JP2020530399A - 鋳造設備及び鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明に係る鋳片の鋳造方法は、タンディッシュの上側及び前記タンディッシュの外側のそれぞれに溶鋼の収容された取鍋を位置させる過程と、タンディッシュの上側の鋳造位置に配置された取鍋の溶鋼を前記タンディッシュに供給して、鋳造を施す過程及び鋳造位置に配置された取鍋に不活性ガスを吹き込む過程を含む。したがって、本発明の実施の形態によれば、取鍋がタレット装置上において待ち位置にあるときと、タンディッシュに溶鋼を供給する鋳造の際に不活性ガスを吹き込む。これにより、従来に比べて介在物を低減することができ、清浄鋼の製造ができる。すなわち、取鍋が待ち位置にあるとき、取鍋の開孔後に微細バブリングを施すことにより、待ち中における介在物の発生を低減することができる。なお、鋳造の最中に取鍋に不活性ガスを吹き込むことにより、鋳造の最中に取鍋内の溶鋼中の介在物を低減することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、鋳造設備及び鋳造方法に係り、より詳しくは、清浄鋼を製造することのできる鋳造設備及び鋳造方法に関する。
一般に、取鍋の溶鋼内には、製鋼処理過程においてアルミニウム(Al)と酸素(O2)との反応によりアルミナ(Al2O3)などの介在物が生成される。介在物は、鋳片の鋳造の際に溶鋼と一緒に凝固されて、圧延の際に製品の欠陥の発生原因となる。
取鍋内の溶鋼のアルミナ(Al2O3)などの介在物の発生または除去のために、真空脱ガス設備(Reinstahl Huten Werke Heraus;RH)、取鍋炉(Ladle Furnace;LF)、鋳造操業の最中にタンディッシュ工程において溶鋼に不活性ガス、例えば、Arガスを吹き込んで介在物を除去している。
一方、真空脱ガス設備(Reinstahl Huten Werke Heraus;RH)を用いた精錬または取鍋炉(Ladle Furnace;LF)を用いた昇温が終わった溶鋼を収容した取鍋は、取鍋タレット(turret)により支持されてタンディッシュの上部に位置する。すなわち、取鍋タレットは、スイングタワーの両側に取鍋が載置可能な支持部が設けられ、各支持部に取鍋が載置・支持される。そして、スイングタワーの回転動作により2つの取鍋が交互にタンディッシュの上部に搬送される。ここで、2つの取鍋のうち、タンディッシュの上側に位置する取鍋は、鋳造に参与する取鍋であり、タンディッシュの外側に位置する取鍋は、次回の鋳造のために待ち中の取鍋である。
ところが、真空脱ガス設備(Reinstahl Huten Werke Heraus;RH)を用いた精錬、取鍋炉(Ladle Furnace;LF)を用いた昇温操業またはタンディッシュにおいてArガスを吹き込むとしても、取鍋が取鍋タレットに待ち中または鋳造中であるときに介在物が発生していて、介在物による欠陥の問題が依然として生じる。
このために、大韓民国公開実用新案公報第1998−033102号では、待ち中の、または鋳造に参与していない取鍋にArガスを吹き込んでいる。この方法の場合、溶鋼に存在する介在物の分離・浮上を促すことはできるとはいえ、溶鋼湯面における裸湯の発生を増やし、これにより、再酸化性の介在物の発生が促されるという不都合がある。
また、鋳造の最中にはArガスを吹き込んでいないため、鋳造に参与中の取鍋内の溶鋼に介在物が依然として発生しているという不都合がある。
本発明は、介在物を低減することのできる鋳造設備及び鋳造方法を提供する。
本発明は、タレットに待ち中または鋳造中の取鍋にガスを吹き込んで介在物の発生を低減する鋳造設備及び鋳造方法を提供する。
本発明は、裸湯の発生を抑制または防止する鋳造設備及び鋳造方法を提供する。
本発明に係る鋳片の鋳造方法は、タンディッシュの上側及び前記タンディッシュの外側のそれぞれに溶鋼が収容された取鍋を位置させる過程と、前記タンディッシュの上側の鋳造位置に配置された取鍋の溶鋼を前記タンディッシュに供給して、鋳造を施す過程と、前記鋳造位置に配置された取鍋に不活性ガスを吹き込む過程と、を含む。
前記鋳造位置に配置された取鍋に不活性ガスを吹き込む過程は、前記鋳造位置に配置された取鍋に第1の流量の不活性ガスを吹き込んで、前記鋳造位置の取鍋を開孔する過程と、前記鋳造位置の取鍋が開孔された後、タンディッシュに溶鋼を供給する鋳造が開始されれば、前記第1の流量に比べて低い流量の不活性ガスを吹き込んでバブリングさせる過程と、を含む。
前記鋳造位置の取鍋をバブリングさせるにあたって、前記鋳造位置の取鍋内の溶鋼の高さが落ち込むにつれて、前記不活性ガスの吹込み流量を減少させる。
前記鋳造位置の取鍋内の溶鋼の高さが落ち込むにつれて、前記不活性ガスの吹込み流量を減少させるにあたって、前記鋳造位置の取鍋内の溶鋼をタンディッシュに供給する前の最初の溶鋼の高さ(L0)に対する現時点の溶鋼の高さ(L1)の比率と、前記鋳造位置の取鍋の溶鋼を前記タンディッシュに供給し始めるときの初期のガスの吹込み流量(m0)とを用い、数式1により算出された流量(m1)を供給する。
前記初期のガスの吹込み流量(m0)は、1LPM以上、且つ、20LPM以下であることが好ましい。
前記鋳片の鋳造方法は、前記タンディッシュの外側の待ち位置に配置された取鍋に不活性ガスを吹き込む過程を含む。
