料は、体液試料、組織試料、または生物学的検体試料である。
いくつかの実施形態において、本発明の方法において使用される生物学的試料は体液試料であり、これは血液試料(血漿試料、ヘパリン添加血漿試料、EDTA血漿試料、血清試料など)、尿試料および腹水試料からなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明の方法により検出可能な卵巣癌は、子宮内膜性卵巣癌、明細胞卵巣癌、漿液性卵巣癌、粘液性卵巣癌、および、卵巣癌肉腫、卵巣未熟奇形腫、卵巣粘液性および顆粒膜性腫瘍、および転移性卵巣癌(Krukenberg、卵巣Krukenberg腫瘍)などの他のタイプの卵巣癌であってもよい。
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、ステージI卵巣癌、ステージII卵巣癌、ステージIII卵巣癌、およびステージIV卵巣癌を検出し得る。
別の局面において、本発明は、卵巣癌を診断するための、または卵巣癌の進行をモニターするための、もしくは卵巣癌を診断するため、または卵巣癌の進行をモニターするための薬剤またはキットを製造するための、切断されたC3ポリペプチドを認識する試薬の使用を提供する。
本発明の1以上の実施形態の詳細は、以下の説明に記載される。本発明の他の特徴または利点は、いくつかの実施形態の以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲からも明らかになるだろう。
本発明を説明するために、実施形態を以下に説明する。しかしながら、本発明は示される好ましい実施形態に限定されないことが、理解されるべきである。
図面において:
図1は、卵巣癌患者(P、患者)および正常個体(N、正常)から得られた血漿試料の、切断された補体成分3(C3)タンパク質に対する抗体を用いたウエスタンブロット分析を示す。該テストされる対象由来の血漿試料中のタンパク質を、還元状態で電気泳動にかけた。分子量(kDa)を表す左側の数字は、分子量マーカーの位置である。矢印は、該補体成分3タンパク質の約40kDaのペプチド断片を意味する。
図2は、異なる時点での卵巣癌患者由来の血漿試料のウエスタンブロット分析を示す。レーン1は、最初の時点で該卵巣癌患者から得られた血漿試料の分析結果を表す。レーン2は、化学療法後の1年間の追跡調査において同じ患者から得られた血漿試料の分析結果を表し、該分析結果は、該切断されたC3タンパク質の量の増加を示し;該患者は、癌転移を伴う卵巣癌の進行に罹患していることが確認された。レーン3は、正常個体由来の血漿試料の分析結果を表し、該分析結果は、該切断されたC3タンパク質は検出されなかったことを示す。
本発明を明確かつ容易に理解するために、まず特定の用語を定義する。追加の定義は、詳細な説明を通して記載される。他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術的および科学的用語は、当業者により一般に理解されるのと同じ意味を有する。
本明細書中で使用される場合、「a」および「an」なる冠詞は、該冠詞の文法上の目標の1つまたは複数(すなわち、少なくとも1つ)を意味する。例として、「要素(an element)」は、1つの要素または複数の要素を意味する。
本明細書中で使用される場合、「ポリペプチド」または「タンパク質」なる語は、ペプチド結合を介して連結されたアミノ酸残基から構成されるポリマーを意味する。「タンパク質」なる語は、一般に、比較的大きい分子量(より多くのアミノ酸残基)(例えば、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、または1500を超えるアミノ酸残基を含有する)を有するポリマーを意味する。「ポリペプチド」または「ペプチド」なる語は、一般に、比較的小さい分子量(より少ないアミノ酸残基)(例えば、500、400、300、またはそれ未満のアミノ酸残基を含有する)を有するポリマーを意味する。アミノ酸は、当技術分野で知られているように、3文字または1文字で表すことができる。
本明細書中で使用される場合、「約」または「およそ」なる語は、当業者により理解されるであろうある程度の許容可能な偏差を意味し、該偏差は、該語が使われる文脈に応じてある程度変わってもよい。一般に、「約」または「およそ」は、引用された値±10%の範囲を有する数値を意味してもよい。
本明細書中で使用される場合、本明細書中で互換的に使用される「対象」、「個体」および「患者」なる語は、診断、予後、処置または治療が望まれる任意の哺乳動物対象、特にヒトを意味する。他の対象は、ウシ、イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、ウマなどを含んでもよい。
本明細書中で使用される場合、本明細書中で使用される「診断」なる語は、一般に、対象が所与の疾患、障害または機能不全により影響を受けている可能性があるどうかについての判定を含む。当業者は、1以上の診断指標、すなわちその存在、不在、または量が該疾患、障害または機能不全の存在または不在を示すマーカーに基づいて、しばしば診断を行う。当技術分野において、診断は、100%の正確さで特定の疾患の存在または不在を判定することを意味するのではなく、むしろ対象における特定の疾患の存在の可能性の増大を意味することが、理解されるだろう。
本明細書中で使用される場合、「処置」なる語は、病気、病気の症状または状態、病気により引き起こされた障害、もしくは病気の進行または素因を治療、治癒、軽減、緩和、修正、改善(remedy)、改善(ameliorate)、改善(improve)し、または影響を及ぼすことを目的として、該病気、該病気の症状または状態、もしくは該病気の進行に罹患している対象への1以上の活性剤の適用または投与を意味する。
本明細書中で使用される場合、「正常個体」または「対照個体」は、健康で疾患(例えば卵巣癌)に罹患していない個体を意味するために互換的に使用されてもよく、単一の正常個体または正常個体の集団を意味してもよい。
本明細書中で使用される場合、「異常量」は、標的疾患(例えば卵巣癌)がない対象における量、もしくは参照量または対照量と比較して増加している指標の量を意味する。具体的には、例えば、異常量は、参照または対照量よりも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%より多くなることができる。参照または対照量は、正常個体または対照試料(例えば、標的疾患がない組織または細胞)において測定された量を意味することができる。当技術分野において、正常量の値の範囲は、従来の検出および統計的方法を用いて、正常個体の集団由来の試料中のマーカーの検出量を分析することにより得ることができる。
本明細書中で使用される場合、生物学的マーカーは、正常もしくは異常な生物学的過程、疾患、病理学的過程、または処置もしくは治療的介入への応答の指標として客観的に測定および評価される特徴(例えば、タンパク質、遺伝子または遺伝子発現)である。マーカーは、特定の生物学的過程を示す特徴の有無またはパターンもしくは該特徴の集合を含むことができる。バイオマーカー測定は、特定の生物学的事象または過程を示すために増減することができる。マーカーは、主に診断および予後目的に使用される。しかしながら、それは、治療、モニタリング、薬物スクリーニング、および、癌治療の有効性の評価を含む本明細書中に記載される他の目的に使用されてもよい。
本明細書中で使用される場合、本明細書中に記載される方法のうちのいずれかにより分析されるべき生物学的試料は、血液、尿または腹水由来の試料を含む、診断されるべき対象から得られる任意の種類の試料であることができる。典型的に、血液試料は、血液凝固を避けるためにヘパリン添加またはEDTA処理された全血またはそのフラクション、例えば、血清または血漿であることができる。あるいは、該生物学的試料は、組織試料または生検試料であることができる。
本開示は、新規の信頼できる卵巣癌バイオマーカー、すなわち切断されたC3ポリペプチドの同定に(少なくとも部分的に)基づく。以下の実施例に実証されるように、該バイオマーカーは、種々のステージで種々の細胞型を有する卵巣癌患者の血液試料中に特異的かつ有意に存在するが、他のタイプの癌または他の疾患に罹患している個体の血液試料中には検出されなかった。したがって、本明細書中に記載される卵巣癌検出方法は、個体が卵巣癌を有する、有する疑いがある、または発症する危険性があるかどうかを同定することができる。本明細書中に記載される検出方法は、特に、卵巣癌を有するかまたは卵巣癌が進行する危険性がある対象を同定するための最初の日常的なスクリーニング方法として、任意の対象(例えば、ヒト女性対象)に適用することができる。
I.切断されたC3ポリペプチドは新規卵巣癌バイオマーカーとして使用することができる
補体成分3(C3)、血漿糖タンパク質は免疫系の一員であり、およそ187kDaの分子量を有し、そして補体系において最も豊富な成分である。補体系の活性化時に、C3は、コンバターゼにより、より大きいC3ベータ(β)断片、ならびに、C3α鎖断片1およびC3α鎖断片2を含む2つのより小さいC3アルファ(α)断片を含む3つの断片に切断されることができる。具体的には、ヒトC3タンパク質は、配列番号1に示されるような全長アミノ酸配列(1663アミノ酸)を含み;該切断後、C3β断片は23位から667位までのアミノ酸配列を有するポリペプチド断片であり、C3α鎖断片1は749位から954位までのアミノ酸配列を有するポリペプチド断片であり、そしてC3α鎖断片2は、1321位から1663位までのアミノ酸配列を有するポリペプチド断片(およそ、C3全長のC末端に約342個のアミノ酸を有するペプチド断片)である。
