JP2020526656A - 生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造方法及び装置 - Google Patents

生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造方法及び装置 Download PDF

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Abstract

本発明には、生物由来油接触水素添加結合接触分解を使用することにより芳香族炭化水素とオレフィンを製造する方法及び装置が開示されている。この装置には、バイオマス熱分解生物由来油製造ユニットと、生物由来油静置層化ユニットと、接触水素添加ユニットと、生物由来油接触分解ユニットと、分離精製ユニットと、が含まれている。生物由来油静置層化ユニットには、軽油と重油が生成されている。軽油が接触水素添加ユニットで水素添加されて液体生成物が得られ、得られた液体生成物が生物由来油静置層化ユニットからの重油に混合された後に接触分解され、得られた生成物が分離精製されることにより、より純度の高い芳香族炭化水素とオレフィンが得られる。本発明によれば、生物由来油の全成分に対する接触水素添加及び接触分解を実現することができ、触媒のコーキング及び触媒性能の低下を回避することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイオマス資源の利用と低温・低圧における接触水素添加の分野に関し、特に、生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造方法及び装置に関するものである。
化石エネルギー(例えば、石油、石炭、天然ガスなど)は、現代社会において主要なエネルギー源である。世界のエネルギー消費量は、工業化の進展に伴い、時間とともに増加している。21世紀の今、化石燃料エネルギーの不足、再生不可等の問題、化石燃料の使用による環境汚染、並びに温室効果などの厳しい状況に直面しており、再生可能な新エネルギー源や環境にやさしい新エネルギー源の開発には必要性と共に緊急性が伴う。他の再生可能エネルギー源(風力、太陽光、潮力、水力など)と比較すると、バイオマスエネルギーは、液体燃料に直接変換できる唯一の再生可能エネルギー源であるため、多くの注目を集めている。
熱分解技術は、熱化学法であり、二次汚染の低減、貯蔵可能なエネルギーの生成、カーボンブラックへの重金属などの有害元素の固定、重金属の回収が可能であるなどの利点を有するものである。熱分解技術によって製造された生物由来油は、そのエネルギー密度が大幅に改善される。また、得られた生物由来油は、さらに、高粘度、強酸性、高酸素含有量、高含水量、低灰分、低発熱量などの利点を有するものである。
生物由来油は、化石燃料油を代替する素質がある。ただし、生物由来油は、含水量が高く(15%〜30%)、酸素含有量が高く(フラン系、フェノール系、アルデヒド系、ケトン系などの物質を含む)、粘度が高く、発熱量が低く(エンジン燃料の発熱量が通常42MJ/kgであるのに対し、生物由来油の粗製品の発熱量は通常20MJ/kgである)、酸性度が強い(pHは約2.5である)。これらの要因により、生物由来油に化学的安定性の乏しさ、燃焼値の低さ、相容性のなさ、腐食性をもたらすこととなる。そのため、生物由来油は通常、車両用燃料として使用できず、ボイラー用燃料としてのみ使用することができる。また、生物由来油は、酸素含有量が高いため、空気と接触すると容易に凝集して硬くなる。したがって、生物由来油を化石燃料油の代わりに使用する場合、精製する必要がある。
現在、生物由来油の精製方法は、乳化、接触水素添加、接触分解、接触エステル化などの方法があるが、いずれも工業化するのが難しいという欠点がある。特許文献1には、固体酸触媒の接触分解作用により、生物由来油、生物由来油と接触分解原料との混合物、又は生物由来油と接触分解ガソリンとの混合物から、液化ガス、ガソリン、及びディーゼルとの混合物を直接に製造する、生物由来油から燃料油を製造する方法が開示されている。特許文献2には、(I)少なくとも1つの生物由来油を取得し、当該生物由来油を液化し、(II)液化した当該生物由来油を少なくとも1つの鉱油とともに流動接触分解装置に添加し、(III)上記流動接触分解装置に添加された各成分をクラッキングして、少なくともバイオ液化石油ガス留分とバイオナフサ留分を形成し、(IV)当該バイオ液化石油ガス留分の少なくとも一部をアルキル化又は触媒重合し、(V)工程(IV)における生成物の少なくとも一部と上記バイオナフサ留分の少なくとも一部とを組み合わせて、バイオガソリン成分を形成することにより、バイオガソリン成分を製造する方法が開示されている。特許文献3には、水素ガスの存在及び水素化処理反応の条件下で、生物由来油を含む原料油を、有効量のクラッキング活性成分と、有効量の水素化活性金属成分と、基質とを含む触媒に接触させる水素化処理により生物由来油からディーゼルを製造する方法が開示されている。しかし、上述のプロセス方法は、触媒がコークス化しやすく、触媒活性を失う問題があり、それによりプロセスの安定性及び連続性が劣るという問題が引き起こされる。
特許文献4には、生物由来油を原料油とし、水素添加の条件で、原料油と水素ガスとを混合し、第1段階の水素添加反応ゾーンに通過させて分離させ、得られた液体を第2段階の水素添加分解反応ゾーンに通過させて分離させ、得られた液体を分留して各種の低芳香族炭化水素溶剤を得ることにより、生物由来油から低芳香族炭化水素溶剤を製造する2段階の水素添加方法が開示されている。この方法では、第1段階において水素添加生成物流の分離された水素リッチガスは、第1段階に循環利用され、第2段階において水素添加生成物流の分離された水素リッチガスは第2段階に循環利用され、反応において、第1段階に使用される水素添加触媒の水素添加活性成分は、全て、還元状態にあるW、Mo、Ni、及びCoのうちの1種類以上であり、第2段階に使用される水素添加触媒の水素添加活性成分は、加硫状態にあるW、Mo、Ni、及びCoのうちの1種類以上である。しかし、この方法では、触媒活性の安定性を一部確保することができるが、水素添加操作はエネルギー消費が高いという問題がある。特許文献5には、(1)Pd/γ−Al又はPd/Cである触媒を用いて、生物由来油の粗製品を140℃〜300℃で10分間〜120分間接触水素化して混合物を得て、得られた混合物を分離して油相生成物を得、(2)工程(1)で得られた油相生成物をパラフィン油に混合し、200℃〜550℃で接触分解されて生物由来油の精製品を得るという生物由来油の精製方法が開示されている。この方法は、接触分解触媒のコークス化という問題を一部解決することができるが、パラフィン油を追加する必要があるため、製造コストが増加する。