前記待ち位置に配置された取鍋に不活性ガスを吹き込む過程は、前記待ち位置に配置された取鍋に第1の流量の不活性ガスを吹き込んで、前記待ち位置の取鍋を開孔する過程と、前記待ち位置の取鍋が開孔された後、タンディッシュに溶鋼を供給する鋳造が開始されれば、前記第1の流量に比べて低い第2の流量の不活性ガスを吹き込んでバブリングさせる過程と、を含む。
前記第1の流量は、80LPM以上、且つ、200LPM以下であり、前記第2の流量は、1LPM以上、且つ、20LPM以下であることが好ましい。
本発明に係る鋳造設備は、溶鋼を一時的に貯留するタンディッシュと、溶鋼の収容された一対の取鍋をそれぞれ支持する一対の支持部を備え、前記一対の支持部を前記タンディッシュの上側の鋳造位置と前記タンディッシュの外側の待ち位置に交互に位置させるタレット装置と、前記タンディッシュの下側に位置して、前記タンディッシュから提供された溶鋼を凝固させるモールドと、前記タレット装置上において前記待ち位置に支持された取鍋及び前記鋳造位置に支持された取鍋のそれぞれに不活性ガスが吹き込まれるように、前記待ち位置の取鍋及び前記鋳造位置の取鍋にそれぞれ接続可能なガス吹込み装置と、を備える。
前記ガス吹込み装置は、前記待ち位置に支持される取鍋と接続可能な第1の吹込みラインと、前記鋳造位置に支持される取鍋と接続可能な第2の吹込みラインと、前記第1の吹込みラインに接続されて、前記第1の吹込みラインに前記待ち位置の取鍋の開孔のための第1の流量及び前記第1の流量に比べて小さな第2の流量を選択して不活性ガスを供給する第1の供給部と、前記第2の吹込みラインに接続されて、前記第2の吹込みラインに前記鋳造位置の取鍋の開孔のための第1の流量及び前記第1の流量に比べて小さな流量を選択して不活性ガスを供給する第2の供給部と、を備える。
前記第1の供給部は、前記待ち位置の取鍋の吹込み口が開孔されるように、前記第1の吹込みラインに80LPM以上、且つ、200LPM以下の第1の流量の不活性ガスを供給し、前記待ち位置の取鍋が開孔された後、前記第1の吹込みラインに1LPM以上、且つ、20LPM以下の第2の流量の不活性ガスを供給して、前記待ち位置の取鍋をバブリングさせる。
前記第2の供給部は、前記鋳造位置の取鍋の吹込み口が開孔されるように、前記第2の吹込みラインに80LPM以上、且つ、200LPM以下の第1の流量の不活性ガスを供給し、前記鋳造位置の取鍋が開孔された後、前記鋳造位置の取鍋内の溶鋼が前記タンディッシュに供給され始められると、前記第2の吹込みラインに前記第1の流量に比べて低い流量の範囲で、前記鋳造位置の取鍋内の溶鋼の高さが落ち込むにつれて、前記不活性ガスの吹込み流量を減少させる。
本発明の実施の形態によれば、取鍋がタレット装置上において待ち位置にあるときと、タンディッシュに溶鋼を供給する鋳造の際に不活性ガスを吹き込む。これにより、従来に比べて介在物を低減することができ、清浄鋼の製造ができる。すなわち、取鍋が待ち位置にあるとき、取鍋の開孔後に微細バブリングを施すことにより、待ち中における介在物の発生を低減することができる。なお、鋳造の最中に取鍋に不活性ガスを吹き込むことにより、鋳造の最中に取鍋内の溶鋼中の介在物を低減することができる。
そして、鋳造の最中に溶鋼の高さが落ち込むに従い、ガスの吹込み流量を減少させることにより、適量にてバブリングさせることができて、不活性ガスにより裸湯が発生することを抑制または防止することができる。すなわち、溶鋼量または溶鋼の高さに比べて過剰に大きな流量でガスが吹き込まれると、ガスの吹込みに伴う渦流の発生により湯面のスラグ(鉱滓)中に空きスペースが生じるという裸湯が発生することがあるが、本発明の実施例では、鋳造の最中に取鍋内の溶鋼の高さの減少に対応するようにガスの吹込み流量を調節することにより、ガスの吹込みによる裸湯の発生を抑制または防止することができる。
以下、本発明の実施例についてより詳しく説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施例に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化され、単にこれらの実施例は本発明の開示を十分たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範囲を十分に知らせるために提供するものである。
本発明は、タレット装置に待ち中及び鋳造中の取鍋にガスを吹き込んで介在物及び裸湯の発生を低減または抑制する鋳造設備及びこれを用いた鋳片の鋳造方法を提供する。
図1は、本発明の実施例に係る鋳造設備の要部を示す図である。図2は、本発明の実施例に係る取鍋を示す図である。図3は、本発明の実施例に係るガス吹込み装置を示す概略図である。図4は、待ち中の取鍋に本発明の実施例に従ってガスを吹き込む方法を示すグラフである。図5は、鋳造中の取鍋に本発明の実施例に従ってガスを吹き込む方法を示すグラフである。
