JP2020526249A - ブラシヘッド製造方法 - Google Patents

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Abstract

ブラシヘッド10及びブラシヘッド10のための溶接された房アセンブリ20を製造するための方法。該方法は、保持要素52における開口51に毛房21を挿入するステップを含む。毛房23の近位端と該保持要素の近位側53とがレーザ溶接され、該毛房と該保持要素の近位端の少なくとも一部を少なくとも部分的にともに溶融し、溶接された房アセンブリをともに保持する結合された近位端ヘッド部を生成する。

Description

本発明は一般的に、レーザ溶接された毛房により形成された溶接された房アセンブリを持つブラシヘッドアセンブリを製造するための方法に関する。
手動の及び電動の歯ブラシのブラシヘッドは、歯、舌及び頬を洗浄するために用いられる毛を有する。幾つかの歯ブラシにおいては、該毛は、ブラシヘッドのネック部に針で止められる即ちアンカー(anchor)で固定される。他の歯ブラシにおいては、該毛は、「anchor free tufting(アンカーのない房作成)」として一般に知られる方法で、針を用いずにヘッドに固定される。AFTを用いてつくられる幾つかの歯ブラシにおいては、毛は担持板、支持要素又はその他の保持構造の開口内に配置された毛房に組織化される。製造の間、毛房は保持要素の中空の内部に挿入され、挿入された房の近位部は、ホットナイフ又は加熱板を用いて互いに溶融され、保持環に毛を固定するための溶融された端を形成する。これらの構造及び製造ステップは、使用の間にブラシヘッドにおける毛を保持する目的のために実装される。
しかしながら、しばしば実際には、溶融が均一に、一様に又は一貫して実行されないことがあり得る。斯かる場合には、個々の毛又は毛房全体が、保持要素内にしっかりと固定されない。従って、電動歯ブラシの動作の動きの動的な条件の下では、毛若しくは毛房がブラシング性能が低下するような向きや位置にされ若しくは動かされるか、又は毛若しくは毛房がブラシヘッドから全体若しくは一部が分離し得る。
従って、より一様な溶融及び改善された毛と保持要素との接合を実現するよう、より効果的及び効率的に毛房端を加熱するための方法及び装置に対する、本分野におけるニーズがある。
本発明は、保持要素に毛房が固定されたブラシヘッドを製造するための方法に関する。ここでの種々の実施例及び実装例は、毛房が互いに溶融されて一方の端にヘッドを形成する又は毛房が溶融されて保持要素に統合又は接合され毛房と保持要素とを互いに固定するステップにおいて、レーザ溶接を用いた加熱の効率的且つ効果的な方法を用いた製造方法に向けたものである。この結果の構成要素は次いで、ブラシヘッドネックと共に、エラストマ材料のようなマトリクス(matrix)内に少なくとも一部が囲まれ、完成されたブラシヘッドに帰着する。ここでの種々の実施例及び実装例を用いて、コスト効率が良く効率的なブラシヘッドの製造が、かなり改善される。
例えば、幾つかの実施例においては、該製造方法は、毛の房を保持要素に挿入し、次いでレーザのビームを用いて、毛房の近位端を溶融及び結合して、該保持要素からの離脱に抗する近位端ヘッド部を形成することを含む。該レーザはまた、毛房の近位端を溶融して、保持要素の近位側の少なくとも一部に結合するために用いられても良い。ここで開示及び説明されるブラシヘッドは、いずれの手動又は電動の歯ブラシ装置とともに用いられることができる。
一般的に、一態様においては、ブラシヘッドのための溶接された房アセンブリを製造するための方法が提供される。本方法は、保持要素における開口に少なくとも1つの毛房を挿入するステップと、前記毛房の近位端と前記保持要素の近位側とをレーザ溶接して、前記毛房と前記保持要素の近位端の少なくとも一部を少なくとも部分的にともに溶融し、溶接された房アセンブリをともに保持する結合された近位端ヘッド部を生成するステップと、を有する。
