JP2020530766A - フィブロネクチンiii型ドメインに対する抗原結合領域及びその使用方法 - Google Patents

フィブロネクチンiii型ドメインに対する抗原結合領域及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

フィブロネクチンIII型(FN3)ドメイン抗体、FN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメントをコードすることができるポリヌクレオチド、FN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメントを発現する細胞、並びに関連ベクター及び検出可能に標識されたFN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメントを使用して、FN3ドメイン標的キメラ抗原受容体(CAR)を遺伝子操作することができる。FN3ドメイン抗体、CAR、及び遺伝子操作された免疫細胞を作製する方法、並びに遺伝子操作された免疫細胞を使用する方法は、がんを含む疾患の治療に適用できる。

Description

(配列表)
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出済みであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれている配列表を含む。当該ASCIIのコピーは、2018年6月29日に作成され、ファイル名はJBI5032WOPCTSL.txtであり、そのサイズは88,120バイトである。
(発明の分野)
本発明は、フィブロネクチンIII型ドメイン(FN3ドメイン)に特異的に結合する抗体、並びに記載の抗体を産生及び使用する方法に関する。
フィブロネクチン系スキャフォールドは、対象とする任意の化合物を結合するために進化可能なタンパク質ファミリーである。これらのタンパク質は、一般的に、フィブロネクチンIII型(FN3)又はFN3様ドメインに由来するスキャフォールドを使用し、天然又は遺伝子操作された抗体(すなわち、ポリクローナル、モノクローナル、又は単鎖抗体)に特徴的な様式で機能し、更に構造的利点を有する。具体的には、これらの抗体模倣物の構造は、通常は抗体における構造及び機能の損失をもたらす条件下であっても、最適なフォールディング、安定性、及び溶解性を有するように設計されている。フィブロネクチン系スキャフォールドタンパク質の例は、Centyrin(商標)(Jacobs et al.,Protein Engineering,Design,and Selection,25:107−117,2012;米国特許出願公開第2010/0216708号)である。
フィブロネクチンIII型(Fn3)ドメインは、N末端からC末端の順にβ又はβ様鎖A、ループAB、β又はβ様鎖B、ループBC、β又はβ様鎖C、ループCD、β又はβ様鎖D、ループDE、β又はβ様鎖E、ループEF、β又はβ様鎖F、ループFG、及びβ又はβ様鎖Gを含む。ループAB、BC、CD、DE、EF、及びFGのいずれか、又は全てが、標的結合に関与し得る。BC、DE、及びFGループは、免疫グロブリンからの相補性決定領域(CDR)と構造的かつ機能的に類似している。
小さいサイズ、ジスルフィド結合の欠如、高安定性、及び原核生物宿主で発現する能力を考慮すると、FN3ドメインは、生物薬剤学的関心を得ている。FN3ドメインは、薬物/毒素に容易に共役され、組織に効率的に浸透し、キメラ抗原受容体(CAR)を含む多重特異的結合剤及び融合タンパク質に容易にフォーマットされ得る。
その汎用性にもかかわらず、現在、検出、アッセイ、又は生物薬剤学的目的のためにFN3ドメインに特異的に結合する抗体は現在存在しない。
本発明は、フィブロネクチンIII型(FN3)ドメインの非ランダム化領域に結合する抗体及び抗原結合フラグメントを含む。また、提供されたFN3抗体及び抗原結合フラグメントをコード可能な関連するポリヌクレオチド、提供された抗体及び抗原結合フラグメントを発現する細胞、並びに関連するベクター、並びに検出可能に標識されたFN3ドメイン抗体及び抗原結合フラグメントもまた記載されている。抗体又はその抗原結合フラグメントは、実施例3に示す条件下でELISAによって測定されるFN3ドメインのランダム化領域に選択的に結合しない。
加えて、提供されたFN3ドメイン抗体及び抗原結合フラグメントを使用する方法を記載する。記載のFN3ドメイン抗体及び抗原結合フラグメントを使用して、FN3ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)のT細胞表面発現を検出することができる。別の実施形態では、記載のFN3ドメイン抗体及び抗原結合フラグメントを使用して、FN3ドメインを含む、CARを発現するT細胞を活性化することができる。更に別の実施形態では、記載のFN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメントを使用して、記載の抗原結合フラグメントを含むCARを生成することができる。
いくつかの実施形態では、本発明は、単離抗体及び抗原結合フラグメントを含み、これらの抗体又は抗原結合フラグメントは、FN3ドメインの非ランダム化領域に特異的に結合する。これらのFN3ドメイン抗体、又はこれらの抗原結合フラグメントは、FN3ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)のT細胞表面発現を検出し得る。いくつかの実施形態では、FN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメントは、FN3ドメインを含むCARを発現するT細胞を活性化する。いくつかの実施形態では、FN3ドメイン抗体及び抗原結合フラグメントは、ループ領域において改変されたFN3ドメインに結合する。表1は、本明細書に記載のFN3ドメイン特異的抗体のCDR配列を提供する。
Figure 2020530766
一部の実施形態では、FN3抗体又はその抗原結合フラグメントは、表1に記載のアミノ酸配列のうちいずれか1つのCDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖と、表1に記載のアミノ酸配列のうちいずれか1つのCDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖とを含む。本発明のFN3ドメイン抗体は、配列番号14の重鎖可変領域配列を含んでよく、配列番号15の軽鎖可変領域配列を含んでよい。他の実施形態では、本発明のFN3ドメイン抗体は、配列番号74の重鎖可変領域配列を含んでよく、配列番号75の軽鎖可変領域配列を含んでよい。他の実施形態では、本発明のFN3ドメイン抗体は、配列番号78の重鎖可変領域配列を含んでよく、配列番号79の軽鎖可変領域配列を含んでよい。
本明細書に記載のFN3ドメイン抗体は、IgGアイソタイプのいずれかとの組み合わせで、CDR及び可変ドメインの記載の特徴を有する抗体を含む。同IgGアイソタイプは、Fc配列が異なるエフェクター機能をもたらすために改変されている改変版を含む。
記載のFN3ドメイン抗体及び抗原結合フラグメントに加えて、FN3ドメイン抗体及び抗原結合フラグメントをコード可能なポリヌクレオチド配列もまた提供される。記載のポリヌクレオチドを含むベクターも提供され、同様に、FN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメントを発現する細胞も本明細書において提供される。また、開示されたベクターを発現可能な細胞も記載される。これらの細胞は、哺乳類細胞(例えば、293F細胞、CHO細胞)、昆虫細胞(例えば、Sf9細胞)、酵母細胞、植物細胞、又は細菌細胞(例えば、大腸菌)であってよい。FN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメントを産生するためのプロセスもまた提供される。
本発明はまた、
(a)FN3ドメインの非ランダム化領域に特異的に結合するscFvを有する細胞外ドメインと、
(b)膜貫通ドメインと、
(c)細胞内シグナル伝達ドメインとを含む、単離ポリペプチドを含む本発明のCARを含む。
CARは、細胞外ドメインと膜貫通ドメインとを連結するヒンジ領域を更に含み得る。
いくつかの実施形態では、CAR単離ポリペプチドは、
(a)配列番号68〜73のうちの1つと少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、好ましくは配列番号68〜73のうちの1つのアミノ酸配列を有するFN3ドメインのような、本発明のFN3ドメインを含む細胞外ドメインと、
(b)配列番号24と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、好ましくは配列番号24のアミノ酸配列を有するヒンジ領域と、
(c)配列番号25と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、好ましくは配列番号25のアミノ酸配列を有する膜貫通ドメインと、
(d)配列番号26と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、好ましくは配列番号26のアミノ酸配列を有する共刺激ドメインと、配列番号27と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、好ましくは配列番号27のアミノ酸配列を有する一次シグナル伝達ドメインとを含む細胞内シグナル伝達ドメインとを含む。
本発明はまた、
(a)FN3ドメインの非ランダム化領域に特異的に結合するscFvを有する細胞外ドメインと、
(b)膜貫通ドメインと、
(c)細胞内シグナル伝達ドメインとを含む、本発明のCARをコードする単離ポリヌクレオチドを含む。
CARは、細胞外ドメインと膜貫通ドメインとを連結するヒンジ領域を更に含み得る。
いくつかの実施形態では、CARをコードする単離ポリヌクレオチドは、
(a)配列番号68〜73のうちの1つと少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、好ましくは配列番号68〜73のうちの1つのアミノ酸配列を有するFN3ドメインのような、本発明のFN3ドメインを含む細胞外ドメインと、
(b)配列番号24と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、好ましくは配列番号24のアミノ酸配列を有するヒンジ領域と、
(c)配列番号25と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、好ましくは配列番号25のアミノ酸配列を有する膜貫通ドメインと、
(d)配列番号26と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、好ましくは配列番号26のアミノ酸配列を有する共刺激ドメインと、配列番号27と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、好ましくは配列番号27のアミノ酸配列を有する一次シグナル伝達ドメインとを含む細胞内シグナル伝達ドメインとを含む。
別の一般的な態様では、本発明は、本発明のCAR、本発明のCARをコードするポリヌクレオチドを含むベクター、及び本発明のCARをコードするベクター又は単離ポリヌクレオチドを含む宿主細胞に関する。本発明はまた、CARをコードするポリヌクレオチド配列を含む宿主細胞を、CARを産生するための条件下で培養することと、CARを回収することとを含む、本発明のCARを生産する方法にも関する。CARは、宿主細胞又は宿主細胞から単離された細胞膜と関連付けることができる。
別の一般的な態様によれば、本発明は、本発明のCARを含む遺伝子操作された免疫細胞に関する。好ましくは、遺伝子操作された免疫細胞は、T細胞受容体ノックアウト免疫細胞である。好ましくは、遺伝子操作された免疫細胞は、HLA I/B2−ミクログロブリンノックアウト免疫細胞である。場合により、HLA I/B2−ミクログロブリンノックアウト免疫細胞は更に、宿主患者からの同種異系免疫応答を欠くHLA IIノックアウト免疫細胞であってもよい。遺伝子操作された免疫細胞は、FN3ドメインとは異なる標的に特異的に結合する細胞外ドメインを有する第2のCARを含むことができる。遺伝子操作された免疫細胞はまた、少なくとも1つの抗がん化学療法に対する耐性を有してもよい。
別の一般的な態様では、本発明は、本発明の遺伝子操作された免疫細胞を含む医薬組成物に関する。
別の一般的な態様では、本発明は、治療有効量の本発明の医薬組成物を対象に投与することを含む、B細胞に関連した病態の治療を要する対象における、B細胞に関連した病態を治療する方法に関する。好ましい実施形態では、B細胞に関連した病態は多発性骨髄腫である。
別の一般的な態様では、本発明は、免疫細胞を得ることと、本発明のCARをコードするポリペプチドを細胞内に導入することとを含む、本発明の免疫細胞を遺伝子操作する方法に関する。
別の一般的態様では、本発明は、本発明の遺伝子操作された免疫細胞を薬学的に許容される担体と組み合わせて医薬組成物を得ることを含む、医薬組成物の製造方法に関する。
本開示のFN3ドメイン抗体又はその抗原結合フラグメントを含むキットは、本発明の範囲内である。記載のキットを使用して、本明細書で提供されたFN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメントを使用する方法、又は当業者に既知の他の方法を行うことができる。いくつかの実施形態では、記載のキットは、本明細書に記載のFN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメント、生体サンプル中のFN3ドメインの存在を検出する際に用いられる試薬、任意追加的に、使用していないときにFN3ドメイン抗体又はフラグメントを収容するための容器、FN3ドメイン抗体又はフラグメントの使用説明書、固体支持体に固定されているFN3ドメイン抗体又はフラグメント、及び/又は検出可能に標識された形態のFN3ドメイン抗体又はフラグメントを含むことができる。
固定化されたFN3ドメイン又は陰性対照タンパク質に結合する組み換えAS7B90及びAS7B91の試験、及び抗体CEN25−105−5に由来する元のウサギハイブリドーマとの比較を示す。標的特異性を有さないTencon25の結合データを示す。 固定化されたFN3ドメイン又は陰性対照タンパク質に結合する組み換えAS7B90及びAS7B91の試験、及び抗体CEN25−105−5に由来する元のウサギハイブリドーマとの比較を示す。ヒトcMETに特異的なFN3ドメインであるA3の結合データを示す。 固定化されたFN3ドメイン又は陰性対照タンパク質に結合する組み換えAS7B90及びAS7B91の試験、及び抗体CEN25−105−5に由来する元のウサギハイブリドーマとの比較を示す。アルブミン結合ドメインを有するヒトEGFRに特異的なFN3ドメインである83v2−ABDの結合データを示す。 A7B91が、T細胞の表面に発現した全てのCARTyrinを検出できたことを示す。 A7B91が、T細胞の表面に発現した全てのCARTyrinを検出できたことを示す。 A7B91が、T細胞の表面に発現した全てのCARTyrinを検出できたことを示す。 A7B91が、T細胞の表面に発現した全てのCARTyrinを検出できたことを示す。 A7B91が、T細胞の表面に発現した全てのCARTyrinを検出できたことを示す。 A7B91が、T細胞の表面に発現した全てのCARTyrinを検出できたことを示す。 A7B91が、T細胞の表面に発現した全てのCARTyrinを検出できたことを示す。 A7B91が、T細胞の表面に発現した全てのCARTyrinを検出できたことを示す。 A7B91が、T細胞の表面に発現した全てのCARTyrinを検出できたことを示す。 A7B91が、T細胞の表面に発現した全てのCARTyrinを検出できたことを示す。 A7B91が、T細胞の表面に発現した全てのCARTyrinを検出できたことを示す。 A7B91が、T細胞の表面に発現した全てのCARTyrinを検出できたことを示す。 A7B91が、T細胞の表面に発現した全てのCARTyrinを検出できたことを示す。 標識されたTencon25を使用した、初代T細胞の表面でのAS7B91 scFv CARの発現の検出を示す。 BCMA発現標的細胞に応答した、AS7B91 scFv CAR−BCMA特異的FN3ドメインの脱顆粒を示す。H929(BCMA高発現細胞)を示す。異なるFN3ドメインを、AS7B91 scFv CAR T細胞と共に50nMの濃度でインキュベートし、洗浄し、次いで、1:1比で標的細胞に添加した。BAR−T変異体1=AS7B91 scFv L−H CAR、BAR−T変異体2=AS7B91 scFv H−L CAR。 BCMA発現標的細胞に応答した、AS7B91 scFv CAR−BCMA特異的FN3ドメインの脱顆粒を示すARH77(BCMA低発現細胞)を示す。異なるFN3ドメインを、AS7B91 scFv CAR T細胞と共に50nMの濃度でインキュベートし、洗浄し、次いで、1:1比で標的細胞に添加した。BAR−T変異体1=AS7B91 scFv L−H CAR、BAR−T変異体2=AS7B91 scFv H−L CAR。 BCMA発現標的細胞に応答した、AS7B91 scFv CAR−BCMA特異的FN3ドメインの脱顆粒を示すK562(BCMA陰性細胞)を示す。異なるFN3ドメインを、AS7B91 scFv CAR T細胞と共に50nMの濃度でインキュベートし、洗浄し、次いで、1:1比で標的細胞に添加した。BAR−T変異体1=AS7B91 scFv L−H CAR、BAR−T変異体2=AS7B91 scFv H−L CAR。 BCMA発現標的細胞のAS7B91 scFv CAR−BCMA殺傷を示す。H929、BCMA高発現細胞;ARH77、BCMA低発現細胞;K562、BCMA陰性細胞。異なるFN3ドメインを、AS7B91 scFv CAR T細胞と共に25nMの濃度でインキュベートし、洗浄し、次いで、1:1比で標的細胞に添加した。BAR−T変異体1=AS7B91 scFv L−H CAR、BAR−T変異体2=AS7B91 scFv H−L CAR。 BCMA発現標的細胞のAS7B91 scFv CAR−BCMA殺傷を示す。H929、BCMA高発現細胞;ARH77、BCMA低発現細胞;K562、BCMA陰性細胞。異なるFN3ドメインを、AS7B91 scFv CAR T細胞と共に25nMの濃度でインキュベートし、洗浄し、次いで、1:1比で標的細胞に添加した。BAR−T変異体1=AS7B91 scFv L−H CAR、BAR−T変異体2=AS7B91 scFv H−L CAR。 BCMA発現標的細胞のAS7B91 scFv CAR−BCMA殺傷を示す。H929、BCMA高発現細胞;ARH77、BCMA低発現細胞;K562、BCMA陰性細胞。異なるFN3ドメインを、AS7B91 scFv CAR T細胞と共に25nMの濃度でインキュベートし、洗浄し、次いで、1:1比で標的細胞に添加した。BAR−T変異体1=AS7B91 scFv L−H CAR、BAR−T変異体2=AS7B91 scFv H−L CAR。 BCMA発現標的細胞のAS7B91 scFv CAR−BCMA殺傷を示す。H929、BCMA高発現細胞;ARH77、BCMA低発現細胞;K562、BCMA陰性細胞。異なるFN3ドメインを、AS7B91 scFv CAR T細胞と共に25nMの濃度でインキュベートし、洗浄し、次いで、1:1比で標的細胞に添加した。BAR−T変異体1=AS7B91 scFv L−H CAR、BAR−T変異体2=AS7B91 scFv H−L CAR。 BCMA発現標的細胞のAS7B91 scFv CAR−BCMA殺傷を示す。H929、BCMA高発現細胞;ARH77、BCMA低発現細胞;K562、BCMA陰性細胞。異なるFN3ドメインを、AS7B91 scFv CAR T細胞と共に25nMの濃度でインキュベートし、洗浄し、次いで、1:1比で標的細胞に添加した。BAR−T変異体1=AS7B91 scFv L−H CAR、BAR−T変異体2=AS7B91 scFv H−L CAR。 BCMA発現標的細胞のAS7B91 scFv CAR−BCMA殺傷を示す。H929、BCMA高発現細胞;ARH77、BCMA低発現細胞;K562、BCMA陰性細胞。異なるFN3ドメインを、AS7B91 scFv CAR T細胞と共に25nMの濃度でインキュベートし、洗浄し、次いで、1:1比で標的細胞に添加した。BAR−T変異体1=AS7B91 scFv L−H CAR、BAR−T変異体2=AS7B91 scFv H−L CAR。 T細胞上でのAS7B16 scFv CARコンストラクトへの標識されたTencon25の結合を示す。L2H、AS7B16軽鎖−重鎖配向。H2L、AS7B16重鎖−軽鎖配向。 T細胞上でのAS7B16 scFv CARコンストラクトへの標識されたEGFR 83v2の結合を示す。L2H、AS7B16軽鎖−重鎖配向。H2L、AS7B16重鎖−軽鎖配向。 T細胞上でのAS7B82 scFv CARコンストラクトへの標識されたTencon25の結合を示す。L2H、AS7B82軽鎖−重鎖配向。H2L、AS7B16重鎖−軽鎖配向。 T細胞上でのAS7B82 scFv CARコンストラクトへの標識されたEGFR 83v2の結合を示す。L2H、AS7B16軽鎖−重鎖配向。H2L、AS7B16重鎖−軽鎖配向。 FcgR発現細胞株の生成。Lenti−Pac HIV発現パッケージング系を使用して、ヒトFcgR(CD16a、CD32及びCD64)をコードする精製レンチウイルス発現プラスミドを、293T細胞のトランスフェクション用にパッケージングした。 FcgR発現細胞株の生成。Lenti−Pac HIV発現パッケージング系を使用して、ヒトFcgR(CD16a、CD32及びCD64)をコードする精製レンチウイルス発現プラスミドを、293T細胞のトランスフェクション用にパッケージングした。 シトルリン化環状ペプチドのTencon25センチリンへの共役化を、ソルターゼの化学的性質を用いた1:5比(センチリン対ペプチド)で行った。Ni Sepharoseカラム(GE)上での用手法により複合体を精製して、遊離ソルターゼ及びペプチドを除去した。精製後、複合体をPBSへとバッファー交換し、濃縮した。複合体は、(a)質量分析(LC−MS)及び(b)サイズ排除クロマトグラフィー(Superdex 75)によってQCを行い、滅菌濾過した。 シトルリン化環状ペプチドのTencon25センチリンへの共役化を、ソルターゼの化学的性質を用いた1:5比(センチリン対ペプチド)で行った。Ni Sepharoseカラム(GE)上での用手法により複合体を精製して、遊離ソルターゼ及びペプチドを除去した。精製後、複合体をPBSへとバッファー交換し、濃縮した。複合体は、(a)質量分析(LC−MS)及び(b)サイズ排除クロマトグラフィー(Superdex 75)によってQCを行い、滅菌濾過した。 センチリン−CCP1ペプチド複合体への抗シトルリン化抗体の結合の検出。FcgR発現HEK293細胞を、200μg/mLのヒト抗シトルリン化フィブリノーゲン抗体又はヒトIgG1アイソタイプ対照と共にインキュベートした。フローサイトメトリーによって結合を評価した。 AS7B91 scFv CAR−T細胞は、抗シトルリン化mAb結合FcR発現細胞の殺傷を媒介した。 BAR−Tプラットフォーム拡張のための複数の自己免疫疾患における潜在的なペプチド/抗体の組み合わせの評価。a)重症筋無力症(MG)、b)多発性硬化症(MS)、及びc)全身性エリテマトーデス(SLE)に特異的なペプチドの、それぞれ抗AChR、抗MOG、又は抗dsDNA抗体への結合能について試験した。出現順に配列番号85〜87をそれぞれ開示する。 BAR−Tプラットフォーム拡張のための複数の自己免疫疾患における潜在的なペプチド/抗体の組み合わせの評価。a)重症筋無力症(MG)、b)多発性硬化症(MS)、及びc)全身性エリテマトーデス(SLE)に特異的なペプチドの、それぞれ抗AChR、抗MOG、又は抗dsDNA抗体への結合能について試験した。出現順に配列番号88〜90をそれぞれ開示する。 BAR−Tプラットフォーム拡張のための複数の自己免疫疾患における潜在的なペプチド/抗体の組み合わせの評価。a)重症筋無力症(MG)、b)多発性硬化症(MS)、及びc)全身性エリテマトーデス(SLE)に特異的なペプチドの、それぞれ抗AChR、抗MOG、又は抗dsDNA抗体への結合能について試験した。出現順に配列番号91〜93をそれぞれ開示する。