図1及び図2を参照すると、本発明の実施例に係る鋳造設備は、溶鋼が収容された一対の取鍋Lが支持可能であり、回転動作により一対の取鍋Lを移動させるタレット装置100と、上側に移動させられた取鍋Lから溶鋼を供給され、これを一時的に貯留するタンディッシュ(tundish)Tと、タンディッシュTに一時的に貯留された溶鋼を伝達されて1次冷却して一定の形状に初期凝固させるモールドMと、モールドMの下部に配備されて1次冷却された鋳片を2次冷却しながら一連の成形作業を行う複数のセグメント(segment)20と、タンディッシュTの上側に対応するように位置している取鍋L及びタンディッシュTの外側に待ち中の取鍋Lのそれぞれに不活性ガスを吹き込むガス吹込み装置200と、を備える。なお、取鍋Lの溶鋼をタンディッシュに供給するシュラウドノズルSNと、取鍋LとシュラウドノズルSNとの間の連通を制御するゲートと、タンディッシュTの一方の側に位置してトップノズルとシュラウドノズルとを接続するノズル取付けユニット30と、を備える。
上述した取鍋L、タレット装置100、タンディッシュT、モールドM及びセグメント20は、通常の連続鋳造設備と類似または同様であるため、これについての詳しい説明は省略するか、あるいは、簡略に説明する。
タレット装置100は、回転駆動されるスイングタワー110と、スイングタワー110を中心として両方向に延設されるか、あるいは、スイングタワー110を中心として両側に位置するように配置されて、それぞれに取鍋Lが支持または載置可能な一対の支持部120と、を備える。このようなタレット装置100によれば、スイングタワー110の回転により一対の支持部120が交互にタンディッシュの上側に移動される。すなわち、スイングタワー110の回転により一対の支持部120のうちの一方の支持部120及び当該支持部120に支持された取鍋LがタンディッシュTの上側に位置し、このとき、他方の支持部120及び当該支持部120に支持された取鍋LがタンディッシュTの外側に位置する。
タレット装置100は、上述した実施例に何ら限定されるものではなく、一対の取鍋Lを支持し、これらを交互にタンディッシュTの上側及び待ち位置に移動させ得る多種多様な構成が適用可能である。
取鍋Lは、図2に示すように、外観を形成し、溶鋼を収容可能な内部空間を有し、下部に溶鋼が排出可能な開口(以下、出鋼口321と称する)及びガスが通過可能な開口(以下、吹込み口322と称する)が設けられた本体310と、出鋼口321と連通可能なように本体310に配設されるトップノズルTNと、を備える。なお、本体310の内部と連通可能なように本体310の内部に嵌設されるプラグ330をさらに備えていてもよい。
本発明の実施例においては、タレット装置100に支持された一対の取鍋Lのそれぞれに不活性ガスを吹き込んで、裸湯及び介在物の発生を従来に比べて低減または抑制する。すなわち、タレット装置100の一対の支持部120のうち、タンディッシュTの上側に対応するように位置している支持部120の上に支持された取鍋LまたはタンディッシュTに溶鋼を供給して鋳造に参与中の取鍋L及びタンディッシュTの外側の位置している支持部120の上に支持された取鍋Lのそれぞれに不活性ガスを吹き込む。これを一方の取鍋Lの側面から説明すれば、ある一つのタンディッシュTがタレット装置100に支持されてタンディッシュTの外側において待っているとき、前記取鍋Lに不活性ガスを吹き込み、次いで、この取鍋LがタンディッシュTの上側に移動してタンディッシュTに溶鋼を供給するとき(すなわち、鋳造への参与)、前記取鍋Lに不活性ガスを吹き込む。
そして、実施例においては、待ち中の取鍋Lに不活性ガスを吹き込むにあたって、取鍋Lの吹込み口322が開孔された後には、相対的に少量の不活性ガスを吹き込んで裸湯及び介在物の発生を低減または抑制する。そして、鋳造中の取鍋Lに不活性ガスを吹き込むにあたって、取鍋Lが開孔された後、鋳造が開始されれば、溶鋼の高さまたは湯面の高さが落ち込むに従い、不活性ガスの流量を減少させつつ吹き込むことにより、裸湯及び介在物の発生を低減または抑制する。
このために、タレット装置100に載置された待ち中の取鍋L及び鋳造に参与中の取鍋Lに不活性ガスを吹き込み、ガスの吹込み流量を制御するガス吹込み装置200が設けられる。
図3を参照すると、ガス吹込み装置200は、待ち位置に支持される取鍋Lと接続可能な第1の吹込みライン210aと、鋳造位置に支持される取鍋Lと接続可能な第2の吹込みライン210bと、高圧の不活性ガスを提供する第1のガス貯留部220a及び低圧の不活性ガスを提供する第2のガス貯留部220bと、第1及び第2のガス貯留部220a、220bと第1の吹込みライン210aとを接続して、第1及び第2のガス貯留部220a、220bのそれぞれの不活性ガスを第1の吹込みライン210aに供給する第1の供給部230aと、第1及び第2のガス貯留部220a、220bと第2の吹込みライン210bとを接続して、第1及び第2のガス貯留部220a、220bのそれぞれの不活性ガスを第2の吹込みライン210bに供給する第2の供給部230bと、を備える。
ここで、第1の吹込みライン210aは、タンディッシュTの外側の待ち位置に配置された取鍋Lの吹込み口322に接続及び分離可能であり、第2の吹込みライン210bは、タンディッシュTの上側の鋳造位置に配置された取鍋Lの吹込み口322に接続及び分離可能である。そして、第1及び第2の吹込みライン210a、210bのそれぞれは、不活性ガスが移動可能なパイプ状であってもよい。
また、第1の吹込みライン210aの延長経路の上に配設された第1の吹込み弁211aが配設され、第2の吹込みライン210bの延長経路の上に第2の吹込み弁211bが配設される。