一実施例においては、前記挿入するステップは、複数の保持要素の1つに複数の毛房のそれぞれを挿入するステップを有する。一実施例においては、前記複数の保持要素は、単一の房担持部に含まれる。一実施例においては、該単一の房担持部は、前記複数の保持要素を相互接続する複数の網状リンクを有する。一実施例においては、前記網状リンクは、完全に組み立てられたときに前記ブラシヘッドのための最終的なレイアウトを定義する一般的なパターンに前記保持要素及び毛房を配置する。一実施例においては、前記単一の房担持部は、前記複数の保持要素を含む担持板を有する。
一実施例においては、前記複数の保持要素のそれぞれと前記複数の毛房とは、同一の又は類似する融点を持つ同一の又は類似する材料からつくられたものである。一実施例においては、前記複数の保持要素と前記複数の毛房とは、異なる融点を持つ材料からつくられたものである。
一実施例においては、該方法は更に、レーザ溶接の前に、前記近位端、前記近位端の反対側の自由端又はこれらの両方において、前記毛房の長さ、形状又は輪郭を調節するステップを含む。一実施例においては、該方法は更に、前記ブラシヘッドのネック部に対して前記溶接された房アセンブリの1つ以上を位置決めするステップと、マトリクスをオーバーモールドして前記ネック部と前記溶接された房アセンブリとを接続するステップと、を含む。
一般的に、他の態様においては、ブラシヘッドアセンブリが提供される。該ブラシヘッドアセンブリは、プラテンを持つネック部と、それぞれが複数の毛束を有し、自由端及び近位端を持つ、複数の毛房と、前記複数の毛房に対応する複数の保持要素を持つ房担持部であって、各前記保持要素は、対応する前記毛房の少なくとも1つの近位端を受容するよう構成された開口を持つ、房担持部と、レーザ溶接によりともに溶融され一様に封止された各前記毛房の近位端と各対応する前記保持要素の近位端の少なくとも一部とから形成された、複数の結合された近位端ヘッド部と、前記プラテン、前記房担持部の前記複数の保持要素、及び前記結合された近位端ヘッド部に接合され、前記プラテン、前記房担持部の前記複数の保持要素、及び前記結合された近位端ヘッド部を少なくとも部分的に囲む、マトリクスと、を含む。
一実施例においては、前記複数の保持要素は、複数の網状リンクにより相互接続される。一実施例においては、前記複数の保持要素は、単一の担持板に含まれる。一実施例においては、前記保持要素と前記毛房とは、同一の又は類似する融点を持つ同一の又は類似する材料からつくられたものである。一実施例においては、前記保持要素と前記毛房とは、異なる融点を持つ材料からつくられたものである。
以上の概念及び以下に詳細に議論される更なる概念(斯かる概念が相互に矛盾しないものとする)の全ての組み合わせが、ここで開示される本発明の一部として考えられることは、理解されるべきである。特に、本開示の末尾にある請求項の主題の全ての組み合わせは、ここで開示される本発明の一部として考えられる。
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施例を参照しながら説明され明らかとなるであろう。
図面において、異なる図面を通して、同様の参照文字は一般的に同じ部分を示す。また、図面は必ずしも定縮尺で描かれたものではなく、本発明の原理を説明する際に強調が一般的に与えられている。
実施例によるブラシヘッドアセンブリの模式的な斜視図の表現である。 図1Aのブラシヘッドアセンブリの斜視分解図である。 ここで開示される実施例による溶接された房アセンブリの模式的な表現の断面側面図である。 ここで開示される実施例による溶接された房アセンブリの模式的な表現の断面側面図である。 レーザ溶接の後の溶接された房アセンブリの結合近位端ヘッド部の上面図である。 ここで開示される実施例による房担持部の模式的な表現である。 ここで開示される実施例による房担持部の模式的な表現である。 ここで開示される実施例による房担持部の模式的な表現である。 ここで開示される実施例による房担持部の模式的な表現である。 ここで開示される実施例による房担持部の模式的な表現である。 ここで開示される実施例による房担持部の模式的な表現である。 毛房の近位端がトリミングされる前後の毛房の断面図である。 毛房の近位端がトリミングされる前後の毛房の断面図である。 キャップを持つ溶接された房アセンブリ及び透明な要素を用いたレーザ溶接工程の模式的な斜視図の表現である。 実施例による保持要素に保持された毛房を持つブラシヘッドアセンブリを製造するための方法のフロー図である。