本明細書中に記載されるように、本開示は、切断されたC3ポリペプチドの存在および量が卵巣癌の発生および発症と相関するということを見いだしたことに基づく。本明細書中で使用される場合、「切断されたC3ポリペプチド」などの語(例えば、切断された形態のC3)は、全長C3ポリペプチドの切断の結果としてのC3α鎖断片2を意味する。具体的には、本明細書中で使用される場合、切断されたC3ポリペプチドは、約40kDaの分子量を有する、ヒトC3ポリペプチドのC末端にある約342アミノ酸のペプチド断片、より具体的には、C3タンパク質の配列番号1の1320位のArg(R)と1321位のSer(S)との間の加水分解により産生される、C3タンパク質の配列番号1の1321位から1663位に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドペプチド断片である、ヒトC3α鎖断片2を意味する。さらにより具体的には、本明細書中で使用される場合、切断されたC3ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドを意味する。ポリペプチドは、該ポリペプチドの活性または機能に無関係であり、なお許容可能なレベルの同等または類似の生物学的活性または機能を有する変異体をもたらす、該ポリペプチドの特定の部分内でなされ得る限られた数の変更または修飾を有してもよいことが理解される。
かかる切断されたC3ポリペプチドは、従来の方法、例えば適切な宿主細胞(例えば、大腸菌、酵母、哺乳動物、昆虫、または無細胞宿主系)を使用する組換え技術または合成方法により調製されてもよい。いくつかの例において、該切断されたC3ポリペプチドは、グリコシル化などの少なくとも1つの翻訳後修飾において、天然のその対応物とは異なる。該切断された形態のC3を、薬学的に許容される担体(例えば、天然では該切断されたC3と共存しない担体、または免疫学的アジュバントなどの非天然担体)と混合して、例えば、医薬的使用または抗体産生の誘導のための組成物を形成することができる。
II.切断されたC3ポリペプチドの量を検出および測定するためのアッセイ
生物学的試料中の切断された形態のC3ポリペプチドの存在および量は、任意の日常的な技術により判定することができる。いくつかの実施形態において、切断された形態のC3ポリペプチドの存在および/または量は、質量分析法により判定することができ、それにより、分析物の高感度かつ再現性のある直接測定が可能になる。多数の質量分析法が利用可能である。質量分析法の例は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化/飛行時間(MALDI−TOF)、表面増強レーザー脱離イオン化/飛行時間(SELDI−TOF)、液体クロマトグラフィー−質量分析法(LC−MS)、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS−MS)、およびエレクトロスプレーイオン化質量分析法(ESI−MS)を含むが、これらに限定されない。該アプローチのある1つの例は、通常何らかの形態の断片化により分けられる、質量選択または分析の複数ステップを含む、タンデム質量分析法(MS/MS)である。
他の実施形態において、切断された形態のC3ポリペプチドの存在および/または量は、免疫測定法により判定することができる。免疫測定法の例は、ウエスタンブロット、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、放射性免疫アッセイ(RIA)、放射性免疫沈降アッセイ(RIPA)、免疫蛍光アッセイ(IFA)および電気化学発光(ECL)を含むが、これらに限定されない。
いくつかの例において、切断された形態のC3ポリペプチドの存在および/またはレベルは、該切断されたC3に特異的に結合する抗体などの、該切断されたC3を特異的に認識する薬剤を使用して判定することができる。
(i)切断されたC3ポリペプチドに特異的に結合する抗体
本明細書中で使用される場合、「抗体」なる語は、インタクトな免疫グロブリンまたはその断片を意味し、特定の抗原に特異的に結合する抗原結合ドメインまたは抗原結合断片を含む任意のポリペプチドを包含する。該語は、モノクローナル抗体、単一特異性抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、一本鎖抗体、キメラ抗体、合成抗体、組換え抗体、突然変異抗体、およびハイブリッド抗体を含むが、これらに限定されない。適切な抗体は、当技術分野で公知の方法に従って調製することができる。かかる抗体は天然には存在しないかもしれない(例えば、人間の行為なしには自然界に産生されないだろう)。
インタクトなまたは完全抗体は、2本の重鎖および2本の軽鎖を含む。各重鎖は可変領域(V)および第1、第2および第3定常領域(C1、C2およびC3)からなり、各軽鎖は可変領域(V)および定常領域(C)からなる。
「抗原結合ドメイン」または「抗原結合断片」なる語は、抗原結合に関与する全抗体分子の一部または領域を意味する。抗体により特異的に結合または認識される抗原の部分は「エピトープ」と呼ばれる。抗原結合ドメインは、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含んでもよい;しかしながら、それは両方を含む必要はない。典型的に、両鎖における該可変領域は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる3つの超可変領域を含む。該3つのCDRは、該CDRよりも高度に保存されているフレームワーク領域(FR)により中断されている。該重および軽鎖の定常領域は抗原結合に関与しないが、種々のエフェクター機能を示す。抗体は、それらの重鎖の定常領域のアミノ酸配列に基づいて分類される。抗体の5つの主要なクラスまたはアイソタイプは、それぞれ重鎖の定常領域、ガンマ(γ)、ミュー(μ)、アルファ(α)、デルタ(δ)およびエピソン(ε)の存在を特徴とする、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEである。抗体の抗原結合断片の例は、以下を含む:(1)V、V、CおよびC1ドメインを有する一価の断片である、Fab断片;(2)ヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結された2つのFab断片を有する二価の断片、すなわちFabの二量体である、F(ab’)断片;(3)抗体の単一アームのVおよびVドメインを有するFv断片;(4)単離された相補性決定領域(CDR);(5)ペプチドリンカーを介してVドメインおよびVドメインで構成される一本鎖ポリペプチド鎖である、一本鎖Fv(scFv);および(6)3つのペプチド鎖:ペプチドリンカーにより連結され、ジスルフィド架橋により2つのVドメインに結合された2つのVドメインを含む(scFv)
「ヒト抗体」なる語は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に実質的に対応または由来する可変および定常領域を有する抗体を含む。しかしながら、本発明のヒト抗体は、例えばCDRにおける、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によりコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロでのランダムなまたは部位特異的な突然変異誘発により、またはインビボでの体細胞突然変異により導入される突然変異)を含んでもよい。特に、ヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によりコードされないアミノ酸残基で置換された少なくとも1、2、3、4、5、またはそれを超える位置を有してもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される方法のうちのいずれかにおいて使用されるべき抗体は、切断されたC3ポリペプチド、例えば、配列番号2を有する切断されたC3ポリペプチドに特異的に結合する抗体である。
「標的(例えば切断されたC3ポリペプチド)またはエピトープに特異的に結合する」抗体は、当技術分野でよく理解されている語であり、かかる特異的結合を判定する方法も当技術分野で周知である。分子が、代替の標的よりも長い期間および/またはより高い親和性で、より頻繁に、より迅速に、特定の標的抗原と反応または会合する場合、該分子は「特異的結合」を示すと言われる。特に、抗体が、他の物質に結合するよりも高い親和性、結合活性で、より容易に、および/またはより長い期間結合する場合、該抗体は標的抗原に「特異的に結合する」。例えば、切断されたC3ポリペプチドまたはその中のエピトープに特異的に(または優先的に)結合する抗体は、他の抗原または同じ抗原、例えば全長C3中の他のエピトープに結合するよりも高い親和性、結合活性で、より容易に、および/またはより長い期間、該標的抗原に結合する抗体である。「特異的結合」または「優先的結合」は、排他的結合を(含むことはできるが)必ずしも必要とするわけではないことが理解され;一般に、必ずしもそうとは限らないが、結合への言及は優先的結合を意味する。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される方法における使用のための抗体、例えば、配列番号2を有するポリペプチドに特異的に結合する抗体は、切断されたC3ポリペプチドに特異的に結合する。より具体的には、本明細書中に記載される切断されたC3ポリペプチドを特異的に認識する抗体は、テストされるべき生物学的試料において、該抗体が、従来の免疫測定法(例えば、分子量の判定を介するウエスタンブロッティング法)により、該切断されたC3ポリペプチドが存在するか否かを同定し、または該切断されたC3ポリペプチドの量を測定することができるように、該切断されたC3ポリペプチド中のエピトープに特異的に結合することを意味する。さらに他の実施形態において、本発明の切断されたC3ポリペプチドを特異的に認識する抗体は、該切断されたC3ポリペプチドのN末端の単一アミノ酸残基、例えば配列番号2のN末端のセリン(S)を特異的に認識することができ、したがって、該抗体は、全長C3タンパク質に結合せず、そして該切断されたC3ポリペプチドの存在または不在を同定するため、または該切断されたC3ポリペプチドの含有量をさらに検出するために使用できる。
