JP2020513813A - 細胞培養において産生される抗体の総非フコシル化グリコフォームの調節 - Google Patents

細胞培養において産生される抗体の総非フコシル化グリコフォームの調節 Download PDF

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Abstract

細胞培養においてグリコシル化適格細胞により産生される組み換えグリコシル化タンパク質の総非フコシル化(TAF)グリコフォームのレベルを調整する方法が本明細書中で提供される。代表的な実施形態において、本方法は、初期細胞培養期間にわたり初期設定pH値で細胞培養を維持することを含む。グリコシル化タンパク質及びそのTAFグリコフォームを含む関連組成物も本明細書中で提供される。

Description

関連出願の相互参照
本願は、その内容が参照により本明細書中に組み込まれる2017年3月14日提出の米国仮出願第62/471,347号明細書に対する優先権を主張する。
グリコシル化は、例えばタンパク質折り畳み、クオリティーコントロール、分子輸送及び局在化及び細胞表面受容体相互作用を含む複数の細胞機能に関与するので、最も一般的で、また重要な翻訳後修飾の1つである。グリコシル化は、治療用糖タンパク質の、生理活性、薬物動態、免疫原性、溶解度及びインビボクリアランスに影響を与えるので、組み換えタンパク質薬の治療効果に影響を及ぼす。Fcグリコフォームプロファイルは、特に、抗体の臨床効果及び薬物動態に直接影響を及ぼすので、組み換え抗体に対して重要な製品品質特性である。
高マンノース(HM)グリコフォーム含量は、ある種の治療用抗体の薬物動態特性に影響を及ぼすことが分かった(非特許文献1)(非特許文献2)。HMグリコフォームは、抗体の血清クリアランス速度に影響を与えるだけでなく、このようなグリコフォームは、非フコシル化(非フコ)グリコフォームに加えて、抗体エフェクター機能又は抗体依存性細胞傷害(ADCC)としても知られる抗体介在性の標的細胞死滅にも影響し得る。
多くの要因がグリカン構造、したがってタンパク質の最終的なグリコシル化形態(グリコフォーム)に影響を与える。例えば、抗体を発現する細胞株、細胞培養培地、フィード培地組成及び細胞培養中の添加のタイミングは、タンパク質のグリコフォームの産生に影響を与え得る。
研究グループにより、抗体の特定のグリコフォームのレベルに影響を与えるための多くの方法が示唆されている一方で、治療用抗体の組み換え産生中に総非フコシル化(TAF)グリコフォームのレベルを操作し、調節するための単純かつ効率的な方法が生物医薬産業において依然として必要とされている。
Goetze,et al.,(2011)Glycobiology 21,949−59 Yu,et al.,(2012)MAbs 4,475−87
初期細胞培養期間(例えば接種後最初の2、3、4、5又は6日間)中に所望の初期pH(例えば初期設定pH値)を維持することは、組み換え産生されるグリコシル化タンパク質のTAFグリコフォームのレベルを調整するために重要であり、一方で、初期細胞培養期間後の細胞培養pHがTAFグリコフォームレベルに対してあまり大きく影響しないことを明らかにするデータの記載はこれが初めてである。後期段階のpHではなく、初期pHがTAFレベルに影響を及ぼすという発見は予想外であった。特定の理論に縛られるものではないが、初期細胞培養期間(例えば接種後最初の2、3、4、5又は6日間)中に初期pH(例えば初期設定pH値)を調節することにより、グリコシル化タンパク質の組み換え産生が所望の、又は所定の、又は予め選択されたTAFグリコフォームレベルを有することが可能になる。したがって、本発明は、所望の、又は所定の、又は予め選択されたTAFグリコフォームレベルを有する組み換えグリコシル化タンパク質(糖タンパク質)を産生させる方法に関する。
本発明は、細胞培養においてグリコシル化適格細胞により産生される組み換えグリコシル化タンパク質のTAFグリコフォームレベルを調整する方法を提供する。代表的な実施形態において、本方法は、初期細胞培養期間にわたり、初期pH、例えば初期設定pH値で細胞培養を維持することを含む。
代表的な態様において、初期細胞培養期間は、接種後、約4日〜約6日間、例えば、約4日間、約5日間、約6日間、又は接種後、約2日間〜約6日間、例えば接種後、約2日間、約3日間又は約48時間〜約144時間、又は接種後、24時間、25時間、26時間、27時間、28時間、29時間、30時間、31時間、32時間、33時間、34時間、35時間、36時間、37時間、38時間、39時間、40時間、41時間、42時間、43時間、44時間、45時間、46時間、47時間、48時間、49時間、50時間、51時間、52時間、53時間、54時間、55時間、56時間、57時間、58時間、59時間、60時間、61時間、62時間、63時間、64時間、65時間、66時間、67時間、68時間、69時間、70時間、71時間、72時間、73時間、74時間、75時間、76時間、77時間、78時間、79時間、80時間、81時間、82時間、83時間、84時間、85時間、86時間、87時間、88時間、89時間、90時間、91時間、92時間、93時間、94時間、95時間、96時間、97時間、98時間、99時間、100時間、101時間、102時間、103時間、104時間、105時間、106時間、107時間、108時間、109時間、110時間、111時間、112時間、113時間、114時間、115時間、116時間、117時間、118時間、119時間、120時間、121時間、122時間、123時間、124時間、125時間、126時間、127時間、128時間、129時間、130時間、131時間、132時間、133時間、134時間、135時間、136時間、137時間、138時間、139時間、140時間、141時間、142時間、143時間、144時間、145時間、146時間、147時間、148時間、150時間、151時間、152時間、153時間、154時間、155時間、156時間、157時間、158時間、159時間、160時間、161時間、162時間、163時間、164時間、165時間、166時間、166時間又はその刻みで増加した時間数である。
代表的な態様において、初期細胞培養期間は、細胞培養の特定の生存可能細胞密度(VCD)による。代表的な態様において、初期細胞培養期間は、細胞培養のVCDが約6.5x10個細胞/mL以下である接種後の時間である。代表的な態様において、本方法は、細胞培養のVCDが約6.5x10個細胞/mLに到達するまで初期設定pH値で細胞培養を維持することを含む。代表的な態様において、本方法は、細胞培養のVCDが約6.9x10〜約8.2x10に到達するまで初期設定pH値で細胞培養を維持することを含む。代表的な態様において、本方法は、細胞培養のVCDが約8.2x10〜約1.94x10に到達するまで初期設定pH値で細胞培養を維持することを含む。代表的な態様において、本方法は、細胞培養のVCDが約1.21x10〜約3.46x10に到達するまで初期設定pH値で細胞培養を維持することを含む。
代表的な態様において、初期設定pH値は、約6.5より高く、約7.5未満であるpHから選択される。
本発明は、グリコシル化タンパク質及びそのTAFグリコフォームを含む組成物にも関する。
図1は、3種類のN−グリカン及びこのような糖類に対して一般的に使用される印の説明である。 図2は、代表的なグリカン構造の表である。 図3は、初期pH又は時間の関数としてTAF(%)、HM(%)又はAF(%)を相互に関連付けるグラフのセットである。 図4は、様々なpH設定値に対する時間の関数としての、細胞培養中に存在する%TAFのグラフである。 図5は、細胞培養の平均の初期pHの関数としての、(指定の時間中)細胞培養に存在する%TAFを示すグラフのセットである。(A)は%TAFのグラフであり;(B)は、第0日〜第6日の%TAFのグラフであり;(C)は、第6日〜第9日の%TAFのグラフであり、(D)は、第9日〜第12日の%TAFのグラフである。 図6は、第6日〜第12日の細胞培養のpHの関数としての%TAFのグラフである。 図7は、時間の関数としてのpH又は%TAFのグラフのペアである。 図8は、HM、非フコ又はTAF(%)対pH又はシフト後温度を相互に関連付けるグラフのセットである。
多くの分泌タンパク質が翻訳後グリコシル化され、この過程により、糖部分(例えばグリカン、糖類)がタンパク質の特定のアミノ酸に共有結合される。真核細胞において、2種類のグリコシル化反応:(1)グリカンが認識配列Asn−X−Thr/Ser(「X」はプロリンを除く何らかのアミノ酸である)のアスパラギンに連結されるN結合型グリコシル化、(2)グリカンがセリン又はスレオニンに連結されるO結合型グリコシル化、が起こる。グリコシル化のタイプ(N結合型又はO結合型)にかかわらず、各部位と連結されるグリカン構造は広範囲にわたるため、タンパク質グリコフォームには微小な不均一性がある(O又はN)。
全てのN−グリカンが、共通するコア糖配列:Manα1−6(Manα1−3)Manβ1−4GlcNAcβ1−4GlcNAcβ1−Asn−X−Ser/Thr(ManGlcNAcAsn)を有し、3つのタイプのうち1つ:(A)2個のN−アセチルグルコサミン(GalNAc)部分及び多数(例えば5、6、7、8又は9個)のマンノース(Man)残基からなる高マンノース(HM)又はオリゴマンノース(OM)型、(B)2個を超えるGlcNAc部分及びあらゆる数の他の糖タイプを含む複合型又は(C)分枝の一方にMan残基を、複合枝の基部にGlcNAcを含むハイブリッド型、に分類される。図1(Stanley et al.,Chapter 8:N−Glycans,Essentials of Glycobiology,2nd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press;2009より)はN−グリカンの3つのタイプを示す。
N結合型グリカンは、一般的には、ガラクトース(Gal)、N−アセチルガラクトサミン(GalNAc)、ガラクトサミン(GalN)、グルコース(GLc)、N−アセチルグルコサミン(ClcNAc)、グルコサミン(GlcN)、マンノース(Man)、N−アセチルマンノサミン(ManNAc)、マンノサミン(ManN)、キシロース(Xyl)、N0アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)、N−グリコシルノイラミン酸(Neu5Gc)、2−ケト−3−ドキシノノン酸(doxynononic acid)(Kdn)、フコース(Fuc)、グルクロン酸(GLcA)、イズロン酸(IdoA)、ガラクツロン酸(GalA)、マヌロン酸(ManA)のうち1つ以上の単糖類を含む。このような糖類に対して一般的に使用される印を図1で示す。代表的なグリカン及びそれらの個々の特性は図2で示す。
N結合型グリコシル化は小胞体(ER)において開始され、複雑な一連の反応の結果、基本的に2個のGlcNAc残基及び3個のMan残基から作られるコアグリカン構造の連結が起こる。ERにおいて形成されるグリカン複合体は、ゴルジ装置において酵素の作用により修飾される。糖類が酵素に比較的接近しにくい場合、これは、一般的には元来のHM形態にとどまる。酵素が糖類に接近し得る場合、Man残基の多くが切り離され、糖類がさらに修飾され、その結果、複合型のN−グリカン構造が生じる。例えばcis−ゴルジに位置するマンノシダーゼ−1は、HMグリカンを切断又は加水分解し得、一方でメディアル−ゴルジに位置するフコシルトランスフェラーゼFUT−8はグリカンをフコシル化する(Hanrue Imai−Nishiya(2007),BMC Biotechnology,7:84)。
したがって、グリカン構造の糖組成及び構造立体配置は、とりわけ、ER及びゴルジ装置におけるグリコシル化機序、その機序の酵素のグリカン構造への到達性、各酵素の作用の順序及びタンパク質がグリコシル化機序から放出される段階に依存して変動する。
本明細書中で提供される発明は、グリコシル化適格細胞による組み換え産生中にタンパク質の様々なグリコシル化形態(グリコフォーム)のレベルを調整する方法に関する。特定の理論に縛られるものではないが、本発明の方法は、特定の量のある一定の組み換えタンパク質の特定のグリコフォームを含むテーラーメイドの組成物に対する手段を提供すると考えられる。
代表的な実施形態において、総非フコシル化(TAF)グリコフォームのレベルが調整される。本明細書中で使用される場合、「総非フコシル化グリコフォーム」又は「TAFグリコフォーム」又は「TAF」又は「最終TAF」は、高マンノースグリコフォーム及び非フコシル化グリコフォームの合計量を指す。本明細書中で使用される場合、「高マンノース」又は「HM」又は「最終HM」という用語は、それぞれMan5、Man6、Man7、Man8及びMan9と略称される、5、6、7、8又は9個のマンノース残基を含むグリコフォームを包含する。本明細書中で使用される場合、「非フコシル化グリコフォーム」又は「非フコグリコフォーム」又は「非フコシル化グリカン」又は「非フコ」又は「AF」又は「非フコシル化」という用語は、コアフコース、例えばN−グリコシル化部位のAsnとともにアミド結合において含まれるGlcNAc残基上のα1,6−結合型フコースを欠くグリコフォームを指す。非フコシル化グリコフォームとしては、A1G0、A2G0、A2G1a、A2G1b、A2G2及びA1G1M5が挙げられるが限定されない。さらなる非フコシル化グリカンとしては、例えば、A1G1a、G0[H3N4]、G0[H4N4]、G0[H5N4]、FO−N[H3N3]が挙げられる。例えば、Reusch and Tejada,Glycobiology 25(12):1325−1334(2015)を参照のこと。代表的な態様において、本明細書中、実施例1でさらに記載されるように、TAFのレベル、HMグリコフォーム及び非フコシル化グリコフォームの量はHILICを介して決定される。N−グリカンの酵素切断の後、いくつかのピークがあり、その各ピークが様々なグリコフォームの平均分布(量)に相当するクロマトグラムを得るために、HILICを行う。これらの目的に対して、%ピーク面積=ピーク面積/総ピーク面積x100%及び%総ピーク面積=試料総面積/標準の総面積x100%である。%TAFを決定する目的のために使用する計算は次のとおり行い得る:
%非フコシル化グリコフォーム=%A1G0+%A2G0+%A2G1a+%A2G1b+%A2G2+%A1G1M5。
%高マンノースグリコフォーム=%Man5(検出可能な場合)+%Man6(検出可能な場合)+%Man7(検出可能な場合)+%Man8(検出可能な場合)+%Man9(検出可能な場合)である。