定義
発明の背景において、また、本明細書全体を通じて各種刊行物、論文及び特許を引用又は記載する。これら参照文献の各々はその全容が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に含まれる文書、操作、材料、デバイス、物品などの考察は、本発明のコンテキストを与えるためのものである。かかる考察は、これらの事物のいずれか又は全てが、開示又は特許請求されるいかなる発明に対しても先行技術の一部を構成することを容認するものではない。
本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。したがって、例えば、「細胞(a cell)」という言及には、2つ以上の細胞の組み合わせ、及びこれに類するものなどが含まれる。
本明細書で使用されるとき、測定値、例えば、量、持続時間等に言及する場合の「約」という用語は、指定された値から最大±10%の偏差を包含することを意味する。同様に、このような偏差は、開示された方法を行うのに適している。別途記載のない限り、本明細書及び特許請求の範囲において使用される、成分の量、並びに分子量及び反応条件等の特性を表わす全ての数字は、全ての事例において「約」という用語により修飾されていると理解されたい。したがって、そうではないと示されない限り、下記明細書及び添付の特許請求の範囲で説明された数値パラメータは、本発明により得ようとする所望の特性に応じて変動する場合がある近似値である。最低でも、特許請求の範囲の範囲に対して均等論の適用を制限することを試みてはならず、各数値パラメータは、報告された有効桁の数字を考慮し、通常の四捨五入の手法を適用することにより、少なくとも解釈されるべきである。
本発明の広い範囲を説明する数値範囲及びパラメータは近似値であるが、特定の実施例に記載された数値は、可能な限り正確に報告される。但し、任意の数値は、各試験測定において見出される標準偏差から必然的に生じる一定の誤差を本質的に含有する。
「単離された」とは、生物学的成分(例えば、核酸、ペプチド、又はタンパク質)が、これらの成分が本来存在する生物の他の生物学的成分、すなわち、他の染色体及び染色体外DNA及びRNA、並びにタンパク質から、実質的に分離され、同他の成分とは別に生成され、又は同他の成分から離して精製されていることを意味する。このため、「単離」された核酸、ペプチド、及びタンパク質は、標準的な精製法により精製された核酸及びタンパク質を含む。「単離された」核酸、ペプチド、及びタンパク質は、組成物の一部であることができ、このような組成物が核酸、ペプチド、又はタンパク質の本来の環境の一部ではない場合であっても単離されている。また、この用語は、宿主細胞中での組み換え発現により調製された核酸、ペプチド、及びタンパク質、並びに化学合成された核酸も包含する。本明細書で使用するとき、「単離」抗体又は抗原結合フラグメントは、種々の抗原特異性を有する他の抗体又は抗原結合フラグメントを実質的に含まない抗体又は抗原結合フラグメントを意味することを意図している(例えば、FN3ドメインに特異的に結合する単離抗体は、FN3ドメインに特異的ではない抗体を実質的に含まない)。
本明細書で使用するとき、「フィブロネクチンIII型ドメイン」又は「FN3ドメイン」なる用語は、フィブロネクチン、テネイシン、細胞内細胞骨格タンパク質、サイトカイン受容体及び原核生物酵素を含むタンパク質にしばしば存在するドメイン(Bork and Doolittle,PNAS USA 89:8990−8994,1992;Meinke et al.,J Bacteriol 175:1910−1918,1993;Watanabe et al.,J Biol Chem 265:15659−15665,1990)、又はこれらの誘導体を指す。例示的なFN3ドメインとしては、ヒトテネイシンC中に存在する15個の異なるFN3ドメイン、ヒトフィブロネクチン(FN)中に存在する15個の異なるFN3ドメイン、及び非天然の合成FN3ドメインがある(例えば米国特許第8278419号に記載される)。個々のFN3ドメインは、ドメイン番号とタンパク質名で呼ばれる(例えばテネイシンの3番目のFN3ドメイン(TN3)、又はフィブロネクチンの10番目のFN3ドメイン(FN10))。
「抗体」は、特に断らない限り、免疫グロブリンの全てのアイソタイプ(IgG、IgA、IgE、IgM、IgD、及びIgY)を指し、種々の単量体、多量体、及びキメラ型を含む。ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)、及び抗体様ポリペプチド、例えば、キメラ抗体及びヒト化抗体が、「抗体」という用語に具体的に包含される。
「抗原結合フラグメント」は、特定の抗原に対して結合親和性を示し得る任意のタンパク質性構造体である。抗原結合フラグメントは、任意の既知の手法、例えば、酵素開裂、ペプチド合成、及び組み換え手法により提供されたものを含む。一部の抗原結合フラグメントは、親抗体分子の抗原結合特異性を保持しているインタクトな抗体の部分から構成される。例えば、抗原結合フラグメントは、特定の抗原に結合することが既知である抗体の、少なくとも1つの可変領域(重鎖若しくは軽鎖の可変領域のいずれか一方)、又は1つ若しくは2つ以上のCDRを含んでもよい。適切な抗原結合フラグメントの例には、ディアボディ(diabodies)及び一本鎖分子、並びにFab、F(ab’)2、Fc、Fabc、及びFv分子、一本鎖(Sc)抗体、個々の抗体軽鎖、個々の抗体重鎖、抗体鎖若しくはCDRと他のタンパク質との間でのキメラ融合体、タンパク質スキャフォールド、重鎖単量体若しくは二量体、軽鎖単量体若しくは二量体、1本の重鎖と1本の軽鎖とからなる二量体、VL、VH、CL、及びCH1ドメインからなる一価フラグメント、国際公開第2007059782号に記載された一価抗体、ヒンジ領域においてジスルフィド結合により連結された2つのFabフラグメントを含む二価フラグメント、V.sub.H及びC.sub.H1ドメインから本質的になるFdフラグメント、抗体の1つのアームのVL及びVHドメインから本質的になるFvフラグメント、VHドメインから本質的になり、ドメイン抗体とも呼ばれる(Holt et al;Trends Biotechnol.2003 Nov.;21(11):484−90)dAbフラグメント(Ward et al.,Nature 341,544−546(1989))、ラクダ科動物抗体フラグメントつまりナノボディ(Revets et al;Expert Opin Biol Ther.2005 Jan.;5(1):111−24)、単離された相補性決定領域(CDR)等が挙げられるが、これらに限定されない。全ての抗体アイソタイプが、抗原結合フラグメントを生成するのに使用されてもよい。加えて、抗原結合フラグメントは、対象となる所与の抗原に対する親和性を付与する方向にポリペプチドセグメントをうまく組み込み得る、抗体以外のタンパク質性フレームワーク、例えば、タンパク質スキャフォールドを含んでもよい。抗原結合フラグメントは、組み換えにより生成されてもよく、又はインタクトな抗体の酵素分解若しくは化学分解により生成されてもよい。「抗体又はその抗原結合フラグメント」という表現は、所与の抗原結合フラグメントが、この表現内で参照された抗体の1つ又は2つ以上のアミノ酸セグメントを組み込んでいることを示すために使用されてもよい。
「CDR」及びその複数形「CDRs」という用語は、相補性決定領域(CDR)であって、そのうちの3つが軽鎖可変領域(CDRL1、CDRL2、及びCDRL3)の結合特性を構成し、3つが重鎖可変領域(CDRH1、CDRH2、及びCDRH3)の結合特性を構成する、相補性決定領域(CDR)を意味する。CDRは、抗体分子の機能的活性に寄与し、スキャフォールド領域又はフレームワーク領域を含むアミノ酸配列によって分離される。正確な定義上のCDRの境界及び長さは、様々な分類及び番号付けシステムによって異なる。したがって、CDRは、IMGT定義、Kabat定義、Chothia定義、又は任意の他の境界定義によって参照され得る。境界が異なるにもかかわらず、これらのシステムの各々は、可変配列内のいわゆる「超可変領域」を構成する要素においてある程度のオーバーラップを有する。したがって、これらのシステムによるCDRの定義は、隣接するフレームワーク領域についての長さ及び境界領域の点で異なることがある。例えば、それぞれが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th ed.NIH Publication No.91−3242(1991);Chothia et al.,「Canonical Structures For the Hypervariable Regions of Immunoglobulins,」J.Mol.Biol.196:901(1987);及びMacCallum et al.,「Antibody−Antigen Interactions:Contact Analysis and Binding Site Topography,」J.Mol.Biol.262:732(1996))を参照のこと。
典型的には、CDRは、カノニカル構造として分類され得るループ構造を形成する。「カノニカル構造」という用語は、抗原結合(CDR)ループによって採用される主鎖立体構造を意味する。比較構造の研究から、6つの抗原結合ループのうちの5つは利用可能な立体構造のレパートリーがごく限られていることが判明している。各カノニカル構造は、ポリペプチド主鎖のねじれ角によって特徴付けられ得る。したがって抗体間で対応するループは、それらのループの大部分において高度のアミノ酸配列可変性が見られるにもかかわらず、非常によく似た三次元構造を有し得る(Chothia et al.,「Canonical Structures For the Hypervariable Regions of Immunoglobulins,」J.Mol.Biol.196:901(1987);Chothia et al.,「Conformations of Immunoglobulin Hypervariable Regions,」I 342:877(1989);Martin and Thornton,「Structural Families in Loops of Homologous Proteins:Automatic Classification,Modelling and Application to Antibodies,」 J.Mol.Biol.263:800(1996))(当該文献のそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。更に、とられるループ構造とその周囲のアミノ酸配列との間には関係がある。特定のカノニカルクラスの立体構造は、ループの長さと、ループ内の重要な位置並びに保存されたフレームワーク(すなわち、ループの外側)内にあるアミノ酸残基とによって決定される。したがって、これらの重要なアミノ酸残基の存在に基づいて、特定のカノニカルクラスへの割り当てを行うことができる。
抗体又は抗体フラグメントの文脈において使用されるとき、「特異的に結合(Specifically binds)」若しくは「特異的に結合(binds specifically)」又はそれらの派生語は、免疫グロブリン遺伝子又は免疫グロブリン遺伝子のフラグメントによりコードされたドメインを介し、混合された様々な分子を含有するサンプル中で他の分子に優先的に結合することなく対象となるタンパク質の1つ又は2つ以上のエピトープに結合することを表わす。典型的には、抗体は、表面プラズモン共鳴アッセイ又は細胞結合アッセイにより測定された場合、約1×10−8M未満のKで、同じ性質の抗原に結合する。好ましい実施形態では、結合特異性はバイオレイヤー干渉法を用いて測定される。「[抗原]特異的」抗体等の表現は、列挙された抗体が列挙された抗原に特異的に結合することを伝達することを意味する。
「ポリヌクレオチド」は、同義的に「核酸分子」、「ヌクレオチド」、又は「核酸」と呼ばれ、非修飾RNA若しくはDNA又は修飾RNA若しくはDNAでもよい、任意のポリリボヌクレオチド又はポリデオキシリボヌクレオチドを指す。「ポリヌクレオチド」には、一本鎖及び二本鎖DNA、一本鎖及び二本鎖の領域の混合物であるDNA、一本鎖及び二本鎖RNA、並びに一本鎖及び二本鎖の領域の混合物であるRNA、DNA及びRNAを含むハイブリッド分子(一本鎖、又はより典型的には、二本鎖、又は一本鎖及び二本鎖の領域の混合物でもよい)が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、「ポリヌクレオチド」は、RNA若しくはDNA又はRNA及びDNAの両方を含む三本鎖領域を指す。用語、ポリヌクレオチドには、1つ以上の修飾塩基を含有するDNA又はRNA、及び安定性若しくは他の理由により修飾された主鎖を有するDNA又はRNAも含まれる。「修飾」塩基は、例えば、トリチル化塩基及び異常な塩基、例えば、イノシンを含む。各種の修飾が、DNA及びRNAになされてもよい。したがって、「ポリヌクレオチド」は、典型的に天然に認められるポリヌクレオチドの化学的、酵素的又は代謝的に修飾された形態、並びにウイルス及び細胞のDNA及びRNAの特徴を有する化学的形態を包含する。「ポリヌクレオチド」はまた、比較的短い核酸鎖(多くの場合、オリゴヌクレオチドと呼ばれる)も包含する。
「ベクター」とは、セグメントの複製又は発現をもたらすように、別の核酸セグメントを操作可能に挿入できるレプリコン、例えば、プラスミド、ファージ、コスミド、又はウイルスのことである。
本明細書で使用されるとき、「宿主細胞」という用語は、例えば、初代細胞、培養中の細胞、又は細胞株由来の細胞といった任意のタイプの細胞であってよい。特定の実施形態では、「宿主細胞」という用語は、核酸分子を遺伝子導入された細胞、及びそのような細胞の子孫又は潜在的子孫を指す。このような細胞の子孫は、核酸分子で遺伝子導入された親細胞とは、例えば、宿主細胞ゲノムへの核酸分子の後続の生成又は集積において生じ得る、変異又は環境からの影響により、同一ではないことがある。「発現」及び「生成」という用語は、本明細書において同義的に使用され、遺伝子産物の生合成を意味する。これらの用語は、遺伝子のRNAへの転写を包含する。また、これらの用語は、RNAの1つ又は2つ以上のポリペプチドへの翻訳を包含し、全ての天然の転写後及び翻訳後修飾を更に包含する。抗体又はその抗原結合フラグメントの発現又は生成は、細胞の細胞質内、又は細胞外環境、例えば、細胞培養用の増殖培地内でもよい。「実質的に同じ」の意味は、この用語が使用される文脈に応じて異なる場合がある。重鎖及び軽鎖並びにこれらをコードする遺伝子中には天然の配列バリエーションが存在し得ることから、本明細書に記載されたアミノ酸配列又は抗体若しくは抗原結合フラグメントをコードする遺伝子内には、固有の結合特性(例えば、特異的及び親和性)にはほとんど影響しない、又は影響しない、ある程度のバリエーションが見られることが予測される。このような予測は、部分的には、遺伝暗号の縮重及び保存的アミノ酸配列バリエーションの進化的成功による。同バリエーションは、コードされたタンパク質の性質を認識され得るほどには改変させない。したがって、核酸配列の文脈において、「実質的に同じ」は、2つ以上の配列間での少なくとも65%の同一性を意味する。好ましくは、この用語は、2つ以上の配列間での少なくとも70%の同一性、より好ましくは、少なくとも75%の同一性、より好ましくは、少なくとも80%の同一性、より好ましくは、少なくとも85%の同一性、より好ましくは、少なくとも90%の同一性、より好ましくは、少なくとも91%の同一性、より好ましくは、少なくとも92%の同一性、より好ましくは、少なくとも93%の同一性、より好ましくは、少なくとも94%の同一性、より好ましくは、少なくとも95%の同一性、より好ましくは、少なくとも96%の同一性、より好ましくは、少なくとも97%の同一性、より好ましくは、少なくとも98%の同一性、及びより好ましくは、少なくとも99%以上の同一性を意味する。2つの配列間の同一性(%)は、ギャップ数及び各ギャップの長さを考慮して、配列により共有される同一の位置の数の関数である(すなわち、相同性の割合(%)=同一位置数/位置の総数×100)。同考慮は、2つの配列の最適なアライメントを導くのに必要である。2つのヌクレオチド又はアミノ酸配列間の同一性パーセントは、例えば、E.Meyers and W.Miller,Comput.Appl.Biosci 4,11−17(1988)のアルゴリズムを使用して決定されてもよい。同アルゴリズムは、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれており、PAM120重み付け残基テーブル、ギャップ長ペナルティ12、及びギャップペナルティ4を使用する。加えて、2つのアミノ酸配列間の同一性(%)は、Needleman and Wunsch,J.Mol.Biol.48,444−453(1970)のアルゴリズムを使用して決定されてもよい。
タンパク質の機能に実質的な影響を有することなく、タンパク質のアミノ酸配列内に生じ得るバリエーションの度合いは、核酸配列のバリエーションの度合いより非常に小さい。これは、同じ縮重原理がアミノ酸配列には当てはまらないためである。したがって、抗体又は抗原結合フラグメントの文脈において、「実質的に同じ」は、記載された抗体又は抗原結合フラグメントに対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有する抗体又は抗原結合フラグメントを意味する。他の実施形態は、本明細書に記載のFN3ドメイン抗体及び抗原結合フラグメントと有意な同一性を共有しないが、1つ又は2つ以上のCDR又は結合性を付与するのに必要とされる他の配列を組み込む、フレームワーク、スキャフォールド、又は他の非結合領域を有し、本明細書に記載のかかる配列に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一である、FN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメントを含む。
本明細書で使用するところの「キメラ抗原受容体」(CAR)なる用語は、少なくとも、抗原又は標的に特異的に結合する細胞外ドメインと、膜貫通ドメインと、細胞内T細胞受容体活性化シグナル伝達ドメインとを含む組み換えポリペプチドを指す。CARの細胞外ドメインと標的細胞の表面上の標的抗原との結合によって、CARはクラスター化し、CAR保有細胞に活性化刺激が与えられる。CARは、免疫エフェクター細胞の特異性を新たに方向付け、主要組織適合性(MHC)とは独立した形で、標的抗原発現細胞の細胞死を媒介し得る増殖、サイトカイン産生、貪食作用、及び/又は分子の産生を誘導する。
