JP2020503338A - 6−アミノイソキノリンを調製する方法 - Google Patents

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Abstract

キナーゼ阻害剤の合成における有用な中間化合物である、6-アミノイソキノリンを調製するための方法を説明する。【選択図】なし

Description

本開示は、キナーゼに関連する疾患及び/又は不調の治療に有用な化合物の合成における中間化合物である、6−アミノイソキノリンを調製する方法に関連する。
様々な疾患及び/又は障害の治療に有用ないくつかのキナーゼ阻害剤は、6−アミノイソキノリンの一部を有する。大規模な量の生産を可能とするであろう効率的、拡張可能及び再現可能な方法で6−アミノイソキノリンを生産するプロセスに対するニーズが存在する。
1つの態様において、6−アミノイソキノリン
Figure 2020503338

を調製する方法が開示され、
当該方法は、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン
Figure 2020503338

を6−アミノイソキノリンへと変換した後、トリプル精製システムを使用して、その物質を少なくとも約99.9%の純度に精製することを含んでもよい。
本明細書では、6−アミノイソキノリンを調製するための方法が開示される。6−アミノイソキノリンは、キナーゼ阻害剤の合成のために有用な中間体である。6−アミノイソキノリンは、大量に効率的に生成する方法で調製されてもよく、キナーゼに関連する疾患及び/又は不調を治療する又は予防するために使用され得るキナーゼ阻害剤の生産を可能とする。これらは、眼に関連する疾患及び不調(例えば、緑内障及び高眼圧症、及びAMD、糖尿病性網膜症、DME及び網膜の炎症性疾患のような網膜疾患)、呼吸器系、皮膚、及び新血管系システムに関連する疾患及び障害、及び癌などの異常な成長を特徴する疾患を含む。
(1.定義)
特に明記しない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。矛盾がある場合、定義を含む本文書が優先する。好適な方法及び物質を以下に記載するが、本明細書に記載のものと同様の又は同等の方法及び物質を、本発明の実施又は試験に使用することができる。本明細書で言及された全ての刊行物、特許出願、特許及び他の参考文献は、その全体が、引用によって取り込まれるものとする。本明細書に記載の材料、方法及び実施例は、例示的なものに過ぎず、限定することを意図しない。
本明細書で使用されるような、「備える」、「含む」、「有し」、「有する」、「できる」、「含有する」及びそれらの変形の用語は、追加の行為又は構造の可能性を排除しない、無制限な移行句、用語又は単語であることを意図する。単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確にそうでないことを示さない限り、複数の言及を含む。本明細書の開示は、また、明示的に記載されているか否かに関わらず、本明細書に提示された実施形態または要素を「含む」、「からなる」及び「から実質的になる」他の実施形態も考慮される。
量に関して使用される修飾語である「約」又は「少なくとも」は、示された値を含み、文脈によって記載された意味(例えば、それが少なくとも特定の量の測定に関する誤差の程度を含む)を有する。「約」又は「少なくとも」の修飾語は、2つの終点の絶対値によって定義される範囲を開示するとも解釈されるべきである。例えば、「約又は少なくとも2から約又は少なくとも4」の表現は、「2から4」の範囲も開示する。「約又は少なくとも」の用語は、指示された数字のプラス又はマイナス10%を指してもよい。例えば、「約10%」は、9%から11%の範囲を示すこともあり、そして「約1」は0.9〜1.1を意味してもよい。四捨五入などの「約又は少なくとも」の他の意味は、文脈から明らかであり得るので、例えば「約1」は0.5〜1.4を意味することもある。
特定の官能基及び化学用語の定義は以下により詳細に記載されている。本開示の目的のため、化学元素は、周期表の元素表、CAS版、Handbook of Chemistry and Physics(第75版、裏表紙)に従って特定され、特定の官能基は一般的にそれらに記載されるように定義される。更に、有機化学の一般原理、並びに特定の官能部分及び反応性は、"Organic Chemistry, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito, 1999; Smith and March March's Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001"、"Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989"、"Carruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987"に記載されており、引用によって、それぞれの全体の内容を本明細書に取り込む。
本明細書で使用される「アルキル」の用語は、1〜10個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素鎖を意味する。「低級アルキル」又は「C−Cアルキル」の用語は、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖炭化水素を意味する。「C−C分岐アルキル」の用語は、3〜7個の炭素原子を含有する分岐鎖炭化水素を意味する。「C−Cアルキル」の用語は、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖炭化水素を意味する。アルキルの代表例は、これに限るものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、及びn−デシルを含む。アルキルは置換又は非置換でもよい。
本明細書で使用される「アルキレン」という用語は、1〜10個の炭素原子、例えば2〜5個の炭素原子の直鎖又は分岐鎖炭化水素から誘導される二価の基を指す。アルキレンの代表例は、これに限るものではないが、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、及び−CHCHCHCHCH−を含む。アルキレンは置換又は非置換でもよい。
本明細書で使用される「アリール」の用語は、フェニル基、又は二環式縮合環系を指す。二環式縮合環系は、本明細書で定義されるような親分子部分に結合し、シクロアルキル基に縮合したフェニル基、フェニル基、本明細書で定義されるようなヘテロアリール基、又は本明細書に定義されるような複素環を含む。アリールの代表例は、これに限るものではないが、インドリル、ナフチル、フェニル、キノリニル及びテトラヒドロキノリニルを含む。アリール基は、置換又は非置換でもよい。アリール基の適切な置換基は、これに限るものではないが、アルキル、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル及びスルホニルであってもよい。
本明細書で使用される「ハロゲン」又は「ハロ」の用語は、Cl、Br、I又はFを意味する。
本明細書で使用される「ハロアルキル」は、本明細書で定義されるようなアルキル基を通じて親分子部分に結合した、本明細書で定義されるような少なくとも1つのハロ基を意味する。ハロアルキル基の代表的な例は、トリフルオロメチル及び2,2,2−トリフルオロエチルを含む。
本明細書で使用される「触媒添加量」という用語は、反応で使用される触媒の量を示し、典型的にはmol%として報告される。触媒添加量は、特定の反応の制限反応物のモル百分率として定義される。例えば、1モルの出発物質との反応は、0.1モルの触媒を必要とすることがあり、これは10.0mol%の触媒添加量と等しい。
本明細書で開示される化合物について、選択及び置換基が安定した化合物、例えば常温常圧では、転位、環化、脱離等による自発的な変化が生じない化合物をもたらすよう、その基及び置換基を、原子及び置換基の許容原子価に従って選択してもよい。
本明細書における数値範囲の列挙について、それらの間にあり同じ程度の正確性を有する間の各数字が、明確に考慮される。例としては、6〜9の範囲について、7及び8の数字が6と9に加えて考慮され、6.0〜7.0の範囲について、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9及び7.0の数字が明確に考慮される。
(2.6−アミノイソキノリンを調製する方法)
1つの態様において、6−アミノイソキノリン
Figure 2020503338

を調製する方法が開示される。
本方法は、化学式(I)の化合物(ここでXはハロゲン又はOSOであり、Rはアリール、アルキル又はハロハルキルである)を化学式(II)の化合物(ここでRはアルキルである)と反応させて化学式(III)の化合物(ここでRはアルキルである)を形成することと、エステルの加水分解及び脱カルボキシル化によって化学式(III)の化合物を2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸(化合物1)に変化させることと、2−(カルボキシメチル)−2−ニトロ安息香酸(化合物1)を尿素と反応させて二環式6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン(化合物2)を形成することと、R−P(O)Cl(ここでRはアルキル、アリール、又はクロロである)との反応により6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン(化合物2)を1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリンに変換することと、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物3)を6−アミノイソキノリン(化合物4)に変換することと、を含んでもよい。
スキーム1
Figure 2020503338
本方法は、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物3)
Figure 2020503338