実施例に係る第1の供給部230aは、一方の端が第1のガス貯留部220aと接続された第1の供給ライン231aと、一方の端が第2のガス貯留部220bと接続され、他方の端が第1の吹込みライン210aと接続された第2の供給ライン234aと、第1の供給ライン231aの延長経路の上に配設された第1の供給弁232a及び第1の流量制御部233aと、第2の供給ライン234aの延長経路の上に配設された第2の供給弁235a及び第2の流量制御部236aと、を備える。ここで、第1の供給ライン231aの他方の端は、第2の供給弁235aの前端に位置するように第2の供給ライン234aに接続されてもよい。
第1及び第2の供給ライン231a、234aのそれぞれは、不活性ガスが移動可能なパイプ状であってもよい。
実施例に係る第1の供給弁232aは、例えば、モーター弁であってもよく、第1の流量制御部233aは第1の供給弁232aの後端に、第2の流量制御部236aは第2の供給弁235aの後端に位置するように配設されることが好ましい。
実施例に係る第2の供給部230bは、一方の端が第1のガス貯留部220aと接続された第3の供給ライン231bと、一方の端が第2のガス貯留部220bと接続され、他方の端が第2の吹込みライン210bと接続された第4の供給ライン234bと、第3の供給ライン231bの延長経路の上に配設された第3の供給弁232b及び第3の流量制御部233bと、第4の供給ライン234bの延長経路の上に配設された第4の供給弁235b及び第4の流量制御部236bと、を備える。ここで、第3の供給ライン231bの他方の端は、第4の供給弁235bの前端に位置するように第4の供給ライン234bに接続されてもよい。
第3及び第4の供給ライン231b、234bのそれぞれは、不活性ガスが移動可能なパイプ状であってもよい。
実施例に係る第3の供給弁232bは、例えば、モーター弁であってもよく、第3の流量制御部233bは第3の供給弁232bの後端に、第4の流量制御部236bは第4の供給弁235bの後端に位置するように配設されることが好ましい。
実施例においては、上述したようなガス吹込み装置200を用いて、取鍋Lがタレット装置に支持された状態で待ち位置及び鋳造位置にあるときの両方において、不活性ガス、例えば、Arガスを吹き込んで、介在物及び裸湯の発生を低減または抑制する。
ガス吹込み装置200は、上述した構成に何ら限定されるものではなく、第1及び第2の吹込みライン210a、210bのそれぞれに圧力及び流量を調節して不活性ガスを供給し得る多種多様な構成に変更可能である。
以下、図3から図5に基づいて、ガス吹込み装置200を用いてタレット装置上において待ち位置及び鋳造位置にある各取鍋Lに不活性ガスを吹き込む過程を含む鋳造方法について説明する。このとき、不活性ガスとして、Arガスを例にとって説明する。
本発明の実施例に係る鋳造方法は、タンディッシュの上側及び前記タンディッシュの外側それぞれに溶鋼が収容された取鍋を位置させる過程、タンディッシュの上側の鋳造位置に配置された取鍋の溶鋼を前記タンディッシュに供給して、鋳造を実施する過程及び鋳造位置に配置された取鍋で不活性ガスを吹き込む過程を含む。
以下、実施例に係る鋳造方法についてより具体的に説明する。
まず、それぞれに溶鋼が収容された取鍋Lをタレット装置100の一対の支持部120の上に支持させる。これらの一対の支持部120のうち、タンディッシュTの上側に対応するように位置している取鍋Lは、タンディッシュTに溶鋼を供給して鋳造に参与し、他方の支持部120は、タンディッシュTの外側において後続するチャージの鋳造のために待つ。
まず、図4に基づいて、待ち中の取鍋Lに不活性ガス、例えば、Arガスを吹き込む方法について具体的に説明する。
待ち中の取鍋LにArガスを吹き込むにあたって、まず、取鍋Lの開孔のための第1の流量にてArガスを吹き込む。ここで、取鍋Lの開孔とは、ガスが取鍋Lの本体310またはプラグ330を通過して取鍋内に供給されるようにすることをいい、取鍋Lが開孔された後には、ガスの吹込み流量を低くしても取鍋L内にガスが吹込み可能である。
取鍋Lの開孔は、ガスの吹込みの開始時点から所定の時間の間に行われるが、例えば、ガスの吹込み時点から10秒以内であってもよく、この区間を吹込み初期区間と称することができる。
実施例においては、待ち中の取鍋Lに第1の流量にて不活性ガスを吹き込むにあたって、80LPM以上、且つ、200LMP以下(5〜5Nm3/h)の第1の流量にてガスを吹き込んで、取鍋Lの吹込み口322を開孔する。
そして、取鍋Lを開孔するとき、または、第1の流量で不活性ガスを吹き込むとき、ガス圧力は、10bar超え、且つ、20bar以下に調節し、開孔後に吹き込まれるガスの圧力に比べて相対的に高い圧力で供給することが好ましい。
一方、例えば、第1の流量が80LPM未満である場合、吹込み口322が開孔されず、取鍋L内にArガスが流れ込まない虞がある。逆に、吹込み初期の不活性ガスの流量が200LPMを超える場合、取鍋Lの吹込み口322は開孔されるが、取鍋Lの溶鋼の湯面の不安定を引き起こし、これは、操業の不安定につながる虞があり、裸湯の発生面積が増えるという不都合がある。
取鍋Lが開孔されれば、溶鋼の介在物及び裸湯の発生の低減のための第2の流量にて不活性ガスを吹き込むが、このとき、ガスの吹込み流量は、取鍋Lの開孔時の第1の流量に比べて相対的に小さな流量である。
実施例においては、待ち中の取鍋Lが開孔されれば、1LPM以上、且つ、20LMP以下の第2の流量にてガスを吹き込んで、溶鋼を微細バブリングさせつつ介在物を低減させ、裸湯の発生を抑制する。