中国特許出願公開1916135号明細書 中国特許出願公開101720349号明細書 中国特許出願公開101463272号明細書 中国特許出願公開103102907号明細書 中国特許出願公開101885986号明細書
本発明は、生物由来油の全成分に対して熱化学的触媒法により生物由来油の品質を向上させる過程において、触媒がコークス化しやすくなるため、活性を失ってしまい、さらにプロセスの安定性と連続性を低下させるなどの問題を解決することを目的とする。また、本発明は、生物由来油における重油相成分と軽油相成分が単独で触媒により熱化学的に変換される場合、生物由来油の全成分を利用できないという問題を解決することも目的とする。本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意検討を行った。
本発明の目的は、生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングにより芳香族炭化水素とオレフィンを製造する方法を提供することにある。本発明のもう一つの目的は、生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングにより芳香族炭化水素とオレフィンを製造する装置を提供することにある。本発明者らは、生物由来油の水素添加された後の軽油成分とともに生物由来油の重油成分を接触分解することにより芳香族炭化水素成分とオレフィン成分を製造することができ、触媒のコーク化による触媒性能の低下を回避することができ、さらにプロセスの安定性と連続性を向上することができることを見出した。これにより、本発明は、生物由来油の全成分の利用を実現することができる。
本発明の一態様によれば、本発明は、生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造方法を提供する。当該方法は、
1)バイオマス原料を熱分解装置に導入して熱分解反応を行い、熱分解生成物を生成し、当該熱分解生成物をサイクロン分離器により固体粒子と油ガスに分離する工程と、
2)上記油ガスを熱交換器で熱交換した後、凝縮器に導入し急冷させ、生物由来油を得、当該生物由来油を静置分離器により重油と軽油に分離する工程と、
3)上記軽油と混合水素ガスとを混合させ、熱交換器で熱交換して昇温させた後、固定床接触水素添加反応器に導入して接触水素添加反応を行い、水素添加反応生成物を得、上記水素添加反応生成物を気液分離器に導入して気液分離を行い、気体生成物と液体生成物を生成する工程と、
4)上記気体生成物を、循環用ガス処理装置に導入して処理を行い、循環用水素ガスを得、当該循環用ガス処理装置内の他のガスを直接排出する一方、上記循環用水素ガスを循環用水素ガス圧縮機により圧縮してから、新鮮な水素ガスに混合させ、上記混合水素ガスを生成する工程と、
5)上記液体生成物を上記静置分離器からの重油に混合して混合物を得、上記混合物を加熱炉に導入し加熱してから、接触分解反応器に導入し、分解触媒の作用により分解反応を行って、分解反応生成物を得、反応後に形成された再生対象である触媒を触媒再生器に導入して再生を行い、再生した触媒を得、触媒再生器により形成された煙道ガスを直接排出する一方、上記再生した触媒を、分解反応に参与するよう、上記接触分解反応器に再導入する工程と、
6)上記分解反応生成物を精留塔に導入して分離精製を行い、芳香族炭化水素とオレフィンを得る工程と、を含む。
本発明の方法によれば、工程1)において、上記熱分解反応の温度は500〜600℃であり、且つ、バイオマス原料は105〜500℃/秒の昇温速度で500〜600℃に加熱されることが好ましい。
本発明の方法によれば、工程2)において、上記凝縮器の凝縮速度は40〜70℃/秒であることが好ましい。
本発明の方法によれば、工程3)において、水素添加反応のプロセス条件は、活性炭担持ルテニウム系触媒又は活性炭担持ロジウム系触媒が使用され、反応温度は80−125℃であり、反応圧力は2〜3MPaであることが好ましい。
本発明の方法によれば、工程5)において、分解(クラッキング)反応のプロセス条件は、接触分解反応器の作動温度が400〜700℃であり、分解触媒はMCM−41/ZSM−5マイクロ・メソポーラス複合型分子篩又はSBA−15/ZSM−5マイクロ・メソポーラス複合型分子篩を担体とし、金属Pt又はAlを活性金属とするものであることが好ましい。
本発明の別の態様によれば、生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造装置を提供する。当該装置は、
バイオマス原料を熱分解反応させ、熱分解生成物を生成し、上記熱分解生成物を固体粒子と油ガスに分離し、上記油ガスを熱交換した後急冷させ、生物由来油を得るように構成されるバイオマス熱分解生物由来油製造ユニット(100)と、
上記生物由来油を重油と軽油に分離するように構成される生物由来油静置層化ユニット(200)と、
上記軽油を混合水素に混合し、熱交換により昇温させた後に接触水素添加反応を行って水素添加反応生成物を得、上記水素添加反応生成物の気液分離を行い、気体生成物と液体生成物を生成するように構成され、さらに上記気体生成物を処理して循環用水素ガスを取得し、上記循環用水素ガスを圧縮してから、新鮮な水素に混合し、上記混合水素ガスを生成するように構成される接触水素添加ユニット(300)と、
上記接触水素添加ユニット(300)からの上記液体生成物を生物由来油静置層化ユニット(200)からの上記重油に混合して混合物を得、上記混合物を加熱してから、分解反応を行って分解反応生成物を得るように構成され、さらに反応後に形成された再生対象である触媒を再生し、再生した触媒を得、上記再生した触媒を分解反応に再び参与するように構成される生物由来油接触分解ユニット(400)と、
上記分解反応生成物を分離精製して芳香族炭化水素とオレフィンを得るように構成される分離精製ユニット(500)と、を含む。
本発明における生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造装置によれば、上記バイオマス熱分解生物由来油製造ユニット(100)は、熱分解装置(1)、サイクロン分離器(2)、熱交換器(3)及び凝縮器(4)を有し、ここで、上記熱分解装置(1)の入口は、バイオマス原料の導入に用いられ、上記熱分解装置(1)の出口は上記サイクロン分離器(2)の入口に接続され、上記サイクロン分離器(2)の出口は上記熱交換器(3)を介して上記凝縮器(4)の入口に接続され、上記凝縮器(4)の出口は上記生物由来油静置層化ユニット(200)に接続されていることが好ましい。
