JP2020531511A - 眼球用医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

本開示は、とりわけ、活性薬剤を含む局所用医薬組成物と、当該局所用医薬組成物を用いて涙液産生を増加させるための方法と、当該局所用医薬組成物を用いてドライアイ障害を処置するための方法とを提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年8月24日に出願された米国仮出願第62/549,872号に対する優先権を主張する。
連邦政府支援の研究開発下で行われた発明に対する権利に関する記載
本発明は、国立衛生研究所の認可を受け、助成金番号EY13574、DK72517、EB00415、DK35124、及びDK101373、ならびにUCSF−CTSI助成金UL1 TR000004の下、政府支援によって行われた。政府は本発明に一定の権利を有する。
ドライアイ障害は、特定的には高齢者集団において、顕著な健康管理の負担となっている。現状の処置選択肢としては、人工涙、涙点プラグ、ならびに局所用抗炎症薬のシクロスポリン及びリフィテグラストが挙げられる。参考文献1〜3。眼球表面を潤す涙液体積を増加させることで、下流の炎症応答及び結果としての症状を駆動する涙液の高浸透圧が低減されるものと予測されることから、ドライアイにおける分泌促進療法の開発には説得力のある論理的根拠が存在する。本明細書では、とりわけ、当技術分野におけるこれら及び他の問題への解決法が記載される。
本開示は、涙液産生の増加を必要とする患者の目における涙液産生を、患者の目に対し、涙液産生を増加させるための活性薬剤約5マイクログラム以上を含む医薬組成物を局所投与することにより増加させる方法であって、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、方法を提供する。
本開示は、ドライアイ疾患の処置を必要とする患者におけるドライアイ疾患を、患者の目に対し、ドライアイ疾患を処置するための活性薬剤約5マイクログラム以上を含む医薬組成物を局所投与することにより処置する方法であって、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、方法を提供する。
本開示は、涙液産生の増加を必要とする患者の目における涙液産生を、患者の目に対し、涙液産生を増加させるための活性薬剤約2ナノモル以上を含む医薬組成物を局所投与することにより増加させる方法であって、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、方法を提供する。
本開示は、ドライアイ疾患の処置を必要とする患者におけるドライアイ疾患を、患者の目に対し、ドライアイ疾患を処置するための活性薬剤約2ナノモル以上を含む医薬組成物を局所投与することにより処置する方法であって、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、方法を提供する。
本開示は、涙液産生の増加を必要とする患者の目における涙液産生を、患者の目に対し、涙液産生を増加させるための活性薬剤の治療有効量を含む医薬組成物を局所投与することにより増加させる方法であって、治療有効量が、投与から約1時間〜約12時間後に目の涙液中で約500nM以上の量で活性薬剤の濃度をもたらし、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、方法を提供する。
本開示は、ドライアイ疾患の処置を必要とする患者におけるドライアイ疾患を、患者の目に対し、ドライアイ疾患を処置するための活性薬剤の治療有効量を含む医薬組成物を局所投与することにより処置する方法であって、治療有効量が、(i)投与から約30分〜約3時間後に目の涙液中で約500nM以上の量で、または(ii)投与から約4時間〜約12時間後に目の涙液中で約10nM以上の量で、活性薬剤の濃度をもたらし、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、方法を提供する。
本開示は、涙液産生の増加を必要とする患者の目における涙液産生を、患者の目に対し、涙液産生を増加させるための活性薬剤を含む医薬組成物を1日1回または1日2回局所投与することにより増加させる方法であって、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、方法を提供する。
本開示は、ドライアイ疾患の処置を必要とする患者におけるドライアイ疾患を、患者の目に対し、ドライアイ疾患を処置するための活性薬剤を含む医薬組成物を1日1回または1日2回局所投与することにより処置する方法であって、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、方法を提供する。
本開示は、活性薬剤約5マイクログラム以上と医薬的に許容される担体とを含む局所用医薬組成物であって、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、局所用医薬組成物を提供する。
本開示は、活性薬剤と医薬的に許容される担体とを含む局所用医薬組成物であって、組成物が、0.5mL当たり約1ナノモル〜約25ナノモルの濃度の活性薬剤を含み、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、局所用医薬組成物を提供する。
本開示は、局所用医薬組成物の液滴を患者の目に送達するための点眼器であって、本明細書に記載の局所用組成物のいずれかを含む、点眼器を提供する。
本開示は、本明細書に記載の点眼器を含むキットを提供する。
本開示は、点眼器と、本明細書に記載の局所用医薬組成物のいずれかを含む容器と、使用説明書とを含むキットを提供する。
本開示は、眼球表面膜輸送の修飾薬または細胞内シグナリングの修飾薬を用いた処置のための患者を、(i)異なる溶液との接触に応答した際の患者の眼球表面における開回路経上皮電位差の変化を測定すること、(ii)異なる溶液との接触に応答した際の開回路経上皮電位差の変化を対照と比較すること、及び(iii)開回路経上皮電位差の変化が対照のものよりも小さい場合に、患者が眼球表面膜輸送の修飾薬または細胞内シグナリングの修飾薬を用いて処置されるべきであると同定すること、により同定する方法を提供する、
本開示のこれら及び他の実施形態は、本明細書でより詳細に説明される。
図面に関連し、CFTRact−K267は本開示では化合物Aとも呼ばれる。
眼球表面電位差(PD)記録方法の概略図(A)及び写真(B)を示している。測定電極につなげた灌流カテーテルは内眼角付近の眼球表面に対し垂直に向けた。眼瞼は角膜及び結膜の曝露に対する天然のリザーバーを創出し、バキューム吸引は安定した灌流液体積を維持した。 ウサギ眼球表面におけるCFTRact−K267によるCFTR活性化の電気生理学的分析を示している。Aは、経時的な溶液交換に応答した際の代表的な眼球表面PDの記録である。Bは、指示操作に応答した際のPD変化(ΔPD)の概要である(平均±S.E.M.、目の個数n=16)。Cは、化合物添加に応答した際の単離直後のウサギの円蓋部及び眼瞼結膜における短絡回路電流(Isc)の代表的な測定値である。Dは、化合物添加に応答した際のIscの変化(ΔIsc)の概要である(平均±S.E.M.、n=3)。 CFTRact−K267が、シルマー試験による測定においてウサギ眼球表面で涙液を増加させることを示している。Aは、CFTRact−K267 3nmolまたは製剤(0.3% CMCを含有)対照の単回用量を局所適用する直前及び局所適用してから指示時間後に測定した涙体積(単位mm、シルマー試験による)を示している(平均±S.E.M.、条件ごとに目8個)。Bは、Aと同様に行われた試験における用量依存性を示しており、CFTRact−K267 0.75、1.5、及び6.0nmolを比較している(条件ごとに目4個)。Cは、Aと同様に行われた試験における0.3% CMCの代わりに0.665% CMCを含有する製剤の粘性の効果を示している(条件ごとに目4個)。P<0.05、**P<0.01、ANOVA、CFTRact−K267対ビヒクル処置を比較。 単回3nmol用量の点眼後のウサギ涙液のCFTRact−K267濃度を示している。Aは、化合物Aの指定濃度を含有する水性溶液の標準的なLC/MS曲線である。Bは、回収されたCFTRact−K267(単位ピコモル、黒丸、左の縦軸)と、涙液中の推測濃度(単位nM、白丸、右の縦軸)とを示している。各点は、各時点で2個の目に行った測定値の平均である。 慢性CFTRact−K267投与モデルにおける眼球毒性試験を示している。ウサギを1日2回28日間、CFTRact−K267 3nmol(またはビヒクル対照)で処置した。CFTRact−K267の投与前及び投与開始後1週ごとのSTT(A)、IOP(B)、及び中心角膜厚(C)をグラフ化している(平均±S.E.M.、目の個数8)。**P<0.01、ANOVA、CFTRact−K267対ビヒクル処置を比較。 Aは投与前と第28日とに撮影した代表的な写真を示している。Bはリサミングリーン染色スコアを示している(平均±S.E.M.、目の個数8)。 Cは第28日における角膜及び結膜のH&E染色を示している。群当たり目2個に行った切片の代表例。S:ストローマ、CD:角膜内皮。スケールバー:100μm(角膜)、25μm(結膜)。 慢性CFTRact−K267投与後の組織レベルを示している(3nmolを1日2回28日間)。Aは、指示組織のCFTRact−K267について示された代表的なLC/MS溶離曲線である。Bは、眼球組織及び眼球外組織におけるCFTRact−K267レベルを示している(平均±S.E.M.、ウサギ8匹)。LC/MS検出限界は縦の破線で示されている。
「活性薬剤(1つまたは複数)」とは、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩を指す。諸実施形態において、「活性薬剤」は式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、「活性薬剤」は式(II)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、「活性薬剤」は式(III)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、「活性薬剤」は式(IV)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、「活性薬剤」は化合物Aまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、「活性薬剤」は化合物Bまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、「活性薬剤」は化合物Cまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、「活性薬剤」は化合物Dまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、「活性薬剤」は化合物Eまたはその医薬的に許容される塩である。
活性薬剤の重量を参照する場合の「マイクログラム」または「μg」という用語は、活性薬剤が遊離塩基形態で存在するか医薬的に許容される塩の形態で存在するかにかかわらず、遊離塩基形態の活性薬剤のマイクログラムを指す。例えば、5マイクログラムの化合物Aの医薬的に許容される塩は、5マイクログラムの化合物Aの遊離塩基形態が存在することを意味する。
活性薬剤の測定単位について言及する際の「ナノモル」または「nM」という用語は、活性薬剤が遊離塩基の形態で存在するか医薬的に許容される塩の形態で存在するかにかかわらず、遊離塩基の形態における活性薬剤のナノモルを指す。例えば、5ナノモルの化合物Aの医薬的に許容される塩は、化合物Aの遊離塩基の形態5ナノモルが存在することを意味する。
「涙液」または「涙(1つまたは複数)」とは、目の表面と眼瞼との間にある涙腺により分泌される水様の液を指し、目を湿らせ、潤滑にし、保護する働きをする。
「涙液産生を増加させる」とは、対照との対比で患者における涙液産生を増加させることを指す。対照は、処置前の同じ患者である場合、処置を受けていない患者の統計的集団である場合、または処置を受けていない別の患者である場合がある。諸実施形態において、涙液産生を増加させるとは、本明細書に記載の活性薬剤を用いて、処置前の患者の涙液産生と比較したときに(または、別の対照と比較したときに)患者の涙液産生を2倍にすることを指す。諸実施形態において、涙液産生を増加させるとは、本明細書に記載の活性薬剤を用いて、処置前の患者の涙液産生と比較したときに(または、別の対照と比較したときに)涙液産生を3倍または4倍にすることを指す。諸実施形態において、涙液産生を増加させるとは、患者の涙液産生を、対照との対比で患者の涙液産生における正常範囲内まで増加させること、または当技術分野で知られている適用可能な基準まで増加させることを指す。涙液産生を測定する方法は当技術分野で知られており、例えば、シルマー涙試験I(麻酔なし)及びII(麻酔あり、局所用0.5%プロパラカインの点眼後に測定)が挙げられる。患者がヒトである場合、シルマー涙試験Iの正常な結果は、一般的には、約5分後の濾紙上で10mmよりも多く湿ることである。したがって、諸実施形態において、涙液産生を増加させるとは、シルマー涙試験Iから約5分後の濾紙上で少なくとも10mmよりも湿るまで涙液産生を増加させることを指す。諸実施形態において、涙液産生を増加させるとは、シルマー涙試験Iから約5分後の濾紙上で約10mm〜約15mm湿るまで涙液産生を増加させることを指す。患者がヒトである場合、シルマー涙試験IIの正常な結果は、一般的には、約5分後の濾紙上で5mmよりも多く湿ることである。したがって、諸実施形態において、涙液産生を増加させるとは、シルマー涙試験IIから約5分後の濾紙上で5mmよりも湿るまで涙液産生を増加させることを指す。諸実施形態において、涙液産生を増加させるとは、シルマー涙試験IIから約5分後の濾紙上で約5mm〜約10mm湿るまで涙液産生を増加させることを指す。諸実施形態において、涙液産生を増加させるとは、本明細書に記載の活性薬剤及び組成物を投与する前の結果との対比でシルマー涙試験の結果を増加させることを指す。
「ドライアイ疾患」とは、患者が片目または両目における乾燥を経験する疾患である。ドライアイ疾患は、不十分な質または量の涙液産生を特徴とする。ドライアイ疾患の例示的な症状としては、刺激作用、灼熱感、穿刺感、眼脂、異物感、涙目、かすみ目、または2つ以上の症状の組合せが挙げられる。ドライアイ疾患は、代替的に、ドライアイ症候群、乾性角結膜炎、機能不全性涙症候群、または涙角結膜炎と呼ばれることもある。ドライアイ疾患は、薬剤、高齢、酒さ、眼瞼炎、自己免疫障害(例えば、シェーグレン症候群)、糖尿病、甲状腺障害、ビタミンA欠乏症、環境状態(例えば、乾燥したもしくは風の強い環境)、季節性アレルギー、日光曝露、またはレーザー目手術により引き起こされ得る。諸実施形態において、ドライアイ疾患は、シルマー涙試験、及び/またはリサミングリーン、ローズベンガル、及び/またはフルオレセイン色素の眼球表面染色パターンによって診断することができる。
「患者」及び「〜を必要とする患者」とは、本明細書に記載の活性薬剤の投与により処置され得る疾患を患っているか、または当該疾患に陥りやすい生物を指す。非限定的な例としては、ヒト、その他のウシ(bovine)、ラット、マウス、イヌ、サル、ヤギ、ヒツジ、ウシ(cow)、及び他の非哺乳類動物が挙げられる。諸実施形態において、患者はヒトである。諸実施形態において、患者はイヌである。諸実施形態において、患者はネコである。
「処置する」または「処置」という用語は、任意の客観的または主観的パラメーター(例えば、軽減;軽快;症状の漸減、または損傷、病態、もしくは状態に対する患者の認容性を良好にすること;退化または低下の速度の緩徐化;あるいは患者の身体的健康状態を改善すること)を含めた、損傷、疾患、病態、または状態の処置または回復における任意の成功の徴候を指す。症状の処置は、身体検査の結果を含めた客観的または主観的パラメーターに基づくことができる。「処置する」という用語は、損傷、病態、状態、または疾患の防止を含む。ドライアイ疾患の症状の処置に関しての「処置する」とは、(i)1つ以上の症状の重症度を低減すること、(ii)1つ以上の症状を消失させること、(iii)1つ以上の症状の期間を低減すること、(iv)1つ以上の症状の再発もしくは発症を防止すること、または(v)これらのうちの2つ以上の組合せを指す。
「治療有効量」とは、記述された目的を遂行する(例えば、投与対象における効果(すなわち、涙液産生の増加)を達成する、ドライアイ疾患を処置する、または患者におけるドライアイ疾患の1つ以上の症状を低減する)のに十分な活性薬剤の量である。「治療有効量」とは、疾患の症状(1つまたは複数)の処置、防止、または低減に寄与するのに十分な活性薬剤の量である。正確な量は、処置の目的に依存しており、公知の技法を用いて当業者により確認することができる(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1−3,1992);Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999);Pickar,Dosage Calculations(1999);及びRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams & Wilkinsを参照)。諸実施形態において、「治療有効量」は本明細書に記載された量である。
薬用量は、患者の要件及び用いられている活性薬剤に応じて変動し得る。患者に投与する用量は、患者に有益な治療応答を経時的にもたらすのに十分であるべきである。また、用量のサイズも任意の有害な副作用の存在、性質、及び程度によって決定される。特定的な状況における適切な薬用量の決定は当業者の技量の範囲内である。概して、処置は、任意選択で、活性薬剤の最適用量未満の少量の薬用量から開始してもよい。その後、薬用量を少量ずつ、諸状況下での最適な効果に到達するまで増加させる。薬用量及び間隔は、処置されている特定的な臨床徴候に有効なレベルの投与活性薬剤をもたらすように個別に調整することができる。これにより、個体の疾患状態の重症度に対応した治療レジメンがもたらされることになる。涙液産生の増加及びドライアイ疾患の処置のために適切な薬用量は、本明細書中で詳細に記載されている。
患者に投与する活性薬剤の薬用量及び頻度(1回/1日、2回/1日)は、様々な因子、例えば、患者が別の疾患を患っているかどうか、及びその投与経路;患者のサイズ、年齢、性別、健康状態、体重、体型指数、及び食事;処置されている疾患の症状の性質及び程度、併用処置の種類、処置されている疾患由来の合併症、または他の健康関連の問題などの因子に応じて変動し得る。他の治療レジメンまたは薬剤も、本明細書に記載の方法及び活性薬剤と共に使用することができる。確立された薬用量(例えば、頻度及び期間)の調整及び操作は、十分に当業者の技量の範囲内である。本明細書で詳細に論じられるように、活性薬剤及び組成物は1日1回または2回投与することができる。諸実施形態において、本明細書に記載の活性薬剤及び組成物は、1日1回、約2週間投与することができる。諸実施形態において、本明細書に記載の活性薬剤及び組成物は、1日1回、約1ヵ月投与することができる。諸実施形態において、本明細書に記載の活性薬剤及び組成物は、1日2回、約2週間投与することができる。諸実施形態において、本明細書に記載の活性薬剤及び組成物は、1日2回、約1ヵ月投与することができる。
1「週間」(a “week”)は約13日〜約15日である。諸実施形態において、1週間は14日である。
1「ヵ月」は28日、29日、30日、または31日である。諸実施形態において、1ヵ月は28日である。諸実施形態において、1ヵ月は30日である。諸実施形態において、1ヵ月は31日である。
本明細書に記載の活性薬剤及び組成物は、ドライアイ疾患の処置または涙液産生の増加に有用であることが知られている1つ以上の他の薬物と組み合わせて使用することができる。本明細書に記載の活性薬剤及び組成物は、単独では有効でない可能性があるが活性薬剤の効果に寄与し得る補助薬剤と共に使用することができる。したがって、本明細書に記載の活性薬剤は、患者におけるドライアイ障害の処置または涙液産生の増加に有用な1つ以上の他の薬物と共に同時投与することができる。ドライアイ障害の処置または涙液産生の増加に使用される例示的な薬物としては、上皮性ナトリウムチャネル阻害薬、リンパ球機能関連抗原1アンタゴニスト、抗炎症剤、コリン作動性アゴニスト、ステロイド、抗生物質などが挙げられる。例示的な上皮性ナトリウムチャネル阻害薬はアミロライドである。例示的なリンパ球機能関連抗原1アンタゴニストはリフィテグラストである。例示的な抗炎症剤はシクロスポリンである。例示的なコリン作動性アゴニストはピロカルピン及びセビメリンである。例示的なステロイドはコルチコステロイドである。
「同時投与する」とは、本明細書に記載の活性薬剤または組成物が、1つ以上の追加的療法の投与と同時、その前(例えば、数分もしくは数時間前)、またはその後(例えば、数分もしくは数時間後)に投与されることを意味する。本明細書に記載の化合物は、患者に単独で投与することも同時投与することもできる。同時投与は、個別または組合せによる活性薬剤の同時または順次の投与を含むように意図されている。したがって調製物は、所望の場合、他の活性物質と組み合わせることもできる。
同時投与は、1つの活性薬剤を、第2の医薬化合物(例えば、抗ドライアイ薬剤)の0.5、1、2、4、6、8、10、12、16、20、または24時間以内に投与することを含む。また本明細書では、同時投与が、ある活性薬剤を別の医薬化合物の0.5、1、2、4、6、8、10、12、16、20、または24時間以内に投与することを含む、実施形態も企図されている。同時投与とは、活性薬剤及び他の医薬化合物を、同時に、ほぼ同時に(例えば、互いの約1、5、10、15、20、もしくは30分以内に)、または任意の順序で経時的に、投与することを含む。同時投与は、同時製剤により、すなわち、活性薬剤と他の医薬化合物との両方を含む単一の医薬組成物を調製することにより、遂行することができる。他の実施形態では、活性薬剤及び他の医薬化合物が別々に製剤化され得る。
「対照」または「対照実験」はそれが有する通常の意味に従って使用され、実験の対象または試薬が、実験の手順、試薬、または変数の省略以外では並列実験のように扱われる実験を指す。一部の場合において、対照は、実験的効果を評価する上での比較基準として使用される。
「修飾薬」という用語は、標的分子のレベル、または標的分子の機能、または分子の標的の物理的状態を上昇または低下させる組成物を指す。
「修飾する」という用語はそれが有する通常の意味に従って使用され、1つ以上の性質を変化または変動させる作用を指す。「修飾」とは、1つ以上の性質を変化または変動させるプロセスを指す。例えば、標的タンパク質の修飾薬は、標的分子の性質もしくは機能、または標的分子の量を増加または減少させることにより変化させる。ある疾患の修飾薬は、標的疾患の症状、原因、または特徴を減少させる。
「医薬的に許容される賦形剤」及び「医薬的に許容される担体」とは、ある活性薬剤の患者への投与及び患者による吸収を補助する物質を指し、本明細書に記載の組成物にこれらを含めることができる。例示的な医薬的に許容される賦形剤としては、安定化剤、共溶媒などが挙げられる。医薬的に許容される賦形剤におけるその他の非限定的例としては、水、NaCl、生理食塩水、乳酸リンゲル、通常のスクロース、通常のグルコース、結合剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、甘味料、香味料、塩溶液(例えば、リンゲル液)、アルコール、油、ゼラチン、炭水化物(例えば、ラクトース、アミロース、またはデンプン)、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン、及び着色料などが挙げられる。このような調製物は、滅菌し、所望の場合、他の医薬的に許容される賦形剤、例えば、滑沢剤、保存料、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼす塩、緩衝液、着色料、及び/または芳香物質などと混合することができる。
「安定化剤」とは、本明細書に記載の活性薬剤の性質を維持する、及び/または本明細書に記載の活性薬剤の物理的もしくは化学的分解を遅延もしくは防止する、医薬的に許容される賦形剤を指す。例示的な安定化剤としては、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒプロメロース(hydromellose)、デキストランなどが挙げられる。
「共溶媒」とは、活性薬剤の可溶性を増加、維持、または延長することができる医薬的に許容される賦形剤を指す。例示的な共溶媒としては、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリソルベートなどが挙げられる。
「投与する」とは、本明細書に記載の活性薬剤及び組成物を患者の一方または両方の目に局所投与することを意味する。諸実施形態において、局所投与は目の結膜に対する局所投与である。諸実施形態において、局所投与は目の結膜嚢に対する局所投与である。諸実施形態において、局所投与は目の結膜及び目の結膜嚢に対する局所投与である。本明細書に記載の活性薬剤及び組成物は、液体製剤として局所送達することができる。諸実施形態において、局所用液体製剤は溶液である。諸実施形態において、局所用液体製剤は水性溶液である。諸実施形態において、局所用液体製剤は懸濁液である。諸実施形態において、局所用液体製剤は乳濁液である。
「溶液」とは、化学及び生物学の分野で使用される明白かつ通常的な意味を有し、活性薬剤が好適な溶媒(例えば、水性溶媒、有機溶媒)中に溶解している製剤を指す。
「懸濁液」とは、化学及び生物学の分野で使用される明白かつ通常的な意味を有し、不溶性の活性薬剤が好適な溶媒(例えば、水性溶媒、有機溶媒)中で分散している製剤を指す。
「乳濁液」とは、化学及び生物学の分野で使用される明白かつ通常的な意味を有し、2つ以上の不混和性液体であって、一方の液体が他方の液体全体にわたり均一に分散している、2つ以上の不混和性液体を指す。活性薬剤は、一方または両方の不混和性液体中に存在することができる。