本明細書で使用するところの「細胞外抗原結合ドメイン」、「細胞外ドメイン」、又は「細胞外リガンド結合ドメイン」なる用語は、細胞膜の外側に位置し、抗原、標的、又はリガンドに結合することができるCARの部分を指す。
本明細書で使用するところの「ヒンジ領域」なる用語は、CARタンパク質の2つの隣接するドメイン、例えば、細胞外ドメインと膜貫通ドメインとを連結するCARの部分を指す。
本明細書で使用するところの「膜貫通ドメイン」なる用語は、細胞膜を横切って延在し、CARを細胞膜に固定するCARの部分を指す。
本明細書で使用するところの「細胞内T細胞受容体活性化シグナル伝達ドメイン」、「細胞質シグナル伝達ドメイン」、又は「細胞内シグナル伝達ドメイン」なる用語は、細胞膜の内側に位置し、エフェクター信号を伝達することができるCARの部分を指す。
本明細書で使用するところの「刺激分子」なる用語は、T細胞シグナル伝達経路の少なくとも一部の側面において、刺激によってT細胞受容体(TCR)複合体の一次活性化を調節する一次細胞質シグナル伝達配列を与える、T細胞によって発現される分子を指す。刺激分子は、抗原依存的な一次活性化を開始する配列(「一次シグナル伝達ドメイン」と呼ばれる)と、抗原と独立して作用することで二次又は共刺激シグナルを与える配列(「共刺激シグナル伝達ドメイン」と呼ばれる)の2つの異なるクラスの細胞質シグナル伝達配列を含む。
本明細書で使用するところの「発現」なる用語は、遺伝子産物の生合成を指す。かかる用語には、遺伝子のRNAへの転写が含まれる。また、かかる用語には、RNAの1つ以上のポリペプチドへの翻訳も含まれ、全ての天然に生じる転写後及び翻訳後修飾も更に含まれる。発現されるFN3ドメイン又はCARは、宿主細胞の細胞質中、細胞培養の増殖培地などの細胞外環境中に存在し得るか、又は細胞膜に固定され得る。
本明細書で使用するところの「免疫細胞」又は「免疫エフェクター細胞」なる用語は、免疫応答、例えば免疫エフェクター応答の促進に関与する細胞のことを指す。免疫細胞の例としては、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、マスト細胞、及び骨髄由来食細胞が挙げられる。特定の実施形態によれば、遺伝子操作された免疫細胞はT細胞であり、本発明のCARを発現するように遺伝子操作されていることから、CAR−T細胞と呼ばれる。
本明細書で使用するところの「遺伝子操作された免疫細胞」なる用語は、細胞の全遺伝物質にDNA又はRNAの形の更なる遺伝物質を加えることによって遺伝子改変された免疫細胞(免疫エフェクター細胞とも呼ばれる)のことを指す。本明細書の実施形態によれば、遺伝子操作された免疫細胞は、本発明に基づくFN3ドメイン標的化CARを発現するように遺伝子改変されたものである。
本明細書で使用するところの「担体」なる用語は、あらゆる賦形剤、希釈剤、充填剤、塩、バッファー、安定剤、可溶化剤、油、脂質、脂質含有小胞、ミクロスフェア、リポソーム封入体、又は医薬製剤で使用するための当該技術分野では公知の他の材料を指す。担体、賦形剤又は希釈剤の特性は、特定の用途の投与経路によって決まる点は理解されよう。本明細書で使用するころの「医薬上許容できる担体」なる用語は、本発明による組成物の効果又は本発明による組成物の生物活性を妨げない無毒性材料を指す。
本明細書で使用するところの「対象」なる用語は、動物、好ましくは哺乳動物を指す。特定の実施形態によれば、対象は、非霊長類(例えば、ラクダ、ロバ、シマウマ、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ネコ、イヌ、ラット、ウサギ、モルモット又はマウス)、又は霊長類(例えば、サル、チンパンジー、又はヒト)を含む哺乳動物である。特定の実施形態では、対象はヒトである。
本明細書で使用するところの「治療的有効量」なる用語は、対象に所望の生物学的又は薬理的応答を誘導する活性成分又は構成成分の量を指す。治療有効量は、記載される目的に対して経験的かつ一般的な方法で決定することができる。
本明細書で使用するところの「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、及び「治療(treatment)」なる用語はいずれも、がん又は自己免疫に関連した少なくとも1つの測定可能な物理的パラメータの改善又は逆転を指すものであり、これは対象において必ずしも認識されるとは限らないが、対象において認識可能な場合もある。「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、及び「治療(treatment)」なる用語はまた、疾患、障害、又は病態の退縮を生じる、その進行を防止する、又は少なくともその進行を遅らせることを指す場合もある。特定の実施形態では、「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、及び「治療(treatment)」は、腫瘍若しくはより好ましくはがんなどの疾患、障害、若しくは病態に関連する1つ以上の症状の緩和、進展若しくは発症の予防、又はその期間の短縮を指す。特定の実施形態では、「治療する」、「治療する」、及び「治療」は、疾患、障害、又は病態の再発の防止を指す。特定の実施形態では、「治療する」、「治療する」、及び「治療」は、疾患、障害、又は病態を有する対象の生存率の向上を指す。特定の実施形態では、「治療する」、「治療する」、及び「治療」は、対象における疾患、障害、又は病態の消失を指す。
FN3ドメインライブラリ
Tenconは、ヒトテネイシンCの15個のFN3ドメインのコンセンサス配列から設計された、天然には存在しないFN3ドメインである(Jacobs et al.,Protein Engineering,Design,and Selection,25:107−117,2012、米国特許出願公開第2010/0216708号)。Tenconの結晶構造は、FN3ドメインの特徴である、7個のβ鎖をつなぐ6個の表面露出ループを示し、β鎖は、A、B、C、D、E、F、及びGと呼ばれ、ループは、AB、BC、CD、DE、EF、及びFGループと呼ばれている(Bork and Doolittle,PNAS USA 89:8990−8992,1992;米国特許第6,673,901号)。これらのループ又は各ループ内の選択された残基をランダム化することでFN3ドメインのライブラリを構築することができ、このライブラリを用いて、特定の抗原に結合する新規分子を選択することができる。したがって、本明細書に記載のように、FN3ドメインの「非ランダム化」領域は、全てのFN3ドメイン間で保存されるFN3ドメイン内の領域を指す。表2は、Tencon(配列番号33)の各ループ及びβ鎖の位置及び配列を示す。
Figure 2020530766
したがって、テンコン配列に基づいて設計されたライブラリは、ループ又はストランドのうちの1つ以上にランダム化された配列を有することができる。例えば、テンコンに基づくライブラリは、ABループ、BCループ、CDループ、DEループ、EFループ、及びFGループのうちの1つ以上にランダム化配列を有することができる。例えば、テンコンのBCループはアミノ酸7個の長さを有しており、したがって、1、2、3、4、5、6、又は7個のアミノ酸をテンコン配列に基づいたライブラリでランダム化し、BCループで多様化させたライブラリとすることができる。テンコンのCDループはアミノ酸6個の長さを有しており、したがって、1、2、3、4、5、又は6個のアミノ酸をテンコン配列に基づいたライブラリでランダム化し、CDループで多様化させたライブラリとすることができる。テンコンのEFループはアミノ酸5個の長さを有しており、したがって、1、2、3、4、又は5個のアミノ酸をテンコン配列に基づいたライブラリでランダム化し、EFループで多様化させたライブラリとすることができる。テンコンのFGループはアミノ酸7個の長さを有しており、したがって、1、2、3、4、5、6、又は7個のアミノ酸をテンコン配列に基づいたライブラリでランダム化し、FGループで多様化させたライブラリとすることができる。テンコンライブラリのループにおける更なる多様性を、ループでの残基の挿入及び/又は欠失によって得ることができる。例えば、BC、CD、EF及び/又はFGループをアミノ酸1〜22個だけ伸長することができ、又はアミノ酸1〜3個だけ減少させることができる。TenconにおけるFGループは、長さがアミノ酸7個であり、抗体重鎖における対応するループは、残基4〜28個の範囲である。最大の多様性を得るためには、残基4〜28個の範囲の抗体CDR3の長さに対応するように、FGループの配列及び長さを多様化させることができる。例えば、更に1、2、3、4、又は5個のアミノ酸によってループを伸長することにより、FGループの長さを更に多様化させることができる。
テンコン配列に基づいて設計されたライブラリはまた、FN3ドメインの側面を形成する、2個以上のβ鎖と少なくとも1つのループを含む、ランダム化された別の表面を有してもよい。そのような1つの代替表面は、C及びFのβ鎖、並びにCD及びFGループのアミノ酸によって形成される(C−CD−F−FG表面)。テンコンの別のC−CD−F−FG表面に基づいたライブラリの設計については、米国特許出願公開第2013/0226834号に記載されている。Tencon配列に基づいて設計されたライブラリには、11、17、46、及び/又は86位(残基の番号付けは配列番号33に対応する)の残基の置換を有し、熱安定性が向上したTencon変異体などのTencon変異体に基づいて設計されたライブラリが含まれる。例示的なTencon変異体が米国特許出願公開第2011/0274623号に記載されており、配列番号33のTenconと比較してE11R、L17A、N46V及びE86Iの置換を有するTencon27(配列番号34)が含まれる。
テンコンライブラリ及び他のFN3配列に基づくライブラリは、ランダムな又は既定のアミノ酸の組を用いて、選択された残基の位置でランダム化することができる。例えば、ライブラリにおいて無作為置換を有する変種を、天然に存在する20個全てのアミノ酸をコードするNNKコドンを用いて作製することができる。他の多様化スキームにおいて、アミノ酸Ala、Trp、Tyr、Lys、Thr、Asn、Lys、Ser、Arg、Asp、Glu、Gly、及びCysをコードするために、DVKコドンを使用することができる。あるいは、NNSコドンを用いて20種全てのアミノ酸残基を生じさせると同時に終止コドンの頻度を低減することもできる。多様化させる位置で偏りのあるアミノ酸分布を有するFN3ドメインのライブラリは、例えばSlonomics(登録商標)技術(http:_//www_sloning_com)を用いて合成することができる。この技術は、何千もの遺伝子合成プロセスにおいて充分な普遍的構成単位として機能する、既製の二本鎖トリプレットのライブラリを用いたものである。トリプレットのライブラリは、あらゆる所望のDNA分子を構築するのに必要な、全ての考えられる配列組合せを示す。コドン指定は、周知のIUBコードによる。
FN3ドメイン抗体及び抗原結合フラグメント
本明細書において、FN3ドメインの非ランダム化領域に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体又は抗原結合フラグメントを記載する。抗体分子の全体的な構造は、抗原結合ドメインを含む。同ドメインは、重鎖及び軽鎖並びにFcドメインを含み、補体固定及び抗体の結合受容体(binding antibody receptors)を含む各種の機能を果たす。
記載のFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、全てのアイソタイプである、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM、並びに4本鎖免疫グロブリン構造の合成多量体を含む。記載された抗体又は抗原結合フラグメントはまた、雌鳥又はシチメンチョウの血清及び雌鳥又はシチメンチョウの卵黄中に一般的に見出されるIgYアイソタイプも含む。
FN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、組み換え手法により任意の種から得ることができる。例えば、抗体又は抗原結合フラグメントは、マウス、ラット、ヤギ、ウマ、ブタ、ウシ、ニワトリ、ウサギ、ラクダ、ロバ、ヒト、又はそれらのキメラ版でもよい。ヒトへの投与に使用するために、非ヒト由来の抗体又は抗原結合フラグメントは、ヒト患者への投与時に、抗原性がより低くなるよう遺伝的に又は構造的に改変されてもよい。
一部の実施形態では、抗体又は抗原結合フラグメントはキメラである。本明細書で使用されるとき、「キメラ」という用語は、抗体又はその抗原結合フラグメントであって、非ヒト哺乳類、げっ歯類、又は爬虫類の抗体アミノ酸配列に由来する少なくとも1つの可変ドメインの少なくともいくらかの部分を有するものの、それらの残りの部分はヒトに由来するものである、抗体又はその抗原結合フラグメントを指す。
一部の実施形態では、抗体は、ヒト化抗体である。ヒト化抗体は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最少配列を含有する、キメラ免疫グロブリン、その免疫グロブリン鎖、又はフラグメント(例えば、Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2、又は抗体の他の抗原結合部分配列)であってもよい。ほとんどの場合、ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が所望の特異性、親和性、及び能力を有する非ヒト種、例えば、マウス、ラット、又はウサギのCDRからの残基(ドナー抗体)により置き換えられているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。一般的には、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含むこととなる。同可変ドメイン中、全て又は実質的に全てのCDR領域は、非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、全て又は実質的に全てのフレームワーク領域は、ヒト免疫グロブリン配列のフレームワーク領域である。ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的には、ヒト免疫グロブリンのFcのうち少なくとも一部分を含んでもよい。
本明細書に記載された抗体又は抗原結合フラグメントは、各種の形態で存在し得るが、表1に示された抗体CDRのうち1つ又は2つ以上を含むこととなる。
本明細書において、FN3ドメインに特異的に結合する単離抗体及び抗原結合フラグメントを記載する。一部の実施形態では、FN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、ウサギに由来する。本明細書に例示するFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、ウサギ由来であるが、例示の抗体又は抗原結合フラグメントは、キメラ化されてもよい。
一部の実施形態では、表1に記載の抗体のうちいずれか1つのCDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖と、表1に記載の抗体のうちいずれか1つのCDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖と、を含む、FN3ドメイン特異的抗体又はその抗原結合フラグメントが提供される。
一部の実施形態では、FN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、配列番号1を含む重鎖CDR1、配列番号4を含む重鎖CDR2、配列番号7を含む重鎖CDR3、配列番号9を含む軽鎖CDR1、配列番号11を含む軽鎖CDR2、及び配列番号13を含む軽鎖CDR3を含む。このFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、非ウサギフレームワーク配列を含んでよい。このFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、FN3ドメインの非ランダム化領域に結合してよく、FN3ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)のT細胞表面発現を検出することができ、FN3ドメインを含むCARを発現するT細胞を活性化してよい。一部の実施形態では、FN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、配列番号14と実質的に同じか又は同一の可変重鎖領域と、配列番号15と実質的に同じか又は同一の可変軽鎖とを含む。記載のFN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメントを使用して、記載の抗原結合フラグメントを含むCARを生成することができる。
一部の実施形態では、FN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、配列番号2を含む重鎖CDR1、配列番号5を含む重鎖CDR2、配列番号8を含む重鎖CDR3、配列番号10を含む軽鎖CDR1、配列番号12を含む軽鎖CDR2、及び配列番号13を含む軽鎖CDR3を含む。このFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、非ウサギフレームワーク配列を含んでよい。このFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、FN3ドメインの非ランダム化領域に結合してよく、FN3ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)のT細胞表面発現を検出することができ、FN3ドメインを含むCARを発現するT細胞を活性化してよい。一部の実施形態では、FN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、配列番号14と実質的に同じか又は同一の可変重鎖領域と、配列番号15と実質的に同じか又は同一の可変軽鎖とを含む。記載のFN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメントを使用して、記載の抗原結合フラグメントを含むCARを生成することができる。
一部の実施形態では、FN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、配列番号3を含む重鎖CDR1、配列番号6を含む重鎖CDR2、配列番号8を含む重鎖CDR3、配列番号10を含む軽鎖CDR1、配列番号12を含む軽鎖CDR2、及び配列番号13を含む軽鎖CDR3を含む。このFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、非ウサギフレームワーク配列を含んでよい。このFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、FN3ドメインの非ランダム化領域に結合してよく、FN3ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)のT細胞表面発現を検出することができ、FN3ドメインを含むCARを発現するT細胞を活性化してよい。一部の実施形態では、FN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、配列番号14と実質的に同じか又は同一の可変重鎖領域と、配列番号15と実質的に同じか又は同一の可変軽鎖とを含む。記載のFN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメントを使用して、記載の抗原結合フラグメントを含むCARを生成することができる。
一部の実施形態では、FN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、配列番号35のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号44のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号46のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号48のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号50のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を含む。このFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、非マウスフレームワーク配列を含んでよい。このFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、FN3ドメインの非ランダム化領域に結合してよく、FN3ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)のT細胞表面発現を検出することができ、FN3ドメインを含むCARを発現するT細胞を活性化してよい。一部の実施形態では、FN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、配列番号74と実質的に同じか又は同一の可変重鎖領域と、配列番号75と実質的に同じか又は同一の可変軽鎖とを含む。記載のFN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメントを使用して、記載の抗原結合フラグメントを含むCARを生成することができる。