本明細書中に記載される抗体のいずれも本開示の範囲内にある。
(ii)抗体の調製
本明細書中に記載されるような切断されたC3に結合することができる抗体は、当技術分野で公知の任意の方法により調製することができる。例えば、Harlow and Lane, (1988) Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New Yorkを参照のこと。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される抗体はポリクローナル抗体であってもよく、該ポリクローナル抗体は従来のポリクローナル抗体調製方法により得ることができる。具体的には、ヒト血清から精製された切断されたC3または遺伝子工学により調製された組換えペプチドを抗原として使用することができ、次いでこれをウシ血清アルブミン(BSA)またはキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)などのキャリアタンパク質と混合して、その免疫原性を高める。該抗原(または担体タンパク質と混合した)を動物(例えばウサギ)に注射してインビボで免疫応答を誘導し、さらに、該免疫化を、例えば2週間に1回、合計約2〜5回行ってもよい。続いて、酵素免疫測定法を最初に実施して、免疫化後の1:4000を超える血清力価を確実にし、次いで全ての血液採取を実施することができる。採血後、血液を凝固させ、次いで遠心分離して上清、すなわち抗切断されたC3ポリクローナル抗体を含有する抗血清を得る。好ましくは、該抗血清は、例えば、免疫グロブリン(Ig)の精製のためのアフィニティークロマトグラフィー(proteinA/G)により精製することができ、そして硫酸アンモニウムでのさらなる沈殿を用いて、標的特異性を有する抗体を得ることができる。イオン交換カラムクロマトグラフィーを用いて、該沈殿物から不純物を除去することもできる。
いくつかの実施形態において、標的抗原(例えば、配列番号2などの切断されたC3)に特異的に結合する抗体は、従来のハイブリドーマ技術により調製することができる。全長標的抗原またはその断片は、所望によりキャリアタンパク質(例えばKLH)に結合させ、宿主動物を免疫化して、該抗原に結合することができる抗体を産生することができる。一般に、宿主動物の免疫化の経路およびスケジュールは、本明細書中にさらに記載されるように、抗体刺激および産生のための確立された従来の技術と一致している。マウス抗体、ヒト化抗体、およびヒト抗体を産生するための一般的な技術は、当技術分野で公知であり、本明細書中に記載される。ヒトまたはヒト由来の抗体産生細胞を含む任意の哺乳動物対象は、ヒトハイブリドーマ細胞株を含む哺乳動物の生産の基礎として役立つように操作できることが企図される。典型的に、該宿主動物は、本明細書中に記載されるものを含む免疫原の量を腹腔内、筋肉内、経口、皮下、足底内、および/または皮内に接種される。
一般的な体細胞ハイブリッド技術(Kohler, B. and Milstein, C. (1975) Nature 256:495-497、またはBuck, D.W., et al., In Vitro, 18:377-381 (1982)から改変)を用いて、ハイブリドーマを、リンパ球および不死化骨髄腫細胞から調製することができる。X63−Ag8.653を含むがこれに限定されない利用可能な骨髄腫細胞株、およびSalk Institute, Cell Distribution Center, San Diego, Calif., USAからの細胞は、すべてハイブリダイゼーションに使用することができる。一般に、該技術は、当業者に周知であるように、骨髄腫細胞およびリンパ球を融合させるためのポリエチレングリコールなどの融合剤の使用または電気的手段による使用を含む。融合後、細胞は融合培地から単離され、ハイブリダイズしていない親細胞を排除するために、ヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジン(HAT)培地などの選択的増殖培地中で培養される。血清を含むかまたは含まない本明細書中に記載される任意の培地は、モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを培養するために使用できる。該ハイブリドーマを増殖させ、継代培養し、必要ならば、上清を抗免疫原活性について従来の免疫学的方法(例えば放射性免疫アッセイ、酵素免疫アッセイ、または蛍光免疫アッセイ)によりアッセイすることができる。
ハイブリドーマは、切断されたC3に結合することができるモノクローナル抗体を産生するすべての誘導体、親ハイブリドーマの子孫細胞を含む、抗体の供給源として使用することができる。かかる抗体を産生するハイブリドーマは、既知の手順を用いてインビトロまたはインビボで増殖させることができる。モノクローナル抗体は、適用できる場合には、硫酸アンモニウム沈殿、ゲル電気泳動、透析、クロマトグラフィー、および限外濾過などの従来の免疫グロブリン精製手順により、培地または体液から単離することができる。存在する場合、不所望の活性は、例えば、固相に付着した免疫原から作られた吸着剤上に調製物を流し、免疫原から所望の抗体を溶出または放出させることにより除去することができる。二官能性のまたは誘導体化剤、例えばマレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を介するコンジュゲート)、N−ヒドロキシスクシンイミド(リジン残基を介する)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl、またはR1N=C=NR(ここでRおよびR1は異なるアルキル基である)を用いた、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシチログロブリン、またはダイズトリプシンインヒビターなどの、免疫化される種において免疫原性であるタンパク質にコンジュゲートした標的アミノ酸配列を含有した標的抗原または断片による宿主動物の免疫化は、抗体(例えばモノクローナル抗体)の集団をもたらす。
所望であれば、目的の抗体(例えばモノクローナルまたはポリクローナル)(例えばハイブリドーマから産生される)をシークエンスし、そしてポリヌクレオチド配列を発現または増殖のためにベクター中へクローン化することができる。該目的の抗体をコードする配列は、宿主細胞のベクター中に維持することができ、そして該宿主細胞は将来の使用のために増殖させ凍結することができる。あるいは、該ポリヌクレオチド配列は、「ヒト化」抗体を形成するため、またはその親和性(親和性成熟)もしくは抗体の他の特徴を改善するため、遺伝子工学において使用することができる。例えば、定常領域は、抗体がヒトにおける臨床試験および処置に使用される場合、免疫応答を回避するため、ヒト定常領域により類似するように操作されてもよい。さらに、標的抗原に対するより高い親和性および切断されたC3の検出に対するより高い効率を得るため、該抗体配列を遺伝子操作することが可能である。該標的抗原に対する抗体の結合特異性をなお維持しながら、該抗体に対して1以上のポリヌクレオチド修飾を行うことができることは、当業者に理解されるだろう。
他の実施形態において、インタクトなヒト抗体は、特定のヒト免疫グロブリンを発現するように操作されている市販のマウスを用いて調製することができる。トランスジェニック動物は、より望ましい(例えばインタクトなヒト抗体)かまたはより強い免疫応答を生じるように設計され、また、ヒト化またはヒト抗体を生成するために使用することができる。かかる技術の例は、Amgen, Inc. (Fremont, Calif.)からのXenomouseRTM、およびMedarex, Inc. (Princeton, N.J.)からのHuMAb-MouseRTMおよびTC MouseTMである。あるいは、かかる抗体はファージ発現または酵母技術により調製することができる。例えば、U.S. Patent No. 5,565,332; 5,580,717; 5,733,743および6,265,150、ならびにWinter et al., (1994) Annu. Rev. Immunol. 12:433-455を参照のこと。さらに、免疫化されていない寄与因子の免疫グロブリン可変領域(V)遺伝子群からのファージ発現技術(McCafferty et al., (1990) Nature 348:552-553)を使用して、ヒト抗体およびインビトロ抗体断片を産生する。
インタクトな抗体(全長抗体)の抗原結合断片は、常法により調製することができる。例えば、F(ab’)断片は、抗体分子のペプシン消化により産生でき、そしてFab断片は、F(ab’)断片のジスルフィド架橋を還元することにより生成できる。
