JP2020511467A - ブロモドメインを阻害する4−(1−(1,1−ジ(ピリジン−2−イル)エチル)−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸の結晶形 - Google Patents

ブロモドメインを阻害する4−(1−(1,1−ジ(ピリジン−2−イル)エチル)−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸の結晶形 Download PDF

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Abstract

4−(1−(1,1−ジ(ピリジン−2−イル)エチル)−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸の結晶形が調製され、化合物Iの固体状態が特徴付けられた。また、化合物Iの結晶形を製造方法及び使用方法が提供される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法119(e)条のもと、2017年3月20日付け、米国仮出願第62/473,903号の利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に援用される。
発明の分野
本開示は、概して、ブロモドメインタンパク質の活性を調節または阻害する化合物の固体形態、それらの医薬組成物、それらの治療的使用、およびその固体形態を製造するためのプロセスに関する。
タンパク質キナーゼを介する疾患や症状を有するか、またはその危険性のある対象者の有効な治療方法を開発する必要が、依然としてある。化合物Iを含む、そのような疾患や症状を治療するに相応しい化合物は、米国特許公開第2017/0081326号に開示されていて、その開示全体は、参照により本明細書に援用される。
ブロモドメインタンパク質によって調節される疾患の治療に有効である、高純度の固体形態である化合物Iもまた、依然として必要とされている。
本開示は、式:
Figure 2020511467
の化合物I並びにその塩、共結晶、溶媒和物、および水和物の、固体形態を提供する。化合物Iの固体形態の製造方法、固体形態の化合物Iを含む医薬組成物、およびブロモドメインタンパク質によって調節される疾患の治療の為のそれら固体形態および医薬組成物の使用方法も、本明細書に記載されている。
化合物I結晶形Aの粉末X線回折図である。
化合物I結晶形Aの熱重量分析(TGA)(上段)および示差走査熱量計(DSC)曲線(下段)である。
化合物I結晶形Aの動的水蒸気吸着(DVSプロット)である。
化合物I結晶形Bの粉末X線回折図である。
化合物I結晶形Bの熱重量分析(TGA)(上段)および示差走査熱量計(DSC)曲線(下段)である。
化合物I結晶形Cの熱重量分析(TGA)(上段)および示差走査熱量計(DSC)曲線(下段)である。
化合物I結晶形Cの粉末X線回折図である。
化合物I結晶形Cの第2の熱重量分析(TGA)(上段)および示差走査熱量計(DSC)曲線(下段)である。
化合物I結晶形Cの動的水蒸気吸着(DVSプロット)である。
化合物I結晶形Dの粉末X線回折図である。
化合物I結晶形Dの熱重量分析(TGA)(上段)および示差走査熱量計(DSC)曲線(下段)である。
化合物I結晶形Eの粉末X線回折図である。
化合物I結晶形Eの熱重量分析(TGA)(上段)および示差走査熱量計(DSC)曲線(下段)である。
化合物I結晶形A単結晶の非対称単位を示している。
化合物I結晶形A単結晶の単位格子を示している。
本明細書で化合物Iまたは化合物I(遊離酸)と称される化合物である、4−(1−(1,1−ジ(ピリジン−2−イル)エチル)−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸は、次の式を有する。
Figure 2020511467
化合物Iは、ブロモドメインタンパク質の阻害剤またはモジュレーターである。その合成および使用方法は、米国特許公開第2017/0081326号に記載されていて、その全体が参照により本明細書に援用される。
本開示は、化合物Iの様々な固体形態及びそれらの固体形態を製造するための工程に関する。
化合物Iの更なる固体形態及びそれらを製造する工程も、本明細書に記載されている。例えば、いくつかの実施態様で、化合物Iの固体形態は、化合物Iの塩、共結晶、溶媒和物、または水和物が含まれる。いくつかの実施態様で、化合物Iの固体形態は、化合物Iの非晶質形態が含まれる。
1.定義
本明細書で使用される場合、次の単語および語句は、それらが使用される文脈が明示する場合を除き、一般的には、以下に記載される意味を有することを意図している。
「含む(comprise)」という用語およびその変形(「含む(comprises)」や「含む(comprising)」など)は、非限定的で包括的な意味、すなわち「含むが、限定されない」として解釈されるべきである。さらに、文脈上明らかにそうでないと指示されない限り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、複数への言及を含む。したがって、「その化合物(the compound)」への言及は、複数のそのような化合物を含み、「そのアッセイ(the assay)」への言及は、1つ以上のアッセイおよび当業者に既知のそれらの均等物への言及を含む。
本明細書における「約」の値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータそれ自体に関する実施態様を含む(および説明している)。ある特定の実施態様では、「約」という用語は、示された量±10%を含む。他の実施態様では、「約」という用語は、示された量±5%を含む。ある特定の他の実施態様では、「約」という用語は、示された量±2.5%を含む。ある特定の他の実施態様では、「約」という用語は、示された量±1%を含む。また、「約X」という用語には、「X」の記載が含まれる。
本開示全体にわたる数値範囲の列挙は、その範囲を規定する値を包括する範囲内に含まれる各別々の値を個々に指す略記として機能することを意図しており、各別々の値は、本明細書に個々に列挙された通り明細書に援用される。
化合物I或いはその塩、共結晶、溶媒和物又は水和物の結晶形が、本明細書で提供される。一つの実施態様では、化合物I或いはその塩、共結晶、溶媒和物又は水和物の結晶形への言及は、組成物中に存在する化合物I或いはその塩、共結晶、溶媒和物又は水和物のうちの少なくとも50%〜99%(例えば、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%)が、指定された結晶形であることを意味する。例えば、一つの実施態様では、化合物I結晶形Aへの言及は、組成物中に存在する化合物Iのうちの少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%が、結晶形Aであることを意味する。
「固体形態」という用語は、非晶質形態ならびに結晶形を含む、固体状態の物質の形状を指す。「結晶形」という用語は、多形、ならびに溶媒和物、水和物なども指す。「多形」という用語は、X線回折、融点などの特定の物理的特性を有する、特定の結晶構造を指す。
「共結晶」という用語は、本明細書に開示の化合物と、非共有相互作用を介して結合している1つ以上の非イオン化共結晶形成剤との分子複合体を指す。ある実施態様では、本明細書に開示の共結晶は、化合物Iの非イオン化形態(例えば、化合物I遊離酸)、および1つ以上の非イオン化共結晶形成剤を含み得、非イオン化形態の化合物Iおよび共結晶形成剤(複数可)が、非共有相互作用を介して結合している。ある実施態様では、本明細書に開示の共結晶は、化合物Iのイオン化形態(例えば、化合物Iの塩)、および1つ以上の非イオン化共結晶形成剤を含み得、イオン化形態の化合物Iおよび共結晶形成剤(複数可)が、非共有相互作用を介して結合している。加えて、共結晶は、無水物、溶媒和物、または水和物の形態で存在し得る。ある特定の例では、共結晶は、元の形態(すなわち、遊離分子、双性イオンなど)または親化合物の塩と比較して、より優れた特性を有し得る。より優れた特性とは、溶解性の向上、溶解度の向上、生物学的利用能の増加、用量反応性の向上、吸湿性の減少、通常は非晶質である化合物の結晶化、塩を形成し難い若しくは塩を形成しない化合物の結晶化、形態の多様性減少、より望ましい形態などであり得る。共結晶の製造方法や分析方法は、当業者には周知である。
「共結晶形成剤」または「共形成剤」という用語は、化合物I、または本明細書に開示の任意の他の化合物と関連する、本明細書に開示の1つ以上の薬学上許容される塩基性化合物又は薬学上許容される酸性化合物を指す。
「溶媒和物」という用語は、溶媒分子と、溶質の分子またはイオンとの組み合わせによって形成される複合体を指す。溶媒は、有機化合物、無機化合物、または両方の混合物であり得る。本明細書で使用される場合、「溶媒和物」という用語としては、「水和物」(すなわち、水分子と溶質の分子またはイオンとの組み合わせによって形成される複合体)、半水和物、チャネル水和物などが挙げられる。溶媒のいくつかの例としては、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド及び水が挙げられるが、これらには限定されない。一般に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と同等であり、本開示の範囲内に包含される。
「脱溶媒和」という用語は、本明細書に記載の溶媒和物から、溶媒分子が部分的にまたは完全に除かれた状態の化合物Iの形態を指す。脱溶媒和形態を生成するための脱溶媒和技術としては、化合物I(溶媒和物)を真空にさらすこと、溶媒和物に高温を施すこと、溶媒和物を空気もしくは窒素などのガス流にさらすこと、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。したがって、脱溶媒和された化合物I形態は、無水であり得る、すなわち完全に溶媒分子を含まないか、または部分的に溶媒和されており、溶媒分子が化学量論量もしくは非化学量論量で存在する場合がある。
「非晶質」という用語は、物質が、分子レベルで長距離秩序を欠いており、温度に応じて、固体または液体の物理的性質を呈し得る状態を指す。典型的には、そのような材料は明確なX線回折パターンを与えず、固体の特性を呈する一方で、よりはっきりと液体として説明される。加熱すると、固体の特性から液体の特性への変化が起こり、これは状態の変化、典型的には二次(ガラス転移)を特徴とする。
化合物Iを含む、本明細書に記載の任意の式または構造は、化合物の非標識形態ならびに同位体標識形態を表すことも意図している。任意の所与の原子について、同位体は、本質的にそれらの天然の存在に応じた比率で存在し得るか、または当業者に既知の合成方法を使用して1つ以上の特定の原子が1つ以上の同位体に対して増強されている場合があることが理解される。したがって、水素としては例えばH、H、Hが挙げられ、炭素としては例えば11C、12C、13C、14Cが挙げられ、酸素としては例えば16O、17O、18Oが挙げられ、窒素としては例えば13N、14N、15Nが挙げられ、硫黄としてはたとえば32S、33S、34S、35S、36S、37S、38Sが挙げられ、フッ素としては例えば17F、18F、19Fが挙げられ、塩素としては例えば35Cl、36Cl、37Cl、38Cl、39Clが挙げられるなどである。
本明細書で使用される場合、「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」、「療法(therapy)」、「療法(therapies)」という用語および同様の用語は、疾患または状態の1つ以上の症状、すなわち徴候を予防、軽減、もしくは改善する物質、ならびに/または治療されている対象の生存を延長する物質、例えば有効量の本明細書に記載の化合物Iのいずれか1つ以上の固体、結晶形、もしくは多形の投与を指す。
「投与すること」という用語は、経口投与、座薬としての投与、局所接触、静脈内、腹腔内、筋肉内、病巣内、鼻腔内もしくは皮下投与、または徐放装置、例えばミニ浸透圧ポンプの対象への埋め込みを指す。投与は、非経口および経粘膜(例えば、口腔、舌下、口蓋、歯肉、鼻、膣、直腸、または経皮)を含む任意選択の経路による。非経口投与は、例えば、静脈内、筋肉内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内および頭蓋内を含む。他の送達様式としては、リポソーム製剤の使用、静脈内注入、経皮パッチなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「調節すること(modulating)」または「調節する(modulate)」という用語は、生物学的活性、特にタンパク質キナーゼなどの特定の生体分子に関連する生物学的活性を変化させる効果を指す。例えば、特定の生体分子のアゴニストまたはアンタゴニストは、酵素などの生体分子の活性を増加すること(例えばアゴニスト、活性化剤)、または減少すること(例えばアンタゴニスト、阻害剤)のいずれかによって、生体分子、例えば酵素の活性を調節する。そのような活性は、典型的には、例えば酵素に対する、阻害剤または活性化剤の、化合物の阻害濃度(IC50)または刺激濃度(EC50)の観点でそれぞれ示される。
本明細書で使用される場合、「タンパク質キナーゼを介する疾患または状態」という用語は、その任意の変異体を含むタンパク質キナーゼの生物学的機能が、疾患もしくは状態の発症、経過、および/もしくは症状に影響を及ぼし、ならびに/またはタンパク質キナーゼの調節が、疾患もしくは状態の発症、経過、および/もしくは症状を変化させる、疾患または状態を指す。タンパク質キナーゼを介する疾患または状態としては、タンパク質キナーゼの阻害が治療的利益を提供する疾患または状態が挙げられ、例えば、化合物Iの1つ以上の固体、結晶形、もしくは多形、または本明細書に記載のようなものを含むタンパク質キナーゼ阻害剤(複数可)を用いる治療が、疾患または状態に罹患しているかまたはその危険性がある対象に治療的利点を提供する。
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、その任意の固体形態を含む、少なくとも1つの医薬的に活性な化合物を含有する、治療目的で意図的に対象へ投与するのに好適な医薬調製物を指す。組成物は、好適な担体または賦形剤などの、化合物の改善された製剤を提供するための少なくとも1つの薬学上許容される構成成分を含み得る。
本明細書で使用される場合、「対象」または「患者」という用語は、本明細書に記載の化合物を用いて治療される、ヒトなどの任意の哺乳動物、他の霊長類、スポーツ用動物、牛などの商業的対象動物、馬などの農場動物、犬および猫などのペットを含む生物を指すが、これらに限定されない。
「薬学上許容される」という用語は、示される材料が、治療される疾患または状態およびそれぞれの投与経路を考慮して、合理的に慎重な医師が、患者への材料の投与を回避させるような性質を持たないことを示す。例えば注射剤用のそのような材料は、例えば、本質的に無菌であることが通常必要とされる。
本文脈において、「治療的に有効」または「有効量」という用語は、材料または材料の量が、疾患または医学的状態の1つ以上の症状を予防、軽減、もしくは改善するのに、および/または治療されている対象の生存を延長するのに有効であることを示す。治療有効量は、化合物、障害、または状態、およびその重症度、ならびに治療される哺乳動物の年齢、体重などに応じて変動するであろう。例えば、有効量は、有益なまたは所望の臨床結果を達成するのに十分な量である。有効量は、一回の投与で一度に全て、または数回の投与で有効量を提供する分割量で提供してもよい。有効量と考えられるであろうものの正確な決定は、対象の大きさ、年齢、傷害、および/または治療されている疾患もしくは傷害、および傷害が起こってからもしくは疾患が始まってからの時間量を含む、各対象に対する個々の要因に基づいてもよい。当業者は、当技術分野において日常的であるこれらの考慮事項に基づいて、所与の対象についての有効量を決定することができる。
いくつかの実施態様に於いて、「実質的に図に示される」という語句は、粉末X線回折図に適用される場合、±0.2°2θまたは±0.1°2θの変動を含むことを意味し、DSCサーモグラムに適用される場合、±3°Cの変動を含むことを意味し、熱重量分析(TGA)に適用される場合、重量損失に±2%の変動を含むことを意味する。