本発明における生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造装置によれば、上記生物由来油静置層化ユニット(200)は静置分離機(5)を有し、ここで、上記静置分離器(5)の入口は上記凝縮器(4)の出口に接続され、上記静置分離器(5)の上部出口はバイオマス熱分解生物由来油製造ユニット(100)の上記熱交換器(3)を介して上記接触水素添加ユニット(300)に接続され、上記静置分離器(5)の下部出口は上記生物由来油接触分解ユニット(400)に接続されていることが好ましい。
本発明における生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造装置によれば、上記接触水素添加ユニット(300)は、固定床接触水素添加反応器(6)、気液分離器(7)、循環用ガス処理装置(8)及び循環用水素ガス圧縮機(9)を有し、ここで、上記固定床接触水素添加反応器(6)の入口は上記バイオマス熱分解生物由来油製造ユニット(100)の上記熱交換器(3)を介して上記静置分離器(5)の上部出口に接続され、上記固定床接触水素添加反応器(6)の出口は上記気液分離器(7)の入口に接続され、上記気液分離器(7)の気体生成物出口は上記循環用ガス処理装置(8)の入口に接続され、上記気液分離器(7)の液体生成物出口は上記生物由来油接触分解ユニット(400)に接続され、上記循環用ガス処理装置(8)の水素ガス出口は、上記循環用水素ガス圧縮機(9)の入口に接続され、上記循環用水素ガス圧縮機(9)の出口は、上記バイオマス熱分解生物由来油製造ユニット(100)の上記熱交換器(3)を介して上記固定床接触水素添加反応器(6)の入口に接続されていることが好ましい。
本発明における生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造装置によれば、上記生物由来油接触分解ユニット(400)は、加熱炉(10)、接触分解反応器(11)及び触媒再生器(12)を有し、上記分離精製ユニット(500)は精留塔(13)を有し、ここで、上記接触分解反応器(11)の反応原料入口は、加熱炉(10)を介して上記接触水素添加ユニット(300)の上記気液分離器(7)の液体生成物出口及び上記生物由来油静置層化装置(200)の上記静置分離器(5)の下部出口にそれぞれ接続され、上記接触分解反応器(11)の触媒入口は上記触媒再生器(12)の出口に接続され、上記接触分解反応器(11)の出口は、上記分離精製ユニット(500)の精留塔(13)の入口に接続され、上記触媒分解反応器(11)の触媒出口は上記触媒再生器(12)の入口に接続され、ここで、精留塔(13)の出口は、芳香族炭化水素とオレフィンの排出に用いられることが好ましい。
本発明は、生物由来油の異なる成分(重油と軽油)の物理化学的特性から、軽油の低温低圧における接触水素添加により得られた液体生成物を重油に混合して接触分解を行うことにより、生物由来油の全成分に対して、接触水素添加と接触分解の「カップリング変換」が実現される。本発明は、生物由来油に対して段階的な処理を実施し、異なる物理化学的特性を有する成分に対して異なる処理を実施することにより、触媒のコーク化による触媒性能の損失を回避し、さらにプロセスの安定性と連続性を改善することができる。また、本発明において、軽油の接触水素添加は、低温低圧という条件を使用し、活性炭担持ルテニウム系触媒又は活性炭担持ロジウム系触媒を使用するため、その反応条件は、従来の触媒水素添加条件よりも温和である。これにより、水素消費量とエネルギー消費量を節約し、コストを低下することができる。本発明の好ましい実施形態によれば、生物由来油を製造するための主流のバイオマス(循環)流動床急速熱分解技術と異なり、本発明の熱分解装置は、下向き式循環流動床急速熱分解技術を採用しており、熱分解過程において流動ガスが使用されないため、コストは低くなり、さらに、熱分解ガスがセミコークスと分離した後、凝縮しやすくなるため、液体収量は高くなる。本発明のさらなる好ましい技術形態によれば、本発明は、触媒再生器を設けることで、触媒の利用率を改善することができ、さらに、触媒が容易にコークス化されて触媒性能を失うという問題を解決することができ、さらに、これによりプロセス安定性と連続性が低下するという問題を解決することができる。
本発明に係る生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造装置の概略図である。
以下、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明において、生物由来油はバイオマス原料からなるものである。本発明のバイオマス原料には、生物油脂又は生物廃棄物などが含まれる。生物油脂は、植物性油脂及び/又は動物性油脂から選択されるものであってもよいし、植物性油脂及び/又は動物性油脂の精製後のスクラップから選択されるものであってもよい。植物油脂は、草本植物油及び木本植物油から選択される1種類又は複数種類である。草本植物油は、大豆油、落花生油、菜種油、ひまわり種油、綿実油から選択される1種類又は複数種類である。木本植物油は、オリーブ油、パーム油、ココナッツ油、クルミ油、及びツバキ種子油から選択される1種類又は複数種類である。動物性油脂は、ラード、牛脂、羊脂、鶏脂、鴨脂、鯨脂、及び深海魚油から選択される1種類又は複数種類である。生物由来油は、上記バイオマス原料の熱分解により得られるものである。当該生物由来油は常温かつ液体である。生物廃棄物は、わら(トウモロコシの茎、綿の茎)、木屑、チャフ、もみ殻、木材廃棄物などから選択されるものである。本発明のバイオマス原料は、わらであることが好ましい。
本発明において、カップリングとは、2つ以上の操作過程又は操作ユニットの入力と出力の間に緊密な連携と相互影響があることを意味する。たとえば、接触水素添加操作と接触分解操作は緊密に連携している。
本発明において、芳香族炭化水素とは、分子内に芳香環(例えば、ベンゼン環)構造を有する炭化水素化合物を意味する。芳香環は、環状共役系を持ち、原子間に二重結合と単結合が交互に連続しているのではなく、非局在化したπ電子雲に覆われている。オレフィンは、炭素−炭素二重結合を有する炭化水素化合物を表す。
本発明において、重油と重油相は同じ意味を有し、軽油と軽油相は同じ意味を有し、交換して使用することができる。また、混合水素と混合水素ガスは同じ意味を有し、循環用水素と循環用水素ガスは同じ意味を有し、新鮮な水素ガスと新たに導入された水素ガスは同じ意味を有し、交換して使用することができる。
本発明において、芳香族炭化水素とオレフィンを製造するための装置は、複数のデバイス及び/又はユニットの集合体である。ユニットはシステムと同じ意味を有し、交換して使用することができる。
<生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造方法>