本開示は、溶融をもたらすためレーザを用いて、毛房の近位端、又は毛房の近位端と保持要素の近位端と、を溶融する、より均一で一貫性のある方法を提供する、ブラシヘッドアセンブリを製造するための方法の種々の実施例を記載する。より詳細には、本発明者は、毛の増強された保持のため、保持要素に毛を単に挿入するのではなく、毛と保持要素とを接合する改善された方法を持つ、ブラシヘッドを製造する方法を提供することが有益となり得ることを認識し理解した。このことは、レーザを用いて、毛房の近位部分、又は保持要素の近位側の少なくとも一部と毛房の近位部と、を結合及び接合し、近位端ヘッド部又は結合された近位端ヘッド部を形成することにより実現される。レーザ溶融されたときにともに結合又は接合する同一の又は類似する材料から保持要素と毛房とを形成することにより、ブラシヘッドを効率的に製造する能力をもたらす。
以上に鑑み、種々の実施例及び実装例は、毛房が保持要素に挿入され、該毛房の近位端又は該毛房の近位端と該保持要素の近位端の少なくとも一部とが、該毛の該保持要素における、該保持要素との又は該保持要素への接合又は結合のため、該保持要素及び該毛の近位端の均一で一貫性のある溶融のため、レーザ溶接を用いて加熱される方法に向けたものである。該毛房及び該保持要素の結合により形成される房アセンブリは次いで、例えばブラシヘッドを形成するため少なくとも一部がエラストマのマトリクスによりこれらを囲むことによって、ブラシヘッドを形成する際に用いられることができる。
図1Aを参照すると、一実施例における、ブラシヘッドアセンブリ10の模式的な表現が示されている。ブラシヘッド10は、ネック部40の遠位端においてマトリクス30に配置された複数の溶接された房アセンブリ20を含む。即ち、プラテンとも示され得るネック部40の遠位端42は、少なくとも部分的にマトリクス30に囲まれ及び/又は接続されても良い。マトリクス30は、一実施例においては、ネック部40と一体的に形成されても良いし、又は他の構成においては、エラストマ材料のようなオーバーモールドされたマトリクスがあっても良い。ネック部40は、手動又は電動歯ブラシの軸に結合されても良いし、又は該軸の一部を形成しても良い。例えば、ネック部40は、現在知られている又は開発されるべき電動口腔ケア装置(例えば電動歯ブラシ)のアクチュエータ又は駆動シャフト(図示されていない)に、着脱可能に結合されるよう構成されても良い。
溶接された房アセンブリ20についての2つの例が、図2A及び2Bに示され、それぞれ溶接された房アセンブリ20A及び20Bとして示されている。参照番号「20」は、一般的にここで開示される溶接された房アセンブリのいずれかを示すことを意図されており、ここでアセンブリ20A及び20Bは、特定の実施例に関する議論を用意化するために用いられることは、理解されるべきである。また、溶接された房アセンブリ20の多くの構成要素は複数の実施例を通して共有され、従って、同じ参照番号で示されることも理解されるべきである。
図1A乃至2Bを参照すると、溶接された房アセンブリ20はそれぞれ、毛房21を含み、各毛房21は、複数の毛束22を有する。各毛房21は、近位端23及び自由端25を持つ。各毛房21の近位端23は、房担持部50の保持要素52の開口51内に保持された、自由端25は、近位端23の反対側に位置し、組み立てられたときにブラシヘッド10のブラシング面を形成する。毛房21は、房担持部50における保持要素の開口51のサイズ及び形状に合致する形状及び直径を持つよう形成されても良い。
保持要素52及び該保持要素を通る開口51は、円形、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形又はその他の形状のような、同じサイズ、形状及び配置のものであっても良いし、又は互いに異なるものであっても良い(例えば、保持要素52は、外周を定義する第1の形状を持つ一方、保持要素52の開口51は、挿入される毛房21の形状を定義する第2の形状を持っても良い)。