を、6−アミノイソキノリン(化合物4)へと変換することを含んでもよい。
ある実施形態において、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物3)の6−アミノイソキノリン(化合物4)への変換は、金属触媒の存在下での1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物3)の水素化を含む。ある実施形態において、金属触媒は、遷移金属を含む。ある実施形態において、遷移金属は、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、コバルト及び鉄、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。ある実施形態において、金属触媒は、パラジウム炭素(palladium on carbon)である。反応における触媒添加量は、約又は少なくとも0.1mol%から約又は少なくとも5.0mol%であってもよい。例えば、触媒添加量は、約又は少なくとも0.1mol%、約又は少なくとも0.2mol%、約又は少なくとも0.3mol%、約又は少なくとも0.4mol%、約又は少なくとも0.5mol%、約又は少なくとも0.6mol%、約又は少なくとも0.7mol%、約又は少なくとも0.8mol%、約又は少なくとも0.9mol%、約又は少なくとも1.0mol%、約又は少なくとも1.1mol%、約又は少なくとも1.2mol%、約又は少なくとも1.3mol%、約又は少なくとも1.4mol%、約又は少なくとも1.5mol%、約又は少なくとも1.6mol%、約又は少なくとも1.7mol%、約又は少なくとも1.8mol%、約又は少なくとも1.9mol%、約又は少なくとも2.0mol%、約又約又は少なくとも2.1mol%、は少なくとも2.2mol%、約又は少なくとも2.3mol%、約又は少なくとも2.4mol%、約又は少なくとも2.5mol%、約又は少なくとも2.6mol%、約又は少なくとも2.7mol%、約又は少なくとも2.8mol%、約又は少なくとも2.9mol%、約又は少なくとも3.0mol%、約又は少なくとも3.1mol%、約又は少なくとも3.2mol%、約又は少なくとも3.3mol%、約又は少なくとも3.4mol%、約又は少なくとも3.5mol%、約又は少なくとも3.6mol%、約又は少なくとも3.7mol%、約又は少なくとも3.8mol%、約又は少なくとも3.9mol%、約又は少なくとも4.0mol%、約又は少なくとも4.1mol%、約又は少なくとも4.2mol%、約又は少なくとも4.3mol%、約又は少なくとも4.4mol%、約又は少なくとも4.5mol%、約又は少なくとも4.6mol%、約又は少なくとも4.7mol%、約又は少なくとも4.8mol%、約又は少なくとも4.9mol%、又は約又は少なくとも5.0mol%、であってもよい。触媒は、変換の過程で少しずつ加えられてもよい。触媒は、触媒の全量が一度に加えられるように加えられてもよい。
1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物3)は、溶媒又は溶媒の混合物の存在下で、6−アミノイソキノリン(化合物4)に変換されてもよい。反応混合物の成分と相溶性のある適切な任意の溶媒を使用してもよい。適切には、出発物質が少なくとも部分的に溶解でき(又は完全に溶解でき)るように、及び、必要であれば、反応が、6−アミノイソキノリン(化合物4)を生成するのに十分な温度まで反応混合物を加熱できるように、溶媒を選択する。溶媒は、これに限るものではないが、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジグリム、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサンのようなエーテル、ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン及びペンタンのような脂肪族または芳香族炭化水素溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、酢酸及び水のような極性プロトン性溶媒、又は2つ以上の溶媒の任意の組み合わせを含んでもよい。
ある実施形態において、溶媒はテトラヒドロフランである。ある実施形態において、溶媒はテトラヒドラフランとメタノールとの混合物である。
ある実施形態において、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物3)から6−アミノイソキノリン(化合物4)への変換は、加熱することを更に含んでもよい。例えば、反応混合物を周囲温度又は室温より高い温度で加熱してもよく、周囲温度又は室温は約18℃から約25℃である。反応混合物は、約25℃〜約60℃、又は約30℃〜約60℃の温度で加熱してもよい。反応混合物は、約又は少なくとも25℃、約又は少なくとも30℃、約又は少なくとも35℃、約又は少なくとも40℃、約又は少なくとも45℃、約又は少なくとも50℃、約又は少なくとも55℃、又は約又は少なくとも60℃の温度で加熱してもよい。反応混合物は、約60℃未満、約55℃未満、約50℃未満、約45℃未満、約40℃未満、約35℃未満、又は約30℃未満の温度で加熱してもよい。
ある実施形態において、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物3)から6−アミノイソキノリン(化合物4)への変換は、水素雰囲気下で反応を加圧することを更に含んでもよい。例えば、反応混合物を大気圧より高い圧力に加圧してもよく、ここで、大気圧又は大気圧は、約又は少なくとも0.1MPである。反応混合物は、約0.1MPから約1.0MP、又は約0.2MPから約0.8MPに加圧してもよい。反応混合物は、少なくとも0.1MP、少なくとも0.2MP、少なくとも0.3MP、少なくとも0.4MP、少なくとも0.5MP、少なくとも0.6MP、少なくとも0.7MP、又は少なくとも0.8MPに加圧してもよい。反応混合物は、0.8MP未満、0.7MP未満、0.6MP未満、0.5MP未満、0.4MP未満、0.3MP未満、又は約0.2MP未満に加圧してもよい。反応混合物は、約0.1MP、約0.2MP、約0.3MP、約0.4MP、約0.5MP、約0.6MP、約0.7MP、または約0.8MPに加圧してもよい。
ある実施形態において、酸、塩基又は塩のような他の成分も反応混合物へ加えてもよい。例えば、炭酸カリウムを反応混合物へ加えてもよい。
ある実施形態において、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物3)から6−アミノイソキノリン(化合物4)への変換は、ニトロ基の水素化、続いて炭素−塩素結合の水素化によって達成される。例えば、ニトロ基の完全な水素化は、パラジウム炭素の存在下のテトラヒドロフラン中で、約又は少なくとも0.6MPの圧力及び約又は少なくとも45℃の温度で、達成され得る。炭素−塩素結合の部分的な水素化は、これらの条件下で起こってもよい。炭素−塩素結合の完全な水素化は、メタノールのような第2の溶媒を添加すること、炭酸カリウムなどの塩を加えること、及びパラジウム炭素触媒を加えることによって達成してもよく、約又は少なくとも0.6MPの圧力で及び約又は少なくとも45℃の温度で反応を進行させてもよい。
本方法は、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物3)を6−アミノイソキノリン(化合物4)への変換を、6−アミノイソキノリン(化合物4)を形成するために十分な時間進行させることを含んでもよい。例えば、本反応を、約2時間から約4日間進行させてもよい。本反応を、アミノ基へのニトロ基の水素化のため、約2から約8時間進行させてもよい。本反応を、炭素−塩素結合の水素化の完了のため、追加で2時間から4日間進行させてもよい。
本方法は、約20%から約100%の収率、例えば約20%から約99%の収率で6−アミノイソキノリン(化合物4)を形成してもよい。本方法は、約又は少なくとも20%、約又は少なくとも25%、約又は少なくとも30%、約又は少なくとも35%、約又は少なくとも40%、約又は少なくとも45%、約又は少なくとも50%、約又は少なくとも51%、約又は少なくとも52%、約又は少なくとも53%、約又は少なくとも54%、約又は少なくとも55%、約又は少なくとも56%、約又は少なくとも57%、約又は少なくとも58%、約又は少なくとも59%、約又は少なくとも60%、約又は少なくとも61%、約又は少なくとも62%、約又は少なくとも63%、約又は少なくとも64%、約又は少なくとも65%、約又は少なくとも66%、約又は少なくとも67%、約又は少なくとも68%、約又は少なくとも69%、約又は少なくとも70%、約又は少なくとも71%、約又は少なくとも72%、約又は少なくとも73%、約又は少なくとも74%、約又は少なくとも75%、約又は少なくとも76%、約又は少なくとも77%、約又は少なくとも78%、約又は少なくとも79%、約又は少なくとも80%、約又は少なくとも81%、約又は少なくとも82%、約又は少なくとも83%、約又は少なくとも84%、約又は少なくとも85%、約又は少なくとも86%、約又は少なくとも87%、約又は少なくとも88%、約又は少なくとも89%、約又は少なくとも90%、約又は少なくとも91%、約又は少なくとも92%、約又は少なくとも93%、約又は少なくとも94%、約又は少なくとも95%、約又は少なくとも96%、約又は少なくとも97%、約又は少なくとも98%、約又は少なくとも99%、又は約又は少なくとも100%の収率で、6−アミノイソキノリン(化合物4)を形成してもよい。
本方法は、HPLCによって決定して、約60%以上、約65%以上、約70%以上、約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、約99.5%以上、又は約99.9%以上の純度で、6−アミノイソキノリン(化合物4)を形成してもよい。
ある実施形態において、本方法によって、1以上の不純物又は副生成物が形成されてもよい。例えば、開示の方法を実行する間、以下の化合物が形成されてもよい(それらのいくつかは出発物質中の不純物から生ずる):
Figure 2020503338