「微粒子化されている」とは、約25ミクロン以下の粒子サイズ分布D90を有する活性薬剤、または約1ミクロン〜約25ミクロンの範囲の粒子サイズ範囲を指す。諸実施形態において、活性薬剤の微粒子化された粒子は、約20ミクロン以下、約15ミクロン以下、または約10ミクロン以下の粒子サイズ分布D90を有する。諸実施形態において、活性薬剤の微粒子化された粒子は、約1ミクロン〜約20ミクロン、または約2ミクロン〜約15ミクロン、または約2ミクロン〜約10ミクロンの粒子サイズ範囲を有する。医薬化合物を微粒子化する方法は、医薬化学の分野において従来的であり周知されている。
治療方法
本開示は、涙液産生の増加を必要とする患者の目における涙液産生を、患者の目に対し、涙液産生を増加させるための活性薬剤を含む医薬組成物を1日1回または1日2回局所投与することにより増加させる方法であって、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩を含む、方法を提供する。諸実施形態において、活性薬剤は式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(II)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(III)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(IV)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Aまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Bまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Cまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Dまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Eまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、医薬組成物は液体医薬組成物である。諸実施形態において、液体医薬組成物は溶液、懸濁液、または乳濁液である。諸実施形態において、液体医薬組成物は水性溶液である。諸実施形態において、液体医薬組成物は懸濁液であり、活性薬剤は微粒子化されている。諸実施形態において、医薬組成物はさらに、医薬的に許容される賦形剤を含む。諸実施形態において、医薬的に許容される賦形剤は安定化剤、共溶媒、またはこれらの組合せである。諸実施形態において、本方法は、医薬組成物を目の結膜に局所投与することを含む。諸実施形態において、本方法は、医薬組成物を目の結膜嚢に局所投与することを含む。諸実施形態において、医薬組成物は1日1回投与される。諸実施形態において、医薬組成物は1日2回投与される。諸実施形態において、組成物は約14日間投与される。諸実施形態において、組成物は約1ヵ月間投与される。諸実施形態において、本方法はさらに、上皮性ナトリウムチャネル阻害薬、リンパ球機能関連抗原1アンタゴニスト、抗炎症剤、コリン作動性アゴニスト、ステロイド、抗生物質、またはこれらの2つ以上の組合せを投与することを含む。諸実施形態において、上皮性ナトリウムチャネル阻害薬はアミロライドであり、このとき、リンパ球機能関連抗原1アンタゴニストはリフィテグラストであり、抗炎症剤はシクロスポリンであり、コリン作動性アゴニストはピロカルピンまたはセビメリンであり、ステロイドはコルチコステロイドである。諸実施形態において、患者はヒトである。諸実施形態において、患者の目における開回路経上皮電位差は対照のものよりも低い。諸実施形態において、本方法はさらに、異なる溶液との接触に応答した際の患者の目の表面における開回路経上皮電位差の変化を測定することと、結果を対照と比較することとを含む。
本開示は、ドライアイ疾患の処置を必要とする患者におけるドライアイ疾患を、患者の目に対し、ドライアイ疾患を処置するための活性薬剤を含む医薬組成物を1日1回または1日2回局所投与することにより処置する方法であって、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩を含む、方法を提供する。諸実施形態において、本開示は、ドライアイ疾患の症状の処置を必要とする患者におけるドライアイ疾患の症状を、患者の目に対し、ドライアイ疾患の症状を処置するための活性薬剤を含む医薬組成物を1日1回または1日2回局所投与することにより処置する方法であって、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩を含む、方法を提供する。諸実施形態において、活性薬剤は式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(II)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(III)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(IV)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Aまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Bまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Cまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Dまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Eまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、医薬組成物は液体医薬組成物である。諸実施形態において、液体医薬組成物は溶液、懸濁液、または乳濁液である。諸実施形態において、液体医薬組成物は水性溶液である。諸実施形態において、液体医薬組成物は懸濁液であり、活性薬剤は微粒子化されている。諸実施形態において、医薬組成物はさらに、医薬的に許容される賦形剤を含む。諸実施形態において、医薬的に許容される賦形剤は安定化剤、共溶媒、またはこれらの組合せである。諸実施形態において、本方法は、医薬組成物を目の結膜に局所投与することを含む。諸実施形態において、本方法は、医薬組成物を目の結膜嚢に局所投与することを含む。諸実施形態において、医薬組成物は1日1回投与される。諸実施形態において、医薬組成物は1日2回投与される。諸実施形態において、組成物は約14日間投与される。諸実施形態において、組成物は約1ヵ月間投与される。諸実施形態において、本方法はさらに、上皮性ナトリウムチャネル阻害薬、リンパ球機能関連抗原1アンタゴニスト、抗炎症剤、コリン作動性アゴニスト、ステロイド、抗生物質、またはこれらの2つ以上の組合せを投与することを含む。諸実施形態において、上皮性ナトリウムチャネル阻害薬はアミロライドであり、このとき、リンパ球機能関連抗原1アンタゴニストはリフィテグラストであり、抗炎症剤はシクロスポリンであり、コリン作動性アゴニストはピロカルピンまたはセビメリンであり、ステロイドはコルチコステロイドである。諸実施形態において、患者はヒトである。諸実施形態において、患者の目における開回路経上皮電位差は対照のものよりも低い。諸実施形態において、本方法はさらに、異なる溶液との接触に応答した際の患者の目の表面における開回路経上皮電位差の変化を測定することと、結果を対照と比較することとを含む。
本開示は、涙液産生の増加を必要とする患者の目における涙液産生を、患者の目に対し、涙液産生を増加させるための活性薬剤の治療有効量を含む医薬組成物を局所投与することにより増加させる方法であって、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩を含む、方法を提供する。諸実施形態において、活性薬剤は式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(II)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(III)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(IV)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Aまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Bまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Cまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Dまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Eまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、医薬組成物は液体医薬組成物である。諸実施形態において、液体医薬組成物は溶液、懸濁液、または乳濁液である。諸実施形態において、液体医薬組成物は水性溶液である。諸実施形態において、液体医薬組成物は懸濁液であり、活性薬剤は微粒子化されている。諸実施形態において、医薬組成物はさらに、医薬的に許容される賦形剤を含む。諸実施形態において、医薬的に許容される賦形剤は安定化剤、共溶媒、またはこれらの組合せである。諸実施形態において、本方法は、医薬組成物を目の結膜に局所投与することを含む。諸実施形態において、本方法は、医薬組成物を目の結膜嚢に局所投与することを含む。諸実施形態において、医薬組成物は1日1回投与される。諸実施形態において、医薬組成物は1日2回投与される。諸実施形態において、組成物は約14日間投与される。諸実施形態において、組成物は約1ヵ月間投与される。諸実施形態において、本方法はさらに、上皮性ナトリウムチャネル阻害薬、リンパ球機能関連抗原1アンタゴニスト、抗炎症剤、コリン作動性アゴニスト、ステロイド、抗生物質、またはこれらの2つ以上の組合せを投与することを含む。諸実施形態において、上皮性ナトリウムチャネル阻害薬はアミロライドであり、このとき、リンパ球機能関連抗原1アンタゴニストはリフィテグラストであり、抗炎症剤はシクロスポリンであり、コリン作動性アゴニストはピロカルピンまたはセビメリンであり、ステロイドはコルチコステロイドである。諸実施形態において、患者はヒトである。諸実施形態において、患者の目における開回路経上皮電位差は対照のものよりも低い。諸実施形態において、本方法はさらに、異なる溶液との接触に応答した際の患者の目の表面における開回路経上皮電位差の変化を測定することと、結果を対照と比較することとを含む。
本明細書に記載の涙液産生を増加させる方法の諸実施形態において、医薬組成物は活性薬剤の治療有効量を含み、このとき、活性薬剤の治療有効量は約1マイクログラム以上である。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約1マイクログラム〜約100マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム〜約100マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム〜約75マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム〜約50マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム〜約35マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム〜約20マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム〜約15マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約8マイクログラム〜約12マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約10マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤は、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である。
本明細書に記載の涙液産生を増加させる方法の諸実施形態において、医薬組成物は活性薬剤の治療有効量を含み、このとき、治療有効量は約2ナノモル以上である。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約2ナノモル〜約100ナノモルである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約2ナノモル〜約75ナノモルである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約2ナノモル〜約50ナノモルである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約2ナノモル〜約25ナノモルである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約2ナノモル〜約15ナノモルである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約2ナノモル〜約10ナノモルである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約2ナノモル〜約5ナノモルである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約3ナノモルである。諸実施形態において、活性薬剤は、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である。
本開示は、ドライアイ疾患の処置を必要とする患者におけるドライアイ疾患を、患者の目に対し、ドライアイ疾患を処置するための活性薬剤の治療有効量を含む医薬組成物を局所投与することにより処置する方法であって、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩を含む、方法を提供する。諸実施形態において、本開示は、ドライアイ疾患の症状の処置を必要とする患者におけるドライアイ疾患の症状を、患者の目に対し、ドライアイ疾患の症状を処置するための活性薬剤の治療有効量を含む医薬組成物を局所投与することにより処置する方法であって、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩を含む、方法を提供する。諸実施形態において、活性薬剤は式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(II)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(III)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(IV)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Aまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Bまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Cまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Dまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Eまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、医薬組成物は液体医薬組成物である。諸実施形態において、液体医薬組成物は溶液、懸濁液、または乳濁液である。諸実施形態において、液体医薬組成物は水性溶液である。諸実施形態において、医薬組成物はさらに、医薬的に許容される賦形剤を含む。諸実施形態において、医薬的に許容される賦形剤は安定化剤、共溶媒、またはこれらの組合せである。諸実施形態において、本方法は、医薬組成物を目の結膜に局所投与することを含む。諸実施形態において、本方法は、医薬組成物を目の結膜嚢に局所投与することを含む。諸実施形態において、医薬組成物は1日1回投与される。諸実施形態において、医薬組成物は1日2回投与される。諸実施形態において、組成物は約14日間投与される。諸実施形態において、組成物は約1ヵ月間投与される。諸実施形態において、本方法はさらに、上皮性ナトリウムチャネル阻害薬、リンパ球機能関連抗原1アンタゴニスト、抗炎症剤、コリン作動性アゴニスト、ステロイド、抗生物質、またはこれらの2つ以上の組合せを投与することを含む。諸実施形態において、上皮性ナトリウムチャネル阻害薬はアミロライドであり、このとき、リンパ球機能関連抗原1アンタゴニストはリフィテグラストであり、抗炎症剤はシクロスポリンであり、コリン作動性アゴニストはピロカルピンまたはセビメリンであり、ステロイドはコルチコステロイドである。諸実施形態において、患者はヒトである。諸実施形態において、患者の目における開回路経上皮電位差は対照のものよりも低い。諸実施形態において、本方法はさらに、異なる溶液との接触に応答した際の患者の目の表面における開回路経上皮電位差の変化を測定することと、結果を対照と比較することとを含む。
本明細書に記載のドライアイ疾患を処置する方法の諸実施形態において、医薬組成物は活性薬剤の治療有効量を含み、このとき、治療有効量は約1マイクログラム以上である。本明細書に記載のドライアイ疾患の症状を処置する方法の諸実施形態において、医薬組成物は活性薬剤の治療有効量を含み、このとき、治療有効量は約1マイクログラム以上である。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム以上である。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約1マイクログラム〜約100マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム〜約100マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム〜約75マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム〜約50マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム〜約35マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム〜約20マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム〜約15マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約8マイクログラム〜約12マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約10マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤は、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である。
本明細書に記載のドライアイ疾患を処置する方法の諸実施形態において、医薬組成物は活性薬剤の治療有効量を含み、このとき、活性薬剤の治療有効量は約2ナノモル以上である。本明細書に記載のドライアイ疾患の症状を処置する方法の諸実施形態において、医薬組成物は活性薬剤の治療有効量を含み、このとき、活性薬剤の治療有効量は約2ナノモル以上である。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約2ナノモル〜約100ナノモルである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約2ナノモル〜約75ナノモルである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約2ナノモル〜約50ナノモルである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約2ナノモル〜約25ナノモルである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約2ナノモル〜約15ナノモルである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約2ナノモル〜約10ナノモルである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約2ナノモル〜約5ナノモルである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約3ナノモルである。諸実施形態において、活性薬剤は、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である。
本開示は、涙液産生の増加を必要とする患者の目における涙液産生を、患者の目に対し、涙液産生を増加させるための活性薬剤の治療有効量を含む医薬組成物を局所投与することにより増加させる方法であって、治療有効量が投与から約1時間〜約12時間後に目の涙液中で約500nM以上の量で活性薬剤の濃度をもたらし、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩を含む、方法を提供する。諸実施形態において、活性薬剤は式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(II)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(III)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(IV)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Aまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Bまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Cまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Dまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Eまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、医薬組成物は液体医薬組成物である。諸実施形態において、液体医薬組成物は溶液、懸濁液、または乳濁液である。諸実施形態において、液体医薬組成物は水性溶液である。諸実施形態において、液体医薬組成物は懸濁液であり、活性薬剤は微粒子化されている。諸実施形態において、医薬組成物はさらに、医薬的に許容される賦形剤を含む。諸実施形態において、医薬的に許容される賦形剤は安定化剤、共溶媒、またはこれらの組合せである。諸実施形態において、本方法は、医薬組成物を目の結膜に局所投与することを含む。諸実施形態において、本方法は、医薬組成物を目の結膜嚢に局所投与することを含む。諸実施形態において、医薬組成物は1日1回投与される。諸実施形態において、医薬組成物は1日2回投与される。諸実施形態において、組成物は約14日間投与される。諸実施形態において、組成物は約1ヵ月間投与される。諸実施形態において、本方法はさらに、上皮性ナトリウムチャネル阻害薬、リンパ球機能関連抗原1アンタゴニスト、抗炎症剤、コリン作動性アゴニスト、ステロイド、抗生物質、またはこれらの2つ以上の組合せを投与することを含む。諸実施形態において、上皮性ナトリウムチャネル阻害薬はアミロライドであり、このとき、リンパ球機能関連抗原1アンタゴニストはリフィテグラストであり、抗炎症剤はシクロスポリンであり、コリン作動性アゴニストはピロカルピンまたはセビメリンであり、ステロイドはコルチコステロイドである。諸実施形態において、患者はヒトである。諸実施形態において、患者の目における開回路経上皮電位差は対照のものよりも低い。諸実施形態において、本方法はさらに、異なる溶液との接触に応答した際の患者の目の表面における開回路経上皮電位差の変化を測定することと、結果を対照と比較することとを含む。
患者の目における涙液産生を増加させる方法の諸実施形態において、治療有効量は、投与から約1時間〜約12時間後に目の涙液中で約500nM以上の量で活性薬剤の濃度をもたらす。諸実施形態において、治療有効量は、(i)投与から約30分〜約3時間後に目の涙液中で約500nM以上の量で、または(ii)投与から約4時間〜約12時間後に目の涙液中で約10nM以上の量で、または(iii)(i)及び(ii)の両方の量で、活性薬剤の濃度をもたらす。諸実施形態において、治療有効量は、(i)投与から約1時間〜約3時間後に約500nM〜約5,000nMの量で、または(ii)投与から約4時間〜約8時間後に約10nM〜約2,000nMの量で、または(iii)(i)及び(ii)の両方の量で、活性薬剤の濃度をもたらす。諸実施形態において、治療有効量は、(i)投与から約1時間〜約3時間後に約500nM〜約2,000nMの量で、または(ii)投与から約4時間〜約8時間後に約25nM〜約1,000nMの量で、または(iii)(i)及び(ii)の両方の量で、活性薬剤の濃度をもたらす。諸実施形態において、治療有効量は、(i)投与から約1時間〜約3時間後に約500nM〜約1,500nMの量で、または(ii)投与から約5時間〜約7時間後に約50nM〜約500nMの量で、または(iii)(i)及び(ii)の両方の量で、活性薬剤の濃度をもたらす。諸実施形態において、治療有効量は、(i)投与から約1時間〜約3時間後に約750nM〜約1,250nMの量で、または(ii)投与から約5時間〜約7時間後に約50nM〜約200nMの量で、または(iii)(i)及び(ii)の両方の量で、活性薬剤の濃度をもたらす。諸実施形態において、治療有効量は、(i)投与から約2時間後に約1000nMの量で、または(ii)投与から約6時間後に約100nMの量で、または(iii)(i)及び(ii)の両方の量で、活性薬剤の濃度をもたらす。諸実施形態において、活性薬剤は、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である。