モジュレーターであるかまたはモジュレーターであり得る化合物の使用、試験、またはスクリーニングの文脈において、「接触すること」という用語は、化合物が、化合物と他の特定の物質との間の潜在的な結合相互作用および/または化学反応が起こり得る特定の分子、複合体、細胞、組織、生物、または他の特定の物質に十分に接近する原因になっていることを意味する。
加えて、本明細書で使用される略語は以下のそれぞれの意味を有する:
Figure 2020511467
2.化合物Iの形態
概して上述のように、本開示は、化合物I、およびその塩、共結晶、溶媒和物、または水和物の結晶形を提供する。(非晶質形態を含む)更なる形態もまた、本明細書でさらに論じる。化合物Iおよびその塩、共結晶、溶媒和物、または水和物の結晶形、ならびに化合物Iおよびその塩、共結晶、溶媒和物、または水和物の他の形態(例えば、非晶形態)は、集合的に、本明細書では「化合物Iの形態」と称することに留意するべきである。
いくつかの実施態様では、化合物Iは、遊離酸である。いくつかの実施態様では、化合物Iは、塩または共結晶である。いくつかの実施態様では、化合物Iは、薬学上許容される塩または共結晶である。いくつかの実施態様では、化合物Iは、溶媒和物である。いくつかの実施態様では、化合物Iは、水和物である。いくつかの実施態様では、化合物Iは、無水物である。
いくつかの実施態様では、化合物Iは、非晶質形態である。
化合物I結晶形A
本開示は、一つの実施態様として、Cu−Kα線を使用して回折計で測定した場合、次のピーク:14.6、18.1、および20.4°2θ±0.2°2θを含む粉末X線回折図を特徴とする、4−(1−(1,1−ジ(ピリジン−2−イル)エチル)−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸の結晶形(「化合物I結晶形A」または「結晶形A」)を提供する。一つの実施態様では、化合物I結晶形Aの回折図は、11.9、23.1、または25.4°2θ±0.2°2θに、1つ以上のピークをさらに含む。一つの実施態様では、化合物I結晶形Aは、実質的に図1に示されるような粉末X線回折図を特徴とする。
一つの実施態様では、化合物I結晶形Aは、約266℃(開始温度)での吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする。一つの実施態様では、化合物I結晶形AのDSC曲線は、約234℃(開始温度)に、更に吸熱を含む。一つの実施態様では、化合物I結晶形Aは、実質的に図2に示されるようなDSC曲線(下段)を特徴とする。
一つの実施態様では、化合物I結晶形Aは、約150℃までに約1.5%の重量損失を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムを特徴とする。一つの実施態様では、化合物I結晶形Aは、実質的に図2に示されるようなサーモグラム(上段)を特徴とする。
いくつかの実施態様では、単位格子パラメータ:a=19.3990(10)Å、b=8.2109(4)Å、およびc=16.1667(8)Åを有する化合物I結晶形Aを提供する。いくつかの実施態様では、単位格子パラメータ:α=90°、β=94.057(3)°、およびγ=90°を有する化合物I結晶形Aを提供する。
一つの実施態様では、化合物I結晶形Aは、単位格子パラメータ:a=19.3990(10)Å、b=8.2109(4)Å、c=16.1667(8)Å、α=90°、β=94.057(3)°、およびγ=90°を有する。
一つの実施態様では、化合物I結晶形Aは、単位格子パラメータ:a=19.3990(10)Å、b=8.2109(4)Å、c=16.1667(8)Å、α=90°、β=94.057(3)°、γ=90°、および体積=2568.6(2)Åを有する。
一つの実施態様では、化合物I結晶形A単結晶は、単斜晶系およびP2/c空間群にある。一つの実施態様として、化合物I結晶形Aは、1つ以上の表11の結晶構造パラメータを特徴とする。
化合物I結晶形B
本開示は、一つの実施態様で、Cu−Kα線を使用して回折計で測定した場合、次のピーク:19.0、21.0、および24.8°2θ±0.2°2θを含む粉末X線回折図を特徴とする、4−(1−(1,1−ジ(ピリジン−2−イル)エチル)−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸の結晶形(「化合物I結晶形B」または「結晶形B」)を提供する。一つの実施態様では、化合物I結晶形Bの回折図は、10.9、17.2、または18.0°2θ±0.2°2θに、1つ以上のピークをさらに含む。一つの実施態様では、化合物I結晶形Bは、実質的に図4に示される粉末X線回折図を特徴とする。
一つの実施態様では、化合物I結晶形Bは、約74℃、約234℃、および約267℃(開始温度)での吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする。一つの実施態様では、化合物I結晶形Bは、実質的に図5に示されるDSC曲線(下段)を特徴とする。
一つの実施態様では、化合物I結晶形Bは、約150℃までに約8.2%の重量損失を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムを特徴とする。一つの実施態様では、化合物I結晶形Bは、実質的に図5に示されるサーモグラム(上段)を特徴とする。
化合物I結晶形C
本開示は、一つの実施態様で、Cu−Kα線を使用して回折計で測定した場合、次のピーク:8.8、17.1、および17.7°2θ±0.2°2θを含む粉末X線回折図を特徴とする、4−(1−(1,1−ジ(ピリジン−2−イル)エチル)−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸の結晶形(「化合物I結晶形C」または「結晶形C」)を提供する。一つの実施態様では、化合物I結晶形Cの回折図は、11.6、または15.1°2θ±0.2°2θに、更に1つ以上のピークを含む。一つの実施態様では、化合物I結晶形Cは、実質的に図7に示される粉末X線回折図を特徴とする。
一つの実施態様では、化合物I結晶形Cは、約232℃、および約267℃(開始温度)での吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする。一つの実施態様では、化合物I結晶形Cは、実質的に図8に示されるDSC曲線(下段)を特徴とする。
一つの実施態様では、化合物I結晶形Cは、約150℃までに、約1.5%の重量損失を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムを特徴とする。一つの実施態様では、化合物I結晶形Cは、実質的に図8に示されるサーモグラム(上段)を特徴とする。
化合物I結晶形D
本開示は、一つの実施態様で、Cu−Kα線を使用して回折計で測定した場合、次のピーク:8.0、16.1、および20.2°2θ±0.2°2θを含む粉末X線回折図を特徴とする、4−(1−(1,1−ジ(ピリジン−2−イル)エチル)−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸の結晶形(「化合物I結晶形D」または「結晶形D」)を提供する。一つの実施態様では、化合物I結晶形Dの回折図は、13.5、または22.2°2θ±0.2°2θに、更に1つ以上のピークを含む。一つの実施態様では、化合物I結晶形Dは、実質的に図10に示される粉末X線回折図を特徴とする。
一つの実施態様では、化合物I結晶形Dは、約105℃、約234℃、および約267℃(ピーク温度)での吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする。一つの実施態様では、化合物I結晶形DのDSC曲線は、約197℃(開始温度)での発熱を含む。一つの実施態様では、化合物I結晶形Dは、実質的に図11に示されるDSC曲線(下段)を特徴とする。
一つの実施態様では、化合物I結晶形Dは、約150℃までに約14.4%の重量損失を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムを特徴とする。一つの実施態様では、化合物I結晶形Dは、実質的に図11に示されるサーモグラム(上段)を特徴とする。
化合物I結晶形E
本開示は、一つの実施態様で、Cu−Kα線を使用して回折計で測定した場合、次のピーク:4.7、9.4、および18.8°2θ±0.2°2θを含む粉末X線回折図を特徴とする、4−(1−(1,1−ジ(ピリジン−2−イル)エチル)−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸の結晶形(「化合物I結晶形E」または「結晶形E」)を提供する。一つの実施態様では、化合物I結晶形Eの回折図は、9.1、14.1、または18.2°2θ±0.2°2θに、更に1つ以上のピークを含む。一つの実施態様では、化合物I結晶形Eは、実質的に図12に示される粉末X線回折図を特徴とする。
一つの実施態様では、化合物I結晶形Eは、約131℃、約229℃、および約266℃(開始温度)での吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする。一つの実施態様では、化合物I結晶形Eは、実質的に図13に示されるDSC曲線(下段)を特徴とする。
一つの実施態様では、化合物I結晶形Eは、約150℃までに約2.5%の重量損失を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムを特徴とする。一つの実施態様では、化合物I結晶形Eは、実質的に図13に示されるサーモグラム(上段)を特徴とする。
3.医薬組成物、キット、および投与モード
本明細書に記載の化合物Iの形態は、医薬組成物中で投与してもよい。したがって、本明細書に記載される1つ以上の化合物Iの形態と、担体、アジュバント、および賦形剤などの1つ以上の薬学上許容される媒体とを含む医薬組成物が、本明細書で提供される。好適な薬学上許容される媒体としては、例えば、不活性固体希釈剤、ならびに充填剤、滅菌水溶液および様々な有機溶媒を含む希釈剤、透過促進剤、可溶化剤、ならびにアジュバントを挙げることができる。そのような組成物は、薬学分野で周知の様式で調製される。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mace Publishing Co.,Philadelphia,Pa.17th Ed.(1985);およびModern Pharmaceutics,Marcel Dekker,Inc.3rd Ed.(G.S.Banker&C.T.Rhodes,Eds.)を参照されたい。医薬組成物は、単独でまたは他の治療剤と組み合わせて投与してもよい。
いくつかの実施態様は、治療有効量の、本明細書に記載の化合物Iの結晶形を含む医薬組成物に関する。いくつかの実施態様では、医薬組成物は、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、および化合物I結晶形Eから選択される結晶形と、1つ以上の薬学上許容される担体とを含む。
いくつかの実施態様は、本明細書に記載の化合物Iの結晶形と、1つ以上の薬学上許容される担体とを含む、医薬組成物に関する。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも95%が、本明細書に記載の結晶形態にある化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも95%が、結晶形Aである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも95%が、結晶形Bである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも95%が、結晶形Cである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも95%が、結晶形Dである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも95%が、結晶形Eである化合物Iを含む。
一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも97%が、本明細書に記載の結晶形態である化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも97%が、結晶形Aである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも97%が、結晶形Bである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも97%が、結晶形Cである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも97%が、結晶形Dである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも97%が、結晶形Eである化合物Iを含む。
一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも99%が、本明細書に記載の結晶形である化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも99%が、結晶形Aである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも99%が、結晶形Bである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも99%が、結晶形Cである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも99%が、結晶形Dである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも99%が、結晶形Eである化合物Iを含む。
一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも99.5%が、本明細書に記載の結晶形である化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも99.5%が、結晶形Aである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも99.5%が、結晶形Bである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも99.5%が、結晶形Cである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも99.5%が、結晶形Dである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも99.5%が、結晶形Eである化合物Iを含む。
一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも99.9%が、本明細書に記載の結晶形である化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも99.9%が、結晶形Aである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも99.9%が、結晶形Bである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも99.9%が、結晶形Cである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも99.9%が、結晶形Dである化合物Iを含む。一つの実施態様では、医薬組成物は、化合物Iのうちの少なくとも99.9%が、結晶形Eである化合物Iを含む。