ヒト化抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、および二重特異性抗体などの遺伝子操作された抗体は、例えば、従来の組換え技術により産生することができる。一例において、標的抗原に特異的なモノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の手順を用いて(例えば、モノクローナル抗体の重および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを用いることにより)、容易に単離およびシークエンスできる。ハイブリドーマ細胞は、かかるDNAの好ましい供給源として役立つ。単離すると、DNAを1以上の発現ベクター中に入れ、次いで該発現ベクターを大腸菌細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、またはさもなければ免疫グロブリンタンパク質を産生しないミエローマ細胞などの宿主細胞中にトランスフェクトし、組み換え宿主細胞におけるモノクローナル抗体の合成を得てもよい。例えば、PCT Publication No. WO 87/04462を参照のこと。次いで、例えば、相同マウス配列の代わりにヒト重および軽鎖定常ドメインのコード配列に置き換えることにより(Morrison et al., (1984) Proc. Nat. Acad. Sci. 81:6851)、または非免疫グロブリンポリペプチドのためのコード配列の全部または一部を免疫グロブリンコード配列に共有結合させることにより、DNAを修飾することができる。そのようにして、「キメラ」または「ハイブリッド」抗体などの遺伝子操作された抗体を、標的抗原の結合特異性を用いて調製することができる。
「キメラ抗体」の調製に関する技術は当技術分野で周知である。例えば、Morrison et al. (1984) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81, 6851; Neuberger et al. (1984) Nature 312, 604;およびTakeda et al. (1984) Nature 314:452を参照のこと。
ヒト化抗体を構築するための方法もまた当技術分野で周知である。例えば、Queen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86:10029-10033 (1989)を参照のこと。一例において、親非ヒト抗体のVおよびVの可変領域は、当該分野で公知の方法に従って三次元分子モデリング分析に供される。次いで、正しいCDR構造の形成に重要であると予測されるフレームワークアミノ酸残基が、同じ分子モデリング分析を用いて同定される。並行して、該親非ヒト抗体のアミノ酸配列と相同なアミノ酸配列を有するヒトVおよびV鎖は、検索クエリーとして該親VおよびV配列を用いて任意の抗体遺伝子データベースから同定される。次いで、ヒトVおよびVアクセプター遺伝子が選択される。
選択されたヒトアクセプター遺伝子内のCDR領域は、親非ヒト抗体またはその機能的変異体由来のCDR領域と置き換えることができる。必要であれば、該CDR領域と相互作用するのに重要であると予測される親鎖のフレームワーク領域(上記の説明を参照)内の残基を、該ヒトアクセプター遺伝子中の対応する残基の代わりに用いることができる。
一本鎖抗体は、重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列および軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を連結することによる組換え技術により、調製することができる。好ましくは、柔軟なリンカーが該2つの可変領域の間に組み込まれる。あるいは、一本鎖抗体の産生について記載された技術(U.S. Patent No. 4,946,778および4,704,692)を、ファージまたは酵母scFvライブラリーを作製するために適合させることができ、切断されたC3に特異的なscFvクローンを、日常的な手順に従って該ライブラリーから同定することができる。陽性クローンをさらにスクリーニングして、切断されたC3に結合するものを同定することができる。
当技術分野で公知の方法に従って得られ、本明細書中に記載される抗体は、当技術分野で周知の方法を使用して特徴付けることができる。例えば、一つの方法は、抗原が結合するエピトープを同定すること、または「エピトープマッピング」である。例えば、Harlow and Lane, Using Antibodies, a Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1999の第11章に記載されているような、抗体抗原複合体の結晶構造の解析、競合アッセイ、遺伝子断片発現アッセイ、および合成ペプチドベースのアッセイを含む、タンパク質上のエピトープの位置をマッピングおよび特徴付けるための当技術分野で公知の多くの方法がある。さらなる例において、エピトープマッピングを使用して、抗体が結合する配列を判定することができる。該エピトープは、線状エピトープ、すなわちアミノ酸の単一ストレッチに含有されるか、または単一ストレッチ(一次構造の線状配列)に必ずしも含有されなくてもよいアミノ酸の三次元相互作用により形成される立体構造エピトープであることができる。種々の長さのペプチド(例えば、少なくとも4〜6アミノ酸長)を単離または合成し(例えば、組換えて)、抗体との結合アッセイに使用することができる。別の例において、抗体が結合するエピトープは、標的抗原配列由来の重複ペプチドを使用することおよび抗体による結合を判定することによる体系的スクリーニングにおいて、判定することができる。該遺伝子断片発現アッセイによれば、標的抗原をコードするオープンリーディングフレームをランダムにまたは特定の遺伝子構築により断片化し、該抗原の発現された断片とテストされるべき抗体との反応性を判定する。該遺伝子断片は、例えば、PCRにより産生され、次いで放射性アミノ酸の存在下でインビトロでタンパク質に転写および翻訳され得る。次いで、放射性標識抗原断片への抗体の結合を、免疫沈降およびゲル電気泳動により判定する。ファージ粒子の表面上に提示されたランダムペプチド配列の大きなライブラリー(ファージライブラリー)を使用することにより、特定のエピトープを同定することもできる。あるいは、重複ペプチド断片の規定されたライブラリーは、単純な結合アッセイにおいて該テスト抗体への結合についてテストできる。さらなる例において、抗原結合ドメインの突然変異誘発、ドメイン交換実験およびアラニンスキャニング突然変異誘発を実施して、エピトープ結合に必要とされ、十分であり、および/または必要な残基を同定することができる。例えば、ドメイン交換実験は、切断されたC3ポリペプチドの種々の断片が、密接に関連しているが抗原的に異なるタンパク質(例えば、ニューロトロフィンタンパク質ファミリーの他のメンバー)由来の配列で置き換えられた標的抗原の変異体を用いて実施することができる。抗体の該変異体C3への結合を評価することにより、抗体結合に対する特定の抗原断片の重要性を評価することができる。所望のエピトープに結合する抗体は、エピトープマッピングにより同定できる。
III.新規卵巣癌マーカーの診断および予後適用
本明細書中に記載されるように、タンパク質分解後の切断されたC3ポリペプチドは、卵巣癌の出現および進行と関連していることが見出された。したがって、本明細書中に記載される、卵巣癌患者をスクリーニングする、卵巣癌の進行をモニターする、および卵巣癌処置の効果を評価するための方法は、実施するために信頼できるバイオマーカーとして該切断されたC3ポリペプチドを使用することができる。上記のように、本明細書中に記載される検出方法は、卵巣癌(特に早期卵巣癌)を有する可能性があるかどうかを検出するための任意の女性個体の早期スクリーニング法として使用することができる。
該方法により分析される個体は、ヒト個体などの任意の雌哺乳動物個体であることができる。いくつかの例において、該個体は卵巣癌に関連する1以上の症状を有することができる。他の例において、該個体は卵巣癌を発症する危険性を有していてもよい。別の例において、該個体は無症候性である。さらに別の例において、本明細書中に記載される診断方法は、潜在的な卵巣癌の危険性または発症をモニターするための、20、35、40、45、50、または55歳を超える女性などの健康な女性個体の検出のための日常的なスクリーニング方法として使用することができる。
本明細書中に記載される方法を実施するために、それを必要とする個体(例えば卵巣癌の症状を全く有さないヒト患者、または、卵巣癌を有する、有する疑いがある、または有する危険性があるヒト患者)から採取した生物学的試料中の切断されたC3ポリペプチドの量の検出または測定が、質量分析法または免疫測定法などの本明細書中に記載される方法などの、本技術分野で既知の任意の方法により行われる。該生物学的試料は、血漿または血清試料などの血液試料などの生物学的流体試料であることができる。該切断されたC3は、定量的または定性的に検出することができる。バイオマーカーの存在または不在、量、または活性を測定するために当技術分野で有効な任意の方法が、本発明に包含される。当業者は、どの方法が特定のマーカーを測定するのに最も適しているかを判定する能力を有する。
一実施形態において、切断されたC3ポリペプチドの存在または不在は、テストされるべき個体から得られた試料中でテストされる。該切断されたC3ポリペプチドが、テストされるべき個体由来の試料中で測定される場合、該個体は卵巣癌と診断されるかまたは卵巣癌を発症する危険性があることが示される。
