JP5087233B2 - 角結膜障害の予防または治療剤 - Google Patents
角結膜障害の予防または治療剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5087233B2 JP5087233B2 JP2006137267A JP2006137267A JP5087233B2 JP 5087233 B2 JP5087233 B2 JP 5087233B2 JP 2006137267 A JP2006137267 A JP 2006137267A JP 2006137267 A JP2006137267 A JP 2006137267A JP 5087233 B2 JP5087233 B2 JP 5087233B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ebselen
- corneal
- preventive
- therapeutic agent
- eye
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
1.眼窩外涙腺摘出ラットを用いた角膜障害の治癒効力試験
雄性SDラットを用い、Fujiharaらの方法(Invest. Ophthalmol. Vis. Sci 42(1) 96-100 (2001))に準じ、角膜障害モデルを作製した。角膜障害モデル作成後、宮田らの方法(眼科臨床医報, 48(2), 183-188 (1994))に修飾を加えた手法(あたらしい眼科, 21(1), 87-90 (2004))で、角膜障害の改善率を判定した。
雄SDラットを用い、ネンブタ−ルを投与して全身麻酔を施した。ついで眼窩外涙腺を摘出し、2ヶ月かけて角膜障害を誘発させた。
エブセレン(25μM)の生理食塩水溶液を両眼に1日6回、14日間点眼した(一群8匹)。
エダラボン(200μM)の生理食塩水溶液を両眼に1日6回、14日間点眼した(一群8匹)。
αリポ酸(200μM)の生理食塩水溶液を両眼に1日6回、14日間点眼した(一群8匹)。
0:染色されていない。
コントロ−ル群(生理食塩水)のスコア平均値を基準(改善率:0%)にして下記計算式によりエブセレン(25μM)点眼群、エダラボン(200μM)およびαリポ酸(200μM)点眼群の改善率を算出した。これを表1に示す。なお、スコアの平均値は各群8例の平均である。
上記のラットを用いた薬理試験の結果から明らかなように、エブセレンは、エダラボンおよびαリポ酸と比べて顕著な改善率を示す。特に、エブセレンは、エダラボンおよびαリポ酸の1/8倍濃度で投与されているにも拘わらず、エダラボンおよびαリポ酸より2倍以上の改善率を示すことは驚くべき結果である。よって、エブセレンは角結膜障害に対して顕著な改善効果を有することが示された。
平井、柴垣らの方法(特願2006−104913)に準じ、老化促進モデルマウス(Senescence−Accelerated Mouse)P10(以下、SAMP10という)を用いて、角膜障害に対するエブセレンの効果を評価した。なお、対照動物として、正常老化を示すSAMR1を用いた。
SAMP10は加齢に伴って角膜障害を発症する。そこで、加齢変化を認める前の16週齢時における雌性SAMP10の角膜障害の評価を行い、その後、エブセレン溶液またはその基剤の投与を開始した。投与開始8週間後の24週齢時に再度同評価を行った。同様に、16週齢時における雌性SAMR1の角膜障害の評価を行い、その後、前記基剤の投与を開始し、投与開始後8週間後の24週齢時に再度同評価を行った。
1%(W/V)メチルセルロース水溶液(メチルセルロースを超純水に溶解させて調製)に0.45mg/mLおよび4.5mg/mLの濃度で懸濁したエブセレン溶液をマウスの体重1gあたり6.67μLの割合で、雌性SAMP10に1日1回経口投与し、それぞれ3mg/kg群および30mg/kg群とした。投与は、週5日(月、火、水、木、金曜日)、8週間にわたって行った。コントロールとして1%(W/V)メチルセルロース水溶液をマウスの体重1gあたり6.67μLの割合でSAMP10に同様に経口投与した。また、対照動物である雌性SAMR1には、1%(W/V)メチルセルロース水溶液を同様に経口投与した。なお、SAMP10の各群の例数は22眼(11匹)、SAMR1の例数は16眼(8匹)である。
投与開始直前および投与開始8週間後におけるSAMP10およびSAMR1の角膜障害部分をフルオレセインにて染色した。角膜の上部、中間部および下部のそれぞれについて、フルオレセインによる染色の程度を「1.眼窩外涙腺摘出ラットモデルを用いた角膜障害の治癒効力試験」に記載した判定基準に基づきスコア判定し、上記各部のスコアを合計することで角膜障害の程度をスコア化(合計9点満点)した。
*p<0.05 SAMP10の基剤投与群との比較(Dunnettの検定)
(考察)
表2から明らかなように、16週齢時には、SAMR1の基剤投与群とSAMP10の基剤投与群の間に有意な差は無く(Studentのt検定)、SAMP10の各薬物投与群間にも有意な差は認められなかった(Tukey検定)。24週齢時では、SAMP10の基剤投与群は、SAMR1の基剤投与群と比べて染色スコアが有意に上昇することが認められた。すなわち、SAMP10は加齢に伴って角膜障害を発症することが確認された。この条件下、3mg/kgおよび30mg/kgの両エブセレン投与群は、SAMP10の基剤投与群と比べて染色スコアが有意に低下することが認められた。すなわち、エブセレンは角膜障害に対して予防および改善効果を有することが認められた。
エブセレンを用いた代表的な製剤例を以下に示す。
100ml中
エブセレン 10mg
塩化ナトリウム 900mg
滅菌精製水 適量
エブセレンの添加量を変えることにより、濃度0.001%(w/v)、0.03%(w/v)、0.1%(w/v)、0.3%(w/v)、1.0%(w/v)の点眼剤を調製できる。
100ml中
エブセレン 100mg
塩化ナトリウム 800mg
リン酸水素二ナトリウム 100mg
リン酸二水素ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
エブセレンの添加量を変えることにより、濃度0.05%(w/v)、0.3%(w/v)、0.5%(w/v)、1%(w/v)の点眼剤を調製できる。
100g中
エブセレン 0.3g
流動パラフィン 10.0g
白色ワセリン 適量