1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン;
Figure 2020503338

イソキノリン−8−アミン;
Figure 2020503338

イソキノリン−5−アミン;
Figure 2020503338

イソキノリン−7−アミン;
Figure 2020503338

3−クロロイソキノリン−6−アミン;
Figure 2020503338

1−クロロイソキノリン−6−アミン;及び、
Figure 2020503338

1,3−ジクロロイソキノリン−6−アミン;
又は、これらの任意の組み合わせ。
本方法は、6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン(化合物2)
Figure 2020503338

を、R−P(O)Cl(ここでRはアリール、アルキル又はクロロ)と反応させて、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物3)を形成することを更に含んでもよい。
ある実施形態において、Rは非置換又は置換アリールである。ある実施形態において、Rは非置換又は置換フェニルである。ある実施形態において、Rはフェニルである。
6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン(化合物2)とR−P(O)Clとの反応は、溶媒又は溶媒の混合物を更に含んでもよい。反応混合物の成分と相溶性のある任意の適切な溶媒を使用してもよい。適切には、出発物質が少なくとも部分的に溶解でき(又は完全に溶解でき)るように、及び、必要であれば、反応が、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物3)を生成するのに十分な温度まで反応混合物を加熱できるように、溶媒を選択する。6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン(化合物2)とR−P(O)Clとの反応は、溶媒を含まなくともよい。ある実施形態において、R−P(O)Clが溶媒である。
ある実施形態において、6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン(化合物2)とR−P(O)Clとの反応は、加熱することを更に含んでもよい。例えば、反応混合物は、周囲温度又は室温より高い温度に加熱されてもよく、周囲温度又は室温は約18℃から約25℃である。反応混合物は、約25℃から約160℃、又は約30℃から約150℃の温度で加熱されてもよい。反応混合物は、少なくとも約90℃、少なくとも約100℃、少なくとも約110℃、少なくとも約120℃、少なくとも約130℃、又は少なくとも約140℃の温度で加熱されてもよい。反応混合物は、140℃より低い、130℃より低い、120℃より低い、110℃より低い、又は100℃より低い温度で加熱されてもよい。反応混合物は、約90℃、約100℃、約110℃、約120℃、約130℃、約140℃、約150℃、又は約160℃の温度で加熱されてもよい。
ある実施形態において、酸、塩基又は塩のような他の成分を反応混合物へ加えてもよい。
本方法は、6−ニトリイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン(化合物2)とR−P(O)Clとの反応を、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物3)を形成するために十分な時間、進行させることを含む。例えば、本反応は、約20分から約12時間、又は約1時間から約4時間の間、進行させてもよい。
本方法は、約又は少なくとも20%から約又は少なくとも100%、例えば約又は少なくとも20%から約又は少なくとも99%の収率で、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物3)を形成し得る。本方法は、約又は少なくとも20%、約又は少なくとも25%、約又は少なくとも30%、約又は少なくとも35%、約又は少なくとも40%、約又は少なくとも45%、約又は少なくとも50%、約又は少なくとも51%、約又は少なくとも52%、約又は少なくとも53%、約又は少なくとも54%、約又は少なくとも55%、約又は少なくとも56%、約又は少なくとも57%、約又は少なくとも58%、約又は少なくとも59%、約又は少なくとも60%、約又は少なくとも61%、約又は少なくとも62%、約又は少なくとも63%、約又は少なくとも64%、約又は少なくとも65%、約又は少なくとも66%、約又は少なくとも67%、約又は少なくとも68%、約又は少なくとも69%、約又は少なくとも70%、約又は少なくとも71%、約又は少なくとも72%、約又は少なくとも73%、約又は少なくとも74%、約又は少なくとも75%、約又は少なくとも76%、約又は少なくとも77%、約又は少なくとも78%、約又は少なくとも79%、約又は少なくとも80%、約又は少なくとも81%、約又は少なくとも82%、約又は少なくとも83%、約又は少なくとも84%、約又は少なくとも85%、約又は少なくとも86%、約又は少なくとも87%、約又は少なくとも88%、約又は少なくとも89%、約又は少なくとも90%、約又は少なくとも91%、約又は少なくとも92%、約又は少なくとも93%、約又は少なくとも94%、約又は少なくとも95%、約又は少なくとも96%、約又は少なくとも97%、約又は少なくとも98%、約又は少なくとも99%、又は約又は少なくとも100%の収率で、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物3)を形成し得る。
本方法は、HPLCで決定して、約60%以上、約65%以上、約70%以上、約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、又は約99%以上の純度で、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物3)を形成し得る。
本方法は、2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸(化合物1)
Figure 2020503338

を、尿素と酸の存在下で反応させて、6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン(化合物2)を形成することを更に含んでもよい。
ある実施形態において、酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される有機酸である。ある実施形態において、酸は酢酸である。
酸の存在下における2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸(化合物1)と尿素との反応は、溶媒又は溶媒の混合物を更に含んでもよい。反応混合物の成分と相溶性のある任意の適切な溶媒を使用してもよい。適切には、出発物質が少なくとも部分的に溶解でき(又は完全に溶解でき)るように、及び、必要であれば、反応が、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物2)を生成するのに十分な温度まで反応混合物を加熱できるように、溶媒を選択する。酸の存在下での2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸(化合物1)と尿素との反応は、追加の溶媒を含まないかもしれない。ある実施形態において、有機酸(例えば、酢酸)が、溶媒として十分な量で加えられる。
ある実施形態において、酸の存在下での2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸(化合物1)と尿素との反応は、加熱することを更に含んでもよい。例えば、反応混合物は、周囲温度又は室温より高い温度に加熱されてもよく、周囲温度又は室温は約18℃から約25℃である。反応混合物は、約25℃から約140℃、又は約90℃から約140℃の温度に加熱されてもよい。反応混合物は、少なくとも60℃、少なくとも60℃、少なくとも70℃、少なくとも80℃、少なくとも90℃、少なくとも100℃、又は少なくとも110℃の温度に加熱されてもよい。反応混合物は、110℃より低い、100℃より低い、90℃より低い、80℃より低い、又は70℃より低い温度に加熱されてもよい。反応混合物は、約70℃、約80℃、約90℃、約100℃、約110℃、約120℃、約130℃、又は約140℃の温度に加熱されてもよい。
ある実施形態において、酸、塩基又は塩のような他の成分も反応混合物に加えてもよい。
本方法は、酸の存在下で2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸(化合物1)と尿素との反応を、6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン(化合物2)を形成するために十分な時間、進行させることを可能とすることを含んでもよい。例えば、反応を、約20分から約12時間、又は約1時間から約8時間、進行させてもよい。
本方法は、約20%から100%、例えば約20%から約99%の収率で、6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン(化合物2)を形成し得る。本方法は、約又は少なくとも20%、約又は少なくとも25%、約又は少なくとも30%、約又は少なくとも35%、約又は少なくとも40%、約又は少なくとも45%、約又は少なくとも50%、約又は少なくとも51%、約又は少なくとも52%、約又は少なくとも53%、約又は少なくとも54%、約又は少なくとも55%、約又は少なくとも56%、約又は少なくとも57%、約又は少なくとも58%、約又は少なくとも59%、約又は少なくとも60%、約又は少なくとも61%、約又は少なくとも62%、約又は少なくとも63%、約又は少なくとも64%、約又は少なくとも65%、約又は少なくとも66%、約又は少なくとも67%、約又は少なくとも68%、約又は少なくとも69%、約又は少なくとも70%、約又は少なくとも71%、約又は少なくとも72%、約又は少なくとも73%、約又は少なくとも74%、約又は少なくとも75%、約又は少なくとも76%、約又は少なくとも77%、約又は少なくとも78%、約又は少なくとも79%、約又は少なくとも80%、約又は少なくとも81%、約又は少なくとも82%、約又は少なくとも83%、約又は少なくとも84%、約又は少なくとも85%、約又は少なくとも86%、約又は少なくとも87%、約又は少なくとも88%、約又は少なくとも89%、約又は少なくとも90%、約又は少なくとも91%、約又は少なくとも92%、約又は少なくとも93%、約又は少なくとも94%、約又は少なくとも95%、約又は少なくとも96%、約又は少なくとも97%、約又は少なくとも98%、約又は少なくとも99%、又は約又は少なくとも100%の収率で、6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン(化合物2)を形成し得る。
本方法は、HPLCで決定して、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の純度で、6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン(化合物2)を形成し得る。
本方法は、化学式(III)の化合物
Figure 2020503338

