単独で、またはより大きい部分、例えば“アルコキシ”もしくは“ハロアルキル”等の一部として用いられる用語“アルキル”は、飽和脂肪族直鎖または分枝状一価炭化水素基を意味する。別途明記されない限り、アルキル基は、典型的には1〜5個の炭素原子を有し、すなわち(C1〜C5)アルキルである。本明細書で用いられる際、“(C1〜C5)アルキル”基は、1〜5個の炭素原子を線状または分枝状配置で有する基を意味する。例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル等を含む。
単独で、または“ヘテロアラルキル”もしくは“ヘテロアリールアルコキシ”におけるようなより大きい部分の一部として用いられる用語“ヘテロアリール”、“ヘテロ芳香族”、“ヘテロアリール環”、“ヘテロアリール基”、“ヘテロ芳香環”、および“ヘテロ芳香族基”は、炭素および少なくとも1個(典型的には1〜4個、より典型的には1または2個)の複素原子(例えば酸素、窒素または硫黄)から選択される5または6個の環原子を有する(すなわち5〜6員”)単環式芳香環基を指す。
単環式ヘテロアリール基の例は、フラニル(例えば2−フラニル、3−フラニル)、イミダゾリル(例えばN−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル)、イソキサゾリル(例えば3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル)、オキサジアゾリル(例えば2−オキサジアゾリル、5−オキサジアゾリル)、オキサゾリル(例えば2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、ピラゾリル(例えば3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、ピロリル(例えば1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、ピリジル(例えば2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリミジニル(例えば2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル)、ピリダジニル(例えば3−ピリダジニル)、チアゾリル(例えば2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、トリアゾリル(例えば2−トリアゾリル、5−トリアゾリル)、テトラゾリル(例えばテトラゾリル)、チエニル(例えば2−チエニル、3−チエニル)、ピリミジニル、ピリジニルおよびピリダジニルを含む。
用語“ヘテロシクリル”は、炭素原子および1または2個の複素原子から選択される4〜6個の環原子を含有する(すなわち“4〜6員”)単環式非芳香環基を指す。それぞれの複素原子は、独立して窒素、第四級窒素、酸化された窒素(例えばNO);酸素;ならびにスルホキシドおよびスルホンを含む硫黄から選択される。代表的なヘテロシクリル基は、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジノニル(pyrrolidinonyl)、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ヒダントイニル、バレロラクタミル(valerolactamyl)、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル等を含む。“置換されたヘテロシクリル基”は、あらゆる1以上の置換可能な環原子において置換されており、それは、水素に結合した環炭素または環窒素原子である。
本明細書で用いられる際、多くの部分(例えばアルキル、アルキレン、シクロアルキル、シクロアルキレン、アリール、アリーレン、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリレン)は、“置換された”または“場合により置換された”のどちらかであるものとして言及される。部分がこれらの用語の一方により修飾されている場合、別途特筆されない限り、それは、置換に利用可能であるものとして当業者に知られているその部分のあらゆる一部が置換されることができることを意味し、それは、1以上の置換基を含む。1より多くの置換基が存在する場合、それぞれの置換基は、独立して選択されることができる。置換に関するそのような手段は、当該技術で周知であり、かつ/または本開示により教示される。任意の置換基は、その部分に結合するのに適しているあらゆる置換基であることができる。
適切な置換基は、化合物のPARPを阻害する能力に対して著しい有害な作用を有しない置換基である。適切な置換基が具体的に列挙されない場合、典型的な置換基は、以下の置換基を含むが、それらに限定されない:(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)ヒドロキシアルキル、(C1〜C5)ハロアルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C5)ハロアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、−CN、−NO2、−ORc、−NRaRb、−S(O)iRa、−NRaS(O)iRb、−S(O)iNRaRb、−C(=O)ORa、−OC(=O)ORa、−C(=S)ORa、−O(C=S)Ra、−C(=O)NRaRb、−NRaC(=O)Rb、−C(=S)NRaRb、−NRaC(=S)Rb、−NRa(C=O)ORb、−O(C=O)NRaRb、−NRa(C=S)ORb、−O(C=S)NRaRb、−NRa(C=O)NRaRb、−NRa(C=S)NRaRb、−C(=S)Ra、−C(=O)Ra、フェニル、または5〜6員ヘテロアリール。それぞれのRaおよびそれぞれのRbは、独立して−Hおよび場合によりヒドロキシルまたは(C1〜C3)アルコキシで置換されている(C1〜C5)アルキルから選択され;Rcは、−H、(C1〜C5)ハロアルキルまたは(C1〜C5)アルキルであり、ここで、(C1〜C5)アルキルは、場合によりヒドロキシルまたは(C1〜C3)アルコキシで置換されている。
本明細書で記載される化合物のあるものは、様々な立体異性形態または互変異性形態で存在することができる。立体異性体は、それらの空間的配置においてのみ異なる化合物である。開示された化合物が立体化学を示すことなく構造により指名(named)または描写されている場合、その名前または構造は、本質的に純粋な立体または幾何異性体ならびにその組み合わせを含め、全ての可能な立体異性体、幾何異性体を包含することは、理解されている。
開示された化合物のあるものは、様々な立体異性形態で存在することができる。立体異性体は、それらの空間的配置においてのみ異なる化合物である。鏡像異性体は、その鏡像が、最も一般的にはそれらがキラル中心の役目を果たす非対称に置換された炭素原子を含有するために重ね合わせ不能である立体異性体の対である。“鏡像異性体”は、互いの鏡像であり重ね合わせ不能である分子の対の一方を意味する。ジアステレオマーは、2個以上の非対称に置換された炭素原子を含有する立体異性体である。“幾何異性体”は、炭素−炭素二重結合に対する、炭素環式環に対する、または架橋された二環式系に対する関係における置換基原子の配向において異なる立体異性体である。
幾何異性体が名前または構造により描写された場合、指名または描写された幾何異性体の幾何異性体純度は、少なくとも60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、99重量%または99.9重量%純粋であることは、理解されるべきである。幾何異性体純度は、混合物中の指名または描写された幾何異性体の重量をその混合物中の幾何異性体の全ての総重量により割ることにより決定される。
開示された化合物の立体化学が構造により指名または描写された場合、その指名または描写された立体異性体は、その他の立体異性体の全てと比較して少なくとも60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、99重量%または99.9重量%純粋である。その他の立体異性体の全てと比較した重量パーセント純度は、その他の立体異性体の重量に対する1種類の立体異性体の重量の比率である。単一の鏡像異性体が構造により指名または描写された場合、その描写または指名された鏡像異性体は、少なくとも60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、99重量%または99.9重量%光学的に純粋である(“鏡像異性的に純粋”とも呼ばれる)。重量パーセント光学純度は、その鏡像異性体の重量+その光学異性体の重量に対するその鏡像異性体の重量の比率である。
開示された化合物の立体化学が構造により指名または描写され、かつその指名または描写された構造が(例えばジアステレオマー対におけるような)1より多くの立体異性体を包含する場合、包含された立体異性体の1つまたは包含された立体異性体のあらゆる混合物が含まれることは、理解されるべきである。さらに、指名または描写された立体異性体の立体異性体純度がその他の立体異性体の全てと比較して少なくとも60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、99重量%または99.9重量%純粋であることは、理解されるべきである。この場合の立体異性体純度は、その名前または構造により包含される立体異性体の混合物中の総重量をその立体異性体の全ての混合物中の総重量により割ることにより決定される。
開示された化合物が立体化学を示すことなく構造により指名または描写され、かつ化合物が1個のキラル中心を有する場合、その名前または構造が、対応する光学異性体を含まない化合物の1種類の鏡像異性体、化合物のラセミ混合物およびその対応する光学異性体と比較して1種類の鏡像異性体において富化されている混合物を包含することは、理解されるべきである。
開示された化合物が立体化学を示すことなく構造により指名または描写され、かつ例えばその化合物が少なくとも2個のキラル中心を有する場合、その名前または構造が、他の立体異性体を含まない1種類の立体異性体、立体異性体の混合物および1種類以上の立体異性体がその他の立体異性体(単数または複数)と比較して富化されている立体異性体の混合物を包含することは、理解されるべきである。例えば、その名前または構造は、他のジアステレオマーを含まない1種類の立体異性体、立体異性体の混合物および1種類以上のジアステレオマーがその他のジアステレオマー(単数または複数)と比較して富化されている立体異性体の混合物を包含することができる。
鏡像異性体およびジアステレオマー混合物は、周知の方法、例えばキラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高速液体クロマトグラフィー、化合物のキラル塩錯体としての結晶化または化合物のキラル溶媒中での結晶化によりそれらの構成要素である鏡像異性体または立体異性体に分割されることができる。鏡像異性体およびジアステレオマーは、ジアステレオマー的または鏡像異性的に純粋な中間体、試薬および触媒から周知の非対称合成法により得られることもできる。
“薬学的に許容可能なキャリヤー”および“薬学的に許容可能な希釈剤”は、有効薬剤の配合および/または対象への投与および/または対象による吸収を助け、対象への著しい有害な毒性学的作用を引き起こすことなく本開示の組成物中に含まれることができる物質を指す。薬学的に許容可能なキャリヤーおよび/または希釈剤の限定的でない例は、水、NaCl、正常生理食塩水溶液、乳酸リンゲル液、正常スクロース、正常グルコース、結合剤、増量剤、崩壊剤、潤滑剤、コーティング、甘味料、香味、塩溶液(例えばリンゲル液)、アルコール類、油、ゼラチン類、炭水化物、例えばラクトース、アミロースまたはデンプン、脂肪酸エステル類、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンおよび着色剤等を含む。そのような製剤は、滅菌されることができ、所望であれば、本明細書で提供される化合物と有害に反応せず、その活性に干渉もしない補助剤、例えば潤滑剤、保存剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼすための塩類、緩衝剤、着色剤、および/または芳香性物質等と混合されることができる。当業者は、他の医薬用賦形剤が開示される化合物との使用に適していることを認識するであろう。
本教示の医薬組成物は、場合によりそのための1種類以上の薬学的に許容可能なキャリヤーおよび/または希釈剤、例えばラクトース、デンプン、セルロースおよびデキストロースを含む。他の賦形剤、例えば香味料;甘味料;および保存剤、例えばメチル、エチル、プロピルおよびブチルパラベン類も、含まれることができる。適切な賦形剤のより完全なリストは、Handbook of Pharmaceutical Excipients (第5版、Pharmaceutical Press (2005))において見付けられることができる。当業者は、どのように様々なタイプの投与経路に適した配合物を調製するかを知っているであろう。適切な配合物の選択および調製のための従来の手順および成分は、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences (2003 - 第20版)において、および1999年に出版された米国薬局方:国民医薬品集(USP 24 NF19)において記載されている。キャリヤー、希釈剤および/または賦形剤は、医薬組成物の他の成分と適合可能でありその受容者に有害ではないという意味で、“許容可能”である。
本発明は、PARPの阻害により改善され得る疾患を有する対象を、対象に有効量の1種類以上の開示された化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩または対応する医薬組成物を投与することにより処置する方法を提供する。
“対象”は、哺乳類、好ましくはヒトであるが、獣医学的処置を必要とする動物、例えばコンパニオンアニマル(例えばイヌ、ネコ等)、家畜(例えばウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ等)および実験動物(例えばラット、マウス、モルモット等)であることもできる。
一態様において、PARPの阻害により改善され得る疾患は、筋構造障害、神経細胞活性化障害、筋疲労障害、筋量障害、ベータ酸化疾患、代謝疾患、癌、血管疾患、眼血管疾患、筋性眼疾患または腎疾患である。
この態様の一側面において、筋構造障害は、ベスレムミオパチー、中心コア疾患、先天性線維タイプ不均等症、遠位型筋ジストロフィー(MD)、デュシェンヌおよびベッカー型MD、エメリ・ドレフュス型MD、顔面肩甲上腕型MD、ヒアリン体ミオパチー、肢帯型MD、筋ナトリウムチャンネル障害、筋緊張性軟骨ジストロフィー、筋緊張性ジストロフィー、筋細管ミオパチー、ネマリン小体疾患、眼咽頭MDおよび腹圧性尿失禁から選択される。
その態様の別の側面において、神経細胞活性化障害は、筋萎縮性側索硬化症、シャルコー・マリー・トゥース病、ギラン・バレー症候群、ランバート・イートン症候群、多発性硬化症、重症筋無力症、神経病変、末梢性ニューロパチー、脊髄性筋萎縮症、遅発性尺骨神経麻痺および毒性神経筋障害から選択される。
この態様の別の側面において、筋疲労障害は、慢性疲労症候群、糖尿病(I型またはII型)、糖原貯蔵症、線維筋痛症、フリードライヒ運動失調症、間欠性跛行、脂質蓄積ミオパチー、MELAS、ムコ多糖症、ポンペ病および甲状腺中毒性ミオパチーから選択される。
この態様の別の側面において、筋量障害は、悪液質、軟骨変性、脳性麻痺、コンパートメント症候群、重症ミオパチー、封入体筋炎、筋萎縮症(非活動性萎縮)、サルコペニア、ステロイドミオパチーおよび全身性紅斑性狼瘡である。
この態様の別の側面において、ベータ酸化疾患は、全身性カルニチントランスポーター、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT)II欠損症、極長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ(LCHADまたはVLCAD)欠損症、三機能酵素欠損症、中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ(MCAD)欠損症、短鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ(SCAD)欠損症およびベータ酸化のリボフラビン応答性障害(RR−MADD)から選択される。
この態様のさらに別の側面において、代謝疾患は、高脂血症、脂質異常症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、HDL低コレステロール血症、LDL高コレステロール血症および/またはHLD非コレステロール血症、VLDL高タンパク血症、異常リポタンパク血症、アポリポプロテインA−I低タンパク血症、アテローム性動脈硬化、動脈硬化の疾患、心血管系の疾患、脳血管疾患、末梢循環疾患、メタボリックシンドローム、X症候群、肥満、糖尿病(I型またはII型)、高血糖症、インスリン耐性、耐糖能障害、高インスリン症、糖尿病性合併症、心不全、心筋梗塞、心筋症、高血圧、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、血栓、アルツハイマー病、神経変性疾患、脱髄性疾患、多発性硬化症、副腎白質萎縮症、皮膚炎、乾癬、ざ瘡、皮膚老化、睫毛乱生症、炎症、関節炎、喘息、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病および膵炎から選択される。
この態様の別の側面において、血管疾患は、抹消血管不全、抹消血管疾患、間欠性跛行症、抹消血管疾患(PVD)、抹消動脈疾患(PAD)、末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)および末梢閉塞性動脈疾患から選択される。
この態様の別の側面において、眼血管疾患は、加齢黄斑変性(AMD)、シュタルガルト病、高血圧性網膜症、糖尿病性網膜症、網膜症、黄斑変性、網膜出血および緑内障から選択される。
この態様のさらなる側面において、筋性眼疾患は、斜視、進行性外眼筋麻痺、内斜視、外斜視、屈折および遠近調整機能の障害、遠視、近視、乱視、不同視、老眼、遠近調整機能の障害ならびに内眼筋麻痺から選択される。
この態様の最後の側面において、腎疾患は、糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化症、急性腎炎、反復性血尿、持続性血尿、慢性腎炎、急速進行性腎炎、急性腎不全(急性腎臓損傷としても知られている)、慢性腎不全、糖尿病性腎症およびバーター症候群から選択される。
別の態様において、PARPの阻害により改善され得る疾患は、遺伝性脂肪萎縮症、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、腎虚血/再灌流傷害(IRI)、デュシェンヌおよびベッカー型筋ジストロフィー、糖尿病(I型またはII型)、肥満および筋肉減少症を含む。
別の態様において、PARPの阻害により改善され得る疾患は、アルパーズ病、CPEO−慢性進行性外眼筋麻、カーンズ・セイヤー症候群(KSS)、レーベル遺伝性視神経症(LHON)、MELAS−ミトコンドリア筋症、脳筋症、乳酸アシドーシスおよび脳卒中様発作、MERRF−ミオクローヌス性てんかんおよび赤色ぼろ線維疾患、NARP−神経原性筋衰弱、運動失調、ならびに網膜色素変性症、ピアソン症候群、プラチナベースの化学療法に誘導される聴器毒性、コケイン症候群、色素性乾皮症A、ワーラー変性およびHIVに誘導されるリポジストロフィーを含む。さらに別の態様において、PARPの阻害により改善され得る疾患は、急性腎臓損傷である。
特定の態様において、本発明は、本発明の化合物およびその医薬組成物を用いるための方法を提供する。本発明の化合物およびその医薬組成物は、例えば多種多様な疾患を処置および/または低減することを含む様々な療法的適用に関して有用であることができ、それは、例えば加齢もしくはストレス、糖尿病、肥満、神経変性疾患、心血管疾患、血液凝固障害、炎症、癌および/または潮紅等に関連する疾患または障害を含む。その方法は、それを必要とする対象に薬学的に有効な量の1種類以上の本発明の化合物および/またはその医薬組成物を投与することを含む。
別の態様において、本発明の化合物およびその医薬組成物は、例えば固形組織移植片、移植臓器、細胞懸濁液、幹細胞、骨髄細胞等を含む、移植または細胞療法のために有用な細胞を処置するために用いられることができる。細胞または組織は、自家移植片、同種移植片、同系移植片または異種移植片であることができる。細胞または組織は、対象への投与/移植の前に、投与/移植と同時に、および/または投与/移植の後に、本発明の化合物およびその医薬組成物を用いて処置されることができる。細胞または組織は、提供者個体からの細胞の取り出しの前に、提供者個体からの細胞もしくは組織の取り出しの後に生体外で、または受容者中への移植後に処置されることができる。例えば、提供者または受容者個体は、ニコチンアミドリボシドクロリド製剤または本発明の医薬組成物を用いて全身的に処置されることができ、または本発明の化合物およびその医薬組成物を用いて局所的に処置された細胞/組織の部分集合を有することができる。特定の態様において、細胞または組織(または提供者/受容者個体)は、さらに例えば免疫抑制剤、サイトカイン、血管新生因子等のような移植片の生存を延長するために有用な別の療法剤を用いて処置されることができる。
さらに他の態様において、本発明の化合物および/またはその医薬組成物は、皮膚の病気を処置するために用いられることができる。本明細書で記載される方法に従って処置されることができる典型的な皮膚の病気は、炎症、日光による損傷または自然加齢と関係する、またはそれにより引き起こされる障害または疾患を含む。例えば、組成物は、接触性皮膚炎(刺激性接触性皮膚炎およびアレルギー性接触性皮膚炎を含む)、アトピー性皮膚炎(アレルギー性湿疹としても知られている)、日光性角化症、角質化障害(湿疹を含む)、表皮水疱症疾患(天疱瘡(penfigus)を含む)、剥脱性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、紅斑(多形性紅斑および結節性紅斑を含む)、日光または他の光源により引き起こされた損傷、円板状紅斑性狼瘡、皮膚筋炎、乾癬、皮膚癌および自然加齢の作用の処置において有用性を見出す。別の態様において、本発明の化合物およびその医薬組成物は、例えば1度、2度もしくは3度の火傷および/または熱的、化学的もしくは電気的火傷を含む傷および/または火傷の処置に関して治癒を促進するために用いられることができる。
本発明の化合物およびその医薬組成物は、細胞死と関係する疾患、例えば慢性疾患の処置のために、細胞を細胞死から保護するために対象に投与されることもできる。典型的な疾患は、神経細胞死、神経細胞機能不全または筋細胞の死もしくは機能不全と関係する疾患、例えばパーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症および筋ジストロフィー;AIDS;劇症肝炎;脳の変性と関係する疾患、例えばクロイツフェルト・ヤコブ病、網膜色素変性および小脳変性;脊髄形成異常(myelodysplasis)、例えば再生不良性貧血;虚血性疾患、例えば心筋梗塞および卒中;肝疾患、例えばアルコール性肝炎、B型肝炎およびC型肝炎;関節疾患、例えば骨関節炎;アテローム性動脈硬化;脱毛症;紫外線による皮膚への損傷;扁平苔癬;皮膚の萎縮;白内障;ならびに移植片拒絶を含む。細胞死は、手術、薬物療法、化学物質曝露または放射線曝露によっても引き起こされ得る。
本発明の化合物およびその医薬組成物は、急性疾患、例えば臓器または組織への損傷を患っている対象、例えば卒中もしくは心筋梗塞を患っている対象または脊髄損傷を患っている対象に投与されることもできる。本発明の化合物およびその医薬組成物は、アルコール依存患者の肝臓を修復するために用いられることもできる。
別の態様において、本発明は、それを必要とする対象に本発明の化合物および/またはその医薬組成物の1以上を投与することにより心血管疾患を処置するための方法を提供する。本発明の化合物およびその医薬組成物を用いて処置されることができる心血管疾患は、心筋症または心筋炎;例えば特発性心筋症、代謝性心筋症、アルコール性心筋症、薬物に誘導された心筋症、虚血性心筋症および高血圧性心筋症を含む。主要血管、例えば大動脈、冠状動脈、頸動脈、脳血管性動脈、腎動脈、回腸動脈、大腿動脈および膝窩動脈のアテローム性障害(巨大血管性疾患)も、本明細書で記載される組成物および方法を用いて処置することができる。処置されることができる他の血管疾患は、血小板凝集、網膜小動脈、糸球体小動脈、神経栄養血管、心臓小動脈、ならびに関係する眼、腎臓、心臓ならびに中枢および末梢神経系の毛細血管床に関連する疾患を含む。本発明の化合物およびその医薬組成物は、個体の血漿中のHDLレベルを増大させるために用いられることもできる。
用語“有効量”は、対象に投与された際に、結果として例えば対象において処置されている病気の症状を対照と比較して阻害、抑制または低減する臨床結果を含む有益な結果または所望の結果をもたらす量を意味する。例えば、療法上有効量は、単位剤形において与えられることができる(例えば1日あたり0.1mg〜約50g、あるいは1日あたり1mg〜約5グラム;さらに代わりに1日あたり10mg〜1グラム)。
用語“投与する”、“投与すること”、“投与”等は、本明細書で用いられる際、組成物の生物学的作用の所望の部位への送達を可能にするために用いられることができる方法を指す。これらの方法は、関節内(関節中)、静脈内、筋内、腫瘍内、皮内、腹腔内、皮下、経口、局所、髄腔内、吸入、経皮、直腸等を含むが、それらに限定されない。本明細書で記載される薬剤および方法と共に用いられることができる投与技法は、例えばGoodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics, 最新版; Pergamon;およびRemington’s, Pharmaceutical Sciences (最新版), Mack Publishing Co.(ペンシルバニア州イーストン)において見付けられる。
加えて、開示されたPARP阻害剤は、他の療法剤と同時投与されることができる。本明細書で用いられる際、用語“同時投与”、“との組み合わせで投与される”およびそれらの文法的同義語は、2種類以上の療法剤の単一の対象への投与を包含することが意味されており、薬剤が同じもしくは異なる投与経路により、または同じもしくは異なる時点で投与される処置計画を含むことが意図されている。ある態様において、本明細書で記載される1種類以上の化合物が、他の薬剤と同時投与されるであろう。これらの用語は、両方の薬剤および/またはそれらの代謝産物が対象中に同時に存在するような2種類以上の薬剤の対象への投与を包含する。それらは、別々の組成物中での同時の投与、別々の組成物中での異なる時点における投与、および/または両方の薬剤が存在する組成物中での投与を含む。従って、ある態様において、本明細書で記載される化合物および他の薬剤(単数または複数)は、単一の組成物中で投与される。ある態様において、本明細書で記載される化合物およびその他の薬剤(単数または複数)は、組成物中で混合される。
特定の投与方式および投与計画は、担当する臨床医により症例の詳細(例えば対象、疾患、関係する疾患状態、特定の処置)を考慮して選択されるであろう。処置は、数日〜数ヶ月またはさらには数年の期間にわたる毎日または毎日複数回または毎日未満(例えば毎週または毎月等)の用量を含むことができる。しかし、当業者は、手引きに関して開示されたPARP阻害剤(例えばPARP−1阻害剤)を用いてPARP媒介性疾患を処置するために認可された組成物の投与量を見て適切な、および/または均等な用量をすぐに認識するであろう。
本明細書で教示される化合物または対応する医薬組成物は、当業者により理解されるであろうように、選択される投与経路に応じて様々な形態で患者に投与されることができる。本教示の化合物は、例えば経口、非経口、頬側、舌下、経鼻、直腸、パッチ、ポンプまたは経皮投与およびそれに応じて配合された医薬組成物により投与されることができる。非経口投与は、静脈内、腹腔内、皮下、筋内、経上皮、経鼻、肺内、髄腔内、直腸および局所投与方式を含む。非経口投与は、選択された期間にわたる連続注入によることができる。
本発明の医薬組成物は、その意図される投与経路と適合性であるように配合される。一態様において、組成物は、ルーチン的な手順に従って、ヒトへの静脈内、皮下、筋内、経口、鼻内または局所投与に適合した医薬組成物として配合される。好ましい態様において、医薬組成物は、静脈内投与のために配合される。
典型的には、経口療法的投与に関して、本教示の化合物は、賦形剤と共に組み込まれ、摂取可能な錠剤、バッカル錠剤、トローチ剤、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、カシェ剤等の形態で用いられることができる。
典型的には、非経口投与に関して、本教示の化合物の溶液は、一般に界面活性剤、例えばヒドロキシプロピルセルロースと適切に混合された水中で調製されることができる。分散物も、グリセロール、液体ポリエチレングリコール類、DMSOおよびそれらの混合物中で、アルコールを伴って、または伴わずに、そして油中で調製されることができる。通常の貯蔵および使用の条件下では、これらの製剤は、微生物の増殖を防ぐために保存剤を含有する。
典型的には、注射用の使用に関して、無菌注射用溶液または分散物の即座の調製のための本明細書で記載された化合物の無菌水溶液または水性分散物および無菌粉末が、適切である。
略語
Me メチル
Et エチル
Boc tert−ブチルオキシカルボニル
Ac アセチル
Ph フェニル
Tf トリフルオロメタンスルホニル
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
EDC 3−(3−ジメチルアミノプロピル)−1−エチルカルボジイミド
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
DCM ジクロロメタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TMS トリメチルシラン
TMSOTf トリメチルシリル トリフルオロメタンスルホネート
aq 水性
M mol/Lで表された濃度(concencetration)
RT 室温
TLC 薄層クロマトグラフィー
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
NMI 1−メチルイミダゾール
LCMS 液体クロマトグラフィー−質量分析
ESI+ 質量分析(イオン化ESI)におけるm/z値
ESI− 質量分析(イオン化ESI)におけるm/z値
1H NMR (DMSO−d6) DMSO−d6中での1H NMRにおけるピークのδ(ppm)
s 一重線(スペクトル)
d 二重線(スペクトル)
t 三重線(スペクトル)
q 四重線(スペクトル)
dd 二重の二重線(スペクトル)
br 広い線(スペクトル)
m 多重線(スペクトル)
4−ANI 4−アミノ−1,8−ナフタルイミド
ADP アデノシン二リン酸
CPM カウント数毎分
DNA デオキシリボ核酸
DTT DL−ジチオスレイトール
FB 平底
mg ミリグラム
mM ミリモル濃度
NAD ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
nM ナノモル濃度
ng ナノグラム
PARP 1 ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ−1
SPA シンチレーション近接アッセイ
μCi マイクロキュリー
μL マイクロリットル
T3P プロピルホスホン酸無水物
NMM 4−メチルモルホリン
CDI 1,1’−カルボニルジイミダゾール
EtOAc 酢酸エチル
TEMPO 2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ
MTBE tert−ブチル メチル エーテル
HATU 1−[Bis(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム 3−オキシド ヘキサフルオロホスフェート
IPA イソプロピル アルコール
DMA N,N−ジメチルアセトアミド
BINAP 1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン
NMP 1−メチル−2−ピロリジノン
Dppf 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
DMAP 4−(ジメチルアミノ)ピリジン
DIEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
実施例1 − 3−クロロ−4−(4−(3−(8−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−N−シクロプロピルベンズアミドの合成
工程1:
3−クロロ−2−ニトロ−安息香酸(15g、0.074mol)の水(105mL)中における撹拌溶液に、30%水性NH3(6mL)および亜ジチオン酸ナトリウム(52g、0.298mol)の水溶液を室温で添加し、1時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を濃HCl(30mL)でpH=3まで酸性化し、EtOAc(2×500mL)で抽出し、水(2×100mL)およびブライン(150mL)で洗浄した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗生成物が得られ、それをEt2O(50mL)で洗浄すると、2−アミノ−3−クロロ安息香酸(9g、70%)が灰白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 172.3 [M+H]+。
工程2:
2−アミノ−3−クロロ−安息香酸(9g、0.052mol)およびCDI(9g、0.055mol)のDMF(180mL)中における撹拌溶液を、70℃に1時間加熱した。次いで30%水性NH3(144mL)を、温度を70℃で維持しながら添加し、16時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を室温に至らせ、氷水(1L)中に注ぎ、EtOAc(2×250mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗生成物が得られ、それをEt2O(2×30mL)で洗浄すると、2−アミノ−3−クロロ−ベンズアミド(5.4g、60%)が灰白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 171.3 [M+H]+。
工程:3
密閉されたチューブ中に入れられたピリジン(15mL)中で溶解させた2−アミノ−3−クロロ−ベンズアミド(2g、11.76mmol)の撹拌溶液に、DCM(5mL)中の4−ブロモブタノイルクロリド(3.3g、17.64mmol)を0℃で添加した。反応混合物を100℃に加熱し、12時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を室温に至らせ、水(150mL)で希釈し、EtOAc(2×150mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて飽和NH4Cl水溶液(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の化合物が得られ、それをトルエン(20mL)、エーテル(2×10mL)で洗浄すると、8−クロロ−2−(3−ヒドロキシプロピル)−3H−キナゾリン−4−オン(600mg、21%)が灰白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 239.4 [M+1]+。
工程4:
8−クロロ−2−(3−ヒドロキシプロピル)−3H−キナゾリン−4−オン(500mg、2.10mmol)のACN(10mL)中における撹拌溶液に、TEMPO(65mg、0.414mmol)およびリン酸ナトリウム緩衝溶液(8mL、pH=6.5)を室温で添加し、40℃に加熱した。次いで亜塩素酸ナトリウム(15mLの水中3.75g)および亜塩素酸ナトリウム溶液(H2O中4%、15mL)を40℃で一部ずつ添加した。反応混合物を室温に至らせ、1N NaOH溶液でpH=8まで塩基性化し、1N Na2S2O3溶液(50mL)中に注ぎ、MTBE(2×25mL)で洗浄した。水層を1N HClでpH=1まで酸性化し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、3−(8−クロロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(250mg、47%)が得られ、それをそれ以上一切精製せずに次の工程に用いた。
LCMS: m/z: 253.3 [M+1]+。
工程5:
3−(8−クロロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(285mg、1.13mmol)および3−クロロ−N−シクロプロピル−4−ピペラジン−1−イル−ベンズアミド(308mg、1.1mmol)のDMF(2.6mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(432mg、2.26mmol)、HOBt(305mg、2.26mmol)およびDIPEA(0.96mL、5.65mmol)を室温で添加し、12時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を冷水(50mL)で希釈し、EtOAc(3×25mL)で抽出した。有機層を合わせて水(25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、残留物をTeledyne−ISCO Combiflash(5〜7% MeOH−DCM、4gmカートリッジ)により精製すると、3−クロロ−4−(4−(3−(8−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−N−シクロプロピルベンズアミド(100mg、85% LCMS)が得られ、それを分取HPLCによりさらに精製すると、純粋な化合物(25mg、5%)が白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.54 (brs, 1H), 8.42 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 8.05 -8.02 (m, 1H), 7.93-7.88 (m, 2H), 7.76 (dd, J = 8.1, 1.8 Hz, 1H), 7.42 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.70 (m, 2H), 3.61 (m, 2H), 3.08-2.92 (m, 2H), 2.8-2.79 (m, 7H), 0.71-0.62 (m, 2H), 0.60-0.52 (m, 2H)。
LCMS: m/z: 514.4 [M+H]+。
実施例2 − 3−クロロ−4−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ベンズアミドの合成
工程1:
丸底フラスコに3−クロロ−4−フルオロ−安息香酸(2.0g、11.4mmol)、硫酸(0.33g、3.4mmol)、MeOH(20mL)を入れ、16時間還流させた(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去し;残留物を水(15mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮すると粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、40g、10% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、メチル 3−クロロ−4−フルオロ−ベンゾエート(1.5g、69%)が淡黄色の油として得られた。