一部の実施形態では、FN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、配列番号36のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号42のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号45のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号47のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号49のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号50のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を含む。このFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、非マウスフレームワーク配列を含んでよい。このFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、FN3ドメインの非ランダム化領域に結合してよく、FN3ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)のT細胞表面発現を検出することができ、FN3ドメインを含むCARを発現するT細胞を活性化してよい。一部の実施形態では、FN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、配列番号74と実質的に同じか又は同一の可変重鎖領域と、配列番号75と実質的に同じか又は同一の可変軽鎖とを含む。記載のFN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメントを使用して、記載の抗原結合フラグメントを含むCARを生成することができる。
一部の実施形態では、FN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、配列番号37のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号43のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号45のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号47のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号49のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号50のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を含む。このFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、非マウスフレームワーク配列を含んでよい。このFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、FN3ドメインの非ランダム化領域に結合してよく、FN3ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)のT細胞表面発現を検出することができ、FN3ドメインを含むCARを発現するT細胞を活性化してよい。一部の実施形態では、FN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、配列番号74と実質的に同じか又は同一の可変重鎖領域と、配列番号75と実質的に同じか又は同一の可変軽鎖とを含む。記載のFN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメントを使用して、記載の抗原結合フラグメントを含むCARを生成することができる。
一部の実施形態では、FN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、配列番号38のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号51のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号54のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号56のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号58のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号60のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を含む。このFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、非マウスフレームワーク配列を含んでよい。このFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、FN3ドメインの非ランダム化領域に結合してよく、FN3ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)のT細胞表面発現を検出することができ、FN3ドメインを含むCARを発現するT細胞を活性化してよい。一部の実施形態では、FN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、配列番号78と実質的に同じか又は同一の可変重鎖領域と、配列番号79と実質的に同じか又は同一の可変軽鎖とを含む。記載のFN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメントを使用して、記載の抗原結合フラグメントを含むCARを生成することができる。
一部の実施形態では、FN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、配列番号39のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号52のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号55のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号57のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号59のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号61のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を含む。このFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、非マウスフレームワーク配列を含んでよい。このFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、FN3ドメインの非ランダム化領域に結合してよく、FN3ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)のT細胞表面発現を検出することができ、FN3ドメインを含むCARを発現するT細胞を活性化してよい。一部の実施形態では、FN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、配列番号78と実質的に同じか又は同一の可変重鎖領域と、配列番号79と実質的に同じか又は同一の可変軽鎖とを含む。記載のFN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメントを使用して、記載の抗原結合フラグメントを含むCARを生成することができる。
一部の実施形態では、FN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、配列番号40のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号53のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号55のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号57のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号59のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号61のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を含む。このFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、非マウスフレームワーク配列を含んでよい。このFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、FN3ドメインの非ランダム化領域に結合してよく、FN3ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)のT細胞表面発現を検出することができ、FN3ドメインを含むCARを発現するT細胞を活性化してよい。一部の実施形態では、FN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、配列番号78と実質的に同じか又は同一の可変重鎖領域と、配列番号79と実質的に同じか又は同一の可変軽鎖とを含む。記載のFN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメントを使用して、記載の抗原結合フラグメントを含むCARを生成することができる。
FN3ドメインに特異的に結合する抗体又は抗原結合フラグメントをコードする単離ポリヌクレオチドもまた開示される。本明細書で提供された可変ドメインセグメントをコード可能な単離されたポリヌクレオチドは、抗体又は抗原結合フラグメントを生成する同一の又は異なるベクターに含まれてもよい。
組み換え抗原結合タンパク質をコードするポリヌクレオチドもまた、本開示の範囲内である。一部の実施形態では、記載されたポリヌクレオチド(及びこのポリヌクレオチドがコードするペプチド)は、リーダー配列を含む。当技術分野において既知の任意のリーダー配列を利用することができる。リーダー配列は、制限部位又は翻訳開始部位を含み得るがこれらに限定されない。
本明細書に記載のFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、記載のFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントの生物学的特性(例えば、結合親和性又は免疫エフェクター活性)を保持している、1つ又は複数のアミノ酸置換、欠失、又は付加を有する多様体を含む。これらの多様体としては、(a)1つ又は2つ以上のアミノ酸残基が保存的又は非保存的アミノ酸により置換されている多様体、(b)1つ又は2つ以上のアミノ酸がポリペプチドに付加され、又は同ポリペプチドから欠失している多様体、(c)1つ又は2つ以上のアミノ酸が置換基を含む多様体、及び(d)ポリペプチドが別のペプチド又はポリペプチド、例えば、融合パートナー、タンパク質タグ、又は他の化学部分と融合した多様体、を挙げることができる。これらは、ポリペプチドに有用な特性、例えば、抗体に対するエピトープ、ポリヒスチジン配列、ビオチン部分等を付与してもよい。本明細書に記載された抗体又は抗原結合フラグメントは、保存的又は非保存的位置のいずれかにおいてある種からのアミノ酸残基が別の種における対応する残基に置換されている多様体を含んでもよい。他の実施形態では、非保存的位置におけるアミノ酸残基は、保存的又は非保存的残基により置換される。これらの多様体を得るための手法は、遺伝的(欠失、変異等)、化学的、及び酵素的手法を含めて、当業者に既知である。
本明細書に記載のFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントは、いくつかの抗体アイソタイプ、例えば、IgM、IgD、IgG、IgA、及びIgEを具現化することができる。いくつかの実施形態では、抗体アイソタイプはIgGである。抗体又はその抗原結合フラグメントの特異性は、CDRのアミノ酸配列及び配置により主に決定される。したがって、あるアイソタイプのCDRは、抗原特異性を変化させることなく、別のアイソタイプに変更することができる。あるいは、抗原特異性を変化させることなく、ハイブリドーマに、ある抗体アイソタイプを別のものにスイッチさせる技術(アイソタイプスイッチング)が確立されてきた。したがって、このような抗体アイソタイプは、記載された抗体又は抗原結合フラグメントの範囲内にある。
記載のFN3ドメイン特異性抗体、又は抗原結合フラグメントの親和性は、表面プラズモン共鳴又はELISAベースの方法など、当技術分野において既知の各種の方法によって決定されることができる。SPRにより親和性を測定するためのアッセイは、BIAcore 3000機器を使用して行われるアッセイを含む。この場合、このアッセイは、室温(例えば、25℃又は25℃付近)で行われる。FN3ドメインに結合可能な抗体は、BIAcoreセンサチップ上に、抗Fc抗体(例えば、ヤギ抗ヒトIgG Fc特異的抗体、Jackson ImmunoResearch laboratories製品番号109−005−098)により、75RU付近のレベルで捕捉され、続けて、40μL/分の流量において、会合及び解離データが収集される。
FN3ドメインを検出する方法
本明細書において、サンプルを、本明細書に記載の抗体又はその抗原結合フラグメントと接触させることにより、生体サンプル中のFN3ドメインを検出するための方法が提供される。本明細書に記載されたように、サンプルは、尿、血液、血清、血漿、唾液、腹水、循環細胞、循環腫瘍細胞、組織会合していない細胞(すなわち、遊離細胞)、組織(例えば、外科手術的に切除された腫瘍組織、微細針吸引を含む生検)、組織学的調製物等から得ることができる。一部の実施形態では、記載の方法は、サンプルを、本明細書に記載のFN3ドメイン特異的抗体又はその抗原結合フラグメントのいずれかと接触させることにより、生体サンプル中のFN3ドメインを検出することを含む。
一部の実施形態では、サンプルを、本明細書に記載のFN3ドメイン特異的抗体又は抗原結合フラグメントの2つ以上と接触させてよい。例えば、サンプルを、第1のFN3ドメイン特異的抗体又はその抗原結合フラグメントと接触させ、次いで、第2のFN3ドメイン特異的抗体又はその抗原結合フラグメントと接触させてよく、この場合、第1の抗体又は抗原結合フラグメントと第2の抗体又は抗原結合フラグメントとは、同じ抗体又は抗原結合フラグメントではない。一部の実施形態では、第1の抗体又はその抗原結合フラグメントは、サンプルと接触させる前に、表面、例えば、マルチウェルプレート、チップ、又は類似する基材に固定されてもよい。他の実施形態では、第1の抗体又はその抗原結合フラグメントは、サンプルと接触させる前に、何にも固定されず又は付着されなくてもよい。
記載のFN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、検出可能に標識されてよい。一部の実施形態では、標識された抗体及び抗原結合フラグメントは、本明細書に記載の方法により、FN3ドメインの検出を容易にし得る。多くのこのような標識が、当業者に容易に既知である。例えば、適切な標識としては、放射線標識、蛍光標識、エピトープタグ、ビオチン、発色団標識、ECL標識、又は酵素が挙げられるが、これらに限定されると考えられるべきではない。より詳細には、記載された標識には、ルテニウム、111In−DOTA、111In−ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、及びベータガラクトシダーゼ、ポリヒスチジン(HISタグ)、アクリジン染料、シアニン染料、フルオロン染料、オキサジン染料、フェナントリジン染料、ローダミン染料、Alexafluor(登録商標)染料などが挙げられる。
記載のFN3ドメイン特異的抗体及び抗原結合フラグメントは、生体サンプル中のFN3ドメインを検出するための各種のアッセイに使用されてもよい。一部の適切なアッセイには、ウェスタンブロット分析、ラジオイムノアッセイ、表面プラズモン共鳴、免疫蛍光測定法、免疫沈澱法、平衡透析法、免疫拡散法、電気化学発光(ECL)イムノアッセイ、免疫組織化学法、蛍光標識細胞分取(FACS)又はELISAアッセイが挙げられるが、これらに限定されると考えられるべきではない。
FN3ドメインを検出するためのキット
本明細書において、生体サンプル中のFN3ドメインを検出するためのキットが提供される。これらのキットは、本明細書に記載のFN3ドメイン特異的抗体又はその抗原結合フラグメントのうち1つ又は2つ以上と、このキットを使用するための使用説明書とを含む。
提供されたFN3ドメイン抗体又は抗原結合フラグメントは、溶液の中に存在してもよく、凍結乾燥されていてもよく、基材、担体、又はプレートに固定されていてもよく、又は検出可能に標識化されていてもよい。
記載されたキットはまた、本明細書に記載された方法を行うのに有用な更なる構成要素を含んでもよい。例として、キットは、対象からサンプルを得るための手段、対照若しくは参照サンプル、例えば、ゆっくり進行するがんを有する対象及び/又はがんを有さない対象からのサンプル、1つ若しくは2つ以上のサンプル区画、及び/又は本発明の方法の実施について説明する指示材料、並びに組織特異的な対照若しくは基準物質を含んでもよい。
FN3ドメインのレベルを決定するための手段は、例えば、FN3ドメインのレベルを決定するためのアッセイに使用するための緩衝液又は他の試薬を更に含み得る。使用説明書は、例えば、アッセイを行うための印刷された使用説明書及び/又はFN3ドメインの発現レベルを評価するための使用説明書であり得る。
記載されたキットはまた、対象からサンプルを単離するための手段を含んでもよい。これらの手段は、対象から流体又は組織を得るのに使用され得る機器又は試薬のうち1つ又は2つ以上の品目を含み得る。対象からサンプルを得るための手段はまた、血液サンプルから血液成分、例えば、血清を単離するための手段を含んでもよい。好ましくは、キットは、ヒト対象で使用するために設計されている。
FN3ドメイン標的化キメラ抗原受容体(CAR)
他の一般的な態様では、本発明は、FN3ドメイン特異的scFvを含むFN3ドメイン標的化CARに関する。
一態様では、本発明は、
a.FN3ドメインの非ランダム化領域に特異的に結合するscFvを有する細胞外ドメインと、
b.膜貫通ドメインと、
c.細胞内シグナル伝達ドメインとを含む、CARに関する。
いくつかの実施形態では、新生CARでは、細胞外ドメインの先にはN末端にシグナルペプチドが付いている。任意の適当なシグナルペプチドを本発明で使用することができる。シグナルペプチドは、天然、合成、半合成、又は組み換えられた供給源に由来するものとすることができる。
本発明の実施形態によると、CARの細胞外ドメインは、FN3ドメインの非ランダム化領域に特異的に結合するscFvを含む。本明細書に記載のものを含むがそれらに限定されない、本発明の実施形態に基づく任意のFN3ドメインを、CARの細胞外ドメインに用いることができる。
本発明の実施形態によれば、CARは、細胞外ドメインと膜貫通ドメインとを連結するヒンジ領域を更に含むことができる。ヒンジ領域は、遺伝子操作された免疫細胞の表面から離れるように細胞外ドメインを動かして、適切な細胞/細胞間の接触、標的又は抗原との結合、及び活性化を可能とする機能を有する(Patel et al.,Gene Therapy,1999;6:412−419)。任意の適当なヒンジ領域を本発明のCARに使用することができる。ヒンジ領域は、天然、合成、半合成、又は組み換えられた供給源に由来するものとすることができる。いくつかの実施形態によれば、CARのヒンジ領域は、6xGSペプチド(配列番号84)、若しくはそのフラグメント、若しくはCD8タンパク質に由来するヒンジ領域、又はこれらの誘導体である。特定の実施形態では、ヒンジ領域は、配列番号24と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有し、好ましくは配列番号24のアミノ酸配列を有する。
任意の適当な膜貫通ドメインを本発明のCARに使用することができる。膜貫通ドメインは、天然、合成、半合成、又は組み換えられた供給源に由来するものとすることができる。いくつかの実施形態によれば、膜貫通ドメインは、CD8、CD28、CD4、CD2、GMCSFRなどの分子の膜貫通ドメインである。特定の実施形態では、膜貫通ドメインは、配列番号25と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有し、好ましくは配列番号25のアミノ酸配列を有する。