(ここでRはアルキルである)を、塩基と反応させて、2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸(化学式1)を形成することを更に含んでもよい。
ある実施形態において、RはC−Cアルキルである。ある実施形態において、RはC−Cアルキルである。ある実施形態において、Rはエチルである。ある実施形態において、化学式(III)の化合物は、2−(1,3−ジエトキシ−1,3−ジオキソプロパン−2−イル)−4−ニトロ安息香酸である。
ある実施形態において、塩基はアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、又はそれらの組み合わせである。アルカリ金属水酸化物は、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、及びCsOHを含む。アルカリ土類金属水酸化物は、Be(OH)、Mg(OH)、Ca(OH)、Sr(OH)、及びBa(OH)を含む。ある実施形態において、塩基はKOHである。
化学式(III)の化合物と塩基との反応は、溶媒又は溶媒の混合物を更に含んでもよい。反応混合物の成分と相溶性のある任意の適切な溶媒を使用してもよい。適切には、出発物質が少なくとも部分的に溶解する(又は完全に溶解する)ように、及び、必要であれば、反応が、2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸(化合物1)を形成するのに十分な温度まで反応混合物を加熱することができるように溶媒を選択する。ある実施形態において、溶媒は水である。
ある実施形態において、化学式(III)の化合物と塩基との反応は、加熱することを更に含んでもよい。例えば、反応混合物は、周囲温度または室温より高い温度に加熱され、周囲温度または室温は約18℃から約25℃である。反応混合物は、約25℃から約100℃の温度に加熱されてもよい。反応混合物は、少なくとも60℃、少なくとも70℃、少なくとも80℃、少なくとも90℃、又は少なくとも100℃の温度に加熱されてもよい。反応混合物は、100℃より低い、90℃より低い、80℃より低い、70℃より低い、又は60℃より低い温度に加熱されてもよい。反応混合物は、加熱されなくともよく、周囲温度又は室温で進行されてもよい。
本方法は、化学式(III)の化合物と塩基とを反応させ、2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸(化合物1)を形成するために十分な時間進行させることを可能とすることを含んでもよい。例えば、反応は、約20分から約24時間、約1時間から約18時間、又は約6時間から約16時間進行させることができる。
本方法は、約20%から100%、又は約20%から約99%の収率で、2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸(化合物1)を形成し得る。本方法は、約又は少なくとも20%、約又は少なくとも25%、約又は少なくとも30%、約又は少なくとも35%、約又は少なくとも40%、約又は少なくとも45%、約又は少なくとも50%、約又は少なくとも51%、約又は少なくとも52%、約又は少なくとも53%、約又は少なくとも54%、約又は少なくとも55%、約又は少なくとも56%、約又は少なくとも57%、約又は少なくとも58%、約又は少なくとも59%、約又は少なくとも60%、約又は少なくとも61%、約又は少なくとも62%、約又は少なくとも63%、約又は少なくとも64%、約又は少なくとも65%、約又は少なくとも66%、約又は少なくとも67%、約又は少なくとも68%、約又は少なくとも69%、約又は少なくとも70%、約又は少なくとも71%、約又は少なくとも72%、約又は少なくとも73%、約又は少なくとも74%、約又は少なくとも75%、約又は少なくとも76%、約又は少なくとも77%、約又は少なくとも78%、約又は少なくとも79%、約又は少なくとも80%、約又は少なくとも81%、約又は少なくとも82%、約又は少なくとも83%、約又は少なくとも84%、約又は少なくとも85%、約又は少なくとも86%、約又は少なくとも87%、約又は少なくとも88%、約又は少なくとも89%、約又は少なくとも90%、約又は少なくとも91%、約又は少なくとも92%、約又は少なくとも93%、約又は少なくとも94%、約又は少なくとも95%、約又は少なくとも96%、約又は少なくとも97%、約又は少なくとも98%、約又は少なくとも99%、又は約又は少なくとも100%の収率で、2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸(化合物1)を形成し得る。
本方法は、HPLCで決定して、約60%以上、約65%以上、約70%以上、約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上の純度で、2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸(化合物1)を形成し得る。
本方法は、化学式(I)の化合物
Figure 2020503338

(ここで、Xはハロゲン又はOSO、及びRはアリール、アルキル又はハロアルキルである)を、
化学式(II)の化合物
Figure 2020503338

(ここで、Rはアルキルである)と、反応させて、化学式(III)の化合物を形成することを更に含んでもよい。
ある実施形態において、Xはハロゲンである。ある実施形態において、XはClである。ある実施形態において、XはSOであり、及びRはC−Cアルキル、アリール又はC−Cハロアルキルである。ある実施形態において、XはSOであり、Rはメチル、4−メチルフェニル、又はトリフルオロメチルである。ある実施形態において、化学式(I)の化合物は、2−クロロ−4−ニトロ安息香酸である。
ある実施形態において、RはC−Cアルキルである。ある実施形態において、RはC−Cアルキルである。ある実施形態において、Rはエチルである。ある実施形態において、化学式(II)の化合物はマロン酸ジエチルである。
ある実施形態において、化学式(I)の化合物と化学式(II)の化合物とを反応させることは、塩基を加えることを含む。ある実施形態において、塩基は金属アルコキシドである。アルコキシドは、アルコールの共役塩基である。金属アルコキシドは、リチウムアルコキシド、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、又はそれらの組み合わせであってもよい。金属アルコキシドは、本明細書で定義されているように、C−Cアルキル基を含んでもよい。ある実施形態において、金属アルコキシドはナトリウムメトキシドである。
ある実施形態において、化学式(I)の化合物と化学式(II)の化合物とを反応させることは、触媒を加えることを含む。ある実施形態において、触媒は、遷移金属を含む。ある実施形態において、遷移金属は、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、コバルト、鉄、銅、金、銀及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。ある実施形態において、遷移金属は銅である。ある実施形態において、触媒は臭化銅(I)である。反応における触媒添加量は、約1mol%から約50mol%、約1mol%から約30mol%、約10mol%から約30mol%、又は約15mol%から約25mol%である。触媒添加量は、約又は少なくとも1mol%、約又は少なくとも2mol%、約又は少なくとも3mol%、約又は少なくとも4mol%、約又は少なくとも5mol%、約又は少なくとも6mol%、約又は少なくとも7mol%、約又は少なくとも8mol%、約又は少なくとも9mol%、約又は少なくとも10mol%、約又は少なくとも11mol%、約又は少なくとも12mol%、約又は少なくとも13mol%、約又は少なくとも14mol%、約又は少なくとも15mol%、約又は少なくとも16mol%、約又は少なくとも17mol%、約又は少なくとも18mol%、約又は少なくとも19mol%、約又は少なくとも20mol%、約又は少なくとも21mol%、約又は少なくとも22mol%、約又は少なくとも23mol%、約又は少なくとも24mol%、約又は少なくとも25mol%、約又は少なくとも26mol%、約又は少なくとも27mol%、約又は少なくとも28mol%、約又は少なくとも29mol%、約又は少なくとも30mol%、約又は少なくとも35mol%、約又は少なくとも40mol%、約又は少なくとも45mol%、約又は少なくとも50mol%であってもよい。触媒は、変換の間に少しずつ加えてもよい。触媒は、触媒の全体を一度に加えるように加えてもよい。
ある実施形態において、化学式(I)の化合物と化学式(II)の化合物との反応は、溶媒又は溶媒の混合物を追加することを更に含んでもよい。反応混合物の成分と相溶性のある任意の好適な溶媒を使用してもよい。好適には、出発物質が少なくとも部分的に溶解でき(又は完全に溶解でき)るように、及び、必要であれば、反応が、化学式(III)の化合物を生成するのに十分な温度まで反応混合物を加熱できるように、溶媒を選択する。溶媒は、これに限るものではないが、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジグリム、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサンのようなエーテル、ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン及びペンタンのような脂肪族または芳香族炭化水素溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドのような極性非プロトン性溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、酢酸及び水のような極性プロトン性溶媒、又は2つ以上の溶媒の任意の組み合わせを含む。ある実施形態において、溶媒はエタノールである。
ある実施形態において、化学式(I)の化合物と化学式(II)の化合物とを反応させることは、加熱することを更に含んでもよい。例えば、反応混合物は、周囲温度又は室温より高い温度に加熱されてもよく、周囲温度又は室温は約18℃から約25℃である。反応混合物は、約25℃から約90℃、又は約30℃から約80℃の温度に加熱されてもよい。反応混合物は、少なくとも25℃、少なくとも30℃、少なくとも35℃、少なくとも40℃、少なくとも45℃、少なくとも50℃、少なくとも55℃、少なくとも60℃、少なくとも65℃、少なくとも70℃、少なくとも75℃、少なくとも78℃、又は少なくとも80℃の温度に加熱されてもよい。反応混合物は、90℃より低い、80℃より低い、78℃より低い、75℃より低い、70℃より低い、60℃より低い、55℃より低い、50℃より低い、45℃より低い、40℃より低い、35℃より低い、又は30℃より低い温度に加熱されてもよい。反応混合物は、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約70℃、約75℃、約78℃、約80℃、又は約90℃の温度に加熱されてもよい。
本方法は、化学式(III)の化合物を形成するために十分な時間、変換を進行させることを含んでもよい。例えば、反応を、約1時間から約24時間、約2時間から約18時間、又は約12時間から約18時間、進行させてもよい。
本方法は、約20%から100%、例えば約20%から約99%の収率で化学式(III)の化合物を形成し得る。本方法は、約又は少なくとも20%、約又は少なくとも25%、約又は少なくとも30%、約又は少なくとも35%、約又は少なくとも40%、約又は少なくとも45%、約又は少なくとも50%、約又は少なくとも51%、約又は少なくとも52%、約又は少なくとも53%、約又は少なくとも54%、約又は少なくとも55%、約又は少なくとも56%、約又は少なくとも57%、約又は少なくとも58%、約又は少なくとも59%、約又は少なくとも60%、約又は少なくとも61%、約又は少なくとも62%、約又は少なくとも63%、約又は少なくとも64%、約又は少なくとも65%、約又は少なくとも66%、約又は少なくとも67%、約又は少なくとも68%、約又は少なくとも69%、約又は少なくとも70%、約又は少なくとも71%、約又は少なくとも72%、約又は少なくとも73%、約又は少なくとも74%、約又は少なくとも75%、約又は少なくとも76%、約又は少なくとも77%、約又は少なくとも78%、約又は少なくとも79%、約又は少なくとも80%、約又は少なくとも81%、約又は少なくとも82%、約又は少なくとも83%、約又は少なくとも84%、約又は少なくとも85%、約又は少なくとも86%、約又は少なくとも87%、約又は少なくとも88%、約又は少なくとも89%、約又は少なくとも90%、約又は少なくとも91%、約又は少なくとも92%、約又は少なくとも93%、約又は少なくとも94%、約又は少なくとも95%、約又は少なくとも96%、約又は少なくとも97%、約又は少なくとも98%、約又は少なくとも99%、又は約又は少なくとも100%の収率で、化学式(III)の化合物を提供し得る。
本方法は、HPLCによって決定して、約60%以上、約65%以上、約70%以上、約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、約99.5%以上、又は約99.9%以上の純度で化学式(III)の化合物を形成し得る。
実施形態において、本方法は、2−クロロ−4−ニトロ安息香酸(I-a)をマロン酸ジエチル(II-a)と反応させて、2−(1,3−ジエトキシ−1,3−ジオキソプロパン−2−イル)−4−ニトロ安息香酸(III-a)を形成することと、2−(1,3−ジエトキシ−1,3−ジオキソプロパン−2−イル)−4−ニトロ安息香酸(III-a)を塩基と反応させて、2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸(化合物1)を形成することと、2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸(化合物1)を尿素と反応させて、6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン(化合物2)を形成することと、6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン(化合物2)をR−P(O)Clと反応させて、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物3)を形成することと、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物3)を6−アミノイソキノリン(化合物4)へと変換することとを含む(スキーム2)。
スキーム2
Figure 2020503338
特定の実施形態において、本方法は、2−クロロ−4−ニトロ安息香酸(I-a)と、マロン酸ジエチル(II-a)とを、ナトリウムメトキシド及び臭化銅(I)の存在下で反応させて、2−(1,3−ジエトキシ−1,3−ジオキソプロパン−2−イル)−4−ニトロ安息香酸(III-a)を形成することと、2−(1,3−ジエトキシ−1,3−ジオキソプロパン−2−イル)−4−ニトロ安息香酸(III-a)と水酸化カリウムとを反応させて、2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸(化合物1)を形成することと、2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸(化合物1)を尿素と、酢酸中で反応させて、6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン(化合物2)を形成することと、6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン(化合物2)をフェニルホスホン酸ジクロリドと反応させて、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物3)を形成することと、パラジウム炭素の存在下での水素化によって、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(化合物3)を6−アミノイソキノリン(化合物4)へと変換することとを含む(スキーム3)。
スキーム3
Figure 2020503338
上記の構造式及びスキームの説明で使用される略語は、Phはフェニル、Meはメチル、Etはエチル、HOAcは酢酸、及びTHFはテトラヒドロフランを含む。
化合物及び中間体は、有機合成の当業者によく知られた方法によって単離及び精製されてもよい。化合物を単離及び精製する従来の方法の例は、これに限るものではないが、例えば"Vogel's Textbook of Practical Organic Chemistry", 5th edition (1989), by Furniss, Hannaford, Smith, and Tatchell, pub. Longman Scientific & Technical, Essex CM20 2JE, England"で述べられているように、シリカゲル、アルミナ又はアルキルシラン基で誘導体化されたシリカのような固体支持体上でのクロマトグラフィ、活性炭を用いた任意の前処理を伴った高温又は低温での再結晶化、薄膜クロマトグラフィ、様々な圧力での蒸留、真空下での昇華、及び粉砕を含み得る。
実施形態において、6−アミノイソキノリンは、多段階プロセスによって精製されてもよい。実施形態において、多段階プロセスは、(1)ろ過による不溶性不純物の除去、(2)酸及び塩基抽出及び(3)再結晶化を含む。
適切には、粗6−アミノイソキノリンは、適切な時間、溶媒又は溶媒の混合物中で活性炭と混合されて、第1の混合物を形成してもよい。時間は、少なくとも約4時間であってもよい。成分と相溶性のある任意の適切な溶媒を使用してもよい。実施形態において、溶媒は、メタノール又はエタノールである。
第1の混合物は、少なくとも1つのフィルタを通じてろ過され、ろ液を形成してもよい。そして、結果として得られるろ液は、酸性溶液中に濃縮され及び溶解され、第2の混合物を形成してもよい。酸性溶液は、例えば、約又は少なくとも5%クエン酸のようなクエン酸溶液であってもよい。第2の混合物は、任意に、1〜6hの時間、35±5℃に加熱される。結果として得られる溶液を、少なくとも一度、溶媒を用いて洗浄し、第3の混合物を形成する。成分と相溶性のある任意の適切な溶媒を使用してもよい。実施形態において、溶媒は、ジクロロメタンであってもよい。結果として得られる水溶液相を塩基性溶液と混合し、沈殿物を形成する。塩基性溶液は、例えば、濃縮水酸化アンモニウム、10%水酸化カリウム水溶液、10%炭酸カリウム水溶液、又はそれらの組み合わせであってもよい。結果として得られる沈殿物をろ過及び乾燥して、固体を得てもよい。
固体は、溶媒中に懸濁して、懸濁液を形成してもよい。成分と相溶性のある任意の好適な溶媒を使用してもよい。実施形態において、溶媒はエタノールであってもよい。懸濁液は、ある時間、約75℃に加熱されてもよい。時間は、約45分であってもよい。続いて、懸濁液を約16時間かけて徐々に冷却し、ろ過して、6−アミノイソキノリンを得る。本方法は、HPLCによって決定して、99%以上の純度を有する6−アミノイソキノリンを形成してもよい。本段落で挙げられているステップは、必要に応じて、例えば1回、2回、3回等、繰り返してもよい。
フィルタは、ナイロン又はPTFEフィルタであってもよい。
開示された化合物は、少なくとも1つの塩基性窒素を有してもよく、それにより、化合物は酸で処理して、所望の塩を形成することができる。例えば、化合物を、酸と室温以上の温度で酸と反応させ、所望の塩を得て、これを析出させ、冷却後にろ過によって回収してもよい。反応に適した酸の例は、これに限るものではないが、酒石酸、乳酸、コハク酸、並びにマンデル酸、アトロラクチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、炭酸、フマル酸、マレイン酸、グルコン酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、クエン酸、ヒドロキシ酪酸、カンファースルホン酸、リンゴ酸、フェニル酢酸、アスパラギン酸、又はグルタミン酸、それらの組み合わせ等を含む。