本発明は、組み換えグリコシル化タンパク質のTAFグリコフォームのレベルを調整する方法を提供する。代表的な態様において、本組み換えグリコシル化タンパク質は、細胞培養においてグリコシル化適格細胞により産生される。代表的な実施形態において、本方法は、初期細胞培養期間にわたり初期設定pH値で細胞培養を維持することを含む。本明細書中で使用される場合、「維持する」という用語は、設定pH値を初期設定pH値に設定し、指定の時間中にその設定pH値を変化させないことを意味する。本明細書中で使用される場合、「設定pH値」という用語は、pH調節系又は機器上で使用者により設定されるような所望又は標的pH値を指す。本明細書中で使用される場合、「初期設定pH値」という用語は、細胞培養物の接種中又は接種直後の使用者により設定される設定pH値を指す。当業者が認めるように、設定pH値は、特定のpH調節系の較正限界に依存して、細胞培養の実際のpHとは異なり得る。一般的には、細胞培養の実際のpHは、設定pH値の±0.05であり、一部の態様において、細胞培養の実際のpHは設定pH値の±0.03又は±0.02となる。代表的な態様において、初期細胞培養期間にわたり初期設定pH値で細胞培養を維持することは、初期細胞培養期間中、細胞培養のpHが初期設定pH値から0.05を超えてシフトしないことを意味する。代表的な実施形態において、本方法は、初期細胞培養期間にわたり初期設定pH値で細胞培養を維持することを含み、初期設定pH値は、約6.5より高く、7.5未満である。例えば、初期設定pH値は、6.50、6.52、6.54、6.56、6.58、6.60、6.62、6.64、6.66、6.68、6.70、6.72、6.74、6.76、6.78、6.80、6.82、6.84、6.86、6.88、6.90、7.10、7.12、7.14、7.16、7.18、7.20、7.22、7.24、7.26、7.28、7.30、7.32、7.34、7.36、7.38、7.40、7.42、7.44、7.46、7.48、7.50以上である。例えば、初期設定pH値は、6.50、6.55、6.60、6.65、6.70、6.75、6.80、6.85、6.90、6.95、7.0、7.05、7.10、7.15、7.20、7.25、7.30、7.35、7.40、7.45、7.50である。さらに初期設定値は7.5以下である。例えば、初期設定pH値は、7.48、7.46、7.44、7.42、7.40、7.38、7.36、7.34、7.32、7.30、7.28、7.26、7.24、7.22、7.20、7.18、7.16、7.14、7.12、7.10、7.08、7.06、7.04、7.02、7.00、6.98、6.96、6.94、6.92、6.90、6.88、6.86、6.84、6.82、6.80、6.78、6.76、6.74、6.72、6.70、6.68、6.66、6.64、6.62、6.60、6.58、6.56、6.54、6.52、6.50以下である。代表的な態様において、初期設定pH値は約6.55より高く、約7.5未満である。代表的な態様において、初期設定pH値は約6.60より高く、約7.5未満である。代表的な態様において、初期設定pH値は約6.65より高く、約7.5未満である。代表的な態様において、初期設定pH値は、約6.7より高く、約7.5未満である。代表的な態様において、初期設定pH値は、約6.75より高く、約7.5未満である。代表的な態様において、初期設定pH値は、約6.80より高く、約7.5未満である。代表的な態様において、初期設定pH値は、約6.5より高く、約7.45未満である。代表的な態様において、初期設定pH値は、約6.5より高く、約7.4未満である。代表的な態様において、初期設定pH値は、約6.5より高く、約7.35未満である。代表的な態様において、初期設定pH値は、約6.5より高く、約7.3未満である。代表的な態様において、初期設定pH値は、約6.5より高く、約7.25未満である。代表的な態様において、初期設定pH値は、約6.5より高く、約7.2未満である。代表的な態様において、初期設定pH値は、約6.5より高く、約7.15未満である。代表的な態様において、初期設定pH値は、約6.5より高く、約7.1未満である。代表的な態様において、初期設定pH値は約6.85より高く、7.2未満である。代表的な態様において、初期設定pH値は、約7.0〜7.1である。初期設定pH値は、代表的な態様において、約6.85以上〜約6.95以下である。代表的な態様において、初期設定pH値は約6.95〜7.15である。
代表的な実施形態において、本方法は、初期細胞培養期間にわたり初期設定pH値で細胞培養を維持することを含む。本明細書中で使用される場合、「初期細胞培養期間」という句は、組み換えタンパク質産生のために細胞を培養する目的でグリコシル化適格細胞が細胞培養培地に添加された場合、接種後の時間又はその後の時間を指す。代表的な態様において、初期細胞培養期間は、約4日〜約6日間(例えば約4日間、5日間又は約6日間)であるか、又は約96時間〜約144時間又はその刻みでの増加数である。代表的な態様において、初期細胞培養期間は、約4日間〜約5日間である。代表的な態様において、初期細胞培養期間は約4日間である。代表的な実施形態において、初期細胞培養期間は、細胞培養の特定の生存可能細胞密度(VCD)に対して定められる。代表的な態様において、初期細胞培養期間は、細胞培養のVCDが約6.5x10個細胞/mL以下である間の接種後の時間である。代表的な態様において、本方法は、細胞培養が約6.5x10個細胞/mLのVCDを達成するまで初期設定pH値で細胞培養を維持することを含む。代表的な態様において、本方法は、細胞培養が約8.2x10〜約1.94x10のVCDに到達するまで初期設定pH値で細胞培養を維持することを含む。代表的な態様において、本方法は、細胞培養が約1.21x10〜約3.46x10のVCDに到達するまで初期設定pH値で細胞培養を維持することを含む。
代表的な態様において、初期pHは、対照細胞培養の対照pHよりも高い。特定の理論に縛られるものではないが、(対照pHと比較して)より高いpHを維持することは、対照細胞培養と比較した場合のTAFグリコフォームの増加につながる。したがって、代表的な実施形態において、本発明の方法は、細胞培養において細胞により産生されるタンパク質のTAFグリコフォームのレベルを高くすることに関する。代表的な態様において、対照細胞培養と比較して、組み換えグリコシル化タンパク質のHMグリコフォームのレベルが上昇する。代表的な態様において、対照細胞培養と比較して、組み換えグリコシル化タンパク質のMan5、Man6、Man7、Man8及び/又はMan9のうち1つ以上のレベルが上昇する。代表的な態様において、対照細胞培養と比較して、組み換えグリコシル化タンパク質の非フコシル化グリコフォームのレベルが上昇する。代表的な態様において、対照細胞培養と比較して、組み換えグリコシル化タンパク質のA1G0、A2G0、A2G1a、A2G1b、A2G2及びA1G1M5のうち1つ以上のレベルが上昇する。代表的な態様において、対照細胞培養と比較して、組み換えグリコシル化タンパク質のA1G1a、G0[H3N4]、G0[H4N4]、G0[H5N4]及びFO−N[H3N3]のうち1つ以上のレベルが上昇する。
本明細書中で使用される場合、「上昇する」という用語及びそれから派生する語は、100%又は完全な上昇でなくてもよい。むしろ、当業者が潜在的な利益を有すると認める上昇度は様々である。この点において、本発明の方法は、対照細胞培養と比較して、何らかの程度又はレベルまでTAF、HM又は非フコグリコフォームレベルを上昇させ得る。代表的な実施形態において、本発明の方法により提供される上昇は、対照細胞培養と比較して、少なくとも又は約10%上昇(例えば、少なくとも又は約20%上昇、少なくとも又は約30%上昇、少なくとも又は約40%上昇、少なくとも又は約50%上昇、少なくとも又は約60%上昇、少なくとも又は約70%上昇、少なくとも又は約80%上昇、少なくとも又は約90%上昇、少なくとも又は約95%上昇、少なくとも又は約98%上昇、)である。代表的な実施形態において、本発明の方法により提供される上昇は、対照細胞培養と比較して、100%超、例えば、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%又はさらに1000%である。代表的な実施形態において、タンパク質の、TAF、HM又は非フコグリコフォームのレベルは、対照細胞培養と比較して、少なくとも約1.5倍上昇する。代表的な実施形態において、タンパク質の、TAF、HM又は非フコグリコフォームのレベルは、対照細胞培養と比較して、少なくとも約2倍上昇する。代表的な実施形態において、タンパク質の、TAF、HM又は非フコグリコフォームのレベルは、対照細胞培養と比較して、少なくとも約3倍上昇する。代表的な実施形態において、タンパク質の、TAF、HM又は非フコグリコフォームのレベルは、対照細胞培養と比較して、少なくとも約4倍又は5倍上昇する。
代表的な態様において、タンパク質のTAFグリコフォームの上昇レベルは、接種後第1日という早期に、観察されるか又は観察可能であるか又は検出されるか又は検出可能である。代表的な態様において、タンパク質のTAFグリコフォームのレベル上昇は、接種後第2日という早期に、観察されるか又は観察可能であるか又は検出されるか又は検出可能である。代表的な態様において、タンパク質のTAFグリコフォームのレベル上昇は、接種後第3日という早期に、観察されるか又は観察可能であるか又は検出されるか又は検出可能である。代表的な態様において、タンパク質のTAFグリコフォームのレベル上昇は、接種後第4日という早期に、観察されるか又は観察可能であるか又は検出されるか又は検出可能である。代表的な態様において、タンパク質のTAFグリコフォームのレベル上昇は、接種後第5日という早期に、観察されるか又は観察可能であるか又は検出されるか又は検出可能である。代表的な態様において、タンパク質のTAFグリコフォームのレベル上昇は、細胞培養からタンパク質が回収されるときに、観察されるか又は観察可能であるか又は検出されるか又は検出可能である。
代表的な態様において、細胞培養の第4日、第5日もしくは第6日よりも長く、又は初期細胞培養期間を超えて、タンパク質のTAFグリコフォームのレベル上昇が観察される。代表的な態様において、タンパク質のTAFグリコフォームのレベル上昇は、細胞培養の(接種後)7、8、9、10、11又は12日間にわたり、又はより長く(例えば、2週間、3週間、4週間、1か月、2か月、3か月、6か月、1年)観察される。代表的な態様において、タンパク質のTAFグリコフォームレベルの上昇は、細胞培養からタンパク質が回収されるときに観察される。
代表的な態様において、初期pHは、対照細胞培養に対照pHよりも低い。特定の理論に縛られるものではないが、(対照pHと比較して)より低いpHを維持することは、対照細胞培養と比較した場合のTAFグリコフォームの減少につながる。したがって、代表的な実施形態において、本発明の方法は、細胞培養において細胞により産生されるタンパク質のTAFグリコフォームのレベルを低下させることに関する。代表的な態様において、組み換えグリコシル化タンパク質のHMグリコフォームのレベルが、対照細胞培養と比較して低下する。代表的な態様において、組み換えグリコシル化タンパク質のMan5、Man6、Man7、Man8、及び/又はMan9のうち1つ以上のレベルが対照細胞培養と比較して低下する。代表的な態様において、組み換えグリコシル化タンパク質の非フコシル化グリコフォームのレベルが対照細胞培養と比較して低下する。代表的な態様において、組み換えグリコシル化タンパク質のA1G0、A2G0、A2G1a、A2G1b、A2G2及びA1G1M5のうち1つ以上のレベルが対照細胞培養と比較して低下する。代表的な態様において、組み換えグリコシル化タンパク質のA1G1a、G0[H3N4]、G0[H4N4]、G0[H5N4]及びFO−N[H3N3]のうち1つ以上のレベルが対照細胞培養と比較して低下する。
本明細書中で使用される場合、「低下する」という用語及びそこから派生する語は、100%又は完全な低下でなくてもよい。むしろ、当業者が潜在的な利益を有すると認める低下度は様々である。この点において、本発明の方法は、対照細胞培養と比較して何らかの程度又はレベルまで、TAF、HM又は非フコグリコフォームレベルを低下させ得る。代表的な実施形態において、本発明の方法により提供される低下は、対照細胞培養と比較して、少なくとも又は約10%低下(例えば、少なくとも又は約20%低下、少なくとも又は約30%低下、少なくとも又は約40%低下、少なくとも又は約50%低下、少なくとも又は約60%低下、少なくとも又は約70%低下、少なくとも又は約80%低下、少なくとも又は約90%低下、少なくとも又は約95%低下、少なくとも又は約98%低下)である。代表的な実施形態において、本発明の方法により提供される低下は、対照細胞培養と比較して、100%超、例えば、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%又はさらに1000%である。代表的な実施形態において、タンパク質の、TAF、HM又は非フコグリコフォームのレベルは、対照細胞培養と比較して少なくとも約1.5倍低下する。代表的な実施形態において、タンパク質の、TAF、HM又は非フコグリコフォームのレベルは、対照細胞培養と比較して少なくとも約2倍低下する。代表的な実施形態において、タンパク質の、TAF、HM又は非フコグリコフォームのレベルは、対照細胞培養と比較して少なくとも約3倍低下する。代表的な実施形態において、タンパク質の、TAF、HM又は非フコグリコフォームのレベルは、対照細胞培養と比較して少なくとも約4倍又は5倍低下する。
代表的な態様において、接種後第1日という早期に、タンパク質の、TAFグリコフォームのレベル低下が観察されるか又は観察可能であるか又は検出されるか又は検出可能である。代表的な態様において、接種後第2日という早期に、タンパク質のTAFグリコフォームのレベル低下が観察されるか又は観察可能であるか又は検出されるか又は検出可能である。代表的な態様において、接種後第3日という早期に、タンパク質のTAFグリコフォームのレベル低下が観察されるか又は観察可能であるか又は検出されるか又は検出可能である。代表的な態様において、接種後第4日という早期に、タンパク質のTAFグリコフォームのレベル低下が観察されるか又は観察可能であるか又は検出されるか又は検出可能である。代表的な態様において、接種後およそ第5日の後に、タンパク質のTAFグリコフォームのレベル低下が観察されるか又は観察可能であるか又は検出されるか又は検出可能である。代表的な態様において、タンパク質が細胞培養から回収される時間に、タンパク質のTAFグリコフォームのレベル低下が観察されるか又は観察可能であるか又は検出されるか又は検出可能である。