そして、このとき、ガスの圧力は、取鍋Lの開孔時に比べて低い圧力にて供給するが、実施例においては、2bar以上、且つ、10bar以下の圧力にて供給する。
一方、取鍋Lの開孔後に吹き込まれる第2の流量が1LPM未満である場合、不活性ガスのバブリングによる介在物の低減効果が低いか、あるいは、発現されない虞がある。逆に、取鍋Lの開孔後に吹き込まれる第2の流量が10LPMを超える場合、溶鋼の湯面における裸湯の発生の抑制効果がないか、あるいは、裸湯の面積が大きくなるという問題がある。裸湯の面積が大きな場合、裸湯を介して介在物が溶鋼に混入し、これにより、清浄鋼が製造され難くなる。
上述したように、待ち位置の取鍋Lにガスを吹き込むにあたって、図3のガス吹込み装置200を用いて説明すれば、下記の通りである。まず、取鍋Lの開孔のために、第2の供給弁235aを閉じた状態で、第1の供給弁(例えば、モーター弁)232a及び第1の吹込み弁211aを開くと、第1のガス貯留部220aのガスが第1の供給ライン231a、第2の供給ライン234a及び第1の吹込みライン210aを介して移動して、待ち位置にある取鍋Lの吹込み口322に吹き込まれる。このとき、第1の供給弁232a(モーター弁)を開くと、瞬間的に10bar超え、且つ、20bar以下の高圧のガスが第1の供給ライン231aに沿って流れるので、第1の流量制御部233aを調節して80LPM以上、且つ、200LPM以下のガスが流れるようにする。したがって、待ち中の取鍋Lに、圧力が10bar超え、且つ、20bar以下であり、80LPM以上、且つ、200LPM以下の流量のArガスが吹き込まれて取鍋Lが開孔される。
取鍋Lが開孔されれば、第1の供給弁232aを閉じ、第1の流量制御部233aの動作を中止させる。そして、第2の供給弁235aを開き、第2の流量制御部236aを動作させて、圧力が2bar以上、且つ、10bar以下であり、1LPM以上、且つ、20LPM以下の流量のArガスを第2の供給ライン234a及び第1の吹込みライン210aに供給して、待ち中の取鍋LにArガスを吹き込む。このようなArガスの吹込みにより待ち中の取鍋L内の溶鋼が微細バブリングされ、これにより、待ち中の取鍋L内の溶鋼中の介在物を低減することができ、裸湯の発生もまた抑制することができる。
このように、待ち位置の取鍋L内の溶鋼をバブリングさせる間に、鋳造位置の取鍋Lは、タンディッシュTに溶鋼を連続して供給して鋳造に参与する。
そして、鋳造位置において鋳造が終わると、タレット装置100のスイングタワー110を回転させて、上述したように、待ち位置においてバブリングされていた取鍋LをタンディッシュTの上側、すなわち、待ち位置に移動させる。
この後、取鍋LのトップノズルTNとシュラウドノズルSNを互いに締結し、ゲートを動作させてトップノズルTNとシュラウドノズルSNとを連通させる。これにより、取鍋L内の溶鋼がシュラウドノズルSNを介してタンディッシュに供給され、タンディッシュTのノズル浸漬ノズル40はモールドMに搬送されて凝固されることにより、所定の形状の鋳片が鋳造される。
このように、タンディッシュTの上側に位置している取鍋L内の溶鋼をタンディッシュTに供給して鋳造を施すとき、鋳造に参与中の取鍋L、すなわち、鋳造位置に配置された取鍋LにArガスを吹き込んで溶鋼をバブリングさせる。
このために、鋳造位置に移動された取鍋Lの吹込み口に第2の吹込みライン210bを接続する。この後、取鍋Lの開孔のための第1の流量にてArガスを供給する。取鍋Lの開孔は、ガスの吹込みの開始時点から所定の時間の間に行われるが、例えば、ガスの吹込み時点から10秒以内であってもよい。
実施例においては、鋳造位置の取鍋Lに第1の流量にて不活性ガスを吹き込むにあたって、第1の流量は、80LPM以上、且つ、200LMP以下(5〜5Nm3/h)であってもよく、これにより、取鍋Lの吹込み口322を開孔する。
そして、第1の流量にてガスを吹き込むとき、ガスの圧力は、10bar超え、且つ、20bar以下であって、開孔後に吹き込まれるガスの圧力に比べて相対的に高い圧力で供給することが好ましい。
一方、例えば、鋳造位置にある取鍋Lに吹き込まれる第1の流量が80LPM未満である場合、吹込み口322が開孔されず、取鍋L内にArガスが流れ込まない虞がある。逆に、第1の流量が200LPMを超える場合、取鍋Lの吹込み口322は開孔されるが、取鍋Lの溶鋼の湯面の不安定を引き起こし、これは、操業の不安定につながる虞があり、裸湯の発生の面積が増えるという問題がある。
鋳造位置の取鍋Lが開孔されれば、溶鋼の介在物及び裸湯の発生の低減のために不活性ガスを吹き込むが、このとき、ガスの吹込み流量は、取鍋Lの開孔時の第1の流量に比べて相対的に小さな流量である。
実施例においては、鋳造位置の取鍋Lが開孔されれば、開孔時の吹込み流量に比べて低い流量にてガスを吹き込んで、溶鋼を微細バブリングさせつつ介在物を低減させ、裸湯の発生を抑制する。
そして、このとき、ガスの圧力は、取鍋Lの開孔時に比べて低い圧力にて供給するが、実施例においては、2bar以上、且つ、10bar以下の圧力にて供給する。