いくつかの実施形態において、候補個体由来の試料中の切断されたC3ポリペプチドの量を標準値と比較して、該候補個体が卵巣癌を有するまたは有する危険性があるかどうかを判定することができる。該標準値は、対照試料中の切断されたC3ポリペプチドの量を表す。該対照試料は、卵巣癌を有さない個体(例えば女性個体)から採取することができる。さらに、該対照試料は、かかる複数の個体から採取された試料の混合物であることができる。あるいは、該対照個体は、例えば、年齢、性別、および/または民族的背景において、該候補個体に適合される。好ましくは、該候補個体の対照試料および生物学的試料は、同じ種の試料である。いくつかの実施形態において、該切断されたC3ポリペプチドが測定されるか、または該切断されたC3ポリペプチドの量が標準値より高い(例えば、標準値より約10%以上高い)場合、該候補個体は、卵巣癌を有する、有する疑いがある、または有する危険性があると診断され得る。いくつかの例において、該対照試料中の切断されたC3ポリペプチドの量は、本明細書中に記載される方法などの従来の方法を使用して、該対照試料中で測定できない(標準値は0であり、検出限界より低い)。該例において、同じ方法を用いた個体由来の生物学的試料の検出において該切断されたC3ポリペプチドを有することは、該個体が卵巣癌を有する、有する疑いがある、または有する危険性があることを意味する。
本発明の方法は、様々な病理タイプの卵巣癌、ならびに様々なステージでの卵巣癌を特異的かつ広範に認識する。該バイオマーカーは、他のタイプの癌または他の疾患に罹患している個体の血液試料中には検出されない。複雑な機器を使用せずに、血液試料を検出することができる。対象は、高度に許容可能であり、大規模スクリーニング、早期診断および状態の継続的追跡に適している。
本明細書中に記載されるような卵巣癌は、子宮内膜性卵巣癌、明細胞卵巣癌、漿液性卵巣癌、粘液性卵巣癌、および、卵巣癌肉腫、卵巣未熟奇形腫、卵巣粘液性および顆粒膜性腫瘍、および転移性卵巣癌(Krukenberg、卵巣Krukenberg腫瘍)などの他のタイプの卵巣癌を含むが、これらに限定されない。
本明細書中に記載されるような卵巣癌は、ステージI卵巣癌、ステージII卵巣癌、ステージIII卵巣癌、およびステージIV卵巣癌を含む。様々なステージでの卵巣癌の症状は表1に記載の通りである。
Figure 2020534506
いくつかの実施形態において、候補個体(例えば卵巣癌患者)由来の複数の試料中の切断されたC3ポリペプチドの量は、疾患の進行を判定するために測定できる。例えば、少なくとも2つの生物学的試料(血清試料または血漿試料など)は、異なる時点で該候補個体から得ることができる。少なくとも2つの生物学的試料中の該切断されたC3ポリペプチドの量は、本明細書中に記載されるように測定できる。該切断されたC3ポリペプチドの傾向が経時的に増加することが観察される場合(例えば、後に得られた試料中の切断されたC3ポリペプチドの量が、先に得られた試料中の切断されたC3ポリペプチドの量より多い)、該個体は、卵巣癌を有する、有する疑いがある、または有する危険性があると診断される。該個体が卵巣癌患者である場合、該切断されたC3ポリペプチドの量の増加傾向は卵巣癌の進行(悪化)を意味する。
ヒト患者などの個体が、卵巣癌を有する、有する疑いがある、または有する危険性があると診断される場合、該疾患の発生を確認するため、および/または卵巣癌のステージおよびタイプを判定するために、該個体はさらなる検査(例えば、X線画像、磁気共鳴画像(MRI)、あるいは超音波または外科的生検などのイメージング方法を含む日常的な身体検査)を受けてもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される方法は、少なくとも卵巣癌に関連する症状を緩和するために卵巣癌患者を処置することを、さらに含むことができる。該処置は、放射線療法、化学療法、および外科手術を含む任意の従来の抗卵巣癌療法であることができる。例示的な抗卵巣癌化学療法剤は、シタラビン(ARA−C)、ベバシズマブ、ブレオマイシン、カルボプラチナ、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、エトポシド(VP−16)、ドセタキセル、ドキソルビシン、ゲムシタビン、5−フルオロウラシル(5−FU)、イフォスファミド、ニラパリブ、オラパリブ、パクリタキセル、ルカパリブ、タモキシフェン、トポテカン、ビンブラスチン、およびビンクリスチンを含むが、これらに限定されない。
別の実施形態において、本明細書中で提供される方法は、卵巣癌患者に投与された卵巣癌処置の有効性を評価するために使用される。例えば、卵巣癌処置中に、該処置を受けている卵巣癌患者から複数の生物学的試料を収集することができる。該処置中に、該切断されたC3ポリペプチドの量が減少する場合、すなわち後に得られた生体試料中の切断されたC3ポリペプチドの量が、先に得られた生体試料の量と比較して少ない場合、該処置は該卵巣癌患者に有効である。逆に、該処置中に、該切断されたC3ポリペプチドの量が維持されるかまたは増加しさえする場合、該処置が該患者にとって無効であるかまたは該疾患が進行することが意味される。
本明細書中で使用される場合、「より低い」、「減少した(decreased)」、「減少した(reduced)」量などの語は、その減少の程度が当業者により一般に認識されている統計的有意性を有する、比較されるべき量(例えば処置前のマーカーの検出量)より少ない量を意味する。特定の実施形態において、該減少の程度は、該処置前のマーカーの検出量と比較して、20%以上の減少、30%以上の減少、40%以上の減少、50%以上の減少、60%以上の減少、70%以上の減少、80%以上の減少、または90%以上の減少であってもよい。
本明細書中で使用される場合、「より高い」、「増加した」、「増強した」などの語は、その増加の程度が当業者により一般的に認識されている統計的有意性を有する、比較されるべき量(例えば処置前のマーカーの検出量)よりも多い量を意味する。特定の実施形態において、該増加の程度は、比較されるべき量と比較して、20%以上の増加、30%以上の増加、40%以上の増加、50%以上の増加、60%以上の増加、70%以上の増加、80%以上の増加、または90%以上の増加であってもよい。
卵巣癌治療が卵巣癌患者にとって無効であると考えられる場合、用量、処置頻度の増加、またはより適切な治療法の変更など、処置戦略を調整することができる。
IV.インビトロ診断キット
本発明はまた、切断されたC3ポリペプチドを特異的に認識する本明細書中に記載される試薬(例えば抗体)を含む、本方法を実施するためのキットを提供する。該キットは、該キットを使用して、本明細書中に記載される切断されたC3ポリペプチドの存在または量を検出し、それにより卵巣癌を検出するための指示書をさらに含んでもよく、また、卵巣癌の進行をモニターするため、または卵巣癌患者への投与の治療効果を評価するために使用されてもよい。
V.卵巣癌の検出における切断されたC3ポリペプチドに対する抗体の使用
本明細書中に記載される抗体のいずれも、卵巣癌を検出するための切断されたC3ポリペプチドを特異的に認識できる。例えば、該抗体は、診断目的のため、測定可能なマーカー(当技術分野で公知のインビボイメージング剤など)にコンジュゲート的に結合することができる。好ましくは、該抗体は、ウエスタンブロット分析、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、放射性免疫アッセイ(RIA)、放射性免疫沈降(RIPA)、免疫蛍光(IFA)および電気化学発光(ECL)などの免疫測定法によるテストされるべき個体由来の試料のインビトロ分析に使用され、該切断されたC3ポリペプチドが該試料中に存在するかどうかを判定し、または該切断されたC3ポリペプチドの含有量を判定する。
本明細書中に記載される診断方法または処置方法によりテストされるべき個体は、雌哺乳動物、好ましくはヒト女性個体であってもよい。哺乳動物は、家畜、スポーツ動物、ペット、霊長類、馬、犬、猫、マウス、およびラットを含むが、それらに限定されない。かかる処置を必要とするヒト対象は、卵巣癌を有するヒト患者、卵巣癌を有する疑いがあるヒト患者、または卵巣癌を有する危険性があるヒト患者であってもよい。該患者は、従来の医学的方法または本明細書中に記載される診断方法により同定できる。
本明細書中で使用される場合、「有効量」は、個体に治療効果を与えるために、単独でまたは1以上の他の活性物質と組み合わせてのいずれかで、該個体に投与できる各活性物質の量を意味する。投与時の特定の状況、状態の重症度、年齢、体調、身長、性別および体重を含む患者のそれぞれのパラメーター、処置スケジュール、並行治療の性質(もしあれば)、特定の投与経路、ならびに医療関係者の知識および専門職により判断される他の可能性のある要因に応じて、該有効量は変わってもよく、当業者により判断されなければならない。かかる要因は当業者に周知であり、さらなる日常的な実験なしに導入できる。一般に、それぞれの成分またはそれらの組成物の最大投与量、すなわち賢明な医学的判断による最も高い安全な投与量を使用することが好ましい。しかしながら、患者は、医学的理由、生理学的反応、または他の可能性のある理由に基づいて、より低い投与量または許容できる投与量を使用することを主張してもよいことが、当業者により理解されるだろう。