任意の適当な細胞内シグナル伝達ドメインを本発明のCARに使用することができる。特定の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメイン全体が用いられる。他の特定の実施形態では、エフェクターシグナルを伝達するシグナル伝達ドメインの切頭部分が用いられる。本発明の実施形態によれば、細胞内シグナル伝達ドメインは、これらに限定されるものではないが、増殖、活性化、及び/又は分化を含む、CAR保有細胞、例えばCAR−T細胞の免疫エフェクター機能を促進するシグナルを生成する。特定の実施形態では、シグナルは、CAR−T細胞の細胞溶解活性、ヘルパー活性、及び/又はサイトカイン分泌を促進する。他の実施形態では、本発明のCARにおいて細胞内シグナル伝達ドメインは使用されず、本発明のFN3ドメインに特異的に結合するscFvを含むCARは、エフェクター細胞を標的細胞に標的化するためのFN3ドメインと共に使用される。
いくつかの実施形態によれば、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζ、TCRζ、FcRγ、FcRβ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD16、CD22、CD27、CD28、CD30、CD79a、CD79b、CD134(TNFRSF4又はOX−40としても知られる)、4−1BB(CD137)、CD278(ICOSとしても知られる)、FcεRI、DAP10、DAP12、ITAMドメイン、又はCD66dなどに由来する機能性シグナル伝達ドメインを含む。
特定の実施形態によれば、細胞内シグナル伝達ドメインは、一次シグナル伝達ドメイン及び1つ以上の共刺激シグナル伝達ドメインを含む。
一実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、ヒトCD3ζ由来の機能性シグナル伝達ドメインを有する一次細胞内シグナル伝達ドメインを含む。特定の実施形態では、一次細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号27と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有し、好ましくは配列番号27のアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態によれば、細胞内シグナル伝達ドメインは、ヒト4−1BBに由来する共刺激細胞内シグナル伝達ドメインを更に含む。特定の実施形態では、共刺激細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号26と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有し、好ましくは配列番号26のアミノ酸配列を有する。
一実施形態では、本発明のCARは、CARを発現する宿主細胞に付随する。
別の実施形態では、本発明のCARは、CARを発現する宿主細胞の単離細胞膜中に存在する。
更に別の実施形態では、本発明のCARは、CARを発現する宿主細胞の他の構成成分から精製又は単離される。
ポリヌクレオチド、ベクター、及び宿主細胞
他の一般的な態様では、本発明は、本発明のFN3ドメイン抗体又はCARをコードする単離ポリヌクレオチド及びベクター、並びにベクターを含有する組み換え細胞に関する。
本明細書に開示される様々なタンパク質又はポリペプチドのいずれかをコードする核酸は、化学的に合成するか又は本開示を考慮して当該技術分野における他の方法を用いて合成することができる。コドンの使用を選択することで、細胞における発現を改善することができる。このようなコドン使用は、選択される細胞のタイプに依存する。特化したコドンの使用パターンが、大腸菌及び他の細菌、並びに哺乳類細胞、植物細胞、酵母細胞、及び昆虫細胞用に開発されている。例えば、Mayfield et al.,PNAS USA.2003 100(2):438−42;Sinclair et al.Protein Expr Purif.2002(1):96−105;Connell,Curr Opin Biotechnol.2001(5):446−9;Makrides et al.Microbiol Rev.1996 60(3):512−38;及びSharp et al.Yeast.1991 7(7):657−78を参照されたい。
核酸操作の一般的な技術は、当業者の技術の範囲内であり、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Vols.1−3,Cold Spring Harbor Laboratory Press,2 ed.,1989又はAusubel et al.,eds,1994,Current Protocols in Molecular Biology,Vol.1,John Wiley & Sons,Inc.,New York、及び定期的な最新報告にも記載されており、これらを参照により援用するものである。タンパク質をコードするDNAは、哺乳類、ウイルス、又は昆虫遺伝子由来の適当な転写又は翻訳調節エレメントに機能的に連結される。このような調節エレメントとしては、転写プロモーター、転写を制御するための任意のオペレーター配列、適当なmRNAのリボソーム結合部位をコードする配列、並びに転写及び翻訳の停止を制御する配列を挙げることができる。通常は複製起点によって与えられる、宿主内で複製する能力及び形質転換体の識別を容易とする選択遺伝子が、更に組み込まれる。適当な調節エレメントは、当該技術分野では周知のものである。
当業者であれば、あるタンパク質のコード配列は、そのタンパク質のアミノ酸配列を変えずに変化させることができる点は理解されよう。したがって、本発明のFN3ドメイン抗体又はCARをコードする核酸配列を、タンパク質のアミノ酸配列を変えずに変化させることができる点は当業者には理解されるであろう。
一実施形態では、本発明は、本発明のFN3ドメイン抗体又はCARをコードする単離核酸を含むベクターに関する。プラスミド、コスミド、ファージベクター、又はウイルスベクターなどの、本開示を考慮して当業者には周知のいずれのベクターも使用することができる。一実施形態では、ベクターは、プロモーター配列、場合により1つ以上の他の調節配列に操作可能に連結された本発明のFN3ドメイン又はCARをコードするポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターである。
別の実施形態では、本発明は、CARをコードしたmRNAによる本発明のCARの一過性の発現に関する。一態様では、CARをコードするmRNAは、組み込まれない導入遺伝子の発現が数時間、数日間、又は数週間にわたって発現される一過性トランスフェクションの形態として免疫エフェクター細胞に導入されるが、その発現期間は、その遺伝子がゲノムに組み込まれるか又は宿主細胞内の安定的なプラスミドレプリコン内に含まれている場合の遺伝子の発現期間よりも短い。一態様では、mRNAは、PCRで生成された鋳型を用いたインビトロ転写によって生成される。
別の一般的な態様では、本発明は、本発明のFN3ドメイン抗体又はCARをコードする単離核酸を含む宿主細胞に関する。本発明の核酸分子を安定的又は一過的に宿主細胞にトランスフェクトすることができる。
適当な宿主細胞としては、原核生物、酵母、哺乳類細胞、又は細菌細胞が挙げられる。適当な細菌としては、グラム陰性又はグラム陽性生物、例えば、大腸菌又はバチルス属の菌種が挙げられる。酵母、好ましくはS.セレビシエ(S. cerevisiae)などのサッカロマイセス属の種の酵母を、ポリペプチドの産生に使用することもできる。様々な哺乳動物又は昆虫細胞の培養系を用いて組み換えタンパク質を発現させることもできる。昆虫細胞で異種タンパク質を産生するためのバキュロウイルス系については、Luckow及びSummers(Bio/Technology,6:47,1988)により概説されている。場合によっては、グリコシル化を行う目的などで脊椎動物細胞内でタンパク質を産生することが望ましく、培養(組織培養)中の脊椎動物細胞の増殖は通常の手順となっている。適当な哺乳類宿主細胞株の例としては、内皮細胞、COS−7サル腎臓細胞、CV−1、L細胞、C127、3T3、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、ヒト胎児腎臓細胞、HeLa、293、293T、及びBHK細胞株が挙げられる。
本発明の宿主細胞は、下記に詳細に述べる、遺伝子操作されたFN3ドメイン標的化免疫細胞とすることができる。
タンパク質生産
別の一般的な態様では、本発明は、本発明のFN3ドメイン抗体を産生する条件下でFN3ドメイン抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を培養することと、細胞又は細胞培養物から(例えば、上清から)FN3ドメイン抗体を回収することと、を含む、本発明のFN3ドメイン抗体を産生する方法に関する。発現されたFN3ドメイン抗体は、本開示を考慮して当該技術分野で周知の従来技術に従って、細胞又は細胞培養物から収穫し、精製することができる。
別の一般的な態様では、本発明は、本発明のCARを産生する条件下でCARをコードする核酸を含む宿主細胞を培養することと、CARを回収することと、を含む、本発明のCARを生産する方法に関する。発現されたCARは、当該技術分野で周知の従来技術に従って、また、本明細書に記載されるように、細胞から収穫し、精製することができる。
宿主細胞は、タンパク質産生用の発現又はクローニングベクターで形質転換され、例えば、プロモーターを誘導する、形質転換体を選択する、又は所望の配列をコードする遺伝子を増幅する、などを目的として適宜改変された従来の栄養培地で培養される。
本発明のタンパク質を生産するために使用される宿主細胞は、様々な培地中で培養することができる。Ham F10(Sigma社)、最小必須培地((MEM)、Sigma社)、RPMI−1640(Sigma社)、及びダルベッコ変法イーグル培地((DMEM)、Sigma社)などの市販の培地が、宿主細胞の培養に適している。加えて、Ham et al,Meth.Enz.58:44(1979);Barnes et al,Anal.Biochem.102:255(1980);米国特許第4767704号;米国特許第4657866号;米国特許第4927762号;米国特許第4560655号;米国特許第5122469号;国際公開第90/03430号;国際公開第87/00195号又は米国再発行特許第30985号に記載の培地のうちのいずれかは、宿主細胞の培養培地として使用することができる。これらの培地のいずれも、必要に応じてホルモン及び/又は他の増殖因子(例えばインスリン、トランスフェリン、又は上皮成長因子など)、塩類(例えば塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、及びリン酸塩など)、バッファー(例えばHEPESなど)、ヌクレオチド(例えばアデノシン及びチミジンなど)、抗生物質(ゲンタマイシン(商標)剤など)、微量元素(通常、マイクロモル範囲の最終濃度で存在する無機化合物として定義される)、及びグルコース又は同等のエネルギー源を添加することができる。他の任意の必要な添加物質が、当業者には周知の適当な濃度で含まれてもよい。温度、pHといった培養条件は、発現用に選択される宿主細胞と共に以前より用いられているものであり、当業者には明らかであろう。
本明細書に開示されるタンパク質は、インビトロの細胞翻訳系を利用して産生することもできる。かかる目的のため、タンパク質をコードする核酸は、インビトロでの転写を可能にしてmRNAを産生し、かつ、利用される特定の無細胞系におけるmRNAの無細胞翻訳を可能とするように改変する必要がある。真核細胞を含まない翻訳系の例としては、例えば、哺乳類又は酵母細胞を含まない翻訳系が挙げられ、原核細胞を含まない翻訳系の例としては、例えば、細菌細胞を含まない翻訳系が挙げられる。
本明細書に開示されるタンパク質は、化学合成(例えば、Solid Phase Peptide Synthesis,2nd ed.,1984,The Pierce Chemical Co.社(Rockford,IL)に記載の方法によって)により製造することもできる。タンパク質の修飾も、化学合成によって行うことができる。
本明細書に開示されるタンパク質は、タンパク質化学分野で一般的に知られるタンパク質の単離/精製方法によって精製することができる。その非限定的な例としては、抽出、再結晶化、塩析(例えば、硫酸アンモニウム又は硫酸ナトリウムによる)、遠心分離、透析、限外濾過、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、順相クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ゲル濾過、ゲル浸透クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、電気泳動、向流分配、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。精製後、タンパク質は、異なるバッファー中に交換するか、かつ/又は、これらに限定されるものではないが、濾過及び透析を含む当該技術分野では周知の様々な方法のいずれかによって濃縮することができる。
精製タンパク質は、好ましくは少なくとも純度85%、より好ましくは少なくとも純度95%、最も好ましくは少なくとも純度98%である。
遺伝子操作されたFN3ドメイン標的化CAR−T細胞、組成物及びその方法
別の一般的態様では、本発明は、本発明のFN3ドメイン標的化CARを含む遺伝子操作されたFN3ドメイン標的化免疫細胞、遺伝子操作された免疫細胞を作製する方法、遺伝子操作された免疫細胞を含む組成物、及び多発性骨髄腫などの疾患を治療するために、遺伝子操作された免疫細胞を使用する方法に関する。
一般的な一態様では、本発明は、本発明のFN3ドメイン標的化CARを含む遺伝子操作された免疫細胞に関する。
いくつかの実施形態によれば、免疫細胞は、例えば国際公開第2013/176915号に記載されるようなT細胞受容体(TCR)の1つ以上の構成要素を発現する少なくとも1つの遺伝子の不活性化を、HLA I/B2マイクログロブリン(B2M)タンパク質をコードするか又はその発現を調節する遺伝子の不活性化と組み合わせることができることによって、同種性をより低めることができる。したがって、移植片対宿主症候群及び移植片拒絶のリスクが大幅に低くなる。「TCRノックアウト(TCR knockout)」又は「TCRノックアウト(TCR-KO)」細胞と呼ばれる機能性TCRを欠くT細胞は、その表面に機能性TCRをいっさい発現しないように遺伝子操作するか、機能性TCRを構成する1つ以上のサブユニットを発現しないように遺伝子操作する(例えば、TCRα、TCRβ、TCRγ、TCRδ、TCRε、及び/又はTCRζを発現しない(又はその発現が低減される)ように遺伝子操作する)か、又はその表面上にごくわずかな機能性TCRを生成するように遺伝子操作することができる。あるいは、T細胞は、例えばTCRのサブユニットの1つ以上の突然変異型又は切断型を発現させることによって、実質的に機能不全のTCR(すなわち、宿主に有害な免疫反応を誘発しないTCR)を発現することもできる。機能性TCR及び/又はB2Mを発現しない改変T細胞は、TCR及び/又はB2Mの1つ以上のサブユニットのノックアウト又はノックダウンを含む任意の適当な手段によって得ることができる。例えば、T細胞は、siRNA、shRNA、CRISPR(clustered regularly interspaced short palindromic repeats)(クラスター化された一定間隔で配置された短い回文配列リピート)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、megaTAL、メガヌクレアーゼ、又はジンクフィンガーエンドヌクレアーゼ(ZFN)を用いたTCR及び/又はB2Mのノックダウンを有することができる。
特定の実施形態では、本発明のFN3ドメイン標的化CARを含む免疫エフェクター細胞は、T細胞、NKT細胞、又はNK細胞、好ましくはヒトT細胞又はヒトNK細胞、より好ましくはTCRノックアウト細胞、最も好ましくはヒトTCRノックアウト細胞及び/又はHLA I/B2Mノックアウト細胞である。他の実施形態では、本発明のFN3ドメイン標的化CARを含む免疫エフェクター細胞は、TALL−104T細胞株(すなわち、CD8及びCD3を発現するがCD16は発現しないIL−2依存性ヒト非制限細胞毒性T細胞株)などの遺伝子操作されたT細胞である。
本発明の免疫エフェクター細胞は、自家(すなわち、「自己」、例えば自己原性)又は非自家(すなわち、「非自己」、例えば同種、同系、異種)であってよい。自家とは、その物質が後で再導入される個体と同じ個体に由来する任意の物質を指す。非自家とは、その物質が後で再導入される個体と同じ種の異なる個体に由来する任意の物質を指す
別の一般的な態様では、本発明は、本発明のFN3ドメイン標的化CARを含む遺伝子操作されたFN3ドメイン標的化免疫細胞の作製方法に関する。CARをコードするベクターは、免疫細胞に直接形質導入することができる。あるいは、CARをコードするインビトロで転写されたRNA又は合成RNAを免疫細胞に導入することもできる。
特定の実施形態によれば、遺伝子操作されたFN3ドメイン標的化免疫細胞を作製する方法は、免疫エフェクター細胞が本発明の実施形態に基づく1つ以上のCARを発現するように、個体から単離された免疫エフェクター細胞にトランスフェクト又は形質導入することを含む。免疫治療用の免疫細胞の調製方法は、例えば、参照により本明細書に援用するところの国際公開第2014/130635号、同第2013/176916号、及び同第2013/176915号に記載されている。遺伝子操作された免疫細胞を調製するために使用することが可能な個々の工程は、例えば、参照によって本明細書に援用するところの国際公開第2014/039523号、同第2014/184741号、同第2014/191128号、同第2014/184744号、及び同第2014/184143号に開示されている。
特定の実施形態では、T細胞などの免疫エフェクター細胞は、本発明のCARにより遺伝子改変された(例えば、CARをコードする核酸を含むウイルスベクターにより形質導入された)後、インビトロで活性化及び増殖される。様々な実施形態では、T細胞は、例えば、参照によって本明細書に援用するところの米国特許第6352694号、同第6534055号、同第6905680号、同第6692964号、同第5858358号、同第6887466号、同第6905681号、同第7144575号、同第7067318号、同第7172869号、同第7232566号、同第7175843号、同第5883223号、同第6905874号、同第6797514号、同第6867041号、米国特許出願公開第2006/121005号に記載される方法を用いて、CARを発現するように遺伝子改変される前又は後で活性化及び増殖させることができる。T細胞は、インビトロ又はインビボで増殖させることができる。一般的に、本発明のT細胞は、CD3/TCR複合体関連シグナルを刺激する薬剤及びT細胞の表面上の共刺激分子を刺激するリガンドを結合させた表面と接触させることによって増殖させることができる。非限定的な例として、T細胞集団は、本明細書に記載されるように、例えば、抗CD3抗体、若しくはその抗原結合フラグメント、又は表面上に固定化された抗CD2抗体との接触によって、又はタンパク質キナーゼC活性化因子(例えば、ブリオスタチン)との接触とカルシウムイオノフォアとの組み合わせによって、又はCAR自体の活性化などによって、刺激することができる。T細胞の表面のアクセサリ分子を共刺激するには、アクセサリ分子に結合するリガンドが使用される。例えば、T細胞集団を、T細胞の増殖を刺激するのに適した条件下で、抗CD3抗体及び抗CD28抗体と接触させることができる。T細胞培養に適した条件としては、例えば、血清(例えば、ウシ胎児又はヒト血清)、IL−2、IL−7、IL−15、及び/若しくIL−21、インスリン、IFN−g、GM−CSF、TGFb、並びに/又は当業者には周知の細胞の増殖用の他の任意の添加物質を含む、増殖及び生存に必要な因子を含有し得る適当な培地(例えば、最小必須培地又はRPMI培地1640又は、X−vivo5(Lonza社))が挙げられる。他の実施形態では、T細胞は、参照によって本明細書に援用するところの米国特許第6040177号、同第5827642号、及び国際公開第2012129514号に記載される方法などの方法を用いて、フィーダー細胞及び適当な抗体及びサイトカインによって活性化及び刺激して増殖させることができる。