いくつかの実施態様では、組成物は、充填剤、結合剤、崩壊剤、流動促進剤、滑沢剤、錯化剤、可溶化剤、および界面活性剤などの薬学上許容される担体または賦形剤を含み、これらは、特定の経路による化合物の投与を容易にするように選択され得る。担体の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、グルコース、またはスクロースなどの糖類、デンプン類、セルロース誘導体、ゼラチン、脂質、リポソーム、ナノ粒子などが挙げられる。また、溶媒としてまたは懸濁液用の生理学的に適合可能な液体が担体として挙げられ、例えば、注射用の無菌水溶液(WFI)、生理食塩水、デキストロース溶液、ハンクス溶液、リンガー溶液、植物油、鉱油、動物油、ポリエチレングリコール、流動パラフィンなどが挙げられる。賦形剤としてはまた、例えば、コロイド状二酸化ケイ素、シリカゲル、タルク、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸ナトリウム、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、大結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、安息香酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、サイロイド、ステアロウェットC、酸化マグネシウム、デンプン、グリコール酸デンプンナトリウム、モノステアリン酸グリセリル、二ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、水素添加植物油、水素添加綿実油、ヒマシ油、鉱油、ポリエチレングリコール(例えばPEG4000〜8000)、ポリオキシエチレングリコール、ポロキサマー、ポビドン、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸、カゼイン、メタクリル酸ジビニルベンゼンコポリマー、ドキュセートナトリウム、シクロデキストリン(例えば2−ヒドロキシプロピル−デルタ−シクロデキストリン)、ポリソルベート(例えばポリソルベート80)、セトリミド、TPGS(d−アルファ−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩)、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリエチレングリコールエーテル、ポリエチレングリコールのジ−脂肪酸エステル、またはポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル(例えばポリオキシエチレンソルビタンエステルTween(登録商標))、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えばオレイン酸、ステアリン酸またはパルミチン酸などの脂肪酸からのソルビタン脂肪酸エステル、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、マルトース、ラクトース、ラクトース一水和物または噴霧乾燥ラクトース、スクロース、フルクトース、リン酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、三塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デキストレート、デキストラン、デキストリン、デキストロース、酢酸セルロース、マルトデキストリン、シメチコン、ポリデキストロセム(polydextrosem)、キトサン、ゼラチン、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、ヒドロキシエチルセルロースなどを挙げることができる。
製剤は、単位用量当たり所定量の活性成分を含有する、単位剤形で提供され得る。そのような単位剤形は、治療されている状態、投与経路、ならびに患者の年齢、体重および状態に応じて、例えば、0.5mgから1g、好ましくは1mgから700mg、より好ましくは5mgから100mgの本開示の化合物(遊離酸、溶媒和物(水和物を含む)、または塩として任意の形態で)を含有し得る。好ましい単位剤形は、活性成分の1日用量、週用量、月用量、副用量、またはそれらの適切な分割量を含有するものである。さらに、そのような製剤は、薬剤分野で周知の方法のうちのいずれかによって調製してもよい。
製剤は、任意の適切な経路による、例えば経口(カプセル、錠剤、液体充填カプセル、崩壊錠、即放錠、遅延放出および放出制御錠、経口ストリップ、溶液、シロップ、頬側口腔内および舌下を含む)、直腸、鼻、吸入、局所(経皮を含む)、膣内または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、または皮内を含む)経路による投与に適合させてもよい。そのような製剤は、製剤分野で既知の任意の方法によって、例えば活性成分を担体(複数可)、賦形剤(複数可)、または希釈剤を用いて調製してもよい。概して、医薬製剤に用いられる担体、賦形剤、または希釈剤は、医薬組成物中に含まれる量で摂取されるのに安全であると見なされることを意味する「非毒性」であり、かつ活性成分の治療活性に対して認識可能なほどには反応しないか、または望ましくない効果をもたらさないことを意味する「不活性」である。
いくつかの実施態様では、経口投与が用いられる。経口用の製剤は、通常の単位カプセル、錠剤、ならびにシロップ、エリキシル剤、および濃縮滴剤などの液体調製製剤などの、従来の経口剤形に製剤化することができる。本明細書に記載の化合物は、固体賦形剤と組み合わせて、所望の場合好適な助剤を添加後、得られる混合物を任意選択的に粉砕し、顆粒の混合物を加工して、例えば錠剤、コーティング錠剤、ハードカプセル、ソフトカプセル、溶液(例えば、水溶液、アルコール溶液、または油性溶液)などを得ることができる。好適な賦形剤は、特に、ラクトース、グルコース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖類などの充填剤;例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、および/またはポリビニルピロリドン(PVP:ポビドン)のようなセルロース類;ヒマワリ油、オリーブ油、またはタラ肝油などの植物油および動物油を含む油性賦形剤である。経口用製剤はまた、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、もしくはアルギン酸などの崩壊剤、またはアルギン酸ナトリウムなどのそれらの塩;タルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤;グリセロールもしくはソルビトールなどの可塑剤;スクロース、フルクトース、ラクトース、もしくはアスパルテームなどの甘味料;ペパーミント、ウィンターグリーンオイル、チェリー香味料などの天然もしくは人工の香味剤;または単位用量などの異なる用量もしくは組み合わせの識別もしくは特徴付けに使用することができる色素または着色料を含有し得る。好適なコーティングを有する糖衣コアもまた提供される。この目的のために、例えば、アラビアゴム、タルク、ポリ−ビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および好適な有機溶媒もしくは溶媒混合物を任意選択的に含有し得る、濃縮糖溶液を使用してもよい。溶液、シロップ、およびエリキシル剤などの経口流体は、与えられた量の中に、所定量の化合物を含有されているよう単位剤形に調製することができる。
経口的に使用され得る製剤としては、ゼラチン製の押し込み型カプセル(「ゲルキャップ」)、ならびにゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤からなる軟密封カプセルが含まれる。押し込み型カプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ならびに任意選択に安定剤と混合して、活性成分を含有することができる。ソフトカプセルでは、活性化合物を、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体に溶解または懸濁してもよい。
いくつかの実施態様では、注射(非経口投与)、例えば、筋肉内、静脈内、腹腔内、および/または皮下注射を使用してもよい。本明細書に記載の注射用化合物は、滅菌液体溶液、好ましくは生理食塩水、ハンクス溶液、またはリンガー溶液などの生理学的に適合可能な緩衝液または溶液中で製剤化してもよい。分散液はまた、グリセロール、プロピレングリコール、エタノール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン、および植物油などの非水溶液中で調製してもよい。溶液はまた、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなど防腐剤も含有し得る。加えて、化合物は、例えば凍結乾燥形態を含む固体形態で製剤され、使用前に再溶解または懸濁してもよい。製剤は、単位用量または複数回用量の容器、例えば封止されたアンプルおよびバイアル中で提供することができ、使用直前に滅菌液体担体、例えば注射用水の添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存することができる。
いくつかの実施態様では、経粘膜投与、局所投与、または経皮投与を使用してもよい。本明細書に記載の化合物のそのような製剤では、透過させる障壁に適切な浸透剤が使用される。そのような浸透剤は、当該技術分野において一般的に既知であり、例えば、経粘膜投与用としては、胆汁酸塩およびフシジン酸誘導体が挙げられる。加えて、界面活性剤を使用して浸透を容易にすることができる。経粘膜投与は、例えば、鼻腔用スプレーまたは坐剤(直腸内または膣内)を介してもよい。局所投与用の、本明細書に記載の化合物の組成物は、当該技術分野において既知の適切な担体を選択することによって、油、クリーム、ローション、軟膏などとして製剤されてもよい。適切な担体としては、植物油または鉱油、白色ワセリン(白色軟質パラフィン)、分岐鎖脂肪または油、動物脂肪および高分子量アルコール(C12超)が挙げられる。いくつかの実施態様では、活性成分が可溶性であるように担体が選択される。所望であれば、乳化剤、安定剤、湿潤剤および酸化防止剤、ならびに色または香りを付与する薬剤も含まれ得る。局所適用の為のクリームは、好ましくは、鉱油、自己乳化型蜜ろう、および水の混合物から製剤され、その混合物中に、少量の溶媒(例えば、油)に溶解された活性成分が混和されている。加えて、経皮的な投与としては、活性成分、および任意選択に当該技術分野で既知の1つ以上の担体または希釈剤を含浸させた包帯などの経皮パッチまたは包帯剤を含み得る。経皮送達系の形態で投与されるためには、投与用量は、用量投与計画全体を通して断続的によりはむしろ、連続的であるであろう。
いくつかの実施態様では、本明細書に開示の化合物(例えば、化合物Iの1つ以上の固体形態、結晶形または多形)は、吸入剤として投与される。本明細書に記載の化合物は、乾燥粉末、または好適な溶液、懸濁液、またはエアロゾルとして製剤してもよい。粉末および溶液は、当該技術分野で既知の適切な添加剤と共に処方され得る。例えば、粉末は、ラクトースまたはデンプンのような適切な粉末基剤を含み得、溶液はプロピレングリコール、滅菌水、エタノール、塩化ナトリウム、ならびに酸、アルカリ、および緩衝塩などの他の添加剤を含み得る。そのような溶液または懸濁液は、スプレー、ポンプ、アトマイザー、またはネブライザーなどを介して吸入することによって投与され得る。本明細書に記載の化合物はまた、他の吸入療法、例えば、フルチカゾンプロピオネート、ベクロメタゾンジプロピオネート、トリアムシノロンアセトニド、ブデソニド、およびモメタゾンフロエートなどのコルチコステロイド;アルブテロール、サルメテロール、およびホルモテロールなどのベータアゴニスト;イプラトロピウム臭化物またはチオトロピウムなどの抗コリン剤;トレプロチナルおよびイロプロストなどの血管拡張剤;DNA分解酵素などの酵素;治療用タンパク質;免疫グロブリン抗体;一本鎖または二本鎖のDNAまたはRNA、siRNAなどのオリゴヌクレオチド;トブラマイシンなどの抗生物質;ムスカリン受容体アンタゴニスト;ロイコトリエンアンタゴニスト;サイトカインアンタゴニスト;プロテアーゼ阻害剤;クロモリンナトリウム;ネドクリルナトリウム;およびクロモグリク酸ナトリウムと組み合わせて使用してもよい。
別の態様では、本開示は、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれか、または本明細書に記載のその医薬組成物のうちのいずれかを含むキットまたは容器を提供する。いくつかの実施態様では、化合物または組成物は、例えば、バイアル、ボトル、フラスコに包装され、これらはさらに、例えば、箱、封筒、または袋内に包装されてもよく、化合物または組成物は、哺乳動物、例えば、ヒトへの投与が、米国食品医薬品局または同様の規制機関によって承認されており、化合物または組成物は、ブロモドメインタンパク質介在性の疾患または状態に対して哺乳動物、例えばヒトへの投与が承認されており、本明細書に開示のキットまたは容器は、使用説明書、および/または化合物もしくは組成物が、ブロモドメイン介在性の疾患もしくは状態に対して哺乳動物、例えばヒトへの投与に好適であるか、もしくは承認されていることの他の表示を含み得、化合物または組成物は、単位用量または単回用量形態、例えば、単回用量ピル、カプセルなどに包装されていてもよい。
投与される様々な化合物の量は、化合物の活性(インビトロ、例えば化合物IC50対標的、または動物有効性モデルにおけるインビボ活性)、動物モデルにおける薬物動態学的結果(例えば生物学的半減期または生物学的利用能)、対象の年齢、大きさ、体重、および対象に関連する障害などの要因を考慮した、標準的手順によって決定することができる。これらおよび他の要因の重要性は当業者には周知である。概して、用量は、治療されている対象の約0.01から50mg/kg、また約0.1から20mg/kgの範囲であろう。複数回の用量を使用することができる。
本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iの1つ以上の固体形態、結晶形、または多形)はまた、同じ疾患を治療するための他の療法、薬物、医学的手技などと併用してもよい。いくつかの実施態様では、そのような併用は、本明細書に記載の化合物とは異なる時間に(例えば、数時間(例えば、1、2、3、4から24時間)以内など短時間内、または長い時間(例えば、1から2日、2から4日、4から7日、1から4週間)以内に)、または本明細書に記載の化合物と同時に1つ以上の他の療法、薬物、もしくは医学的手技を施すことを含む。いくつかの実施態様では、併用としては、他の療法、薬物、または手技の前または後に、短時間またはより長い時間内に投与される本明細書に記載の化合物と共に、外科手術などの1回または不定期に施される少なくとも1つの療法、薬物、または医学的手技と共に使用することが挙げられる。いくつかの実施態様では、併用は、同じ投与経路または異なる投与経路による、本明細書に記載の化合物および1つ以上の他の薬物治療剤の送達を含む。いくつかの実施態様では、本明細書に記載の化合物および1つ以上の他の薬物治療剤は、化合物および他の薬物治療剤(複数可)が、投与されるとそれらの治療活性を維持するような方式で化学的に結合している製剤を含む任意の製剤中で、同じ投与経路によって一緒に送達されてもよい。いくつかの実施態様では、他の薬物治療剤(複数可)は、本明細書に記載の化合物と併用投与してもよい。いくつかの実施態様では、併用投与としては、化学的に結合している化合物の共製剤もしくは配合剤の投与、または互いに短時間以内(例えば、1時間、2時間、3時間、最大24時間以内)に同じかもしくは異なる経路によって投与される別々の製剤での2つ以上の化合物の投与が挙げられる。別々の製剤の同時投与は、1つの装置、例えば、同じ吸入装置、同じシリンジなどを介した送達による同時投与、または互いに短時間以内での別々の装置からの投与を含む。本明細書に記載の化合物と、同じ経路によって送達される1つ以上の追加の薬物治療剤とを共製剤することは、1つの製剤中で組み合わせられる別々の化合物、または化学的に結合しているが、それでもなおそれらの生物学的活性を維持するように調整された化合物を含む、1つのデバイスによって投与することができるような材料と一緒に調製することを含む。そのような化学的に結合した化合物は、インビボで実質的に維持される結合を有し得るか、あるいは結合はインビボで分解し、2つの活性成分を分離し得る。いくつかの実施態様では、本明細書に開示の化合物は、本明細書に記載の他の療法または治療剤と組み合わせて、アジュバント療法またはネオアジュバント療法に使用してもよい。併用に関連するいくつかの実施態様では、例えば、単独で使用される化合物または療法と比較して用量を低減するなど、当業者に周知の方法によって、本開示の化合物のうちの1つ以上または併用される他の治療剤用に用量を調整してもよい。例示的な併用療法を、以下に論じる。