1H NMR [300 MHz, CDCl3]: δ 8.08 (dd, J = 6.9, 2.1 Hz, 1H), 7.94-7.89 (m, 1H), 7.18 (t, J = 8.7 Hz, 1H), 3.90 (s, 3H)。
工程2:
メチル 3−クロロ−4−フルオロ−ベンゾエート(1.5g、7.9mmol)を密閉されたチューブ中に入れ、ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(1.48g、7.9mmol)、続いてK2CO3(3.29g、23mmol)およびDMSO(15mL)を添加し、100℃で10時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を氷冷水(150mL)中に注ぎ、EtOAc(2×100mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてブライン(2×75mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、30g、10% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、tert−ブチル 4−(2−クロロ−4−メトキシカルボニル−フェニル)ピペラジン−1−カルボキシレート(2.1g、74%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 355.4 [M+H]+。
工程3:
tert−ブチル 4−(2−クロロ−4−メトキシカルボニル−フェニル)ピペラジン−1−カルボキシレート(2g、5.6mmol)のTHF:MeOH:H2O(10:1:1、24mL)中における撹拌溶液に、LiOH・H2O(0.47g、11.2mmol)を添加し、60℃で12時間加熱し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、減圧下で濃縮した。残留物を水(30mL)中で溶解させ、0℃に冷却し、1N HClでpH=2〜3まで酸性化した。沈殿した固体を濾過し、真空中で乾燥させると、4−(4−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル)−3−クロロ−安息香酸(1.4g、73%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 341.4 [M+H]+。
工程4:
4−(4−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル)−3−クロロ−安息香酸(0.5g、1.4mmol)のTHF(5mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(0.42g、2.2mmol)、HOBt・NH3(0.33g、2.2mmol)およびDIPEA(0.75mL、4.4mmol)をアルゴン雰囲気下で添加し、室温で5時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去し、残留物を氷水(100mL)およびEtOAc(150mL)で希釈した。有機層を分離し、ブライン(2×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製の残留物をEt2O(3×5mL)、ペンタン(3×5mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、tert−ブチル 4−(4−カルバモイル−2−クロロ−フェニル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.4g、80%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 340.4 [M+H]+。
工程5:
0℃に冷却されたtert−ブチル 4−(4−カルバモイル−2−クロロ−フェニル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.4g、1.0mmol)のDCM(4mL)中における撹拌溶液に、4N HCl−ジオキサン(0.4mL)を添加し、室温で3時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去し、残留物をEt2O(3×10mL)、ペンタン(2×5mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、3−クロロ−4−ピペラジン−1−イル−ベンズアミド(300mg、定量的)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 240.4 [M+H]+。
工程6:
3−クロロ−4−ピペラジン−1−イル−ベンズアミド(0.1g、0.45mmol)のDMF(1mL)中における撹拌溶液に、3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(0.13g、0.50mmol)、HATU(0.26g、0.68mmol)およびDIPEA(0.23mL、1.37mmol)をアルゴン雰囲気下で添加し、室温で8時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を氷冷水(10mL)中に注ぎ、その間に固体が沈殿し、それを濾過し、Et2O(3×5mL)、ペンタン(3×5mL)、MeOH(2×5mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、3−クロロ−4−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ベンズアミド(0.04g、20%)が灰白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.22 (brs, 1H), 8.07 (dd, J = 8.1, 1.2 Hz, 1H), 7.98 (brs, 1H), 7.93 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.83-7.78 (m, 2H), 7.76 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.74-7.48 (m, 1H), 7.47 (brs, 1H), 7.44 (d, J = 7.2 Hz, 1H),3.69-3.61 (m, 4H), 3.07-2.97 (m, 4H), 2.89 (brs, 4H)。
LCMS: m/z: 440.4 [M+H]+。
実施例3 − 3−クロロ−N−メチル−4−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ベンズアミドの合成
工程1:
4−(4−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル)−3−クロロ−安息香酸(0.5g、1.4mmol)のDMF(5mL)中における撹拌溶液に、CDI(0.35g、2.2mmol)を添加し、0℃に冷却し、室温で10分間撹拌し、メチルアミン溶液(THF中1M溶液、1.46mL、1.4mmol)を添加した。反応混合物を室温まで温め、8時間撹拌し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、氷冷水(50mL)中に注ぎ、EtOAc(2×50mL)中に抽出した。有機性抽出物を合わせて水(50mL)、ブライン(2×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製の残留物をEt2O(3×10mL)およびペンタン(3×10mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、tert−ブチル 4−[2−クロロ−4−(メチルカルバモイル)フェニル]ピペラジン−1−カルボキシレート(0.4g、77%)が淡褐色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 8.44 (br, 1H), 7.88 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.78-7.75 (m, 1H), 7.19 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.47 (t, J = 4.2 Hz, 4H), 2.98 (d, J = 4.8 Hz, 4H), 2.75 (d, J = 4.5 Hz, 3H), 1.42 (s, 9H)。
LCMS: m/z: 354.4 [M+H]+。
工程2:
0℃に冷却されたtert−ブチル 4−[2−クロロ−4−(メチルカルバモイル)フェニル]ピペラジン−1−カルボキシレート(0.4g、1.0mmol)のDCM(4mL)中における撹拌溶液に、4N HCl−ジオキサン(1.1mL)を添加し、室温まで温め、5時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去し、残留物をEt2O(2×5mL)およびペンタン(2×5mL)で洗浄し、真空下で乾燥させると、3−クロロ−N−メチル−4−ピペラジン−1−イル−ベンズアミド(300mg、91%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 254.4 [M+H]+。
工程3:
3−クロロ−N−メチル−4−ピペラジン−1−イル−ベンズアミド(0.1g、0.45mmol)のDMF(1mL)中における撹拌溶液に、3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(0.14g、0.50mmol)、HATU(0.26g、0.68mmol)およびDIPEA(0.23mL、1.37mmol)をアルゴン雰囲気下で添加し、室温で8時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を氷水中に注ぎ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて分離し、水(30mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製の残留物をEt2O(3×5mL)、ペンタン(3×5mL)、10% MeOH−DCM(3×5mL)で洗浄し、真空下で乾燥させると、3−クロロ−N−メチル−4−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ベンズアミド(0.04g、19%)が灰白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.21 (brs, 1H), 8.45-8.44 (br, 1H), 8.07 (dd, J = 7.8, 1.2 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.79-7.73 (m, 2H), 7.57 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.47-7.42 (m, 1H), 7.18 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.69-3.59 (m, 4H), 3.07-2.97 (m, 4H), 2.89 (br s, 4H), 2.76 (d, J = 4.5 Hz, 3H)。
LCMS: m/z: 454.4 [M+H]+。
実施例4 − 3−クロロ−N−シクロプロピル−4−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ベンズアミドの合成
工程1:
3−クロロ−4−フルオロ−安息香酸(1g、5.73mmol)およびシクロプロパンアミン(0.47mL、6.76mmol)の乾燥DMF(10mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(1.64g、8.56mmol)、HOBt(1.2g、8.89mmol)およびNMM(3.1mL、28.24mmol)を室温においてアルゴン雰囲気下で添加し、4時間撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニターされた)、反応混合物を冷水(25mL)で希釈し、15分間撹拌した。形成された固体を濾別し、それを水(50mL)で洗浄し、真空下で乾燥させると、3−クロロ−N−シクロプロピル−4−フルオロ−ベンズアミド(0.85g、収率70%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 214.3 [M+H]+。
工程2:
3−クロロ−N−シクロプロピル−4−フルオロ−ベンズアミド(3.1g、14.55mmol)の乾燥DMSO(25mL)中における撹拌溶液に、ピペラジン(6.26g、72.77mmol)を室温においてアルゴン雰囲気下で添加し、120℃で30時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。室温まで冷却した後、反応産物(reaction mass)を水(20mL)で希釈し、10% IPA−DCM(5×100mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をEt2O(2×20mL)で洗浄すると、3−クロロ−N−シクロプロピル−4−ピペラジン−1−イル−ベンズアミド(3.9g、収率96%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 280.4 [M+H]+。
工程3:
3−クロロ−N−シクロプロピル−4−ピペラジン−1−イル−ベンズアミド(100mg、0.36mmol)および3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(94mg、0.43mmol)の乾燥DMF(2mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(103mg、0.54mmol)、HOBt(73mg、0.54mmol)およびDIPEA(0.2mL、1.15mmol)を室温においてアルゴン雰囲気下で添加し、4時間撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニターされた)、反応混合物を冷水(20mL)で停止させ、15分間撹拌した。形成された固体を濾別し、水(50mL)、続いてEt2O(2×5mL)で洗浄すると、化合物3−クロロ−N−シクロプロピル−4−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ベンズアミド(80mg、収率47%)が白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.31 (brs, 1H), 8.41 (brs, 1H), 8.08 (d, J = 8.1 Hz , 1H), 7.89 (s, 1H), 7.79-7.40 (m, 2H), 7.57 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.69 (s, 2H), 3.62 (s, 2H), 3.07 (s, 2H), 2.97 (s, 2H), 2.88 (s, 4H), 2.85-2.81 (m, 1H), 0.71-0.65 (m, 2H), 0.56-0.55 (m, 2H)。
LCMS: m/z: 480.5 [M+H]+。
実施例5 − 3−クロロ−N−シクロブチル−4−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ベンズアミドの合成
工程1:
3−クロロ−4−フルオロ−安息香酸(500mg、2.865mmol)のDMF(5mL)中における撹拌溶液に、シクロブタンアミン塩酸塩(369mg、3.438mmol)、EDC・HCl(820mg、4.297mmol)、HOBt(580mg、4.297mmol)およびNMM(1.6mL、14.325mmol)を室温で添加し、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を冷水(60mL)で希釈し、EtOAc(3×60mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、3−クロロ−N−シクロブチル−4−フルオロ−ベンズアミド(550mg、84%)が得られ、それをそれ以上一切精製せずに次の工程に進めた。
LCMS: m/z: 228.22 [M+H]+。
工程2:
3−クロロ−N−シクロブチル−4−フルオロ−ベンズアミド(550mg、2.422mmol)のDMSO(5.5mL)中における撹拌溶液に、ピペラジン(1.04g、12.114mmol)を室温で添加し、120℃で16時間加熱した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を氷冷水(40mL)中に注ぎ、固体が沈殿し、それをアルゴン雰囲気下で濾過すると、粗製の3−クロロ−N−シクロブチル−4−ピペラジン−1−イル−ベンズアミド(410mg、58%)が得られた。粗製物質を一切精製せずに次の工程に進めた。
LCMS: m/z: 294.39 [M+H]+。
工程3
3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(100mg、0.458mmol)のDMF(2mL)中における撹拌溶液に、3−クロロ−N−シクロブチル−4−ピペラジン−1−イル−ベンズアミド(134mg、0.458mmol)、EDC・HCl(131mg、0.687mmol)、HOBt(92mg、0.687mmol)およびDIPEA(0.16mL、0.916mmol)を室温で添加し、16時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を氷水(20mL)中に注ぎ、その間に固体が沈殿し、それを濾過し、Et2O(20mL)で洗浄し、真空下で乾燥させると、3−クロロ−N−シクロブチル−4−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ベンズアミド(90mg、40%)が白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.2 (s, 1H), 8.60 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.07 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.80-7.73 (m, 2H), 7.56 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.42-4.37 (m, 1H), 3.65 (d, J = 22.5 Hz, 4H), 3.07 (brs, 2H), 2.97 (brs, 2H), 2.89 (s, 4H), 2.18 ( brs, 2H), 2.07-1.98 (m, 2H), 1.67-1.65 (m, 2H)。
LCMS: m/z: 494.70 [M+H]+。
実施例6 − 3−クロロ−N−(1−メチルシクロプロピル)−4−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ベンズアミドの合成
工程1:
3−クロロ−4−フルオロ−安息香酸(50mg、0.29mmol)のDMF(2mL)中における撹拌溶液に、1−メチルシクロプロパンアミン塩酸塩(36mg、0.34mmol)、EDC・HCl(82mg、0.429mmol)、HOBt(58mg、0.429mmol)およびNMM(0.16mL、1.43mmol)を室温で添加し、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(25mL)で希釈し、その間に固体が沈殿し、それを濾過した。固体を水(20mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、3−クロロ−4−フルオロ−N−(1−メチルシクロプロピル)ベンズアミド(50mg、78%)が灰白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 228.19 [M+H] +。
工程2:
3−クロロ−4−フルオロ−N−(1−メチルシクロプロピル)ベンズアミド(500mg、2.21mmol)およびピペラジン(951mg、11.06mmol)のDMSO(5mL)中における撹拌溶液を、120℃で16時間加熱した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(1×100mL)およびブライン溶液(1×100mL)で洗浄した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、揮発性物質を減圧下で除去すると、粗製の3−クロロ−N−(1−メチルシクロプロピル)−4−ピペラジン−1−イル−ベンズアミド(800mg)が得られ、それを精製せずに次の工程に進めた。
LCMS: m/z: 294.35 [M+H] +。
工程3:
3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(300mg、1.37mmol)のDMF(5mL)中における撹拌溶液に、3−クロロ−N−(1−メチルシクロプロピル)−4−ピペラジン−1−イル−ベンズアミド(604mg、2.06mmol)、T3P(0.87mL、2.75mmol、50%DMF中)およびDIPEA(0.75mL、4.12mmol)を室温で添加し、室温で18時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(1×100mL)およびブライン溶液(1×100mL)で洗浄した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、揮発性物質を減圧下で蒸発させると、粗製の化合物が得られ、それを分取HPLCにより精製すると、3−クロロ−N−(1−メチルシクロプロピル)−4−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ベンズアミド(140mg、20%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.20 (brs, 1H), 8.64 (brs, 1H), 8.07 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.76-7.75 (m, 2H), 7.57 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.69 (brs, 2H), 3.61 (brs, 2H), 3.06 (brs, 2H), 2.96 (brs, 2H), 2.89 (s, 4H), 1.34 (s, 3H), 0.71 (brs, 2H), 0.60 (brs, 2H)。
LCMS: m/z: 494.50 [M+H]+。
実施例7 − 3−クロロ−N−(3−メチルオキセタン−3−イル)−4−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ベンズアミドの合成
工程1:
3−クロロ−4−フルオロ−安息香酸(500mg、2.86mmol)のDMF(5mL)中における撹拌溶液に、3−メチルオキセタン−3−アミン塩酸塩(420mg、3.43mmol)、EDC・HCl(820mg、4.29mmol)、HOBt(580mg、4.29mmol)およびNMM(1.6mL、14.32mmol)を室温で添加し、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(1×100mL)、ブライン溶液(1×100mL)で洗浄した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、揮発性物質を減圧下で蒸発させ、残留物をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、7g、70% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、3−クロロ−4−フルオロ−N−(3−メチルオキセタン−3−イル)ベンズアミド(610mg、87%)がクリーム色の固体として得られた。
LCMS: m/z: 244.14 [M+H]+。
工程2:
3−クロロ−4−フルオロ−N−(3−メチルオキセタン−3−イル)ベンズアミド(600mg、2.46mmol)のDMSO(6mL)中における撹拌溶液に、ピペラジン(1g、12.34mmol)を室温で添加し、120℃で16時間加熱した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(1×100mL)、ブライン溶液(1×100mL)で洗浄した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、揮発性物質を減圧下で蒸発させると、粗製の3−クロロ−N−(3−メチルオキセタン−3−イル)−4−ピペラジン−1−イル−ベンズアミド(900mg)が得られ、それを精製せずに次の工程に進めた。
LCMS: m/z: 310.34 [M+H]+。
工程3:
3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(200mg、0.917mmol)のDMF(5mL)中における撹拌溶液に、3−クロロ−N−(3−メチルオキセタン−3−イル)−4−ピペラジン−1−イル−ベンズアミド(425mg、1.37mmol)、T3P(0.58mL、1.83mmol、DMF中50%溶液)およびDIPEA(0.5mL、2.75mmol)を室温で添加し、18時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、水(1×100mL)、ブライン溶液(1×100mL)で洗浄した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、揮発性物質を減圧下で蒸発させると、粗製の化合物が得られ、それを分取HPLCにより精製すると、3−クロロ−N−(3−メチルオキセタン−3−イル)−4−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ベンズアミド(100mg、21%)が白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.30 (brs, 1H), 8.86 (brs, 1H), 8.08 (dd, J = 8.1, 1.2 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 1.8 Hz,1H), 7.81-7.73 (m, 2H), 7.57 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.47-7.42 (m, 1H), 7.19 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.69 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.36 (d, J = 6.3 Hz, 2H), 3.70 (brs, 2H), 3.62 (brs, 2H), 3.08 (brs, 2H), 2.98 (brs, 2H), 2.90 (s, 4H), 1.58 (s, 3H)。
LCMS: m/z: 510.69 [M+H]+。
実施例8 − 2−[3−オキソ−3−(4−フェニル−1−ピペリジル)プロピル]−3H−キナゾリン−4−オンの合成
工程1:
100mLのオーブン乾燥させた二口丸底フラスコに、削状マグネシウム(600mg、25mmol)および乾燥THF(5mL)を室温においてアルゴン雰囲気下で入れた。この混合物に、ヨウ素(20mg)を添加し、強く撹拌しながら70℃に加熱し、ブロモベンゼン(1.57g、10mmol)の乾燥THF(5mL)中における溶液を、温度を70℃で維持しながら添加し、アルゴン雰囲気下で1時間継続した。反応混合物を室温に至らせ、tert−ブチル 4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(1g、5.0mmol)の乾燥THF(5mL)中における予め冷却された(−50℃)溶液にアルゴン雰囲気下で滴加した。反応混合物を室温まで温まらせ、1時間撹拌し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、飽和NH4Cl水溶液(10mL)で停止させ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて水(10mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。揮発性物質を減圧下で濃縮し;粗生成物を18%HCl水溶液(15mL)中に入れ、100℃で3時間で加熱した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。溶媒を減圧下で除去し、残留物をEt2O(20mL)およびEtOAc(20mL)で洗浄すると、4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン塩酸塩(700mg、71%)が灰白色固体(吸湿性)として得られた。
LCMS: m/z: 160.3 [M+H]+。
工程2:
4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン塩酸塩(300mg、1.53mmol)のMeOH(10mL)中における撹拌溶液に、10% Pd−C(100mg)を室温においてアルゴン雰囲気下で添加した。反応混合物をH2でフラッシュし(3回)、H2雰囲気(バルーン)下で4時間撹拌した。反応の完了後(LCMSによりモニターした)、反応混合物をセライトの短いパッドを通して濾過し、MeOH(5mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物を乾燥エーテル(2×5mL)で洗浄すると、4−フェニルピペリジン塩酸塩(300mg、99%)が灰白色固体(吸湿性)として得られた。
LCMS: m/z: 162.3 [M+H]+。
工程3:
3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(200mg、0.917mmol)および4−フェニルピペリジン塩酸塩(217mg、1.1mmol)の乾燥DMF(1.5mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(264mg、1.375mmol)、HOBt(187mg、1.38mmol)およびNa2CO3(292mg、2.75mmol)を室温においてアルゴン雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、氷冷水(15mL)で停止させ、30分間撹拌した。沈殿を濾過し、固体を水(10mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、25g、5% MeOH−DCM)により精製すると、2−[3−オキソ−3−(4−フェニル−1−ピペリジル)プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン(30mg、25%)が灰白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.21 (s, 1H), 8.08 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.79-7.73 (m, 1H), 7.57-7.52 (m, 1H), 7.48-7.43 (m, 1H), 7.38-7.22 (m, 5H), 4.51 (d, J = 12.6 Hz, 1H), 4.07 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 3.14 (t, J = 12.6 Hz, 4H), 2.94-2.81 (m, 3H), 2.64-2.57 (m, 1H), 1.84-1.73 (m, 1H), 1.66-1.62 (m, 1 H), 1.42-1.33 (m, 1H)。
LCMS: m/z: 362.5 [M+H]+。
実施例9 − 2−[3−オキソ−3−(4−フェニルピペラジン−1−イル)プロピル]−3H−キナゾリン−4−オンの合成
工程1:
2−アミノベンズアミド(5g、36.76mmol)のAcOH(10mL)中における撹拌溶液に、無水コハク酸(3.67g、36.76mmol)のAcOH(10mL)中における溶液を室温で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、冷水(100mL)で希釈し、15分間撹拌した。沈殿を濾過し、冷水(30mL)で洗浄し、真空下で乾燥させると、4−(2−カルバモイルアニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(8g、92%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 237.4 [M+H]+。
工程2:
4−(2−カルバモイルアニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(8g、33.86mmol)およびNaOAc(2.78g、33.86mmol)のAc2O(10mL)中における撹拌溶液を、120℃で1時間加熱した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を室温に至らせ、水(100mL)で停止させ、1N NaOH溶液をゆっくりとpH=10まで添加した。結果として得られた混合物をEtOAc(30mL)で洗浄し、水層を分離し、AcOHでpH=5まで酸性化し、1時間撹拌し、濾過した。固体をヘキサン類(3×20mL)で洗浄し、真空下で乾燥させると、3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(5.0g、68%)が得られ、それを精製せずに次の工程のために用いた。
LCMS: m/z: 219.3 [M+H]+。
工程3:
3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(100mg、0.458mmol)および1−フェニルピペラジン(90mg、0.55mmol)の乾燥DMF(1.5mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(132mg、0.687mmol)、HOBt(93mg、0.688mmol)およびNa2CO3(146mg、1.37mmol)を室温においてアルゴン雰囲気下で添加した。反応混合物を室温においてアルゴン下で18時間撹拌し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、氷冷水(15mL)で停止させ、30分間撹拌した。沈殿を濾別し、水(10mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、50g、5% MeOH−DCM)により精製すると、2−[3−オキソ−3−(4−フェニルピペラジン−1−イル)プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン(33mg、20%)が灰白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.21 (s, 1H), 8.07 (dd, J = 1.2, 8.1 Hz, 1H), 7.77-7.71 (m, 1H), 7.54 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.47-7.42 (m, 1H), 7.23 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 6.92 (d, J = 8.1 Hz, 2 H), 6.81 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 3.67-3.57 (m, 4H), 3.20-3.06 (m, 4H), 2.89 (s, 4H)。
LCMS: m/z: 363.5 [M+H]+。
実施例10 − 2−[3−[4−(2−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オンの合成
工程1:
1−クロロ−2−ヨード−ベンゼン(140mg、0.590mmol)およびtert−ブチル ピペラジン−1−カルボキシレート(100mg、0.537mmol)の乾燥トルエン(2mL)中における撹拌溶液に、キサントホス(34mg、0.0590mmol)、Pd2(dba)3(24mg、0.0262mmol)およびCs2CO3(261mg、0.80mmol)を室温においてアルゴン雰囲気下で添加した。結果として得られた混合物を、CEMマイクロ波中で100℃で30分間照射した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を水(20mL)で希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、10g、5% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、tert−ブチル 4−(2−クロロフェニル)ピペラジン−1−カルボキシレート(100mg、63%)が灰白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, CDCl3]: δ 7.37 (dd, J = 7.8, 1.2 Hz, 1H), 7.22 (td, J = 7.8, 1.2 Hz, 1H), 7.02-6.96 (m, 2H), 3.60 (t, J = 5.1 Hz, 4H), 2.99 (t, J = 5.1 Hz, 4H), 1.48 (s, 9H)。
工程2:
tert−ブチル 4−(2−クロロフェニル)ピペラジン−1−カルボキシレート(250mg、0.844mmol)の1,4−ジオキサン(2mL)中における撹拌溶液に、1,4−ジオキサン中4N HCl(0.9mL、3.60mmol)を0℃で滴加した。反応混合物を室温まで温まらせ、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去すると、粗製の化合物が得られ、それをジエチルエーテル(2×20mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、1−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩(165mg、84%)が白色固体として得られた。
工程3:
1−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩(119mg、0.510mmol)および3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(111mg、0.509mmol)の乾燥DMF(2mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(98mg、0.511mmol)、HOBt(69mg、0.510mmol)およびDIPEA(0.18mL、1.03mmol)を室温で添加し、3時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を冷水(20mL)で停止させ、15分間撹拌した。結果として生じた沈殿を濾別し、固体をEt2O(2×5mL)で洗浄すると、2−[3−[4−(2−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン(90mg、44%)が白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.20 (s, 1H), 8.08 (dd, J = 7.8, 1.2 Hz, 1H), 7.76-7.73 (m, 1H), 7.57 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.48-7.41 (m, 2H), 7.31-7.28 (m, 1H), 7.15-7.04 (m, 2H), 3.68 (s, 2H), 3.61 (s, 2H), 3.00 (s, 4H), 2.89 (s, 4H)。
LCMS: m/z: 397.30 [M+H]+。
実施例11 − 6−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(2g、14.43mmol)のDMA(20mL)中における撹拌溶液に、K2CO3(3.4g、24.63mmol)、N−Boc−ピペラジン(2.7g、14.50mmol)を室温においてアルゴン雰囲気下で添加し、3時間撹拌した。反応混合物を60℃で3時間加熱し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、氷水(100mL)中に注ぎ、その間に固体が沈殿し、それを濾過し、Et2O(3×10mL)、ペンタン(3×10mL)で洗浄し、乾燥させると、tert−ブチル 4−(5−シアノ−2−ピリジル)ピペラジン−1−カルボキシレート(3g、73%)が得られ、それを精製せずに用いた。
LCMS: m/z: 289.3 [M+H]+。
工程2:
tert−ブチル 4−(5−シアノ−2−ピリジル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.5g、1.736mmol)のDCM中における撹拌溶液に、ジオキサン中4N HCl(0.5mL)を滴加し、室温においてアルゴン雰囲気下で4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を減圧下で濃縮すると、残留物が得られ、それをEt2O(2×5mL)、DCM(2×5mL)、ペンタン(2×5mL)で洗浄し、真空下で乾燥させると、6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−カルボニトリル塩酸塩(0.3g、収率93%)が得られ、それを精製せずに次の工程に進めた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 9.58 (brs, 2H), 8.54 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.91-7.33 (dd, J = 3.2, 12.4 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.91 (t, J = 6.8 Hz, 4H), 3.14 (brs, 4H)。
工程3:
6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−カルボニトリル塩酸塩(0.2g、0.974mmol)および3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(0.2g、0.913mmol)のDMF(2mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(0.35g、1.83mmol)、HOBt(0.24g、1.83mmol)およびDIPEA(0.8mL、4.59mmol)を室温で添加し、8時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を氷冷水(30mL)中に注ぎ、15分間撹拌し、その間に固体が沈殿し、それを濾過し、カラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、10g、DCM中5% MeOH)により精製すると、6−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(0.025g、20%)が白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.02 (s, 1H), 8.51 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 8.08-8.05 (dd, J = 1.6, 10.4 Hz, 1H), 7.90-7.86 (dd, J = 3.2, 12.0 Hz, 1H), 7.77-7.71 (m, 1H), 7.54 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 7.47-7.41 (m, 1H), 6.94 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.77-3.75 (m, 2H), 3.64 (d, J = 4.8 Hz, 4H), 3.57-3.56 (m, 2H), 2.89 (s, 4H)。
LCMS: m/z: 389.61 [M+H]+。
実施例12 − 6−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボキサミドの合成
6−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(100mg、0.257mmol)のトルエン(1mL)中における撹拌溶液に、H2SO4(127mg、1.285mmol)を室温においてアルゴン雰囲気下で添加し、80℃で5時間で加熱した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を減圧下で濃縮し、トルエン(3×5mL)と共蒸留し、1N NaOH溶液でpH=9まで塩基性化し、10% MeOH−DCM(3×10mL)で抽出し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、15g、DCM中10% MeOH)により精製すると、6−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボキサミド(0.025g、20%)が白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.02 (s, 1H), 8.63 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 8.08-8.05 (dd, J = 1.6,10.4 Hz, 1H), 8.00-7.96 (dd, J = 3.2,12.0 Hz, 1H), 7.79-7.71 (m, 2H), 7.54 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 7.44(t, J = 10.4 Hz, 1H), 7.17 (s, 1H), 6.86 (d, J = 12 Hz, 1H), 3.69-3.64 (m, 4H), 3.56 (s, 4H), 2.89 (s, 4H)。
LCMS: m/z: 407.5 [M+H]+。
実施例13 − 6−[4−[3−(5−メチル−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
2−アミノ−6−メチル−安息香酸(0.5g、3.31mmol)のDMF(5mL)中における撹拌溶液に、室温でCDI(0.53g、3.31mmol)を添加した。反応混合物を80℃で2時間加熱し、上記の反応混合物に温度を80℃で維持しながら水性アンモニア(25%、10mL)を注意深く添加し、4時間継続した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物をゆっくりと室温に至らせ、水(30mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて水(2×50mL)、ブライン(40mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをEt2O(10mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、2−アミノ−6−メチル−ベンズアミド(200mg、40%)が白色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 151.09 [M+H]+。
工程2:
2−アミノ−6−メチル−ベンズアミド(0.2g、1.33mmol)のAcOH(3mL)中における撹拌溶液に、無水コハク酸を室温で添加し、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を氷冷水(5mL)中に注ぎ、30分間撹拌し、その間に固体が沈殿した。固体を濾過し、水(20mL)、冷アセトン(5mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、4−(2−カルバモイル−3−メチル−アニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(250mg、75%)が白色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 251.50 [M+H]+。
工程3:
4−(2−カルバモイル−3−メチル−アニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(0.25g、1.0mmol)を2N水性NaOH(5mL)中に入れ、100℃で2時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物をゆっくりと0℃に冷却し、2N水性HClでpH=3〜4に酸性化し、その間に白色固体が沈殿した。懸濁液を0℃で30分間撹拌し、濾過し、水(20mL)、冷アセトン(2mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、3−(5−メチル−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(150mg、64%)が灰白色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 233.49 [M+H]+。
工程4:
3−(5−メチル−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(150mg、0.65mmol)および6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−カルボニトリル塩酸塩(145mg、0.77mmol)のDMF(2mL)中における撹拌溶液に、DIPEA(0.3mL、1.94mmol)およびT3P(EtOAc中50%溶液、0.4mL、1.29mmol)を室温で添加し、8時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(10mL)で停止させ、EtOAc(3×40mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(3×30mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、10g、5% MeOH−DCM)により精製すると、6−[4−[3−(5−メチル−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(60mg、27%)が白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 11.98 (brs, 1H), 8.51 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.88 (dd, J = 9.0, 2.1 Hz 1H), 7.55 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.77-3.76 (m, 2H), 3.64-3.62 (m, 4H), 3.57-3.55 (m, 2H), 2.88-2.83 (m, 4H), 2.75 (s, 3H)。
LCMS (ESI+): m/z: 403.66 [M+H]+。
実施例14 − 6−[4−[3−(6−メチル−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
2−アミノ−5−メチル−安息香酸(100mg、0.66mmol)のTHF(2mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(189mg、0.99mmol)、HOBt・NH3(149mg、0.99mmol)およびDIPEA(0.35mL、1.99mmol)を室温で添加し、1時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な変換を示した)。反応混合物をEtOAc(1×50mL)で希釈し、水(1×20mL)およびブライン溶液(1×20mL)で洗浄した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、揮発性物質を減圧下で蒸発させると、粗製の残留物が得られ、それをCombiflash Rf 200 Teledyne ISCO(100% EtOAc、12gmカートリッジ)により精製すると、2−アミノ−5−メチル−ベンズアミド(70mg、70%)が白色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 151.13 [M+H]+。
工程2:
2−アミノ−5−メチル−ベンズアミド(600mg、4.0mmol)のAcOH(6mL)中における撹拌溶液に、無水コハク酸(480mg、4.80mmol)を室温で添加し、2時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な変換を示した)。反応混合物を氷冷水(1×50mL)で希釈し、30分間撹拌し、その間に固体が沈殿し、それを濾過し、水(1×50mL)、続いて冷アセトン(1×20mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、4−(2−カルバモイル−4−メチル−アニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(800mg、80%)が白色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 273.56 [M+Na]+。
工程3:
4−(2−カルバモイル−4−メチル−アニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(480mg、2.07mmol)の水性2N NaOH(15mL)中における撹拌溶液を、100℃で4時間加熱した(TLCは、化合物4の完全な変換を示した)。反応混合物を0℃に冷却し、AcOHでpH=5まで酸性化し、その間に固体が沈殿した。固体を濾過し、水(1×80mL)、続いて冷アセトン(1×20mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、3−(6−メチル−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(380mg、85%)が灰白色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 233.45 [M+H]+。
工程4:
3−(6−メチル−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(250mg、1.077mmol)のDMF(5mL)中における撹拌溶液に、室温で6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−カルボニトリル塩酸塩(289mg、1.293mmol)、T3P(DMF中50%、0.68mL、2.15mmol)およびDIPEA(0.57mL、3.23mmol)を添加し、6時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(1×80mL)で希釈し、5分間撹拌し、固体が沈殿した際、それを濾過した。固体を水(1×70mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、6−[4−[3−(6−メチル−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(170mg、39%)が灰白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.10 (brs, 1H), 8.51 (s, 1H), 7.90-7.87 (m, 2H), 7.56 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 3.79-3.72 (m, 2H), 3.68-3.62 (m, 4H), 3.59-3.54 (m, 2H), 2.87 (s, 4H), 2.41 (s, 3H)。
LCMS (ESI+): m/z: 403.66 [M+H]+。
実施例15 − 6−[4−[3−(7−メチル−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
2−アミノ−4−メチル−安息香酸(300mg、1.99mmol)のTHF(6mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(569mg、2.98mmol)、HOBt・NH3(447mg、2.98mmol)およびDIPEA(1.06mL、5.96mmol)を室温で添加し、1時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(3×25mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の化合物が得られ、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、5g、50% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、2−アミノ−4−メチル−ベンズアミド(190mg、64%)が白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 7.62 (brs, 1H), 7.42 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.93 (brs, 1H), 6.54-6.46 (m, 3H), 6.30- 6.27 (m, 1H), 2.15 (s, 3H)。
工程2:
2−アミノ−4−メチル−ベンズアミド(190mg、1.27mmol)のAcOH(5mL)中における撹拌溶液に、無水コハク酸(151mg、1.52mmol)を室温で添加し、2時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(20mL)で希釈し、固体が沈殿し、濾過し、真空下で乾燥させると、必要とされる4−(2−カルバモイル−5−メチル−アニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(250mg、89%)が得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程に用いた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.37 (brs, 1H), 11.88 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.70 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.64 (s, 1H), 6.91 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 2.53-2.50 (m, 4H), 2.31 (s, 3H)。
LCMS: m/z: 273.50 [M+Na]+。
工程3:
4−(2−カルバモイル−5−メチル−アニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(250mg、1mmol)を2N NaOH(10mL)中に入れ、3時間還流させ(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、0℃に冷却し、AcOHでpH=4まで酸性化し、その間に固体が沈殿した。固体を濾過し、真空下で乾燥させると、3−(7−メチル−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(220mg、95%)が得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程に用いた。
LCMS: m/z: 233.45 [M+H]+。
工程4:
3−(7−メチル−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(150mg、0.65mmol)および6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−カルボニトリル塩酸塩(173mg、0.78mmol)のDMF(4mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(185mg、0.97mmol)、HOBt(130mg、0.97mmol)およびDIPEA(0.46mL、2.58mmol)を室温で添加し、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を冷水(25mL)中に注ぎ、10分間撹拌し、その間に固体が沈殿した。固体を濾過し、真空下で乾燥させ、Et2O(20mL)およびヘキサン(20mL)で洗浄すると、6−[4−[3−(7−メチル−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(75mg、29%)が灰白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.1 (s, 1H), 8.52 (s, 1H), 7.96-7.87 (m, 2H), 7.33 (s, 1H), 7.26 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 3.78 (brs, 2H), 3.65 (brs, 4H), 3.57 (brs, 2H), 2.87 (brs, 4H), 2.39 (s, 3H)。
LCMS: m/z: 403.69 [M+H]+。
実施例16 − 6−[4−[3−(8−メチル−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
2−アミノ−3−メチル−安息香酸(0.5g、3.31mmol)のTHF(15mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(0.948g、4.97mmol)、HOBt・NH3(0.745g、4.97mmol)およびDIPEA(1.76mL、9.93mmol)を室温で添加し、6時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な変換を示す)。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(3×100mL)。有機性抽出物を合わせて水(2×50mL)、ブライン(40mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られた。粗製物質をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、20g、50% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、2−アミノ−3−メチル−ベンズアミド(0.3g、60%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 151.09 [M+H]+。
工程2:
2−アミノ−3−メチル−ベンズアミド(0.3g、2.0mmol)のAcOH(3mL)中における撹拌溶液に、無水コハク酸を室温で添加し、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を氷冷水(10mL)中に注ぎ、30分間撹拌し、その間に固体が沈殿した。固体を濾過し、水(20mL)、冷アセトン(5mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、4−(2−カルバモイル−6−メチル−アニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(280mg、56%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 251.48 [M+H]+。
工程3:
2N水性NaOH(5mL)中の4−(2−カルバモイル−6−メチル−アニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(0.28g、1.12mmol)を、100℃で2時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を0℃に冷却し、2N水性HClでpH=3〜4まで酸性化し、その間に白色固体が沈殿した。懸濁液を0℃で30分間撹拌し、濾過し、水(20mL)、冷アセトン(5mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させ、3−(8−メチル−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(180mg、69%)が灰白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 233.45 [M+H]+。
工程4:
3−(8−メチル−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(100mg、0.43mmol)および6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−カルボニトリル塩酸塩(97mg、0.52mmol)のDMF(3mL)中における撹拌溶液に、DIPEA(0.23mL、1.29mmol)およびT3P(0.27mL、0.86mmol)を室温で添加し、3時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(10mL)で停止させ、EtOAc(3×60mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(3×30mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られた。粗製物質をアセトニトリル(5mL)から再結晶すると、6−[4−[3−(8−メチル−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(60mg、34%)が白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.20 (brs, 1H), 8.51 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.92-7.86 (m, 2H), 7.60 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 7.31 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.77-3.75 (m, 2H), 3.66-3.65 (m, 4H), 3.59-3.57 (m, 2H), 2.90 (s, 4H), 2.46 (s, 3H)。
LCMS: m/z: 403.68 [M+H]+。
実施例17 − 6−[4−[3−(5−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
3−(5−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(250mg、1.054mmol)のDMF(5mL)中における撹拌溶液に、6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−カルボニトリル塩酸塩(283mg、1.265mmol)、EDC・HCl(302mg、1.582mmol)、HOBt(213mg、1.582mmol)およびDIPEA(0.56mL、3.164mmol)を室温で添加し、7時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(1×80mL)で希釈し、室温で5分間撹拌し、その間に固体が沈殿し、それを濾過し、水(1×70mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、6−[4−[3−(5−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(120mg、23%)が淡黄色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.20 (brs, 1H), 8.51 (d, J = 2.1 Hz,1H), 7.88 (dd, J = 9.3, 2.4 Hz, 1H), 7.73-7.67 (m, 1H), 7.35 (d, J = 8.1 Hz, 1H) 7.21-7.15 (m, 1H), 6.94 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 3.81-3.74 (m, 2H), 3.68-3.62 (m, 4H), 3.58-3.53 (m, 2H), 2.87 (s, 4H)。
LCMS: m/z: 407.60 [M+H]+。
実施例18 − 6−[4−[3−(6−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
3−(6−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(100mg、0.42mmol)および6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−カルボニトリル塩酸塩(95mg、0.51mmol)のDMF(2mL)中における撹拌溶液に、DIPEA(0.2mL、1.27mmol)およびT3P(0.3mL、0.85mmol)を室温で添加し、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示す)。反応混合物を水(10mL)で停止させ、EtOAc(3×40mL)中に抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(3×30mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られた。粗製物質をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、10g、5% MeOH−DCM)により精製すると、6−[4−[3−(6−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(60mg、35%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.33 (brs, 1H), 8.51 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.88 (dd, J = 9.0, 2.1 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.64-7.62 (m, 2H), 6.93 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 3.77-3.56 (m, 8H), 2.88 (s, 4H)。
LCMS: m/z: 407.61 [M+1]+。
実施例19 − 6−[4−[3−(7−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
2−アミノ−4−フルオロ−安息香酸(300mg、1.93mmol)のTHF(6mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(553mg、2.90mmol)、HOBt・NH3(435mg、2.90mmol)、DIPEA(1.03mL、5.79mmol)を室温で添加し、1時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(25mL)で希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、5g、50% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、2−アミノ−4−フルオロ−ベンズアミド(195mg、65%)が白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 7.71 (brs, 1H), 7.61-7.56 (m, 1H), 7.07 (brs, 1H), 6.89 (s, 2H), 6.42 (dd, J = 2.7, 12.0 Hz, 1H), 6.30-6.23 (m, 1H)。
工程2:
2−アミノ−4−フルオロ−ベンズアミド(195mg、1.26mmol)のAcOH(4mL)中における撹拌溶液に、無水コハク酸(151mg、1.51mmol)を室温で添加し、2時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(20mL)で希釈し、その間に固体が沈殿した。固体を濾過し、真空下で乾燥させると、4−(2−カルバモイル−5−フルオロ−アニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(260mg、81%)が得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程のために用いた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.10 (s, 1H), 8.40-8.26 (m, 3H), 7.92-7.87 (m, 1H), 7.79 (brs, 1H), 7.00-6.93 (m, 1H), 2.56-2.49 (m, 4H)。
工程3:
4−(2−カルバモイル−5−フルオロ−アニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(250mg、0.98mmol)の2N NaOH(10mL)中における撹拌溶液を3時間還流させた(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を0℃に冷却し、AcOHでpH=4まで酸性化し、その間に固体が沈殿した。固体を濾過し、真空下で乾燥させると、3−(7−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(210mg、90%)が得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程のために用いた。
LCMS: m/z: 237.43 [M+H]+。
工程4:
3−(7−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(150mg、0.63mmol)および6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−カルボニトリル;塩酸塩(174mg、0.76mmol)のDMF(4mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(181mg、0.95mmol)、HOBt(130mg、0.95mmol)およびDIPEA(0.45mL、2.54mmol)を室温で添加し、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を冷水(25mL)中に注ぎ、その間に固体が沈殿した。固体を濾過し、真空下で乾燥させ、Et2O(20mL)、ヘキサン(20mL)、ペンタン(20mL)、EtOAc(15mL)で洗浄し、再度真空下で乾燥させると、6−[4−[3−(7−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(110mg、43%)が灰白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.30 (s, 1H), 8.51 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.15-8.10 (m, 1H), 7.88 (dd, J = 2.4, 9.6 Hz, 1H), 7.33-7.27 (m, 2H), 6.94 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.80-3.73 (m, 2H), 3.69-3.61 (m, 4H), 3.59-3.53 (m, 2H), 2.89 (s, 4H)。
LCMS: m/z: 407.61 [M+H]+。
実施例20 − 6−[4−[3−(8−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
2−アミノ−3−フルオロ−安息香酸(400mg、2.57mmol)のTHF(10mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(738mg、3.86mmol)、HOBt・NH3(580mg、3.86mmol)およびDIPEA(1.38mL、7.73mmol)を室温で添加し、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(3×40mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の化合物が得られ、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、5g、50% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、2−アミノ−3−フルオロ−ベンズアミド(250mg、63%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 155.42 [M+H]+。
工程2:
2−アミノ−3−フルオロ−ベンズアミド(250mg、1.62mmol)のAcOH(5mL)中における撹拌溶液に、無水コハク酸(389mg、3.89mmol)を室温で添加し、2時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(20mL)で希釈し、その間に固体が沈殿した。固体を濾過し、真空下で乾燥させると、4−(2−カルバモイル−6−フルオロ−アニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(400mg、97%)が得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程のために用いた。
LCMS: m/z: 255.42 [M+H]+。
工程3:
4−(2−カルバモイル−6−フルオロ−アニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(400mg、1.57mmol)を2N NaOH(10mL)中に入れ、100℃で3時間加熱した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応の完了後、反応混合物を0℃に冷却し、AcOHでpH=4まで酸性化し、その間に固体が沈殿した。固体を濾過し、真空下で乾燥させると、3−(8−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(250mg、67%)が得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程のために用いた。
LCMS: m/z: 237.39 [M+H]+。
工程4:
3−(8−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(150mg、0.63mmol)および6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−カルボニトリル塩酸塩(170mg、0.76mmol)のDMF(4mL)中における撹拌溶液に、T3P(0.3mL、0.95mmol)およびDIPEA(0.45ml、2.54mmol)を室温で添加し、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を冷水(25mL)中に注ぎ、その間に固体が沈殿した。固体を濾過し、真空下で乾燥させ、ヘキサン(30mL)、クロロホルム(30mL)で洗浄し、再度真空下で乾燥させると、6−[4−[3−(8−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(80mg、23%)が灰白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 8.51 (d, J= 2.1 Hz, 1H), 7.90-7.87 (m, 2H), 7.65-7.59 (m, 1H), 7.46-7.39 (m, 1H), 6.93 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.77 (brs, 2H), 3.64 (brs, 4H), 3.57 (brs, 2H), 2.90 (s, 4H)。
LCMS: m/z: 407.61 [M+H]+。
実施例21 − 6−[4−[3−(4−オキソ−3H−ピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
3−アミノピリジン−2−カルボキサミド(0.3g、2.19mmol)のAcOH(3mL)中における撹拌溶液に、無水コハク酸(0.26g、2.63mmol)を室温で添加し、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を氷冷水(5mL)中に注ぎ、30分間撹拌し、その間に固体が沈殿した。固体を濾過し、水(10mL)、冷アセトン(5mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させ、4−[(2−カルバモイル−3−ピリジル)アミノ]−4−オキソ−ブタン酸(320mg、61%)が得られ、それを一切精製せずに次の工程のために用いた。
LCMS: m/z: 238.41 [M+H]+。
工程2:
4−[(2−カルバモイル−3−ピリジル)アミノ]−4−オキソ−ブタン酸(300mg、1.27mmol)を2N水性NaOH(5mL)中に入れ、100℃で2時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を0℃に冷却し、2N水性HClでpH=3〜4まで酸性化し、その間に白色固体が沈殿した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。固体を濾過し、水(10mL)、冷アセトン(4mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、3−(4−オキソ−3H−ピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)プロパン酸(200mg、72%)が得られ、それを一切精製せずに次の工程のために用いた。
LCMS: m/z: 220.46 [M+H]+。
工程3:
3−(4−オキソ−3H−ピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)プロパン酸(100mg、0.46mmol)および6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−カルボニトリル塩酸塩(104mg、0.55mmol)のDMF(3mL)中における撹拌溶液に、DIPEA(0.3mL、1.37mmol)およびT3P(0.23mL、0.92mmol)を室温で添加し、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示す)。反応混合物を水(10mL)で停止させ、EtOAc(3×40mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(3×20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られた。粗製物質をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、10g、5% MeOH−DCM)により精製すると、6−[4−[3−(4−オキソ−3H−ピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(60mg、36%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz DMSO-d6]: δ 12.50 (brs, 1H), 8.71 (dd, J = 4.0, 1.2 Hz, 1H), 8.50 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.95 (dd, J = 8.4, 1.6 Hz, 1H), 7.88 (dd, J = 9.2, 1.6 Hz, 1H), 7.73 (dd, J = 8.0, 4.0 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.77-3.75 (m, 2H ), 3.66-3.63 (m, 4H ), 3.57-3.55 (m, 2H), 2.90 (s, 4H)。
LCMS: m/z: 390.69 [M+H]+。
実施例22 − 6−[4−[3−(4−オキソ−3H−ピリド[3,4−d]ピリミジン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
3−アミノピリジン−4−カルボキサミド(300mg、2.18mmol)のAcOH(6mL)中における撹拌溶液に、無水コハク酸(262mg、2.62mmol)を室温で添加し、22時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(20mL)で希釈し、その間に固体が沈殿した。固体を濾過し、真空下で乾燥させると、4−[(4−カルバモイル−3−ピリジル)アミノ]−4−オキソ−ブタン酸(430mg、83%)が得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程のために用いた。
LCMS: m/z: 238.52 [M+H]+。
工程2:
4−[(4−カルバモイル−3−ピリジル)アミノ]−4−オキソ−ブタン酸(430mg、1.81mmol)を2N NaOH(8.6mL)中に入れ、4時間還流させた(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応の完了後、反応混合物を0℃に冷却し、AcOHでpH=4まで酸性化し、その間に固体が沈殿した。固体を濾過し、真空下で乾燥させ、3−(4−オキソ−3H−ピリド[3,4−d]ピリミジン−2−イル)プロパン酸(380mg、96%)が得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程のために用いた。
LCMS: m/z: 220.42 [M+H]+。
工程3:
3−(4−オキソ−3H−ピリド[3,4−d]ピリミジン−2−イル)プロパン酸(200mg、0.91mmol)および6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−カルボニトリル塩酸塩(245mg、1.09mmol)のDMF(5mL)中における撹拌溶液に、T3P(0.87mL、1.36mmol)、DIPEA(0.64mL、3.65mmol)を室温で添加し、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を希釈し(30mL)、EtOAc(3×15mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の化合物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、4g、5% MeOH−DCM)により精製すると、6−[4−[3−(4−オキソ−3H−ピリド[3,4−d]ピリミジン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(45mg、13%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.55 (s, 1H), 8.94 (s, 1H), 8.59 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 8.51-8.50 (m, 1H), 7.91-7.87 (m, 2H), 6.94 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.77 (brs, 2H), 3.65 (brs, 4H), 3.56 (brs, 2H), 2.92 (brs, 4H)。
LCMS: m/z: 390.70 [M+H]+。
実施例23 − 6−[4−[3−(4−オキソ−3H−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
2−アミノチオフェン−3−カルボキサミド(300mg、2.11mmol)の酢酸(3mL)中における撹拌溶液に、無水コハク酸(253mg、2.53mmol)を室温で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。次いで、反応混合物を水(20mL)で希釈し、沈殿が形成された。混合物を濾過し、得られた固体を真空下で乾燥させると、4−[(3−カルバモイル−2−チエニル)アミノ]−4−オキソ−ブタン酸(410mg、69%)が得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程に用いた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.20 (s, 1H), 12.14 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.50 (brs, 1H), 7.39 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 2.67 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.56 (t, J = 6.8 Hz, 2H)。
LCMS: m/z: 265.40 [M+Na]+。
工程2:
4−[(3−カルバモイル−2−チエニル)アミノ]−4−オキソ−ブタン酸(350mg、1.44mmol)を、2N NaOH(7mL)中で室温で懸濁した。結果として得られた混合物を100℃で4時間加熱した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応の完了後、反応混合物を0℃に冷却し、AcOHで酸性化した(pH=4)。固体が形成され、濾過により収集し、真空下で乾燥させると、3−(4−オキソ−3H−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)プロパン酸(290mg、90%)が得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程に用いた。
LCMS: m/z: 225.38 [M+H]+。
工程3:
3−(4−オキソ−3H−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)プロパン酸(200mg、0.89mmol)および6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−カルボニトリル塩酸塩(239mg、1.07mmol)のDMF(5mL)中における撹拌溶液に、T3P(0.85mL、1.33mmol)、DIPEA(0.62mL、3.568mmol)を室温で添加した。反応混合物を室温において4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を希釈し(30mL)、EtOAc(3×30mL)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させると、粗製の化合物が得られた。得られた粗製物質をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、4g、5% MeOH−DCM)により精製すると、6−[4−[3−(4−オキソ−3H−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(80mg、22%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz、DMSO-d6]: δ 12.38 (s、1H)、8.50 (d、J = 2.0 Hz、1H)、7.88 (dd、J = 2.4、9.2 Hz、1H)、7.45 (d、J = 6.0 Hz、1H)、7.32 (d、J = 5.6 Hz、1H)、6.93 (d、J = 9.2 Hz、1H)、3.77-3.74 (m、2H)、3.65-3.62 (m、4H)、3.57-3.55 (m、2H)、2.92-2.84 (m、4H)。
LCMS: m/z: 395.62 [M+H]+。
実施例24 − 6−[4−[3−(4−オキソ−3H−チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
メチル 3−アミノチオフェン−2−カルボキシレート(2g、12.72mmol)の1M水酸化ナトリウム(14mL、14mmol)中における撹拌溶液を、100℃で2時間加熱した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を室温に至らせ、1N HClでpH=2まで酸性化し、50% THF−EtOAc(2×100mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗生成物が得られ、それをn−ペンタン(2×20mL)で洗浄すると、3−アミノチオフェン−2−カルボン酸(1.4g、77%)が得られ、それを一切精製せずに次の工程のために用いた。
LCMS (ESI+): m/z: 144.30 [M+H]+。
工程2:
3−アミノチオフェン−2−カルボン酸(1g、6.99mmol)およびCDI(1.24g、7.69mmol)のTHF(20mL)中における溶液を60℃で1時間加熱し、次いで25%アンモニア水溶液(16mL)を添加し、60℃で3時間継続した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を室温に至らせ、EtOAcで抽出し(2×75mL);有機性抽出物を合わせてブライン(40mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、20g、50−75% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、3−アミノチオフェン−2−カルボキサミド(400mg、40%)が灰白色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 143.33 [M+H]+。
工程3:
3−アミノチオフェン−2−カルボキサミド(390mg、2.74mmol)のAcOH(10mL)中における撹拌懸濁液に、無水コハク酸(277mg、2.77mmol)を添加し、室温で2時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(40mL)で停止させ、15分間撹拌し、沈殿を濾過し、水(10mL)で洗浄し、乾燥させると、4−[(2−カルバモイル−3−チエニル)アミノ]−4−オキソ−ブタン酸(585mg、88%)が白色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 243.40 [M+H]+。
工程4:
4−[(2−カルバモイル−3−チエニル)アミノ]−4−オキソ−ブタン酸(500mg、2.07mmol)の2N水酸化ナトリウム溶液(16mL、32mmol)中における溶液を、80℃で2時間撹拌した(LCMSは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を室温に至らせ、AcOHでpH=5まで酸性化し、白色沈殿を濾過し、水(20mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させると、3−(4−オキソ−3H−チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イル)プロパン酸(330g、72%)が白色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 225.42 [M+H]+。
工程5:
3−(4−オキソ−3H−チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イル)プロパン酸(200mg、0.89mmol)、6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−カルボニトリル塩酸塩(240mg、1.07mmol)およびDIPEA(0.31mL、1.78mmol)のDMF(10mL)中における撹拌溶液に、EtOAc中50% T3P溶液(0.85mL、1.34mmol)を室温で添加し、3時間撹拌した(LCMSは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(60mL)で停止させ、DCM(2×50mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗生成物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、20g、2〜4% MeOH−DCM)により精製すると、6−[4−[3−(4−オキソ−3H−チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(60mg、17%)が灰白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.37 (s, 1H), 8.50 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.88 (dd, J = 5.6, 9.2 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.80-3.72 (m, 2H), 3.68-3.61 (m, 4H), 3.59-3.55 (m, 2H), 2.92-2.85 (m, 4H)。
LCMS (ESI+): m/z: 395.63 [M+H]+。
実施例25 − 6−[(2S)−2−メチル−4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
tert−ブチル (3S)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(500mg、2.50mmol)および6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(415mg、3.0mmol)のDMSO(10mL)中における撹拌溶液に、K2CO3(863mg、6.25mmol)およびCu(MeCN)4PF6(18mg、0.05mmol)を添加した。反応混合物を140℃で2時間加熱した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を室温に至らせ、水(20mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて水(2×30mL)およびブライン(40mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、15g、30% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、tert−ブチル (3S)−4−(5−シアノ−2−ピリジル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(260mg、34%)が灰白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 303.60 [M+H]+。
工程2:
0℃に冷却されたtert−ブチル (3S)−4−(5−シアノ−2−ピリジル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(260mg、0.86mmol)のDCM(5mL)中における撹拌溶液に、ジオキサン中4N HCl(5mL)を添加した。反応混合物を室温に至らせ、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをEt2O(5mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、6−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル塩酸塩(120mg、68%)が灰白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 203.45 [M+H]+。
工程3:
0℃に冷却された6−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル塩酸塩(100mg、0.46mmol)および3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(111mg、0.55mmol)のDMF(5mL)中における撹拌溶液に、T3P(0.3mL、0.92mmol、DMF中50%)およびDIPEA(0.25mL、1.38mmol)を添加した。反応混合物を室温まで温め、8時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(20mL)で停止させ、EtOAc(3×60mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(3×30mL)、ブライン(40mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、8g、5% MeOH−EtOAc)により精製すると、6−[(2S)−2−メチル−4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(40mg、21%)が白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.28 (s, 1H), 8.52 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.88 (dd, J = 1.8 Hz, J = 9.0 Hz, 1H), 7.76-7.17 (m, 1H), 7.51 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.44 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 4.66-4.58 (m, 1H), 4.25-4.14 (m, 2H), 4.05-3.87(m, 1H), 3.47 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 3.12-2.99 (m, 2H), 2.91-2.84 (m, 4H), 1.20-.98 (m, 3H)。
LCMS: m/z: 403.66 [M+H]+。
実施例26 − 6−[(2R)−2−メチル−4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
tert−ブチル (3R)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(500mg、2.5mmol)、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(415mg、3mmol)のDMSO(10mL)中における撹拌溶液に、炭酸カリウム(690mg、5mmol)、Cu (MeCN)4PF6(18mg、0.05mmol)を室温で添加した。反応混合物を140℃で4時間加熱し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、室温に至らせ、水(30mL)で希釈し、EtOAc(3×40mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて水(30mL)、ブライン(40mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の化合物が得られた。粗製物質をカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、7g、30% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、tert−ブチル (3R)−4−(5−シアノ−2−ピリジル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(415mg、55%)が灰白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, CDCl3]: δ 8.39 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.62-7.58 (m, 1H), 6.54 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 4.51 (brs, 1H), 4.13-3.89 (m, 3H), 3.27-3.13 (m, 2H), 3.00 (brs, 1H), 1.45 (s, 9H), 1.23-1.16 (m, 3H)。
LCMS: m/z: 247.46 [M-tBu]+。
工程2:
0℃に冷却されたtert−ブチル (3R)−4−(5−シアノ−2−ピリジル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(410mg、1.35mmol)の1,4−ジオキサン(4mL)中における撹拌溶液に、ジオキサン中4N HCl(1.35mL、5.43mmol)を添加した。反応をゆっくりと室温に至らせ、3時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去すると、粗製の6−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(310mg、96%)が得られ、それを次の工程のために一切精製せずに用いた。
LCMS: m/z: 203.41 [M+H]+。
工程3:
3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(100mg、0.45mmol)、6−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(93mg、0.45mmol)のDMF(2mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(131mg、0.68mmol)、HOBt(92mg、0.68mmol)およびDIPEA(0.16mL、0.91mmol)を室温で添加し、16時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を冷水(20mL)で希釈し、EtOAc(3×30mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(1×30mL)、ブライン溶液(40mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の化合物が得られた。粗製の残留物をカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、4g、3%のMeOH−DCM)により精製すると、6−[(2R)−2−メチル−4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(60mg、33%)が淡桃色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.30 (brs, 1H), 8.52 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.88 (dd, J =9.0, 2.1 Hz, 1H), 7.76 - 7.71 (m, 1H), 7.51 (d ,J = 8.1 Hz, 1H), 7.44 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 4.66-4.58 (m, 1H), 4.24-4.14 (m, 2H), 4.05-3.87 (m, 1H), 3.34-3.31 (m, 1H), 3.05-2.72 (m, 6H), 1.20-0.98 (m, 3H)。
LCMS: m/z: 403.66 [M+H]+。
実施例27 − 6−[(3R)−3−メチル−4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(1g、4.58mmol)、tert−ブチル (3R)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(917mg、4.58mmol)のDMF(20mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(1.3g、6.88mmol)、HOBt(928mg、6.88mmol)およびDIPEA(1.6mL、9.17mmol)を添加し、室温で16時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を冷水(40mL)で希釈し、EtOAc(3×40mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(50mL)、ブライン(40mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の化合物が得られた。粗製の化合物をカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、10g、DCM中3%のMeOH)により精製すると、tert−ブチル (3R)−3−メチル−4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(410mg、22%)が灰白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 401.67 [M+H]+。
工程2:
0℃に冷却されたtert−ブチル (3R)−3−メチル−4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(410mg、1mmol)の1,4−ジオキサン(4mL)中における撹拌溶液に、ジオキサン中4N HCl(1.0mL、4mmol)を添加した。反応を室温まで温め、3時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去すると、粗製の2−[3−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン塩酸塩(310mg、定量的)が得られ、それを次の工程のために一切精製せずに用いた。
LCMS: m/z: 301.61 [M+H]+。
工程3:
2−[3−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン塩酸塩(200mg、0.66mmol)、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(110mg、0.79mmol)のDMSO(4mL)中における撹拌溶液に、炭酸カリウム(183mg、1.33mmol)、Cu(MeCN)4PF6(5mg、0.013mmol)を室温で添加した。反応混合物を140℃で4時間加熱し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、ゆっくりと室温に至らせ、冷水(30ml)で希釈し、EtOAc(3×40mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(30mL)、ブライン(40mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の化合物が得られた。粗製物質をカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、4g、5% MeOH−DCM)により精製すると、6−[(3R)−3−メチル−4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(65mg、24%)が灰白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.20 (s, 1H), 8.48 (s, 1H), 8.06 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.73 (brs, 1H), 7.52 (m, 1H),7.44 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 6.93 (brs, 1H), 4.56 (brs, 1H), 4.37 - 4.14 (m, 3H), 3.52-3.31 (m, 2H), 2.98-2.88 (m, 5H), 1.20-1.00 (m, 3H)。
LCMS: m/z: 403.62 [M+H]+。
実施例28 − 6−[(3S)−3−メチル−4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
0℃に冷却されたtert−ブチル (2R)−2−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(0.55g、2.75mmol)および3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(0.5g、2.29mmol)のDMF(10mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(0.657g、3.44mmol)、HOBt(0.464g、3.44mmol)およびDIPEA(1.2mL、6.88mmol)を添加した。反応混合物を室温まで温め、12時間撹拌し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、水(20mL)で停止させ、EtOAc(3×60mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(3×30mL)、ブライン(40mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の化合物が得られた。粗製物質をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、15g、5% MeOH−EtOAc)により精製すると、tert−ブチル (3S)−3−メチル−4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(0.3g、32%)が得られた。
LCMS: m/z: 401.67 [M+H]+。
工程2:
0℃に冷却されたtert−ブチル (3S)−3−メチル−4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(0.2g、0.5mmol)のDCM(5mL)中における撹拌溶液に、ジオキサン中4N HCl(5mL)を添加した。反応混合物をゆっくりと室温まで温め、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を真空下で濃縮すると粗製の残留物が得られ、それをEt2O(5mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、2−[3−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン塩酸塩(120mg、80%)が灰白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 301.61 [M+H]+。
工程3:
2−[3−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン塩酸塩(100mg、0.33mmol)、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(55mg、0.39mmol)、K2CO3(138mg、0.10mmol)およびCu(MeCN)4PF6(2mg、0.006mmol)のDMSO(3mL)中における溶液を、140℃で4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を室温に至らせ、水(20mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて水(2×30mL)、ブライン(1×30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、10g、5% MeOH−EtOAc)により精製すると、6−[(3S)−3−メチル−4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(30mg、22%)が白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.24 (s, 1H), 8.49 (d, J = 2.1, 1H), 8.06 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.87 (dd, J = 9.0, 2.4 Hz, 1H), 7.78-7.70 (m, 1H), 7.55-7.42 (m, 2H), 7.01-6.91 (m, 1H), 4.61-4.51 (m, 1H), 4.38-4.15 (m, 2H), 3.95-3.85 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 3.51-3.40 (m, 1H), 3.25-3.17 (m, 1H), 3.05 -2.81 (m, 5H), 1.22-0.99 (m, 3H)。
LCMS: m/z: 403.63 [M+H]+。
実施例29 − 6−[(3S)−4−[3−(6−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]−3−メチル−ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
2−アミノ−5−フルオロ−安息香酸(15g、96.69mmol)のTHF(300mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(27.70g、145.03mmol)、HOBt・NH3(21.75g、145.03mmol)およびDIPEA(51.0mL、290.07mmol)を室温で添加し、6時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それを水(150mL)で希釈し、EtOAc(3×150mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて水(2×100mL)、ブライン(1×100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られた。粗製物質をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、300g、40% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、2−アミノ−5−フルオロ−ベンズアミド(10.0g、67%)が淡黄色固体として得られた。
LCMS: m/z: 155.38 [M+H]+。
工程2:
2−アミノ−5−フルオロ−ベンズアミド(7.0g、45.45mmol)のAcOH(35mL)中における撹拌溶液に、無水コハク酸(5.45g、54.54mmol)を室温で添加し、3時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を氷冷水(250mL)中に注ぎ、固体が沈殿し、室温で30分間撹拌し、濾過し、水(50mL)、冷アセトン(20mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、4−(2−カルバモイル−4−フルオロ−アニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(9.0g、77%)が白色固体として得られた。LCMS: m/z: 255.57 [M+H]+。
工程3:
4−(2−カルバモイル−4−フルオロ−アニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(9.0g、35.43mmol)の2N水性NaOH(100mL)中における撹拌溶液を、100℃で3時間加熱した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を0℃に冷却し、2N水性HClでpH=4〜5まで酸性化し、その間に白色沈殿が形成された。懸濁液を0℃で30分間撹拌し、濾過し、水(2×50mL)および冷アセトン(20mL)で洗浄した。固体を高真空下で乾燥させると、3−(6−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(7.0g、83%)が灰白色固体として得られた。LCMS: m/z: 237.43 [M+H]+。
工程4:
0℃に冷却された3−(6−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(5.0g、21.19mmol)およびtert−ブチル (3S)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(4.2g、21.19mmol)のDMF(50mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(6.06g、31.78mmol)、HOBt(4.29g、31.78mmol)およびDIPEA(11.2mL、63.56mmol)を添加した。反応混合物を室温まで温め、12時間撹拌し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、水(100mL)で停止させ、EtOAc(3×200mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(3×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、80g、5% MeOH−DCM)により精製すると、tert−ブチル (3S)−4−[3−(6−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(4.0g、45%)が灰白色固体として得られた。LCMS: m/z: 419.73 [M+H]+。
工程5:
0℃に冷却されたtert−ブチル (3S)−4−[3−(6−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(4.0g、9.57mmol)の1,4−ジオキサン(20mL)中における撹拌溶液に、ジオキサン中4N HCl(10mL、40.0mmol)を添加した。反応混合物を室温に至らせ、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをEt2O(10mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、6−フルオロ−2−[3−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン塩酸塩(2.0g、65%)が得られ、それを一切精製せずに次の工程のために用いた。LCMS: m/z: 319.63 [M+H]+。
工程6:
6−フルオロ−2−[3−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン塩酸塩(2.5g、7.86mmol)、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(1.08g、7.86mmol)、およびK2CO3(3.2g、23.58mmol)のDMSO(20mL)中における撹拌溶液に、Cu(MeCN)4PF6(58mg、0.16mmol)を添加し、140℃で4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を室温に至らせ、水(50mL)で希釈し、EtOAc(3×150mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて水(2×100mL)、ブライン(1×10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、40g、5% MeOH−DCM)により精製すると、化合物6−[(3S)−4−[3−(6−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]−3−メチル−ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(1.3g、40%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.31 (s, 1H), 8.48 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.86 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 7.73 (dd, J = 8.8, 2.8 Hz, 1H), 7.68-7.55 (m, 2H), 6.97-6.88 (s, 1H), 4.56-4.36 (m, 1H), 4.30-4.14 (m, 3H), 3.51-3.44 (m, 1H), 3.24-3.17 (m, 1H), 2.98 (s, 1H), 2.95-2.80 (s, 4H), 1.25-0.94 (m, 3H)。
LCMS: m/z: 421.72 [M+H]+。
実施例29a − 6−[(3R)−4−[3−(6−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]−3−メチル−ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(10g、0.06mol)および(2R)−2−メチルピペラジン(6.35g、0.06mol)のアセトニトリル(80mL)中における混合物に、K2CO3(12.0g、0.09mol)を室温で添加した。結果として得られた混合物を60℃で2時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応を室温に至らせ、水(150mL)で停止させ、EtOAc(3×80mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、5% MeOH−DCM)により精製すると、6−[(3R)−3−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−カルボニトリル(10.0g、収率69%)が得られた。
工程2:
3−(6−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(5.0g、21.19mmol、実施例29、工程3から得られた)の乾燥DMF(40mL、約8体積)中における撹拌溶液に、6−[(3R)−3−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−カルボニトリル(4.06g、20mmol)、EDCI・HCl(6.08g、31.6mmol)、HOBt(3.43g、25.4mmol)およびDIPEA(14.5mL、84.5mol)を10〜15℃で添加し、22時間撹拌した。反応混合物を氷冷水(500mL)で停止させ、EtOAc(3×70mL)で抽出した。有機層を合わせて無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の化合物が得られた。粗製の化合物をEtOAc(50mL)と共に室温で1時間撹拌し、濾過し、吸引乾燥した。得られた固体をEtOAcを用いて再度スラリーにした。固体を濾過し、EtOAc(50mL)で洗浄すると、(50mL)6−[(3R)−4−[3−(6−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]−3−メチル−ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルが収率43%(3.8g)で得られた。キラルHPLCを用いて、その化合物が化合物29の鏡像異性体であることを確かめた。用いたカラム:Lux、5ミクロン、Cellulose−4(250×4.6mm、5ミクロン、移動相: 50:50 n−ヘキサン:(1:1 エタノール:メタノール中0.1% HCOOH)、流速:1.0mL/分、温度:25℃。R−鏡像異性体に関する保持時間=12.9分;化合物29に関する保持時間=13.4分。
実施例30 − 6−[(3S)−4−[3−(5−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]−3−メチル−ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
2−アミノ−6−フルオロ−安息香酸(15g、96.77mmol)のTHF(150mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(27g、145.16mmol)、HOBt・NH3(21g、145.16mmol)、およびDIPEA(52mL、290.32mmol)を室温で添加し、6時間撹拌した(TLCは、化合物1の完全な変換を示した)。反応混合物をEtOAc(300mL)で希釈し、水(3×100mL)、ブライン(1×150mL)で洗浄した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、揮発性物質を減圧下で蒸発させると、粗生成物が得られ、それを10% EtOAc−ヘキサン類(2×150mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、2−アミノ−6−フルオロ−ベンズアミド(12.2g、80%)が淡黄色固体として得られた。
LCMS: m/z: 155.42 [M+H]+。
工程2:
2−アミノ−6−フルオロ−ベンズアミド(12g、77.92mmol)のAcOH(120mL)中における撹拌溶液に、無水コハク酸(9.3g、93.50mmol)を室温で添加し、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な変換を示した)。反応混合物を氷冷水(1×200mL)で希釈し、固体が沈殿した際、30分間撹拌した。固体を濾過し、水(1×150mL)、続いて冷アセトン(1×100mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、4−(2−カルバモイル−3−フルオロ−アニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(16g、81%)が灰白色固体として得られた。LCMS: m/z: 277.46 [M+Na]+、238.49 [M-NH2]+。
工程3:
4−(2−カルバモイル−3−フルオロ−アニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(15.5gm、6.10mmol)の水性2N NaOH(160mL)中における撹拌溶液を、100℃で4時間加熱した(TLCは、出発物質の完全な変換を示した)。反応混合物を0℃に冷却し、AcOHでpH=5まで酸性化し、その間に固体が沈殿した。固体を濾過し、水(250mL)、続いて冷アセトン(1×100mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、3−(5−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(11g、80%)が灰白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 237.47 [M+H]+。
工程4:
3−(5−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(5.2g、22mmol)のDMF(52mL)中における撹拌溶液に、tert−ブチル (3S)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(6.6g、33.05mmol)、EDC・HCl(6.2g、33.05mmol)、HOBt(4.4g、33.05mmol)およびDIPEA(12mL、66.10mmol)を室温で添加し、16時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な変換を示す)。反応混合物を氷冷水(160mL)で停止させ、30分間撹拌し、固体が沈殿した際、それを濾過した。濾液をEtOAc(3×200mL)で抽出し、有機性抽出物を合わせて水(1×200mL)、ブライン(1×200mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、60g、5% MeOH−DCM)により精製すると、tert−ブチル (3S)−4−[3−(5−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(4g、43%)がクリーム色の固体として得られた。LCMS: m/z: 419.73 [M+H]+。
工程5:
tert−ブチル (3S)−4−[3−(5−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(6g、14.35mmol)のDCM(60mL)中における撹拌溶液に、ジオキサン中4N HCl(60mL)を室温で添加し、3時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な変換を示した)。揮発性物質を減圧下で蒸発させ、粗製の残留物をトルエン(2×100mL)と共蒸留し、高真空下で乾燥させると、5−フルオロ−2−[3−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン塩酸塩(4.7g、94%)が白色固体として得られた。LCMS: m/z: 319.59 [M+H]+。
工程6:
密閉されたチューブ(tune)中に入れられた5−フルオロ−2−[3−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン塩酸塩(5.2g、14.73mmol)のDMSO(52mL)中における撹拌溶液に、K2CO3(4g、29.40mmol)、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(2g、14.73mmol)およびテトラキス(アセトニトリル)銅(I)ヘキサフルオロホスフェート(109mg、0.29mmol)を室温で添加した。反応混合物をアルゴンで5分間脱気し、110℃で3時間撹拌した(LCMSは、出発物質の完全な変換を示した)。反応混合物を水(300mL)で停止させ、EtOAc(3×200mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(1×200mL)、ブライン(1×200mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、60g、5% MeOH−DCM)により精製すると、灰白色固体が得られた。この固体を5% MeOH−EtOAcで洗浄すると、6−[(3S)−4−[3−(5−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]−3−メチル−ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(1.4g、23%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.22 (s, 1H), 8.47 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.85 (dd, J = 9.2, 2.4 Hz, 1H), 7.73-7.65 (m, 1H), 7.32 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.19-7.14 (m, 1H), 6.91(d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.55-4.35 (m, 1H), 4.29-4.11 (m, 3H), 3.48 (t, J = 9.2 Hz, 1H), 3.26-3.18 (m, 1H), 3.04-2.94 (m, 1H), 2.91-2.84 (m, 4H), 1.21-0.98 (m, 3H)。LCMS: m/z: 421.72 [M+H]+。
実施例31 − 6−[3−(ヒドロキシメチル)−4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
ピペラジン−2−イルメタノール二塩酸塩(100mg、0.53mmol)のDMSO(3mL)中における撹拌溶液に、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(88mg、0.63mmol)、K2CO3(146mg、1.062mmol)およびCu(MeCN)4PF6(3.9mg、0.01mmol)を室温で添加した。反応混合物を140℃で12時間加熱し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、水(10mL)で停止させ、EtOAc(3×10mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、5g、5% MeOH−DCM)により精製すると、6−[3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル塩酸塩(50mg、32%)が白色固体として得られた。LCMS: m/z: 219 [M+H]+。
工程2:
6−[3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル塩酸塩(120mg、0.55mmol)および3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(120mg、0.55mmol)の乾燥DMF(2mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(157mg、0.825mmol)、HOBt(113mg、0.825mmol)およびDIPEA(0.2mL、1.1mmol)を室温で添加し、16時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を冷水(20mL)で停止させ、EtOAc(3×10mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、残留物が得られ、それを分取HPLCにより精製すると、6−[3−(ヒドロキシメチル)−4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(26mg、11%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.17 (s, 1H), 8.49 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.08-8.06 (m, 1H), 7.88-7.85 (m, 1H), 7.74 (t, J = 8 Hz,1H), 7.53 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.46-7.42 (m, 1H), 6.93-6.86 (m, 1H), 5.0-4.82 (m, 2H), 4.42-3.88 (m, 4H), 3.56-3.47 (m, 2H), 2.99-2.89 (m, 6H)。
LCMS: m/z: 419.76 [M+H]+。
実施例32 − 6−[4−[3−(6−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
3−(6−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(300mg、1.27mmol)および6−[3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(277mg、1.27mmol)のDMF(4mL)中における撹拌溶液に、DIPEA(0.68mL、3.81mmol)、T3P(0.8mL、2.54mmol)を室温で添加した。反応混合物をCEMマイクロ波中で80℃で30分間加熱し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、ゆっくりと室温に至らせ、水(10mL)で停止させ、EtOAc(3×60mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(3×30mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られた。粗製の残留物をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、15g、5〜10% MeOH−DCM)により精製すると6−[4−[3−(6−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(90% LCMS、300mg)が得られ、それを分取HPLCにより再精製すると、純粋な化合物(154mg、27%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.31 (brs, 1H), 8.48 (s, 1H), 7.85 (dd, J = 9.2, 2.4 Hz, 1H), 7.74 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 7.66-7.61 (m, 2H), 6.92-6.86 (m, 1H), 5.07-4.84 (m, 2H), 4.44-4.37 (m, 1H), 4.33-4.16 (m, 4H), 3.94-3.86(m, 1H), 3.12-2.78 (m, 6H)。
LCMS:m/z: 437.75 [M+H]+。
実施例33 − 6−[4−[3−(5−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
3−(5−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(400mg、1.69mmol)および6−[3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(369mg、1.69mmol)のDMF(4mL)中における撹拌溶液に、室温でDIPEA(0.88mL、5.08mmol)、続いてT3P(1.0mL、3.39mmol)を添加した。反応混合物をCEMマイクロ波中で80℃で30分間加熱し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、ゆっくりと室温に至らせ、水(10mL)で停止させ、EtOAc(3×60mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(3×30mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られた。残留物をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、15g、5〜10% MeOH−DCM)により精製すると、6−[4−[3−(5−フルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(90% LCMS、300mg)が得られ、それを分取HPLCにより精製すると、純粋な化合物(160mg、21%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ12.36 (brs, 1H), 8.49 (s, 1H), 7.86 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 7.70 (q, J = 8.0 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.20-7.15 (m, 2H), 6.93-6.86 (m, 1H), 5.02-4.81(m, 1H), 4.42-4.39 (m, 1H), 4.33-3.88 (m, 3H), 3.53-3.41(m, 2H), 2.95-2.87 (m, 6H)。
LCMS: m/z: 437.75 [M+H] +。
実施例34 − 2−[3−オキソ−3−[4−(2−ピリジル)ピペラジン−1−イル]プロピル]−3H−キナゾリン−4−オンの合成
工程1:
2−クロロピリジン(750mg、6.60mmol)のDMSO(10mL)中における撹拌溶液に、tert−ブチル ピペラジン−1−カルボキシレート(1.4g、7.92mmol)、K2CO3(1.8g、13.27mmol)およびCu(MeCN)4PF6(49mg、0.132mmol)を室温で添加し、140℃で12時間加熱した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(40mL)で停止させ、EtOAc(3×60mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の化合物が得られ、それをフラッシュクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、8g、20%のEtOAc−ヘキサン類)により精製すると、tert−ブチル 4−(2−ピリジル)ピペラジン−1−カルボキシレート(350mg、20%)が黄色の油として得られた。
LCMS: m/z: 264.55 [M+H]+。
工程2:
tert−ブチル 4−(2−ピリジル)ピペラジン−1−カルボキシレート(350mg、1.32mmol)の1,4−ジオキサン(4mL)中における撹拌溶液に、ジオキサン中4N HCl(1.3mL、5.30mmol)を0℃においてアルゴン雰囲気下で添加した。反応混合物をゆっくりと室温まで温め、3時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去すると、粗製の化合物が得られ、それをEt2O(50mL)で洗浄すると、1−(2−ピリジル)ピペラジン塩酸塩(210mg、96%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 164.48 [M+H]+。
工程3:
1−(2−ピリジル)ピペラジン塩酸塩(100mg、0.609mmol)および3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(121mg、0.609mmol)の乾燥DMF(2mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(174mg、0.913mmol)、HOBt(123mg、0.913mmol)およびDIPEA(0.2mL、1.2mmol)を室温で添加し、16時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を冷水(20mL)で停止させ、15分間撹拌し、固体が沈殿し、それを濾過し、Et2O(2×5mL)で洗浄し、真空下で乾燥させると、2−[3−オキソ−3−[4−(2−ピリジル)ピペラジン−1−イル]プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン(55mg、24%)が白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 12.20 (s, 1H), 8.13-8.11 (dd, J = 4.8, 1.5 Hz, 1H), 8.08 (dd, J = 7.8, 1.2 Hz, 1H), 7.76-7.74 (m, 1H), 7.58-7.52 (m, 2H), 7.46-7.41 (m, 1H), 6.84 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.68-6.64 (m, 1H), 3.62 (s, 2H), 3.59-3.51 (m, 4H), 3.46-3.46 (m, 2H), 2.89 (brs, 4H)。
LCMS: m/z: 364.62 [M+H]+。
実施例35 − 2−[3−[4−(5−メチル−2−ピリジル)ピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オンの合成
工程1:
2−クロロ−5−メチル−ピリジン(500mg、2.68mmol)のトルエン(10mL)中における撹拌溶液に、tert−ブチル ピペラジン−1−カルボキシレート(409mg、3.22mmol)、Pd2(dba)3(122mg、0.13mmol)、BINAP(167mg、0.27mmol)およびt−BuOK(903mg、8.06mmol)を室温で添加し、100℃で2時間加熱した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(30mL)で停止させ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、8g、30%のEtOAc−ヘキサン類)により精製すると、tert−ブチル 4−(5−メチル−2−ピリジル)ピペラジン−1−カルボキシレート(560mg、92%)が黄色の油として得られた。
工程2:
0℃に冷却された1−(5−メチル−2−ピリジル)ピペラジン;塩酸塩(560mg、1.80mmol)の1,4−ジオキサン(5ml)中における撹拌溶液に、ジオキサン中4N HCl(1.8ml、7.22mmol)をアルゴン雰囲気下で添加し、3時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去すると、残留物が得られ、それをEt2O(50ml)で洗浄し、乾燥させると、1−(5−メチル−2−ピリジル)ピペラジン塩酸塩(350mg、98%)が白色固体として得られた。
1H NMR [300 MHz, DMSO-d6]: δ 9.64 (brs, 2H), 7.95 (s, 1H), 7.85 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.90 (m, 4H), 3.22 (m, 4H), 2.22 (s, 3H)。
工程3:
1−(5−メチル−2−ピリジル)ピペラジン塩酸塩(100mg,0.56mmol)および3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(135mg、0.67mmol)の乾燥DMF(2mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(161mg、0.84mmol)、HOBt(114mg、0.84mmol)およびDIPEA(0.2mL、1.1mmol)を室温で添加し、16時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(10mL)で停止させ、DCM(3×10mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、4g、5% MeOH−DCM)により精製すると、化合物2−[3−[4−(5−メチル−2−ピリジル)ピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン(50mg、23%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6] : δ 12.18 (s, 1H), 8.07 (dd, J = 6, 0.9 Hz, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.75-7.71 (m, 1H), 7.54 (d, J = 6 Hz, 1H), 7.46-7.38 (m, 2H), 6.78 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 3.62-3.61 (m, 2H), 3.59-3.51 (m, 4H), 3.39-3.38 (m, 2H), 2.88 (brs, 4H), 2.14 (brs, 3H)。
LCMS: m/z: 378.37 [M+H]+。
実施例36 − 2−[3−[4−(3−メチル−2−ピリジル)ピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン(2−[3−[4−(3−methyl−2−pyridyl)piperazin−1−yl]−3−oxo−propyl]−3H−quinazolin−4−on)の合成
工程1:
2−クロロ−3−メチル−ピリジン(500mg、2.68mmol)のトルエン(10mL)中における撹拌溶液に、tert−ブチル ピペラジン−1−カルボキシレート(409mg、3.22mmol)、Pd2(dba)3(122mg、0.13mmol)、BINAP(167mg、0.26mmol)およびt−BuOK(903mg、8.06mmol)を室温で添加し、100℃で2時間加熱した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(30mL)で停止させ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、残留物が得られ、それをフラッシュクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、8g、30% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、tert−ブチル 4−(3−メチル−2−ピリジル)ピペラジン−1−カルボキシレート(560mg、92%)が黄色の油として得られた。
工程2:
0℃に冷却されたtert−ブチル 4−(3−メチル−2−ピリジル)ピペラジン−1−カルボキシレート(560mg、1.80mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中における撹拌溶液に、ジオキサン中4N HCl(1.8mL、7.2mmol)をアルゴン雰囲気下で添加した。反応混合物をゆっくりと室温まで温め、3時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去し、残留物をEt2O(50mL)で洗浄すると、1−(3−メチル−2−ピリジル)ピペラジン塩酸塩(350mg、98%)が得られ、それを一切精製せずに次の工程のために用いた。
工程3:
1−(3−メチルピリジン−2−イル)ピペラジン塩酸塩(100mg、0.46mmol)および3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(135mg、0.67mmol)の乾燥DMF(2mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(161mg、0.84mmol)、HOBt(114mg、0.84mmol)およびDIPEA(0.2mL、1.1mmol)を室温で添加し、16時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(10mL)で停止させ、EtOAc(3×10mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、残留物が得られ、それをフラッシュクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、3g、5% MeOH−DCM)により精製すると、化合物2−[3−[4−(3−メチル−2−ピリジル)ピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン(50mg、23%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.18 (s, 1H), 8.12-8.06 (m, 2H), 7.77-7.73 (m, 1H), 7.59-7.57 (m, 1H), 7.53-7.51 (m, 1H), 7.46-7.42 (m, 1H), 6.96-6.93 (m, 1H), 3.66 (brs, 2H), 3.59 (brs, 2H), 3.11 (brs, 2H), 2.98 (brs, 2H), 2.89 (s, 4H), 2.26 (s, 3H)。