一方、鋳造位置の取鍋L内の溶鋼をタンディッシュTに供給し始めて鋳造が施されれば、取鍋L内の溶鋼が連続してタンディッシュに供給されるので、主に参与中の取鍋L内の溶鋼は、鋳造時間が経つにつれてその高さが減少する。したがって、実施例においては、鋳造の開始から取鍋Lに不活性ガスを吹き込むにあたって、取鍋L内の溶鋼の高さまたは溶鋼の湯面の高さの減少に従い、Arガスの吹込み流量を変化させる。より具体的に説明すれば、鋳造位置の取鍋Lが開孔された後、取鍋L内の溶鋼をタンディッシュに供給し始めるときに取鍋Lに不活性ガスを吹き込むが、このときのガスの流量を「初期のガスの吹込み流量(m0)」と称する。そして、実施例においては、鋳造の進行に伴う溶鋼の高さの減少に従い、初期のガスの吹込み流量(m0)に比べて低い流量(m1)に減少させつつガスを吹き込む。すなわち、鋳造の開始の際に溶鋼の高さ(以下、最初の溶鋼の高さ(L0)と称する)を基準としてリアルタイムの現在の溶鋼の高さまたは現時点の溶鋼の高さ(L1)に応じて、初期のガスの吹込み流量(m0)に比べて低い流量(m1)のガスを吹き込む。これを数式で表わせば、下記の数式1の通りであり、これをグラフにて示せば、例えば、図5の通りである。
ここで、取鍋L内の現時点の溶鋼の高さ(L1)は、溶鋼の吐出前の溶鋼の高さ、すなわち、最初の溶鋼の高さ(L0)と溶鋼の吐出速度を用いてリアルタイムにて算出することができる。そして、鋳造位置の取鍋L内の溶鋼をタンディッシュに供給し始めるとき、前記取鍋Lに供給される初期のガスの吹込み流量(m0)は、1LPM以上、且つ、20LPM以下であってもよく、取鍋L内の圧力は、2bar以上〜10bar以下に一定に保持する。
一方、初期のガスの吹込み流量(m0)が20LPMを超えると、鋳造の開始の際に取鍋内の溶鋼に裸湯が発生する虞がある。
さらに、鋳造中の溶鋼の高さの落ち込みとは無関係に、一定の流量にて不活性ガスを吹き込むと、介在物の低減効果がないか、裸湯の発生が抑制されないか、あるいは、裸湯が大幅に形成されるという問題が生じる。すなわち、取鍋L内の溶鋼量、すなわち、現時点の溶鋼の高さ(L1)に比べて小さな流量のArガスが吹き込まれると、不活性ガスによる介在物の低減効果がなく、これにより、清浄鋼を製造することができない。逆に、現時点の溶鋼の高さ(L1)に比べて大きな流量にてArガスが吹き込まれると、吹き込まれる多量のガスにより溶鋼の湯面に裸湯が発生したり、裸湯の面積が増加したりする虞がある。
上述したように、鋳造位置の取鍋Lにガスを吹き込むにあたって、図3のガス吹込み装置200を用いて説明すれば、下記の通りである。
まず、鋳造位置の取鍋Lの開孔のために、第4の供給弁235bを閉じた状態で、第3の供給弁(例えば、モーター弁)232b及び第2の吹込み弁211bを開くと、第1のガス貯留部220aのガスが第3の供給ライン231b、第4の供給ライン234b及び第2の吹込みライン210bを介して移動して、鋳造位置にある取鍋Lの吹込み口322に吹き込まれる。このとき、第3の供給弁232b(モーター弁)を開くと、瞬間的に10bar超え、且つ、20bar以下の高圧のガスが第3の供給ライン231bに沿って流れるので、第3の流量制御部233bを調節して80LPM以上、且つ、200LPM以下のガスが流れるようにする。したがって、鋳造位置の取鍋Lに、圧力が10bar超え、且つ、20bar以下であり、80LPM以上、且つ、200LPM以下の流量のArガスが吹き込まれて取鍋Lが開孔される。
取鍋Lが開孔されれば、鋳造位置の取鍋Lの溶鋼をタンディッシュTに供給し始める。このとき、第3の供給弁232bを閉じ、第3の流量制御部233bの動作を中止させる。そして、第4の供給弁235bを開き、第4の流量制御部236bを動作させて、圧力が2bar以上、且つ、10bar以下であり、20LPM以下の流量のArガスを第4の供給ライン234b及び第2の吹込みライン210bに供給して、鋳造位置の取鍋LにArガスを吹き込む。
このとき、第4の流量制御部236bを用いて、鋳造の開始から鋳造の終了までの取鍋L内の溶鋼の高さが変化するに従い、取鍋Lに供給するガス流量を調節する。すなわち、数式1及び図5のように、鋳造の開始の際に溶鋼の高さを基準としてリアルタイムの現在の溶鋼の高さに応じて、初期のガスの吹込み流量に比べて流量を減少させつつガスを吹き込む。
このようなArガスの吹込みにより待ち中の取鍋L内の溶鋼が微細バブリングされ、これにより、待ち中の取鍋内の溶鋼中の介在物を低減することができ、裸湯の発生もまた抑制することができる。
以下、図6及び図7に基づいて、比較例及び本発明の実施例に係る溶鋼の処理方法を用いた取鍋内の溶鋼の処理結果について説明する。
図6は、鋳造中の取鍋を比較例に係る方法でバブリングさせるときに裸湯が発生した結果を示す図である。図6に示す取鍋の場合、1つの吹込み口が設けられており、2つの出鋼口が設けられている。このため、図6に示す取鍋がタンディッシュの上側に対応するように位置して、2つの出鋼口から溶鋼をタンディッシュに排出しつつ、1つのプラグにArガスを吹き込む。このとき、図6の比較例の場合、溶鋼の高さの落ち込みとは無関係に、一定量のArガスを供給し、図6の(a)は、10Nm3/hの流量にて、図6の(b)は、5Nm3/hの流量にて吹き込んだ結果であって、スラグの濃度を通じて裸湯の発生有無及び裸湯の発生の度合いを示した図である。
図6の(a)及び図6の(b)を参照すると、溶鋼の湯面のスラグ間が分離した裸湯が発生したことを確認することができる。