毛房21が保持要素52の開口51に挿入されると、毛房21の近位端23、又は好適な実施例においては毛房21の近位端23及び保持要素52の近位端23の少なくとも一部は、レーザ溶接を用いてともに接合され、結合された近位端ヘッド部26を形成する。即ち、結合された近位端ヘッド部26は、毛22からの融合された材料からのみ形成されても良いし、毛22に隣接する保持要素52の一部とともに毛22から形成されても良いし、又はこれら要素の両方の組み合わせから形成されても良い。有利にも、ここで記載されたようなレーザ溶接工程は、毛房21及び保持要素52をともに効果的に溶融させ接合し、溶接された房アセンブリ20の近位端23における開口51を完全に封止する封止部として結合された近位端ヘッド部26を形成する。図2Aに示されるように、結合された近位端ヘッド部26は、保持要素52の近位端23と略同一面上にあるか、又は図2Bに示されるように、結合された近位端ヘッド部26は、ドーム状又はキノコ型の形状を持つよう形成されても良い。レーザ溶接については、レーザは溶接エネルギーをより正確に集中させつつ、熱のより正確な付与を可能とし、それにより、毛房21の近位端23及び保持要素52の近位端53は溶融して、保持要素52の近位端53において開口51を完全に封止する、例えば図2Cに示されるような、略均一な結合された近位端ヘッド部26を形成する。
房担持部50は、成型、型打ち等のような、種々の方法で形成されても良い。房担持部50についての種々の実施例は、図3A乃至3Fにおいて理解され得る。溶接された房アセンブリ20についての参照番号「20」と同様に、ここで用いられる参照番号「50」が、開示される又は想到される房担持部の全ての実施例を一般的に示すことを意図され、図に示される特定の実施例の議論を容易化するため、英字の添字(例えば「A」、「B」等)が示されている。
図3Aにおける房担持部50Aは、開口において毛房21(図示されていない)の1つを保持する保持要素52の1つを有する。図3B及び3Cはそれぞれ、例えば最終的なブラシヘッド又はその幾つかの部分の形状に構成された、ともに接続される開口51を持つ複数の保持要素52を持つ担持板54を各々が持つ、房担持部50B及び房担持部50Cを示す。図3D乃至3Fにおいては、房担持部50D、50E及び50Fがそれぞれ示されている。房担持部50D乃至50Fのそれぞれは、一連の束又は網状リンク55により互いに接続された開口51を持つ複数の別個の保持要素52を持つ、房担持網を有する。房担持部50B及び50Cと同様に、保持要素52及び/又は房担持部50D乃至50Fの開口51は、ブラシヘッドが完全に組み立てられたときに、房21についての所望のパターン又はその一部を有するよう配置されても良い。
結合された近位端ヘッド部26の形成を容易化するため、房担持部50の保持要素52と毛房21の毛22とは好適には、同じ材料又は類似する組成を持つ材料からつくられる。アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリアミド(PA)、ナイロン、ポリプロピレンのようなプラスチック又はこれらの若しくはその他の材料の変形物若しくは組み合わせが用いられても良い。同様な温度及び速度で溶融及び冷却することにより接合を容易化するため、同様の溶融の係数を持つ材料の組み合わせが特に有用である。一実施例においては、毛22はPAから形成され、保持要素52はPA/ABS混合物から形成される。例えば毛束22及び/又は保持要素52の材料の特性、更には溶接の間に利用されるレーザビームのパラメータに基づいて、結合された近位端ヘッド部26の溶接においては、幾分かの変動性があり得ることは理解されるべきである。特に、毛房21と保持要素52とが異なる材料からつくられたものである場合、変動が生じ得、異なる化学的組成による異なる温度における溶融/冷却又はその他の相違を引き起こし得る。更に、結合された近位端ヘッド部の溶接は、保持要素52を通る開口51の中央部における領域に比べて、毛の材料の密度が高く、保持要素の材料の密度が低い、保持要素52の近くの領域における溶接において変動し得る。しかしながら、斯かる変動性は、所望の接合が達成される限り許容可能である。
レーザ溶接は、完全に封止された単一の要素としての結合された近位端ヘッド部の形成において、毛22の近位端23の少なくとも一部、更には保持要素52の隣接部分を消費する。従って、レーザ溶接は、房アセンブリ20のそれぞれの幅(横方向/径方向)に亘って予測可能な深さまで及び/又は予測可能な深さプロファイルを持つよう対応する材料を溶融させるため、幾つかの予め規定された性能特性(例えばレーザビーム波長、加熱された材料の結果の温度、パルス周波数又は連続的な動作の継続時間、ビーム径、ビームが近位端23上を動かされる速度、等)で動作させられても良い。