4.ブロモドメインの疾患の徴候と調節
ブロモドメインに関連する例示的な疾患
ブロモドメインタンパク質のBET(ブロモドメインおよび特異的末端)ファミリーメンバー(BRD2、BRD3、BRD4、およびBRDT)は、神経疾患、自己免疫性および炎症性疾患、代謝性疾患(Muller et al.Expert Rev.Mol.Med.2011,Sep13;13:e29、Prinjha et al.Trends Pharmacol.Sci.2012,33,146−153、Belkina et al.J.Immunol.2013,190,3670−3678、およびBelkina et al.Nature Rev.Cancer2012,12,465−477)、および癌(Alsarraj et al.International Journal of Breast Cancer 2012,1−7、Barbieri et al.Briefings in Functional Genomics 2013,1−12、Blobel et al.Cancer Cell 2011,20,287−288、Dang Cell 2012,149,22−35)を含む種々の疾患と関連している。加えて、いくつかのウイルスは、ウイルス複製の過程の一部として、これらのタンパク質を利用してウイルスのゲノムを宿主細胞のクロマチンにつなぐ(You et al Cell,2004 117,349−60)。
化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかは、アセチルリジン認識モチーフを含有するタンパク質、すなわちブロモドメイン(例えば、BRD2、BRD3、BRD4、および/またはBRDTなどのBETタンパク質)などのエピジェネティックな調節に関与する1つ以上のタンパク質に関連する疾患及び、例えば、細胞増殖性障害、がん、慢性自己免疫状態、炎症状態を含むブロモドメインの異常発現に関連する疾患の治療に有用である。
ブロモドメインの存在は、以下に記載のように、多くの異なる種類のがん、ならびに他の疾患および状態に関連している。化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかなどのブロモドメイン阻害剤は、全身または組織の炎症、感染または低酸素症に対する炎症反応、細胞の活性化および増殖、脂質代謝、線維症の治療、ならびにウイルス感染の予防および治療に有用である。
化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかなどのブロモドメイン阻害剤は、関節リウマチ、変形性関節症、急性痛風、乾癬、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)、喘息、慢性閉塞性気道疾患、肺臓炎、心筋炎、心膜炎、筋炎、湿疹、皮膚炎、脱毛症、白斑、水疱性皮膚疾患、腎炎、血管炎、アテローム性動脈硬化、アルツハイマー病、鬱病、網膜炎、ぶどう膜炎、強膜炎、肝炎、膵炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、アジソン病、下垂体炎、甲状腺炎、I型糖尿病、および移植臓器の急性拒絶反応などの、慢性的な自己免疫状態および炎症状態の予防および治療に有用である。
化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかなどのブロモドメイン阻害剤は、限定されないが、急性痛風、巨細胞性動脈炎、ループス腎炎を含む腎炎、糸球体腎炎、巨細胞性動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、結節性多発動脈炎、ベーチェット病、川崎病、高安動脈炎などの臓器病変を伴う血管炎、臓器病変を伴う血管炎、および移植臓器の急性拒絶反応などを含む、急性炎症状態の予防および治療に有用である。
化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかなどのブロモドメイン阻害剤は、関節リウマチ、変形性関節症、急性痛風、乾癬、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)、喘息、慢性閉塞性気道疾患、肺臓炎、心筋炎、心膜炎、筋炎、湿疹、皮膚炎、脱毛症、白斑、水疱性皮膚疾患、腎炎、血管炎、アテローム性動脈硬化、アルツハイマー病、鬱病、網膜炎、ぶどう膜炎、強膜炎、肝炎、膵炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、アジソン病、下垂体炎、甲状腺炎、I型糖尿病、滑膜肉腫、および移植臓器の急性拒絶反応の予防および治療に有用である。
化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかなどのブロモドメイン阻害剤は、細菌、ヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルス、アデノウイルス、およびポックスウイルス、および他のDNAウイルスなどのウイルスの感染;敗血症、敗血症症候群、敗血症性ショック、内毒素血症、全身性炎症反応症候群(SIRS)、多臓器不全症候群、トキシックショック症候群、急性肺損傷、ARDS(成人呼吸窮迫症候群)、急性腎不全、劇症肝炎、火傷、急性膵炎、術後症候群、サルコイドーシス、ヘルクスハイマー反応、脳炎、脊髄炎、髄膜炎、マラリアなどの菌類、寄生虫またはそれらの毒素、ならびにインフルエンザ、帯状疱疹、単純ヘルペスおよびコロナウイルスなどのウイルス感染に関連するSIRSへの炎症反応に関連する、自己免疫性および炎症性の疾患または状態の予防および治療に有用である。
化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかなどのブロモドメイン阻害剤は、限定されないが、心筋梗塞、脳血管虚血(脳卒中)、急性冠症候群、腎臓再灌流障害、臓器移植、冠状動脈バイパス移植術、心肺バイパス手技、肺、腎臓、肝臓、胃腸または末梢下肢肢塞栓症を含む、虚血−再灌流傷害に関連する疾患または状態の予防および治療に有用である。
化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかなどのブロモドメイン阻害剤は、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化、およびアルツハイマー病の予防および治療に有用である。
化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかなどのブロモドメイン阻害剤は、限定されないが、肺がん、乳がんおよび結腸がんを含む血液がん、上皮がん、正中線がん、間葉系腫瘍、肝腫瘍、腎腫瘍、神経学的腫瘍、副腎がん、腺房細胞がん、聴神経腫、末端黒子型メラノーマ、先端汗腺腺腫、急性好酸球性白血病、急性赤白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性巨核芽球性白血病、急性単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、腺がん、腺様嚢胞がん、腺腫、腺腫様歯原性腫瘍、腺扁平上皮がん、脂肪組織新生物、副腎皮質がん、成人T細胞性白血病/リンパ腫、アグレッシブNK細胞性白血病、AIDS関連リンパ腫、胞巣状横紋筋肉腫、胞巣状軟部肉腫、エナメル上皮線維腫、未分化大細胞型リンパ腫、退形成性甲状腺がん、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、血管筋脂肪腫、血管肉腫、星細胞膠腫、非定型奇形腫様ラブドイド腫瘍、B細胞性慢性リンパ性白血病、B細胞性前リンパ球性白血病、B細胞性リンパ腫、基底細胞がん、胆道がん、膀胱がん、芽細胞腫、骨がん、ブレンナー腫瘍、褐色腫瘍、バーキットリンパ腫、乳がん、脳腫瘍、がん、上皮内がん、がん肉腫、軟骨組織腫、セメント質腫、骨髄性肉腫、軟骨腫、脊索腫、絨毛がん、脈絡叢乳頭腫、腎臓の明細胞肉腫、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、子宮頸がん、結腸直腸がん、デゴス病、線維形成性小円形細胞性腫瘍、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、未分化胚細胞腫、胎児性がん、内分泌腺腫瘍、内胚葉性副鼻腔腫瘍、腸管症関連T細胞リンパ腫、食道がん、封入胎児、線維腫、線維肉腫、濾胞性リンパ腫、甲状腺濾胞がん、後縦隔神経節細胞腫、消化器がん、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛がん、巨細胞性線維芽細胞腫、骨巨細胞腫、グリア細胞系腫瘍、神経膠芽腫、神経膠腫、大脳神経膠腫症、グルカゴノーマ、性腺芽腫、顆粒膜細胞腫、男女性胚細胞腫、胆嚢がん、胃がん、有毛細胞性白血病、血管芽腫、頭頸部がん、血管周皮腫、悪性血液腫瘍、肝芽腫、肝脾T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、浸潤性小葉がん、腸がん、腎がん、喉頭がん、悪性黒子、致死性正中線がん、白血病、ライディッヒ細胞腫、脂肪肉腫、肺がん、リンパ管腫、リンパ肉腫、リンパ上皮腫、リンパ腫、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、肝がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、MALTリンパ腫、悪性線維性組織球腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、悪性トリトン腫瘍、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、肥満細胞性白血病、縦隔胚細胞腫、胸部髄様がん、甲状腺髄様がん、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、メルケル細胞がん、中皮腫、転移性尿路上皮がん、悪性混合ミュラー管腫瘍、粘液性腫瘍、多発性骨髄腫、筋組織新生物、菌状息肉腫、粘液性脂肪肉腫、粘液腫、粘液肉腫、鼻咽頭がん、神経鞘腫、神経芽腫、神経線維腫、神経腫、結節型黒色腫、眼がん、乏突起星細胞腫、乏突起膠腫、膨大細胞腫、視神経鞘髄膜腫、視神経腫瘍、口腔がん、骨肉腫、卵巣がん、パンコースト腫瘍、甲状腺乳頭がん、傍神経節腫、松果体芽腫(pinealoblastoma)、松果体細胞腫、下垂体細胞腫、下垂体腺腫、下垂体腫瘍、形質細胞腫、多胎芽腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫、中枢神経系原発性リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、原発性腹膜がん、前立腺がん、膵がん、咽頭がん、腹膜偽粘液腫、腎細胞がん、腎髄様がん、網膜芽細胞腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、リヒタートランスフォーメーション、直腸がん、肉腫、神経鞘腫症、セミノーマ、セルトリ細胞腫、性索性腺間質腫、印環細胞がん、皮膚がん、小円形青色細胞腫、小細胞がん、軟部組織肉腫、ソマトスタチノーマ、煤煙性いぼ、脊髄腫瘍、脾辺縁帯リンパ腫、扁平上皮がん、滑膜肉腫、セザリー病、小腸がん、扁平上皮がん、胃がん、T細胞リンパ腫、精巣がん、莢膜細胞腫、甲状腺がん、移行上皮がん、喉頭がん、尿膜管がん、泌尿生殖器がん、尿路上皮がん、ブドウ膜黒色腫、子宮がん、疣贅性がん、視覚路神経膠腫、外陰部がん、膣がん、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ワルチン腫瘍、およびウィルムス腫瘍を含む、がんの予防および治療に有用である。
ブロモドメイン活性アッセイ
ブロモドメイン活性用の多数の異なるアッセイを、活性モジュレーターのアッセイ、および/または特定のブロモドメインもしくはグループに対するモジュレーターの特異性を決定するために利用することができる。以下の実施例に記載のアッセイに加えて、当業者は利用することができ、かつ特定の用途のためにアッセイを修正することができる他のアッセイを知っているであろう。
ある特定の実施態様では、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかは、一般に認められているブロモドメイン活性アッセイまたは本明細書に記載のブロモドメイン活性アッセイで決定した場合、100nM未満未満、50nM未満、20nM未満、10nM未満、5nM未満、または1nM未満のIC50を有する。いくつかの実施態様では、ブロモドメイン活性を測定するためのアッセイとしては、米国特許公開第2017/0081326号に記載のアッセイ(例えば、生化学的アッセイまたは細胞系アッセイ)など、または当技術分野で既知のアッセイが挙げられる。
ブロモドメインの調節
別の態様では、本開示は、ブロモドメインタンパク質を調節または阻害するための方法を提供する。斯かる方法は、有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれか、または化合物化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかを含む組成物を対象者に投与し、それによってブロモドメインを調節または阻害することを含む。いくつかの実施態様では、当該方法は、本明細書に記載のように、細胞をインビボまたはインビトロで化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれか、または化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかを含む組成物と接触させることを含む。
5.ブロモドメインに介在される状態を治療するための方法
別の態様では、本開示は、ブロモドメインの阻害がある役割を果たすかまたは利益を提供する、ブロモドメイン媒介疾患または状態に罹患しているかまたはその危険性がある対象者を治療するための方法を提供する。斯かる方法は、本明細書に記載のように、有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれか、または化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかを含む組成物を対象者に投与することを含む。ある特定の実施態様では、斯かる方法は、有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかを、本明細書に記載の、当該疾患または状態用の、1つ以上の他の療法または治療剤と組み合わせて対象者に投与することを含む。いくつかの実施態様では、斯かる方法は、有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかを、疾患または状態用の1つ以上の他の治療剤と組み合わせて対象者に投与することを含む。
いくつかの実施態様では、本開示は、ブロモドメインに介在される腫瘍細胞の望ましくない増殖を抑制する方法を提供する。斯かる方法は、腫瘍細胞を、有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかと接触させることを含む。いくつかの例では、腫瘍細胞は、BETタンパク質、BRD4タンパク質またはそれらの変異体によって媒介される。
ある特定の実施態様では、本開示は、ブロモドメイン(例えば、BETタンパク質またはBRD4タンパク質)の阻害が利益を提供する、患者を治療する方法を提供する。斯かる方法は、有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれか、または化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかを含む組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む。
いくつかの実施態様では、本開示は、ブロモドメインに介在される、がん、自己免疫状態、炎症状態、またはそれらの組み合わせである疾患または状態に罹患しているかまたはその危険性がある対象者を治療するための方法を提供し、当該方法は、有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかか、または本明細書に記載のその医薬組成物のうちのいずれかを、それを必要とする対象者に投与することを含む。