一方、本発明の実施例によれば、鋳造に参与中の、または鋳造位置にある取鍋にArガスを吹き込むにあたって、溶鋼の高さが落ち込むに従い、適量のArガスを吹き込む。このため、裸湯の発生が従来に比べて抑制される効果があった。
図7は、各操業段階での介在物の量を介在物インデックス(Inclusion index)として示すグラフである。ここで、介在物の量は、溶鋼内の酸素の総含量から算出し、これを比較して示した。
図7は、比較例及び実施例に係る溶鋼の処理方法に従う溶鋼の処理時の溶鋼中の介在物インデックス(Inclusion Index)を示すグラフである。
比較例は、真空脱ガス設備において脱酸するステップと、脱酸の終了後に取鍋炉において溶鋼を昇温させつつ取鍋にArガスを吹き込んでバブリングさせるステップと、溶鋼が収容された取鍋をタレット装置の待ち位置において待たせるステップと、待ち中であった取鍋をタンディッシュの上側に移動させ、タンディッシュに溶鋼を供給して鋳造を開始するステップと、を経た。このとき、鋳造の最中に浸漬ノズルにArガスを吹き込んでバブリングさせつつタンディッシュ内の溶鋼をモールドに供給するステップを経ながら、モールド内の溶鋼中の介在物を測定した。
実施例は、真空脱ガス設備において脱酸するステップと、脱酸の終了後に取鍋炉において溶鋼を昇温させつつ取鍋にArガスを吹き込んでバブリングさせるステップと、溶鋼が収容された取鍋をタレット装置に支持させた後、待ち位置にあるときに取鍋にArガスを吹き込むバブリングステップと、待ち位置にあった取鍋をタンディッシュの上側に位置させ、タンディッシュに溶鋼を移動させて鋳造を開始するステップと、を経た。このとき、鋳造の最中に浸漬ノズルにArガスを吹き込んでバブリングさせつつタンディッシュ内の溶鋼をモールドに供給するステップを経ながら、モールド内の溶鋼中の介在物を測定した。
このような比較例及び実施例に係る操業中において、各ステップにおいて溶鋼中の介在物の量を測定した。これらのうち、図7の「タンディッシュ」は、別途のバブリングを施さないタンディッシュにおける溶鋼中の介在物の量である。
そして、各操業ステップにおける介在物の量は、溶鋼中の総酸素の含量から算出した。そして、介在物インデックス(Inclusion Index)を計算するにあたって、真空脱ガス設備における溶鋼中の介在物の量を基準として算出した。
図7を参照すると、第1乃至第3の実施例の場合、第1及び第2の比較例に比べて介在物インデックスが減少したことを確認することができる。より具体的に、モールド内の溶鋼中の介在物の量を比較すれば、比較例に比べて実施例において介在物の量が30%減少した。すなわち、比較例と実施例の場合、同様に取鍋炉を用いた昇温の最中にバブリング、浸漬ノズルにおいてバブリングを施したが、タレット装置において待ち中及び鋳造中に取鍋バブリングを施した実施例の場合、これを施さなかった比較例に比べて介在物の量が少ない。したがって、実施例に係る鋳造方法を用いる場合、比較例に比べて介在物によるひび割れが少ない、すなわち、清浄鋼を鋳造することができる。
このように、本発明の実施の形態に係る鋳造方法の場合、取鍋Lがタレット装置100上において待ち位置にあるときと、タンディッシュTに溶鋼を供給する鋳造の際に、不活性ガスを吹き込む。これにより、従来に比べて介在物を低減することができ、清浄鋼の製造ができる。すなわち、取鍋Lが待ち位置にあるとき、微細バブリングを施すことにより、待ち中の介在物の発生を低減することができる。なお、鋳造の最中に取鍋Lに不活性ガスを吹き込むことにより、鋳造の最中に取鍋L内の溶鋼中の介在物を低減することができる。
そして、鋳造の最中に溶鋼の高さが落ち込むにつれて、ガスの吹込み流量を減少させることにより、適量にてバブリングさせることができて、不活性ガスにより裸湯が発生することを抑制または防止することができる。すなわち、溶鋼の量または溶鋼の高さに比べて過剰に大きな流量にてガスが吹き込まれると、ガスの吹込みに伴う渦流の発生により湯面のスラグ中に空きスペースが生じる裸湯が発生する虞があるが、本発明の実施例においては、鋳造の最中に取鍋L内の溶鋼の高さの減少に対応するようにガスの吹込み流量を調節することにより、ガスの吹込みによる裸湯の発生を抑制または防止することができる。
本発明の実施の形態によれば、取鍋がタレット装置上において待ち位置にあるときと、タンディッシュに溶鋼を供給する鋳造の際に不活性ガスを吹き込む。これにより、従来に比べて介在物を低減することができ、清浄鋼の製造ができる。すなわち、取鍋が待ち位置にあるとき、取鍋の開孔後に微細バブリングを施すことにより、待ち中における介在物の発生を低減することができる。なお、鋳造の最中に取鍋に不活性ガスを吹き込むことにより、鋳造の最中に取鍋内の溶鋼中の介在物を低減することができる。
20 セグメント
30 ノズル取付けユニット
40 ノズル浸清ノズル
100 タレット装置
110 スイングタワー
120 支持部
200 ガス吹込み装置
210a 第1の吹込みライン
210b 第2の吹込みライン
211a 第1の吹込み弁
211b 第2の吹込み弁
220a 第1のガス貯留部
220b 第2のガス貯留部
230a 第1の供給部
230b 第2の供給部
231a 第1の供給ライン
231b 第3の供給ライン
232a 第1の供給弁
232b 第3の供給弁
233a 第1の流量制御部
233b 第3の流量制御部
234a 第2の供給ライン
234b 第4の供給ライン
235a 第2の供給弁