代表的な態様において、細胞培養の第4日、第5日又は第6日よりも長く、又は初期細胞培養期間を超えて、タンパク質のTAFグリコフォームのレベル低下が観察される。代表的な態様において、細胞培養(接種後)の7、8、9、10、11又は12日間にわたり、又はより長く(例えば、2週間、3週間、4週間、1か月、2か月、3か月、6か月、1年)、タンパク質のTAFグリコフォームのレベル低下が観察される。代表的な態様において、タンパク質のTAFグリコフォームのレベル低下は、タンパク質が細胞培養から回収されるときに観察される。
本発明の方法に関して、このような方法により影響を受ける調整、上昇又は低下は、「対照」又は「対照細胞培養」に対するものである。これらの用語は本明細書中で交換可能に使用される。代表的な態様において、対照は、本発明の方法の段階が行われないときのタンパク質のTAFグリコフォームのレベルである。代表的な態様において、対照は、組み換え産生の公知の方法が行われるときのタンパク質のTAFグリコフォームのレベルである。代表的な態様において、対照は、既知の操作pHが組み換え産生中に維持されるときのTAFグリコフォームのレベルである。本明細書中で使用される場合、「対照細胞培養」という用語は、初期細胞培養期間中のpHを除き、本発明の方法の段階が行われる細胞培養と同じように維持される細胞培養を意味する(例えば本発明の方法の細胞培養)。代表的な態様において、対照細胞培養は、対照pHを含む、既知の操作又は標準パラメーターで維持される細胞培養である。本明細書中で使用される場合、「対照pH」という用語は、既知の操作pH、例えば第1の時点又は本発明の方法を行う前の時点で維持される細胞培養のpHを指し得る。代表的な態様において、対照pHは、TAFレベルが既知であるか又は決定される細胞培養のpHである。
組成物を含有する糖タンパク質中に存在するグリコフォームを評価するため、又は糖タンパク質を含む特定の試料のグリコフォームプロファイルを決定するために、様々な方法が当技術分野で知られている。適切な方法としては、陽イオンMALDI−TOF分析、陰イオンMALDI−TOF分析、弱陰イオン交換(WAX)クロマトグラフィー、順相クロマトグラフィー(NP−HPLC)、エキソグリコシダーゼ消化、Bio−Gel P−4クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー及び一次元n.m.r.分光法及びそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、Mattu et al.,JBC 273:2260−2272(1998);Field et al.,Biochem J 299(Pt 1):261−275(1994);Yoo et al.,MAbs 2(3):320−334(2010)Wuhrer M.et al.,Journal of Chromatography B,2005,Vol.825,Issue 2,124−133頁;Ruhaak L.R.,Anal Bioanal Chem,2010,Vol.397:3457−3481及びGeoffrey,R.G.et.al.Analytical Biochemistry 1996,Vol.240,210−226頁を参照。また、本明細書中で示す例は、糖タンパク質含有組成物中に存在するグリコフォームを評価するための適切な方法を記載する。
温度及び他の細胞培養パラメーター
代表的な実施形態において、本方法は、初期細胞培養期間中、及び任意選択により初期細胞培養期間に続く第2の細胞培養期間中、初期温度で細胞培養を維持することをさらに含み、この初期温度は30℃〜40℃である。代表的な実施形態において、初期温度は約32℃〜約38℃又は約35℃〜約38℃である。代表的な態様において、初期温度で細胞培養を維持することは、初期細胞培養期間中、細胞培養を初期温度の±1℃以内に維持することを指す。代表的な態様において、初期細胞培養期間にわたり初期温度で細胞培養を維持することは、初期細胞培養期間中、初期温度から細胞培養の温度が1℃を超えてシフトしないことを意味する。
本発明に関して、細胞培養は、組み換えタンパク質産生に適切な何らかの一連の条件に従い維持され得る。例えば、細胞培養は、特定の細胞密度、培養体積、溶解酸素レベル、圧力、浸透圧などで維持され得る。代表的な態様において、COインキュベーター中、標準的な加湿条件下にて5%COで接種前の細胞培養物を振盪する(例えば70rpm)。代表的な態様において、1.5L培地中10個細胞/mLの播種密度で細胞培養物を接種する。代表的な態様において、本方法は、約200mOsm/kg〜約500mOsm/kgの浸透圧を維持することを含む。代表的な態様において、本方法は、約225mOsm/kg〜約400mOsm/kg又は約225mOsm/kg〜約375mOsm/kgの浸透圧を維持することを含む。代表的な態様において、本方法は、約225mOsm/kg〜約350mOsm/kgの浸透圧を維持することを含む。代表的な態様において、本方法は、初期細胞培養期間中、約20%〜約60%酸素飽和度で細胞培養の溶解酸素(DO)レベルを維持することを含む。代表的な例において、本方法は、初期細胞培養期間中、約30%〜約50%(例えば約35%〜約45%)の酸素飽和度に細胞培養のDOレベルを維持することを含む。代表的な例において、本方法は、初期細胞培養期間中、約20%、約30%、約40%、約50%又は約60%酸素飽和度で細胞培養のDOレベルを維持することを含む。
細胞培養は、何らかの1つ以上の培養培地中で維持され得る。代表的な態様において、細胞培養は、細胞増殖に適切な培地中で維持され得、及び/又は何らかの適切な供給計画に従う1つ以上のフィーディング培地(feeding media)中で提供され得る。代表的な態様において、本方法は、グルコース、乳酸塩、アンモニア、グルタミン及び/又はグルタメートを含む培地中で細胞培養を維持することを含む。代表的な態様において、本方法は、初期細胞培養期間中、約1μM未満の濃度のマンガンを含む培地中で細胞培養を維持することを含む。代表的な態様において、本方法は、約0.25μM〜約1μMマンガンを含む培地中で細胞培養を維持することを含む。代表的な態様において、本方法は、無視できる量のマンガンを含む培地中で細胞培養を維持することを含む。代表的な態様において、本方法は、初期細胞培養期間中、約50ppb以下の濃度の銅を含む培地中で細胞培養を維持することを含む。代表的な態様において、本方法は、初期細胞培養期間中、約40ppb以下の濃度の銅を含む培地中で細胞培養を維持することを含む。代表的な態様において、本方法は、初期細胞培養期間中、約30ppb以下の濃度の銅を含む培地中で細胞培養を維持することを含む。代表的な態様において、本方法は、初期細胞培養期間中、約20ppb以下の濃度の銅を含む培地中で細胞培養を維持することを含む。代表的な態様において、培地は、約5ppb以上又は約10ppb以上の濃度の銅を含む。
代表的な実施形態において、細胞培養のタイプは、流加培養法又は連続灌流培養法である。しかし、本発明の方法は、有利に、何れの特定のタイプの細胞培養にも限定されない。
初期細胞培養期間後
代表的な実施形態において、組み換えグリコシル化タンパク質のTAFグリコフォームレベルを調整する本発明の方法は、初期細胞培養期間にわたり、初期pHで細胞培養を維持することを含む。代表的な態様において、本方法は、初期細胞培養期間後、初期設定pH値で細胞培養を維持することを停止することをさらに含む。本明細書中での目的に対して、「初期設定pH値で細胞培養を維持することを停止する」という概念は、初期設定pH値で細胞培養を調節するために必要とされる行動をやめることを指す。例えば、初期設定pH値の維持を効果的に停止するためにpH対照系に対する1つ以上の設定を変化させ得る。代表的な態様において、「初期設定pH値で細胞培養を維持することを停止する」は、pHシフト又は変化を容認することを指し得る。例えば「初期設定pH値で細胞培養を維持することを停止する」は、例えばpH調節系において設定pH値を変化させることによって、pHをシフトさせる能動的段階を指し得るか、又はpHをシフトさせること又は特定のpH又はpH範囲の調節又は維持の停止を許容する非能動的段階を指し得る。代表的な態様において、細胞培養pHの維持又は調整は、細胞培養の最初の4〜6日後に停止する。代表的な態様において、グリコシル化適格細胞により産生される組み換えグリコシル化タンパク質のTAFグリコフォームレベルを調整する方法は、初期細胞培養期間にわたり初期pHで細胞培養を維持し、初期細胞培養期間後に初期pHでの細胞培養の維持を停止し、例えば0.05を超えて細胞培養のpHをシフトさせることを容認する。本明細書中での目的に対して、「pHのシフトを容認する」の概念は、例えばpH調節系において設定pH値を変化させることによりpHをシフトさせる能動的段階を指し得るか、又はpHのシフトを許容するか又は特定のpHもしくはpH範囲を調節又は維持することを停止する非能動的段階を指し得る。代表的な態様において、初期細胞培養期間後に細胞培養のpHを約0.05〜約2.0シフトさせることが容認される。例えば、細胞培養の初期期間後、pHを約0.1〜約1.5又は約0.5〜約1.0シフトさせることが容認される。ある一定の代表的な態様において、pHは、細胞培養の細胞による抗体産生に適切であるpH範囲外になることは容認されない。例えばpHは9以上又は4以下になることは容認されない。
代表的な態様において、本方法は、初期細胞培養期間後のpHシフトを含む。代表的な態様において、本方法は、初期設定pH値から異なる設定pH値にpH調節系において設定pH値を変化させることを含む。代表的な態様において、本方法は、初期細胞培養期間後(任意選択により第2の細胞培養期間にわたり)、(初期設定pH値に対して)約0.05を超えてpH(例えば設定pH値)をシフトさせることを含む。代表的な態様において、本方法は、初期細胞培養期間後、(初期設定pH値に対して)約0.05〜約2.0、pH(例えば設定pH値)をシフトさせることを含む。代表的な態様において、pHシフトは(例えば初期設定pH値に対する)pHの上昇である。ある一定の態様において、本方法は、pH(例えば設定pH値)を約0.1〜約1.5又は約0.15〜約1.0上昇させることを含む。代表的な態様において、シフトは(例えば初期設定pH値に対する)pHの低下である。ある一定の態様において、本方法は、pH(例えば設定pH値)を約0.1〜約1.5又は約0.15〜約1.0低下させることを含む。
細胞培養のpHを調節又は維持する、ならびにpH監視系を含む機器を完全に搭載したハイスループットバイオリアクターを用いてそれを行う方法は当技術分野で公知である。例えば、Seung Joon Leeの論文”Dissolved Oxygen and pH Monitoring within Cell Culture Media using a Hydrogel Microarray Sensor”,December 2006,Texas A&M University;Adami et al.,”Development of a pH Sensor with Integrated Reference Electrode for Cell Culture Monitoring”Sensors,Vol 162 Lecture Notes in Electrical Engineering,Chapter 86,481−485頁(2013);米国特許第7,429,491号明細書、Ge et al.,J Biotechnology 122:293−306(2006);Weuster−Botz et al.,Bioprocess.Biosyst.Eng.28(2):109−119(2005);Maharbiz et al.,Biotechnol.Bioeng.85(4):376−381(2004);Zanzotto et al.,Biotechnol.Bioeng.87(2):243−254(2005);Hermann et al.,Biotechnol.Bioeng.81:178−186(2002);欧州特許第3128319号明細書;米国特許出願公開第2015/0376647号明細書を参照のこと。pHモニターは市販されており、例えばEasyferm Plus ARC 225(Hamilton,Reno,NV)を含む。また、細胞培養pHを維持する方法は本明細書中で実施例において記載されている。
代表的な態様において、組み換えグリコシル化タンパク質のTAFグリコフォームレベルを調整する本発明の方法は、初期細胞培養期間にわたり初期設定pH値で細胞培養を維持することを含み、初期細胞培養期間中、及び任意選択により初期細胞培養期間後の第2の細胞培養期間中、初期温度で細胞培養を維持することをさらに含み、初期温度は30℃〜40℃である。代表的な態様において、本方法は、初期細胞培養期間中、及び初期細胞培養期間後に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10日間又はそれ以上にわたり、初期細胞温度を維持することをさらに含む。代表的な態様において、本方法は、初期細胞培養期間後、初期温度を維持することを停止することをさらに含む。代表的な態様において、本方法は、初期温度で細胞培養を維持することを停止すること、及び初期細胞培養期間後に約2℃以上温度をシフトさせることを容認することを含む。代表的な態様において、初期細胞培養期間後、約2℃を超えて温度をシフトさせることが容認される。代表的な態様において、本方法は、初期細胞培養期間後、約2℃を超えて温度をシフトさせることを含む。本明細書中の実施形態の何れかにおいて、第2の細胞培養期間は、初期細胞培養期間後、さらに1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14日間以上であり得る。
代表的な態様において、初期細胞培養期間後、細胞培養温度をシフトさせることが容認される。代表的な態様において、初期細胞培養期間後、温度はもはや選択される初期温度の±1℃で維持されない。代表的な態様において、初期細胞培養期間後、温度を約1℃〜約6℃シフトさせることが容認される。例えば、細胞培養の初期期間後、温度を約1℃〜約5℃又は約1℃〜約4℃又は約2℃又は約3℃シフトさせることが容認される。ある一定の代表的な態様において、温度は細胞培養の細胞による抗体産生に適切である温度範囲の範囲外になることは容認されない。例えば温度は、40℃より高くなるか又は30℃より低くなることは容認されない。