いくつかの実施態様では、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかで治療可能な疾患または状態としては、限定されないが、肺がん、乳がんおよび結腸がんを含む血液がん、上皮がん、正中線がん、間葉系腫瘍、肝腫瘍、腎腫瘍、神経学的腫瘍、副腎がん、腺房細胞がん、聴神経腫、末端黒子型メラノーマ、先端汗腺腺腫、急性好酸球性白血病、急性赤白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性巨核芽球性白血病、急性単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、腺がん、腺様嚢胞がん、腺腫、腺腫様歯原性腫瘍、腺扁平上皮がん、脂肪組織新生物、副腎皮質がん、成人T細胞性白血病/リンパ腫、アグレッシブNK細胞性白血病、AIDS関連リンパ腫、胞巣状横紋筋肉腫、胞巣状軟部肉腫、エナメル上皮線維腫、未分化大細胞型リンパ腫、退形成性甲状腺がん、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、血管筋脂肪腫、血管肉腫、星細胞膠腫、非定型奇形腫様ラブドイド腫瘍、B細胞性慢性リンパ性白血病、B細胞性前リンパ球性白血病、B細胞性リンパ腫、基底細胞がん、胆道がん、膀胱がん、芽細胞腫、骨がん、ブレンナー腫瘍、褐色腫瘍、バーキットリンパ腫、乳がん、脳腫瘍、がん、上皮内がん、がん肉腫、軟骨組織腫、セメント質腫、骨髄性肉腫、軟骨腫、脊索腫、絨毛がん、脈絡叢乳頭腫、腎臓の明細胞肉腫、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、子宮頸がん、結腸直腸がん、デゴス病、線維形成性小円形細胞性腫瘍、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、未分化胚細胞腫、胎児性がん、内分泌腺腫瘍、内胚葉性副鼻腔腫瘍、腸管症関連T細胞リンパ腫、食道がん、封入胎児、線維腫、線維肉腫、濾胞性リンパ腫、甲状腺濾胞がん、後縦隔神経節細胞腫、消化器がん、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛がん、巨細胞性線維芽細胞腫、骨巨細胞腫、グリア細胞系腫瘍、神経膠芽腫、神経膠腫、大脳神経膠腫症、グルカゴノーマ、性腺芽腫、顆粒膜細胞腫、男女性胚細胞腫、胆嚢がん、胃がん、有毛細胞性白血病、血管芽腫、頭頸部がん、血管周皮腫、悪性血液腫瘍、肝芽腫、肝脾T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、浸潤性小葉がん、腸がん、腎がん、喉頭がん、悪性黒子、致死性正中線がん、白血病、ライディッヒ細胞腫、脂肪肉腫、肺がん、リンパ管腫、リンパ肉腫、リンパ上皮腫、リンパ腫、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、肝がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、MALTリンパ腫、悪性線維性組織球腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、悪性トリトン腫瘍、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、肥満細胞性白血病、縦隔胚細胞腫、胸部髄様がん、甲状腺髄様がん、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、メルケル細胞がん、中皮腫、転移性尿路上皮がん、悪性混合ミュラー管腫瘍、粘液性腫瘍、多発性骨髄腫、筋組織新生物、菌状息肉腫、粘液性脂肪肉腫、粘液腫、粘液肉腫、鼻咽頭がん、神経鞘腫、神経芽腫、神経線維腫、神経腫、結節型黒色腫、眼がん、乏突起星細胞腫、乏突起膠腫、膨大細胞腫、視神経鞘髄膜腫、視神経腫瘍、口腔がん、骨肉腫、卵巣がん、パンコースト腫瘍、甲状腺乳頭がん、傍神経節腫、松果体芽腫(pinealoblastoma)、松果体細胞腫、下垂体細胞腫、下垂体腺腫、下垂体腫瘍、形質細胞腫、多胎芽腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫、中枢神経系原発性リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、原発性腹膜がん、前立腺がん、膵がん、咽頭がん、腹膜偽粘液腫、腎細胞がん、腎髄様がん、網膜芽細胞腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、リヒタートランスフォーメーション、直腸がん、肉腫、神経鞘腫症、セミノーマ、セルトリ細胞腫、性索性腺間質腫、印環細胞がん、皮膚がん、小円形青色細胞腫、小細胞がん、軟部組織肉腫、ソマトスタチノーマ、煤煙性いぼ、脊髄腫瘍、脾辺縁帯リンパ腫、扁平上皮がん、滑膜肉腫、セザリー病、小腸がん、扁平上皮がん、胃がん、T細胞リンパ腫、精巣がん、莢膜細胞腫、甲状腺がん、移行上皮がん、喉頭がん、尿膜管がん、泌尿生殖器がん、尿路上皮がん、ブドウ膜黒色腫、子宮がん、疣贅性がん、視覚路神経膠腫、外陰部がん、膣がん、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ワルチン腫瘍、およびウィルムス腫瘍などのがんが挙げられる。ある特定の実施態様では、本開示の化合物で治療可能ながんは、腺がん、成人T細胞性白血病/リンパ腫、膀胱がん、芽細胞腫、骨がん、乳がん、脳腫瘍、がん、骨髄性肉腫、子宮頸がん、結腸直腸がん、食道がん、胃腸がん、神経膠芽腫、神経膠腫、胆嚢がん、胃がん、頭頸部がん、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、腸がん、腎がん、喉頭がん、白血病、肺がん、リンパ腫、肝がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、中皮腫、多発性骨髄腫、眼がん、視神経腫瘍、口腔がん、卵巣がん、下垂体腫瘍、中枢神経系原発性リンパ腫、前立腺がん、膵がん、咽頭がん、腎細胞がん、直腸がん、肉腫、皮膚がん、脊椎腫瘍、小腸がん、胃がん、T細胞リンパ腫、精巣がん、甲状腺がん、咽頭がん、子宮頸がん、泌尿生殖器がん、尿路上皮がん、膣がん、またはウィルムス腫瘍から選択される。他の実施態様では、本開示の化合物で治療可能ながんまたは腫瘍としては、良性軟部組織腫瘍、骨腫瘍、脳および脊髄腫瘍、眼瞼および眼窩腫瘍、肉芽腫、脂肪腫、髄膜腫、多発性内分泌腺腫瘍、鼻ポリープ、下垂体腫瘍、プロラクチノーマ、脳偽腫瘍、脂漏性角化症、胃ポリープ、下垂体結節、膵臓の嚢胞腫瘍、血管腫、声帯結節、ポリープ、および嚢胞、キャッスルマン病、慢性毛巣嚢疾患、皮膚線維腫、皮脂嚢腫、化膿性肉芽腫、および若年性ポリポーシス症候群が挙げられる。別の実施態様では、本開示の化合物で治療可能な疾患または状態としては、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、卵巣がん、黒色腫、正中線がん、乳がん、リンパ腫、神経芽腫、または去勢抵抗性前立腺がん、骨髄線維症、骨髄異形成症候群、または急性骨髄性白血病が挙げられる。別の実施態様では、本開示の化合物で治療可能な疾患または状態としては、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、卵巣がん、黒色腫、神経芽腫、および去勢抵抗性前立腺がんが挙げられる。
本開示の別の実施態様では、本開示の化合物によって治療することができる疾患または状態は、リソソーム病である。リソソーム病の非限定的な例としては、ムコリピドーシス、アルファ−マンノシドーシス、アスパルチルグルコサミン尿症、バッテン病、ベータ−マンノシドーシス、シスチン症、ダノン病、ファブリー病、ファーバー病、フコイドーシス、ガラクトシアリドーシス、ゴーシェ病、ガングリオシドーシス(例えば、GM1ガングリオシドーシスおよびGM2−ガングリオシドーシスAB変異体)、クラッベ病、異染性白質ジストロフィー、ムコ多糖症(例、MPS1−ハーラー症候群、MPS II−ハンター症候群、MPS III−サンフィリポ(A、B、C、D)、MPS IVA−モルキオ、MPS IX−ヒアルロニダーゼ、欠乏症、MPS VI−マロトーラミー、またはMPS VII−スライ症候群)、ムコリピドーシスI型(シアリドーシス)、ムコリピドーシスII型(I細胞病)、ムコリピドーシスIII型(偽ハーラー多発性ジストロフィー)、ムコリピドーシスIV型、多発性スルファターゼ欠損症、ニーマンピックA、B、C型、ポンペ病(グリコーゲン蓄積症)、濃化異骨症、サンドホフ病、シンドラー病、サルラ病/シアル酸蓄積症、テイサックス病、およびウォルマン病が挙げられる。
いくつかの実施態様では、本開示は、有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれか、または本明細書に記載のその医薬組成物のうちのいずれかを投与することによって、対象の自己免疫性および炎症性疾患または状態を治療するための方法を提供する。本開示の化合物で治療可能な疾患または状態としては、限定されないが、骨盤内炎症疾患、尿道炎、皮膚の日焼け、副鼻腔炎、肺臓炎、脳炎、髄膜炎、心筋炎、腎炎、骨髄炎、筋炎、肝炎、胃炎、腸炎、皮膚炎、歯肉炎、虫垂炎、膵炎、胆嚢炎、無ガンマグロブリン血症、乾癬、アレルギー、クローン病、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、シェーグレン病、組織移植拒絶反応、移植臓器の超急性拒絶反応、喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、多腺性自己免疫病(多腺性自己免疫症候群としても知られている)、自己免疫性脱毛症、悪性貧血、糸球体腎炎、皮膚筋炎、多発性硬化症、強皮症、血管炎、自己免疫性溶血性状態および血小板減少状態、グッドパスチュア症候群、アテローム性動脈硬化、アジソン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、I型糖尿病、敗血症性ショック、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ、乾癬性関節炎、若年性関節炎、変形性関節症、慢性特発性血小板減少性紫斑病、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、アトピー性皮膚炎、変形性関節疾患、白斑、自己免疫性下垂体機能低下症、ギラン−バレ症候群、ベーチェット病、強皮症(scleracierma)、菌状息肉腫、急性炎症反応(急性呼吸窮迫症候群および虚血/再灌流障害など)、グレーブス病が挙げられる。ある特定の実施態様では、本開示の化合物で治療可能な疾患および状態としては、全身性または組織の炎症、感染または低酸素症、細胞の活性化および増殖、脂質代謝、線維症、およびウイルス感染に対する炎症反応が挙げられる。
いくつかの実施態様では、本開示は、有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれか、または本明細書に記載のその医薬組成物のうちのいずれかをそれを必要とする対象者に投与することによって、慢性的な自己免疫状態および炎症状態に罹患しているかまたはその危険性がある対象者を治療するための方法を提供する。本開示の化合物で治療可能な慢性的な自己免疫状態または炎症状態としては、限定されないが、関節リウマチ、変形性関節症、急性痛風、乾癬、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)、喘息、慢性閉塞性気道疾患、肺臓炎、心筋炎、心膜炎、筋炎、湿疹、皮膚炎、脱毛症、白斑、水疱性皮膚疾患、腎炎、血管炎、アテローム性動脈硬化、アルツハイマー病、鬱病、網膜炎、ぶどう膜炎、強膜炎、肝炎、膵炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、アジソン病、下垂体炎、甲状腺炎、I型糖尿病、滑膜肉腫、および移植臓器の急性拒絶反応が挙げられる。一つの実施態様として、疾患または状態は、敗血症、火傷、膵炎、重度の外傷、出血、または虚血である。別の実施態様では、本開示の化合物で治療可能な疾患または状態としては、敗血症、敗血症症候群、敗血症性ショック、または内毒素血症が挙げられる。別の実施態様では、本開示の化合物で治療可能な疾患または状態としては、急性または慢性膵炎が挙げられる。別の実施態様では、本開示の化合物で治療可能な疾患または状態としては、火傷が挙げられる。
いくつかの実施態様では、本開示は、有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれか、または本明細書に記載のその医薬組成物のうちのいずれかをそれを必要とする対象に投与することによって、急性炎症状態に罹患しているかまたはその危険性がある対象を治療するための方法を提供する。急性炎症状態としては、限定されないが、急性痛風、巨細胞性動脈炎、ループス腎炎を含む腎炎、糸球体腎炎、巨細胞性動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、結節性多発動脈炎、ベーチェット病、川崎病、高安動脈炎などの臓器病変を伴う血管炎、臓器病変を伴う血管炎、および移植臓器の急性拒絶反応が挙げられる。
いくつかの実施態様では、本開示は、有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれか、または本明細書に記載のその医薬組成物のうちのいずれかを、それを必要とする対象者に投与することによって、自己免疫性および炎症性の疾患または状態に罹患しているかまたはその危険性がある対象者を治療するための方法を提供する。細菌や、ヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルス、アデノウイルス、およびポックスウイルス、および他のDNAウイルスなどのウイルスの感染;敗血症、敗血症症候群、敗血症性ショック、内毒素血症、全身性炎症反応症候群(SIRS)、多臓器不全症候群、トキシックショック症候群、急性肺損傷、ARDS(成人呼吸窮迫症候群)、急性腎不全、劇症肝炎、火傷、急性膵炎、術後症候群、サルコイドーシス、ヘルクスハイマー反応、脳炎、脊髄炎、髄膜炎、マラリアなどの菌類、寄生虫またはそれらの毒素、ならびにインフルエンザ、帯状疱疹、単純ヘルペスおよびコロナウイルスなどのウイルス感染に関連するSIRSへの炎症反応に関連する、本開示の化合物で治療可能な自己免疫性および炎症性の疾患または状態。
いくつかの実施態様では、本開示は、有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれか、または本明細書に記載のその医薬組成物のうちのいずれかをそれを必要とする対象に投与することによって、虚血−再灌流傷害に罹患しているかまたはその危険性がある対象を治療するための方法を提供する。虚血−再灌流障害としては、限定されないが、心筋梗塞、脳血管虚血(脳卒中)、急性冠症候群、腎臓再灌流障害、臓器移植、冠状動脈バイパス移植、心肺バイパス手技、肺、腎臓、肝臓、胃腸および末梢下肢塞栓症が挙げられる。
いくつかの実施態様では、本開示は、有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれか、または本明細書に記載のその医薬組成物のうちのいずれかをそれを必要とする対象に投与することによって、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化、またはアルツハイマー病に罹患しているかまたはその危険性がある対象を治療するための方法を提供する。
いくつかの実施態様では、本開示は、有効量の本明細書に記載の任意の1つ以上の化合物(複数可)、または本明細書に記載の任意のその医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することによって、ブロモドメイン変異体介在性の疾患または状態を含む、全てのブロモドメイン介在性の疾患または状態を治療するための方法を提供する。ある特定の実施態様では、斯かる方法は、疾患または状態のための1つ以上の他の療法または治療剤と組み合わせて、有効量の、本明細書に記載の任意の1つ以上の化合物(複数可)、または本明細書に記載の任意のその医薬組成物を、対象に投与することを含む。