結合された近位端ヘッド部26の好適に予測可能な生成を支援するため、毛房21の近位端23は、レーザ溶接が開始する前に所定の長さにトリミングされても良い。例えば、図4Aに示されるように、毛房の自由端25が基板72によりセットされるように、保持要素52が房生成の間に金型70のなかに配置されても良い。例えば、金型70及び基板72は、毛房21の自由端25の長さ及び/又は輪郭を設定するために用いられても良い(このことが完成したときにブラシヘッドのブラシング面を形成する)。高さHを持つ切断板74が、房21の近位端23において金型70に配置されても良い。板76の上に突出する毛房21の過剰な部分を除去することにより、毛房21の長さをトリミングするため、ナイフ又は切断器具76が用いられても良い。このようにして、図4Bに示されるように、保持要素52の近位側53から外に延在する毛房の長さは、板74が取り除かれたときに、板74の高さHと略等しくなる。その結果、房アセンブリの近位端23を完全に閉じ封止するためのレーザ溶接の間、予測可能な態様で毛房21の当該予め設定された長さが消費されることができる。
レーザ溶接動作は、1つ以上の溶接領域に関して構成されても良い。溶接領域は、保持要素52の近位側53に隣接する第1の溶接領域を含んでも良く、該領域においては、保持要素52からの材料のみが、即ち毛束22のいずれをも一体化させることなく、溶融され再形成される。第2の領域は、第1の領域の横方向又は径方向内側に形成されても良く、該領域においては、保持要素52の一部と毛束22との両方が溶融され、ともに一体化される。毛22のみが溶融され一体化される、即ち保持要素52からのいずれの材料も一体化しない、第3の領域が形成されても良い。
相溶性のある材料が用いられる場合には、第2の領域は有利にも、保持要素52及び毛22の両方からの材料をともに融合しても良く、第1の領域と第3領域とを、例えば結合された近位端ヘッド部26のような、連続的で単一な封止された構造としてともに一体化することを支援する。以上に議論された溶接領域のいずれも、予め選択された寸法に形成されても良く(例えば横方向の距離及び/又は長手方向の奥行き)、及び/又は、例えば房アセンブリ20に亘る及び/又はこれら領域のいずれかに亘る横方向/径方向の勾配のような、対応する領域において何らかの予め選択された寸法プロファイルを持つように形成されても良い。該第3の領域(毛22からの材料のみを含む)は、多くの実施例において、房21の断面サイズ及び保持要素52の厚さに応じて、最大の領域となることが予測される。
選択された溶接エネルギー、該エネルギーが向けられる領域/空間、該エネルギーが供給される継続時間、及びその他のパラメータは、房21又は房担持部50に亘って及び/又は房担持部50の特定の保持要素52の特定の房に亘って、変動し得る。いずれの担持部についても、溶接のパラメータは、各房担持要素について強力な、完全な、封止された及びその他望ましい溶接を提供するよう構成されても良い。例えば、特定の溶接パラメータは、(a)溶接により実現される房保持力及びその他の溶接に関連する構造的及び性能的目標を設定するための溶接の望ましい形状/寸法、(b)房の形状、寸法、サイズ等、(c)房担持部又は保持要素の形状、寸法、サイズ等、(d)保持要素に対する房の配置/向き(例えばフィラメントが保持要素の近位端から突出する高さHのような距離)、(e)例えばブラシヘッドの最終的な組み立ての後の房の性能特性を設定するための、プラテンに対する房担持部又は保持要素の配置/向き、(f)フィラメントの形状、構造、タイプ、材料等、及び/又は(g)担持/保持要素の形状、構造、タイプ、材料等のような、種々の因子の1つ以上に応答するよう調節されても良い。溶接設定は、例えば最小限の又は望ましい時間又はエネルギーの量で望ましい及び適切な溶接に到達するため(例えば溶接又はいずれかの材料の性質を変化させ得る焼成又はその他の活動を最小化又は防止するため)、最適化されても良い。