代表的な態様において、本方法は、初期細胞培養期間後の温度シフトを含む。代表的な態様において、本方法は、細胞培養の最初の3〜5日後に約1℃〜約6℃、温度をシフトさせることを含む。代表的な態様において、シフトは温度の上昇である。代表的な態様において、シフトは℃5℃又は約1℃〜約4℃又は約2℃又は約3℃、温度を上昇又は低下させることを含む。代表的な態様において、本方法は、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、約3日間〜約6日間、約4日〜約6日間又は約4日間〜約5日間である初期細胞培養期間にわたり、初期pH、例えば初期設定pH値で、細胞培養を維持することを含む。代表的な態様において、本方法は、少なくとも約72時間、約76時間、約80時間、約84時間、約88時間、約92時間、約96時間、約100時間、約104時間、約108時間、約112時間、約116時間、約120時間、約124時間、約128、約132時間、約136時間、約140時間又は約144時間である初期細胞培養期間にわたり、初期pH、例えば初期設定pH値で、細胞培養を維持することを含む。
代替的な実施形態において、本方法は、初期細胞培養期間後に温度シフトを含まない。代表例において、細胞培養の温度は、細胞培養期間の全期間にわたり初期温度の±1℃内である温度で維持される。代表例において、細胞培養の温度は、細胞培養期間の全体にわたり初期温度の±1℃内である温度で維持され、本方法は、少なくとも約1日、少なくとも約2日、少なくとも約3日、少なくとも約4日、少なくとも約5日又は少なくとも約6日である初期細胞培養期間にわたり細胞培養を初期pH、例えば初期設定pH値で維持することを含む。代表的な態様において、細胞培養の温度は、初期温度の±1℃以内の温度で全細胞培養期間中、維持され、本方法は、約24時間、約28時間、約32時間、約36時間、約40時間、約44時間、約48時間、約52時間、約56時間、約60時間、約64時間、約68時間、約72時間、約76時間、約80時間、約84時間、約88時間、約92時間、約96時間、約100時間、約104時間、約108時間、約112時間、約116時間、約120時間、約124時間、約128、約132時間、約136時間、約140時間又は約144時間である初期細胞培養期間にわたり、細胞培養を初期pH、例えば初期設定pH値に維持することを含む。
組み換えタンパク質
代表的な実施形態において、本組み換えタンパク質は、式:
Asn−Xaa−Xaa
(式中、XaaはProを除く何れかのアミノ酸であり、XaaはSer又はThrである)である、1つ以上のN−グリコシル化コンセンサス配列を含むアミノ酸配列を含む。
代表的な実施形態において、本組み換えタンパク質は、断片結晶化可能(Fc)ポリペプチドを含む。「Fcポリペプチド」という用語は、本明細書中で使用される場合、抗体のFc領域由来のポリペプチドのネイティブ及びムテイン形態を含む。二量体化を促進するヒンジ領域を含有するこのようなポリペプチドの短縮型も含まれる。Fc部分を含む融合タンパク質(及びそこから形成されるオリゴマー)は、プロテインA又はタンパク質Gカラム上のアフィニティークロマトグラフィーによる容易な精製の長所をもたらす。代表的な実施形態において、本組み換えタンパク質は、IgG、例えばヒトIgGのFcを含む。代表的な態様において、本組み換えタンパク質は、IgG1又はIgG2のFcを含む。代表的な態様において、本組み換えタンパク質は、抗体、ペプチボディ又はFc−融合タンパク質である。
代表的な態様において、本組み換えグリコシル化タンパク質は抗体である。本明細書中で使用される場合、「抗体」という用語は、重及び軽鎖を含む、及び可変及び定常領域を含む、従来の免疫グロブリン形式を有するタンパク質を指す。例えば、抗体は、ポリペプチド鎖の2つの同一のペアの「Y型」構造であるIgGであり得、各ペアは、1本の「軽」(一般的には分子量が約25kDa)及び1本の「重」鎖(一般的には分子量が約50〜70kDa)を有する。抗体は可変領域及び定常領域を有する。IgG形式で、可変領域は一般に約100〜110以上のアミノ酸であり、3個の相補性決定領域(CDR)を含み、抗原認識に主に関与し、異なる抗原に結合する他の抗体間で実質的に変動する。定常領域は、抗体に免疫系の細胞及び分子を動員させる。可変領域は各軽鎖及び重鎖のN末端領域から構成され、一方で定常領域は重鎖及び軽鎖のそれぞれのC末端部分から構成される。(Janeway et al.,”Structure of the Antibody Molecule and the Immunoglobulin Genes”,Immunobiology:The Immune System in Health and Disease,4th ed.Elsevier Science Ltd./Garland Publishing,(1999))。
抗体のCDRの一般的な構造及び特性は当技術分野で記載されている。簡潔に述べると、抗体骨格において、CDRは、重及び軽鎖可変領域におけるフレームワーク内に埋め込まれ、それらは抗原結合及び認識に大きく関与する領域を構成する。可変領域は、フレームワーク領域内(Kabat et al.,1991によりフレームワーク領域1−4、FR1、FR2、FR3及びFR4と呼ばれる;Chothia and Lesk,1987,J.Mol.Biol.196:901−917も参照)に、少なくとも3個の重鎖又は軽鎖CDR(Kabat et al.,1991,Sequences of Proteins of Immunological Interest,Public Health Service N.I.H.,Bethesda,Md.;Chothia and Lesk,1987,J.Mol.Biol.196:901−917;Chothia et al.,1989,Nature 342:877−883も参照)を含む。
ヒト軽鎖はカッパ及びラムダ軽鎖として分類される。重鎖は、ミュー、デルタ、ガンマ、アルファ又はイプシロンとして分類され、それぞれIgM、IgD、IgG、IgA及びIgEとして抗体のアイソタイプを定める。IgGは、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4を含むが限定されないいくつかのサブクラスを有する。IgMは、IgM1及びIgM2を含むが限定されないサブクラスを有する。本発明の実施形態は、抗体の全てのこのようなクラス又はアイソタイプを含む。軽鎖定常領域は、例えばカッパ又はラムダ型軽鎖定常領域、例えばヒトカッパ又はラムダ型軽鎖定常領域であり得る。重鎖定常領域は、例えばアルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ又はミュー型重鎖定常領域、例えばヒトアルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ又はミュー型重鎖定常領域であり得る。したがって、代表的な実施形態において、本抗体は、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4の何れか1つを含む、アイソタイプIgA、IgD、IgE、IgG又はIgMの抗体である。
本抗体は、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体であり得る。いくつかの実施形態において、本抗体は、哺乳動物、例えば、マウス、ウサギ、ヤギ、ウマ、ニワトリ、ハムスター、ヒトなどにより産生される天然抗体と実質的に同様である配列を含む。この点において、本抗体は、哺乳動物抗体、例えばマウス抗体、ウサギ抗体、ヤギ抗体、ウマ抗体、ニワトリ抗体、ハムスター抗体、ヒト抗体などとみなされ得る。ある一定の態様において、本組み換えタンパク質はヒト抗体である。ある一定の態様において、本組み換えタンパク質はキメラ抗体又はヒト化抗体である。「キメラ抗体」という用語は、本明細書中で、ある1つの種由来の定常ドメイン及び第2の種類由来の可変ドメインを含有する、又はより一般には少なくとも2種由来のアミノ酸配列のストレッチを含有する抗体を指すために使用される。「ヒト化」という用語は、抗体に関して使用される場合、元の起源の抗体よりも真のヒト抗体と類似している構造及び免疫学的機能を有するように操作されている非ヒト起源由来の少なくともCDR領域を有する抗体を指す。例えば、ヒト化は、非ヒト抗体、例えばマウス抗体など由来のCDRをヒト抗体に移植することを含み得る。ヒト化は、非ヒト配列をよりヒト配列に見えるようにするためのアミノ酸置換の選択も含み得る。
例えばパパイン及びペプシンなどの酵素によって、抗体が断片に切断され得る。パパインは、抗体を切断して2個のFab断片及び1個のFc断片を生成させる。ペプシンは、抗体を切断してF(ab’)断片及びpFc’断片を生成させる。代表的な態様において、組み換えグリコシル化タンパク質は、少なくとも1個のグリコシル化部位を保持する抗体断片、例えばFab、Fc、F(ab’)又はpFc’である。
少なくとも12〜150kDaの分子量範囲及び単量体(n=1)、二量体(n=2)及び三量体(n=3)から四量体(n=4)及びより高い可能性がある結合価(n)範囲に広がる代替的な抗体形式の範囲拡大を生じさせるために抗体の構造が利用されており;このような代替的な抗体形式は、本明細書中で「抗体タンパク質生成物」と呼ばれる。
抗体タンパク質生成物としては、完全な抗原結合能を保持する、抗体断片に基づくもの、例えばscFv、Fab及びVHH/VHが挙げられる。その完全な抗原結合部位を保持する最小の抗原結合断片はFv断片であり、これは完全に可変(V)領域からなる。分子の安定性のためにscFv(1本鎖断片可変)断片にV領域を連結するために、可溶性の柔軟性のあるアミノ酸ペプチドリンカーを使用するか、又は定常(C)ドメインをV領域に付加してFab断片を生成させる。scFv及びFabの両方は、原核宿主において容易に作製され得る広く使用される断片である。他の抗体タンパク質生成物としては、オリゴマー化ドメインに連結されるscFvからなる異なる形式を含むジア、トリア及びテトラボディ又はミニボディ(ミニAbs)のようなジスルフィド結合で安定化されるscFv(ds−scFv)、1本鎖Fab(scFab)ならびに二量体及び多量体抗体形式が挙げられる。最小断片は、ラクダ科動物重鎖Abならびに単ドメインAb(sdAb)のVHH/VHである。新規抗体形式を作製するために最も頻繁に使用される基本単位は1本鎖可変(V)ドメイン抗体断片(scFv)であり、これは、〜15アミノ酸残基のペプチドリンカーにより連結される重及び軽鎖由来のVドメイン(VH及びVLドメイン)を含む。ペプチボディ又はペプチド−Fc融合は、また別の抗体タンパク質生成物である。ペプチボディの構造は、Fcドメイン上に移植された生物学的に活性のあるペプチドからなる。ペプチボディは、当技術分野で詳細に記載されている。例えばShimamoto et al.,mAbs 4(5):586−591(2012)を参照。
他の抗体タンパク質生成物としては、1本鎖抗体(SCA);ダイアボディ;トリアボディ;テトラボディ;二重特異性又は三重特異性抗体などが挙げられる。二重特異性抗体は、5つの主要なクラス:BsIgG、付加IgG、BsAb断片、二重特異性融合タンパク質及びBsAbコンジュゲートに分けられ得る。例えばSpiess et al.,Molecular Immunology 67(2)Part A:97−106(2015)を参照。
代表的な態様において、組み換えタンパク質は、これらの抗体タンパク質生成物の何れか1つを含む。代表的な態様において、組み換えグリコシル化タンパク質は、scFv、Fab VHH/VH、Fv断片、ds−scFv、scFab、二量体抗体、多量体抗体(例えばダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)、ミニAb、ラクダ科動物の重鎖抗体のペプチボディVHH/VH、sdAb、ダイアボディ;トリアボディ;テトラボディ;二重特異性又は三重特異性抗体、BsIgG、付加IgG、BsAb断片、二重特異性融合タンパク質及びBsAbコンジュゲートの何れか1つである。
組み換えタンパク質は、単量体形態又は多量体、オリゴマー又は多量体形態の抗体タンパク質生成物であり得る。抗体が2つ以上の個別の抗原結合領域断片を含むある一定の実施形態において、抗体は、抗体により認識され、結合される個別のエピトープの数に依存して、二重特異性、三重特異性もしくは多重特異性又は二価、三価もしくは多価とみなされる。
本発明の方法に関して、抗体タンパク質生成物は、抗体の一定の部分を欠き得る。しかし、一般に、断片は、真核細胞において翻訳後修飾によりグリコシル化される抗体のFc領域の少なくとも一部を含む。
有利に、本方法は、抗体の抗原特異性に限定されない。したがって、抗体は、実質的にあらゆる抗原に対する何らかの結合特異性を有する。代表的な態様において、抗体は、ホルモン、増殖因子、サイトカイン、細胞表面受容体又は何らかのそのリガンドに結合する。代表的な態様において、抗体は、免疫細胞の細胞表面上で発現されるタンパク質に結合する。代表的な態様において、抗体は、CD1a、CD1b、CD1c、CD1d、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD7、CD8、CD9、CD10、CD11A、CD11B、CD11C、CDw12、CD13、CD14、CD15、CD15s、CD16、CDw17、CD18、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD24、CD25、CD26、CD27、CD28、CD29、CD30、CD31、CD32、CD33、CD34、CD35、CD36、CD37、CD38、CD39、CD40、CD41、CD42a、CD42b、CD42c、CD42d、CD43、CD44、CD45、CD45RO、CD45RA、CD45RB、CD46、CD47、CD48、CD49a、CD49b、CD49c、CD49d、CD49e、CD49f、CD50、CD51、CD52、CD53、CD54、CD55、CD56、CD57、CD58、CD59、CDw60、CD61、CD62E、CD62L、CD62P、CD63、CD64、CD65、CD66a、CD66b、CD66c、CD66d、CD66e、CD66f、CD68、CD69、CD70、CD71、CD72、CD73、CD74、CD75、CD76、CD79α、CD79β、CD80、CD81、CD82、CD83、CDw84、CD85、CD86、CD87、CD88、CD89、CD90、CD91、CDw92、CD93、CD94、CD95、CD96、CD97、CD98、CD99、CD100、CD101、CD102、CD103、CD104、CD105、CD106、CD107a、CD107b、CDw108、CD109、CD114、CD 115、CD116、CD117、CD118、CD119、CD120a、CD120b、CD121a、CDw121b、CD122、CD123、CD124、CD125、CD126、CD127、CDw128、CD129、CD130、CDw131、CD132、CD134、CD135、CDw136、CDw137、CD138、CD139、CD140a、CD140b、CD141、CD142、CD143、CD144、CD145、CD146、CD147、CD148、CD150、CD151、CD152、CD153、CD154、CD155、CD156、CD157、CD158a、CD158b、CD161、CD162、CD163、CD164、CD165、CD166及びCD182からなる群から選択される表面抗原分類分子に結合する。