いくつかの実施態様では、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかは、ブロモドメイン阻害剤であり、一般に認められているブロモドメイン活性アッセイで測定した場合、500nM未満、100nM未満、50nM未満、20nM未満、10nM未満、5nM未満、または1nM未満のIC50を有する。いくつかの実施態様では、本明細書に記載の化合物は、ブロモドメイン、例えばBETタンパク質、BRD2、BRD3またはBRD4タンパク質に対して、500nM未満、100nM未満、50nM未満、20nM未満、10nM未満、5nM未満、または1nM未満のIC50を有するであろう。いくつかの実施態様では、本明細書に記載の化合物は、1つ以上の他のタンパク質と比較して、1つ以上のブロモドメインを選択的に阻害するであろう。
いくつかの実施態様では、本開示は、ブロモドメインまたは変異ブロモドメインを阻害するための方法を提供する。斯かる方法は、インビトロまたはインビボで、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれか、または本明細書に記載のその医薬組成物のうちのいずれかを、細胞またはブロモドメインタンパク質と接触させることを含む。
ある特定の実施態様では、本開示は、本明細書に記載の疾患または状態の治療用の医薬の製造における、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれか、または本明細書に記載のその医薬組成物のうちのいずれかの使用を提供する。他の実施態様では、本開示は、本明細書に記載の疾患または状態の治療に使用するための、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれか、または本明細書に記載のその医薬組成物のうちのいずれかを提供する。
併用療法
ブロモドメインモジュレーターは、特に本明細書に記載のがん及び他の疾患並びに徴候において、他の薬理学的に活性な化合物、または2以上の他の薬理学的に活性な化合物と有用に組み合わせることができる。一つの実施態様では、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかと、同じ疾患の治療に有効である1つ以上の化合物からなる組成物は、化合物が疾患の徴候に対して相乗効果を有する。一つの実施態様では、斯かる組成物は、がんの治療に有効である、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかと、同じがんの治療に有効な1つ以上の他の化合物を含み、更にそれらの化合物ががんの治療に相乗的に有効である。
いくつかの実施態様では、本開示は、それを必要とする動物のブロモドメインまたは変異ブロモドメインを介在する疾患または状態を治療するための方法を提供し、その方法が、本明細書に記載の1つ以上の他の治療剤と組み合わせた、有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれか、または本明細書に記載のその医薬組成物のうちのいずれかを対象に投与することに関連する。ある特定の実施態様では、本開示は、それを必要とする動物のブロモドメインまたは変異ブロモドメインを介在する疾患または状態を治療するための方法を提供し、その方法が、疾患または状態のための1つ以上の他の療法と組み合わせた、有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれか、または本明細書に記載のその医薬組成物のうちのいずれかを対象に投与することに関連する。
別の実施態様では、本開示は、組成物、例えば、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれか、または本明細書に記載のその医薬組成物のうちのいずれかと、i)アドゼレシン、アルトレタミン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボクオン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、フォテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、オキサリプラチン、ピポスルファン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、およびトレオサルファンから選択されるアルキル化剤、ii)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ミトキサントロン、ネオカルジノスタチン、ペントスタチン、およびプリカマイシンから選択される抗生物質、iii)アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、フトラフル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、チオグアニン、およびトリメトレキセトからなる群から選択される代謝拮抗剤、iv)アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、ニボルマブ、パニツムマブ、ペンブロリズマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、および90Yイブリツモマブチウキセタンから選択される抗体治療剤、v)アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、メゲストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン、およびトレミフェンからなる群から選択されるホルモンもしくはホルモンアンタゴニスト、vi)DJ−927、ドセタキセル、TPI287、パクリタキセル、およびDHA−パクリタキセルから選択されるタキサン、vii)アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、およびトレチノインから選択されるレチノイド、viii)エトポシド、ホモハリングトニン、テニポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンから選択されるアルカロイド、ix)AE−941(GW786034、Neovastat)、ABT−510、2−メトキシエストラジオール、レナリドマイド、およびサリドマイドから選択される抗血管新生剤、x)アムサクリン、エドテカリン、エキサテカン、イリノテカン、SN−38(7−エチル−10−ヒドロキシ−カンプトテシン)、ルビテカン、トポテカン、および9−アミノカンプトテシンから選択されるトポイソメラーゼ阻害剤、xi)エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、イマチニブメシル酸塩、ラパチニブ、ソラフェニブ、スニチニブリンゴ酸塩、AEE−788、AG−013736、AMG706、AMN107、BMS−354825、BMS−599626、UCN−01(7−ヒドロキシステアロスポリン)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、およびバタラニブから選択されるキナーゼ阻害剤、xii)ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン、およびラパマイシンから選択される標的シグナル伝達阻害剤、xiii)イミキモド、インターフェロン−αおよびインターロイキン−2から選択される生物学的応答調節因子、xiv)IDO阻害剤、xv)3−AP(3−アミノ−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン−1、シレンギチド、エレスクロモル、エリブリンメシル酸塩(E7389)、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、オブリメルセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、Cdk4阻害剤、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、もしくはアロマターゼ阻害剤(アナストロゾールレトロゾールエキセメスタン)から選択される化学療法剤、xvi)Mek阻害剤、xvii)チロシンキナーゼ阻害剤、xviii)c−Kit変異体阻害剤、xix)EGFR阻害剤、またはxx)エピジェネティック・モジュレーター、からなる群から選択される1つ以上の他の治療剤を含む、医薬組成物を提供する。さらなる実施態様では、ブロモドメインモジュレーター、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかは、上述の1つ以上の薬剤と組み合わせて同時に、連続して、または別々に投与してもよい。
エピジェネティック・モジュレーターとしては、DNAメチル化剤、およびクロマチン修飾因子の活性によってヒストンおよび/またはタンパク質の翻訳後修飾を調節する薬剤が挙げられる。エピジェネティック・モジュレーターの非限定的な例としては、
(a)DNAメチルトランスフェラーゼ(例えば、アザシチジン、デシタビン、またはゼブラリン);
(b)限定されないが、EPZ004777(7−[5−デオキシ−5−[[3−[[[[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]アミノ]カルボニル]アミノ]プロピル](1−メチルエチル)アミノ]−β−D−リボフラノシル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン))、EZH1阻害剤、EZH2阻害剤、もしくはEPX5687などのDOT1L阻害剤を含む、ヒストンおよびタンパク質メチルトランスフェラーゼ;
(c)ヒストンデメチラーゼ;
(d)限定されないが、ボリノスタット、ロミデプシン、キダミド、パノビノスタット、ベリノスタット、バルプロ酸、モセチノスタット、アベキシノスタット、エンチノスタット、レスミノスタット、ジビノスタット、もしくはキシノスタットを含むヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC阻害剤);
(e)限定されないが、C−646、(4−[4−[[5−(4,5−ジメチル−2−ニトロフェニル)−2−フラニル)]メチレン]−4,5−ジヒドロ−3−メチル−5−オキソ−1H−ピラゾール−1−イル]安息香酸a)、CPTH2(シクロペンチリデン−[4−(4’−クロロフェニル)チアゾール−2−イル]ヒドラジン)、CTPB(N−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−2−エトキシ−6−ペンタデシル−ベンズアミド)、ガルシノール((1R,5R,7R)−3−(3,4−ジヒドロキシベンゾイル)−4−ヒドロキシ−8,8−ジメチル−1,7−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−5−[(2S)−5−メチル−2−(1−メチルエテニル)−4−ヘキセン−1−イル]ビシクロ[3.3.1]3−ノネン−2,9−ジオン)、アナカルジン酸、EML425(5−[(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)メチレン]−1,3−ビス(フェニルメチル)−2,4,6(1H,3H,5H)−ピリミジントリオン)、ISOX DUAL([3−[4−[2−[5−(ジメチル−1,2−オキサゾール−4−イル)])−1−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−1,3−ベンゾジアゾール−2−イル]エチル]フェノキシ]プロピル]ジメチルアミン)、L002(4−[O−[(4−メトキシフェニル)]スルホニル]オキシム]−2,6−ジメチル−2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジオン)、NU9056(5−(1,2−チアゾール−5−イルジスルファニル)−1,2−チアゾール)、SI−2塩酸塩(1−(2−ピリジニル)エタノン2−(1−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)ヒドラゾン塩酸塩)を含む、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ阻害剤(HAT阻害剤とも称される);または
(f)他のクロマチンリモデラー、が挙げられる。
別の実施態様では、エピジェネティック・モジュレーターは、ボリノスタット、ロミデプシン、ベリノスタット、またはパノビノスタットである。
いくつかの実施態様では、本開示は、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかと本明細書に記載の1つ以上の他の治療剤とを含む、有効量の組成物を対象に投与することによって、その任意の変異体を含むブロモドメインを介在する疾患または状態を治療するための方法を提供する。他の実施態様では、本開示は、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかと、疾患または状態を治療するための1つ以上の他の好適な治療薬からなる組成物の有効量を対象に投与することにより、ブロモドメインタンパク質またはその任意の変異体を含む変異ブロモドメインタンパク質を介在する疾患または状態を治療するための方法を提供する。一つの実施態様では、本開示は、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかを含む、有効量の組成物を対象に投与することによって、ブロモドメインまたは変異ブロモドメインを介在するがんを治療するための方法を提供する。一つの実施態様では、本開示は、本明細書に記載の1つ以上の化学療法薬物または薬剤などの、1つ以上の好適な抗がん療法と組み合わせて、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかを含む、有効量の組成物を対象に投与することによって、ブロモドメインによって介在されるがんを治療するための方法を提供する。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載の任意の2つ以上の組み合わせを含む、治療有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかと、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、賦形剤、および/または希釈剤とを含む組成物が提供される。組成物はさらに、本明細書に記載の複数の化合物を含む、複数の異なる薬理学的に活性な化合物を含み得る。ある特定の実施態様では、当該組成物は、同じ疾患の徴候に対して治療的に有効である、1つ以上の化合物と共に、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかを含み得る。ある態様では、斯かる組成物は、同じ疾患の徴候に対して治療的に有効である1つ以上の化合物と、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかを含み、化合物が疾患の徴候に対して相乗効果を有する。一つの実施態様では、当該組成物は、がんの治療に有効である化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかと、同じがんの治療に有効な1つ以上の他の化合物とを含み、更にそれらの化合物は、斯かるがんの治療に相乗的に有効である。当該化合物は、同時にまたは連続して投与することができる。
いくつかの実施態様では、本開示は、組成物、例えば、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかと、キザルチニブなどのFLT3阻害剤の組み合わせからなる医薬組成物を提供する。
一つの実施態様では、本開示は、疾患または状態を治療するため、有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかとキザルチニブを対象に投与することによって、ブロモドメインまたは変異ブロモドメインタンパク質を介在する疾患または状態を治療するための方法を提供する。