1つ以上の選択された溶接は、溶接の選択された領域に補助材料を導入することにより実行されても良い。一例としては、補助材料は、選択された又は全てのフィラメントの近位端に導入され、それにより、溶接によって、保持要素52に十分に近い位置において該補助材料及び保持要素52に毛22を組み合わせる溶接が提供されるようにしても良い。該選択された材料の導入は、溶接の間に、選択された質量又は体積で、溶接領域に、例えば糸、粉、液体等のような補助材料を適用することにより、実現されても良い。該補助材料は、毛束22、保持要素52若しくはこれらの何らかの組み合わせと同じ又は類似する材料であっても良く、又はこれらのいずれでもないものであっても良い。
例えば、図5に示されるように、一実施例においては、溶接のための選択された領域の上に又は該領域に隣接して、定義された量の補助材料を有する1つ以上の板、キャップ、カバー、被覆又はその他の個体が塗布されても良い。例えば板の場合には、選択された領域は、結合された近位端ヘッド部26をカバーするよう、房の周囲を越えて(例えば横方向に又は径方向に)延在するよう備えられても良い。このようにして、溶接の後、該板は、溶接の後に保持要素52及び房21の結合された近位端ヘッド部26の全て又は略全てをカバーする、図5に示されるようなキャップ27を形成する。例えば、意図される溶接領域に亘って補助材料を導入する当該態様又はその他の態様により、溶接により提供される封止が改善され得、例えば後続するオーバーモールド工程又はその他の組み立て工程の間に、毛22及び/又は保持要素52間の他の材料の侵入を妨害又は防止する。
一実施例においては、レーザ溶接工程は、レーザのビームに対して透明な板又は材料を用いて実行される。当該透過型溶接手法においては、レーザは該板を通過して房及び保持要素を溶接し、その際に、保持要素52及び/又は房21に該板を接合するのに十分な熱エネルギーを生成する。該板は、クランプ圧力がかけられた状態で、結合された近位端ヘッド部26の上に配置されても良い。例えば、再び図5を参照すると、キャップ27はレーザ装置からのビーム28に対して透明な材料からつくられていても良く、これによりビーム28がキャップ27を通過し、結合された近位端ヘッド部26の外側面29とともに毛房21及び/又は保持要素52を溶融する。外側面29において生成された熱は、毛房21及び/又は保持要素52にキャップ27を接合するのにも十分であり得、それにより結合された近位端ヘッド部26の一部を封止及び/又は形成する。
図6を参照すると、一実施例において、ここで説明され又は想到される実施例及び実装例による、溶接された房アセンブリ20を製造するための方法200が示されている。方法200のステップ210において、1つ以上の保持要素52を有する房担持部50が備えられる。該方法のステップ212において、それぞれが複数の毛束22を有する、複数の毛房21が備えられる。
方法200のステップ220において、該毛房の少なくとも1つが、房担持部の保持要素のそれぞれの開口51に挿入される。任意のステップ230において、(例えば図4A乃至4Bに関して議論されたように)該毛房の近位端23又は自由端25の長さ、輪郭又は構成がトリミング又は調節される。
ステップ240において、毛房21の近位端23、又は毛房の近位端及び保持要素52の近位側53の少なくとも一部を溶接するため、レーザが利用される。冷却されたとき又は固化されたとき、レーザ溶接は、結合された近位端ヘッド部26を生成する。ステップ240は、溶接を生成又は封止することを支援するための補助材料(例えばキャップ27)を追加することを含んでも良い。
溶接された房アセンブリの近位端ヘッド部が形成され冷却させられた後、溶接された房アセンブリが、直後に又は別の場所及び時間において、更に処理されても良い。例えば、一実施例においては、溶接された房アセンブリは、ブラシヘッドのネック部40のプラテン42部分に対して位置決めされ、マトリクス30によってネック部とともにオーバーモールドされて、完成したブラシヘッド10を形成する。
ここで定義され用いられる全ての定義は、辞書の定義、参照により本明細書に組み込まれる文献における定義、及び/又は定義された語句の通常の意味に優先するものとして理解されるべきである。