代表的な態様において、抗体は、米国特許第7947809号明細書及び米国特許出願公開第20090041784号明細書(グルカゴン受容体)、米国特許第7939070号明細書、米国特許第7833527号明細書、米国特許第7767206号明細書及び米国特許第7786284号明細書(IL−17受容体A)、米国特許第7872106号明細書及び米国特許第7592429号明細書(スクレロスチン)、米国特許第7871611号明細書、米国特許第7815907号明細書、米国特許第7037498号明細書、米国特許第7700742号明細書及び米国特許出願公開第20100255538号明細書(IGF−1受容体)、米国特許第7868140号明細書(B7RP1)、米国特許第7807159号明細書及び米国特許出願公開第20110091455号明細書(ミオスタチン)、米国特許第7736644号明細書、米国特許第7628986号明細書、米国特許第7524496号明細書及び米国特許出願公開第20100111979号明細書(上皮増殖因子受容体の欠失突然変異体)、米国特許第7728110号明細書(SARSコロナウイルス)、米国特許第7718776号明細書及び米国特許出願公開第20100209435号明細書(OPGL)、米国特許第7658924号明細書及び米国特許第7521053号明細書(アンジオポエチン−2)、米国特許第7601818号明細書、米国特許第7795413号明細書、米国特許出願公開第20090155274号明細書、米国特許出願公開第20110040076号明細書(NGF)、米国特許第7579186号明細書(TGF−βII型受容体)、米国特許第7541438号明細書(結合組織増殖因子)、米国特許第7438910号明細書(IL1−R1)、米国特許第7423128号明細書(プロパージン)、米国特許第7411057号明細書、米国特許第7824679号明細書、米国特許第7109003号明細書、米国特許第6682736号明細書、米国特許第7132281号明細書及び米国特許第7807797号明細書(CTLA−4)、米国特許第7084257号明細書、米国特許第7790859号明細書、米国特許第7335743号明細書、米国特許第7084257号明細書及び米国特許出願公開第20110045537号明細書(インターフェロン−ガンマ)、米国特許第7932372号明細書(MAdCAM)、米国特許第7906625号明細書、米国特許出願公開第20080292639号明細書及び米国特許出願公開第20110044986号明細書(アミロイド)、米国特許第7815907号明細書及び米国特許第7700742号明細書(インスリン様増殖因子I)、米国特許第7566772号明細書及び米国特許第7964193号明細書(インターロイキン−1β)、米国特許第7563442号明細書、米国特許第7288251号明細書、米国特許第7338660号明細書、米国特許第7626012号明細書、米国特許第7618633号明細書及び米国特許出願公開第20100098694号明細書(CD40)、米国特許第7498420号明細書(c−Met)、米国特許第7326414号明細書、米国特許第7592430号明細書及び米国特許第7728113号明細書(M−CSF)、米国特許第6924360号明細書、米国特許第7067131号明細書及び米国特許第7090844号明細書(MUC18)、米国特許第6235883号明細書、米国特許第7807798号明細書及び米国特許出願公開第20100305307号明細書(上皮増殖因子受容体)、米国特許第6716587号明細書、米国特許第7872113号明細書、米国特許第7465450号明細書、米国特許第7186809号明細書、米国特許第7317090号明細書及び米国特許第7638606号明細書(インターロイキン−4受容体)、米国特許出願公開第20110135657号明細書(ベータ−KLOTHO)、米国特許第7887799号明細書及び米国特許第7879323号明細書(繊維芽細胞増殖因子様ポリペプチド)、米国特許第7867494号明細書(IgE)、米国特許出願公開第20100254975号明細書(アルファ−4ベータ−7)、米国特許出願公開第20100197005号明細書及び米国特許第7537762号明細書(アクチビン受容体様キナーゼ1)、米国特許第7585500号明細書及び米国特許出願公開第20100047253号明細書(IL−13)、米国特許出願公開第20090263383号明細書及び米国特許第7449555号明細書(CD148)、米国特許出願公開第20090234106号明細書(アクチビンA)、米国特許出願公開第20090226447号明細書(アンジオポエチン−1及びアンジオポエチン−2)、米国特許出願公開第20090191212号明細書(アンジオポエチン−2)、米国特許出願公開第20090155164号明細書(C−FMS)、米国特許第7537762号明細書(アクチビン受容体様キナーゼ−1)、米国特許第7371381号明細書(ガラニン)、米国特許出願公開第20070196376号明細書(インスリン様増殖因子)、米国特許第7267960号明細書及び米国特許第7741115号明細書(LDCAM)、米国特許第7265212号明細書(CD45RB)、米国特許第7709611号明細書、米国特許出願公開第20060127393号明細書及び米国特許出願公開第20100040619号明細書(DKK1)、米国特許第7807795号明細書、米国特許出願公開第20030103978号明細書及び米国特許第7923008号明細書(オステオプロテジェリン)、米国特許出願公開第20090208489号明細書(OV064)、米国特許出願公開第20080286284号明細書(PSMA)、米国特許第7888482号明細書、米国特許出願公開第20110165171号明細書及び米国特許出願公開第20110059063号明細書(PAR2)、米国特許出願公開第20110150888号明細書(ヘプシジン)、米国特許第7939640号明細書(B7L−1)、米国特許第7915391号明細書(c−Kit)、米国特許第7807796号明細書、米国特許第7193058号明細書及び米国特許第7427669号明細書(ULBP)、米国特許第7786271号明細書、米国特許第7304144号明細書及び米国特許出願公開第20090238823号明細書(TSLP)、米国特許第7767793号明細書(SIGIRR)、米国特許第7705130号明細書(HER−3)、米国特許第7704501号明細書(アタキシン−1様ポリペプチド)、米国特許第7695948号明細書及び米国特許第7199224号明細書(TNF−α変換酵素)、米国特許出願公開第20090234106号(アクチビンA)、米国特許出願公開第20090214559号明細書及び米国特許第7438910号明細書(IL1−R1)、米国特許第7579186号明細書(TGF−βII型受容体)、米国特許第7569387号明細書(TNF受容体様分子)、米国特許第7541438号明細書(結合組織増殖因子)、米国特許第7521048号明細書(TRAIL受容体−2)、米国特許第6319499号明細書、米国特許第7081523号明細書及び米国特許出願公開第20080182976号(エリスロポエチン受容体)、米国特許出願公開第20080166352号明細書及び米国特許第7435796号明細書(B7RP1)、米国特許第7423128号明細書(プロパージン)、米国特許第7422742号明細書及び米国特許第7141653号明細書(インターロイキン−5)、米国特許第6740522号明細書及び米国特許第7411050号明細書(RANKL)、米国特許第7378091号明細書(炭酸脱水酵素IX(CA IX)腫瘍抗原)、米国特許第7318925号明細書及び米国特許第7288253号明細書(副甲状腺ホルモン)、米国特許第7285269号明細書(TNF)、米国特許第6692740号明細書及び米国特許第7270817号明細書(ACPL)、米国特許第7202343号明細書(単球走化性因子タンパク質−1)、米国特許第7144731号明細書(SCF)、米国特許第6355779号明細書及び米国特許第7138500号明細書(4−1BB)、米国特許第7135174号明細書(PDGFD)、米国特許第6630143号明細書及び米国特許第7045128号明細書(Flt−3リガンド)、米国特許第6849450号明細書(メタロプロテイナーゼ阻害剤)、米国特許第6596852号明細書(LERK−5)、米国特許第6232447号明細書(LERK−6)、米国特許第6500429号明細書(脳由来神経栄養因子)、米国特許第6184359号明細書(上皮由来T細胞因子)、米国特許第6143874号明細書(神経栄養因子NNT−1)、米国特許出願公開第20110027287号明細書(プロタンパク質転換酵素サブチリシン・ケキシン9型(PCSK9))、米国特許出願公開第20110014201号明細書(IL−18受容体)及び米国特許出願公開第20090155164号(C−FMS)に記載のもののうち1つである。上記の特許及び公開特許出願は、可変ドメインポリペプチド、可変ドメインをコードする核酸、宿主細胞、ベクター、前記の可変ドメインをコードするポリペプチドを作製する方法、医薬組成物及び可変ドメイン含有抗原結合タンパク質又は抗体の個々の標的に付随する疾患を処置する方法のそれらの開示の目的のために、それらの全体において参照により本明細書中に組み込まれる。
代表的な実施形態において、抗体は、ムロモナブ−CD3(商品名Orthoclone Okt3(登録商標)で市販される製品)、アブシキシマブ(商品名Reopro(登録商標)で市販される製品)、リツキシマブ(商品名MabThera(登録商標)、Rituxan(登録商標)で市販される製品)、バシリキシマブ(商品名Simulect(登録商標)で市販される製品)、ダクリズマブ(商品名Zenapax(登録商標)で市販される製品)、パリビズマブ(商品名Synagis(登録商標)で市販される製品)、インフリキシマブ(商品名Remicade(登録商標)で市販される製品)、トラスツズマブ(商品名Herceptin(登録商標)で市販される製品)、アレムツズマブ(商品名MabCampath(登録商標)、Campath−1H(登録商標)で市販される製品)、アダリムマブ(商品名Humira(登録商標)で市販される製品)、トシツモマブ−I131(商品名Bexxar(登録商標)で市販される製品)、エファリズマブ(商品名Raptiva(登録商標)で市販される製品)、セツキシマブ(商品名Erbitux(登録商標)で市販される製品)、イブリツモマブ・チウキセタン(商品名Zevalin(登録商標)で市販される製品)、オマリズマブ(商品名Xolair(登録商標)で市販される製品)、ベバシズマブ(商品名Avastin(登録商標)で市販される製品)、ナタリズマブ(商品名Tysabri(登録商標)で市販される製品)、ラニビズマブ(商品名Lucentis(登録商標)で市販される製品)、パニツムマブ(商品名Vectibix(登録商標)で市販される製品)、エクリズマブ(商品名Soliris(登録商標)で市販される製品)、セルトリズマブ・ペゴル(商品名Cimzia(登録商標)で市販される製品)、ゴリムマブ(商品名Simponi(登録商標)で市販される製品)、カナキヌマブ(商品名Ilaris(登録商標)で市販される製品)、カツマキソマブ(商品名Removab(登録商標)で市販される製品)、ウステキヌマブ(商品名Stelara(登録商標)で市販される製品)、トシリズマブ(商品名RoActemra(登録商標)、Actemra(登録商標)で市販される製品)、オファツムマブ(商品名Arzerra(登録商標)で市販される製品)、デノスマブ(商品名Prolia(登録商標)で市販される製品)、ベリムマブ(商品名Benlysta(登録商標)で市販される製品)、ラキシバクマブ、イピリムマブ(商品名Yervoy(登録商標)で市販される製品)及びペルツズマブ(商品名Perjeta(登録商標)で市販される製品)のうち1つである。代表的な実施形態において、本抗体は、抗TNFアルファ抗体、例えばアダリムマブ、インフリキシマブ、エタネルセプト、ゴリムマブ及びセルトリズマブ・ペゴルなど;抗IL1.ベータ抗体、例えばカナキヌマブなど;抗IL12/23(p40)抗体、例えばウステキヌマブ及びブリアキヌマブなど;及び抗IL2R抗体、例えばダクリズマブなどのうち1つである。適切な抗癌抗体の例としては、抗BAFF抗体、例えばベリムマブなど;抗CD20抗体、例えばリツキシマブなど;抗CD22抗体、例えばエプラツズマブなど;抗CD25抗体、例えばダクリズマブなど;抗CD30抗体、例えばイラツムマブなど、抗CD33抗体、例えばゲムツズマブなど、抗CD52抗体、例えばアレムツズマブなど;抗CD152抗体、例えばイピリムマブなど;抗EGFR抗体、例えばセツキシマブなど;抗HER2抗体、例えばトラスツズマブ及びペルツズマブなど;抗IL6抗体、例えばシルツキシマブなど;及び抗VEGF抗体、例えばベバシズマブなど;抗IL6受容体抗体、例えばトシリズマブなどが挙げられるが限定されない。
細胞
本発明は、グリコシル化適格細胞による産生中にタンパク質の異なるグリコシル化形態のレベルを調整する方法に関する。代表的な態様において、グリコシル化適格細胞は、酵母細胞、糸状菌細胞、原生生物細胞、藻類細胞、昆虫細胞又は哺乳動物細胞を含むが限定されない真核細胞である。このような宿主細胞は、当技術分野で記載されている。例えばFrenzel,et al.,Front Immunol 4:217(2013)を参照。代表的な態様において、真核細胞は哺乳動物細胞である。代表的な態様において、哺乳動物細胞は非ヒト哺乳動物細胞である。いくつかの態様において、細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞及びその誘導体(例えばCHO−K1、CHO pro−3)、マウス骨髄腫細胞(例えばNS0、GS−NS0、Sp2/0)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)活性を欠くように操作された細胞(例えばDUKX−X11、DG44)、ヒト胚性腎臓293(HEK293)細胞又はその誘導体(例えばHEK293T、HEK293−EBNA)、アフリカミドリザル腎臓細胞(例えばCOS細胞、VERO細胞)、ヒト子宮頸癌細胞(例えばHeLa)、ヒト骨の骨肉腫上皮細胞U2−OS、腺癌ヒト肺胞基底上皮細胞A549、ヒト線維肉腫細胞HT1080、マウス脳腫瘍細胞CAD、胚性癌腫細胞P19、マウス胚性繊維芽細胞NIH 3T3、マウス繊維芽細胞L929、マウス神経芽腫細胞N2a、ヒト乳癌細胞MCF−7、網膜芽腫細胞Y79、ヒト網膜芽腫細胞SO−Rb50、ヒト肝臓癌細胞Hep G2、マウスB骨髄腫細胞J558L又は新生児ハムスター腎臓(BHK)細胞(Gaillet et al.,2007;Khan,Adv Pharm Bull 3(2):257−263(2013))である。