いくつかの実施態様では、本開示は、本開示に記載の疾患または状態に罹患している対象を治療するための方法を提供し、当該方法が、有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかと変異c−Kitタンパク質キナーゼ阻害剤を、対象に投与することを含む。別の実施態様では、変異c−Kitタンパク質キナーゼ阻害剤は、(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−(3−ピリジル)メタノール、(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−(3−ピリジル)メタノン、N−(3−カルバモイルフェニル)−2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド、2−フェニル−N−(1H−ピラゾール−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド、4−ブロモ−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、エチル3−[(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)カルバモイルアミノ]プロパノエート、3,4−ジメチル−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、4−メチル−3−フェニル−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、3−シクロプロピル−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、5−フルオロ−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド、3−フルオロ−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリジン−2−カルボキサミド、3,5−ジメチル−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)イソオキサゾール−4−カルボキサミド、N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリダジン−3−カルボキサミド、N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−2H−トリアゾール−4−カルボキサミド、3−メチル−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリジン−2−カルボキサミド、4,5−ジメチル−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)イソオキサゾール−3−カルボキサミドまたはN−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−ピラゾール−4−スルホンアミドから選択される。別の実施態様では、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかは、限定されないが、ファーストライン、セカンドラインおよびネオアジュバントGISTを含む、GISTを治療するための本明細書に記載の変異c−Kit変異体阻害剤のうちのいずれかと組み合わせられる。
いくつかの実施態様では、本開示は、がん治療に有効な1つ以上の他の療法または医学的手技と組み合わせて、有効量の、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれか、または化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかを含む組成物を、それを必要とする対象に投与することによる、本明細書に記載のがんを治療する方法を提供する。他の療法または医学的手技としては、適切な抗がん療法(例えば、薬物療法、ワクチン療法、遺伝子療法、光線力学療法)、または医学的手技(例えば、外科手術、放射線療法、温熱療法、骨髄もしくは幹細胞移植)が挙げられる。一つの実施態様では、1つ以上の好適な抗がん療法または医学的手技は、化学療法剤(例えば化学療法薬物)を用いる治療、放射線治療(例えば、x線、γ線、または電子、陽子、中性子、もしくはα粒子線)、温熱療法(例えば、マイクロ波、超音波、高周波アブレーション)、ワクチン療法(例えば、AFP遺伝子肝細胞がんワクチン、AFPアデノウイルスベクターワクチン、AG−858、同種GM−CSF−分泌乳がんワクチン、樹状細胞ペプチドワクチン)、遺伝子療法(例えば、Ad5CMV−p53ベクター、MDA7をコードするアデノベクター、アデノウイルス5−腫瘍壊死因子アルファ)、光線力学的療法(例えば、アミノレブリン酸、モテキサフィンルテチウム)、腫瘍溶解性ウイルスもしくはバクテリア療法、外科手術、または骨髄および幹細胞移植から選択される。ある特定の実施態様では、本開示は、有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかを対象に投与し、別々にまたは同時に本明細書に記載の放射線治療を適用することによって、それを必要とする対象のがんを治療する方法を提供する。一つの実施態様では、本開示は、有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかを対象に投与し、続いて放射線治療(例えば、X線、γ線、または電子、陽子、中性子、もしくはα粒子線)を施すことによる、それを必要とする対象のがんを治療するための方法を提供する。別の実施態様では、本開示は、対象に放射線治療(例えば、X線、γ線、または電子、陽子、中性子、もしくはα粒子線)を適用し、続いて有効量の化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかを対象に投与することによって、それを必要とする対象のがんを治療するための方法を提供する。さらに別の実施態様では、本開示は、化合物Iおよび本明細書に記載の化合物Iの形態のうちのいずれかを投与する事と、放射線療法(例えば、X線、γ線、または電子、陽子、中性子、もしくはα粒子線)を同時に対象に施すことによって、それを必要とする対象のがんを治療するための方法を提供する。
機器の技術
粉末X線回折
本明細書で提供されるXRPD分析には、PANalytical Empyrean粉末X線回折計が使用され、使用したXRPDパラメータを表1に要約する。
表1.XRPD試験のパラメータ
Figure 2020511467
示差走査熱量計および熱重量分析
TA InstrumentsのTA Q200/Q2000DSCを使用して、DSCを実施した。TGAデータは、TA InstrumentsのTA Q500/Q5000TGAを使用して収集した。使用した詳細なパラメータを表2に列挙する。
表2.TGAおよびDSC試験のパラメータ
Figure 2020511467
動的水蒸気吸着
DVSは、SMS(表面測定システム)DVS Intrinsicを介して測定した。25℃での相対湿度は、LiCl、Mg(NOおよびKClの潮解点に対して較正した。DVS試験の実際のパラメータを、表3に列挙する。
表3.DVS試験のパラメータ
Figure 2020511467
実施例1.化合物Iの合成
化合物Iは、スキーム1に従って合成することができる。
スキーム1
Figure 2020511467
3,5−ジメチル−4−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−イル)イソオキサゾール(3): 6−ブロモ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン1(450g、2.284モル、1当量)、(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)ボロン酸2(418g、2.969モル、1.3当量)、炭酸カリウム(947g、6.852モル、3当量)、およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(80g、114mmol、0.05当量)のジオキサン(6.5L)および水(2L)懸濁液に、窒素を10分間注入した。反応混合物を90℃で一晩加熱し、その時点でLC/MSは反応が完了したことを示した。反応物を酢酸エチル(8L)および水(8L)で希釈した。層を分離し、有機層を、追加の酢酸エチル(4L)でシリカゲル(1Kg)をすすぎながら通した。同じサイズの別の実験を組み合わせ、濾液を減圧下で濃縮して化合物2を得、これを続いて次のステップに使用した。
4−(3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−イル)−3,5−ジメチルイソオキサゾール(4): N−ヨードスクシンイミド(1130g、5.024mol、1.1当量)を、化合物2(理論値974g、4568mmol、1当量)のアセトニトリル(28L)およびジメチルアセトアミド(3L)溶液に加えた。反応物を室温で一晩撹拌し、その時点でLC/MSは反応が完了したことを示した。アセトニトリルを減圧下で除去し、残渣を温水(20L)と飽和チオ硫酸ナトリウム(4L)との混合物でスラリー化した。固体を濾取し、追加の水(4L)で洗浄した。粗固体をMTBE(4L)で粉砕して、50℃の対流式オーブンで3日間乾燥させ、化合物4(1360g、収率88%)を得た。
ジ(ピリジン−2−イル)メタノール(6): 水素化ホウ素ナトリウム(37.0g、979mmol、0.36当量)を、化合物5(500g、2710mmol、1当量)のメタノール(10L)溶液に、0℃で少量ずつ加えた。反応物を1.5時間撹拌し、その時点でLC/MSは化合物5の完全な消費を示した。溶液を減圧下で濃縮した。残渣を1N塩酸(2L)に溶解させた。固体の重炭酸ナトリウム(226g)を用いて、pHを約8に調整した。溶液を酢酸エチル(2×4L)で2回抽出した。組み合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、化合物6を得た(484g、収率96%)。
トリフェニルホスフィンジブロミド: 臭素(98mL、1906mmol、1当量)のジクロロメタン(200mL)溶液を、氷浴を用いて内部温度を10℃未満に保持しながら、トリフェニルホスフィン(500g、1906mmol、1当量)のジクロロメタン(1.5L)溶液に滴加した。添加終了後、反応物を室温に温め、1時間撹拌した。攪拌を止め、上清をデカントし、減圧下でヒールまで濃縮し、元のフラスコに戻した。撹拌を再開し、MTBE(約2L)を添加し、追加のMTBE(約1L)で洗浄しながらスラリーを濾過した。固体を窒素雰囲気下で、1時間フィルターで乾燥させて、所望の生成物(920g)を得て、これを続いて次のステップに使用した。
2,2’−(ブロモメチレン)ジピリジン二臭化水素酸塩(7): 化合物6(118g、636mmol、1当量)をジクロロメタン(2.4L)に溶解させ、0℃に冷却し、窒素を30分間注入した。次いで、上記で得られたトリフェニルホスフィンジブロミド(理論値805g、1.9mol、3当量)をゆっくり添加した。反応物を室温に温め、一晩撹拌した。溶液を減圧下で濃縮し、残渣をトルエン(2.5L)および水(4.5L)に溶解させた。層を分離し、有機層を捨てた。水層をトルエン(2×2L)で洗浄した。固体の重炭酸ナトリウム(337g)を用いて、水層のpHを〜8に調整した。水層をDCM(3×1L)で抽出した。組み合わせた有機層を減圧下で濃縮して、遊離塩基化合物7(126g、収率80%)を得た。
4−(1−(ジ(ピリジン−2−イル)メチル)−3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−イル)−3,5−ジメチルイソオキサゾール(8): 化合物4(57.4g、169mmol、1当量)、遊離塩基化合物7(67.4g、271mmol、1.6当量)、および炭酸セシウム(127g、389mmol、2.3当量)をTHF(1.5L)に溶解させ、一晩還流させた。反応混合物を、化合物4の他の2つのバッチと組み合わせた(66.3gを組み合わせた)。混合物を飽和食塩水(3.3L)で希釈した。有機層を分離し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲル(2kg)を用いて、ジクロロメタン中、0から100%の勾配の酢酸エチルで溶出させ精製し、MTBE(2L)で粉砕することにより、化合物8(104.6g、収率58%)を得た。
4−(1−(1,1−ジ(ピリジン−2−イル)エチル)−3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−イル)−3,5−ジメチルイソオキサゾール(9): 化合物8(104.4g、206mmol、1当量)及びヨードメタン(38.5mL、617mmol、3当量)の無水THF(2.1L)溶液に、カリウムtert−ブトキシド(30.4g、247mmol、1.2当量)を、少量ずつ加えた。反応物を、室温で一晩撹拌した。溶液を飽和食塩水(2L)でクエンチした。有機層を分離し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲル(2kg)を用いて、ジクロロメタン中0から40%の勾配の酢酸エチルで溶出させることにより精製し、化合物9(97.0g、収率90%)を得た。
4−(1−(1,1−ジ(ピリジン−2−イル)エチル)−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸メチル(11): 化合物9(92.7g、178mmol、1当量)、化合物10(64.0g、356mmol、2当量)、および炭酸カリウム(73.7g、534mmol、3当量)の、ジオキサン(1L)及び水(330mL)の混合物に、15分間窒素を注入した。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(7.8g、11mmol、0.06当量)を加え、反応物を80℃で一晩加熱した。室温に冷却した後、溶液を酢酸エチル(1L)および水(1L)で希釈した。有機層を分離し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲル(1kg)を用いて、ジクロロメタン中、0から100%の勾配の酢酸エチルで溶出させることにより精製した。清浄な画分をMTBE(500mL)で粉砕して、化合物11(90.7g、収率96%)を得た。
4−(1−(1,1−ジ(ピリジン−2−イル)エチル)−6−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸(化合物I): 水酸化リチウムの2M溶液(2.4L、4.8mol、15当量)を、化合物11(169g、319mmol、1当量)のTHF(5L)溶液に添加した。55℃で一晩加熱した後、反応物を室温に冷却し、飽和食塩水(2.5L)で希釈した。1N HCl(3.45L)でpHを約5に調整し、酢酸エチル(5L)で希釈した。有機層を分離し、飽和食塩水(2.5L)で洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(2L)に溶解させ、濾過した。濾液をアセトニトリル(1L)で希釈し、減圧下で約750mLの体積まで濃縮した。得られた懸濁液を濾過し、固体を真空下60℃で一晩乾燥させて、化合物I(137g、収率84%)を得た。
実施例2.多形スクリーニング
以下の異なる結晶化法または固相転移法を使用して、多形スクリーニング実験を実施した。
貧溶媒添加
合計7回の貧溶媒添加実験を実行した。上述のように調製した約10mgの化合物I結晶形Aを、0.2から2.5mLの溶媒に溶解させ、透明な溶液を得た。溶液を磁気を利用して撹拌し、続いて沈殿物が現れるまで、または貧溶媒の総量が15.0mLに達するまで、1ステップあたり0.2mLの貧溶媒を添加した。得られた析出物を、XRPD分析用に単離した。表4に要約した結果は、結晶形Aおよび結晶形Eが得られたことを示している。
表4.貧溶媒添加実験の要約
Figure 2020511467
:透明な溶液を5℃または−20℃で撹拌しても、固体は得られなかったので、溶媒を留去した。
低速溶媒留去
5つの条件下で、低速で溶媒留去を実施した。簡単に説明すると、約8mgの化合物I結晶形Aを、3mLのガラスバイアル中、1.0mLの溶媒に溶解させた。溶解しない場合、懸濁液をナイロン膜(孔径0.45μm)を使用して濾過し、濾液を次のステップに使用した。視覚的に透明な溶液を、3から4つのピンホールを備えたParafilm(登録商標)で覆い、室温で溶媒を留去した。固体をXRPD分析用に単離した。結果を表5に要約する。