本明細及び請求項において用いられる不定冠詞「1つの(a及びan)」は、明示されない限り、「少なくとも1つ」を意味するものとして理解されるべきである。
本明細及び請求項において用いられる「及び/又は(and/or)」なる句は、斯様に併記された要素の「いずれか又は両方」、幾つかの場合においては結合して存在し、別の場合においては離隔されて存在する要素を意味するものとして理解されるべきである。「及び/又は」により列記された複数の要素は、同様に解釈されるべきであり、即ち斯様に併記された要素の「1つ以上」として解釈されるべきである。「及び/又は」節により明示的に特定される要素の以外の要素が、明示的に特定されたこれら要素に関連するものであっても関連しないものであっても、任意に存在しても良い。
本明細及び請求項において用いられる「又は(or)」は、以上に定義された「及び/又は」と同じ意味を持つと理解されるべきである。例えば、リスト中のアイテムを分離するとき、「又は」又は「及び/又は」は包含的なものとして解釈されるべきであり、即ち、要素の数又はリストの少なくとも1つ、更には1つよりも多く、任意には列記されていない更なるアイテムを含むことも包含するものとして解釈されるべきである。「1つのみ」若しくは「ちょうど1つ」又は請求項において用いられる場合には「から成る(consisting of)」といった、その反対を明示的に示す語のみが、要素の数又はリストの1つの要素のみの包含を示す。一般的に、ここで用いられる語「又は」は、「いずれか」、「1つ」、「1つのみ」又は「ちょうど1つ」といった排他的な語を伴う場合に、排他的な代替を示すものとして解釈されるべきである。
1つ以上の要素のリストに関して、本明細及び請求項において用いられる「少なくとも1つ(at least one)」なる句は、該要素のリストにおける要素のいずれか1つ以上から選択された少なくとも1つの要素を意味するものとして理解されるべきであるが、該要素のリスト内に明示的に列記された全ての要素の少なくとも1つを必ずしも含まず、該要素のリストにおける要素のいずれかの組み合わせを除外するものではない。この定義は、「少なくとも1つ」なる句が参照する要素のリスト内に明示的に特定された要素以外の要素が、明示的に特定されたこれら要素に関連するものであっても関連しないものであっても、任意に存在し得ることを許容する。
明示的に示されない限り、1つより多いステップ又は動作を含む、請求項に記載されるいずれの方法においても、該方法のこれらステップ及び動作の順序は、必ずしも該方法のステップ及び動作が列記された順序に限定されるものではないことも、理解されるべきである。
請求項、及び以上の明細書において、「有する(comprising)」、「含む(including)」、「担持する(carrying)」、「持つ(having)」、「包含する(containing)」、「伴う(involving)」、「保持する(holding)」、「から構成される(composed of)」等のような全ての遷移句は、非制限的なものとして理解されるべきであり、即ち含むが限定するものではないことを意味するものと理解されるべきである。「から成る(consisting of)」及び「から基本的に成る(consisting essentially of)」なる遷移句のみが、制限的又は半制限的な遷移句であるべきである。
幾つかの本発明の実施例がここで説明され例示されたが、当業者は、機能を実行するため及び/又はここで説明された結果及び/又は利点の1つ以上を得るため、多様な他の手段及び/又は構造を容易に想到するであろう。斯かる変形及び/又は変更のそれぞれは、ここで説明された本発明の実施例の範囲内であるとみなされる。更に一般的に、当業者は、ここで説明された全てのパラメータ、寸法、材料及び構成は、例であることが意図されたものであり、実際のパラメータ、寸法、材料及び/又は構成は、本発明の教示が利用される特定の用途に依存することを、容易に理解するであろう。当業者は、単なる一般的な実験を用いて、ここで説明された特定の本発明の実施例に対する多くの同等物を認識し、又は確認することが可能である。それ故、以上の実施例は、単に例として提示されたものであり、添付される請求項及びその等価物の範囲内において、本発明の実施例は、明示的に記載されて請求されるものとは異なって実行され得る。