代表的な態様において、グリコシル化適格細胞は真核細胞である。代表的な態様において、真核細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの態様において、哺乳動物細胞は非ヒト哺乳動物細胞である。代表的な態様において、非ヒト哺乳動物細胞は、CHO細胞、CHO誘導体(例えばCHO−K1、CHO pro−3)、マウス骨髄腫細胞(例えばNS0、GS−NS0、Sp2/0)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)活性を欠くように操作された細胞(例えばDUKX−X11、DG44)、アフリカミドリザル腎臓細胞(例えばCOS細胞、VERO細胞)、マウス脳腫瘍細胞CAD、マウス胚繊維芽細胞NIH3T3、マウス繊維芽細胞L929、マウス神経芽腫細胞N2a、ヒト乳癌細胞MCF−7、網膜芽腫細胞Y79、ヒト網膜芽腫細胞SO−Rb50、ヒト肝臓癌細胞HepG2、マウスB骨髄腫細胞J558L又は新生児ハムスター腎臓(BHK)細胞からなる群から選択される。グリコシル化に適格ではない細胞も、例えばグリコシル化に必要な関連酵素をコードする遺伝子をそれらに遺伝子移入することによって、グリコシル化適格細胞に形質転換し得る。代表的な酵素としては、オリゴサッカリルトランスフェラーゼ、グリコシダーゼ、グルコシダーゼI、グルコシデアーゼ(glucosidease)II、カルネキシン/カルレティキュリン、グリコシルトランスフェラーゼ、マンノシダーゼ、GlcNAcトランスフェラーゼ、ガラクトシルトランスフェラーゼ及びシアリルトランスフェラーゼが挙げられるが限定されない。
組成物を調製する方法
本発明はまた、細胞培養において細胞により産生されるタンパク質のTAFグリコフォームを含む組成物を調製する方法も提供する。代表的な実施形態において、本方法は、(i)本明細書中に記載のように初期細胞培養期間にわたり初期pHで細胞培養を維持すること及び任意選択により(ii)細胞培養を拡大すること及び(iii)細胞により産生されるタンパク質を含む細胞培養の上清を回収することを含む。代表的な態様において、本方法は、細胞培養において細胞により産生されるタンパク質のTAFグリコフォームのレベルを調整する(上昇させるか又は低下させる)本発明の方法に関して本明細書中に記載の段階の何れか1つを含み得る。
本方法は、細胞培養又はその上清からタンパク質を精製する、及び好ましくは精製タンパク質を回収するための1つ以上の段階を含み得る。代表的な態様において、本方法は、1つ以上のクロマトグラフィー段階、例えばアフィニティークロマトグラフィー(例えばプロテインAアフィニティークロマトグラフィー)、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィーを含む。代表的な態様において、本方法は、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー樹脂を用いてタンパク質を精製することを含む。
代表的な実施形態において、本方法は、精製タンパク質などを処方し、それにより精製タンパク質を含む処方物を得るための段階をさらに含む。このような段階は、Formulation and Process Development Strategies for Manufacturing,eds.Jameel and Hershenson,John Wiley&Sons,Inc.(Hoboken,NJ),2010に記載されている。
本方法は、細胞培養段階前に1つ以上の上流段階も含み得る。代表的な実施形態において、本方法は、本タンパク質を発現する宿主細胞を作製するための段階を含む。例えば、本方法は、一部の例において、本タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸を含むベクターを宿主細胞に導入することを含む。
組成物
タンパク質のTAFグリコフォームを含む組成物が本明細書中で提供される。代表的な実施形態において、本組成物は、本明細書中に記載の、細胞培養において細胞により産生されるタンパク質のTAFグリコフォームを含む組成物を調製する本発明の方法により調製される。代表的な態様において、本組成物中のタンパク質の少なくとも約10%がTAFグリコフォームである。代表的な態様において、本組成物中のタンパク質の少なくとも約20%がTAFグリコフォームである。代表的な態様において、本組成物中のタンパク質の少なくとも約30%がTAFグリコフォームである。代表的な態様において、本組成物中のタンパク質の少なくとも約40%がTAFグリコフォームである。代表的な態様において、本組成物中のタンパク質の少なくとも約50%がTAFグリコフォームである。代表的な態様において、本組成物中のタンパク質の少なくとも約60%がTAFグリコフォームである。代表的な態様において、本組成物中のタンパク質の少なくとも約70%がTAFグリコフォームである。代表的な態様において、本組成物中のタンパク質の少なくとも約80%がTAFグリコフォームである。代表的な態様において、本組成物中のタンパク質の少なくとも約90%がTAFグリコフォームである。代表的な態様において、本組成物中のタンパク質の約90%超又は約95%超がTAFグリコフォームである。
代表的な態様において、本発明の組成物は、約10%以上のTAFグリコフォームであるグリコフォームプロファイルを有する。代表的な態様において、本発明の組成物は、約20%以上のTAFグリコフォームであるグリコフォームプロファイルを有する。代表的な態様において、本発明の組成物は、約30%以上のTAFグリコフォームであるグリコフォームプロファイルを有する。代表的な態様において、本発明の組成物は、約40%以上のTAFグリコフォームであるグリコフォームプロファイルを有する。代表的な態様において、本発明の組成物は、約50%以上のTAFグリコフォームであるグリコフォームプロファイルを有する。代表的な態様において、本発明の組成物は、約60%以上のTAFグリコフォームであるグリコフォームプロファイルを有する。代表的な態様において、本発明の組成物は、約70%以上のTAFグリコフォームであるグリコフォームプロファイルを有する。代表的な態様において、本発明の組成物は、約80%以上のTAFグリコフォームであるグリコフォームプロファイルを有する。代表的な態様において、本発明の組成物は、約90%以上のTAFグリコフォームであるグリコフォームプロファイルを有する。代表的な態様において、本発明の組成物は、約95%以上のTAFグリコフォームであるグリコフォームプロファイルを有する。
本発明の組成物は、代表的な態様において医薬組成物である。代表的な態様において、本医薬組成物は、薬学的に許容可能な担体を含む。本明細書中で使用される場合、「薬学的に許容可能な担体」という用語は、標準的な医薬担体、例えばリン酸緩衝食塩水溶液、水、油/水又は水/油エマルションなどのエマルション及び様々なタイプの湿潤剤の何れかを含む。この用語は、米国連邦政府の規制当局により承認されるか又はヒトを含む動物での使用に対する米国薬局方で列挙される薬剤の何れかも包含する。
本医薬組成物は、例えば酸性化剤、添加物、吸着剤、エアロゾル噴霧剤、エア・ディスプレースメント剤(air displacement agent)、アルカリ化剤、凝固阻止剤、抗凝固剤、抗菌保存剤、抗酸化剤、消毒薬、基剤、結合剤、緩衝剤、キレート剤、コーティング剤、着色剤、乾燥剤、界面活性剤、希釈剤、消毒剤、崩壊剤、分散剤、溶解促進剤、色素、皮膚軟化剤、乳化剤、エマルション安定化剤、注入剤、フィルム形成剤、調味料、香味剤、流動促進剤、ゲル化剤、造粒剤、保湿剤、滑沢剤、粘膜付着剤、軟膏基剤、軟膏、油性ビヒクル、有機基剤、トローチ基剤、顔料、可塑剤、光沢剤、保存剤、金属イオン封鎖剤、皮膚浸透剤、可溶化剤、溶媒、安定化剤、坐薬基剤、表面活性剤、界面活性剤、懸濁化剤、甘味料、治療剤、増粘剤、等張化剤、毒性剤、粘性増加剤、水分吸収剤、水混和共溶媒、軟水化剤又は湿潤剤を含む、何らかの薬学的に許容可能な成分を含み得る。例えば、その全体において参照により組み込まれる、Handbook of Pharmaceutical Excipients,Third Edition,A.H.Kibbe(Pharmaceutical Press,London,UK,2000)を参照。その全体において参照により組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences,Sixteenth Edition,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1980)を参照。
代表的な態様において、本医薬組成物は、使用される投与量及び濃度で受容者にとって無毒性の処方物質を含む。具体的な実施形態において、医薬組成物は、治療的有効量のタンパク質のTAFグリコフォーム及び1つ以上の薬学的に許容可能な塩;ポリオール;界面活性剤;浸透圧バランス剤;等張化剤;抗酸化剤;抗生物質;抗真菌剤;充填剤;凍結乾燥保護剤;消泡剤;キレート剤;保存剤;着色剤;鎮痛剤;又はさらなる医薬品を含む。代表的な態様において、本医薬組成物は、任意選択により、薬学的に許容可能な塩;浸透圧バランス剤(等張化剤);抗酸化剤;抗生物質;抗真菌剤;充填剤;凍結乾燥保護剤;消泡剤;キレート剤;保存剤;着色剤;及び鎮痛剤を含むが限定されない1つ以上の賦形剤に加えて、1つ以上のポリオール及び/又は1つ以上の界面活性剤を含む。
ある一定の実施形態において、本医薬組成物は、例えば本組成物の、pH、浸透圧、粘度、透明度、色、等張性、匂い、無菌性、安定性、溶解又は放出速度、吸着又は浸透性を変化させる、維持する、又は保つために処方材料を含有し得る。このような実施形態において、適切な処方材料としては、アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン又はリジンなど);抗菌剤;抗酸化剤(アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム又は亜硫酸水素ナトリウムなど);緩衝液(ホウ酸、重炭酸、Tris−HCl、クエン酸、リン酸又は他の有機酸など);充填剤(マンニトール又はグリシンなど);キレート剤(エチレンジアミン四酢酸(EDTA)など);錯化剤(カフェイン、ポリビニルピロリドン、ベータ−シクロデキストリン又はヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリンなど);注入剤;単糖類;二糖類;及び他の炭水化物(グルコース、マンノース又はデキストリンなど);タンパク質(血清アルブミン、ゼラチン又は免疫グロブリンなど);着色剤、香味剤及び希釈剤;乳化剤;親水性ポリマー(ポリビニルピロリドンなど);低分子量ポリペプチド;塩形成対イオン(ナトリウムなど);保存剤(ビクンザルコニウムクロリド(bcnzalkonium chloride)、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸又は過酸化水素など);溶媒(グリセリン、プロピレングリコール又はポリエチレングリコールなど);糖アルコール(マンニトール又はソルビトールなど);懸濁化剤;界面活性剤又は湿潤剤(プルロニック、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート20などのポリソルベート、ポリソルバトク(polysorbatc)、トリトン、トロメタミン、レシチン、コレステロール、チロキサパル(tyloxapal));安定化促進剤(スクロース又はソルビトールなど);等張性促進剤(アルカリ金属ハロゲン化物など、好ましくは塩化ナトリウム又は塩化カリウム、マンニトールソルビトール);送達ビヒクル;希釈剤;賦形剤及び/又は医薬アジュバントが挙げられるが限定されない。REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES,18”Edition,(A.R.Genrmo,ed.),1990,Mack Publishing Companyを参照。
本医薬組成物は、生理学的に適合するpHを達成するために処方され得る。いくつかの実施形態において、本医薬組成物のpHは、例えば約4又は約5〜約8.0又は約4.5〜約7.5又は約5.0〜約7.5であり得る。代表的な実施形態において、本医薬組成物のpHは5.5〜7.5である。
次の実施例は本発明を単に例示するために与えるものであり、その範囲を制限するものではない。
実施例1
この実施例は、初期細胞培養pHが細胞培養において細胞により産生される組み換えグリコシル化タンパク質の特定のグリコフォームのレベルを調整すること、及び初期細胞培養期間後になされるpHの変化は何れもグリコフォームレベルに対して殆ど影響がないことを明らかにする。
材料及び方法
細胞株、細胞培養及び培地
アイソタイプIgG1の組み換え抗体を発現するCHO細胞株の細胞を1Lの作業体積で3Lエーレンマイヤー振盪フラスコ(Corning Life Sciences,Lowell,MA)中で維持した。36℃及び5%COの標準的な加湿条件下で細胞を培養し、自動COインキュベーター(Thermo Fisher Scientific,Waltham,MA)中で70rpmで振盪した。3日おきに、様々な濃度のメトトレキサート(MTX)を含有する培養培地中で全細胞を継代培養し、移し、接種し、4日間、培養培地中で培養し、その後バイオリアクターに接種した。この試験での対照培地として細胞培養産生培地を使用した。細胞培養培地の成分には、増殖因子、アミノ酸、緩衝液、栄養素、微量元素、ビタミン、界面活性剤、塩、ヌクレオチド、ホルモン、脂質及び他の有機化合物が含まれる。
バイオリアクター灌流工程
バッチ工程又は灌流工程により、標準な温度及び溶解酸素条件で培養を行う。
細胞増殖、代謝産物及び抗体タイター分析
Nova CDV(Nova Biomedical,Waltham,MA)を使用して生存可能細胞密度及び生存能を決定した。バイオリアクター試料に対して、グルコース、乳酸、アンモニア、グルタミン、グルタメートを含む代謝産物は、Nova Flex(Nova Biomedical,Waltham,MA)から得た。
親水性相互作用液体クロマトグラフィー(HILIC)グリカンマップ