表5.低速溶媒留去実験の要約
Figure 2020511467
固体蒸気拡散
6つの異なる溶媒を用いて、固体蒸気拡散実験を行った。約8mgの化合物I結晶形Aを、3mLのバイアル中で秤量し、2mLの揮発性溶媒を入れた20mLのバイアルに入れた。20mLバイアルをキャップで封止し、約1週間室温に保持し、溶媒蒸気と試料とを相互作用させた。固体をXRPDにより試験し、表6に要約した通り、結晶形A、CおよびDが観察された。
表6.固体蒸気拡散実験の要約
Figure 2020511467
液体蒸気拡散
4つの液体蒸気拡散実験を行った。約10mgの化合物I結晶形Aを、3mLバイアル中で適切な溶媒に溶解させ、透明な溶液を得た。次いで、この溶液を3mLの揮発性溶媒を入れた20mLバイアルに入れた。20mLバイアルをキャップで封止し、室温に保持し、有機蒸気と溶液との相互作用に十分な時間を提供した。約1から約6日後、固体をXRPD分析用に単離した。表7に要約した通り、結晶形A、CおよびEが観察された。
表7.液体蒸気拡散実験の要約
Figure 2020511467
室温でのスラリー
スラリー変換実験は、室温で、異なる溶媒系で行った。1.5mLのガラスバイアル中で、約10mgの化合物I結晶形Aを、0.5mLの溶媒に懸濁させた。懸濁液を室温で6日間、磁気を利用して撹拌した後、残りの固体をXRPD分析用に単離した。表8に要約した通り、結晶形AおよびBのみが得られた。
表8.室温でのスラリー変換実験の概要
Figure 2020511467
50℃でのスラリー
スラリー変換実験は、50°Cで、異なる溶媒系で行った。1.5mLのガラスバイアル中で、約10mgの化合物I結晶形Aを、0.3mLの溶媒に懸濁させた。懸濁液を50°Cで約6日間撹拌した後、残りの固体をXRPD分析用に単離した。表9に要約した通り、結晶形AおよびBが得られた。
表9.50°Cでのスラリー変換実験の概要
Figure 2020511467
徐冷
6つの溶媒系で、徐冷実験を行った。3mLのガラスバイアル中で、約10mgの化合物I結晶形Aを、0.5mLの溶媒に室温で懸濁させた。次いで、懸濁液を50℃に加熱し、約2時間平衡化し、ナイロン膜(孔径0.45μm)を使用して濾過した。濾液を、0.1°C/分の速度で5°Cまで徐冷した。いずれの系でも固体は得られず、次いで溶液を−20°Cに移した。析出物が観察されなかった場合、室温で溶媒留去した。表10に要約した通り、結晶形A、A+B、およびA+Eが観察された。
表10.徐冷実験の要約
Figure 2020511467
:−20℃で2日間溶液を貯蔵したが固体は生成されなかったので、次いで室温で溶媒を留去した。該当なし:XRPD分析用の限られた固体。
実施例3.化合物Iの固体形態の特徴付け
化合物I結晶形A
実施例1に従って化合物Iを調製した。XRPD、TGA、およびDSCによって生成物を特徴付け、化合物I結晶形Aであると決定した。化合物I結晶形AのXRPDを図1に示す。図2のTGAおよびDSCデータによって示されるように、化合物I結晶形Aは、150℃までに1.5%の重量損失、および266.1℃(開始温度)で融解する前に、234.2℃に吸熱ピークを有した。化合物I結晶形Aは無水物であると考えられる。
DVS等温線プロットを25°Cで測定し、結晶形Aの湿度と相関する固体形態の安定性を調べた。DVSの前に、固体を0%相対湿度で事前乾燥させ、表面溶媒または水を除去した。80%相対湿度まで、0.5%の水分吸収が観察され(図3)、化合物I結晶形Aは、わずかに吸湿性であり得ることを示唆した。XRPDによると、DVS試験後に、結晶形の変化は観察されなかった。
室温で、IPAc中でゆっくり溶媒を留去することにより、単結晶の化合物I結晶形Aを得た。構造は、SCXRDおよびデータ分析によって決定した。結晶構造情報および精密化パラメータを、表11に列挙する。
表11.化合物I結晶形A単結晶の構造情報および精密化パラメータ
Figure 2020511467
SCXRDの特徴付けおよび構造分析は、結晶が単斜晶系およびP2/c空間群にあることを示唆した。図14および図15に、結晶の非対称単位および単位格子をそれぞれ示す。非対称単位は、1つのみの化合物Iの分子で構成されており、化合物が無水物であることを示している。カルボキシル基のC−O/C=Oの結合長は明らかに異なり(C−O/C=O:1.342Å/1.205Å)、これはカルボキシル基が脱プロトン化されていないことを示している。単結晶からの化合物I結晶形Aの計算されたXRPDパターンは、実験的なXRPDパターン(反射モード)と一致している。
化合物I結晶形B
化合物I結晶形Bは、上記のように、50℃でMeOH中のスラリーを介して生成された。
化合物I結晶形BのXRPDパターンを図4に示し、TGAおよびDSCデータを図5に示す。150℃までに、8.2%の重量損失が観察され、DSCで74.2℃、234.2℃、266.5℃(開始温度)に、3つの吸熱ピークが観察された。XRPD分析は、110℃に加熱した後に結晶形Bが結晶形Aに変換したことを示した。
H NMR(Bruker 400M NMRスペクトロメーター、DMSO−d6を使用)は、0.34:1のモル比でMeOHを検出した(MeOH/遊離形態)。したがって、化合物I結晶形Bは、MeOH溶媒和物であり得ると考えられる。
化合物I結晶形C
化合物I結晶形Cは、室温で、アセトン/n−ヘプタンを用いた貧溶媒添加で製造された。図6に示したTGAおよびDSCデータは、150℃までに、1.0%の重量損失、ならびに174.5℃(ピーク温度)での発熱、続いて232.8℃および265.7℃(開始温度)での2つの吸熱を示した。発熱ピークを超えて加熱することにより、XRPDの結果が示すように、結晶形Cは完全に結晶形Aに変換した。Burger−Ramberger則(Theory of thermodynamic rules,by A.Burger and R.Ramberger,Mikrochimica Acta,1979 II,259−271)に基づいて、化合物I結晶形Aは、融解前の結晶形Cよりも単変形的に安定であると考えらる。分析結果に基づけば、結晶形Cもまた無水物であり得ると考えられる。
化合物I結晶形Cを、次のように70mgスケールでも再調製した。約93.5mgの化合物I結晶形Aを、5.0mLのアセトンに加え、50℃で0.5時間撹拌した。次いで、貧溶媒として7.5mLのn−ヘプタンを、室温500rpmで撹拌しながら、アセトン溶液に加えた。上述のように作製した約2mgの結晶形Cの種結晶を加え、懸濁液を室温で一晩撹拌した。混合物を遠心分離し、湿った塊を周囲条件下で一晩乾燥させ、続いて室温で1時間真空乾燥させた。固体を次の分析用に分取した。
結晶形Cのこの試料のXRPDを7に示し、TGA/DSCデータを図8に示す。150℃までに1.5%の重量損失が観察され、232.0℃および266.6℃(開始温度)の2つの吸熱ピークの前に、1つの発熱がDSCで観察された。
DVS等温線プロットを25°Cで測定し、結晶形Cの湿度と相関する固体形態の安定性を検討した。DVSの前に固体を0%相対湿度で事前乾燥させ、表面溶媒または水を除去した。80%相対湿度までに、0.6%の水分吸収が観察された(図9)。結晶形Cから結晶形Aへの相転移は、DVS後に結晶形A由来の回折ピークの出現から確認された。
化合物I結晶形D
化合物I結晶形Dは、上記のように、室温でDMFの固体蒸気拡散を介して生成された。XRPDパターンを、図10に示す。図11に示すTGAおよびDSCデータは、150℃までに、14.4%の重量損失、ならびに104.8℃、234.3℃、および266.7℃(ピーク温度)に3つの吸熱ピークに加え、197.3℃に1つの発熱ピークを示した。XRPD分析は、結晶形Dが、145°Cに加熱された後、周囲条件下に冷却されることにより、結晶形Cに変換したことを示した。H NMR(Bruker 400M NMRスペクトロメーター、DMSO−d6を使用)は、0.87:1(DMF/遊離形態)のモル比で、DMFを含むことを示した。このデータから、化合物I結晶形Dは、DMF溶媒和物であり得ると考えられる。
化合物I結晶形E
化合物I結晶形Eは、上記のように、室温でEtOAc/n−ヘプタンの溶液蒸気拡散を介して生成された。XRPDパターンを図12に示し、TGA/DSCデータを図13に示す。150℃までに、2.5%の重量損失が観察され、DSCでは、131.0℃、229.4℃、266.2℃(開始温度)に、3つの吸熱ピークが観察された。XRPD分析は、150°Cに加熱された後、結晶形Eが結晶形Aに変換したことを示した。H NMR(Bruker 400M NMRスペクトロメーター、DMSO−d6を使用)は、溶媒由来のピークが検出されなかったことを示した。したがって、化合物I結晶形Eは、無水物または水和物であると考えられる。
実施例4.化合物Iの結晶形間の変換試験
化合物I結晶形Aと化合物I結晶形Cの変換試験
次のように、様々な温度(室温(25±3°C)または50°C)でスラリーの逆転を介して、無水物の化合物I結晶形Aと化合物I結晶形Cの変換関係を検討した。
約5mgの化合物I結晶形Aを、1.0mLのACNに加え、平衡に達するよう、懸濁液を50℃で2時間撹拌した。5mgの、化合物I結晶形Aおよび化合物I結晶形C(質量比1:1)を含む懸濁液を、バイアルに濾過した。混合物を所望の温度で4日間撹拌し、次いで固体をXRPDおよびDSCにより分析した。
XRPD分析は、室温及び50°Cの両方で、結晶形Cが結晶形Aに変換したことを示した。DSCでは、発熱イベント以降に加熱することにより、結晶形Cが結晶形Aに変換したことが観察された。したがって、結晶形Aと結晶形Cの安定性の関係は単変形的であり、結晶形Aは、より安定であると考えられる。
化合物I結晶形Aと化合物I結晶形Eとの間の変換研究
次のように、様々な温度(室温(25±3°C)または50°C)で、スラリーの逆転および水分活性を介して、無水物である化合物I結晶形Aと化合物I結晶形Eの変換関係を調べた。
様々な温度について:約5mgの化合物I結晶形Aを、1.0mLのACNに加え、平衡に達するよう、懸濁液を50℃で2時間撹拌した。2mgの、化合物I結晶形Aおよび化合物I結晶形E(質量比1:1)を含む懸濁液を、バイアルに濾過した。混合物を所望の温度で4日間撹拌し、次いで固体をXRPDにより分析した。これらのXRPD分析は、室温及び50°Cの両方で、結晶形Eが結晶形Aに変換したことを示した。
様々な水分活性について:約10mgの化合物I結晶形Aを、異なるaを有する1.0mLのEtOH/HOに加え(表12)、平衡に達するよう、懸濁液を室温で1時間撹拌した。2mgの化合物I結晶形Aおよび化合物I結晶形E(質量比1:1)を含むバイアルに、懸濁液を濾過した。混合物を所望のaで、21日間撹拌し、次いで固体をXRPDにより分析した。
表12.様々な水分活性での結晶形AとEとの間のスラリーの逆転
Figure 2020511467
これらの試料のXRPD分析は、0.298、0.605、および0.900の異なるaで、結晶形Eが結晶形Aに変換したことを示した。
本明細書で引用した全ての特許および他の参考文献は、本開示が関連する当業者の技術レベルを示し、各参考文献が個々に参照によりその全体が援用されているのと同程度に、あらゆる表および図を含むそれら全体が参照により援用される。
当業者は、本開示が言及された目的および利点、ならびにそれに固有のものを得るためによく適合されていることを容易に認識するであろう。好ましい実施態様の現行の典型として本明細書に記載されている方法、変形、および組成物は例示的であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。その中の変更および他の使用は当業者に想到されるであろうが、それらは本開示の趣旨の範囲内に包含され、特許請求の範囲の範疇によって定義される。

Claims (20)

  1. Cu−Kα線を使用する回折計で測定すると、以下のピーク:14.6、18.1、および20.4°2θ±0.2°2θを含む粉末X線回折図であることを特徴とする、式:
    Figure 2020511467
    を有する化合物Iの結晶形(化合物I結晶形A)。
  2. 回折図が、11.9、23.1、または25.4°2θ±0.2°2θに、更に1つ以上のピークを含む、請求項1に記載の結晶形。
  3. 粉末X線回折図が、図1に実質的に示されるものであることを特徴とする、請求項1に記載の結晶形。
  4. 示差走査熱量測定(DSC)曲線が、約266℃(開始温度)での吸熱を含むことを特徴とする、請求項1に記載の結晶形。
  5. DSC曲線が、約234℃(開始温度)に更に吸熱を含む、請求項4に記載の結晶形。
  6. DSC曲線が、図2に実質的に示されるものであることを特徴とする、請求項1に記載の結晶形。
  7. 単位格子パラメータ:a=19.3990(10)Å、b=8.2109(4)Å、c=16.1667(8)Å、α=90°、β=94.057(3)°、およびγ=90°を有する、式:
    Figure 2020511467
    を有する化合物Iの結晶形。
  8. 単位格子パラメータ:a=19.3990(10)Å、b=8.2109(4)Å、c=16.1667(8)Å、α=90°、β=94.057(3)°、γ=90°、および体積=2568.6(2)Åを有する、請求項7に記載の結晶形。
  9. Cu−Kα線を使用する回折計で測定すると、以下のピーク:19.0、21.0、および24.8°2θ±0.2°2θを含む粉末X線回折図であることを特徴とする、式:
    Figure 2020511467
    を有する化合物Iの結晶形(化合物I結晶形B)。
  10. 回折図が、10.9、17.2、または18.0°2θ±0.2°2θに、更に1つ以上のピークを含む、請求項9に記載の結晶形。
  11. Cu−Kα線を使用する回折計で測定すると、以下のピーク:8.8、17.1、および17.7°2θ±0.2°2θを含む粉末X線回折図であることを特徴とする、式:
    Figure 2020511467
    を有する化合物Iの結晶形(化合物I結晶形C)。
  12. 回折図が、11.6または15.1°2θ±0.2°2θに、更に1つ以上のピークを含む、請求項11に記載の結晶形。
  13. Cu−Kα線を使用する回折計で測定すると、以下のピーク:8.0、16.1、および20.2°2θ±0.2°2θを含む粉末X線回折図であることを特徴とする、式:
    Figure 2020511467
    を有する化合物Iの結晶形(化合物I結晶形D)。
  14. 回折図が、13.5または22.2°2θ±0.2°2θに、更に1つ以上のピークを含む、請求項13に記載の結晶形。
  15. Cu−Kα線を使用する回折計で測定すると、以下のピーク:4.7、9.4、および18.8°2θ±0.2°2θを含む粉末X線回折図であることを特徴とする、式:
    Figure 2020511467
    を有する化合物Iの結晶形(化合物I結晶形E)。
  16. 回折図が、9.1、14.1、または18.2°2θ±0.2°2θに、更に1つ以上のピークを含む、請求項15に記載の結晶形。
  17. 請求項1から16のいずれか一項に記載の結晶形と、1つ以上の医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  18. 化合物Iのうちの少なくとも99%が、請求項1に記載の結晶形である、請求項17に記載の医薬組成物。
  19. 請求項17または18のいずれか一項に記載のもの、および他の治療剤からなる医薬組成物。
  20. 有効量の、請求項1から16のいずれか一項に記載の結晶形又は請求項17から19のいずれか一項に記載の医薬組成物を患者に投与し、関節リウマチ、変形性関節症、急性痛風、乾癬、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)、喘息、慢性閉塞性気道疾患、肺臓炎、心筋炎、心膜炎、筋炎、湿疹、皮膚炎、脱毛症、白斑、水疱性皮膚疾患、腎炎、血管炎、アテローム性動脈硬化、アルツハイマー病、鬱病、網膜炎、ぶどう膜炎、強膜炎、肝炎、膵炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、アジソン病、下垂体炎、甲状腺炎、I型糖尿病、滑膜肉腫、および移植臓器の急性拒絶反応からなる群から選択される、ブロモドメインを介在する疾患や症状を有するか又はその危険性がある患者を治療するための方法。
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