本発明では、生物由来油は、その性質に応じて、重油相と軽油相が分離され、その後、軽油相は、低温低圧で接触水素添加が行われ、そのうちのアルデヒド類、ケトン類、酸類などが安定なアルコール類や飽和フラン系化合物などに変換され、さらに、そのうちの液体生成物が重油相に混合され、水素添加分解と分離精製が行われ、これにより、芳香族炭化水素成分とオレフィン成分が得られる。生物由来油の軽油に対する低温低圧における接触水素添加と、接触水素添加と接触分解のカップリング技術を選択するため、省エネ及び排出削減には非常に重要である。
本発明の一態様によれば、本発明の製造方法は、1)熱分解工程、2)静置分離工程、3)接触水素添加工程、4)水素混合工程、5)接触分解工程、及び6)分離精製工程を含む。
本発明の熱分解工程では、バイオマス原料を熱分解装置に導入して熱分解反応を行い、熱分解生成物を生成し、当該熱分解生成物をサイクロン分離器により固体粒子と油ガスに分離する。熱分解装置及びサイクロン分離器は、特に限定されず、当該技術分野で知られたものを使用することができる。分離装置は、熱分解生成物を固体粒子と油ガスに分離できるものであればよい。サイクロン分離器と類似又は同等の分離装置は、全て、本発明の保護範囲にある。熱分解工程において、上記熱分解反応の温度は500〜600℃で530〜580℃が好ましい。バイオマス原料は、昇温速度105〜500℃/秒で、150〜300℃/秒が好ましく、500〜600℃まで加熱され、特に530〜580℃が好ましい。本発明の一実施形態によれば、バイオマス原料は熱分解装置の天井部から添加され、バイオマス原料の下降中に、105〜500℃/秒の昇温速度で500〜600℃に加熱される。これにより、バイオマス原料は、急速に熱分解され、熱分解生成物が生成される。本発明の特定の実施形態によれば、バイオマス原料は、粒径2mm未満のわら粒子であり、酸素担体は、鉄系酸素担体Fe/Al(Alを担体とし、Feを活性成分とする)であり、触媒はニッケル系分子篩触媒Ni/HZSM−5であっても良い。熱分解装置の出口は、サイクロン分離器に接続される。これにより、熱分解生成物は、サイクロン分離器により固体粒子と油ガスに分離される。
本発明の静置分離工程では、上記油ガスを熱交換器で熱交換した後、凝縮器に導入し急冷させ、生物由来油を得、当該生物由来油を静置分離器により重油と軽油に分離する。純粋な油ガスは、熱交換器に導入され、熱交換された後、凝縮器に急冷され、液体燃料の生物由来油が得られる。本発明において、上記凝縮器の凝縮速度は、40〜70℃/秒であり、50〜60℃/秒が好ましい。静置分離器では、生物由来油は、その重質成分が下降する一方、軽質成分が上昇する層化により、重油と軽油に分離される。
本発明の接触水素添加工程では、上記軽油と混合水素ガスを混合し、熱交換器で熱交換して昇温させた後、固定床接触水素添加反応器に導入して接触水素添加反応を行い、水素添加反応生成物を得、上記水素添加反応生成物を気液分離器に導入して気液分離を行い、気体生成物と液体生成物を生成する。本発明の混合水素は以下の通りである。上記軽油を混合水素に混合し、混合材料を形成し、当該混合材料を熱交換器で熱交換することにより、エネルギーが節約される。本発明の接触水素添加反応は、固定床接触水素添加反応器で実施される。軽油に接触水素添加を行うため、触媒のコーキングとの問題は容易に発生しない。水素添加触媒の作用で、上記軽油を混合水素に反応させることにより、軽油中の不飽和成分(例えば、アルデヒド類、ケトン類、酸類など)は、水素添加反応生成物中の飽和成分(例えば、アルコール類と飽和フラン系化合物など)に変換される。
本発明の接触水素添加工程において、水素添加触媒として、活性炭に担持されたルテニウム系触媒又は活性炭に担持されたロジウム系触媒が含まれるが、これらに限定されない。接触水素添加の反応温度は80〜125℃であり、90〜120℃が好ましく、反応圧力は2〜3MPaであり、2〜2.3MPaが好ましい。本発明の一実施形態によれば、水素添加反応のプロセス条件は、活性炭に担持されたルテニウム系触媒又は活性炭に担持されたロジウム系触媒を水素添加触媒として使用し、反応温度が80〜125℃であり、反応圧力が2〜3MPaであることである。低温低圧条件下で水素添加反応を行うことで、エネルギー消費とコストを大幅に削減できる。
本発明の接触水素添加工程において、上記水素添加反応生成物を気液分離器に導入して気液分離を行い、気体生成物と液体生成物を生成する。気液分離器として、当該技術分野で知られているものを使用することができ、ここではその説明を省略する。
本発明の水素混合工程では、上記気体生成物を、循環用ガス処理装置に導入して処理を行い、循環用水素ガスを得、当該循環用ガス処理装置内の他のガスを直接排出する一方、上記循環用水素ガスを循環用水素ガス圧縮機により圧縮してから、新鮮な水素ガスに混合し、上記混合水素ガスを生成する。循環用ガス処理装置及び循環用水素ガス圧縮機としては、当該技術分野で知られているものを使用することができる。気体生成物が循環用ガス処理装置で循環水素と残りのガス(排気ガス)に分離されることにより、水素ガスの循環利用が実現され、コスト削減の目的を達することが出来る。混合水素中の水素ガス濃度を確保するため、循環水素を新鮮な水素ガスに混合することにより、混合水素が形成される。
本発明の接触分解工程において、上記気液分離器からの上記液体生成物を上記静置分離器からの重油に混合して混合物を得、上記混合物を加熱炉に導入し加熱してから、接触分解反応器に導入し、分解触媒の作用により分解反応を行い、分解反応生成物を得、反応後に形成された再生対象である触媒を触媒再生器に導入して再生を行い、再生した触媒を得、触媒再生器により形成された煙道ガスを直接排出する一方、上記再生した触媒を、分解反応に参与するように、上記接触分解反応器に再導入する。液体生成物と重油の混合比率は特に限定されない。液体生成物の不飽和成分が少ないため、触媒のコーキング現象を防ぐことができる。
本発明の接触分解工程において、加熱炉及び接触分解反応器は、当該技術分野で知られているものを使用することができる。接触分解反応器の作動温度は400−700℃、たとえば500−600℃である。分解反応は、400〜700℃、例えば500〜600℃で行うことができる。分解触媒の担体として、MCM−41/ZSM−5マイクロ・メソポーラス複合型分子篩又はSBA−15/ZSM−5マイクロ・メソポーラス複合型分子篩を使用でき、活性金属として、金属Pt又はAlを使用できる。本発明の一実施形態によれば、当該触媒は、Pt担持MCM−41/ZSM−5マイクロ・メソポーラス複合型分子篩である。上記の条件下では、触媒はさらにコーキング現象が発生しにくい。