エブセレンの添加量を変えることにより、濃度1%(w/w)、3%(w/w)の眼軟膏を調製できる。
100mg中
エブセレン 1mg
乳糖 66.4mg
トウモロコシデンプン 20mg
カルボキシメチルセルロースカルシウム 6mg
ヒドロキシプロピルセルロース 6mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
エブセレン、乳糖を混合機中で混合し、ここへカルボキシメチルセルロースカルシウム及びヒドロキシプロピルセルロースを加え、この混合物を造粒し、得られた顆粒を乾燥後整粒し、その整粒顆粒にステアリン酸マグネシウムを加えて混合し、この混合物を打錠機で打錠する。また、エブセレンの添加量を変えることにより、100mg中の含有量が0.1mg、10mg、50mgの錠剤を調製できる。
Claims (2)
- 2−フェニル−1,2−ベンズイソセレナゾール−3(2H)−オンまたはその塩を有効成分として含む角結膜障害の予防または治療剤であって、該角結膜障害がドライアイであり、投与形態が点眼投与または経口投与である、予防または治療剤。
- 剤型が、点眼剤、眼軟膏、錠剤、細粒剤またはカプセル剤である請求項1記載の予防または治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006137267A JP5087233B2 (ja) | 2005-05-17 | 2006-05-17 | 角結膜障害の予防または治療剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005143477 | 2005-05-17 | ||
JP2005143477 | 2005-05-17 | ||
JP2006137267A JP5087233B2 (ja) | 2005-05-17 | 2006-05-17 | 角結膜障害の予防または治療剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006348025A JP2006348025A (ja) | 2006-12-28 |
JP5087233B2 true JP5087233B2 (ja) | 2012-12-05 |
Family
ID=37644219
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006137267A Expired - Fee Related JP5087233B2 (ja) | 2005-05-17 | 2006-05-17 | 角結膜障害の予防または治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5087233B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ATE519756T1 (de) * | 2007-05-25 | 2011-08-15 | Santen Pharmaceutical Co Ltd | Prophylaktikum bzw. therapeutikum für altersbedingte makuladegeneration |
-
2006
- 2006-05-17 JP JP2006137267A patent/JP5087233B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006348025A (ja) | 2006-12-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2406499C2 (ru) | Профилактическое или терапевтическое средство для лечения кератоконъюнктивитных нарушений | |
JP4217832B2 (ja) | 角結膜障害の治療剤 | |
JP5087233B2 (ja) | 角結膜障害の予防または治療剤 | |
JP4922588B2 (ja) | 角結膜障害治療剤 | |
US7348329B2 (en) | Therapeutic agent for keratoconjunctival disorder | |
US20080070958A1 (en) | Therapeutic Agent for Keratoconjunctival Disorder | |
WO2007148744A1 (ja) | フマル酸誘導体を有効成分として含む角結膜障害の予防または治療剤 | |
JP2006104199A (ja) | 角結膜障害治療剤 | |
RU2423127C2 (ru) | Терапевтическое средство против роговично-конъюнктивального нарушения | |
JP2007291091A (ja) | 角結膜障害治療剤 | |
JP2005162735A (ja) | 角結膜障害治療剤 | |
JP2007182435A (ja) | 角結膜障害治療剤 | |
JP2008024699A (ja) | フマル酸誘導体を有効成分として含む角結膜障害の予防または治療剤 | |
JP2013010695A (ja) | 角結膜障害の治療又は予防剤 | |
JP2005350451A (ja) | 角結膜障害治療剤 | |
WO2007114315A1 (ja) | 角結膜障害治療剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090115 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120417 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120606 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120814 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120910 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150914 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |