JP2020503340A - 幹細胞/前駆支持細胞の自己複製を誘導するための1h−ピロール−2,5−ジオン化合物およびその使用方法 - Google Patents

幹細胞/前駆支持細胞の自己複製を誘導するための1h−ピロール−2,5−ジオン化合物およびその使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、組織細胞に分化する能力を娘細胞において維持しながら幹細胞/前駆細胞が増殖するように誘導することを含む、幹細胞/前駆支持細胞の自己再生を誘導するための1H−ピロール−2,5−ジオン化合物およびその使用方法に関する。

Description

関連出願
本出願は、2017年4月11日に出願された米国出願第62/484,282号および2016年12月30日に出願された第62/441,060号の優先権を主張し、その各々の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本発明は、組織細胞に分化する能力を娘細胞において維持しながら幹細胞/前駆細胞が増殖するように誘導することを含む、幹細胞/前駆支持細胞の自己複製を誘導するための、1H−ピロール−2,5−ジオン化合物およびその使用方法に関する。
発明の背景
幹細胞は体内において複数の細胞種を生じさせる並外れた能力を示す。胚性幹細胞に加えて、組織特異的幹細胞が、発育の間、ならびに成人ではホメオスタシスおよび損傷修復において重要な役割を果たす。幹細胞は増殖することで自己複製し、分化することで組織特異的細胞種を生じさせる。異なる幹細胞の特徴は組織によって変わり、内因性の遺伝子状態およびエピジェネティック状態によって決定される。しかしながら、異なる幹細胞の自己複製と分化との間のバランスは全て厳密に制御されている。自己複製が制御されていなければ幹細胞が異常増殖し、腫瘍が形成される可能性がある一方で、分化が制御されていなければ幹細胞プールが枯渇して、組織ホメオスタシスを維持する能力が損なわれる可能性がある。したがって、幹細胞はその環境を絶えず感知し、増殖、分化、またはアポトーシスによって適切に応答する。幹細胞の増殖および分化のタイミングおよびその程度を制御することによって再生を推進することが望ましいだろう。経時的に取り除かれる小低分子を用いて増殖を制御することで、幹細胞の増殖および分化のタイミングおよびその程度を制御することが可能になるだろう。注目すべきことに、異なる組織に由来する組織幹細胞は、非常に状況依存的であるが、自己複製および分化を制御するための限られた数のシグナル伝達経路を共有する。これらの経路の一部がWnt経路およびGSK3経路である。
Lgr5は多様な組織にわたって発現しており、腸上皮(Barker et al.2007)、腎臓、毛包、および胃(Barker et al,2010、Haegebarth&Clevers,2009)などの様々な組織における成体幹細胞バイオマーカーとして同定されている。例えば、哺乳動物内耳有毛細胞がLGR5細胞に由来することが2011年に初めて公表された(Chai et al,2011、Shi et al.2012)。Lgr5はWnt/β−カテニン経路の既知の成分であり、Wnt/β−カテニン経路は分化、増殖、および幹細胞特徴の誘導において主要な役割を果たすことが示されている(Barker et al.2007)。
内耳の毛細胞が永久的な損傷すると感音難聴を生じ、集団の大部分において意思疎通が困難となる。有毛細胞は、音刺激を変換する受容体細胞である。損傷した毛細胞の再生は、現在は補綴具以外の療法がない状態の処置に対する手段を提供するであろう。有毛細胞は哺乳動物の蝸牛では再生しないが、下等脊椎動物では、有毛細胞を取り囲んでいる支持細胞と呼ばれる上皮細胞から新しい有毛細胞が生じる。
以前の研究は、有毛細胞の形成をもたらす遺伝子の活性化または強制発現によって支持細胞を有毛細胞へと分化転換することに焦点を合わせており、特に、Atoh1発現を増強する機構に焦点を合わせている(Bermingham et al.,1999、Zheng and Gao,2000、Izumikawa et al.,2005、Mizutari et al.,2013)。興味深いことに、Atoh1ベクターが形質導入された細胞は、前庭表現型を獲得し(Kawamoto et al.,2003、Huang et al.,2009、Yang et al.,2012,2013)、完全な発達を欠くことが示されている。述べたように、遺伝子挿入によるAtoh1のアップレギュレーションは、生来の蝸牛内では見出されない様式で挙動する非蝸牛細胞種を作り出すことが示されている。さらに、これらの方法は有毛細胞の数を増やすが支持細胞の数を減らす。支持細胞は専門化した役割を有することが知られているので(Ramirez−Camancho 2006、Dale and Jagger 2010)、これらの細胞が失われると適切な蝸牛機能に問題を引き起こす可能性がある。
したがって、損傷後に、存在する細胞の機能を保存/促進することができる新規な化合物の必要性が長年にわたり望まれたままである。
本開示は、式(I)の化合物
Figure 2020503340
ならびにその薬学的に許容される塩および互変異性体を提供し、式中、
は、CHまたはNであり、
は、CまたはNであり、
は、CまたはNであり、
ここで、Q、Q、およびQのうちの少なくとも1つはNであり、
は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−O−C〜Cアルキル、−NH、−NHC(O)R1a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R1aは、C〜Cアルキルであり、
は、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−O−C〜Cアルキル、−NH、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)、−NHC(O)R2a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R2aは、C〜Cアルキルであり、
は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−O−C〜Cアルキル、−NH、−NHC(O)R3a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R3aは、C〜Cアルキルであり、
Arは、
Figure 2020503340
からなる群から選択され、
−Z−W−X−Y−は、−C(R−C(R−N(R)−C(R−、−C(R−C(R−CH(R)−C(R−、または−C(R−CH(R)−C(R−であり、
各Rは、独立して水素、重水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルもしくはオキソを形成し、
各Rは、独立して水素、重水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルもしくはオキソを形成し、
あるいはRおよびRが、それらが結合している炭素と一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成し、
は、−CORX1、−SOX1、ヘテロアリール、および−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)からなる群から選択され、ここで、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)は、C〜Cアルキレン上で1〜4個のハロで任意選択で置換されていてもよく、
ここで、RX1はヘテロシクリルであり、ここで該ヘテロシクリルは、独立して重水素、ハロ、−[C(RX1a−CN、−CF、C〜Cアルキル、−(CH−OH、−[C(RX1a−OH、−[C(RX1a−O−C〜Cアルキル、−NHCOC〜Cアルキル、−CONHC〜Cアルキル、−COH、−COH、−[C(RX1a−COO−C〜Cアルキル、−(CH−NH、−[C(RX1a−NH、−[C(RX1a−NH−C〜Cアルキル、−[C(RX1a−N−(C〜Cアルキル)からなる群から選択される1〜12個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、pは、0、1、2、または3であり、各RX1aは、独立して水素、重水素、ハロ、−CF、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のRX1a基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成し、
あるいはRX1はN(RX2であり、ここで、RX2は、独立して水素、アルキル、置換アルキルから選択され、ここで、アルキル置換は、ハロ、複素環、および置換複素環であることができ、各Rは、独立して水素、重水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルもしくはオキソを形成し、
mは、0、1、または2である。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、以下の特徴のうちの1つ以上を有する:
a)該化合物は、
Figure 2020503340
ではないことを条件とする;
b)Arが
Figure 2020503340
であり、
Figure 2020503340

Figure 2020503340
である場合、RX1は、
Figure 2020503340
ではなく、
Figure 2020503340
でもないことを条件とする。
本開示は、式(Ia)の化合物:
Figure 2020503340
ならびにその薬学的に許容される塩および互変異性体を提供し、式中、
は、CHまたはNであり、
は、CまたはNであり、
は、CまたはNであり、
ここで、Q、Q、およびQのうちの少なくとも1つはNであり、
は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−O−C〜Cアルキル、−NH、−NHC(O)R3a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R1aは、C〜Cアルキルであり、
は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−O−C〜Cアルキル、−NH、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)、−NHC(O)R2a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R2aは、C〜Cアルキルであり、
は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−O−C〜Cアルキル、−NH、−NHC(O)R3a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R3aは、C〜Cアルキルであり、
Arは、
Figure 2020503340
からなる群から選択され、ここで、Arは、重水素、ハロ、アルキル、アルコキシ、およびCNで任意選択で置換されていてもよく、
は、S、O、CH、およびNRQ7から選択され、ここで、RQ7は、水素であるかまたは任意選択で置換されていてもよいC〜Cアルキルであり、
−Z−W−X−Y−は、−C(R−C(R−N(R)−C(R−、−C(R−C(R−CH(R)−C(R−、または−C(R−CH(R)−C(R−であり、
各Rは、独立して水素、重水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルもしくはオキソを形成し、
各Rは、独立して水素、重水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルもしくはオキソを形成し、
あるいはRおよびRが、それらが結合している炭素と一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成し、
は、水素、RX1、−CORX1、−SOX1、−(C〜Cアルキレン)−RX1からなる群から選択され、ここで、−(C〜Cアルキレン)−RX1は、C〜Cアルキレン上で1〜4個のハロで任意選択で置換されていてもよく、
ここで、RX1は、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、ここで該ヘテロシクリルは、独立して重水素、ハロ、−[C(RX1a−CN、−CF、C〜Cアルキル、−(CH−OH、−[C(RX1a−OH、−[C(RX1a−O−C〜Cアルキル、−NHCOC〜Cアルキル、CONHC〜Cアルキル、COH、−COH、−[C(RX1a−COO−C〜Cアルキル、−(CH−NH、−[C(RX1a−NH、−[C(RX1a−NH−C〜Cアルキル、−[C(RX1a−N−(C〜Cアルキル)からなる群から選択される1〜12個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、pは、0、1、2、または3であり、各RX1aは、独立して水素、重水素、ハロ、−CF、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のRX1a基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成し、
あるいはRX1はN(RX2であり、ここで、RX2は、独立して水素、アルキル、置換アルキルから選択され、ここで、アルキル置換は、ハロ、複素環、および置換複素環であることができ、
各Rは、独立して水素、重水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルもしくはオキソを形成し、
mは、0、1、または2である。
本開示は、式(Ib)の化合物:
Figure 2020503340
ならびにその薬学的に許容される塩および互変異性体を提供し、式中、
は、CHまたはNであり、
は、CまたはNであり、
は、CまたはNであり、
ここで、Q、Q、およびQのうちの少なくとも1つはNであり、ただし、QがCHであり、QがCである場合、QはNではなく、
は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−O−C〜Cアルキル、−NH、−NHC(O)R3a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R1aは、C〜Cアルキルであり、
は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−O−C〜Cアルキル、−NH、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)、−NHC(O)R2a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R2aは、C〜Cアルキルであり、
は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−O−C〜Cアルキル、−NH、−NHC(O)R3a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R3aは、C〜Cアルキルであり、
Arは、
Figure 2020503340
からなる群から選択され、ここで、Arは、重水素、ハロ、アルキル、アルコキシ、およびCNで任意選択で置換されていてもよく、
各Qは、独立してCRQ6およびNから選択され、RQ6は、水素、ハロ、−CN、低級アルキル、または置換アルキルであり、
は、S、O、CH、およびNRQ7から選択され、ここで、RQ7は、水素であるかまたは任意選択で置換されていてもよいC〜Cアルキルであり、
−Z−W−X−Y−は、−C(R−C(R−N(R)−C(R−、−C(R−C(R−CH(R)−C(R−、または−C(R−CH(R)−C(R−であり、
各Rは、独立して水素、重水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルもしくはオキソを形成し、
各Rは、独立して水素、重水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルもしくはオキソを形成し、
あるいはRおよびRが、それらが結合している炭素と一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成し、
は、水素、RX1、−CORX1、−SOX1、−(C〜Cアルキレン)−RX1からなる群から選択され、ここで、−(C〜Cアルキレン)−RX1は、C〜Cアルキレン上で1〜4個のハロで任意選択で置換されていてもよく、
ここで、RX1は、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、ここで該ヘテロシクリルは、独立して重水素、ハロ、−[C(RX1a−CN、−CF、C〜Cアルキル、−(CH−OH、−[C(RX1a−OH、−[C(RX1a−O−C〜Cアルキル、−NHCOC〜Cアルキル、CONHC〜Cアルキル、COH、−COH、−[C(RX1a−COO−C〜Cアルキル、−(CH−NH、−[C(RX1a−NH、−[C(RX1a−NH−C〜Cアルキル、−[C(RX1a−N−(C〜Cアルキル)からなる群から選択される1〜12個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、ここで、pは、0、1、2、または3であり、各RX1aは、独立して水素、重水素、ハロ、−CF、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のRX1a基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成し、
あるいはRX1はN(RX2であり、ここで、RX2は、独立して水素、アルキル、置換アルキルから選択され、ここで、アルキル置換は、ハロ、複素環、および置換複素環であることができ、
各Rは、独立して水素、重水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルもしくはオキソを形成し、
mは、0、1、または2である。
一態様において、本開示は、幹細胞の増殖方法であって、有効量の本明細書で提供される組成物を細胞集団に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、増殖は、notchアクチベーターまたはHDAC阻害剤の非存在下で起こる。
したがって、本開示の様々な実施形態の中でも、細胞集団におけるWnt経路を活性化して、集団の自己複製能(すなわち、同等の増殖能および「細胞運命特定」能をもつ娘細胞を繰り返し生じさせる能力)および分化能(すなわち、分化について特定された娘細胞を生成する能力)を高める方法が特に言及され得る。一実施形態において、細胞集団は蝸牛支持細胞集団である。好ましくは、Wnt経路は、集団のメンバーにおけるc−myc遺伝子の上流で、かつ集団が遺伝子組換えされることなく活性化される。これに代えて、Wnt経路は、好ましくは、このような活性を一過的に誘導する低分子によって活性化される。さらに、支持細胞集団は、LGR5であり、かつ、コルチ器官に内因性である支持細胞を含むことが好ましい。
本開示のさらなる態様は、蝸牛細胞集団に含まれる幹細胞/前駆支持細胞の自己複製を誘導するための方法である。すなわち、幹細胞/前駆支持細胞は、有毛細胞に分化する能力を娘細胞において維持しながら増殖する(すなわち、分裂して娘細胞を形成する)ように誘導される。対照的に、幹細胞/前駆支持細胞が(多分化能を維持することなく)増殖するようにしか誘導されないのであれば、娘細胞は有毛細胞に分化する能力を欠如しているであろう。さらに、既存の幹細胞/前駆細胞集団が分化するようにしか強制されなかったら、幹細胞プールが枯渇する可能性がある。増殖は、好ましくは、このような活性を一過的に誘導する低分子によって活性化される。さらに、特定の実施形態において、支持細胞集団は、LGR5+であり、かつ、コルチ器官に内因性である支持細胞を含むことが好ましい。
1H−ピロール−2,5−ジオン化合物を使用して幹細胞/前駆支持細胞の自己複製を誘導する、第1の態様の方法が提供される。いくつかの実施形態において、1H−ピロール−2,5−ジオン化合物は式(I)の化合物である。
したがって、特定の実施形態において、本開示は、幹細胞特性の誘導に関与することが既知である経路および機構、例えば、「人工多能性幹細胞」を作り出すのに用いられる経路および機構を活性化することによって、支持細胞集団の自己複製を誘導する方法を提供する。好ましくは、この経路は低分子で活性化される。例えば、化合物がインビトロで支持細胞集団に適用されたとき、この化合物は、集団が幹細胞増殖アッセイにおいて高い程度かつ高純度で増殖するように誘導し、また、集団が幹細胞分化アッセイにおいて高純度の組織細胞集団に分化することも可能にし得る。このような1つの実施形態において、本化合物は、何世代にもわたって分裂することができ、高い割合の結果として生じた細胞を組織細胞に分化させる能力を維持することができる幹細胞を生成するように増殖させることにより、幹細胞特性を誘導および維持する。さらに、増殖している幹細胞は、Lgr5、Sox2、Opeml、Phex、lin28、Lgr6、サイクリンD1、Msx1、Myb、Kit、Gdnf3、Zic3、Dppa3、Dppa4、Dppa5、Nanog、Esrrb、Rex1、Dnmt3a、Dnmt3b、Dnmt3l、Utf1、Tcl1、Oct4、Klf4、Pax6、Six2、Zic1、Zic2、Otx2、Bmi1、CDX2、STAT3、Smad1、Smad2、smad2/3、smad4、smad5、およびsmad7のうちの1つ以上を含んでもよい幹細胞マーカーを発現する。
特定の実施形態において、本開示は、細胞の親集団を含む蝸牛組織における蝸牛細胞集団を拡大するための方法を提供する。この実施形態において、本方法は、蝸牛組織において拡大した細胞集団を形成するために、蝸牛組織を幹細胞増殖剤と接触させることを含み、ここで、
幹細胞増殖剤は、(i)幹細胞増殖アッセイにおいて、増殖アッセイ期間にわたって増殖アッセイ初期細胞集団から増殖アッセイ最終細胞集団を形成することができ、かつ(ii)幹細胞分化アッセイにおいて、分化アッセイ期間にわたって分化アッセイ初期細胞集団から分化アッセイ最終細胞集団を形成することができ、ここで、
(a)増殖アッセイ初期細胞集団は、(i)増殖アッセイ初期の総細胞数、(ii)増殖アッセイ初期のLgr5細胞数、(iii)増殖アッセイ初期の有毛細胞数、(iv)増殖アッセイ初期の総細胞数に対する増殖アッセイ初期のLgr5細胞数の比に等しい、増殖アッセイ初期Lgr5細胞比率、および(v)増殖アッセイ初期の総細胞数に対する増殖アッセイ初期の有毛細胞数の比に等しい、増殖アッセイ初期有毛細胞比率、を有し、
(b)増殖アッセイ最終細胞集団は、(i)増殖アッセイ最終の総細胞数、(ii)増殖アッセイ最終のLgr5細胞数、(iii)増殖アッセイ最終の有毛細胞数、(iv)増殖アッセイ最終の総細胞数に対する増殖アッセイ最終のLgr5細胞数の比に等しい、増殖アッセイ最終Lgr5細胞比率、および(v)増殖アッセイ最終の総細胞数に対する増殖アッセイ最終の有毛細胞数の比に等しい、増殖アッセイ最終有毛細胞比率、を有し、
(c)分化アッセイ初期細胞集団は、(i)分化アッセイ初期の総細胞数、(ii)分化アッセイ初期のLgr5細胞数、(iii)分化アッセイ初期の有毛細胞数、(iv)分化アッセイ初期の総細胞数に対する分化アッセイ初期のLgr5細胞数の比に等しい、分化アッセイ初期Lgr5細胞比率、および(v)分化アッセイ初期の総細胞数に対する分化アッセイ初期の有毛細胞数の比に等しい、分化アッセイ初期有毛細胞比率、を有し、
(d)分化アッセイ最終細胞集団は、(i)分化アッセイ最終の総細胞数、(ii)分化アッセイ最終のLgr5細胞数、(iii)分化アッセイ最終の有毛細胞数、(iv)分化アッセイ最終の総細胞数に対する分化アッセイ最終のLgr5細胞数の比に等しい、分化アッセイ最終Lgr5細胞比率、および(v)分化アッセイ最終の総細胞数に対する分化アッセイ最終の有毛細胞数の比に等しい、分化アッセイ最終有毛細胞比率、を有し、
(e)増殖アッセイ最終のLgr5細胞数は、増殖アッセイ初期のLgr5細胞数より少なくとも10倍多く、
(f)分化アッセイ最終の有毛細胞数はゼロではない数である。
上記のアッセイは、notchアクチベーターまたはHDAC阻害剤を適用することを含まない。
特定の実施形態において、本開示は、蝸牛細胞集団における支持細胞の細胞密度を増加させるための方法を提供する。本方法は、支持細胞における幹細胞特性を誘導する経路および機構を活性化し、(新たに形成された娘細胞における支持細胞の多分化能を維持しながら)活性化された支持細胞を増殖させ、その後、拡大した集団が有毛細胞へと分化して、拡大した蝸牛細胞集団を形成することを可能とすること(またはさらに誘導すること)を含み、拡大した蝸牛細胞集団における有毛細胞の細胞密度は、元の(拡大してない)蝸牛細胞集団における有毛細胞の細胞密度より大きい。いくつかの実施形態において、このような増殖は、notchアクチベーターまたはHDAC阻害剤の非存在下で起こる。いくつかの実施形態において、支持細胞集団はインビトロ支持細胞集団である。この実施形態において、支持細胞集団はインビボ支持細胞集団である。さらに、増殖段階は、好ましくは、蝸牛構造の生来の構造を実質的に維持するように制御される。増殖は、そのような活性を一過的に誘導する本明細書に記載の化合物によって誘導され、c−mycの誘導によって誘導されるのではなく、集団の遺伝子修飾を伴わない。いくつかの実施形態において、このような増殖は、notchアクチベーターまたはHDAC阻害剤の非存在下で起こる。さらに、特定の実施形態において、支持細胞集団は、LGR5であり、かつ、コルチ器官に内因性である支持細胞を含むことが好ましい。
特定の実施形態において、本開示は、蝸牛細胞集団におけるLgr5支持細胞の細胞密度を増加させるための方法を提供する。本方法は、Lgr5支持細胞における幹細胞特性を誘導または維持する経路および機構を活性化し、(そのような幹細胞特性を維持しながら)活性化されたLgr5支持細胞を増殖させ、その後、拡大した集団が有毛細胞へと分化して、拡大した蝸牛細胞集団を形成することを可能とすること(またはさらに誘導すること)を含み、拡大した蝸牛細胞集団における有毛細胞の細胞密度は、元の(拡大していない)蝸牛細胞集団における有毛細胞の細胞密度より大きい。蝸牛細胞集団におけるLgr5 支持細胞の細胞密度を増加させるためのいくつかの実施形態において、細胞密度のこのような増加は、notchアクチベーターまたはHDAC阻害剤の非存在下で起こる。いくつかの実施形態において、Lgr5支持細胞集団はインビトロLgr5幹細胞集団である。他の実施形態において、Lgr5支持細胞集団はインビボ支持細胞集団である。さらに、特定の実施形態において、増殖段階は、好ましくは、蝸牛構造の生来の構造を実質的に維持するように制御される。
特定の実施形態において、本開示は、蝸牛細胞の初期集団における有毛細胞の細胞密度を増加させるための方法であって、初期集団(インビボ集団でもまたはインビトロ集団でもよい)が、毛細胞、Lgr5支持細胞、およびLgr5支持細胞を含む、方法を提供する。蝸牛細胞の初期集団における有毛細胞の細胞密度を増加させるためのいくつかの実施形態において、細胞密度のこのような増加は、notchアクチベーターまたはHDAC阻害剤の非存在下で起こる。本方法は、本明細書に記載の化合物を初期集団に投与することを含む。
特定の実施形態において、本方法は、幹細胞マーカーLgr5を発現する幹細胞増殖アッセイにおいて幹細胞を生成する。特定の実施形態において、Lgr5および非Lgr5幹の混合集団が幹細胞増殖アッセイに配置されたとき、本方法は、Lgr5である集団における細胞の比率を増加させる。いくつかの実施形態において、幹細胞増殖アッセイにおける幹細胞のこのような生成は、notchアクチベーターまたはHDAC阻害剤の非存在下で起こる。
蝸牛構造の生来の構造を破壊する程度まで支持細胞集団が拡大すると、蝸牛機能が阻害される可能性がある。低分子シグナルを用いて既存の支持細胞の増殖を推進することで、特定の細胞種を標的化することができず、かつ、細胞の遺伝情報を恒久的に変えることができない遺伝子送達を用いるよりも制御された有毛細胞の再生が可能になり得る。有毛細胞が何列も並んでおり、その間に支持細胞がある、ほぼ正常な蝸牛構造が望ましく、有毛細胞は他の有毛細胞と接触していない。さらに、器官の解剖学的構造を破壊する大きな細胞凝集を蝸牛において作り出すように増殖を推進する遺伝子組換えの使用を回避することが望ましいであろう。
特定の実施形態において、本開示は、有毛細胞および支持細胞を含む蝸牛細胞の初期集団において有毛細胞の細胞密度を増加させるための方法を提供する。本方法は、初期集団における支持細胞の数を選択的に増大させて、中間蝸牛細胞集団を形成することを含み、中間蝸牛細胞集団における有毛細胞の数に対する支持細胞の数の比が初期蝸牛細胞集団における有毛細胞の数に対する支持細胞の数の比より大きい。本方法は、拡大した蝸牛細胞集団を形成するために、中間蝸牛細胞集団において有毛細胞を産生することをさらに含み、ここで、拡大した蝸牛細胞集団における、支持細胞の数に対する有毛細胞の数の比は、中間蝸牛細胞集団における支持細胞の数に対する有毛細胞の数の比より大きい。いくつかの実施形態において、本方法は、notchアクチベーターまたはHDAC阻害剤の使用を含まない。
特定の実施形態において、本開示は、Lgr5支持細胞の数を増加させるか、または蝸牛細胞の初期集団における Lgr5活性を増加させるための方法であって、初期集団が支持細胞および有毛細胞を含む、方法を提供する。例えば、そのような1つの方法において、Lgr5支持細胞の数が初期集団と比べて増幅された中間集団が形成される。あるいは、そのような1つの方法において、初期集団に対して支持細胞のLgr5活性が増加した中間集団が形成される。あるいは、通常はLgr5を欠如しているか、または非常に低いレベルのLgr5を有する細胞種においてLgr5発現を活性化することにより、Lgr5細胞数を初期細胞集団に対して増加させる方法である。いくつかの実施形態において、これらの代替方法は、notchアクチベーターまたはHDAC阻害剤の使用を含まない。さらなる例として、初期蝸牛細胞集団と比べてLgr5支持細胞の数が増大し、およびLgr5活性が増加した中間集団が形成される。その後、中間蝸牛細胞集団において毛細胞が産生されて、拡大した蝸牛細胞集団が形成され得、ここで、拡大した蝸牛細胞集団における、支持細胞に対する有毛細胞の比は、中間蝸牛細胞集団における支持細胞に対する有毛細胞の比より大きい。
本開示の前述の実施形態の各々において、幹細胞性(stemness)は、Wntを活性化するかまたはGSK3活性を阻害することによって誘導される。いくつかの実施形態において、幹細胞性を誘導することは、notchアクチベーターまたはHDAC阻害剤の使用を含まない。
特定の実施形態において、本開示は、聴覚機能不全を予防および処置するための方法を提供する。例えば、特定の実施形態において、本開示は、対象における聴覚障害を予防または処置するための方法であって、有効量の本明細書中で提供される化合物を上記対象に投与することを含む、方法を提供する。
特定の実施形態において、本開示はまた、本明細書に記載の細胞のエクスビボ使用にも関する。例えば、本明細書に記載のアプローチは、ハイスルースクリーニングのために、および発見目的で使用することができる。例えば、本開示の特定の実施形態は、有毛細胞前駆体を増殖させる、および/または有毛細胞の数を増加させる薬剤を同定するのに有用であり、(例えば、生存を支持するために)支持細胞および/または有毛細胞を保護する薬剤を同定するのにも有用であり、支持細胞または有毛細胞を含む分化した子孫に対して毒性があるまたは毒性がない薬剤を同定するのにも有用である。
特定の実施形態において、本開示は、対象における聴覚系の細胞の喪失もしくは死を阻害するための方法であって、有効量の本明細書に記載の組成物またはその誘導体もしくはその薬学的に許容される塩および許容される担体または賦形剤を上記対象に投与し、それによって、対象における聴覚系の細胞の喪失もしくは死を阻害することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、本方法は、notchアクチベーターまたはHDAC阻害剤の使用を含まない。
特定の実施形態において、本開示は、対象における聴覚系の細胞の増殖を維持または促進するための方法であって、本明細書に記載の薬剤またはその誘導体もしくはその薬学的に許容される塩を内因性の修復を増強または開始するのに有効な量で上記対象に投与し、それによって、対象における聴覚系の細胞の増殖を維持または促進することを含む、方法を提供する。
親細胞集団を含む、蝸牛組織における蝸牛細胞集団を拡大するための方法もまた本明細書に記載され、該親細胞集団は支持細胞および多数のLgr5細胞を含み、本方法は、蝸牛組織において、拡大した細胞集団を形成するために、蝸牛組織を幹細胞増殖剤と接触させることを含み、該幹細胞増殖剤が、(i)幹細胞増殖アッセイにおいて、幹細胞増殖アッセイ細胞集団におけるLgr5細胞の数を少なくとも10倍増やすことができ、(ii)幹細胞分化アッセイにおいて、Lgr5細胞を含む細胞集団から有毛細胞を形成することができる。蝸牛細胞集団を拡大するためのいくつかの実施形態において、本方法は、notchアクチベーターまたはHDAC阻害剤の使用を含まない。
親細胞集団を含む蝸牛組織において蝸牛細胞集団を拡大するための方法もまた本明細書に記載され、該親細胞集団は支持細胞を含み、本方法は、蝸牛組織において、拡大した細胞集団を形成するために、蝸牛組織を幹細胞増殖剤と接触させることを含む。幹細胞増殖剤は、(i)幹細胞増殖アッセイにおいて、増殖アッセイ期間にわたって増殖アッセイ初期細胞集団から増殖アッセイ最終細胞集団を形成することができ、(ii)幹細胞分化アッセイにおいて、分化アッセイ期間にわたって分化アッセイ初期細胞集団から分化アッセイ最終細胞集団を形成することができ、(a)増殖アッセイ初期細胞集団は、(i)増殖アッセイ初期の総細胞数、(ii)増殖アッセイ初期のLgr5細胞数、(iii)増殖アッセイ初期の有毛細胞数、(iv)増殖アッセイ初期の総細胞数に対する増殖アッセイ初期のLgr5細胞数の比に等しい、増殖アッセイ初期Lgr5細胞比率、および(v)増殖アッセイ初期の総細胞数に対する増殖アッセイ初期の有毛細胞数の比に等しい、増殖アッセイ初期有毛細胞比率を有し、(b)増殖アッセイ最終細胞集団は、(i)増殖アッセイ最終の総細胞数、(ii)増殖アッセイ最終のLgr5細胞数、(iii)増殖アッセイ最終の有毛細胞数、(iv)増殖アッセイ最終の総細胞数に対する増殖アッセイ最終のLgr5細胞数の比に等しい、増殖アッセイ最終Lgr5細胞比率、および(v)増殖アッセイ最終の総細胞数に対する増殖アッセイ最終の有毛細胞数の比に等しい、増殖アッセイ最終有毛細胞比率を有し、(c)分化アッセイ初期細胞集団は、(i)分化アッセイ初期の総細胞数、(ii)分化アッセイ初期のLgr5細胞数、(iii)分化アッセイ初期の有毛細胞数、(iv)分化アッセイ初期の総細胞数に対する分化アッセイ初期のLgr5細胞数の比に等しい、分化アッセイ初期Lgr5細胞比率、および(v)分化アッセイ初期の総細胞数に対する分化アッセイ初期の有毛細胞数の比に等しい、分化アッセイ初期有毛細胞比率を有し、(d)分化アッセイ最終細胞集団は、(i)分化アッセイ最終の総細胞数、(ii)分化アッセイ最終のLgr5細胞数、(iii)分化アッセイ最終の有毛細胞数、(iv)分化アッセイ最終の総細胞数に対する分化アッセイ最終のLgr5細胞数の比に等しい、分化アッセイ最終Lgr5細胞比率、および(v)分化アッセイ最終の総細胞数に対する分化アッセイ最終の有毛細胞数の比に等しい、分化アッセイ最終有毛細胞比率を有し、(e)増殖アッセイ最終のLgr5細胞数は、増殖アッセイ初期のLgr5細胞数の少なくとも10倍より多く、(f)分化アッセイ最終の有毛細胞数はゼロではない数である。上記のアッセイのいくつかの実施形態において、アッセイは、notchアクチベーターまたはHDAC阻害剤の使用を含まない。
Lgr5細胞の増殖アッセイ最終数は、Lgr5細胞の増殖アッセイ初期数より少なくとも50倍、または少なくとも100倍多くてもよい。蝸牛組織における拡大した細胞集団は、親集団よりも多い数の有毛細胞を含んでもよい。増殖アッセイ最終Lgr5細胞比率は、分化アッセイ初期Lgr5細胞比率より少なくとも2倍多くてもよい。分化アッセイ最終有毛細胞比率は、増殖アッセイ初期有毛細胞比率より少なくとも2倍多くてもよい。増殖アッセイ最終有毛細胞比率は、増殖アッセイ初期有毛細胞比率より少なくとも25%少なくてもよい。増殖アッセイ最終Lgr5細胞比率は、増殖アッセイ初期Lgr5細胞比率より少なくとも10%多くてもよい。蝸牛組織の1つ以上の形態学的特徴を維持することができる。生来の形態を維持することができる。幹細胞増殖剤を、生体適合性ゲルまたは生体適合性発泡体でもよい生体適合性マトリックス中に分散させることができる。蝸牛組織はインビボ蝸牛組織またはエクスビボ蝸牛組織であってもよい。本方法は、s期にあるLgr5細胞の集団を生成することができる。蝸牛組織は対象内にあってもよく、蝸牛組織と化合物との接触は化合物を対象に経鼓膜的に(trans-tympanically )投与することによって達成することができる。蝸牛組織と化合物との接触により、対象の聴覚機能を改善することができる。
難聴を有するかまたはそれを発症するリスクのある対象を処置する方法も本明細書に記載される。本方法は、本明細書中に提供される対象化合物を蝸牛組織に経鼓膜的に投与することを含むことができる。
Myo7a+蝸牛細胞を産生する方法も本明細書に記載される。本方法は、Lgr5+蝸牛細胞を本明細書で提供される化合物と接触させ、それにより、拡大したLgr5+細胞集団を産生し、それにより、Myo7a+蝸牛細胞を産生する。
他の目的および特徴は一部は明らかであり、一部は下記で指摘される。
定義
本出願において、「または」の使用は、特に定めのない限り、「および/または」を意味する。本出願において使用する場合、「含む(comprise)」という用語およびこの用語の変形、例えば、「含む(comprising)」および「含む(comprises)」は、他の添加物、成分、整数、または工程を除外することを意図しない。本出願において使用する場合、「約(about)」および「約(approximately)」という用語は同義語として用いられる。約(about/approximately)を伴ってまたは伴わずに本出願で用いられる任意の数字は、関連する分野の当業者によって理解される任意の通常の変動を包含することが意図される。特定の実施形態において、「約(approximately)」および「約(about)」という用語は、特に定めのない限り、または文脈から明らかにされていない限り(このような数字が、あり得る値の100%より大きい場合を除いて)、言及した参照値のいずれかの(より大きいまたはより小さい)方向における25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれより少ない%の範囲内にある値の範囲を指す。
「投与」とは、物質を対象に導入することを指す。いくつかの実施形態において、投与は、例えば注射による、耳介、耳介内、蝸牛内、前庭内、または経鼓膜的投与である。いくつかの実施形態において、投与は内耳への直接投与であり、例えば、正円窓(round)もしくは卵円窓(oval)、耳嚢、または前庭階を通る注射である。いくつかの実施形態において、投与は、蝸牛移植片送達系による内耳への直接投与である。いくつかの実施形態において、物質は中耳に経鼓膜的に注射される。特定の実施形態において、「投与されるようにする」とは、第1の成分がすでに投与された後に、(例えば、異なる時間でおよび/または異なる行為者によって)第2の成分が投与されることを指す。
「抗体」とは、免疫原結合能力を有する、免疫グロブリンポリペプチドまたはその断片を指す。
本明細書で使用する場合、「アゴニスト」とは、標的遺伝子、タンパク質、または経路の発現もしくは活性を増加させる薬剤である。したがって、アゴニストは、標的遺伝子またはタンパク質に対するこの生理学的作用を直接的または間接的に引き起こす何らかのやり方で、その同族受容体に結合し、これを活性化することができる。アゴニストはまた、経路成分の活性を調整することによって、例えば、経路の負の制御因子の活性を阻害することによって、経路の活性を増加させることができる。したがって、「Wntアゴニスト」は、Wnt経路の活性を増加させる薬剤と定義することができ、これは、細胞におけるTCF/LEF媒介性の転写の増加によって測定することができる。したがって、「Wntアゴニスト」は、任意および全てのWntファミリータンパク質、細胞内β−カテニン分解の阻害剤、およびTCF/LEFのアクチベーターを含む、Frizzled受容体ファミリーメンバーに結合し、これを活性化する真のWntアゴニストであり得る。
「アンタゴニスト」とは、受容体に結合し、次いで、他の分子による結合を減少させるかまたはなくす薬剤を指す。
「アンチセンス」とは、長さに関係なく、核酸配列のコード鎖またはmRNAに相補的な核酸配列を指す。アンチセンスRNAを個々の細胞、組織、またはオルガノイドに導入することができる。アンチセンス核酸は、修飾された骨格、例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、もしくは当技術分野で既知の他の修飾された骨格を含んでもよく、または非天然ヌクレオシド間結合を含んでもよい。
本明細書において言及される場合、「相補的核酸配列」とは、相補的ヌクレオチド塩基対からなる別の核酸配列とハイブリダイズすることができる核酸配列である。「ハイブリダイズする」とは、好適なストリンジェンシー条件下で、相補的ヌクレオチド塩基の間で二本鎖分子を形成するように対形成する(例えば、DNAではアデニン(A)がチミン(T)と塩基対を形成し、同様に、グアニン(G)がシトシン(C)と塩基対を形成する)ことを意味する(例えば、Wahl,G.M.and S.L.Berger(1987)Methods Enzymol.152:399、Kimmel,A.R.(1987)Methods Enzymol.152:507を参照のこと)。
「耳介投与」とは、鼓膜を通過して対象の内耳に組成物を投与するためにカテーテルまたはウィック(wick)デバイスを使用する方法を指す。ウィックまたはカテーテルの挿入を容易にするために、鼓膜には、適切な大きさの注射器またはピペットを用いて穴があけられてもよい。デバイスはまた、当業者に既知の他の任意の方法、例えば、デバイスの外科的移植を用いて挿入することもできる。特定の実施形態において、ウィックまたはカテーテルデバイスは独立型デバイスでもよく、該独立型デバイスとは、デバイスが対象の耳に挿入され、次いで、組成物が内耳に制御可能に放出されることを意味する。他の特定の実施形態において、ウィックまたはカテーテルデバイスは、さらなる組成物の投与を可能にするポンプまたは他のデバイスに取り付けられ、または連結されてもよい。ポンプは、投与単位を送達するように自動プログラミングされてもよく、または対象もしくは医療従事者によって制御されてもよい。
本明細書で使用する「生体適合性マトリックス」とは、治療剤を放出するためにヒトへの投与が許容されているポリマー担体である。生体適合性マトリックスは、生体適合性ゲルまたは生体適合性発泡体であってもよい。
本明細書で使用する「細胞凝集物」とは、直径が40ミクロン超の所与の細胞種のクラスターを形成するように増殖した、および/または3つを超える細胞層が基底膜に対して垂直に存在する形態を生じた、コルチ器官における細胞の集まりを意味する。「細胞凝集物」はまた、1つ以上の細胞種が網状層または内リンパと外リンパとの間の境界を突破することを生じさせる細胞の集まりが、細胞分裂によって作り出されるプロセスを指すことができる。
特定の細胞種に関連して本明細書で使用する「細胞密度」とは、代表的顕微鏡試料における面積あたりのその細胞種の平均数である。細胞種には、Lgr5細胞、有毛細胞、または支持細胞が含まれてもよいが、これらに限定されない。細胞密度は、蝸牛またはコルチ器官を含むが、これらに限定されない、所与の器官または組織における所与の細胞種を用いて評価され得る。例えば、コルチ器官におけるLgr5細胞密度は、コルチ器官にわたって測定されたときのLgr5細胞の細胞密度である。典型的には、支持細胞および Lgr5細胞は、コルチ器官の横断面を見ることによって数え上げるであろう。典型的には、有毛細胞はコルチ器官の表面を見下ろすことによって数え上げるであろうが、場合によっては、代表的顕微鏡試料で記載するように、横断面が用いられる場合がある。典型的には、Lgr5細胞の細胞密度は、代表的顕微鏡試料で記載するように、コルチ器官のホールマウント調製物を分析し、上皮の表面に沿って所与の距離にわたってLgr5細胞数を計数することによって測定される。有毛細胞は、形態学的特徴、例えば、束(bundle)または有毛細胞に特異的な染色(例えば、ミオシンVIIa、プレスチン(Prestin)、vGlut3、Pou4f3、エスピン(Espin)、コンジュゲートされたファロイジン(conjugated−Phalloidin)、PMCA2、Ribeye、Atoh1など)によって同定されてもよい。Lgr5細胞は、特異的な染色または抗体(例えば、Lgr5−GFPトランスジェニックレポーター、抗Lgr5抗体など)によって同定されてもよい。
本明細書で使用する「蝸牛における濃度」とは、蝸牛液をサンプリングすることによって測定されたときの所与の薬剤の濃度である。特に注記しない限り、試料は、蝸牛における薬剤の平均濃度をほぼ表すように、かなり十分な蝸牛液部分を含まなければならない。例えば、試料は前庭階から採取されてもよく、個々の試料が蝸牛の指定部分における蝸牛液からなるように、一連の液体試料が連続して採取されてもよい。
「相補的核酸配列」とは、相補的ヌクレオチド塩基対からなる別の核酸配列とハイブリダイズすることができる核酸配列を指す。
特定の細胞種に関連して本明細書で使用する「横断面細胞密度」とは、代表的顕微鏡試料における組織を通る横断面の面積あたりの細胞種の平均数である。コルチ器官の横断面を使用して、所与の面における細胞数を決定することもできる。典型的には、有毛細胞の横断面細胞密度は、代表的顕微鏡試料で記載するように、コルチ器官のホールマウント調製物を分析し、上皮の一部に沿って見られる横断面における所与の距離にわたって有毛細胞の数を計数することによって測定される。典型的には、Lgr5細胞の横断面細胞密度は、代表的顕微鏡試料で記載するように、コルチ器官のホールマウント調製物を分析し、上皮の一部に沿って見られる横断面における所与の距離にわたってLgr5細胞の数を計数することによって測定される。有毛細胞は、形態学的特徴、例えば、束または有毛細胞に特異的な染色対象(好適な染色対象には、例えば、ミオシンVIIa、プレスチン、vGlut3、Pou4f3、コンジュゲートされたファロイジン、PMCA2、Atoh1などが含まれる)によって同定されてもよい。Lgr5細胞は、特異的な染色または抗体によって特定されてもよい(好適な染色対象および抗体には、Lgr5 mRNAの蛍光インサイチューハイブリダイゼーション、Lgr5−GFPトランスジェニックレポーター系、抗Lgr5抗体などが含まれる)。
「減少させる」とは、例えば、参照のレベルと比較して、少なくとも5%、例えば、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%減少させることを指す。
「減少させる」はまた、例えば、参照のレベルと比較して、少なくとも1倍、例えば、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、またはそれより多く減少させることも意味する。
本明細書で使用する「分化期間」とは、有効分化阻害濃度無しでの有効幹細胞性推進剤濃度がある期間である。
「有効濃度」とは、幹細胞性推進剤については有効幹細胞性推進剤濃度でもよく、または分化阻害剤ついては有効分化阻害濃度でもよい。
「有効分化阻害濃度」とは、幹細胞増殖アッセイの終了時において、幹細胞増殖アッセイの開始時と比較して、細胞の全集団のうちの有毛細胞である比率が50%を超えて増加させない、分化阻害剤の最小濃度である。有効分化阻害濃度の測定では、細胞に対する有毛細胞染色をフローサイトメトリーとともに用いて、Atoh1−GFPマウスではないマウス系統について有毛細胞を定量化してもよい。あるいは、Atoh1−GFP マウス系統を用いてもよい。
本明細書で使用する「有効放出速度(質量/時間)とは、有効濃度(質量/体積)*30μL/1時間である。
「有効幹細胞性推進剤濃度」とは、幹細胞性推進剤は用いずかつ他の全ての成分は同じ濃度で存在する幹細胞増殖アッセイにおけるLgr5+細胞の数と比較して、幹細胞増殖アッセイにおいてLGR5+細胞数の少なくとも約1.5倍の増加を誘導する幹細胞性推進剤の最小濃度である。
「なくす」とは、検出不可能なレベルまで減少させることを意味する。
「生着する」または「生着」とは、既存の組織細胞と接触することによって、インビボで幹細胞または前駆細胞が関心のある組織に組み込まれるプロセスを指す。「上皮前駆細胞」とは、上皮細胞を生じる細胞系列に限定される能力を有する多能性細胞を指す。
「上皮幹細胞」とは、上皮細胞を生じる細胞系列を含む複数の細胞系列に拘束される能力を有する多能性細胞を指す。
「断片」とは、ポリペプチドまたは核酸分子の一部を指す。この部分は、好ましくは、参照核酸分子またはポリペプチドの全長の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%を含む。断片は、10個、20個、30個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、または100個、200個、300個、400個、500個、600個、700個、800個、900個、または1000個のヌクレオチドまたはアミノ酸を含んでもよい。
「GSK3阻害剤」は、GSK3、GSK−3α、および/またはGSK−3βの活性を阻害する組成物である。
本明細書で互換的に使用される「GSK3ベータ」、「GSK3β」、および「GSK3B」 は、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3βの頭字語である。
「GSK3β 阻害剤」は、GSK3βの活性を阻害する組成物である。
「ハイブリダイズする」とは、好適なストリンジェンシー条件下で、相補的ポリヌクレオチド塩基の間で二本鎖分子を形成するように対形成する(例えば、DNAではアデニン(A)がチミン(T)と塩基対を形成し、同様に、グアニン(G)がシトシン(C)と塩基対を形成する)ことを指す。(例えば、Wahl,G.M.and S.L.Berger(1987)Methods Enzymol.152:399、Kimmel,A.R.(1987)Methods Enzymol.152:507を参照のこと)。
「阻害剤」とは、標的遺伝子または標的タンパク質の発現または活性をそれぞれ減少させる薬剤を指す。「アンタゴニスト」は、阻害剤であり得るが、より特定的には、受容体に結合し、次いで、他の分子による結合を減少させるかまたはなくす薬剤である。
本明細書で使用する場合、「阻害性核酸」とは、哺乳動物細胞に投与されたときに、標的遺伝子の発現を減少させる、二本鎖RNA、RNA干渉、miRNA、siRNA、shRNA、もしくはアンチセンスRNA、もしくはそれらの一部、またはそれらのミメティックである。典型的には、核酸阻害剤は、標的核酸分子の少なくとも一部もしくはそのオーソログを含むか、または標的核酸分子の相補鎖の少なくとも一部を含む。典型的には、標的遺伝子の発現は、10%、25%、50%、75%、またはさらには90〜100%低減される。
「インビトロLgr5活性」とは、インビトロ細胞集団におけるLgr5の発現または活性レベルを指す。例えば、B6.129P2−Lgr5tm1(cre/ERT2)Cle/J マウス(Lgr5−EGFP−IRES−creERT2マウスまたはLgr5−GFPマウスとして既知でもある、Jackson研究所ストック番号008875)などのLgr5−GFP発現マウスに由来する細胞において、細胞を単一細胞に解離し、ヨウ化プロピジウム(PI)で染色し、フローサイトメーターを用いてLgr5−GFP発現について細胞を分析することにより、インビトロLgr5活性を測定してもよい。同じ培養手順および分析手順を経た野生型(非Lgr5−GFP)に由来する内耳上皮細胞を負の対照として用いることができる。典型的には、GFP陽性集団およびGFP陰性集団の両方を含む2つの細胞集団は、一方の変数としてGFP/FITCを用いた二変数プロットに示される。Lgr5陽性細胞は、GFP陽性細胞集団をゲーティングすること(gating)によって同定される。Lgr5陽性細胞の割合は、GFP陰性集団および負の対照の両方に対してGFP陽性細胞集団をゲーティングすることによって測定される。Lgr5陽性細胞の数は、細胞の総数にLgr5陽性細胞の割合を掛けることによって計算される。非Lgr5−GFPマウスに由来する細胞について、Lgr5活性は、抗Lgr5抗体またはLgr5遺伝子に対する定量化PCRを用いて測定することができる。
本明細書で使用する「インビボLgr5活性」とは、対象におけるLgr5の発現または活性レベルである。インビボLgr5活性は、例えば、動物の内耳を取り出し、Lgr5タンパク質またはLgr5 mRNAを測定することによって測定してもよい。Lgr5タンパク質の生成は、蝸牛試料を画像化することによって決定される蛍光強度を測定するための抗Lgr5抗体を用いて測定することができ、ここでは、蛍光強度はLgr5の存在の尺度として用いられる。抗Lgr5抗体を用いてウエスタンブロットを使用することができ、ここでは、細胞を処置された器官から採取して、Lgr5タンパク質の増加を決定することができる。定量化PCRまたはRNAインサイチューハイブリダイゼーションを用いて、Lgr5 mRNA生成の相対変化を測定することができ、ここでは、細胞を内耳から採取して、Lgr5 mRNAの変化を決定することができる。あるいは、Lgr5の発現は、Lgr5プロモーターによって駆動されるGFPレポータートランスジェニック系を用いて測定することができ、ここでは、GFP蛍光の存在または強度をフローサイトメトリー、画像化を用いて直接検出するか、または抗GFP抗体を用いて間接的に検出することができる。
「増加させる」とはまた、例えば、参照標準のレベルと比較して、参照標準のレベルと比較して、少なくとも1倍、例えば、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、またはそれより多く増加させることを意味する。
「増加させる」とは、例えば、参照のレベルと比較して、少なくとも5%、例えば、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、100%、またはそれより多く増加させることを指す。
「耳介内投与」とは、組成物を直接注射することによって対象の中耳または内耳に組成物を投与することを指す。
「蝸牛内」投与は、鼓膜を通過し、および正円窓膜または卵円窓膜を通過して、蝸牛に組成物を直接注射することを指す。
「前庭内」投与は、鼓膜を通過し、および正円窓膜または卵円窓膜を通過して、前庭器官に組成物を直接注射することを指す。
「単離された」とは、天然状態で見出されるような通常は材料に付随する成分を様々な程度まで含まない材料を指す。「単離する」とは、元の供給源または周囲からの、ある程度の分離を表す。
「Lgr5」は、ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役受容体5(Leucine−rich repeat−containing G−protein coupled receptor 5)の頭字語であり、Gタンパク質共役受容体49(GPR49)またはGタンパク質共役受容体67(GPR67)としても既知である。Lgr5は、ヒトではLgr5遺伝子によってコードされるタンパク質である。
「Lgr5活性」は、細胞集団におけるLgr5活性のレベルとして定義される。インビトロ細胞集団では、Lgr5活性をインビトロLgr5活性アッセイにおいて測定してもよい。インビボ細胞集団では、Lgr5活性をインビボLgr5活性アッセイにおいて測定してもよい。
本明細書で使用する「Lgr5細胞」または「Lgr5陽性細胞」とは、Lgr5を発現する細胞である。本明細書で使用する「Lgr5細胞」とは、Lgr5ではない細胞である。
本明細書で使用する「系統追跡(Lineage Tracing)」とは、レポーター誘導時に標的遺伝子を発現する任意の細胞の運命追跡を可能にするマウス系統を使用することである。これは、有毛細胞または支持細胞の遺伝子(Sox2、Lgr5、ミオシンVIIa、Pou4f3など)を含んでもよい。例えば、系統追跡は、誘導されると、Lgr5を発現した細胞の運命を誘導時に追跡することができる、レポーターマウスと交雑したLgr5−EGFP−IRES−creERT2マウスを使用してもよい。さらなる例として、Lgr5細胞を単離して単一細胞にし、幹細胞増殖アッセイにおいて培養してコロニーを作製し、次いで、その後に分化アッセイにおいて分化させ、有毛細胞および/または支持細胞のタンパク質を染色し、有毛細胞の染色または支持細胞の染色のいずれかを用いてレポーター共局在を決定して、Lgr5細胞の運命を決定することによって細胞運命を分析することができる。さらに、系統追跡は、蝸牛外植片において、処置後の無傷の器官内での支持細胞または有毛細胞の運命を追跡するために行うことができる。例えば、Lgr5細胞運命は、レポーターマウスと交雑したLgr5−EGFP−IRES−creERT2マウスから蝸牛を単離し、処置前または処置中にLgr5細胞においてレポーターを誘導することによって決定することができる。次いで、有毛細胞および/または支持細胞のタンパク質を染色し、有毛細胞の染色または支持細胞の染色のいずれかを用いてレポーター共局在を決定して、Lgr5細胞の運命を決定することによって、細胞運命について器官を分析することができる。さらに、系統追跡は、インビボで、処置後の無傷の器官内での支持細胞または有毛細胞の運命を追跡するために行うことができる。例えば、Lgr5細胞運命は、レポーターマウスと交雑したLgr5−EGFP−IRES−creERT2マウスにおいてレポーターを誘導し、動物を処置し、次いで、蝸牛を単離することによって決定することができる。次いで、有毛細胞および/または支持細胞のタンパク質を染色し、有毛細胞の染色または支持細胞の染色のいずれかを用いてレポーター共局在を決定して、Lgr5細胞の運命を決定することにより、細胞運命について器官を分析することができる。系統追跡は、当技術分野で標準であるような関心のある別のレポーターを用いて行ってもよい。
「哺乳動物」とは、ヒト、マウス、ラット、ヒツジ、サル、ヤギ、ウサギ、ハムスター、ウマ、雌ウシ(cow)、またはブタを含むが、これに限定されない任意の哺乳動物を指す。
本明細書で使用する「平均放出時間」とは、放出アッセイにおいて、薬剤の半分が担体からリン酸緩衝食塩水に放出される時間である。
本明細書で使用する「生来の形態」とは、組織構造が健常な組織における構造をおおむね反映していることを意味する。
本明細書で使用する「非ヒト哺乳動物」とは、ヒトでない任意の哺乳動物を指す。
本明細書において関連する文脈において使用する場合、細胞の「数」という用語は、0個、1個、またはそれより多い細胞であり得る。
本明細書で使用する「コルチ器官」とは、蝸牛に位置する聴覚器官の感覚細胞(内有毛細胞および外有毛細胞)を指す。
「オルガノイド」または「上皮オルガノイド」とは、器官または器官の一部に似ており、かつその特定の器官に関連する細胞種を有する、細胞クラスターまたは凝集物を指す。
細胞の「集団」とは、1個より多いが、好ましくは少なくとも1×10個の細胞、少なくとも1×10個の細胞、少なくとも少なくとも1×10個の細胞、少なくとも1×10個の細胞、少なくとも1×10個の細胞、少なくとも1×10個の細胞、少なくとも1×10個の細胞、または少なくとも1×1010個の細胞である任意の数の細胞を指す。
本明細書で使用する「前駆細胞」とは、幹細胞のように特定の種類の細胞に分化する傾向を有するが、幹細胞よりもすでに特定的であり、その「標的」細胞に分化するように推進される細胞を指す。
「参照」とは、標準的または対照の(例えば、試験薬剤または試験薬剤の組み合わせで処置されていない)状態を意味する。
本明細書で使用する「放出アッセイ」とは、薬剤が生体適合性マトリックスから透析膜を通って食塩水環境に放出される速度を求める試験である。例示的な放出アッセイは、1mlのリン酸緩衝食塩水中の30マイクロリットルの組成物を好適なカットオフを有する食塩水透析バックの内部に入れ、この透析バックを37℃で10mLのリン酸緩衝食塩水内に入れることによって行われてもよい。透析膜サイズは、評価される薬剤が膜から出るのを可能にするように薬剤サイズに基づいて選択されてもよい。低分子放出の場合、3.5〜5kDaカットオフを用いてもよい。組成物の放出速度は経時的に変化し得、1時間刻みで測定してもよい。
本明細書で使用する「代表的顕微鏡試料」は、測定される平均の特徴サイズまたは数が、全ての関連する視野が測定された場合の平均の特徴サイズまたは数を表すと合理的に言うことができる、細胞培養系、摘出組織の一部、または摘出器官全体の内部にある十分な数の視野を表す。例えば、コルチ器官上で、周波数範囲で有毛細胞計数を評価するために、ImageJソフトウェア(NIH)を用いて、蝸牛ホールマウントの全長および個々の計数されるセグメントの長さを測定することができる。内側有毛細胞、外側有毛細胞、および支持細胞の総数を、1200〜1400μmの4つの蝸牛セグメント(頂端、中間〜頂端、中間〜基底、および基底)のうちのいずれかの全体または一部において計数することができ、100μm視野サイズの少なくとも3つの視野が合理的に代表的顕微鏡試料とみなされるだろう。代表的顕微鏡試料は、所与の距離あたりの細胞として測定することができる視野内の測定を含むことができる。代表的顕微鏡試料を用いて、細胞間接触、蝸牛構造、および細胞成分(例えば、束、シナプス)などの形態を評価することができる。
「ロゼットパターニング(Rosette Patterning)」とは、<5%の有毛細胞が他の有毛細胞に隣接する、蝸牛における特徴的な細胞配置である。
「試料」という用語は、得られた、提供された、および/または分析に供された体積または質量を指す。いくつかの実施形態において、試料は、組織試料、細胞試料、液体試料などであるか、またはそれらを含む。いくつかの実施形態において、試料は対象(例えば、ヒトもしくは動物対象)から採取される(または該対象である)。いくつかの実施形態において、組織試料は、脳、毛(毛根を含む)、頬スワブ、血液、唾液、精液、筋肉であるか、もしくはそれらを含むか、または任意の内臓に由来するか、またはこれらのいずれか1つに関連する癌細胞、前癌細胞、もしくは腫瘍細胞に由来する。液体は、尿、血液、腹水、胸膜液、脊髄液などでもよいが、これに限定されない。体組織は、脳組織、皮膚組織、筋肉組織、子宮内膜組織、子宮組織、および子宮頸組織、またはこれらのいずれか1つに関連する癌細胞、前癌細胞、もしくは腫瘍細胞を含んでもよいが、これに限定されない。実施形態において、体組織は脳組織または脳の腫瘍もしくは癌である。当業者は、いくつかの実施形態において、「試料」は、供給源(例えば、対象)から得られた点で、「一次試料」であることを理解する。いくつかの実施形態において、「試料」とは、例えば、汚染する可能性がある特定の成分を除去するように、および/または関心のある特定の成分を分離もしくは精製するように一次試料が処理された結果である。
「自己複製」とは、幹細胞が分裂して、母細胞と区別がつかない発達能力をもつ、1個(非対称分裂)または2個(対称分裂)の娘細胞を生じるプロセスを指す。自己複製は、増殖および未分化状態の維持を両方を含む。
「siRNA」とは二本鎖RNAを指す。最適には、siRNAは、長さが18、19、20、21、22、23、または24ヌクレオチドであり、3’末端に2塩基オーバーハングを有する。これらのdsRNAを個々の細胞または培養系に導入することができる。このようなsiRNAは、mRNAレベルまたはプロモーター活性をダウンレギュレートするために用いられる。
「幹細胞」とは、自己複製する能力および複数の細胞系列へ分化する能力を有する多能性細胞を指す。
本明細書で使用する「幹細胞分化アッセイ」とは、幹細胞の分化能力を決定するためのアッセイである。例示的な幹細胞分化アッセイでは、初期細胞集団用の数の細胞を3〜7日齢のAtoh1−GFPマウスから、コルチ器官感覚上皮を単離し、上皮を単一細胞に解離し、細胞を40μmのセルストレーナーに通すことによって採取する。約5000個の細胞を40μlの培養支持体(例えば、マトリゲル(Matrigel)(Corning、Growth Factor Reduced))に閉じ込め、500μlの適切な培養培地、成長因子、および試験する薬剤が入っている24ウェルプレートのウェルの中心に入れる。適切な培養培地および成長因子には、培地サプリメント(1×N2、1×B27、2mM Glutamax、10mM HEPES、1mM N−アセチルシステイン、および100U/mlペニシリン/100μg/mlストレプトマイシン)を含むAdvanced DMEM/F12、および成長因子(50ng/ml EGF、50ng/ml bFGF、および50ng/ml IGF−1)が含まれ、評価される薬剤も同様に各ウェルに添加される。細胞を37℃および5%COの標準的な細胞培養インキュベーター中で10日間培養し、培地を2日ごとに交換する。次いで、幹細胞増殖アッセイ薬剤を除去し、基本培養培地および分化を推進する分子に交換することによって、これらの細胞を培養する。適切な基本培養培地は、1×N2、1×B27、2mM Glutamax、10mM HEPES、1mM N−アセチルシステイン、および100U/mlペニシリン/100μg/mlストレプトマイシンを補充したAdvanced DMEM/F12であり、分化を推進する適切な分子は、10日間用の3μM CHIR99021および5μM DAPTであり、培地を2日ごとに交換する。集団における有毛細胞の数は、GFPについてのフローサイトメトリーを用いて測定してもよい。有毛細胞分化のレベルは、好適な、かつ調節されていない参照遺伝子またはハウスキーピング遺伝子(例えば、Hprt)を用いて基準化された有毛細胞マーカー(例えば、Myo7a)発現レベルを測定するためのqPCRを用いて、さらに評価することができる。有毛細胞分化のレベルはまた、有毛細胞マーカー(例えば、ミオシン7a、vGlut3、エスピン、PMCA、Ribeye、コンギュゲートしたファロイジン、Atoh1、Pou4f3など)についての免疫染色によっても評価することができる。有毛細胞分化のレベルはまた、ミオシン7a、vGlut3、エスピン、PMCA、プレスチン、Ribeye、Atoh1、Pou4f3についてのウエスタンブロットによっても評価することができる。
本明細書で使用する「幹細胞アッセイ」とは、細胞または細胞集団が幹細胞であるかどうか、または幹細胞もしくは幹細胞マーカーが豊富にあるかどうかを決定するための一連の基準について細胞または細胞集団を試験するアッセイである。幹細胞アッセイでは、細胞/細胞集団が、幹細胞マーカーの発現などの幹細胞特徴について試験され、さらに、自己複製能力および分化能力を含む幹細胞機能について、任意選択で試験されうる。
本明細書で使用する「幹細胞増殖剤」とは、自己複製能力および分化能力を有する細胞集団の増加を誘導する化合物である。
本明細書で使用する「幹細胞増殖アッセイ」とは、薬剤が出発細胞集団から幹細胞の生成を誘導する能力を決定するためのアッセイである。例示的な幹細胞増殖アッセイでは、コルチ器官上皮を単離し、この上皮を単一細胞に解離することによって、初期細胞集団用の数の細胞を3〜7日齢のB6.129P2−Lgr5tm1(cre/ERT2)Cle/Jマウス(Lgr5−EGFP−IRES−creERT2 マウスまたはLgr5−GFP マウスとしても既知である、Jackson研究所ストック番号008875) などのLgr5−GFPマウスから採取する。約5000個の細胞を40μlの培養支持体(例えば、マトリゲル(Corning、Growth Factor Reduced))に閉じ込め、500μlの適切な培養培地、成長因子、および試験する薬剤が入っている24ウェルプレートのウェルの中心に入れる。適切な培養培地および成長因子には、培地サプリメント(1×N2、1×B27、2mM Glutamax、10mM HEPES、1mM N−アセチルシステイン、および100U/mlペニシリン/100μg/mlストレプトマイシン)を含むAdvanced DMEM/F12、および成長因子(50ng/ml EGF、50ng/ml bFGF、および50ng/ml IGF−1)が含まれ、評価される薬剤も同様に各ウェルに添加される。細胞を37℃および5%COの標準的な細胞培養インキュベーター中で10日間培養し、培地を2日ごとに交換する。Lgr5細胞の数は、インビトロLgr5活性アッセイにおいてLgr5+細胞と同定された細胞の数を計数することによって定量化する。Lgr5である細胞の比率は、細胞集団においてLgr5と同定された細胞の数を、細胞集団に存在する細胞の総数で割ることによって定量化する。集団のLgr5活性の平均は、適切な、かつ調節されていない参照遺伝子またはハウスキーピング遺伝子(例えば、Hprt)を用いて基準化された、集団のLgr5のmRNA発現レベルの平均を測定することによって定量化する。集団における有毛細胞の数は、有毛細胞マーカー(例えば、ミオシンVIIa)を用いて染色するか、または有毛細胞遺伝子の内因性レポーター(例えば、Pou4f3−GFP、Atoh1−nGFP)を用い、フローサイトメトリーを用いて分析することによって測定することができる。有毛細胞である細胞の比率は、細胞集団における有毛細胞と同定された細胞の数を、細胞集団に存在する細胞の総数で割ることによって定量化する。Lgr5の活性はqPCRによって測定することができる。