本開示の本発明の実施例は、ここで説明されたそれぞれの個々の特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法に向けたものである。更に、斯かる特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法の2つ以上のいずれかの組み合わせもが、斯かる特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法が相互に矛盾しない場合には、本開示の本発明の範囲内に含まれる。

Claims (14)

  1. ブラシヘッドのための溶接された房アセンブリを製造するための方法であって、
    保持要素における開口に少なくとも1つの毛房を挿入するステップと、
    前記毛房の近位端と前記保持要素の近位側とをレーザ溶接して、前記毛房と前記保持要素の近位端の少なくとも一部を少なくとも部分的にともに溶融し、溶接された房アセンブリをともに保持する結合された近位端ヘッド部を生成するステップと、
    を有する方法。
  2. 房担持部が複数の保持要素を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記房担持部は、前記複数の保持要素を相互接続する複数の網状リンクを有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記網状リンクは、完全に組み立てられたときに前記ブラシヘッドのための最終的なレイアウトを定義する一般的なパターンに、前記網状リンクに含まれる前記保持要素及び毛房を配置する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記房担持部は、前記複数の保持要素を含む担持板を有する、請求項2に記載の方法。
  6. 前記保持要素のそれぞれと前記毛房とは、同一の又は類似する融点を持つ同一の又は類似する材料からつくられた、請求項2に記載の方法。
  7. 前記保持要素と前記毛房とは、異なる融点を持つ材料からつくられた、請求項2に記載の方法。
  8. レーザ溶接の前に、前記近位端、前記近位端の反対側の自由端又はこれらの両方において、前記毛房の長さ、形状又は輪郭を調節するステップを更に有する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記ブラシヘッドのネック部に対して前記溶接された房アセンブリの1つ以上を位置決めするステップと、マトリクスをオーバーモールドして前記ネック部と前記溶接された房アセンブリの少なくとも一部とを接続するステップと、を更に有する、請求項1に記載の方法。
  10. プラテンを持つネック部と、
    それぞれが複数の毛束を有し、自由端及び近位端を持つ、複数の毛房と、
    複数の保持要素を持つ房担持部であって、各前記保持要素は、対応する前記毛房の少なくとも1つの近位端を受容するよう構成された開口を持つ、房担持部と、
    レーザ溶接によりともに溶融され一様に封止された各前記毛房の近位端と各対応する前記保持要素の近位端の少なくとも一部とから形成された、複数の結合された近位端ヘッド部と、
    前記プラテンの少なくとも一部、前記房担持部の前記複数の保持要素、及び前記結合された近位端ヘッド部に接合され、前記プラテンの少なくとも一部、前記房担持部の前記複数の保持要素、及び前記結合された近位端ヘッド部を少なくとも部分的に囲む、マトリクスと、
    を有するブラシヘッド。
  11. 前記房担持部における前記複数の保持要素は、複数の網状リンクにより相互接続された、請求項10に記載のブラシヘッド。
  12. 前記複数の保持要素は、単一の担持板に含まれる、請求項10に記載のブラシヘッド。
  13. 前記保持要素と前記毛房とは、同一の又は類似する融点を持つ同一の又は類似する材料からつくられた、請求項10に記載のブラシヘッド。
  14. 前記保持要素と前記毛房とは、異なる融点を持つ材料からつくられた、請求項10に記載のブラシヘッド。
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