235b 第4の供給弁
236a 第2の流量制御部
236b 第4の流量制御部
310 本体
321 出鋼口
322 吸込み口
330 プラグ
L 取鍋
M モールド
T タンディッシュ
TN トップノズル
30 ノズル取付けユニット
40 ノズル浸清ノズル
100 タレット装置
110 スイングタワー
120 支持部
200 ガス吹込み装置
210a 第1の吹込みライン
210b 第2の吹込みライン
211a 第1の吹込み弁
211b 第2の吹込み弁
220a 第1のガス貯留部
220b 第2のガス貯留部
230a 第1の供給部
230b 第2の供給部
231a 第1の供給ライン
231b 第3の供給ライン
232a 第1の供給弁
232b 第3の供給弁
233a 第1の流量制御部
233b 第3の流量制御部
234a 第2の供給ライン
234b 第4の供給ライン
235a 第2の供給弁
235b 第4の供給弁
236a 第2の流量制御部
236b 第4の流量制御部
310 本体
321 出鋼口
322 吸込み口
330 プラグ
L 取鍋
M モールド
T タンディッシュ
TN トップノズル
Claims (12)
- タンディッシュの上側及び前記タンディッシュの外側のそれぞれに溶鋼が収容された取鍋を位置させる過程と、
前記タンディッシュの上側の鋳造位置に配置された取鍋の溶鋼を前記タンディッシュに供給して、鋳造を施す過程と、
前記鋳造位置に配置された取鍋に不活性ガスを吹き込む過程と、
を含む鋳片の鋳造方法。 - 前記鋳造位置に配置された取鍋に不活性ガスを吹き込む過程は、
前記鋳造位置に配置された取鍋に第1の流量の不活性ガスを吹き込んで、前記鋳造位置の取鍋を開孔する過程と、
前記鋳造位置の取鍋が開孔された後、タンディッシュに溶鋼を供給する鋳造が開始されれば、前記第1の流量に比べて低い流量の不活性ガスを吹き込んでバブリングさせる過程と、
を含む請求項1に記載の鋳片の鋳造方法。 - 前記鋳造位置の取鍋をバブリングさせるにあたって、
前記鋳造位置の取鍋内の溶鋼の高さが落ち込むにつれて、前記不活性ガスの吹込み流量を減少させる請求項2に記載の鋳片の鋳造方法。 - 前記初期のガスの吹込み流量(m0)は、1LPM以上、且つ、20LPM以下である請求項4に記載の鋳片の鋳造方法。
- 前記タンディッシュの外側の待ち位置に配置された取鍋に不活性ガスを吹き込む過程を含む請求項1に記載の鋳片の鋳造方法。
- 前記待ち位置に配置された取鍋に不活性ガスを吹き込む過程は、
前記待ち位置に配置された取鍋に第1の流量の不活性ガスを吹き込んで、前記待ち位置の取鍋を開孔する過程と、
前記待ち位置の取鍋が開孔された後、タンディッシュに溶鋼を供給する鋳造が開始されれば、前記第1の流量に比べて低い第2の流量の不活性ガスを吹き込んでバブリングさせる過程と、
を含む請求項6に記載の鋳片の鋳造方法。 - 前記第1の流量は、80LPM以上、且つ、200LPM以下であり、
前記第2の流量は、1LPM以上、且つ、20LPM以下である請求項7に記載の鋳片の鋳造方法。 - 溶鋼を一時的に貯留するタンディッシュと、
溶鋼の収容された一対の取鍋をそれぞれ支持する一対の支持部を備え、前記一対の支持部を前記タンディッシュの上側の鋳造位置と前記タンディッシュの外側の待ち位置に交互に位置させるタレット装置と、
前記タンディッシュの下側に位置して、前記タンディッシュから提供された溶鋼を凝固させるモールドと、
前記タレット装置上において前記待ち位置に支持された取鍋及び前記鋳造位置に支持された取鍋のそれぞれに不活性ガスが吹き込まれるように、前記待ち位置の取鍋及び前記鋳造位置の取鍋にそれぞれ接続可能なガス吹込み装置と、
を備える鋳造設備。 - 前記ガス吹込み装置は、
前記待ち位置に支持される取鍋と接続可能な第1の吹込みラインと、
前記鋳造位置に支持される取鍋と接続可能な第2の吹込みラインと、
前記第1の吹込みラインに接続されて、前記第1の吹込みラインに前記待ち位置の取鍋の開孔のための第1の流量及び前記第1の流量に比べて小さな第2の流量を選択して不活性ガスを供給する第1の供給部と、
前記第2の吹込みラインに接続されて、前記第2の吹込みラインに前記鋳造位置の取鍋の開孔のための第1の流量及び前記第1の流量に比べて小さな流量を選択して不活性ガスを供給する第2の供給部と、
を備える請求項9に記載の鋳造設備。 - 前記第1の供給部は、
前記待ち位置の取鍋の吹込み口が開孔されるように、前記第1の吹込みラインに80LPM以上、且つ、200LPM以下の第1の流量の不活性ガスを供給し、
前記待ち位置の取鍋が開孔された後、前記第1の吹込みラインに1LPM以上、且つ、20LPM以下の第2の流量の不活性ガスを供給して、前記待ち位置の取鍋をバブリングさせる請求項10に記載の鋳造設備。 - 前記第2の供給部は、
前記鋳造位置の取鍋の吹込み口が開孔されるように、前記第2の吹込みラインに80LPM以上、且つ、200LPM以下の第1の流量の不活性ガスを供給し、
前記鋳造位置の取鍋が開孔された後、前記鋳造位置の取鍋内の溶鋼が前記タンディッシュに供給され始められると、前記第2の吹込みラインに前記第1の流量に比べて低い流量の範囲で、前記鋳造位置の取鍋内の溶鋼の高さが落ち込むにつれて、前記不活性ガスの吹込み流量を減少させる請求項10に記載の鋳造設備。
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