本開示は、ドライアイ疾患の処置を必要とする患者におけるドライアイ疾患を、患者の目に対し、ドライアイ疾患を処置するための活性薬剤の治療有効量を含む医薬組成物を局所投与することにより処置する方法であって、治療有効量が、(i)投与から約30分〜約12時間後に目の涙液中で少なくとも約500nMの量で活性薬剤の濃度をもたらし、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩を含む、方法を提供する。諸実施形態において、活性薬剤は式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(II)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(III)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(IV)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Aまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Bまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Cまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Dまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Eまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、医薬組成物は液体医薬組成物である。諸実施形態において、液体医薬組成物は溶液、懸濁液、または乳濁液である。諸実施形態において、液体医薬組成物は水性溶液である。諸実施形態において、液体医薬組成物は懸濁液であり、活性薬剤は微粒子化されている。諸実施形態において、医薬組成物はさらに、医薬的に許容される賦形剤を含む。諸実施形態において、医薬的に許容される賦形剤は安定化剤、共溶媒、またはこれらの組合せである。諸実施形態において、本方法は、医薬組成物を目の結膜に局所投与することを含む。諸実施形態において、本方法は、医薬組成物を目の結膜嚢に局所投与することを含む。諸実施形態において、医薬組成物は1日1回投与される。諸実施形態において、医薬組成物は1日2回投与される。諸実施形態において、組成物は約14日間投与される。諸実施形態において、組成物は約1ヵ月間投与される。諸実施形態において、本方法はさらに、上皮性ナトリウムチャネル阻害薬、リンパ球機能関連抗原1アンタゴニスト、抗炎症剤、コリン作動性アゴニスト、ステロイド、抗生物質、またはこれらの2つ以上の組合せを投与することを含む。諸実施形態において、上皮性ナトリウムチャネル阻害薬はアミロライドであり、このとき、リンパ球機能関連抗原1アンタゴニストはリフィテグラストであり、抗炎症剤はシクロスポリンであり、コリン作動性アゴニストはピロカルピンまたはセビメリンであり、ステロイドはコルチコステロイドである。諸実施形態において、患者はヒトである。諸実施形態において、患者の目における開回路経上皮電位差は対照のものよりも低い。諸実施形態において、本方法はさらに、異なる溶液との接触に応答した際の患者の目の表面における開回路経上皮電位差の変化を測定することと、結果を対照と比較することとを含む。
患者におけるドライアイ疾患を処置する方法の諸実施形態において、治療有効量は、投与から約1時間〜約12時間後に目の涙液中で約500nM以上の量で活性薬剤の濃度をもたらす。諸実施形態において、治療有効量は、(i)投与から約30分〜約3時間後に目の涙液中で約500nM以上からの量で、または(ii)投与から約4時間〜約12時間後に目の涙液中で約10nM以上からの量で、または(iii)(i)及び(ii)の両方からの量で、活性薬剤の濃度をもたらす。諸実施形態において、治療有効量は、(i)投与から約1時間〜約3時間後に約500nM〜約5,000nMの量で、または(ii)投与から約4時間〜約8時間後に約10nM〜約2,000nMの量で、または(iii)(i)及び(ii)の両方の量で、活性薬剤の濃度をもたらす。諸実施形態において、治療有効量は、(i)投与から約1時間〜約3時間後に約500nM〜約2,000nMの量で、または(ii)投与から約4時間〜約8時間後に約25nM〜約1,000nMの量で、または(iii)(i)及び(ii)の両方の量で、活性薬剤の濃度をもたらす。諸実施形態において、治療有効量は、(i)投与から約1時間〜約3時間後に約500nM〜約1,500nMの量で、または(ii)投与から約5時間〜約7時間後に約50nM〜約500nMの量で、または(iii)(i)及び(ii)の両方の量で、活性薬剤の濃度をもたらす。諸実施形態において、治療有効量は、(i)投与から約1時間〜約3時間後に約750nM〜約1,250nMの量で、または(ii)投与から約5時間〜約7時間後に約50nM〜約200nMの量で、または(iii)(i)及び(ii)の両方の量で、活性薬剤の濃度をもたらす。諸実施形態において、治療有効量は、(i)投与から約2時間後に約1000nMの量で、または(ii)投与から約6時間後に約100nMの量で、または(iii)(i)及び(ii)の両方の量で、活性薬剤の濃度をもたらす。諸実施形態において、活性薬剤は、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である。
医薬組成物
本開示は、活性薬剤の治療有効量と医薬的に許容される担体とを含む局所用医薬組成物であって、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、局所用医薬組成物を提供する。諸実施形態において、活性薬剤は式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(II)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(III)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(IV)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Aまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Bまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Cまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Dまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Eまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、医薬組成物は液体医薬組成物である。諸実施形態において、液体医薬組成物は溶液、懸濁液、または乳濁液である。諸実施形態において、液体医薬組成物は水性溶液である。諸実施形態において、液体医薬組成物は懸濁液であり、活性薬剤は微粒子化されている。諸実施形態において、医薬組成物はさらに、医薬的に許容される賦形剤を含む。諸実施形態において、医薬的に許容される賦形剤は安定化剤、共溶媒、またはこれらの組合せである。
本明細書に記載の局所用医薬組成物の諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約1マイクログラム以上である。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム以上である。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約1マイクログラム〜約100マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム〜約100マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム〜約75マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム〜約50マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム〜約35マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム〜約20マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約5マイクログラム〜約15マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約8マイクログラム〜約12マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤の治療有効量は約10マイクログラムである。諸実施形態において、活性薬剤は、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である。
本開示は、活性薬剤と医薬的に許容される担体とを含む局所用医薬組成物であって、組成物が、0.5mL当たり約1ナノモル〜約25ナノモルの濃度の活性薬剤を含み、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、局所用医薬組成物を提供する。諸実施形態において、活性薬剤は式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(II)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(III)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(IV)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Aまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Bまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Cまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Dまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Eまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、医薬組成物は液体医薬組成物である。諸実施形態において、液体医薬組成物は溶液、懸濁液、または乳濁液である。諸実施形態において、液体医薬組成物は水性溶液である。諸実施形態において、医薬組成物はさらに、医薬的に許容される賦形剤を含む。諸実施形態において、医薬的に許容される賦形剤は安定化剤、共溶媒、またはこれらの組合せである。
諸実施形態において、本明細書に記載の局所用医薬組成物は0.5mL当たり約1ナノモル〜約50ナノモルの濃度の活性薬剤を含む。諸実施形態において、組成物は0.5mL当たり約1ナノモル〜約25ナノモルの濃度の活性薬剤を含む。諸実施形態において、組成物は0.5mL当たり約1ナノモル〜約20ナノモルの濃度の活性薬剤を含む。諸実施形態において、組成物は0.5mL当たり約1ナノモル〜約15ナノモルの濃度の活性薬剤を含む。諸実施形態において、組成物は0.5mL当たり約2ナノモル〜約10ナノモルの濃度の活性薬剤を含む。諸実施形態において、組成物は0.5mL当たり約2ナノモル〜約5ナノモルの濃度の活性薬剤を含む。諸実施形態において、組成物は0.5mL当たり約2ナノモル〜約4ナノモルの濃度の活性薬剤を含む。諸実施形態において、組成物は0.5mL当たり約3ナノモルの濃度の活性薬剤を含む。諸実施形態において、活性薬剤は、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である。
本開示は、局所用医薬組成物の液滴を患者の目に送達するための点眼器であって、点眼器が活性薬剤を含む局所用組成物を含み、活性薬剤が式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、点眼器を提供する。諸実施形態において、活性薬剤は式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(II)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(III)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(IV)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Aまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Bまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Cまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Dまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Eまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、医薬組成物は液体医薬組成物である。諸実施形態において、液体医薬組成物は溶液、懸濁液、または乳濁液である。諸実施形態において、液体医薬組成物は水性溶液である。諸実施形態において、医薬組成物はさらに、医薬的に許容される賦形剤を含む。諸実施形態において、医薬的に許容される賦形剤は安定化剤、共溶媒、またはこれらの組合せである。
当技術分野で知られている任意の点眼器は、本明細書に記載の化合物及び組成物を局所投与するために使用することができる。諸実施形態において、点眼器は、本明細書に記載の医薬組成物約1滴〜約50滴を収容するのに十分な体積を有する。諸実施形態において、点眼器は、本明細書に記載の医薬組成物約1滴〜約25滴を収容するのに十分な体積を有する。諸実施形態において、点眼器は、本明細書に記載の医薬組成物約1滴〜約20滴を収容するのに十分な体積を有する。諸実施形態において、点眼器は、本明細書に記載の医薬組成物約1滴〜約15滴を収容するのに十分な体積を有する。諸実施形態において、点眼器は、本明細書に記載の医薬組成物約1滴〜約10滴を収容するのに十分な体積を有する。諸実施形態において、点眼器は、組成物1〜5滴を収容するのに十分な体積を有する。諸実施形態において、点眼器は、組成物1〜4滴を収容するのに十分な体積を有する。諸実施形態において、点眼器は、組成物1〜3滴を収容するのに十分な体積を有する。諸実施形態において、点眼器は、組成物1滴または2滴を収容するのに十分な体積を有する。
「液滴」とは、本明細書に記載の用量(例えば、5マイクログラム以上;2ナノモル以上)及び投薬レジメン(例えば、1日1回または2回)にて投与されたときに、本明細書に記載の化合物の治療有効量をもたらすことができる、本明細書に記載の医薬組成物の体積である。諸実施形態において、液滴は約10μL〜約100μLの体積を有する。諸実施形態において、液滴は約20μL〜約90μLの体積を有する。諸実施形態において、液滴は約30μL〜約80μLの体積を有する。諸実施形態において、液滴は約40μL〜約70μLの体積を有する。諸実施形態において、液滴は約50μL〜約85μLの体積を有する。諸実施形態において、液滴は約30μL〜約65μLの体積を有する。諸実施形態において、液滴は約40μL〜約60μLの体積を有する。諸実施形態において、液滴は約55μL〜約65μLの体積を有する。
本開示は、本明細書に記載の点眼器を含むキットを提供する。キットは、本明細書に記載の組成物の投与向けに患者によって好都合に使用され得る任意の数の点眼器を含むことができる。概して、キットは投薬レジメンの頻度に応じるための点眼器のある量を含有する。諸実施形態において、キットは、処置レジメンの期間の間再使用することができる1個の点眼器を含む。諸実施形態において、キットは、1週間の処置用の単回使用点眼器をもたらすのに十分な7個の点眼器を含む。諸実施形態において、キットは14個の点眼器を含む。諸実施形態において、キットは28個の点眼器を含む。諸実施形態において、キットは56個の点眼器を含む。
本開示は、点眼器と、活性製剤を含む局所用医薬組成物を含む容器と、使用説明書とを含む、キットであって、活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、キットを提供する。諸実施形態において、活性薬剤は式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(II)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(III)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(IV)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Aまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Bまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Cまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Dまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Eまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、医薬組成物は液体医薬組成物である。諸実施形態において、液体医薬組成物は溶液、懸濁液、または乳濁液である。諸実施形態において、液体医薬組成物は水性溶液である。諸実施形態において、液体医薬組成物は懸濁液であり、活性薬剤は微粒子化されている。諸実施形態において、医薬組成物はさらに、医薬的に許容される賦形剤を含む。諸実施形態において、医薬的に許容される賦形剤は安定化剤、共溶媒、またはこれらの組合せである。
キットは、本明細書に記載の組成物の投与向けに患者によって好都合に使用され得る、任意の数の点眼器及び医薬組成物を収容する任意の数の容器を含むことができる。概して、キットは投薬レジメンの頻度に応じるための点眼器及び容器のある量を含有する。諸実施形態において、キットは1個の点眼器と1個の容器とを含み、このとき容器は組成物の1回用量を含む。諸実施形態において、キットは2個の点眼器と1個の容器とを含み、このとき、容器は組成物の2回用量を含む。諸実施形態において、キットは2個の点眼器と2個の容器とを含み、このとき、各容器は組成物の1回用量を含む。諸実施形態において、キットは7個の点眼器と7個の容器とを含み、このとき、各容器は組成物の1回用量を含む。諸実施形態において、キットは14個の点眼器と7個の容器とを含み、このとき、各容器は組成物の2回用量を含む。諸実施形態において、キットは14個の点眼器と14個の容器とを含み、このとき、各容器は組成物の1回用量を含む。
諸態様において、本開示は、眼球表面膜輸送の修飾薬を用いた処置のための患者を同定する方法を提供する。諸実施形態において、本方法は、(i)異なる溶液との接触に応答した際の患者の眼球表面における開回路経上皮電位差の変化を測定するステップと、(ii)異なる溶液との接触に応答した際の開回路経上皮電位差の変化を対照と比較するステップと、(iii)開回路経上皮電位差の変化が対照のものよりも低い場合に、患者が眼球表面膜輸送の修飾薬を用いて処置されるべきであると同定するステップとを含む。
諸態様において、本開示は、患者を同定し、眼球表面膜輸送の修飾薬を用いて患者を処置する方法を提供する。諸実施形態において、本方法は、(i)異なる溶液との接触に応答した際の患者の眼球表面における開回路経上皮電位差の変化を測定するステップと、(ii)異なる溶液との接触に応答した際の開回路経上皮電位差の変化を対照と比較するステップと、(iii)開回路経上皮電位差の変化が対照のものよりも低い場合に、患者が眼球表面膜輸送の修飾薬を用いて処置されるべきであると同定するステップと、(iv)眼球表面膜輸送の修飾薬の治療有効量を用いて患者を処置するステップとを含む。
患者の眼球表面における開回路経上皮電位差の変化を測定するための例示的なステップは、本明細書の実施例に記載されている。諸実施形態において、本方法は、高インピーダンス電圧計を用いて電位差を継続的に測定する間、一連の異なる溶液を用いた眼球表面の灌流を伴う。脱分極または過分極をもたらす化合物を含有する溶液は、眼球表面膜輸送の修飾薬として同定することができる。測定値のベースラインマグニチュードが対照との対比で低いほど、その化合物における眼球表面膜輸送の修飾能力が大きいことを示すと考えられ、これにより、涙液産生を増加させドライアイ疾患を処置する上でより効果的であろう化合物が同定される。諸実施形態において、眼球表面膜輸送の修飾薬は眼球表面膜輸送を活性化または増加させる。諸実施形態において、眼球表面膜輸送の修飾薬はCFTRアゴニスト、例えば、本明細書に記載の式(I)の化合物である。
諸実施形態において、眼球表面膜輸送はイオン輸送体である。諸実施形態において、イオン輸送体はクロライド輸送体、カリウム輸送体、または重炭酸輸送体である。諸実施形態において、眼球表面膜輸送は生体分子輸送体である。諸実施形態において、生体分子輸送体はグルコース輸送体または尿素輸送体である。諸実施形態において、本方法はさらに、眼球表面膜輸送の修飾薬の治療有効量を用いて患者を処置することを含む。諸実施形態において、眼球表面膜輸送の修飾薬はCFTRアゴニスト、カルシウム活性化クロライドチャネル活性化薬、または上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)阻害薬である。諸実施形態において、眼球表面は角膜である。諸実施形態において、眼球表面は結膜である。
諸実施形態において、眼球表面膜輸送の修飾薬は活性薬剤を含む医薬組成物であり、このとき、活性薬剤は、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(II)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(III)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は式(IV)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Aまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Bまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Cまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Dまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、活性薬剤は化合物Eまたはその医薬的に許容される塩である。諸実施形態において、医薬組成物は液体医薬組成物である。諸実施形態において、液体医薬組成物は溶液、懸濁液、または乳濁液である。諸実施形態において、液体医薬組成物は水性溶液である。諸実施形態において、医薬組成物はさらに、医薬的に許容される賦形剤を含む。諸実施形態において、医薬的に許容される賦形剤は安定化剤、共溶媒、またはこれらの組合せである。
本開示は、細胞内シグナリングの修飾薬を用いた処置のための患者を同定する方法を提供する。諸実施形態において、本方法は、(i)異なる溶液との接触に応答した際の患者の眼球表面における開回路経上皮電位差の変化を測定するステップと、(ii)異なる溶液との接触に応答した際の開回路経上皮電位差の変化を対照と比較するステップと、(iii)開回路経上皮電位差の変化が対照のものよりも低い場合に、患者が細胞内シグナリングの修飾薬を用いて処置されるべきであると同定するステップとを含む。諸実施形態において、細胞内シグナリングの修飾薬はcAMP、cGMP、またはカルシウムシグナリングである。諸実施形態において、修飾薬は細胞内シグナリングを直接的に修飾する。諸実施形態において、修飾薬は細胞内シグナリングを間接的に修飾する。諸実施形態において、眼球表面は角膜または結膜である。
化合物
諸実施形態において、活性薬剤は式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
Figure 2020531511