本明細書で使用する「幹細胞マーカー」は、幹細胞において特異的に発現している遺伝子産物(例えば、タンパク質、RNAなど)と定義することができる。幹細胞マーカーの1つの種類は、幹細胞同一性の維持を直接かつ特異的に支持する遺伝子産物である。例にはLgr5およびSox2が含まれる。さらなる幹細胞マーカーは、文献に記載のアッセイを用いて同定することができる。幹細胞同一性の維持に、ある遺伝子が必要とされるかどうかを決定するためには、機能獲得研究および機能喪失研究を使用することができる。機能獲得研究では、特定の遺伝子産物(幹細胞マーカー)の過剰発現が幹細胞同一性を維持するのに役立つだろう。機能喪失研究では、幹細胞マーカーが除去されると幹細胞同一性が失われるか、または幹細胞分化が誘導されるだろう。別のタイプの幹細胞マーカーは、幹細胞にしか発現していないが、幹細胞の同一性を維持するための特定の機能を必ず有するとは限らない遺伝子である。この種類のマーカーは、選別された幹細胞および非幹細胞の遺伝子発現シグネチャーをマイクロアレイおよびqPCRなどのアッセイによって比較することによって同定することができる。この種類の幹細胞マーカーは文献において見出すことができる。(例えば、Liu Q.et al.,Int J Biochem Cell Biol.2015 Mar;60:99−111.http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25582750)。潜在的な幹細胞マーカーには、Ccdc121、Gdf10、Opcm1、Phexなどが含まれる。所与の細胞または細胞集団におけるLgr5またはSox2などの幹細胞マーカーの発現は、qPCR、免疫組織化学、ウエスタンブロット、およびRNAハイブリダイゼーションなどのアッセイを用いて測定することができる。幹細胞マーカーの発現はまた、所与の幹細胞マーカーの発現を示すことができるレポーター、例えば、Lgr5−GFPまたはSox2−GFPを発現するトランスジェニック細胞を用いて測定することもできる。次いで、フローサイトメトリー分析を用いて、レポーター発現の活性を測定することができる。蛍光顕微鏡を用いて、レポーター発現を直接視覚化することもできる。さらに、幹細胞マーカーの発現は、全体的な遺伝子発現プロファイル分析のためのマイクロアレイ分析を用いて決定してもよい。所与の細胞集団または精製された細胞集団の遺伝子発現プロファイルを幹細胞の遺伝子発現プロファイルと比較して、2つの細胞集団間の類似性を確かめることができる。幹細胞の機能は、コロニー形成アッセイまたはスフェア(sphere)形成アッセイ、自己複製アッセイ、および分化アッセイによって測定することができる。コロニー(またはスフェア)形成アッセイでは、幹細胞は、適切な培養培地中で培養されたとき、細胞培養表面(例えば、細胞培養皿)上に、もしくは細胞培養支持体(例えば、マトリゲル)に包埋された状態で、コロニーを形成することができるか、または懸濁液中で培養されたときにはスフェアを形成することができるはずである。コロニー/スフェア形成アッセイでは、単一幹細胞を適切な培養培地に低細胞密度で播種し、所与の期間(7〜10日)にわたって増殖させる。次いで、形成したコロニーを計数し、元の細胞の幹細胞性の指標として幹細胞マーカー発現についてスコア付けする。次いで、その自己複製能および分化能を試験するために、任意選択で、形成されたコロニーを採集し、継代してもよい。自己複製アッセイでは、細胞は、適切な培養培地中で培養されたとき、少なくとも1回(例えば、1回、2回、3回、4回、5回、10回、20回など)の細胞分裂にわたって幹細胞マーカー(例えば、Lgr5)発現を維持するはずである。幹細胞分化アッセイでは、細胞は、適切な分化培地中で培養されたとき、qPCR、免疫染色、ウエスタンブロット、RNAハイブリダイゼーション、またはフローサイトメトリーによって測定される有毛細胞マーカー発現によって同定することができる有毛細胞を生じさせることができるはずである。
本明細書で使用する「幹細胞性推進剤」とは、自己複製能または有毛細胞に分化する能力を維持しながら、LGR5細胞の増殖を誘導するか、細胞においてLgr5をアップレギュレートするか、または細胞においてLgr5発現を維持する組成物である。一般的に、幹細胞性推進剤は、出生後幹細胞の少なくとも1つのバイオマーカーをアップレギュレートする。幹細胞性推進剤には、WntアゴニストおよびGSK3阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。
「対象」には、ヒトおよび哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ブタ、ネコ、イヌ、およびウマ)が含まれる。多くの実施形態において、対象は、哺乳動物、特に、霊長類、特に、ヒトである。いくつかの実施形態において、対象は、ウシ(cattle)、ヒツジ、ヤギ、雌ウシ、ブタなど、家禽類などの家畜、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、シチメンチョウなどの家禽、ならびに飼いならされた動物、特にイヌおよびネコなどのペットである。いくつかの実施形態において(例えば、特に研究の文脈において)、対象哺乳動物は、例えば、げっ歯類(例えば、マウス、ラット、ハムスター)、ウサギ、霊長類、または近交系ブタなどのブタなどである。
蝸牛上皮に関連して本明細書で使用する「支持細胞」は、有毛細胞でない、コルチ器官内の上皮細胞を含む。これは、内柱細胞、外柱細胞、内支持細胞(phalangeal cell)、ダイテルス細胞、ヘンゼン細胞、ベッチャー細胞(Boettcher cell)、および/またはクラウディウス細胞を含む。
「相乗作用」または「相乗効果」とは、別々に生じた各効果の合計よりも大きな効果;相加効果よりも大きな効果である。
本明細書で使用する「TGF−β阻害剤」とは、TGFβ活性を低減する組成物である。
「組織」とは、例えば、蝸牛組織、例えば、コルチ器官を含む、特定の機能を一緒に果たす、同じ起源に由来する類似の細胞が集まったものである。
「経鼓膜的」投与は、鼓膜を通過して中耳に組成物を直接注射することを指す。
細胞集団に関連して本明細書で使用する「処置する」とは、転帰を生じさせるために物質を集団に送達することを意味する。インビトロ集団の場合、物質は集団に直接に(またはさらには間接的に)送達されてもよい。インビボ集団の場合、物質は宿主対象への投与によって送達されてもよい。
本明細書で使用する「Wnt活性化」とは、Wntシグナル伝達経路の活性化である。
本明細書で使用される「アルキル」との用語は、直鎖または分枝飽和炭化水素を意味する。例えば、アルキル基は、1〜8個の炭素原子を有することができ(すなわち、(C〜C)アルキル)、もしくは1〜6個の炭素原子を有することができ(すなわち、(C〜Cアルキル)、または1〜4個の炭素原子を有することができる。
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、1個以上の二重結合を含み、二価基を含むことができ、2〜約15個の炭素原子を有する、直鎖または分枝炭化水素基を意味する。アルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、ブテニル、ならびにより高級な同族体および異性体が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「アルキニル」との用語は、1個以上の三重結合を含み、二価基を含むことができ、2〜約15個の炭素原子を有する、直鎖または分枝炭化水素基を意味する。アルキニル基の例としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ならびにより高級な同族体および異性体が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを意味する。
本明細書で使用される「アリール」という用語は、単一の炭素芳香族環の全て、または環の少なくとも1つが芳香族である多縮合炭素環系の全てを指す。例えば、アリール基は、6〜20個の炭素原子、6〜14個の炭素原子、または6〜12個の炭素原子を有する。アリールにはフェニル基が含まれる。アリールにはまた、少なくとも1つの環が芳香族であり、他の環が芳香族であるかもしくは芳香族ではない(すなわち、炭素環である)、約9〜20個の炭素原子数を有する多縮合環系(例えば、2、3、または4個の環を含む環系)が含まれる。このような多縮合環系は、多縮合環系の任意の炭素環部分上で1個以上(例えば、1、2、または3個)のオキソ基で任意選択で置換されていてもよい。多縮合環系の環は、価数の要件が許容される場合、縮合結合、スピロ結合、および架橋結合を介して互いに結合することができる。上記で定義した多縮合環系の結合点は、環の芳香族部分または炭素環部分を含む、環系の任意の位置であることができると理解すべきである。
本明細書で使用される「ヘテロアリール」との用語は、環中に炭素以外に少なくとも1個の原子(該原子は酸素、窒素、および硫黄からなる群から選択される)を有する単一の芳香環であり、この用語はまた、少なくとも1つのそのような芳香環を有する多縮合環系を含み、該多縮合環系は以下でさらに記載される。したがって、この用語は、環中に約1〜6個の炭素原子、および酸素、窒素、および硫黄からなる群から選択される約1〜4個のヘテロ原子を有する単一の芳香族環を含む。硫黄および窒素原子はまた、環が芳香族であるときに酸化形態で存在してもよい。この用語はまた、上記で定義したヘテロアリール基がヘテロアリール(例えば、1,8−ナフチリジニルなどのナフチリジニルを形成するため)、複素環(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジニルなどの1,2,3,4−テトラヒドロナフチリジニルを形成するため)、炭素環(例えば、5,6,7,8−テトラヒドロキノリルを形成するため)、およびアリール(例えば、インダゾリルを形成するため)から選択される1つ以上の環と縮合して多縮合環系を形成することができる、多縮合環系(例えば、2、3、または4つの環を含む環系)を含む。したがって、ヘテロアリール(単一の芳香族環または多縮合環系)は、ヘテロアリール環内に約1〜20個の炭素原子および約1〜6個のヘテロ原子を有する。そのような多縮合環系は、縮合環の炭素環部分または複素環部分で1個以上(例えば、1、2、3または4個)のオキソ基で任意選択で置換されていてもよい。多縮合環系の環は、価数の要件が許容される場合、縮合結合、スピロ結合、および架橋結合におり互いに結合することができる。多縮合環系の個々の環は、互いに対して任意の順序で結合してもよいと理解すべきである。(ヘテロアリールについて上記で定義した)多縮合環系の結合点は、多縮合環系のヘテロアリール、複素環、アリール、または炭素環部分を含む多縮合環系の任意の位置、および炭素原子およびヘテロ原子(例えば、窒素)を含む多縮合環系の任意の好適な原子であることができることも理解すべきである。
本明細書で使用される「シクロアルキル」との用語は、環原子として炭素原子のみを有する約3〜約8個の環員を有し、二価基を含むことができる、飽和または部分的飽和環構造を意味する。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセン、シクロペンテニル、シクロヘキセニルが含まれるが、これらに限定されない。
「ヘテロシクリル」または「複素環」という用語は、炭素および酸素、リン、窒素、または硫黄から選択されるヘテロ原子を含有する3〜24員の単環または多環であって、環炭素または複素原子の間で共有される非局在化π電子(芳香族性)はない、単環または多環を指す。ヘテロシクリルの例には、オキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、ピラニル、チオピラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサリニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルS−オキシド、チオモルホリニルS−ジオキシド、ピペラジニル、アゼピニル、オキセピニル、ジアゼピニル、トロパニル、およびホモトロパニルが含まれるが、これらに限定されない。ヘテロシクリルの例には、縮合環、架橋環(例えば、2,5−ジアザビシクロ[2,2,1]ヘプタン)、およびスピロ環(例えば、2,8−ジアザスピロ[4,5]デカン)が含まれるが、これらに限定されない。
「または」の使用は、特に定めのない限り、「および/または」を意味する。本出願において使用する場合、「含む(comprise)」という用語およびこの用語の変形、例えば、「含む(comprising)」および「含む(comprises)」は、他の添加物、成分、整数、または工程を除外することを意図しない。本出願において使用する場合、「約」および「ほぼ」という用語は同義語として用いられる。「約」および「ほぼ」を伴ってまたは伴わずに本出願で用いられる任意の数字は、関連する分野の当業者によって理解される任意の通常の変動を包含することが意図される。特定の実施形態において、「約(approximately)」および「約(about)」という用語は、特に定めのない限り、または文脈から明らかにされていない限り(このような数字が、あり得る値の100%より大きい場合を除いて)、言及した参照値のいずれかの(より大きいまたはより小さい)方向における25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれより少ない%の範囲内にある値の範囲を指す。
「薬学的に許容される」という句は、適切な医学的判断の範囲内にあり、過度の毒性、過敏、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を引き起こすことなくヒトおよび動物の組織との接触における使用に適しており、妥当な利益/リスク比に見合った化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すために本明細書において用いられる。
本明細書で使用する「薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤」には、ヒトまたは家畜での使用が許容されるとして米食品医薬品局により認可された、任意のアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤(glidant)、甘味剤、希釈剤、防腐剤、色素/着色剤、風味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、安定剤、等張剤、溶媒、界面活性剤、または乳化剤が含まれるが、これらに限定されない。例示的な薬学的に許容される担体には、糖、例えば、ラクトース、グルコース、およびスクロース;デンプン、例えば、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロース;トラガカントゴム;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオバター、ろう、動物性および植物性脂肪、パラフィン、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、酸化亜鉛;油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびダイズ油;グリコール、例えば、プロピレングリコール;ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコール;エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;ならびに医薬製剤に用いられる他の任意の適合性物質が含まれるが、これらに限定されない。
「薬学的に許容される塩」は、酸付加塩および塩基付加塩の両方を含む。
「薬学的に許容される酸付加塩」とは、生物学的にまたは他の点で望ましくない遊離塩基の生物学的有効性および特性を保持しており、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などがあるが、これに限定されない無機酸、および酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、ショウノウ酸、ショウノウ−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−二スルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2−オキソ−グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、ナフタレン−1,5−二スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、/トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸などがあるが、これらに限定されない有機酸を用いて形成される塩を指す。
「薬学的に許容される塩基付加塩」とは、生物学的にまたは他の点で望ましくない遊離酸の生物学的有効性および特性を保持している塩を指す。これらの塩は、遊離酸への無機塩基または有機塩基の添加から調製される。無機塩基から得られる塩には、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、アルミニウム塩などが含まれるが、これらに限定されない。例えば、無機塩には、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、およびマグネシウム塩が含まれるが、これらに限定されない。有機塩基に由来する塩には、一級アミン、二級アミン、および三級アミンの塩、天然に存在する置換アミンを含む置換アミンの塩、環式アミンの塩、および塩基性イオン交換樹脂の塩、例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などの塩が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態において用いられる例示的な有機塩基には、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、およびカフェインが含まれる。
湿潤剤、乳化剤、および潤滑剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および芳香剤、防腐剤および抗酸化物質も組成物中に存在してよい。
薬学的に許容される抗酸化物質の例には、(1)水溶性抗酸化物質、例えば、アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど;(2)油溶性抗酸化物質、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロールなど;および(3)金属キレート剤、例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などが含まれる。
本明細書に記載の化合物または組成物は、望ましい送達経路、例えば、経鼓膜的注射、経鼓膜的ウィックおよびカテーテル、ならびに注射可能なデポーに好適である任意の様式で製剤化することができる。典型的には、製剤は、全ての生理学的に許容される成分(その誘導体もしくはプロドラッグ、溶媒和物、立体異性体、ラセミ体、または互変異性体を含む)を、任意の生理学的に許容される担体、希釈剤、および/または賦形剤とともに含む。
発明の詳細な説明
本開示の例示的な実施形態の説明は以下の通りである。
化合物
本開示は、式(I)の化合物
Figure 2020503340
ならびにその薬学的に許容される塩および互変異性体を提供し、式中、Q、Q、Q、R、R、R、Ar、−Z−W−X−Y−、およびmは、式(I)について上記で定義した通りである。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、以下の特徴のうちの1つ以上を有する:
a)該化合物は、
Figure 2020503340
ではないことを条件とする;
b)Arが
Figure 2020503340
であり、
Figure 2020503340

Figure 2020503340
である場合、RX1は、
Figure 2020503340
ではなく、
Figure 2020503340
でもないことを条件とする。
特定の実施形態において、本開示は、参照により本明細書に組み込まれるWO2003/076442(PCT/US03/05050)に開示されていない式(I)の化合物を提供する。
式(I)の特定の実施形態において、Rは、−CORX1または−SOX1である。
式(I)の特定の実施形態において、Rは、
Figure 2020503340
から選択される。
特定の実施形態において、RX1は、ハロである1〜12個の置換基で任意選択で置換されていてもよいヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RX1は、重水素化されたヘテロシクリルである。特定の実施形態において、ヘテロシクリルは、単環または二環である。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルは、縮合環、架橋環、またはスピロ環である。特定の実施形態において、ヘテロシクリルは、1〜3個の窒素(すなわち、1、2、もしくは3個の窒素)および/または1〜3個の酸素(すなわち、1、2、もしくは3個の酸素)を含有する。特定の実施形態において、ヘテロシクリルは、1個の窒素および/または1個の酸素を含有する。特定の実施形態において、ヘテロシクリルは、1個の窒素を含有する。特定の実施形態において、ヘテロシクリルは、2個の窒素を含有する。特定の実施形態において、ヘテロシクリルは、1個の窒素および1個の酸素を含有する。
いくつかの実施形態において、RX1は、ピペリジン、2,8−ジアザスピロ[4,5]デカン、2,5−ジアザビシクロ[2,2,1]ヘプタン、または8−オキサ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタンであり、これらの各々は、独立して重水素、ハロ、C〜Cアルキル、−[C(RX1a−OH、−(CH−NMe、−(CH−NHMe、−(CH−NHからなる群から選択される1〜12個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、ここで、pは、0、1、2、または3である。いくつかの実施形態において、RX1は、1〜6個のハロ置換基で任意選択で置換されていてもよいピペリジンである。いくつかの実施形態において、RX1は、−[C(RX1a−OH、−(CH−NMeで任意選択で置換されていてもよいピペリジンである。
式(I)の特定の実施形態において、ヘテロシクリルは、C〜Cアルキル、−(CH−OH、または−(CH−NHで任意選択で置換されていてもよく、ここで、pは、1、2、または3である。特定の実施形態において、RX1は、C〜Cアルキルで置換されたヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RX1は、−(CH−OHで置換されたヘテロシクリルであり、ここで、pは、1、2、または3である。特定の実施形態において、RX1は、−CH−OHで置換されたヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RX1は、−(CH−NHで置換されたヘテロシクリルであり、ここで、pは、1、2、または3である。特定の実施形態において、RX1は、−CH−NHで置換されたヘテロシクリルである。
式(I)の特定の実施形態において、RX1はヘテロシクリルであり、ここで、該ヘテロシクリルは、−[C(RX1a−CNで任意選択で置換されていてもよい。特定の実施形態において、RX1は、−[C(RX1a−OH、−[C(RX1a−O−C〜Cアルキル、−NHCOC〜Cアルキル、−CONHC〜Cアルキル、COH、−COH、−[C(RX1a−COO−C〜Cアルキル、−[C(RX1a−NH、−[C(RX1a−NH−C〜Cアルキル、または−[C(RX1a−N−(C〜Cアルキル)で置換されたヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RX1はヘテロシクリルであり、ここで、該ヘテロシクリルは、−CONHC〜Cアルキル、−COH、−COH、または−[C(RX1a−COO−C〜Cアルキルで任意選択で置換されていてもよい。
式(I)の特定の実施形態において、各RX1aは、独立して水素およびハロからなる群から選択される。特定の実施形態において、両方のRX1a基が、一緒になって、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルなどのC〜Cシクロアルキルを形成する。
式(I)の特定の実施形態において、Rは、ヘテロアリールである。特定の実施形態において、ヘテロアリールは、単環式または二環式である。特定の実施形態において、ヘテロアリールは、1〜3個の窒素(すなわち、1、2、または3窒素)および/または1〜3個の酸素(すなわち、1、2、もしくは3個の酸素)を含有する。特定の実施形態において、ヘテロアリールは、1個の窒素および/または1個の酸素を含有する。特定の実施形態において、ヘテロアリールは、1個の窒素を含有する。特定の実施形態において、ヘテロアリールは、2個の窒素を含有する。特定の実施形態において、ヘテロアリールは、1個の窒素および1個の酸素を含有する。特定の実施形態において、Rは、
Figure 2020503340
である。
式(I)の特定の実施形態において、Rは、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)である。特定の実施形態において、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)は、C〜Cアルキレン上で1〜2個のハロで置換されている。特定の実施形態において、C〜Cシクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。特定の実施形態において、Rは、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)であり、該−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)は、C〜Cアルキレン上で1または2個のハロで任意選択で置換されていてもよく、C〜Cシクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。特定の実施形態において、Rは、
Figure 2020503340
である。
本開示は、式(Ia)を有する化合物
Figure 2020503340
ならびにその薬学的に許容される塩および互変異性体を提供し、式中、Q、Q、Q、R、R、R、Ar、−Z−W−X−Y−、およびmは、式(Ia)について上記で定義した通りである。
本開示は、式(Ib)を有する化合物
Figure 2020503340
ならびにその薬学的に許容される塩および互変異性体提供し、式中、Q、Q、Q、R、R、R、Ar、−Z−W−X−Y−、およびmは、式(Ib)について上記で定義した通りである。
特定の実施形態において、QはCHであり、QはNであり、QはCである。特定の実施形態において、QはNであり、QはCであり、QはNである。特定の実施形態において、QはCHであり、QはCであり、QはNである。特定の実施形態において、はNであり、QはNであり、QはCである。
特定の実施形態において、
Figure 2020503340
は、
Figure 2020503340
からなる群から選択される。
特定の実施形態において、Rは、水素またはハロである。特定の実施形態において、RはC〜Cアルキルであり、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよい。特定の実施形態において、Rは、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、または−S(O)NHである。特定の実施形態において、Rは、−NHまたは−NHC(O)R1aであり、該R1aは、C〜Cアルキルである。特定の実施形態において、Rは、C〜Cアルケニルである。特定の実施形態において、Rは、−O−C〜Cアルキルである。
特定の実施形態において、Rは、水素またはハロである。特定の実施形態において、Rは、C〜Cアルキルであり、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよい。特定の実施形態において、Rは、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、または−S(O)NHである。特定の実施形態において、Rは、−NHまたは−NHC(O)R2aであり、該R2aは、C〜Cアルキルである。特定の実施形態において、Rは、−S(O)NHである。
特定の実施形態において、Rは、C〜Cアルケニルである。特定の実施形態において、Rは、−O−C〜Cアルキルである。特定の実施形態において、Rは、−NH、−NH(C〜Cアルキル)、または−N(C〜Cアルキル)である。
特定の実施形態において、Rは、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−O−C〜Cアルキル、−NH、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)、−NHC(O)R2a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R2aは、C〜Cアルキルである。特定の実施形態において、Rは、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−NH、−NHC(O)R2a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R2aは、C〜Cアルキルである。特定の実施形態において、Rは、水素ではない。
特定の実施形態において、Rは、水素またはハロである。特定の実施形態において、Rは、C〜Cアルキルであり、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよい。特定の実施形態において、Rは、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、または−S(O)NHである。特定の実施形態において、Rは、−NHまたは−NHC(O)R3aであり、R3aはC〜Cアルキルである。特定の実施形態において、Rは、C〜Cアルケニルである。特定の実施形態において、Rは、−O−C〜Cアルキルである。
特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
である。特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
である。特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
である。特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
である。特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
である。特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
である。特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
である。特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
である。特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
である。特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
である。特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
である。特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
である。特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
である。特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
である。
式(Ia)の特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
である。式(Ia)の特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
である。式(Ia)の特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
または
Figure 2020503340
であり、ここで、Qは、S、O、CH、およびNRQ7から選択され、ここで、RQ7は、水素であるかまたは任意選択で置換されていてもよいC〜Cアルキルである。
式(Ib)の特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
である。式(Ib)の特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
である。式(Ib)の特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
または
Figure 2020503340
であり、ここで、Qは、S、O、CH、およびNRQ7から選択され、ここでRQ7は水素であるかまたは任意選択で置換されていてもよいC〜Cアルキルである。式(Ib)の特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340

Figure 2020503340
であり、ここで、Qは、S、O、CH、およびNRQ7から選択され、ここでRQ7は水素であるかまたは任意選択で置換されていてもよいC〜Cアルキルである。式(Ib)の特定の実施形態において、Arは、
Figure 2020503340
であり、各Qは、独立してCRQ6およびNから選択され、該RQ6は、水素、ハロ、−CN、低級アルキル、または置換アルキルである。
特定の実施形態において、−Z−W−X−Y−は、−C(R−C(R−N(R)−C(R−である。特定の実施形態において、−Z−W−X−Y−は、−C(R−C(R−CH(R)−C(R−である。特定の実施形態において、−Z−W−X−Y−は、−C(R−CH(R)−C(R−である。
特定の実施形態において、各Rは、独立して水素およびハロからなる群から選択される。特定の実施形態において、両方のR基が、一緒になって、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルなどのC〜Cシクロアルキルを形成する。特定の実施形態において、両方のR基が、一緒になって、オキソを形成する。特定の実施形態において、RおよびRは、それらが結合している炭素と一緒になって、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルなどのC〜Cシクロアルキルを形成する。
特定の実施形態において、各Rは、独立して水素およびハロからなる群から選択される。特定の実施形態において、両方のR基が、一緒になって、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルなどのC〜Cシクロアルキルを形成する。特定の実施形態において、両方のR基が、一緒になって、オキソを形成する。特定の実施形態において、RおよびRは、それらが結合している炭素と一緒になって、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルなどのC〜Cシクロアルキルを形成する。
特定の実施形態において、各Rは、独立して水素およびハロからなる群から選択される。特定の実施形態において、両方のR基が、一緒になって、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルなどのC〜Cシクロアルキルを形成する。特定の実施形態において、両方のR基が、一緒になって、オキソを形成する。
式(Ia)および式(Ib)の特定の実施形態において、RはHである。式(Ia)および式(Ib)の特定の実施形態において、RはRX1であり、該RX1は、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、ここで、該ヘテロシクリルは、独立して重水素、ハロ、C〜Cアルキル、−(CH−OH、−[C(RX1a−OH、−[C(RX1a−O−C〜Cアルキル、−NHCOC〜Cアルキル、−CONHC〜Cアルキル、−(CH−NH、−[C(RX1a−NH、−[C(RX1a−NH−C〜Cアルキル、−[C(RX1a−N−(C〜Cアルキル)からなる群から選択される1〜12個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、pは、0、1、2、または3であり、各RX1aは、独立して水素、重水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のRX1a基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成する。
式(Ia)および式(Ib)の特定の実施形態において、Rは、−CORX1または−SOX1である。
式(Ia)および式(Ib)の特定の実施形態において、Rは、
Figure 2020503340
から選択される。
式(Ia)および式(Ib)の特定の実施形態において、Rは、−(C〜Cアルキレン)−RX1であり、ここで、−(C〜Cアルキレン)−RX1は、C〜Cアルキレン上で1〜4個のハロで任意選択で置換されていてもよい。特定の実施形態において、上記−(C〜Cアルキレン)−RX1は、C〜Cアルキレン上で1〜4個のハロで置換されている。特定の実施形態において、上記−(C〜Cアルキレン)−RX1は、C〜Cアルキレン上で1または2個のハロで置換されている。特定の実施形態において、Rは、−(C〜Cアルキレン)−RX1であり、ここで、−(C〜Cアルキレン)−RX1は、C〜Cアルキレン上で1または2個のハロで任意選択で置換されていてもよく、RX1は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。特定の実施形態において、Rは、
Figure 2020503340
である。
式(Ia)および式(Ib)の特定の実施形態において、RX1は、C〜Cシクロアルキルである。特定の実施形態において、RX1は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。
式(Ia)および式(Ib)の特定の実施形態において、RX1はヘテロシクリルであり、ここで、該ヘテロシクリルは、ハロである1〜12個の置換基で任意選択で置換されていてもよい。特定の実施形態において、RX1は、重水素化されたヘテロシクリルである。特定の実施形態において、ヘテロシクリルは、単環式または二環式である。特定の実施形態において、ヘテロシクリルは、1〜3個の窒素(すなわち、1、2、もしくは3個の窒素)および/または1〜3個の酸素(すなわち、1、2、もしくは3個の酸素)を含有する。特定の実施形態において、ヘテロシクリルは、1個の窒素および/または1個の酸素を含有する。特定の実施形態において、ヘテロシクリルは、1個の窒素を含有する。特定の実施形態において、ヘテロシクリルは、2個の窒素を含有する。特定の実施形態において、ヘテロシクリルは、1個の窒素および1個の酸素を含有する。
式(Ia)および式(Ib)の特定の実施形態において、RX1は、C〜Cアルキル、−(CH−OH、または−(CH−NHで任意選択で置換されていてもよいヘテロシクリルであり、ここで、pは、1、2、または3である。特定の実施形態において、RX1は、C〜Cアルキルで置換されたヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RX1は、−(CH−OHで置換されたヘテロシクリルであり、ここで、pは、1、2、または3である。特定の実施形態において、RX1は、−(CH)−OHで置換されたヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RX1は、−(CH−NHで置換されたヘテロシクリルであり、ここで、pは、1、2、または3である。特定の実施形態において、RX1は、−(CH)−NHで置換されたヘテロシクリルである。
式(Ia)および式(Ib)の特定の実施形態において、RX1はヘテロシクリルであり、ここで、該ヘテロシクリルは、−[C(RX1a−CNで任意選択で置換されていてもよい。特定の実施形態において、RX1は、−[C(RX1a−OH、−[C(RX1a−O−C〜Cアルキル、−NHCOC〜Cアルキル、−[C(RX1a−NH、−[C(RX1a−NH−C〜Cアルキル、または−[C(RX1a−N−(C〜Cアルキル)で置換されたヘテロシクリルである。特定の実施形態において、RX1はヘテロシクリルであり、ここで、該ヘテロシクリルは、−CONHC〜Cアルキル、−COH、−COH、または−[C(RX1a−COO−C〜Cアルキルで任意選択で置換されていてもよい。
式(Ia)および式(Ib)の特定の実施形態において、各RX1aは、独立して水素およびハロからなる群から選択される。特定の実施形態において、両方のRX1a基が、一緒になって、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルなどのC〜Cシクロアルキルを形成する。
式(Ia)および式(Ib)の特定の実施形態において、RX1はヘテロアリールである。特定の実施形態において、ヘテロアリールは、単環式または二環式である。特定の実施形態において、ヘテロアリールは、1〜3個の窒素(すなわち、1、2、または3窒素)および/または1〜3個の酸素(すなわち、1、2、もしくは3個の酸素)を含有する。特定の実施形態において、ヘテロアリールは、1個の窒素および/または1個の酸素を含有する。特定の実施形態において、ヘテロアリールは、1個の窒素を含有する。特定の実施形態において、ヘテロアリールは、2個の窒素を含有する。特定の実施形態において、ヘテロアリールは、1個の窒素および1個の酸素を含有する。特定の実施形態において、RX1は、
Figure 2020503340
である。
式(Ia)および式(Ib)の特定の実施形態において、Rは、−CON(RX2である。特定の実施形態において、Rは、−CON(RX2であり、該RX2は、水素またはメチルである。特定の実施形態において、Rは−CONHである。特定の実施形態において、Rは、−CON(RX2であり、該RX2は、C〜Cアルキルである。特定の実施形態において、Rは、−CON(RX2であり、該RX2は、メチルである。
特定の実施形態において、mは0である。特定の実施形態において、mは1である。特定の実施形態において、mは2である。
本明細書中の化合物の1つ変形において、Arは
Figure 2020503340
であり、QはCHであり、QはNであり、QはCであり、QはCであり、QはCである。
本明細書中の化合物の1つ変形において、Arは
Figure 2020503340
であり、QはCHであり、QはNであり、QはCであり、QはCであり、QはCである。
本開示は、本明細書中の式(I)の化合物:
Figure 2020503340
を提供し、該化合物は、以下の特徴のうちの1、2、3、またはそれ以上を有する:
a)Arは、
Figure 2020503340
である;
b)QはCHであり、QはNであり、QはCである;
c)Rは、水素またはハロである;
d)−Z−W−X−Y−は、−C(R−C(R−N(R)−C(R−である;
e)Rは、−CORX1である。
本開示は、本明細書中の式(I)の化合物:
Figure 2020503340
を提供し、該化合物は、以下の特徴のうちの1、2、3、またはそれ以上を有する:
a)Arは、
Figure 2020503340
である;
b)QはCHであり、QはNであり、QはCである;
c)RはC〜Cアルキルであり、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、
d)−Z−W−X−Y−は、−C(R−C(R−N(R)−C(R−である;
e)Rは、−CORX1である。
本開示は、本明細書中の式(I)の化合物:
Figure 2020503340
を提供し、該化合物は、以下の特徴のうちの1、2、3、またはそれ以上を有する:
a)Arは、
Figure 2020503340
である;
b)QはCHであり、QはNであり、QはCである;
c)Rは、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−S(O)NH2、−NH、または−NHC(O)R2aである;
d)−Z−W−X−Y−は、−C(R−C(R−N(R)−C(R−である;
e)Rは、−CORX1である。
本発明の化合物の非限定的な例を以下に示す。
Figure 2020503340
Figure 2020503340
Figure 2020503340
Figure 2020503340
Figure 2020503340
Figure 2020503340
Figure 2020503340
Figure 2020503340
Figure 2020503340
本開示は、式(IIa)を有する化合物:
Figure 2020503340
ならびにその薬学的に許容される塩および互変異性体を提供する。
いくつかの実施形態において、RX1は、
Figure 2020503340
からなる群から選択される。
本開示は、式(IIb)を有する化合物:
Figure 2020503340
ならびにその薬学的に許容される塩および互変異性体を提供する。
いくつかの実施形態において、RX1は、
Figure 2020503340
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、RX1は、
Figure 2020503340
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、RX1は、
Figure 2020503340
からなる群から選択される。
本開示は、式(IIc)を有する化合物:
Figure 2020503340
ならびにその薬学的に許容される塩および互変異性体を提供する。
いくつかの実施形態において、RX1は、
Figure 2020503340
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、RX1は、
Figure 2020503340
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、RX1は、
Figure 2020503340
からなる群から選択される。
本開示は、式(IId)を有する化合物:
Figure 2020503340
ならびにその薬学的に許容される塩および互変異性体を提供する。
いくつかの実施形態において、RX1は、
Figure 2020503340
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、RX1は、
Figure 2020503340
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、RX1は、
Figure 2020503340
からなる群から選択される。
本開示は、式(IIe)を有する化合物:
Figure 2020503340
ならびにその薬学的に許容される塩および互変異性体を提供する。
いくつかの実施形態において、RX1は、
Figure 2020503340
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、RX1は、
Figure 2020503340
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、RX1は、
Figure 2020503340
からなる群から選択される。
特に言及しない限り、本明細書に示される構造はまた、1つ以上の同位体濃縮(isotopically enriched)原子の存在下でのみ異なる化合物も含むことを意図する。例えば、重水素もしくは三重水素よる水素の置換、もしくは13Cもしくは14Cによる炭素原子の置換、もしくは15Nによる窒素原子の置換、または17Oもしくは18Oによる酸素原子の置換以外に本発明の構造を有する化合物は、本開示の範囲内である。そのような同位体標識化合物は、研究ツールまたは診断ツールとして有用である。特定の実施形態において、重水素化を用いて代謝を遅くし、それにより化合物半減期を潜在的に改善することができる。化合物中の任意または全ての水素を重水素で置換することができる。
開示化合物の合成方法
本発明の化合物は、標準化学を含む様々な方法によって製造することができる。好適な合成経路は、以下のスキームに示されている。
本明細書に記載されるいずれの式の化合物も、一部が以下の合成スキームおよび実施例に記載される、有機合成分野で既知の方法によって合成することができる。以下に記載のスキームにおいて、一般的原理または化学に従って必要である場合、感受性の高い基または反応基の保護基が使用される。保護基は、有機合成の標準的な方法(T.W.Greene and P.G.M.Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”,Third edition,Wiley,New York 1999)に従って操作される。これらの基は、化合物合成の好都合な段階で、当業者に容易に理解される方法を用いて除去される。選択プロセス、ならびに反応条件およびその実施順序は、本開示の化合物の調製に合致するものではなければならない。
当業者は、本開示の化合物のいずれかにおいて立体中心が存在するかを考慮するであろう。したがって、本発明は、(合成において特定されない限り)可能な立体異性体の両方を含み、ラセミ化合物だけではなく、個々のエナンチオマーおよび/またはジアステレオアマーも同様に含む。化合物が単一のエナンチオマーまたはジアステレオアマーとして所望される場合には、これは、立体特異性合成により、または最終産物もしくは任意の好都合な中間体の分解により得ることができる。最終産物、中間体、または出発材料の分解は、当該技術分野で既知の任意の好適な方法によって行うことができる。例えば、E.L.Eliel、S.H.Wilen、およびL.N.Manderによる「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley−lnterscience、1994)を参照のこと。
化合物の製造方法
本明細書に記載の化合物は、市販の出発材料から製造することができ、または既知の有機、無機および/もしくは酵素プロセスを使用して合成することができる。
本発明の化合物は、有機合成の当業者に周知の多くの方法で調製することができる。例として、本開示の化合物は、以下に記載の方法を合成有機化学の技術分野で既知の合成方法、または当業者によって理解されるそれらの変形と一緒に用いて合成することができる。これらの方法は、以下に記載の方法を含むが、これらに限定されない。
対象化合物の代表的な合成をスキーム1に示す。
スキーム1.例示的な式(I)の化合物の一般的合成
Figure 2020503340
スキーム1において、コア2は、QがCHであり、QがNであり、QがCであり、Rがブロモであり、Arが
Figure 2020503340
であり、−Z−W−X−Y−が
Figure 2020503340
である実施形態である。
化合物1およびアリルアルデヒド(allylic aldehyde)は、市販の出発材料である。あるいは、化合物1およびアリルアルデヒドは、市販の出発材料および/または従来の合成方法によって調製される出発材料を用いて、様々な異なる合成経路により合成することができる。
スキーム1を続けて参照して、化合物1およびアリルアルデヒドを、アセトニトリルなどの好適な溶媒中、例えば40℃〜100℃の温度で縮合反応で反応させて、化合物2を形成する。化合物2を、メタノールなどの好適な溶媒中で、例えば0℃〜室温の範囲の温度でアンモニアと反応させて、化合物3を形成する。化合物3は、以下に記載するカップリング反応で用いることができる。
スキーム1を続けて参照し、化合物5は、水素化ナトリウムなどのアルカリ金属水素化物などの塩基の存在下において、ハロゲン化アルキルで化合物4をアルキル化することにより調製することができる。この反応は、ジメチルホルムアミド(DMF)などの好適な溶媒中で、例えば0℃〜室温の範囲の温度で行うことができる。
化合物6は、化合物5を還元することにより調製することができる。好適な還元試薬には、ボランピリジン錯体が含まれる。この反応は、酢酸などの好適な溶媒中で、例えば0℃〜室温の範囲の温度で行うことができる。
化合物7は、化合物6の反応により調製することができる。この反応は、硫酸および酢酸などの酸の存在下においてホルムアルデヒを用いて行う。
化合物8は、化合物7のアミノ基を保護することにより調製することができる。好適な試薬には、BOC無水物が含まれる。この反応は、テトラヒドロフラン(THF)などの適切な溶媒中で、例えば0℃〜室温の範囲の温度で行うことができる。
コア1は、化合物8の脱水素化により調製することができる。好適な試薬には、DDQ(2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン)が含まれる。この反応は、テトラヒドロフラン(THF)などの適切な溶媒中で、例えば0℃〜室温の範囲の温度で行うことができる。
化合物10は、アミノ基を脱保護し、次いで、その後にハロゲン化アシルと反応させることによりコア1から調製することができる。保護基がBOCである場合、酸性条件下においてアミノ基の脱保護を行うことができる。次いで、ハロゲン化アシルとの反応により、化合物10を得ることができる。この反応は、ジメチルホルムアミド(DMF)などの好適な溶媒中で、例えば0℃〜室温の範囲の温度で行うことができる。
化合物11は、フリーデル・クラフツアシル化反応などのアシル化反応により、化合物10から調製することができる。この反応では、ハロゲン化アシルを、塩化メチレンなどの好適な溶媒中で、例えば30℃〜100℃の範囲の温度で化合物10と反応させる。次いで、生成物をアルコールおよび塩基と反応させて、化合物11としてエステルを形成する。
化合物11および化合物3を反応させて、1H−ピロール−2,5−ジオン化合物を形成する。この反応は、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランなどの不活性有機溶媒中およびカリウムtert−ブトキシドなどの塩基の存在下で行う。
化合物の使用方法
本開示は、Wnt経路を活性化する方法またはGSK3−β活性を阻害する方法に関する。特許文献および非特許文献には、数百のGSK3阻害剤といわれるものがあるが、他の治療剤の非存在下で投与された場合に、全てのGSK3阻害剤が、幹細胞増殖の活性化を促進するのに十分ではなく、有効でもないであろう。
別の態様において、本開示は、特定の組織細胞の非存在または欠如に関連する障害または疾患の発生および/または重篤度を予防する、低減する、または処置するための方法に関する。一態様において、本開示は、内耳組織、特に内耳有毛細胞、その前駆体、ならびに任意選択で、管血管条、および関連する聴神経が関与する内耳障害および難聴障害の発生および/または重篤度を予防する、低減する、または処置するための方法に関する。有毛細胞数の減少が原因であり得る、および/または有毛細胞機能の低下となり得る、永久的な難聴を生じさせる状態は特に関心が高い。シスプラチンおよびその類似体、アミノグリコシド抗生物質、サリチル酸塩およびその類似体、またはループ利尿薬を含む、聴覚毒性治療薬物の望まれない副作用として生じた状態も関心が高い。特定の実施形態において、本開示は、内耳組織、特に内耳支持細胞および有毛細胞の成長、増殖、または再生を誘導する、促進する、または増強することに関する。
特に、本明細書において示される組成物および方法は、急性および慢性の耳疾患、および難聴、めまいおよび平衡問題、特に、突発性難聴、音響外傷、慢性的な騒音暴露による難聴、老人性難聴、内耳装具移植中の外傷(挿入外傷)、内耳部分の疾患によるめまい、メニエール病に関連するめまいおよび/またはメニエール病の症状としてのめまい、メニエール病に関連する回転性めまいおよび/またはメニエール病の症状としての回転性めまい、耳鳴り、ならびに 抗生物質および細胞増殖抑制および他の薬物による難聴を予防および/または処置するための医薬製剤を調製するのに有用である。
蝸牛支持細胞集団が本化合物で処置されたとき、この集団がインビボであってもインビトロであっても、処置された支持細胞は、この処置された支持細胞が増殖能および分化能、より特定的には蝸牛有毛細胞に分化する能力を有する点で、幹細胞に似た挙動を示す。好ましくは、本化合物は、何世代にもわたって分裂し、高い割合の結果として生じた細胞を有毛細胞に分化させる能力を維持することができる娘幹細胞を生成するように支持細胞を誘導および維持する。特定の実施形態において、増殖している幹細胞は、Lgr5、Sox2、Opeml、Phex、lin28、Lgr6、cyclin D1、Msx1、Myb、Kit、Gdnf3、Zic3、Dppa3、Dppa4、Dppa5、Nanog、Esrrb、Rex1、Dnmt3a、Dnmt3b、Dnmt3l、Utf1、Tcl1、Oct4、Klf4、Pax6、Six2、Zic1、Zic2、Otx2、Bmi1、CDX2、STAT3、Smad1、Smad2、smad2/3、smad4、smad5、および/またはSmad7を含んでもよい幹細胞マーカーを発現する。
いくつかの実施形態において、本開示の方法は、有意な有毛細胞の形成前に、既存の支持細胞集団の幹細胞性(すなわち、自己複製)を維持するか、またはさらには一過的に増加させるのに用いることができる。いくつかの実施形態において、既存の指示支持細胞集団は、内柱細胞、外柱細胞、内部支持細胞、ダイテルス細胞、ヘンゼン細胞、ベッチャー細胞、および/またはクラウディウス細胞を含む。免疫染色による形態学的分析(細胞数を含む)および代表的顕微鏡試料全体にわたる系統追跡を用いて、これらの細胞種のうちの1つ以上の拡大を確認してもよい。いくつかの実施形態において、既存の支持細胞はLgr5細胞を含む。免疫染色による形態学的分析(細胞数を含む)ならびにqPCRおよびRNAハイブリダイゼーションを用いて、細胞集団間のLgr5アップレギュレーションを確認してもよい。
有利なことに、本開示の方法は、遺伝子操作を用いることなく、これらの目標を達成する。多くの学術研究において用いられる生殖細胞系列操作は、難聴を処置するための治療上望ましいアプローチではない。一般的に、この療法は、好ましくは、低分子、ペプチド、抗体、または遺伝子療法を伴わない他の非核酸分子もしくは核酸送達ベクターの投与を伴う。特定の実施形態において、この療法は有機低分子の投与を伴う。好ましくは、聴覚の保護または回復は、中耳に注射されて蝸牛中に拡散する、(非遺伝子)治療剤を用いることによって達成される。
蝸牛は存在する全ての細胞種に大きく依存し、これらの細胞の構造はその機能にとって重要である。支持細胞は、神経伝達物質循環および蝸牛メカニクスにおいて重要な役割を果たしている。したがって、コルチ器官内のロゼットパターニングを維持することは機能にとって重要であり得る。基底膜の蝸牛メカニクスは有毛細胞変換を活性化する。蝸牛メカニクスの高い感度により、細胞塊を回避することも望ましい。支持細胞の機能および正しいメカニクスは正常な聴覚に必要であるので、全体として、基底膜に沿った有毛細胞および支持細胞の正しい分布および関係を維持することは増殖後であっても聴覚に望ましい特徴である可能性が高い。
本開示の一実施形態において、蝸牛細胞集団における有毛細胞の細胞密度は、蝸牛上皮に特徴的なロゼットパターンを維持するか、またはさらにはこれを確立する様式で高められる。
本開示の一態様によれば、有毛細胞および支持細胞の両方を含む蝸牛細胞集団において、有毛細胞の細胞密度を増加させることができる。蝸牛細胞集団はインビボ集団でもよく(すなわち、対象の蝸牛上皮に含まれてもよく)、または蝸牛細胞集団はインビトロ(エクスビボ)集団でもよい。集団がインビトロ集団である場合、細胞密度の増加は、任意の処置前および処置後に採取した集団の代表的顕微鏡試料を参照することによって決定することができる。集団がインビボ集団である場合、細胞密度の増加は、聴覚の改善に相関する有毛細胞密度の増加が起こった対象の聴覚への影響を決定することによって間接的に決定することができる。
一実施形態において、幹細胞増殖アッセイにおいて神経細胞の非存在下で配置された支持細胞は、リボンシナプスを形成する。
生来の蝸牛器官において、有毛細胞および支持細胞のパターニングは、基底膜に平行する様式で生じる。本開示の一実施形態において、蝸牛細胞集団における支持細胞の増殖は、蝸牛上皮に特徴的な基底膜に平行する様式で拡大する。
一実施形態において、初期蝸牛細胞集団における支持細胞の数は、初期蝸牛細胞集団を本明細書で提供する化合物で処置して、中間蝸牛細胞集団を形成することによって選択的に増幅され、中間蝸牛細胞集団における支持細胞と有毛細胞の比は、初期蝸牛細胞集団における支持細胞と有毛細胞の比より大きい。拡大した蝸牛細胞集団は、例えば、インビボ集団、インビトロ集団、またはさらにはインビトロ外植片でもよい。このような1つの実施形態において、中間蝸牛細胞集団における支持細胞と有毛細胞との比は、初期蝸牛細胞集団における支持細胞と有毛細胞との比を超える。例えば、このような1つの実施形態において、中間蝸牛細胞集団における支持細胞と有毛細胞との比は、初期蝸牛細胞集団における支持細胞と有毛細胞との比より1.1倍大きい。さらなる例として、このような1つの実施形態において、中間蝸牛細胞集団における支持細胞と有毛細胞との比は、初期蝸牛細胞集団における支持細胞と有毛細胞との比より1.5倍大きい。さらなる例として、このような1つの実施形態において、中間蝸牛細胞集団における支持細胞と有毛細胞との比は、初期蝸牛細胞集団における支持細胞と有毛細胞との比より2倍大きい。さらなる例として、このような1つの実施形態において、中間蝸牛細胞集団における支持細胞と有毛細胞との比は、初期蝸牛細胞集団における支持細胞と有毛細胞との比より3倍大きい。前述の実施形態の各々において、本段落に記載のように本開示の組成物が蝸牛細胞集団を拡大する能力は幹細胞増殖アッセイによって決定することができる。
一実施形態において、蝸牛細胞集団における幹細胞の数は、蝸牛細胞集団を本明細書で提供する化合物で処置することによって、中間蝸牛細胞集団を形成するように増幅され、中間蝸牛細胞集団における幹細胞の細胞密度は初期蝸牛細胞集団における幹細胞の細胞密度より多い。処置された蝸牛細胞集団は、例えば、インビボ集団、インビトロ集団、またはさらにはインビトロ外植片でもよい。このような1つの実施形態において、処置された蝸牛細胞集団における幹細胞の細胞密度は、初期蝸牛細胞集団における幹細胞の細胞密度より少なくとも1.1倍多い。例えば、このような1つの実施形態において、処置された蝸牛細胞集団における幹細胞の細胞密度は、初期蝸牛細胞集団における幹細胞の細胞密度より少なくとも1.25倍多い。例えば、このような1つの実施形態において、処置された蝸牛細胞集団における幹細胞の細胞密度は、初期蝸牛細胞集団における幹細胞の細胞密度より少なくとも1.5倍多い。さらなる例として、このような1つの実施形態において、処置された蝸牛細胞集団における幹細胞の細胞密度は、初期蝸牛細胞集団における幹細胞の細胞密度より少なくとも2倍多い。さらなる例として、このような1つの実施形態において、処置された蝸牛細胞集団における幹細胞の細胞密度は、初期蝸牛細胞集団における幹細胞の細胞密度より少なくとも3倍多い。インビトロ蝸牛細胞集団はインビボ集団よりも有意に多く拡大することができ、例えば、特定の実施形態において、拡大したインビトロ幹細胞集団における幹細胞の細胞密度は、初期蝸牛細胞集団における幹細胞の細胞密度より少なくとも4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、75倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、600倍、700倍、800倍、900倍、1000倍、2000倍、またはさらには3000倍多くてもよい。前述の実施形態の各々において、本段落に記載のように本開示の組成物が蝸牛細胞集団を拡大する能力は幹細胞増殖アッセイによって決定することができる。
本開示の一態様によれば、蝸牛支持細胞集団を本明細書で提供する組成物によって処置して、該集団のLgr5活性を増加させる。例えば、一実施形態において、本明細書で提供する組成物は、蝸牛支持細胞のインビトロ集団のLgr5活性を少なくとも1.2倍増加および維持する能力を有する。さらなる例として、このような1つの実施形態において、本化合物は、蝸牛支持細胞のインビトロ集団のLgr5活性を1.5倍増加する能力を有する。さらなる例として、このような1つの実施形態において、本化合物は、蝸牛支持細胞のインビトロ集団のLgr5活性を2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、500倍、1000倍、2000倍、またはさらには3000倍増加する能力を有する。Lgr5活性の増加はインビボ集団についても観察され得るが、観察される増加は幾分少なめであり得る。例えば、一実施形態において、本化合物は、蝸牛支持細胞のインビボ集団のLgr5活性を少なくとも5%増加する能力を有する。さらなる例として、このような1つの実施形態において、本化合物は、蝸牛支持細胞のインビボ集団のLgr5活性を少なくとも10%増加する能力を有する。さらなる例として、このような1つの実施形態において、本化合物は、蝸牛支持細胞のインビボ集団のLgr5活性を少なくとも20%増加する能力を有する。さらなる例として、このような1つの実施形態において、本化合物は、蝸牛支持細胞のインビボ集団のLgr5活性を少なくとも30%増加する能力を有する。前述の実施形態の各々において、このようなLgr5活性の増加についての本化合物の能力は、例えば、インビトロLgr5活性アッセイで実証してもよく、インビボ集団では、例えば、器官を単離し、免疫染色、Lgr5(例えば、Lgr5、Sox2)の内因性蛍光タンパク質発現を用いた形態学的分析、ならびにLgr5についてのqPCRを行うことによって測定されるLgr5活性アッセイにおいて実証してもよい。
前記集団のLgr5活性を増加させることに加えて、(インビボでもインビトロでも)Lgr5支持細胞を含有する蝸牛細胞集団を本明細書で提供する組成物で処置することによって、該蝸牛細胞集団におけるLgr5支持細胞の数を増加させてもよい。一般的に、幹細胞/前駆支持細胞の支持細胞の細胞密度は、いくつかの機構のうちの1つ以上により、初期細胞集団と比べて増幅され得る。例えば、このような1つの実施形態において、増加した幹細胞分化傾向(stem cell propensity)(すなわち、有毛細胞に分化する能力がより高い)を有する新たに産生されたLgr5支持細胞が産生され得る。さらなる例として、このような1つの実施形態において、娘Lgr5細胞は細胞分裂では生じないが、既存のLgr5支持細胞は有毛細胞に分化するように誘導される。さらなる例として、このような1つの実施形態において、娘細胞は細胞分裂では生じないが、Lgr5支持細胞はより高レベルのLgr5活性に活性化され、次いで、活性化された支持細胞が有毛細胞に分化することができる。この機構に関係なく、一実施形態において、本開示の組成物は、蝸牛支持細胞のインビトロで単離された細胞集団におけるLgr5支持細胞の細胞密度を少なくとも5倍増加する能力を有する。さらなる例として、このような1つの実施形態において、本化合物は、蝸牛支持細胞のインビトロ集団におけるLgr5支持細胞の細胞密度を少なくとも10倍増加する能力を有する。さらなる例として、このような1つの実施形態において、本化合物は、蝸牛支持細胞のインビトロ集団におけるLgr5支持細胞の細胞密度を少なくとも100倍、少なくとも500倍、少なくとも1000倍、またはさらには少なくとも2000倍増加する能力を有する。Lgr5支持細胞の細胞密度の増加はまたインビボ集団についても観察され得るが、観察される増加は幾分少なめであり得る。例えば、一実施形態において、本化合物は、蝸牛支持細胞のインビボ集団におけるLgr5支持細胞の細胞密度を少なくとも5%増加する能力を有する。さらなる例として、このような1つの実施形態において、本化合物は、蝸牛支持細胞のインビボ集団におけるLgr5支持細胞の細胞密度を少なくとも10%増加する能力を有する。さらなる例として、このような1つの実施形態において、本化合物は、蝸牛支持細胞のインビボ集団におけるLgr5支持細胞の細胞密度を少なくとも20%増加する能力を有する。さらなる例として、このような1つの実施形態において、本化合物は、蝸牛支持細胞のインビボ集団におけるLgr5支持細胞の細胞密度を少なくとも30%増加する能力を有する。インビトロ集団におけるLgr5支持細胞のこのような増加についての本化合物の能力は、例えば、幹細胞増殖アッセイ実証してもよいし、または適切なインビボアッセイで実証してもよい。一実施形態において、本開示の化合物は、生来の形態を維持しながら、タンパク質が存在しないかまたはタンパク質の検出レベルが低い細胞においてLgr5発現を誘導することによって、蝸牛におけるLgr5細胞の数を増加する能力を有する。一実施形態において、本開示の化合物は、生来の形態を維持しながら、かつ、細胞凝集物を生じることなく、タンパク質が存在しないかまたはタンパク質の検出レベルが低い細胞においてLgr5発現を誘導することによって、蝸牛におけるLgr5細胞の数を増加する能力を有する。
Lgr5支持細胞の細胞密度を増加させることに加えて、一実施形態において、本開示の方法は、蝸牛細胞集団におけるLgr5細胞と有毛細胞との比を増加する能力を有する。一実施形態において、初期蝸牛細胞集団におけるLgr5支持細胞の数は、拡大した細胞集団を形成するために、初期蝸牛細胞集団を本開示の化合物で処置することによって選択的に拡大され、ここで、拡大した蝸牛細胞集団におけるLgr5支持細胞の数は、有毛細胞の数に少なくとも等しい。拡大した蝸牛細胞集団は、例えば、インビボ集団でもよく、インビトロ集団でもよく、またはさらにはインビトロ外植片でもよい。このような1つの実施形態において、拡大した蝸牛細胞集団におけるLgr5支持細胞と有毛細胞との比は少なくとも1:1である。例えば、このような1つの実施形態において、拡大した蝸牛細胞集団におけるLgr5支持細胞と有毛細胞との比は少なくとも1.5:1である。さらなる例として、このような1つの実施形態において、拡大した蝸牛細胞集団におけるLgr5支持細胞と有毛細胞との比は少なくとも2:1である。さらなる例として、このような1つの実施形態において、拡大した蝸牛細胞集団におけるLgr5支持細胞と有毛細胞との比は少なくとも3:1である。さらなる例として、このような1つの実施形態において、拡大した蝸牛細胞集団におけるLgr5支持細胞と有毛細胞との比は少なくとも4:1である。さらなる例として、このような1つの実施形態において、拡大した蝸牛細胞集団におけるLgr5支持細胞と有毛細胞との比は少なくとも5:1である。前述の実施形態の各々において、本段落に記載のように、本開示の組成物が蝸牛細胞集団を拡大させる能力は幹細胞増殖アッセイによって決定することができる。
特定の実施形態において、本方法は、感覚上皮上の総細胞に対するLgr5細胞の比率を少なくとも10%、20%、50%、100%、250%、500%、1000%、または5000%増加させる。
特定の実施形態において、本方法は、Lgr5細胞が感覚上皮、例えばコルチ器官上の細胞の少なくとも10%、20%、30%、50%、70%、または85%になるまで、Lgr5細胞を増加させる。
一般的に、蝸牛における支持細胞の過剰な増殖は回避されることが好ましい。一実施形態において、本開示の方法は、生来の蝸牛表面を飛び出した新たな細胞の突起物、例えば、細胞凝集物を作り出さすことなく、蝸牛細胞集団を拡大する能力を有する。いくつかの実施形態において、本明細書で提供する組成物を正円窓膜または卵円窓膜に配置して30日後に、蝸牛組織は生来の形態をとる。いくつかの実施形態において、本化合物を正円窓膜または卵円窓膜に配置して30日後に、蝸牛組織は生来の形態をとり、細胞凝集物がなくなる。いくつかの実施形態において、本化合物を正円窓膜または卵円窓膜に配置して30日後に、蝸牛組織は生来の形態をとり、蝸牛器官におけるLgr5細胞の少なくとも10%、20%、30%、50%、75%、90%、95%、98%、またはさらには少なくとも99%が細胞凝集物の一部でない。
一般的には支持細胞集団、特定的にはLgr5支持細胞を上記のように拡大することに加えて、本開示の方法は、有毛細胞に分化する能力を娘細胞において維持する能力を有する。インビボ集団では、この能力の維持は対象の聴覚の改善によって間接的に観察され得る。インビトロ集団では、この能力の維持は、出発集団に対する有毛細胞数の増加によって直接的に観察されるか、またはLGR5活性、SOX2活性、もしくは本明細書の他の箇所で同定される他の幹細胞マーカーのうちの1つ以上を測定することによって間接的に観察され得る。
一実施形態において、一般的には蝸牛支持細胞集団、特にLgr5支持細胞集団の幹細胞性を増加する本方法の能力は、Lgr5活性アッセイによって決定されるように、単離されたLgr5細胞のインビトロ集団のLgr5活性の増加と相関し得る。先に述べたように、このような1つの実施形態において、本化合物は、初期細胞集団における細胞のLgr5活性と比べて、中間細胞集団における幹細胞のLgr5活性を平均で5倍増加する能力を有する。さらなる例として、このような1つの実施形態において、本方法は、初期細胞集団における細胞のLgr5活性と比べて、中間細胞集団における幹細胞遺伝子のLgr5活性を10倍増加する能力を有する。さらなる例として、このような1つの実施形態において、本方法は、初期細胞集団における細胞のLgr5活性と比べて、中間細胞集団における幹細胞のLgr5活性を100倍増加する能力を有する。さらなる例として、このような1つの実施形態において、本方法は、初期細胞集団における細胞のLgr5活性と比べて、中間細胞集団における幹細胞のLgr5活性を1000倍増加する能力を有する。前述の実施形態の各々において、細胞集団における幹細胞の活性の増加は、インビトロでは、標的遺伝子に対する免疫染色もしくは内因性蛍光タンパク質発現および画像化分析もしくはフローサイトメトリーによるそれらの相対強度の分析により、または標的幹細胞遺伝子についてのqPCRを用いて決定し得る。結果として生じた幹細胞集団の同一性は、幹細胞アッセイで定義したような、幹細胞マーカー発現アッセイ、コロニー形成アッセイ、自己複製アッセイ、および分化アッセイを含む、幹細胞アッセイによって任意選択でさらに決定し得る。
いくつかの実施形態において、本方法を成体哺乳動物に適用して、S期にある成体哺乳動物Lgr5細胞の集団を生成する。
一実施形態において、本明細書で提供される組成物をマウスの正円窓または卵円窓に適用後において、コルチ器官における細胞集団のインビボLgr5活性は、本化合物に曝露されていない集団のベースラインより1.3倍、1.5倍、最大20倍増加する。いくつかの実施形態において、本化合物をマウスの正円窓または卵円窓に適用後において、コルチ器官における細胞のインビボLgr5活性の平均は、本組成物に曝露されていない集団のベースラインより1.3倍、1.5倍、最大20倍増加する。
特定の実施形態において、本方法は、Lgr5細胞が支持細胞集団の少なくとも10%、7.5%、10%、最大100%の数になるまでLgr5細胞を増加させる。
特定の実施形態において、本化合物は、蝸牛におけるLgr5細胞の割合を5%、10%、25%、50%、または80%増加させる能力を有する。
特定の実施形態において、幹細胞集団は、インビボ対象のものであり、本方法は、難聴および/または前庭機能不全の処置である(例えば、幹細胞の拡大した集団からの内耳有毛細胞の産生は、難聴および/または前庭機能不全の一部または完全な改善をもたらす)。特定の実施形態において、幹細胞集団は、インビボ対象のものであり、本方法は、(例えば、難聴および/または前庭機能不全に関連しない疾患および/または障害を処置するために)対象にとって既知の安全な最大薬物用量(例えば、この方法に起因する内耳有毛細胞の産生の非存在下で送達される場合の既知の安全な最大投与量)よりも高い濃度の薬物を(例えば、この薬物の用量制限聴器毒性が低減したか、またはなくなったために)対象に送達する工程をさらに含む。
特定の実施形態において、本方法は、産生された内耳有毛細胞を用いてハイスループットスクリーニングを行うことをさらに含む。特定の実施形態において、本方法は、産生された内耳有毛細胞を用いて、内耳有毛細胞に対する毒性について分子をスクリーニングすることを含む。特定の実施形態において、本方法は、産生された内耳有毛細胞を用いて、内耳有毛細胞(例えば、分子に曝露された内耳有毛細胞)の生存を改善する能力について分子をスクリーニングすることを含む。
別の態様において、本開示は、拡大した幹細胞集団を生成する方法であって、幹細胞集団(例えば、インビトロ、エクスビボ、またはインビボ試料/対象)に本明細書で提供される組成物を投与することまたは投与されるようにすることを含む、方法に関する。
特定の実施形態において、投与する工程は、耳に1回以上(例えば、中耳および/または内耳に経鼓膜的に)注射することによって行われる。
特定の実施形態において、投与する工程は、GSK3−β阻害剤および/またはWntアゴニストを持続様式で投与することを含む。
特定の実施形態において、幹細胞は、内耳の幹細胞および/または支持細胞である。
特定の実施形態において、本方法は、産生した拡大幹細胞集団を用いてハイスループットスクリーニングを行うことをさらに含む。特定の実施形態において、本方法は、産生された幹細胞を用いて、幹細胞および/またはその子孫に対する毒性について分子をスクリーニングすることをさらに含む。特定の実施形態において、本方法は、産生された幹細胞を用いて、幹細胞および/またはその子孫の生存を改善する能力について分子をスクリーニングすることを含む。
別の態様において、本開示は、難聴および/もしくは前庭機能不全を有するかまたはそれを発症するリスクのある対象を処置する方法であって、難聴および/もしくは前庭機能不全を経験したことがあるかまたはそれを発症するリスクのある対象を同定すること、および本明細書に提供される組成物を投与することまたは投与されるようにすることを含む、方法に関する。
特定の実施形態において、幹細胞集団はLgr5細胞を含む。特定の実施形態において、幹細胞集団は出生後細胞を含む。特定の実施形態において、幹細胞集団は上皮幹細胞を含む。特定の実施形態において、幹細胞は前駆細胞を含む。
特定の実施形態において、投与する工程は、耳に1回以上(例えば、中耳および/または内耳に経鼓膜的に)注射することによって行われる。
別の態様において、本開示は、内耳有毛細胞を産生させる方法であって、(例えば、インビトロ、エクスビボ、またはインビボ試料/対象の)初期幹細胞集団において幹細胞を増殖させ、その結果、(例えば、拡大した集団が初期幹細胞集団よりも少なくとも1.25倍、1.5倍、1.75倍、2倍、3倍、5倍、10倍、または20倍多くなるように)拡大した幹細胞集団をもたらし、拡大した幹細胞集団からの内耳有毛細胞の産生を促進することを含む、方法に関する。
別の態様において、本開示は、内耳有毛細胞を産生させる方法であって、本明細書に提供される(例えば、薬学的に許容される形態(例えば塩)の)組成物を対象の内耳における細胞集団に投与し、それによって、内耳有毛細胞の産生を促進することを含む、方法に関する。
別の態様において、本開示は、内耳有毛細胞を産生させる方法に関し、該方法は、(例えば、インビトロ、エクスビボ、またはインビボ試料/対象の)初期集団において出生後LGR5+細胞を増殖させ、この結果、(例えば、拡大した集団が初期幹細胞集団よりも少なくとも1.25倍、1.5倍、1.75倍、2倍、3倍、5倍、10倍、または20倍多くなるように)拡大したLGR5+細胞集団がもたらされ、この拡大したLGR5+細胞集団が、内耳有毛細胞の産生をもたらすことを含む。特定の実施形態において、幹細胞は前駆細胞を含む。
別の態様において、本開示は、疾患または障害を処置する方法であって、対象(インビボ)の初期集団における出生後Lgr5上皮細胞を増殖させ、その結果、(例えば、拡大した集団が初期出生後Lgr5上皮細胞集団よりも少なくとも1.25倍、1.5倍、1.75倍、2倍、3倍、5倍、10倍、または20倍多くなるように)拡大したLgr5+上皮細胞集団をもたらすことを含む、方法に関する。
いくつかの実施形態において、Lgr5細胞は有毛細胞に分化される。
有毛細胞の再生
特定の実施形態において、本開示は、内耳有毛細胞の産生を促進する方法であって、蝸牛組織の幹細胞集団を拡大するために本開示の化合物を投与することを含む方法に関する。
特定の実施形態において、本開示は、内耳有毛細胞の産生を促進する方法であって、蝸牛組織の幹細胞集団を拡大するために、本開示の化合物およびHDAC阻害剤を含む組成物を投与することを含む方法に関する。
特定の実施形態において、本開示は、哺乳動物において聴覚を再生させる方法に関する。
特定の実施形態において、幹細胞集団はインビボ対象のものであり、本方法は難聴および/または前庭機能不全のための処置である。
特定の実施形態において、本開示は、内耳有毛細胞を産生させる方法であって、本開示の化合物を用いてインビボで初期集団においてLGR5+細胞を増殖させ、その結果、(例えば、拡大した集団が初期幹細胞集団よりも少なくとも2倍、3倍、5倍、10倍、または20倍多くなるように)拡大したLGR5+細胞集団をもたらし、その結果、内耳有毛細胞の産生をもたらすことを含む、方法に関する。
特定の実施形態において、本開示は、インビボで初期集団においてLGR5+細胞を増殖させるために本開示の化合物およびHDAC阻害剤を含む組成物を使用し、その結果、(例えば、拡大した集団が初期幹細胞集団よりも少なくとも2倍、3倍、5倍、10倍、または20倍多くなるように)拡大したLGR5+細胞集団をもたらし、その結果、内耳有毛細胞の産生をもたらすことを含む、内耳有毛細胞を産生する方法に関する。
腸の再生
特定の実施形態において、本開示は、腸細胞の産生を促進する方法に関し、該方法は、腸上皮の幹細胞集団を拡大するために、本開示の化合物を投与することを含む。
特定の実施形態において、本開示は、腸細胞の産生を促進する方法に関し、該方法は、腸上皮の幹細胞集団を拡大するために、本開示の化合物およびHDAC阻害剤を含む組成物を投与することを含む。
特定の実施形態において、本開示は、哺乳動物において腸上皮を再生させる方法に関する。
特定の実施形態において、幹細胞集団はインビボ対象のものである。特定の実施形態において、本方法は、化学療法誘導性消化管粘膜炎、グラフ対宿主病、胃潰瘍、クローン病、または潰瘍性大腸炎などの疾患に関連する損傷した粘膜の修復を促進するための処置である。
腸でのLgr5+増殖
特定の実施形態において、本開示は、腸細胞の産生を促進する方法に関し、該方法は、本開示の化合物を投与して、腸上皮のLgr5+細胞集団を拡大することを含む。
特定の実施形態において、本開示は、腸細胞の産生を促進する方法に関し、該方法は、腸上皮のLgr5+細胞集団を拡大するために、本開示の化合物およびHDAC阻害剤を含む組成物を投与することを含む。
特定の実施形態において、本開示は、哺乳動物においてLgr5+細胞集団腸細胞を再生させる方法に関する。
特定の実施形態において、Lgr5+細胞集団はインビボ対象のものである。特定の実施形態において、本方法は、化学療法誘導性消化管粘膜炎、グラフ対宿主病、胃潰瘍、クローン病、または潰瘍性大腸炎などの疾患に関連する損傷した粘膜の修復を促進するための処置である。
特定の実施形態において、本開示は、疾患または障害を処置する方法であって、インビボでLgr5+上皮細胞を増殖させ、その結果、(例えば、拡大した集団が初期出生後Lgr5+上皮細胞集団よりも少なくとも2倍、3倍、5倍、10倍、または20倍多くなるように)拡大したLgr5+上皮細胞集団をもたらすことを含む方法に関する。
前庭細胞集団の拡大
特定の実施形態において、含有する本医薬製剤は、前庭組織と接触することを含んで、前庭組織において前庭細胞集団を拡大することができる。特定の実施形態において、本医薬製剤は、幹細胞増殖アッセイにおいて、幹細胞増殖アッセイ細胞集団における支持細胞の数を少なくとも10倍または少なくとも50倍増加させることができる。特定の実施形態において、本医薬製剤は、幹細胞分化アッセイにおいて、前庭支持細胞を含む細胞集団から有毛細胞を形成させることができる。
特定の実施形態において、前庭組織は生来の形態を維持する。特定の実施形態において、前庭組織は対象内にある。特定の実施形態において、前庭組織を本組成物と接触させることは、本組成物を対象に経鼓膜的に投与することによって達成される。特定の実施形態において、前庭組織を本組成物と接触させることが、対象の前庭機能の改善をもたらす。
特定の実施形態において、本開示は、特定の組織細胞の非存在または欠如に関連する疾患を有するかまたはそれを発症するリスクのある対象を処置する方法に関し、該方法は、本開示の化合物を上記対象に投与することまたは投与されるようにすることを含む。
特定の実施形態において、本化合物は、生体適合性マトリックス中に分散されている。特定の実施形態において、生体適合性マトリックスが、生体適合性ゲルまたは生体適合性発泡体である。特定の実施形態において、本化合物が、対象の前庭組織に経鼓膜的に投与される。
特定の実施形態において、本開示は、前庭組織において前庭細胞集団を拡大するための方法であって、前庭組織において、拡大した細胞集団を形成するために、前庭組織を(i)本開示の化合物、および(ii)TGF−β阻害剤と接触させることを含む方法を提供する。
毛乳頭細胞の産生
特定の実施形態において、本開示は、毛乳頭細胞の産生を促進する方法に関し、該方法は、毛乳頭細胞集団を拡大するために、本開示の化合物を単独でまたはBMP阻害剤と組み合わせて投与することを含む。特定の実施形態において、本化合物は、哺乳動物において毛を再生させることができる。特定の実施形態において、毛乳頭細胞集団は、インビボ対象のものである。特定の実施形態において、毛乳頭細胞集団は、脱毛症の処置のためのインビボ対象のものである。特定の実施形態において、本開示は、インビボで初期集団において毛乳頭細胞を増殖させるために、本開示の化合物を単独でまたはBMP阻害剤と組み合わせて使用し、その結果、拡大した毛乳頭細胞集団をもたらすことを含む、毛乳頭細胞を産生する方法を提供する。
投与
正円窓膜または卵円窓膜は、内耳空間に対する生物学的障壁であり、聴力障害の局所的処置に対する主要な障害である。投与される薬物は、内耳空間に到達するためにはこの膜を乗り越えなければならない。薬物は手術(例えば、鼓膜を通過する注射)により正円窓膜または卵円窓膜に局所的に配置することができ、次いで、正円窓膜または卵円窓膜を通り抜けることができる。正円窓または卵円窓を通り抜けた物質は、典型的には外リンパに分布し、したがって有毛細胞および支持細胞に到達する。
特定の実施形態において、医薬製剤は、薬物を局所的に正円窓膜または卵円窓膜に投与するように適合させる。医薬製剤はまた、本明細書において言及された薬剤が正円窓膜または卵円窓膜を通過するのを助ける膜浸透促進剤も含有してよい。したがって、液体、ゲル、または発泡体製剤を用いることができる。活性成分を経口的に適用すること、または送達アプローチの組み合わせを使用することも可能である。
薬物の耳への鼓室内(IT)送達は、臨床目的および研究目的の両方で用いられることが多くなっている。いくつかのグループはマイクロカテーテルおよびマイクロウィック(microwick)を用いて薬物を持続様式で適用したが、大多数は、単回IT注射として、または繰り返しIT注射(最長2週間の期間にわたって最大8回の注射)として薬物を適用した。
鼓室内適用された薬物は、主として正円窓膜または卵円窓(RW)膜を通過することによって内耳液に入ると考えられている。計算から、耳に入る薬物の量および耳の長さに沿った薬物の分布を両方を制御する主な因子は、薬物が中耳空間に残存する期間であることが示されている。単回の「ワンショット」適用するか、または水溶液を数時間にわたって適用すると、蝸牛の長さに沿って適用された物質の急な薬物勾配がもたらされ、薬物はその後に耳全体にわたって分布するようになるので、蝸牛の基底回転における濃度が急激に低下する。
他の注射アプローチには、浸透圧ポンプによるもの、または移植された生体材料との組み合わせによるもの、より好ましくは、注射または注入によるものが含まれる。薬物の放出キネティクスおよび分布の制御に役立つことができる生体材料には、ヒドロゲル材料、分解性材料が含まれる。最も好ましく用いられる材料の1つの種類にはインサイチューでゲル化する材料が含まれる。他の材料には、コラーゲン、またはフィブリン、ゼラチン、および脱細胞化組織を含む他の天然材料が含まれる。ゲルフォーム(Gelfoam)も好適であり得る。
送達はまた、浸透促進剤などの、送達される組成物に添加される薬剤を含むがこれに限定されない代替手段により増強されてもよく、または超音波、エレクトロポレーション、もしくは高速噴流によるデバイスによるものであってもよい。
本明細書に記載の方法はまた、PCT出願番号第WO2012103012(A1)号に記載の細胞種を含む、当業者に既知の様々な方法を用いて生成され得る内耳細胞種にも使用することができる。
ヒトおよび動物の処置について、投与される特定の薬剤の量は、処置される障害および障害の重篤度;使用される特定の薬剤の活性;患者の年齢、体重、身体全体の健康、性別、および食事;使用される特定の薬剤の投与時間、投与経路、および排出速度;処置の期間;使用される特定の薬剤と組み合わせて用いられるまたはそれと同時に用いられる薬物;処方している医師または獣医師の判断;ならびに医学分野および獣医学分野において既知の同様の要因を含む様々な要因に依存し得る。
本明細書に記載の薬剤は、処置を必要とする対象に治療有効量で投与されてもよい。本明細書に記載の組成物の投与は、好適な投与経路のいずれか、特に、鼓室内投与によるものであり得る。他の経路には、摂取、あるいは非経口、例えば、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、鼻腔内、皮下、舌下、経皮、もしくは吸入もしくは吹送(insufflation)、または外耳道および鼓膜の皮膚を通って吸収させるための耳点滴(ear instillation)による局所が含まれる。このような投与は、単回または複数回の経口投与、規定された回数の点耳、あるいはボーラス注射、複数回の注射、または短期もしくは長期の注入としての投与でもよい。植込み型デバイス(例えば、植込み型注入ポンプ)をまた、等量または異なる用量の特定の製剤を時間経過とともに周期的に非経口送達するために用いてもよい。このような非経口投与の場合、組成物は、好ましくは、水または別の好適な溶媒もしくは溶媒混合物に溶解した滅菌溶液として製剤化される。溶液は、他の物質、例えば、溶液を血液と等浸透圧にするための塩、糖(特にグルコースまたはマンニトール)、緩衝剤、例えば、酢酸、クエン酸、および/またはリン酸およびそのナトリウム塩、ならびに防腐剤を含有してもよい。
本明細書に記載の化合物は、化合物を内耳に送達するのに十分な多くの方法によって投与することができる。組成物の内耳への送達は、化合物が正円窓または卵円窓を通って内耳に拡散し得るように化合物を中耳に送達すること、および正円窓膜または卵円窓膜を通り抜けて直接注射することにより化合物を内耳に送達することを含む。このような方法には、経鼓膜的ウィックもしくはカテーテルによる耳介投与、または非経口投与、例えば、耳介内注射、経鼓膜的注射、もしくは蝸牛内注射による非経口投与が含まれるが、これらに限定されない。
特定の実施形態において、本開示の化合物、組成物、および製剤は局所投与され、それらが全身に投与されないことを意味する。
一実施形態において、注射器および針器具を使用して、化合物または組成物を耳介投与を用いて対象に投与する。好適な大きさの針を用いて鼓膜に穴をあけ、組成物を含むウィックまたはカテーテルを穴があいた鼓膜を通って対象の中耳に挿入する。デバイスは、正円窓もしくは卵円窓と接触するように、または正円窓もしくは卵円窓のすぐ隣にあるように挿入されてもよい。耳介投与に用いられる例示的なデバイスには、経鼓膜的ウィック、経鼓膜的カテーテル、正円窓もしくは卵円窓マイクロカテーテル(正円窓もしくは卵円窓に医薬を送達する小さなカテーテル)、およびSilverstein Microwicks(商標)(対象または医療従事者により調節が可能である、チューブから正円窓もしくは卵円窓まで「ウィック」が通っている小さなチューブ)が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、注射器および針器具を使用して、鼓膜の後ろを通して中耳および/または内耳に入る注射である経鼓膜的注射を用いて化合物または組成物を対象に投与する。製剤は、経鼓膜的注射を介して正円窓膜もしくは卵円窓膜に直接投与されてもよく、蝸牛内注射を介して蝸牛に直接投与されてもよく、または前庭内注射を介して前庭器官に直接投与されてもよい。
いくつかの実施形態において、送達デバイスは、化合物または組成物を中耳および/または内耳に投与するように設計された器具である。単に一例として、GYRUS Medical GmbHは、正円窓または卵円窓小窩(niche)の視覚化用および正円窓または卵円窓小窩への薬物送達用にマイクロオトスコープを提供している。Arenbergは、米国特許第5,421,818号、同第5,474,529号、および同第5,476,446号において内耳構造に液体を送達するための医学的処置デバイスについて記載し、それらの各々は、そのような開示について参照により本明細書に組み入れられる。米国特許出願第08/874,208号は、そのような開示について参照により本明細書に組み入れられ、組成物を内耳に送達するために液体移送管を移植するための外科的方法について記載している。米国特許出願公開第2007/0167918号は、そのような開示について参照により本明細書に組み入れられ、経鼓膜的液体サンプリングを行い、かつ医薬を適用するための、耳吸引器(otic aspirator)と医薬品ディスペンサーとの組み合わせについてさらに記載している。
いくつかの実施形態において、本明細書において開示される組成物は、該組成物を必要とする対象に1回投与される。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、該組成物を必要とする対象に1回より多く投与される。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組成物の第1の投与の後に、本明細書で提供される組成物の第2の投与、第3の投与、第4の投与、または第5の投与が行われる。
組成物を必要とする対象に組成物が投与される回数は、医療専門家の裁量、障害、障害の重篤度、および製剤に対する対象の応答による。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物は、これを必要とする軽度の急性状態を有する対象に1回投与される。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物は、これを必要とする中程度または重度の急性状態を有する対象に1回より多く投与される。対象の状態が改善しない場合、対象の疾患または状態の症状を緩和させるかまたは別に制御もしくは制限するために、医師の裁量で、組成物を長期にわたって、すなわち、対象の一生涯を含む長い期間にわたって投与してもよい。
対象の状態が改善する場合、医師の裁量で、組成物を継続的に投与してもよく、あるいは、投与される薬物の用量は、特定の時間(すなわち、「休薬期間」)にわたって、一時的に減少してもよく、または一時的に中断してもよい。休薬期間の長さは、単に一例として、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、28日、35日、50日、70日、100日、120日、150日、180日、200日、250日、280日、300日、320日、350日、および365日を含めて2日〜1年まである。休薬期間中の用量の減少は、単に一例として、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、および100%を含めて10%〜100%でもよい。
対象の聴覚および/または平衡が改善したら、必要であれば維持用量を投与することができる。その後、投与量もしくは投与頻度またはその両方を、改善した疾患、障害、または状態が保たれる水準まで症状に応じて任意選択で少なくしてもよい。特定の実施形態において、対象は、症状のいかなる再発の際には、長期的に断続的処置を必要とする。
特定の実施形態において、本医薬製剤はまた、Notchアクチベーター、HDAC阻害剤、BMP4アンタゴニスト、ノギン(BMP4を阻害する)、Sox2、ビタミンD(カルシトリオール)、ビタミンB(ニコチンアミド)、ビタミンA、ビタミンC(pVc)、Lgr4、p38/MAPK阻害、ROCK阻害、および/またはAlk4/7から選択されるさらなる薬剤を含んでもよい。特定の実施形態において、本医薬製剤はまた、上皮成長因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、インスリン様成長因子(IGF)、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
HDACを含む組成物
特定の実施形態において、本医薬製剤はまた、HDACを含んでもよい。特定の実施形態において、HDACを含有する本医薬製剤は、Lgr5+細胞の形成を増強し、分化を制御し、幹細胞性および複製を制御し、または聴覚および腸再生を回復させることができる。
特定の実施形態において、HDAC阻害剤は、バルプロ酸、またはそのプロドラッグ、エステル、塩形態、もしくはアミドである。
特定の実施形態において、HDAC阻害剤は、カルボン酸含有化合物である。特定の実施形態において、カルボン酸含有化合物はC〜C20カルボン酸であり、該カルボン酸はアルキル、アルケニル、またはアルキニルを含む。
特定の実施形態において、カルボン酸含有化合物は、置換もしくは非置換C〜C20直鎖もしくは分枝鎖または環式鎖アルキル−COH、置換もしくは非置換C〜C20直鎖もしくは分枝鎖または環式鎖アルケニル−COH、および置換もしくは非置換C〜C20直鎖もしくは分枝鎖または環式鎖アルキニル−COHである。特定の実施形態において、カルボン酸含有化合物は、置換C〜C20直鎖または分枝鎖アルキル−COHである。
特定の実施形態において、カルボン酸含有化合物は、置換C〜C20直鎖または分枝鎖アルキル−COHであり、該置換基は−NHである。特定の実施形態において、カルボン酸含有化合物は、アミノ置換2−プロピルペンタン酸である。特定の実施形態において、アミノ置換2−プロピルペンタン酸は、5−アミノ−2−プロピルペンタン酸、4−アミノ−2−プロピルペンタン酸、3−アミノ−2−プロピルペンタン酸、および2−アミノ−2−プロピルペンタン酸からなる群から選択される。
特定の実施形態において、カルボン酸含有化合物は、非置換C〜C20直鎖または分枝鎖アルキル−COHである。特定の実施形態において、カルボン酸含有化合物は、非置換C〜C分枝状直鎖(branched straight chain)アルキル−COHである。特定の実施形態において、カルボン酸含有化合物は、非置換C〜C分枝状直鎖アルキル−COHである。特定の実施形態において、カルボン酸含有化合物は、非置換C分枝状直鎖アルキル−COHである。
特定の実施形態において、カルボン酸含有化合物はバルプロ酸である。
特定の実施形態において、カルボン酸含有化合物は、非置換C分枝状直鎖アルキル−COHのプロドラッグの形態であり、該プロドラッグはアミドまたはエステルの形態である。特定の実施形態において、非置換C分枝状直鎖アルキル−COHのアミドは、アミノ酸との縮合物である。特定の実施形態において、バルプロ酸のアミドは、
Figure 2020503340
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、HDAC阻害剤は、表1に列挙した阻害剤のうちの任意の1つである。
(表1)HDAC阻害剤
Figure 2020503340
Figure 2020503340
Figure 2020503340
Figure 2020503340
本明細書に開示される組成物および方法の様々な実施態様において使用するためのHDAC阻害剤のクラスには、表1のA列に列挙したものが含まれるが、これらに限定されない。本明細書に開示される組成物および方法の様々な態様において使用するための特定のHDAC阻害剤には、表1のB列に列挙したものが含まれるが、これらに限定されない。表1B列に列挙した薬剤は全て、その誘導体または薬学的に許容される塩を含むことが理解される。表1A列に列挙したクラスは全て、そのクラスを含む薬剤およびその誘導体または薬学的に許容される塩の両方を含むことが理解される。
特定の実施形態において、カルボン酸含有化合物の量は、最小2重量%(カルボン酸含有化合物の重量/医薬組成物の重量)〜20重量%である。特定の実施形態において、本組成物は、少なくとも4重量%のカルボン酸を含む。特定の実施形態において、本組成物は、少なくとも8重量%のカルボン酸を含む。特定の実施形態において、本組成物は、少なくとも12重量%のカルボン酸を含む。特定の実施形態において、本組成物は、少なくとも16重量%のカルボン酸を含む。特定の実施形態において、本組成物は、少なくとも20重量%のカルボン酸を含む。
BMP阻害剤を含む組成物
特定の実施形態において、本医薬製剤はまた、BMP阻害剤を含んでもよい。BMP阻害剤の例を以下に示す。他の例は、WO2014/138088A1およびWO2016/054406A1に記載され、それらはその内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
BMP阻害剤II 1206711−16−1
ドルソモルフィン(dorsomorphin) 866405−64−3
ML347 1062368−49−3
LDN−193189 1062368−24−4
TGF−β阻害剤を含む組成物
特定の実施形態において、本医薬製剤はまた、TGF−β阻害剤を含んでもよい。特定の実施形態において、特定の実施形態において、TGF−β阻害剤を含有する本医薬製剤は、前庭組織と接触することを含んで、前庭組織において前庭細胞集団を拡大させることができる。特定の実施形態において、TGF−β阻害剤を含有する本医薬製剤は、幹細胞増殖アッセイにおいて、幹細胞増殖アッセイ細胞集団における支持細胞の数を少なくとも10倍または少なくとも50倍増加させることができる。特定の実施形態において、TGF−β阻害剤を含有する本医薬製剤は、幹細胞分化アッセイにおいて、前庭支持細胞を含む細胞集団から有毛細胞を形成させることができる。
一実施形態において、TGF−β阻害剤は、616452(レプソックス(Repsox))、ガルニセルチブ(Galunisertib)(LY2157299)、EW−719、IN−1130、EW−7203、EW−7195、SM16、R268712、GW788388、およびPF−03671148から選択される。
例示的なTGF−β阻害剤を表2に示す。TGF−βI型受容体阻害剤には、Calbiochem(カルフォルニア州サンディエゴ)から購入することができる2−(3−(6−メチルピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)−1,5ナフチリジン、[3−(ピリジン−2−イル)−4−(4−キノリル)]−1H−ピラゾール、および3−(6−メチルピリジン−2−イル)−4−(4−キノリル)−1−フェニルチオカルバモイル−1H−ピラゾールが含まれるが、これらに限定されない。他の低分子阻害剤には、特に、SB−431542(例えば、Halder et al.,2005;Neoplasia7(5):509−521を参照のこと)、SM16(例えば、Fu,K et al.,2008;Arteriosclerosis,Thrombosis and Vascular Biology28(4):665を参照のこと)、およびSB−505124(例えば、Dacosta Byfield,S.,et al.,2004;Molecular Pharmacology65:744−52を参照のこと)が含まれるが、これらに限定されない。
(表2)TGF−β阻害剤
Figure 2020503340
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Figure 2020503340
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Figure 2020503340
ポロキサマーを含む組成物
特定の実施形態において、本開示は、a)本開示の化合物、およびb)ポロキサマーを含む医薬組成物を提供する。
特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約5〜約9である。特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約5、6、7、8、または9である。
特定の実施形態において、ポロキサマー存在下での化合物の溶解度は、ポロキサマー非存在下での同じpHにおける溶解度より約3倍高い。特定の実施形態において、ポロキサマー存在下での化合物の溶解度は、ポロキサマー非存在下での同じpHにおける溶解度より約2倍、3倍、4倍、または5倍高い。
特定の実施形態において、医薬製剤また、ポロキサマーを含有してもよい。ポロキサマーは、ポリオキシエチレン(ポリ(エチレンオキシド))の2つのブロックが側面に位置しているポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド))の中央疎水性鎖からなるトリブロックコポリマーである。ポロキサマーはしばしば、「機能性賦形剤」と考えられ、その理由は、ポロキサマーが、製剤において、重量な成分であり、重要な役割を果たすからである。
いくつかの実施形態において、ポロキサマーは、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338、およびポロキサマー407のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、ポロキサマーは、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338、またはポロキサマー407のうちの2つ以上の混合物を含む。いくつかの実施形態において、2つ以上のポロキサマーの混合物は、ポロキサマー407およびポロキサマー124を含む。別の実施形態において、ポロキサマーは、ポロキサマー188およびポロキサマー407のうちの少なくとも1つまたはそれらの混合物を含むいくつかの実施形態において、ポロキサマーは、ポロキサマー407である。
いくつかの実施形態において、ポロキサマーは、組成物に対して約5重量%〜約25重量%の濃度である。いくつかの実施形態において、ポロキサマーは、組成物に対して約10重量%〜約23重量%の濃度である。いくつかの実施形態において、ポロキサマーは、組成物に対して約15重量%〜約20重量%の濃度である。いくつかの実施形態において、ポロキサマーは、組成物に対して約17重量%の濃度である。いくつかの実施形態において、ポロキサマーは、組成物に対して約21重量%の濃度である。
いくつかの実施形態において、ポロキサマーは、組成物に対して約21重量%〜40重量%の濃度であり得る。別の実施形態において、ポロキサマーは、組成物に対して約21重量%〜30重量%の濃度であり得る。別の実施形態において、ポロキサマーは、組成物に対して約23重量%〜29重量%の濃度であり得る。別の実施形態において、ポロキサマーは、組成物に対して約23重量%〜27重量%の濃度であり得る。別の実施形態において、ポロキサマーは、組成物に対して約25重量%の濃度であり得る。
いくつかの実施形態において、医薬組成物のゲル化温度は、約10℃より高い。いくつかの実施形態において、医薬組成物のゲル化温度は、約11℃〜約32℃である。いくつかの実施形態において、医薬組成物のゲル化温度は、約15℃〜約30℃である。いくつかの実施形態において、医薬組成物のゲル化温度は、約20℃〜約28℃である。いくつかの実施形態において、医薬組成物のゲル化温度は、約24℃〜約26℃である。
いくつかの実施形態において、医薬組成物のゲル化温度は、約15℃である。いくつかの実施形態において、医薬組成物のゲル化温度は、約20℃である。いくつかの実施形態において、医薬組成物のゲル化温度は、約24℃である。いくつかの実施形態において、医薬組成物のゲル化温度は、約26℃である。いくつかの実施形態において、医薬組成物のゲル化温度は、約28℃である。いくつかの実施形態において、医薬組成物のゲル化温度は、約30℃である。いくつかの実施形態において、医薬組成物のゲル化温度は、約32℃である。
特定の実施形態において、本開示は、10℃より高いゲル化温度を有する医薬組成物であって、該組成物は、a)薬学的に活性な本開示の化合物、b)医薬組成物の21重量%以上のポロキサマー、およびc)HDAC阻害剤を含み、該医薬組成物は10℃より高いゲル化温度を有する、医薬組成物を提供する。
特定の実施形態において、本開示は、10℃より高いゲル化温度を有する医薬組成物であって、該組成物は、a)薬学的に活性な本開示の化合物、b)医薬組成物の21重量%以上のポロキサマー、およびc)カルボン酸含有化合物を含み、該医薬組成物は10℃より高いゲル化温度を有する、医薬組成物を提供する。
一般的実験方法
H NMR スペクトルをBruker Avance III 400MHzおよびBruker Fourier 300MHzで記録し、TMSを内部標準として使用した。
LCMSは、Agilent LC/MSD 1200シリーズ(カラム:C18(50×4.6mm、5μm))の四重極型質量分析計で行い、ES(+)または(−)イオン化モード、T=30℃で作動させた。

合成スキーム
Figure 2020503340
Figure 2020503340
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Figure 2020503340
実験手順:
中間体2の合成
Figure 2020503340
MeCN(540ml)中の中間体1(20g、213mmol)の溶液に、(E)−4−オキソ−ブテン酸エチル(28.6g、223mmol)を添加した。反応混合物を80℃に加熱し、6時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(1:0〜200:1のジクロロメタン/MeOHで溶出)により精製して、粗中間体2(25g)を褐色固体として得た。
中間体3の合成
Figure 2020503340
MeOH(100ml)中の粗中間体2(25g)の溶液に、NH/MeOH(6M、100ml)を添加した。反応混合物を室温で一晩攪拌した。混合物をEtOAc(500ml)に注ぎ、次いで濾過した。濾過ケーキを真空中で乾燥し、中間体3(13g、2工程で35%)を褐色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体5の合成
Figure 2020503340
DMF(1000ml)中の中間体4(100g、0.51mol)の溶液にNaH(60%、61g、1.53mol)を0℃で添加した。混合物を室温で20分間攪拌した。2−クロロエチルアミン塩酸塩(89.2g、0.77mol)を混合物に0℃で何回に分けて添加した。混合物を室温で2時間攪拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=5/1)は反応が完了したことを示した。混合物を氷水に注ぎ、EtOAc(600ml×3)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、中間体5(110g、90%)を黄色油として得た。
Figure 2020503340
中間体6の合成
Figure 2020503340
AcOH(720ml)中の中間体5(150g、0.63mol)の溶液に、ボランピリジン錯体(9.3M、135.5ml、1.26mol)をN下で室温で添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。次いで、混合物をNaOH水溶液でpH=9〜10に調整し、EtOAc(800ml×3)で抽出した。合わせた有機相を真空中で濃縮して、粗化合物を得た。水(720ml)を粗化合物に添加し、続いて濃HCl(240ml)をゆっくりと添加した。混合物を室温で30分間攪拌し、NaOH水溶液でpH=10〜11に調整し、EtOAc(800ml×3)で抽出し、濃縮して、粗化合物を得た。メチル第三級ブチルエーテル(500ml)中の粗化合物の溶液に、AcOH(28ml)を室温で添加した。混合物を室温で30分間攪拌し、次いで濾過し、濾過ケーキをメチル第三級ブチルエーテルで洗浄し、乾燥して、中間体6(120g、63.5%)を白色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体7の合成
Figure 2020503340
AcOH(80ml)およびHCHO(37%水溶液、660ml)中のHSO(12.6ml)の溶液に、中間体6(100g、0.33mol)を室温で何回に分けて添加した。混合物を50℃で20分間攪拌した。次いで、混合物をNaOH水溶液でpH=9〜10に調整し、EtOAc(800ml×3)で抽出し、濃縮して、粗中間体7(100g)を黄色固体として得て、これを精製せずに次の工程に直接使用した。
中間体8の合成
Figure 2020503340
THF(700ml)中の中間体7(100g、粗製物)およびKCO水溶液(300ml、1M)の混合物を(Boc)O(94.4g)に室温で添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=10/1)は反応が完了したことを示した。次いで、HOを添加し、EtOAc(500ml×3)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(50:1〜5:1の石油エーテル/EtOAcで溶出)により精製して、中間体8(75g、2工程で64.6%)を黄色固体として得た。
Figure 2020503340
コア1の合成
Figure 2020503340
THF(490ml)中の中間体8(49g、0.14mol)の溶液に、THF(490ml)中のDDQ(37.9g、0.17mol)の溶液をN下で0℃で添加した。混合物を0℃で15分間攪拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=5/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物をNaCO水溶液に注ぎ、EtOAc(400ml×2)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(50:1〜10:1の石油エーテル/EtOAcで溶出)により精製して、コア1(24g、49%)を黄色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体10の合成
Figure 2020503340
ジクロロメタン(100ml)中のコア1(10g、28.5mmol)の溶液に、HCl/ジオキサン(7M、50ml)を室温で添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=5/1)は反応が完了したことを示した。溶媒を真空中で濃縮して、白色固体を得た。
DMF(100ml)中の白色固体および1−ピペリジンカルボニルクロリド(4.6g、31.3mmol)の溶液に、EtN(8.6g、85.5mmol)を5℃未満で添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=10/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、EA(200ml×4)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20:1〜1:1の石油エーテル/EtOAcで溶出)により精製して、中間体10(7.5g、72.8%)を黄色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体11の合成
Figure 2020503340
ジクロロメタン(100ml)中の中間体10(10g、27.6mmol)の溶液に、(COCl) (8.8g、69mmol)をN下で0℃で添加した。混合物を40℃で1時間攪拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=1/1)は反応が完了したことを示した。次いで、MeOH(10ml)中のNaOMe(3.7g、69mmol)の溶液をN下で−60℃で添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。水を添加し、ジクロロメタン(100ml×3)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(5:1〜1:2の石油エーテル/EtOAcで溶出)により精製して、中間体11(6g、48.5%)を黄色固体として得た。
Figure 2020503340
コア2の合成
Figure 2020503340
DMF(180ml)中の中間体11(10g、22.3mmol)および中間体3(3.9g、22.3mmol)の溶液に、THF(100ml)中のt−BuOK(6.4g、19.0mmol)の溶液を0〜10℃で添加した。混合物を0〜10℃で15分間攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=15/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、EtOAc(100ml×4)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(10:5:1〜1:1:1の石油エーテル/EtOAc/THFで溶出)により精製して、コア2(6.5g、50.7%)を橙色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体12の合成
Figure 2020503340
DMF(200ml)中のコア1(10g、28.5mmol)の溶液に、CuI(5.4g、28.5mmol)および2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)酢酸メチル(19.2g、100mmol)をN下で室温で添加した。混合物を80℃で2.5時間攪拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=5/1)は反応が完了したことを示した。混合物を室温に冷却し、濾過した。濾液を水に添加し、EtOAc(100ml×4)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20:1〜5:1の石油エーテル/EtOAcで溶出)により精製し、中間体12(5.5g、56.7%)を黄色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体13の合成
Figure 2020503340
ジクロロメタン(75ml)中の中間体12(5.0g、14.7mmol)の溶液に、(COCl)(4.6g、36.7mmol)をN下で添加した。混合物を40℃で1時間攪拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=1/1)は反応が完了したことを示した。次いで、MeOH(10ml)中のNaOMe(1.98g、36.7mmol)の溶液をN下で−60℃で添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。水を添加し、ジクロロメタン(100ml×3)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(10:1〜5:1の石油エーテル/EtOAcで溶出)により精製して、中間体13(3.8g、60.7%)を黄色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体14の合成
Figure 2020503340
DMF(110ml)中の中間体13(5.5g、12.9mmol)および中間体3(2.25g、12.9mmol)の溶液に、THF(10ml)中のtBuOK(3.6g、32.2mmol)の溶液を0〜10℃で添加した。混合物を0〜10℃で15分間攪拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=l/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、EtOAc(100ml×4)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(100:1〜30:1のジクロロメタン/MeOHで溶出)により精製して、中間体14(3.5g、58.3%)を橙色固体として得た。
Figure 2020503340
化合物I−1の合成
Figure 2020503340
ジクロロメタン(50ml)中の中間体14(5g、9.1mmol)の溶液に、HCl/ジオキサン(50ml、7M)を室温で添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=15/1)は反応が完了したことを示した。溶媒を真空中で濃縮して、白色固体を得た。
DMF(40ml)中の白色固体および1−ピペリジンカルボニルクロリド(1.8g、12.3mmol)の溶液に、EtN(2.49g、24.6mmol)を室温で添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=10/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、EtOAc(100ml×4)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20:1〜10:1のジクロロメタン/THFで溶出)により精製して、化合物I−1(3.0g、70%)赤色固体として得た。
Figure 2020503340
化合物I−2の合成
Figure 2020503340
N−メチル−2−ピロリドン(50ml)中のコア2(5g、8.7mmol)の溶液に、CuCN(2.5g、28mol)を室温で添加した。混合物をN下で150℃で6時間攪拌した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、EtOAc(100ml×4)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(1:0〜50:1のジクロロメタン/MeOHで溶出)により精製して、化合物I−2(2.2g、49%)を橙色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体15の合成
Figure 2020503340
1,4−ジオキサン(500ml)中のコア1(50g、0.14mol)の溶液に、NaI(42.7g、0.28mol)およびCuI(2.7g)、ならびに2−ジメチルアミノエチルアミン(2.5g)を添加した。混合物をN下で140℃で一晩攪拌した。混合物を濾過し、濾過ケーキをジクロロメタンで洗浄した。合わせた有機相を真空中で濃縮した。残渣をメチル第三級ブチルエーテルで洗浄して、中間体15(50g、88.0%)を黄色固体として得た。
中間体16の合成
Figure 2020503340
次いで、室温のEtN(120ml)およびTHF(60ml)中の中間体15(10g、25.1mmol)の溶液に、Pd(PPhCl(1.2g、2.4mmol)およびCuI(1.2g、2.4mmol)をN下で添加した。次いで、エチニルトリメチルシラン(4.75g、48.4mmol)を滴下して添加した。混合物を60℃で一晩攪拌した。混合物を真空中で濃縮して、EtNを除去した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、CHCl(300ml×2)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(100:1〜50:1の石油エーテル/EtOAcで溶出)により精製して、中間体16(6g、64.8%)を黄色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体17の合成
Figure 2020503340
ジクロロメタン(110ml)中の中間体16(10g、27mmol)の溶液に、(COCl)(8.5g、67.4mmol)をN下で0℃で添加した。混合物を40℃で1時間攪拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=5/1)は反応が完了したことを示した。次いで、MeOH(10ml)中のNaOMe(3.64g、67.4mmol)の溶液をN下で60℃で添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。水を添加し、ジクロロメタン(100ml×3)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(100:1〜5:1の石油エーテル/EtOAcで溶出)により精製して、中間体17(7g、56.7%)を黄色固体として得た。
中間体18の合成
Figure 2020503340
DMF(80ml)中の中間体17(8g、17.6mmol)および中間体3(3.1g、17.6mmol)の溶液に、THF(30ml)中のtBuOK(4.9g、44mmol)の溶液を0〜10℃で添加した。混合物を0〜10℃で15分間攪拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=1/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、EtOAc(100ml×4)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(100:1〜50:1のジクロロメタン/MeOHで溶出)により精製して、中間体18(5g、49%)を橙色固体として得た。
中間体19の合成
Figure 2020503340
ジクロロメタン(50ml)中の中間体18(5g、8.6mmol)の溶液に、HCl/ジオキサン(50ml、7M)を室温で添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=15/1)は反応が完了したことを示した。溶媒を真空中で濃縮して、白色固体を得た。
DMF(50ml)中の白色固体および1−ピペリジカルボニルクロリド(1.4g、9.5mmol)の溶液に、EtN(2.6g、25.8mmol)を室温で添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=10/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、EtOAc(100ml×4)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、粗中間体19(5.2g)を得て、これを精製せずに次の工程に直接使用した。
化合物I−3の合成
Figure 2020503340
DMF(100ml)中の粗中間体19(5.2g)の溶液に、KCO(2g)を添加した。混合物を50℃に加熱し、1時間攪拌した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、EtOAc(100ml×4)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(100:1〜30:1のジクロロメタン/MeOHで溶出)により精製して、化合物I−3(3g、2工程で18.6%)を赤色固体として得た。
Figure 2020503340
化合物I−10の合成
Figure 2020503340
ジオキサン(50ml)中のコア2(5g、8.8mmol)の溶液に、アセトアミド(3.1g、53.3mmol)、CuI(1.1g、5.8mmol)、KPO(5.5g、26.4mmol)をN下で室温で添加した。混合物を室温で20分間攪拌した。N,N−ジメチルエタン−1,2−ジアミン(1.56g、17.8mmol)を添加し、次いで、混合物をN下で115℃で5時間攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=15/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、EtOAc/THF(3/1、100ml×4)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(200:1〜50:1のジクロロメタン/MeOHで溶出)により精製して、化合物I−10(3g、62%)を赤色固体として得た。
Figure 2020503340
化合物I−4の合成
Figure 2020503340
EtOH(10ml)中の化合物I−10(3g、5.4mmol)の溶液に、HCl(28ml、6N)を室温で添加した。混合物を80℃で3時間攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=15/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、ジクロロメタン(100ml×2)で抽出し、次いで、水相をNaCO水溶液でpH=9〜10に調整し、ジクロロメタン(100ml×6)で抽出し、真空中で濃縮した。残渣をメチル第三級ブチルエーテルで洗浄し、濾過した。濾過ケーキを真空中で乾燥し、化合物I−4(2.1g、75%)を赤色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体22の合成
Figure 2020503340
乾燥トルエン(890ml)中の中間体21(100g、0.59mol)の溶液に、n−BuOH(131.6g、1.78mol)およびTsOH(10g)を室温で添加した。混合物を120℃で一晩攪拌し、ディーン・スターク装置を使用して水を除去した。TLC(石油エーテル/EtOAc=5/1)は反応が完了したことを示した。混合物を真空中で濃縮して、粗中間体22を得た。粗中間体22をフラッシュカラムクロマトグラフィー(100:1〜20:1の石油エーテル/EtOAcで溶出)により精製して、中間体22(120g、67.8%)を黄色油として得た。
Figure 2020503340
中間体23の合成
Figure 2020503340
乾燥THF(1500ml)中の中間体22(50g、0.17mol)の溶液に、ビニルマグネシウムブロミド溶液(1M、668.8ml、668.8mmol)を−40℃で滴加して添加した。混合物を−40℃で1時間攪拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=5/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物をNHCl水溶液に注ぎ、EtOAc(300ml×3)で抽出し、有機相を濃縮して、粗化合物を得た。粗化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(100:1〜20:1の石油エーテル/EtOAcで溶出)により精製して、化合物(24g)を黄色油として得た。THF(100ml)中の化合物(24g)の溶液に、HCl(0.5N、80ml)を室温で滴加して添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=5/1)は反応が完了したことを示した。混合物を、NaOH水溶液を用いてpH=10に調整し、EtOAc(300ml×3)で抽出し、真空中で濃縮して、中間体23(16g、58.8%)を黄色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体24の合成
Figure 2020503340
MeOH(2100ml)中の中間体23(140g、0.86mol)の溶液に、2−アミノエタノール(78g、1.3mol)およびPd/C(14g)をN下で室温で添加した。混合物をN下で室温で2時間攪拌した。次いで、混合物をH下で室温で一晩攪拌した。混合物を濾過し、濃縮して、中間体24(200g、粗製物)を黄色油として得て、これを精製せずに次の工程に直接使用した。
中間体25の合成
Figure 2020503340
THF(1300ml)中の中間体24(90g、粗製物)およびKCO(467ml、1M)の混合物に、BocO(141g)を室温で添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=10/1)は反応が完了したことを示した。次いで、HOを添加し、EtOAc(500ml×3)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(10:1〜1:1の石油エーテル/EtOAcで溶出)により精製して、中間体25(66.6g、2工程で56%)を黄色油として得た。
Figure 2020503340
中間体26の合成
Figure 2020503340
THF(1000ml)中の中間体25(50g、0.26mol)の溶液に、EtN(79g、0.79mol)およびMsO(55g、0.32mol)をN下で0℃で添加した。混合物を0℃で2時間攪拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=3/1)は反応が完了したことを示した。次いで、これを氷水に注ぎ、EtOAc(400ml×2)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、中間体26(50g、79%)を黄色油として得た。
Figure 2020503340
中間体27の合成
Figure 2020503340
DMF(722ml)中の中間体26(65g、0.19mol)の溶液に、NaH(60%、11.5g、0.29mol)を0℃で添加した。混合物をN下で0℃で1時間攪拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=3/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、EtOAc(500ml×4)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(50:1〜10:1の石油エーテル/EtOAcで溶出)により精製して、中間体27(26g、53.2%)を黄色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体28の合成
Figure 2020503340
ジクロロメタン(900ml)中の中間体27(27.5g、95.0mmol)の溶液に、(COCl)(18g、142mmol)をN下で0℃で添加した。混合物を0℃で2時間攪拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=1/1)は反応が完了したことを示した。次いで、MeOH(40.8ml)中のNaOMe(13.4g、247mmol)の溶液をN下で−60℃で添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。水を添加し、ジクロロメタン(200ml×3)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20:1〜1:1の石油エーテル/EtOAcで溶出)により精製して、中間体28(20g、56%)を白色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体29の合成
Figure 2020503340
DMF(120ml)中の中間体28(10g、26.5mmol)および中間体3(4.6g、26.5mmol)の溶液に、THF(100ml)中のtBuOK(7.4g、66.2mmol)の溶液を0〜10℃で添加した。混合物を0〜10℃で15分間攪拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=1/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、EtOAc(100ml×4)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20:1〜1:1の石油エーテル/EtOAcで溶出)により精製して、中間体29(7g、52.5%)を赤色固体として得た。
Figure 2020503340
コア3の合成
Figure 2020503340
ジクロロメタン(50ml)中の中間体29(5g、9.9mmol)の溶液に、HCl/ジオキサン(50ml、7M)を室温で添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=15/1)は反応が完了したことを示した。溶媒を真空中で濃縮した。残渣をメチル第三級ブチルエーテルで洗浄し、濾過した。濾過ケーキを真空中で乾燥して、コア3(4g、91.9%)を橙色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体31の合成
Figure 2020503340
ジオキサン(100ml)中の中間体30(20g、94mmol)の溶液に、HCl/ジオキサン(100ml、7M)を室温で添加した。混合物を室温で2時間攪拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=3/1)は反応が完了したことを示した。混合物をメチル第三級ブチルエーテル(300ml)に注ぎ、濾過した。濾過ケーキを真空中で乾燥し、中間体31塩酸塩(8g、57%)を白色固体として得た。
中間体32の合成
Figure 2020503340
ジクロロメタン(180ml)中の中間体31塩酸塩(7g、47mmol)の溶液に、EtN(14.2g、141mmol)を室温で添加した。混合物を室温で10分間攪拌した。次いでジクロロメタン(20ml)中のトリホスゲン(5.6g、19mmol)の溶液を混合物に0℃〜10℃で添加した。混合物を室温で2分間攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=10/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物をNaHCO水溶液、水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。粗生成物を真空中で蒸留して、中間体32(2.5g、30.5%)を無色油として得た。
化合物I−5の合成
Figure 2020503340
DMF(70ml)中のコア3(5g、11.45mmol)の溶液に、EtN(3.5g、34.35mmol)を室温で添加した。混合物を室温で10分間攪拌した。次いで、DMF(5ml)中の中間体32(3.6g、20.5mmol)の溶液を混合物に0℃〜10℃で添加した。混合物を室温で2時間攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=15/1)は反応が完了したことを示した。混合物を氷水に注ぎ、メチル第三級ブチルエーテルで抽出して不純物を除去し、次いでEtOAc(100ml×5)で抽出した。合わせたEtOAc相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、粗化合物I−5(4.5g、粗製物)を橙色固体として得た。
Figure 2020503340
化合物I−6の合成
Figure 2020503340
THF(100ml)中の粗中間体33(化合物I−5)(4.5g)の溶液に、NaBH(0.16g、4.2mmol)を5℃未満で何回かに分けて添加した。添加後、反応混合物を5℃未満で0.5時間攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=15/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を水に注ぎ、EtOAc(100ml×4)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(200:1〜30:1のジクロロメタン/MeOHで溶出)により精製して、化合物I−6(3g、2工程で48%)を橙色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体35の合成
Figure 2020503340
ジクロロメタン(240ml)中の中間体34塩酸塩(8.6g、55.0mmol)の溶液に、EtN(16.7g、165.0mmol)を室温で添加した。混合物を室温で10分間攪拌した。次いで、ジクロロメタン(20ml)中のトリホスゲン(6.5g、22.0mmol)の溶液を混合物に0℃〜10℃で添加した。混合物を室温で2時間攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=10/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物をNaHCO水溶液、水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。粗生成物を真空中で蒸留して、中間体35(4.2g、42%)を無色油として得た。
Figure 2020503340
化合物I−7の合成
Figure 2020503340
DMF(40ml)中のコア3(3g、6.8mmol)の溶液に、EtN(2.1g、20.6mmol)を室温で添加した。混合物を室温で10分間攪拌した。次いで、DMF(5ml)中の中間体35(1.4g、7.5mmol)の溶液を混合物に0℃〜10℃で添加した。混合物を室温で2時間攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=10/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、メチル第三級ブチルエーテルで抽出して不純物を除去し、濾過した。濾過ケーキを水(100ml×3)で洗浄し、ジクロロメタン(200ml)により溶解し、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、化合物I−7(2.2g、58%)を橙色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体37の合成
Figure 2020503340
ジクロロメタン(430ml)中の中間体36塩酸塩(15g、100mmol)の溶液に、EtN(30.6g、300mmol)を室温で添加した。混合物を室温で10分間攪拌した。次いで、ジクロロメタン(20ml)中のトリホスゲン(11.9g、40 mmol)の溶液を混合物に0℃〜10℃で添加した。混合物を室温で2時間攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=10/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物をNaHCO水溶液、水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。粗生成物を真空中で蒸留して、中間体37(9.2g、52%)を無色油として得た。
Figure 2020503340
化合物I−8の合成
Figure 2020503340
DMF(40ml)中のコア3(3g、6.8mmol)の溶液に、EtN(2.1g、20.6mmol)を室温で添加した。混合物を室温で10分間攪拌した。次いで、DMF(5ml)中の中間体37(1.3g、7.5mmol)の溶液を混合物に0℃〜10℃で添加した。混合物を室温で2時間攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=10/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、EtOAc(100ml×4)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(200:1〜50:1のジクロロメタン/MeOHで溶出)により精製して、化合物I−8(2.3g、62%)を橙色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体39の合成
Figure 2020503340
MeOH(100ml)中の中間体38(20g、113mmol)の溶液に、HCl/MeOH(4M、100ml)を添加し、次いで室温で一晩攪拌した。混合物を真空中で濃縮した。残渣に水(500ml)を添加し、EtOAc(200ml×4)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、粗中間体39(21g)を褐色固体として得て、これを精製することなく次の工程に直接使用した。
中間体40の合成
Figure 2020503340
MeOH(100ml)中の粗中間体39(21g)の溶液に、NH/MeOH(6M、100ml)を添加した。反応混合物を室温で一晩攪拌した。混合物をEtOAc(500ml)に注ぎ、次いで濾過した。濾過ケーキを真空中で乾燥し、中間体40(8g、2工程で40%)を白色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体41の合成
Figure 2020503340
DMF(120ml)中の中間体28(10g、26.5mmol)および中間体40(4.6g、26.5mmol)の溶液に、THF(100ml)中のtBuOK(7.4g、66.2mmol)の溶液を0〜10℃で添加した。混合物を0〜10℃で15分間攪拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=1/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、EtOAc(100ml×4)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(10:5〜1:2の石油エーテル/EtOAcで溶出)により精製して、中間体41(5g、37.5%)を赤色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体42の合成
Figure 2020503340
ジクロロメタン(50ml)中の中間体41(5g、9.9mmol)の溶液に、HCl/ジオキサン(50ml、7M)を室温で添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=15/1)は反応が完了したことを示した。溶媒を濃縮して、中間体42(4g、92%)を橙色固体として得た。
Figure 2020503340
化合物I−9の合成
Figure 2020503340
DMF(20ml)中の中間体42 (2g、4.9mmol)および1−ピペリジカルボニルクロリド(1.1g、7.4mmol)の溶液に、EtN(1.5g、14.9mmol)を室温で添加した。混合物を室温で30分間攪拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=15/1)は反応が完了したことを示した。混合物を氷水に注ぎ、EtOAc(100ml×4)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をメチル第三級ブチルエーテルで洗浄し、濾過した。濾過ケーキを真空中で乾燥し、化合物I−9(1.1g、43.1%)を橙色固体として得た。
Figure 2020503340
化合物I−12の合成
化合物I−12は、化合物I−7と同様の様式で、出発材料として3,3−ジフルオロピペリジンを用いて合成することができる。
Figure 2020503340
化合物I−13の合成
化合物I−13は合成スキーム9に示される。
Figure 2020503340
中間体47と同様の様式での中間体44の合成、収率43%。
Figure 2020503340
中間体45の合成
Figure 2020503340
中間体48と同様の様式での中間体45の合成、粗製物。
化合物I−13の合成
Figure 2020503340
化合物I−13の合成は化合物I−19と同様であり、2工程で収率20.7%。
Figure 2020503340
化合物I−14の合成
化合物I−14は、化合物I−8と同様の様式で合成することができる。
LC/MS M+1 548.2
化合物I−15の合成
化合物I−15は、化合物I−7と同様の様式で合成することができる。
LC/MS M+1 556.2
化合物I−16の合成
化合物I−16は、化合物I−7と同様の様式で合成することができる。
LC/MS M+1 556.2
化合物I−17の合成
化合物I−17は、化合物I−7と同様の様式で合成することができる。
LC/MS M+1 599.2
化合物I−18の合成
化合物I−18は、化合物I−8と同様の様式で合成することができる。
LC/MS M+1 591.2
化合物I−19の合成
Figure 2020503340
ジクロロメタン(25ml)中の中間体46(1.0g、4.67mmol)の溶液に、EtN(1.41g、14.0mmol)を添加した。懸濁液を攪拌し、DCM(5ml)中のトリホスゲン(0.55g、1.87mmol)により0〜10℃で滴下して処理した。添加が完了した後、懸濁液を室温で2時間攪拌した。反応混合物を氷水(20ml)に注ぎ、DCMで抽出し、有機層をNaHCO(水溶液)、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体47(0.6g、46.5%)を無色油として得た。
Figure 2020503340
化合物I−19の合成
Figure 2020503340
DMF(13ml)中のコア3(1.0g、2.29mmol)の溶液に、EtN(0.70g、6.87mmol)を添加した。懸濁液を攪拌し、DMF(2ml)中の中間体47(0.70g、2.52mmol)により0〜10℃で滴下して処理した。添加が完了した後、懸濁液を室温で2時間攪拌した。反応混合物を氷水(60ml)に注ぎ、濾過し、真空中で濃縮して、中間体48(1.0g、粗製物)を赤色固体として得た。
化合物I−19の合成
Figure 2020503340
DCM(30ml)中の中間体48(1.0g、粗製物)の溶液に、HCl/ジオキサン(10ml、8mol/L)を室温で添加し、混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキを水に溶解し、NaCO(水溶液)でpH=8〜9に調整し、再度濾過し、水で洗浄し、真空中で濃縮して、化合物I−19(130mg、2工程で10.5%)を赤色固体として得た。
Figure 2020503340
化合物I−20の合成
Figure 2020503340
DCM(1.5L)中の中間体49(15g、130.2mmol)の溶液に、EtN(19.8g、195.3mmol)およびDMAP(0.8g、6.5mmol)を添加した。懸濁液を攪拌し、tert−ブチルクロロジフェニルシラン(53.7g、195.3mmol)により0〜10℃で滴下して処理した。添加が完了した後、懸濁液を室温で5時間攪拌した。反応混合物を氷水(500ml)に注ぎ、DCM(300ml×2)で抽出し、有機層を食塩水(300ml×2)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、中間体50(30g、粗製物)を黄色油として得た。
中間体51の合成
Figure 2020503340
DCM(900ml)中の中間体50(30g、粗製物、84.8mmol)の溶液に、EtN(25.8g、254.5mmol)を添加した。懸濁液を攪拌し、DCM(50ml)中のトリホスゲン(10.1g、33.9mmol)により0〜10℃で滴下して処理した。添加が完了した後、懸濁液を室温で2時間攪拌した。反応混合物を氷水(300ml)に注ぎ、DCMで抽出し、有機層をNaHCO(水溶液)、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体51(3.1g、8.8%)を無色油として得た。
Figure 2020503340
中間体52の合成
Figure 2020503340
DMF(15ml)中のCFコア(合成はスキーム2に記載されている)(1.6g、3.28mmol)の溶液に、EtN(1.0g、9.84mmol)を添加した。懸濁液を攪拌し、DMF(5ml)中の中間体51(1.5g、3.60mmol)により0〜10℃で滴下して処理した。添加を完了した後、懸濁液を室温で2時間攪拌した。反応混合物を氷水(80ml)に注ぎ、濾過し、濾過ケーキを水およびMTBEで洗浄し、真空中で濃縮して、中間体52(0.98g、粗製物)を赤色固体として得た。
化合物I−20:
Figure 2020503340
THF(20ml)中の中間体52(0.98g、粗製物)の溶液に、THF(10ml)中のTBAF(0.56g、1.77mmol)を室温で添加し、混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を氷水(40ml)に注ぎ、濾過し、濾過ケーキを真空中で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物I−20(160mg、22.8%)を橙色固体として得た。
Figure 2020503340
化合物I−21の合成
Figure 2020503340
中間体52と同様の様式での中間体53の合成。CNコアの合成は、スキーム3に記載される条件を使用いてBrを置換し、続いて、コア1を中間体10にすることについて記載した条件を用いてデブロッキングすること(deblocking)により、コア1から調製することができる。
化合物I−21の合成
Figure 2020503340
化合物I−21の合成は、化合物I−20の合成における最終工程と同様の様式であり、収率28.6%。
Figure 2020503340
化合物I−22の合成
MS計算値:620.14;MS実測値:621.1[M+1]、23、24 MS計算値:586.14;MS実測値:587.1[M+1]、26、27 MS計算値:584.17;MS実測値:565.1[M+1]の合成は、化合物I−7と同様の様式で合成することができる。
化合物I−25の合成
化合物I−25は、合成スキーム11に示すようにして合成することができる。
中間体55の合成
Figure 2020503340
DCM(30ml)中の化合物54(2.3g、13.2mmol)の溶液に、EtN(2.9g、29.1mmol)およびBocO(3.5g、15.9mmol)を添加した。次いで、混合物を室温で2時間攪拌した。TLC(DCM/MeOH=10/1)は反応が完了したことを示した。混合物を氷水に注ぎ、DCMで抽出し、合わせた有機相を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、中間体55(2.3g、57.8%)を白色固体として得た。
中間体56の合成
Figure 2020503340
DMF(30ml)中の中間体55(2.3g、9.7mmol)の溶液に、NaH(0.5g、13.6mmol)を0〜10℃で添加した。次いで、室温で2時間攪拌した後、BnBr(2.5g、14.6mmol)を混合物に添加した。TLC(PE/EtOAc=3/1)は反応が完了したことを示した。反応物を氷水に注ぎ、EtOAcで抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、粗製物を得て、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、中間体56(2.8g、87.5%)を白色固体として得た。
中間体57の合成
Figure 2020503340
ジオキサン(10ml)中の中間体56(2.8g、8.6mmol)の溶液に、HCl/ジオキサン(7M、30ml)を添加した。混合物を室温で2時間攪拌した。TLC(PE/EtOAc=3/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を真空中で濃縮して、中間体57(1.9g、粗製物)を黄色油として得た。
中間体58の合成
Figure 2020503340
DCM(50ml)中の中間体57(1.9g、粗製物)の溶液に、EtN(2.1g、21.1mmol)を0〜10℃で添加し、次いでDCM(10ml)中のトリホスゲ(0.8g、2.8mmol)滴下して添加した。混合物を室温で2時間攪拌した。TLC(PE/EtOAc=5/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、DCMで抽出し、合わせた有機相をNaHCO(水溶液)、水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、粗物を得て、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、中間体58(0.6g、2工程で24.2%)を白色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体59の合成
Figure 2020503340
DMF(10ml)中のコア3(1.1g、2.6mmol)の溶液に、EtN(0.6g、6.0mmol)を添加し、次いでDMF(3ml)中の中間体58(0.6g、2.0mmol)を0〜10℃で滴下して添加し、混合物を室温で2時間攪拌した。TLC(DCM/MeOH=10/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水およびMTBEに注ぎ、濾過し、濾過したケーキをMTBEで洗浄し、真空中で濃縮して、中間体59(1.0g、76.3%)を黄色固体として得た。
Figure 2020503340
化合物I−26の合成
Figure 2020503340
EtOH(5ml)中の中間体59(1.0g、1.5mmol)の溶液に、HCl(12M、10ml)を添加した。混合物を4時間加熱還流した。TLC(DCM/MeOH=10/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を冷却し、NaCO(水溶液)でpH=7〜8に調整し、濾過し、濾過したケーキをMTBEで洗浄し、真空中で乾燥して、化合物I−25(0.4g、46.5%)を橙色固体として得た。
Figure 2020503340
化合物I−28の合成
化合物I−28 MS計算値:513.19;MS実測値:514.2[M+1]は、合成スキーム12に示すようにして合成することができる。中間体60を中間体61に変換し、該中間体61を、中間体2から中間体3へ、中間体28からコア3へ、およびコア3から化合物I−1へ、について記載された条件を用いて、化合物I−28に変換した。
中間体61の合成
Figure 2020503340
POCl(200ml)中の60(10g、91.7mmol)の溶液に、マロン酸ジエチル(73.4g、458.3mmol)を添加した。反応混合物を加熱還流し、3時間攪拌した。冷却後、反応混合物を氷水に注ぎ、pH=7〜8になるまでNaHCOを添加し、EtOAcで抽出した。有機相を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、61(1.8g、9.5%)を白色固体として得た。
Figure 2020503340
化合物I−29および化合物30の合成は、適切な重水素化出発材料を利用することにより、重水素化されていない材料と同様の様式で合成することができる。
化合物I−31の合成
化合物I−31は、合成スキーム13に示すようにして合成することができる。
中間体65の合成
Figure 2020503340
THF(50ml)中の化合物65(5.0g、23.5mmol)の溶液に、TMSCF(4.0g、28.2mmol)およびTBAF(28.2ml、28.2mmol)を0℃で添加した。次いで、混合物を温め、30℃で3時間攪拌した。TLC(PE/EtOAc=1/1)は反応が完了したことを示した。混合物を氷水に注ぎ、EtOAc(40ml×3)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、中間体66(6g、粗製物)を黄色油として得た。
Figure 2020503340
中間体67の合成
Figure 2020503340
DMF(50ml)中の中間体66(5g、17.7mmol)の溶液に、NaH(1.0g、24.7mmol)を0〜10℃で添加し、次いで、BnBr(4.5g、26.5mmol)を滴下して添加した。混合物を室温で2時間攪拌した。TLC(PE/EtOAc=2/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、EtOAcで抽出し、合わせた有機相を水、食塩水で洗浄した、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、中間体67(7.5g、粗製物)を黄色油として得た。
中間体68の合成
Figure 2020503340
ジオキサン(10ml)中の中間体67(7.5g、粗製物)の溶液に、HCl/ジオキサン(7M、50ml)を添加し、次いで、混合物を室温で3時間攪拌した。TLC(PE/EtOAc=2/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を真空中で濃縮して、中間体68(6.6g、粗製物)を黄色油として得た。
中間体69の合成
Figure 2020503340
DCM(130ml)中の中間体68(6.6g、粗製物)の溶液に、EtN(6.5g、63.9mmol)を0〜10℃で添加し、次いで、DCM(20ml)中のトリホスゲン(2.5g、8.5mmol)を滴下して添加した。混合物を室温で2時間攪拌した。TLC(PE/EtOAc=5/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、DCMで抽出し、合わせた有機相をNaHCO(水溶液)、水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、粗製物を得て、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、中間体69(2.0g、3工程で33.8%)を白色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体70の合成
Figure 2020503340
DMF(40ml)中のコア3(2.3g、5.4mmol)の溶液に、EtN(1.6g、16.2mmol)を添加し、次いで、DMF(10ml)中の中間体69(2.0g、6mmol))を0〜10℃で滴下して添加し、混合物を室温で2時間攪拌した。TLC(DCM/MeOH=10/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、濾過し、濾過したケーキをMTBEで洗浄し、真空中で濃縮して、中間体70(0.7g、17.9%)を赤色固体として得た。
Figure 2020503340
化合物I−31の合成
Figure 2020503340
EtOH(20ml)中の中間体70(0.7g、1.0mmol)の溶液に、HCl(12M、10ml)を添加した。混合物を5時間加熱還流した。TLC(D/M=10/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を冷却し、NaCO(水溶液)でpH=7〜8に調整し、濾過し、濾過したケーキをMTBEで洗浄し、真空中で濃縮して、化合物I−31(211mg、30%)を黄色固体として得た。
Figure 2020503340
化合物I−32の合成
化合物I−32 MS計算値:555.24;MS実測値:556.2[M+1]は、化合物I−19の合成と同様の様式で合成することができる。
化合物I−33の合成
化合物I−33 MS計算値:569.26;MS実測値:570.2[M+1]は、化合物I−8の合成と同様の様式で合成することができる。
化合物I−34の合成
化合物I−34 MS計算値:527.21;MS実測値:528.1[M+1]は、化合物I−19の合成と同様の様式で合成することができる。
化合物I−35の合成
化合物I−35 MS計算値:541.22;MS実測値:542.1[M+1]は、化合物I−19の合成と同様の様式で合成することができる。
化合物I−36の合成
化合物I−36 MS計算値:555.24;MS実測値:556.2[M+1]は、化合物I−8の合成と同様の様式で合成することができる。
化合物I−37の合成
化合物I−37は、合成スキーム14に示すようにして合成することができる。
中間体72の合成
Figure 2020503340
THF(300ml)中の化合物71(5.0g、23.3mmol)の溶液に、2,4−ジメトキシベンズアルデヒド(3.9g、23.3mmol)を添加し、次いで、混合物を室温で2時間攪拌した。NaBHAc(7.4g、35mmol)を0℃でゆっくりと添加した。次いで、混合物を室温で3時間攪拌した。TLC(DCM/MeOH=10/1)は反応が完了したことを示した。混合物を氷水に注ぎ、分離し、有機相を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、中間体72(9g、粗製物)を黄色油として得た。
中間体73の合成
Figure 2020503340
DCM(300ml)中の中間体72(9.0g、粗製物)の溶液に、EtN(7.5g、74.1mmol)を0〜10℃で添加し、次いでDCM(30ml)中のトリホスゲン(2.9g、9.9mmol)を滴下して添加した。混合物を室温で2時間攪拌した。TLC(PE/EtOAc=3/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、DCMで抽出し、合わせた有機相をNaHCO(水溶液)、水、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、粗製物を得て、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、中間体73(3.0g、2工程で30%)を黄色油として得た。
Figure 2020503340
中間体74の合成
Figure 2020503340
DMF(30ml)中のコア3(2.8g、6.4mmol)の溶液に、EtN(1.9g、19.2mmol)を添加し、次いでDMF(5ml)中の中間体73(3.0g、7.0mmol)を0〜10℃で滴下し、混合物を室温で2時間攪拌した。TLC(DCM/MeOH=10/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水およびMTBEに注ぎ、濾過し、濾過したケーキをMTBEで洗浄し、真空中で濃縮して、中間体74(1.2g、24%)を黄色固体として得た。
Figure 2020503340
化合物I−37の合成
Figure 2020503340
DCM(30ml)中の中間体74(1.2g、1.5mmol)の溶液に、HCl/ジオキサン(7M、10ml)を添加した。混合物を室温で2時間攪拌した。TLC(DCM/MeOH=10/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を氷水に注ぎ、濾過し、濾過したケーキを水に溶解し、NaCO(水溶液)でpH=7〜8に調整し、再度濾過し、濾過したケーキをMTBEで洗浄し、真空中で乾燥して、化合物I−37(0.27g、32.9%)を赤色固体として得た。
Figure 2020503340
化合物I−38の合成
化合物I−38 MS計算値:555.24;MS実測値:556.2[M+1]は、化合物I−19の合成と同様の様式で合成することができる。
化合物I−39の合成
化合物I−39 MS計算値:569.26;MS実測値:570.3[M+1]は、化合物I−8の合成と同様の様式で合成することができる。
化合物I−40の合成
化合物I−40 MS計算値:539.21;MS実測値:540.2[M+1]は、化合物I−8の合成と同様の様式で合成することができる。
化合物I−41の合成
化合物I−41 MS計算値:581.26;MS実測値:582.3[M+1]は、化合物I−8の合成と同様の様式で合成することができる。
化合物I−42の合成
化合物I−42 MS計算値:581.26;MS実測値:582.3[M+1]は、化合物I−8の合成と同様の様式で合成することができる。
化合物I−43の合成
化合物I−43 MS計算値:636.14;MS実測値:637.1[M+1]は、化合物I−18の合成と同様に合成することができる。
化合物I−44の合成
化合物I−44 MS計算値:614.17;MS実測値:615.1[M+1]は、化合物I−18の合成と同様に合成することができる。
化合物I−45の合成
化合物I−45 MS計算値:562.24;MS実測値:563.3[M+1]を、化合物I−36の合成と同様に合成することができる。
化合物I−46の合成
化合物I−46 MS計算値:576.26;MS実測値:577.3[M+1]は、化合物I−39の合成と同様に合成することができる。
化合物I−47の合成
化合物I−47 MS計算値:588.26;MS実測値:589.3[M+1]は、化合物I−42の合成と同様に合成することができる。
化合物I−48の合成
化合物I−48 MS計算値:530.19;MS実測値:531.2[M+1]は、中間体79を製造するために、合成スキーム15に示すようにして合成することができる。中間体79は、スキーム6(中間体23からコア3へ)およびスキーム8(中間体42から中間体I−9へ)に示すようにして最終生成物に変換される。
中間体76の合成
Figure 2020503340
乾燥THF(130ml)中の中間体75(20g、98.5mmol)の溶液に、BH・MeS (10M、49ml、492.6mmol)をN下で室温で添加した。混合物を室温で2時間攪拌し、次いで50℃に1時間加熱した。TLC(DCM/MeOH=5/1)は反応が完了したことを示した。混合物を室温に冷却し、MeOH(50ml)を0℃でゆっくりと添加し、混合溶液を濃縮して、粗中間体76(20g、>100%)を黄色固体として得た。
Figure 2020503340
中間体77の合成
Figure 2020503340
化合物I−46の合成
THF(300ml)中の中間体76(20g、粗製物)の溶液に、MnO(42.8g、492.5mmol)をN下で室温で添加した。混合物を80℃で5時間攪拌した。TLC(PE/EtOAc=5/1)は反応が完了したことを示した。次いで、混合物を濾過し、濃縮して、中間体77(20g、>100%)を黄色油として得た。
Figure 2020503340
中間体78の合成
Figure 2020503340
乾燥トルエン(180ml)中の中間体77(20g、粗製物)の溶液に、n−BuOH(26g)およびTsOH(2g)を室温で添加した。混合反応物を120℃で3時間攪拌し、ディーン・スターク装置を使用して水を除去した。TLC(PE/EtOAc=5/1)は反応が完了したことを示した。混合物を真空中で濃縮して、粗化合物を得た。粗化合物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(PE/EtOAc=1:0〜200:1)により精製し、中間体78(15g、3工程で48%)を黄色油として得た。
Figure 2020503340
中間体79の合成