いくつかの実施形態では、本発明のCAR発現細胞は、同じ標的又は異なる標的に特異的に結合する細胞外ドメインを有する第2のCARを更に含むことができる。好ましくは、免疫細胞は、2つの異なる標的に特異的に結合する2種類のCARを発現する、又は免疫細胞は、2つの異なる標的、すなわち、FN3ドメイン及び対象疾患に関連する別の標的に特異的に結合する2つのFN3ドメインを含むCARなど二重特異性受容体を発現する。例えば、他の標的はまた、がんの種類に関連し得る。より好ましくは、2種類のCARもまた、異なる細胞内シグナル伝達ドメインを有し、例えば、第1のCARが共刺激シグナル伝達ドメインを有するが一次シグナル伝達ドメインは有さず、第2のCARは一次シグナル伝達ドメインを有するが共刺激シグナル伝達ドメインは有さない、又はその逆である。4−1BB、CD28、CD27 ICOS、又はOX−40に由来するものなどの共刺激シグナル伝達ドメインを一方のCARに配置し、CD3ζに由来するものなどの一次シグナル伝達ドメインを他方のCARに配置することにより、両方の標的が発現される細胞にCAR活性を制限することで、例えば特異性を高めることができる。
いくつかの実施形態では、本発明のCAR発現細胞は、T細胞に基づいた治療を制限し、腫瘍外毒性(off-tumor toxicity)を回避するための自己調節式の安全スイッチとしての阻害性CARを更に含むことができる。例えば、阻害性CARは、正常細胞に見られる標的に特異的に結合するが、標的癌細胞に見られる標的には結合しない細胞外ドメインを含むことができる。阻害性CARには、これらに限定されるものではないが、PD1、PD−L1、PD−L2、CTLA4、TIM3、CEACAM(例えばCEACAM−1、CEACAM−3及び/又はCEACAM−5)、LAG3、VISTA、BTLA、TIGIT、LAIR1、CD160、2B4、CD80、CD86、B7−H3(CD276)、B7−H4(VTCN1)、HVEM(TNFRSF14又はCD270)、KIR、A2aR、MHCクラスI、MHCクラスII、GAL9、アデノシン、及びTGFRβを含む阻害性分子の細胞内ドメインなどの阻害性受容体シグナル伝達ドメインを有する細胞内ドメインも含まれる。FN3ドメイン標的化CAR及び阻害性CARを発現している細胞は、正常細胞に出合うと抑制されるが、正常細胞の標的を発現していない腫瘍細胞に出合うと活性化される。
他のいくつかの実施形態では、本発明のCAR発現細胞は、CAR発現細胞の活性を高める薬剤を更に含むことができる。例えば、かかる薬剤は、本明細書に記載されるものなどの阻害性分子の宿主細胞中での活性を阻害することができる。
特定の実施形態によれば、遺伝子操作された免疫CAR発現細胞は、化学療法抵抗性を示すように更に遺伝子操作される。この化学療法抵抗性は、対象のFN3ドメインを選択的に標的化しつつ、遺伝子操作された免疫細胞が薬剤の存在下で生存することを可能にするものである。
いくつかの実施形態によれば、薬剤耐性は、少なくとも1つの薬剤耐性遺伝子を発現するようにCAR発現細胞を遺伝子操作することによって、CAR発現細胞に与えることができる。本発明の薬剤耐性遺伝子は、代謝拮抗物質、メトトレキサート、ビンブラスチン、シスプラチン、アルキル化剤、アントラサイクリン、細胞毒性抗生物質、抗イムノフィリン、それらの類似体又は誘導体などに対する耐性をコードすることができる。本発明の遺伝子操作された免疫CAR発現細胞に対する薬物耐性を付与するために使用することができるいくつかの薬剤耐性遺伝子が同定されている。例えば、Takebe et al.,Mol Ther.2001 Jan;3(1):88−96.;Sugimoto et al,J Gene Med.2003 May;5(5):366−76;Zielske et al.,J Clin Invest.2003 Nov;112(10):1561−70;Nivens et al,Cancer Chemother Pharmacol.2004 Feb;53(2):107−15;Bardenheuer et al.,Leukemia.2005 Dec;19(12):2281−8;Kushman et al.,Carcinogenesis.2007 Jan;28(1):207−14を参照されたい。細胞で発現させることができる薬剤耐性遺伝子の例としては、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)の変異体又は修飾型、イノシン−5’−一リン酸デヒドロゲナーゼII(IMPDH2)の変異体又は修飾型、多剤耐性タンパク質1(MDR1)、カルシニューリン、メチルグアニントランスフェラーゼ(MGMT)、microRNA−21、抗生物質耐性遺伝子であるble及びmcrAなどが挙げられる。特定の実施形態によれば、当該薬剤耐性遺伝子は、例えば、少なくとも1つのベクターによってコードされた導入遺伝子を細胞に導入することなど任意の好適な手段によって細胞で発現させることができる。
抗がん化学療法に対する耐性も、例えば、薬剤に対する細胞の感受性をもたらす遺伝子を不活性化することによって付与することができる。細胞に対する薬物耐性を付与するために不活性化され得る遺伝子の例としては、例えば、CD52、グルココルチコイド受容体、CD3、ヒトヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)、ヒトデオキシシチジンキナーゼ(dCK)などが挙げられる。抗がん薬に対する細胞の感度に関与する遺伝子は、例えば、siRNA、shRNA、CRISPR、TALEN、又はZFNを使用して、遺伝子のノックアウト又はノックダウンなど任意の好適な手段によって不活性化され得る。
別の一般的な態様において、本発明は、本発明の遺伝子操作されたFN3ドメイン標的化免疫細胞と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物に関する。本開示を考慮すると、CAR−Tの医薬組成物での使用に適したいずれの薬学的に許容される担体も本発明で使用することができる。
別の一般的な態様では、本発明は、治療有効量の本発明の医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの治療を要する対象における、がんを治療する方法に関する。
本発明の実施形態によると、治療有効量の医薬組成物は、それを必要とする対象における免疫応答を刺激し、好ましくは、疾患、障害、若しくは状態の治療をもたらし、疾患、障害、若しくは状態の進行を阻止若しくは遅延させ、又は免疫疾患、障害、若しくは状態に関連する症状を軽減若しくは完全に緩和する。
特定の実施形態によれば、治療される疾患、障害又は病態は、過剰増殖性疾患である。他の特定の実施形態によれば、治療される疾患、障害又は病態は、がん若しくは腫瘍、又は悪性過増殖性疾患であり、好ましくは固体腫瘍、血液がん、膀胱がん、胆管がん、脳腫瘍、乳がん、結腸がん、食道がん、胃がん、神経膠腫、頭部がん、白血病、肝臓がん、肺がん、リンパ腫、多発性骨髄腫、頸部がん、卵巣がん、黒色腫、膵臓がん、腎臓がん、唾液腺がん、胃がん、胸腺上皮がん、及び甲状腺がんからなる群から選択されるがんである。
特定の実施形態によれば、治療有効量のFN3ドメイン標的化免疫細胞組成物は、治療を要する対象において、以下の効果のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上を実現するうえで充分である。すなわち、(i)治療される疾患、障害若しくは病態又はそれに関連する症状の重症度を低減又は改善すること、(ii)治療される疾患、障害若しくは病態、又はそれに関連する症状の期間を短縮すること、(iii)治療される疾患、障害若しくは病態、又はそれに関連する症状の進行を防止すること、(iv)治療される疾患、障害若しくは状態、又はそれに関連する症状の退縮を生じさせること、(v)治療される疾患、障害又は病態、又はそれに関連する症状の進展又は発症を予防すること、(vi)治療される疾患、障害又は病態、又はそれに関連する症状の再発を防止すること、(vii)治療される疾患、障害、若しくは状態、又はそれに関連する症状を有する対象の入院を減少させること、(viii)治療される疾患、障害若しくは状態、又はそれに関連する症状を有する対象の入院期間を短縮させること、(ix)治療される疾患、障害又は病態、又はそれに関連する症状を有する対象の生存率を高めること、(xi)治療される対象の疾患、障害若しくは状態、又はそれに関連する症状を阻害又は軽減すること、及び/又は(xii)別の治療の予防又は治療効果を強化又は改善すること。特定の実施形態では、治療有効量とは、以下の効果のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上を実現するうえで充分な治療薬の量を指す。すなわち、(i)腫瘍体積を減少させること、(ii)腫瘍細胞の数を減少させること、(iii)転移の回数を減少させること、(iv)余命を延ばすこと、(v)腫瘍細胞の増殖を低下させること、(vi)腫瘍細胞の生存率を低下させること、(vii)がん状態に関連する生理学的症状を改善すること、及び/又は(viii)腫瘍の発生を予防すること。
治療有効量又は用量は、治療される疾患、障害又は病態、投与手段、標的部位、対象の生理学的状態(例えば、年齢、体重、健康状態を含む)、対象がヒトであるか動物であるか、投与される他の薬剤、及び、治療が予防的なものであるか治療的なものであるか、などの様々な因子によって異なり得る。治療用量は、安全性及び効能を最適化するために最適に漸増される。正確な用量は、周知の技術を用いて当業者により確認することができる。一般に、FN3ドメイン標的化免疫細胞は、体重1kg当たり約10〜10個の細胞の用量で投与される。いくつかの実施形態によれば、細胞の総用量は、分割投与、例えば、1回、2回、3回、又はそれ以上の別々の部分用量の投与によって対象に投与することができる。
特定の実施形態によれば、本明細書に記載される組成物は、対象への想定される投与経路に適した形で製剤化される。例えば、本明細書に記載される組成物は、静脈内投与、皮下投与、又は筋肉内投与に適した形で製剤化することができる。
特定の実施形態によれば、がんの治療に使用される組成物は、これらに限定されるものではないが、化学療法、リンパ球枯渇療法、放射線治療、他のがん免疫療法剤、標的化療法、がんワクチン、又は他の抗がん剤を含む別の治療と併用することができる。
本明細書で使用するところの「併用される」なる用語は、対象への2種以上の治療薬の投与との関連において、複数の治療の使用を指す。「併用される」なる用語の使用は、治療が対象に投与される順序を限定しない。例えば、第1の治療(例えば、本明細書に記載される組成物)を、対象への第2の治療の投与の前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、16時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間前)、同時に、又はその後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、16時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後)に投与することができる。
別の一般的な態様では、本発明は、免疫細胞を新たに方向付けて、治療を要する対象におけるFN3ドメイン結合細胞の殺傷を標的とする方法であって、本発明の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。
別の一般的な態様では、本発明は、本発明のFN3ドメイン標的化免疫細胞を含む医薬組成物を製造する方法であって、FN3ドメイン標的化免疫細胞と、薬学的に許容される担体とを組み合わせて医薬組成物を得ることを含む、方法に関する。
本発明は以下の非限定的な実施形態も提供する。
実施形態
1.フィブロネクチンIII型(FN3)ドメインの非ランダム化領域に特異的に結合する、単離抗体又はその抗原結合フラグメント。
2.
a.配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号4のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号7のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号9のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号11のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号13のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3、
b.配列番号2のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号8のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号10のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号12のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号13のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3、
c.配列番号3のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号6のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号8のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号10のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号12のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号13のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3、
d.配列番号35のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号44のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号46のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号48のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号50のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3、
e.配列番号36のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号42のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号45のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号47のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号49のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号50のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3、
f.配列番号37のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号43のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号45のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号47のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号49のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号50のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3、
g.配列番号38のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号51のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号54のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号56のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号58のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号60のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3、
h.配列番号39のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号52のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号55のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号57のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号59のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号61のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3、若しくは
i.配列番号40のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号53のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号55のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号57のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号59のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号61のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を含む、実施形態1に記載の単離抗体又は抗原結合フラグメント。
3.
a.抗体の可変重鎖は配列番号14のアミノ酸配列を含み、抗体の可変軽鎖は配列番号15のアミノ酸配列を含む、
b.抗体の可変重鎖は配列番号74のアミノ酸配列を含み、抗体の可変軽鎖は配列番号75のアミノ酸配列を含む、若しくは
c.抗体の可変重鎖は配列番号78のアミノ酸配列を含み、抗体の可変軽鎖は配列番号79のアミノ酸配列を含む、実施形態1に記載の抗体又は抗原結合フラグメント。
4.
a.抗体の重鎖は配列番号18のアミノ酸配列を含み、抗体の軽鎖は配列番号19のアミノ酸配列を含む、
b.抗体の重鎖は配列番号20のアミノ酸配列を含み、抗体の軽鎖は配列番号21のアミノ酸配列を含む、
c.抗体の重鎖は配列番号62のアミノ酸配列を含み、抗体の軽鎖は配列番号63のアミノ酸配列を含む、若しくは
d.抗体の重鎖は配列番号64のアミノ酸配列を含み、抗体の軽鎖は配列番号65のアミノ酸配列を含む、実施形態1に記載の抗体又は抗原結合フラグメント。
5.抗原結合フラグメントは、Fabフラグメント、Fab2フラグメント、又は一本鎖抗体である、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の抗原結合フラグメント。
6.抗体又はその抗原結合フラグメントはIgGである、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の抗体又は抗原結合フラグメント。
7.実施形態1〜6のいずれか1つに記載の抗体又は抗原結合フラグメントをコードする単離ポリヌクレオチド。
8.実施形態7に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
9.実施形態7に記載の単離ポリヌクレオチドを含む、宿主細胞。
10.実施形態8に記載のベクターを含む、宿主細胞。
11.キメラ抗原受容体(CAR)をコードする単離ポリヌクレオチドであって、
(a)FN3ドメインの非ランダム化領域に特異的に結合するscFvを含む細胞外ドメインと、
(b)膜貫通ドメインと、
(c)細胞内シグナル伝達ドメインとを含み、
CARは、任意追加的に、細胞外ドメインと膜貫通ドメインとを連結するヒンジ領域を更に含む、単離ポリヌクレオチド。
12.CARは、
(a)配列番号68〜73のうちの1つと少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有するscFvを含む細胞外ドメインと、
(b)配列番号24と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むヒンジ領域と、
(c)配列番号25と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む膜貫通ドメインと、
(d)配列番号26と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する共刺激ドメインと、配列番号27と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する一次シグナル伝達ドメインとを含む細胞内シグナル伝達ドメインとを含む、実施形態11に記載の単離ポリヌクレオチド。
13.