式(I)の化合物において、Rは(i)水素であるか、(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、(例えば、置換基による)置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキル、または(例えば、置換基による)置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成するか、あるいは(iii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に(例えば、置換基による)、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキル、または(例えば、置換基による)置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成する。諸実施形態において、Rは水素である。諸実施形態において、R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、(例えば、置換基による)置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキル、または(例えば、置換基による)置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成する。諸実施形態において、R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、(例えば、置換基による)置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキル、または(例えば、置換基による)置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成する。諸実施形態において、Rは(i)水素であるか、(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルもしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成するか、または(iii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルもしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成する。諸実施形態において、Rは(i)水素であるか、または(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルもしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成する。諸実施形態において、置換C−C10ヘテロシクロアルキルに対する置換分は、「置換分」(例えば、置換基)の定義に記載されている。諸実施形態において、置換C−C10ヘテロシクロアルキルに対する置換分は、「サイズ制限置換分」(例えば、サイズ制限置換基)の定義に記載されている。諸実施形態において、置換C−C10ヘテロシクロアルキルに対する置換分は、「低級置換分」(例えば、低級置換基)の定義に記載されている。諸実施形態において、置換C−C10ヘテロアリールに対する置換分は、「置換分」(例えば、置換基)の定義に記載されている。諸実施形態において、置換C−C10ヘテロアリールに対する置換分は、「サイズ制限置換分」(例えば、サイズ制限置換基)の定義に記載されている。諸実施形態において、置換C−C10ヘテロアリールに対する置換分は、「低級置換分」(例えば、低級置換基)の定義に記載されている。
式(I)の化合物において、RはC−Cハロアルキルである。
式(I)の化合物において、Rは水素またはC−Cアルキルである。
式(I)の化合物において、Rは水素またはC−Cアルキルである。
式(I)の化合物において、Rは(i)水素であるか、あるいは(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に(例えば、置換基による)置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは(例えば、置換基による)置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成する。諸実施形態において、Rは水素である。諸実施形態において、R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、(例えば、置換基による)置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキル、または(例えば、置換基による)置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成する。
式(I)の化合物において、Rは(i)水素であるか、あるいは(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に(例えば、置換基による)置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは(例えば、置換基による)置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成する。諸実施形態において、Rは水素である。諸実施形態において、R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、(例えば、置換基による)置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキル、または(例えば、置換基による)置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成する。
諸実施形態において、活性薬剤は式(II)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
Figure 2020531511
式(II)の化合物において、R及びRまたはR及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このとき、R及びRまたはR及びRは−X1−CH−X2−である(式中、X1及びX2は各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)。諸実施形態において、R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このとき、R及びRは−X1−CH−X2−である(式中、X1及びX2は各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)。諸実施形態において、R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このとき、R及びRは−X1−CH−X2−である(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)。諸実施形態において、X1及びX2は両方とも酸素、窒素、または硫黄ではない。諸実施形態において、X1は−N=であり、X2は−S−である。諸実施形態において、X1は−S−であり、X2は−N=である。諸実施形態において、X1は−N=であり、X2は−O−である。諸実施形態において、X1は−O−であり、X2は−S−である。
式(II)の化合物において、Rは−CH(CFまたは−CHCFCFHである。諸実施形態において、Rは−CH(CFである。諸実施形態において、Rは−CHCFCFHである。
式(II)の化合物において、Rは水素、メチル、またはエチルである。諸実施形態において、Rは水素である。諸実施形態において、Rはメチルである。諸実施形態において、Rはエチルである。
式(II)の化合物において、Rは水素、メチル、またはエチルである。諸実施形態において、Rは水素である。諸実施形態において、Rはメチルである。諸実施形態において、Rはエチルである。
式(II)の化合物において、Rは(i)水素であるか、または(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このとき、R及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−である。諸実施形態において、Rは水素である。諸実施形態において、R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このとき、R及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−である。
式(II)の式において、Rは(i)水素であるか、または(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このとき、R及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−である。諸実施形態において、Rは水素である。諸実施形態において、R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このとき、R及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−である。
諸実施形態において、活性薬剤は式(III)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
Figure 2020531511
式(III)の化合物において、Rは−CH(CFまたは−CHCFCFHである。諸実施形態において、Rは−CH(CFである。諸実施形態において、Rは−CHCFCFHである。
式(III)の化合物において、Rは水素、メチル、またはエチルである。諸実施形態において、Rは水素である。諸実施形態において、Rはメチルである。諸実施形態において、Rはエチルである。
式(III)の化合物において、Rは水素、メチル、またはエチルである。諸実施形態において、Rは水素である。諸実施形態において、Rはメチルである。諸実施形態において、Rはエチルである。
諸実施形態において、活性薬剤は式(IV)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
Figure 2020531511
式(IV)の化合物において、Rは−CH(CFまたは−CHCFCFHである。諸実施形態において、Rは−CH(CFである。諸実施形態において、Rは−CHCFCFHである。
式(IV)の化合物において、Rは水素、メチル、またはエチルである。諸実施形態において、Rは水素である。諸実施形態において、Rはメチルである。諸実施形態において、Rはエチルである。
諸実施形態において、活性薬剤は化合物Aまたはその医薬的に許容される塩である。
Figure 2020531511
化合物Aは、CFTRact−K267やN−メチル−N’−フェニル−6−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミンとしても知られている。
諸実施形態において、活性薬剤は化合物Bまたはその医薬的に許容される塩である。
Figure 2020531511
諸実施形態において、活性薬剤は化合物Cまたはその医薬的に許容される塩である。
Figure 2020531511
化合物CはCFTRact−K089としても知られている。
諸実施形態において、活性薬剤は化合物Dまたはその医薬的に許容される塩である。
Figure 2020531511
諸実施形態において、活性薬剤は化合物Eまたはその医薬的に許容される塩である。
Figure 2020531511
本明細書に記載の化合物は、有機合成化学分野の当業者に知られているプロセスにより作製することができる。本明細書に記載の化合物を作製するためのこのような例示的なプロセスは、WO2017/112951に記載されており、この開示内容はその全体が参照により本明細書に援用される。
「医薬的に許容される塩」という用語は、本明細書に記載の活性薬剤に見いだされる特定の置換分に応じて、比較的無毒の酸または塩基を用いて調製される活性薬剤の塩を含むように意図されている。活性薬剤が比較的酸性の官能基を含有する場合、塩基付加塩は、このような活性薬剤の中性形態を十分な量の所望の塩基にそのまま、または好適な不活性溶媒中で接触させることにより、取得することができる。医薬的に許容される塩基付加塩の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、有機アミノ塩、もしくはマグネシウム塩、または同様の塩が挙げられる。活性薬剤が比較的塩基性の官能基を含有する場合、酸付加塩は、このような活性薬剤の中性形態を十分な量の所望の酸にそのまま、または好適な不活性溶媒中で接触させることにより、取得することができる。医薬的に許容される酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸、または亜リン酸などのような無機酸に由来するもの、さらに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、メタンスルホン酸などのような比較的無毒の有機酸に由来するものが挙げられる。また、アルギネートなどのアミノ酸の塩や、グルクロン酸またはガラクツロン酸などのような有機酸の塩も含まれる(例えば、Berge et al.,“Pharmaceutical Salts”,Journal of Pharmaceutical Science 1977,66,1−19を参照)。
活性薬剤の中性形態は、塩を塩基または酸に接触させ、従来の方法で親活性薬剤を単離することにより再生される。活性薬剤の親形態は、あるいくつかの物理的性質(例えば、極性溶媒中の可溶性など)において様々な塩形態とは異なる。
本明細書で使用する略語は、化学及び生物学の分野内の従来的な意味を有する。本明細書に記載の化学構造及び化学式は、化学分野で知られている化学原子価の標準的な規則に従って構築されている。
置換基が左から右へ書かれた従来的な化学式によって指定される場合、この置換基は、右から左に構造を書くことから生じ得る化学的に同一の置換分も同様に包含し、例えば、−CHO−は−OCH−と同等であり、−N=は=N−と同等である。
「アルキル」とは、それ自体または他の置換分の一部として、別段の明記がない限り、直鎖(すなわち、枝分かれしていない)もしくは分枝状の炭素鎖(もしくは炭素)またはその組合せを意味し、完全に飽和していても1価または多価不飽和であってもよく、アルキルとしては、指定の数の炭素原子(すなわち、C−C10は1〜10個の炭素を意味する)を有する1価、2価、及び多価のラジカルが挙げられ得る。アルキルはサイクル化されていない鎖である。飽和炭化水素ラジカルの例としては、以下に限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、(シクロヘキシル)メチルなどの基、相同体及び異性体、例えばn−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどのものが挙げられる。不飽和アルキル基とは、1つ以上の二重結合または三重結合を有するアルキル基である。不飽和アルキル基の例としては、以下に限定されないが、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−及び3−プロピニル、3−ブチニル、及びより高級の相同体及び異性体が挙げられる。アルコキシとは、酸素リンカー(−O−)を介して分子の残部に結合したアルキルである。
諸実施形態において、「アルキル」とは、完全に飽和していても1価または多価不飽和であってもよい、指定の炭素原子数(すなわち、C−C10とは1〜10個の炭素を意味する)を有する直鎖状または分枝状の1価の炭化水素構造及びその組合せを指し、かつこれらを含む。特定的なアルキル基は、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基(「C−C20アルキル」)である。より特定的なアルキル基は、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基(「C−Cアルキル」)、3〜8個の炭素原子を有するアルキル基(「C−Cアルキル」)、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基(「C−Cアルキル基」)、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基(「C−Cアルキル」)、または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基(「C−Cアルキル基」)、または1〜3個の炭素原子を有するアルキル基(「C−Cアルキル」)、または1〜2個の炭素原子を有するアルキル基(「C−Cアルキル」)である。飽和炭化水素ラジカルの例としては、以下に限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチルのような基、(例えば、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどの)相同体及び異性体が挙げられる。不飽和アルキル基とは、1つ以上の二重結合または三重結合を有するアルキル基である。不飽和アルキル基の例としては、以下に限定されないが、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−及び3−プロピニル、3−ブチニル、及びより高級の相同体及び異性体が挙げられる。飽和C−Cアルキルの例としては、メチル(CH)、エチル(C)、プロピル(C)、及びブチル(C)が挙げられる。飽和C−Cアルキルの例としては、メチル(CH)、エチル(C)、プロピル(C)、ブチル(C)、ペンチル(C11)、及びヘキシル(C13)が挙げられる。アルキル基は、1つ以上の置換分、例えば、本明細書に記載のラジカル、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシル、アルコキシ、チオ、アミノ、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミド、カルボキシル、アシル、アルコキシカルボニル、スルホニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリール、ならびに当技術分野で知られている他の官能基で置換されてもよい(すなわち、1つ以上の水素原子が1価または2価のラジカルで置換される)。「パーフルオロアルキル」とは、あらゆる水素原子がフッ素原子で置き換えられているアルキル基を指す。飽和C−Cパーフルオロアルキルの例としては、トリフルオロメチル(CF)、ペンタフルオロエチル(C)、ヘプタフルオロプロピル(C)、ノナフルオロブチル(C)、ウンデカフルオロペンチル(C11)、及びトリデカフルオロヘキシル(C13)が挙げられる。
「アルキレン」とは、それ自体または別の置換分の一部として、別段の明記がない限り、アルキルに由来する2価のラジカルを意味し、例としては、以下に限定されないが、−CHCHCHCH−が挙げられる。典型的には、アルキル(またはアルキレン)基は1〜24個の炭素原子を有するが、10個以下の炭素原子を有する基が好ましい。「低級アルキル」または「低級アルキレン」とは短い鎖のアルキル基またはアルキレン基であり、概して8個以下の炭素原子を有する。「アルケニレン」という用語は、それ自体または別の置換分の一部として、別段の明記がない限り、アルケンに由来する2価のラジカルを意味する。
「ヘテロアルキル」とは、それ自体または他の用語との組合せにおいて、別段の明記がない限り、安定した直鎖もしくは分枝状鎖、またはこれらの組合せを意味し、少なくとも1個の炭素原子及び少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、N、P、Si、及びSからなる群より選択される)を含み、このとき、窒素原子及び硫黄原子は任意選択で酸化されてもよく、窒素ヘテロ原子は任意選択で4級化されてもよい。ヘテロ原子(複数可)(例えば、O、N、P、S、B、As、及びSi)は、ヘテロアルキル基の任意の内部位置に配置される場合もあれば、アルキル基が分子の残部に結合している位置に配置される場合もある。ヘテロアルキルはサイクル化されていない鎖である。例としては、以下に限定されないが、−CH−CH−O−CH、−CH−CH−NH−CH、−CH−CH−N(CH)−CH、−CH−S−CH−CH、−CH−CH、−S(O)−CH、−CH−CH−S(O)−CH、−CH=CH−O−CH、−Si(CH、−CH−CH=N−OCH、−CH=CH−N(CH)−CH、−O−CH、−O−CH−CH、及び−CNが挙げられる。2個または3個までのヘテロ原子が、例えば−CH−NH−OCH及び−CH−O−Si(CHのように連続していてもよい。
「ヘテロアルキレン」とは、それ自体または別の置換分の一部として、別段の明記がない限り、ヘテロアルキルに由来する2価のラジカルを意味し、例としては、以下に限定されないが、−CH−CH−S−CH−CH−及び−CH−S−CH−CH−NH−CH−が挙げられる。ヘテロアルキレン基に関しては、ヘテロ原子は、鎖末端のいずれかまたは両方を占有することもできる(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)。さらに、アルキレン及びヘテロアルキレン連結基に関しては、連結基の式が書かれた方向は、連結基の方向性を意味するものではない。例えば、−C(O)R’−という式は、−C(O)R’−及び−R’C(O)−の両方を表す。上述のように、本明細書において、ヘテロアルキル基は、ヘテロ原子を通じて分子の残部に結合した基、例えば、−C(O)R’、−C(O)NR’、−NR’R’’、−OR’、−SR’、及び/または−SOR’を含む。「ヘテロアルキル」が挙げられ、次に特定のヘテロアルキル基、例えば−NR’R’’などが挙げられる場合、ヘテロアルキル及び−NR’R’’という用語が冗長でも相互排他的でもないことが理解されよう。むしろ、特定のヘテロアルキル基は明快性を加えるために挙げられる。したがって、「ヘテロアルキル」という用語は、本明細書では特定のヘテロアルキル基、例えば−NR’R’’などを除外するものとして解釈されるべきではない。
「シクロアルキル」及び「ヘテロシクロアルキル」とは、それら自体または他の用語と組み合わせて、別段の明記がない限り、それぞれ「アルキル」及び「ヘテロアルキル」のサイクリックバージョンを意味する。シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルは芳香族ではない。加えて、ヘテロシクロアルキルに関しては、ヘテロ原子は、ヘテロサイクルが分子の残部に結合している位置を占有することができる。シクロアルキルの例としては、以下に限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチルなどが挙げられる。ヘテロシクロアルキルの例としては、以下に限定されないが、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニルなどが挙げられる。「シクロアルキレン」及び「ヘテロシクロアルキレン」とは、単体でまたは別の置換分の一部として、それぞれシクロアルキル及びヘテロシクロアルキルに由来する2価のラジカルを意味する。
「ハロ」または「ハロゲン」とは、それ自体または別の置換分の一部として、別段の明記がない限り、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味する。加えて、「ハロアルキル」などの用語はモノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むように意図されている。例えば、「ハロ(C−C)アルキル」という用語は、以下に限定されないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−シクロブチル、3−ブロモプロピルなどを含む。
「アシル」とは、別段の明記がない限り、−C(O)Rを意味し、式中、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールである。
「アリール」とは、別段の明記がない限り、多価不飽和、芳香族の炭化水素置換分を意味し、これは単一の環、または一緒に縮合した(すなわち縮合環アリール)もしくは共有結合した複数の環(好ましくは1〜3つの環)であり得る。縮合環アリールとは、一緒に縮合した複数の環であって、縮合環のうちの少なくとも1つがアリール環である、複数の環を指す。「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1個のヘテロ原子、例えばN、O、またはSを含有するアリール基(または環)であって、窒素及び硫黄原子が任意選択で酸化され、窒素原子(複数可)は任意選択で4級化されている、アリール基(または環)を指す。したがって、「ヘテロアリール」という用語は、縮合環アリール基(すなわち、一緒に縮合した複数の環であって、縮合環のうちの少なくとも1つが複素環式芳香族環である、複数の環を含む。5,6−縮合環ヘテロアリーレンとは、共に縮合した2つの環であって、一方の環が5員であり他方の環が6員であり、少なくとも1つの環がヘテロアリール環である、2つの環を指す。同様に、6,6−縮合環ヘテロアリーレンとは、共に縮合した2つの環であって、一方の環が6員であり他方の環が6員であり、少なくとも1つの環がヘテロアリール環である、2つの環を指す。そして、6,5−縮合環ヘテロアリーレンとは、共に縮合した2つの環であって、一方の環が6員であり他方の環が5員であり、少なくとも1つの環がヘテロアリール環である、2つの環を指す。ヘテロアリール基は、炭素またはヘテロ原子を通じて分子の残部に結合していてもよい。アリール及びヘテロアリールの非限定的な例としては、フェニル、ナフチル、ピロリル、ピラゾリル、ピリダジニル、トリアジニル、ピリミジニル、イミダゾリル、ピラジニル、プリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピリジル、ピリミジル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾイル(benzoxazoyl)、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラン、イソベンゾフラニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾチオフェニル、イソキノリル、キノキサリニル、キノリル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−フェニル−4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンゾイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリル、及び6−キノリルが挙げられる。上述のアリール及びヘテロアリール環系の各々の置換分は、以下に記載の許容される置換分の群から選択される。「アリーレン」及び「ヘテロアリーレン」とは、単独でまたは別の置換分の一部として、それぞれアリール及びヘテロアリールに由来する2価のラジカルを意味する。ヘテロアリール基置換分は、環ヘテロ原子窒素に結合した−O−であり得る。