Figure 2020503340
THF(450ml)中の中間体78(15g、47.3mmol)の溶液に、ビニルマグネシウムブロミド溶液(1M、189ml、189.2mmol)をN下で−40℃で滴下して添加した。混合物を−40℃で1時間攪拌した。TLC(PE/EtOAc=5/1)は反応が完了したことを示し、NHCl水溶液を−40℃〜0℃で添加し、EtOAcで抽出し、濃縮して、粗化合物を得た。粗化合物をシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製して、化合物(10g)を黄色油として得た。EtOAc(100ml)中の化合物(10g)の溶液に、HCl(0.5N、100ml)を滴下して添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。TLC(PE/EtOAc=5/1)は反応が完了したことを示した。混合物をNaOH水溶液でpH=8〜9に調整し、EtOAcで抽出し、合わせた有機相を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、中間体79(6g、70.5%)を黄色固体として得た。
Figure 2020503340
生物学的実施例
アッセイ:
組換えヒトGSK3を使用する、阻害GSK3αおよびGSK3βのためのインビトロ酵素アッセイを使用した酵素活性。
酵素および基質:
Figure 2020503340
アッセイ条件:
Kinase−Glo Max発光キナーゼアッセイキット(Promega)を使用して、アッセイを行った。これは、キナーゼ反応後に溶液中に残存するATP量を定量化することによりキナーゼ活性を測定する。アッセイからの発光シグナルは、存在しているATPの量と相関し、キナーゼ活性の量と逆相関する。化合物を10%DMSOに希釈し、5μlの希釈液を50μlの反応物に添加して、全ての反応物中のDMSOの最終濃度が1%となるようにした。酵素反応を30℃で40分間行った。50μlの反応混合物は、40mM Tris(pH7.4)、10mM MgCl、0.1mg/ml BSA、2mM DTT、0.1mg/ml GSKtide基質、10μM ATP、およびGSK3を含有する。酵素反応後、50μlのKinase−Glo Max発光キナーゼアッセイ溶液(Promega)を各反応物に添加し、プレーを室温で15分間インキュベートした。BioTek Synergy 2マイクロプレートリーダーを用いて発光シグナルを測定した。
データ分析:
キナーゼ活性アッセイを各濃度において2つ組で行った。コンピュータソフトウェアGraphpad Prismを用いて、発光データを分析した。キナーゼ非存在下(Lut)とキナーゼ存在下(Luc)との間の発光強度の差(Lut−Luc)を100%活性と定義した。化合物存在下での発光シグナル(Lu)を用いて、活性%を以下のように計算した:活性%={(Lut−Lu)/(Lut−Luc)}×100%(式中、Lu=化合物存在下での発光強度である(0未満の活性パーセントは全て、表中ではゼロと示されている))。
次いで、一連の化合物濃度に対する活性%の値を、Y=B+(T−B)/1+10((LogEC50−X)×ヒル勾配)による生成されたシグモイド用量応答曲線の非線形回帰分析を用いてプロットした(式中、Y=活性パーセント、B=最小活性パーセント、T=最大活性パーセント、X=化合物の対数、およびヒル勾配=傾斜係数またはヒル係数である)。最大値の半分の活性パーセントを生じさせる濃度によって、IC50値を決定した。
化合物の活性対GSK−αおよびGSK−βの活性の表:
本明細書中の表は、特定の化合物の活性を示す。効力について、「+」は約1μMより大きいことを示し、「++」は約100nM〜1μMを示し、「+++」は、約10nM〜100nMを示し、「++++」は約1nM〜10nMを示す。
Figure 2020503340
Figure 2020503340
Figure 2020503340
アッセイ:マウス系統
Lgr5−EGFP−IRES−Cre−ERマウス(Barker et al.,2007)(http://jaxmice.jax.org/strain/008875.html)を使用して、蝸牛幹細胞の拡大に対する低分子の効果を分析する。
内耳からの幹細胞の単離:全ての動物研究は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)のガイドラインに従って、承認された機関プロトコルの下で行われる。新生仔マウス(出生後1〜3日)を使用した実験のために、蝸牛をHBSS中で切片化し、コルチ器官を管血管条および蝸牛軸から分離する。次いで、コルチ器官をCell Recovery Solution(Corning)により1時間処理し、下に位置する間葉から蝸牛上皮を分離する。次いで、上皮を回収し、TrypLE (Life Technologies)により37℃で15〜20分間処理する。機械による粉砕によって得られた単細胞を濾過(40μm)し、三次元(3D)培養のためにマトリゲル(Corning)に懸濁する。
Lgr5陽性細胞の拡大
Glutamax(GIBCO)、N2、B27(Invitrogen)、EGF(50 ng/ml、Chemicon)、bFGF(50ng/ml、Chemicon)、IGF1(50ng/ml、Chemicon)、および本明細書で提供される組成物を補充したDMEMおよびF12の1:1混合物中で細胞を培養する。培地を一日おきに変える。
Lgr5陽性前駆細胞幹細胞コロニーの分化を、特定の薬物を添加をして、または薬物を添加することなく増殖因子の除去後に、Glutamax(GIBCO)、N2、B27(Invitrogen)を補充したDMEMおよびF12の1:1混合物中で行う。低分子を培養物に添加して、分化に対するそれらの効果を試験する。
分析
複数の条件での培養において、10日後(D10)に、Lgr5陽性細胞を定量化する。TrypLE(Gibco)を用いて、細胞コロニーを単細胞に解離させる。次いで、細胞をヨウ化プロピジウム(PI)で染色し、Lgr5−GFP発現についてフローサイトメーターを用いて分析する。GFP陽性細胞の数およびGFP陽性細胞の割合を定量化する。
分化処置の0日目(D0)および10日目(D10)に、Atoh1−nGFP陽性細胞を定量化し、分化した有毛細胞の数を決定する。細胞コロニーをCell Recovery Solution溶液中でインキュベートしてマトリゲルからコロニーを離し、TrypLEを用いて単細胞に解離させる。フローサイトメーターを用いて、GFP陽性細胞の総数および割合を複数の培養条件について定量化する。ANOVAを用いて条件間の平均を比較し、両側スチューデントのt検定を用いて各条件と収率が最も高い処置とを比較する。
本明細書中の表は特定の化合物の活性を示す。効力について、「+」は約1μMより大きいことを示し、「++」は約100nM〜1μMを示し、「+++」は、約1nM〜100nMを示す。細胞の%については、「+」は約0〜5%を示し、「++」は約6〜10%を示し、「+++」は約11%より大きいことを示す。
Figure 2020503340
Figure 2020503340

Claims (73)

  1. 式(I)の化合物:
    Figure 2020503340
    またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体
    [式中、
    は、CHまたはNであり、
    は、CまたはNであり、
    は、CまたはNであり、
    ここで、Q、Q、およびQのうちの少なくとも1つはNであり、
    は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−O−C〜Cアルキル、−NH、−NHC(O)R1a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R1aは、C〜Cアルキルであり、
    は、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−O−C〜Cアルキル、−NH、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)、−NHC(O)R2a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R2aは、C〜Cアルキルであり、
    は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−O−C〜Cアルキル、−NH、−NHC(O)R3a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R3aは、C〜Cアルキルであり、
    Arは、
    Figure 2020503340
    からなる群から選択され、
    −Z−W−X−Y−は、−C(R−C(R−N(R)−C(R−、−C(R−C(R−CH(R)−C(R−、または−C(R−CH(R)−C(R−であり、
    各Rは、独立して水素、重水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルもしくはオキソを形成し、
    各Rは、独立して水素、重水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルもしくはオキソを形成し、
    あるいはRおよびRが、それらが結合している炭素と一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成し、
    は、−CORX1、−SOX1、ヘテロアリール、および−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)からなる群から選択され、ここで、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)は、C〜Cアルキレン上で1〜4個のハロで任意選択で置換されていてもよく、
    ここで、RX1はヘテロシクリルであり、ここで該ヘテロシクリルは、独立して重水素、ハロ、−[C(RX1a−CN、−CF、C〜Cアルキル、−(CH−OH、−[C(RX1a−OH、−[C(RX1a−O−C〜Cアルキル、−NHCOC〜Cアルキル、−CONHC〜Cアルキル、−COH、−COH、−[C(RX1a−COO−C〜Cアルキル、−(CH−NH、−[C(RX1a−NH、−[C(RX1a−NH−C〜Cアルキル、−[C(RX1a−N−(C〜Cアルキル)からなる群から選択される1〜12個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、ここで、pは、0、1、2、または3であり、各RX1aは、独立して水素、重水素、ハロ、−CF、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のRX1a基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成し、
    あるいはRX1はN(RX2であり、ここで、RX2は、独立して水素、アルキル、置換アルキルから選択され、ここで、アルキル置換は、ハロ、複素環、および置換複素環であることができ、
    各Rは、独立して水素、重水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルもしくはオキソを形成し、
    mは、0、1、または2であり、
    ただし、前記化合物は、
    Figure 2020503340
    ではない]。
  2. が−CORX1である、請求項1に記載の化合物。
  3. X1が、ピペリジン、2,8−ジアザスピロ[4,5]デカン、2,5−ジアザビシクロ[2,2,1]ヘプタン、または8−オキサ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタンであり、これらの各々が、独立して重水素、ハロ、C〜Cアルキル、−[C(RX1a−OH、−(CH−NMe、−(CH−NHMe、−(CH−NHからなる群から選択される1〜12個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、ここで、pは、0、1、2、または3である、請求項2に記載の化合物。
  4. X1は、1〜6個のハロ置換基で任意選択で置換されていてもよいピペリジンである、請求項3に記載の化合物。
  5. 前記ピペリジンは、−[C(RX1a−OH、−(CH−NMeで任意選択で置換されていてもよい、請求項4に記載の化合物。
  6. は、ヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
  7. 前記ヘテロアリールは、単環式または二環式である、請求項6に記載の化合物。
  8. 前記ヘテロアリールは、1〜3個の窒素を含有する、請求項6に記載の化合物。
  9. は、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)である、請求項1に記載の化合物。
  10. 前記−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)が、C〜Cアルキレン上で1または2個のハロゲンで置換されている、請求項9に記載の化合物。
  11. 前記C〜Cシクロアルキルが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである、請求項9に記載の化合物。
  12. 式(Ia)の化合物:
    Figure 2020503340
    またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体
    [式中、
    は、CHまたはNであり、
    は、CまたはNであり、
    は、CまたはNであり、
    ここで、Q、Q、およびQのうちの少なくとも1つはNであり、
    は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−O−C〜Cアルキル、−NH、−NHC(O)R3a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R1aは、C〜Cアルキルであり、
    は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−O−C〜Cアルキル、−NH、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)、−NHC(O)R2a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R2aは、C〜Cアルキルであり、
    は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−O−C〜Cアルキル、−NH、−NHC(O)R3a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R3aは、C〜Cアルキルであり、
    Arは、
    Figure 2020503340
    からなる群から選択され、ここで、Arは、重水素、ハロ、アルキル、アルコキシ、およびCNで任意選択で置換されていてもよく、
    は、S、O、CH、およびNRQ7から選択され、ここで、RQ7は、水素であるかまたは任意選択で置換されていてもよいC〜Cアルキルであり、
    −Z−W−X−Y−は、−C(R−C(R−N(R)−C(R−、−C(R−C(R−CH(R)−C(R−、または−C(R−CH(R)−C(R−であり、
    各Rは、独立して水素、重水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルもしくはオキソを形成し、
    各Rは、独立して水素、重水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルもしくはオキソを形成し、
    あるいはRおよびRが、それらが結合している炭素と一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成し、
    は、水素、RX1、−CORX1、−SOX1、−(C〜Cアルキレン)−RX1からなる群から選択され、ここで、−(C〜Cアルキレン)−RX1は、C〜Cアルキレン上で1〜4個のハロで任意選択で置換されていてもよく、
    ここで、RX1は、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、ここで該ヘテロシクリルは、独立して重水素、ハロ、−[C(RX1a−CN、−CF、C〜Cアルキル、−(CH−OH、−[C(RX1a−OH、−[C(RX1a−O−C〜Cアルキル、−NHCOC〜Cアルキル、CONHC〜Cアルキル、COH、−COH、−[C(RX1a−COO−C〜Cアルキル、−(CH−NH、−[C(RX1a−NH、−[C(RX1a−NH−C〜Cアルキル、−[C(RX1a−N−(C〜Cアルキル)からなる群から選択される1〜12個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、ここで、pは、0、1、2、または3であり、各RX1aは、独立して水素、重水素、ハロ、−CF、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のRX1a基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成し、
    あるいはRX1はN(RX2であり、ここで、RX2は、独立して水素、アルキル、置換アルキルから選択され、ここで、アルキル置換は、ハロ、複素環、および置換複素環であることができ、
    各Rは、独立して水素、重水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルもしくはオキソを形成し、
    mは、0、1、または2である]。
  13. 式(Ib)の化合物:
    Figure 2020503340
    またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体
    [式中、
    は、CHまたはNであり、
    は、CまたはNであり、
    は、CまたはNであり、
    ここで、Q、Q、およびQのうちの少なくとも1つはNであり、ただし、QがCHであり、QがCである場合、QはNではなく、
    は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−O−C〜Cアルキル、−NH、−NHC(O)R3a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R1aは、C〜Cアルキルであり、
    は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−O−C〜Cアルキル、−NH、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)、−NHC(O)R2a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R2aは、C〜Cアルキルであり、
    は、水素、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−CN、−OH、−O−C〜Cアルキル、−NH、−NHC(O)R3a、および−S(O)NHからなる群から選択され、ここで、該アルキルは、独立してハロおよび−OHからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、R3aは、C〜Cアルキルであり、
    Arは、
    Figure 2020503340
    からなる群から選択され、ここで、Arは、重水素、ハロ、アルキル、アルコキシ、およびCNで任意選択で置換されていてもよく、
    各Qは、独立してCRQ6およびNから選択され、ここで、CRQ6は、水素、ハロ、−CN、低級アルキル、または置換アルキルであり、
    は、S、O、CH、およびNRQ7から選択され、ここで、RQ7は、水素であるかまたは任意選択で置換されていてもよいC〜Cアルキルであり、
    −Z−W−X−Y−は、−C(R−C(R−N(R)−C(R−、−C(R−C(R−CH(R)−C(R−、または−C(R−CH(R)−C(R−であり、
    各Rは、独立して水素、重水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルもしくはオキソを形成し、
    各Rは、独立して水素、重水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルもしくはオキソを形成し、
    あるいはRおよびRが、それらが結合している炭素と一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成し、
    は、水素、RX1、−CORX1、−SOX1、−(C〜Cアルキレン)−RX1からなる群から選択され、ここで、−(C〜Cアルキレン)−RX1は、C〜Cアルキレン上で1〜4個のハロで任意選択で置換されていてもよく、
    ここで、RX1は、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、ここで該ヘテロシクリルは、独立して重水素、ハロ、−[C(RX1a−CN、−CF、C〜Cアルキル、−(CH−OH、−[C(RX1a−OH、−[C(RX1a−O−C〜Cアルキル、−NHCOC〜Cアルキル、CONHC〜Cアルキル、COH、−COH、−[C(RX1a−COO−C〜Cアルキル、−(CH−NH、−[C(RX1a−NH、−[C(RX1a−NH−C〜Cアルキル、−[C(RX1a−N−(C〜Cアルキル)からなる群から選択される1〜12個の置換基で任意選択で置換されていてもよく、ここで、pは、0、1、2、または3であり、各RX1aは、独立して水素、重水素、ハロ、−CF、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のRX1a基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成し、
    あるいはRX1はN(RX2であり、ここで、RX2は、独立して水素、アルキル、置換アルキルから選択され、ここで、アルキル置換は、ハロ、複素環、および置換複素環であることができ、
    各Rは、独立して水素、重水素、ハロ、およびC〜Cアルキルからなる群から選択され、または両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルもしくはオキソを形成し、
    mは、0、1、または2である]。
  14. がCHであり、QがNであり、QがCである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物。
  15. がNであり、QがCであり、QがNである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物。
  16. がCHであり、QがCであり、QがNである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物。
  17. がNであり、QがNであり、QがCである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物。
  18. が水素またはハロである、請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物。
  19. がハロである、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物。
  20. が、ハロ、−CF、−CN、−C≡CH、−NH、および−NHC(O)CHからなる群から選択される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物。
  21. が水素またはハロである、請求項1〜20のいずれか一項に記載の化合物。
  22. Arが
    Figure 2020503340
    である、請求項1および13〜21のいずれか一項に記載の化合物。
  23. −Z−W−X−Y−が、−C(R−C(R−N(R)−C(R−である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物。
  24. −Z−W−X−Y−が、−C(R−C(R−CH(R)−C(R−である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物。
  25. 各Rが、独立して水素およびハロからなる群から選択される、請求項23〜24のいずれか一項に記載の化合物。
  26. 両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成する、請求項23〜24のいずれか一項に記載の化合物。
  27. およびRが、それらが結合している炭素と一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成する、請求項1〜24のいずれか一項に記載の化合物。
  28. −Z−W−X−Y−が、−C(R−CH(R)−C(R−である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物。
  29. 各Rが、独立して水素およびハロからなる群から選択される、請求項1〜28のいずれか一項に記載の化合物。
  30. 両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成する、請求項1〜28のいずれか一項に記載の化合物。
  31. 各Rが、独立して水素およびハロからなる群から選択される、請求項1〜30のいずれか一項に記載の化合物。
  32. 両方のR基が、一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成する、請求項1〜30のいずれか一項に記載の化合物。
  33. がRX1であり、ここで、RX1がヘテロアリールである、請求項12〜32のいずれか一項に記載の化合物。
  34. が−CORX1である、請求項12〜32のいずれか一項に記載の化合物。
  35. が−SOX1である、請求項12〜32のいずれか一項に記載の化合物。
  36. が−(C〜Cアルキレン)−RX1である、請求項12〜32のいずれか一項に記載の化合物。
  37. X1がC〜Cシクロアルキルである、請求項34〜36のいずれか一項に記載の化合物。
  38. X1がヘテロシクリルであり、ここで該ヘテロシクリルが、ハロである1〜12個の置換基で任意選択で置換されていてもよい、請求項34〜36のいずれか一項に記載の化合物。
  39. Figure 2020503340
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    からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体。
  40. 請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体、および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  41. HDAC阻害剤をさらに含む、請求項40に記載の医薬組成物。
  42. TGFβ阻害剤をさらに含む、請求項40に記載の医薬組成物。
  43. BMP阻害剤をさらに含む、請求項40に記載の医薬組成物。
  44. ポロキサマーをさらに含む、請求項40〜43のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  45. 親集団を含む蝸牛組織における蝸牛細胞集団を拡大する方法であって、該蝸牛組織を、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体、あるいは請求項40〜44のいずれか一項に記載の医薬組成物と接触させることを含む、方法。
  46. 前記蝸牛組織が、対象内にある、請求項45に記載の方法。
  47. 前記蝸牛組織を前記組成物と接触させることが、前記組成物を前記対象に経鼓膜的に(trans-tympanically)投与することにより達成される、請求項46に記載の方法。
  48. 前記蝸牛組織を前記組成物と接触させることが、前記対象の改善された聴覚機能をもたらす、請求項47に記載の方法。
  49. 組織細胞の産生を促進する方法であって、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体、あるいは請求項40〜44のいずれか一項に記載の医薬組成物を幹細胞集団に投与することまたは投与されるようにすることを含む、方法。
  50. 前記組織細胞が蝸牛細胞である、請求項49に記載の方法。
  51. 前記組織細胞が内耳有毛細胞である、請求項50に記載の方法。
  52. 特定の組織細胞の非存在または欠如に関連する疾患を有するかまたはそれを発症するリスクのある対象を処置する方法であって、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体、あるいは請求項40〜44のいずれか一項に記載の医薬組成物を幹細胞集団に投与することまたは投与されるようにすることを含む、方法。
  53. 前記組織細胞が蝸牛細胞である、請求項52に記載の方法。
  54. 前記組織細胞が内耳有毛細胞である、請求項52に記載の方法。
  55. 難聴を有するかまたはそれを発症するリスクのある対象を処置する方法であって、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体、あるいは請求項40〜44のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
  56. 前記化合物が、前記対象の蝸牛組織に経鼓膜的に投与される、請求項55に記載の方法。
  57. 内耳有毛細胞の産生を促進する方法であって、蝸牛組織の幹細胞集団を拡大するために、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を単独でまたはHDAC阻害剤と組み合わせて投与することを含む、方法。
  58. 哺乳動物において聴力を再生する方法であって、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体を単独でまたはHDAC阻害剤と組み合わせて投与することを含む、方法。
  59. 前記投与は、インビボ対象のものである幹細胞集団に対して行われる、請求項57または58に記載の方法。
  60. 内耳有毛細胞を産生する方法であって、該方法は、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体を単独でまたはHDAC阻害剤と組み合わせて投与することを含み、該方法は、インビボで初期集団においてLGR5+細胞を増殖させ、その結果、拡大したLGR5+細胞集団をもたらし、その結果、内耳有毛細胞の産生をもたらす、方法。
  61. 腸細胞の産生を促進する方法であって、腸上皮の幹細胞集団を拡大するために、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を単独でまたはHDAC阻害剤と組み合わせて投与することを含む、方法。
  62. 前記腸上皮が再生される、請求項61に記載の方法。
  63. 化学療法誘導性消化管粘膜炎、グラフ対宿主病、胃潰瘍、クローン病、または潰瘍性大腸炎に関連する損傷した粘膜の修復を促進するための処置である、請求項61に記載の方法。
  64. 腸上皮のLgr5+細胞集団を拡大する方法であって、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を単独でまたはHDAC阻害剤と組み合わせて投与することを含む、方法。
  65. 哺乳動物においてLgr5+細胞集団腸細胞を再生させるために、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体を単独でまたはHDAC阻害剤と組み合わせて使用する方法。
  66. 化学療法誘導性消化管粘膜炎、グラフ対宿主病、胃潰瘍、クローン病、または潰瘍性大腸炎に関連する損傷した粘膜の修復を促進するための処置である、請求項65に記載の方法。
  67. インビボでLgr5+上皮細胞を増殖させる方法であって、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
  68. 前庭組織において前庭細胞集団を拡大するための方法であって、該前庭組織において、拡大した細胞集団を形成するために、該前庭組織を、(i)請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、および(ii)TGF−β阻害剤と接触させることを含む、方法。
  69. 特定の組織細胞の非存在または欠如に関連する疾患を有するかまたはそれを発症するリスクのある対象を処置するシステムであって、
    請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体を投与することと、
    経鼓膜投与デバイスと
    を含む、システム。
  70. 特定の組織細胞の非存在または欠如に関連する疾患を有するかまたはそれを発症するリスクのある対象の処置に使用するための、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体。
  71. 難聴を有するかまたはそれを発症するリスクのある対象の処置に使用するための、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体。
  72. 特定の組織細胞の非存在または欠如に関連する疾患を有するかまたはそれを発症するリスクのある対象を処置するための医薬の製造における、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体の使用。
  73. 難聴を有するかまたはそれを発症するリスクのある対象を処置するための医薬の製造における、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体の使用。
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