各個別のステップについての最適反応条件及び反応時間は、採用される特定の反応物と使用する反応物中に存在する置換基とに応じて、変更することができる。具体的な手順は、実施例の節で提供されている。例えば、残留物から溶媒を除去し、これに限るものではないが、結晶化、蒸留、抽出、粉砕及びクロマトグラフィのような、当業者に一般的に知られている方法論に従って更に精製することによって、反応は、従来の方法で後処理することができる。特に明記しない限り、出発材料及び試薬は、市販されている、又は化学文献に記載の方法を使用して当業者が商業的に利用可能な材料から調製することが可能である。反応条件、試薬及び合成経路の順序の適切な操作と、反応条件と適合しない化学官能基の保護と、本方法の反応順序の適切な時点での脱保護と、を含む日常的な実験が、本発明の範囲に含まれる。適切な保護基と、そのような適切な保護基を使用して異なる置換基を保護及び脱保護するための方法とは、当業者に周知であり、その例は、PGM Wuts及びTW Greeneの著書「Protective Groups in Organic Synthesis (4th ed.), John Wiley & Sons, NY (2006)」に見出すことができ、これは全体として参照によって本明細書に組み込まれる。記載されている合成スキーム及び特定の実施例は、例示的なものであり、添付の特許請求の範囲に定義されているように本発明の範囲を限定するものとして読まれるべきではないことを理解することができる。合成方法及び特定の実施例の全ての代替物、修正物及び等価物が、特許請求の範囲に含まれる。
化合物は、互変異性体、並びに幾何異性体を有してもよく、これらの形態も本発明の一態様を構成することが理解されるべきである。
本開示は、また、同位体標識された化合物を含み、それらは本方法において挙げられたもののいずれかと同一であるが、分子内の1つ以上の位置が、通常自然界で見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する同じ原子の同位体で、富化されているという事実のためである。本発明の化合物に含まれるのに適した同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、及び塩素であり、これに限るものではないが、それぞれH、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F及び36Cl等である。重水素、つまりHのようなより重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性、例えばin vivo半減期の増加、又は必要投与量の減少の結果として治療上の利点をもたらすことができ、それゆえ、いくつかの状況では好ましいことがある。化合物は、医療用画像化のための、及び受容体の分布を決定するための陽電子放出断層撮影(PET)研究のための陽電子放出同位体を組み込んでもよい。化学式(I)の化合物に組み込まれうる適切な陽電子放出同位体は、11C、13N、15O及び18Fである。化学式(I)の同位体標識された化合物は、一般に当業者に知られている従来技術によって、又は本明細書に記載されているものと類似の方法によって調製されることができる。実施例は、非同位体標識試薬の代わりに、適切な同位体標識試薬を使用している。
塩基性付加塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、又はアルミニウムのような金属カチオンの水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩、又は有機第一級、第二級又は第三級アミンのような好適な塩基とのカルボキシル基の反応によって、開示されている化合物の最終的な単離及び精製の間に調製されてもよい。それらは、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N−ジベンジルフェネチルアミン、1−エフェナミン、及びN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジンなどから誘導されるような、第四級アミン塩を調製できる。
本発明の化合物及びプロセスは、本発明の範囲を説明するが限定するものではないとして意図される以下の実施例を参照することによって、よりよく理解される。
(3.実施例)
特に明記しない限り、温度は摂氏(℃)で与えられる。合成操作は周囲温度「rt」又は「RT」(典型的に約18〜25℃の範囲)で実施した。溶媒の蒸発は、ロータリーエバポレータを用いて減圧下(典型的には4.5〜30mmHg)で60℃までの浴温で実施した。反応の経過は典型的には薄膜クロマトグラフィ(TLC)を使用して追跡した。与えられた場合、全ての融点は修正されていない。全ての中間体並びに最終生成物は、満足できるH−NMR、HPLC及び/又は微量分析データを示した。そして、以下の従来の略語、L(リットル)、mL(ミリリットル)、mmol(ミリモル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、min(分)、及びh(時間)が使用される。
プロトン磁気共鳴(H NMR)スペクトルは、Varian Mercury 300 MHz(H)NMR分光計で記録した。全てのスペクトルは、示した溶媒中で決定した。化学シフトがテトラメチルシランのppm低磁場で報告されたが、それらは、H NMRについてのそれぞれの溶媒ピークの残留プロトンピークを基準としている。プロトン間結合定数は、ヘルツ(Hz)で報告されている。
以下の実験における略語は、DMSO−ジメチルスルホキシド、EtOAc−エチルアセテート、EtOH−エタノール、HOAc−酪酸、MeOH−メタノール、MTBE−メチルtert−ブチルエーテル、Pd/C−パラジウム炭素、THF−テトラヒドロフラン、及びTLC−薄膜クロマトグラフィを含む。
実施例1:2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸(1)
Figure 2020503338
2−(1,3−ジエトキシ−1,3−ジオキソプロパン−2−イル)−4−ニトロ安息香酸(III-a):
窒素雰囲気下、マロン酸ジエチル(18L、118.1mol)と2−クロロ−4−ニトロ安息香酸(9kg、44.6mol)との混合物を、NaOMe(7.2kg、133.3mol、3当量)のEtOH(45L)溶液に加え、続いて、CuBr(1.26kg)を加えた。結果として得られた混合物を、一晩(約16時間)還流下で撹拌した。2−クロロ−4−ニトロ安息香酸の実質的に完全な消費が、TLCによって示された後、反応物を冷却及び濃縮した。残留物は、水(約100L)で希釈し、MTBE(25L×2)で洗浄した。有機層を捨て、標題化合物を水溶液として得た。粗生成物は、更に精製することなく続けられた。
2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸(1):
粗2−(1,3−ジエトキシ−1,3−ジオキソプロパン−2−イル)−4−ニトロ安息香酸の水層を、100Lの反応器にいれ、続いて固体KOH(7.58kg、135.3mol)を加えた。塩基性反応混合物は、RTで一晩撹拌した。2−(1,3−ジエトキシ−1,3−ジオキソプロパン−2−イル)−4−ニトロ安息香酸が消費されたことがHPLC分析で示された後、反応混合物を、濃HClでpH6〜7まで注意深く酸性化した。そして、EtOAc(50L)を加え、反応混合物を、濃HClでpH2〜3まで更に酸性化した。有機層を分離した。水相は、EtOAc(40L×2)で抽出した。合わせた有機層を水(10L×2)と塩水(10L)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、ろ過し、濃縮して溶媒の約半分を除去した。結果として得られた固体を、ろ過して、EtOAcで洗浄し、標題の化合物を黄色の固形として得た(5kg、収率49.7%)。HPLC純度:98.2%。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 13.0 (s, 2H), 8.28 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.21 (dd, J = 8.6 Hz, 2.3, 1H), 8.09 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 4.10 (s, 2H)
実施例2:6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン(2)
Figure 2020503338
6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン(2):
酢酸(6L)中の2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸(1.5kg、6.67mol、1当量)の懸濁液を110℃に加熱した。温度が90℃に達すると、懸濁液は透明な溶液となった。そして、固体尿素(2.85kg、47.5mol、7.1当量)を反応混合物にゆっくりと加えた。反応物を、110℃で約4h撹拌した。反応混合物を別の平行バッチ(1.5kgの2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸から)と組み合わせ、氷水(20kg)の混合物に注ぎ入れ、0.5h撹拌した。結果として得られた固体をろ過し、水(10L×3)で洗浄し、風乾し、を標題の化合物を黄褐色の固体として生成した(2kg、収率72.8%)。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.61 (s, 2H), 8.30 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 4.17 (s, 2H)
上記の手順で、標題の化合物の3つのバッチを生成した。1.5kgの2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸を採用した2つのバッチでは、合計2kgの標題の化合物を得て(収率73%)、1.8kgの2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸を採用した1つのバッチでは、1.38gの標題の化合物を得た(収率84%)。
実施例3:1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(3)
Figure 2020503338
1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(3):フェニルホスホン酸ジクロリド(3.73L)中の6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン(1.8kg、8.74mol、1当量)の溶液を140℃に加熱し、3h撹拌した。出発物質の完全な消費がTLCによって示された後、反応混合物を100℃まで冷却し、そしてEtOAc(45L)と氷水(5kg)との混合物に注ぎ入れた。混合物をRTで0.5h撹拌した。固体を濾別した。ろ液をNaHCO水溶液で有機層のpH値が7になるまで洗浄し、続いて塩水で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、シリカゲルのパッドを通過させた。ろ液を濃縮し、結果として得られた固体生成物をろ過により回収し、標題の化合物を黄色固体として生成した(1.41kg、収率66.2%)。HPLC純度:98.7%。1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.73 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.53 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.44 (dd, J = 9.8 Hz, 2.1 Hz, 1H), 7.90 (s, 1H)
上記の手順で、標題の化合物の2つのバッチを生成した。1.8kgの6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオンを採用した1つのバッチでは、1.41kgの標題の化合物を得て(収率66%)、1.08kgの6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオンを採用した1つのバッチでは、0.8kgの標題の化合物を得た(収率63%)。
実施例4:6−アミノイソキノリン(4)
Figure 2020503338
6−アミノイソキノリン(4):
1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン(700g、2.88mol、1当量)及び10%Pd/C(45g、6.5%w/w)を、THF(5.5L)中に懸濁させた。窒素/水素サイクルで3回パージした後、反応混合物を45℃で0.6MPの圧力下で約6〜8時間、ニトロ基が完全にアミノ基に還元されるまで水素化した。デスクロリド中間体の部分形成も、TLC及びHPLC分析によって示された。反応器の圧力を解放した後、KCO(1kg)、MeOH(1.5L)、及び追加のPd/C(10%、45g)を反応懸濁液に添加した。窒素/水素サイクルで3回パージした後、反応混合物を45℃で0.6MPの圧力下で反応が完了するまで(2〜3日)水素化した。反応混合物をセライトパッドでろ過し、MeOH(500mL×2)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣(約550g、湿潤)をMeOH(550mL、1体積)中で約0.5hスラリー化し、ろ過して標題の化合物を緑色の固体(380g)として得た。粗6−アミノイソキノリンを、粗6−アミノイソキノリンの別の2つの平行バッチと組み合わせ、一緒に精製した。組み合わせた粗6−アミノイソキノリンのバッチ(緑色の固体)を、THF/MeOH中の活性炭(約10%)で脱色して、6−アミノイソキノリンを灰色の固体として得た(1.05kg、収率85.6%)。HPLC純度:99.1%。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.84 (s, 1H), 8.14 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 9.0 Hz, 1H); 7.33 (d, J = 6 Hz, 1H); 7.03-6.99 (m, 1H); 6.70 (s, 1H); 5.96 (s, 2H)
実施例5:精製プロセス
50Lの反応器に1000gの6−アミノイソキノリンと25Lのメタノールを入れた。混合物を100gの活性炭で処理し、NLT4h撹拌した。活性炭をナイロン又はPTFEフィルタでろ過した。ろ液を真空中で濃縮し、残渣を15Lの5%クエン酸水溶液に部分的に溶解した。得られたpH5の水性混合物を35℃に温め、そして7.5Lずつのジクロロメタンで3回洗浄した。上部水層のpHを3Lの30%水酸化アンモニウムで11に調整し、沈殿した固体をろ過した。一定重量になるまで乾燥させた後、固体を10.8Lの熱エタノールから再結晶化させて、646gの固体を得て、その構造はH NMRによって6−アミノイソキノリンであることが確認された(収率64.6%)。HPLCによる純度:100%。
前述の詳細な説明及び添付の実施例は、単に例示的なものであり、添付の請求項とその均等物によってのみ定義される本発明の範囲に対する限定として解釈されるべきではないことが理解される。
開示の実施形態に対する様々な変更及び変形は、当業者には明らかである。そのような変更及び変形は、これらに限定されないが、本発明の化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成物、組成物、配合物又は使用方法に関するものを含み、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われてもよい。
[付記]
[付記1]
6−アミノイソキノリン
Figure 2020503338

を調製する方法であって、
前記方法は、
1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン
Figure 2020503338

を粗6−アミノイソキノリンへ変換する工程、
前記6−アミノイソキリンを脱色する工程、
前記6−アミノイソキノリンを酸性溶液に溶解させ、溶媒を用いて洗浄する工程、
塩基を用いて抽出する工程、及び、
再結晶化させて、純度約99.9%の6−アミノイソキノリンを得る工程、
を備える、
ことを特徴とする方法。
[付記2]
1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリンを6−アミノイソキノリンへ変換する工程は、金属触媒の存在下で、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリンを水素化することを備える、
ことを特徴とする付記1に記載の方法。
[付記3]
前記金属触媒は、遷移金属を含む、
ことを特徴とする付記2に記載の方法。
[付記4]
前記遷移金属は、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、コバルト及び鉄、並びにそれらの組み合わせ、からなる群から選択される、
ことを特徴とする付記3に記載の方法。
[付記5]
前記金属触媒は、パラジウム炭素である、
ことを特徴とする付記2乃至4のいずれか1つに記載の方法。
[付記6]
6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン
Figure 2020503338

をR−P(O)Cl(ここで、Rはアリール、アルキル又はクロロである)と反応させて、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリンを形成する工程を更に備える、
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1つに記載の方法。
[付記7]
6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオンを、R−P(O)Clと反応させる工程は、少なくとも120℃の温度で加熱することを含む、
ことを特徴とする付記6に記載の方法。
[付記8]
前記Rはアリールである、
ことを特徴とする付記6又は7に記載の方法。
[付記9]
酸の存在下で、2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸
Figure 2020503338

を、尿素と反応させて、6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオンを形成する工程を更に備える、
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれか1つに記載の方法。
[付記10]
2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸を、尿素と反応させる工程は、少なくとも90℃の温度で加熱することを含む、
ことを特徴とする付記9に記載の方法。
[付記11]
前記酸は酢酸である、
ことを特徴とする付記9又は10に記載の方法。
[付記12]
化学式(III)の化合物
Figure 2020503338

(ここでRはアルキルである)を、塩基と反応させて、2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸を形成する工程を更に備える、
ことを特徴とする付記1乃至11のいずれか1つに記載の方法。
[付記13]
前記塩基はアルカリ金属水酸化物、又はアルカリ土類金属水酸化物である、
ことを特徴とする付記12に記載の方法。
[付記14]
前記塩基はアルカリ金属水酸化物である、
ことを特徴とする付記12又は13に記載の方法。
[付記15]
前記塩基は水酸化カリウムである、
ことを特徴とする付記12乃至14のいずれか1つに記載の方法。
[付記16]
化学式(I)の化合物
Figure 2020503338