投与量は、半減期などの投与量に影響があると一般に考えられる経験的検討事項に基づいて決定される。例えば、ヒト化抗体または完全ヒト抗体などのヒト免疫系と適合性のある抗体は、該抗体の半減期を延ばし、該抗体が宿主免疫系により攻撃されるのを防ぐことができる。投与頻度は、該処置の期間に従って決定および調整することができる。一般に、必要でない場合、該投与頻度は、卵巣癌の処置および/または抑制、および/または改善に従って調整できる。さらに、抗切断されたC3製剤の連続放出も適切であり得る。該放出を維持するための種々の製剤および装置は、当技術分野で周知である。
投与経路に応じて、結合抗体を適切な薬学的に許容される担体と組み合わせて、適切な製剤を形成することができる。注射できる組成物は、植物油、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、乳酸エチル、炭酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、エタノール、およびポリオール(グリセリン、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)などの様々な担体を含有してもよい。静脈内注射の場合、水溶性抗体は、点滴により、すなわち抗体および生理学的に許容される賦形剤を含有する医薬製剤を注射することにより投与できる。該生理学的に許容される賦形剤は、例えば、5%デキストロース、0.9%生理食塩水、リンガー液、または他の適切な賦形剤を含むことができる。抗体が適切な可溶性塩である滅菌製剤などの筋肉内使用のための製剤は、薬学的賦形剤(注射用水、0.9%生理食塩水、または5%デキストロース溶液など)を投与することにより溶解することができる。
さらなる詳述なしに、当業者は、上記の説明に基づいて本発明を最大限に適用できるであろうと考えられる。したがって、以下の特定の実施例は、例示的であるように意図され、決して本発明の適用可能な範囲を限定することを意図されない。本明細書中に引用された全ての文書は、参照により本明細書に組み込まれる。
実施例:卵巣癌患者における補体成分3の特異的タンパク質分解断片
第一に、修飾された二次元ゲル電気泳動システムにより、補体成分3(C3タンパク質)の特定の断片が、いくつかの卵巣癌患者由来の血漿中に検出されることを見出した。LC−MS/MSによるトリプシン加水分解物の分析は、該断片がおよそ40kDaの分子量を有することを明らかにした。これらのデータは、該C3タンパク質の特定の断片がタンパク質分解過程の産物であり得ることを示す。アミノ酸配列のさらなる分析は、該C3タンパク質の特定の断片が、全長ヒトC3タンパク質(配列番号1)に対して1,320位と1,321位との間で切断され、配列番号2のアミノ酸配列を有するC末端断片である、ヒトC3α鎖断片2であることを明らかにした。
次に、該タンパク質断片の特徴をさらに理解するためにウエスタンブロット法を実施した。
抗体調製
本発明のポリクローナル抗体の調製方法は、純度が95%を超える精製されたヒトの切断されたC3ポリペプチド断片または組換えタンパク質を抗原として使用する工程を含む。該抗原の免疫原性を高めるため、該ペプチドを適切な担体タンパク質、典型的にウシ血清アルブミン(BSA)またはキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)に架橋することができた。該抗原をウサギに注射して免疫応答を誘導し、それにより、多くの様々な免疫グロブリン(抗体)を分泌するために、様々なエピトープがB細胞を誘導することができた。合計5回の免疫化のために2週間に1回の免疫化を実施し、続いて免疫化後に1:4000を超える血清力価を確実にするために酵素免疫測定法を実施し、次いで全血を採取した。該採取した血液を凝固させた後、遠心分離して上清、すなわち抗血清を得た。続いて、必要な抗体分子をアフィニティークロマトグラフィー(proteinA/G)を用いて精製し、まず免疫グロブリン(Ig)を精製し、次いで硫酸アンモニウムで沈殿させて標的特異性を有する抗体を得た。さらに、イオン交換カラムクロマトグラフィーを組み合わせて沈殿物から不純物を除去することができた。
ウエスタンブロット分析
ヒト対象から収集した血漿試料中のタンパク質を、120mM Tris-HCl、pH 6.8、2%SDS(w/v)および10%スクロース(w/v)を含有する6×Laemmli試料バッファーと混合した。いくつかの試料について、1%2−メルカプトエタノールを添加した。電気泳動分離後、タンパク質を標準的な技術を用いてImmobilon PVDF膜(Millipore Corp.)に転写した。該ブロットされた膜をブロッキングバッファー(1%ヤギ血清を含有)でブロックし、室温で1時間作用させ、続いてウサギ抗補体成分3抗体を作用させた。Tris緩衝生理食塩水(0.1%Tween20を含有)で3回洗浄した後、該膜をペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギIgG(Sigma-Aldrich)で処置した。化学蛍光は、LAS-4000(Fujifilm,日本)を用いて検出した。
結果
ウェスタンブロット分析は、サイズがおよそ40kDaである補体成分3の特定の断片(切断されたC3ポリペプチド断片)が、卵巣癌を有する患者の試料中に検出されたことを示した。図1に示すように、切断されたC3ポリペプチド断片は卵巣癌患者由来の試料中に検出されたが、正常個体由来の試料中には検出されなかった。したがって、該切断されたC3ポリペプチド断片は、卵巣癌の診断指標(特に、卵巣癌患者の血漿試料中においてであるが、正常個体の血漿試料においてではない)として使用することができる。
該切断されたC3ポリペプチド断片の卵巣癌に対する特異性を確認するために、他のタイプの癌または他の疾患を有するヒト個体由来の血漿試料を、ウエスタンブロット分析のために採取した。結果を表2に示す。
Figure 2020534506
結果は、切断されたC3ポリペプチド断片の存在が、他のタイプの癌または他の疾患のヒト個体由来の血漿試料中には検出されない(検出率はゼロであった)ことを示した。
対照的に、様々なステージの卵巣癌を有するヒト個体由来の血漿試料を、ウエスタンブロット分析のために採取した。結果を表3に示す。
Figure 2020534506
結果は、該切断されたC3ポリペプチド断片が、卵巣癌と有意に関連して検出されることを示した。卵巣癌の識別されたステージのない患者のうち、合計28人の患者の22人が、該切断されたC3ポリペプチド断片を有すると検出された。陽性率は78.6%と高く、検出率は80%近くであるため、卵巣癌の指標として使用できる。特に、早期(ステージI)卵巣癌の陽性率は86.7%と高く、検出率は90%に近い。該結果は、現在の既存の検出技術と比較して非常に有望であり、卵巣癌のスクリーニングおよび早期検出に大いなる手助けを提供することができた。
本発明者らは、卵巣癌患者のタイプをさらに分析し、該切断されたC3ポリペプチド断片のバイオマーカーが、様々なタイプの卵巣癌患者において広く提示されているかどうかを分析した。結果を表4に示す。
Figure 2020534506
結果は、該切断されたC3ポリペプチド断片が様々なタイプの卵巣癌と有意に関連していることを示し、切断されたC3ポリペプチド断片を検出することにより様々なタイプの卵巣癌を広範囲にスクリーニングできることを示す。特に、現在非常に低い検出率を有する明細胞卵巣癌について、100.0%と高い検出率が、該細胞型卵巣癌の早期診断およびスクリーニングに非常に役立つ。
さらに、図2は、異なる時点での卵巣癌患者由来の血漿試料のウエスタンブロット分析を示す。レーン1は、最初の時点で該卵巣癌患者から得られた血漿試料の分析結果を表す。レーン2は、化学療法後の1年間の追跡調査において同じ患者から得られた血漿試料の分析結果を表し、該分析結果は、該切断されたC3タンパク質の量の増加を示し;該患者は、癌転移を伴う卵巣癌進行を有することが確認された。レーン3は、正常個体由来の血漿試料の分析結果を表し、該分析結果は、該切断されたC3タンパク質は検出されなかったことを示す。該結果は、該切断されたC3ポリペプチド断片が卵巣癌の治療効果をモニターするための指標として使用できることを示し、および該量の増加は卵巣癌が進行し得ることを示す。
本発明者らは、約40kDaの切断されたC3ポリペプチド断片が卵巣癌患者において特異的に提示され、卵巣癌をスクリーニングするため、および卵巣癌の治療効果をモニターするためのバイオマーカーとして使用できることを確認した。したがって、本発明は、卵巣癌に罹患している、有する疑いがある、または有する危険性がある患者を特異的に検出でき、初期段階(すなわち、任意の症状の発生前)での指標としてまたは処置後の予後指標として使用できる、卵巣癌スクリーニング技術を最初に提案する。本発明の技術は、切断されたC3タンパク質を、卵巣癌のスクリーニングおよび処置後の状態の追跡のためのバイオマーカーとして使用して、卵巣癌のための試験試薬を開発することができる。先行技術と比較して、本発明の技術は、卵巣癌の検出率を大きく改善し、種々のタイプの卵巣癌を広く認識することができるだけでなく、特に高い(90%近い)早期検出率および低い偽陽性率で(該切断されたC3ポリペプチド断片の存在は、他のタイプの癌または疾患を有する患者の試料中に検出されない)、種々のステージでの卵巣癌を認識することができる。これは、卵巣癌のスクリーニングにおける大きな進歩である。かかる検出テストは、非侵襲的であり、個体由来の血液試料の簡単なタンパク質測定により終えることができる。それは、高い患者受容性を有し、大規模早期スクリーニングの開発に適している。加えて、それは、卵巣癌の治療効果をモニターするための指標として使用することもできる。患者の状態を継続的に追跡でき、それにより、治療効果が低い患者に対して処置計画を間に合うように調整し、悪化を回避するかまたは遅らせることができる。