本発明の接触分解工程では、反応後に形成された再生対象である触媒を触媒再生器に導入して再生を行い、再生した触媒を得、上記再生した触媒を、分解反応に参与するように、上記接触分解反応器に再導入する。これにより、触媒の使用量を節約することができ、且つ、接触分解反応を連続的に行うことができる。触媒再生器により形成された煙道ガスは、直接排出又は循環利用される。
本発明の分離精製工程では、上記分解反応生成物を精留塔に導入して分離精製を行い、芳香族炭化水素とオレフィンを得る。精留塔などの分離精製の目的を達成できる任意の装置を本発明に適用することができる。精留塔に類似又は同等の分離装置は全て、本発明の保護範囲に含まれる。当該技術分野で知られている分離精製のプロセスパラメータを使用することができ、ここではその説明を省略する。
いくつかの実施形態では、本発明における生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造方法は、
1)バイオマス原料を熱分解装置に導入して熱分解反応を行い、熱分解した生成物をサイクロン分離器により固体粒子と油ガスに分離する工程と、
2)上記油ガスを熱交換器で熱交換した後、凝縮器に導入し急冷させ、生物由来油を得、当該生物由来油を静置分離器に導入して層化させ、重油と軽油に分離する工程と、
3)上記軽油を混合水素ガスに混合し、熱交換器で熱交換して昇温させた後、固定床接触水素添加反応器に導入して接触水素添加反応を行い、水素添加反応生成物を気液分離器に導入して気液分離を行う工程と、
4)気液分離器に分離された気体生成物を、循環用ガス処理装置に導入して処理を行い、得られる循環用水素ガスを循環用水素ガス圧縮機により圧縮してから、新鮮な水素ガスに混合し、上記混合水素ガスを生成する一方、当該循環用ガス処理装置内の他のガスを直接排出し、気液分離器に分離された液体生成物を上記静置分離器からの重油に混合し、加熱炉に導入し加熱してから、接触分解反応器に導入する工程と、
5)液体生成物と重油からなる混合物が接触分解反応器に反応した後、形成された再生対象である触媒を触媒再生器に導入して再生を行い、触媒再生器により再生された触媒を、分解反応に参与するように、上記接触分解反応器に再導入する一方、触媒再生器により形成された煙道ガスを排出し、接触分解反応器からの反応生成物を精留塔に導入して分離精製を行い、芳香族炭化水素とオレフィンを得る工程と、を含む。
いくつかの実施形態において、工程1)における熱分解反応温度は500〜600℃であり、分解プロセスにおいて、バイオマス原料は105〜500℃/秒の昇温速度で、上記熱分解反応温度まで加熱される。
いくつかの実施形態では、工程2)における凝縮器の凝縮速度は40〜70℃/秒である。
いくつかの実施形態では、工程3)における接触水素添加反応器プロセスは、活性炭担持ルテニウム系触媒及びロジウム系触媒を使用し、80〜125℃の反応温度及び2〜3MPaの反応圧力で接触水素添加反応を行う。
いくつかの実施形態では、工程5)における接触分解反応器のプロセス条件については、接触分解反応器の作動温度は400−700℃であり、MCM−41/ZSM−5又はSBA−15/ZSM−5マイクロ・メソポーラス複合型分子篩を担体とし、金属Pt又はAlを活性金属とする触媒が使用され、反応後の再生対象である触媒が触媒再生器に導入され再生する。
<生物由来油の接触水素添加カップリング接触分解による芳香族炭化水素とオレフィンの製造装置>
本発明の別の態様によれば、本発明における生物由来油の接触水素添加カップリング接触分解による芳香族炭化水素とオレフィンの製造装置は、バイオマス熱分解生物由来油製造ユニット、生物由来油静置層化ユニット、接触水素添加ユニット、生物由来油接触分解ユニット及び分離精製ユニットを有する。接触水素添加ユニットからの液体生成物は、生物由来油接触分解ユニットに出力され、生物由来油静置層化ユニットからの重油とともに接触分解が実施され、分解反応生成物は、分離精製ユニットに導入される。本発明の装置の操作方法は上記の通りであり、ここではその説明を省略する。
本発明のバイオマス熱分解生物由来油製造ユニットは、バイオマス原料を熱分解反応させ、熱分解生成物を生成し、上記熱分解生成物を固体粒子と油ガスに分離し、上記油ガスを熱交換した後急冷させ、生物由来油を得るように構成される。バイオマス熱分解生物由来油製造ユニットは、熱分解装置、サイクロン分離器、熱交換器、及び凝縮器を含んでもよい。これらの装置は、当該技術分野で知られているものを使用してもよい。凝縮器の例として、急速凝縮器が含まれるが、これに限定されない。熱分解装置の入口はバイオマス原料を導入するために使用され、熱分解装置の出口はサイクロン分離器の入口に接続されている。熱分解装置では、バイオマス原料は熱分解反応により熱分解生成物が形成される。熱分解装置の作動温度は500〜600℃であってもよく、530〜580℃が好ましい。熱分解装置の昇温速度は105〜500℃/秒であり、150〜300℃/秒が好ましい。熱分解装置は、触媒を有し、特に触媒及び酸素担体が好ましく、具体的な物質は上記の通りであり、ここではその説明を省略する。サイクロン分離器の出口は、熱交換器を介して凝縮器の入口に接続されている。凝縮器の出口は、生物由来油静置層化ユニットに接続されている。本発明において、上記凝縮器は、凝縮速度が40〜70℃/秒であり、50〜60℃/秒が好ましい。
本発明の生物由来油静置層化ユニットは、上記生物由来油を重油と軽油に分離するように構成される。生物由来油静置層化ユニットには、入口、上部出口、及び下部出口を有する静置分離器が含まれる。静置分離器は、その入口が凝縮器の出口に接続され、上部出口がバイオマス熱分解生物由来油製造ユニットの熱交換器を介して接触水素添加ユニットに接続され、下部出口が生物由来油接触分解ユニットに接続されている。静置分離器において、生物由来油は、その重質成分が下降する一方、軽質成分が上昇する層化により、重油と軽油に分離される。
本発明の接触水素添加ユニットは、上記軽油を混合水素に混合し、熱交換により昇温させた後に接触水素添加反応を行って水素添加反応生成物を得、上記水素添加反応生成物の気液分離を行い、気体生成物と液体生成物を生成ように構成され、さらに上記気体生成物を処理して循環用水素ガスを取得し、上記循環用水素ガスを圧縮してから、新鮮な水素に混合し、上記混合水素ガスを生成するように構成される。接触水素添加ユニットには、固定床接触水素添加反応器、気液分離器、循環用ガス処理装置、及び循環用水素ガス圧縮機が含まれる。固定床接触水素添加反応器は、その入口がバイオマス熱分解生物由来油製造ユニット中の熱交換器を介して静置分離器の上部出口に接続され、出口が気液分離器の入口に接続されている。固定床接触水素添加反応器には水素添加触媒が存在している。当該触媒として、活性炭担持テニウム系触媒又はロジウム系触媒が含まれるが、これらに限定されない。固定床接触水素添加反応器は、作動温度が80〜125℃であり、90〜120℃が好ましく、作動圧力が2〜3MPaであり、2〜2.3MPaが好ましい。低温低圧条件下での水素添加反応により、エネルギー消費とコストを大幅に削減することができる。