HILICを使用して、酵素的に放出されるN結合型グリカンのグリカンマップを決定した。簡潔に述べると、〜37℃で〜2時間、PNGase F及びリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)を含む溶液とともにグリカンを温置した。次に、2−アミノ安息香酸(2−AA)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウムを含む標識溶液をPNGase Fで処理したグリカンに添加し、〜80℃で約75分間、混合物を温置した。温置後、沈殿タンパク質のペレットを得るために、混合物を遠心分離した。上清を回収し、バイアルに入れた。
蛍光検出器に基づきHILICによりグリカンを分離した:グリカンを注入し、高有機条件でカラムに結合させ(移動相A及び移動相Bはそれぞれギ酸アンモニウム及びアセトニトリルであった)、次いで水性ギ酸アンモニウム緩衝液の勾配を漸増させて溶出させた。1.7μm小粒子カラム方式及び150mmカラム長を使用して、高分解能が達成された。カラム再平衡化を含む総運転時間は155分間であった。
実験の設計
3種類の初期設定pH値:6.85、6.95又は7.1のうち1つでIgG1抗体を産生するCHO細胞の群を培養した。接種後最初の6日間、pHを維持した(第0日で接種を行った)。細胞の少なくとも2群に対して、第6日前後にpHをシフトさせた。細胞の1つの群のpHを6.85から6.95にシフトさせ、少なくとも1つの他の群のpHを7.1から6.95にシフトさせた。細胞の少なくとも3つの群に対して、pHをシフトさせず、pHを6.85、6.95又は7.10に維持した。
全部で12日間、細胞を培養した。12日間の培養期間を通じて生存可能細胞密度(VCD)を測定したが、その結果を表1で示す。
Figure 2020513813
細胞培養第4日から数日後、TAFレベル、高マンノース(HM)グリカンレベル及び非フコシル化(AF)グリカンレベルを測定したが、観察した結果及び予想されるモデル結果を表2で示す。
Figure 2020513813
予想外に、初期pHはTAFレベルと正の関連があった(図3)。pHが上昇するにつれて、TAFレベルも上昇した。図4で示されるように、7.1のpHで維持するか又は7.1で維持し、次いで第6日前後に6.95にシフトさせた細胞培養のTAFレベルは、より低いpH、6.95又は6.85で維持した他の群のTAFレベルよりも高かった。およそ2倍以上の上昇が観察された。また、図4で示されるように、6.85のpHで維持するか、又は6.85のpHで維持し、次いで6.95にシフトさせた細胞培養のTAFレベルは、より高いpH6.95及び7.1で維持した他の群のTAFレベルよりも低かった。
これらの結果の統計学的分析を行った。図5は、細胞培養期間、第0〜6日、第6〜9日、第9〜12日及び第12日中のTAFに対する初期設定pH値の様々な相関を示す。各期間でのTAFに対する初期pHの相関は強かった。図6で示されるように、TAF(初期細胞培養期間後のTAFレベル)に対する最終pH(初期細胞培養期間後のpH)の相関は弱い。
最終pH(初期細胞培養期間後のpH)の効果を評価した。細胞の2群を12日間培養した。両群に対して、細胞培養の最初の5日間、6.95のpHで細胞を培養した。続く数日間、群1をこのpHで維持した一方で、群2のpHを第5日〜第9日にわたり、6.85にシフトさせ、次いで第9日〜第12日に7.1にシフトさせた。図7で示されるように、両群は非常に類似したTAFレベルを示した。これらの結果から、第5日の後のpHの調整はTAFレベルに影響しないことが示唆される。
この実施例は、TAFのレベルに対する、初期細胞培養期間中のpHの影響を示す。
実施例2
この実施例は、初期細胞培養期間中の細胞培養pHがTAFのレベルにどのように影響するかということの別の例を提供する。
組み換えIgG4抗体を細胞が発現したことを除いて、基本的に実施例1に記載のように、灌流工程によるバイオリアクター中での細胞培養を行った。培養の作業体積は1.5Lであり、培養の持続時間は15日間であった。初期温度は36℃又は37℃の何れかであり、初期pHは6.65〜6.9の範囲であった。第5日の後(第5日〜第8日)に34から36℃の温度に温度をシフトさせた。表3は、この試験の様々な実験条件を概説する。
Figure 2020513813
実施例1に記載のように、HM及び非フコシル化グリコフォームのレベルを測定した。2つのレベルの合計を計算し、総非フコシル化グリコフォームとして標識した。HMの範囲は1.4〜2.6%であり、非フコシル化グリコフォームは0.7〜1.6であった。TAFレベルの範囲は2.1〜3.9であった。図8で示されるように、pH及び最終温度の両方がTAFに影響を与えた。pHは正の相関を示し、最終温度は負の相関を示した。
実施例3
この実施例は、初期細胞培養期間の初期pHの効果がTAFレベルに対してあり、初期細胞培養期間後のpHシフトの効果がTAFレベルに対してあることを示す。
基本的に実施例1に記載のとおり、灌流工程後、バイオリアクター中でIgG1抗体を発現する細胞を培養した。全部で12日間、細胞を培養し、約36℃の温度で維持した。3種類の初期設定pH値(6.85、6.95又は7.05)のうち1つで細胞を培養し、初期細胞培養期間中(第1日)、又は初期細胞培養期間後(第5日)に、pHをシフト(上昇又は低下の何れか)させた。群Aの細胞は7.05の初期設定pH値で培養し、群Bの細胞は6.85の初期設定pH値で培養し、一方、群Cの細胞は6.95の初期設定pH値で培養した。群Aの細胞を2つのサブグループ:サブグループA1及びサブグループA2に分けた。サブグループA1の細胞は、7.05の初期設定pH値で培養し、初期細胞培養期間中(第1日)にpHを6.95にシフトさせ、一方でサブグループA2の細胞は、7.05の初期設定pH値で培養し、初期細胞培養期間後(第5日)にpHを6.95にシフトさせた。群Bの細胞に対しては初期細胞培養期間後(第5日)に6.95にpHを上昇させ、群Cの細胞に対しては、初期細胞培養期間後(第5日)にpHを6.85に低下させた。一連の対照培養において、pHを6.95に設定して、培養期間の全期間にわたり維持した(すなわちpHシフトなし)。
12日間の培養期間後、HILICを介して、基本的に実施例1に記載のように、群のそれぞれにより産生されるIgG1抗体のTAFグリコフォームを測定した。対照培養により産生される抗体の%TAFは約3.1%〜約4.14%の範囲であった。対照培養により産生される抗体と比較して、群Aにより産生される抗体の平均%TAFはより高く、一方で群Bにより産生される抗体の平均%TAFはより低かった。より高い初期pHはより高い%TAFと相関し、より低い初期pHはより低い%TAFと相関した。
興味深いことに、サブグループA2の細胞により産生されるIgG1抗体の%TAFはサブグループA2により産生される抗体のTAFと非常に類似しており、このことから、初期細胞培養期間後のpHシフトがTAFレベルに影響を与えなかったことが示唆される。この観察は、群Cの細胞により産生される抗体のTAFレベルが対照細胞培養のTAFレベルと非常に類似していたという観察によってさらに裏付けられた。群Cの細胞が下向きのpHシフトに供されたにもかかわらず、TAFは対照培養とほぼ同じであったが、それは、シフトが初期細胞培養期間後(第5日)に行われたからである。
この実施例は、初期細胞培養期間後に起こるpHシフトは、TAFレベルに顕著に影響を与えず、より高い設定pH値がより高いTAFレベルに傾き、一方でより低い設定pH値はより低いTAFレベルに傾くことを明らかにした。
本明細書中で引用される、刊行物、特許出願及び特許を含む参考文献は全て、各参考文献が、参照により組み込まれ、本明細書中でその全体において示された場合と同程度まで、参照により本明細書によって組み込まれる。
「a」及び「an」及び「the」という用語の使用及び本開示を記載する内容における類似の言及(特に、次の特許請求の範囲の内容において)は、本明細書中で別段の断りがない限り、又は内容と明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含するものと解釈されたい。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含有する(containing)」という用語は、別段の記載がない限り、制約のない用語として解釈されたい(すなわち「含むが限定されない」を意味する)。
本明細書中の値の範囲の引用は、単に、本明細書中で別段の断りがない限り、範囲及び各エンドポイント内に入る各個別の値を個々に指す省略法となるものであり、各個別の値及びエンドポイントは、それが個々に本明細書中で引用されるかのように、本明細書中に組み込まれる。
本明細書中に記載の方法は全て、本明細書中で別段の指示がない限り、又は内容と明らかに矛盾しない限り、何らかの適切な順序で行われ得る。本明細書中で提供されるあらゆる例又は代表的な語(例えば「など(such as)」)の使用は、本開示を単により詳細に明らかにするものであり、別段の主張がない限り、本開示の範囲における制限を提起しない。本願の言語のうち、本開示の実施に必須なものとして何らかの非主張要素を示すものとして解釈されるべきものはない。
本開示の好ましい実施形態は、本開示を実施するための発明者らにとって公知の最良の形態を含め、本明細書中に記載される。前述の記載を読めば、これらの好ましい実施形態の変種が当業者に明らかになり得る。発明者らは、当業者が、必要に応じてこのような変種を使用することを予期し、発明者らは、本開示が、具体的に本明細書中に記載のもの以外にまた実施されるはずであることを意図する。したがって、この開示は、適用可能な法律により許容される場合、本明細書に添付される特許請求の範囲で示される主題の全ての変更物及び同等物を含む。さらに、本明細書中で別段の指示がない限り、又は内容と明らかに矛盾しない限り、その全ての可能な変形物の上記の要素の何らかの組み合わせが本開示により包含される。

Claims (66)

  1. 細胞培養においてグリコシル化適格細胞により産生される組み換えグリコシル化タンパク質の総非フコシル化(TAF)グリコフォームのレベルを調整する方法であって、(i)初期細胞培養期間にわたり初期設定pH値で前記細胞培養を維持し、(ii)前記初期細胞培養期間後に前記細胞培養を前記初期設定pH値で維持することを停止することを含み、前記初期pHが約6.50より高く、7.5未満であるpHから選択され、前記初期細胞培養期間が約4日〜約6日間である、方法。
  2. 細胞培養においてグリコシル化適格細胞により産生される組み換えグリコシル化タンパク質の総非フコシル化(TAF)グリコフォームのレベルを調整する方法であって、初期細胞培養期間にわたり初期設定pH値で前記細胞培養を維持することを含み、前記初期細胞培養期間が、前記細胞培養が約6.5x10個細胞/mL以下である生存可能細胞密度(VCD)を有する接種後の時間であり、前記初期設定pH値が約6.50より高く、7.5未満である、方法。
  3. グリコシル化タンパク質及びその総非フコシル化(TAF)グリコフォームを含む組成物であって、前記グリコシル化タンパク質及びそのTAFグリコフォームが、細胞培養においてグリコシル化適格細胞により産生され、前記細胞培養が、初期細胞培養期間にわたり初期設定pH値で維持され、前記初期pHが約6.5より高く、7.5未満であり、前記初期細胞培養期間が約4日〜約6日間又は前記細胞培養が約6.5x10個細胞/mL以下である生存可能細胞密度(VCD)を有する接種後の時間である、組成物。
  4. 前記細胞培養が約6.9x10〜約8.2x10のVCDに到達するまで前記初期設定pH値で前記細胞培養を維持することを含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記細胞培養が約8.2x10〜約1.94x10のVCDに到達するまで前記初期設定pH値で前記細胞培養を維持することを含む、請求項2に記載の方法。
  6. 前記細胞培養が約1.21x10〜約3.46x10のVCDに到達するまで前記初期設定pH値で前記細胞培養を維持することを含む、請求項2に記載の方法。
  7. 前記初期細胞培養期間が約4日〜約6日間である、請求項2及び4〜6の何れか1項に記載の方法。
  8. 約4日間又は約5日間にわたり前記初期設定pH値で前記細胞培養を維持することを含む、請求項1、2及び4〜7の何れか1項に記載の方法。
  9. 前記初期設定pH値が約6.55より高く、7.2未満である、請求項1、2及び4〜8の何れか1項に記載の方法。
  10. 前記初期設定pH値が、約6.60より高く、7.2未満である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記初期設定pH値が、約6.65より高く、7.2未満である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記初期設定pH値が、約6.70より高く、7.2未満である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記初期設定pH値が、約6.75より高く、7.2未満である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記初期設定pH値が約6.80より高く、7.2未満である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記初期設定pH値が約6.85より高く、7.2未満である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記初期設定pH値が約7.0〜約7.1である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記初期設定pH値が約6.85以上であり、6.95未満である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記初期細胞培養期間中、初期温度で前記細胞培養を維持することをさらに含み、前記初期温度が30℃〜40℃の温度から選択される、請求項1、2及び4〜17の何れか1項に記載の方法。
  19. 前記初期細胞培養期間中、初期温度で前記細胞培養を維持することをさらに含み、前記初期温度が32℃〜38℃の温度から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 初期温度で前記細胞培養を維持することが、前記初期細胞培養期間中に前記初期温度の±1℃以内で前記細胞培養を維持することを含むか、又は前記細胞培養の温度が、前記初期細胞培養期間中、前記初期温度から1℃を超えてシフトしない、請求項19に記載の方法。
  21. 前記初期設定pH値が、対照細胞培養の対照pHより高く、前記対照細胞培養と比較して、前記初期細胞培養期間後の前記組み換えグリコシル化タンパク質のTAFグリコフォームのレベルが上昇する、請求項1、2及び4〜20の何れか1項に記載の方法。