配列情報
補体成分3(ホモサピエンス)−全長(配列番号1)
Figure 2020534506

補体成分3(ホモサピエンス)C3α鎖断片2(1321−1663a.a.)(配列番号2)
Figure 2020534506
補体成分3(ホモサピエンス)C3α鎖断片1(749−954a.a.)(配列番号3)
Figure 2020534506
補体成分3(ホモサピエンス)C3β断片(23−667a.a.)(配列番号4)
Figure 2020534506

Claims (27)

  1. 卵巣癌を検出するための方法であって、
    (a)テストされるべき対象由来の生物学的試料を提供すること;
    (b)該テストされるべき対象由来の生物学的試料中の切断された補体成分3(C3)ポリペプチドの量を検出して、切断されたC3ポリペプチドの検出量を得ること;
    (c)該切断されたC3ポリペプチドの検出量を正常な対象由来の切断されたC3ポリペプチドの正常な量と比較して、比較結果を得ること;および
    (d)該比較結果に基づいて、該テストされるべき対象が卵巣癌に罹患する可能性を判定することであって、該比較結果が、該切断されたC3ポリペプチドの正常な量よりも高い該切断されたC3ポリペプチドの検出量を示す場合、該テストされるべき対象は、卵巣癌を有するか、または卵巣癌を発症する危険性があると判定される
    を含む、方法。
  2. 該切断されたC3ポリペプチドがヒトC3アルファ鎖断片2である、請求項1に記載の方法。
  3. 該切断されたC3ポリペプチドが、配列番号1の1321位から1663位に対応するアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の方法。
  4. 該切断されたC3ポリペプチドが配列番号2のアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の方法。
  5. 該工程(b)の検出が、質量分析法または免疫測定法により行われる、請求項1に記載の方法。
  6. 該工程(b)の検出が、配列番号2を有する切断されたC3ポリペプチドに特異的に結合する抗体を用いた免疫測定法により行われる、請求項1に記載の方法。
  7. 該生物学的試料が、体液試料、組織試料、または生物学的検体試料である、請求項1に記載の方法。
  8. 該生物学的試料が、血液試料、尿試料、または腹水試料である、請求項7に記載の方法。
  9. 該卵巣癌が、子宮内膜性卵巣癌、明細胞卵巣癌、漿液性卵巣癌、および粘液性卵巣癌からなる群より選択されるか、または卵巣癌肉腫、卵巣未熟奇形腫、卵巣粘液性および顆粒膜性腫瘍、および転移性卵巣癌(Krukenberg、卵巣Krukenberg腫瘍)からなる群より選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 該卵巣癌が、ステージI卵巣癌、ステージII卵巣癌、ステージIII卵巣癌、およびステージIV卵巣癌からなる群より選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 卵巣癌患者における卵巣癌の進行をモニターするための方法であって、
    (a)第1の時点で該患者由来の第1の生物学的試料を提供すること;
    (b)第2の時点で該患者由来の第2の生物学的試料を提供することであって、ここで該第2の時点は該第1の時点より遅く;
    (c)該第1の生物学的試料中の切断されたC3ポリペプチドの量を検出して、切断されたC3ポリペプチドの第1の検出量を得ること、および該第2の生物学的試料中の切断されたC3ポリペプチドの量を検出して、切断されたC3ポリペプチドの第2の検出量を得ること;
    (d)該切断されたC3ポリペプチドの第1の検出量と該切断されたC3ポリペプチドの第2の検出量とを比較して、比較結果を得ること;および
    (e)該比較結果に基づいて、該患者の卵巣癌の進行を判定することであって、該比較結果が、該切断されたC3ポリペプチドの第1の検出量よりも多い該切断されたC3ポリペプチドの第2の検出量を示す場合、それは卵巣癌の進行を示す
    を含む、方法。
  12. 該患者が抗卵巣癌処置を受け、該第1の生物学的試料および該第2の生物学的試料が処置の前または後、もしくは処置の過程の間に得られる、請求項11に記載の方法。
  13. 該患者に対する抗卵巣癌処置の有効性を評価することをさらに含み、処置後または処置の過程にわたる切断されたC3ポリペプチドの量の減少が、該処置が該患者に有効であることを示す、請求項11に記載の方法。
  14. 該切断されたC3ポリペプチドがヒトC3アルファ鎖断片2である、請求項11に記載の方法。
  15. 該切断されたC3ポリペプチドが、配列番号1の1321位から1663位に対応するアミノ酸配列を有する、請求項11に記載の方法。
  16. 該切断されたC3ポリペプチドが配列番号2のアミノ酸配列を有する、請求項11に記載の方法。
  17. 該工程(c)の検出が、質量分析法または免疫測定法により行われる、請求項11に記載の方法。
  18. 該工程(c)の検出が、配列番号2を有する切断されたC3ポリペプチドに特異的に結合する抗体を用いた免疫測定法により行われる、請求項11に記載の方法。
  19. 該生物学的試料が、体液試料、組織試料、または生物学的検体試料である、請求項11に記載の方法。
  20. 該生物学的試料が、血液試料、尿試料、または腹水試料である、請求項19に記載の方法。
  21. 該卵巣癌が、子宮内膜性卵巣癌、明細胞卵巣癌、漿液性卵巣癌、および粘液性卵巣癌からなる群より選択されるか、または卵巣癌肉腫、卵巣未熟奇形腫、卵巣粘液性および顆粒膜性腫瘍、および転移性卵巣癌(Krukenberg、卵巣Krukenberg腫瘍)からなる群より選択される、請求項11〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 該卵巣癌が、ステージI卵巣癌、ステージII卵巣癌、ステージIII卵巣癌、およびステージIV卵巣癌からなる群より選択される、請求項11〜20のいずれか一項に記載の方法。
  23. 卵巣癌を診断するための、または卵巣癌の進行をモニターするための、もしくは卵巣癌を診断するため、または卵巣癌の進行をモニターするための薬剤またはキットを製造するための、切断されたC3ポリペプチドを認識する試薬の使用。
  24. 該切断されたC3ポリペプチドがヒトC3アルファ鎖断片2である、請求項23に記載の使用。
  25. 該切断されたC3ポリペプチドが、配列番号1の1321位から1663位に対応するアミノ酸配列を有する、請求項23に記載の使用。
  26. 該切断されたC3ポリペプチドが配列番号2のアミノ酸配列を有する、請求項23に記載の使用。
  27. 該試薬が抗体である、請求項23に記載の使用。
JP2019518073A 2017-09-20 2017-09-20 卵巣癌バイオマーカーおよびその使用 Active JP7023942B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/CN2017/102407 WO2019056199A1 (zh) 2017-09-20 2017-09-20 卵巢癌生物标记及其应用