「縮合環アリール−ヘテロシクロアルキル」は、ヘテロシクロアルキルと縮合したアリールである。「縮合環ヘテロアリール−ヘテロシクロアルキル」は、ヘテロシクロアルキルと縮合したヘテロアリールである。「縮合環ヘテロシクロアルキル−シクロアルキル」は、シクロアルキルと縮合したヘテロシクロアルキルである。「縮合環ヘテロシクロアルキル−ヘテロシクロアルキル」とは、別のヘテロシクロアルキルと縮合したヘテロシクロアルキルである。縮合環アリール−ヘテロシクロアルキル、縮合環ヘテロアリール−ヘテロシクロアルキル、縮合環ヘテロシクロアルキル−シクロアルキル、または縮合環ヘテロシクロアルキル−ヘテロシクロアルキルは、各々独立的に、非置換であっても、本明細書に記載の置換分のうちの1つ以上で置換されてもよい。縮合環アリール−ヘテロシクロアルキル、縮合環ヘテロアリール−ヘテロシクロアルキル、縮合環ヘテロシクロアルキル−シクロアルキル、または縮合環ヘテロシクロアルキル−ヘテロシクロアルキルは、各々独立的に、縮合環の各々のサイズに応じて命名することができる。したがって、例えば、6,5アリール−ヘテロシクロアルキル縮合環は、5員ヘテロシクロアルキルと縮合した6員アリール部分を言い表している。スピロサイクリック環は、隣接した環が単一の原子を介して接続している2つ以上の環である。スピロサイクリック環内の個別の環は同一であっても異なっていてもよい。スピロサイクリック環内の個別の環は置換されても非置換であってもよく、スピロサイクリック環のセット内における他の個別の環とは異なる置換分を有してもよい。スピロサイクリック環内の個別の環において可能な置換分は、スピロサイクリック環の一部でない場合の同じ環において可能な置換分(例えば、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環における置換分)である。スピロサイクリック環は、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキレン、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、または置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキレンとすることができ、スピロサイクリック環群内の個別の環は直前のリストのいずれであってもよく、全ての環が1つのタイプである場合(例えば、全ての環が置換ヘテロシクロアルキレンであり、各環が同じまたは異なる置換ヘテロシクロアルキレンであり得る場合)も含まれる。スピロサイクリック環系に言及する場合、スピロサイクリック環とは、少なくとも1つの環がヘテロサイクリック環であり、かつ各環が異なる環であってもよい、スピロサイクリック環を意味する。スピロサイクリック環系に言及する場合、置換スピロサイクリック環とは、少なくとも1つの環が置換され、各置換分が任意選択で異なっていてもよいことを意味する。
本明細書において、「オキソ」という用語は炭素原子と二重結合している酸素を意味する。
上の用語の各々(例えば、「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」、及び「ヘテロアリール」)は、指示されたラジカルの置換形態及び非置換形態の両方を含む。各タイプのラジカルについての好ましい置換分を以下に示す。
アルキル及びヘテロアルキルラジカルの置換分(しばしばアルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、及びヘテロシクロアルケニルと呼ばれる基を含む)は、以下に限定されないが、ゼロから(2m’+1)までを範囲とする数(m’は、このようなラジカルの炭素原子の総数である)において、−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−NRSOR’、−NR’NR’’R’’’、−ONR’R’’、−NR’C=(O)NR’’NR’’’R’’’’、−CN、−NO、−NR’SOR’’、−NR’C=(O)R’’、−NR’C(O)−OR’’、−NR’OR’’から選択される様々な基のうちの1つ以上であり得る。R、R’、R’’、R’’’、及びR’’’’とは、各々好ましくは独立的に、水素、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール(例えば、1〜3個のハロゲンで置換されたアリール)、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のアルキル、アルコキシ、もしくはチオアルコキシ基、またはアリールアルキル基を指す。例えば、活性薬剤が2つ以上のR基を含む場合、各R基は独立的に各R’、R’’、R’’’、及びR’’’’として選択される(これらの基のうちの2つ以上が存在する場合)。R’及びR’’が同じ窒素原子に結合している場合、これらは窒素原子と組み合わされて4、5、6、または7員環を形成することができる。例えば、−NR’R’’には、以下に限定されないが、1−ピロリジニル及び4−モルホリニルが含まれる。置換分における上記の考察から、当業者は、「アルキル」という用語が、水素基以外の基に結合した炭素原子を含む基、例えば、ハロアルキル(例えば、−CF及び−CHCF)及びアシル(例えば、−C(O)CH、−C(O)CF、−C(O)CHOCHなど)を含むように意図されていることを理解するであろう。
アルキルラジカルについて記載した置換分、アリール及びヘテロアリール基についての置換分は様々であり、例えば、ゼロから芳香族系上の空いている原子価の総数までを範囲とする数において、−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、− NRSOR’、−NR’NR’’R’’’、−ONR’R’’、−NR’C=(O)NR’’NR’’’R’’’’、−CN、−NO、−R’、−N、−CH(Ph)、フルオロ(C−C)アルコキシ、及びフルオロ(C−C)アルキル、−NR’SOR’’、−NR’C=(O)R’’、−NR’C(O)−OR’’、−NR’OR’’から選択され、式中、R’、R’’、R’’’、及びR’’’’は、好ましくは独立的に、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のアリール、及び置換または非置換のヘテロアリールから選択される。例えば、活性薬剤が2つ以上のR基を含む場合、各R基は独立的に各R’、R’’、R’’’、及びR’’’’として選択される(これらの基のうちの2つ以上が存在する場合)。
環における置換分(例えば、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレン)は、環の特定の原子上の置換分としてではなく環上の置換分として示されてもよい(一般的には浮動置換分(floating substituent)と呼ばれる)。このような場合には、置換分は(化学的原子価の規則に従って)環原子のいずれに接続してもよく、縮合環またはスピロサイクリック環の場合には、縮合環またはスピロサイクリック環のうちの1員に結びつくものとして示される置換分(単一環上の浮動置換分)は、縮合環またはスピロサイクリック環のいずれかにおける置換分とすることができる。置換分が環に接続しているが特定の原子に接続しているわけではなく(浮動置換分)、置換分に対する下付き文字が1よりも大きい整数である場合、複数の置換分は同じ原子、同じ環、異なる原子、異なる縮合環、異なるスピロサイクリック環上にあってもよく、各置換分は任意選択で異なっていてもよい。分子残部に対する環の接続点が単一の原子に限定されない(浮動置換分)場合、接続点は環における任意の原子とすることができ、縮合環またはスピロサイクリック環の場合には、接続点は、化学的原子価の規則に従いながら縮合環またはスピロサイクリック環のいずれかの任意の原子とすることができる。環、縮合環、またはスピロサイクリック環が1個以上のヘテロ原子を含有し、かつ環、縮合環、またはスピロサイクリック環が1つ以上の浮動置換分(以下に限定されないが、分子残部に対する接続点を含む)と共に示される場合、浮動置換分はヘテロ原子と結合していてもよい。浮動置換分を有する構造または式において、環ヘテロ原子が1つ以上の水素と結合している(例えば、環原子との2つの結合と水素との第3の結合を有する環窒素)ことが示されている場合において、ヘテロ原子が浮動置換分と結合するとき、置換分は、化学的原子価の規則に従いながら水素を置き換えているものと理解される。
2つ以上の置換分は、任意選択で連結して、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキル基を形成することができる。このようないわゆる環形成置換分は、典型的には、必ずしもそうとは限らないが、サイクリック塩基構造に接続することが見いだされている。一実施形態において、環形成置換分は塩基構造の隣接する員に接続している。例えば、サイクリック塩基構造の隣接する員に接続した2つの環形成置換分は、縮合環構造を形成する。別の実施形態において、環形成置換分は塩基構造の単一の員に結合している。例えば、サイクリック塩基構造の単一の員に接続した2つの環形成置換分は、スピロサイクリック構造を形成する。また別の実施形態において、環形成置換分は塩基構造の隣接していない員に結合している。
アリールまたはヘテロアリール環の隣接原子上にある2つの置換分は、任意選択で式−T−C(O)−(CRR’)−U−(式中、T及びUは独立的に−NR−、−O−、−CRR’−、または単結合であり、qは0〜3の整数である)の環を形成することができる。代替的に、アリールまたはヘテロアリール環の隣接原子上にある置換分のうちの2つは、任意選択で式−A−(CH−B−(式中、A及びBは独立的に−CRR’−、−O−、−NR−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NR’−、または単結合であり、rは1〜4の整数である)の置換分で置き換えることができる。このように形成された新たな環の単結合の1つは、任意選択で、二重結合で置き換えることができる。代替的に、アリールまたはヘテロアリール環の隣接原子上にある置換分のうちの2つは、任意選択で式−(CRR’)−X’−(C’’R’’R’’’)−(式中、s及びdは独立的に0〜3の整数であり、X’は−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、または−S(O)NR’−である)の置換分で置き換えることができる。置換分R、R’、R’’及びR’’’は、好ましくは、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、及び置換もしくは非置換ヘテロアリールから独立的に選択される。
本明細書において、「ヘテロ原子」または「環ヘテロ原子」という用語は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、リン(P)、ホウ素(B)、ヒ素(As)、及びケイ素(Si)を含むように意図されている。
本明細書において、「置換分」もしくは「置換基」または「置換(されている)」という用語(例えば、「置換」アルキル、「置換」ヘテロシクロアルキル、「置換」ヘテロアリール)は、以下に挙げる部分から選択される基を意味する:(A)オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOCl、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、ならびに(B)以下から選択される少なくとも1つの置換分で置換されたアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリール:(i)オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOCl、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、ならびに(ii)以下から選択される少なくとも1つの置換分で置換されたアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリール:(a)オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOCl、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、ならびに(b)以下から選択される少なくとも1つの置換分で置換されたアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール:オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOCl、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル,非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、及び非置換ヘテロアリール。
本明細書において、「サイズ制限置換分」または「サイズ制限置換基」とは、「置換基」に関して上述された全ての置換分から選択される基を意味し、各々の置換または非置換のアルキルは置換または非置換のC−C20アルキルであり、各々の置換または非置換のヘテロアルキルは置換または非置換の2〜20員ヘテロアルキルであり、各々の置換または非置換のシクロアルキルは置換または非置換C−Cシクロアルキルであり、各々の置換または非置換のヘテロシクロアルキルは置換または非置換の3〜8員ヘテロシクロアルキルであり、各々の置換または非置換のアリールは置換または非置換のC−C10アリールであり、各々の置換または非置換のヘテロアリールは置換または非置換の5〜10員ヘテロアリールである。
本明細書において「低級置換分」または「低級置換基」とは、「置換基」に関して上述された全ての置換分から選択される基を意味し、各々の置換または非置換のアルキルは置換または非置換のC−Cアルキルであり、各々の置換または非置換のヘテロアルキルは置換または非置換の2〜8員ヘテロアルキルであり、各々の置換または非置換のシクロアルキルは置換または非置換のC−Cシクロアルキルであり、各々の置換または非置換のヘテロシクロアルキルは置換または非置換の3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、各々の置換または非置換のアリールは置換または非置換のC−C10アリールであり、各々の置換または非置換のヘテロアリールは置換または非置換の5〜9員ヘテロアリールである。
いくつかの実施形態において、本明細書の活性薬剤において記載されている各々の置換された基は、少なくとも1つの置換基で置換されている。より具体的には、いくつかの実施形態において、本明細書の活性薬剤において記載されている各々の置換アルキル、置換へテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アルキレン、置換ヘテロアルキレン、置換シクロアルキレン、置換ヘテロシクロアルキレン、置換アリーレン、及び/または置換ヘテロアリーレンは、少なくとも1つの置換基で置換されている。他の実施形態において、これらの基の少なくとも1つまたは全ては、少なくとも1つのサイズ制限置換基で置換されている。他の実施形態において、これらの基の少なくとも1つまたは全ては、少なくとも1つの低級置換基で置換されている。
諸実施形態において、置換部分(例えば、置換アルキル、置換へテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アルキレン、置換ヘテロアルキレン、置換シクロアルキレン、置換ヘテロシクロアルキレン、置換アリーレン、及び/または置換ヘテロアリーレン)は少なくとも1つの置換基で置換されており、このとき、置換部分が複数の置換基で置換されている場合、各置換基は任意選択で異なっていてもよい。諸実施形態において、置換部分が複数の置換基で置換されている場合、各置換基は異なる。
諸実施形態において、置換部分(例えば、置換アルキル、置換へテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アルキレン、置換ヘテロアルキレン、置換シクロアルキレン、置換ヘテロシクロアルキレン、置換アリーレン、及び/または置換ヘテロアリーレン)は少なくとも1つのサイズ制限置換基で置換されており、このとき、置換部分が複数のサイズ制限置換基で置換されている場合、各サイズ制限置換基は任意選択で異なっていてもよい。諸実施形態において、置換部分が複数のサイズ制限置換基で置換されている場合、各サイズ制限置換基は異なる。
諸実施形態において、置換部分(例えば、置換アルキル、置換へテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アルキレン、置換ヘテロアルキレン、置換シクロアルキレン、置換ヘテロシクロアルキレン、置換アリーレン、及び/または置換ヘテロアリーレン)は少なくとも1つの低級置換基で置換されており、このとき、置換部分が複数の低級置換基で置換されている場合、各低級置換基は任意選択で異なっていてもよい。諸実施形態において、置換部分が複数の低級置換基で置換されている場合、各低級置換基は異なる。
諸実施形態において、置換部分(例えば、置換アルキル、置換へテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アルキレン、置換ヘテロアルキレン、置換シクロアルキレン、置換ヘテロシクロアルキレン、置換アリーレン、及び/または置換ヘテロアリーレン)は少なくとも1つの置換基、サイズ制限置換基、または低級置換基で置換されており、このとき、置換部分が、置換基、サイズ制限置換基、低級置換基から選択される複数の基で置換されている場合、各々の置換基、サイズ制限置換基、及び/または低級置換基は任意選択で異なっていてもよい。諸実施形態において、置換部分が、置換基、サイズ制限置換基、及び低級置換基から選択される複数の基で置換されている場合、各々の置換基、サイズ制限置換基、及び/または低級置換基は異なる。
本明細書の活性薬剤の他の実施形態において、各々の置換もしくは非置換のアルキルは置換もしくは非置換のC−C20アルキルであってもよく、各々の置換もしくは非置換のヘテロアルキルは置換もしくは非置換の2〜20員ヘテロアルキルであり、各々の置換もしくは非置換のシクロアルキルは置換もしくは非置換のC−Cシクロアルキルであり、各々の置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルは置換もしくは非置換の3〜8員ヘテロシクロアルキルであり、各々の置換もしくは非置換のアリールは置換もしくは非置換のC−C10アリールであり、及び/または各々の置換もしくは非置換のヘテロアリールは置換もしくは非置換の5〜10員ヘテロアリールである。本明細書の活性薬剤のいくつかの実施形態において、各々の置換もしくは非置換のアルキレンは置換もしくは非置換のC−C20アルキレンであり、各々の置換もしくは非置換のヘテロアルキレンは置換もしくは非置換の2〜20員ヘテロアルキレンであり、各々の置換もしくは非置換のシクロアルキレンは置換もしくは非置換のC−Cシクロアルキレンであり、各々の置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキレンは置換もしくは非置換の3〜8員ヘテロシクロアルキレンであり、各々の置換もしくは非置換のアリーレンは置換もしくは非置換のC−C10アリーレンであり、及び/または各々の置換もしくは非置換のヘテロアリーレンは置換もしくは非置換の5〜10員ヘテロアリーレンである。
いくつかの実施形態において、各々の置換もしくは非置換のアルキルは置換もしくは非置換のC−Cアルキルであり、各々の置換もしくは非置換のヘテロアルキルは置換もしくは非置換の2〜8員ヘテロアルキルであり、各々の置換もしくは非置換のシクロアルキルは置換もしくは非置換のC−Cシクロアルキルであり、各々の置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルは置換もしくは非置換の3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、各々の置換もしくは非置換のアリールは置換もしくは非置換のC−C10アリールであり、及び/または各々の置換もしくは非置換のヘテロアリールは置換もしくは非置換の5〜9員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、各々の置換もしくは非置換のアルキレンは置換もしくは非置換のC−Cアルキレンであり、各々の置換もしくは非置換のヘテロアルキレンは置換もしくは非置換の2〜8員ヘテロアルキレンであり、各々の置換もしくは非置換のシクロアルキレンは置換もしくは非置換のC−Cシクロアルキレンであり、各々の置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキレンは置換もしくは非置換の3〜7員ヘテロシクロアルキレンであり、各々の置換もしくは非置換のアリーレンは置換もしくは非置換のC−C10アリーレンであり、及び/または各々の置換もしくは非置換のヘテロアリーレンは置換もしくは非置換の5〜9員ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、活性薬剤は、後述の実施例セクション、図、または表に記載の化学種である。
本明細書に記載のあるいくつかの活性薬剤は、不斉炭素原子(光学的もしくはキラル中心)または二重結合を有し、鏡像異性体、ラセミ体、ジアステレオマー、互変異性体、幾何学的異性体、絶対的立体化学の観点からアミノ酸において(R)−もしくは(S)−として、または(D)−もしくは(L)として定義され得る立体異性体形態、及び個別の異性体は、本開示の範囲内に含まれる。本開示は、ラセミ形態及び光学的に純粋な形態の活性薬剤を含む。光学的に活性の(R)−及び(S)−、または(D)−及び(L)−異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を用いて調製することができ、あるいは従来の技法を用いて分解することもできる。本明細書に記載の活性薬剤がオレフィン結合または他の幾何学的不斉中心を含有する場合、別段の指定がない限り、活性薬剤がE及びZの幾何学的異性体を含むことが意図されている。
本明細書において「互変異性体」という用語は、2つ以上の構造的異性体であって、平衡状態で存在し、ある異性体形態から別の形態に容易に変換される2つ以上の構造的異性体のうちの1つを指す。当業者にとっては、あるいくつかの活性薬剤が互変異性体形態で存在し得、活性薬剤における全てのこのような互変異性体形態が本開示の範囲内にあるということは明らかであろう。
記号「−」は、化学的部分の分子または化学式の残部との結合点を示す。
活性薬剤の記載は、当業者に公知の化学結合の原理によって制限される。したがって、1つの基が複数の置換分のうちの1つ以上によって置換され得る場合、このような置換は、化学結合の原理に従うように、そして本質的に不安定ではなく、及び/または、周囲条件下(例えば、水性、中性、及びいくつかの既知の生理的条件下)で不安定であり得ることが当業者に知られているであろう活性薬剤をもたらすように、選択される。例えば、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールは、当業者に知られている化学結合の原理に従って、環ヘテロ原子を介して分子の残部に結合させ、これにより本質的に不安定な活性薬剤を回避している。
以下の実施例は例示を目的としており、本開示または請求項の趣旨または範囲を限定するように意図されていない。
ドライアイの分泌促進療法における魅力的な標的はCFTR(嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子)である。これは、角膜及び結膜上皮細胞に、さらに目以外の様々な分泌上皮に発現するcAMP制御性クロライドチャネルである。(参考文献4〜11)眼球表面におけるCFTRは、腸内と同様、通常の条件下ではほとんど不活性であるが、ひとたび活性化されると、コレラのような分泌性下痢の腸内と同様、眼球表面における液の分泌を駆動することができる。(参考文献12、13)CFTR活性化は眼球表面を覆う上皮細胞による液分泌を駆動するため、涙液の増大には機能的な涙腺またはマイボーム腺を必要としない。
発明者らは、高スループットスクリーニングにより、野生型CFTRの小分子活性化物質のアミノフェニル−1,3,5−トリアジンクラスを同定した。スクリーニングからの化合物である化合物Aは、細胞培養物中で約250nMのEC50でCFTRを完全に活性化し、マウスに局所送達したところ4時間の間涙体積を倍増した。(参考文献14)マウス涙腺切除モデルにおいて、化合物Cの1日3回投与により、涙体積を正常化し、角膜上皮破損を防止し、ドライアイの発生後に投与したときに病態を元に戻しさえした。最近の医薬品化学の研究では、化合物Cは、25ピコモルの局所投与後、約30nMのEC50でCFTRを完全に活性化し、8時間の間マウスにおける涙体積を持続的に増加させた。(参考文献15)化合物AはCFTR欠損マウスでは効果を伴わず、肝臓によって迅速に代謝された。これは、全身曝露を最小化するためには望ましい特性である。
体重2〜3kgのニュージーランドホワイト系ウサギ(Western Oregon Rabbit Co.,Philomath,OR)メス成体合計24匹を本試験で使用した。実験前にウサギを3日間順化し、標準的な実験室条件下で飼育した。ウサギのプロトコルは、UCSF Institutional Animal Care and Use Committeeの承認を受け、ARVO Statement for the Use of Animals in Ophthalmic and Vision Researchに従って行った。
化学物質及び製剤
参考文献15に記載のように、塩基条件下での塩化シアヌルとメチルアミン、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、及びアニリンとのステップワイズ置換反応によって化合物Aを合成し、フラッシュクロマトグラフィー(1:2の酢酸エチル:ヘキサン)により>95%まで精製した。化合物Aを10mMジメチルスルホキシド(DMSO)ストック溶液として調製した。眼用製剤は、pH7.40における0.3%カルボキシメチルセルロース(CMC(高粘度)(VWR,Radnor,PA))と0.015%塩化ベンザルコニウム(BAC)保存料と1% DMSOとを含有する0.22μm濾過リンゲル液を含有した。一部の試験では高濃度のCMC(0.665%)を使用して粘度を増加させた。
眼球表面電位差の測定
マウスで確立された手順を修正した手順を用いて、麻酔下ウサギにおける眼球表面の開回路経上皮電位差(PD(mV))を継続的に測定した。(参考文献8)ウサギに挿管しイソフルランで麻酔をかけ、呼吸数、血圧、及び体温をモニターした。PD記録については、重力マルチリザーバーピンチバルブシステム(ALA Scientific,Westbury,NY)及び可変流蠕動ポンプ(媒体流モデル;Thermo Fisher Scientific,Fair Lawn,NJ)を用いて、溶液(下記参照)を、PE−90プラスチックチューブを介し10mL/分で連続的に灌流した。プローブカテーテルを調整可能な定位フレーム上に固定し、チップを溶液に浸漬して眼球表面に接触させた。液流出を伴わずに角膜、眼球結膜、及び眼瞼結膜と接触した灌流体積をほぼ一定に維持するため、眼窩から3mmに配置した1/8インチのチューブ(内径3/32インチ)を用いて、継続的吸込(低出力壁バキューム)により過剰な液を吸引した。測定電極を灌流カテーテルに接触させ、高インピーダンス電圧計(IsoMilivolt Meter;World Precision Instruments,Sarasota,FL)に接続した。参照電極は、生理食塩水で満たした25ゲージの翼状針を用いて腹部に皮下挿入して接地した。測定電極及び参照電極は、3M KCl寒天橋を伴うAg/AgClからなった。