LCMS: m/z: 378.61 [M+H]+。
実施例37 − 2−[3−[4−(6−メチル−2−ピリジル)ピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オンの合成
工程1:
2−クロロ−6−メチル−ピリジン(500mg、2.68mmol)のトルエン(10mL)中における撹拌溶液に、tert−ブチル ピペラジン−1−カルボキシレート(409mg、3.22mmol)、Pd2(dba)3(122mg、0.13mmol)、BINAP(167mg、0.26mmol)、tBuOK(903mg、8.06mmol)を室温で添加した。反応混合物を100℃で2時間加熱し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、水(20mL)で希釈し、EtOAc(3×30mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の化合物が得られ、それをフラッシュクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、8g、30% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、tert−ブチル 4−(6−メチル−2−ピリジル)ピペラジン−1−カルボキシレート(560mg、75%)が黄色固体として得られた。
LCMS: m/z: 278.59 [M+H]+。
工程2:
0℃に冷却されたtert−ブチル 4−(6−メチル−2−ピリジル)ピペラジン−1−カルボキシレート(560mg、1.80mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中における撹拌溶液に、ジオキサン中4N HCl(1.8mL、7.22mmol)をアルゴン雰囲気下で添加した。反応混合物をゆっくりと室温に至らせ、3時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去し、残留物をEt2O(50mL)およびEtOAc(50mL)で洗浄すると、1−(6−メチル−2−ピリジル)ピペラジン塩酸塩(350mg、98%)が灰白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 178.48 [M+H]+。
工程3:
化合物5(100mg、0.45mmol)、1−(6−メチル−2−ピリジル)ピペラジン塩酸塩(81mg、0.45mmol)のDMF(2mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(131mg、0.68mmol)、HOBt(92mg、0.68mmol)およびDIPEA(0.16ml、0.91mmol)を添加した。反応混合物を室温で6時間撹拌し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、冷水(30mL)で希釈し、10分間撹拌し、その間に固体が沈殿した。固体を濾過し、EtOAc(3×10mL)で洗浄し、真空下で乾燥させると、2−[3−[4−(6−メチル−2−ピリジル)ピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン(62mg、36%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.19 (s, 1H), 8.07 (dd, J = 7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.76-7.72 (m, 1H), 7.545 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.44 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.62 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.53 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 3.63-3.61 (m, 2H), 3.57-3.53 (m, 4H), 3.45-3.43 (m, 2H), 2.89 (s, 4H), 2.31 (s, 3H)。
LCMS: m/z: 378.57 [M+H]+。
実施例38 − 2−[3−[4−(4−メチル−2−ピリジル)ピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オンの合成
工程1:
2−クロロ−4−メチル−ピリジン(200mg、1.07mmol)のDMSO(3mL)中における撹拌溶液に、tert−ブチル ピペラジン−1−カルボキシレート(161mg、1.29mmol)、Pd2(dba)3(49mg、0.05mmol)、BINAP(66mg、0.107mmol)およびt−BuOK(360mg、3.22mmol)を室温で添加した。反応混合物を100℃で2時間加熱し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、水(30mL)で停止させ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、10g、30%のEtOAc−ヘキサン)により精製すると、tert−ブチル 4−(4−メチル−2−ピリジル)ピペラジン−1−カルボキシレート(240mg、80%)が黄色の油として得られた。
工程2:
0℃に冷却されたtert−ブチル 4−(4−メチル−2−ピリジル)ピペラジン−1−カルボキシレート(560mg、1.805mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中における撹拌溶液に、ジオキサン中4N HCl(1.8mL、7.220mmol)をアルゴン雰囲気下で添加した。反応混合物を室温まで温め、3時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去し、残留物をEt2O(50ml)で洗浄し、乾燥させると、1−(4−メチル−2−ピリジル)ピペラジン塩酸塩(350mg、収率98%)が白色固体として得られた。
工程3:
1−(4−メチル−2−ピリジル)ピペラジン塩酸塩(100mg、0.564mmol)および3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(135mg、0.677mmol)の乾燥DMF(2mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(161mg、0.84mmol)、HOBt(114mg、0.84mmol)およびDIPEA(0.2mL、1.1mmol)を室温で添加し、16時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(10mL)で停止させ、DCM(3×10mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをフラッシュクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、8g、5% MeOH−DCM)により精製すると、2−[3−[4−(4−メチル−2−ピリジル)ピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン(50mg、23%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.18 (s, 1H), 8.08-8.06 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.99-7.97 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.77-7.73 (m, 1H), 7.54 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.46-7.42 (m, 1H), 6.67 (s, 1H), 6.51 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 3.62-3.43 (m, 8H), 2.89 (s, 4H), 2.22 (s, 3H)。
LCMS: m/z: 378.63 [M+H]+。
実施例39 − 5−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピラジン−2−カルボニトリルの合成
工程1:
5−ブロモピラジン−2−カルボニトリル(350mg、1.90mmol)のNMP(4mL)中における撹拌溶液に、tert−ブチル ピペラジン−1−カルボキシレート(424mg、2.28mmol)、Pd2(dba)3(35mg、0.04mmol)、X−Phos(72mg、0.152mmol)およびK2CO3(367mg、2.66mmol)を室温で添加した。反応混合物を200℃で20分間加熱した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応の完了後、反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、冷水(2×20mL)で洗浄し、有機層をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の化合物が得られた。粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、5g、30% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、tert−ブチル 4−(5−シアノピラジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(320mg、58%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 290.61 [M+H]+。
工程2:
0℃に冷却されたtert−ブチル 4−(5−シアノピラジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(310mg、1.07mmol)の1,4−ジオキサン(4mL)中における撹拌溶液に、1,4−ジオキサン中4N HCl(1.07mL、4.29mmol)を添加した。反応混合物を室温まで温め、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を真空下で除去すると、粗製の5−ピペラジン−1−イルピラジン−2−カルボニトリル塩酸塩(210mg、定量的)が得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程のために用いた。
LCMS: m/z: 190.46 [M+H]+。
工程3:
3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(200mg、0.917mmol)および5−ピペラジン−1−イルピラジン−2−カルボニトリル塩酸塩(208mg、1.10mmol)のDMF(4mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(262mg、1.37mmol)、HOBt(185mg、1.37mmol)およびDIPEA(0.64mL、3.66mmol)を室温で添加し、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を冷水(40mL)で希釈し、EtOAc(3×40mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の化合物が得られ、それをフラッシュクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、5g、5% MeOH−DCM)により精製すると、5−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピラジン−2−カルボニトリル(70mg、20%)が灰白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.19 (s, 1H), 8.58 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.43 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.07 (dd, J = 1.6, 8.0 Hz, 1H), 7.77-7.72 (m, 1H), 7.55 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.47-7.43 (m, 1H), 3.87-3.83 (m, 2H), 3.76-3.66 (m, 4H), 3.63-3.57 (m, 2H), 2.90 (s, 4H)。
LCMS: m/z: 390.68 [M+H]+。
実施例40 − 2−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]チアゾール−5−カルボニトリルの合成
工程1:
アルゴン雰囲気下でマイクロ波バイアル中に入れられた2−ブロモチアゾール−5−カルボニトリル(200mg、1.05mmol)、tert−ブチル ピペラジン−1−カルボキシレート(800mg、4.3mmol)、リン酸三カリウム(260mg、1.22mmol)、酢酸パラジウム三量体(40mg、0.06mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン テトラフルオロホウ酸塩(20mg、0.06mmol)のトルエン(4mL)中における撹拌溶液に、80℃で30分間照射した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×30mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、20g、10〜30% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、tert−ブチル 4−(5−シアノチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(200mg、64%)が白色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 295.60 [M+H]+。
工程2:
tert−ブチル 4−(5−シアノチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(200g、0.680mmol)のジオキサン(10mL)中における撹拌溶液に、ジオキサン中4N HCl(5mL)を室温で添加し、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去すると、粗生成物が得られ、それをEtOAc(2×15mL)、続いてジエチルエーテル(15mL)で洗浄すると、2−ピペラジン−1−イルチアゾール−5−カルボニトリル塩酸塩(155mg、98%)が白色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 195.44 [M+H]+。
工程3:
2−ピペラジン−1−イルチアゾール−5−カルボニトリル塩酸塩(155mg、0.55mmol)の無水DMF中における撹拌溶液に、DIPEA(0.3mL、1.74mmol)、3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(120mg、0.67mmol)およびEtOAc中50% T3P溶液(0.53mL、0.82mmol)を添加し、室温で16時間撹拌した(LCMSは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を氷水(60mL)で停止させ、DCM(2×50mL)で抽出し、有機性抽出物を合わせてブライン(25mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製の残留物をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、200g、2〜5% MeOH−DCM)により精製すると、2−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]チアゾール−5−カルボニトリル(50mg、23%)が淡黄色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.18 (brs, 1H), 8.09-8.05 (m, 2H), 7.77-7.72 (m, 1H), 7.55 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 3.75-3.55 (m, 6H), 3.53-3.50 (m, 2H), 2.89 (s, 4H)。
LCMS (ESI+): m/z: 395.62 [M+H]+。
実施例41 − 6−[4−[3−(4−オキソ−3H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
KOH(5.82g、0.104mol)のEtOH(80mL)中における撹拌溶液に、1H−ピリミジン−6−オン(10g、0.104mol)、続いてMeI(7.20mL、0.114mol)を室温で添加した。反応混合物を2時間還流させた(TLCは、10〜15%の未反応の出発物質を示した)。追加の量のMeI(1.5g、0.01mol)を添加し、1時間還流させ(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、ゆっくりと室温に至らせた。反応混合物を濾過し、DCM(100mL)で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮すると、粗生成物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、200g、2〜5% MeOH−DCM)により精製すると、3−メチルピリミジン−4−オン(4.5g、39%)が灰白色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 111.30 [M+H]+。
工程2:
10℃に冷却された硫酸(50mL)に、3−メチルピリミジン−4−オン(5.5g、50.00mol)、続いて発煙硝酸(6.6mL、157.15mol)を添加した。反応混合物をゆっくりと室温に至らせ、100℃で4時間加熱し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、再度室温に至らせ、砕いた氷(500g)の中に注ぎ;次いで50%水酸化ナトリウム水溶液をゆっくりとpH=5まで添加した。反応混合物をCHCl3(3×250mL)で抽出し;有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の化合物が得られ、それをEtOH(15mL)から再結晶すると、3−メチル−5−ニトロ−ピリミジン−4−オン(2g、26%)が黄色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 156.36 [M+H]+。
工程3:
CEMマイクロ波バイアル中で、3−メチル−5−ニトロ−ピリミジン−4−オン(300mg、1.94mmol)、アセト酢酸メチル(2.7g、23.27mmol)、酢酸アンモニウム(1.79g、23.22mmol)およびMeOH(8.0mL)を添加し、80℃で2時間照射した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を減圧下で濃縮すると、粗生成物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、40g、5〜10% MeOH−DCM)により精製すると、メチル 4−アミノピリジン−3−カルボキシレートが得られ;この反応混合物を、6バッチ(それぞれ300mg)で実施し、仕上げ後の粗製物質を合わせて精製すると、メチル 4−アミノピリジン−3−カルボキシレート(900mg、51%)が黄色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 153.43 [M+H]+。
工程4:
メチル 4−アミノピリジン−3−カルボキシレート(2g、13.15mmol)のEtOH−水(120mL、1:1)中における撹拌溶液に、LiOH・H2O(1.21g、28.80mmol)を室温で添加し、80℃で2時間加熱した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去すると、粗製の化合物が得られ、それを水(30mL)中で溶解させ、EtOAc(2×25mL)で洗浄して非極性不純物を除去した。水層を1N HClでpH=1まで酸性化し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをMeOH(20mL)から結晶化すると、4−アミノピリジン−3−カルボン酸(1g、55%)が灰白色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 139.31 [M+H]+。
工程5:
4−アミノピリジン−3−カルボン酸(3g、0.013mol)のTHF(50mL)中における撹拌溶液に、SOCl2(3.6mL、0.045mol)および触媒的DMF(30μL)を室温で添加し、アルゴン雰囲気下で3時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去すると、粗生成物が得られ、それをTHF(30mL)中で溶解させ、0℃に冷却し、7N NH3−メタノール(22mL)を添加した。反応混合物をゆっくりと室温まで温め、4時間撹拌し、沈殿を濾過し、濾液を減圧下で濃縮すると、粗製の化合物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、60g、10% MeOH−10% NH4OH−DCM)により精製すると、4−アミノピリジン−3−カルボキサミド(475mg、27%)が得られ、それを一切精製せずに次の工程のために用いた。
LCMS (ESI+): m/z: 138.33 [M+H]+。
工程6:
4−アミノピリジン−3−カルボキサミド(500mg、3.65mmol)、4−tert−ブトキシ−4−オキソ−ブタン酸(762mg、4.38mmol)、TEA(1mL、7.29mmol)のDMF(10mL)中における撹拌溶液に、EtOAc中50% T3P溶液(3.5mL、5.5mmol)を室温で添加し、12時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(50mL)で停止させ、DCM(2×35mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗生成物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、20g、10% MeOH−10% NH4OH−DCM)により精製すると、tert−ブチル 4−[(3−カルバモイル−4−ピリジル)アミノ]−4−オキソ−ブタノエート(500mg、47%)が黄色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, CDCl3]: δ 11.74 (s, 1H), 9.07 (s, 1H), 8.69 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.52 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.11 (brs, 1H), 5.83 (brs, 1H), 2.75-2.70 (m, 2H), 2.68-2.63 (m, 2H), 1.44 (s, 9H)。
LCMS (ESI+): m/z: 316.59 [M+Na]+。
工程7:
tert−ブチル 4−[(3−カルバモイル−4−ピリジル)アミノ]−4−オキソ−ブタノエート(900mg、3.071mmol)のTHF(31mL)中における撹拌溶液に、水(0.9mL)、LiOH・H2O(645mg、15.35mmol)を0℃で添加した。反応混合物をゆっくりと室温に至らせ、2時間撹拌し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、EtOAc(2×30mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗生成物が得られ、それをペンタン(2×15mL)で洗浄すると、tert−ブチル 3−(4−オキソ−3H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−2−イル)プロパノエート(700mg、83%)が淡黄色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 276.48 [M+H]+。
工程8:
tert−ブチル 3−(4−オキソ−3H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−2−イル)プロパノエート(700mg、2.545mmol)のDCM(26mL)中における撹拌溶液に、TFA(5.7mL、74.50mmol)を室温で添加し、4時間撹拌した(LCMSは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去し、残留物をトルエン(2×10mL)と共蒸留すると、粗生成物が得られ、それをペンタン(2×20mL)を用いて摩砕処理すると、3−(4−オキソ−3H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−2−イル)プロパン酸(351mg、63%)が淡黄色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 220.42 [M+H]+。
工程9:
3−(4−オキソ−3H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−2−イル)プロパン酸(250mg、1.141mmol)、6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−カルボニトリル塩酸塩(256mg、1.361mmol)のDMF(2.5mL)中における撹拌溶液に、DIPEA(0.4mL、2.325mmol)およびEtOAc中50% T3P溶液(0.75mL、1.711mmol)を添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(25mL)で停止させ、DCM(3×30mL)で抽出し、有機性抽出物を合わせてブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で濃縮すると、粗生成物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、10g、10% MeOH−5% NH4OH−DCM)により精製すると、6−[4−[3−(4−オキソ−3H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(45mg、10%)が灰白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.57 (brs, 1H), 9.22 (s, 1H), 8.74 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 8.50 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.88 (dd, J = 8.8, 2.0Hz, 1H), 7.45 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.78-3.76 (m, 2H), 3.64 (t, J = 4.8 Hz, 4H), 3.57-3.54 (m, 2H), 3.31 (s, 4H)。
LCMS (ESI+): m/z: 390.63 [M+H]+。
実施例42 − 6−[4−[3−(4−オキソ−3H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
DIPEA(4.16mL、29.3mmol)の乾燥THF(60mL)中における溶液を、乾燥氷アセトン浴中で−78℃に冷却した。ヘキサン類中n−BuLi(1.6M、18.3mL、29.3mmol)を−78℃で滴加し、30分間撹拌した。乾燥THF(30mL)中酢酸ベンジル(3.8mL、26.6mmol)を反応フラスコに、温度を−78℃より下で維持しながら滴加した。添加が完了したら、フラスコを乾燥氷−Et2O浴に移し、温度が−90℃より下に下がるまで撹拌した。THF(30mL)中tert−ブチル 2−ブロモアセテート(5.9mL、40.0mmol)を上記の溶液に滴加し、−90℃で1時間撹拌した。水(100mL)をゆっくりと添加することにより反応混合物を停止させ、室温まで温め、Et2O(2×150mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、60g、5% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、ベンジル tert−ブチル ブタンジオエート(2.3g、27%)が淡黄色の油として得られた。
LCMS: m/z: 287.6 [M+Na]+。
工程2:
ベンジル tert−ブチル ブタンジオエート(2.3g、8.71mmol)の乾燥THF(30mL)中における撹拌溶液に、10% Pd−C(0.23 g)を添加し、H2雰囲気(バルーン)下で16時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物をセライトを通して濾過し、CHCl3(100mL)で洗浄した。濾液を真空中で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、30g、35% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、4−tert−ブトキシ−4−オキソ−ブタン酸(0.8g、52%)が無色の油として得られた。
1H NMR [400 MHz, CDCl3]: δ 2.65-2.61 (m, 2H), 2.56-2.52 (m, 2H), 1.44 (s, 9H)。
工程3:
2−アミノピリジン−3−カルボン酸(0.9g、6.52mmol)のTHF(15mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(1.86g、9.78mmol)、HOBt・NH3(1.46g、9.78mmol)およびDIPEA(4.67mL、26.08mmol)を室温で添加した。反応混合物を室温で5時間撹拌し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、水(30mL)で希釈し、EtOAc(3×75mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(2×40mL)、ブライン(40mL)で洗浄し、分離し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、20g、60% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、2−アミノピリジン−3−カルボキサミド(0.4g、45%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 138.3 [M+H]+。
工程4:
2−アミノピリジン−3−カルボキサミド(0.35g、2.55mmol)のDMF(15mL)中における撹拌溶液に、4−tert−ブトキシ−4−オキソ−ブタン酸(0.66g、3.83mmol)、HATU(1.45g、3.83mmol)およびEt3N(0.7mL、5.04mmol)を室温で添加した。結果として生じた反応混合物を、60℃で24時間撹拌した(TLCは、SMの完全な消費を示した)。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(2×30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、10g、2% MeOH−DCM)により精製すると、tert−ブチル 4−[(3−カルバモイル−2−ピリジル)アミノ]−4−オキソ−ブタノエート(0.22g、26%)が淡黄色固体として得られた。
LCMS: m/z: 294.6 [M+H]+。
工程5:
tert−ブチル 4−[(3−カルバモイル−2−ピリジル)アミノ]−4−オキソ−ブタノエート(0.22g、0.75mmol)のTHF(8mL)および水(0.3mL)中における0℃の撹拌溶液に、LiOH・H2O(0.16g、3.88mmol)を添加した。反応混合物を室温に至らせ、6時間撹拌し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、水(10mL)で希釈し、EtOAc(2×75mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、tert−ブチル 3−(4−オキソ−3H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)プロパノエート(140mg、63%)が淡黄色固体として得られた。
LCMS: m/z: 276.4 [M+H]+。
工程6:
tert−ブチル 3−(4−オキソ−3H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)プロパノエート(0.14g、0.50mmol)のDCM(5mL)中における撹拌溶液に、TFA(1.1mL、15.0mmol)を室温で添加し、3時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を減圧下で濃縮すると、3−(4−オキソ−3H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)プロパン酸 トリフルオロ酢酸塩(0.14g、75%)が得られ、それをそれ以上精製せずに淡黄色の液体として次の工程に進めた。
LCMS: m/z: 220.3 [M+H]+。
工程7:
3−(4−オキソ−3H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)プロパン酸 トリフルオロ酢酸塩(0.087g、0.39mmol)および6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−カルボニトリル塩酸塩(0.133g、0.59mmol)のDMF(4mL)中における撹拌溶液に、DIPEA(0.14mL、0.79mmol)およびEtOAc中50% T3P溶液(0.5mL、0.78mmol)を室温で添加し、2時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(10mL)で停止させ、DCM(3×30mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮すると、粗生成物(150mg、54% LCMS)が得られ、それを分取精製すると、6−[4−[3−(4−オキソ−3H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(29mg、18%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.49 (brs, 1H), 8.86 (dd, J = 4.0, 1.6 Hz, 1H), 8.50 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.45 (dd, J = 7.6, 1.6 Hz, 1H), 7.88 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 7.47 (dd, J = 8.0, 4.8 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.83-3.77 (m, 2H), 3.69-3.62 (m, 4H), 3.58-3.53 (m, 2H), 2.93 (s, 4H)。
LCMS: m/z: 390.67 [M+H]+。
実施例43 − 6−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)ブタノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
粉末状KOH(6.0g、0.10mol)を、3−メチルテトラヒドロフラン−2−オン(2.0g、0.02mol)および臭化ベンジル(14.0g、0.08mol)のトルエン(36mL)中における溶液に添加した。結果として生じた反応混合物を110℃で5時間撹拌し、トルエンを真空下で除去すると、粗製の残留物が得られ、それをMeOH(40mL)中で溶解させた。KOH(2.0g、0.035mol)および水(20mL)を上記の溶液に添加し、反応混合物を16時間還流させた。反応混合物を室温に至らせ、Et2O(2×50mL)で洗浄し、水層を濃HClでpH=2〜3に酸性化し、DCM(3×50mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮すると、4−ベンジルオキシ−2−メチル−ブタン酸(3.4g、81%)が淡黄色の油として得られた。
1H NMR [400 MHz, CDCl3]: δ 7.37-7.26 (m, 5H), 4.53-4.50 (m, 2H), 3.54 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.73-2.64 (m, 1H), 2.09-2.00 (m, 1H), 1.76-1.68 (m, 1H), 1.21 (d, J = 7.2 Hz, 3H)。
工程2:
2−アミノベンズアミド(0.3g、2.20mmol)のDMF(5mL)中における撹拌溶液に、4−ベンジルオキシ−2−メチル−ブタン酸(0.59g、2.83mmol)、HATU(1.25g、3.28mmol)およびEt3N(0.61mL、4.35mmol)を室温で添加した。結果として生じた反応混合物を80℃で6時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(2×30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、20g、30% EtOAc−ヘキサン類)により精製すると、2−[(4−ベンジルオキシ−2−メチル−ブタノイル)アミノ]ベンズアミド(0.63g、79%)が無色の液体として得られた。
LCMS: m/z: 327.6 [M+H]+。
工程3:
2N水性NaOH(12mL)中の2−[(4−ベンジルオキシ−2−メチル−ブタノイル)アミノ]ベンズアミド(0.63g、1.93mmol)を、100℃で3時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を0℃に冷却し、2N水性HClでpH=3〜4まで酸性化し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、2−(3−ベンジルオキシ−1−メチル−プロピル)−3H−キナゾリン−4−オン(450mg、67%)が得られ、それを一切精製せずに次の工程のために用いた。
LCMS: m/z: 309.5 [M+H]+。
工程4:
2−(3−ベンジルオキシ−1−メチル−プロピル)−3H−キナゾリン−4−オン(0.55g、1.78mmol)のTHF(15mL)中における撹拌溶液に、10% Pd−C触媒(50%湿式、1.0g)を添加し、H2雰囲気(バルーン)下で5時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物をセライトを通して濾過し、THF(30mL)で洗浄した。濾液を真空中で濃縮すると、2−(3−ヒドロキシ−1−メチル−プロピル)−3H−キナゾリン−4−オン(0.3g、78%)が灰白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 219.49 [M+H]+。
工程5:
0℃に冷却された2−(3−ヒドロキシ−1−メチル−プロピル)−3H−キナゾリン−4−オン(0.40g、1.83mmol)のDCM(25mL)中における撹拌溶液に、デス・マーチン・ペルヨージナン(0.85g、2.00mmol)を添加した。反応混合物をゆっくりと室温まで温め、5時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を飽和水性Na2S2O3で停止させ、EtOAc(2×30mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてブライン(25mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮すると粗製の残留物が得られ、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、10g、15% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)ブタナール(220mg、56%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 217.5 [M+H]+。
工程6:
3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)ブタナール(0.20g、0.92mmol)のTHF(10mL)中における5℃の撹拌溶液に、t−BuOH(5mL)、水(1.5mL)および2−メチル−2−ブテン(0.51g、7.28mmol)、続いてNaClO2(0.25g、2.77mmol)およびNaH2PO4・H2O(0.43g、2.75mmol)を添加した。反応混合物をゆっくりと室温に至らせ、12時間撹拌し、水(15mL)で希釈し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてブライン(25mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、10g、10% MeOH−DCM)により精製すると、3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)ブタン酸(150mg、52%)が得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程に進めた。
LCMS: m/z: 233.4 [M+H]+。
工程7:
3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)ブタン酸(0.15g、0.64mmol)および6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−カルボニトリル(0.15g、0.71mmol)のDMF(5mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(0.18g、0.96mmol)、HOBt(0.13g、0.96mmol)およびDIPEA(0.34mL、1.93mmol)をアルゴン雰囲気下で添加し、室温で8時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去し、残留物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(2×25mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物(100mg、71% LCMS)が得られ、それを分取精製すると、6−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)ブタノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(28mg、9%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.19 (brs, 1H), 8.50 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.87 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 7.75-7.70 (m, 1H), 7.53 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.43 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.76-3.66 (m, 4H), 3.62-3.51 (m, 4H), 3.25-3.08 (m, 2H ), 2.64-2.59 (m, 1H), 1.26 (d, J = 7.2 Hz, 3H)。
LCMS: m/z: 403.7 [M+H]+。
実施例44 − 6−[(3S)−4−[3−(5,6−ジフルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]−3−メチル−ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
工程1:
二炭酸ジ−tert−ブチル(3.0g、23.2mmol)を、乾燥THF(45mL)中の3,4−ジフルオロアニリン(5.5g、25.2mmol)に添加し、結果として生じた反応混合物を室温で12時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去し、残留物をヘキサン類(15mL)で洗浄した。得られた白色固体を高真空下で乾燥させると、tert−ブチル N−(3,4−ジフルオロフェニル)カルバメート(5g、93%)が得られ、それを一切精製せずに次の工程のために用いた。
1H NMR [400 MHz, CDCl3]: δ 7.45-7.40 (m, 1H), 7.08-7.01 (m, 1H), 6.92-6.89 (m, 1H), 6.45 (brs, 1H), 1.51 (s, 9H)。
LCMS: m/z: 174.4 [M+H-56]+。
工程2:
tert−ブチル N−(3,4−ジフルオロフェニル)カルバメート(1g、4.36mmol)のTHF(30mL)中における−78℃の撹拌溶液に、t−BuLi(7.54mL、9.82mmol)を滴加し、3時間撹拌した。クロロギ酸エチル(0.48g、5.1mmol)を−78℃でゆっくりと反応混合物に添加し、1時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を0℃に至らせ、飽和塩化アンモニウム水溶液(24mL)で10分間の期間をかけて処理し、次いで室温まで温め、EtOAc(100mL)および水(50mL)で希釈した。層を分離し、水相をEtOAc(2×30mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、20g、2% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、エチル 6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2,3−ジフルオロ−ベンゾエート(0.5g、38%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, CDCl3]: δ 9.44 (brs, 1H), 8.11-8.08 (m, 1H), 7.30-7.23 (m, 1H), 4.45 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 1.51 (s, 9H), 1.41 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。
LCMS: m/z: 202.4 [M+H-100]+。
工程3:
エチル 6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2,3−ジフルオロ−ベンゾエート(0.5g、1.66mmol)のDCM(14mL)中における撹拌溶液に、TFA(2.27mL)を室温で滴加し、12時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を減圧下で濃縮すると、エチル 6−アミノ−2,3−ジフルオロ−ベンゾエート(0.43g、89%)が得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程に進めた。
LCMS: m/z: 202.3 [M+H]+。
工程4:
エチル 6−アミノ−2,3−ジフルオロ−ベンゾエート(0.43g、1.44mmol)のTHF:H2O(2:1、15mL)中における撹拌溶液に、LiOH・H2O(0.46g、14.3mmol)を添加した。結果として生じた反応混合物を室温で18時間撹拌し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、1N HClでpH=4〜5まで酸性化し、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、6−アミノ−2,3−ジフルオロ−安息香酸(0.2g、80%)が得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程に進めた。
LCMS: m/z: 174.39 [M+H]+。
工程5:
6−アミノ−2,3−ジフルオロ−安息香酸(0.7g、4.0mmol)のTHF(15mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(1.15g、6.0mmol)、HOBt・NH3(0.91g、6.0mmol)およびDIPEA(2.17mL、12.0mmol)をアルゴン雰囲気下で添加し、室温で6時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去し、残留物を冷水(40mL)およびEtOAc(100mL)で希釈した。有機層を分離し、冷水(2×20mL)、ブライン(2×20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、20g、25% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、6−アミノ−2,3−ジフルオロ−ベンズアミド(0.45g、65%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 173.4 [M+H]+。
工程6:
6−アミノ−2,3−ジフルオロ−ベンズアミド(0.45g、2.61mmol)のAcOH(4.5mL)中における室温の撹拌溶液に、無水コハク酸(0.31g、3.13mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を氷冷水(10mL)中に注ぎ、室温で30分間撹拌した。沈殿した固体を濾過し、水(10mL)、冷アセトン(5mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、4−(2−カルバモイル−3,4−ジフルオロ−アニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(500mg、70%)が得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程のために用いた。
LCMS: m/z: 273.5 [M+H]+。
工程7:
2N水性NaOH(5mL)中の4−(2−カルバモイル−3,4−ジフルオロ−アニリノ)−4−オキソ−ブタン酸(0.50g、1.83mmol)を、100℃で3時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を0℃に冷却し、2N水性HClでpH=3〜4まで酸性化し、その間に白色固体が沈殿した。懸濁液を0℃で30分間撹拌し、濾過し、水(10mL)、冷アセトン(2mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、3−(5,6−ジフルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(300mg、65%)が得られ、それを一切精製せずに次の工程のために用いた。
LCMS: m/z: 255.46 [M+H]+。
工程8:
(2S)−2−メチルピペラジン(0.30g、2.1mmol)のDMA(6mL)中における撹拌溶液に、6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(0.29g、2.3mmol)およびK2CO3を添加した。結果として生じた反応混合物を60℃に2時間加熱した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を冷水(20mL)で希釈し、EtOAc(3×25mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(20mL)およびブライン(2×20mL)で洗浄した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、10g、10% MeOH−DCM)により精製すると、6−[(3S)−3−メチルピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(0.29g、67%)が灰白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 203.4 [M+H]+。
工程9:
3−(5,6−ジフルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(0.25g、1.0mmol)および6−[(3S)−3−メチルピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(0.19g、1.0mmol)のDMF(5mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(0.28g、1.4mmol)、HOBt(0.22g、1.4mmol)およびDIPEA(0.5mL、2.9mmol)をアルゴン雰囲気下で添加し、室温で24時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去し、残留物を氷水(30mL)およびEtOAc(50mL)で希釈した。有機層を分離し、氷水(2×15mL)、ブライン(2×15mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物(200mg、47% LCMS)が得られ、それを分取精製すると、6−[(3S)−4−[3−(5,6−ジフルオロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]−3−メチル−ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボニトリル(40mg、9%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, CDCl3]: δ 12.33 (brs, 1H), 8.48 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.86 (dd, J = 9.2, 2.4 Hz, 1H), 7.84-7.76 (m, 1H), 7.39-7.33 (m, 1H), 6.95-6.91 (m, 1H), 4.55-4.34 (m, 1H), 4.30-3.86 (m, 3H), 3.49-3.42 (m, 1H), 3.23-3.15 (m, 1H), 3.05-2.94 (m, 1H), 2.89-2.78 (m, 4H), 1.20-0.98 (m, 3H)。
LCMS: m/z: 439.7 [M+H]+。
実施例45 − 2−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリミジン−5−カルボニトリルの合成
工程1:
5−ブロモ−2−クロロ−ピリミジン(0.5g、2.58mmol)の1,4−ジオキサン(20mL)中における溶液に、tert−ブチル ピペラジン−1−カルボキシレート(0.722g、3.88mmol)およびK2CO3(0.713g、5.17mmol)を室温で添加した。反応混合物を4時間還流させた(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を室温に至らせ、水(20mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて水(2×40mL)、ブライン(1×40mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、残留物が得られた。残留物をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、15g、10% EtOAc−ヘキサン)によりさらに精製すると、tert−ブチル 4−(5−ブロモピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.7g、78%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, CDCl3]: δ 8.29 (s, 2H), 3.75 (t, J = 4.8 Hz, 4H), 3.47 (t, J = 5.2 Hz, 4H), 1.47 (s, 9H)。
LCMS: m/z: 287.44 [M-tBu]+。
工程2:
tert−ブチル 4−(5−ブロモピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(500mg、1.46mmol)のDMF(15mL)中における撹拌溶液に、Zn(CN)2(513mg、4.37mmol)およびX−phos(84mg、0.15mmol)を室温で添加した。反応混合物をアルゴンガスで20分間脱気し、次いでPd(PPh3)4(168mg、0.15mmol)を添加し、100℃で18時間加熱した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物をゆっくりと室温に至らせ、水(20mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて水(2×40mL)、ブライン(1×40mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製物質が得られた。粗製物質をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、12g、10% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、tert−ブチル 4−(5−シアノピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(300mg、71%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 290.49 [M+H]+。
工程3:
tert−ブチル 4−(5−シアノピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(300mg、0.5mmol)のDCM(5mL)中における0℃の撹拌溶液に、ジオキサン中4N HCl(5mL)を添加した。反応混合物を室温まで温め、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをEt2O(5mL)で洗浄し、真空下で乾燥させると、2−ピペラジン−1−イルピリミジン−5−カルボニトリル;塩酸塩(200mg、80%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 190.46 [M+H]+。
工程4:
2−ピペラジン−1−イルピリミジン−5−カルボニトリル塩酸塩(130mg、0.69mmol)および3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(100mg、0.46mmol)のDMF(2mL)中における撹拌溶液に、DIPEA(0.3mL、1.38mmol)およびT3P(291mg、0.92mmol)を室温で添加し、8時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(10mL)で停止させ、EtOAc(3×40mL)中に抽出した。有機性抽出物を合わせて冷水(3×20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、残留物が得られた。粗製の残留物をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、10g、5% MeOH−DCM)により精製すると、2−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリミジン−5−カルボニトリル(30mg、16%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz DMSO-d6]: δ 12.20 (s, 1H), 8.79 (s, 2H), 8.06 (dd, J= 7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.78-7.73 (m, 1H), 7.57 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.47-7.43 (m, 1H), 3.93 (t, J = 4.4 Hz, 2H), 3.81 (t, J = 4.4 Hz, 2H), 3.66 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.57 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.90 (s, 4H)。
LCMS: m/z: 390.67 [M+H]+。
実施例46 − 2−メチル−5−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピラゾール−3−カルボニトリルの合成
工程1:
Et3N(17.3mL、0.12mol)を、ジメチル ブタ−2−インジオエート(8g、0.05mmol)のMeOH(80mL)、H2O(40mL)中における溶液に添加し、室温で30分間撹拌した。メチルヒドラジン硫酸塩(8.92g、61.9mol)を添加し、反応混合物を70℃で22時間撹拌した。溶液を室温で一夜静置し、形成された固体を濾過し、高真空下で乾燥させると、メチル 5−ヒドロキシ−2−メチル−ピラゾール−3−カルボキシレート(3.5g、40%)が淡褐色固体として得られた。
LCMS: m/z: 157.3 [M+H]+。
工程2:
メチル 5−ヒドロキシ−2−メチル−ピラゾール−3−カルボキシレート(0.3g、1.92mmol)のDCM(30mL)中における0℃の撹拌溶液に、ピリジン(0.18g、2.30mmol)、続いてTf2O(0.59g、2.11mmol)を滴加した。反応混合物をゆっくりと室温まで温め、2時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物をゆっくりと水(15mL)で希釈し、DCM(2×30mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてブライン(25mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、メチル 2−メチル−5−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ピラゾール−3−カルボキシレート(580mg、93%)が得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程に進めた。
LCMS: m/z: 289.4 [M+H]+。
工程3:
密閉されたチューブに、1,4−ジオキサン(40mL)中のメチル 2−メチル−5−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ピラゾール−3−カルボキシレート(1.7g、5.90mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.64g、6.48mmol)、KOAc(1.73g、17.6mmol)を入れ、N2下で15分間脱気した。Dppf(0.15g、0.29mmol)およびPdCl2(dppf).CH2Cl2(0.24g、0.29mmol)を添加し、再度N2下でさらに10分間脱気した。結果として得られた反応混合物を90℃で4時間撹拌し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、トルエン(30mL)、水(20mL)で希釈し、セライト(登録商標)のベッドを通して濾過した。セライトのパッドをトルエン(50mL)で洗浄し、合わせた有機性洗浄液を分離し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをペンタン(70mL)で摩砕処理し、濾過した。ペンタン層を減圧下で濃縮すると、(5−メトキシカルボニル−1−メチル−ピラゾール−3−イル)ボロン酸(1g、92%)が淡黄色固体として得られた。
LCMS: m/z: 185.5 [M+H]+。
工程4:
(5−メトキシカルボニル−1−メチル−ピラゾール−3−イル)ボロン酸(1.05g、5.64mmol)およびN−Boc−ピペラジン(0.8g、4.34mmol)のDCM(20mL)中における室温の撹拌溶液に、ピリジン(1.03g、13.03mmol)、4ÅモレキュラーシーブおよびCu(OAc)2(1.57g、8.67mmol)を添加した。反応混合物をO2雰囲気(バルーン圧)下で室温において14時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(10mL)で希釈し、DCM(2×30mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物(純度41%)が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカ、30g、15% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、tert−ブチル 4−(5−メトキシカルボニル−1−メチル−ピラゾール−3−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.43g、60% LCMS)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 325.7 [M+H]+。
工程5:
tert−ブチル 4−(5−メトキシカルボニル−1−メチル−ピラゾール−3−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.43g、1.32mmol)のTHF:MeOH:H2O(1:1:1、15mL)中における撹拌溶液に、LiOH・H2O(0.27g、6.63mmol)を室温で添加し、5時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を1N HClでpH=4〜5まで酸性化し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、5−(4−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル)−2−メチル−ピラゾール−3−カルボン酸(0.24g、58%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 311.4 [M+H]+。
工程6:
5−(4−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル)−2−メチル−ピラゾール−3−カルボン酸(0.47g、1.51mmol)のTHF(20mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(0.43g、2.27mmol)、HOBt・NH3(0.34g、2.27mmol)およびDIPEA(0.8mL、4.55mmol)をアルゴン雰囲気下で添加し、室温で6時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去し、残留物を水(40mL)およびEtOAc(100mL)で希釈した。有機層を分離し、冷水(2×20mL)、ブライン(2×20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、20g、2.5% MeOH−DCM)により精製すると、tert−ブチル 4−(5−カルバモイル−1−メチル−ピラゾール−3−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.40g、86%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 310.7 [M+H]+。
工程7:
0℃に冷却されたtert−ブチル 4−(5−カルバモイル−1−メチル−ピラゾール−3−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.17g、0.55mmol)のTHF(5.0mL)中における撹拌溶液に、Et3N(0.19mL、1.37mmol)、続いてTf2O(0.27mL、1.90mmol)を添加した。反応混合物をゆっくりと室温に至らせ、1時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(2×25mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて飽和NaHCO3溶液(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、tert−ブチル 4−(5−シアノ−1−メチル−ピラゾール−3−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.11g、68%)が淡黄色固体として得られた。
LCMS: m/z: 292.5 [M+H-100]+。
工程8:
0℃に冷却されたtert−ブチル 4−(5−シアノ−1−メチル−ピラゾール−3−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.11g、0.37mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中における撹拌溶液に、ジオキサン中4N HCl(3mL)を添加した。反応混合物を室温に至らせ、5時間撹拌し(TLCは、出発物質の完全な消費を示す)、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それをEt2O(5mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させると、2−メチル−5−ピペラジン−1−イル−ピラゾール−3−カルボニトリル塩酸塩(70mg、73%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 192.5 [M+H]+。
工程9:
2−メチル−5−ピペラジン−1−イル−ピラゾール−3−カルボニトリル;塩酸塩(0.06g、0.28mmol)および3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(0.075g、0.34mmol)のDMF(2mL)中における室温の撹拌溶液に、EtOAc中50% T3P(0.36mL、0.57mmol)およびDIPEA(0.1mL、0.57mmol)を添加し、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を高真空下で濃縮すると、粗製の残留物が得られ、それを5% MeOH−DCM(75mL)で希釈し、冷水(2×10mL)で洗浄した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の残留物(110mg、37% LCMS)が得られ、それを分取精製すると、2−メチル−5−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピラゾール−3−カルボニトリル(22mg、16%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.15 (brs, 1H), 8.07 (d, J = 6.8, 1.2 Hz, 1H), 7.76-7.72 (m, 1H), 7.53 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.44 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 6.62 (s, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.61 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.54 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.18 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.06 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 2.87 (s, 4H)。
LCMS: m/z: 392.7 [M+H]+。
実施例47 − 3−クロロ−N,N−ジメチル−4−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ベンズアミドの合成
工程1:
3−クロロ−4−フルオロ−安息香酸(0.5g、2.87mmol)のTHF(5mL)中における撹拌溶液に、Me2NH(0.3mL、5.74mmol、THF中1M)およびCDI(0.7g、4.31mmol)を室温で添加し、5時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(40mL)で停止させ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、揮発性物質を減圧下で除去すると、残留物が得られ、それをEt2Oで洗浄し、乾燥させると、3−クロロ−4−フルオロ−N,N−ジメチル−ベンズアミド(450mg、78%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 202.40 [M+H]+。
工程2:
3−クロロ−4−フルオロ−N,N−ジメチル−ベンズアミド(0.4g、1.99mmol)およびピペラジン(0.8g、9.38mmol)のDMSO(5mL)中における溶液を、アルゴン雰囲気下で120℃で16時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(40mL)で停止させ、EtOAc(3×10mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、残留物をEt2O(10mL)で洗浄すると、3−クロロ−N,N−ジメチル−4−ピペラジン−1−イル−ベンズアミド(550mg、65%)が灰白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 268.56 [M+H]+。
工程3:
3−クロロ−N,N−ジメチル−4−ピペラジン−1−イル−ベンズアミド(150mg、0.55mmol)および3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(122mg、0.55mmol)の乾燥DMF(2mL)中における撹拌溶液に、EDC・HCl(160mg、0.83mmol)、HOBt(113mg、0.83mmol)およびDIPEA(0.2mL、1.16mmol)を室温で添加し、16時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を水(20mL)で停止させ、EtOAc(3×10mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、5g、5%のMeOH−DCM)により精製すると、3−クロロ−N,N−ジメチル−4−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ベンズアミド(80mg、43%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.20 (s, 1H), 8.07 (dd, J = 8, 1.2 Hz, 1H), 7.78-7.74 (m, 1H), 7.57 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.47-7.43 (m, 2H), 7.36 (dd, J = 8.4, 2 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.70 (brs, 2H), 3.61 (brs, 2H), 3.05 (brs, 2H), 2.94 (s, 8H), 2.89 (s, 4H)。
LCMS: m/z: 468.73 [M+H]+。
実施例48 − N−メチル−6−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボキサミジン塩酸塩の合成
工程1:
密閉されたチューブ中の2,5−ジブロモピリジン(2g、10.7mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(1.6g、16.6mmol)、キサントホス(400mg、0.7mmol)およびトルエン(100mL)の撹拌溶液に、アルゴンを5分間パージした。反応混合物に、tert−ブチル ピペラジン−1−カルボキシレート(3.4g、14.30mmol)、続いてPd2(dba)3(200mg、0.21mmol)を添加し、80℃で4時間加熱した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物をEtOAc(200mL)、水(100mL)で希釈し、セライトのベッドを通して濾過し、EtOAc(2×30mL)で洗浄した。有機性抽出物を合わせてブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗生成物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、50g、10−20% EtOAc−ヘキサン類)により精製すると、tert−ブチル 4−(5−ブロモ−2−ピリジル)ピペラジン−1−カルボキシレート(3g、82%)が黄色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 342.57 [M+H]+。