本発明の接触水素添加ユニットにおいて、気液分離器は、気体生成物出口と液体生成物出口を有する。気体生成物出口は循環用ガス処理装置の入口に接続され、液体生成物出口は生物由来油接触分解ユニットに接続されている。
本発明の接触水素添加ユニットにおいて、循環用ガス処理装置の水素出口は、循環用水素ガス圧縮機の入口に接続されており、上記循環用水素ガス圧縮機の出口は、バイオマス熱分解生物由来油製造ユニットの熱交換器を介して固定床接触水素添加反応器の入口に接続されている。循環用ガス処理装置、循環用水素ガス圧縮機は、当該技術分野で知られているものを使用することができる。気体生成物は、循環用ガス処理装置により循環用水素と他のガス(排気ガス)に分離される。これにより、水素の循環利用を実現し、コスト削減という目的を達成することができる。混合水素中の水素濃度を確保するため、循環用水素を新鮮な水素に混合することにより、混合水素が形成される。
本発明の生物由来油接触分解ユニットは、上記接触水素添加ユニットからの上記液体生成物を生物由来油静置層化ユニットからの上記重油に混合して混合物を得、上記混合物を加熱してから、分解反応を行って分解反応生成物を得るように構成され、さらに反応後に形成された再生対象である触媒を再生し、再生した触媒を得、上記再生した触媒を分解反応に再び参与するように構成される。生物由来油接触分解ユニットには、加熱炉、接触分解反応器及び触媒再生器が含まれている。接触分解反応器の反応原料入口は、加熱炉を介して接触水素添加ユニットの気液分離器の液体生成物出口に接続され、接触分解反応器の反応原料入口は、加熱炉を介して生物燃料静置層化ユニットの静置分離器の下部出口が接続されている。これにより、液体生成物と重油が混合され、接触分解反応器に導入される。接触分解反応器は、触媒入口が触媒再生器の出口に接続され、触媒出口が触媒再生器の入口に接続されている。これにより、触媒の再生、導入が容易になり、連続的な接触分解が確保される。
本発明の分離精製ユニットは、上記分解反応生成物を分離精製して芳香族炭化水素とオレフィンを得るように構成される。分離精製ユニットは精留塔を有する。接触分解反応器の出口は、精留塔の入口に接続されている。精留塔の出口は、芳香族炭化水素とオレフィンを排出するために使用される。精留塔には、当該技術分野で知られている精留プロセスを使用することができ、ここではその説明を省略する。
いくつかの実施形態では、本発明における生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造装置には、バイオマス熱分解燃料製造システム、生物由来油静置層化システム、接触水素添加システム、生物由来油接触分解システム及び分離精製システムが含まれている。接触水素添加システムの液体生成物は、接触分解システムに送られ、重油とともに接触分解が実施される。接触分解後の生成物は分離精製システムに導入される。
いくつかの実施形態では、バイオマス熱分解燃料製造システムには、熱分解装置、サイクロン分離器、熱交換器、及び急速凝縮器が含まれている。熱分解装置は、その入口にバイオマス原料が導入され、出口がサイクロン分離器の入口に接続されている。サイクロン分離器は、その出口からの熱分解残渣が排出され、出口からの熱分解ガスが熱交換器を通過した後、急速凝縮器の入口に導入されている。急速凝縮器の出口は生物由来油静置層化システム中の静置分離器の入口に接続されている。
いくつかの実施形態では、生物由来油静置層化システムには、静置分離器が含まれている。静置分離器は、その入口が急速凝縮器の出口に接続され、上部出口がバイオマス熱分解燃料製造システムの熱交換器を介して接触水素添加システム中の固定床接触水素添加反応器の入口に接続され、下部出口が生物由来油接触分解システム中の加熱炉を介して、生物由来油接触分解システム内の接触分解反応器の反応物入口に接続されている。
いくつかの実施形態では、触媒水素添加システムには、固定床接触水素添加反応器、気液分離器、循環用ガス処理装置、及び循環用水素ガス圧縮機が含まれている。固定床接触水素添加反応器は、その入口がバイオマス熱分解燃料製造システム中の熱交換器を介して静置分離器の上部出口に接続され、出口が気液分離器の入口に接続されている。気液分離器は、その循環用ガス出口が循環用ガス処理装置の入口に接続され、液体出口が生物燃料接触分解ユニット内の加熱炉を介して、生物燃料接触分解システム内の接触分解反応器の反応物入口に接続されている。循環用ガス処理装置の処理により得られた水素ガスの出口は循環用水素ガス圧縮機の入口に接続され、循環用ガス処理装置の処理により得られたガス排気は、直接排出されている。循環用水素ガス圧縮機の出口は、バイオマス熱分解燃料製造システム中の熱交換器を介して、固定床接触水素添加反応器の原料入口に接続されている。
いくつかの実施形態では、生物由来油接触分解システムには、加熱炉、接触分解反応器、及び触媒再生器が含まれている。接触分解反応器の反応原料入口は接触水素添加システム中の気液分離器の液体生成物出口と生物由来油静置層化システム中の静置分離器の下部出口に接続され、もう1つの入口は触媒再生器からの再生した触媒の出口に接続されている。また、接触分解反応器の製品出口は分離精製システムの精留塔の入口に接続され、接触分解反応器の再生対象である触媒の出口は触媒再生器の入口に接続され、触媒再生器の煙道ガスは直接排出されている。分離精製システムには精留塔が含まれている。精留塔は、その入口が生物由来油接触分解システム中の接触分解反応器の製品出口に接続され、出口に芳香族炭化水素、オレフィン、及びその他の化学成分が排出されている。
以下に、実施例と比較例に使用された材料を説明する。
バイオマス原料:粒径が2mm未満のわら粒子。
酸素担体:Alを担体とし、Feを有効成分とするFe系酸素担体Fe/Al
熱分解触媒:ニッケル系分子篩触媒(10wt%Ni/HZSM−5、HZSM−5におけるシリコン:アルミニウムは50である。)。
水素添加触媒:定体積含浸法により製造される活性炭担持ロジウム系触媒1wt%Rh/C。
分解触媒:2wt%Pt MCM−41/ZSM−5マイクロ・メソポーラス複合型分子篩。
実施例1−芳香族炭化水素とオレフィンの製造装置
図1は、本発明に係る生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造装置の概略図である。この装置には、バイオマス熱分解生物由来油製造ユニット100、生物由来油静置層化ユニット200、接触水素添加ユニット300、生物由来油接触分解ユニット400、及び分離精製ユニット500が含まれている。