溶液は、i)規定Cl溶液(mM):99NaCl、24KCl、32NaHCO、1.0NaHPO、0.6MgCl、0.8CaCl;ii)規定Cl溶液及びアミロライド(100μM);iii)低濃度Cl溶液及びアミロライド(NaClをグルコン酸Naで置き換え、KClをグルコン酸Kで置き換えたもの);iv)低濃度Cl+アミロライド+化合物A(1μM);v)低濃度Cl+アミロライド+化合物A(10μM);vi)低濃度Cl+アミロライド+化合物A(10μM)+フォルスコリン(FSK、20μM);vii)低濃度Cl+アミロライド+FSK+化合物A(10μM)+CFTRinh−172(3−[(3−トリフルオロメチル)フェニル]−5−[(4−カルボキシフェニル)メチレン]−2−チオキソ−4−チアゾリジノン;10μM)からなるものであった。溶液は7.4のpHでウサギ涙膜(302mOsm)と等モルとした。全ての溶液は、プロスタグランジンによるCFTR活性化を防止するため10μMのインドメタシンを含有した。
短絡回路測定
短絡回路電流は、修正を伴った記載16の通りに単離直後のウサギ結膜内で測定した。ウサギは、耳辺縁静脈に150mg/kg euthasolを注射することにより安楽死させた。結膜上皮の完全性を保持するため、眼球全体を無傷の眼瞼と共に眼窩から取り出した。10分以内に円蓋部及び眼瞼結膜のシートを切開し、P2304組織スライダー(Physiologic Instruments,San Diego,CA)に載せ、Ussingチャンバーに入れた。頂端及び側底のチャンバーは以下を含有した(mM): 120NaCl、3KCl、1CaCl、1MgCl、10グルコース、25NaHCO、及び5HEPES(pH7.4)。溶液を95% O/5% COで通気し37℃に維持した。Ag/AgCl電極及び3M KCl寒天橋を介しヘミチャンバーをDVC−1000電圧クランプ(World Precision Instruments Inc.,Sarasota,FL)に接続した。
シルマー涙試験II
麻酔下シルマー涙試験(STT,Eagle Vision,Memphis TN)を用いて涙液産生を測定した。流涙反射を最小化するため、0.5%プロパラカイン塩酸塩(Akorn,Lake Forest,IL)1滴を角膜表面に投与し、過剰な液はアイスピアスポンジ(Fine Science Tools,Foster City,CA)を用いて内眼角で吸収した。5分後、ノッチ付きストリップを円蓋部結膜の下外側に挿入し、外側角膜との接触を維持した。5分後に青色色素外観により示されるストリップの濡れた長さ(mm)を読み取った。
薬物力学
結膜嚢に化合物A製剤(もしくはビヒクル単独)の1つの30μL液滴を適用する前と、適用してから1、3、6、9、12、及び24時間後とに連続的STT測定を行った。所与の処置の対側効果の潜在可能性を制御するため、両方の目に同じ処置を行った。
薬物動態及び組織分布
化合物Aを、単回の3nmol局所用量から15分、1時間、2時間、6時間、及び24時間後における液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)により定量化した。指示時間に化合物Aを回収するため、50μLガラス毛細管を用いて、手動による眼瞼瞬目の後、外眼角及び内眼角から回収した溶液に対し30μL無菌PBSの眼洗浄を3回行った。プールした洗浄液を3倍体積の酢酸エチルで希釈し、13,000rpmで15分間遠心処理し、収集した上清をLC/MS(Waters 2695 HPLC及びMicromass ZQ)により分析した。14LCはXterra MS C18カラム(2.1mm×100mm、3.5μm)上で0.2mL/分の水/0.1%ギ酸含有アセトニトリル、12分の直線勾配、5−95%アセトニトリルにより行った。
慢性処置試験では、化合物A(3nmol、または製剤対照)を1日2回(午前8時及び午後4時)28日間投与した。2mLの血液を耳辺縁静脈からEDTAチューブに収集した。次いで150mg/kg euthasolを用いてウサギに麻酔をかけ、眼組織、血清、及び周辺器官を収集した。外科用顕微鏡を用いて、150μLの房水を、周辺角膜を介し25ゲージ針を用いて収集し、300μLの硝子体液を、扁平部を介し23ゲージ針を用いて吸引した。ヘパリン処理したリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を経心灌流した後、目を無傷の眼瞼と共に摘出し、両目の角膜、虹彩/毛様体、水晶体、眼球、円蓋部及び眼瞼結膜、ならびに網膜を切除し、秤量し、水:酢酸エチルの1:4混合液中でホモジナイズし(10mL/1g組織)、遠心処理した(3000rpmで15分間)。血漿、水性試料、及び硝子体試料をそれぞれ3倍体積の酢酸エチルと混合し、13,200rpmで15分間遠心処理し、上清を蒸発させ、LC/MS分析用にHPLC溶離剤(1:3の水:0.1%ギ酸含有アセトニトリル100μL)に再溶解した。また、脳、腎臓、心臓、及び肝臓を取り出し、秤量し、水:酢酸エチルの1:4混合液と混合し(10mL/1g組織)、ホモジナイズした。ホモジナイズした試料をボルテックスし遠心処理し(3000rpmで15分間)、酢酸エチル含有上清を蒸発させ、次いでLC/MS分析用にHPLC溶離剤に再溶解した。化合物Aの検出下限は約0.2pg/mgホモジナイズ組織または生体液であり、これをシグナル対ノイズ比>3をもたらすものとして定義した。
臨床検査
慢性処置試験では、目の処置を上述のように1日2回28日間行った。STT、眼内圧(IOP)、及び中心角膜厚を第0日、第7日、第14日、第21日、及び第28日に測定した。スリットランプ検査は、第0日、第14日、及び第28日に、処置状態を知らされていない委員会認定の眼科医が実施した。STTはその日の最初の処置から1時間後(午前9時)に行った。IOPはTonolab反跳式眼圧計(Colonial Medical Supply,Windham,NH)により測定した。中心角膜厚はCorneo−Gage Plus 2パキメーター(Sonogage Inc.,Cleveland,OH)を用いて測定した。スリットランプ検査については、リサミングリーンストリップ(GreenGlo,HUB Pharmaceuticals LLC,Rancho Cucamonga,CA)を25mLの潤滑性点眼薬で濡らし、次いで下円蓋部に穏やかに適用した。1分後、目の写真をデジタルカメラで撮影し、記載の通りに1712点尺度に従って染色を評価した。角膜の各四分円を3点尺度に基づいて盲検的様式で次のようにスコア化した:グレード0(染色なし);グレード1(まばらな染色(表面全体の25%未満を含む));グレード2(点状に広がった染色(25〜75%));及びグレード3(点状の染色が合体している(≧75%))。グレードの合計は、4つの四分円全てからのスコアの和として報告され、0〜12を範囲とする。結膜充血、結膜浮腫、眼脂、角膜の濁りもしくは血管新生、前房細胞反応もしくは前房フレア、虹彩の血管新生、水晶体不透明化、または赤色反射の消失を、それぞれ、4点尺度(ゼロが正常)に基づいた修正版McDonald‐Shadduck尺度を用いて評価した。
組織診断
慢性的に処置した目のサブセットを、PBS、次いで4%パラホルムアルデヒドによる経心灌流の後、無傷の眼瞼と共に摘出し、30%スクロース中4℃で一晩放置した。目をOCTに包埋し、中心角膜、後極、及び上下の円蓋部/眼瞼を通るように切開した。凍結切片(8μm厚さ)を、標準的なプロトコルを用いてヘマトキシリン・エオシン(H&E)で染色した。
統計
データを平均±S.E.M.として提示する。GraphPad Prismソフトウェア(GraphPad,San Diego,CA)を用いて統計分析を実施した。2方向ANOVA及びダネット事後分析により、連続的涙体積測定、IOP、及び角膜厚を分析した。
結果
化合物Aはウサギ眼球表面のCFTRクロライドコンダクタンスを活性化する。
in vivoのウサギの眼球表面における化合物Aの活性を、当初マウスで開発された開回路電位差(PD)法を用いて測定した。本方法は、図1Aに例示されているように、高インピーダンス電圧計を用いてPDを継続的に測定する間、一連の溶液を用いた眼球表面の灌流を伴う。最初に測定した平均絶対PDは−14±1mV(平均±S.E.M.、目の個数n=16)であった。図2Aにおける代表的なPD曲線は、CFTRを最大に活性化するための、ENaC阻害剤アミロライドを添加した後の最初の脱分極と、化合物Aを含まない低濃度Cl溶液、次いで化合物Aを含む低濃度Cl溶液、次いで高濃度のcAMPアゴニストフォルスコリンで灌流した後の過分極とを示している。CFTR阻害剤CFTRinh−172は最終灌流溶液中に存在した。化合物Aによって実質的な脱分極がもたらされた。この脱分極は、フォルスコリンによってさらに最小限に増加し、CFTRinh−172によって大きく反転した。16個の目に行った測定から得られたPDの平均的変化を図2Bに概括する。これらの結果はウサギ眼球表面における化合物AによるCFTRの活性化を確証するものである。ただし、PD値がCFTR機能に関して非線形的であるため、そして眼球表面全体に対する灌流液の接触の程度及び眼球表面細胞内の化合物蓄積の程度が不確実であるため、眼球表面のPDデータは半定量的であるとみなすべきである。
別個の電気生理学的試験において、ex vivoの単離直後結膜におけるCFTR活性化を短絡回路分析により測定した。図2Cにおける代表的な曲線は、低濃度のフォルスコリン(25nM)の添加に応答した際の電流の小さな増加を示し、これは、化合物A 1μM、次いで10μMの添加によりさらに増加した。最大CFTR活性化は高濃度のフォルスコリンによりもたらされた。短絡回路電流の増加はCFTRinh−172によって阻害された。アミロライド(10μM)は短絡回路電流に影響を及ぼさなかった(示されず)。短絡回路電流の平均的変化を図2Dに概括する。これらのex vivo結果は、結膜上皮における化合物AのCFTR活性化を確証するものであり、1μM対10μMの化合物Aにおけるデータは明らかなEC50<1μMを示している。
化合物Aの薬物力学
ウサギの涙液産生を増大する化合物Aの効果を試験した。先行研究により、化合物Aを安定的に可溶化しマウスに局所送達する際に有効な製剤が同定されている(0.015% BAC及び1% DMSOを含有するリンゲル液中0.325% CMC)。15化合物A 3nmolを単回適用(10μLの100μM溶液)することで、涙体積はビヒクルと比較して少なくとも9時間の間約60%増加した(図3A)。用量依存試験からは、化合物A 1.5nmolの場合、化合物A 6nmolと活性は同様であるものの活性の持続期間は低減することが示され、化合物A 0.75nmolの場合、涙液産生の有意な増加は示されなかった(図3B)。化合物Aの眼球表面滞留時間を潜在的に増加させるために、化合物A 3nmolを(0.3%の代わりに)0.625% CMCを含有する粘性のより高い製剤で送達した場合、化合物の効果は変化しなかった(図3C)。
化合物Aの薬物動態
涙液の薬物動態を、化合物A 3nmolの単回局所用量後の指定された時間に行った3回の目洗浄で回収した材料のLC/MS分析により測定した。図4Aは元のLC/MSデータと、回収した化合物Aの量を推測する元となる標準曲線とを示している。図4Bは、涙液から回収した化合物Aにおける指数関数に近似した減少を示している(黒丸、左軸)。図2AにおけるSTT測定から推測される涙体積を用いて、涙液中で対応する化合物濃度(白丸、右縦軸)を推定した。これらの結果は、化合物Aが、3nmol用量の投与から少なくとも数時間の間、涙液中で予測される治療濃度で保たれるという結論を支持するものである。
慢性投与試験
化合物Aの反復局所送達(3nmol、1日2回28日間)により、タキフィラキシーを伴わず持続的様式で涙体積が増大した(図5A)。ビヒクル及び化合物Aで処置した目を比較したところ、IOP(図5B)にも中心角膜厚(図5C)にも有意差は見られなかった。局所投与後の明らかな急性的眼球刺激作用は観察されなかった。これは、過度の瞬目も挙動の変化もなかったことにより立証される。スリットランプ評価からは、結膜充血、前房炎症、または水晶体不透明化の根拠は示されなかった。リサミングリーン染色からは、ビヒクル及び化合物Aで処置した目における眼球表面の損傷は示されなかった(図6A)。組織診断からは、第28日における角膜または結膜の病理学的変化は示されず(図6E)、水晶体、毛様体、または網膜についても同様であった(示されず)。
慢性処置後、化合物Aは、血液、心臓、脳、肝臓及び腎臓においてLC/MSによれば検出限界未満であった(図7A及び7B)。これは、in vitroミクロソーム安定性測定値から推測される化合物Aの迅速な予測肝臓代謝を考慮すると、予想通りの最小限の全身曝露を示すものである。参考文献15。眼球組織では、LC/MS分析により角膜>結膜>>網膜の順で化合物Aが示され、水性液及び硝子体液、水晶体、ならびに虹彩/毛様体におけるレベルは検出限界付近またはそれ未満であった。網膜のレベルは低いものの測定可能であった(化合物A 10nM未満に相当)。これは、化合物Aが硝子体中で検出されなかったことから、経強膜輸送に起因するものと考えられる。
考察
機能的データからは、化合物Aに曝露した後のウサギ眼球表面におけるCFTRクロライドチャネルの迅速で長期的な活性化が示された。化合物A 3nmolの単回局所用量は、少なくとも9時間の涙分泌の実質的かつ持続的な増加をもたらした。この用量は、ヒトのドライアイに換算した場合、1日1回または2回の投薬で治療効果が得られると考えられる。9時間にわたる涙液産生の持続的増大(STTによれば平均5.3mm)は、報告されているSTT湿潤性と体積との関係を用いると、涙液体積の2.7μLの増加に対応する。参考文献18。
先行研究からは、ナノモル効力を伴い、総細胞cAMPの検出可能な上昇を伴わない化合物AによるCFTR活性化が示されている。(参考文献15)。CFTR欠損マウスにおける化合物A効果の不在は、眼球表面におけるCFTR依存的作用を支持するものである。ここでのウサギにおける薬物力学試験及び薬物動態試験からは、涙液中の化合物Aの予測治療濃度による涙液産生の持続的上昇が示された。1日2回28日間の投薬による慢性投与試験により、眼球組織において、主に角膜>結膜>>網膜の順で化合物Aの蓄積が明らかになり、水性液及び硝子体液、ならびに血液及び末梢組織では検出限界未満のレベルが明らかになった。眼球表面、角膜、及び水晶体のin vivo検査、眼内圧及び角膜厚の測定、ならびに眼球組織診断による評価では、眼球毒性は観察されなかった。これらの知見は共に、ドライアイ障害向けの化合物Aの開発を支持するものである。
ここで使用した電位差測定法は、当初はマウス眼球表面のイオンチャネルの研究のために開発されたものである(参考文献8、19)が、嚢胞性線維症におけるCFTR機能の研究のために数十年間使用されてきた鼻電位差測定が動機となった。参考文献20。単離した角膜または結膜における短絡回路電流測定とは異なり16,21、眼球表面PD測定は、眼球表面の解剖学的構造及び生理機能が保存されたネイティブ環境におけるCFTR機能に関する情報をもたらす。このようなネイティブ環境は、角膜及び結膜の輸送性質が不均一であること(参考文献19、22〜24)、また組織切除後に基底環状ヌクレオチドレベルが変化する可能性があることにより、重要である。ここでのウサギにおけるPD結果からは、化合物Aへの曝露から数分以内の眼球表面における迅速なCFTR活性化が最大効果で示された。眼球表面PDの測定値は、単純でありシグナル対ノイズが良好であることから、イオンチャネルを標的とする薬物候補の代理的機能アッセイとしてヒトに対し換算可能であると考えられる。
化合物Aによりもたらされる、タキフィラキシーを伴わない眼球表面における実質的かつ持続的なCFTR活性化は、気道及び腸で広く研究されているCFTRにおける既知の生物学と一致する。(参考文献10、25、26)ドライアイに対する代替的な分泌促進戦略は、結膜上皮、ムチン細胞、及び涙腺に発現すると考えられているカルシウム活性化クロライドチャネルの薬理学的活性化である。(参考文献21、27)上皮P2Y受容体及び下流カルシウムシグナリングを活性化するUTP類似体ジクアホソールは、日本ではドライアイに対し承認されているが、米国での第III相試験では効果を示さなかった(参考文献28)。これはおそらく、P2Yアゴニストにより生じる一過性に過ぎないカルシウム上昇と結果としてのクロライドチャネル活性化によるものである。涙液を増加させるためのもう1つの分泌促進戦略は、ENaCナトリウムチャネルの阻害による抗吸収療法である。第I/IIa相試験では、ENaC阻害剤P321が軽度から中等度のドライアイを有する患者に忍容性及び安全性が示されており(参考文献29)、第II相試験が進行中である。理論的モデリングは、涙液を増加させるための抗吸収アプローチの効果を、分泌促進アプローチよりも低い効果としてではあるが支持している。また、モデリングは抗吸収薬及び分泌促進薬の相加的作用も支持している。(参考文献19)発明者らは、分泌促進薬または抗吸収薬がドライアイの病因の異なる機序を標的としていることから、これらが抗炎症薬と組合せ可能であることに注目している。最後に、分泌促進療法または抗吸収療法が、ドライアイのいくつかの症例では脂質またはムチンの欠乏を矯正しない場合があることを指摘する。しかし、水性体積の増大は、蒸発性ドライアイであっても涙液の高浸透圧及び下流の炎症を矯正するものと予測される。
結論
要約すると、ナノモル効力を有する小分子CFTR活性化物質は、ウサギにおいて、単回用量の局所投与後に持続的な涙液過剰分泌をもたらすのに有効であった。1日2回28日間の治療用量の投与では、化合物活性は漸減せず、眼球毒性の徴候は観測されず、化合物は目以外において検出不可能であった。したがって、化合物Aは、単独で、または他のドライアイ薬剤と組み合わせた場合において、ヒトのドライアイ障害の安全かつ有効な療法であると考えられる。
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P実施形態
実施形態P1.涙液産生の増加を必要とする患者の目における前記涙液産生を増加させる方法であって、前記患者の前記目に対し、涙液産生を増加させるための活性薬剤の少なくとも約5マイクログラムを含む医薬組成物を局所投与することを含み、前記活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、前記方法。
実施形態P2.ドライアイ疾患の処置を必要とする患者における前記ドライアイ疾患を処置する方法であって、前記患者の目に対し、前記ドライアイ疾患を処置するための活性薬剤の少なくとも約5マイクログラムを含む医薬組成物を局所投与することを含み、前記活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、前記方法。
実施形態P3.前記医薬組成物が約5マイクログラム〜約100マイクログラムの前記活性薬剤を含む、実施形態P1またはP2に記載の方法。
実施形態P4.前記医薬組成物が約5マイクログラム〜約50マイクログラムの前記活性薬剤を含む、実施形態P1またはP2に記載の方法。
実施形態P5.前記医薬組成物が約5マイクログラム〜約35マイクログラムの前記活性薬剤を含む、実施形態P1またはP2に記載の方法。
実施形態P6.前記医薬組成物が約10マイクログラムの前記活性薬剤を含む、実施形態P1またはP2に記載の方法。
実施形態P7.涙液産生の増加を必要とする患者の目における前記涙液産生を増加させる方法であって、前記患者の前記目に対し、涙液産生を増加させるための活性薬剤約2ナノモル以上を含む医薬組成物を局所投与することを含み、前記活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、前記方法。
実施形態P8.ドライアイ疾患の処置を必要とする患者における前記ドライアイ疾患を処置する方法であって、前記患者の目に対し、前記ドライアイ疾患を処置するための活性薬剤約2ナノモル以上を含む医薬組成物を局所投与することを含み、前記活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、前記方法。
実施形態P9.前記医薬組成物が約2ナノモル〜約50ナノモルの前記活性薬剤を含む、実施形態P7またはP8に記載の方法。
実施形態P10.前記医薬組成物が約2ナノモル〜約25ナノモルの前記活性薬剤を含む、実施形態P7またはP8に記載の方法。
実施形態P11.前記医薬組成物が約2ナノモル〜約10ナノモルの前記活性薬剤を含む、実施形態P7またはP8に記載の方法。
実施形態P12.前記医薬組成物が約3ナノモルの前記活性薬剤を含む、実施形態P7またはP8に記載の方法。
実施形態P13.涙液産生の増加を必要とする患者の目における前記涙液産生を増加させる方法であって、前記患者の前記目に対し、涙液産生を増加させるための活性薬剤の治療有効量を含む医薬組成物を局所投与することを含み、前記治療有効量が、投与から約1時間〜約12時間後に前記目の涙液中で少なくとも約500nMの量で前記活性薬剤の濃度をもたらし、前記活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、前記方法。
実施形態P14.ドライアイ疾患の処置を必要とする患者における前記ドライアイ疾患を処置する方法であって、前記患者の目に対し、前記ドライアイ疾患を処置するための活性薬剤の治療有効量を含む医薬組成物を局所投与することを含み、前記治療有効量が、(i)投与から約30分〜約3時間後に前記目の涙液中で少なくとも約500nMの量で、または(ii)投与から約4時間〜約12時間後に前記目の涙液中で少なくとも約10nMの量で、前記活性薬剤の濃度をもたらし、前記活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、前記方法。
実施形態P15.前記活性薬剤の前記治療有効量が、(i)投与から約1時間〜約3時間後に約500nM〜約5,000nM、または(ii)投与から約4時間〜約8時間後に約10nM〜約2,000nMの濃度をもたらす、実施形態P13またはP14に記載の方法。
実施形態P16.前記活性薬剤の前記治療有効量が、(i)投与から約1時間〜約3時間後に約500nM〜約1,500nM、または(ii)投与から約5時間〜約7時間後に約50nM〜約500nMの濃度をもたらす、実施形態P13またはP14に記載の方法。
実施形態P17.前記活性薬剤の前記治療有効量が、(i)投与から約2時間後に約1000nM、または(ii)投与から約6時間後に約100nMの濃度をもたらす、実施形態P13またはP14に記載の方法。
実施形態P18.涙液産生の増加を必要とする患者の目における前記涙液産生を増加させる方法であって、前記患者の前記目に対し、涙液産生を増加させるための活性薬剤を含む医薬組成物を1日1回または1日2回局所投与することを含み、前記活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、前記方法。
実施形態P19.ドライアイ疾患の処置を必要とする患者における前記ドライアイ疾患を処置する方法であって、前記患者の目に対し、前記ドライアイ疾患を処置するための活性薬剤を含む医薬組成物を1日1回または1日2回局所投与することを含み、前記活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、前記方法。
実施形態P20.前記医薬組成物が液体医薬組成物である、実施形態P1〜P19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P21.前記液体医薬組成物が溶液、懸濁液、または乳濁液である、実施形態P20に記載の方法。
実施形態P22.前記液体医薬組成物が水性溶液である、実施形態P20に記載の方法。
実施形態P23.前記液体医薬組成物が懸濁液であり、前記活性薬剤が微粒子化されている、実施形態P20に記載の方法。
実施形態P24.前記活性薬剤が式(I)の前記化合物またはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態P1〜2P3のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P25.前記活性薬剤が式(II)の前記化合物またはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態P1〜P23のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P26.前記活性薬剤が式(III)の前記化合物またはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態P1〜P23のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P27.前記活性薬剤が式(IV)の前記化合物またはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態P1〜P23のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P28.前記活性薬剤が化合物Aまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態P1〜P23のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P29.前記活性薬剤が化合物Bまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態P1〜P23のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P30.前記活性薬剤が化合物Cまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態P1〜P23のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P31.前記活性薬剤が化合物Dまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態P1〜P23のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P32.前記活性薬剤が化合物Eまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態P1〜P23のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P33.前記組成物が医薬的に許容される賦形剤をさらに含む、実施形態P1〜P32のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P34.前記医薬的に許容される賦形剤が安定化剤、共溶媒、またはこれらの組合せである、実施形態P33に記載の方法。