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2020534506A true JP2020534506A (ja) 2020-11-26
JP2020534506A5 JP2020534506A5 (ja) 2021-05-27
JP7023942B2 JP7023942B2 (ja) 2022-03-03

Family

ID=65809497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019518073A Active JP7023942B2 (ja) 2017-09-20 2017-09-20 卵巣癌バイオマーカーおよびその使用

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP3686286B1 (ja)
JP (1) JP7023942B2 (ja)
CN (1) CN110036119B (ja)
SG (1) SG11202002529TA (ja)
WO (1) WO2019056199A1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007507242A (ja) * 2003-10-07 2007-03-29 ミレニアム・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド 卵巣癌の同定、評価、予防および治療のための核酸分子およびタンパク質
US20110256560A1 (en) * 2008-10-20 2011-10-20 University Health Network Methods and compositions for the detection of ovarian cancer
JP2012510058A (ja) * 2008-11-22 2012-04-26 アスチュート メディカル,インコーポレイテッド 腎損傷および腎不全の診断および予後のための方法および組成物
JP2017517733A (ja) * 2014-05-28 2017-06-29 ラントメネン・アーエス−ファクトール・アーベー 抗分泌因子複合体アッセイ

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB8601597D0 (en) 1986-01-23 1986-02-26 Wilson R H Nucleotide sequences
US4704692A (en) 1986-09-02 1987-11-03 Ladner Robert C Computer based system and method for determining and displaying possible chemical structures for converting double- or multiple-chain polypeptides to single-chain polypeptides
US4946778A (en) 1987-09-21 1990-08-07 Genex Corporation Single polypeptide chain binding molecules
US5427908A (en) 1990-05-01 1995-06-27 Affymax Technologies N.V. Recombinant library screening methods
US5565332A (en) 1991-09-23 1996-10-15 Medical Research Council Production of chimeric antibodies - a combinatorial approach
US5733743A (en) 1992-03-24 1998-03-31 Cambridge Antibody Technology Limited Methods for producing members of specific binding pairs
US6265150B1 (en) 1995-06-07 2001-07-24 Becton Dickinson & Company Phage antibodies
US20030124579A1 (en) * 2001-09-05 2003-07-03 Eos Biotechnology, Inc. Methods of diagnosis of ovarian cancer, compositions and methods of screening for modulators of ovarian cancer
MX2007003003A (es) * 2004-09-17 2007-11-09 Univ Johns Hopkins Biomarcadores para cancer de mama.
CN101268367A (zh) * 2005-06-24 2008-09-17 赛弗吉生物系统公司 卵巢癌的生物标记
CN102654502B (zh) * 2011-03-02 2015-11-25 上海交通大学附属第一人民医院 慢性乙型肝炎肝纤维化的蛋白标记物及其检测方法
CN102851388B (zh) * 2012-09-29 2014-03-19 山东大学齐鲁医院 一种用于鉴别卵巢癌易感性的分子标记、试剂盒及其鉴别方法
CN103739667B (zh) * 2013-09-24 2017-08-25 上海宇研生物技术有限公司 卵巢癌特异的肿瘤抗原肽及其制备方法
EP3158085B1 (en) * 2014-06-18 2020-12-02 Clear Gene, Inc. Methods for rapid analysis of biological markers

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007507242A (ja) * 2003-10-07 2007-03-29 ミレニアム・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド 卵巣癌の同定、評価、予防および治療のための核酸分子およびタンパク質
US20110256560A1 (en) * 2008-10-20 2011-10-20 University Health Network Methods and compositions for the detection of ovarian cancer
JP2012510058A (ja) * 2008-11-22 2012-04-26 アスチュート メディカル,インコーポレイテッド 腎損傷および腎不全の診断および予後のための方法および組成物
JP2017517733A (ja) * 2014-05-28 2017-06-29 ラントメネン・アーエス−ファクトール・アーベー 抗分泌因子複合体アッセイ

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
AGATA SWIATLY: "MALDI-TOF-MS analysis in discovery and identification of serum proteomic patterns of ovarian cancer", BMC CANCER, vol. 17, JPN6021010740, 6 July 2017 (2017-07-06), pages 472, ISSN: 0004495436 *
L BJORGE: "Ascitic complement system in ovarian cancer", BR J CANCER, vol. 92, no. 5, JPN6021039900, 14 March 2005 (2005-03-14), pages 895 - 905, XP055815297, ISSN: 0004614933, DOI: 10.1038/sj.bjc.6602334 *
MIN SOON CHO: "Autocrine effects of tumor-derived complement", CELL REP, vol. 6, no. 6, JPN6021039902, 6 March 2014 (2014-03-06), pages 1085 - 1095, XP055478089, ISSN: 0004614932, DOI: 10.1016/j.celrep.2014.02.014 *

Also Published As

Publication number Publication date
CN110036119B (zh) 2024-01-23
EP3686286A1 (en) 2020-07-29
CN110036119A (zh) 2019-07-19
SG11202002529TA (en) 2020-04-29
EP3686286C0 (en) 2023-11-08
JP7023942B2 (ja) 2022-03-03
EP3686286A4 (en) 2021-07-28
EP3686286B1 (en) 2023-11-08
WO2019056199A1 (zh) 2019-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2753360T3 (es) Anticuerpos contra PD-L1 y usos de los mismos
JP6316195B2 (ja) モノクローナル抗体および使用の方法
RU2693006C2 (ru) Способ выявления опухоли поджелудочной железы, антитела и набор для выявления опухоли поджелудочной железы
WO2014192974A1 (ja) 抗lgr6抗体を含む癌の検出用又は診断用試薬
EP2204448B1 (en) Method of detecting liver cancer, diagnostic for liver cancer and remedy for cancer
KR101777254B1 (ko) En2 단백질을 특이적으로 인식하는 특정 항원으로부터 얻어진 단클론 항체 또는 이를 함유하는 전립선암 진단용 조성물
KR20140067047A (ko) 대장암 또는 식도암의 검출용 마커 및 검사 방법
WO2011090166A1 (ja) 食道癌マーカー
KR20170029414A (ko) 암을 스크리닝하고 검출하는 방법 및 조성물
TWI667479B (zh) 乳癌生物標記
KR101458483B1 (ko) 신장암 진단 조성물 및 키트
DK2984108T3 (en) Anti-s100a7 antibodies for the treatment and diagnosis of cancer
JP7023942B2 (ja) 卵巣癌バイオマーカーおよびその使用
JP5879163B2 (ja) 悪性腫瘍細胞の検出方法
TWI702400B (zh) 偵側卵巢癌之方法、監控卵巢癌病患之卵巢癌發展之方法及可辨識切割型c3多胜肽之試劑的用途
WO2016052756A1 (ja) 浸潤能の高い癌細胞の検出用又は診断用試薬
JP2009168669A (ja) 胃癌の診断又は検出のための組成物及び方法
WO2023190820A1 (ja) 抗CK2α抗体又はその断片
JP6729917B2 (ja) EphA2 N末端フラグメント抗体
JP2022501062A (ja) Epn1を標的とする抗体
KR100996486B1 (ko) 인체 무등(mudeng) 단백질에 대한 단일클론 항체

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200513

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210427

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211012

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220125

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7023942

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150