(a)細胞外ドメインは、配列番号68〜73のうちの1つのアミノ酸配列を含み、
(b)ヒンジ領域は配列番号24のアミノ酸配列を含み、
(c)膜貫通ドメインは配列番号25のアミノ酸配列を含み、
(d)細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号26のアミノ酸配列及び配列番号27のアミノ酸配列を含む、実施形態12に記載の単離ポリヌクレオチド。
14.実施形態11〜13のいずれか1つに記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
15.実施形態11〜13のいずれか1つに記載のポリヌクレオチドを含む、宿主細胞。
16.実施形態14に記載のベクターを含む、宿主細胞。
17.キメラ抗原受容体(CAR)であって、
(a)FN3ドメインの非ランダム化領域に特異的に結合するscFvを含む細胞外ドメインと、
(b)膜貫通ドメインと、
(c)細胞内シグナル伝達ドメインとを含み、
CARは、任意追加的に、細胞外ドメインと膜貫通ドメインとを連結するヒンジ領域を更に含む、CAR。
18.
(a)配列番号68〜73のうちの1つと少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有するscFvを含む細胞外ドメインと、
(b)配列番号24と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むヒンジ領域と、
(c)配列番号25と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む膜貫通ドメインと、
(d)配列番号26と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する共刺激ドメインと、配列番号27と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する一次シグナル伝達ドメインとを含む細胞内シグナル伝達ドメインとを含む、実施形態16に記載のCAR。
19.
(a)細胞外ドメインは、配列番号68〜73のうちの1つのアミノ酸配列を含み、
(b)ヒンジ領域は配列番号24のアミノ酸配列を含み、
(c)膜貫通ドメインは配列番号25のアミノ酸配列を含み、
(d)細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号26のアミノ酸配列及び配列番号27のアミノ酸配列を含む、施形態17に記載のCAR。
下記実施例は、先の開示を補い、本明細書に記載された主題のより良好な理解を提供するために提供される。これらの実施例は、記載された主題を限定すると解釈されるべきでない。本明細書に記載された実施例及び実施形態は例示のみを目的とするものであり、それらを考慮した種々の改変又は変更は、当業者に明らかであり、また、本発明の真の範囲内に含まれ、かつ本発明の真の範囲から逸脱することなくなされ得ることが理解される。
実施例1:抗FN3ドメイン抗体を生成するためのウサギの免疫化
Tencon25抗原(配列番号28)を使用して、ウサギモノクローナル抗体の生成を行った。
LPAPKNLVVSEVTEDSARLSWTAPDAAFDSFLIQYQESEKVGEAIVLTVPGSERSYDLTGLKPGTEYTVSIYGVKGGHRSNPLSAIFTT
動物:3ヶ月齢のニュージーランド白色ウサギ(ID E4831及びE4832)、免疫化を行った。
免疫化プロトコル:
ウサギは、標準的なプロトコル(5回の注射及びウサギ当たり2回の試験採血)を用いて免疫化した。各注射時に抗原アリコートを解凍し、完全フロイントアジュバント(CFA)(初回注射用)又は不完全フロイントアジュバント(IFA)(以降の注射用)と組み合わせた。注入経路は皮下(SC)であった。免疫化の詳細を表3に要約する。
Figure 2020530766
ELISA力価検査:
試験採血1及び2を用いて、Epitomics、Inc.標準プロトコルでTencon25並びにカウンタースクリーニング抗原Tencon28(配列番号29)及びP114−83(配列番号30)に対する血清力価を評価した。結論として、両ウサギとも、免疫原に対して良好な免疫応答を有し、脾臓摘出の標準的なカットオフ値を満たした(1:64K希釈でO.D.>0.3)。脾臓摘出及びモノクローナル融合の候補としてウサギE4832を選択した。
脾臓摘出:
IVブーストをウサギE4832に投与し、続いて脾臓を摘出した。
脾臓を摘出し、Epitomicsの標準手順に従って脾細胞を単離した(表3)。
Figure 2020530766
融合:
2億個のリンパ球細胞を1億個の融合パートナー細胞と融合させ、20X96ウェルプレート上にそれぞれ播種した(表4)。標準条件下でプレートを組織培養インキュベータ内に保持した。
Figure 2020530766
融合の2〜3週間後に細胞増殖を調べ、増殖を示したウェルの数を、調べたウェルの総数で除算して融合効率を計算した。融合ごとに、最低でも2枚のプレートを調べた。
スクリーニングプロセスを以下に要約する。
・プレスクリーニング:プレート番号5及び25;
・一次スクリーニング:残りの38枚のプレート;
・スクリーニング方法:標準的なELISA、50ngのTencon25/ウェルでプレートをコーティングした;
・陽性対照:1:10K希釈のE4832の採血2;
・結果:0.5超のO.D.を有する158個のクローンは陽性と推定し、24ウェルのプレートに更に増殖させた。
・確認スクリーニング:50ngのTencon25/ウェルで、又は50ngのTencon28又はP114−83でプレートをコーティングした。
・結果:Tencon25に対して151個のクローンが陽性であると確認した。これらの中でも、78個はTencon28陰性であるため、Tencon25に特異的であった。
実施例2:抗FN3ドメイン抗体の選択
作製:
全てのセンチリンへの結合についてクローン上清を評価した。陰性対照タンパク質への結合は見られなかった。この評価から、作製用に1個のクローン(EN−25−105−5)を採取した。ハイブリドーマ細胞を培養し、無血清培地に適合させ、1Lのインテグラフラスコに接種した。採取後、プロテインA樹脂を用いて抗体を精製し、QCを行った。CEN−25−105−5の収量は、20mgであった。
Figure 2020530766
CEN−25−105−5のVH及びVLを以下の表7に示す。
Figure 2020530766
発現及び特性評価のために、CEN−25−105−5の重鎖及び軽鎖の可変領域をラット及びマウスIgGK発現ベクターにクローニングした。ここで、CEN−25−105−5は、マウスIgG2a κ抗体としてAS7B91と称し、ラットIgG1 κ抗体としてAS7B90と称する。AS7B16及びAS7B82もまた、それぞれマウス及びウサギV領域から生成した。表8及び9は、A7B16及びAS7B82のCDR及びV領域の配列を示す。全ての抗体の重鎖及び軽鎖配列を以下の表10に示す。
Figure 2020530766
Figure 2020530766
Figure 2020530766
Figure 2020530766
Figure 2020530766
実施例3:元のCEN−25−105−5ウサギ抗体と比較した、組み換えAS7B90及びAS7B91のFN3ドメインへの結合
ELISAによって、組み換えFN3ドメインへの結合能について、それぞれCEN−25−105−5のラット及びマウスキメラであるAS7B90及びAS7B91の上清を評価した。ヒトcMETに特異的なFN3ドメインA3(配列番号31)、アルブミン結合ドメインを有するヒトEGFRに特異的な83v2−ABD(配列番号32)、特異性を有さないTencon25(配列番号28)、又は陰性対照タンパク質の用量反応曲線で、3枚のプレートをコーティングした(全て50mMのPBS中50μL/ウェル)。プレートを一晩、4℃でインキュベートした。プレートから上清を捨て、200μL/ウェルのSuperblockを添加して、RTで1時間プレートをブロッキングした。プレートをTBS−Tで3回洗浄した。Superblock中1μg/mLで上清及びCEN25−105−5を調製し、プレートに添加した。プレートをRTで1時間インキュベートした。プレートをTBS−Tで3回洗浄した。二次抗体(HRP−ヤギ抗ウサギ、ラット又はマウス)をSuperblock中1:10,000で調製し、プレートに添加した。プレートをRTで1時間インキュベートした。プレートをTBS−Tで3回洗浄した。50μL/ウェルのPOD試薬(Sigma−Aldrich製造業者の取扱説明書に従って調製し、使用前にRTで少なくとも30分間暗所でインキュベートした)をプレートに添加した。3〜5分間のインキュベート後、遮光し、M5を用いて発光を読み取った。Log/Log変換、次いで4パラメータの曲線当て嵌めを使用して、Prismで結果をプロットした(図1A〜C)。図1A〜Cに示すように、AS7B90及びAS7B91の両方が3つの異なるFN3ドメインに対する特異性を示し、これらの抗FN3ドメイン抗体の結合エピトープは、その保存されたフレームワーク領域に特異的であり、FN3ドメイン特異性を付与する可変ループではないことを確認した。陰性対照抗体に対する非特異的結合は存在しなかったことに留意されたい。抗体のマウスバージョンであるAS7B91は、元のウサギハイブリドーマ抗体により近い結合特性を有するように見えた。
実施例4:初代T細胞の表面に発現した抗BCMA CARTyrinの検出のためのAS7B91の試験。
ウェル当たり100μLの1×10の抗BCMA CARTyrin T細胞/mLを播種した。ウェルをPBSで2回洗浄した。LIVE−DEADサンプル染色のために1:2000の最終濃度でeflour 506 Fixable Viability Dyeをサンプルに添加し、4℃で30分間インキュベートした。FACS緩衝液で染色反応をクエンチし、FACS緩衝液でサンプルを2回洗浄した。Fcブロックを室温で10分間添加した(33μLのFC/mL FACS)。100μLの一次AS7B91、FACS緩衝液、又はアイソタイプ対照を添加し、氷上で20分間インキュベートした。次いで、FACS緩衝液でサンプルを1回洗浄した。二次抗体を添加し、氷上で20分間インキュベートした(10μg/mLの最終濃度を得るために抗マウスIgG−AF647を1:50で使用した)。二次抗体のインキュベーション後、ウェルをFACS緩衝液で1回洗浄し、続いてPBSで1回洗浄した。洗浄後、室温で、試料を2%PFAに10分間固定した。サンプルを洗浄し、FACS緩衝液中で再懸濁させた。
図2に示すように、組み換えAS7B91は、初代T細胞の表面でのCARTyrinの発現を検出することができ、したがって、一般的なCARTyrin検出試薬として使用することができる。CARTyrin発現T細胞の均質集団では、A7B91抗体を使用して、細胞表面のCARTyrinの数を定量化することができる。
実施例5:CARTyrin発現T細胞を活性化するためのAS7B91の使用
CARTyrinはT細胞シグナル伝達ドメインに結合しているため、AS7B91抗体によるこれらのCARTyrinの結合及びクラスター化は、それらのシグナル伝達ドメインの活性化、及びそれらを発現するT細胞の活性化をもたらし得る。これを試験するために、CARTyrinsを発現する初代T細胞を、活性化を誘発することが知られているAS7B91又は抗CD3抗体と共にインキュベートした。簡潔には、ECM 830 Square Wave Electropolation System(BTX社)を用いて、正常なヒト血液(Normal Blood Donor Service−TSRI)に由来する初代汎T細胞に12個の異なるBCMA RNA発現CARTyrinmクローンをエレクトロポレートした。5×10個の汎T細胞に、10μgのBCMA標的化CAR mRNAの存在下又は非存在下で、製造者のプロトコルに従って単一の電気パルス(500V、750μ秒)を与えた。ポリクローナル抗FN3ドメイン抗体を用いて、CARの表面発現を24時間後に評価した。可溶性抗CD28抗体(2μg/mL)の存在下で、AS7B91又は抗CD3抗体をいずれも5μg/mLで播種した。細胞及び上清を、刺激後2日目及び6日目に採取した。T細胞サブセットマーカー(CD4、8)、活性化マーカー(CD25、69、71、137、HLA−DR)及びFixable Viability Dyeについて細胞を染色した。活性化マーカーの発現について個々に、生(FVD陰性)とゲーティングされた細胞−>ダブレット排除−>CD4又はCD8の単陽性>CD4及びCD8を評価した。LSR電圧は、抗体結合ビーズ及び単色対照に基づいて設定した。ゲートは、Fluorescence Minus One(FMO)及びアイソタイプ対照に基づいて設定した。
表11に見られるように、AS7B91モノクローナル抗FN3ドメイン抗体は、CD28を介した共刺激の存在下でCARTyrin+初代panT細胞を刺激することができる(抗CD3/CD28処置に類似)。この活性化はCARTyrin発現に依存し、抗CD3で観察されるように、ロバストでも、長くもない。加えて、AS7B91及び抗CD28による処理は、非刺激細胞と比較して、細胞数の11倍の増加をもたらす。要約すると、抗FN3ドメイン抗体は、T細胞増殖及びCARTyrinを発現する細胞の活性化を誘導することができる。
Figure 2020530766
実施例6:AS7B91のscFvキメラ抗原受容体への遺伝子操作:
AS7B91、AS7B16、及びAS7B82抗体のCARコンストラクトを生成するために、可変領域をscFvs内に構築した。AS7B91については、scFvsを2つの異なる配向(HCv−LCv又はLCV−HCv)で生成した。
AS7B91 H−L scFv(配列番号22)
METGLRWLLLVAVLKGVQCQSLEESGGRLVTPGTPLTLTCTVSGIDLSTSVMGWVRQAPGKGLESIGFIYTNVNTYYASWAKGRFTISRTSTTVDLKITSPTTGDTATYFCARAVYAGAMDLWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDVVMTQTPASVSGPVGGTVTIKCQASERIYSNLAWYQQKPGQPPKLLIYKASTLASGVSSRFKGSGSGTEFTLTIRDLECADAATYSCQYTSYGSGYVGTFGGGTEVVVEG
AS7B91 L−H scFv(配列番号23)
MDTRAPTQLLGLLLLWLPGARCDVVMTQTPASVSGPVGGTVTIKCQASERIYSNLAWYQQKPGQPPKLLIYKASTLASGVSSRFKGSGSGTEFTLTIRDLECADAATYSCQYTSYGSGYVGTFGGGTEVVVEGGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSLEESGGRLVTPGTPLTLTCTVSGIDLSTSVMGWVRQAPGKGLESIGFIYTNVNTYYASWAKGRFTISRTSTTVDLKITSPTTGDTATYFCARAVYAGAMDLWGQGTLVTVSS
AS7B16 H−L scFv(配列番号66)
QVTLKESGPGILQPSQTLSLTCSFSGFSLNTSGTGVGWIRQPSGKGLEWLAHIWWDDDKGYNPALKSRLTISKNTSSNLVFLKIASVDTADTATYYCVRIKGRMDYWGQGTSVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSNIMMTQSPSSLAVSAGEKVTMNCKSSQSVLFGSKQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFTGSGSGTDFILTISNVQAEDLAVYYCHQYLSLFTFGSGTKLEIK
AS7B16 L−H scFv(配列番号82)
NIMMTQSPSSLAVSAGEKVTMNCKSSQSVLFGSKQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFTGSGSGTDFILTISNVQAEDLAVYYCHQYLSLFTFGSGTKLEIKGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSQVTLKESGPGILQPSQTLSLTCSFSGFSLNTSGTGVGWIRQPSGKGLEWLAHIWWDDDKGYNPALKSRLTISKNTSSNLVFLKIASVDTADTATYYCVRIKGRMDYWGQGTSVTVSS
AS7B82 H−L scFv(配列番号67)
QEQQKESGGGLVKPGASLTLTCTASGIDFSSVAYMCWVRQAPGKGLEWIACIYAGSSSSIYYASWAKGRFTVSRTSSTTVTLQMTSLTAADTATYFCARGLFTSGSGYYIDMWGPGTLVTVSSGGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDVVMTQTPSSVEVAVGGTVTIKCQASQSIGSNLAWYQQKPGQRPKLLIYGASNLAAGVPSRFSGSGSGTQFTLTISDVECADAATYYCQRGYISSAVDFFVFGGGTEVVVKG
AS7B82 L−H scFv(配列番号83)
DVVMTQTPSSVEVAVGGTVTIKCQASQSIGSNLAWYQQKPGQRPKLLIYGASNLAAGVPSRFSGSGSGTQFTLTISDVECADAATYYCQRGYISSAVDFFVFGGGTEVVVKGGGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSQEQQKESGGGLVKPGASLTLTCTASGIDFSSVAYMCWVRQAPGKGLEWIACIYAGSSSSIYYASWAKGRFTVSRTSSTTVTLQMTSLTAADTATYFCARGLFTSGSGYYIDMWGPGTLVTVSS
異なるscFv配列のアミノ酸配列を逆翻訳し、ヒンジ配列、TMドメイン、及びシグナル伝達ドメインを用いて遺伝子操作した。市販のmMESSAGE mMACHINE(登録商標)T7 ULTRA Transcription Kitを使用して、完成したコンストラクトをT7インビトロ転写ベクターにクローニングしてmRNAを生成した。CARコンストラクトの各構成要素のアミノ酸配列は、表12に示すとおりであった。
Figure 2020530766
Figure 2020530766
実施例7:AS7B91、AS7B16、及びAS7B82 CARを発現する遺伝子操作した免疫細胞の作製及び分析
mRNAを、正常なヒト血液(正常血液ドナーサービス−TSRI)に由来するpan T細胞に、ECM 830 Square Wave Electropolation System(BTX社)を用いてエレクトロポレートした。5×10個の汎T細胞に、10μgのAS7B91 CAR mRNAの存在下又は非存在下で、製造者のプロトコルに従って単一の電気パルス(500V、750μ秒)を与えた。ポリクローナル抗FN3ドメイン抗体を用いて、CARの表面発現を24時間後に評価した。結果を図3に示す。
FN3ドメインへの結合能についてAS7B91 scFv CAR細胞の機能性を試験し、標的細胞へのFN3ドメイン結合に応答してT細胞殺傷を誘発した。これはまず、BCMAhi(H929細胞)、BCMAlo(D0HH−2細胞)BCMAneg(EXPI293細胞)標的細胞と共にBCMAI特異的FN3ドメインを使用した脱顆粒アッセイで、次いで殺傷アッセイで測定した。
脱顆粒アッセイ(CD107a動員)では、T細胞を96ウェルプレートで、1:1又は1:10量のBCMAタンパク質を発現している、又は発現していない細胞と共にインキュベートした。共培養は、1:1500のGolgi Stop(BD)及び1:1300の抗CD107a APC(Biolegend)を含有する、最終体積のOpTmizer「完全」培地に、37℃で4時間維持した。4時間のインキュベーション期間後、細胞をFixable Viability Dye(eFluor 780、eBioscience)及び蛍光色素共役抗CD8(PE conjugated、Biologend)で染色し、フローサイトメトリーによって分析した。脱顆粒活性は、CD8+細胞間でのCD107a染色に対する平均蛍光強度シグナル(MFI)を測定することによって測定した。mRNAトランスフェクション24時間後に、脱顆粒アッセイを実施した。図4に見られるように、抗BCMA特異的FN3ドメインを添加すると、AS7B91 scFv CAR発現T細胞は、抗BCMA及びAS7B91に特異的に脱顆粒された。これらのデータは、AS7B91 scFv CARが、標的特異的FN3ドメインに応答して結合し、シグナルを伝達する能力において機能的であることを示す(標的は、他の細胞の表面に発現する)。
CFSE標識BCMAhi(U−2932細胞)、BCMAlo(D0HH−2細胞)BCMAneg(EXPI293細胞)標的細胞と共にBCMA特異的FN3ドメインに応答したAS7B91 scFv CAR−T細胞殺傷を評価した。BCMA標的細胞との48時間のインキュベーションの前に、CAR−T/疑似T細胞を、BCMA特異的FN3ドメインと共に、37℃で1時間プレインキュベートした(E:T比は0〜1の範囲である)。実験の最後に、死細胞をCFSE−FL1、SYTOX−red−FL4で標識した。細胞死の割合をフローサイトメーター(FACSCalibur)により分析し、データをFlowJo v 10.で分析した。図5に見られるように、BCMA特異的FN3ドメインを添加すると、AS7B91 scFv CAR発現T細胞は、抗BCMAFN3ドメイン及びAS7B91 scFv CARに特異的にBCMA発現標的細胞を殺傷した。これらのデータは、AS7B91 scFv CARが、標的特異的FN3ドメインに応答して結合し、シグナルを伝達する能力において機能的であることを示す(標的は、他の細胞の表面に発現する)。