実施形態P35.前記医薬組成物を前記目の結膜に局所投与することを含む、実施形態P1〜P34のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P36.前記医薬組成物を前記目の結膜嚢に局所投与することを含む、実施形態P1〜P34のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P37.前記医薬組成物が1日1回投与される、実施形態P1〜P36のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P38.前記医薬組成物が1日2回投与される、実施形態P1〜P36のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P39.前記組成物が約14日間投与される、実施形態P1〜P38のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P40.前記組成物が約1ヵ月間投与される、実施形態P1〜P38のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P41.上皮性ナトリウムチャネル阻害薬、リンパ球機能関連抗原1アンタゴニスト、抗炎症剤、コリン作動性アゴニスト、ステロイド、抗生物質、またはこれらの2つ以上の組合せを投与することをさらに含む、実施形態P1〜P40のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P42.前記上皮性ナトリウムチャネル阻害薬がアミロライドであり、前記リンパ球機能関連抗原1アンタゴニストがリフィテグラストであり、前記抗炎症剤がシクロスポリンであり、前記コリン作動性アゴニストがピロカルピンまたはセビメリンであり、前記ステロイドがコルチコステロイドである、実施形態41に記載の方法。
実施形態P43.前記患者がヒトである、実施形態P1〜P42のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P44.異なる溶液との接触に応答した際の前記患者が有する開回路経上皮電位差が対照のものよりも低い、実施形態P1〜P43のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P45.異なる溶液との接触に応答した際の前記患者の前記目の表面における開回路経上皮電位差の変化を試験することと、結果を対照と比較することとをさらに含む、実施形態P1〜P44のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P46.活性薬剤の少なくとも約5マイクログラムと医薬的に許容される担体とを含む局所用医薬組成物であって、前記活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、前記局所用医薬組成物。
実施形態P47.約5マイクログラム〜約1グラムの前記活性薬剤を含む、実施形態P46に記載の組成物。
実施形態P48.約5マイクログラム〜約1ミリグラムの前記活性薬剤を含む、実施形態P46に記載の組成物。
実施形態P49.約5マイクログラム〜約500マイクログラムを含む、実施形態P46に記載の組成物。
実施形態P50.約5マイクログラム〜約35マイクログラムの前記活性薬剤を含む、実施形態P46に記載の組成物。
実施形態P51.約10マイクログラムを含む、実施形態P47に記載の組成物。
実施形態P52.0.5mL当たり約1ナノモル〜約25ナノモルの活性薬剤と医薬的に許容される賦形剤とを含む局所用医薬組成物であって、前記活性薬剤が、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、または前述のうちのいずれかの医薬的に許容される塩である、前記局所用医薬組成物。
実施形態P53.0.5mL当たり約1ナノモル〜約15ナノモルの前記活性薬剤を含む、実施形態P52に記載の組成物。
実施形態P54.0.5mL当たり約2ナノモル〜約10ナノモルの前記活性薬剤を含む、実施形態P52に記載の組成物。
実施形態P55.0.5mL当たり約3ナノモルの前記活性薬剤を含む、実施形態P52に記載の組成物。
実施形態P56.前記局所医薬組成物が液体医薬組成物である、実施形態P46〜P55のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態P57.前記液体医薬組成物が溶液、懸濁液、または乳濁液である、実施形態P56に記載の組成物。
実施形態P58.前記液体医薬組成物が水性溶液である、実施形態P56に記載の組成物。
実施形態P59.前記液体医薬組成物が懸濁液であり、前記化合物が微粒子化されている、実施形態P56に記載の組成物。
実施形態P60.前記組成物が医薬的に許容される賦形剤をさらに含む、実施形態P46〜P59のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態P61.前記医薬的に許容される賦形剤が安定化剤、共溶媒、またはこれらの組合せである、実施形態P60に記載の組成物。
実施形態P62.前記活性薬剤が式(I)の前記化合物またはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態P46〜P61のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態P63.前記活性薬剤が式(II)の前記化合物またはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態P46〜P61のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態P64.前記活性薬剤が式(III)の前記化合物またはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態P46〜P61のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態P65.前記医薬組成物が式(IV)の前記化合物またはその前記医薬的に許容される塩を含む、実施形態P46〜P61のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態P66.前記活性薬剤が化合物Aまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態P46〜P61のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態P67.前記活性薬剤が化合物Bまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態P46〜P61のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態P68.前記活性薬剤が化合物Cまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態P46〜P61のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態P69.前記活性薬剤が化合物Dまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態P46〜P61のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態P70.前記活性薬剤が化合物Eまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態P46〜P61のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態P71.局所用医薬組成物の液滴を患者の目に送達するための点眼器であって、実施形態P46〜P70のいずれか1つに記載の局所用組成物を含む、前記点眼器。
実施形態P72.前記組成物1〜25滴を収容するのに十分な体積を有する、実施形態P71に記載の点眼器。
実施形態P73.前記組成物1〜15滴を収容するのに十分な体積を有する、実施形態P71に記載の点眼器。
実施形態P74.前記組成物1〜10滴を収容するのに十分な体積を有する、実施形態P1に記載の点眼器。
実施形態P75.実施形態P71〜P74のいずれか1つに記載の点眼器と、使用説明書とを含む、キット。
実施形態P76.7個の点眼器、14個の点眼器、28個の点眼器、または56個の点眼器を含む、実施形態P75に記載のキット。
実施形態P77.点眼器と、実施形態P46〜P70のいずれか1つに記載の局所用医薬組成物を含む容器と、使用説明書とを含む、キット。
実施形態P78.1個の点眼器と1個の容器とを含み、前記容器が前記組成物の1回用量を含む、実施形態P77に記載のキット。
実施形態P79.2個の点眼器と1個の容器とを含み、前記容器が前記組成物の2回用量を含む、実施形態P77に記載のキット。
実施形態P80.2個の点眼器と2個の容器とを含み、各容器が前記組成物の1回用量を含む、実施形態P77に記載のキット。
実施形態P81.7個の点眼器と7個の容器とを含み、各容器が前記組成物の1回用量を含む、実施形態P77に記載のキット。
実施形態P82.14個の点眼器と7個の容器とを含み、各容器が前記組成物の2回用量を含む、実施形態P77に記載のキット。
実施形態P83.14個の点眼器と14個の容器とを含み、各容器が前記組成物の1回用量を含む、実施形態P77に記載のキット。
実施形態P84.眼球表面膜輸送の修飾薬を用いた処置のための患者を同定する方法であって、下記のステップを含む、前記方法:
(i)異なる溶液との接触に応答した際の前記患者の眼球表面における開回路経上皮電位差の変化を測定すること;
(ii)異なる溶液との接触に応答した際の前記開回路経上皮電位差の前記変化を対照と比較すること;及び
(iii)前記開回路経上皮電位差の前記変化が前記対照のものよりも小さい場合に、前記患者が眼球表面膜輸送の前記修飾薬を用いて処置されるべきであると同定すること。
実施形態P85.前記眼球表面膜輸送がイオン輸送体または生体分子輸送体である、実施形態P84に記載の方法。
実施形態P86.前記イオン輸送体がクロライド輸送体、カリウム輸送体、または重炭酸輸送体であり、前記生体分子輸送体がグルコース輸送体または尿素輸送体である、実施形態P85に記載の方法。
実施形態P87.眼球表面膜輸送の前記修飾薬の治療有効量を用いて前記患者を処置することをさらに含む、実施形態P85に記載の方法。
実施形態P88.眼球表面膜輸送の前記修飾薬がCFTRアゴニスト、カルシウム活性化クロライドチャネル活性化薬、または上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)阻害薬である、実施形態P85に記載の方法。
実施形態P89.眼球表面膜輸送の前記修飾薬が請求項46〜70のいずれか1つに記載の医薬組成物である、実施形態P85に記載の方法。
実施形態P90.細胞内シグナリングの修飾薬を用いた処置のための患者を同定する方法であって、下記のステップを含む、前記方法:
(i)異なる溶液との接触に応答した際の前記患者の眼球表面における開回路経上皮電位差の変化を測定すること;
(ii)異なる溶液との接触に応答した際の前記開回路経上皮電位差の前記変化を対照と比較すること;及び
(iii)前記開回路経上皮電位差の前記変化が前記対照のものよりも小さい場合に、前記患者が細胞内シグナリングの前記修飾薬を用いて処置されるべきであると同定すること。
実施形態P91.細胞内シグナリングの前記修飾薬がcAMP、cGMP、またはカルシウムシグナリングであり、前記修飾薬が細胞内シグナリングを直接的または間接的に修飾する、実施形態P90に記載の方法。
実施形態P92.請求項46〜70のいずれか1項に記載の医薬組成物の治療有効量を投与することによって前記患者を処置することをさらに含む、実施形態P90に記載の方法。
実施形態P93.前記眼球表面が角膜または結膜である、実施形態P84〜P92のいずれか1つに記載の方法。
実施形態
実施形態1.涙液産生の増加を必要とする患者を処置する方法であって、前記患者の目に対し、下記からなる群より選択される少なくとも1つの化合物の少なくとも約5マイクログラムを局所投与することを含む、前記方法:
(a)式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は、
(i)水素であるか、
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成するか、あるいは
(iii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
はC−Cハロアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成する);
(b)式(II)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−であり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−である);
(c)式(III)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(d)式(IV)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(e)次式を有する化合物A:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(f)次式を有する化合物B:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(g)次式を有する化合物C:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(h)次式を有する化合物D:
Figure 2020531511

またはその医薬的に許容される塩;ならびに
(i)次式を有する化合物E:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩。
実施形態2.患者におけるドライアイを処置する方法であって、前記患者の目に対し、下記からなる群より選択される少なくとも1つの活性薬剤の少なくとも約5マイクログラムを局所投与することを含む、前記方法:
(a)式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は、
(i)水素であるか、
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成するか、あるいは
(iii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
はC−Cハロアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成する);
(b)式(II)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−であり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−である);
(c)式(III)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(d)式(IV)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(e)次式を有する化合物A:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(f)次式を有する化合物B:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(g)次式を有する化合物C:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(h)次式を有する化合物D:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;ならびに
(i)次式を有する化合物E:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩。
実施形態3.前記方法が、約5マイクログラム〜約100マイクログラムの前記活性薬剤を投与することを含む、実施形態1または2に記載の方法。
実施形態4.前記方法が、約5マイクログラム〜約50マイクログラムの前記活性薬剤を投与することを含む、実施形態1または2に記載の方法。
実施形態5.前記方法が、約5マイクログラム〜約35マイクログラムの前記活性薬剤を投与することを含む、実施形態1または2に記載の方法。
実施形態6.前記方法が、約10マイクログラムの前記活性薬剤を投与することを含む、実施形態1または2に記載の方法。
実施形態7.涙液産生の増加を必要とする患者を処置する方法であって、前記患者の目に対し、下記からなる群より選択される少なくとも1つの活性薬剤約2ナノモル以上を局所投与することを含む、前記方法:
(a)式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は、
(i)水素であるか、
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成するか、あるいは
(iii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
はC−Cハロアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成する);
(b)式(II)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−であり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−である);
(c)式(III)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(d)式(IV)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(e)次式を有する化合物A:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(f)次式を有する化合物B:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(g)次式を有する化合物C:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(h)次式を有する化合物D:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;ならびに
(i)次式を有する化合物E:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩。
実施形態8.ドライアイ疾患を有する患者を処置する方法であって、前記患者の目に対し、下記からなる群より選択される少なくとも1つの活性薬剤約2ナノモル以上を局所投与することを含む、前記方法:
(a)式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は、
(i)水素であるか、
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成するか、あるいは
(iii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
はC−Cハロアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成する);
(b)式(II)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−であり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−である);
(c)式(III)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(d)式(IV)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(e)次式を有する化合物A:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(f)次式を有する化合物B:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(g)次式を有する化合物C:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(h)次式を有する化合物D:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(i)次式を有する化合物E:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩。
実施形態9.前記方法が、約2ナノモル〜約50ナノモルの前記活性薬剤を投与することを含む、実施形態7または8に記載の方法。
実施形態10.前記方法が、約2ナノモル〜約25ナノモルの前記活性薬剤を投与することを含む、実施形態7または8に記載の方法。
実施形態11.前記方法が、約2ナノモル〜約10ナノモルの前記活性薬剤を投与することを含む、実施形態7または8に記載の方法。
実施形態12.前記方法が、約3ナノモルの前記活性薬剤を投与することを含む、実施形態7または8に記載の方法。
実施形態13.涙液産生の増加を必要とする患者を処置する方法であって、前記患者の目に対し、投与から約1時間〜約12時間後に前記目の涙液中で少なくとも約500nMの濃度をもたらす、活性薬剤のある量を局所投与することを含み、前記活性薬剤が下記からなる群より選択される、前記方法:
(a)式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は、
(i)水素であるか、
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成するか、あるいは
(iii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
はC−Cハロアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成する);
(b)式(II)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−であり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−である);
(c)式(III)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(d)式(IV)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(e)次式を有する化合物A:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(f)次式を有する化合物B:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(g)次式を有する化合物C:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(h)次式を有する化合物D:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;ならびに
(i)次式を有する化合物E:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩。
実施形態14.ドライアイ疾患を有する患者を処置する方法であって、前記患者の目に対し、(i)投与から約30分〜約3時間後に目の涙液中で少なくとも約500nM、または(ii)投与から約4時間〜約12時間後に目の涙液中で少なくとも約10nMをもたらす、活性薬剤のある量を局所投与することを含み、前記活性薬剤が下記からなる群より選択される、前記方法:
(a)式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は、
(i)水素であるか、
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成するか、あるいは
(iii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
はC−Cハロアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成する);
(b)式(II)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−であり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−である);
(c)式(III)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(d)式(IV)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(e)次式を有する化合物A:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(f)次式を有する化合物B:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(g)次式を有する化合物C:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(h)次式を有する化合物D:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;ならびに