  22. 前記初期細胞培養期間後の前記組み換えグリコシル化タンパク質の高マンノース(HM)グリコフォームのレベルが、前記対照細胞培養と比較して上昇する、請求項21に記載の方法。
  23. 前記初期細胞培養期間後の前記組み換えグリコシル化タンパク質のMan5、Man6、Man7、Man8及び/又はMan9のうち1つ以上のレベルが、前記対照細胞培養と比較して上昇する、請求項22に記載の方法。
  24. 前記初期細胞培養期間後の前記組み換えグリコシル化タンパク質の非フコシル化グリコフォームのレベルが、前記対照細胞培養と比較して上昇する、請求項21〜23の何れか1項に記載の方法。
  25. 前記初期細胞培養期間後の前記組み換えグリコシル化タンパク質のA1G0、A2G0、A2G1a、A2G1b、A2G2及びA1G1M5のうち1つ以上のレベルが、前記対照細胞培養と比較して上昇する、請求項24に記載の方法。
  26. 前記初期pHが、対照細胞培養の対照pHよりも低く、前記初期細胞培養期間後の前記組み換えグリコシル化タンパク質のTAFグリコフォームのレベルが、前記対照細胞培養と比較して低下する、請求項1、2及び4〜25の何れか1項に記載の方法。
  27. 前記初期細胞培養期間後の前記組み換えグリコシル化タンパク質の高マンノース(HM)グリコフォームのレベルが、前記対照細胞培養と比較して低下する、請求項26に記載の方法。
  28. 前記初期細胞培養期間後の前記組み換えグリコシル化タンパク質のMan5、Man6、Man7、Man8及び/又はMan9のうち1つ以上のレベルが、前記対照細胞培養と比較して低下する、請求項27に記載の方法。
  29. 前記初期細胞培養期間後の前記組み換えグリコシル化タンパク質の非フコシル化グリコフォームのレベルが、前記対照細胞培養と比較して低下する、請求項26〜28の何れか1項に記載の方法。
  30. 前記初期細胞培養期間後の前記組み換えグリコシル化タンパク質のA1G0、A2G0、A2G1a、A2G1b、A2G2及びA1G1M5のうち1つ以上のレベルが、前記対照細胞培養と比較して低下する、請求項29に記載の方法。
  31. 前記初期細胞培養期間後に、前記初期設定pH値で前記細胞培養を維持することを停止し、0.05を超えて前記細胞培養のpHをシフトさせることを含む、請求項1、2及び4〜30の何れか1項に記載の方法。
  32. 前記初期細胞培養期間後に、前記pHを約0.05〜約2.0シフトさせる、請求項1、2及び4〜31の何れか1項に記載の方法。
  33. 前記初期細胞培養期間後に、約0.05を超えて前記pHをシフトさせることを含む、請求項1、2及び4〜32の何れか1項に記載の方法。
  34. 前記pHをシフトさせることが、前記pHを低下させることを含む、請求項33に記載の方法。
  35. 前記pHを約0.1〜約1.5低下させることを含む、請求項34に記載の方法。
  36. 前記pHを約0.15〜約1.0低下させることを含む、請求項35に記載の方法。
  37. 前記pHをシフトさせることが、前記pHを上昇させることを含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記pHを約0.1〜約1.5上昇させることを含む、請求項37に記載の方法。
  39. 前記pHを約0.15〜約1.0上昇させることを含む、請求項38に記載の方法。
  40. 前記初期細胞培養期間後に、前記初期温度での前記細胞培養の維持を停止し、前記温度を約2℃以上シフトさせることを容認することを含む、請求項1、2及び4〜39の何れか1項に記載の方法。
  41. 前記初期細胞培養期間後に、約2℃を超えて前記温度をシフトさせることが容認される、請求項1、2及び4〜40の何れか1項に記載の方法。
  42. 前記初期細胞培養期間後に、約2℃を超えて温度をシフトさせることを含む、請求項1、2及び4〜41の何れか1項に記載の方法。
  43. 前記温度のシフトが前記温度を低下させることを含む、請求項42に記載の方法。
  44. 前記温度を約2℃〜約4℃低下させることを含む、請求項43に記載の方法。
  45. 前記温度をシフトさせることが、前記温度を上昇させることを含む、請求項43に記載の方法。
  46. 前記温度を約2℃〜約4℃上昇させることを含む、請求項45に記載の方法。
  47. 前記初期細胞培養期間中に約1μM未満の濃度でマンガンを含む培地中で前記細胞培養を維持することを含む、請求項1、2及び4〜46の何れか1項に記載の方法。
  48. 前記初期細胞培養期間中に約30ppb以下の濃度で銅を含む培地中で前記細胞培養を維持することを含む、請求項1、2及び4〜47の何れか1項に記載の方法。
  49. 前記培地が、約5ppb以上の濃度で銅を含む、請求項48に記載の方法。
  50. 前記初期細胞培養期間中、約50mmHg〜約100mmHgの範囲内に前記細胞培養の溶解酸素(DO)レベルを維持することを含む、請求項1、2及び4〜49の何れか1項に記載の方法。
  51. 前記初期細胞培養期間中、約60mmHg〜約75mmHgの範囲内に前記細胞培養の溶解酸素(DO)レベルを維持することを含む、請求項50に記載の方法。
  52. 前記組み換えグリコシル化タンパク質が、式:
    Asn−Xaa−Xaa
    (式中、Xaaは、Pro以外の何れかのアミノ酸であり、XaaはSer又はThrである)の1つ以上のN−グリコシル化コンセンサス配列を含む、請求項1、2及び4〜51の何れか1項に記載の方法。
  53. 前記組み換えタンパク質が、N結合型グリコシル化部位を保持する断片結晶化可能(Fc)領域の一部を含む、請求項52に記載の方法。
  54. 前記Fc領域がIgGのFc領域である、請求項53に記載の方法。
  55. 前記Fc領域が、IgG1又はIgG4のFc領域である、請求項53に記載の方法。
  56. 前記組み換えタンパク質が、抗体、ペプチボディ又はFc融合タンパク質である、請求項52〜55の何れか1項に記載の方法。
  57. 前記組み換えタンパク質が、CD1a、CD1b、CD1c、CD1d、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD7、CD8、CD9、CD10、CD11A、CD11B、CD11C、CDw12、CD13、CD14、CD15、CD15s、CD16、CDw17、CD18、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD24、CD25、CD26、CD27、CD28、CD29、CD30、CD31、CD32、CD33、CD34、CD35、CD36、CD37、CD38、CD39、CD40、CD41、CD42a、CD42b、CD42c、CD42d、CD43、CD44、CD45、CD45RO、CD45RA、CD45RB、CD46、CD47、CD48、CD49a、CD49b、CD49c、CD49d、CD49e、CD49f、CD50、CD51、CD52、CD53、CD54、CD55、CD56、CD57、CD58、CD59、CDw60、CD61、CD62E、CD62L、CD62P、CD63、CD64、CD65、CD66a、CD66b、CD66c、CD66d、CD66e、CD66f、CD68、CD69、CD70、CD71、CD72、CD73、CD74、CD75、CD76、CD79α、CD79β、CD80、CD81、CD82、CD83、CDw84、CD85、CD86、CD87、CD88、CD89、CD90、CD91、CDw92、CD93、CD94、CD95、CD96、CD97、CD98、CD99、CD100、CD101、CD102、CD103、CD104、CD105、CD106、CD107a、CD107b、CDw108、CD109、CD114、CD115、CD116、CD117、CD118、CD119、CD120a、CD120b、CD121a、CDw121b、CD122、CD123、CD124、CD125、CD126、CD127、CDw128、CD129、CD130、CDw131、CD132、CD134、CD135、CDw136、CDw137、CD138、CD139、CD140a、CD140b、CD141、CD142、CD143、CD144、CD145、CD146、CD147、CD148、CD150、CD151、CD152、CD153、CD154、CD155、CD156、CD157、CD158a、CD158b、CD161、CD162、CD163、CD164、CD165、CD166、CD182、エリスロポエチン、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−9、IL−11、IL−13、G−CSF、IL−15、GM−CSF、OSM、IFNガンマ、IFNα、IFNβ、TNFα、TNFβ、LTβ、CD40リガンド、Fasリガンド、CD27リガンド、CD30リガンド、4−BBL、TGFβ、IL−1α、IL−1β、IL−1RA、IL−10、IL−12、MIF、IL−16、IL−17、IL−18、グルカゴン受容体、IL−17受容体A、スクレロスチン、IGF−1受容体、ミオスタチン、上皮増殖因子受容体、SARSコロナウイルス、OPGL、アンジオポエチン−2、NGF、TGF−βII型受容体、結合組織増殖因子、プロパージン、CTLA−4、インターフェロン−ガンマ、MAdCAM、アミロイド、インスリン様増殖因子I、インターロイキン−1β、c−Met、M−CSF、MUC18、インターロイキン−4受容体、繊維芽細胞増殖因子様ポリペプチド、α−4β−7、アクチビンレセプト(Recepto)様キナーゼ−1、アクチビンA、アンジオポエチン−1、アンジオポエチン−2、C−FMS、ガラニン、インスリン様増殖因子、LDCAM、DKK1、オステオプロテジェリン、OV064、PSMA、PAR2、ヘプシジン、B7L−1、c−Kit、ULBP、TSLP、SIGIRR、HER−3、アタキシン−1−様ポリペプチド、TNF−α変換酵素、IL1−R1、TGF−βII型受容体、TNF受容体様分子、結合組織増殖因子、TRAIL受容体−2、エリスロポエチン受容体、B7RP1、プロパージン、RANKL、炭酸脱水酵素IX(CA IX)腫瘍抗原、副甲状腺ホルモン、ACPL、単球走化性因子タンパク質−1、SCF、4−1BB、PDGFD、Flt−3リガンド、メタロプロテイナーゼ阻害剤、LERK−5、LERK−6、脳由来神経栄養因子、上皮由来T細胞因子、神経栄養因子NNT−1、プロタンパク質転換酵素サブチリシン・ケキシン9型(PCSK9)、IL−18受容体又はC−FMSに結合する抗体である、請求項1、2及び4〜56の何れか1項に記載の方法。
  58. 前記組み換えタンパク質が、ムロモナブ−CD3(商品名Orthoclone Okt3(登録商標)で市販される製品)、アブシキシマブ(商品名Reopro(登録商標)で市販される製品)、リツキシマブ(商品名MabThera(登録商標)、Rituxan(登録商標)で市販される製品)、バシリキシマブ(商品名Simulect(登録商標)で市販される製品)、ダクリズマブ(商品名Zenapax(登録商標)で市販される製品)、パリビズマブ(商品名Synagis(登録商標)で市販される製品)、インフリキシマブ(商品名Remicade(登録商標)で市販される製品)、トラスツズマブ(商品名Herceptin(登録商標)で市販される製品)、アレムツズマブ(商品名MabCampath(登録商標)、Campath−1H(登録商標)で市販される製品)、アダリムマブ(商品名Humira(登録商標)で市販される製品)、トシツモマブ−I131(商品名Bexxar(登録商標)で市販される製品)、エファリズマブ(商品名Raptiva(登録商標)で市販される製品)、セツキシマブ(商品名Erbitux(登録商標)で市販される製品)、イブリツモマブ・チウキセタン(商品名Zevalin(登録商標)で市販される製品)、オマリズマブ(商品名Xolair(登録商標)で市販される製品)、ベバシズマブ(商品名Avastin(登録商標)で市販される製品)、ナタリズマブ(商品名Tysabri(登録商標)で市販される製品)、ラニビズマブ(商品名Lucentis(登録商標)で市販される製品)、パニツムマブ(商品名Vectibix(登録商標)で市販される製品)、エクリズマブ(商品名Soliris(登録商標)で市販される製品)、セルトリズマブ・ペゴル(商品名Cimzia(登録商標)で市販される製品)、ゴリムマブ(商品名Simponi(登録商標)で市販される製品)、カナキヌマブ(商品名Ilaris(登録商標)で市販される製品)、カツマキソマブ(商品名Removab(登録商標)で市販される製品)、ウステキヌマブ(商品名Stelara(登録商標)で市販される製品)、トシリズマブ(商品名RoActemra(登録商標)、Actemra(登録商標)で市販される製品)、オファツムマブ(商品名Arzerra(登録商標)で市販される製品)、デノスマブ(商品名Prolia(登録商標)で市販される製品)、ベリムマブ(商品名Benlysta(登録商標)で市販される製品)、ラキシバクマブ、イピリムマブ(商品名Yervoy(登録商標)で市販される製品)、ペルツズマブ(商品名Perjeta(登録商標)で市販される製品)、アダリムマブ、インフリキシマブ、エタネルセプト、ゴリムマブ、セルトリズマブ・ペゴル;カナキヌマブ;ウステキヌマブ、ブリアキヌマブ;ダクリズマブ、ベリムマブ;エプラツズマブ;ダクリズマブ;イラツムマブ、ゲムツズマブ、アレムツズマブ;イピリムマブ;セツキシマブ;トラスツズマブ、ペルツズマブ;シルツキシマブ;ベバシズマブ;及びトシリズマブのうち1つである、請求項1、2及び4〜57の何れか1項に記載の方法。
  59. 前記グリコシル化適格細胞が真核細胞である、請求項1、2及び4〜58の何れか1項に記載の方法。
  60. 前記真核細胞が哺乳動物細胞である、請求項59に記載の方法。
  61. 前記哺乳動物細胞が非ヒト哺乳動物細胞である、請求項60に記載の方法。
  62. 前記非ヒト哺乳動物細胞が、CHO細胞、NS0細胞、COS細胞、VERO細胞、BHK細胞からなる群から選択される、請求項61に記載の方法。
  63. 前記細胞培養が、流加培養法又は連続灌流培養法である、請求項1〜62の何れか1項に記載の方法。
  64. 少なくとも10日間にわたり前記細胞培養を維持し、前記組み換えグリコシル化タンパク質を含む前記細胞培養の上清を回収することをさらに含む、請求項1、2及び4〜63の何れか1項に記載の方法。
  65. 前記上清から前記組み換えタンパク質を精製することをさらに含む、請求項64に記載の方法。
  66. 前記組み換えタンパク質がFcを含み、前記組み換えタンパク質の精製が、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー樹脂の使用を含む、請求項65に記載の方法。
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