バイオマス熱分解生物由来油製造ユニット100には、熱分解装置1、サイクロン分離器2、熱交換器3、及び急速凝縮器などの凝縮器4が含まれている。熱分解装置1は、その入口がバイオマス原料の導入に使用され、出口がサイクロン分離器2の入口に接続されている。サイクロン分離器2の出口は熱交換器3を介して凝縮器4の入口に接続されている。
生物由来油静置層化ユニット200には、静置分離器5が含まれている。静置分離器5は、その入口が凝縮器4の出口に接続され、上部出口が熱交換器3を介して接触水素添加ユニット300に接続され、下部出口が生物由来油接触分解ユニット400に接続されている。
接触水素添加ユニット300には、固定床接触水素添加反応器6、気液分離器7、循環用ガス処理装置8、及び循環用水素ガス圧縮機9が含まれている。固定床接触水素添加反応器6の入口は、静置分離器5の上部出口に接続され、両者の間に熱交換器3が配置されている。固定床接触水素添加反応器6の出口は、気液分離器7の入口に接続されている。気液分離器7は、気体生成物出口と液体生成物出口を有する。当該気体生成物出口は循環用ガス処理装置8の入口に接続され、当該液体生成物出口は生物由来油接触分解ユニット400に接続されている。循環用ガス処理装置8の水素ガス出口は、循環用水素ガス圧縮機9の入口に接続されている。循環用水素ガス圧縮機9の出口は固定床接触水素添加反応器6の入口に接続され、両者の間に熱交換器3が設けられている。
生物由来油接触分解ユニット400には、加熱炉10、接触分解反応器11、及び触媒再生器12が含まれている。分離精製ユニット500は、精留塔13を含む。気液分離器7の液体生成物出口は、接触分解反応器11の反応原料入口に接続されており、両者の間に加熱炉10が配置されている。静置分離器5の下部出口は接触分解反応器11の反応原料入口に接続されており、両者の間に加熱炉10が設けられている。接触分解反応器11は、その触媒入口が触媒再生器12の出口に接続され、触媒出口が触媒再生器12の入口に接続されている。接触分解反応器11の出口は、精留塔13の入口に接続されている。精留塔13の出口は、芳香族炭化水素とオレフィンの排出に使用される。
実施例2−芳香族炭化水素とオレフィンの製造方法
以下に、実施例1の装置を使用して芳香族炭化水素とオレフィンを製造するプロセスを説明する。
1)バイオマス原料をバイオマス熱分解生物由来油製造ユニット100の熱分解装置1に導入して熱分解反応を行い、熱分解生成物を生成し、当該熱分解生成物をサイクロン分離器2により固体粒子と油ガスに分離させる。バイオマス原料は、熱分解装置1の天井部から添加され、下降中に、200℃/sの昇温速度で500〜600℃、例えば550℃に加熱される。熱分解反応の温度は500−600℃、例えば550℃である。熱分解反応は、酸素担体と熱分解触媒により行われる。
2)油ガスを熱交換器3で熱交換した後、凝縮器4に導入し急冷させ、生物由来油を生成する。凝縮器4の凝縮速度は、40〜70℃/秒、例えば50℃/秒である。この生物由来油は、静置分離器5により層化され、重油と軽油に分離される。
3)軽油と混合水素ガスとを混合し、熱交換器3で熱交換して昇温させた後、固定床接触水素添加反応器6に導入して接触水素添加反応を行い、水素添加反応生成物を生成する。活性炭担持ロジウム系触媒が使用される。反応温度は120℃、反応圧力は2MPaである。水素添加反応生成物は、気液分離器7に送られ、気液分離を行い、これにより、気体生成物と液体生成物が形成される。
4)気体生成物を循環用ガス処理装置8に導入して処理を行い、循環用水素ガス及び排気ガスを得る。排気ガスは直接排出される。循環用水素ガスは、循環用水素ガス圧縮機9により圧縮された後に新鮮な水素ガスに混合して、上記混合水素ガスを形成する。
5)液体生成物を重油に混合して混合物を得る。当該混合物を加熱炉10に導入して加熱し、さらに接触分解反応器11に導入する。当該混合物が分解触媒の作用で分解反応を行うことにより、分解反応生成物は得られる。分解反応の温度は600℃である。反応後に形成される再生対象である触媒は、触媒再生器12に導入されて再生を行うことにより、再生した触媒を得、触媒再生器12により形成された煙道ガスは直接排出される。再生された触媒は、分解反応に参与するように、接触分解反応器11に再び導入される。
6)分解反応生成物が精留塔13に導入されて分離精製を行うことにより、芳香族炭化水素とオレフィンは得られる。
比較例1−芳香族炭化水素とオレフィンの製造装置及び製造方法
生物由来油静置層化ユニット200及び接触水素添加ユニット300は省略される。これにより、生物由来油は、生物由来油接触分解ユニット400及び分離精製ユニット500に直接導入される。他のユニット及び操作条件は、実施例1、2と同じである。
Figure 2020526656
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が想到し得るいずれかの変形、改良、置換を本発明の範囲に含むものである。
100…バイオマス熱分解生物由来油製造ユニット
200…生物由来油静置層化ユニット
300…触媒水素添加ユニット
400…生物由来油接触分解ユニット
500…分離精製ユニット
1…熱分解装置
2…サイクロン分離器
3…熱交換器
4…凝縮器
5…静置分離器
6…固定床接触水素添加反応器
7…気液分離器
8…循環用ガス処理装置
9…循環用水素ガス圧縮機
10…加熱炉
11…触媒分解反応器
12…触媒再生器
13…精留塔

Claims (10)

  1. 1)バイオマス原料を熱分解装置に導入して熱分解反応を行い、熱分解生成物を生成し、当該熱分解生成物をサイクロン分離器により固体粒子と油ガスに分離する工程と、
    2)前記油ガスを熱交換器で熱交換した後、凝縮器に導入し急冷させ、生物由来油を得、当該生物由来油を静置分離器により重油と軽油に分離する工程と、
    3)前記軽油と混合水素ガスとを混合し、熱交換器で熱交換して昇温させた後、固定床接触水素添加反応器に導入して接触水素添加反応を行い、水素添加反応生成物を得、前記水素添加反応生成物を気液分離器に導入して気液分離を行い、気体生成物と液体生成物を生成する工程と、
    4)前記気体生成物を、循環用ガス処理装置に導入して処理を行い、循環用水素ガスを得、当該循環用ガス処理装置内の他のガスを直接排出する一方、前記循環用水素ガスを循環用水素ガス圧縮機により圧縮してから、新鮮な水素ガスに混合し、前記混合水素ガスを生成する工程と、
    5)前記液体生成物を前記静置分離器からの前記重油と混合して混合物を得、前記混合物を加熱炉に導入し加熱してから、接触分解反応器に導入し、分解触媒の作用により分解反応を行って、分解反応生成物を得、反応後に形成された再生対象である触媒を触媒再生器に導入して再生を行い、再生した触媒を得、前記触媒再生器により形成された煙道ガスを直接排出する一方、前記再生した触媒を、分解反応に参与するように、前記接触分解反応器に再導入する工程と、