(i)次式を有する化合物E:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩。
実施形態15.前記活性薬剤の前記治療有効量が、(i)投与から約1時間〜約3時間後に約500nM〜約5,000nM、または(ii)投与から約4時間〜約8時間後に約10nM〜約2,000nMの濃度をもたらす、実施形態13または14に記載の方法。
実施形態16.前記活性薬剤の前記治療有効量が、(i)投与から約1時間〜約3時間後に約500nM〜約1,500nM、または(ii)投与から約5時間〜約7時間後に約50nM〜約500nMの濃度をもたらす、実施形態13または14に記載の方法。
実施形態17.前記活性薬剤の前記治療有効量が、(i)投与から約2時間後に約1000nM、または(ii)投与から約6時間後に約100nMの濃度をもたらす、実施形態13または14に記載の方法。
実施形態18.涙液産生の増加を必要とする患者の目における前記涙液産生を増加させる方法であって、前記患者の前記目に対し、下記からなる群より選択される少なくとも1つの活性薬剤を1日1回または1日2回局所投与することを含む、前記方法:
(a)式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は、
(i)水素であるか、
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成するか、あるいは
(iii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
はC−Cハロアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成する);
(b)式(II)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−であり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−である);
(c)式(III)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(d)式(IV)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(e)次式を有する化合物A:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(f)次式を有する化合物B:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(g)次式を有する化合物C:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(h)次式を有する化合物D:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;ならびに
(i)次式を有する化合物E:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩。
実施形態19.ドライアイ疾患を有する患者を処置する方法であって、前記患者の目に対し、前記ドライアイ疾患を処置するのに有効な少なくとも1つの活性薬剤のある量を1日1回または2回局所投与することを含み、前記活性薬剤が下記からなる群より選択される、前記方法:
(a)式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は、
(i)水素であるか、
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成するか、あるいは
(iii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
はC−Cハロアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成する);
(b)式(II)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−であり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−である);
(c)式(III)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(d)式(IV)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(e)次式を有する化合物A:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(f)次式を有する化合物B:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(g)次式を有する化合物C:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(h)次式を有する化合物D:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;ならびに
(i)次式を有する化合物E:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩。
実施形態20.前記活性薬剤が式(I)の前記化合物またはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態21.前記活性薬剤が式(II)の前記化合物またはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態22.前記活性薬剤が式(III)の前記化合物またはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態23.前記活性薬剤が式(IV)の前記化合物またはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態24.前記活性薬剤が化合物Aまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態25.前記活性薬剤が化合物Bまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態26.前記活性薬剤が化合物Cまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態27.前記活性薬剤が化合物Dまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態28.前記活性薬剤が化合物Eまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態29.前記活性薬剤を前記目の結膜に局所投与することを含む、実施形態1〜28のいずれか1つに記載の方法。
実施形態30.前記活性薬剤を前記目の結膜嚢に局所投与することを含む、実施形態1〜28のいずれか1つに記載の方法。
実施形態31.前記活性薬剤が1日1回投与される、実施形態1〜30のいずれか1つに記載の方法。
実施形態32.前記活性薬剤が1日2回投与される、実施形態1〜30のいずれか1つに記載の方法。
実施形態33.前記活性薬剤が約14日間投与される、実施形態1〜30のいずれか1つに記載の方法。
実施形態34.前記活性薬剤が約1ヵ月間投与される、実施形態1〜30のいずれか1つに記載の方法。
実施形態35.1つ以上の追加の治療剤を前記活性薬剤の治療効果を強化するのに有効な量で同時投与することをさらに含み、前記追加の治療剤が、上皮性ナトリウムチャネル阻害薬、リンパ球機能関連抗原1アンタゴニスト、抗炎症剤、コリン作動性アゴニスト、ステロイド、及び抗生物質からなる群より選択される、実施形態1〜34のいずれか1つに記載の方法。
実施形態36.前記上皮性ナトリウムチャネル阻害薬がアミロライドであり、前記リンパ球機能関連抗原1アンタゴニストがリフィテグラストであり、前記抗炎症剤がシクロスポリンであり、前記コリン作動性アゴニストがピロカルピンまたはセビメリンであり、前記ステロイドがコルチコステロイドである、実施形態35に記載の方法。
実施形態37.前記患者がヒトである、実施形態1〜36のいずれか1つに記載の方法。
実施形態38.異なる溶液との接触に応答した際の前記患者が有する開回路経上皮電位差が対照のものよりも低い、実施形態1〜37のいずれか1つに記載の方法。
実施形態39.異なる溶液との接触に応答した際の前記患者の前記目の表面における開回路経上皮電位差の変化を試験することと、結果を対照と比較することとをさらに含む、実施形態1〜38のいずれか1つに記載の方法。
実施形態40.少なくとも1つの活性薬剤の少なくとも約5マイクログラムと医薬的に許容される担体とを含む局所用医薬組成物であって、前記活性薬剤が下記からなる群より選択される、前記局所用医薬組成物:
(a)式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は、
(i)水素であるか、
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成するか、あるいは
(iii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
はC−Cハロアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成する);
(b)式(II)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRはX1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−であり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−である);
(c)式(III)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(d)式(IV)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(e)次式を有する化合物A:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(f)次式を有する化合物B:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(g)次式を有する化合物C:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(h)次式を有する化合物D:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;ならびに
(i)次式を有する化合物E:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩。
実施形態41.約5マイクログラム〜約1グラムの前記活性薬剤を含む、実施形態40に記載の組成物。
実施形態42.約5マイクログラム〜約1ミリグラムの前記活性薬剤を含む、実施形態40に記載の組成物。
実施形態43.約5マイクログラム〜約500マイクログラムを含む、実施形態40に記載の組成物。
実施形態44.約5マイクログラム〜約35マイクログラムの前記活性薬剤を含む、実施形態40に記載の組成物。
実施形態45.約10マイクログラムを含む、実施形態40に記載の組成物。
実施形態46.0.5mL当たり約1ナノモル〜約25ナノモルの活性薬剤と医薬的に許容される賦形剤とを含む局所用医薬組成物であって、前記活性薬剤が下記からなる群より選択される、前記局所用医薬組成物:
(a)式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は、
(i)水素であるか、
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成するか、あるいは
(iii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
はC−Cハロアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は水素またはC−Cアルキルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成し、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共に、置換もしくは非置換のC−C10ヘテロシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のC−C10ヘテロアリールを形成する);
(b)式(II)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−(式中、X1及びX2は、各々独立的に−O−、−N=、または−S−である)であり、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−であり、
は、
(i)水素であるか、または
(ii)R及びRは連結して、これらが接続している原子と共にCヘテロアリールを形成し、このときR及びRは−X1−CH−X2−であり、X1は−O−もしくは−N=であり、X2は=N−もしくは−O−である);
(c)式(III)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(d)式(IV)の化合物、またはその医薬的に許容される塩:
Figure 2020531511
(式中、
は−CH(CFまたは−CHCFCFHであり、
は水素、メチル、またはエチルである);
(e)次式を有する化合物A:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(f)次式を有する化合物B:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(g)次式を有する化合物C:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;
(h)次式を有する化合物D:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩;ならびに
(i)次式を有する化合物E:
Figure 2020531511
またはその医薬的に許容される塩。
実施形態47.0.5mL当たり約1ナノモル〜約15ナノモルの前記活性薬剤を含む、実施形態46に記載の組成物。
実施形態48.0.5mL当たり約2ナノモル〜約10ナノモルの前記活性薬剤を含む、実施形態46に記載の組成物。
実施形態49.0.5mL当たり約3ナノモルの前記活性薬剤を含む、実施形態46に記載の組成物。
実施形態50.前記局所用医薬組成物が液体医薬組成物である、実施形態40または49のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態51.前記液体医薬組成物が溶液、懸濁液、または乳濁液である、実施形態50に記載の組成物。
実施形態52.前記液体医薬組成物が水性溶液である、実施形態50に記載の組成物。
実施形態53.前記液体医薬組成物が懸濁液であり、前記化合物が微粒子化されている、実施形態50に記載の組成物。
実施形態54.前記組成物が医薬的に許容される賦形剤をさらに含む、実施形態40〜53のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態55.前記医薬的に許容される賦形剤が安定化剤、共溶媒、またはこれらの組合せである、実施形態54に記載の組成物。
実施形態56.前記活性薬剤が式(I)の前記化合物またはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態40〜55のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態57.前記活性薬剤が式(II)の前記化合物またはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態40〜55のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態58.前記活性薬剤が式(III)の前記化合物またはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態40〜55のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態59.前記医薬組成物が式(IV)の前記化合物またはその前記医薬的に許容される塩を含む、実施形態40〜55のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態60.前記活性薬剤が化合物Aまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態40〜55のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態61.前記活性薬剤が化合物Bまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態40〜55のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態62.前記活性薬剤が化合物Cまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態40〜55のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態63.前記活性薬剤が化合物Dまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態40〜55のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態64.前記活性薬剤が化合物Eまたはその前記医薬的に許容される塩である、実施形態40〜55のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態65.局所用医薬組成物の液滴を患者の目に送達するための点眼器であって、実施形態40〜64のいずれか1つに記載の局所用組成物を含む、前記点眼器。
実施形態66.前記組成物1〜25滴を収容するのに十分な体積を有する、実施形態65に記載の点眼器。
実施形態67.前記組成物1〜15滴を収容するのに十分な体積を有する、実施形態65に記載の点眼器。
実施形態68.前記組成物1〜10滴を収容するのに十分な体積を有する、実施形態65に記載の点眼器。
実施形態69.実施形態65〜68のいずれか1つに記載の点眼器と、使用説明書とを含む、キット。
実施形態70.7個の点眼器、14個の点眼器、28個の点眼器、または56個の点眼器を含む、実施形態69に記載のキット。
実施形態71.点眼器と、実施形態40〜64のいずれか1つに記載の局所用医薬組成物を含む容器と、使用説明書とを含む、キット。
実施形態72.1個の点眼器と1個の容器とを含み、前記容器が前記組成物の1回用量を含む、実施形態71に記載のキット。
実施形態73.2個の点眼器と1個の容器とを含み、前記容器が前記組成物の2回用量を含む、実施形態71に記載のキット。
実施形態74.2個の点眼器と2個の容器とを含み、各容器が前記組成物の1回用量を含む、実施形態71に記載のキット。
実施形態75.7個の点眼器と7個の容器とを含み、各容器が前記組成物の1回用量を含む、実施形態71に記載のキット。
実施形態76.14個の点眼器と7個の容器とを含み、各容器が前記組成物の2回用量を含む、実施形態71に記載のキット。
実施形態77.14個の点眼器と14個の容器とを含み、各容器が前記組成物の1回用量を含む、実施形態71に記載のキット。
実施形態78.眼球表面膜輸送の修飾薬を用いた処置のための患者を同定する方法であって、下記のステップを含む、前記方法:
(i)異なる溶液との接触に応答した際の前記患者の眼球表面における開回路経上皮電位差の変化を測定すること;
(ii)異なる溶液との接触に応答した際の前記開回路経上皮電位差の前記変化を対照と比較すること;及び
(iii)前記開回路経上皮電位差の前記変化が前記対照のものよりも小さい場合に、前記患者が眼球表面膜輸送の前記修飾薬を用いて処置されるべきであると同定すること。
実施形態79.前記眼球表面膜輸送がイオン輸送体または生体分子輸送体である、実施形態78に記載の方法。
実施形態80.前記イオン輸送体がクロライド輸送体、カリウム輸送体、または重炭酸輸送体であり、前記生体分子輸送体がグルコース輸送体または尿素輸送体である、実施形態79に記載の方法。
実施形態81.眼球表面膜輸送の前記修飾薬の治療有効量を用いて前記患者を処置することをさらに含む、実施形態79に記載の方法。
実施形態82.眼球表面膜輸送の前記修飾薬がCFTRアゴニスト、カルシウム活性化クロライドチャネル活性化薬、または上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)阻害薬である、実施形態79に記載の方法。
実施形態83.眼球表面膜輸送の前記修飾薬が請求項46に記載の医薬組成物である、実施形態79に記載の方法。
実施形態84.細胞内シグナリングの修飾薬を用いた処置のための患者を同定する方法であって、下記のステップを含む、前記方法:
(i)異なる溶液との接触に応答した際の前記患者の眼球表面における開回路経上皮電位差の変化を測定すること;
(ii)異なる溶液との接触に応答した際の前記開回路経上皮電位差の前記変化を対照と比較すること;及び
(iii)前記開回路経上皮電位差の前記変化が前記対照のものよりも小さい場合に、前記患者が細胞内シグナリングの前記修飾薬を用いて処置されるべきであると同定すること。
実施形態85.細胞内シグナリングの前記修飾薬がcAMP、cGMP、またはカルシウムシグナリングであり、前記修飾薬が細胞内シグナリングを直接的または間接的に修飾する、実施形態84に記載の方法。
実施形態86.請求項39または45に記載の医薬組成物の治療有効量を投与することによって前記患者を処置することをさらに含む、実施形態84に記載の方法。
実施形態87.前記眼球表面が角膜または結膜である、実施形態78〜86のいずれか1つに記載の方法。

Claims (17)

  1. 涙液産生の増加を必要とする患者を処置する方法であって、
    前記患者の目に対し、下記からなる群より選択される少なくとも1つの活性薬剤の少なくとも約5マイクログラムを局所投与することを含む、前記方法:
    次式を有する化合物A:
    Figure 2020531511
    及び
    次式を有する化合物C:
    Figure 2020531511
  2. 前記患者がドライアイ疾患を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記患者の前記目に対し、化合物Aの少なくとも約5マイクログラムを投与することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記患者の前記目に対し、化合物Cの少なくとも約5マイクログラムを投与することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記局所投与することが、投与から約1時間〜約12時間後に前記目の涙液中で少なくとも約500nMの前記少なくとも1つの活性薬剤の濃度をもたらすのに有効である、請求項1に記載の方法。
  6. 涙液産生の増加を必要とする患者を処置する方法であって、前記患者の目に対し、次式を有する化合物Aの少なくとも約5マイクログラムを局所投与することを含む、前記方法。
    Figure 2020531511
  7. 前記患者がドライアイ疾患を有する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記局所投与することが、投与から約1時間〜約12時間後に前記目の涙液中で少なくとも約500nMの化合物Aの濃度をもたらすのに有効である、請求項6に記載の方法。
  9. ドライアイ疾患を有する患者を処置する方法であって、前記患者の目に対し、前記疾患を処置するのに有効な少なくとも1つの活性薬剤のある量を1日1回または2回局所投与することを含み、前記活性薬剤が下記からなる群より選択される、前記方法:
    次式を有する化合物A:
    Figure 2020531511
    及び
    次式を有する化合物C:
    Figure 2020531511
  10. 前記局所投与することが、投与から約1時間〜約12時間後に前記目の涙液中で少なくとも約500nMの前記少なくとも1つの活性薬剤の濃度をもたらすのに有効である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記患者の前記目に対し、化合物Aの少なくとも約5マイクログラムを1日1回または2回投与することを含む、請求項9に記載の方法。
  12. 前記患者の前記目に対し、化合物Cの少なくとも約5マイクログラムを1日1回または2回投与することを含む、請求項9に記載の方法。
  13. 前記局所投与することが前記患者の前記目における涙液産生を増加させるのに有効である、請求項9に記載の方法。
  14. ドライアイ疾患を有する患者を処置する方法であって、前記患者の目に対し、次式を有する化合物Aの少なくとも約5マイクログラムを局所投与することを含む、前記方法。
    Figure 2020531511
  15. 局所投与することが、1日1回または2回局所投与することを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記局所投与することが、投与から約1時間〜約12時間後に前記目の涙液中で少なくとも約500nMの化合物Aの濃度をもたらすのに有効である、請求項14に記載の方法。
  17. 前記局所投与することが前記患者の前記目における涙液産生を増加させるのに有効である、請求項14に記載の方法。
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