(ここでXは、ハロゲン又はOSOであり、及びRはアリール、アルキル又はハロアルキルである)を、
化合物(II)の化合物
Figure 2020503338

(ここでRはアルキルである)と反応させて、前記化学式(III)の化合物を形成する工程を更に備える、
ことを特徴とする付記12乃至15のいずれか1つに記載の方法。
[付記17]
前記化学式(I)の化合物を、前記化学式(II)の化合物と反応させる工程は、
塩基、触媒、及び溶媒を加えることを含む、
ことを特徴とする付記16に記載の方法。
[付記18]
前記塩基は金属アルコキシドである、
ことを特徴とする付記17に記載の方法。
[付記19]
前記触媒は銅を含む、
ことを特徴とする付記17又は18に記載の方法。
[付記20]
前記溶媒はエタノールである、
ことを特徴とする付記17乃至19のいずれか1つに記載の方法。
[付記21]
少なくとも60℃の温度で加熱する工程を更に備える、
ことを特徴とする付記16乃至20のいずれか1つに記載の方法。
[付記22]
RはC−Cアルキルである、
ことを特徴とする付記12乃至21のいずれか1つに記載の方法。
[付記23]
Rはエチルである、
ことを特徴とする付記12乃至22のいずれか1つに記載の方法。
[付記24]
Xはハロゲンである、
ことを特徴とする付記16乃至23のいずれか1つに記載の方法。
[付記25]
XはClである、
ことを特徴とする付記16乃至24のいずれか1つに記載の方法。
[付記26]
前記6−アミノイソキノリンは、活性炭を用いて脱色される、
ことを特徴とする付記1乃至25のいずれか1つに記載の方法。
[付記27]
前記粗6−アミノイソキノリンは、メタノールを用いてろ過される、
ことを特徴とする付記1乃至26のいずれか1つに記載の方法。
[付記28]
前記酸はクエン酸である、
ことを特徴とする付記1乃至27のいずれか1つに記載の方法。
[付記29]
前記塩基は、濃縮水酸化アンモニウム、10%水酸化カリウム水溶液、10%炭酸カリウム水溶液である、
ことを特徴とする付記1乃至28のいずれか1つに記載の方法。
[付記30]
前記6−アミノイソキノリンは、エタノールを用いて再結晶化される、
ことを特徴とする付記1乃至29のいずれか1つに記載の方法。
[付記31]
前記6−アミノイソキノリンは、少なくとも約99.9%の純度である、
ことを特徴とする付記1乃至30のいずれか1つに記載の方法。
[付記32]
前記6−アミノイソキノリンは、高分子量不純物、ニトロソ及びニトロ含有不純物、並びに塩素化不純物を実質的に含まない、
ことを特徴とする付記31に記載の方法。
[付記33]
6−アミノイソキノリン
Figure 2020503338

を調製する方法であって、
前記方法は、
(a)2−クロロ−4−ニトロ安息香酸
Figure 2020503338

を、マロン酸ジエチルと反応させて、2−(1,3−ジエトキシ−1,3−ジオキソプロパン−2−イル)−4−ニトロ安息香酸
Figure 2020503338

を形成する工程、
(b)2−(1,3−ジエトキシ−1,3−ジオキソプロパン−2−イル)−4−ニトロ安息香酸を、塩基と反応させて、2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸
Figure 2020503338

を形成する工程、
(c)2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸を尿素と反応させて、6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン
Figure 2020503338

を形成する工程、
(d)6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオンを、R−P(O)Cl(ここでRはアリールである)と反応させて、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン
Figure 2020503338

を形成する工程、及び、
(e)1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリンを6−アミノイソキノリンへ変換する工程、
(f)前記6−アミノイソキノリンを脱色する工程、
(g)前記6−アミノイソキノリンを酸性溶液に溶解させ、溶媒で洗浄する工程、
(h)塩基で抽出する工程、
(i)再結晶化させて、純度99.9%の6−アミノイソキノリンを得る工程、
を備える、
ことを特徴とする方法。
[付記34]
1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン、及び1,3−ジクロロイソキノリン−6−アミンからなる群から選択される化合物。

Claims (34)

  1. 6−アミノイソキノリン
    Figure 2020503338

    を調製する方法であって、
    前記方法は、
    1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン
    Figure 2020503338

    を粗6−アミノイソキノリンへ変換する工程、
    前記6−アミノイソキリンを脱色する工程、
    前記6−アミノイソキノリンを酸性溶液に溶解させ、溶媒を用いて洗浄する工程、
    塩基を用いて抽出する工程、及び、
    再結晶化させて、純度約99.9%の6−アミノイソキノリンを得る工程、
    を備える、
    ことを特徴とする方法。
  2. 1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリンを6−アミノイソキノリンへ変換する工程は、金属触媒の存在下で、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリンを水素化することを備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記金属触媒は、遷移金属を含む、
    ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記遷移金属は、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、コバルト及び鉄、並びにそれらの組み合わせ、からなる群から選択される、
    ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記金属触媒は、パラジウム炭素である、
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン
    Figure 2020503338

    をR−P(O)Cl(ここで、Rはアリール、アルキル又はクロロである)と反応させて、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリンを形成する工程を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオンを、R−P(O)Clと反応させる工程は、少なくとも120℃の温度で加熱することを含む、
    ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記Rはアリールである、
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の方法。
  9. 酸の存在下で、2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸
    Figure 2020503338

    を、尿素と反応させて、6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオンを形成する工程を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸を、尿素と反応させる工程は、少なくとも90℃の温度で加熱することを含む、
    ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記酸は酢酸である、
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の方法。
  12. 化学式(III)の化合物
    Figure 2020503338

    (ここでRはアルキルである)を、塩基と反応させて、2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸を形成する工程を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記塩基はアルカリ金属水酸化物、又はアルカリ土類金属水酸化物である、
    ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記塩基はアルカリ金属水酸化物である、
    ことを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
  15. 前記塩基は水酸化カリウムである、
    ことを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 化学式(I)の化合物
    Figure 2020503338

    (ここでXは、ハロゲン又はOSOであり、及びRはアリール、アルキル又はハロアルキルである)を、
    化合物(II)の化合物
    Figure 2020503338

    (ここでRはアルキルである)と反応させて、前記化学式(III)の化合物を形成する工程を更に備える、
    ことを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記化学式(I)の化合物を、前記化学式(II)の化合物と反応させる工程は、
    塩基、触媒、及び溶媒を加えることを含む、
    ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 前記塩基は金属アルコキシドである、
    ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 前記触媒は銅を含む、
    ことを特徴とする請求項17又は18に記載の方法。
  20. 前記溶媒はエタノールである、
    ことを特徴とする請求項17乃至19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 少なくとも60℃の温度で加熱する工程を更に備える、
    ことを特徴とする請求項16乃至20のいずれか1項に記載の方法。
  22. RはC−Cアルキルである、
    ことを特徴とする請求項12乃至21のいずれか1項に記載の方法。
  23. Rはエチルである、
    ことを特徴とする請求項12乃至22のいずれか1項に記載の方法。
  24. Xはハロゲンである、
    ことを特徴とする請求項16乃至23のいずれか1項に記載の方法。
  25. XはClである、
    ことを特徴とする請求項16乃至24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記6−アミノイソキノリンは、活性炭を用いて脱色される、
    ことを特徴とする請求項1乃至25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記粗6−アミノイソキノリンは、メタノールを用いてろ過される、
    ことを特徴とする請求項1乃至26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記酸はクエン酸である、
    ことを特徴とする請求項1乃至27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記塩基は、濃縮水酸化アンモニウム、10%水酸化カリウム水溶液、10%炭酸カリウム水溶液である、
    ことを特徴とする請求項1乃至28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記6−アミノイソキノリンは、エタノールを用いて再結晶化される、
    ことを特徴とする請求項1乃至29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記6−アミノイソキノリンは、少なくとも約99.9%の純度である、
    ことを特徴とする請求項1乃至30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記6−アミノイソキノリンは、高分子量不純物、ニトロソ及びニトロ含有不純物、並びに塩素化不純物を実質的に含まない、
    ことを特徴とする請求項31に記載の方法。
  33. 6−アミノイソキノリン
    Figure 2020503338

    を調製する方法であって、
    前記方法は、
    (a)2−クロロ−4−ニトロ安息香酸
    Figure 2020503338

    を、マロン酸ジエチルと反応させて、2−(1,3−ジエトキシ−1,3−ジオキソプロパン−2−イル)−4−ニトロ安息香酸
    Figure 2020503338

    を形成する工程、
    (b)2−(1,3−ジエトキシ−1,3−ジオキソプロパン−2−イル)−4−ニトロ安息香酸を、塩基と反応させて、2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸
    Figure 2020503338

    を形成する工程、
    (c)2−(カルボキシメチル)−4−ニトロ安息香酸を尿素と反応させて、6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオン
    Figure 2020503338

    を形成する工程、
    (d)6−ニトロイソキノリン−1,3(2H,4H)−ジオンを、R−P(O)Cl(ここでRはアリールである)と反応させて、1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン
    Figure 2020503338

    を形成する工程、及び、
    (e)1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリンを6−アミノイソキノリンへ変換する工程、
    (f)前記6−アミノイソキノリンを脱色する工程、
    (g)前記6−アミノイソキノリンを酸性溶液に溶解させ、溶媒で洗浄する工程、
    (h)塩基で抽出する工程、
    (i)再結晶化させて、純度99.9%の6−アミノイソキノリンを得る工程、
    を備える、
    ことを特徴とする方法。
  34. 1,3−ジクロロ−6−ニトロイソキノリン、及び1,3−ジクロロイソキノリン−6−アミンからなる群から選択される化合物。
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