AS7B16及びAS7B82について、フローサイトメトリーを用いて結合を評価した。簡潔には、エレクトロポレーションから24時間後、細胞を100xgで10分間遠心分離し、FACS染色緩衝液(BD Biosciencesカタログ番号554657)中で2回洗浄した。細胞を、50nMの最終濃度のAPC標識抗Tencon−25又はAF647標識抗EGFR 83v2 FN3ドメインのいずれかと共に、4℃で1時間インキュベートした。標識細胞をFACS染色緩衝液中で2回洗浄し、200uLの同じ緩衝液に再懸濁させた。BD LSRFortessaフローサイトメーターを使用してデータを収集し、Flowjoソフトウェアを使用して分析を行った。データを図6〜図9に示す。全てのCARTを試験し、AS7B16、AS7B82、及びAS7B91は、試験した両FN3ドメイン、Tencon−T25、及びEGFR 83v2に結合する。CARTの結合は、ASS7B91>AS7B82>AS7B16の順に生じる。
実施例8:環状シトルリン化ペプチドに結合したFN3ドメインと予め複合化された、as7b91 scFV CAR−Tにより媒介される抗シトルリン化タンパク質抗体発現細胞のインビトロ殺傷
自己免疫疾患は、自己抗原に対する抗体(自己抗体)の調節不全産生を特徴とする。これらの自己抗体は、タンパク質及び核酸を含むがこれらに限定されない様々な分子に対するものであり得る。タンパク質の場合、これらの自己抗体は、翻訳後改変された抗原を認識することが多い。以下に、環状シトルリン化ペプチド(CCP−1)に結合したセンチリンと予め複合化された、A7B91 scFv CAR−T細胞によって媒介される、抗シトルリン化タンパク質抗体(ACPA)発現細胞(「BAR−T」細胞)のインビトロ殺傷を示す。この所見は、自己抗原が、BAR−T細胞と係合するためにTencon25センチリンに結合して、抗原特異的な自己反応性B細胞の標的排除をもたらし得ることを示唆する。
FcgR発現細胞株の生成
Lenti−Pac HIV Expression Packaging System(GeneCopoeia)を使用して、ヒトFcgR(CD16a、CD32及びCD64)をコードする精製レンチウイルス発現プラスミドを、293T細胞のトランスフェクション用にパッケージングした。トランスフェクションの72時間後に、レンチ含有上清を採取し、HEK293細胞の形質導入に使用した。培地に、ポリブレン(最終濃度8ug/mL)を添加した。翌日、ポリブレン含有培地を、10%ウシ胎児血清を補添加したRPMI培地1640と置き換えた。形質導入の72時間後に細胞を採取し、FcgR発現のために染色した。次いで、FcgR発現に基づいて細胞を選別した(SH800S Cell Sorter−Sony Biotechnology)。高発現細胞を培養し、将来の研究のために標的細胞として使用した。
シトルリン化環状ペプチドのTencon25センチリンへの結合
グリシンで標識された(GGG−)シトルリン化環状ペプチド−1(CCP−1−Cit)及びアルギニン対照ペプチド(CCP−1−Arg)を、Peptides Internationalから得た。ソルターゼ−v5で標識されたTencon25(Tencon25_sort_v5)をTBS内で脱塩し、結合前に濃縮した。各ペプチドを、ソルターゼの化学的性質を用いて1:5比(FN3ドメイン対ペプチド)で結合させた。Ni Sepharoseカラム(GE)上での用手法により複合体を精製して、遊離ソルターゼ及びペプチドを除去した。精製後、複合体をPBSへとバッファー交換し、濃縮した。複合体は、(a)質量分析(LC−MS)及び(b)サイズ排除クロマトグラフィー(Superdex 75)によってQCを行い、滅菌濾過した。
センチリン−CCP1ペプチド複合体への抗シトルリン化抗体の結合の検出
FcgR発現HEK293細胞を、200μg/mLのヒト抗シトルリン化フィブリノーゲン抗体(クローン1F11−Modiquest)又はヒトIgG1アイソタイプ対照(Abcam)と共に30分間インキュベートした。細胞をFACS緩衝液で2回洗浄した後、センチリン−CCP1−Cit複合体(576nM)と共に氷上で1時間インキュベートした。細胞をFACS緩衝液で2回洗浄し、次いで、PE標識抗センチリン(AS7B91)抗体と共に氷上で30分間インキュベートした。フローサイトメトリー(BD FACSCanto II)によって結合を評価し、BD FACSDiva 6.1.3ソフトウェアで分析した。
AS7B91 scFv CAR−T細胞による抗シトルリン化mAb結合FcR発現細胞の殺傷
電気穿孔済み疑似T細胞(疑似)又はAS7B91 scFv CAR−T細胞(「BAR−T」)をセンチリン結合CCP1(cit−CCP)と予め複合化した。CD16a又はCD64を発現しているHEK293細胞を、Cell Tracker Green(CTG)染料(ThermoFisher)で標識し、ヒトIgG1アイソタイプ対照又は抗シトルリン化フィブリノーゲン抗体(抗CCP Ab)のいずれかと予め複合化した。次いで、BAR−T及びHEK293細胞を、1:1又は5:1比で約18時間播種した。実験の最後に、Zombie Dye Violet(Biolegend)で細胞を染色した。死細胞は、フローサイトメトリー(BD FACSCanto II)によって評価されたようにCTG+/Zombie+細胞と見なした。BD FACSDiva 6.1.3及びGraphpad Prism 5ソフトウェアでデータを分析した。疑似T細胞又はアイソタイプ対照抗体とのインキュベーションに対して、センチリン−CCP−1−citと予め複合化したBAR−T細胞と共にインキュベートしたとき、抗シトルリン化抗体に結合した標的細胞の細胞死は倍増した。
BAR−Tのプラットフォーム増殖のための複数の自己免疫疾患における潜在的なペプチド/抗体の組み合わせの評価
a)重症筋無力症(MG)、b)多発性硬化症(MS)、及びc)全身性エリテマトーデス(SLE)に特異的なペプチドの、それぞれ抗AChR、抗MOG、又は抗dsDNA抗体への結合能について試験した。3枚の高親和性結合ニュートラアビジンプレートを、10ug/mLの示されたペプチドでコーティングした。プレートをPBS−Tで3回洗浄し、2×Assay Buffer A(eBioscience)を使用して室温で2時間ブロッキングした。プレートをPBS−Tで3回洗浄し、100μg/mLの示された抗体を室温で1時間添加した。プレートをPBS−Tで3回洗浄し、適切な二次抗体を室温で1時間添加した。Stop Solution(ThermoFisher)の添加前に、プレートをPBS−Tで3回洗浄し、TMB Substrateを5〜8分間添加した。SpectraMax340PC機器を使用して吸光度を読み取り、Graphpad Prism 5ソフトウェアを使用してデータを分析した。結合結果は、更に評価するために、疾患適応ごとに1つの潜在的なリードペプチド/抗体の組み合わせを同定した。
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米国特許第5122469号
国際公開第90/03430号
国際公開第87/00195号
米国再発行特許第30985号
国際公開第2013/176915号
国際公開第2014/130635号
国際公開第2013/176916号
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国際公開第2014/184741号
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米国特許第6534055号
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米国特許第6692964号
米国特許第5858358号
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米国特許第6905681号
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米国特許第7067318号
米国特許第7172869号
米国特許第7232566号
米国特許第7175843号
米国特許第5883223号
米国特許第6905874号
米国特許第6797514号
米国特許第6867041号
米国特許出願公開第2006/121005号
米国特許第6040177号
米国特許第5827642号
国際公開第2012129514号

Claims (19)

  1. フィブロネクチンIII型(FN3)ドメインの非ランダム化領域に特異的に結合する、単離抗体又はその抗原結合フラグメント。
  2. a.配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号4のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号7のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号9のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号11のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号13のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3、
    b.配列番号2のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号8のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号10のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号12のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号13のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3、
    c.配列番号3のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号6のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号8のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号10のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号12のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号13のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3、
    d.配列番号35のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号44のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号46のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号48のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号50のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3、
    e.配列番号36のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号42のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号45のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号47のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号49のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号50のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3、
    f.配列番号37のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号43のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号45のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号47のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号49のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号50のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3、
    g.配列番号38のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号51のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号54のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号56のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号58のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号60のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3、
    h.配列番号39のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号52のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号55のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号57のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号59のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号61のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3、若しくは
    i.配列番号40のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号53のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号55のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号57のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号59のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号61のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3
    を含む、請求項1に記載の単離抗体又は抗原結合フラグメント。
  3. d.前記抗体の前記可変重鎖は配列番号14のアミノ酸配列を含み、前記抗体の前記可変軽鎖は配列番号15のアミノ酸配列を含む、
    e.前記抗体の前記可変重鎖は配列番号74のアミノ酸配列を含み、前記抗体の前記可変軽鎖は配列番号75のアミノ酸配列を含む、若しくは
    f.前記抗体の前記可変重鎖は配列番号78のアミノ酸配列を含み、前記抗体の前記可変軽鎖は配列番号79のアミノ酸配列を含む、
    請求項1に記載の抗体又は抗原結合フラグメント。
  4. e.前記抗体の前記重鎖は配列番号18のアミノ酸配列を含み、前記抗体の前記軽鎖は配列番号19のアミノ酸配列を含む、
    f.前記抗体の前記重鎖は配列番号20のアミノ酸配列を含み、前記抗体の前記軽鎖は配列番号21のアミノ酸配列を含む、
    g.前記抗体の前記重鎖は配列番号62のアミノ酸配列を含み、前記抗体の前記軽鎖は配列番号63のアミノ酸配列を含む、若しくは
    h.前記抗体の前記重鎖は配列番号64のアミノ酸配列を含み、前記抗体の前記軽鎖は配列番号65のアミノ酸配列を含む、
    請求項1に記載の抗体又は抗原結合フラグメント。
  5. 前記抗原結合フラグメントは、Fabフラグメント、Fab2フラグメント、又は一本鎖抗体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗原結合フラグメント。
  6. 前記抗体又はその抗原結合フラグメントはIgGである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の抗体又は抗原結合フラグメント。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の抗体又は抗原結合フラグメントをコードする単離ポリヌクレオチド。
  8. 請求項7に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
  9. 請求項7に記載の単離ポリヌクレオチドを含む、宿主細胞。
  10. 請求項8に記載のベクターを含む、宿主細胞。
  11. キメラ抗原受容体(CAR)をコードする単離ポリヌクレオチドであって、
    (a)FN3ドメインの非ランダム化領域に特異的に結合するscFvを含む細胞外ドメインと、
    (b)膜貫通ドメインと、
    (c)細胞内シグナル伝達ドメインとを含み、
    前記CARは、任意追加的に、前記細胞外ドメインと前記膜貫通ドメインとを連結するヒンジ領域を更に含む、
    前記単離ポリヌクレオチド。
  12. 前記コードされるCARは、
    (a)配列番号68〜73のうちの1つと少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有するscFvを含む細胞外ドメインと、
    (b)配列番号24と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むヒンジ領域と、
    (c)配列番号25と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む膜貫通ドメインと、
    (d)配列番号26と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する共刺激ドメインと、配列番号27と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する一次シグナル伝達ドメインとを含む、細胞内シグナル伝達ドメインと
    を含む、請求項11に記載の単離ポリヌクレオチド。
  13. 前記コードされるCARは、
    (a)配列番号68〜73のうちの1つのアミノ酸配列を含む細胞外ドメインと、
    (b)配列番号24のアミノ酸配列を含むヒンジ領域と、
    (c)配列番号25のアミノ酸配列を含む膜貫通ドメインと、
    (d)配列番号26のアミノ酸配列及び配列番号27のアミノ酸配列を含む、細胞内シグナル伝達ドメインと
    を含む、請求項12に記載の単離ポリヌクレオチド。
  14. 請求項11〜13のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
  15. 請求項11〜13のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含む、宿主細胞。
  16. 請求項14に記載のベクターを含む、宿主細胞。
  17. キメラ抗原受容体(CAR)であって、
    (a)FN3ドメインの非ランダム化領域に特異的に結合するscFvを含む細胞外ドメインと、
    (b)膜貫通ドメインと、
    (c)細胞内シグナル伝達ドメインとを含み、
    前記CARは、任意追加的に、前記細胞外ドメインと前記膜貫通ドメインとを連結するヒンジ領域を更に含む、
    前記CAR。
  18. (a)配列番号68〜73のうちの1つと少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有するscFvを含む細胞外ドメインと、
    (b)配列番号24と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むヒンジ領域と、
    (c)配列番号25と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む膜貫通ドメインと、
    (d)配列番号26と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する共刺激ドメインと、配列番号27と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する一次シグナル伝達ドメインとを含む、細胞内シグナル伝達ドメインと
    を含む、請求項17に記載のCAR。
  19. (a)前記細胞外ドメインは配列番号68〜73のうちの1つのアミノ酸配列を含み、
    (b)前記ヒンジ領域は配列番号24のアミノ酸配列を含み、
    (c)前記膜貫通ドメインは配列番号25のアミノ酸配列を含み、
    (d)前記細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号26のアミノ酸配列及び配列番号27のアミノ酸配列を含む、
    請求項18に記載のCAR。
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