    6)前記分解反応生成物を精留塔に導入して分離精製を行い、芳香族炭化水素とオレフィンを得る工程と、を含むことを特徴とする、
    生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造方法。
  2. 工程1)において、前記熱分解反応の温度は500〜600℃であり、且つ、前記バイオマス原料は105〜500℃/秒の昇温速度で前記熱分解反応の温度に加熱されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 工程2)において、前記凝縮器の凝縮速度は40〜70℃/秒であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 工程3)において、水素添加反応のプロセス条件は、活性炭担持ルテニウム系触媒又は活性炭担持ロジウム系触媒が使用され、反応温度が80−125℃であり、反応圧力が2〜3MPaであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 工程5)において、分解反応のプロセス条件は、前記接触分解反応器の作動温度が400〜700℃であり、前記分解触媒が、MCM−41/ZSM−5マイクロ・メソポーラス複合型分子篩又はSBA−15/ZSM−5マイクロ・メソポーラス複合型分子篩を担体とし、金属Pt又はAlを活性金属とするものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. バイオマス原料を熱分解反応させ、熱分解生成物を生成し、前記熱分解生成物を固体粒子と油ガスに分離し、前記油ガスを熱交換した後急冷させ、生物由来油を得るように構成されるバイオマス熱分解生物由来油製造ユニット(100)と、
    前記生物由来油を重油と軽油に分離するように構成される生物由来油静置層化ユニット(200)と、
    前記軽油と混合水素とを混合し、熱交換により昇温させた後に接触水素添加反応を行って水素添加反応生成物を得、前記水素添加反応生成物の気液分離を行い、気体生成物と液体生成物を生成するように構成され、さらに前記気体生成物を処理して循環用水素ガスを取得し、前記循環用水素ガスを圧縮してから、新鮮な水素に混合し、前記混合水素ガスを生成するように構成される接触水素添加ユニット(300)と、
    前記接触水素添加ユニット(300)からの前記液体生成物を前記生物由来油静置層化ユニット(200)からの前記重油と混合して混合物を得、前記混合物を加熱してから、分解反応を行って分解反応生成物を得るように構成され、さらに反応後に形成された再生対象である触媒を再生し、再生した触媒を得、前記再生した触媒を分解反応に再び参与するように構成される生物由来油接触分解ユニット(400)と、
    前記分解反応生成物を分離精製して芳香族炭化水素とオレフィンを得るように構成される分離精製ユニット(500)と、を含むことを特徴とする、
    生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造装置。
  7. 前記バイオマス熱分解生物由来油製造ユニット(100)には、熱分解装置(1)と、サイクロン分離器(2)と、熱交換器(3)と、凝縮器(4)とが含まれ、
    前記熱分解装置(1)は、入口がバイオマス原料の導入に用いられ、出口が前記サイクロン分離器(2)の入口に接続され、
    前記サイクロン分離器(2)の出口は、前記熱交換器(3)を介して前記凝縮器(4)の入口に接続され、
    前記凝縮器(4)の出口は、前記生物由来油静置層化ユニット(200)に接続されていることを特徴とする、請求項6に記載の生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造装置。
  8. 前記生物由来油静置層化ユニット(200)には、静置分離器(5)が含まれ、
    前記静置分離器(5)は、入口が前記凝縮器(4)の出口に接続され、上部出口がバイオマス熱分解生物由来油製造ユニット(100)中の前記熱交換器(3)を介して前記接触水素添加ユニット(300)に接続され、下部出口が前記生物由来油接触分解ユニット(400)に接続されていることを特徴とする、請求項7に記載の生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造装置。
  9. 前記接触水素添加ユニット(300)には、床接触水素添加反応器(6)と、気液分離器(7)と、循環用ガス処理装置(8)と、循環用水素ガス圧縮機(9)とが含まれ、
    前記固定床接触水素添加反応器(6)は、入口が前記バイオマス熱分解生物由来油製造ユニット(100)中の前記熱交換器(3)を介して前記静置分離器(5)の上部出口に接続され、出口が前記気液分離器(7)の入口に接続され、
    前記気液分離器(7)は、気体生成物出口が前記循環用ガス処理装置(8)に接続され、液体生成物出口が前記生物由来油接触分解ユニット(400)に接続され、
    前記循環用ガス処理装置(8)の水素出口は、前記循環用水素ガス圧縮機(9)の入口に接続され、
    前記循環用水素ガス圧縮機(9)の出口は、前記バイオマス熱分解生物由来油製造ユニット(100)中の熱交換器(3)を介して前記固定床接触水素添加反応器(6)の入口に接続されていることを特徴とする、請求項8に記載の生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造装置。
  10. 前記生物由来油接触分解ユニット(400)には、加熱炉(10)と、接触分解反応器(11)と、触媒再生器(12)とが含まれ、前記分離精製ユニット(500)には、精留塔(13)が含まれ、
    前記接触分解反応器(11)は、反応原料入口が前記加熱炉(10)を介して前記接触水素添加ユニット(300)の前記気液分離器(7)の液体生成物出口と前記生物由来油静置層化装置(200)の前記静置分離器(5)の下部出口にそれぞれ接続され、触媒入口が前記触媒再生器(12)の出口に接続され、出口が前記分離精製ユニット(500)の前記精留塔(13)の入口に接続され、触媒出口が前記触媒再生器(12)の入口に接続され、
    前記精留塔(13)の出口は、芳香族炭化水素とオレフィンの排出に用いられることを特徴とする、請求項9に記載の生物由来油の接触水素添加と接触分解のカップリングによる芳香族炭化水素とオレフィンの製造装置。
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