工程2:
tert−ブチル 4−(5−ブロモ−2−ピリジル)ピペラジン−1−カルボキシレート(3g、8.77mmol)のジオキサン(30mL)中における撹拌溶液に、ジオキサン中4N HCl(10mL)を室温で添加し、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。EtOAc(50mL)を反応混合物に添加し、30分間撹拌し、固体を濾過し、エーテル(20mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させると、1−(5−ブロモ−2−ピリジル)ピペラジン塩酸塩(2.1g、93%)が灰白色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 242.43 [M+H]+。
工程3:
1−(5−ブロモ−2−ピリジル)ピペラジン塩酸塩(2.1g、8.12mmol)のDMF(20mL)中における撹拌溶液に、DIPEA(3.8mL、22.01mmol)、3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(1.6g、7.34mmol)、続いてEtOAc中50% T3P溶液(7mL、11.00mmol)を室温で添加し、12時間撹拌した(LCMSは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を氷水(200mL)で停止させ、2時間撹拌し、得られた固体を濾過し、水(50mL)、アセトン(20mL)で洗浄し、真空下で乾燥させると、2−[3−[4−(5−ブロモ−2−ピリジル)ピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン(1.6g、50%)が灰白色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 442.59 [M+H]+。
工程4:
密閉されたチューブ中の2−[3−[4−(5−ブロモ−2−ピリジル)ピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン(1.6g、3.62mmol)のジオキサン(30mL)中における撹拌溶液に、酢酸カリウム(1.1g、11.21mmol)、続いてビス(ピナコラト)ジボロン(1.3g、5.12mmol)およびPd(dppf)Cl2(89mg、0.11mmol)をアルゴン雰囲気下で添加した。反応を80℃で12時間加熱した(LCMSは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物をEtOAc(75mL)で希釈し、セライト(登録商標)のベッドを通して濾過し、EtOAc(2×50mL)で洗浄し;有機性抽出物を合わせてブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗生成物が得られ、それをペンタン(2×10mL)で洗浄すると、2−[3−オキソ−3−[4−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−ピリジル]ピペラジン−1−イル]プロピル]−3H−キナゾリン−4−オンおよび[6−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]−3−ピリジル]ボロン酸(1.16g)両方の混合物が得られ、それをそれ以上精製せずに次の反応において用いた。
LCMS (ESI+): m/z: 408.69 [M+H]+。(ボロン酸)
工程5:
2−[3−オキソ−3−[4−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−ピリジル]ピペラジン−1−イル]プロピル]−3H−キナゾリン−4−オンおよび[6−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]−3−ピリジル]ボロン酸(1.16g)、チオフェン−2−カルボン酸銅(I)(1.1g、5.77mmol)、トリ−2−フリルホスフィン(140mg、0.60mmol)の混合物のTHF中におけるアルゴン雰囲気下の撹拌溶液に、Pd2(dba)3(91mg、0.10mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンで5分間パージし、次いでTHF(18mL)中のN,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−S−メチルイソチオ尿素(600mg、1.97mmol)をアルゴン雰囲気下で添加し、その間に濃い均一な溶液が形成された。反応混合物を65℃で18時間加熱し(LCMSは16%のボロン酸を示した)、次いで室温に至らせ、飽和水性NaHCO3溶液(20mL)およびEtOAc(30mL)を添加した。有機層を分離し、ブライン(25mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗生成物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、100g、2〜5% MeOH−DCM)により精製すると、tert−ブチル N−[(E)−N−tert−ブトキシカルボニル−C−[6−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]−3−ピリジル]カルボンイミドイル]−N−メチル−カルバメート(240mg、12% LCMS)が得られ、それを分取HPLCにより再精製すると、純粋な化合物(13mg)が白色固体として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 620.92 [M+H]+。
工程6:
tert−ブチル N−[(E)−N−tert−ブトキシカルボニル−C−[6−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]−3−ピリジル]カルボンイミドイル]−N−メチル−カルバメート(13mg、0.021mmol)のジオキサン(0.5mL)中における撹拌溶液に、ジオキサン中4N HCl(0.4mL、1.744mmol)を、そして室温で2時間撹拌した(LCMSは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を減圧下で濃縮すると、粗生成物が得られ、それをEtOAc(2×5mL)、続いてEt2O(2×5mL)で洗浄し、次いでCH3CN(5mL)および水(5mL)の混合物中で凍結乾燥させると、N−メチル−6−[4−[3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパノイル]ピペラジン−1−イル]ピリジン−3−カルボキサミジン塩酸塩(12mg、99%)が灰白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 8.58 (brs, 1H), 8.14 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.99 (brs, 1H), 7.92-7.78 (m, 2H), 7.63-7.57 (m, 1H), 7.35 (brs, 1H), 7.13-7.08 (m, 1H), 4.26 (brs, 5H), 3.81 (s, 2H), 3.68 (s, 4H), 3.60 (s, 2H), 3.06 (s, 3H)。
LCMS (ESI+): m/z: 420.70 [M+H]+。
工程7:
0℃に冷却されたtert−ブチル N−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−メチルスルファニル−メチレン]カルバメート(1g、3.44mmol)のDMF(20mL)中における溶液に、60%水素化ナトリウム(276mg、6.916mmol)、続いてMeI(0.32mL、5.162mmol)を一部ずつ添加した。反応混合物を室温まで温め、3時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。反応混合物を氷水(30mL)で停止させ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせてブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、残留物が得られ、それをカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、20g、5〜10% EtOAc−ヘキサン類)により精製すると、tert−ブチル N−(N−tert−ブトキシカルボニル−C−メチルスルファニル−カルボンイミドイル)−N−メチル−カルバメート(650mg、63%)が無色の油として得られた。
LCMS (ESI+): m/z: 305.66 [M+H]+。
実施例49 − 2−[3−[4−[5−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−2−ピリジル]ピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オンの合成
工程1:
メチル 6−クロロピリジン−3−カルボキシレート(500mg、2.91mmol)のDMF(5mL)中における撹拌溶液にtert−ブチル ピペラジン−1−カルボキシレート(720mg、3.87mmol)、K2CO3(1.2g、8.74mmol)およびDMAP(35mg、0.29mmol)を室温で添加した。反応混合物をCEMマイクロ波中で80℃で30分間加熱し(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、水(20mL)で希釈し、その間に固体が沈殿した。固体を濾過し、EtOAc(50mL)中で溶解させ、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、粗製の化合物が得られ、それをフラッシュクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、5g、30% EtOAc−ヘキサン)により精製すると、tert−ブチル 4−(5−メトキシカルボニル−2−ピリジル)ピペラジン−1−カルボキシレート(510mg、54%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 322.63 [M+H]+。
工程2:
0℃に冷却されたトリメチルアルミニウム(1.86mL、3.73mmol、トルエン中2M)のトルエン(12mL)中における撹拌溶液に、エチレンジアミン(0.25mL、3.73mmol)を添加した。反応混合物を室温まで温め、5分間撹拌し、トルエン(4mL)中のtert−ブチル 4−(5−メトキシカルボニル−2−ピリジル)ピペラジン−1−カルボキシレート(200mg、0.62mmol)を室温で添加した。反応混合物を3時間還流させ(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)、ゆっくりと室温に至らせ、水(5mL)で停止させ、MeOH(15mL)およびDCM(15mL)中で溶解させた。反応混合物をNa2SO4を通して濾過し;得られた濾液を真空下で蒸発させると、粗製の残留物が得られた。残留物をEtOAc(50mL)中で溶解させ、80℃で5分間加熱し、Na2SO4を通して濾過し、真空下で濃縮すると、粗製の化合物が得られた。粗製の残留物をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル、4g、10% MeOH−80% DCM−10%水性NH3)により精製すると、tert−ブチル 4−[5−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−2−ピリジル]ピペラジン−1−カルボキシレート(160mg、78%)が白色固体として得られた。
LCMS: m/z: 332.70 [M+H]+。
工程3:
0℃に冷却されたtert−ブチル 4−[5−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−2−ピリジル]ピペラジン−1−カルボキシレート(160mg、0.48mmol)の1,4−ジオキサン(3ml)中における撹拌溶液に、1,4−ジオキサン中4N HCl(0.48mL、1.93mmol)を添加した。反応混合物を室温まで温め、4時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で蒸発させると、1−[5−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−2−ピリジル]ピペラジン塩酸塩(130mg、100%)が得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程のために用いた。
LCMS: m/z: 232.56 [M+H]+、
工程4:
3−(4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(100mg、0.458mmol)のDMF(5mL)中における撹拌溶液に、1−[5−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−2−ピリジル]ピペラジン塩酸塩(127mg、0.55mmol)、EDC・HCl(131mg、0.68mmol)、HOBt(93mg、0.68mmol)およびDIPEA(0.32mL、1.83mmol)を室温で添加し、16時間撹拌した(TLCは、出発物質の完全な消費を示した)。揮発性物質を減圧下で除去すると、粗製の残留物が得られ、それを冷水(30ml)で希釈し、その間に固体が沈殿した。沈殿を濾過し、真空下で乾燥させると、粗生成物(120mg、92% LCMS)が得られ、それを分取HPLCにより精製すると、2−[3−[4−[5−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−2−ピリジル]ピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン(55mg、28%)が白色固体として得られた。
1H NMR [400 MHz, DMSO-d6]: δ 12.0 (s, 1H), 8.54 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.07 (dd, J = 1.6, 8.0 Hz, 1H), 7.92 (dd, J = 2.4, 9.2 Hz, 1H), 7.76-7.71 (m, 1H), 7.54 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.46-7.42 (m, 1H), 6.87(d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.70-3.65 (m, 4H), 3.56 (brs, 8H), 2.89 (brs, 4H)。
LCMS: m/z: 432.73[M+H]+。
実施例50 − 8−クロロ−2−(3−(4−(4−フルオロフェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル)−3−オキソプロピル)キナゾリン−4(3H)−オンの合成
工程1:
2−アミノ−3−クロロ安息香酸(10g、58.3mmol)をDMF(30mL)中で溶解させ、続いてHOBt(10.2g、75.8mmol)、EDCI(13.4g、69.9mmol)、塩化アンモニウム(12.5g、233mmol)およびDIEA(40.6mL、233mmol)をその順序で添加した。結果として得られた混合物を室温で20時間撹拌した。混合物をH2O(200mL)およびEtOAc(200mL)の間で分配し、相を分離した。水層をEtOAc(2×150mL)で抽出した。有機性抽出物を合わせて50%飽和ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過した。濾液を濃縮させると、黄色/白色固体残留物が得られた。固体残留物をDMF(10mL)中で溶解させた。DCM(10mL)の添加は、白色沈殿をもたらし、それを濾過により収集した。このプロセスをさらに2回繰り返して、2−アミノ−3−クロロ−ベンズアミド(5.1g)が白色の綿毛状固体として得られた。
LC-MS: m/z: 171.1 [M+H]+。
工程2:
2−アミノ−3−クロロ−ベンズアミド(500mg、2.93mmol)および無水コハク酸(293mg、2.93mmol)のトルエン(5mL)中における懸濁液を、110℃で撹拌した。混合物は、1時間後に均一になった。さらに16時間後、沈殿が形成された。混合物を室温まで冷却し、真空中で濃縮した。1N NaOH(10mL)を残留物に添加し、結果として得られた混合物を110℃で10分間加熱し、次いで室温まで冷却した。1N HClをpHが約1に達するまで添加した。白色沈殿が形成され、それを濾過により収集した。固体を水(2×5mL)で洗浄し、乾燥させると、3−(8−クロロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(294mg)が白色固体として得られた。
LC-MS: m/z 253.0 [M+H]+。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.45 (s, 1H), 12.20 (br.s, 1H), 8.04 (dd, J = 7.9, 1.5 Hz, 1H), 7.92 (dd, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H), 7.43 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 2.89 (dd, J = 10.6, 3.7 Hz, 2H), 2.78 (dd, J = 10.6, 3.6 Hz, 2H)。
工程3:
4−(4−フルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン塩酸塩(18.6mg、0.087mmol)および3−(8−クロロ−4−オキソ−3H−キナゾリン−2−イル)プロパン酸(20.0mg、0.079mmol)のDMF(3mL)中における溶液に、HATU(33.1mg、0.087mmol)、続いてDIEA(33.9μL、0.190mmol)を添加した。結果として得られた混合物を室温で3時間撹拌し、次いでEtOAc(40mL)で希釈し、飽和NaHCO3(水性)(10mL)、50%飽和ブライン(3×5mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、粗生成物(13mg)が白色固体として得られ、それは、LC−MSおよびNMRにより90%純粋な物質である。この固体をEtOAc(3mL)で摩砕処理し、液体をデカンテーションして除くことにより固体を収集すると、8−クロロ−2−(3−(4−(4−フルオロフェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル)−3−オキソプロピル)キナゾリン−4(3H)−オン(1.2mg)が白色固体として得られた。
LC-MS: m/z 412.1 [M+H]+。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 11.08 (s, 1H), 8.18 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.38 - 7.28 (m, 3H), 7.03 (td, J = 8.7, 2.0 Hz, 2H), 5.98 (d, J = 45.0 Hz, 1H), 4.23 (d, J = 77.1 Hz, 2H), 3.80 (dt, J = 100.6, 5.7 Hz, 2H), 3.17 (dd, J = 13.7, 7.8 Hz, 2H), 3.02 - 2.84 (m, 2H), 2.65 - 2.48 (m, 2H)。
実施例51 − 2−(3−(4−(4−フルオロフェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル)−3−オキソプロピル)キナゾリン−4(3H)−オンの合成
その化合物は、8−クロロ−2−(3−(4−(4−フルオロフェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル)−3−オキソプロピル)キナゾリン−4(3H)−オン(実施例50)に関するシークエンスと同じシークエンスに従って、適切な出発物質を用いて合成された。
LC-MS: m/z 378.4 [M+H]+。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.19 (s, 1H), 8.07 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.72 (ddd, J = 8.5, 7.2, 1.6 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.50 - 7.46 (m, 2H), 7.46 - 7.41 (m, 1H), 7.18 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 6.20 - 6.12 (m, 1H), 4.24 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 4.09 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 3.72 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 3.66 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 2.98 - 2.85 (m, 4H), 2.58 (s, 1H), 2.42 (s, 1H)。
実施例52 − 2−(3−(4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル)キナゾリン−4(3H)−オンの合成
その化合物は、8−クロロ−2−(3−(4−(4−フルオロフェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル)−3−オキソプロピル)キナゾリン−4(3H)−オン(実施例50)に関するシークエンスと同じシークエンスに従って、適切な出発物質を用いて合成された。
LC-MS: m/z 381.4 [M+H]+。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.18 (s, 1H), 8.07 (dd, J = 8.0, 1.2 Hz, 1H), 7.77 - 7.71 (m, 1H), 7.55 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.44 (ddd, J = 8.1, 7.3, 1.1 Hz, 1H), 7.10 - 7.04 (m, 2H), 7.01 - 6.95 (m, 2H), 3.70 - 3.63 (m, 2H), 3.63 - 3.54 (m, 2H), 3.15 - 3.10 (m, 2H), 3.04 - 2.98 (m, 2H), 2.89 (s, 4H)。
実施例53 − 2−(3−(4−(4−フルオロフェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル)−3−オキソプロピル)−7−メチル−3,7−ジヒドロ−4H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オンの合成
その化合物は、8−クロロ−2−(3−(4−(4−フルオロフェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル)−3−オキソプロピル)キナゾリン−4(3H)−オン(実施例50)に関するシークエンスと同じシークエンスに従って、適切な出発物質(2−アミノ−1−メチル−1H−ピロロ−32−カルボキサミド、CAS番号:1894093−24−3)を用いて合成された。
LC-MS: m/z 381.4 [M+H]+。
1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 11.70 (s, 1H), 7.48 (ddd, J = 8.7, 5.6, 2.1 Hz, 2H), 7.21 - 7.14 (m, 2H), 6.98 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 6.37 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 6.16 (t, J = 3.3 Hz, 1H), 4.23 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 4.10 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 3.71 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 3.67 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 3.61 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 2.92 - 2.80 (m, 4H), 2.60 - 2.54 (m, 1H), 2.46 - 2.40 (m, 1H)。
実施例54 ヒトPARPアッセイ
ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ−1(PARP−1)およびポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ−2(PARP−2)は、DNA修復を含む細胞活動の多くに関わる2種類の核酵素であり、DNAおよびクロマチン構造の完全性の維持において重要な役割を果たしている。このアッセイは、PARP−1またはPARP−2の活性を阻害する試験物質の能力を評価するために設計されており、シンチレーション近接アッセイ(SPA)形式を使用する。
シンチレーション近接アッセイ(SPA)は、精製された組み換えPARP−1酵素を用いてPARP活性を測定するように設計されており、創薬のための小分子阻害剤の高スループットスクリーニングに理想的である。ここで、組み換えヒトPARP−1またはPARP−2酵素が、基質混合物(NAD、3H−NADおよびビオチン化NAD)と共にインキュベートされ、[3H]およびビオチン標識されたADP−リボースポリマーが、ストレプトアビジンコンジュゲートPVT SPAビーズを用いて捕捉される。酵素阻害の非存在下では、100%の信号が得られた。阻害剤は、PARP−1またはPARP−2に媒介されるポリADPリボースポリマー形成が低減した際の信号における低下により同定される。
このプロトコルにおいて用いられた化学物質および試薬が、下記で入手源およびカタログ番号と共に列挙されている。
機器:Perkin Elmer;TopCount NXT
試薬および緩衝液の調製
緩衝液A 4×:
トリスpH8:100mM;MgCl2:4mM;スペルミン:4mM;KCl:200mM;Nonidet P−40代替品:0.04%。
ウェルあたりのアッセイ混合物A
・緩衝液A 4× :12.5μL
・DTT 100mM :0.5μL
・PARP−1酵素 :1単位/ウェル、体積はロットの比活性に依存する
・PARP−2酵素 :30ng/ウェル、体積はロットの比活性に依存する
・H2O :35μLになるまで
ウェルあたりのアッセイ混合物B
・[アデニン−2,8−3H]−NAD 100uCi/ml :1μL(0.1μCi/ウェル)
・3H−NAD 100uCi/ml :2μl(0.2μCi/ウェル)
・NAD 1.5mM :0.05μL
・ビオチン化NAD 2501.iM :0.03μL
・活性化仔ウシ胸腺DNA :50μg
・H2O :10μLになるまで
アッセイ混合物C
・ストレプトアビジン−SPAビーズ:200mM EDTA pH8.0中2.5mg/mL(PARP−1アッセイに関して)
・ストレプトアビジン−SPAビーズ:2.5mg/ml dH2O(PARP−2アッセイに関して)
アッセイ手順
参照化合物である4−アミノ−1,8−ナフタルイミド(4−ANI)の10mM溶液を、100%DMSOを用いることにより調製した。10mM 4−ANIを100%DMSOを用いて2mMに希釈し、さらに200μMに希釈した。200μM 4−ANIの100%DMSO中における系列希釈を実施して、3倍希釈された10通りの濃度を得た。系列希釈物の5μLを95μLの水に移して、アッセイにおける終濃度の10倍を得た。アッセイにおける4−ANIの最高濃度は、1μMであった。
前に調製された2mM 4−ANIの溶液を、水中で100μMに希釈した。この100μM 4−ANIの5μLを、“NC”(陰性対照)のウェルに添加した。“NC”のウェルにおける4−ANIの終濃度は、10μMであった。“NC”のウェルは、最低の信号を有するウェルとして定義される。
試験化合物の10mM溶液を、100% DMSOを用いることにより調製した。その10mM溶液を、アッセイにおける所望の終濃度の200倍に希釈した。100% DMSO中の200倍化合物溶液の系列希釈を実施して、3倍希釈された10通りの濃度を得た。
前希釈プレート:系列希釈物の5μLを、ポリプロピレンプレート中の95μLの水に移して、アッセイにおける最終的な所望の濃度の10倍を得た。
PARP反応発現:アッセイプレート
前希釈マイクロプレートからの5μL/ウェルを、96ウェル白色マイクロプレート(Corning 3600)中に移した。35μL/ウェルのアッセイ混合物Aを添加し、室温で5分間インキュベートした。10μL/ウェルのアッセイ混合物Bを添加して反応を開始した。アッセイプレートを室温で3時間インキュベートした。
アッセイプレートの検出:
50μL/ウェルのアッセイ混合物Cを添加した。TOPSEAL−A 96でプレートを密封した(sealted)。アッセイを穏やかに振盪しながら15分間インキュベートした。アッセイプレートをトリチウムおよびPVT SPAビーズに関して最適化されたプロトコルを用いてTopCount上で読み取った。
アッセイ条件
結果およびデータの分析:
生データをCPMとして収集した。4−パラメトリック非線形回帰を用いて濃度−反応曲線を当てはめ、IC50値を計算した。NC、PC群に関する複製CPM値は、平均化された。NCの平均は、全ての生CPM計数から減算された。次いで、これらのバックグラウンドを減算された値を平均陽性対照により割り、活性の%を生成した。%活性を100から減算して%阻害を生成した。データをプロットし、次の方程式に当てはめた:
実施例55 PARP−1細胞ベースアッセイ
DNA損傷に反応して、PARPファミリーの主なイソ型であるポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ−1(PARP−1)は、環境因子への曝露、癌療法、炎症、虚血・再灌流および神経変性に起因するDNA鎖切断により急速に活性化される。一度活性化されると、NAD+が、高度に負に荷電したポリマーであるポリADPリボース(PAR)の合成のために消費され、それは、PARP−1を含む標的核タンパク質上に主な受容体として存在する。PARP活性化の結果として、広範囲にわたるDNA損傷は、細胞中のNAD+の枯渇をもたらし、細胞死をもたらす可能性がある。従って、PARP−1は、癌療法、炎症、虚血および神経変性の様々な計画において有用な薬物の開発のための有望な標的と考えられる。
このアッセイにおいて、細胞内のPARP活性をモニターするため、HeLa細胞がPARP−1阻害剤で処理され、続いてH2O2によるDNA損傷の誘導が行われた。最終的なPARP1活性は、処理された細胞および未処理細胞から収集された細胞溶解物中のNAD+およびNADHのレベルを測定することにより評価された。
材料および試薬
機器:検出:Envisionプレートリーダー/TopCount(Perkin Elmer)における発光検出
試薬および培地の調製
培養培地の調製
・DMEM培地 :1×
・FBS(熱非働化) :10%
・ペニシリン−ストレプトマイシン(10,000U/mL) :0.1mg/mL
・L−グルタミン :2mM
ルシフェリン検出試薬の調製
再構成緩衝液を融解させた。再構成緩衝液およびルシフェリン検出試薬を室温に平衡化した。再構成緩衝液のボトルの全内容物を凍結乾燥されたルシフェリン検出試薬の琥珀色のボトルに移した。その2種類の試薬を旋回または反転により混合し、均一な溶液を得た。ボルテックスは不使用。ルシフェリン検出試薬は、1分未満で容易に溶液になるはずである。
NAD/NADH−Glo(商標)検出試薬の調製
等量のNAD/NADH−Glo(商標)検出試薬を、NAD+またはNADHを含有するそれぞれの試料に添加した。
再構成されたルシフェリン検出試薬を室温に平衡化した。レダクターゼ、レダクターゼ基質およびNAD+サイクリング基質を、使用直前に室温で、または氷上で融解させた。NAD+サイクリング酵素を、275μLの水を添加することにより再構成した。混合物を穏やかにバイアル中で渦を巻かせ、氷上で保管した。必要量のNAD/NADH−Glo(商標)検出試薬を、1mLの再構成されたルシフェリン検出試薬あたり5μLのレダクターゼ、5μLのレダクターゼ基質、5μLのNAD+サイクリング酵素および2μLのNAD+サイクリング基質を添加することにより調製した。混合物を穏やかに5回反転させた。
最終アッセイ条件:
細胞播種&化合物処理:
HeLa細胞を、96ウェル細胞培養マイクロプレートにおいて90μLの培養培地中で10,000細胞/ウェルの密度で蒔いた。プレートを5%CO2雰囲気下で37℃において4時間インキュベートした。10μLの8点にわたる系列希釈(濃度範囲:0.3〜100nM)による10×化合物(5%DMSO)を、添加した。処理されたプレートを5%CO2中で37℃で18時間インキュベートした。5μLのH2O中のH2O2溶液(終濃度200μM)を、DNA損傷を誘発するために添加した。H2O2で処理されない細胞が、陰性対照ウェル中に保たれた。プレートを37℃で5分間インキュベートし、次いで反転させて培地を穏やかに除去した。50μLの1×PBSを、全てのウェルに添加した。
PARP活性の決定:NAD+およびNADHを別々に測定する
このプロトコルは、96ウェル白色ルミノメータープレート中でウェルあたり50μLのPBS中で細胞をアッセイするためのものである。細胞のそれぞれのウェルは、2つの試料に分けられた:一方の試料は、NAD+を定量化するために酸で処理され、他方の試料は、NADHを定量化するために塩基で処理された。細胞を蒔く際、プレート上のウェルは、試料を分けるために確保された。あるいは、試料を分ける際に第2のプレートを用いる。
1%DTABを含む塩基溶液50μlを、50μlのPBS中の細胞のそれぞれのウェルに添加した。均一性および細胞溶解を確実にするために、プレートをプレート振盪機上で短時間混合した。50μlのそれぞれの試料を取り出して、酸処理のために空のウェルに移した。これらの試料に、ウェルあたり25μlの0.4N HClを添加し;これらのウェルは、酸処理された試料を収容していた。元の試料のウェルは、塩基処理された試料である。プレートを覆って60℃で15分間インキュベートした。次いで、プレートを室温で10分間平衡化した。25μlの0.5M Trizma(登録商標)塩基を酸処理された細胞のそれぞれのウェルに添加して酸を中和した。50μlのHCl/Trizma(登録商標)溶液を、塩基処理された試料を含有するそれぞれのウェルに添加した。NAD/NADH−Glo(商標)検出試薬を、上記のように調製した。等量のNAD/NADH−Glo(商標)検出試薬(例えば100μl)をそれぞれのウェルに添加した。プレートを穏やかに振盪して混合した。プレートを室温で30〜60分間インキュベートした。ルミノメーター(Envision,PerkinElmer)を用いることにより発光を記録した。発光の値を収集した。非線形回帰を用いて、用量反応曲線を生成し、IC50値を計算した。
下記の表は、本発明の代表的な化合物のPARP1−1およびPARP−2活性に対する阻害作用を列挙している。その結果は、本発明の化合物がPARP−2よりもPARP1−1を選択的に阻害し、細胞中のNAD+の量を増大させるために有用であることを示している。
実施例56 急性腎臓損傷(AKI)ラットモデル
動物、手術および投与:標準的な飼料および水を自由に入手できる体重おおよそ300〜350gのオスのSprague−Dawleyラットを、これらの実験において用いた。ラットをイソフルランで麻酔し、温度制御された加熱された手術プラットフォーム上に腹側的に置いた。皮膚切開を背面上で行い、側腹切開を通して両方の腎臓を露出させた。血管クリップを両方の腎茎に適用し、閉塞を45分間継続した。45分後、クリップを取り外し、腎臓を再灌流の成功に関してモニターし、手術部位を縫合した。偽手術された群には、閉塞鉗子を適用しなかったこと以外は類似の手術手順を施した。化合物は、実施例29または実施例30のN−メチルピロリドン:PEG300:プロピレングリコール:正常生理食塩水(10:30:20:40)中における新鮮な日ごとの(fresh daily)透明な溶液として配合された。化合物またはビヒクルを、手術の日の再灌流の4時間後に尾静脈を介して15mg/kg(3mL/kg)で静脈内投与した。1日目(手術後の日)に、動物にビヒクルまたは15mg/kgの実施例29もしくは実施例30(3mL/kg、静脈内)を光周期の開始時に投与した。偽手術の対照動物には同様にビヒクルを投与した。
血漿の採取およびバイオマーカーの測定:再灌流の24(24)時間後、全ての群から穏やかなイソフルラン麻酔下で後眼窩採血により血液をK2 EDTAチューブ中に採取した。血漿を4℃において3000rpmで10分間の遠心分離により分離した。血漿クレアチニンおよび血中尿素窒素(BUN)を、完全に自動化された臨床生化学分析機(Siemens Dimension(登録商標)Xpand(登録商標)Plus Integrated Chemistry System)を用いて分析した。
データ分析および統計分析:GraphPad Prismソフトウェア、バージョン6.05をグラフ作成および統計検定のために用いた。クレアチニンおよびBUNを、全ての群においてダゴスティーノ・パーソン総括的正規性検定またはシャピロ・ウィルク正規性検定により正規分布に関して試験した。統計的有意性(p<0.05)を、スチューデントt検定により偽ビヒクル処置群をIRビヒクル処置群に対して、またはIRビヒクル処置群を化合物処置群に対して比較して決定した。##p<0.01、###p<0.001、####p<0.0001 偽ビヒクル対IRビヒクル処置群;*p<0.05、**p<0.01 IRビヒクル対化合物処置群(実施例29または実施例30)。
結果:虚血−再灌流後に静脈内投与されたPARP−1阻害剤実施例29および実施例30は、腎臓損傷を低減した。両方の化合物は、15mg/kgで投与された際に血漿クレアチニンおよびBUNを有意に低減した(図1)。
実施例57のインビトロおよびインビボ小核アッセイ
この発明の特定の化合物は、インビトロおよび/またはインビボ小核アッセイにおいて染色体異常誘発活性を示さなかった。